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  • 特表-筆記姿勢矯正用タッチペン 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(54)【発明の名称】筆記姿勢矯正用タッチペン
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/03 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
G06F3/03 400F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537910
(86)(22)【出願日】2021-09-27
(85)【翻訳文提出日】2023-06-16
(86)【国際出願番号】 KR2021013101
(87)【国際公開番号】W WO2022139126
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0180921
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0005094
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523230199
【氏名又は名称】キム、ダエ サン
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】キム、ダエ サン
(57)【要約】
本発明は、筆記姿勢矯正用タッチペンに関し、指接触部に親指、人差し指、中指が正しく接触される場合にのみタッチが可能に形成された筆記姿勢矯正用タッチペンに関する。本発明による筆記姿勢矯正用タッチペンは、親指、人差し指、中指が正しい接触面に接触される時にのみペン先に微細電流が流れるように形成されるので、使用者自ら正しい把持姿勢を学習して維持することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝導性材質で形成され、上部に結合部が形成されている半球型のペン先(2)と、
下端は前記ペン先の上部に結合され、内部空間が形成されている前面カバー(3)と、
伝導性材質で形成され、前記前面カバー(3)の内部空間で前記ペン先(2)の上部と結合され、周方向に一つ以上の接触面が形成された指接触部(4)と、
前記前面カバーと結合されるペン胴体(5)と、を含んでなることを特徴とする、
筆記姿勢矯正用タッチペン。
【請求項2】
前記ペン先(2)及び前記指接触部(4)は、伝導性材質で形成され、前記前面カバー(3)及び前記ペン胴体(5)は、非伝導性材質で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の筆記姿勢矯正用タッチペン。
【請求項3】
前記指接触部(4)の前記接触面は3つが形成され、前記3つの接触面に3つの指が接触される場合、前記指接触部(4)には基準電流値以上の微細電流が前記ペン先(2)に流れるように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の筆記姿勢矯正用タッチペン。
【請求項4】
前記基準電流値は、伝導性樹脂を選択することで決められることを特徴とする、請求項3に記載の筆記姿勢矯正用タッチペン。
【請求項5】
前記前面カバーには外周面に3つの溝が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の筆記姿勢矯正用タッチペン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記姿勢矯正用タッチペンに関し、指接触部に親指、人差し指、中指が正しく接触される場合にのみタッチが可能に形成された筆記姿勢矯正用タッチペンに関する。
【背景技術】
【0002】
筆記のためには、親指、人差し指、中指の3つの指を使用するが、誤った筆記習慣に起因してペンを取る3つの指の位置が間違っている場合には、書体に影響を与えて悪筆から脱却しにくく、ペンを取る指のひどい握力でたこができることがあり、ひいて、指の奇形、肩や腰の痛みなどをもたらすことがある。後でこのような筆記習慣を矯正することは非常に大変なことであるから、幼い時から正しい筆記姿勢を形成しなければならない。
【0003】
一方、時代の変化につれ、スマートフォン、スマートパッドのような携帯用端末の普及が広がっている。このような携帯用端末は、狭い面積において正確な位置をタッチ、ドラッグするためにタッチペンを用いる。したがって、タッチペンに適用され得る筆記姿勢矯正用器具が必要であった。
