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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(54)【発明の名称】回分式反応装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/18 20060101AFI20231221BHJP
   B01F 23/233 20220101ALI20231221BHJP
   B01F 23/231 20220101ALI20231221BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20231221BHJP
   B01F 27/072 20220101ALI20231221BHJP
   B01F 27/112 20220101ALI20231221BHJP
   B01F 27/191 20220101ALI20231221BHJP
   B01F 27/192 20220101ALI20231221BHJP
   B01F 27/90 20220101ALI20231221BHJP
   B01F 27/86 20220101ALI20231221BHJP
   B01F 35/53 20220101ALI20231221BHJP
   B01J 10/00 20060101ALI20231221BHJP
   B01J 19/00 20060101ALI20231221BHJP
   C07C 263/10 20060101ALI20231221BHJP
   C07C 265/14 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B01J19/18
B01F23/233
B01F23/231
B01F35/71
B01F27/072
B01F27/112
B01F27/191
B01F27/192
B01F27/90
B01F27/86
B01F35/53
B01J10/00 104
B01J19/00 N
C07C263/10
C07C265/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537396
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 KR2021019346
(87)【国際公開番号】W WO2022131877
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】10-2020-0178880
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0178881
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0178882
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0178883
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501014658
【氏名又は名称】ハンワ ソリューションズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】HANWHA SOLUTIONS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヒェ・ウォン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン・チョル・リュ
(72)【発明者】
【氏名】キド・ハン
【テーマコード(参考)】
4G035
4G037
4G075
4G078
4H006
【Fターム(参考)】
4G035AB07
4G035AB10
4G035AB46
4G035AE13
4G035AE17
4G037AA01
4G037EA04
4G075AA03
4G075AA35
4G075BA10
4G075BB05
4G075BD02
4G075BD05
4G075BD09
4G075BD27
4G075DA01
4G075EA01
4G075EC06
4G075EC09
4G075EC11
4G075ED02
4G075ED08
4G075FA02
4G075FA14
4G075FB04
4G078AA03
4G078AB05
4G078BA05
4G078BA09
4G078CA08
4G078DA01
4G078DA28
4H006AA02
4H006AA04
4H006AC55
4H006BD81
4H006BE52
(57)【要約】
本発明の一実施例に係る回分式反応装置は、液体状の溶媒を収容する反応器、前記反応器内に気体状の原料を供給するスパージャー、および前記反応器に高さ方向に設置される回転軸にインペラーを備えて溶媒と原料を攪拌する攪拌機を含み、前記インペラーは、ラジアルタイプインペラーとアキシアルタイプインペラーを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体状の溶媒を収容する反応器;
前記反応器内に気体状の原料を供給するスパージャー;および
前記反応器に高さ方向に設置される回転軸にインペラーを備えて溶媒と原料を攪拌する攪拌機
を含み、
前記インペラーは、
ラジアルタイプインペラーとアキシアルタイプインペラーを含む、回分式反応装置。
【請求項2】
前記ラジアルタイプインペラーは、
前記回転軸の下端に一つの段で備えられ、
前記アキシアルタイプインペラーは、
前記ラジアルタイプインペラーの上側で前記回転軸に一つ以上の段で備えられる、請求項1に記載の回分式反応装置。
【請求項3】
前記アキシアルタイプインペラーは、
前記回転軸の下端に一つの段で備えられ、
前記ラジアルタイプインペラーは、
前記アキシアルタイプインペラーの上側で前記回転軸に一つ以上の段で備えられる、請求項1に記載の回分式反応装置。
【請求項4】
前記反応器は、
前記回転軸と並んで配置され、内側面に設置されるバッフルを含む、請求項1に記載の回分式反応装置。
【請求項5】
前記バッフルは、
板状または棒状を含む、請求項4に記載の回分式反応装置。
【請求項6】
前記原料は塩化水素である、請求項1に記載の回分式反応装置。
【請求項7】
前記原料である塩化水素を供給してキシリレンジイソシアネートを製造する、請求項1に記載の回分式反応装置。
【請求項8】
液体状の溶媒を収容する反応器;
前記反応器内に高さ方向に設置される回転軸にインペラーを備えて回転する攪拌機;および
前記反応器内の溶媒に気体状の原料である塩化水素を供給してキシリレンジイソシアネートを製造するように前記攪拌機の作動で原料を溶媒に分配されるようにするスパージャー;
を含み、
前記スパージャーは、
前記攪拌機の軸方向および前記反応器の円周方向の少なくとも一方向に気体状の原料を供給する、回分式反応装置。
【請求項9】
前記スパージャーは、
前記攪拌機の円周方向に沿って複数で備えられ、設定された間隔で前記反応器の側壁部に設置される、請求項8に記載の回分式反応装置。
【請求項10】
前記スパージャーは、
その長さ方向が前記攪拌機の軸方向に交差する方向に前記反応器に設置されるパイプ、および
前記パイプの端部に備えられ、前記インペラーに向けて気体状の原料を気泡状態で供給する気泡形成部を含む、請求項8に記載の回分式反応装置。
【請求項11】
前記スパージャーは、
前記反応器の下端で一つで備えられ、前記反応器の側壁部に設置される、請求項8に記載の回分式反応装置。
【請求項12】
前記スパージャーは、
その長さ方向が前記反応器の直径方向に前記反応器に設置されるパイプ、および
前記パイプの端部に備えられ、前記インペラーの下方に向けて気体状の原料を気泡状態で供給する気泡形成部を含む、請求項11に記載の回分式反応装置。
【請求項13】
前記スパージャーは、
前記攪拌機の下側に円形で備えられるリング、および
前記リングの上側に備えられ、前記インペラーの下方に向けて気体状の原料を気泡状態で供給する気泡形成部を含む、請求項8に記載の回分式反応装置。
【請求項14】
前記スパージャーは、
前記インペラーに向けて気体状の原料を気泡状態で供給する焼結多孔型で形成される、請求項8に記載の回分式反応装置。
【請求項15】
前記インペラーは、
下段にラジアルタイプインペラーまたはアキシアルタイプインペラーを設置し、
その上に同じまたは異なるタイプのインペラーを一つまたは複数で備える、請求項8に記載の回分式反応装置。
【請求項16】
スラリー状のアミン塩を収容する反応器;
前記反応器内に気体状の原料であるホスゲンを供給するスパージャー;および
前記反応器に高さ方向に設置される回転軸にインペラーを備えてアミン塩とホスゲンを攪拌してキシリレンジイソシアネートを製造する攪拌機
を含み、
前記インペラーは、
前記回転軸に複数の段で配置される、回分式反応装置。
【請求項17】
前記インペラーは、
前記ラジアルタイプインペラーと前記アキシアルタイプインペラーの少なくとも一つで形成される、請求項16に記載の回分式反応装置。
【請求項18】
前記インペラーは、
前記回転軸の下端に一つの段で備えられるラジアルタイプインペラー、および
前記ラジアルタイプインペラーの上側で前記回転軸に少なくとも二つの段で備えられるアキシアルタイプインペラーを含む、請求項16に記載の回分式反応装置。
【請求項19】
前記インペラーは、
前記回転軸の下端に一つの段で備えられるラジアルタイプインペラー、および
前記ラジアルタイプインペラーの上側で前記回転軸に一つの段で備えられるアキシアルタイプインペラーを含む、請求項16に記載の回分式反応装置。
【請求項20】
前記スパージャーは、
前記攪拌機の軸方向および前記反応器の円周方向に気体状の原料を供給するように設置される、請求項16に記載の回分式反応装置。
【請求項21】
前記スパージャーは、
その長さ方向が前記攪拌機の軸方向に交差する方向に前記反応器の側壁部に設置されるパイプ、および
前記パイプの端部に複数の噴射口で備えられ、前記インペラーに向けて気体状の原料を気泡状態で供給する気泡形成部を含む、請求項20に記載の回分式反応装置。
【請求項22】
スラリー状のアミン塩を収容する反応器;
前記反応器内に高さ方向に設置される回転軸にインペラーを備えて回転する攪拌機;および
前記反応器内のアミン塩に気体状の原料を供給して前記攪拌機の作動で原料をアミン塩に分配されるようにするスパージャー
を含み、
前記スパージャーは、
前記攪拌機の軸方向および前記反応器の円周方向のうち一方向に沿って複数で備えられ、気体状の原料を供給する、回分式反応装置。
