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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/04 20060101AFI20231222BHJP
【FI】
B65D83/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533768
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 AU2021051541
(87)【国際公開番号】W WO2022133536
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】2020904819
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519363638
【氏名又は名称】サンズ イノベーションズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】レッドラップ,ジェイコブ
(57)【要約】
本開示は、容器であって、折り曲げ軸を中心に一緒に折り曲げられ得る第1の端部及び第2の端部を有する本体を含み、本体は、側壁によって上壁に接続された底壁を有し、底壁、上壁及び側壁は、製品を収納するためのキャビティを画定し、それらの間に形成され、本体は、第1及び第2の端部が折り曲げ軸を中心に一緒に折り曲げられると破断して、製品の最も狭い寸法よりも小さいサイズを有する開口部を生じさせるように適合される破断可能部分を有し、本体は、製品が容器から取り出されることを可能にするために、開口部のサイズを増大させるように変形可能であり、容器は、本体が折り曲げられ、及び変形されるまで、製品への制限されたアクセスを提供する、容器に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器であって、
折り曲げ軸を中心に一緒に折り曲げられ得る第1の端部及び第2の端部を有する本体
を含み、
前記本体は、製品を収納するためのキャビティを画定する少なくとも1つの壁を有し、
前記本体は、前記第1及び第2の端部が前記折り曲げ軸を中心に一緒に折り曲げられると破断して、前記製品の最も狭い寸法よりも小さいサイズを有する開口部を生じさせるように適合される破断可能部分を有し、
前記本体は、前記製品が前記容器から取り出されることを可能にするために、前記開口部の前記サイズを増大させるように変形可能であり、
前記容器は、前記本体が折り曲げられ、及び変形されるまで、前記製品への制限されたアクセスを提供する、容器。
【請求項2】
前記本体は、前記折り曲げ軸に平行な方向に押しつぶされることによって変形可能である、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記本体は、前記折り曲げ軸を中心として製品収容部分と製品不在部分とに分割される、請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
前記キャビティは、バリアにより、前記製品収容部分内に位置する製品収容キャビティと、前記製品不在部分内に位置する製品不在キャビティとに分離される、請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記少なくとも1つの壁は、前記キャビティを一緒に画定する底壁、上壁及び側壁を含む、請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記バリアは、前記上壁に形成される、請求項5に記載の容器。
【請求項7】
前記破断可能部分は、前記上壁にある、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
前記バリアは、前記破断可能部分の端部間に位置する、請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記バリアは、前記破断可能部分と一体であり、及びV字形の溝によって画定され、前記溝は、前記上壁から前記折り曲げ軸に向かって内側に延びる側面を有する、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
前記V字形の溝の前記側面間の角度は、鋭角である、請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記バリアは、前記第1及び第2の端部が前記折り曲げ軸を中心に一緒に折り曲げられるとき、少なくとも部分的に破断される、請求項5~9のいずれか一項に記載の容器。
【請求項12】
前記開口部の前記サイズは、前記本体が変形されるとき、前記バリアを完全に破断することによって増大される、請求項5~11のいずれか一項に記載の容器。
【請求項13】
前記製品不在部分上の前記上壁の一部は、前記製品不在キャビティ内へと内側に凹んでおり、及び前記底壁の内面に固定され、それにより、前記本体が折り曲げられた後に変形されると、前記底壁は、前記製品収容キャビティから引き離されて、前記製品収容キャビティのサイズを増大させる、請求項5~12のいずれか一項に記載の容器。
