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特表2024-500043吸入器物品およびそれと共に使用するためのマウスピース
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(54)【発明の名称】吸入器物品およびそれと共に使用するためのマウスピース
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/00 20060101AFI20231222BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023533731
(86)(22)【出願日】2021-12-01
(85)【翻訳文提出日】2023-06-01
(86)【国際出願番号】 IB2021061195
(87)【国際公開番号】W WO2022130090
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】20214434.1
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】カンピテッリ ジェンナーロ
(57)【要約】
吸入器物品は、内部および長手方向中心軸を画定する管状側壁を含む吸入器本体を有し、内部は、吸入可能な粉末を収容するためのレセプタクルを形成し、マウスピース要素は、遠位端から近位端まで長手方向中心軸に沿って延在し、マウスピース要素の遠位端は、吸入器本体の内部で受容される。マウスピース要素は、吸入器本体と同軸に延在し、第一の直径を有する内面を含む管と、マウスピース要素の遠位端に配置され、管と同軸であり、第一の直径よりも大きい第二の直径を有するブロッカーと、ブロッカーと同軸であり、かつブロッカーの近位に配置されるリングを含む収集器表面とを含み、リングは、内径および外径を画定する。
【選択図】3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入器物品であって、
内部および長手方向中心軸を画定する管状側壁を備え、前記内部が吸入可能な粉末を収容するためのレセプタクルを形成する吸入器本体と、
前記長手方向中心軸に沿って遠位端から近位端まで延在するマウスピース要素であって、前記マウスピース要素の前記遠位端が前記吸入器本体の前記内部に受容されるマウスピース要素と、を備え、前記マウスピース要素が、
前記吸入器本体と同軸に延在し、第一の直径を有する内部表面を備える管と、
前記マウスピース要素の前記遠位端に配置され、前記管と同軸であり、前記第一の直径よりも大きい第二の直径を有するブロッカーと、
前記ブロッカーと同軸であり、前記ブロッカーの近位に配置されるリングを備える収集器表面であって、前記リングが内径および外径を画定する収集器表面と、を備える、吸入器物品。
【請求項2】
前記管が、前記マウスピース要素の前記近位端で出口を画定する、請求項1に記載の吸入器物品。
【請求項3】
前記レセプタクル内に配置された吸入可能な粉末を含有するカプセルをさらに含む、請求項1または2のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【請求項4】
前記マウスピースの前記近位端が下を向くように、前記吸入器物品を上下逆さまにすると、前記収集器表面が、前記吸入器本体内のルース粉末を収集するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【請求項5】
前記マウスピース要素が、前記近位端から前記遠位端まで延在し、前記管を囲む円筒形側壁を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【請求項6】
前記ブロッカーが、前記マウスピース要素の前記長手方向中心軸と同軸のシリンダーを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【請求項7】
前記収集器表面が、前記管の少なくとも一部分に対して近位に配置される、請求項1~6のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【請求項8】
前記収集器表面が、前記管から前記側壁まで延在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【請求項9】
前記収集器表面が、前記マウスピース要素の前記長手方向中心軸に沿って切り取られた断面の湾曲した断面形状を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【請求項10】
前記湾曲した断面形状が、前記マウスピース要素の前記遠位端に向かって凹状である、請求項1~9のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【請求項11】
前記ブロッカーと前記管との間のギャップが1mm~5mmの距離を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【請求項12】
前記マウスピース要素が、前記マウスピース要素の遠位端部分よりも小さい断面寸法を有する凹部を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【請求項13】
前記凹部が、前記マウスピース要素を囲む溝を含む、請求項12に記載の吸入器物品。
【請求項14】
前記凹部が、前記収集器表面を画定する、請求項12または13に記載の吸入器物品。
【請求項15】
前記凹部が、前記管の内部と流体連通する複数の気流チャネル開口部を含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の吸入器物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸入器物品用のマウスピース、およびマウスピースを含む吸入器物品に関する。具体的には、本発明は、粉末吸入器用のマウスピースに関する。
【背景技術】
【0002】
粉末薬剤を分配するために使用される乾燥粉末吸入器は多くの場合、一回の用量で乾燥粉末用量の全部を提供しようとする。このような乾燥粉末吸入器は、多くの場合、その設計が複雑であり、可動部品を伴いうる。加えて、これらの複雑な乾燥粉末吸入器は、高速で製造および組み立てられることが困難である。
【0003】
従来の喫煙方法の吸入量(気流量)内の吸入量(気流量)で肺に乾燥粉末粒子を提供するように構成される乾燥粉末吸入器は、粉末レセプタクルと出口との間の直線気流経路で設計され得る。乾燥粉末吸入器は、粉末にアクセスするために穿刺され得るカプセル内に吸入可能な粉末を含有してもよい。しかし、吸入器が逆さになった場合、またはそうでなければ非直立位置で操作された場合、ルース粉末が、そのような吸入器から意図せず落ちる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吸入器物品からの意図しない粉末漏出を軽減する吸入器物品用のマウスピースを提供することが望ましい。吸入器が上下逆さまにされた場合に、吸入器内でルース粉末を捕捉する吸入器物品用のマウスピースを提供することが望ましい。従来の喫煙方法での吸入量(気流量)内の吸入量(気流量)で、粉末を吸入することを可能にする吸入器物品用のマウスピースを提供することが望ましい。製造しやすいシンプルな設計のマウスピースと、組み立てやすい吸入器物品を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で使用されている全ての科学的用語および技術的用語は、別途指定のない限り、当該技術分野で一般的に使用されている意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書において頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするためのものであり、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【0006】
「実質的に」という用語は、本明細書で使用される「著しく」と同じ意味を有し、後続の用語を少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%修正すると理解され得る。
【0007】
本明細書で使用される「実質的に~ではない」という用語は、「著しく~ではない」と同じ意味を有し、および「実質的に」と逆の意味を有し、すなわち後続の以下の用語を25%以下、10%以下、5%以下、または2%以下修正すると理解され得る。
【0008】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表す全ての数字は、全ての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合も列挙されていない場合もある。したがって、この文脈では、数AはA±5%として理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用されるような一部の事例において、それによってAが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙される割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合も列挙されていない場合もある。
