(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(54)【発明の名称】ピッキング装置のためのグリッパ、および前記グリッパでピッキング装置を操作するための方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20231221BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20231221BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20231221BHJP
B25J 15/08 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B65G1/04 515A
H01L21/68 A
B65G1/137 A
B25J15/08 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537474
(86)(22)【出願日】2021-11-10
(85)【翻訳文提出日】2023-06-20
(86)【国際出願番号】 EP2021081175
(87)【国際公開番号】W WO2022135783
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516389064
【氏名又は名称】ベクトン・ディッキンソン・ロワ・ジャーマニー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ヘレンブランド
【テーマコード(参考)】
3C707
3F022
3F522
5F131
【Fターム(参考)】
3C707ES03
3C707EU04
3C707KS16
3C707KT01
3C707KT04
3F022FF01
3F022KK12
3F022MM01
3F022MM11
3F022NN01
3F022NN38
3F022PP06
3F022QQ17
3F522BB01
3F522CC01
3F522FF12
3F522GG02
3F522JJ04
3F522KK08
3F522LL57
5F131AA40
5F131CA31
5F131DA05
5F131DB13
5F131DB14
5F131DB15
5F131DB43
(57)【要約】
小物を収納するための水平棚(5)を有するピッキング装置用のグリッパ(1)であって、第1の水平方向(X方向)および前記第1の水平方向と直交する第2の水平方向(Y方向)に延び、分配端面(71)を有する少なくとも1つの端部(70)を有するドロップテーブル(10)であって、前記ドロップテーブル(10)および前記端部(70)は上部支持面(11)を画定する、ドロップテーブル(10)と、ドロップテーブル(10)の上方に配置され、前記小物を前記水平棚から前記ドロップテーブル(10)へ移動させるために第1の水平方向に移動可能である、搬送装置(20)と、および制御装置(4)に結合され、制御装置(4)に関連する検出領域DBxを有する少なくとも1つの端部(70)に配置された、少なくとも1つのセンサ装置であって、検出領域DBxが分配端面(71)の前の垂直方向に延びる空間DB1-DBnを覆うように垂直Z軸に沿って配置され、制御装置(4)は、センサ装置の評価により水平棚(5)でのグリッパ(1)のアライメントが判定できるように設計される、センサ装置と、を備えた、グリッパ(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小物を収納するための水平棚(5)を有するピッキング装置用のグリッパ(1)であって、
第1の水平方向(X方向)および前記第1の水平方向と直交する第2の水平方向(Y方向)に延び、分配端面(71)を有する少なくとも1つの端部(70)を有するドロップテーブル(10)であって、前記ドロップテーブル(10)および前記端部(70)は上部支持面(11)を画定する、ドロップテーブル(10)と、
前記ドロップテーブル(10)の上方に配置され、前記小物を前記水平棚から前記ドロップテーブル(10)へ移動させるために第1の水平方向に移動可能である、搬送装置(20)と、および
制御装置(4)に結合され、前記制御装置(4)に関連する検出領域DBxを有する少なくとも1つの端部(70)に配置された、少なくとも1つのセンサ装置であって、前記検出領域DBxが分配端面(71)の前の垂直方向に延びる空間DB1-DBnを覆うように垂直Z軸に沿って配置され、前記制御装置(4)は、前記センサ装置の評価により前記水平棚(5)でのグリッパ(1)のアライメントが判定できるように設計される、センサ装置と、
を備えた、グリッパ(1)。
【請求項2】
前記搬送装置(20)が、前記ドロップテーブル(10)の上方に配置され、内面(21a、21b)が互いに対向する状態でX方向に延びる2つの細長いグリップジョー(20a、20b)を備え、前記グリップジョーの少なくとも1つが、第2の水平方向に少なくとも部分的に追加的に可動であることを特徴とする、請求項1に記載の小物を収納するための水平棚(5)を有するピッキング装置用のグリッパ(1)。
【請求項3】
前記センサ装置は、前記ドロップテーブル(10)から解放可能なセンサアセンブリ(80)として設計されることを特徴とする、請求項1または2に記載の小物を収納するための水平棚を有するピッキング装置用のグリッパ(1)。
【請求項4】
前記センサ装置は、前記端部(70)の中央の3分の1(14)に配置され、好ましくは、Y方向に関して中央の3分の1の中央に配置されることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の小物を収納するための水平棚を有するピッキング装置用のグリッパ(1)。