【請求項14】
前記底壁が前記製品収容キャビティから引き離されると、前記開口部の前記サイズは、前記折り曲げ軸を横切る方向に増大する、請求項13に記載の容器。
【請求項15】
前記側壁の周縁の少なくとも一部の周囲に延びるフランジをさらに含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の容器。
【請求項16】
前記フランジと前記側壁との間の角度は、約120°~約160°、好ましくは約130°~約150°、より好ましくは約135°である、請求項15に記載の容器。
【請求項17】
前記フランジは、前記第1の端部及び前記第2の端部が前記折り曲げ軸を中心に一緒に折り曲げられるときに把持部分を形成するくぼみを有し、それにより、前記把持部分は、前記本体を変形させるために、前記折り曲げ軸に平行な方向に一緒に押しつぶされ得る、請求項15又は16に記載の容器。
【請求項18】
前記くぼみは、前記第1の端部及び前記第2の端部が前記折り曲げ軸を中心に一緒に折り曲げられるときに互いに対して角度をなす表面を画定し、前記角度は、約75°以下である、請求項17に記載の容器。
【請求項19】
前記底壁は、前記それぞれの第1及び第2の端部から前記折り曲げ軸に向かう方向に増大した幅を有する、請求項5~18のいずれか一項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の分野
[0001] 本開示は、内部に収容された製品への制限されたアクセスを提供する、製品のための容器に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] 場合により、容器内に収容された製品への制限されたアクセスを提供する容器を提供することが望ましい。これは、摂取すると有害又は有毒である可能性のある医薬品などの製品に特に関連する。容器へのアクセスを制限するために、製品を容器から取り出す前に各ステップが連続的に達成されなければならない、複数の開封ステップを含む配置を提供することが典型的である。
【0003】
[0003] アクセス制限容器の一例は、安全キャップ付きボトルである。安全キャップは、通常、漂白剤及びボトル詰めされた医薬品など、多くの家庭用品に見られる。安全キャップは、一般に、ボトルの首部の雄ねじとねじ係合する雌ねじを有する内側キャップと、内側キャップの周囲に同軸に配置された外側キャップとを含む。内側キャップと外側キャップは、互いに噛み合う係合部分を有し、この係合部分は、弾性的に付勢されて、係合解除された構成になる。安全キャップは、外側キャップを内側キャップに対して軸方向に変位させ、係合部分を噛み合わせることによって開封される。噛み合うと、外側キャップの回転が内側キャップの回転を促し、内側キャップをボトルからゆるめて外すことができる。
【0004】
[0004] アクセス制限付きブリスターカードパッケージも知られている。ブリスターカードパッケージは、通常、錠剤等を収納するための複数のキャビティが形成された熱成形プラスチックウェブと、キャビティ内に錠剤を封入するためのアルミ箔の裏打ち材とを含む。キャビティ内に収納された錠剤にアクセスするため、裏打ち材に穴を開ける。アクセス制限付きブリスターカードパッケージは、穴あけ可能なアルミ箔の裏打ち材を有する限り、標準的なブリスターカードパッケージと同様に開封される。しかしながら、タブを形成するためにミシン目の入った板紙が裏打ち材を覆う場合もある。穴あけする前に裏打ち材を露出させるために、このタブを板紙カバー上に剥がさなければならない。
【0005】
[0005] 上述のタイプの容器には、いくつかの欠点がある。安全キャップは、複雑な射出成形部品の集合体を含み、したがって製造コストが高い。さらに、安全キャップを含むボトルは、一度に単一の製品(すなわち1錠)を取り出すのに適さない。上述した容器は、その中に収納された内容物へのアクセスを防止するのに適しているが、これらの容器を開封するのに伴うステップは、力及び器用さを必要とするため、高齢者又は体が弱った人が行うには難しすぎることが多い。例えば、安全キャップは、外側キャップを軸方向に変位させ、同時にひねるのにかなりの力を必要とする。アクセス制限付きブリスターパックも、板紙カバーのタブを見つけ、剥がすのにかなりの器用さを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006] したがって、その構造により、容器内に収容された製品へのアクセスを制限する、改良された及び/又は代替的な容器を提供することが望ましい。従来技術に関連する問題の1つ又は複数を克服する容器を提供することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007] 本明細書における文献、装置、行為又は知識に関するあらゆる考察は、本発明の背景を説明するために含まれるものである。これらの資料のいずれかが、本明細書における特許請求の範囲の優先日以前に従来技術基盤又は関連する技術分野における一般的な知識の一部を形成していたことを認めるものとして解釈されるべきではない。
