(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(54)【発明の名称】ポンプヘッド部品及びそれを用いたポンプヘッド並びに容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/34 20060101AFI20231221BHJP
F04B 9/14 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B65D47/34 100
F04B9/14 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537582
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 CN2021138443
(87)【国際公開番号】W WO2022127832
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202011483030.4
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202023012917.3
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523227719
【氏名又は名称】北京紅海科技開發有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING RED-SEA TECH CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【氏名又は名称】駒井 慎二
(72)【発明者】
【氏名】陳 増新
(72)【発明者】
【氏名】李 生録
(72)【発明者】
【氏名】夏 建松
(72)【発明者】
【氏名】李 陳
(72)【発明者】
【氏名】魏 晉霞
(72)【発明者】
【氏名】周 長春
(72)【発明者】
【氏名】魏 海明
(72)【発明者】
【氏名】陳 京哲
(72)【発明者】
【氏名】陳 斌
【テーマコード(参考)】
3E084
3H075
【Fターム(参考)】
3E084AB01
3E084BA02
3E084FA09
3E084KB01
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD22
3E084LD25
3H075AA01
3H075BB03
3H075CC36
3H075DA04
3H075DB14
3H075DB40
(57)【要約】
【課題】ポンプヘッド部品、このポンプヘッド部品を備えるポンプヘッド及び容器を提供する。
【解決手段】ポンプヘッド部品は、キャッシュ液部、開口部及び閉鎖端を備える。開口部は、一端がキャッシュ液部に連通され、他端が閉鎖端に接続される。キャッシュ液部と開口部の内部空間は貯液空間であり、貯液空間は、一端が外部に設置されたピストンによって閉鎖され、他端が閉鎖端によって閉鎖される。開口部には、取出される液体が貯液空間に出入りするための開口が設けられる。このポンプヘッド部品は、構造が簡単で、多機能あり、大量生産が容易であり、製品の材料に対する要求がなく、生産コストを削減することができる。また、これと適合する必要がある部品が簡単で、数量が少なく、生産と組立てに便利である。したがって、従来のポンプヘッドの複数の部品でしか実現できない混合機能を実現することができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャッシュ液部、開口部及び閉鎖端を備えるポンプヘッド部品であって、
前記開口部は、一端が前記キャッシュ液部に連通され、他端が前記閉鎖端に接続され、
前記キャッシュ液部と前記開口部の内部空間は、貯液空間であり、
前記貯液空間は、一端が外部に設置されたピストンによって閉鎖され、他端が前記閉鎖端によって閉鎖され、
前記開口部には、取出される液体が前記貯液空間に出入りするための開口が設けられることを特徴とするポンプヘッド部品。
【請求項2】
前記開口は、前記開口部の軸方向の同じ位置に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のポンプヘッド部品。
【請求項3】