【請求項23】
前記スパージャーは、
前記攪拌機の軸方向に沿って設定された間隔で前記反応器の側壁部に設置される、請求項22に記載の回分式反応装置。
【請求項24】
前記スパージャーは、
その長さ方向が前記攪拌機の軸方向に交差する方向に前記反応器に設置されるパイプ、および
前記パイプの端部に備えられ、前記インペラーに向けて気体状の原料を気泡状態で供給する気泡形成部を含む、請求項22に記載の回分式反応装置。
【請求項25】
前記スパージャーは、
前記回転軸内に貫通形成される誘導路、および
前記回転軸を貫いて前記誘導路に連結されて気体状の原料を気泡状態で供給する気泡形成部を含む、請求項22に記載の回分式反応装置。
【請求項26】
前記インペラーは、
前記回転軸に複数の段で備えられ、
前記気泡形成部は、
前記インペラーのそれぞれの下側に備えられる、請求項25に記載の回分式反応装置。
【請求項27】
前記スパージャーは、
前記反応器の下端で前記反応器の円周方向に沿って設定された間隔で前記反応器の側壁部に設置される、請求項22に記載の回分式反応装置。
【請求項28】
前記スパージャーは、
その長さ方向が前記反応器の直径方向に前記反応器に設置されるパイプ、および
前記パイプの端部に備えられ、前記インペラーの下方に向けて気体状の原料を気泡状態で供給する気泡形成部を含む、請求項27に記載の回分式反応装置。
【請求項29】
前記原料であるホスゲン(phosgene)を供給してキシリレンジイソシアネートを製造する、請求項22に記載の回分式反応装置。
【請求項30】
前記スパージャーは、
その長さ方向が前記攪拌機の軸方向に交差する方向に前記反応器に設置され、前記インペラーに向けて気体状の原料を気泡状態で供給する焼結多孔型からなる、請求項27に記載の回分式反応装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年12月18日付の韓国特許出願第10-2020-0178880号、第10-2020-0178881号、第10-2020-0178882号、第10-2020-0178883号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、回分式反応装置に関する。
【背景技術】
【0003】
キシリレンジイソシアネート(Xylylene Diisocyanate)の製造工程のうち造塩反応溶媒に気体状の原料を注入してインペラー(Impeller)で混合する回分式反応装置(Batch Reactor)が使用できる。
【0004】
このように造塩反応は、溶媒の存在下で進行される。造塩反応の生成物であるアミン塩は、その直径が数~数十umレベルの粒子形態であるため、反応が進行されながら溶媒に分散して、スラリー形態に変わることになる。
【0005】
一般的に、このような互いに異なる相が存在する不均一反応では、反応物間の混合が大変重要である。一例として、気体状の塩化水素を液体状の溶媒に効果的に分散させて、速く溶解させるために、気体を小さい気泡形態で液体状に吹き込んで、気体と液体間の接触面積を増加させる方法が試みられている。
【0006】
他の一例として、キシリレンジイソシアネート(Xylylene Diisocyanate)の製造工程の総2段階のうち、2回目のホスゲン(phosgene)化反応のために、スラリー状のアミン塩に気体状のホスゲンを注入してインペラー(Impeller)で混合する回分式反応装置(Batch Reactor)が使用され得る。
【0007】
この時、反応器に注入されるホスゲンをスラリー状態のアミン塩に効果的に分配して一定時間内に気体捕集率(gas holdup)を確保しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一側面は、気体状の塩化水素を利用した脂肪族イソシアネートの反応時、反応性を向上させる回分式反応装置を提供することである。
【0009】
また、気体状の塩化水素を利用した脂肪族イソシアネートの反応時、反応物の混合性能を向上させる回分式反応装置を提供することである。
【0010】
また、気体状の塩化水素を利用した脂肪族イソシアネートの反応時、溶媒に対する塩化水素の分配性能を向上させる回分式反応装置を提供することである。
【0011】
また、気体状のホスゲンを利用した脂肪族イソシアネートの反応時、ホスゲン化反応性を向上させる回分式反応装置を提供することである。
【0012】
また、気体状のホスゲンを利用した脂肪族イソシアネートの反応時、スラリー状のアミン塩に対するホスゲンの混合性能を向上させる回分式反応装置を提供することである。
【0013】
また、気体状のホスゲンを利用した脂肪族イソシアネートの反応時、スラリー状のアミン塩に対するホスゲンの分配性能を向上させる回分式反応装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施例に係る回分式反応装置は、液体状の溶媒を収容する反応器、前記反応器内に気体状の原料を供給するスパージャー、および前記反応器に高さ方向に設置される回転軸にインペラーを備えて溶媒と原料を攪拌する攪拌機を含み、前記インペラーは、ラジアルタイプインペラーとアキシアルタイプインペラーを含む。
【0015】
前記ラジアルタイプインペラーは、前記回転軸の下端に一つの段で備えられ、前記アキシアルタイプインペラーは、前記ラジアルタイプインペラーの上側で前記回転軸に一個以上の段で備えられてもよい。
【0016】
前記アキシアルタイプインペラーは、前記回転軸の下端に一つの段で備えられ、前記ラジアルタイプインペラーは、前記アキシアルタイプインペラーの上側で前記回転軸に一個以上の段で備えられてもよい。
【0017】
前記反応器は、前記回転軸と並んで配置され、内側面に設置されるバッフル(baffle)を含むことができる。前記バッフルは、板状または棒状を含むことができる。
【0018】
前記原料は塩化水素でありうる。
【0019】
本発明の一実施例に係る回分式反応装置は、前記原料である塩化水素を供給してキシリレンジイソシアネートを製造することができる。
【0020】
一方、本発明の一実施例に係る回分式反応装置は、液体状の溶媒を収容する反応器、前記反応器内に高さ方向に設置される回転軸にインペラーを備えて回転する攪拌機、および前記反応器内の溶媒に気体状の原料である塩化水素を供給してキシリレンジイソシアネートを製造するように、前記攪拌機の作動で原料を溶媒に分配されるようにするスパージャーを含み、前記スパージャーは、前記攪拌機の軸方向および前記反応器の円周方向の少なくとも一方向に気体状の原料を供給する。
【0021】
前記スパージャーは、前記攪拌機の円周方向に沿って複数で備えられ、設定された間隔で前記反応器の側壁部に設置されてもよい。
【0022】
前記スパージャーは、その長さ方向が前記攪拌機の軸方向に交差する方向に前記反応器に設置されるパイプ、および前記パイプの端部に備えられ、前記インペラーに向けて気体状の原料を気泡状態で供給する気泡形成部を含むことができる。
【0023】
前記スパージャーは、前記反応器の下端で一つで備えられ、前記反応器の側壁部に設置されてもよい。
【0024】
前記スパージャーは、その長さ方向が前記反応器の直径方向に前記反応器に設置されるパイプ、および前記パイプの端部に備えられ、前記インペラーの下方に向けて気体状の原料を気泡状態で供給する気泡形成部を含むことができる。
【0025】
前記スパージャーは、前記攪拌機の下側に円形で備えられるリング、および前記リングの上側に備えられ、前記インペラーの下方に向けて気体状の原料を気泡状態で供給する気泡形成部を含むことができる。
【0026】
前記スパージャーは、その長さ方向が前記攪拌機の軸方向に交差する方向に前記反応器に設置され、前記インペラーに向けて気体状の原料を気泡状態で供給する焼結多孔型で形成されてもよい。
【0027】
前記インペラーは、下段にラジアルタイプインペラーまたはアキシアルタイプインペラーを設置し、その上に同じまたは異なるタイプのインペラーを一つまたは複数で備えることができる。
【0028】
一方、本発明の一実施例に係る回分式反応装置は、スラリー状のアミン塩を収容する反応器、前記反応器内に気体状の原料であるホスゲンを供給するスパージャー、および前記反応器に高さ方向に設置される回転軸にインペラーを備えてアミン塩とホスゲンを攪拌してキシリレンジイソシアネートを製造する攪拌機を含み、前記インペラーは、前記回転軸に複数の段で配置される。
【0029】
前記インペラーは、前記ラジアルタイプインペラーと前記アキシアルタイプインペラーの少なくとも一つで形成されてもよい。
【0030】
前記インペラーは、前記回転軸の下端に一つの段で備えられるラジアルタイプインペラー、および前記ラジアルタイプインペラーの上側で前記回転軸に少なくとも二段で備えられるアキシアルタイプインペラーを含むことができる。
【0031】
前記インペラーは、前記回転軸の下端に一つの段で備えられるラジアルタイプインペラー、および前記ラジアルタイプインペラーの上側で前記回転軸に一つの段で備えられるアキシアルタイプインペラーを含むことができる。
【0032】
前記スパージャーは、前記攪拌機の軸方向および前記反応器の円周方向に気体状の原料を供給するように設置されてもよい。
【0033】
前記スパージャーは、その長さ方向が前記攪拌機の軸方向に交差する方向に前記反応器の側壁部に設置されるパイプ、および前記パイプの端部に複数の噴射口で備えられ、前記インペラーに向けて気体状の原料を気泡状態で供給する気泡形成部を含むことができる。
【0034】
一方、本発明の一実施例に係る回分式反応装置は、スラリー状のアミン塩を収容する反応器、前記反応器内に高さ方向に設置される回転軸にインペラーを備えて回転する攪拌機、および前記反応器内のアミン塩に気体状の原料を供給して前記攪拌機の作動で原料をアミン塩に分配されるようにするスパージャーを含み、前記スパージャーは、前記攪拌機の軸方向および前記反応器の円周方向のうち一方向に沿って複数で備えられて気体状の原料を供給する。
【0035】
前記スパージャーは、前記攪拌機の軸方向に沿って設定された間隔で前記反応器の側壁部に設置されてもよい。
【0036】
前記スパージャーは、その長さ方向が前記攪拌機の軸方向に交差する方向に前記反応器に設置されるパイプ、および前記パイプの端部に備えられ、前記インペラーに向けて気体状の原料を気泡状態で供給する気泡形成部を含むことができる。
【0037】
前記スパージャーは、前記回転軸内に貫通形成される誘導路、および前記回転軸を貫いて前記誘導路に連結されて気体状の原料を気泡状態で供給する気泡形成部を含むことができる。
【0038】