【0009】
「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」)などの用語は、単数形の実体のみを指すことを意図したものではなく、例示のために特定の例が使用され得る一般的なクラスを含む。
【0010】
用語「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」)は、用語「少なくとも一つ」と互換的に使用される。リストに続く語句「少なくとも一つの」および「少なくとも一つを含む」は、リスト中の品目のいずれか一つおよびリスト中の二つ以上の品目の任意の組み合わせを指す。
【0011】
本明細書で使用される「または」という用語は概して、「および/または」を含む通常の意味で採用されているが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の一つもしくは全て、または列挙された要素のうちの任意の二つ以上の組み合わせを意味する。
【0012】
本明細書で使用される「有する、持つ(have)」、「有している、持っている(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは、その制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る」、「から成る」、およびこれに類するものは、「含む、備える」およびこれに類するものに包摂される。本明細書で使用される場合、組成物、製品、方法、またはこれに類するものに関する「から本質的になる」とは、組成物、製品、方法、または同類のものの構成成分が、列挙された構成成分および組成物、製品、方法、または同類のものの基本および新規の特性に実質的に影響を与えない任意の他の構成成分に限定されることを意味する。
【0013】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0014】
本開示では、乾燥粉末を吸入するのに好適な吸入器物品が提供される。吸入器物品は概して、吸入器本体および吸入器本体と連結されたマウスピース要素を含む。吸入器本体は、吸入可能な粉末を収容するためのレセプタクルを含む。マウスピース要素を通して気流経路が提供される。
ここで、図を参照しながら実施例を更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A図1Aは、実施形態による吸入器物品の斜視図である。
図1B図1Bは、実施形態による図1Aの吸入器物品の断面図である。
図2A図2Aは、実施形態による吸入器物品の斜視図である。
図2B図2Bは、実施形態による図2Aの吸入器物品の断面図である。
図3A図3Aは、実施形態による図1Aの吸入器物品の断面側面図である。
図3B図3Bは、実施形態によるホルダーと連結された図1Aの吸入器物品の断面側面図である。
図3C図3Cは、実施形態によるホルダーと連結され気流パターンを示す、図1Aの吸入器物品の断面側面図である。
図4A図4Aは、実施形態による図1Aの吸入器物品のマウスピース要素の断面側面図である。
図4B図4Bは、図4Aのマウスピース要素の斜視図である。
図5A図5Aは、実施形態による気流パターンを示す、図4Aのマウスピース要素の断面側面図である。
図5B図5Bは、実施形態による気流パターンを示す、図4Aのマウスピース要素の斜視図である。
図6A図6Aは、実施形態による図2Aの吸入器物品の断面側面図である。
図6B図6Bは、実施形態によるホルダーと連結された図2Aの吸入器物品の断面側面図である。
図6C図6Cは、実施形態によるホルダーと連結され気流パターンを示す、図2Aの吸入器物品の断面側面図である。
図7A図7Aは、実施形態による図2Aの吸入器物品のマウスピース要素の断面側面図である。
図7B図7Bは、図7Aのマウスピース要素の斜視図である。
図7C図7Cは、実施形態による図7Aのマウスピース要素の横断断面図である。
図8A図8Aは、実施形態による気流パターンを示す、図7Aのマウスピース要素の断面側面図である。
図8B図8Bは、実施形態による気流パターンを示す、図7Aのマウスピース要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
いくつかの実施形態では、吸入器物品は、ホルダーと共に使用されてもよい。例えば、吸入器物品は、吸入器物品の閉じた遠位端を開くことができるホルダーと共に使用するよう構成されてもよい。吸入器物品は、レセプタクル内に収容された乾燥粉末カプセルを穿刺することができるホルダーと共に使用するように構成されうる。吸入器物品は、吸入器物品用の空気入口を提供するホルダーと共に使用するよう構成されてもよい。
【0017】
実施形態によれば、マウスピース要素は、吸入器物品からの意図しない粉末漏出を軽減する。マウスピース要素は、吸入器物品が上下逆さまにされた場合に、吸入器物品から落ちるルース粉末を低減または防止するよう構成される。マウスピース要素は、5L/分以下、または2L/分以下など、従来の喫煙方法の吸入量(気流量)内にある吸入量(気流量)で粉末を吸入することを可能にする。マウスピース要素は、製造しやすいシンプルな設計である。マウスピース要素および吸入器物品は組み立てが容易である。
【0018】
本発明の態様によれば、内部および長手方向中心軸を画定する管状側壁を含む吸入器本体を含む吸入器物品が提供される。内部は、吸入可能な粉末を収容するためのレセプタクルを形成する。吸入器物品はさらに、遠位端から近位端に、長手方向中心軸に沿って延在するマウスピース要素を備える。「近位」は、使用時にユーザーの口からアクセスされる端部を意味する。「遠位」は、使用時に近位端の反対側の端部を意味する。マウスピース要素の遠位端は、吸入器本体の内部に受容される。マウスピース要素は、吸入器本体と同軸に延在する管を含む。管は、第一の直径を有する内部表面を含む。マウスピース要素は、マウスピース要素の遠位端に配置され、管と同軸のブロッカーを含む。マウスピース要素は、収集器表面を含む。マウスピース要素は、マウスピース要素を通って延在する気流チャネルを備える。気流チャネルは、レセプタクルから収集器表面へ延在するオフセット部分と、マウスピース要素の近位端で出口まで延在する排出部分とを含む。オフセット部分は、排出部分に対して実質的に平行であり、排出部分から横方向にオフセットされる。
【0019】
実施形態によれば、本開示の吸入器物品は、吸入器物品からの意図しない粉末漏出を軽減する。吸入器物品は、吸入器が上下逆さまにされた場合に、吸入器内のルース粉末を捕捉する一つまたは複数の特徴を含む。実施形態によれば、本開示の吸入器物品は、吸入器が逆さになった時に誤って吸入器から落ちる粉末の量が減少または最小限に抑えられるように配置される、ブロッカーおよび収集器表面を有するマウスピースを含む。収集器表面は、吸入器内のルース粉末を収集または捕捉するように構成される。収集器表面は、吸入器が逆さになったときにレセプタクルから落ちる粉末の量を防止または縮小させる。実施形態によれば、本開示の吸入器物品は、気流チャネルにオフセット部分を有するマウスピースと、粉末が収集される収集器表面とを含む。ブロッカーおよび気流チャネルにオフセット部分(例えば、非線形気流チャネル)を提供することによって、ルース粉末が気流チャネルを通ってレセプタクルから簡単に落ちることはない。マウスピースの設計により、収集器表面上に収集または捕捉されたルース粉末は、吸入器を直立させることによってレセプタクルに戻されうる。あるいは、吸入器物品およびマウスピースは、吸入器物品を上下逆さまにして、吸入器物品を表面(例えば、テーブル)に対して叩くことによって清掃されてもよい。吸入器物品を数回叩いてルース粉末を落としてもよい。
【0020】
本開示の吸入器物品は、従来の喫煙方法の吸入量(気流量)内にある吸入量(気流量)で粉末を吸入することを可能にする。吸入器本体およびマウスピースは、製造が容易であり、吸入器物品に組み立てやすいシンプルな設計である。実施形態によれば、マウスピースは、管状吸入器本体に単に挿入されてもよい。
【0021】
実施形態によれば、マウスピース気流チャネルの排出部分は、長手方向中心軸に平行である。排出部分は、長手方向中心軸と同軸であってもよい。実施形態によれば、マウスピース気流チャネルのオフセット部分は、長手方向中心軸に平行である。オフセット部分は、長手方向中心軸と同軸であってもよい。いくつかの実施形態では、排出部分およびオフセット部分の両方は、長手方向中心軸に平行であるか、または長手方向中心軸と同軸であるが、一方、互いに横方向にオフセットされている。実施形態によれば、吸入器物品は、レセプタクルから出口に直線状に延在する気流経路を含まない。気流チャネルは、オフセット部分と排出部分を接続する中間部分を含み得る。中間部分は、オフセット部分から半径方向内側に延在してもよい。
【0022】
