(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(54)【発明の名称】モーションプラットホーム装置およびペイロードプラットホームを支持する方法
(51)【国際特許分類】
G09B 9/12 20060101AFI20231222BHJP
【FI】
G09B9/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532688
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 EP2021086711
(87)【国際公開番号】W WO2022136225
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523196758
【氏名又は名称】アンシブル モーション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ANSIBLE MOTION LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンス, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】カマーツ, キア
(57)【要約】
車両シミュレーションのためのモーションプラットホーム装置100は、周辺上下部位136、138、140を有するペイロードプラットホーム134を備える。装置100はまた、周辺固定部位を有するベースステージ102を備える。装置の複数のリンク機構110、112、114は、周辺固定部位を周辺上下部位にそれぞれ結合するように構成される。複数のリンク機構の各リンク機構は、ペイロードプラットホームの対応の上下部位の高さを変えるように構成される。装置はさらに、互いに独立して加圧を調整するようにそれぞれ構成され、それによってペイロードプラットホームに支持を提供する、複数の設定可能な空気圧支持体204、206、208を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両シミュレーションのためのモーションプラットホーム装置であって
周辺上下部位を有するペイロードプラットホームと、
周辺固定部位を有するベースステージと、
それぞれ前記周辺固定部位を前記周辺上下部位に結合するように構成された複数のリンク機構であって、各々が前記ペイロードプラットホームの対応の上下部位の高さを変化させるように構成されている複数のリンク機構と、
互いに独立して加圧を調整するようにそれぞれ構成され、それによって前記ペイロードプラットホームに支持を提供する、複数の設定可能な空気圧支持体と
を備えるモーションプラットホーム装置。
【請求項2】
前記複数の設定可能な空気圧支持体がそれぞれ前記複数のリンク機構に動作可能に結合されている、請求項1に記載のモーションプラットホーム装置。
【請求項3】
前記複数のリンク機構をそれぞれの伸びの範囲にわたってそれぞれ移動させるように構成された複数のアクチュエータをさらに備える、請求項1または2に記載のモーションプラットホーム装置。
【請求項4】
前記複数のリンク機構の各々が、ベースステージ端部と、前記ベースステージ端部から遠位のペイロードプラットホーム端部とを有し、
前記複数のアクチュエータが、それぞれの前記ベースステージ端部において前記複数のリンク機構にそれぞれ動作可能に結合されている、請求項3に記載のモーションプラットホーム装置。
【請求項5】
環境設定ユニットを提供する処理リソースをさらに備え、
前記環境設定ユニットが、前記複数の設定可能な空気圧支持体に関する複数の予め計算された環境設定値を受信するように構成されており、
前記環境設定ユニットが、前記複数の予め計算された環境設定値に従って前記複数の設定可能な空気圧支持体の各々の加圧を制御するようにさらに構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のモーションプラットホーム装置。
【請求項6】
ペイロードの質量と、前記ペイロードを支承する前記ペイロードプラットホームに対する前記ペイロードの重心の位置とを記憶するように構成されたメモリと、
使用時に、前記複数のリンク機構のうちの1つのリンク機構の現在の伸びと、前記ペイロードプラットホームにおいて加えられるべき必要な支持力とを計算するように構成された処理リソースと
をさらに備え、
前記処理リソースが、前記複数のリンク機構のうちの前記1つのリンク機構の前記計算された現在の伸びおよび前記ペイロードプラットホームにおいて加えられるべき前記必要な支持力に応答して、前記複数の設定可能な空気圧支持体のうちの1つの設定可能な空気圧支持体によって加えられるべき支持力を計算するようにさらに構成されており、
前記処理リソースが、加えられるべき前記計算された支持力に従って、前記複数の設定可能な空気圧支持体のうちの前記1つの設定可能な空気圧支持体の加圧を制御するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のモーションプラットホーム装置。
【請求項7】
前記複数の設定可能な空気圧支持体に動作可能に結合され、それによって、使用時に、前記複数の設定可能な空気圧支持体の各々の対応の手動加圧を可能にする手動制御装置をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のモーションプラットホーム装置。
【請求項8】
前記複数の設定可能な空気圧支持体が複数の空気ばねである、請求項1~7のいずれか一項に記載のモーションプラットホーム装置。
【請求項9】
記複数のリンク機構が第1のリンク機構を備え、前記第1のリンク機構が第1のアームを備え、前記第1のアームが、該第1のアームの第1の端部において、第2のアームに該第2のアームの第1の端部において動作可能に結合され、
前記第1のアームが、該第1のアームの第2の端部において、前記周辺固定部位の第1の固定部位に動作可能に結合され、
前記第2のアームが、該第2のアームの第2の端部において、前記周辺上下部位の第1の上下部位に動作可能に結合され、
前記第1のリンク機構が、前記第1のリンク機構に動作可能に結合された前記複数の設定可能な空気圧支持体のうちの第1の設定可能な空気圧支持体を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のモーションプラットホーム装置。
【請求項10】
前記第1のアームが、球状ジョイントによって前記第2のアームに動作可能に結合されており、
前記第1のアームが、回転継手によって前記第1の固定部位に動作可能に結合されており、
前記第2のアームが、回転継手によって前記第1の上下部位に動作可能に結合されている、請求項9に記載のモーションプラットホーム装置。
【請求項11】
前記ベースステージを備えるターンテーブルをさらに備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のモーションプラットホーム装置。
【請求項12】
当該モーションプラットホーム装置は、2つの実質的に垂直な方向に直線的に並進可能な並進ステージをさらに備え、
当該モーションプラットホーム装置は、前記並進ステージに動作可能に結合されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のモーションプラットホーム装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のモーションプラットホーム装置を備える、車両シミュレータシステム。
【請求項14】
前記ペイロードプラットホーム上に配置された車両コックピットをさらに備える、請求項13に記載の車両シミュレータシステム。
【請求項15】
車両シミュレータ用のペイロードプラットホームを支持する方法であって、
ベースステージの周辺固定部位と前記ペイロードプラットホームの複数の周辺上下部位との間に、周方向に互いに離間した複数のリンク機構を結合するステップであって、前記周方向に互いに離間した複数のリンク機構が各々、前記ペイロードプラットホームの前記複数の周辺上下部位のうちの対応の周辺上下部位の高さをそれぞれ選択的に変化させる、ステップと、