前記インペラーは、前記回転軸に複数の段で備えられ、前記気泡形成部は、前記インペラーのそれぞれの下側に備えられてもよい。
【0039】
前記スパージャーは、前記反応器の下端で前記反応器の円周方向に沿って設定された間隔で前記反応器の側壁部に設置されてもよい。
【0040】
前記スパージャーは、その長さ方向が前記反応器の直径方向に前記反応器に設置されるパイプ、および前記パイプの端部に備えられ、前記インペラーの下方に向けて気体状の原料を気泡状態で供給する気泡形成部を含むことができる。
【0041】
本発明の一実施例に係る回分式反応装置は、前記原料であるホスゲン(phosgene)を供給してキシリレンジイソシアネートを製造することができる。
【0042】
前記スパージャーは、その長さ方向が前記攪拌機の軸方向に交差する方向に前記反応器に設置され、前記インペラーに向けて気体状の原料を気泡状態で供給する焼結多孔型ならなる。
【発明の効果】
【0043】
一実施例の回分式反応装置は、攪拌機の回転軸にラジアルタイプインペラーおよびアキシアルタイプインペラーを備えるので、気体状の塩化水素を利用した脂肪族イソシアネートの反応時、溶媒と塩化水素の混合性能、即ち気体捕集率(gas holdup)を向上させることができる。従って、塩化水素を利用した脂肪族イソシアネートの反応性が向上することができる。
【0044】
また、一実施例の回分式反応装置は、スパージャーを攪拌機の軸方向または反応器の円周方向に気体状の原料を供給し、攪拌機の作動によって原料を溶媒に分配されるようにするので、気体状の塩化水素を利用した脂肪族イソシアネートの反応時、溶媒に対する塩化水素の分配性能、即ち気体捕集率(gas holdup)を向上させることができる。従って、塩化水素を利用した脂肪族イソシアネートの反応性が向上することができる。
【0045】
また、一実施例の回分式反応装置は、攪拌機の回転軸にインペラーを複数で備えるので、気体状のホスゲンを利用した脂肪族イソシアネートの反応時、スラリー状のアミン塩に対するホスゲンの混合性能、即ち気体捕集率(gas holdup)を向上させることができる。従って、ホスゲン化反応性が向上した脂肪族イソシアネートを製造することができる。
【0046】
また、一実施例の回分式反応装置は、スパージャーを攪拌機の軸方向または反応器の円周方向に沿って複数で備えられて気体状の原料を供給するので、スラリー状のアミン塩に対する原料の分配性能、即ち気体捕集率(gas holdup)を向上させることができる。
【0047】
一実施例の回分式反応装置は、スパージャーを攪拌機の軸方向または反応器の円周方向に沿って複数で備えられ気体状のホスゲンをインペラー側に供給するので、スラリー状のアミン塩にホスゲンの分配性能、即ち気体捕集率(gas holdup)を向上させることができる。従って、ホスゲンを利用した脂肪族イソシアネートの反応性が向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明の第1-1実施例に係る回分式反応装置の断面図である。
図2】本発明の第1-2実施例に係る回分式反応装置の断面図である。
図3】比較例1-1に係る回分式反応装置の断面図である。
図4】比較例1-2に係る回分式反応装置の断面図である。
図5】本発明の第1-3実施例に係る回分式反応装置の断面図である。
図6】本発明の第1-4実施例に係る回分式反応装置の断面図である。
図7】本発明の第1-5実施例に係る回分式反応装置の断面図である。
図8】本発明の第2-1実施例に係る回分式反応装置の断面図である。
図9】本発明の第2-2実施例に係る回分式反応装置の断面図である。
図10】本発明の第2-3実施例に係る回分式反応装置の断面図である。
図11】比較例2に係る回分式反応装置の断面図である。
図12】本発明の第2-4実施例に係る回分式反応装置の断面図である。
図13】本発明の第3-1実施例に係る回分式反応装置の断面図である。
図14】本発明の第3-2実施例に係る回分式反応装置の断面図である。
図15】比較例3に係る回分式反応装置の断面図である。
図16】本発明の第4-1実施例に係る回分式反応装置の断面図である。
図17】本発明の第4-2実施例に係る回分式反応装置の断面図である。
図18】本発明の第4-3実施例に係る回分式反応装置の断面図である。
図19】比較例4に係る回分式反応装置の断面図である。
図20】本発明の第4-4実施例に係る回分式反応装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例について本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実施することができ、ここで説明する実施例に限定されない。図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて同一または類似の構成要素については同じ参照符号を付けた。
【0050】
以下、本発明の第1実施例を説明する。
【0051】
図1は、本発明の第1-1実施例に係る回分式反応装置の断面図である。図1を参照すると、第1-1実施例の回分式反応装置1100は、液体状の溶媒1101を収容する反応器110、反応器110内に気体状の原料1102を供給するスパージャー(sparger)120、および攪拌機130を含む。
【0052】
例えば、反応器110は、円筒形の側壁部111と側壁部111の下側と上側をそれそれ形成して反応空間を形成する底部112と蓋部113を含む。底部112と蓋部113は、下側と上側にふくらむ曲面で形成されて液体状の溶媒1101と気体状の原料1102が流動されて効果的に混合できるようにする。
【0053】
スパージャー120は、反応器110の底部112から上側に離れて攪拌機130の下部に設置され、攪拌機130の下部から気体状の原料を噴射供給することができるように複数の噴射口121を備える。
【0054】
スパージャー120は、攪拌機130の下部で折り曲げられて攪拌機130の回転範囲に対応して複数の噴射口121を備える。スパージャー120で複数の噴射口121は、気体状の原料1102の塩化水素(HCl)を液体状の溶媒1101内に均一な噴射を可能にする。
【0055】
攪拌機130は、反応器110に高さ方向に設置される回転軸131と、回転軸131に備えられ、溶媒1101と原料1102を攪拌するインペラー132を含む。回転軸131は、反応器110の蓋部113に回転可能に設置され、下端に底部112に向けており、外部に備えられる駆動モーター(図示せず)で駆動することができる。
【0056】
インペラー132は、ラジアル(radial)タイプインペラー1321とアキシアル(axial)タイプインペラー1322を含む。ラジアルタイプインペラー1321は、回転軸131に垂直な横方向に流動を生成して液体状の溶媒1101内で供給される気体状の原料1102を破砕および分散させる。アキシアルタイプインペラー1322は、回転軸131と同じ軸方向に流動を生成して液体状の溶媒1101内で供給される気体状の原料1102を粉砕および分散させる。
【0057】
第1-1実施例において、ラジアルタイプインペラー1321は、回転軸131の下端に一つの段で備えられ、アキシアルタイプインペラー1322は、ラジアルタイプインペラー1321の上側で回転軸131に一つの段またはそれ以上で備えられてもよい。即ち第1段にラジアルタイプインペラー1321が設置され、第2段にアキシアルタイプインペラー1322が設置される。図示しなかったが、アキシアルタイプインペラー1322は、回転軸131および反応器110の高さに応じて一つ以上のより多くの段数で設置されてもよい。
【0058】
ラジアルタイプインペラー1321は、スパージャー120の噴射口121から噴射される気体状の原料1102の上方で回転駆動されて、溶媒1101を横方向に流動させる。従ってスパージャー120の噴射口121で噴射される気体状の原料1102は、溶媒1101の横方向の流動によって横方向に流動しながら溶媒1101に混合される。
【0059】
アキシアルタイプインペラー1322は、ラジアルタイプインペラー1321の上方で駆動されて溶媒1101を軸方向に流動させる。従って部分的に混合された気体状の原料1102と気体状の原料1102は、溶媒1101の軸方向の流動によって軸方向に流動しながら溶媒1101にさらに混合される。
【0060】
溶媒1101に原料1102を混合して造塩反応が進行されながらアミン塩が生成される。生成物であるアミン塩は数~数十umの直径を有する粒子形態であるため、反応が進行されながら溶媒に分散するスラリー形態に変化する。
【0061】
このように、ラジアルタイプインペラー1321とアキシアルタイプインペラー1322の混合使用は、溶媒1101に気体状の原料1102を噴射して混合する時、気体捕集率(gas holdup)を上昇させる。従って反応器110内での反応速度が上昇することができる。結論的に、溶媒1101に原料1102を混合してスラリーをを生成する反応で、均一な生成物をより短い時間で生産して、生産性を高め、生成物の品質の安定性を向上させることができる。
【0062】
一方、反応器110は、回転軸131と並んで配置され、側壁部111の内面、即ち内側面に設置されるバッフル140をさらに含む。例えば、バッフル140は、設定された幅と高さを有する板状に形成されてもよく、設定された直径と長さを有する棒状に形成されてもよい。
【0063】
バッフル140は、インペラー132駆動時、流動する溶媒1101に渦流を発生させて溶媒1101と原料1102を反応器110の高さ方向全体領域でより均一な混合を可能にする。
【0064】
バッフル140は、反応器110の内部に円周方向に沿って複数で備えられ、円周方向で渦流を繰り返し形成して溶媒1101と原料1102を円周方向全体領域でより均一な混合を可能にする。
【0065】
また、バッフル140は、ラジアルタイプインペラー1321とアキシアルタイプインペラー1322の回転駆動によって発生する渦流領域に備えられて溶媒1101と原料1102の混合に直接的に作用することができる。
【0066】
ラジアルタイプインペラー1321、アキシアルタイプインペラー1322およびバッフル140の使用は、溶媒1101に気体状の原料1102を噴射して混合する時、気体捕集率(gas holdup)をさらに上昇させることができる。従って反応器110内での反応速度がさらに上昇することができる。
【0067】
本発明の第1-1実施例に係る回分式反応装置1100は、気体状と液体状間の反応に使用され、気体状の原料1102である塩化水素を液体状の溶媒1101に供給してキシリレンジイソシアネートを製造する工程に使用することができる。