収集器表面は、吸入器物品が直立位置から回転した時に、吸入器物品の内部のルース粒子を停止および/または捕捉するよう構成および構成されるマウスピースの表面である。この文脈における直立位置は、吸入器物品の近位端およびマウスピースが上向きを指す位置であるとみなされる。例えば、吸入器物品が直立位置から90度以上(例えば、135度~180度)回転するとき、収集器表面は、レセプタクルから近位端に向かって落ちうる、ルース粒子を捕捉しうる。収集器表面は、リングを形成しうる。例えば、収集器表面は、気流チャネルの一部分の周りにリングを形成してもよい。実施形態によれば、収集リングの内径は、第一の直径(すなわち、管の内径)よりも大きい。収集リングの外径は、第二の直径(すなわち、ブロッカーの直径)よりも大きい。
【0023】
実施形態によれば、マウスピース要素は、マウスピース要素の遠位端に配置されたブロッカーを含む。ブロッカーは、マウスピース要素の遠位端でマウスピース要素の中心を通る気流を遮断するように配置されてもよい。
【0024】
実施形態によれば、管は、マウスピース要素の近位端に出口を画定する。マウスピース要素の近位端は、吸入器物品の口側端であってもよい。マウスピース要素の遠位端は、吸入器本体に挿入されるか、または吸入器本体内に配置される。一部の実施形態では、マウスピース要素の一部は吸入器本体内に配置される。マウスピース要素の一部(例えば、口側端)は、吸入器本体の外側であってもよい。一実施形態では、マウスピース要素の大部分または全体が吸入器本体内に配置される。マウスピース要素の遠位端は、レセプタクルの近位端を形成しうる。レセプタクルは、吸入器本体の遠位端からマウスピース要素の遠位端まで延在し得る。吸入器本体は、閉じた遠位端を有してもよい。吸入器本体の遠位端は、折り畳まれた留め具を有してもよい。例えば、吸入器本体の遠位端は、扇状の折り畳みによって折り畳まれて閉じられてもよい。吸入器本体の遠位端は、レセプタクルの遠位端を形成し得る。
【0025】
実施形態によれば、レセプタクルは、吸入可能な粉末を含有するカプセルを受容するよう構成される。いくつかの実施形態では、レセプタクルは、吸入可能な粉末を含有するカプセルを含む。吸入器物品は、様々な異なる吸入可能な粉末の吸入および送達に適し得る。実施形態によれば、カプセルは、一つ以上の薬学的に活性な薬剤を含有する粒子を含む乾燥粉末を含有する。薬学的に活性な薬剤の例としては、ニコチン、アナタビン、アシクロビルなどの抗ウイルス化合物、サリチル酸、アセクロフェナクまたはケトプロフェンなどの抗炎症化合物、メトホルミンまたはグリピジドなどの抗糖尿病化合物、オキシプレノロールなどの降圧化合物、プロメタジンなどの制吐化合物、セプロキセチンなどの抗うつ薬化合物、ピコタミドなどの抗凝固化合物、クレンブテロールなどの気管支拡張薬、またはベータラパコンなどの抗癌化合物が挙げられる。薬学的に活性な薬剤は、薬学的に活性な薬剤の薬学的に許容可能な塩を含み得る。好適な塩としては、例えば、乳酸(「乳酸塩」)、酒石酸(「酒石酸塩」または「酒石酸水素塩」)、アスパラギン酸(「アスパラギン酸塩」)、ピルビン酸(「ピルビン酸塩」)、クエン酸(「クエン酸塩」)、サリチル酸(「サリチル酸塩」)、グルタミン酸(「グルタミン酸塩」)、ゲンチシン酸(「ゲンチシン酸塩」)、安息香酸(「安息香酸塩」)、フマル酸(「フマル酸塩」)、塩酸(「塩酸塩」)、アルファ-レゾルシン酸(「アルファ-レゾルチル酸」)、ベータ-レゾルシン酸(「ベータ-レゾルチル酸」)、シュウ酸(「シュウ酸」)、p-アニス酸(「アニス酸塩」)、グルタル酸(「グルタル酸塩」)などが挙げられる。一部の事例では、カプセルはニコチン粉末を含有する。例えば、カプセルは、ニコチン塩を含む乾燥粉末を含有してもよい。乾燥粉末は、糖または糖アルコール、アミノ酸、風味剤、咳抑制剤、または吸入可能な粉末での使用に適した他の薬学的に許容可能な成分などの他の成分をさらに含有しうる。一実施形態では、カプセルは、ニコチン粒子を含むニコチン粉末を含み、ニコチン粒子は、ニコチン塩、糖または糖アルコール、およびアミノ酸を含有する。カプセルは、風味粒子、咳抑制剤粒子、または風味および咳抑制剤粒子の両方をさらに含みうる。風味および咳抑制剤粒子は、ここで総称して風味粒子と呼ばれる。カプセルは、0.5マイクロメートル~10マイクロメートル、または0.5マイクロメートル~5マイクロメートルの範囲内のMMAD粒子サイズを有する薬学的に活性な薬剤粒子を含む吸入可能な粉末を含有してもよい。一実施形態では、カプセルは、ニコチン粒子を含むニコチン粉末を含有し、ニコチン粒子は、0.5マイクロメートル~10マイクロメートル、または0.5マイクロメートル~5マイクロメートルの範囲内のMMAD粒子サイズを有する。カプセルは、10マイクロメートル以上、20マイクロメートル以上、または40マイクロメートル以上のMMAD粒子サイズを有する風味粒子をさらに含有してもよい。風味粒子は、200マイクロメートル以下、150マイクロメートル以下、または120マイクロメートル以下のMMAD粒子サイズを有してもよい。風味粒子は、20マイクロメートル~200マイクロメートルまたは40マイクロメートル~120マイクロメートルのMMAD粒子サイズを有してもよい。いくつかの実施形態では、カプセルは、0.5マイクロメートル~10マイクロメートル、または0.5マイクロメートル~5マイクロメートルの範囲のMMAD粒子サイズを有するニコチン粒子、および20マイクロメートル~200マイクロメートルまたは50マイクロメートル~150マイクロメートルのMMAD粒子サイズを有する風味粒子を含有する。好ましい実施形態では、カプセルはニコチン粉末を含有する。
【0026】
吸入器本体およびマウスピース要素は、任意の適切な材料から構成されてもよい。一部の実施形態では、マウスピース要素は、注射可能な、押出可能な、または成形可能な高分子材料から構成される。好ましい実施形態では、マウスピース要素は、注射可能な高分子材料から構成される。任意の好適なポリマーが使用されうる。好ましい実施形態では、マウスピース要素は、射出成形バイオプラスチックで作製される。バイオプラスチックは、バイオベース原料から作製される、または生分解性であるポリマー、またはバイオベース原料から作製され、かつ生分解性の両方であるポリマーであってもよい。バイオベース原料は、欧州規格CEN/TS16137:2011に基づいて評価されてもよい。生分解性は、欧州規格EN13432に基づいて決定され得る。
【0027】
吸入器本体は、紙、板紙、段ボール紙、再構成タバコ紙、およびセロファンのうちの一つまたは複数から構成されてもよい。一部の実施形態では、吸入器本体は、紙、任意の他の紙系材料、任意の他のセルロース系材料、またはバイオプラスチック系材料などのセルロース材料で作製される。吸入器本体は、生分解性材料から作製されることが好ましい。好ましい実施形態では、吸入器本体は、紙または段ボールで作製される。紙ベースの材料は、漂白または非漂白とすることができる。紙ベースの材料は、軽量、安価、かつ生分解性のうちの一つまたは複数でありうる。好ましくは、吸入器本体は、吸入器本体へのマウスピース要素の挿入を含む、レセプタクルとの相互作用中の著しい変形に耐えるのに十分な機械的強度および剛性を示す。吸入器本体は、紙シートから形成されてもよい。吸入器本体は、紙の連続シートから切断されてもよい。吸入器本体は、紙の連続シートから圧延されてもよい。これにより、吸入器本体およびマウスピース要素の製造が単純化され得る。
【0028】
吸入器本体およびマウスピース要素は、生分解性である材料から形成されてもよい。最も好ましくは、吸入器本体は、紙、板紙、または段ボールなどの紙ベースの材料から形成され、マウスピース要素は、射出成形バイオプラスチックなどのバイオプラスチックから形成される。
【0029】
マウスピース要素は、所望の引き出し抵抗(RTD)を示すように設計されてもよい。試料のRTDは、体積流量が出力端で17.5ミリリットル/秒である安定した条件下で気流によって横断された時の、試料の二つの端の間の静圧の差を指す。試料のRTDは、ISO規格6565:2002に記載の方法を使用して測定してもよい。マウスピース要素は、30~200mmWGの範囲のRTDを有してもよい。マウスピース気流チャネルは、所望のRTDを達成するために、任意の適切な寸法を有するように構成されてもよい。例えば、気流チャネルの排出部分は、2mm2~15mm2または3mm2~13mm2の断面積を有してもよい。
【0030】
吸入器物品は、吸入器本体の少なくとも一部分の周りに包まれたラッパーをさらに備えてもよい。ラッパーはまた、マウスピース要素の少なくとも一部分の周りを包んでもよい。いくつかの実施形態では、ラッパーは、マウスピース要素の長さの一部分が覆われないままになるように、マウスピース要素の全長を覆わない。ラッパーは、紙巻たばこラッパーまたはチッピング紙などの紙ラッパーであってもよい。ラッパーは、接着剤によって接着されてもよい。
【0031】
実施形態によれば、マウスピース要素の遠位端は、吸入器本体に挿入されるか、または吸入器本体内に配置される。一部の事例では、マウスピース要素全体は、吸入器本体に挿入されてもよく、または吸入器本体内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、マウスピース要素は、マウスピースの近位端からマウスピースの遠位端まで延在する管状側壁を含む。マウスピース要素は、気流チャネルの一部分を形成する内側管を備えてもよい。管状側壁は、内側管を囲んでもよい。管状側壁は、マウスピース要素の長さに沿って直線状に延在する、実質的に直線状であってもよい。マウスピース要素は、マウスピース要素が吸入器本体内に完全に配置され得るように、吸入器本体の内径よりもわずかに小さい外径を有してもよい。マウスピース要素の近位端は、吸入器本体の近位端と整列され得る。