【請求項5】
少なくとも1つの検出領域DB1が支持面(11)にわたって垂直に延びるように、センサ装置が配置されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の小物を収納する水平棚を有するピッキング装置用のグリッパ(1)。
【請求項6】
ピッキング装置を操作するための方法であって、
複数の水平棚(5)と、
前記水平棚(5)の前で移動可能な少なくとも1つのグリッパ(1)であって、
棚(5)へまたは棚(5)から小物を収納および/または分配するための搬送装置と
第1の水平方向(X方向)および第1の水平方向と直交する第2の水平方向(Y方向)に延び、分配端面(71)を有する少なくとも1つの端部(70)を有するドロップテーブル(10)であって、ドロップテーブル(10)および端部(70)は上部支持面(11)を画定する、ドロップテーブル(10)と、
制御装置(4)に結合され、制御装置(4)に関連する検出領域DBxを有する少なくとも1つの端部(70)に配置された少なくとも1つのセンサ装置であって、検出領域DBxが分配端面(71)の前の垂直方向に延びる空間(81)を覆うように配置される、センサ装置と、を備えるグリッパ(1)と、
を備え、
グリッパ(1)は、指定棚RBxの前の指定された目標位置SPxに移動され、
前記指定棚RBxに対するグリッパ(1)の現在のアライメントは、どの検出領域DBxにおいて棚の存在が認識されたかを確認することによって判定され、
Z位置に対する指定棚RBxのグリッパ(1)の現在のアライメントが、指定されたアライメントに対応するかどうかが判定され、
確認が負である場合
現在のアライメントAAと指定されたアライメントVAとの間の負または正の偏差に応じてグリッパ(1)はZ方向に移動される、ピッキング装置の動作方法。
【請求項7】
現在のアライメントAAと指定されたアライメントVAとの間に偏差がある場合、偏差に基づいて目標位置SPxは指定棚RBxに調整されることを特徴とする、請求項6に記載のピッキング装置の動作方法。
【請求項8】
現在のアライメントAAと指定されたアライメントVAとの間に負の偏差がある場合、指定棚RBxは再配置の棚としてマークされることを特徴とする、請求項6または7のいずれかに記載のピッキング装置の動作方法。
【請求項9】
現在のアライメントAAと指定されたアライメントVAとの間に偏差がある場合、前記偏差は指定棚以下の棚の最大収納高さを調整するために利用されることを特徴とする、請求項6から8のいずれかに記載のピッキング装置の動作方法。
【請求項10】
現在のアライメントAAと指定されたアライメントVAとの間に偏差がある場合、指定棚RBxの全体はグリッパでY方向に横断され、指定棚RBxに割り当てられた収納場所の全てについて、現在のアライメントAAと指定アライメントとの間に偏差があると判定され、それに応じて収納場所に割り当てられた目標位置は調整されることを特徴とする、請求項6-9のいずれかに記載のピッキング装置の動作方法。
【請求項11】
現在のアライメントAAと指定されたアライメントVAとの間に偏差がある場合、この偏差に基づいて棚の全ての収納位置の偏差は計算され、それに応じて収納位置に割り当てられた目標位置は調整されることを特徴とする、請求項6-9のいずれかに記載のピッキング装置の動作方法。
【請求項12】
現在のアライメントと指定されたアライメントとの間で判定された前記偏差は、前記指定棚以下の棚の全ての収納位置の最大収納高さの調整に使用されることを特徴とする、請求項10または11のいずれかに記載のピッキング装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小物、特に医薬品パッケージ及び食品サプリメントパッケージを格納するための水平棚を備えたピッキング装置のためのグリッパ、ならびに本発明によるグリッパを有するピッキング装置を操作するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代のピッキング装置は薬局で使用されることが多いため、多数の異なる寸法の医薬品パッケージまたは食品サプリメントパッケージが混沌としており、細長い水平棚にスペース最適化されている。棚壁と共に、これらは複数の棚区画を形成し、多数の小物が棚区画または棚ごとに収納される。
【0003】
スペース最適化された収納では、医薬品パッケージおよび食品サプリメントパッケージなどの小物は、可能な限り最大数の小物が棚の単位面積当たりに収納され得るように、すなわち、できるだけ少ない空きスペースが棚に残るように、棚に収納される。しかし、通常の混沌としたスペース最適化された収納では、個々の棚の間に重量が均等に分散されるような方法で小物がピッキング装置に収納されることは保証されない。
【0004】
このことから、複数の比較的「重い」小物が棚に収納されている可能性が高い。棚は通常、滑らかな表面を有する薄い材料で作られる。薬局で使用されるようなピッキング装置では、ガラス製の棚がよく使用される。棚の幅およびその占有率に応じて、棚は、特に棚コンパートメントの中央で偏向され得る。これは、偏向された棚および棚自体に格納された小物が、これが「予想される」Z位置(Z軸は垂直軸である)に配置されないことを意味する。偏向の程度に応じて、棚およびその上に配置された小物は、より低いZ位置に対応するように「より深い」。
【0005】