【0008】
発明の概要
[0008] 本発明の一態様は、容器であって、折り曲げ軸を中心に一緒に折り曲げられ得る第1の端部及び第2の端部を有する本体を含み、本体は、製品を収納するためのキャビティを画定する少なくとも1つの壁を有し、本体は、第1及び第2の端部が折り曲げ軸を中心に一緒に折り曲げられると破断して、製品の最も狭い寸法よりも小さいサイズを有する開口部を生じさせるように適合される破断可能部分を有し、本体は、製品が容器から取り出されることを可能にするために、開口部のサイズを増大させるように変形可能であり、容器は、本体が折り曲げられ、及び変形されるまで、製品への制限されたアクセスを提供する、容器を提供する。
【0009】
[0009] 本発明は、多段階開封を含む。この多段階開封プロセスの利点は、例えば、子供によるアクセスを防止するのに十分に認知的に難しい一方、高齢者又は体が弱った人がアクセスするのに十分に物理的に容易であることである。本発明による容器は、試行錯誤を介した開封が驚くほど難しいことが判明している。換言すると、本体を折り曲げ、次に折り曲げられた本体を押しつぶすことを伴う開封シーケンスを推測することは、困難である。したがって、この特徴は、例えば、子供にとって容器を開封することを困難にする。しかしながら、本体を折り曲げ、次に折り曲げられた本体を押しつぶすことを伴う開封シーケンスは、ほとんど力及び器用さを必要としないことも判明している。この特徴は、容器を、高齢者又は体が弱った人がアクセスするのに十分に物理的に容易なものにする。
【0010】
[0010] 一実施形態によれば、本体は、折り曲げ軸に平行な方向に押しつぶされることによって変形可能である。本体は、折り曲げ軸を中心として製品収容部分と製品不在部分とに分割され得る。しかしながら、本体が折り曲げ軸を中心として2つの製品収容部分に分割され得ることも想定される。「製品収容部分」及び「製品不在部分」という用語は、それぞれ製品、すなわち錠剤を収容する容器の部分及び製品を収容しない容器の部分を指す。
【0011】
[0011] 一実施形態によれば、キャビティは、複数のキャビティに分離される。キャビティは、製品収容部分内に位置する製品収容キャビティと、製品不在キャビティとに分離され得る。しかしながら、キャビティが2つ以上の製品収容キャビティに分離され得ることも想定される。例えば、1つの製品収容キャビティ及び1つの製品不在キャビティ、又は2つの製品収容キャビティ、又は2つの製品収容キャビティ及び1つの製品不在キャビティが存在し得る。「製品収容キャビティ」及び「製品不在キャビティ」という用語は、それぞれ製品、すなわち錠剤を収容する容器のキャビティ及び製品を収容しない容器のキャビティを指す。
【0012】
[0012] 一実施形態によれば、少なくとも1つの壁は、一緒にキャビティを画定する底壁、上壁及び側壁を含み得る。
【0013】
[0013] 一実施形態によれば、キャビティは、形成されたバリアにより、製品収容キャビティと製品不在キャビティとに分離される。バリアは、上壁に形成され得る。代替的に、バリアは、側壁又は底壁に形成され得る。バリアは、破断可能部分の端部間に位置し得る。バリアは、破断可能部分と一体であり得る。好適には、バリアは、V字形の溝によって画定され得る。しかしながら、U字形又はW字形などの他の形状の溝も考えられる。溝は、上壁から折り曲げ軸に向かって内側に延びる側面を有する。溝の側面間の角度は、鋭角であり得る。「鋭角」という用語は、90°~0°の角度を意味する。バリアは、第1の端部及び第2の端部が折り曲げ軸を中心に一緒に折り曲げられるとき、少なくとも部分的に破断され得る。鋭角は、第1及び第2の端部が折り曲げ軸を中心に一緒に折り曲げられるとき、バリアを少なくとも部分的に破断するために破断可能部分に応力を集中させるための最適な角度であることが分かっている。バリアは、本体を変形させることによって完全に破断され得、これは、開口部のサイズを増大させる - この特徴は、製品が容器から容易に取り出され得るように、開口部が製品の最も狭い寸法よりも大きい大きさを有することを確実にする。
【0014】
[0014] 一実施形態によれば、製品不在部分上の上壁の一部は、製品不在キャビティ内へと内側に凹んでおり、及び底壁の内面に固定され、それにより、本体が折り曲げられた後に変形されると、底壁は、製品収容キャビティから引き離されて、製品収容キャビティのサイズを増大させる。この特徴により、製品が容器から放出される際、底壁が製品の経路を妨げる危険性が減少する。本体が変形されると、底壁が製品収容キャビティから引き離され、開口部のサイズが、折り曲げ軸を横切る方向に増大することも想定される。この特徴により、製品が容器から取り出される際、底壁が製品の経路を妨げる危険性がさらに低減される。
【0015】
[0015] 実施形態によれば、底壁の内面に固定される上壁の部分及び底壁自体は、加熱、超音波溶接、感圧接着剤、熱作動接着剤又は別のタイプの接着剤の1つを介して一緒に付着され、シールされる。
【0016】
