(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(54)【発明の名称】電極組立体およびこれを含む二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/586 20210101AFI20231221BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20231221BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20231221BHJP
H01M 10/0585 20100101ALI20231221BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20231221BHJP
H01M 50/466 20210101ALI20231221BHJP
H01M 50/595 20210101ALI20231221BHJP
H01M 50/553 20210101ALI20231221BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20231221BHJP
H01M 50/176 20210101ALI20231221BHJP
H01M 50/178 20210101ALI20231221BHJP
H01M 10/052 20100101ALN20231221BHJP
【FI】
H01M50/586
H01M50/103
H01M50/105
H01M10/0585
H01M10/04 Z
H01M50/466
H01M50/595
H01M50/553
H01M50/548 101
H01M50/176
H01M50/178
H01M10/052
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537609
(86)(22)【出願日】2022-03-22
(85)【翻訳文提出日】2023-06-20
(86)【国際出願番号】 KR2022003956
(87)【国際公開番号】W WO2022203338
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0036922
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、スハン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヤンフワン
【テーマコード(参考)】
5H011
5H021
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011AA13
5H011BB04
5H011EE04
5H021AA02
5H021BB04
5H021BB11
5H021CC18
5H021HH03
5H028AA05
5H028BB04
5H028CC02
5H028CC08
5H028CC22
5H028HH05
5H028HH06
5H029AJ12
5H029AJ14
5H029AK03
5H029AK05
5H029AL02
5H029AL03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL11
5H029AL12
5H029AL16
5H029AM01
5H029BJ02
5H029BJ04
5H029CJ03
5H029CJ05
5H029DJ04
5H029HJ04
5H043AA04
5H043AA13
5H043AA19
5H043BA17
5H043CA04
5H043CA08
5H043CA13
5H043DA02
5H043EA08
5H043GA22
5H043GA27
5H043LA21D
5H043LA21E
(57)【要約】
【課題】本発明は、電極組立体およびこれを含む二次電池に関し、分離膜の高温熱収縮環境下でも二次電池の安全性を高めることができる電極組立体および二次電池に関する。
【解決手段】前記電極組立体は、正極板と、前記正極板に対応する負極板と、前記正極板または負極板を挟んで互いに隣接して位置する第1および第2分離膜とを含み、前記正極板および負極板の長手方向に沿って、前記第1分離膜の少なくとも一端は、前記第2分離膜の少なくとも一端と接着されており、前記第1および第2分離膜の少なくとも一端は、前記正極板または負極板を囲むように折り畳まれており、前記電極組立体は、前記第1および第2分離膜の折り畳み部を覆う絶縁テープをさらに含むものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極板と、
前記正極板に対応する負極板と、
前記正極板または負極板を挟んで互いに隣接して位置する第1および第2分離膜とを含み、
前記正極板および負極板の長手方向に沿って、前記第1分離膜の少なくとも一端は、前記第2分離膜の少なくとも一端と接着されており、
前記第1および第2分離膜の少なくとも一端は、前記正極板または負極板を囲むように折り畳まれており、
前記第1および第2分離膜の折り畳み部を覆う絶縁テープをさらに含む電極組立体。
【請求項2】
前記正極板および負極板はそれぞれ、電極集電体と、
前記電極集電体上に形成された電極活物質層と、
前記電極集電体から突出して形成された電極タブとを含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記第1および第2分離膜は、前記正極板および負極板より大きい幅を有する、請求項1または2に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記第1および第2分離膜は、対面する正極板または負極板と接着されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記正極板および負極板の長手方向に沿って、前記第1分離膜の両端が前記第2分離膜の両端と接着されており、