ピッキング装置からできるだけ早くパッケージを分配できるようにするために(以下の用語では、「パッケージ」は、特定の医薬品パッケージおよび食品サプリメントパッケージ、および一般的に小物の同義語として使用される)、それらが収納される棚には、棚または棚コンパートメントからパッケージを分配するときにグリッパが近づく目標位置が割り当てられる。荷物を収納場所から分配するときは、荷物は輸送装置で把持され、グリッパのドロップテーブルに移動される。パッケージがグリッパの積み下ろし端面と棚の対応する端面との間の必要な隙間に挟まれることなくこれを行うことができるように、グリッパは、ドロップテーブルの表面と棚の表面がほぼ同じZ位置になるように動かされる(曲がっていない棚を仮定する)。
【0006】
パッケージを棚からドロップテーブルに移動する場合、グリッパのドロップテーブルの表面のZ位置が棚の表面のZ位置よりわずかに低い場合は危険ではない。一方、パッケージをグリッパのドロップテーブルから棚に移動する場合、棚がわずかに低いZ位置に配置されている場合は危険ではない。
【0007】
しかし、複数の比較的重いパッケージが棚に格納されている場合、パッケージが棚からドロップテーブルに移動される状況において、棚の表面の現在または現在のZ位置がグリッパのドロップテーブルの表面のZ位置よりもはるかに低くなるように、この棚が偏向されることが起こり得る。そのような状況で、パッケージを棚からグリッパに移動しようとすると、パッケージはドロップテーブルの前端に吊り下げられたままになり、この状況では、パッケージは棚の表面をはるかに超えて突出する。既知のグリッパでは、Z位置に対してグリッパを調整せずにパッケージをドロップテーブルに移動することはできない。しかし、既知のグリッパでは、Z位置の調整は、パッケージの分配に失敗したことに応答してそれを調整することによってのみトリガされることができる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、収納または分配の動きを行う前に、棚とグリッパとの間のずれを判定することができるグリッパを提供することである。また、対応するグリッパを有するピッキング装置を操作するための方法を提供することも本発明の目的である。
【0009】
目的は、請求項1に記載の小物を格納するための水平棚を有するピッキング装置のためのグリッパによって、本発明に従って達成される。本発明によるグリッパは、第1の水平方向(X方向)および第1の水平方向に直交する第2の水平方向(Y方向)に延びるドロップテーブルであって、分配および収納端面を有する少なくとも1つの端部を有し、ドロップテーブルおよび端部は上部支持面を画定する、ドロップテーブルと、ドロップテーブルの上に配置され、小物を水平棚からドロップテーブルへ移動させるために第1の水平方向に移動可能な輸送装置と、制御装置に結合され、制御装置に関連付けられた検出領域DBxを有する少なくとも1つの端部に配置された少なくとも1つのセンサ装置と、を備え、センサ装置は、前記検出領域DBxが分配端面の前の垂直に延びる空間DB1-DBnを覆うように垂直Z方向に沿って配置され、制御装置は、水平棚に対するグリッパのアライメントは、センサ装置を評価することで判定できるように設計されている。
【0010】
ピッキング装置用の従来のグリッパに、少なくとも1つの端部においてZ軸に沿って延在する複数の検出領域DBxを有する少なくとも1つのセンサ装置を設けることにより、棚からドロップテーブルへ、またはドロップテーブルから棚へ小物を収納または分配する前に、対応する棚のグリッパのアライメントが、ドロップテーブルの支持面と棚の支持面との間に小物の移動を損なわない程度のオフセットしか存在しないかどうかを判断することが可能である。
【0011】
複数の検出領域を評価することにより、棚がどの検出領域に延びているかを正確に判定することができる。例えば、垂直にオフセットされるように配置された複数の専用センサユニットSExをセンサ装置として使用することができ、各センサ装置は、それ自体の検出領域を有する。この目的のために、例えば、レーザダイオードを有するセンサを使用することができ、これはまた、棚の表面から投げ返されるまたは散乱されるレーザ光の部分を検出することができる光学部分を受け入れることを含む。関連付けられた検出領域を有する複数の垂直オフセットセンサユニットを使用することにより、グリッパに対する棚の相対位置を判定することができる。
【0012】
あるいは、例えば、割り当てられた検出領域を有する複数のセンサユニットを有するマトリックスセンサを用いることができる。用語「センサ装置」はまた、カメラを含むことが意図されており、アライメントの判定のために、その判定された画像は、制御装置によって複数の「人工」検出領域に分割される。
【0013】
したがって、本発明によるグリッパでは、目標位置の定義された静止識別マークに関連する位置が判定されるだけでなく、潜在的に可変位置、すなわち目標位置に割り当てられた棚の垂直位置に関連する位置が判定される。
【0014】
この目的のために、本発明によるドロップテーブルの分配端面の端部にセンサユニットを配置する必要がある。なぜなら、このようにしてのみ、グリッパが最適にアライメントされているかどうかの検出領域DBxの評価によって判定することができるからである。従来技術から知られているように、固定識別マークに関連してアライメントを判定するとき、棚の潜在的な偏向に対する補償は認識できない。したがって、棚に対して位置決めを判定できることが不可欠である。
【0015】
検出領域の数およびもしくは高さに応じて、例えば、棚の支持面からドロップテーブルの支持面への小物の誤差のない移動は、例えば、上記の第2の検出領域において、棚が判定された場合にのみ可能であると考えられる。例えば、棚が「理想的な」検出領域の下の検出領域で判定された場合、これは、棚が偏向され、ドロップテーブル上の小物の完璧な動きが保証されないことを意味する。このような場合、グリッパは対応するZ量下げられ、次に分配が行われる。