【0068】
以下、本実施例の様々な変形例および比較例について説明する。第1-1実施例と同じ構成に関する説明は省略し、互いに異なる構成に関する説明を記載する。
【0069】
図2は、本発明の第1-2実施例に係る回分式反応装置の断面図である。図2を参照すると、第1-2実施例の回分式反応装置1200のインペラー152で、アキシアルタイプインペラー1522は、回転軸151の下端に一つの段で備えられ、ラジアルタイプインペラー1521は、アキシアルタイプインペラー1522の上側で回転軸151に一つの段または2個以上の段で備えられてもよい。即ち第1段にアキシアルタイプインペラー1522が設置され、第2段にラジアルタイプインペラー1521が設置される。図示しなかったが、ラジアルタイプインペラー1521は、回転軸151および反応器110の高さに応じて一つ以上のより多くの段数で設置されてもよい。
【0070】
アキシアルタイプインペラー1522は、スパージャー120の噴射口121で噴射される気体状の原料1102の上方で回転駆動されて、溶媒1101を軸方向に流動させる。従ってスパージャー120の噴射口121で噴射される気体状の原料1102は、溶媒1101の軸方向の流動によって軸方向に流動しながら溶媒1101に混合される。
【0071】
ラジアルタイプインペラー1521は、アキシアルタイプインペラー1522の上方で駆動されて溶媒1101を横方向に流動させる。従って部分的に混合された気体状の原料1102と気体状の原料1102は、溶媒1101の横方向の流動によって横方向に流動しながら溶媒1101にさらに混合される。
【0072】
このように、アキシアルタイプインペラー1522とラジアルタイプインペラー1521の混合使用は、溶媒1101に気体状の原料1102を噴射して混合する時、気体捕集率(gas holdup)を上昇させる。従って反応器110内での反応速度が上昇することができる。結論的に、溶媒1101に原料1102を混合してスラリーをを生成する反応で均一な生成物をより短い時間で生産して、生産性を高め、生成物の品質の安定性を向上させることができる。
【0073】
また、バッフル140は、アキシアルタイプインペラー1522とラジアルタイプインペラー1521の回転駆動によって発生する渦流領域に備えられて溶媒1101と原料1102の混合に直接的に作用することができる。
【0074】
アキシアルタイプインペラー1522、ラジアルタイプインペラー1521およびバッフル140の使用は、溶媒1101に気体状の原料1102を噴射して混合する時、気体捕集率(gas holdup)をさらに上昇させることができる。従って反応器110内での反応速度がさらに上昇することができる。
【0075】
図3は、比較例1-1に係る回分式反応装置の断面図である。図3を参照すると、比較例1-1の回分式反応器1300で、攪拌機160は、回転軸161にラジアルタイプインペラー162を複数で装着している。
【0076】
ラジアルタイプインペラー162は、スパージャー120で噴射される気体状の原料1102の上方で回転駆動されて、溶媒1101を横方向に流動させる。従ってスパージャー120の噴射口121で噴射される気体状の原料1102は、溶媒1101の横方向の流動によって横方向に流動しながら溶媒1101に混合される。
【0077】
2個以上のラジアルタイプインペラー162は、同じように駆動されながら気体状の原料1102を溶媒1101の横方向の流動で溶媒1101に混合させる。第1-1、第1-2実施例と比較すると、比較例1-1は、溶媒1101に対して軸方向に流動を形成し難い。
【0078】
図4は、比較例1-2に係る回分式反応装置の断面図である。図4を参照すると、比較例1-2の回分式反応器1400で、攪拌機170は、回転軸171にアキシアルタイプインペラー172を複数で装着している。
【0079】
アキシアルタイプインペラー172は、スパージャー120で噴射される気体状の原料1102の上方で回転駆動されて、溶媒1101を軸方向に流動させる。従ってスパージャー120の噴射口121で噴射される気体状の原料1102は、溶媒1101の軸方向の流動によって軸方向に流動しながら溶媒1101に混合される。
【0080】
2個以上のアキシアルタイプインペラー172は、同じように駆動されながら気体状の原料1102を溶媒1101の軸方向の流動で溶媒1101に混合させる。第1-1、第1-2実施例と比較すると、比較例1-2は、溶媒1101に対して横方向に流動を形成し難い。
【0081】
図5は、本発明の第1-3実施例に係る回分式反応装置の断面図である。図5を参照すると、第1-3実施例の回分式反応装置1500のインペラー132で、ラジアルタイプインペラー1321は、回転軸131の下端に一つの段で備えられ、アキシアルタイプインペラー1322は、アキシアルタイプインペラー1322の上側で回転軸131に4個の段で備えられている。
【0082】
図6は、本発明の第1-4実施例に係る回分式反応装置の断面図である。図6を参照すると、第1-4実施例の回分式反応装置1600のインペラー152で、アキシアルタイプインペラー1522は、回転軸151の下端に一つの段で備えられ、ラジアルタイプインペラー1521は、アキシアルタイプインペラー1522の上側で回転軸151に4個の段で備えられている。
【0083】
図7は、本発明の第1-5実施例に係る回分式反応装置の断面図である。図7を参照すると、第1-5実施例の回分式反応装置1500のインペラー152で、アキシアルタイプインペラー1522は、回転軸151の下、中、上段に3個の段で備えられ、ラジアルタイプインペラー1521は、アキシアルタイプインペラー1522の段の間に2個の段で備えられている。
【0084】
図示していないが、ラジアルタイプインペラーは、回転軸の下、中、上段に3個の段で備えられ、アキシアルタイプインペラーは、ラジアルタイプインペラーの段の間に2個の段で備えられてもよい。
【0085】
結局、本発明の攪拌機で、インペラーは、下段にラジアルタイプインペラーまたはアキシアルタイプインペラーを設置し、その上に同じまたは異なるタイプのインペラーを一つまたは2以上、即ち複数で備えることができる。また、攪拌機で、インペラーは、ラジアルタイプインペラーとアキシアルタイプインペラーを必要とするn段まで交互に備えてもよい。このような場合に相応する様々な図面は省略する。
【0086】
表1は、第1-1実施例~第1-5実施例と、比較例1-1、比較例1-2に対する気体捕集率を示す。
【0087】
【表1】
【0088】
第1-1実施例
図1の回分式反応装置1100に溶媒1101を入れ、スパージャー120で原料1102の塩化水素を溶媒1101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。第1-1実施例は、一段のラジアルタイプインペラー1321と一段のアキシアルタイプインペラー1322を使用した。攪拌機130は、50~500rpmで回転した。
【0089】
第1-2実施例
図2の回分式反応装置1200に溶媒1101を入れ、スパージャー120で原料1102の塩化水素を溶媒1101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。第2実施例は、一段のアキシアルタイプインペラー1522と一段のラジアルタイプインペラー1521を使用した。攪拌機150は、50~500rpmで回転した。
【0090】
第1-3実施例
図5の回分式反応装置1500に溶媒1101を入れ、スパージャー120で原料1102の塩化水素を溶媒1101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。第1-3実施例は、一段のラジアルタイプインペラー1321と4段のアキシアルタイプインペラー1322を使用した。攪拌機130は、50~500rpmで回転した。
【0091】
第1-4実施例
図6の回分式反応装置1600に溶媒1101を入れ、スパージャー120で原料1102の塩化水素を溶媒1101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。第1-4実施例は、一段のアキシアルタイプインペラー1522と4段のラジアルタイプインペラー1521を使用した。攪拌機150は、50~500rpmで回転した。
【0092】
第1-5実施例
図7の回分式反応装置1700に溶媒1101を入れ、スパージャー120で原料1102の塩化水素を溶媒1101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。第1-5実施例は、3段のアキシアルタイプインペラー1522と2段のラジアルタイプインペラー1521を使用し、合計5段のインペラーを交互に設置した。攪拌機150は、50~500rpmで回転した。
【0093】
比較例1-1
図3の回分式反応装置1300に溶媒1101を入れ、スパージャー120で原料1102の塩化水素を溶媒1101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。比較例1-1は、二段のラジアルタイプインペラー162を使用した。攪拌機160は、50~500rpmで回転した。
【0094】
比較例1-2
図4の回分式反応装置1400に溶媒1101を入れ、スパージャー120で原料1102の塩化水素を溶媒1101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。比較例1-2は、二段のアキシアルタイプインペラー172を使用した。攪拌機170は、50~500rpmで回転した。
【0095】
実験例1
第1-1実施例~第1-5実施例、比較例1-1、および比較例1-2の気体捕集率を測定した。第1-1実施例は、反応時間6.0hrの間、気体捕集率が10%を超え、第1-2実施例は、反応時間6.3hrの間、気体捕集率が10%を超え、第1-3実施例は、反応時間4.5hrの間、気体捕集率が10%を超え、第1-4実施例は、反応時間5.3hrの間、気体捕集率が10%を超え、第1-5実施例は、反応時間5.2hrの間、気体捕集率が10%を超えるのに対して、比較例1-1は、反応時間7.8hrの間、気体捕集率が4.7%で、比較例1-2は、反応時間6.7hrの間、気体捕集率が8.0%であった。
【0096】
即ち第1-1~第1-5実施例は、比較例1-1および1-2に比べて反応時間が短いにも関わらず上昇された気体捕集率を示す。従って第1-1~第1-5実施例は、比較例1-1および1-2に比べて、反応に参加する原料1102の塩化水素の反応に効率的に参加できる塩化水素の形態変化を誘導して、塩化水素を利用した脂肪族イソシアネートの反応性を向上させることができる。