前記開口の口径は、前記開口部の他の部分の口径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のポンプヘッド部品。
【請求項4】
前記キャッシュ液部、前記開口部及び前記閉鎖端の軸中心線が重なることを特徴する請求項1に記載のポンプヘッド部品。
【請求項5】
前記キャッシュ液部は円筒形であり、外側に突出部が設けられ、内側に前記ピストンと嵌合する平滑な表面を備えることを特徴とする請求項1に記載のポンプヘッド部品。
【請求項6】
前記キャッシュ液部の軸線と平行な滑らかな支持面が、前記キャッシュ液部の局所的な外周面に設けられることを特徴とする請求項1に記載のポンプヘッド部品。
【請求項7】
前記キャッシュ液部の直径は、前記開口部及び前記閉鎖端の直径よりも大きく、または、前記開口部の直径は、前記閉鎖端の直径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のポンプヘッド部品。
【請求項8】
前記開口は、軸方向の両側辺にシール部材を取り付けるための位置が設けられており、または、前記開口は、軸方向の両側辺にシール部材を固定するためのフランジ・リングが設けられることを特徴とする請求項1に記載のポンプヘッド部品。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のポンプヘッド部品を備えることを特徴とするポンプヘッド。
【請求項10】
請求項9に記載のポンプヘッドを備えることを特徴とする容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプヘッド部品、このポンプヘッド部品を備えるポンプヘッド及び容器に関し、特に、大規模な工業生産及び組立てに適したポンプヘッド部品、このポンプヘッド部品を備えるポンプヘッド及び容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプヘッドは、人々の生活の中で頻繁に使用される製品であり、多くの液体やペースト製品を、ポンプヘッドを使用して容器から取出すことができる。
【0003】
従来のポンプヘッドは、単価が高くないが、部品が多く、材料コスト及び組立てコストが生産コストの中で大きな割合を占めている。しかし、部品の数を減らすにはポンプヘッドの構造を再編成・改造する必要があるが、構造の再編成は、研究開発のコストが高く、難しくて、試行する人が少ない。したがって、ポンプヘッド技術は伝統的な技術に属しているが、広く使用されており、生産工程が成熟しているが、数十年にわたってポンプヘッドの構造はほとんど実質的な改善がされておらず、ポンプヘッド部品もほとんど変更されていない。
【0004】
従来のポンプヘッドの構成材料には、プラスチック、金属バネ、ガラスビーズなど、複数の種類がある可能性があり、プラスチックにも複数の種類がある可能性がある。複数種類の材料は、回収して再利用することが不便であり、材料の循環利用に不利で、プラスチック汚染などの環境問題への対策にも不利である。
【0005】
一方、部品によって構造や形状が異なり、それと他の部品とが組み合わせて構成されたポンプヘッドの性能も差がある場合がある。現在、一般的に使用されているポンプヘッドには、長期間使用しないと気密性が悪く、バネの弾力が操作性に大きく影響し、1回の取り出し量が少なすぎて、高粘度の液体や高濃度の液体を取り出せないなど、多くの問題がある。操作感と取り出し性能をいかに高めるかは、製品競争力を向上させる主な手段でもある。
【0006】
人々の生活水準が向上し、環境保護に対する意識が高まる中で、人々はコストがより低く、回収が便利で、性能がより良いポンプヘッドや容器を製造し、取り出し時の操作感を高め、ポンプヘッドの流体取り出し性能を改善することが求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の従来技術に存在するポンプヘッドの製造コストが高く、性能が悪いなどの問題を解決するために、本発明は、キャッシュ液部、開口部及び閉鎖端を備えるポンプヘッド部品を提供する。
【0008】
開口部は、一端がキャッシュ液部に連通され、他端が閉鎖端に接続され、
キャッシュ液部と開口部の内部空間は、貯液空間であり、
貯液空間は、一端が外部に設置されたピストンによって閉鎖され、他端が閉鎖端によって閉鎖され、