【0016】
したがって、本発明によるグリッパは、グリッパの少なくとも1つの端部領域内に複数の検出領域を有するセンサ装置を有し、収納または分配動作が実行される前であっても、これがエラーなしで潜在的に実行されることができるかどうか、または棚の支持面とドロップテーブルの支持面との間の潜在的オフセットが、グリッパのZ位置を調整することによって補正されることができるかどうかを判定することが可能である。そのようなオフセットは、常に混乱を引き起こすとは限らず、小物を棚に移動させるとき、棚の表面は、ドロップテーブルから棚へのパッケージの移動を妨げることなく、ドロップテーブルの支持面のわずかに下に配置されることができる。パッケージがドロップテーブルに移動されたとき、ドロップテーブルが棚よりわずかに低く配置されている場合、移動に干渉しない。
【0017】
既知のグリッパの場合とは対照的に、収納または分配は最初に試みられず、誤った収納または分配の場合にはグリッパの位置が修正されるが、存在する可能性のあるオフセットはすぐに認識され、必要に応じて修正される。オフセットの認識は、非常に短い時間内にグリッパの目標位置に移動した直後に行うことができるため、本発明によるグリッパは、小物をより迅速に、より少ない不正確な動きで収納および分配することを可能にする。
【0018】
本発明の別の利点は、対応するように設計されたセンサ装置を設置することによって、既知のグリッパを安価に、かつ多大な労力なしに調整できることである。本発明は、小物を1つの端部領域のみに分配して格納するグリッパと共に使用することができるが、ドロップテーブルが2つの端部領域を有し、それを介して分配して格納されるグリッパと共に使用することもできる。後者の場合、両方の端部領域にセンサ装置を提供することは(絶対に必要ではないが)賢明である。以下では、1つのセンサ装置のみを参照するが、2つのセンサ装置がインストールされている場合にも対応するステートメントが適用される。
【0019】
本発明によるグリッパ内の小物を移動させるために使用される輸送装置は、本発明にとって実質的ではない。例えば、後ろから小物をグリップし、小物を棚からグリッパのドロップテーブルに引っ張る輸送装置を使用することができる。構造的に非常に単純な好ましい実施形態では、輸送装置が提供され、輸送装置は、ドロップテーブルの上に配置され、内面が互いに対向してX方向に延在する2つの細長いグリッパジョーを備える。グリッパジョーのうちの少なくとも1つは、少なくとも第2の水平方向の一部で追加的に移動可能である。任意選択で、グリッパジョーの少なくとも1つは旋回されることもできる。
【0020】
故障したセンサ装置の場合にグリッパの機能を迅速かつ容易に復元できるようにするために、センサ装置は、ドロップテーブルから解放可能なセンサアセンブリとして設計されていることが、グリッパの好ましい実施形態で提供される。
【0021】
通常、グリッパは、配分または収納される小物が、棚のドロップテーブルまたは将来のドロップ位置に関して中央に配置されるように、棚に配置される。このため、好ましい実施形態では、センサユニットがY方向に対して端部の中央3分の1に配置されていることが提供される。特に広いグリッパ/棚では、センサユニットがY方向(すなわち、ドロップテーブルの長手方向またはY軸)に対して中央3分の1に配置されることが特に好ましい。これにより、棚の表面とドロップテーブルの支持面の間の「平均」偏差が、センサユニット(存在する場合)によって常に検出されることが保証される。非常に幅広いグリッパの場合、複数のセンサユニットが幅全体(Y方向)にわたって分布していることも考えられる。
【0022】
センサ装置が棚の偏向を判定することのみを意図している場合、すなわち、棚が予想される位置を「下回っている」場合にのみ、検出領域がドロップテーブルの支持面のレベルを下回って延在することで十分である。しかし、以下でより詳細に説明する方法に応じて、棚の偏向が検出されるとすぐに、棚に割り当てられた目標位置がZ位置に関して調整されることも考えられる。このようにして、棚の目標位置が、Z位置に関して後続の調整が必要とされることなく、次回小物が分配または収納されるときに最適に近づくことを達成することができる。
【0023】
しかし、小物を収納から分配する(または、1つ以上の小物の手動除去が必要である可能性がある)ことも、棚の偏向を減少させる効果、すなわち、棚のZ位置が再び元のZ位置に近づく効果を有することができる。ピッキング装置を操作するための方法が、指定された棚のための目標位置の調整が行われるように操作される場合、グリッパの好ましい実施形態は、少なくとも1つの検出領域DBxが支持面にわたって垂直に延びるようにセンサ装置を配置することを提供する。
【0024】
目的は、請求項6に記載の医薬品用ピッキング装置の操作方法により達成される。方法を実行するために使用されるピッキング装置は、複数の水平棚と、水平棚の前方に移動させることができる少なくとも1つのグリッパと、を備え、グリッパは、棚へまたは棚から小物を収納および分配するための輸送装置と、第1の水平方向および第1の水平方向に直交する第2の水平方向に延び、分配端面を有する少なくとも1つの端部を有するドロップテーブルとを含み、ドロップテーブルおよび少なくとも1つの端部は、上部支持面を画定し、制御装置に結合され、制御装置と関連付けられた検出領域DBxを有する少なくとも1つの端部に配置された少なくとも1つのセンサ装置を備え、センサ装置は、検出領域DBxが分配端部の前方に垂直に延びつ空間を覆うように配置される。
【0025】