【0097】
以下、本発明の第2実施例を説明する。
【0098】
図8は、本発明の第2-1実施例に係る回分式反応装置の断面図である。図8を参照すると、第2-1実施例の回分式反応装置2100は、液体状の溶媒2101を収容する反応器210、攪拌機220および反応器210内に気体状の原料2102を供給するスパージャー(sparger)230を含む。
【0099】
例えば、反応器210は、円筒形の側壁部211と側壁部211の下側と上側をそれそれ形成して反応空間を形成する底部212と蓋部213を含む。底部212と蓋部213は、下側と上側でふくらむ曲面で形成されて、液体状の溶媒2101と気体状の原料2102が流動されて効果的に混合できるようにする。
【0100】
攪拌機220は、反応器210に高さ方向に設置される回転軸221と、回転軸221に備えられ、溶媒2101と原料2102を攪拌するインペラー222を含む。回転軸221は、反応器210の蓋部213に回転可能に設置され、下端に底部212に向けており、外部に備えられる駆動モーター(図示せず)で駆動することができる。
【0101】
例えば、インペラー222は、ラジアル(radial)タイプインペラー2221とアキシアル(axial)タイプインペラー2222を含む。ラジアルタイプインペラー2221は、回転軸221に垂直な横方向に流動を生成して液体状の溶媒2101内で供給される気体状の原料2102を破砕および分散させる。アキシアルタイプインペラー2222は、回転軸221と同じ軸方向に流動を生成して液体状の溶媒2101内で供給される気体状の原料2102を粉砕および分散させる。
【0102】
第2-1実施例において、ラジアルタイプインペラー2221は、回転軸221の下端に一つの段で備えられ、アキシアルタイプインペラー2222は、ラジアルタイプインペラー2221の上側で回転軸221に一つの段で備えられる。図示しなかったが、ラジアルタイプインペラー2221とアキシアルタイプインペラー2222は、回転軸221および反応器210の高さに応じて一つ以上のより多くの段数で設置されてもよい。
【0103】
本発明の攪拌機で、インペラーは、下段にラジアルタイプインペラーまたはアキシアルタイプインペラーを設置し、その上に同じまたは異なるタイプのインペラーを一つまたは2以上、即ち複数で備えることができる。また、攪拌機で、インペラーは、ラジアルタイプインペラーとアキシアルタイプインペラーを必要とするn段まで交互に備えてもよい。このような場合に相応する様々な図面は省略する。
【0104】
スパージャー230は、攪拌機220の軸方向および反応器210の円周方向の少なくとも一方向に気体状の原料2102を供給するように形成および設置される。スパージャー230は、複数で備えられてもよい。
【0105】
第2-1実施例によると、2個で備えられるスパージャー230は、攪拌機220の円周方向に沿って設定された間隔で反応器210の側壁部211に設置される。
【0106】
スパージャー230は、パイプ231と気泡形成部232を含む。パイプ231は、その長さ方向が攪拌機220の軸方向に交差する方向に反応器210の側壁部211に設置される。例えば、パイプ231は、側壁部211に設定された角度θで設置される。
【0107】
気泡形成部232は、パイプ231の端部に複数の噴射口で備えられ、インペラー222に向けて気体状の原料2102を気泡状態で供給する。このようなスパージャー230は、円周方向に沿って反応器210に複数で備えられ、円周方向に気体状の原料2102を均一に分配できるようにする。
【0108】
スパージャー230は、インペラー222に対応して設置されてもよい。従ってインペラー222は、スパージャー230から供給される気体状の原料2102を間隔内においても均一に分配して、反応器210の円周方向全体に対して気体状の原料2102の塩化水素(HCl)をさらに均一に分配することができる。
【0109】
一方、ラジアルタイプインペラー2221は、スパージャー230の気泡形成部232で供給される気体状の原料2102の周囲で回転駆動されて、溶媒2101を横方向に流動させる。従ってスパージャー230の気泡形成部232に供給される気体状の原料2102は、溶媒2101の横方向の流動によって横方向に流動しながら溶媒2101に混合される。
【0110】
アキシアルタイプインペラー2222は、ラジアルタイプインペラー2221の上方で駆動されて溶媒2101を軸方向に流動させる。従って部分的に混合された気体状の原料2102と気体状の原料2102は、溶媒2101の軸方向の流動によって軸方向に流動しながら溶媒2101にさらに混合される。
【0111】
溶媒2101に原料2102を混合して造塩反応が進行されながらアミン塩が生成される。生成物であるアミン塩は数~数十umの直径を有する粒子形態であるため、反応が進行されながら溶媒に分散するスラリー形態に変化する。
【0112】
このように、円周方向に配置される複数のスパージャー230は、溶媒2101に気体状の原料2102を均一に分配供給するため、一定時間内に気体捕集率(gas holdup)を上昇させる。従って反応器210内での反応速度が上昇することができる。結論的に、溶媒2101に原料2102の塩化水素を供給してスラリー状態を生成する反応で溶媒に対する塩化水素の分配性能を向上させることができる。従って反応器210内での反応速度が上昇することができる。
【0113】
一方、反応器210は、回転軸221と並んで配置され、側壁部211の内面、即ち内側面に設置されるバッフル240をさらに含む。例えば、バッフル240は、設定された幅と高さを有する板状に形成されてもよく、設定された直径と長さを有する棒状に形成されてもよい。
【0114】
バッフル240は、インペラー222駆動時、流動する溶媒2101に渦流を発生させて溶媒2101と原料2102を反応器210の高さ方向全体領域でより均一な混合を可能にする。
【0115】
バッフル240は、反応器210の内部に円周方向に沿って複数で備えられ、円周方向で渦流を繰り返し形成して溶媒2101と原料2102を円周方向全体領域でより均一な混合を可能にする。
【0116】
また、バッフル240は、ラジアルタイプインペラー2221とアキシアルタイプインペラー2222の回転駆動によって発生する渦流領域に備えられて溶媒2101と原料2102の混合に直接的に作用することができる。
【0117】
スパージャー230に加えて、ラジアルタイプインペラー2221、アキシアルタイプインペラー2222およびバッフル240の使用は、溶媒2101に気体状の原料2102を噴射して混合する時、気体捕集率(gas holdup)をさらに上昇させることができる。従って反応器210内での反応速度がさらに上昇することができる。
【0118】
本発明の第2-1実施例に係る回分式反応装置2100は、気体状と液体状間の反応に使用され、気体状の原料2102の塩化水素を液体状の溶媒2101に供給してキシリレンジイソシアネートを製造する工程に使用することができる。
【0119】
以下、本実施例の様々な変形例および比較例について説明する。第2-1実施例と同じ構成に関する説明は省略し、互いに異なる構成に関する説明を記載する。
【0120】
図9は、本発明の第2-2実施例に係る回分式反応装置の断面図である。図9を参照すると、第2-2実施例の回分式反応装置2200で、スパージャー2230は一つで備えられ、反応器210の下端で反応器210の側壁部211に設置される。
【0121】
スパージャー2230は、パイプ231と気泡形成部232を含む。パイプ231は、その長さ方向が攪拌機220の軸方向に交差する方向で反応器210の側壁部211に設置される。気泡形成部232は、パイプ231の端部に複数の噴射口で備えられ、インペラーの下方に向けて反応器210の下端に気体状の原料を気泡状態で供給する。
【0122】
一方、インペラー222は、スパージャー2230の気泡形成部232で供給される気体状原料2102の上側で回転駆動されて、溶媒2101を流動させる。従ってスパージャー2230の気泡形成部232に供給される気体状の原料2102は、溶媒2101の流動によって流動しながら溶媒2101に混合される。
【0123】
このように、一つのスパージャー2230は、溶媒2101に気体状の原料2102を供給するため、一定時間内に気体捕集率(gas holdup)を上昇させる。従って反応器210内での反応速度が上昇することができる。結論的に、溶媒2101に原料2102の塩化水素を供給してスラリー状態を生成する反応で溶媒に対する塩化水素の分配性能を向上させることができる。従って反応器210内での反応速度が上昇することができる。
【0124】
図10は、本発明の第2-3実施例に係る回分式反応装置の断面図である。図10を参照すると、第2-3実施例の回分式反応装置2300で、スパージャー2330は、リング2331と気泡形成部2332を含む。リング2331は、攪拌機220の下側に円形で備えられ、気泡形成部2332は、リング2331の上側に備えられ、インペラー222の下方に向けて気体状の原料を気泡状態で供給する。このようなスパージャー2330は、リング2331の直径に応じて円周方向に気体状の原料を均一に分配できるようにする。
【0125】
一方、インペラー222は、スパージャー2330の気泡形成部2332で供給される気体状原料2102の上側で回転駆動されて、溶媒2101を流動させる。従ってスパージャー2330の気泡形成部2332に供給される気体状の原料2102は、溶媒2101の流動によって流動しながら溶媒2101に混合される。
【0126】
このように、攪拌機220の下側に円形に配置されるスパージャー2330は、溶媒2101に気体状の原料2102を円周方向に均一に分配供給するため、一定時間内に気体捕集率(gas holdup)を上昇させる。従って反応器210内での反応速度が上昇することができる。結論的に、溶媒2101に原料2102の塩化水素を供給してスラリー状態を生成する反応で溶媒に対する塩化水素の分配性能を向上させることができる。従って反応器210内での反応速度が上昇することができる。
【0127】
図12は、本発明の第2-4実施例に係る回分式反応装置の断面図である。図12を参照すると、第2-4実施例の回分式反応装置2500で、スパージャー2630は、2個で備えられ、反応器210の下端で反応器210の側壁部211に設置される。
【0128】
スパージャー2630は焼結多孔型(sintered porous type)からなる。焼結多孔型スパージャー2630は、反応器210内で長さ全体範囲に多孔を形成して円周方向に気体状の原料2102を均一に分配できるようにする。