開口部には、取出される液体が貯液空間に出入りするための開口が設けられている。
【0009】
このポンプヘッド部品の貯液空間は、取出される液体を一時的に保存するために役立ち、この貯液空間は、一端が外部に設置されたピストンによって閉鎖されるため、液体がこの端部から出入りできず、他端が閉鎖端によって閉鎖されている。キャッシュ液部は、開口部に直接接続され、内部空間と連通している。
【0010】
開口部には、取出される液体がキャッシュ液部と開口部に出入りするための開口が設けられている。
【0011】
このポンプヘッド部品において、前記開口部の軸方向の同じ位置に複数の開口が設けられてもよい。複数の開口により、開口部と外部通路と連通する口径を大きくすることによって、高濃度及び大粒子の流体による閉塞を防止し、流通圧力の損失を低減することができる。
【0012】
このポンプヘッド部品において、開口部における開口の口径が、開口部の他の部分の口径よりも小さいため、環状または溝型の通路を形成することができ、外部通路との連通がよりスムーズになる。
【0013】
このポンプヘッド部品において、キャッシュ液部、開口部及び閉鎖端の軸中心線が重なる。キャッシュ液部、開口部及び閉鎖端の軸中心線が重なるため、その他のポンプヘッドの構成部品との機械的組立てが容易になり、ポンプヘッド部品の軸方向での移動も容易になる。
【0014】
このポンプヘッド部品において、前記キャッシュ液部は、円筒形であり、外側に突出部が設けられ、内側にピストンと嵌合する平滑な表面を備える。キャッシュ液部は円筒形であるため、加工や生産がが容易になり、容量を最大化することもできる。外側には、前記ポンプヘッド部品が軸方向に移動する距離を制限できるように、ブラケット等と嵌合する突出部が設けられている。前記突出部は、特別に設けられたバリア部材であってもよく、キャッシュ液部と周辺部品と直径の差を利用して、キャッシュ液部の両端をバリア部材として使用する等、キャッシュ液部の両端をバリア部材として使用してもよい。内側には、ピストンと嵌合する平滑な表面があることによって、ポンプヘッドの機密性を保障し、液体を送り出す機能を実現することができる。
【0015】
このキャッシュ液部の局所的な外周面には、キャッシュ液部の軸線と平行な滑らかな支持面が設けられ、前記支持面が前記ポンプヘッド部品の軸方向での往復移動全体を支持する。前記支持面は、キャッシュ液部に位置する外周面と、キャッシュ液部と開口部とが接続する箇所に位置する外周面を含む。外部に設置された支持部材との組合わせにより、支持面は、前記ポンプヘッド部品の軸方向での短距離の往復移動を支持し、ポンプヘッド部品が軸方向以外のところで揺れることを防止する。平滑な表面は、ポンプヘッド部品が軸方向での往復移動を支持するのを容易にする。
【0016】
このポンプヘッド部品において、キャッシュ液部の直径は、開口部及び閉鎖端の直径よりも大きい。キャッシュ液部の直径が大きいため、より多くの液体を一時的に保存することができ、ポンプヘッドは、より多くの液体を1回に取り出すことができる。開口部及び閉鎖端は直径が小さいため、材料、空間及び組立てコストを節約することができる。
【0017】
このポンプヘッド部品において、前記開口は、軸方向の両側辺にシール部材を取り付けるための位置が設けられており、または、前記開口は、軸方向の両側辺にシール部材を固定するためのフランジ・リングが設けられる。このように設置することで、シール部品の数を減らし、シール効果を確保すると共に、その軸方向での移動を容易にすることができる。
【0018】
このポンプヘッド部品は、構造が簡単で、多機能であり、大量生産を容易にし、製品の材料に対する要求がなく、生産コストを削減することができる。また、これと適合する必要がある部品が簡単で、数量が少なく、生産と組立てが容易である。したがって、既存ポンプヘッドの複数の部品でしか実現できない混合機能を実現することができる。
【0019】
本発明はまた、上記のポンプヘッド部品を使用したポンプヘッドを提供する。
【0020】
本発明はまた、上記のポンプヘッドを使用した容器を提供する。
【発明の効果】
【0021】