前記第1および第2分離膜の両端が前記正極板または負極板を囲むように折り畳まれている、請求項1から4のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項6】
相互接着された第1および第2分離膜の少なくとも一端は、二重に折り畳まれている、請求項1から5のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記絶縁テープは、前記第1および第2分離膜の折り畳み部を覆いながら、前記長手方向と垂直な幅方向に沿って正極板および負極板の周囲を囲むように形成されている、請求項1または2に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記絶縁テープは、前記電極タブの突出部周辺の正極板および負極板の周囲をさらに囲むように形成されている、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の電極組立体と、
前記電極組立体を収容する電池ケースとを含む二次電池。
【請求項10】
前記電池ケースは、パウチ型電池ケースまたは角型電池ケースである、請求項9に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2021年3月22日付の韓国特許出願第10-2021-0036922号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電極組立体およびこれを含む二次電池に関し、より具体的には、分離膜の高温熱収縮環境下でも二次電池の安全性を高めることができる電極組立体および二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加に伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。これによって、多様な要求に応えられる二次電池に関する研究が多く行われている。二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコンなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギー源としても多くの関心を集めている。
【0004】
携帯電話、カメラなどの小型デバイスには、1つの電池セルがパッキングされている小型電池パックが用いられるが、ノートパソコン、電気自動車などの中大型デバイスには、2つまたはそれ以上の電池セルを並列および/または直列に連結した電池パックがパッキングされている中型または大型電池パックが用いられている。
【0005】
リチウム二次電池の場合、優れた電気的特性を有しているのに対し、安全性が低いという問題がある。例えば、リチウム二次電池は、過充電、過放電、高温露出、電気的短絡などの異常な作動状態で電池の構成要素である活物質、電解質などの分解反応が誘発されて熱とガスが発生し、これによって生じた高温高圧の条件は前記分解反応をさらに促進して発火または爆発を起こすことがある。
【0006】
より具体的な一例において、既存の電極組立体およびこれを含む角型またはパウチ型二次電池では、電極組立体に含まれている分離膜が高温環境の露出下に熱収縮する場合が多く発生した。このような分離膜の熱収縮によって正極と負極が直接対面して電気的短絡が発生し、その結果、リチウム二次電池の発火または爆発などが発生することがある。
【0007】
特に、最近は、リチウム二次電池が高容量、高電圧化されるにつれ、例えば、ニッケルを60重量%以上の高含有量で含む正極活物質が幅広く使用されている。このような高含有量のニッケルを含む正極活物質は、発熱量が高く、構造崩壊温度が低くて、相対的に低い熱的安定性を有するので、上述した二次電池の安全性、特に、高温安全性に対する問題がさらに大きく台頭している。
【0008】
このような従来の電極組立体などのデメリットによって、分離膜の高温熱収縮環境下でも二次電池の安全性を高めることができる技術の開発が要求され続けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、分離膜の高温熱収縮環境下でも二次電池の安全性を向上させることができる電極組立体およびこれを含む二次電池を提供する。
【0010】
ただし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は上述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的思想の範囲で多様に拡張可能である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、正極板と、
前記正極板に対応する負極板と、
前記正極板または負極板を挟んで互いに隣接して位置する第1および第2分離膜とを含み、
前記正極板および負極板の長手方向に沿って、前記第1分離膜の少なくとも一端は、前記第2分離膜の少なくとも一端と接着されており、
前記第1および第2分離膜の少なくとも一端は、前記正極板または負極板を囲むように折り畳まれており、
第1および第2分離膜の折り畳み部を覆う絶縁テープをさらに含む電極組立体を提供する。
【0012】
本発明はまた、前記電極組立体と、
前記電極組立体を収容する電池ケースとを含む二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電極組立体では、相互積層された正極板および負極板の間に付加される分離膜が互いに接着されており、前記正極板および負極板を囲むように折り畳まれており、その周囲には絶縁テープが覆われている。
【0014】