【0032】
マウスピース要素は、シリンダーの形状であるブロッカーを備えてもよい。円筒形のブロッカーは、マウスピース要素の長手方向中心軸と同軸であってもよい。マウスピース要素は、ブロッカーからマウスピース要素の側壁まで延在する複数のブラケットをさらに備えてもよい。複数のブラケットは、ブロッカーを側壁内の定位置に維持するように配置されてもよい。複数のブラケットは、ブロッカーの周りに対称に配置されてもよい。
【0033】
内側管は、管状側壁内で同軸に延在してもよい。内側管は、気流チャネルの最も近位部分を形成しうる。したがって、気流チャネルの排出部分は、内側管を通って延在し得る。内側管およびしたがって、排出部分は、長手方向中心軸に沿って延在してもよい。ブロッカーは、マウスピースの遠位端に配置されてもよく、内側管の内径と等しいかまたはそれより大きい直径を有してもよい。ブロッカーおよび内側管は同軸であってもよい。ブロッカーおよび内側管は、ブロッカーと内側管との間にギャップ(隙間、間隙)が残るように配置されてもよい。ギャップは、1mm~5mm、または1.5mm~3mmの軸距離または長さを有してもよい。ギャップの長さ(図4AではL224として示される)は、ギャップの軸中間点と収集器表面の近位端(図4AではL250として示される)との間の長さを考慮して選択されうる。粉末が吸入されると、粉末の一部は、内側管とマウスピース要素の管状側壁との間の空間に同伴され得る。ギャップから収集器表面までの距離が増加する場合、ギャップの長さも増加して、吸入器から排出される量または粉末を維持してもよい。ギャップの軸方向の中間点と、収集器表面の近位端との間の長さに対するギャップの長さの比、L224:L250は、2~4、または2.5~3.5の範囲でありうる。好ましい実施形態では、比は約3である。
【0034】
気流チャネルのオフセット部分は、ブロッカーの周りに配置されてもよい。気流チャネルのオフセット部分は、ブロッカーの周りに配置された複数のチャネルから形成されてもよい。複数のチャネルは、ブロッカーの周りに対称的に配置されてもよい。ブロッカーは、ブロッカーからマウスピース要素の管状側壁に延在するブラケットによって定位置に保持されてもよい。
【0035】
収集器表面は、内側管を囲むリングを形成しうる。一部の事例では、収集器表面は、内側管からマウスピース要素の管状側壁へ延在する。収集器表面は、任意の適切な形状を有してもよい。収集器表面は、ルース粒子の捕捉および回収または捕捉された粒子のレセプタクルへの戻りを可能にする形状であることが好ましい。いくつかの実施形態では、収集器表面は、マウスピース要素の長手方向中心軸に沿って切り取られた断面に湾曲した断面形状を含む。湾曲した断面形状は、マウスピース要素の遠位端に向かって凹状であることが好ましい。
【0036】
収集器表面は、ブロッカーの近位に配置されてもよい。収集器表面は、ブロッカーと内側管との間のギャップの近位に配置されてもよい。内側管の少なくとも一部分は、収集器表面からマウスピース要素の遠位端に向かって延在し得る。収集器表面から遠位に延在する内側管の一部分は、2mm~6mmの長さを有してもよい。
【0037】
マウスピース気流チャネルは、所望のRTDを達成するために、任意の適切な寸法を有するように構成されてもよい。遠位端では、気流の利用可能な開放領域は、ブロッカーのサイズによって制限される。管状側壁の内径は、約5mm~約8mmとしうる。ブロッカーの直径は1.5mm~4mm、または2mm~3mmでありうる。近位端では、気流の利用可能な領域は、排出部分のサイズによって決定される。気流チャネルの排出部分は、10mm2~20mm2または11mm2~14mm2の断面積を有してもよい。マウスピース要素は、30mmWG以上、35mmWG以上、または40mmWG以上のRTDを呈してもよい。RTDは、75mmWG以下、60mmWG以下、または50mmWG以下であってもよい。例えば、RTDは、30~75mmWG、好ましくは35~60mmWG、より好ましくは40~50mmWGであってもよい。一実施形態では、RTDは約45mmWGである。
【0038】
実施形態によれば、マウスピース要素の遠位端は、吸入器本体に挿入されるか、または吸入器本体内に配置される。一部の事例では、マウスピース要素の遠位部分のみが吸入器本体に挿入されるか、または吸入器本体内に配置される。すなわち、マウスピース要素は、吸入器本体内に部分的にのみ挿入される。一部の実施形態では、マウスピース要素は、ブロッカーの断面寸法(例えば、直径)よりも小さい断面寸法(例えば、直径)を有する凹部(陥凹した部分)を含む。マウスピース要素の遠位端部分は、ブロッカーであってもよい。凹部は、マウスピース要素を囲む溝を含んでもよい。凹部は、収集器表面を画定しうる。凹部は、複数の気流チャネル開口部を備えてもよい。マウスピース要素は、少なくともブロッカーおよび凹部が吸入器本体内に配置されるように、吸入器本体に挿入されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、気流チャネルのオフセット部分は、吸入器本体の管状側壁とマウスピース要素の遠位端部分との間に形成される。気流チャネルのオフセット部分は、レセプタクルから凹部に延在してもよい。マウスピース要素(例えば、ブロッカー)の遠位端部分は、吸入器本体内に配置されてもよい。気流チャネルのオフセット部分は、吸入器本体の管状側壁とブロッカーとの間に形成されうる。
【0040】
気流チャネルは、少なくとも一つの気流チャネル開口部から排出部分まで延在する少なくとも一つの中間チャネルを含む中間部分をさらに備えてもよい。気流チャネルは、複数の気流チャネル開口部から排出部分まで延在する複数の中間チャネルを備えてもよい。気流チャネルは、一つの中間チャネルを含んでもよい。気流チャネルは、二つの中間チャネルを含んでもよい。気流チャネルは、三つの中間チャネルを含んでもよい。気流チャネルは、四つの中間チャネルを含んでもよい。好ましい実施形態では、気流チャネルは、四つの中間チャネルを含む。複数の中間チャネルは、オフセット部分および排出部分と流体連通し、気流チャネルの二つの部分を接続する。複数の中間チャネルは、凹部から半径方向内側に延在してもよい。複数のチャネルは、管に直交してもよい。複数の中間チャネルは、排出部分に直交してもよい。複数の中間チャネルは、長手方向中心軸の周りに対称的に分布されてもよい。
【0041】
マウスピース要素は、成形された形状を備え得る。好ましくは、マウスピース要素は、円筒形管を含む。凹部は、円筒形管を囲む溝を含み得る。マウスピース要素は、変化する断面寸法(例えば、直径)を有する複数のセクションまたは部分を含みうる。例えば、マウスピース要素は、マウスピース要素の近位端に配置された口側端をマウスピース要素の主要部分から分離する第一の縮小部分を含み得る。第一の縮小部分は、口側端の断面寸法(例えば、直径)および主要部分の断面寸法(例えば、直径)よりも小さい断面寸法(例えば、直径)を有してもよい。マウスピース要素は、マウスピース要素の主要部分と凹部との間に第二の縮小部分をさらに備えてもよい。第二の縮小部分は、主要部分の断面寸法よりも小さく、かつ凹部の断面寸法よりも大きな断面寸法を有してもよい。第二の縮小部分と主要部分の寸法の差は、わずかでありうる。第二の縮小部分および主要部分の寸法の差は、組み立てられたとき、吸入器壁が吸入器本体からマウスピース要素までほぼ同じ円周で続いて見えるように、吸入器本体の管状壁の厚さを考慮しうる。第二の縮小部分と主要部分の寸法の差は、吸入器本体の管状壁の厚さと等しくてもよい。
【0042】
吸入器物品は、ラッパーをさらに備えてもよい。吸入器本体からマウスピース要素への移行部は、ラッパーによって覆われてもよい。ラッパーは、マウスピース要素の一部分および吸入器本体の少なくとも一部分の周りを包んでもよい。例えば、ラッパーは、マウスピース要素の主要部分から遠位に延在してもよい。マウスピース要素の第一の縮小部分および口側端は、ラッパーによって覆われないままでもよい。ラッパーは、紙巻たばこラッパーまたはチッピング紙などの紙ラッパーであってもよい。ラッパーは、接着剤によって接着されてもよい。
【0043】
マウスピース気流チャネルは、所望のRTDを達成するために、任意の適切な寸法を有するように構成されてもよい。複数の中間チャネルは、10mm2~20mm2または12mm2~16mm2の複合断面積を有し得る。気流チャネルの排出部分は、2mm2~5mm2または3mm2~4mm2の断面積を有してもよい。マウスピース要素は、75mmWG以上、100mmWG以上、または120mmWG以上のRTDを呈してもよい。RTDは、200mmWG以下、160mmWG以下、または140mmWG以下であってもよい。例えば、RTDは、75~200mmWG、好ましくは100~160mmWG、より好ましくは120~140mmWGであってもよい。一実施形態では、RTDは約130mmWGである。
【0044】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされ得る。