本発明によれば、グリッパは、棚RBxに割り当てられた目標位置SPxに移動される。ドロップテーブルに移動される小物は、この指定された棚に配置されることができる。あるいは、指定された棚に移動される小物はドロップテーブルに配置されることができる。すでに説明したように、棚の偏向の可能性があるため、ドロップテーブルの支持面が目標位置で棚の支持面と整列していないため、棚の偏向により移動を阻害する縁が形成される可能性があるため、輸送装置によって小物が棚からドロップテーブルに移動可能であることが保証されない可能性がある。
【0026】
したがって、本発明によれば、指定された棚RBxに対するグリッパの現在のアライメントは、棚の存在が認識される検出領域(複数可)DBxをチェックすることによって、小物を移動させる前に判定される。棚の存在が認識される検出領域に基づいて、Z位置(この位置は目標位置SPxに対応する)に対する指定された棚RBxのグリッパの現在のアライメントが、指定されたアライメントに対応するかどうかが判定される。これは、支持テーブルの支持面が棚の支持面と整列しているかどうかを判定し、小物の完璧な動きが可能であることを意味する。これがどのように正確に詳細に行われるかは、本方法の好ましい実施形態の詳細な説明に記載されている。
【0027】
Z位置に対するグリッパの現在のアライメントが指定されたアライメントに対応しない(すなわち、棚の支持面のZ位置がドロップテーブルの支持面のZ位置の上または下にある)と判定される場合、グリッパは、現在のアライメントAAと指定されたアライメントVAとの間の負または正の偏差に従ってZ方向に移動される。
【0028】
棚が小物で満たされることによって偏向される場合、これは、Z位置に対する指定された棚上のグリッパの現在のアライメントが指定されたアライメントに対応するかどうかを判定するときに、「負の偏差」が検出されることを意味し、グリッパを偏向された棚とアライメントさせるために判定された負の偏差の量によって、グリッパはZ方向に「下に」移動される。これが起こるとすぐに、小物は分配されることができる(この場合)。「負の偏差」が下方または上方の偏差を表すかどうかは、Z軸の指定または番号付けによって異なる。最も低いZ位置は、通常、0位置に対応する。
【0029】
本発明による方法では、小物が棚からまたは棚に移動する前に、この移動がエラーなしに潜在的に実行できるかどうかをすでに判定することが可能である。この判定は非常に迅速に行うことができ、耐え難い逸脱がある場合には、グリッパを迅速に再配置することができる。しかし、グリッパの再配置を大幅に回避するために(かつ、1つの小物の移動のみが棚の偏向に実質的に影響を及ぼさないと仮定して)、本方法の好ましい実施形態は、現在のアライメントAAと指定されたアライメントVAとの間に偏差がある場合、指定された棚RBxへの目標位置SPxは、負または正の偏差に基づいて調整されることを提供する。このような場合、同じ棚に再び近づくと、グリッパは直ちに調整された目標位置SPxに移動され、それによって、Z位置に対する指定された棚のグリッパの現在のアライメントが指定されたアライメントに対応するかどうかを確認するとき、この判定またはテストは正であると仮定することができる。
【0030】
棚の偏向は、誤った分配および収納のリスクを高めるため、一般的に望ましくない。棚の材料に応じて、より長い期間にわたる偏向は、棚の材料が損傷したり、棚が永久に偏向を維持したりする可能性がある。したがって、本発明による方法の好ましい実施形態では、現在のアライメントAAと指定されたアライメントVAとの間に負の偏差がある場合、指定された棚RBxは、再配置されるべき棚としてマークされることが提供される。再配置されるようにマークされた棚は、その後、ピッキング装置が通常の動作で動作されていないときに、通常の棚の偏向に対抗するために分配または再配置することができる。
【0031】
棚の偏向は、小物の問題のない分配を防ぐだけでなく、指定された棚の下の収納場所の最大収納高さも低減する。本方法の好ましい実施形態では、現在のアライメントAAと指定されたアライメントVAとの間に偏差がある場合、偏差は、現在アプローチされている棚の下の棚の最大収納高さの調整のために使用される。
【0032】
棚は定期的に(Y方向に)非常に広く、棚ごとに多数の収納場所がある。しかし、この偏向は、棚の部分的な領域だけでなく、棚あたりのすべての収納場所に定期的に影響を及ぼし、中間収納場所はより深刻な影響を受ける。棚内の「偏差を伴う」目標位置のアプローチを最小限に抑えるために、好ましい実施形態は、現在のアライメントAAと指定されたアライメントVAとの間に偏差がある場合、指定された棚RBx全体がY方向のグリッパと共に横断され、指定された棚RBxに割り当てられたすべての収納位置について、現在のアライメントAAと指定されたアライメントとの間の偏差が判定され、収納位置に割り当てられた目標位置がそれに応じて調整されることが提供される。
【0033】
代替の実施形態では、この偏差に基づいて、現在のアライメントAAと指定されたアライメントVAとの間に偏差がある場合、棚のすべての収納位置の偏差は計算され、収納位置に割り当てられた目標位置は応じて調整されることが提供される。計算は、前述のY方向の棚の横断ほど正確ではないが、多くの時間を節約し、ピッキング装置が動作しており、横断が分配および収納を妨げる場合に特に有用である。
【0034】
さらなる好ましい実施形態では、現在のアライメントと指定されたアライメントとの間で判定された偏差は、指定された棚の下の棚上のすべての収納場所の最大収納高さを調整するために使用されることも提供される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