その結果、前記電極組立体および二次電池が高温環境などに露出しても、前記分離膜が熱収縮して正極板および負極板が電気的短絡を起こす現象を最小化することができる。したがって、高含有量のニッケルを含む正極活物質などを適用しても、二次電池の発火や爆発などを最小化してリチウム二次電池の安全性を極大化することができる。
【0015】
また、前記相互接着された分離膜が正極板および負極板を囲むように折り畳まれることにより、電極組立体をパウチ型電池ケースなどに挿入する工程がより円滑に行われるようにできる。
【0016】
したがって、本発明は、高含有量のニッケルを含む正極活物質などを適用して高容量、高エネルギー密度の二次電池を提供しながらも、このような二次電池の安全性および工程性を向上させて、高品質の二次電池の提供に大きく寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】発明の一実施形態による電極組立体を概略的に示す斜視図である。
【
図2】発明の一実施形態による電極組立体を製造するための電極-分離膜積層体を概略的に示す平面図である。
【
図3A】発明の実施形態による電極組立体を概略的に示す平面図である。
【
図3B】発明の実施形態による電極組立体を概略的に示す平面図である。
【
図4A】発明の実施形態による電極組立体を概略的に示す断面図である。
【
図4B】
図3A、3Bおよび4Aに円で表示された第1および第2分離膜の折り畳み部を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照して、発明の様々な実施形態について、発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0019】
発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を使った。
【0020】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、発明が必ずしも図示のものに限定されない。図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0021】
さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0022】
また、明細書全体において、「平面上(または平面図)」とする時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上(または断面図)」とする時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0023】
図1、3A、3Bおよび4Aには、発明の実施形態による電極組立体の斜視図、平面図および断面図をそれぞれ示している。
【0024】
これらの
図1、3A、3Bおよび4Aに示されているように、発明の一実施形態によれば、
正極板110と、
前記正極板110に対応する負極板130と、
前記正極板110または負極板130を挟んで互いに隣接して位置する第1および第2分離膜120a、120bとを含み、
前記正極板110および負極板130の長手方向に沿って、前記第1分離膜120aの少なくとも一端は、前記第2分離膜120bの少なくとも一端と接着されており、
前記第1および第2分離膜120a、120bの少なくとも一端は、前記正極板110または負極板130を囲むように折り畳まれており、
前記第1および第2分離膜120a、120bの折り畳み部を覆う絶縁テープ140をさらに含む電極組立体100が提供される。
【0025】
前記一実施形態の電極組立体100は、基本的に、正極板110および負極板130が相互交互に積層されており、交互積層された正極板110および負極板130の間に第1および第2分離膜120a、120bがそれぞれ形成されているスタック型電極-分離膜積層体を含む。
図2を参照すれば、このようなスタック型電極-分離膜積層体において、前記第1および第2分離膜120a、120bは、前記正極板110および負極板130より大きい幅を有するように形成/配置されている(
図2の右の四角形表示部)。
【0026】
また、
図3A、3Bおよび4Aに示されているように、互いに隣接して配置された前記第1分離膜120aと、第2分離膜120bとは、これらの少なくとも一端が前記正極板110および負極板130の長手方向に沿って相互接着されており、このような第1および第2分離膜120a、120bの相互接着部は、前記正極板110および/または負極板130を囲むように折り畳まれている(
図3A、3Bおよび
図4Aの円表示部)。
【0027】
加えて、前記第1および第2分離膜120a、120bの折り畳み部を覆いながら、前記長手方向と垂直な幅方向に沿って正極板110および負極板130の周囲を囲むように絶縁テープ140が形成されている。
【0028】
このように、一実施形態の電極組立体100では、相互隣接する第1および第2分離膜120a、120bの少なくとも一端が相互接着され、これらが正極板110および負極板130の周囲に折り畳まれており、このような第1および第2分離膜120a、120bの折り畳み部と、電極板110、130の周囲に絶縁テープ140が形成された3つの分離膜固定構造を備えている。
【0029】
これら第1および第2分離膜120a、120bの固定構造およびそれによる固定力により、前記電極組立体100および二次電池が高温環境などに露出したり、正極活物質から発熱などが発生しても、第1および第2分離膜120a、120bの熱収縮力が相殺されて、これら第1および第2分離膜120a、120bが熱収縮しないようにできる。
【0030】
その結果、これら分離膜の熱収縮により正極板110および負極板130が互いに接触して電気的短絡を起こす現象を最小化することができる。特に、電池の安全性向上のために単純に第1および第2分離膜を各電極板より大きい幅に形成した電極組立体と比較すれば、上述した分離膜の固定構造を備えた一実施形態の電極組立体は、各分離膜の熱収縮およびそれによる電極板の電気的短絡をさらに大きく減少させることができる。