【0045】
実施例1は内部および長手方向中心軸を画定する管状側壁を含む吸入器本体を含む吸入器物品であり、内部が吸入可能な粉末を収容するためのレセプタクルを形成し、マウスピース要素が長手方向中心軸に沿って遠位端から近位端まで延在し、マウスピース要素の遠位端が、吸入器本体の内部で受容され、マウスピース要素が、収集器表面を備え、気流チャネルが、マウスピース要素を通って延在し、気流チャネルが、レセプタクルから収集器表面へ延在するオフセット部分と、マウスピース要素の近位端の出口に延在する排出部分とを備え、オフセット部分が、排出部分に実質的に平行であり、排出部分から横方向にオフセットされている。
【0046】
実施例2は、排出部分が長手方向中心軸に平行である、実施例1に記載の吸入器物品である。
【0047】
実施例3は、排出部分が長手方向中心軸と同軸である、実施例1~2のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0048】
実施例4は、オフセット部分が長手方向中心軸と同軸である、実施例1~3のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0049】
実施例5は、気流チャネルが、オフセット部分と排出部分を接続する中間部分をさらに含む、実施例1~4のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0050】
実施例6は、中間部分がオフセット部分から半径方向内側に延在する、実施例1~5のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0051】
実施例7は、収集器表面がリングを形成する、実施例1~6のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0052】
実施例8は、排出部分が、2mm2~15mm2または3mm2~13mm2の断面積を有する、実施例1~7のいずれか一つに記載の吸入器物品である。排出部分は、10mm2~20mm2または11mm2~14mm2の断面積を有してもよい。排出部分は、2mm2~5mm2または3mm2~4mm2の断面積を有してもよい。
【0053】
実施例9は、マウスピース要素の遠位端がレセプタクルの近位端を形成する、実施例1~8のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0054】
実施例10は、レセプタクルが、吸入可能な粉末を含有するカプセルを受容するよう構成される、実施例1~9のいずれか一つに記載の吸入器物品である。レセプタクルは、吸入可能な粉末を含有するカプセルを含むことが好ましい。
【0055】
実施例11は、マウスピースの近位端が下を向くように、吸入器物品を上下逆さまにすると、収集器表面が管状吸入器要素内のルース粉末を収集するように構成される、実施例1~10のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0056】
実施例12は、吸入器物品が、レセプタクルから出口に直線状に延在する気流経路を含まない、実施例1~11のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0057】
実施例13は、マウスピース要素が押出成形可能または成形可能な高分子材料から構成される、実施例1~12のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0058】
実施例14は、吸入器本体が、セルロース材料、好ましくは紙から構成される、実施例1~13のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0059】
実施例15は、吸入器本体が、好ましくは扇状の折り畳みによって閉じられた折り畳まれた留め具を備える遠位端を備え、吸入器本体の遠位端はレセプタクルの遠位端を形成する、実施例1~14のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0060】
実施例16は、吸入器本体およびマウスピース要素の少なくとも一部分の周りに包まれたラッパーをさらに備える、実施例1~15のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0061】
実施例17は、マウスピース要素が、遠位端に配置され、遠位端でマウスピース要素の中心を通る気流を遮断するように配置されるブロッカーを備える、実施例1~16のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0062】
実施例18は、マウスピース要素が、近位端から遠位端まで延在する管状側壁を含む、実施例1~17のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0063】
実施例19は、マウスピース要素が、遠位端に配置され、遠位端でマウスピース要素の中心を通る気流を遮断するように配置されるブロッカーを備え、ブロッカーが、マウスピース要素の長手方向中心軸と同軸のシリンダーを備える、実施例1~18のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0064】
実施例20は、気流チャネルのオフセット部分が、ブロッカーの周りに配置された複数のチャネルを含む、実施例1~19のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0065】
実施例21は、マウスピース要素が、管状側壁内に同軸に延在する内側管を備え、気流チャネルの排出部分が内側管を通って延在する、実施例1~20のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0066】
実施例22は、マウスピース要素が遠位端に配置され、遠位端でマウスピース要素の中心を通る気流を遮断するように配置されるブロッカーを備え、ブロッカーが、内側管の内径と等しいかまたはそれより大きい直径を有する、実施例21に記載の吸入器物品である。
【0067】
実施例23は、収集器表面が、内側管を囲むリングを形成する、実施例21または22に記載の吸入器物品である。
【0068】
実施例24は、収集器表面が、内側管から管状側壁へ延在する、実施例21~23のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0069】
実施例25は、収集器表面が、マウスピース要素の長手方向中心軸に沿って切り取られた断面の湾曲した断面形状を含む、実施例1~24のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0070】
実施例26は、湾曲した断面形状がマウスピース要素の遠位端に向かって凹状である、実施例1~25のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0071】
実施例27は、内側管の少なくとも一部分が、収集器表面からマウスピース要素の遠位端に向かって延在し、少なくとも一部分が2mm~6mmの長さを有する、実施例21~23のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0072】
実施例28は、マウスピース要素の近位端が、吸入器本体の近位端と整列している、実施例1~27のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0073】
実施例29は、ブロッカーと内側管との間のギャップが1mm~5mmの距離を有する、実施例21~23のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0074】
実施例30は、オフセット部分の複数のチャネルが、10mm2~20mm2または11mm2~14mm2の複合断面積を有する、実施例20に記載の吸入器物品である。
【0075】
実施例31は、マウスピース要素が、30~75mmWG、好ましくは35~60mmWG、より好ましくは40~50mmWG、および最も好ましくは約45mmWGの引き出し抵抗を示す、実施例1~30のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0076】
実施例32は、気流チャネルのオフセット部分が、吸入器本体の管状側壁とマウスピース要素の遠位端部分との間に形成される、実施例1~17のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0077】
実施例33は、マウスピース要素が、マウスピース要素の遠位端部分の断面寸法よりも小さい断面寸法を有する凹部を含む、実施例1~17および32のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0078】
実施例34は、気流チャネルのオフセット部分がレセプタクルから凹部まで延在する、実施例1~17および32~33のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0079】