以下では、本発明によるグリッパの好ましい実施形態及び本発明による方法の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。
【
図1a】
図1aは、本発明によるグリッパの好ましい実施形態の斜視図である。
【
図1b】
図1bは、本発明によるグリッパの好ましい実施形態の斜視図である。
【
図2a】
図2aは、本発明によるグリッパのドロップテーブルの端部の詳細図であり、
図2aは斜視図を示す。
【
図2b】
図2bは、本発明によるグリッパのドロップテーブルの端部の詳細図であり、
図2bは正面図を示す。
【
図3】
図3は、輸送装置の移動機構のドロップテーブルおよびハウジングを含まない、本発明によるグリッパの斜視図を示す。
【
図4a】
図4aは、好ましい実施形態の輸送装置の移動機構の詳細な図を示し、
図4aは上面図を示す。
【
図4b】
図4bは、好ましい実施形態の輸送装置の移動機構の詳細な図を示し、
図4bは底面図を示す。
【
図5a】
図5aは、非偏向棚上のグリッパのアライメントを示し、
図5aは側面図を示す。
【
図5b】
図5bは、非偏向棚上のグリッパのアライメントを示し、
図5bは正面図を示す。
【
図6a】
図6aは、偏向された棚上のグリッパのアライメントを図示し、
図6aは側面図を示す。
【
図6b】
図6bは、偏向された棚上のグリッパのアライメントを図示し、
図6bは正面図を示す。
【
図7a】
図7aは、本発明による方法の好ましい実施形態が実証されることに基づいて、異なる収納及び分配シナリオを概略的に示す。
【
図7b】
図7bは、本発明による方法の好ましい実施形態が実証されることに基づいて、異なる収納及び分配シナリオを概略的に示す。
【
図7c】
図7cは、本発明による方法の好ましい実施形態が実証されることに基づいて、異なる収納及び分配シナリオを概略的に示す。
【
図8】
図8は、本発明による方法の好ましい実施形態のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1aおよび
図1bは、本発明によるグリッパ1の好ましい実施形態の斜視図を示し、
図1aは上方からの斜視図であり、および
図1bは下方からの斜視図である。本発明によるグリッパ1は、ピッキング装置のための操作装置(図示せず)の一部であり、端部70および輸送装置20を有するドロップテーブル10を含み、この実施形態では、特に、対向するクランプ面21a、21bを有する2つのクランプジョー20a、20bを含む。それらの自由端において、クランプジョー20a,20bは、滑り止め材料でコーティングされた部分22aを有する。
【0037】
クランプジョーの自由端では、ドロップテーブル10は、分配端面71を有する端部70を有し、この実施形態では、端部70は、別個のアセンブリとして設計され、複数のセンサユニットを有するセンサアセンブリ80として設計されたセンサ装置を含む。センサアセンブリ80は、ドロップテーブルおよび端部によって画定される支持面11の下に配置される。棚(図示せず)上のグリッパのアライメントは、センサアセンブリで判定できる。これについては、次の図で詳細に説明する。
【0038】
ドロップテーブルは、第1の水平方向(X方向)および第1の水平方向に直交する第2の水平方向(Y方向)に延在し、X方向は、収納および分配方向に対応し、すなわち、分配端面は、X方向の端面である。示される実施形態では、センサユニット80は、ドロップテーブルの長手方向軸(X方向に対応する)上に正確に配置される。しかしながら、このような縦軸上の配置は必須ではなく、特に好ましい。他の実施形態では、中央の3分の1である14内の配置(Y方向に関して)またはその外側でさえも十分であり得るが、少なくとも中央の3分の1の配置が好ましい。どの配置が正確に選択されるかは、とりわけ、グリッパの幅(X方向)および予想される棚の最大の偏向に依存し、これは、次いで、材料、厚さ、および2つの梁の間の棚のスパン幅に依存する。
【0039】
端部は、収納および分配端面71を備える。示される実施形態では、端部は解放可能なアセンブリとして設計され、あるいは、「端部」はまた、ドロップテーブルの一部のみを識別することができる。ドロップテーブルは、収納および分配方向、すなわち、第1の水平方向Xに延在する、中央の細長い開口部を備える。開口部には、広げられたスライドヘッド13を有するスライド要素12が配置されている。スライド要素12は、収納および分配方向または第1の水平方向の細長い開口部に移動されることができる。
【0040】
示される実施形態では、クランプジョーガイド配置30は、クランプジョー20a、20bが接続され、クランプジョーを移動および旋回するための機構を備える端部の反対側に配置される。上部では、クランプジョーガイド配置30は、2つの駆動部51、52および割り当てられた歯車53、54を有する駆動ユニット50を備える。示される実施形態では、クランプジョーは、以下の図を参照してより詳細に説明されるように、これらの2つの駆動部を介して移動および旋回される。光学検出装置2は、収納および分配プロセス中に様々な態様を監視することができるクランプジョーガイド配置に配置される。
【0041】
クランプジョーガイド配置30およびそのすべての電子部分は、示される実施形態では、固定アーム3の下に配置される制御装置4に接続される。固定アーム3自体は、回転ジョイントを介してドロップテーブルまたはドロップテーブルの基礎構造に固定される。
【0042】
パッケージの収納および分配のために、クランプジョーガイド配置30は、第1の水平方向(X方向)または収納および分配方向に移動されなければならない。この目的のために、示される実施形態では、駆動部60は、ドロップテーブルの下に配置される。駆動部60は、歯車を介して線形駆動装置61a、62aに結合され、それによって、クランプジョーガイド配置はX方向に移動される。摺動要素12を駆動する駆動部7もまた、ドロップテーブルの下に配置される。