【0004】
しかし、従来の筆記姿勢矯正用器具は、タッチペンに適用される方式ではなく、単にペン、鉛筆などの筆記具に適用される方式である。例えば、筆記具それ自体に直接溝又は段差を形成させるか、別途の固定具を筆記具に着脱させる方式である。もちろん別途の姿勢矯正用固定器具をタッチペンに着脱させることもできるが、これはタッチペンの筆記姿勢矯正において非効率的な側面がある。
【0005】
なお、筆記姿勢矯正ペンに関する従来の技術としては、韓国登録特許第10-1045942号がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1045942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記した従来の技術の問題点を解決するために案出されたものであって、筆記中に指が触れる位置に伝導性の指接触部を具備することで、親指、人差し指、中指が伝導性の指接触部に当接するように誘導する筆記姿勢矯正用タッチペンを提供することである。
【0008】
また、他の目的は、本発明のタッチペンが、伝導性のペン先と、伝導性の指接触部と、非伝導性の前面カバーと、非伝導性のペン胴体とで構成され、親指、人差し指、中指が指接触部の面に十分な面積で接触しないと指接触部に微細電流が流れず、指接触部に流れる微細電流の大きさの決定は、指接触部の材質を多様な伝導性樹脂(伝導性高分子)の中で適宜選択するか、または特定の伝導性高分子の伝導率を調整する方式で決められるようにする筆記姿勢矯正用タッチペンを提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、言及されていないまた他の技術的課題は、後述する内容から本発明の属する技術分野における通常の知識を持つ者に明確に理解されることができるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記のような目的を達成するための本発明の特徴によれば、本発明のタッチペンは、ペン先、前面カバー、指接触部、及びペン胴体を含んでなり、上部にねじ山が形成されている半球型のペン先と、下端は前記ペン先の上部に嵌合され、上端は内部空間を形成する前面カバーと、前記前面カバーの内部空間で前記ペン先の上部と螺合され、凹状の3つの接触面を含む指接触部と、前記指接触部の凹状の前記3つの接触面と曲線の形態でつながっており、上部へ行くほど端部が広くなる形態のペン胴体と、を含み、前記ペン先及び前記指接触部は伝導性物質で形成され、前記前面カバー及び前記ペン胴体は非伝導性物質で形成されることを特徴とする。
【0011】
また、前記指接触部の凹状の前記3つの接触面に親指、人差し指、中指が十分な面に接触される場合、前記指接触部には基準電流値以上の微細電流がペン先に流れるように形成され、前記基準電流値は、伝導性樹脂の伝導率を調整することで調節されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明による筆記姿勢矯正用タッチペンは、親指、人差し指、中指が正しい接触面に接触される時にのみペン先に十分な大きさの微細電流が流れるように形成されるので、使用者自ら正しい把持姿勢を学習して維持することができる。
【0013】
また、人体工学的に設計されられた指接触部に、親指、人差し指、中指が柔らかく密着していないと、タッチパネルの作動に必要な十分な大きさの微細電流が流れなくなるので、指のたこ、指の奇形、ひいて、腰や肩の痛みなどを予防することにも役立つ。
【0014】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されなく、言及されていないまた他の効果は請求範囲の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の好適な実施形態による筆記姿勢矯正用タッチペンの斜視図である。
図2】本発明の好適な実施形態による筆記姿勢矯正用タッチペンの分解斜視図である。
図3】本発明の好適な実施形態による筆記姿勢矯正用タッチペンの断面図である。
図4】本発明の好適な実施形態による筆記姿勢矯正用タッチペンの動作の模様を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態についてより具体的に説明するが、既に周知の技術的部分については、簡潔な説明のために省略するか圧縮することにする。
【0017】
以下では、添付された図面を参照して本発明の好適な実施形態による筆記姿勢矯正用タッチペン1の構成について詳しく説明する。
【0018】