実施例35は、凹部がマウスピース要素を囲む溝を含む、実施例34に記載の吸入器物品である。
【0080】
実施例36は、凹部が収集器表面を画定する、実施例34または35に記載の吸入器物品である。
【0081】
実施例37は、凹部が複数の気流チャネル開口部を含む、実施例34~36のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0082】
実施例38は、複数の気流チャネル開口部から排出部分まで延在する複数の、好ましくは四つの中間チャネルを含む中間部分をさらに含む、実施例37に記載の吸入器物品である。
【0083】
実施例39は、複数の中間チャネルが、凹部から半径方向内側に延在する、実施例38に記載の吸入器物品である。
【0084】
実施例40は、複数の中間チャネルが、排出部分に直交する、請求項38または39に記載の吸入器物品である。
【0085】
実施例41は、複数の中間チャネルが長手方向中心軸の周りに対称的に分布している、実施例38~40のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0086】
実施例42は、複数の中間チャネルは、2mm2~5mm2または3mm2~4mm2の複合断面積を有する、実施例38~41のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0087】
実施例43は、マウスピース要素が成形された形状を含み、好ましくはマウスピース要素が成形された円筒形管を含む、実施例1~17および32~42のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0088】
実施例44は、マウスピース要素が円筒形管を備え、凹部が円筒形管を囲む溝を備える、実施例34~42のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0089】
実施例45は、マウスピース要素が、マウスピース要素の主要部分から近位端に配置される口側端を分離する第一の縮小部分をさらに含み、第一の縮小部分が、口側端の断面寸法および主要部分の断面寸法よりも小さい断面寸法を有する、実施例1~17および32~44のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0090】
実施例46は、マウスピース要素が、マウスピース要素の主要部分と凹部との間に第二の縮小部分をさらに備え、第二の縮小部分が、主要部分の断面寸法よりも小さく、かつ凹部の断面寸法よりも大きな断面寸法を有する、実施例45に記載のマウスピース要素である。
【0091】
実施例47は、ラッパーをさらに備え、ラッパーがマウスピース要素の主要部分から遠位に延在する、実施例1~17および32~46のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0092】
実施例48は、マウスピース部分が、75~200mmWG、好ましくは100~160mmWG、より好ましくは120~140mmWG、および最も好ましくは約130mmWGの引き出し抵抗を示す、実施例1~17および32~47のいずれか一つに記載のマウスピース要素である。
【0093】
実施例49は、内部および長手方向中心軸を画定する管状側壁を含む吸入器本体を含む吸入器物品であり、内部が、吸入可能な粉末を収容するためのレセプタクルを形成し、マウスピース要素が、長手方向中心軸に沿って遠位端から近位端まで延在し、マウスピース要素の遠位端が、吸入器本体の内部で受容され、マウスピース要素が、吸入器本体と同軸に延在し、第一の直径を有する内部表面を備える管と、マウスピース要素の遠位端に配置され、管と同軸であり、第一の直径よりも大きい第二の直径を有するブロッカーと、ブロッカーと同軸であり、ブロッカーの近位に配置されたリングを含む収集器表面と、を含み、リングが、内径および外径を画定する。
【0094】
実施例50は、リングの内径が第一の直径よりも大きい、実施例49に記載の吸入器物品である。
【0095】
実施例51は、リングの外径が第二の直径よりも大きい、実施例49~50のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0096】
実施例52は、管がマウスピース要素の近位端で出口を画定する、実施例49~51のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0097】
実施例53は、マウスピース要素の遠位端がレセプタクルの近位端を形成する、実施例49~52のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0098】
実施例54は、レセプタクル内に配置された吸入可能な粉末を含有するカプセルをさらに含む、実施例49~53のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0099】
実施例55は、マウスピース要素が押出成形可能または成形可能な高分子材料から構成される、実施例49~54のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0100】
実施例56は、吸入器本体が、セルロース材料、好ましくは紙から構成される、実施例49~55のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0101】
実施例57は、吸入器本体が、好ましくは扇状の折り畳みによって閉じられた折り畳まれた留め具を備える遠位端を備え、吸入器本体の遠位端はレセプタクルの遠位端を形成する、実施例49~56のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0102】
実施例58は、マウスピースの近位端が下を向くように、吸入器物品を上下逆さまにすると、収集器表面が、吸入器本体内のルース粉末を収集するように構成される、実施例49~57のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0103】
実施例59は、吸入器本体およびマウスピース要素の少なくとも一部分の周りに包まれたラッパーをさらに備える、実施例49~58のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0104】
実施例60は、マウスピース要素が、近位端から遠位端まで延在し、管を囲む側壁を含む、実施例49~59のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0105】
実施例61は、ブロッカーが、マウスピース要素の長手方向中心軸と同軸のシリンダーを含む、実施例49~60のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0106】
実施例62は、ブロッカーから側壁まで延在する複数のブラケットをさらに含む、請求項61に記載の吸入器物品である。
【0107】
実施例63は、収集器表面が、管の少なくとも一部分に対して近位に配置される、実施例49~62のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0108】
実施例64は、収集器表面が管から側壁へ延在する、実施例60~63のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0109】
実施例65は、収集器表面が、マウスピース要素の長手方向中心軸に沿って切り取られた断面の湾曲した断面形状を含む、実施例49~64のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0110】
実施例66は、湾曲した断面形状が、マウスピース要素の遠位端に向かって凹状である、実施例65に記載の吸入器物品である。
【0111】
実施例67は、管の少なくとも一部分が、収集器表面からマウスピース要素の遠位端に向かって延在し、少なくとも一部分が2mm~6mmまたは約4mmの長さを有する、実施例49~66のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0112】
実施例68は、マウスピース要素の近位端が、吸入器本体の近位端と整列している、実施例49~67のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0113】
実施例69は、ブロッカーと管との間のギャップが、1mm~5mm、または1.5mm~3mmの長さを有する、実施例49~68のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0114】
実施例70は、マウスピース要素が、30~75mmWG、好ましくは35~60mmWG、より好ましくは40~50mmWG、および最も好ましくは約45mmWGの引き出し抵抗を示す、実施例49~69のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0115】
実施例71は、マウスピース要素が、ブロッカーの断面寸法よりも小さい断面寸法を有する凹部を含む、実施例49~59のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0116】