【0129】
図11は、比較例2に係る回分式反応装置の断面図である。図11を参照すると、比較例2の回分式反応装置2400で、スパージャー2430は、スパイダー(spider)タイプで形成されて、複数の枝2431と気泡形成部2432を含む。
【0130】
枝2431は、攪拌機220の下側に複数で備えられ、気泡形成部2432は、枝2431の下側に備えられ、底部212に向けて気体状の原料を気泡状態で供給する。このようなスパージャー2430は、枝2431の長さに応じて軸方向で攪拌機220の遠方に気体状の原料を供給する。
【0131】
一方、インペラー222は、スパージャー2430の気泡形成部2432で供給される気体状原料2102の上側で回転駆動されて、溶媒2101を流動させる。従ってスパージャー2430の気泡形成部2432に供給される気体状の原料2102は、溶媒2101の流動によって流動しながら溶媒2101に混合される。第1、第2、第3実施例と比較すると、比較例は、溶媒2101に対する塩化水素の分配性能を向上させ難い。
【0132】
表2は、第2-1実施例、第2-2実施例、第2-3実施例および比較例2に対する気体捕集率を示す。
【0133】
【表2】
【0134】
第2-1実施例
図8の回分式反応装置2100に溶媒2101を入れ、スパージャー230で原料2102の塩化水素を溶媒2101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。第2-1実施例は、2個のパイプ状のスパージャー230を使用した。攪拌機220は、50~500rpmで回転した。
【0135】
第2-2実施例
図9の回分式反応装置2200に溶媒2101を入れ、スパージャー2230で原料2102の塩化水素を溶媒2101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。第2-2実施例は、1個のパイプ状のスパージャー2230を使用した。攪拌機220は、50~500rpmで回転した。
【0136】
第2-3実施例
図10の回分式反応装置2300に溶媒2101を入れ、スパージャー2330で原料2102の塩化水素を溶媒2101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。第2-3実施例は1個のリング状のスパージャー2330を使用した。攪拌機220は、50~500rpmで回転した。
【0137】
第2-4実施例
図12の回分式反応装置2500に溶媒2101を入れ、スパージャー2630で原料2102の塩化水素を溶媒2101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。第2-4実施例は、2個の焼結多孔型スパージャー2630を使用した。攪拌機220は、50~500rpmで回転した。
【0138】
比較例2
図11の回分式反応装置2400に溶媒2101を入れ、スパージャー2430で原料2102の塩化水素を溶媒2101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。比較例は、スパイダー状のスパージャー2430を使用した。攪拌機220は、50~500rpmで回転した。
【0139】
実験例2
第2-1実施例、第2-2実施例、第2-3実施例および比較例2の気体捕集率を測定した。第2-1実施例は、反応時間4.8hrの間、気体捕集率が10%を超え、第2-2実施例は、反応時間5.5hrの間、気体捕集率が10%を超え、第2-3実施例は、反応時間4.8hrの間、気体捕集率が10%を超え、第2-4実施例は、反応時間4.8hrの間、気体捕集率が10%超えたのに対して、比較例2は、反応時間7.1hrの間、気体捕集率が5%を超えた。
【0140】
即ち第2-1、第2-2、第2-3、第2-4実施例は、比較例2に比べて反応時間が短いにも関わらず上昇された気体捕集率を示す。従って第2-1、第2-2、第2-3、第2-4実施例は、比較例2に比べて、反応に参加する原料2102の塩化水素の量を増加させて、塩化水素を利用した脂肪族イソシアネートの反応性を向上させることができる。
【0141】
以下、本発明の第3実施例を説明する。
【0142】
図13は、本発明の第3-1実施例に係る回分式反応装置の断面図である。図13を参照すると、第3-1実施例の回分式反応装置3100は、スラリー状のアミン塩3101を収容する反応器310、反応器310内に気体状の原料3102を供給するスパージャー(sparger)320、および攪拌機330を含む。
【0143】
例えば、反応器310は、円筒形の側壁部311と側壁部311の下側と上側をそれそれ形成して反応空間を形成する底部312と蓋部313を含む。底部312と蓋部313は、下側と上側でふくらむ曲面で形成されて、スラリー状のアミン塩3101と気体状の原料3102が流動されて効果的に混合できるようにする。
【0144】
スパージャー320は、攪拌機330の軸方向および反応器310の円周方向に気体状の原料3102を供給するように形成および設置される。スパージャー320は、パイプ321と気泡形成部322を含む。パイプ321は、その長さ方向が攪拌機330の軸方向に交差する方向で反応器310の側壁部311に設置される。例えば、パイプ321は、側壁部311に設定された角度θで設置される。
【0145】
気泡形成部322は、パイプ321の端部に複数の噴射口で備えられ、インペラー332に向けて気体状の原料3102を気泡状態で供給する。スパージャー320で複数の気泡形成部322は、気体状の原料3102のホスゲンをスラリー状のアミン塩3101内に均一な噴射を可能にする。
【0146】
攪拌機330は、反応器310に高さ方向に設置される回転軸331と、回転軸331に備えられ、アミン塩3101と原料3102を攪拌するインペラー332を含む。インペラー332は、回転軸331に複数の段で配置される。回転軸331は、反応器310の蓋部313に回転可能に設置され、下端に底部312に向けており、外部に備えられる駆動モーター(図示せず)で駆動することができる。
【0147】
インペラー332は。ラジアルタイプインペラーとアキシアルタイプインペラーの少なくとも一つで形成されてもよい。第3-1実施例において、インペラー332は、ラジアル(radial)タイプインペラー3321とアキシアル(axial)タイプインペラー3322を含む。
【0148】
ラジアルタイプインペラー3321は、回転軸331に垂直な横方向に流動を生成してスラリー状のアミン塩3101内で供給される気体状の原料3102を破砕および分散させる。アキシアルタイプインペラー3322は、回転軸331と同じ軸方向に流動を生成してスラリー状のアミン塩3101内で供給される気体状の原料3102を粉砕および分散させる。
【0149】
第3-1実施例において、ラジアルタイプインペラー3321は、回転軸331の下端に一つの段で備えられ、アキシアルタイプインペラー3322は、ラジアルタイプインペラー3321の上側で回転軸331に4段で備えられる。即ち第1段にラジアルタイプインペラー3321が設置され、第2段~第5段にアキシアルタイプインペラー3322が設置される。
【0150】
本発明の攪拌機でインペラーは、下段にラジアルタイプインペラーまたはアキシアルタイプインペラーを設置して、その上に同じまたは異なるタイプのインペラーを一つまたは2以上、即ち複数で備えることができる。また、攪拌機でインペラーは、ラジアルタイプインペラーとアキシアルタイプインペラーを必要とするn段まで交互に備えてもよい。このような場合に相応する様々な図面は省略する。
【0151】
第3-1実施例において、ラジアルタイプインペラー3321は、スパージャー320の気泡形成部322で供給される気体状の原料3102の周囲で回転駆動されて、アミン塩3101を横方向に流動させる。従ってスパージャー320の気泡形成部322で噴射される気体状の原料3102は、アミン塩3101の横方向の流動によって横方向に流動しながらアミン塩3101に混合される。
【0152】
4段のアキシアルタイプインペラー3322は、ラジアルタイプインペラー3321の上方で駆動されてアミン塩3101を軸方向に流動させる。従って部分的に混合された気体状の原料3102と気体状の原料3102は、アミン塩3101の軸方向の流動によって軸方向に流動しながらアミン塩3101にさらに混合される。
【0153】
このように、一段のラジアルタイプインペラー3321と4段のアキシアルタイプインペラー3322の混合使用は、アミン塩3101に気体状の原料3102を噴射して混合する時、気体捕集率(gas holdup)を上昇させる。結論的に、アミン塩3101に原料3102のホスゲンを供給して進行されるホスゲン化反応で、スラリー状態の反応物に対するホスゲンの分配性能を向上させることができる。従って反応器310内での反応速度が上昇することができる。
【0154】
一方、反応器310は、回転軸331と並んで配置され、側壁部311の内面、即ち内側面に設置されるバッフル340をさらに含む。例えば、バッフル340は、設定された幅と高さを有する板状に形成されてもよく、設定された直径と長さを有する棒状に形成されてもよい。
【0155】
バッフル340は、インペラー332駆動時、流動するアミン塩3101に渦流を発生させてアミン塩3101と原料3102を反応器310の高さ方向全体領域でより均一な混合を可能にする。
【0156】
バッフル340は、反応器310の内部に円周方向に沿って複数で備えられ、円周方向で渦流を繰り返し形成してアミン塩3101と原料3102を円周方向全体領域でより均一な混合を可能にする。
【0157】
また、バッフル340は、ラジアルタイプインペラー3321とアキシアルタイプインペラー3322の回転駆動によって発生する渦流領域に備えられてアミン塩3101と原料3102の混合に直接的に作用することができる。
【0158】
ラジアルタイプインペラー3321、アキシアルタイプインペラー3322およびバッフル340の使用は、アミン塩3101に気体状の原料3102を噴射して混合する時、気体捕集率(gas holdup)をさらに上昇させることができる。従って反応器310内での反応速度がさらに上昇することができる。
【0159】
本発明の第3-1実施例に係る回分式反応装置3100は、気体状とスラリー状間の反応に使用され、気体状の原料3102のホスゲンをスラリー状のアミン塩3101に供給してキシリレンジイソシアネートを製造する工程に使用することができる。
【0160】
以下、本実施例の様々な変形例および比較例について説明する。第3-1実施例と同じ構成に関する説明を省略し、互いに異なる構成に関する説明を記載する。