前記ペイロードプラットホームに支持を提供するために、複数の設定可能な空気圧支持体を互いに独立して加圧を調整するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、例えば3自由度で移動することができるタイプのモーションプラットホーム装置に関する。本発明はまた、ペイロードプラットホームを支持する方法であって、例えば3自由度でペイロードプラットホームを移動させることができるタイプの方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]モーションプラットホームの分野では、他のものと同様に、自由度は、通常、サージ、ロール、スウェイ、ピッチ、ヒーブおよびヨーと呼ばれる。サージは、前後に位置合わせされた軸線に沿った並進であり、ロールは、サージ軸線を中心とした回転であり、スウェイは、左右に位置合わせされた軸線に沿った並進であり、ピッチは、スウェイ軸線を中心とした回転であり、ヒーブは、上下に位置合わせされた軸線に沿った並進であり、ヨーは、ヒーブ軸線を中心とした回転である。
【0003】
[0003]通常、上述のヒーブ、ピッチ、およびロールである運動の3つの自由度を提供する様々なアーキテクチャが、知られている。ペイロードプラットホームの周辺上下部位(peripheral elevation site)を、複数のリンク機構によってベース面の上方に上昇させることが知られており、各リンク機構は、クランク部材の対または単一のクランク部材を使用し、これらは、第1の端部において固定された駆動モータを介してベースに結合され、第2の端部において回転継手によってウィッシュボーン部材の先端部にそれぞれ結合される。ウィッシュボーン部材のネック端部は、周辺上下部位の周辺上下部位に結合される。そのようなモーションプラットホーム構成体の例は、ポーランド国、Motion Systems Michaul Stanek社から入手可能なPS-3TM-1000モーションプラットホームである。
【0004】
[0004]モーションプラットホーム装置のペイロードプラットホームは、負荷、例えばシミュレータコックピットを支承するように意図されている。リンク機構の伸びの程度は、典型的には、車両の運動をシミュレートするために車両シミュレーション制御システムからの指令に応答して制御される。シミュレータコックピットのヒーブ、ピッチおよびロール位置は、リンク機構を独立して上昇および下降させることによって連続的に制御される。この点に関して、リンク機構を介して垂直力を加えるために電気モータを使用することが知られており、これらのリンク機構は協働してペイロードプラットホームに加えられる全垂直力、ピッチモーメントおよびロールモーメントを生じさせる。しかし、重力によるコックピットの重量は、垂直方向の力に絶えず反応ないしは反作用しなければならない。さらに、ペイロードプラットホームに取り付けられたシミュレータコックピットの重心がペイロードプラットホームに対して適切にセンタリングされることはまれであり、これはロールモーメントおよびピッチモーメントを生じさせ、これも継続的に反応ないしは反作用させなければならない。
【0005】
[0005]電気モータは、それぞれのリンク機構を介してそれぞれ加えることができる有限の最大の力を有する。使用時のペイロード質量および加速度の所与の設計目標に対して、対応する力付与能力が電気モータから必要とされる。しかし、力付与能力の一部は消費され、上述の垂直力、ロールモーメント、およびピッチモーメントをもたらして、重力によってコックピット重量に反応ないしは反作用し、それによって、1つ以上の電気モータの全体的な力付与能力が低下する。
【0006】
[0006]この問題を抑制するために、シミュレータコックピットの荷重を支持すべくペイロードプラットホームの下の中央に取り付けられたばねを設けることが知られている。しかしながら、ばねの中心位置は、上述のように、連続的に反応ないしは反作用されなければならないピッチモーメントおよびロールモーメントを生じさせるペイロードプラットホームの中心に対するコックピットの重心のオフセット性に対処することができない。したがって、これらのピッチモーメントおよびロールモーメントに反応ないしは反作用する必要性は、依然として、1つまたは複数の電気モータの力付与能力の一部を使用することを必要とする。
【0007】
[0007]本発明の第1の態様によれば、車両シミュレーションのためのモーションプラットホーム装置が提供され、この装置は、周辺上下部位を有するペイロードプラットホームと、周辺固定部位を有するベースステージと、周辺固定部位を周辺上下部位にそれぞれ結合するように構成された複数のリンク機構とを備える。複数のリンク機構はそれぞれ、ペイロードプラットホームのそれぞれの上下部位の高さを変化させるように構成されている。また、この装置し、互いに独立して加圧を調整するようにそれぞれ構成された複数の設定可能な空気圧支持体であって、それによってペイロードプラットホームに支持をもたらす空気圧支持体を備える。
【0008】
[0008]複数の空気圧支持体は、複数のリンク機構にそれぞれ動作可能に結合されてもよい。複数の空気圧支持体は、複数のリンク機構からそれぞれ離間し分離されてもよい。
【0009】
[0009]本装置は、複数のリンク機構を対応の伸びの範囲にわたってそれぞれ移動させるように構成された複数のアクチュエータをさらに備えてもよい。
【0010】
[0010]複数のアクチュエータは、複数の電気モータであってもよい。
【0011】
[0011]複数のリンク機構は独立して制御可能であってもよい。
【0012】
[0012]前記複数のリンク機構の各々は、ベースステージ端部と、ベースステージ端部から遠位のペイロードプラットホーム端部とを有し、複数のアクチュエータは、それぞれのベースステージ端部において複数のリンク機構にそれぞれ動作可能に結合されてもよい。
【0013】
[0013]本装置は、環境設定ユニットを提供する処理リソースをさらに備え、環境設定ユニットは、複数の設定可能な空気圧支持体に関する複数の予め計算された環境設定値を受信するように構成され、また、環境設定ユニットは、複数の予め計算された環境設定値に従って複数の設定可能な空気圧支持体の各々の加圧を制御するようにさらに構成されてもよい。
【0014】
[0014]複数の予め計算された環境設定値は、手動でまたは自動計算手順によって計算してもよい。
【0015】
[0015]複数の設定可能な空気圧支持体の各々は、複数の環境設定値に従って対応の支持力を加えるように構成されてもよい。
【0016】
[0016]予め計算された環境設定値は、ペイロードの重量と、ペイロードプラットホームに対するペイロードの重心の位置との関数として計算してもよい。
【0017】
[0017]本装置は、ペイロードの質量と、ペイロードを支持するペイロードプラットホームに対するペイロードの重心の位置とを記憶するように構成されたメモリと、使用時に、複数のリンク機構のうちの1つのリンク機構の現在の伸びと、ペイロードプラットホームにおいて加えられるべき必要な支持力とを計算するように構成された処理リソースとをさらに備えてもよい。処理リソースは、複数のリンク機構のうちの1つのリンク機構の計算された現在の伸びおよびペイロードプラットホームにおいて加えられるべき必要な支持力に応答して、複数の設定可能な空気圧支持体のうちの1つの設定可能な空気圧支持体によって加えられるべき支持力を計算するようにさらに構成されてもよく、処理リソースは、加えられるべき計算された支持力に従って、複数の設定可能な空気圧支持体のうちの1つの設定可能な空気圧支持体の加圧を制御するように構成されてもよい。
【0018】
[0018]処理リソースは、複数のリンク機構のそれぞれの伸びおよびペイロードプラットホームにおいて加えられるそれぞれの必要な支持力に応答して、複数の設定可能な空気圧支持体によってそれぞれ加えられる複数の支持力を計算するように構成されてもよい。処理リソースは、計算された複数の支持力に従って複数の設定可能な空気圧支持体の加圧を制御するように構成されてもよい。
【0019】
[0019]複数の設定可能な空気圧支持体はそれぞれ、支持力の印加をリアルタイムで変更するように構成されてもよい。
【0020】
[0020]処理リソースは、複数のリンク機構のうちの第1のリンク機構によってペイロードプラットホームの複数の周辺上下部位のうちの対応する第1の上下部位に加えられる第1の力を監視し、所定の力基準に関して必要な支持力を計算するように構成されてもよい。処理リソースは、所定の力基準に適合するために、複数のリンク機構のうちの第1のリンク機構を介して第1の上下部位に動作可能に結合された複数の設定可能な空気圧支持体のうちの設定可能な空気圧支持体を制御するように構成されてもよい。
【0021】
[0021前記の所定の力基準は、最小許容力および最大許容力によって制限される力の範囲であってもよい。
【0022】
[0022]本装置は、複数の設定可能な空気圧支持体に動作可能に結合され、それによって、使用時に、複数の設定可能な空気圧支持体のそれぞれの個別の手動加圧を可能にする、手動制御装置をさらに備えてもよい。