このポンプヘッド及び容器は、従来技術の容器に存在する様々な課題を克服し、構成部品の点数が少なく、組立てが容易で、使い勝手が良く、高粘度・高濃度の収容物を取り出すことができ、実用性が高い等の利点を有する。同時に、このポンプヘッド及び容器は単一の材料で作られているため、再利用が容易で、環境に対するプラスチック汚染への圧力を軽減するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は実施例1に記載のポンプヘッドの断面図である。
【
図2】
図2は実施例1に記載の
図1のポンプヘッドの分解図である。
【
図3】
図3は実施例2に記載のポンプヘッドの断面図である。
【
図4】
図4は実施例2に記載の
図3のポンプヘッドの分解図である。
【
図5】
図5は実施例3に記載のポンプヘッドの断面図及びその分解図である。
【
図6】
図6は実施例3に記載のポンプヘッドの立体図及びその分解図である。
【
図7】
図7は実施例4に記載のポンプヘッドの断面図及びその分解図である。
【
図8】
図8は実施例4に記載のポンプヘッドの立体図及びその分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施例1
図1は、実施例1に記載のポンプヘッドの断面図である。
図2は、
図1の分解図である。前記ポンプヘッドは、軸方向移動構成部品1(すなわち、ポンプヘッド部品)、ピストン2、シール部材31、シール部材32、液体吸込通路4及びその出口41、流出通路5及びその入口51、ブラケット6、及び連結ロッド21、ガイドカバー22、容器蓋8を備える。
【0024】
軸方向移動構成部品1は、キャッシュ液部11、開口部12及び閉鎖端13を備える。開口部12は、一端がキャッシュ液部11に連通され、他端が閉鎖端13に接続される。前記キャッシュ液部11は円筒形であり、外側に突出したバリアリング16及びフランジ17が設けられ、内側にピストン2と嵌合する平滑な表面が設けられている。キャッシュ液部11と開口部12の内部空間は貯液空間14であり、貯液空間14は、一端がピストン2によって閉鎖され、他端が閉鎖端13によって閉鎖される。開口部12には、取出される液体が貯液空間14に出入りするたびに通過する開口15が複数設けられている。軸方向移動構成部品1の外側には、バリアリング16及びフランジ17が設けられ、軸方向移動構成部品1の局所的な外周側面には、キャッシュ液部の軸中心線と平行な滑らかな支持面18が設けられている。
【0025】
ここで、キャッシュ液部11、開口部12及び閉鎖端13の軸中心線が重なる。複数の開口15が、開口部の軸方向の同じ位置に設けられている。キャッシュ液部11の外側には、突出したバリアリング16及びフランジ17が設けられており、前記突出部はブラケット6と嵌合することによって、軸方向移動構成部品1の軸方向での移動距離を制限することができる。軸方向移動構成部品1の軸方向での往復移動全体を支持するために、軸方向移動構成部品1の局所的な外周面には支持面18が設けられる。開口15の軸方向両側にシール31及びシール32を取り付けるための位置が設けられており、前記位置には、シール31及びシール32を固定するためのフランジ・リングがそれぞれ設けられており、ここで、シール32は閉鎖端13に位置する。口径を比較すると、キャッシュ液部11の口径は、開口部12の口径よりも大きく、開口部12の口径は、閉鎖端13の口径よりも大きい。ガイドカバー22は、連結ロッド21が直線移動を維持することを容易にし、揺れることを防止する。ガスリターン通路63は、一端がシール32の下方でブラケット6内に向けて開口され、他端が容器蓋8の内部に連通できる。
【0026】
連結ロッド21でピストン2を軸方向移動構成部品1の外部に牽引することにより、軸方向移動構成部品1が右側に移動し、開口15と液体吸込通路4とが連通され、ガスリターン通路63が開かれる。ピストン2を牽引し続けると、フランジ17はブラケット6の右側の取り付け口の内側にある面取りによって遮られ、軸方向移動構成部品1は右側に移動しなくなり、ピストン2を牽引し続けると、取出される液体が液体吸込通路4から開口15を経て貯液空間14内に流れ込む。
【0027】
連結ロッド21でピストン2を軸方向移動構成部品1の内部に押すことにより、軸方向移動構成部品1が左側に移動し、開口15と流出通路5とが連通され、ガスリターン通路63がシール32によって閉鎖される。ピストン2を押し続けると、バリアリング16はブラケット6の右側の取り付け口によって遮られ、軸方向移動構成部品1が左側に移動しなくなり、ピストン2は、貯液空間14内の液体が開口15を経て流出通路5から外部に流出されるように押し出す。