[0016] 一実施形態によれば、容器は、側壁の周縁の少なくとも一部の周囲に延びるフランジをさらに含む。フランジと側壁との間の角度は、約120°~約160°、好ましくは約130°~約150°、より好ましくは約135°であり得る。第1の端部及び第2の端部が折り曲げ軸を中心に一緒に折り曲げられると、フランジの一部を人差し指と親指との間に把持して、折り曲げ軸と平行な方向に一緒に押しつぶし、本体を変形させることができる。フランジがこのように押しつぶされるとき、フランジを通して側壁に力を伝えて本体を変形させるために、上述の角度範囲が最適であることが判明している。上述した角度範囲は、加えられた力が、底壁によって画定された平面に垂直な方向に確実に伝達され、折り曲げ軸を横切る方向に開口部のサイズを増大させることを補助する。そのため、本体を変形させ、製品を取り出すために必要な押しつぶす力がより小さくなる。この特徴により、高齢者又は体が弱った人が容器内の製品にアクセスすることが容易になる。
【0017】
[0017] 一実施形態によれば、フランジは、第1の端部及び第2の端部が折り曲げ軸を中心に一緒に折り曲げられるときに把持部分を形成するくぼみを有し、それにより、把持部分は、本体を変形させるために、折り曲げ軸に平行な方向に一緒に押しつぶされ得る。把持部分は、人の人差し指及び親指と容器のフランジとの間の摩擦を増大させる。把持部分は、溝、切り欠き及び/又はテクスチャード表面の少なくとも1つの形態であり得る。把持部分は、高齢者又は体が弱った人がフランジを把持して押しつぶすことを補助する、フランジ上のてこの増大を可能にする。
【0018】
[0018] 一実施形態によれば、フランジは、第1の端部及び第2の端部が折り曲げ軸を中心に一緒に折り曲げられるときに互いに対して角度をなす表面を画定するくぼみを有し、その角度は、約75°以下である。上述した角度範囲は、フランジがこのように押しつぶされたときに本体を変形させるために、フランジから側壁に力を伝達するのに最適であることが分かっている。上述した角度範囲により、加えられた力が正しく伝達され、折り曲げ軸を横切る方向に開口部のサイズを増大させることを確実に補助し得る。したがって、本体を変形させ、製品を取り出すために必要な押しつぶす力が小さくなる。この特徴により、高齢者又は体が弱った人が容器内の製品にアクセスすることが容易になる。
【0019】
[0019] 実施形態によれば、フランジは、キャビティをシールするために底壁に取り付けられる。実施形態によれば、底壁は、加熱、超音波溶接、感圧接着剤、熱作動接着剤又は別のタイプの接着剤の1つを介してフランジに付着され、シールされる。フランジは、本体上の破断可能部分に直接隣接する拡大部分、好ましくは拡大されたフランジ幅を含み得る。
【0020】
[0020] 一実施形態によれば、底壁は、それぞれの第1及び第2の端部から折り曲げ軸に向かう方向に増大した幅を有する。この特徴は、容器が開口部に向かって外側に広がることを可能にし、製品が取り出されるときに開口部から製品を誘導することを促進する。
【0021】
[0021] 破断可能部分を破断するのに必要な力は、破断可能部分が製造される材料の種類、材料の厚さ並びに破断可能部分の形状及びサイズを含む多くの要因に依存する。破断可能部分を破断するのに必要な力は、容器の輸送中又は通常の取り扱い中、破断可能部分の意図しない破断が回避されるのに十分なものであることが好ましい。
【0022】
[0022] 「十分な力」とは、本明細書で使用する場合、破断可能部分がその破壊経路に沿って破断するように適合された力の量又はそれを超える力の量である。十分な力未満の力が加えられた場合、破断可能部分は、破断せず、本体/容器は、未開封状態のままである。好ましくは、十分な力を超える力が加えられると、破断可能部分は、1つ又は複数の開始破断点で破断し、その後、破壊経路全体が破断し、本体が開封状態になるまで破壊経路に沿って破断する。破壊経路に沿って破断することによって本体を開封することは、使用者による片手又は両手の動作によって行われ得る。
【0023】
[0023] 「破壊経路」とは、本体が破断する規定の経路である。換言すると、破壊経路は、本体が開封されたときに破断が生じる経路である。上記の態様において、破壊経路は、破断可能部分によって定められる線に従う。破壊経路は、直線、曲線又は端部同士が接続された一連の直線若しくは曲線であり得る。例えば、破壊経路は、矩形波又は正弦波の外観を有し得る。「破断可能部分」とは、破断する容器の本体の部分である。
【0024】
[0024] 実施形態によれば、破断可能部分は、特に破壊経路が曲線である場合、少なくとも1つの破断導体を含み得る。少なくとも1つの破断導体は、破断導体が屈曲部を含む場合、屈曲部の深さが局所的に変化する形態であり得る。好ましくは、少なくとも1つの破断導体は、屈曲部の断面形状の局所的な変化の形態である。任意選択的に、破壊可能部分は、結晶化可能な材料から形成される。少なくとも1つの破断導体は、結晶化の範囲の程度の局所的な変化であり得る。
【0025】
[0025] 本開示の実施形態によれば、破断可能部分は、フランジに沿って配置された第1の位置と、第1の位置から距離を置いたフランジに沿って配置された第2の位置との間に延びる。破断可能部分は、第1の位置から第2の位置まで本体にわたって延びる。破断可能部分は、上壁及び側壁に形成され得るか、又は上壁のみに形成され得る。