【0023】
[0023]複数の空気圧支持体は、複数の空気ばねであってもよい。複数の空気ばねは、複数の空気ベローズであってもよい。
【0024】
[0024]複数のリンク機構は第1のリンク機構を備えてもよい。第1のリンク機構は、その第1の端部において第2のアームに動作可能に結合された第1のアームを備えてもよく、第1のアームは、その第2の端部において周辺固定部位のうちの第1の固定部位に動作可能に結合されてもよく、第2のアームは、その第2の端部において、周辺上下部位のうちの第1の上下部位に動作可能に結合されてもよく、複数の設定可能な空気圧支持体のうちの第1の設定可能な空気圧支持体は、第1のリンク機構に動作可能に結合されてもよい。
【0025】
[0025]第1のアームは、球面継手によって第2のアームに動作可能に結合されてもよい。第1のアームは、回転継手によって第1の固定部位に動作可能に結合されてもよく、第2のアームは、回転継手によって第1の上下部位に動作可能に結合されてもよい。
【0026】
[0026]第1のアームは、第1のウィッシュボーン部材であってもよく、ネック端部を有してもよい。第2のアームは、第2のウィッシュボーン部材であってもよく、ネック端部を有してもよい。第1および第2のウィッシュボーン部材は、それぞれのネック端部において互いに結合されてもよい。第1のウィッシュボーン部材は、先端部を有してもよく、第1のウィッシュボーン部材は、その先端部において第1の固定部位に動作可能に結合されてもよい。第2のウィッシュボーン部材は、先端部を有してもよく、第2のウィッシュボーン部材は、その先端部において第1の上下部位に動作可能に結合されてもよい。
【0027】
[0027]本装置は、ベースステージを備えるターンテーブルをさらに備えてもよい。
【0028】
[0028]本装置は、2つの実質的に垂直な方向に直線的に並進可能な並進ステージをさらに備えてもよい。本モーションプラットホーム装置は、並進ステージに動作可能に結合されてもよい。
【0029】
[0029]本発明の第2の態様によれば、車両シミュレータシステムであって、本発明の第1の態様に関連して上述したモーションプラットホーム装置を備える、車両シミュレータシステムが提供される。
【0030】
[0030]本システムは、ペイロードプラットホーム上に配置された車両コックピットをさらに備えてもよい。
【0031】
[0031]ペイロードは、ペイロードプラットホームに関して重心から中心がずれていてもよい。
【0032】
[0032]本システムは、視野内に配置されたディスプレイと、ディスプレイおよびモーションプラットホーム装置に動作可能に結合された処理リソースをさらに備えてもよく、処理リソースは、モーションプラットホーム装置の動作を制御し、それによって車両の性能側面をシミュレートしてもよい。
【0033】
[0033]本発明の第3の態様によれば、車両シミュレータ用のペイロードプラットホームを支持する方法が提供され、この方法は、ベースステージの周辺固定部位とペイロードプラットホームの複数の周辺上下部位との間に、周方向に互いに離間した複数のリンク機構を結合するステップであって、周方向に互いに離間した複数のリンク機構が各々、ペイロードプラットホームの複数の周辺上下部位のうちの対応の周辺上下部位の高さをそれぞれ選択的に変化させる、ステップと、ペイロードプラットホームに支持を提供するために、複数の設定可能な空気圧支持体を互いに独立して加圧を調整するステップとを含む。
【0034】
[0034]したがって、単一の中央に取り付けられた支持体が使用される場合に被るピッチモーメントおよびロールモーメントを除去するかまたは少なくとも軽減する装置および方法を提供することが可能となる。したがって、装置および方法は、ペイロードを動的に加速するために利用可能なリンク機構を介して、装置の電気モータの力付与能力を向上させる。したがって、必要な力付与能力を提供するために、よりコンパクトなモータを使用することが可能になる。さらに、このようなモータの使用は、装置の全体的な材料費を削減する。
【0035】
[0035]ここで、添付の図面を参照して、本発明の少なくとも1つの実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の一実施形態を構成するモーションプラットホーム装置の運動およびギヤボックスレイアウトの第1の斜視図である。
【
図2】ペイロードプラットホームを含む
図1のモーションプラットホーム装置の第2の斜視図である。
【
図3】
図2のモーションプラットホーム装置の方向Aからの側面図である。
【
図4】
図1~
図3の装置のための制御システムの概略図である。
【
図5】本発明の別の実施形態を構成するペイロードプラットホームを変位させる方法の流れ図である。
【
図6】
図5の流れ図の一部のより詳細な流れ図である。
【
図7】本発明のさらなる実施形態を構成するペイロードプラットホームを支援する第1の方法の流れ図である。
【
図8】本発明のさらに別の実施形態を構成するペイロードプラットホームを支援する第2の方法の流れ図である。
【
図9】
図1、
図2、および
図3の駆動システムの代替的な駆動システムの概略図である。
【
図10】ヨーテーブル駆動システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
[0046]以下の説明を通して、同様の部分を特定するために同一の参照番号が使用される。
【0038】
[0047]
図1を参照すると、モーションプラットホーム装置100は、ベースステージ102を備え、ベースステージは、ベースステージ102上に半径方向に配置され、ベースステージ102に固定して取り付けられた第1の駆動システム104、第2の駆動システム106および第3の駆動システム108を支持する。モーションプラットホーム装置100はまた、第1のリンク機構110と、第2のリンク機構112と、第3のリンク機構114とを備える。第1のリンク機構110は、第1の端部118および第2の端部120を有する第1のアーム116を備える。第1のリンク機構110はまた、第1の端部124および第2の端部126を有する第2のアーム122を備える。第1のアーム116は、その第1の端部118において、第1の球面継手128によって第2のアーム122にその第1の端部124で動作可能に結合される。第1の駆動システム104の第1のギヤボックス130は、ベースステージ102上に配置され、ベースステージに固定され、第1のアーム116は、その第2の端部120において、第1のギヤボックス130の第1の出力シャフト133で形成された第1の回転継手132によって、第1のギヤボックス130に動作可能に結合される。第1のギヤボックス130は、ベースステージ102上に第1固定部位を提供する。
【0039】
[0048]
図2および
図3を参照すると、モーションプラットホーム装置100は、第1の周辺上下部位136、第2の周辺上下部位138、および第3の周辺上下部位140を有するペイロードプラットホーム134をさらに備える。この例では、ペイロードプラットホーム134は、六角形の外周を有し、平面状である。ペイロードプラットホーム134は、この例では、相互接続された周辺管状部材142および支持用のY字形クロス部材144によって形成される。当然ながら、当業者は、ペイロードプラットホーム134をいくつかの異なる方法で構築することができ、周辺管状部材142および/またはY字形クロス部材144の代替物、例えばプレートを使用することができることを理解するであろう。第2のアーム122は、その第2の端部126において、第2の回転継手146によってペイロードプラットホーム134の第1の周辺上下部位136に動作可能に結合される。
【0040】
[0049]
図1に戻って参照すると、第2のリンク機構112は、第1および第2の端部を有する第1のアーム148と、第1および第2の端部を有する第2のアーム150とを備える。第1のアーム148は、その第1の端部において、第2の球面継手152によって、第2のアーム150にその第1の端部において動作可能に結合される。第2の駆動システム106の第2のギヤボックス154は、ベースステージ102上に配置され、ベースステージに固定され、第1のアーム148は、その第2の端部において、第2のギヤボックス154の第2の出力シャフト153で形成された第3の回転継手156によって、第2のギヤボックス154に動作可能に結合される。第2のギヤボックス154は、ベースステージ102上に第2の固定部位を提供する。