【0028】
軸方向移動構成部品1は、構造が簡単で、多機能であり、大量生産を容易にし、製品材料に対する要求が高くないため、生産コストを低減することができる。また、それと適合する必要がある部品が簡単で、数量が少ないため、生産及び組立てに便利である。
【0029】
本発明の実施例1に記載のポンプヘッドは、軸方向移動構成部品1を組立てて製造したポンプヘッドである。実施例1におけるこのポンプヘッドは、液体を収容可能な容器本体に容器蓋8を介して取り付けられ、このポンプヘッドを使用した容器を形成する。従って、前記ポンプヘッド及び容器は、構成部品が少なく、組立てが簡単で、使い勝手がよく、高粘度や高濃度の収容物を取出すことができ、実用性が高いという利点がある。同時に、前記ポンプヘッドと容器は材料が単一で、いずれもプラスチックであってもよく、プラスチックのリサイクル・再利用が容易である。
【0030】
実施例2
図3に示すように、実施例2に記載のポンプヘッドの断面図であり、
図4は
図3の分解図である。前記ポンプヘッドは、軸方向移動構成部品1(すなわち、ポンプヘッド部品)、ピストン2、シール部材31、シール部材32、液体吸込通路4、流出通路5、ブラケット6、及び連結ロッド21、カバー22を備える。
【0031】
軸方向移動構成部品1は、キャッシュ液部11、開口部12及び閉鎖端13を備える。開口部12は、一端がキャッシュ液部11に連通され、他端が閉鎖端13に接続される。前記キャッシュ液部11は、円筒形であり、外側に突出した凸肩部16及び面取り17が設けられ、内側にピストン2と嵌合する平滑な表面を有する。キャッシュ液部11及び開口部12の内部空間は貯液空間14であり、貯液空間14は、一端がピストン2によって閉鎖され、他端が閉鎖端13によって閉鎖される。開口部12には、取出される液体が貯液空間14に出入りするたびに通過する開口15が設けられている。軸方向移動構成部品1は、外側に凸肩部16及び面取り17が設けられ、軸方向移動構成部品1の局所的な外周側面には、キャッシュ液部の軸線と平行な滑らかな支持面18が設けられる。
【0032】
ここで、キャッシュ液部11、開口部12及び閉鎖端13の軸中心線が重なる。開口部12の軸方向の同じ位置には、複数の開口15が設けられている。キャッシュ液部11の外側には、凸肩部16及び面取り17が設けられ、軸方向移動構成部品1の軸方向での移動距離を制限できるように、前記凸肩部16と面取り17とはブラケット6に嵌合される。軸方向移動構成部品1は、局所的な外周面に支持面18が設けられており、支持面18がブラケット6上での軸方向移動構成部品1の軸方向の往復移動全体を支持する。開口15の軸方向両側にシール31及びシール32を取り付けるための位置が設けられており、ここで、シール32は閉鎖端13に位置する。前記開口は、軸方向の両側辺にシール31及びシール32を固定するために、シール部材を固定するフランジ・リングが設けられる。口径の点では、キャッシュ液部11の口径は開口部12よりも大きく、開口部12の口径は閉鎖端13よりも大きい。
【0033】
連結ロッド21でピストン2を軸方向移動構成部品1の外部に牽引することによって、軸方向移動構成部品1が右側に移動し、開口15と液体吸込通路4の出口41とが連通される。ピストン2を牽引し続けると、面取り17がブラケット6の右側の取り付け口の外側にあるフランジによって遮られ、軸方向移動構成部品1が右側に移動しなくなり、ピストン2を牽引し続けると、取出される液体が液体吸込通路4から開口15を経て貯液空間14内に流れ込む。
【0034】
連結ロッド21でピストン2を軸方向移動構成部品1の内部に押すと、軸方向移動構成部品1が左側に移動し、開口15と流出通路5の入口51とが連通される。ピストン2を押し続けると、凸肩部16がブラケット6の右側の取り付け口によって遮られ、軸方向移動構成部品1が左側に移動しなくなり、ピストン2は、貯液空間14内の液体が開口15を経て流出通路5から外部に流出されるように押し出す。
【0035】