【0161】
図14は、本発明の第3-2実施例に係る回分式反応装置の断面図である。図14を参照すると、第3-2実施例の回分式反応装置3200のインペラー332は、二段で形成される。ラジアルタイプインペラー3321は、回転軸331の下端に一つの段で備えられ、アキシアルタイプインペラー3322は、ラジアルタイプインペラー3321の上側で回転軸331に一つの段で備えられる。即ち第1段にラジアルタイプインペラー3321が設置され、第2段にアキシアルタイプインペラー3322が設置される。
【0162】
別途図示しなかったが、アキシアルタイプインペラーが、回転軸の下端に一つの段で備えられ、ラジアルタイプインペラーが、アキシアルタイプインペラーの上側で回転軸に一つの段で備えられてもよい。
【0163】
第3-2実施例において、ラジアルタイプインペラー3321は、スパージャー320の噴射口321で噴射される気体状の原料3102の上方で回転駆動されて、アミン塩3101を横方向に流動させる。従ってスパージャー320の噴射口321で噴射される気体状の原料3102は、アミン塩3101の横方向の流動によって横方向に流動しながらアミン塩3101に混合される。
【0164】
一段のアキシアルタイプインペラー3322は、ラジアルタイプインペラー3321の上方で駆動されてアミン塩3101を軸方向に流動させる。従って部分的に混合された気体状の原料3102と気体状の原料3102は、アミン塩3101の軸方向の流動によって軸方向に流動しながらアミン塩3101にさらに混合される。
【0165】
このように、一段のラジアルタイプインペラー3321と一段のアキシアルタイプインペラー3322の混合使用は、アミン塩3101に気体状の原料3102を噴射して混合する時、気体捕集率(gas holdup)を上昇させる。結論的に、アミン塩3101に原料3102のホスゲンを供給して進行されるホスゲン化反応で、スラリー状態の反応物に対するホスゲンの分配性能を向上させることができる。従って反応器310内での反応速度が上昇することができる。
【0166】
図15は、比較例3に係る回分式反応装置の断面図である。図15を参照すると、比較例3の回分式反応器3300で、攪拌機3330は、回転軸331にラジアルタイプインペラー3323を一つで装着している。
【0167】
ラジアルタイプインペラー3323は、スパージャー320で噴射される気体状の原料3102の上方で回転駆動されて、アミン塩3101を横方向に流動させる。従ってスパージャー320の噴射口321で噴射される気体状の原料3102は、アミン塩3101の円周方向の流動によって円周方向に流動しながらアミン塩3101に混合される。
【0168】
第3-1、第3-2実施例と比較すると、比較例3は、アミン塩3101に対して一つの横方向への流動だけを形成するため、軸方向の流動を形成し難い。
【0169】
表3は、第3-1実施例、第3-2実施例と比較例3に対する気体捕集率(%)を示す。
【0170】
【表3】
【0171】
第3-1実施例
図13の回分式反応装置3100にアミン塩3101を入れ、スパージャー320で原料3102のホスゲンをアミン塩3101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。第3-1実施例は、5段のインペラー332を使用した。攪拌機330は、50~500rpmで回転した。
【0172】
第3-2実施例
図14の回分式反応装置3200にアミン塩3101を入れ、スパージャー320で原料3102のホスゲンをアミン塩3101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。第3-2実施例は、二段のインペラー332を使用した。攪拌機3230は、50~500rpmで回転した。
【0173】
比較例3
図15の回分式反応装置3300にアミン塩3101を入れ、スパージャー320で原料3102のホスゲンをアミン塩3101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。比較例は、一段のラジアルタイプインペラー3323を使用した。攪拌機3330は、50~500rpmで回転した。
【0174】
実験例3
第3-1実施例、第3-2実施例および比較例3の気体捕集率を測定した。第3-1実施例は、反応時間4.5hrの間、気体捕集率が10%を超え、第3-2実施例は、反応時間5.2hrの間、気体捕集率が5.2%を超えるのに対して、比較例3は、反応時間7.8hrの間、気体捕集率が4.7%であった。
【0175】
即ち第3-1、第3-2実施例は、比較例3に比べて反応時間が短いにも関わらず上昇された気体捕集率を示す。従って第3-1、第3-2実施例は、比較例3に比べて、反応に参加する原料3102のホスゲンの量を増加させて、ホスゲンを利用した脂肪族イソシアネートの反応性を向上させることができる。
【0176】
以下、本発明の第4実施例を説明する。
【0177】
図16は、本発明の第4-1実施例に係る回分式反応装置の断面図である。図16を参照すると、第4-1実施例の回分式反応装置4100は、1段階造塩反応で生成されたスラリー状のアミン塩4101を収容する反応器410、攪拌機420、および反応器410内に気体状の原料4102を供給するスパージャー(sparger)430を含む。
【0178】
例えば、反応器410は、円筒形の側壁部411と側壁部411の下側と上側をそれそれ形成して反応空間を形成する底部412と蓋部413を含む。底部412と蓋部413は、下側と上側でふくらむ曲面で形成されて、スラリー状のアミン塩4101と気体状の原料4102が流動されて効果的に混合できるようにする。
【0179】
攪拌機420は、反応器410に高さ方向に設置される回転軸421と、回転軸421に備えられ、アミン塩4101と原料4102を攪拌するインペラー422を含む。回転軸421は、反応器410の蓋部413に回転可能に設置され、下端に底部412に向けており、外部に備えられる駆動モーター(図示せず)で駆動することができる。
【0180】
例えば、インペラー422は、ラジアル(radial)タイプインペラー4221とアキシアル(axial)タイプインペラー4222を含む。ラジアルタイプインペラー4221は、回転軸421に垂直な横方向に流動を生成してアミン塩4101内で供給される気体状の原料4102を破砕および分散させる。アキシアルタイプインペラー4222は、回転軸421と同じ軸方向に流動を生成してアミン塩4101内で供給される気体状の原料4102を粉砕および分散させる。
【0181】
第4-1実施例において、ラジアルタイプインペラー4221は、回転軸421の下端に一つの段で備えられ、アキシアルタイプインペラー4222は、ラジアルタイプインペラー4221の上側で回転軸421に一つの段で備えられる。図示しなかったが、アキシアルタイプインペラー4222は、回転軸421および反応器410の高さに応じてより多くの段数で設置されてもよい。
【0182】
スパージャー430は、攪拌機420の軸方向および反応器410の円周方向のうち一方向に沿って複数で備えられて気体状の原料4102を供給するように形成および設置される。第4-1実施例によると、複数で備えられるスパージャー430は、攪拌機420の軸方向に沿って設定された間隔(D)で反応器410の側壁部411に設置される。
【0183】
スパージャー430は、パイプ431と気泡形成部432を含む。パイプ431は、その長さ方向が攪拌機420の軸方向に交差する方向で反応器410の側壁部411に設置される。例えば、パイプ431は、側壁部411に設定された角度θで設置される。
【0184】
気泡形成部432は、パイプ431の端部に複数の噴射口で備えられ、インペラー422に向けて気体状の原料4102を気泡状態で供給する。このようなスパージャー430は、軸方向に沿って反応器10に複数で備えられ、軸方向に気体状の原料4102を均一に分配できるようにする。
【0185】
インペラー422が複数で備えられる場合、スパージャー430は、インペラー422に対応して設置されてもよい。従って各インペラー422は、各スパージャー430で供給される気体状の原料4102を間隔(D)内においても均一に分配して、反応器410の軸方向全体に対して気体状の原料4102をさらに均一に分配することができる。
【0186】
一方、ラジアルタイプインペラー4221は、スパージャー430の気泡形成部432で供給される気体状の原料4102の周囲で回転駆動されて、アミン塩4101を横方向に流動させる。従ってスパージャー430の気泡形成部432に供給される気体状の原料4102は、アミン塩4101の横方向の流動によって横方向に流動しながらアミン塩4101に混合される。
【0187】
アキシアルタイプインペラー4222は、ラジアルタイプインペラー4221の上方で駆動されてアミン塩4101を軸方向に流動させる。従って部分的に混合された気体状の原料4102と気体状の原料4102は、アミン塩4101の軸方向の流動によって軸方向に流動しながらアミン塩4101にさらに混合される。
【0188】
このように、軸方向に配置される複数のスパージャー430は、アミン塩4101に気体状の原料4102を均一に分配供給するため、一定時間内に気体捕集率(gas holdup)を上昇させる。結論的に、アミン塩4101に原料4102のホスゲンを供給して進行されるホスゲン化反応で、スラリー状態のアミン塩101に対するホスゲンの分配性能を向上させることができる。従って反応器410内での反応速度が上昇することができる。
【0189】
一方、反応器410は、回転軸421と並んで配置され、側壁部411の内面、即ち内側面に設置されるバッフル440をさらに含む。例えば、バッフル440は、設定された幅と高さを有する板状に形成されてもよく、設定された直径と長さを有する棒状に形成されてもよい。
【0190】
バッフル440は、インペラー422駆動時、流動するアミン塩4101に渦流を発生させてアミン塩4101と原料4102を反応器410の高さ方向全体領域でより均一な混合を可能にする。
【0191】
バッフル440は、反応器410の内部に円周方向に沿って複数で備えられ、円周方向で渦流を繰り返し形成してアミン塩4101と原料4102を円周方向全体領域でより均一な混合を可能にする。
【0192】
また、バッフル440は、ラジアルタイプインペラー4221とアキシアルタイプインペラー4222の回転駆動によって発生する渦流領域に備えられてアミン塩4101と原料4102の混合に直接的に作用することができる。
【0193】