図2を参照すると、第2のアーム150は、その第2の端部において、第4の回転継手158によって、ペイロードプラットホーム134の第2の周辺上下部位138に動作可能に結合される。
【0041】
[0050]
図1に戻って参照すると、第3のリンク機構114は、第1および第2の端部を有する第1のアーム160と、第1および第2の端部を有する第2のアーム162とを備える。第1のアーム160は、その第1の端部において、第3の球面継手164によって、第2のアーム162にその第1の端部において動作可能に結合される。第3の駆動システム106の第3のギヤボックス166は、ベースステージ102上に配置され、ベースステージ上に固定され、第1のアーム160は、その第2の端部において、第3のギヤボックス166の第3の出力シャフト167で形成された第5の回転継手168によって、第3のギヤボックス166に動作可能に結合される。第3のギヤボックス166は、ベースステージ102に第3の固定部位を提供する。
図2および
図3を参照すると、第2のアーム162は、その第2の端部において、第6の回転継手170によって、ペイロードプラットホーム134の第3の周辺上下部位140に動作可能に結合される。
【0042】
[0051]この例では、第1のアーム116、148、160はそれぞれ第1のウィッシュボーンであり、第2のアーム122、150、162はそれぞれ第2のウィッシュボーンである。第1および第2のウィッシュボーンは、それぞれ第1および第2のフォークを構成する。第1のフォークはそれぞれ、先端部120と、ネック端部118とを有する。同様に、第2のフォークもそれぞれ、先端部126とネック端部124とを有する。この例では、第1および第2フォークは、そのネック端部118、124において互いにそれぞれ結合される。第1のフォークの先端部120は、第1、第2および第3の周辺固定部位にそれぞれ結合され、第2のフォークの先端部126は、第1、第2、および第3の周辺上下部位136、138、140にそれぞれ結合される。
【0043】
[0052]当業者が理解するように、球面継手の様々な設計が存在する。この例では、第1、第2、および第3の球面継手128、152、164は、それぞれ第1、第2、および第3の玉継手である。しかし、球面継手の他の設計の使用が考えられる。
【0044】
[0053]
図1を見ると、第1の駆動システム104は、第1のギヤボックス130に動作可能に結合された第1のモータ、例えば第1の電気モータ172を備える。第2の駆動システム106は、第2のギヤボックス154に動作可能に結合された第2のモータ、例えば第2の電気モータ174を備える。第3の駆動システム108は、第3のギヤボックス166に動作可能に結合された第3のモータ、例えば第3の電気モータ176を備える。第1、第2、および第3のモータ172、174、176は、それぞれ第1、第2、および第3のアクチュエータを構成する。
【0045】
[0054]別の実施形態(
図9)では、上述した第1、第2、および第3の駆動システム104、106、108の構成に対する代替的な駆動システム構成を採用することができる。説明を簡単かつ簡潔にするために、代替的な駆動システム構成のうちの1つのみを説明する。しかし、当業者は、この例では、同じ駆動構成が第2および第3の駆動システム106、108にも採用されていることを理解するはずである。したがって、この例では、第1の駆動システム104の代替構成について説明する。
【0046】
[0055]前述の例のように、第1の駆動システム104の代替物を構成する第1の代替駆動システム800は、ベースステージ102上に半径方向に配置され、本明細書で後述するような形でベースステージ102に固定して取り付けられる。第1の代替駆動システム800は、対にされたギヤボックス構成体804に動作可能に結合されたオフセット電気モータ802を備える。オフセットモータ802は、第1のプーリ808を支持するモータ出力シャフト806を備える。対にされたギヤボックス構成体804は、第1の下側制御アーム116の先端部120間に配置される。先端部120は、第1の側端部810と第2の側端部812とを備え、第1の側端部810は、1つまたは複数の第1の接続点814を備え、第2の側端部812は、1つまたは複数の第2の接続点816を備える。対にされたギヤボックス構成体804は、第1の側端部810に配置された第1の側のギヤボックス820と、第2の側端部812に配置された第2の側のギヤボックス822との間に延びる駆動シャフト818を備える。対にされたギヤボックス構成体804の駆動シャフト818は、第2のプーリ824を支持し、第1のプーリ808は、駆動ベルト826によって第2のプーリ824に結合されており、この駆動ベルトは、したがって第1および第2のプーリ808、824と係合する。したがって、モータ出力シャフト806の第1の長手方向軸線が、駆動シャフト818の第2の長手方向軸線と平行に配置され、モータ出力シャフト806が、駆動シャフト818に対向して重なり関係で配置されることを理解されたい。オフセットモータ802は、駆動シャフト818に対してオフセットされている。
【0047】
[0056]第1の側のギヤボックス820は第1のハウジング828を備え、第2の側のギヤボックス822は第2のハウジング830を備える。中央取り付け構造832がベースステージ102に固定され、第1および第2の側のギヤボックス820、822は、中央取り付け構造832に取り付けられている。中央取り付け構造832はまた、駆動ベルト826を収容し、オフセットモータ802を支持し、第1の下側制御アーム116とベースステージ102との間で荷重を伝達する役割を果たす。
【0048】
[0057]第1の側のギヤボックス820は、第1のトルク入力を構成する第1のギヤボックス入力シャフト834を備え、第2の側のギヤボックス822は、第2のトルク入力を構成する第2のギヤボックス入力シャフト836を備える。第1および第2のギヤボックス入力シャフト834、836はそれぞれ、第1および第2のギヤボックス入力シャフト834、836と同軸に延びる駆動シャフト818の第1の端部838および第2の端部840を受け入れるための第1および第2の同軸開口を備える。第2のプーリ824は、第1と第2のギヤボックス入力シャフト834、836間の中央に配置される。対にされたギヤボックス構成体804はまた、第1の側端部810で第1の外向きトルク出力を構成する第1の出力フランジ842と、第2の側端部812で第2の外向きトルク出力を構成する第2の出力フランジ844とを備える。第1の出力フランジ842は、第1の下側制御アーム116の第1の接続点814に結合され、第2の出力フランジ844は、第1の下側制御アーム116の第2の接続点816に結合され、それにより、第1の下側制御アーム116の先端部120の回転軸線は、第1および第2の出力フランジ842、844の中心軸線と同軸である。
【0049】
[0058]第1の下側制御アーム116とベースステージ102との間で負荷を伝達するのに必要なトルクは、この例では、高い減速比を提供するために、対にされたギヤボックス構成体804を必要とする。対にされたギヤボックス構成体804は、質量を最小化し、剛性を最大化し、容積を最小化し、ならびに第1の下側制御アーム116の第1および第2の側端部810、812の両方に同じ入力トルクを供給するように機械的に最適化される。
【0050】
[0069]動作中、第1の下側制御アーム116をベースステージ102に対して回転させるために、オフセットモータ802が作動され、モータ出力シャフト806、したがって第1のプーリ808を回転させる。したがって、第1のプーリ808は、駆動ベルト826を用いて第2のプーリ824を駆動する。第2のプーリ824は、駆動シャフト818、したがって駆動シャフト818に結合された第1および第2のギヤボックス入力シャフト834、836を回転させる。次いで、第1および第2の出力フランジ842、844は、第1および第2のギヤボックス入力シャフト834、836の回転に応答して回転するが、上述のギヤ比のために回転速度は遅い。第1の下側制御アーム116の第1および第2の側端部810、812にそれぞれ結合された第1および第2の出力フランジ842、844の回転は、第1の下側制御アーム116を上下に回転させる役割を果たす、それによって球面継手128を上昇または下降させる。
【0051】
[0060]第1および第2の側のギヤボックス820、822の使用は、第1の下側制御アーム116の片側に取り付けられた単一のギヤボックスの使用と比較して、第1および第2の側端部810、812のそれぞれに実質的に半分のトルクを加えることを可能にする。したがって、ヨーの回転慣性は、同じ総トルク伝達能力を有する他の機械的構成体と比較して低減される。さらに、第1および第2の側のギヤボックス820、822の低トルク側に駆動ベルト826を結合することにより、駆動ベルトの伸びを低減することによってモーションプラットホーム装置100の剛性を最適化する。