同様に、本実施例における軸方向移動構成部品1は、構造が簡単で、多機能であり、大量生産が容易な、ポンプヘッドのコア部品である。製品の材料に対する高い要求がなく、生産コストを削減することができる。また、これと適合する部品が簡単で、数量が少なく、生産と組立てに便利である。
【0036】
実施例2に記載のポンプヘッドは、軸方向移動構成部品1を備えるポンプヘッドである。実施例2におけるこのポンプヘッドは、容器蓋10によって容器の本体に取り付けられ、容器を形成する。実施例2におけるこのポンプヘッド及びこのポンプヘッドを使用した容器も、構成部品が少なく、組立てが簡単で、使い勝手がよく、高粘度・高濃度の収容物を取出すことができ、実用性が高いという利点がある。同時に、前記ポンプヘッド及び容器は、材料が単一で、いずれもプラスチックであってもよく、プラスチックのリサイクル・再利用が容易である。
【0037】
実施例3
図5及び
図6に示すように、実施例3に記載のポンプヘッドである。
図5は、実施例3に記載のポンプヘッドの断面図及びその分解図であり、
図6は、実施例3に記載のポンプヘッドの立体図及びその分解図である。前記ポンプヘッドは、軸方向移動構成部品1(すなわち、ポンプヘッド部品)、ピストン2、シール部材31、シール部材32、液体吸込通路4、流出通路5、ブラケット6、及びに接続蓋21を備える。
【0038】
軸方向移動構成部品1は、キャッシュ液部11、開口部12及び閉鎖端13を備える。開口部12は、一端がキャッシュ液部11に連通され、他端が閉鎖端13に接続される。前記キャッシュ液部11は、円筒形であり、外側に突出した凸肩部16が設けられ、内側にピストン2と嵌合する平滑な表面を有する。キャッシュ液部11及び開口部12の内部空間は貯液空間14であり、貯液空間14は、一端がピストン2によって閉鎖され、他端が閉鎖端13によって閉鎖される。開口部12には、取出される液体が貯液空間14に出入りするたびに通過する開口15が設けられている。軸方向移動構成部品1におけるキャッシュ液部11の直径は開口部12よりも大きく、凸肩部16を形成する。キャッシュ液部11と開口部12とが接続される局所的な外周側面には、キャッシュ液部の軸線と平行な滑らかな支持面18が設けられている。ブラケット6の中央にある丸孔61の直径は、キャッシュ液部11と開口部12とが接続される箇所の直径よりも僅かに大きく、軸方向移動構成部品1が丸孔61を通り抜けてブラケット6に取り付けられた後、開口15の軸方向の両側、すなわち開口部12及び閉鎖端13にそれぞれフランジ・リングが設けられており、シール部材31とシール部材32とが固定される。また、液体吸込通路4の出口41、流出通路5の入口51及び出口52を備える。
【0039】
本実施例において、キャッシュ液部11、開口部12及び閉鎖端13の軸中心線が重なる。開口部12の軸方向の同じ位置に複数の開口15が設けられている。キャッシュ液部11の外側には凸肩部16が形成され、軸方向移動構成部品1の軸方向の移動距離を制限するために、前記凸肩部16とシール部材31とがブラケット6に嵌合される。キャッシュ液部11と開口部12とが接続される箇所の局所的な外周側面には支持面18が設けられ、支持面18は、ブラケット6上での軸方向移動構成部品1の軸方向の往復移動全体を保障する。開口15の軸方向両側にシール部材31及びシール部材32を取り付けるための位置が設けられており、ここで、シール部材32は閉鎖端13に位置する。キャッシュ液部11の口径は開口部12よりも大きく、開口部12の口径は閉鎖端13よりも大きい。
【0040】
接続蓋21でピストン2を軸方向移動構成部品1の外部に牽引すると、軸方向移動構成部品1が全体的に上方に移動し、開口15と液体吸込通路4とが連通される。シール部材31がブラケット6の中央にある仕切り板62によって遮られた後、軸方向移動構成部品1は上方に移動しなくなり、ピストン2によって形成された負圧の吸引力により、取出される液体が開口15を経て液体吸込通路4から貯液空間14内に流れ込む。
【0041】
接続蓋21でピストン2を軸方向移動構成部品1の内部に押すと、軸方向移動構成部品1は全体的に下方に移動し、開口15と流出通路5とが連通される。凸肩部16がブラケット6の中央にある仕切り板62によって遮られた後、軸方向移動構成部品1は下方に移動しなくなり、ピストン2は、貯液空間14内の液体が開口15を経て流出通路5から外部に流出されるように押し出す。
【0042】