スパージャー430に加えて、ラジアルタイプインペラー4221、アキシアルタイプインペラー4222およびバッフル440の使用は、アミン塩4101に気体状の原料4102を噴射して混合する時、気体捕集率(gas holdup)をさらに上昇させることができる。従って反応器410内での反応速度がさらに上昇することができる。
【0194】
本発明の第4-1実施例に係る回分式反応装置4100は、気体状とスラリー状間の反応に使用され、気体状の原料4102のホスゲンをアミン塩4101に供給してキシリレンジイソシアネートを製造する工程に使用することができる。
【0195】
以下、本実施例の様々な変形例および比較例について説明する。第4-1実施例と同じ構成に関する説明は省略し、互いに異なる構成に関する説明を記載する。
【0196】
図17は、本発明の第4-2実施例に係る回分式反応装置の断面図である。図17を参照すると、第4-2実施例の回分式反応装置4200で、複数で備えられるスパージャー4230は、誘導路434と気泡形成部435を含む。
【0197】
誘導路434は、攪拌機420の回転軸421内に貫通形成されて気体状原料4102を供給する。気泡形成部435は、回転軸421を貫いて誘導路434に連結されて気体状の原料4102を気泡状態でアミン塩4101に供給する。
【0198】
インペラー422は、回転軸421に設定された間隔(D2)を維持して複数の段で備えられ、下側から順次備えられるラジアルタイプインペラー4221とアキシアルタイプインペラー4222を含む。この場合、気泡形成部435は、インペラー422および間隔(D2)に対応するように複数で形成されてもよい。
【0199】
即ち第1気泡形成部4351は、ラジアルタイプインペラー4221の下側に備えられ、気体状燃料4102を供給して、第2気泡形成部4352は、その次のアキシアルタイプインペラー4222の下側に備えられ、気体状燃料4102を供給する。
【0200】
気泡形成部435は、回転軸421に複数の噴射口で備えられ、インペラー422の下側に向けて気体状の原料4102を気泡状態で供給する。このようなスパージャー4230で第1、第2気泡形成部4351、4352は、軸方向に沿って反応器410に複数で備えられ、軸方向に気体状の原料4102を均一に分配できるようにする。
【0201】
このように、軸方向に配置されるスパージャー4230の第1、第2気泡形成部4351、4352は、アミン塩4101に気体状の原料4102を均一に分配供給するため、一定時間内に気体捕集率(gas holdup)を上昇させる。結論的に、アミン塩4101に原料4102のホスゲンを供給して進行されるホスゲン化反応で、スラリー状態のアミン塩に対するホスゲンの分配性能を向上させることができる。従って反応器410内での反応速度が上昇することができる。
【0202】
図18は、本発明の第4-3実施例に係る回分式反応装置の断面図である。図18を参照すると、第4-3実施例の回分式反応装置4300で、スパージャー4330は、複数で備えられ、反応器410の下端で反応器410の円周方向に沿って設定された間隔で反応器410の側壁部411に設置される。
【0203】
スパージャー4330は、パイプ431と気泡形成部432を含む。パイプ431は、その長さ方向が攪拌機420の軸方向に交差する方向で反応器410の側壁部411に設置される。
【0204】
気泡形成部432は、パイプ431の端部に複数の噴射口で備えられ、インペラーの下方に向けて反応器410の下端に気体状の原料を気泡状態で供給する。このようなスパージャー4330は、円周方向に沿って反応器410に複数で備えられ、円周方向に気体状の原料を均一に分配できるようにする。
【0205】
一方、インペラー422は、スパージャー4330の気泡形成部432で供給される気体状原料4102の上側で回転駆動されて、アミン塩4101を流動させる。従ってスパージャー4330の気泡形成部432に供給される気体状の原料4102は、アミン塩4101の流動によって流動しながらアミン塩4101に混合される。
【0206】
このように、円周方向に配置される複数のスパージャー4330は、アミン塩4101に気体状の原料4102を円周方向で均一に分配供給するため、一定時間内に気体捕集率(gas holdup)を上昇させる。結論的に、アミン塩4101に原料4102のホスゲンを供給して進行されるホスゲン化反応で、スラリー状態のアミン塩に対するホスゲンの分配性能を向上させることができる。従って反応器410内での反応速度が上昇することができる。
【0207】
図19は、比較例4に係る回分式反応装置の断面図である。図19を参照すると、比較例4の回分式反応器4400で、スパージャー4430は、噴射口4431を有するリングタイプで形成され、インペラー422の下側に配置され、気体状原料4102をアミン塩4101に供給する。
【0208】
インペラー422は、スパージャー4430で噴射される気体状の原料4102の上方で回転駆動されて、アミン塩4101を流動させる。従ってスパージャー4430の噴射口4431で噴射される気体状原料4102は、アミン塩4101の流動によって流動しながらアミン塩4101に混合される。第4-1、第4-2、第4-3実施例と比較すると、比較例4は、アミン塩4101に対して気体状原料4102の分配性能が低下する。
【0209】
図20は、本発明の第4-4実施例に係る回分式反応装置の断面図である。図20を参照すると、第4-4実施例の回分式反応装置4500で、スパージャー4530は、2個で備えられ、反応器410の下端で反応器410の側壁部411に設置される。
【0210】
スパージャー4530は焼結多孔型(sintered porous type)からなる。焼結多孔型スパージャー4530は、反応器410内で長さ全体範囲に多孔を形成して円周方向に気体状の原料4102を均一に分配できるようにする。
【0211】
本発明の攪拌機でインペラーは、下段にラジアルタイプインペラーまたはアキシアルタイプインペラーを設置し、その上に同じまたは異なるタイプのインペラーを一つまたは2以上、即ち複数で備えることができる。また、攪拌機でインペラーは、ラジアルタイプインペラーとアキシアルタイプインペラーを必要とするn段まで交互に備えてもよい。このような場合に相応する様々な図面は省略する。
【0212】
表4は、第4-1実施例、第4-2実施例、第4-3実施例、第4-4実施例および比較例4に対する気体捕集率を示す。
【0213】
【表4】
【0214】
第4-1実施例
図16の回分式反応装置4100にアミン塩4101を入れ、スパージャー430で気体状原料4102のホスゲンをアミン塩4101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。第4-1実施例は、2段のインペラー432を使用し、パイプ状のスパージャー430を軸方向に沿って2段で使用した。攪拌機420は、50~500rpmで回転した。
【0215】
第4-2実施例
図17の回分式反応装置4200にアミン塩4101を入れ、スパージャー4230で気体状原料4102のホスゲンをアミン塩4101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。第4-2実施例は、2段のインペラー422を使用し、回転軸421に形成される誘導路434に気泡形成部435を2段で備えた。攪拌機420は、50~500rpmで回転した。
【0216】
第4-3実施例
図18の回分式反応装置4300にアミン塩4101を入れ、スパージャー4330で気体状原料4102のホスゲンをアミン塩4101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。第4-3実施例は、2段のインペラー422を使用し、パイプ状のスパージャー4330を円周方向に沿って2個で使用した。攪拌機420は、50~500rpmで回転した。
【0217】
第4-4実施例
図20の回分式反応装置4500にアミン塩4101を入れ、スパージャー4530で気体状原料4102のホスゲンをアミン塩4101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。第4-4実施例は、2段のインペラー422を使用し、焼結多孔型スパージャー4530を円周方向に沿って2個で使用した。攪拌機420は、50~500rpmで回転した。
【0218】
比較例4
図19の回分式反応装置4400にアミン塩4101を入れ、スパージャー4430で気体状原料4102のホスゲンをアミン塩4101に供給して、キシリレンジイソシアネートを製造した。比較例4は、2段のインペラー432を使用し、一つのリング状のスパージャー4430をインペラー422の下側に使用した。攪拌機420は、50~500rpmで回転した。
【0219】
実験例4
第4-1実施例、第4-2実施例、第4-3実施例、第4-4実施例、および比較例4の気体捕集率を測定した。第4-1実施例は、反応時間13.9hrの間、気体捕集率が10%を超え、第4-2実施例は、反応時間9.5hrの間、気体捕集率が15%を超え、第4-3実施例は、反応時間11.2hrの間、気体捕集率が10%を超え、第4-4実施例は、反応時間10.6hrの間、気体捕集率が15%を超えるのに対して、比較例4は、反応時間14.3hrの間、気体捕集率が5%を超えた。
【0220】
即ち第4-1、第4-2、第4-3、第4-4実施例は、比較例4に比べて反応時間が短いにも関わらず上昇された気体捕集率を示す。従って第4-1、第4-2、第4-3、第4-4実施例は、比較例4に比べて、反応に参加する原料4102のホスゲンの量を増加させて、ホスゲンを利用した脂肪族イソシアネートの反応性を向上させることができる。
【0221】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、請求の範囲と発明の説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これらも本発明の範囲に属するのは当然である。
【符号の説明】
【0222】
110 反応器
111 側壁部
112 底部
113 蓋部
1100 回分式反応装置
1101 液体状の溶媒
1102 気体状の原料
120 スパージャー
121 噴射口
130 攪拌機
131 回転軸
132 インペラー
1321 ラジアルタイプインペラー
1322 アキシアルタイプインペラー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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【国際調査報告】