【0052】
[0061]
図3を参照すると、ベースステージ102は、上記の例では、モーションステージプラットホーム190上に回転可能に取り付けられ、ターンテーブルを構成する。ベースステージ102は、周方向駆動ベルト(図示せず)を介して、ヨーテーブルモータおよびギヤボックスユニット192を構成するモータおよびギヤボックス構成体によって駆動される。ベースステージ102、したがってペイロードプラットホーム134を回転させる能力は、任意選択であり、使用される実施態様に依存する。別の例では、ベースステージ102、および任意選択で提供される場合にはモーションステージプラットホーム190は、ペイロードプラットホーム134のサージまたはスウェイ運動を提供するために、2つの実質的に垂直な方向に直線的に並進可能な並進ステージシステム、例えばサージ-スウェイモーションステージシステム(図示せず)上に取り付けられる。サージ-スウェイモーションステージシステムは、ペイロードプラットホーム134および/またはベースステージ102をサージ軸線またはスウェイ軸線に沿って並進させるための任意の適切な構成とすることができる。しかし、サージ-スウェイモーションステージシステムの提供は、本明細書に記載の例を理解するための中心ではないので、さらに詳細には説明しない。
【0053】
[0062]さらなる実施形態では、ベースステージ102のための別の駆動機構であって、前述の例のモータおよびギヤボックスユニット/駆動ベルト構成体の代わりの駆動機構が使用される。
図10を参照すると、モーションステージプラットホーム190は、回転不能な下側ステージ900、例えば略円形ステージであるが、他の形状のステージを使用することもでき、下側ステージ900からベースステージ102に向かって略垂直に延びる直立した周壁902を備える。周辺側壁902、例えば周方向側壁は、周方向支承レール906を支持する第1の対向面904を備える。ベースステージ102は、回転式であり、下側ステージ900から離間する関係でこれに対向して配置される。ベースステージ102は、第2の対向面910を構成するベースステージ102の下面に、周方向支承キャリッジ908を備える。周方向支承キャリッジ908は、周方向支承レール906と協働し、使用中に回転式ベースステージ102の低摩擦回転運動を容易にするために、相補的な周辺支承構成体を構成する。回転式ベースステージ102は、ヨー駆動構成体914を受け入れるための貫通する中央開口部912を備える。この例では、ヨー駆動構成体914は、中央に取り付けられたギヤボックス918に動作可能に結合された中央に取り付けられたモータ916を備え、中央に取り付けられたモータ916は、モータハウジング920を有し、中央に取り付けられたギヤボックス918は、ギヤボックスハウジング922を有する。中央に取り付けられたモータ916は、中央に取り付けられたギヤボックス918の入力シャフト(図示せず)に動作可能に結合された出力シャフト924を備える。中央に取り付けられたギヤボックス918は、ギヤボックス出力フランジまたは表面926を備える。ギヤボックス出力フランジ926は、中央に取り付けられ、下側ステージ900に固定して固定され、ギヤボックスハウジング922は、ベースステージ102に固定して固定される。ベースステージ102は、下側ステージ900の中心と同軸の回転軸線を備える。
【0054】
[0063]この例では、ベースステージ102は、前の例に関連して説明したとおりであり、第1のリンク機構110、第2のリンク機構112および第3のリンク機構114を支持するように構成される。しかし、他の実施形態では、回転継手と球面継手との特定の組み合わせを備える本明細書に記載のリンク機構構成ではなく、他のリンク構成を使用することができることを理解されたい。
【0055】
[0064]動作中、駆動されると、中央に取り付けられたモータ916の出力シャフト924は、入力制御信号に応答して回転する。ギヤボックス出力フランジ926が下側ステージに固定されており、自由に回転しないので、周方向支承レールおよびキャリッジ906、908によって促進されるように自由に回転する回転式ベースステージ102に固定されたモータハウジング920およびギヤボックスハウジング922は、下側ステージ900に対してすべて一緒に回転する。中央に取り付けられたモータ916とベースステージ102との間のより直接的な駆動経路により、前述の例と比較して、改良された剛性で、中央に取り付けられたモータ916によってヨートルクをベースステージ102に加えることができる。
【0056】
[0065]上記の例では、周辺側壁902は、下側ステージ900とベースステージ102との間に空間を提供するために下側ステージ900から離れるように延び、この空間は、電気ケーブルなどを配置するために便利に使用することができる。しかし、周辺側壁902の設置は任意であり、周方向支承レール906は、下側ステージ900とベースステージ102との間のこのような追加の空間が必要とされない場合、下側ステージ900の周辺に固定することができる。
【0057】
[0066]前述の例のように、下側ステージ900は、サージまたはスウェイを提供するために、実質的に垂直な二方向に直線的に並進可能な並進ステージシステムに任意選択的に取り付けることができる。
【0058】
[0067]
図4を参照すると、第1のモータ172は、この例では、ワイヤリングルーム202を介してパワー駆動ユニット200の第1の出力に動作可能に結合されている。同様に、第2および第3のモータ174、176は、ワイヤリングルーム202を介してパワー駆動ユニット200の第2の出力および第3の出力に動作可能にそれぞれ結合される。ヒーブ軸線を中心とした回転運動(ヨー)のために実施される場合、ヨーテーブルモータおよびギヤボックスユニット192は、例えば、ワイヤリングルーム202を介してパワー駆動ユニット200に動作可能に結合される。
【0059】
[0068]
図1および
図4を参照すると、モーションプラットホーム装置100は、この例では、第1のギヤボックス130の両側にそれぞれある第1の対の4節リンク機構構成体178を介して第1の下側制御アーム116に動作可能に結合された第1の対の設定可能な空気圧支持体204を備える。第1の対の4節リンク機構構成体178の各4節リンク機構構成体は、第1の回転継手132に対して偏心して配置された、第1の下側制御アーム116の第1のヒンジ継手180にそれぞれ結合される。モーションプラットホーム装置100はまた、第2の対の設定可能な空気圧支持体206と、第3の対の設定可能な空気圧支持体208とを備える。第2の対の空気圧支持体206は、第2のギヤボックス154の両側にある第2の対の4節リンク機構構成体182それぞれを介して、第2の下側制御アーム148に結合される。第2の対の4節リンク機構構成体182の各4節リンク機構構成体は、第3の回転継手156に対して偏心して配置された、第2の下側制御アーム148の第2のヒンジ継手184に結合される。第3の対の空気圧支持体208は、第3のギヤボックス166の両側にある第3の対の4節リンク機構構成体186それぞれを介して、第3の下側制御アーム160に結合される。第3の対の4節リンク機構構成体186の各4節リンク機構構成体は、第5の回転継手168に対して偏心して配置された、第3の下側制御アーム160の第3のヒンジ継手188に結合される。
【0060】
[0069]第1、第2、および第3のリンク機構110、112、114はそれぞれ、ベースステージ端部と、ベースステージ端部から遠位のペイロードプラットホーム端部とを備え、第1、第2および第3の空気圧支持体204、206、208は、第1、第2、および第3のリンク機構110、112、114のベースステージ端部において、第1、第2、および第3のリンク機構110、112、114にそれぞれ結合されている。
【0061】
[0070]本明細書に記載の第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208は空気圧支持体の対であるが、当業者は、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208のうちの1つまたは複数が、例えば第1、第2、および第3のギヤボックス130、154、166それぞれの一方の側で、4節リンク機構構成体178、182、186のそれぞれの対を介して、それぞれの第1、第2、または第3の下側制御アーム116、148、182に動作可能に結合された単一の空気圧支持体であり得ることを理解すべきである。実際、本明細書では4節リンク機構構成体が記載されているが、他のリンク機構構成を使用することができることも理解されたい。この例では、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208は、モーションプラットホーム装置100の周りに離間されており、それに結合されているが、第1、第2、および第3のリンク機構110、112、114とは別個である。