【0043】
図2a及び2bは、本発明によるグリッパのドロップテーブルの端部の詳細図であり、
図2aは斜視図を示し、
図2bは正面図を示す。
図2aおよび2bでは、センサアセンブリ80が、別個の構成要素として設計された端部70の支持面11の下にどのように配置されているかをより正確に見ることができる。
図2bにおいて、示される実施形態におけるセンサアセンブリ80は、6つのセンサユニットSE1-SE6を含むことが分かる。
【0044】
図3は、両方のクランプジョー20a、20bが把持のために旋回される、グリッパの好ましい実施形態のクランプジョーガイド配置30の斜視図を示す。クランプジョーガイド配置30は、フレーム構造31、32、33a、33bを含み、正面の構成要素31は、クランプジョー(および図示しないドロップテーブル)の周りに係合する。構成要素31の下端では、線形駆動部の可動部分62a、62b(ランナー)が固定され、クランプジョーガイド配置30を第1の水平方向に移動させることができる。構成要素は、第1の水平方向に対応する固定部分(可動部分を移動させるために回転される)に沿ってクランプジョーガイド構成に沿って移動するため、「可動」と呼ばれる。固定部分61a、61b(
図1a、1bを参照)自体もまた、例えば回転することによって可動部分を移動させるために移動することができ、可動部分は、この回転運動中に固定部分の長手方向軸に沿って移動されるが、不動部分は、グリッパ内の位置に基づいて静止している。代替実施形態では、例えば、固定部分が、グリッパの長手方向端部の間に設計され、可動部分を動かすための対応する偏向ローラと相互作用する歯付きベルトとして設計されることが考えられる。
【0045】
図4aに見られ得るように、第1のガイド35および第2のガイド36という2つのガイド35,36は、第1の水平方向Xにおいて互いに平行でありおよび間隔が空けられた、第2の水平方向Yのサイドフレーム構造構成要素33a,33bの間に延び、第1のガイドは、クランプジョーの自由端に面する。2つのクランプジョースライド40a、40b;41a、41bはガイド35、36にそれぞれに配置され、2つの第1のクランプジョースライド40a、40bは第1のガイド35に配置され、および2つの第2のクランプジョースライド41a、41bは、第2のガイド36に配置される。本発明によるグリッパの図示された実施形態では、クランプジョースライドの一部は、ガイド35、36の突起を包含し、クランプジョースライドはこの突起上に部分的に休止する。
【0046】
図4aおよび4bでは、クランプジョースライド40a、40b、41a、41bは、示される実施形態では歯付きラックとして設計されている駆動要素45a、45b、46a、46bを備えていることがわかる。第1のガイド35または対応する第1のクランプジョースライド40a、40bに割り当てられた駆動要素45a、45b、および第2のガイド36に割り当てられた対応する駆動要素46a、46bは、歯付き要素が互いに反対側にあり、その自由端部が重複領域を形成するように、歯付きラックの歯付き要素に対して配向される。
【0047】
駆動ギア55、56は、駆動要素または歯付きラックの重複領域の中央に配置され、駆動ギアは、ギア53、54(
図4aおよび45bには示されていない)を介して駆動部51、52に結合される。ガイドのジョースライド40a、40b、41a、41bと対応する駆動歯車との間の距離は同一であり、したがって、駆動歯車は、2つのクランプジョースライドの間の正確に中央に配置され、その結果、駆動歯車の動きがクランプジョースライドの同期運動を引き起こす。駆動ギアが回転するとき、したがって、クランプジョースライドは、互いに向かってまたは互いに離れて同期して移動され、同じことが、2つのガイド35、36に割り当てられたクランプジョースライドにも適用される。
【0048】
したがって、第1のガイドのクランプジョースライドは、クランプジョースライドの移動に関して大きな柔軟性があるように、第2のガイドのクランプジョースライドに対して同時にまたは別々に移動することができる。第1または第2のガイドのクランプジョースライドは同期的に移動されることができるか、または第1または第2のガイドに割り当てられたクランプジョースライドのみが移動されることができる。このようにして、(両方のガイドのクランプジョースライドを同時に移動させることによって)角度調整することなく、クランプジョースライドに固定されたクランプジョーを平行に、または既に同時に旋回させたクランプジョーを移動させることが可能であり、または、1つのガイドのクランプジョースライドのみが移動された場合、クランプジョーを旋回させることが可能である。
【0049】
すでに述べられたように、クランプジョー20a、20bは、ジョーガイドガイド配置30に結合される。この結合は、
図4bに見ることができる。示される実施形態では、クランプジョー20a、20bは、それぞれ、第1のガイド35のクランプジョースライド40a、40bに回転ジョイント23a、43a、23b、43bを介して接続され、それぞれ、第2のガイド36のクランプジョースライド41a、41bにスロットガイド24a、25a、44a、24b、25b、44bを介して接続される。代替の実施形態では、回転ジョイントはまた、第2のガイドに割り当てられたクランプジョースライドに配置することができ、この場合、示される組み合わせでは、スロットガイドは、第1のガイド35に割り当てられたクランプジョースライドに配置される必要がある。
【0050】