実施例72は、凹部がマウスピース要素を囲む溝を含む、実施例71に記載の吸入器物品である。
【0117】
実施例73は、凹部が収集器表面を画定する、実施例71または72に記載の吸入器物品である。
【0118】
実施例74は、凹部が管の内部と流体連通する複数の気流チャネル開口部を含む、実施例71~73のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0119】
実施例75は、複数の気流チャネル開口部から管の内部まで延在する複数のチャネルをさらに含む、実施例74に記載の吸入器物品である。
【0120】
実施例76は、複数のチャネルが長手方向中心軸の周りに対称的に分布している、実施例75に記載の吸入器物品である。
【0121】
実施例77は、マウスピース要素が成形された形状を含み、好ましくはマウスピース要素が成形された円筒形管を含む、実施例49~59および71~76のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0122】
実施例78は、マウスピース要素が、マウスピース要素の主要部分から近位端に配置される口側端を分離する第一の縮小部分をさらに含み、第一の縮小部分が、口側端の断面寸法よりも小さい断面寸法を有する、実施例49~59および71~77のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0123】
実施例79は、マウスピース要素が、マウスピース要素の主要部分と凹部との間に第二の縮小部分をさらに備え、第二の縮小部分が、主要部分の断面寸法よりも小さく、凹部の断面寸法よりも大きな断面寸法を有する、実施例78に記載の吸入器物品である。
【0124】
実施例80は、ラッパーをさらに備え、ラッパーがマウスピース要素マウスピース要素の主要部分から遠位に延在する、実施例49~59および71~79のいずれか一つに記載の吸入器物品である。
【0125】
実施例81は、マウスピース部分が、75~200mmWG、好ましくは100~160mmWG、より好ましくは120~140mmWG、および最も好ましくは約130mmWGの引き出し抵抗を示す、実施例49~59および71~80のいずれか一つに記載のマウスピース要素である。
【0126】
実施形態による例示的な吸入器物品の概略図が、図1A、1B、2A、および2Bに示される。吸入器物品10、10’は、第一の近位端11および対向する第二の遠位端12を有する。マウスピース要素200、300は、吸入器物品10の近位端11に配置される。吸入器物品10の外側表面は、少なくとも部分的に、ラッパー13によって形成されてもよい。吸入器物品10は、管状側壁101を有する吸入器本体100を含む。吸入器本体100は、吸入可能な粉末を収容するためのレセプタクル102を形成する内部を画定する。吸入可能な粉末は、カプセル15に設けられてもよい。吸入器本体100は、長手方向中心軸Aをさらに画定する。マウスピース要素200、300は、長手方向中心軸Aに沿って延在する。
【0127】
マウスピース要素200、300は、吸入器本体100に少なくとも部分的に挿入される。マウスピース要素200、300は、近位端201、301および遠位端202、302を有する。マウスピース要素200、300の遠位端202、302は、吸入器本体100の内部に受容される。図1Aおよび1Bに示すように、マウスピース要素200全体は、吸入器本体100内に受容されてもよい。別の実施形態では、図2Aおよび2Bに示すように、マウスピース要素300は、吸入器本体100内に部分的にのみ挿入される。
【0128】
ここで図3A~3Cを参照すると、吸入器物品10の断面図が示されている。上述のように、吸入器物品10は、管状側壁101を有する吸入器本体100を含む。吸入器本体100は、吸入可能な粉末を収容するためのレセプタクル102を形成する内部を画定する。吸入可能な粉末は、レセプタクル102内に配置されたカプセル15内に提供されてもよい。吸入器物品10は、閉じた遠位端12を有してもよい。遠位端12は、例えば、扇状に折り畳まれ閉じられてもよい。レセプタクル102は、マウスピース要素200の遠位端202によってその近位端で制限されてもよい。レセプタクル102およびマウスピース要素200は、一緒に組み立てられ、ラッパー13で包まれてもよい。吸入器物品10は、吸入可能な粉末を含有するカプセル15、およびラッパー13で包まれたマウスピース要素200を含有するレセプタクル102を含む。
【0129】
吸入器物品10は、ホルダー400と共に使用され得る。ホルダー400は、吸入器物品10の遠位端12を開放するように構成されてもよい。ホルダー400は、吸入器物品10用の空気入口401を提供するように構成されてもよい。ホルダー400はさらに、カプセル15を貫通するように構成されてもよい。吸入器物品10を通り流れる気流パターン410は、図3Cの矢印によって概略的に示される。空気は、空気入口401からレセプタクル102を通り、マウスピース要素200を通って、マウスピース要素200の近位端201の出口211から出る。実施形態によれば、乾燥粉末は、5mL/分以下、または2mL/分以下の流量で吸入器物品10から吸入されてもよい。
【0130】
マウスピース要素200の断面図および斜視図は、それぞれ図4Aおよび4Bに示されている。マウスピース要素200は、管状側壁203を含む。管状側壁203は円筒形であってもよい。管状側壁203は、マウスピース要素200の長さに沿って直線的に延在する、実質的に直線状であってもよい。管状側壁203は、マウスピース要素200の近位端201からマウスピース要素200の遠位端202まで延在し得る。マウスピース要素200は、遠位端202に入口212、近位端201に出口211を備える。
【0131】
マウスピース要素は、吸入器本体100と同軸に延在する管240を含む。管240は、内径D241を有する内部表面241を備える。ブロッカー230は、マウスピース要素200の遠位端202に配置される。ブロッカー230は、管240と同軸であってもよい。ブロッカー230は、遠位端202のマウスピース要素200の中心を通る気流を遮断するように配置されてもよい。ブロッカー230は、シリンダーとして成形されてもよい。ブロッカー230は、管240の内径D241以上の直径D230を有する。マウスピース要素200は、ブロッカー230から側壁203に延在する複数のブラケット233をさらに備えてもよい。複数のブラケット233は、ブロッカー230をマウスピース要素200内の所定位置に維持するように配置されてもよい。ブロッカー230および管240は、ブロッカー230と管240との間にギャップ224が残るように配置されてもよい。ギャップ224は、軸方向長さL224を有する。
【0132】
ブロッカー230と側壁203との間の空間、ギャップ224、および管240は共に、マウスピース要素200を通して気流チャネル220を形成する。ブロッカー230と側壁203との間の空間は、気流チャネルのオフセット部分221を形成する。気流チャネル220のオフセット部分221は、ブロッカー230の周りに配置されてもよい。気流チャネル220のオフセット部分221は、ブロッカー230の周りに配置された複数のチャネルから形成されてもよい。複数のチャネルは、ブロッカーの周りに対称的に配置されてもよい。
【0133】
管240は、気流チャネル220の排出部分223を形成し、マウスピース要素200の近位端201の出口211で終了する。ギャップ224は、気流チャネルの中間部分222を形成し、オフセット部分221および排出部分223を接続する。
【0134】
マウスピース要素200は、リング251を含む収集器表面250を含む。リング251は、管240を囲み、ブロッカー230の近位に配置される。リング251は、管240と同軸であってもよい。リング251は、ブロッカー230と同軸であってもよい。リング251は、内径D251および外径D252を画定する。
【0135】
収集器表面250は、管240から側壁203に延在し得る。収集器表面250は、任意の適切な形状を有してもよい。例えば、収集器表面250は、図4Aに示すように、マウスピース要素200の長手方向中心軸Aに沿って切り取られた断面の湾曲した断面形状を有してもよい。湾曲した断面形状は、マウスピース要素200の遠位端202に向かって凹状であることが好ましい。収集器表面250は、ブロッカー230の近位に配置される。収集器表面250は、ギャップ224の近位に配置されてもよい。収集器表面250は、管240の少なくとも一部分に対して近位に配置されてもよい。管240の少なくとも一部分は、マウスピース要素200の遠位端202に向かって収集器表面250から延在し得る。収集器表面250から遠位に延在する管240の一部分は、長さL240を有してもよい。
【0136】
ギャップ224の長さL224は、ギャップ224の中間点と収集器表面250の近位端との間の長さL250を考慮して選択されうる。より長い長さL250は、ギャップ224のより長い長さL224と結合されてもよい。より短い長さL250は、ギャップ224のより短い長さL224と結合されてもよい。
【0137】