【0062】
[0071]いくつかの例では、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208の使用は任意であることも理解されたい。
【0063】
[0072]第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208が使用される場合、パワー駆動ユニット200は、ワイヤリングルーム202を介して第1の空気圧膨張ユニット210、第2の空気圧膨張ユニット212、および第3の空気圧膨張ユニット214にも動作可能に結合され、第1、第2、および第3の空気圧膨張ユニット210、212、214は、空気圧支持体204、206、208の第1、第2、および第3の対それぞれに動作可能に結合される。第1、第2、および第3の空気圧膨張ユニット210、212、214はそれぞれ、空気圧流体を貯蔵するための第1の空気圧リザーバ216、第2の空気圧リザーバ218、および第3の空気圧リザーバ220を備える。この例では、第1、第2および第3の空気圧支持体204、206、208は、空気ばねである。いくつかの例では、空気ばねは、ベローズ構造から形成することができる。すなわち、空気ばねは、空気ベローズであるとよい。当然ながら、既に上述したように、別の例では、単一の空気圧支持体を使用することができる。そのような例では、第1、第2、および第3の空気圧リザーバ216、218、230はそれぞれ、使用される単一の空気圧支持体に役立つことができる。他の例では、各下側制御アーム116、148、160のための単一の空気圧支持体または空気圧支持体の対の使用は、共通の空気圧リザーバまたはいくつかの共通の空気圧リザーバを共有することができる。
【0064】
[0073]さらなる例では、車両シミュレータシステムは、モーションプラットホーム装置100を備え、任意選択的に、モーションステージプラットホーム190に回転可能に取り付けられたベースステージ102を備えることができる。車両シミュレータシステムはまた、任意選択的に、上述のサージ-スウェイモーションステージシステムを備えることができる。
【0065】
[0074]いずれの場合でも、パワー駆動ユニット200は、データバス224を介して処理リソース222に動作可能に結合される。処理リソース222は、特定用途向けまたはプログラムされた汎用コンピューティング装置とすることができるスタンドアロンのコンピューティング装置とすることができる。他の例では、処理リソース222は分散システムとすることができ、この場合処理能力は、任意選択的に異なる場所に配置された2つ以上の処理装置にわたって分散させることができる。この例では、処理リソース222は、車両シミュレータシステムを実装するソフトウェアを実行するサーバラックである。任意の適切なオペレーティングシステム、例えば、限定はしないが、Linux(商標)またはWindows(商標)を使用することができる。
【0066】
[0075]処理リソース222は、データストア、例えば、ハードドライブ、デジタルメモリ、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる記憶デバイス226または記憶デバイスのバンクに動作可能に結合される。記憶デバイス226は、例えば、シミュレートされるべき車両の性能および/または取り扱い特性を含む、シミュレートされるべき1台または複数台の車両に関する環境設定データを記憶する。記憶デバイス226はまた、視覚的データ、地理空間データ、およびシミュレータコックピットからの視界をレンダリングすることを可能にするデータを含む、1つまたは複数の運転地形に関するデータを記憶することができる。これに関して、シミュレータコックピットは、車両シミュレータシステムのペイロードプラットホーム134上に配置されることを理解されたい。当業者は、記憶デバイス226によって他のデータを記憶することができるが、記憶されるデータの種類は本明細書に記載の例の理解の中核をなすものではないので、記憶デバイス226の内容はさらに詳細には説明されないことを理解するであろう。
【0067】
[0076]処理リソース222は、ディスプレイドライバシステム228に動作可能に結合され、ディスプレイドライバシステム228は、シミュレーション環境の投影のためのディスプレイ出力システム230、例えばプロジェクタおよびパノラマスクリーンに動作可能に結合されており、スクリーンは、車両シミュレータシステムの一部であるときにペイロードプラットホーム134上に配置されるドライバの視野内に配置されている。ディスプレイドライバユニット228は、この例では、コックピット機器232、例えば、グラフィカルダッシュパネルディスプレイならびにサイドおよびリアビューミラーシミュレータディスプレイ(図示せず)にも動作可能に結合される。
【0068】
[0077]処理リソース222はまた、シミュレートされた車両のシミュレートされた運動に関連してシミュレートされたオーディオをドライバに提供するためのオーディオ出力システム234に動作可能に結合される。処理リソース222はまた、入力処理ユニット236に動作可能に結合され、入力処理ユニット236は、例えば、いわゆるシミュレータペダルユニット238、シミュレータギヤシフタ240、およびシミュレータステアリングホイール242に動作可能に結合される。当然ながら、他の入力デバイスをコックピット内に設けることができることを当業者は理解するであろう。
【0069】
[0078]
図5を参照すると、動作中、
図4の制御システムを含むモーションプラットホーム装置100の電源が投入され(ステップ300)、モーションプラットホーム装置100を制御するためのソフトウェアが起動され、初期化される(ステップ302)。ドライバは、ソフトウェアの電源投入および初期化(ステップ300および302)の前または後に、ペイロードプラットホーム134上に配置されたコックピットに入ることができる。ソフトウェアが初期化されると(ステップ302)、ドライバは、運転シミュレーションシステムをドライバとして操作し始めることができる。他の例では、シミュレートされる車両は、シミュレーションシステムによって、例えば、以前に記録された運転シーケンスの再生を体験するため、自動運転コントローラによって運転されるため、および/または異なる運動の人間の知覚に関する研究を行うためにシミュレーションの持続時間にわたってコックピット内にいる受動的な人乗員によって、運転することができる。しかし、本例では、制御システムは、例えばシミュレータペダルユニット238、シミュレータギヤシフタ240、およびシミュレータステアリングホイール242などの入力デバイスを介して提供されるように、ドライバによって実行された動作から入力(ステップ304)を取得するように構成される。入力処理ユニット236を介して1つまたは複数の入力を受信すると、処理リソース222は、モーションプラットホーム装置100を制御することに関する応答を計算し(ステップ306)、次いで、第1のリンク機構110、第2のリンク機構112、および/または第3のリンク機構114、回転可能なベースステージ102および/または空気圧支持体204の第1の対、空気圧支持体206の第2の対、および/または空気圧支持体208の第3の対によって応答が実行される(ステップ308)ために、制御コマンドをパワー駆動ユニット200に提供する。応答の計算および動作のさらなる詳細は、
図6を参照して以下に説明される。
【0070】
[0079]応答の実行に続いて、処理リソース222は、シミュレーションを終了する命令が受信されたかどうかを決定する(ステップ310)。終了命令が受信されていない場合、処理リソース222は、シミュレーションを終了する命令が受信される時点まで上述のステップを実行し続け(ステップ304から310)、その後処理リソース222は、シミュレーションを終了する。
【0071】
[0080]説明されていないが、処理リソース222はまた、例えば可聴および視覚応答の形態で他の出力を管理および調整することを当業者は理解するであろう。しかし、これらの態様は、モーションプラットホーム装置100の動作の理解の中核をなすものではないため、説明を明確かつ簡潔にするために、これらの態様については本明細書ではこれ以上説明しない。