しかし、回転ジョイント/スロットガイドの組み合わせを使用する必要はない。クランプジョーは、回転ジョイントまたは旋回ジョイントによって少なくとも1つのガイドで対応するクランプジョースライドに保持されなければならないが、スロットガイドの使用は絶対に必要ではない。例えば、代替実施形態におけるクランプジョーは、復元力に抗してクランプジョースライドとともに移動し、クランプジョースライドが後退すると、復元力によってクランプジョーが後方に移動することが考えられる。
【0051】
図5aおよび5bは、偏向していない棚上のグリッパのアライメントを示し、
図5aは側面図を示し、
図5bは正面図を示す。
図5aに見ることができるように、棚5の支持面6は、ドロップテーブル10の支持面11で「適切に」整列されているので、小物は問題なく棚からまたは棚に移動されることができる。示される概略図では、棚は検出領域DB1内にのみ延在し、これは、アライメントを判定するときに、Z軸またはZ方向(垂直軸)に対するグリッパの再調整が必要でないと解釈される。対応する正面図が
図5bに示されており、グリッパは棚の「後ろ」から見られている。棚5および支持テーブル10の支持面6および11が互いに整列しているか、または実質的に同じZ位置にあることが分かる。
【0052】
図6aおよび6bは異なる状況を示し、棚5は偏向される。検出領域DB1-DBnまたは81の棚は、検出領域DB1で認識されているだけでなく、検出領域DB2でも認識されており(
図6a)、これは偏向を示し、グリッパのZ位置を補正する必要がある。
図6bに係る正面図では、
図6aに概略的に示されていることが繰り返されるが、偏向がどのように影響を及ぼすかをより正確に見ることが可能であり、棚5の支持面6は、もはやドロップテーブル10の支持面11と整列されず、センサユニットSE3及びSE4の前の領域に配置される。センサーユニット/検出領域の評価では、この場合、グリッパをZ方向にほぼ「下」に移動させる必要があり、その量は、小物をドロップテーブルに分配するための2つの検出領域の高さに相当する。
【0053】
図7a-7cは、異なる収納及び分配シナリオを概略的に示す。グリッパは、
図7a-7cの部分で概略的に示され、対応する検出領域DB1-DB5を有する5つのセンサユニットSE1-SE5を備え、センサユニットは、検出領域が支持面11に平行に走るのではなく、むしろわずかに上昇するように整列される。これは、検出領域DB1が支持面11の上方の領域を覆うことを意味する。
図7aのシナリオでは、棚は偏向されておらず、グリッパは棚と理想的に整列している。検出領域の整列により、これは、棚が検出領域DB2内でのみ認識されることを意味する。整列を判定するとき、これは「偏差なし」として認識される(これはもちろん、制御ユニットの対応する仕様を必要とする。代替の実施形態では、これはまた、偏向を示すことができる)。
【0054】
図7bでは、歪みがあり、グリッパを目標位置に移動させた後、棚と理想的には整列しておらず、これは、棚が検出領域DB3で判定されているという事実によって認識され、これは、目標位置からの負の偏差を意味する。その結果、グリッパは目標位置Z(0)から調整されたZ位置Z(-1)に移動する。グリッパがこのZ位置に到着するとすぐに、棚は検出領域DB2で再び認識される。したがって、アライメントが理想的であり、小物は分配されることができる。
【0055】
図7cは、(例えば、
図7bによるシナリオに応答して)偏向を認識した後に目標位置が調整されたシナリオを示す。アライメントを判定するとき、棚が検出領域DB1内で認識されることが検出される。これは、説明された実施形態では、例えば、最後の分配アクションが非常に多くの重量を除去したため、偏向が減少したために、グリッパのZ位置が棚のZ位置よりも小さいことを意味する。これが判定されると、グリッパは位置Z(0)から位置Z(+1)に移動され、この新しいZ位置は、問題の棚のグリッパの新しい目標位置として保存される。
【0056】
図8は本発明による方法の好ましい実施形態のフローチャートを示す。まず、ステップ100において、グリッパは、指定された棚RBxの前の指定された目標位置SPxに移動される。この指定された棚RBxには、分配される小物が配置され、小物はその目的のために最初にグリッパのドロップテーブルに移動される必要がある。小物が配置される棚は、データベースのクエリに基づいて判定される。問題の棚が判定されるとすぐに、その現在の目標位置が判定され、グリッパが移動される。
【0057】
グリッパが目標位置に到達するとすぐに、ステップ110において、指定された棚RBxに関連するグリッパの現在のアライメントは、棚の存在が認識される検出領域DBxをチェックすることによって判定される(
図7A-7Cに関する実施形態を参照されたい)。ステップ120では、次いで、Z位置に対する指定された棚RBxのグリッパの現在のアライメントが、指定されたアライメントに対応するかどうかが判定される(
図7a-7cも参照されたい)。この場合(偏向がない場合、または目標位置が偏向に合わせて調整されている場合)、ステップ200において、小物はグリッパのドロップテーブル上に移動される。これがどのように正確に起こるかは、グリッパの搬送装置の正確な設計に依存するが、それは本発明にとって重要ではない。
【0058】
そうでない場合、すなわち、偏向があるか、または偏向が減少し、目標位置が調整されていない場合、ステップ300において、グリッパは現在のアライメントAAと指定されたアライメントVAとの間の負または正の偏差に従って、Z方向に移動され、その後分配される(ステップ200)。最後に、ステップ310において、目標位置SPxは、負または正の偏差に基づいて、指定された棚RBxに調整される。
【国際調査報告】