【0026】
[0026] 実施形態によれば、破断可能部分は、少なくとも1つの破断開始部分を含む。破断開始部分は、容器に十分な力が加えられたときに破断可能部分が最初に破断する位置である。その後、破断は、破断開始部分の位置から外側に破断可能部分に沿って1つ又は複数の方向において、破断可能部分全体が破断されるまで必要に応じて伝播し得る。
【0027】
[0027] 第1の製品は、単一の製品であり得る。代替的に、製品は、複数の個別の製品を含み得る。第1の製品が複数の製品を含む場合、それぞれの製品は、同じ製品又は異なる製品であり得る。製品は、任意の所望の製品であり得、以下のいずれかから選択できるが、これらに限定されない:固形物質、錠剤、物質、粉末、粒状物質、反応性物質、液体、懸濁液、薬物、薬剤、医薬品、化学製品、気体若しくは他の流体又は固体若しくは可撓性の外側基材を有する液体中心錠剤など、複数の先に定義した製品を含む組み合わせ製品。製品は、摂取可能な物品に限定されない。例えば、製品は、電池又は弾丸であり得る。
【0028】
[0028] 実施形態によれば、本体は、シート熱成形、射出成形、圧縮成形、押出ブロー成形、ブロー成形又は3D印刷などであるが、これに限定されない積層造形の少なくとも1つによって形成することができる。
【0029】
[0029] 実施形態によれば、上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つの厚さは、破断可能部分を含む本体全体にわたって実質的に一定である。
【0030】
[0030] 上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つの厚さは、保持される製品、それぞれの壁が形成される材料及び/又は本体の寸法及び形状によって規定され得る。任意選択的に、上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つの厚さは、約300μm~約600μmである。例えば、上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つの厚さは、約350μm~約550μmであり得る。上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つの厚さは、約400μm~約550μmであり得る。上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つの厚さは、約400μm~約500μmであり得る。上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つの厚さは、約300μmであり得る。上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つの厚さは、約350μmであり得る。上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つの厚さは、約400μmであり得る。上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つの厚さは、約450μmであり得る。上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つの厚さは、約500μmであり得る。上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つの厚さは、約550μmであり得る。上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つの厚さは、約600μmであり得る。
【0031】
[0031] 本発明の別の態様は、容器を製造する方法であって、底壁を形成することと、上壁を形成することと、側壁を形成することと、上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つに破断可能部分を形成することと、上壁を側壁に接続して凹部を画定することと、凹部に製品を置き、凹部を底壁でシールして、製品が保持されるキャビティを画定することとを含む方法を提供する。
【0032】
[0032] 一実施形態によれば、凹部への充填開口部を画定する側壁の周縁にフランジが形成される。凹部と底壁とのシールは、底壁をフランジに付着することによって達成され得る。底壁は、加熱、超音波溶接、感圧接着剤、熱作動接着剤又は他のタイプの接着剤の1つを介してフランジに付着され、シールされ得る。
【0033】
[0033] 本方法は、上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つを滅菌するステップをさらに含み得る。滅菌ステップは、無菌製造、超清浄製造又はガンマ線照射、エチレンオキシド(EtO)ガス若しくは熱の適用などの二次滅菌の1つ又は複数を通して実施され得る。
【0034】