【0031】
したがって、一実施形態の電極組立体を適用すれば、二次電池の発火や爆発などを最小化して、二次電池、特に、高含有量のニッケル含有正極活物質を適用した高容量、高エネルギー密度のリチウム二次電池の安全性を大きく高めることができる。また、前記相互接着された第1および第2分離膜120a、120bが正極板110および負極板130を囲むように折り畳まれることにより、前記電極組立体100をパウチ型電池ケースなどに挿入する工程もより円滑に行われるようにできる。
【0032】
一方、上述した一実施形態の電極組立体100において、前記正極板110および負極板130はそれぞれ、電極集電体と、前記電極集電体上に形成された電極活物質層と、前記電極集電体から突出して形成された電極タブ115、135とを含むことができる。
【0033】
このうち、正極板110に含まれる電極集電体(つまり、正極集電体)は、一般に3~500μmの厚さを有することができる。このような正極集電体は、発明の実施形態による電極組立体100を含む二次電池に化学的変化を誘発することなく高い導電性を有するものであれば特に制限されるわけではなく、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素またはアルミニウムやステンレススチール表面に、カーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどが使用できる。
【0034】
また、前記正極板110の電極活物質層(つまり、正極活物質層)は、正極活物質を含み、正極活物質の例としては、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)などの層状化合物や1またはそれ以上の遷移金属に置換された化合物、化学式Li1+yMn2-yO4(ここで、yは0~0.33である)、LiMnO3、LiMn2O3、LiMnO2などのリチウムマンガン酸化物、リチウム銅酸化物(Li2CuO2)、LiV3O8、LiFe3O4、V2O5、Cu2V2O7などのバナジウム酸化物、化学式LiNi1-yMyO2(ここで、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、BまたはGaであり、y=0.01~0.3である)で表現されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物、化学式LiMn2-yMyO2(ここで、M=Co、Ni、Fe、Cr、ZnまたはTaであり、y=0.01~0.1である)またはLi2Mn3MO8(ここで、=Fe、Co、Ni、CuまたはZnである)で表現されるリチウムマンガン複合酸化物、化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンに置換されたLiMn2O4、ジスルフィド化合物、Fe2(MnO4)3などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
ただし、60重量%以上、あるいは60~99重量%のニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物系正極活物質を適用する場合、二次電池の発火や発熱または爆発などの安全性問題がさらに大きく発生しうることから、このような正極活物質を含む電極組立体および二次電池において発明の実施形態による電極組立体の構造がより好ましく適用可能である。
【0036】
一方、前記正極活物質層は、前記正極活物質、導電剤およびバインダーの混合物を含む正極合剤を、正極集電体上に正極タブ115が形成される部位を除いた残りの部位に塗布した後、乾燥および圧延して製造可能であり、必要に応じて、前記混合物に充填剤をさらに添加することができる。ただし、このような正極活物質層の組成および形成方法は、一般的なリチウム二次電池に含まれる活物質層の組成および方法によれば良いので、これに関する追加的な説明は省略する。
【0037】
一方、前記負極板130に含まれる電極集電体(つまり、負極集電体)は、一般に3~500マイクロメートルの厚さにすれば良い。負極集電体は、前記電極組立体を含む電池に化学的変化を誘発することなく高い導電性を有するものであれば特に制限されるわけではなく、例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム-カドミウム合金などが使用できる。
【0038】
また、前記負極板130の電極活物質層(つまり、負極活物質層)は、負極活物質を含み、負極活物質は、例えば、難黒鉛化炭素、黒鉛系炭素などの炭素、LixFeO3(0≦x≦1)、LixWO2(0≦x≦1)、SnxMe1-xMe'yOz(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me':Al、B、P、Si、周期律表の1族、2族、3族元素、ハロゲン;0≦x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)などの金属複合酸化物、リチウム金属、リチウム合金、ケイ素系合金、スズ系合金、SnO、SnO2、PbO、PbO2、Pb2O3、Sb2O4、Sb2O5、GeO、GeO2、Bi2O3、Bi2O4またはBi2O5などの金属酸化物、ポリアセチレンなどの導電性高分子、Li-Co-Ni系材料などを使用することができる。
【0039】
このような負極活物質層は、前記負極活物質、導電剤およびバインダーの混合物を含む負極合剤を、負極集電体上に負極タブ135が形成される部位を除いた残りの部位に塗布した後、乾燥および圧延して製造可能であり、必要に応じて、前記混合物に充填剤をさらに添加することができる。このような負極活物質層の組成および形成方法も、一般的な組成および方法によれば良い。
【0040】