【0072】
[0081]次に、
図6に移り、第1、第2、および第3のリンク機構110、112、114ならびに回転可能なベースステージ102の動作を説明する。説明を簡単かつ明確にするために、また本明細書に記載の例の顕著な態様を損なわないように、動作は、上述のサージ-スウェイモーションステージシステムのいかなる使用も参照せずに説明される。
【0073】
[0082]理解されるように、第1、第2、および第3のリンク機構110、112、114の制御およびベースステージ102の回転は、独立している。したがって、リンク機構110、112、114およびベースステージ102の制御は、並行して行われる。
【0074】
[0083]リンク機構110、112、114に関して、シミュレートされている車両のモデルに基づいて、処理リソース222は、最終的にモーションペイロードプラットホーム134上に存在するコックピットの移動をもたらす複数の処理段階に関与する。例えば、駆動装置がシミュレーションシステムと能動的に対話するとき、ペイロードプラットホーム134を所望の方法で移動させるために電気モータを活性化する段階に到達する移動の前に、処理リソース222は、シミュレートされている車両の物理モデルと、ドライバおよびシミュレートされた地形からの入力とを使用して、車両の運動を決定する。これに関して、物理モデルは、シミュレートされた車両の運動を記述する加速度のセットを経時的に提供する。モーションキューフィルタ(図示せず)は、ドライバが物理モデルによって計算された加速を知覚するようにモーションプラットホーム装置100によって提供される加速のセットを決定するために、車両物理モデルによって出力された加速の各セットを使用する。したがって、モーションキューフィルタを実装する処理リソース222は、上述した入力デバイスおよびシミュレートされた運転環境を使用して、ドライバからの入力から導出されたモーションキューに応答するためにコックピットが受けなければならない3自由度の移動を計算する(ステップ400)。次いで、処理リソース222は、リンク機構110、112、114のうちの1つまたは複数によって必要とされる対応する移動、したがって必要とされるコックピット運動を達成するためのモータ172、174、176のうちの1つまたは複数の作動を計算する(ステップ400)。処理リソース222は、1つまたは複数の制御コマンドを生成し(ステップ402)、1つまたは複数の制御コマンドをパワー駆動ユニット200に通信する。次に、パワー駆動ユニット200は、移動する必要があるモータ172、174、176のうちの1つまたは複数に作動制御信号を送信する(ステップ404)。その後、作動制御信号に応答して、各リンク機構110、112、114に関連付けられたモータ172、174、176がそれぞれ作動する(ステップ406)。
【0075】
[0084]作動されるモータ172、174、176および作動方向に応じて、第1、第2および/または第3のギヤボックス130、154、166の出力シャフト133、153、167は、第1、第2および/または第3の下側制御アーム116、148、160をそれぞれ回転式に回転させ、それにより、リンク機構110、112、114を上昇または下降させ(ステップ408)、したがってそれぞれの周辺上下部位136、138、140を変位、例えば上昇または下降させる。第1のモータ172に関するさらなる例として、第1のギヤボックス130の作動は、回転移動に拘束された第1のギヤボックス130の第1の出力シャフト133を(第1のモータ172への命令された方向に応じて)時計回りまたは反時計回り方向に回転させ、その結果、回転継手132の拘束により、第1の出力シャフト133の長手方向軸線を中心とした第1の下側制御アーム116の回転運動をもたらす。第2および第3のモータ174、176も同様に、第2および第3のリンク機構112、114に対するこのような移動に影響を与えることができる。したがって、図から分かるように、第1、第2、および第3の周辺上下部位136、138、140は、車両シミュレーションソフトウェアの制御下で処理リソース222によって必要とされるように独立して上昇または下降することができる。これに関して、第1、第2および第3のリンク機構110、112、114による第1、第2、および第3の上下部位136、138、140のそれぞれの上昇および下降は、選択的である。第1、第2、および第3の周辺上下部位136、138、140を選択的に上昇および下降させるための第1、第2、および第3のリンク機構110、112、114の移動は、ロール、ピッチ、および/またはヒーブを、ペイロードプラットホーム134上に配置されたペイロード、例えばシミュレータコックピットに適用することを可能にする。
【0076】
[0085]当然ながら、下側制御アーム116、148、160が横方向モータ/ギヤボックス構成体のそれぞれの出力シャフトに固定される上述の例が、下側制御アーム116、148、160を上昇させる唯一の方法ではないことを当業者は理解するはずである。例えば、モータおよびギヤボックス構成体を下側制御アーム116、148、160に直接取り付けることができ、または別の例では、プッシュロッド構成体を採用することができ、それによってモータおよびギヤボックスは、ベルクランク構成体を形成するために、下側制御アーム116、148、160の各々に取り付けられたリンク機構を介して作用する。
【0077】
[0086]ヨー移動に関連して、ヨー移動は、物理モデルおよびモーションキューフィルタの出力に基づいてヒーブ、ロール、および/またはピッチ移動に関して上述したのと同様の方法で計算されて、4自由度の必要な運動を得、次いで、その必要な運動は、とりわけ、回転可能なベースステージ102に必要なヨー移動(論理的運動制御)を計算する(ステップ410)ために使用され、この必要なヨー移動は、ヨーテーブルモータおよびギヤボックスユニット192によって実行される作業に関する、パワー駆動ユニット200にリアルタイムで配信される位置要求のストリームとして提供される(ステップ412)。パワー駆動ユニット200は、ヨーテーブルモータおよびギヤボックスユニット192に回転作動信号を生成して送信する(ステップ414)ことによって、ヨーコマンドの受信に応答する。その後、回転作動信号に応答して、ベースステージ102の回転に関連付けられたヨーテーブルモータおよびギヤボックスユニット192が作動する(ステップ416)。回転作動信号に応じてヨーテーブルモータおよびギヤボックスユニット192のモータを動作させると、モータおよびギヤボックスユニット192は、処理リソース222によって必要とされる方法でベースステージ102を回転させる(ステップ418)。したがって、ペイロードプラットホーム134、したがってペイロードプラットホーム134によって支持されたコックピットは、ベースステージ102に加えられる回転移動を受ける。
【0078】
[0087]
図7を参照すると、重力によるコックピット重量は、垂直力と連続的に反応しなければならない。さらに、ペイロードプラットホーム134に取り付けられたコックピット(図示せず)の重心は、ペイロードプラットホーム134に対してしばしば中心から外れることがあり、これはまた、継続的に反応ないしは反作用しなければならないロールモーメントおよびピッチモーメントを引き起こす。このように、この例では、動作前に、コックピットの重心がペイロードプラットホーム134に対してオフセットされる量が測定され、記憶デバイス226に記憶される。他の実装も可能であり、本明細書で後述する。
【0079】
[0088]したがって、シミュレーションソフトウェアが初期化されると(ステップ302)、初期化プロセスの一部は、この例では、処理リソース222が記憶デバイス226に記憶されたオフセット情報を含むユーザ定義環境設定値を検索することを含む(ステップ500)。これに関して、処理リソース222は、この例では、環境設定器246を支援し、環境設定器は、適切な復元垂直力、ロールモーメント、およびピッチモーメントで重力によるコックピット重量およびコックピットのオフセット重心を補償するために、ユーザ定義環境設定値を検索し、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208が加えなければならない力を計算する(ステップ502)。
【0080】