[0034] 実施形態によれば、上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つは、以下の少なくとも1つを含む材料から形成される:ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、非晶質ポリウレタンテレフタレート(APET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリ乳酸(PLA)、バイオ材料、鉱物充填材料、薄い金属形成材料、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)及びラミネート。
【0035】
[0035] 実施形態によれば、上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つは、シート熱成形、射出成形、圧縮成形、押出ブロー成形、ブロー成形又は3D印刷の少なくとも1つによって形成される。
【0036】
[0036] 本明細書で使用されるとき、「上」、「底」及び「側」という用語は、容器に対する特徴の位置決めに関して理解され、具体的には要素が参照される本体又はパッケージを参照することが理解される。
【0037】
[0037] 上記で提供されるか若しくは以下に記載されるか、又は添付の図に示される個々の特徴のいずれも、それ自体、独立請求項又は従属請求項の主題となり得ることが理解される。本明細書に記載されるような特徴は、有益な結果をもたらし得るような任意の組み合わせで利用可能であり、単一の実施形態は、それ自体で本発明の範囲を限定するものとみなされない。
【0038】
図面の簡単な説明
[0038] ここで、非限定的な例として添付の図面を参照して本開示の実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1A】[0039]未開封状態の、本発明の実施形態による容器の斜視図を示す。
図1B】[0040]図1Aの容器の上面図を示す。
図1C】[0041]図1Aの容器の正面図を示す。
図1D】[0042]線A-Aに沿った図1Cの容器の断面図を示す。
図1E】[0043]折り曲げられた構成の図1Aの容器の上面図を示す。
図1F】[0044]図1Dに示す破断可能部分の拡大図を示す。
図2A】[0045]部分的に折り曲げられた状態の、本発明の実施形態による容器の斜視図を示す。
図2B】[0046]図2Aの容器の正面図を示す。
図2C】[0047]線B-Bに沿った図2Bの容器の断面図を示す。
図3A】[0048]完全に折り曲げられた状態の、本発明の実施形態による容器の斜視図を示す。
図3B】[0049]図3Aの容器の正面図を示す。
図3C】[0050]線C-Cに沿った図3Bの容器の断面図を示す。
図4A】[0051]変形状態における、本発明の実施形態による容器の斜視図を示す。
図4B】[0052]図4Aの容器の正面図を示す。
図4C】[0053]線D-Dに沿った図4Bの容器の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
好ましい実施形態の記載
[0054] 図1A~4Cは、一実施形態による容器10を示す。図1A~1Fに示すように、容器10は、本体11を含み、本体11は、第1の端部12と第2の端部13との間で容器10の長手方向において、本体11の垂直方向の幅に比べて実質的に細長い。本体11は、本体11にわたって容器10の長手方向に垂直な方向に延びる折り曲げ軸X-Xを中心に折り曲げ可能である。第1の端部12及び第2の端部13は、折り曲げ軸X-Xを中心に一緒に折り曲げられ得る。図1C及び1Dに示すように、本体11は、側壁16によって上壁15に接続された底壁14を有する。底壁14は、一般に、平面を画定し、上壁15は、平面からオフセットされ、製品18を収納するためのキャビティ17がそれらの間に形成されるようになっている。本体11は、第1の11及び第2の端部が(図2A~3Cに示されるように)折り曲げ軸X-Xを中心に一緒に折り曲げられたとき、後述されるように、製品18の最も狭い寸法よりも小さいサイズを有する開口部20a、20bを生じさせるために破断するように適合された破断可能部分19を有する。折り曲げられると、本体11は、後述されるように、製品が容器から取り出されることを可能にするために、開口部20cのサイズを増大させるように(図4A~4Cに示されるように)変形可能である。
【0041】
[0055] 容器11は、本体11が折り曲げられ、及び変形するまで、製品18への制限されたアクセスを提供する。本発明による容器10の利点は、本体を折り曲げ、次に折り曲げられた本体を押しつぶすことを伴う開封シーケンスを試行錯誤によって決定することが困難であることである。この特徴により、容器は、子供又は認知能力が制限された人が開封することが困難となる。しかしながら、本体を折り曲げ、次に折り曲げられた本体を押しつぶすことを伴う開封シーケンスは、ほとんど力及び器用さを必要としないことも判明している。この特徴により、容器10は、高齢者又は体が弱った人でも十分に物理的に簡単に行うことができる。このように、本発明による容器10は、子供のアクセスを制限するのに適しているが、同時に高齢者又は体が弱った人によってアクセス可能である。