図1図4に示したように、本発明による筆記姿勢矯正用タッチペン1は、ペン先2、前面カバー3、指接触部4、及びペン胴体5を含むタッチペンであって、上部にねじ山が形成されている半球型のペン先2と、下端は前記ペン先の上部に嵌合され、上端は内部空間を形成する前面カバー3と、前記前面カバー3の内部空間で前記ペン先2上部と螺合され、凹状の3つの接触面41、42、43を含む指接触部4と、前記指接触部4の凹状の前記3つの接触面41、42、43と曲線の形態を成しながらつながっており、上部に行くほど端部が広くなる形態のペン胴体5とで構成される。
【0019】
その中で、ペン先2及び指接触部4は、伝導性物質で形成され、指接触部4を握っている指からの電流が、指接触部4を経てペン先2まで流れるように形成される。
【0020】
一方、前記ペン先2及び前記指接触部4以外の構成(すなわち、前面カバー3及びペン胴体5)は、非伝導性物質で形成され、使用者の指による接触が行われても電流が流れないように形成されている。
【0021】
以下、図2を参照して筆記姿勢矯正用タッチペン1の構成について詳術する。
【0022】
伝導性のペン先2は、半球型の形状であり、ペン先2の上部に、結合のための構成としてねじ山が形成されている。ペン先2は、ねじ山から半球型の外面まで通電させるための伝導性材質で形成されるものである。また、前記半球型のペン先2は、伝導性繊維、伝導性ゴム、伝導性樹脂の材質で形成されることができ、柔軟な弾性の特性を持つように形成してもよい。これは、筆記圧力によるスクリーンの摩耗を最小化させるとともに滑らかに ドラッグ作業が行われるようにするためであり、かつ、ペン先2それ自体の損傷及びタッチパネルの損傷を防止するためである。ただし、ペン先2の形状は、半球型に限定されず、使用環境や条件によって、多様な形状に形成されることができる。また、ペン先は、柔軟な弾性の特性を持つものに限定されなく、硬質の材質で形成されてもよい。
【0023】
前面カバー3の下部は、ペン先2の上部と嵌合される。前記前面カバー3は、非伝導性物質からなるため、前面カバー3がタッチされても前面カバー3では電流が流れない。前面カバー3は、外周面に3つの凹面10が形成されており、3つの凹面10には使用者の親指、人差し指、中指の3つの指の把持を案内する。
【0024】
指接触部4は、連結ねじ44と、該連結ねじ44に挿入されて固定され、接触面41、42、43が形成された接触部本体45とからなる。ペン先2の上部のねじ山が指接触部4の連結ねじ44と螺合される。指接触部4の連結ねじ44は、金属材質からなり、接触部本体45は、伝導性高分子からなるので、微細電流が流れることができる。指接触部4の各接触面41、42、43は、三角形、四角形、円形など多様な形状に形成されることができる。
【0025】
前記指接触部4は、3つの凹面が形成されるが、これは指の安着位置を案内するものである。以後、3つの凹面を接触面41、42、43と呼ぶ。指接触部4の3つの凹んでいる接触面41、42、43は、ほぼ等間隔で形成され、その理由は、筆記具を手で握るとき、筆記具の前方を親指、人差し指及び中指で握る位置が、ほぼ等間隔となることが正しい筆記姿勢に整合するからである。
【0026】
各々の接触面41、42、43は、使用者が正しく筆記具を握ったままでの親指、人差し指、中指の形状を倣って凹状に使用者の指が安着するように形成されており、指が接触面に正確に接触されなければ筆記ができないように設計した。これは、指接触部4に基準値以上の微細電流が流れるか否かによって把握可能であり、この動作原理については図3図4において詳しく説明する。接触面41、42、43の形態は、正しい筆記姿勢を誘導することができるものであれば、以下の特許請求の範囲内で種々に変形実施されることができる。
【0027】
ペン胴体5は、前記指接触部4と結合された前面カバー3に嵌合される。ペン胴体5は、下部に行くほど端部が細くなる形態であり、3つの面20を凹むように構成し、前面カバー3の凹状の3つの面10と柔らかく曲面を形成するように連結される。
【0028】
前記ペン胴体5は、金属で形成せずに、非伝導性合成樹脂や木材などを用いて電流が流れないように形成される。これは、使用者が指接触部4をタッチして筆記する時にのみ筆記が行われるようにするためである。また、タッチペン1のペン胴体5を金属で形成しないことから製造コストが低く維持されるという利点もある。
【0029】
図3図4では、本発明による筆記姿勢矯正用タッチペン1の動作原理について説明する。本発明のタッチペン1は、正しい筆記姿勢を誘導するためのものであって、親指、人差し指、中指が接触面41、42、43に正しく接触する時にのみペン先2にタッチ作動に十分な水準の微細電流I1、I2、I3が流れる。このために、ペン先2及び指接触部4は伝導性物質で形成し、そのほかの前面カバー3及びペン胴体5は、非伝導性物質で形成することで電流が流れないように形成した。