同様に、本実施例における軸方向移動構成部品1は、構造が簡単で、多機能であり、大量生産が容易である。製品の材料に対する要求がなく、生産コストを削減することができる。また、これと適合する必要がある部品が簡単で、数量が少なく、生産と組立てに便利である。
【0043】
実施例4
図7及び
図8に示すように、実施例4に記載のポンプヘッドである。
図7は、実施例4に記載のポンプヘッドの断面図及びその分解図であり、
図8は、実施例4に記載のポンプヘッドの立体図及びその分解図である。前記ポンプヘッドは、軸方向移動構成部品1(すなわち、ポンプヘッド部品)、ピストン2、液体吸込通路4、流出通路5、ブラケット6、及び連結ロッド21、カバー22を備える。
【0044】
軸方向移動構成部品1は、キャッシュ液部11、開口部12及び閉鎖端13を備える。開口部12は、一端がキャッシュ液部11に連通され、他端が閉鎖端13に接続される。前記キャッシュ液部11は、円筒形であり、外側に突出したバリアリング16及びバリアリング17が設けられ、内側にピストン2と嵌合する平滑な表面を有する。キャッシュ液部11と開口部12の内部空間は貯液空間14であり、貯液空間14は、一端がピストン2によって閉鎖され、他端が閉鎖端13によって閉鎖される。開口部12には、取出される液体が貯液空間14に出入りするたびに通過する開口15が設けられる。軸方向移動構成部品1は、外側にバリアリング16及びバリアリング17が設けられ、軸方向移動構成部品1の局所的な外周側面には、キャッシュ液部の軸線と平行な滑らかな支持面18が設けられる。ブラケット6は、支持面18を支持し、軸方向移動構成部品1の軸方向の往復移動全体を支持する。キャッシュ液部11の口径は開口部12及び閉鎖端13よりも大きく、開口部12の口径は閉鎖端13の口径と同じである。
【0045】
ここで、ピストン、キャッシュ液部11、開口部12及び閉鎖端13の軸中心線が重なる。開口部の軸方向の同じ位置に複数の開口15が設けられている。キャッシュ液部11は、外側にバリアリング16及びバリアリング17が設けられ、軸方向移動構成部品1の軸方向での移動距離を制限するために、バリアリング16及びバリアリング17はブラケット6に嵌合される。軸方向移動構成部品1の局所的な外周面には、軸方向移動構成部品1の軸方向の往復移動全体を支持する支持面18が設けられる。
【0046】
円形のフレーム7の両側はそれぞれ、液体吸込通路4の出口41及び流出通路5の入口51であり、流出通路5の入口51が外側に位置する。フレーム7の内周側面には、シール部材31を取り付けるための位置が設けられている。シール部材31は、軸方向移動構成部品1の開口部と閉鎖端の往復移動を可能にすると共に、液体吸込通路4の出口41と流出通路5の入口51との間の隙間を閉鎖することによって、混流を防止する。軸方向移動構成部品1の開口部12及び閉鎖端13をフレーム7に取り付けた後、シール部材32で取り付け口を密封する。カバー22は、連結ロッド21が直線移動を維持するのを容易にすることによって、揺れを防止する。
【0047】
連結ロッド21でピストン2を軸方向移動構成部品1の外部に牽引すると、軸方向移動構成部品1が右側に移動し、開口15と液体吸込通路4とが連通される。ピストン2を押し続けると、バリアリング17はブラケット6によって遮られ、軸方向移動構成部品1が右側に移動しなくなり、ピストン2を牽引すると、取出される液体が、開口15を経て液体吸込通路4から貯液空間14内に流れ込む。
【0048】
連結ロッド21でピストン2を軸方向移動構成部品1の内部に押すと、軸方向移動構成部品1が左側に移動し、開口15と流出通路5とが連通される。ピストン2を押し続けると、バリアリング16がブラケット6によって遮られ、軸方向移動構成部品1が左側に移動しなくなり、ピストン2は、貯液空間14内の液体が開口15から流出通路5を経て外部に流出されるように押す。
【0049】
本発明の実施形態を示し、説明したが、本発明の原理及び精神から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な変更、修正、置換、変形及び組み合わせを行うことができることは、当業者には理解されるであろう。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって限定される。
【国際調査報告】