【0042】
[0056] 図1A~1Dに示すように、フランジ21は、側壁16の周縁に延びる。図1Cに示すように、フランジ21は、側壁16から約135°の角度で配置される。135°の角度は、フランジ21がこのように押しつぶされたとき、力がフランジ21を通して側壁16に伝達され、本体11を変形させるのに特に効果的であることが分かっている。この角度は、加えられる力が、底壁14によって画定される平面に垂直な方向に伝達されることを確実にし、折り曲げ軸X-Xに直交する方向に開口部20a、20bのサイズを増大させることを補助する。そのため、本体11を変形させて製品18を取り出すために必要な押しつぶす力が小さくなる。この特徴により、高齢者又は体が弱った人が容器10内の製品18にアクセスすることが容易になる。
【0043】
[0057] 図1Bに示すように、フランジ21は、図1Eに示すように、第1の端部12及び第2の端部13が折り曲げ軸X-Xを中心に一緒に折り曲げられるときに把持部分23a、23bを形成するくぼみ22を有する。把持部分23a、23bは、本体11を変形させるために、折り曲げ軸に平行な方向に一緒に押しつぶされ得る。把持部分23a、23bは、折り曲げられた構成にあるとき、互いに対して約75°以下の角度をなす表面を有する。
【0044】
[0058] 図1Bに示すように、本体11は、折り曲げ軸X-Xを中心として製品収容部分11aと製品不在部分11bとに分割される。製品収容部分11aは、本体11の第1の端部12に向かって位置し、製品不在部分11bは、本体の第2の端部13に向かって位置する。同様に、キャビティ17は、上壁15に形成されたバリア24(図2A~3Cに示す)により、製品収容部分11a内に位置する製品収容キャビティ17aと、製品不在部分11b内に位置する製品不在キャビティ17bとに分離される。バリア24は、破断可能部分19の端部19a及び19b間に位置し、破断可能部分19と一体的に形成される。バリア24は、第1及び第2の端部12、13が折り曲げ軸X-Xを中心に一緒に折り曲げられて、破断可能部分19の端部19a、19bの近位に位置する2つの開口部20a、20b(図2A~3Cを参照されたい)を形成するとき、少なくとも部分的に破断される。
【0045】
[0059] 図1Fに示すように、破断可能部分19は、本体11内でV字形の溝の形態であり、この溝は、上壁15から折り曲げ軸X-Xに向かって内側に延びる側面25a、25bを有する。V字形の溝の側面25a、25b間の角度は、鋭角、すなわち90°~0°である。鋭角は、第1及び第2の端部12、13が折り曲げ軸X-Xを中心に一緒に折り曲げられたとき、破断可能部分19に応力を集中させるのに最適な角度であることが分かっている。
【0046】
[0060] 図1A、1B、1C及び1Eに示すように、製品不在部分11b上の上壁15の部分26は、製品不在キャビティ17b内へと内側に凹んでおり、及び底壁14の内面に固定される。この特徴により、本体が折り曲げられた後に変形されると、底壁14が製品収容キャビティ17aから引き離され、底壁14が製品18の開口部からの経路を妨げることを確実に防止し得る。この特徴により、容器から取り出される際に底壁が製品の経路を妨害する危険性が低減される。
【0047】
[0061] 図1Bに示すように、底壁14は、実質的に「蝶ネクタイ」形状であり、それぞれの第1及び第2の端部12、13から折り曲げ軸X-Xに向かう方向に増大した幅を有する。換言すると、容器は、折り曲げ軸X-Xに向かって外側に広がる。この形状により、図4A~4Cに示すように、本体11が折り曲げられた状態で変形したとき、製品18が製品収容キャビティ17aから誘導されることが保証される。
【0048】
[0062] 本出願人の米国特許第8,485,360号は、破壊経路に沿って破断可能である、いわゆる「スナップ機能」を有する容器を提供している。容器の壁は、破壊経路にわたって概ね一定の壁厚を有し得る。容器の本体は、中立軸と屈曲部の底面との間の距離(y)を増大させ、破壊経路における面積の第2モーメント(I)を減少させることにより、破壊経路に沿って応力を集中させるように構成される。添付の図に示す容器は、好ましくは、米国特許第8,485,360号に記載されているのと同様の方法で破断するように適合された破断可能部分を含み、前記特許の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。当然のことながら、当業者であれば、他の開封機構が本体に利用され得、本開示の範囲は、米国特許第8,485,360号に記載されているような1つ又は複数の破断可能部分を含む容器に限定されないことを理解するであろう。しかしながら、前記米国特許に記載された前記破断可能部分は、これに関連して、容器を開封する好ましい態様を提供する。
【0049】