マウスピース要素200は、マウスピース要素200が吸入器本体100内に完全に配置され得るように、吸入器本体100の内径よりもわずかに小さい外径D200を有してもよい。マウスピース要素200の近位端201は、図3A~3Cに示すように、吸入器本体10の近位端11と整列してもよい。
【0138】
ユーザーが吸入器物品10を使用する場合、同伴された乾燥粉末粒子を有する空気は、図5Aおよび5Bに概略的に示されるように、マウスピース要素200を通って流れてもよい。空気および粒子は、入口212を通ってマウスピース要素200気流チャネル220に進入してもよい。空気および粒子は、気流チャネル220のオフセット部分221を通って流れる。空気および粒子の一部は、ギャップ224を通過して、収集器表面250に向かって流れ、その後、ギャップ224に向かって戻ってもよい。空気および粒子は、ギャップ224内へ、および排出部分223を通って流れてもよい。空気および粒子は、マウスピース要素200の近位端で出口211を通って流れ出てもよい。
【0139】
ここで図6A~6Cを参照すると、吸入器物品10’の断面図が示されている。上述のように、吸入器物品10’は、長手方向中心軸Aを画定する管状側壁101を有する吸入器本体100を含む。吸入器本体100は、吸入可能な粉末を収容するためのレセプタクル102を形成する内部を画定する。吸入可能な粉末は、レセプタクル内に配置されたカプセル15内に提供されてもよい。吸入器物品10’は、閉じた遠位端12を有してもよい。遠位端12は、例えば、扇状に折り畳まれ閉じられてもよい。レセプタクル102は、マウスピース要素300の遠位端302によってその近位端で制限されてもよい。
【0140】
吸入器物品10’は、ホルダー400と共に使用されてもよい。ホルダー400は、吸入器物品10’の遠位端12を開くように構成されうる。ホルダー400は、吸入器物品10’用の空気入口401を提供するように構成されうる。ホルダー400はさらに、カプセル15を貫通するように構成されてもよい。吸入器物品10’を通って流れる気流パターン410’は、図6Cの矢印によって概略的に示される。空気は、空気入口401からレセプタクル102を通り、マウスピース要素300を通って、マウスピース要素300の近位端301の出口311から出る。実施形態によれば、乾燥粉末は、5mL/分以下、または2mL/分以下の流量で、吸入器物品10’から吸入されてもよい。
【0141】
吸入器物品は、ラッパー13をさらに備えてもよい。吸入器本体100からマウスピース要素300への移行部は、ラッパー13によって覆われ得る。ラッパー13は、マウスピース要素300の一部分および吸入器本体100の少なくとも一部分の周りを包んでもよい。例えば、ラッパー13は、マウスピース要素300の主要部分344から遠位に延在してもよい。
【0142】
マウスピース要素300の断面図および斜視図を図7A~7Cに示す。マウスピース要素300は、マウスピース要素300の近位端301からマウスピース要素300の遠位端302まで延在する。マウスピース要素300は、遠位端302に隣接する入口(気流チャネル開口部)312および近位端301に出口311を備える。
【0143】
マウスピース要素は、吸入器本体10’と同軸に延在する管340を含む。管340は、内径D345を有する内部表面345を備える。ブロッカー330は、マウスピース要素300の遠位端302に配置される。ブロッカー330は、管340と同軸であってもよい。ブロッカー330は、遠位端302のマウスピース要素300の中心を通る気流を遮断するように配置されてもよい。ブロッカー330は、管340の内径D345よりも大きい直径D330を有する。
【0144】
マウスピース要素300は、ブロッカー330の断面寸法D330よりも小さい断面寸法D351を有する凹部351を備える。凹部351は、マウスピース要素300を囲む溝によって形成され得る。凹部351は、複数の気流チャネル開口部312を備えてもよい。
【0145】
凹部351におけるマウスピース要素300の横断断面図が図7Cに示される。マウスピース要素300は、複数の気流チャネル開口部312から管340の内部(気流チャネル320の排出部分323へ)へ延在する、複数のチャネル353をさらに備えてもよい。好ましい実施形態では、吸入器物品は、四つのこうした中間チャネルを含む。複数のチャネル353は、凹部351から半径方向内側に延在し得る。複数のチャネル353は、管240に直交してもよい。複数のチャネル353は、長手方向中心軸Aの周りで対称的に分布されてもよい。
【0146】
ブロッカー330と吸入器本体100の管状側壁101との間の空間、複数のチャネル353、および管340は共に、マウスピース要素300を通して気流チャネル320を形成する。ブロッカー330と吸入器本体100の管状側壁101との間の空間は、気流チャネルのオフセット部分321を形成する。気流チャネル320のオフセット部分321は、ブロッカー330の周りに配置されてもよい。管340は、気流チャネル320の排出部分323を形成し、マウスピース要素300の近位端301の出口311で終端する。複数のチャネル353は、気流チャネルの中間部分322を形成し、オフセット部分321および排出部分323を接続する。
【0147】
マウスピース要素300は、凹部351によって形成される収集器表面350を含む。収集器表面350は、管340と同軸であってもよい。収集器表面350は、ブロッカー330と同軸であってもよい。収集器表面350はまた、気流チャネル開口部312の間に陥凹した壁352を含むとみなされてもよい。凹部351は、収集器表面350を含む収集器領域を形成してもよく、ここでは、粒子が排出部分323の中に引き出されない、または落ちない粒子が収集される。収集された粒子は、吸入器物品を直立させ(遠位端12が下を向くように)、レセプタクルに戻すことによって後で除去されうる。あるいは、吸入器物品およびマウスピースは、吸入器物品を上下逆さまにして、吸入器物品を表面(例えば、テーブル)に対して叩くことによって清掃されてもよい。吸入器物品を数回叩いてルース粉末を落としてもよい。
【0148】
収集器表面350は、内径D351から吸入器本体100の側壁101まで延在し得る。収集器表面350は、ブロッカー330の近位に配置される。収集器表面350は、管340の遠位に配置されてもよい。収集器表面350は、任意の適切な形状を有してもよい。例えば、収集器表面350は、図4Aに示すように、マウスピース要素200の長手方向中心軸Aに沿って切り取られた断面の湾曲した断面形状を有してもよい。湾曲した断面形状は、吸入器本体100の側壁101に向かって凹状であってもよい。
【0149】
マウスピース要素300は、変化する断面寸法(例えば、直径)を有する複数のセクションまたは部分を含み得る。例えば、マウスピース要素300(例えば、管340)は、マウスピース要素300の主要部分344から口側端343を分離する第一の縮小部分341を含み得る。第一の縮小部分341は、口側端343の断面寸法D343(例えば、直径)および主要部分344の断面寸法D344(例えば、直径)よりも小さい断面寸法D341(例えば、直径)を有してもよい。マウスピース要素300は、マウスピース要素の主要部分344と凹部351との間に第二の縮小部分342をさらに備えてもよい。第二の縮小部分342は、主要部分344の断面寸法D344よりも小さく、かつ凹部351の断面寸法D351よりも大きな断面寸法D342を有してもよい。第二の縮小部分342および主要部分344の寸法の差は、わずかでありうる。第二の縮小部分342および主要部分344の寸法の差は、図6A~6Cに示すように、吸入器壁が吸入器本体100からマウスピース要素300までほぼ同じ円周で続いて見えるように、吸入器本体の管状壁101の厚さを考慮しうる。
【0150】
ユーザーが吸入器物品10’を使用する場合、図8Aおよび8Bに概略的に示されるように、同伴された乾燥粉末粒子を有する空気がマウスピース要素300を通って流れてもよい。空気および粒子は、ブロッカー330によって、気流チャネル220のオフセット部分321を通って、湾曲した上部の周りに流れ、ブロッカー330の側面を通過するように配向される。空気および粒子は、気流チャネル開口部312を通してマウスピース要素300に入る。気流チャネル開口部312から、空気および粒子は、複数のチャネル353内に流れてもよい。空気および粒子は、複数のチャネル353(中間部分322)を通って、排出部分323へと流れ続けてもよい。空気および粒子は、マウスピース要素300の近位端で出口311を通って流れ出てもよい。気流チャネル開口部312を通って進入しない粒子は、収集器表面350によって収集されうる。例えば、通常であれば落ち得るレセプタクル102内のルース粒子は、吸入器物品10’が上下逆さまに(近位端11が下を向くように)なったときに、収集器表面上に収集されうる。収集された粒子は、吸入器物品を直立させ(遠位端12が下を向くように)、レセプタクルに戻すことによって後で除去されうる。あるいは、吸入器物品およびマウスピースは、吸入器物品を上下逆さまにして、吸入器物品を表面(例えば、テーブル)に対して叩くことによって清掃されてもよい。吸入器物品を数回叩いてルース粉末を落としてもよい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
【国際調査報告】