[0089]計算された復元力ならびにピッチおよびロールのモーメントを使用して、処理リソース222の環境設定器246は、次に、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208のうちのどれが設定される必要があるかを特定する(ステップ504)。環境設定器246はまた、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208の識別された空気圧支持体によって加えられる印加支持力を計算する(ステップ506)。他の例では、第1、第2および第3の空気圧支持体204、206、208によって加えられる力、または第1、第2および第3の空気圧支持体204、206、208の設定は、予め計算され、ユーザ定義環境設定値を構成することができる。実際、そのような例では、ユーザ定義環境設定値は、ペイロードの質量およびペイロードプラットホーム134に対するペイロードの質量の分布に応じて計算することができる。実際、力が動的に更新される別の例示的な実施態様では、力は、装置100の動作中に繰り返し自動的に計算することができる。
【0081】
[0090]第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208の各々によって加えられる力が計算されると(ステップ506)、環境設定器246は、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208の各々に計算された力を加えるように第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208を加圧する(ステップ508)ようにパワー駆動ユニット200に命令する。この点に関して、第1、第2および第3の空気圧支持体204、206、208の加圧の調整は互いに独立している。処理リソース222からの命令に応答して、パワー駆動ユニット200は、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208をそれぞれ膨張させるために、第1の空気圧膨張ユニット210、第2の空気圧膨張ユニット212、および第3の空気圧膨張ユニット214に制御信号を送信する。したがって、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208は、計算された力を独立して加えるので、独立して設定可能および/または作動可能であり、それによって第1、第2、および第3の電気モータ172、174、176の各々の作業負荷を低減する。
【0082】
[0091]この例では、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208によって加えられる力は、ユーザ定義環境設定値に従ってモーションプラットホーム装置100の動作全体を通して一度計算され、一度加えられる。これに関して、計算された力は、装置100の始動時に手動で、または装置100の始動時に自動的に計算することができる。さらに、この例では、第1、第2、および/または第3の空気圧支持体204、206、208の設定は自動であるが、手動または自動で計算された力は、第1、第2、および/または第3の空気圧支持体204、206、208のための手動制御装置(図示せず)を介して第1、第2、および/または第3の空気圧支持体204、206、208の手動設定によって加えることができ、それによって第1、第2および/または第3の空気圧支持体のそれぞれの手動加圧が可能になる。別の例では、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208によって加えられる力は、モーションプラットホーム装置100の動作中に自動的に計算され、動的に変化させることができる。
【0083】
[0092]この点に関して、
図8を参照すると、処理リソース222は、次に、第1、第2、および第3のリンク機構110、112、114の現在の延び、したがって、適切な復元垂直力、ロールモーメントおよびピッチモーメントで重力によるコックピット重量およびコックピットのオフセット重心を補償するために第1、第2および第3の空気圧支持体204、206、208によって加えられる必要がある印加支持力を計算する(ステップ600)。次いで、計算された力は、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208によって現在加えられている力と比較される(ステップ602)。所定の閾値は、第1、第2、第3の空気圧支持体204、206、208によって現在加えられている力からの、第1、第2および第3のリンク機構110、112、114によって加えられている力の偏差に関して動作前に設定される。所定の閾値のうちの1つ以上は、最小許容力および最大許容力によって境界付けられる力の範囲とすることができる。偏差が所定の閾値より大きくない場合(ステップ604)、処理リソース222は、継続的に、垂直力ならびにピッチおよびロールモーメントを計算し、第1、第2および第3の空気圧支持体204、206、208によって加えられる力を調整する必要があるかどうかを決定する(ステップ600から604)。しかし偏差が所定の閾値より大きい場合(ステップ604)、処理リソース222は、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208によって加えられる力を計算された現在の必要レベル(ステップ600)に調整する(ステップ606)。これに関して、前述の例と同様に、処理リソース222は、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208の各々に計算された力を加えるように、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208を加圧するようにパワー駆動ユニット200に命令する。処理リソース222からの命令に応答して、パワー駆動ユニット200は、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208をそれぞれ膨張または収縮させるために、第1の空気圧膨張ユニット210、第2の空気圧膨張ユニット212、および第3の空気圧膨張ユニット214に制御信号を送信する。このようにして、支持力の付与の変更はリアルタイムで行われる。その後、処理リソース222は、継続して、垂直力ならびにロールおよびピッチモーメントを計算し、第1、第2、および第3の空気圧支持体204、206、208によって加えられる力を調整する必要があるかどうかを決定する(ステップ600から604)。
【0084】
[0093]上記の実施態様は、添付の特許請求の範囲内で考えられる様々な実施態様の単なる例であることを当業者は理解するはずである。これに関して、上記の例では、(各下側制御アームのための対として、または各下側制御アームのための単一の支持体として展開される)各空気圧支持体204、206、208が、各下側支持アーム116、148、160に関連するそれぞれの空気圧リザーバ216、218、220を有すると仮定しているが、空気圧支持体204、206、208が使用される方法に応じて、空気圧支持体204、206、208に役立つ他の方法も可能である。例えば、空気圧支持体204、206、208が使用前の始動時に設定される場合、空気圧支持体204、206、208の各々の空気圧リザーバ216、218、220は、三方弁を介して単一の空気圧膨張ユニットに接続することができる。別の例では、共通のリザーバを空気圧支持体204、206、208によって共有することができ、各空気圧支持体204、206、208の膨張は、それぞれの空気圧膨張ユニット210、212、214によって提供される。さらなる例では、各空気圧支持体204、206、208は、関連するリザーバを使用せずにそれぞれの圧縮空気供給源によって供給され得る。
【0085】
[0094]上記の例は車両のシミュレーションを説明しているが、車両のすべての態様をシミュレートする必要はなく、車両シミュレーションは車両の1つまたは複数の性能側面に関するものであり得ることを理解されたい。さらに、モーションプラットホーム装置100は、陸上車両シミュレーションにおける専用使用を意図するものではなく、他の用途、例えば、水陸両用車もしくは航空車両、または実際に人間の乗員に運動を加えることが望ましい任意の用途が考えられる。
【0086】
[0095]本明細書に記載の例では、上側または下側または上方または下方などの任意の要素の位置への言及は、地面に対する要素の位置の文脈で行われる。しかし、当業者は、そのような地面基準の用語が限定を意図するものではなく、要素を地面基準とは異なるように方向付けることが可能な場合に適切に調整することができることを理解すべきである。
【国際調査報告】