図2に示されているように、一実施形態の電極組立体100の製造過程では、上述した正極板110および負極板130が相互交互に積層されており、交互積層された正極板110および負極板130の間に、より大きい幅を有する第1および第2分離膜120a、120bがそれぞれ形成されて、前記正極板110および負極板130の間を電気的に絶縁するスタック型電極-分離膜積層体が形成される。
【0041】
このような電極-分離膜積層体において、互いに隣接する正極板110および負極板130と、これらの間の第1および第2分離膜120a、120bとは、互いに物理的に接触している(参照として、
図2に正極板110、負極板130および第1および第2分離膜120a、120bが離隔しているものとして示されているが、これは図示の便宜のためのものである。)。この時、前記第1および第2分離膜120a、120bは、これらと対面する正極板110または負極板130と物理的にのみ接触してもよいが、前記対面する正極板110または負極板130と接着されてもよい。このため、電極組立体100および二次電池が高温環境などに露出する場合、第1および第2分離膜120a、120bの熱収縮力をさらに相殺させて分離膜の熱収縮現象をさらに最小化することができる。
【0042】
前記電極-分離膜積層体およびこれから製造される電極組立体100において、前記第1および第2分離膜120a、120bとしては、高いイオン透過度と機械的強度および低い収縮特性などを有する絶縁性の薄い薄膜が使用できる。例えば、耐薬品性および疎水性のポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス繊維またはポリエチレンなどで作られたシートや不織布などが使用できる。
【0043】
一方、前記電極-分離膜積層体において、相互隣接する第1分離膜120aと、第2分離膜120bとは、これらの少なくとも一端、あるいは両端が前記正極板110および負極板130の長手方向に沿って相互接着できる(
図2の右の四角形、
図3A、3Bおよび4の円表示部)。この時、第1および第2分離膜120a、120bの熱収縮をさらに効果的に抑制するために、これら第1および第2分離膜120a、120bは、前記電極板110、130の長手方向に沿って両端が接着されることがより好ましい。
【0044】
このような第1および第2分離膜120a、120bの相互接着のために、これら第1および第2分離膜120a、120b自体に含まれているバインダーが熱シーリングされてもよいが、選択可能な他の実施例によれば、互いに隣接する第1および第2分離膜120a、120bの接触部には接着剤が付加されてもよい。このような接着剤としては、例えば、エチレンビニルアセテート、ポリウレタン、またはこれらの混合物を含むホットメルト接着剤などが使用できるが、これに特に限定されるものではない。
【0045】
また、一実施形態の電極組立体100において、上述した第1および第2分離膜120a、120bが相互接着されたこれらの少なくとも一端または両端は、前記正極板110および/または負極板130を囲むように折り畳まれる(
図3A、3Bおよび
図4Aの円表示部)。この時、相互接着された第1および第2分離膜120a、120bの一端または両端は、前記正極板110および/または負極板130を囲むように一回だけ折り畳まれてもよいが、
図4Bに示されているように、二重に折り畳まれてもよい。
【0046】
このような二重折り畳み構造によって、分離膜の高温熱収縮をより効果的に抑制することができ、電極組立体100の形態をよりコンパクトにして、これをパウチ型電池ケースなどに挿入する工程をより円滑にすることができる。
【0047】
一方、上述した電極組立体100において、前記第1および第2分離膜120a、120bの折り畳み部上には、これら分離膜の折り畳み部を覆いながら、前記長手方向と垂直な幅方向に沿って正極板110および負極板130の周囲を囲むように絶縁テープ140が形成されている。
図1、3Aおよび3Bにも示されているように、このような絶縁テープ140は、一定の間隔をおいて、前記分離膜の折り畳み部と、正極板110および負極板130の周囲を囲むように複数で付着できる。また、
図3Bを参照すれば、このような絶縁テープ140以外に、前記電極タブ115、135の突出部周辺の正極板110および負極板130の周囲をさらに囲むように前記絶縁テープ140がさらに付着できる。
【0048】
このような絶縁テープ140の付加によって、分離膜の高温熱収縮現象がさらに抑制され、二次電池の安全性がより向上できる。
【0049】
このような絶縁テープ140の種類は特に限定されないが、例えば、ポリイミド系絶縁テープ、またはポリエステル系絶縁テープ(例えば、PETまたはPEN系絶縁テープ)などが使用できる。
【0050】
上述した電極組立体は、例えば、電解液に含浸された状態で、電池ケースに収容されて二次電池を構成することができる。この時、前記電極組立体は、スタック型電極-分離膜積層体を含むことができ、主にパウチ型電池ケースまたは角型電池ケースに収容される。
【0051】
この時、前記電池ケースとしては、パウチ型または角型二次電池に適用されていた一般的な電池ケースを用いることができる。
【0052】
また、前記電極組立体およびこれを含む二次電池は、多様なデバイスに適用可能である。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用できるが、これに制限されず、電極組立体およびこれを含む二次電池を使用できる多様なデバイスに適用可能であり、これも発明の権利範囲に属する。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0054】
100:電極組立体
110:電極板(正極板)
115:電極タブ(正極タブ)
120a、120b:第1および第2分離膜
130:電極板(負極板)
135:電極タブ(負極タブ)
140:絶縁テープ
【国際調査報告】