【0030】
使用者は、筆記する際に指接触部4に親指、人差し指、中指を安着するようになるが、この時、指接触部4に基準電流値以上の電流が流れる場合、タッチペン1を握っている指から指接触部4を経て、連結されている伝導性のペン先2に微細電流が流れるようになる。このとき、基準電流値とは、タッチ作動に必要な十分な大きさの電流値を意味する。
【0031】
ここで、指接触部4に用いられる伝導性樹脂を適宜選択するか、または特定の伝導性樹脂に不純物を添加するなどの方式で、指接触部4の電気伝導率(電気伝導度)を選択することができる。この時、指接触部4の電気伝導率(電気伝導度)は、指が二つ以下の接触面に接触される場合には、基準電流値よりも小さい電流が流れるように選択する。また、指接触部4の電気伝導率(電気伝導度)は、3つの接触面に指が接触していても、指が接触面に接触した面積が十分な面積(例えば、接触面の全面積の2/3)以下で接触された場合には、正しく指接触部4が把持されないことなので、基準電流値よりも小さい電流が流れるように選択する。指接触部4の電気伝導率を選択するために、伝導性樹脂を選択するか、または伝導性樹脂の電気伝導率を調整することは、公知の技術であるから具体的な説明は省略する。
【0032】
例えば、特定の伝導性樹脂の伝導率の増加は、ドーピング(酸化還元反応によって電子をもう一つ持っているか、若しくは、足りない他の物質を不純物で添加すること)によって行われることができる。さらに、伝導性高分子の種類を選択して指接触部の電気伝導率を所望する値に選択することもできる。
【0033】
伝導性樹脂の選択の例としては、例えば、伝導率が相異なる複数個の伝導性樹脂を用意した 後、使用者が接触する指の数を異にしてタッチパネルにタッチ作動を試しながら意図に合わせて伝導性樹脂を選択することが挙げられる。
【0034】
したがって、本発明は指接触部4の電気伝導率(電気伝導度)を適宜選択して指接触部4の3つの接触面に3つの指が十分な面積で接触している時にのみタッチ作動が行われるように構成することで、親指、人差し指、中指がタッチペン1の正しい接触面41、42、43に位置するように誘導されることにより、正しい筆記姿勢の矯正及び習得ができる。
【0035】
上述した本発明の実施形態では、指接触部の伝導性接触面が3つ形成されたことを説明したが、伝導性材質の接触面は、必ず3つを形成しなければならないものではなく、指の微細電流をペン先へ伝達することができれば、一つだけ形成してもよく、または、一つ以上形成してもよい。例えば、タッチペンの外部へ露出する接触面は、一つだけ形成されることも可能である。
【0036】
伝導性接触面を1つだけ形成した場合にも、本発明のタッチペンの前面カバー3には使用者の3つの指を把持させる3つの凹面10を形成したので、1つの伝導性接触面を一つの指がまともに接触するようになると、残りの2つの指は自然に残りの2つの凹面10に安着するようになるので、その結果、3つの溝に指がまともに密着することにより、正しい筆記姿勢を誘導するようになるものである。このために、本発明では前面カバーに3つの凹面10を形成するとともに、ペン胴体にも3つの凹面20を形成して前面カバーのそれぞれの凹面10とペン胴体のそれぞれの凹面20とを連結させて3つの指がこれらの凹面10、20に安着することを誘導することで、正しい筆記姿勢への矯正が行われるようにした。
【0037】
先に本発明の実施形態ではペン先と指接触部とがねじ構造によって結合されることを説明したが、これは多様な結合方法の一つの例示に過ぎず、押し込みによる結合などの公知の種々の方法で結合構造を形成することも可能である。
【0038】
また、指接触部における接触面は、伝導性が高い材質、例えば伝導性樹脂、メッキ、黄銅などで別途形成し、それ以外の部分は意図した伝導率を有する伝導性樹脂材質で仕分けて形成してもよい。
【0039】
以上説明したように、本発明に対する具体的な説明は、添付された図面を参照した実施形態によってなされたが、前述した実施形態は、本発明の好ましい例を挙げて説明したものに過ぎず、したがって、本発明が前記の実施形態にのみ限るものと理解されてはならなく、本発明の権利範囲は、後述する請求範囲及びその等価概念として理解されるべきである。
【符号の説明】
【0040】
1 筆記姿勢矯正用タッチペン
2 ペン先
3 前面カバー
4 指接触部
5 ペン胴体
41、42、43 接触面
44 連結ねじ
45 接触部本体
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】