[0063] さらに、PCT特許公開である、同じく本出願人の国際公開第2018/187824号は、米国特許第8,485,360号のものと類似し、さらに1つ又は複数の破断導体を含む破断可能な容器を記載している。国際公開第2018/187824号の内容は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。破断導体は、国際公開第2018/187824号の容器の破断可能部分に沿って設けられ、容器が開封されたとき、破断可能部分に沿って一貫して正しく向けられた破壊経路が形成されることを可能にする。本開示によれば、いくつかの状況において、それぞれの破壊経路が多数の方向を横断しなければならない場合又は破壊経路が比較的長い距離を横断する場合など、所望の破壊経路を提供するために、本体の破断可能部分に沿って1つ又は複数の破断導体を含むことが望ましい場合があることが想定される。
【0050】
[0064] 容器10を開封するためのプロセスを、図2A~4Cを参照して以下に記載する。
【0051】
[0065] 図1A~1Fに示すように、未開封状態の容器10を親指及び人差し指によって第1及び第2の端部12、13間で把持する。親指と人差し指との間で容器10を押しつぶすことにより、本体11は、製品不在部分11bにおける底壁14bのセクションが、製品収容部分11aにおける底壁14aのセクションに対して角度をなすように、折り曲げ軸X-Xを中心として折り曲げられる。底壁14a、14bの2つのセクション間の角度が約90°未満になると、破断可能部分19のそれぞれの第1及び第2の端部19a、19bにおいて破断が開始され、それぞれの第1及び第2の開口部20a、20bが生じる。この部分的に折り曲げられた状態において、破断は、バリア24で終了する。換言すると、バリア24は、破断可能部分19の第1の端部19aから第2の端部19bまで、破断が本体11全体に伝播することを防止する。図2A~2Cから分かるように、第1及び第2の開口部20a、20bは、製品18がそれを通して取り出されるには小さすぎる。
【0052】
[0066] 次に、本体11は、図3A~3Cに示すように、底壁14a、14bの2つのセクションが互いに実質的に平行になるように、折り曲げ軸X-Xを中心に折り曲げられる。この完全に折り曲げられた状態において、バリア24は、無傷のままである。換言すると、バリア24は、破断可能部分19の第1の端部19aから第2の端部19bに破断が伝播することを阻止し続ける。図3A~3Cから分かるように、第1及び第2の開口部20a、20bは、製品18がそれから取り出されるには依然として小さすぎる。図3Aに見られるように、完全に折り曲げられた状態において、くぼみ22は、把持部分23a、23bを形成する。
【0053】
[0067] 図3A~3Cに示す完全に折り曲げられた状態において、把持部分23a、23bは、親指及び人差し指で把持することができる。親指と人差し指との間で容器10を折り曲げ軸X-Xに平行な方向(矢印で示す方向)に押しつぶすと、本体11が変形する。この押しつぶす動作によって十分な量の力が作用すると、破断がバリア24を介して伝播し、バリア24を2つの舌部24a、24bに分離し、図4A~4Cに示すように、2つの開口部20a、20bが合体して単一の第3の開口部20cを形成する。第3の開口部20cは、第1及び第2の開口部20a、20bを合わせた面積よりも大きい面積を有し、製品18を受け入れるのに十分な大きさである。前述のように、フランジ21は、側壁16から約135°の角度で配置される。135°の角度は、押しつぶす作用が把持部分23a、23bに加えられたとき、フランジ21を通して側壁16に力が伝達され、本体11を変形させるのに特に効果的であることが分かっている。この角度は、バリア24の分離を確実にする、底壁14によって画定される平面に垂直な方向への力の伝達を増大させる。そのため、本体11を変形させ、製品18を取り出すために必要な押しつぶす力がより小さくなる。この特徴により、高齢者又は体が弱った人が容器10内の製品18にアクセスすることがより容易になる。
【0054】
[0068] 図4A~4Cにおいて、本体11を変形させると、第3の開口部20cのサイズがさらに増大する。前述のように、製品不在部分11b上の上壁15の部分26は、製品不在キャビティ17b内へと内側に凹んでおり、及び底壁14の内面に固定される。本体11が変形すると、図4Cに示すように、底壁14が製品収容キャビティ17aから引き離される。底壁14を製品収容キャビティ17aから引き離すことにより、折り曲げ軸X-Xに垂直な方向における第3の開口部20cのサイズが増大する。この特徴は、製品18が開口部20cから取り出されるとき、製品18の経路を底壁14が妨げることを防止する。
【0055】
[0069] 上述の実施形態の容器10を製造する方法は、以下のステップを含み得る。上壁15、側壁16及びフランジ20は、真空成形プロセスで一体的に形成することができる。真空成形プロセスは、ポリマーから作られた「蝶ネクタイ」状のブランクを真空成形装置に挿入することを含む。ブランクは、真空成形装置内のダイ内で加熱され、深絞りされ、その中に凹部が形成されたトレイが製造される。しかしながら、トレイは、熱成形、射出成形、圧縮成形、押出ブロー成形、ブロー成形若しくは3D印刷又は任意の他の適切な製造方法の1つ又は複数によって形成され得ることも想定される。次に、製品18をトレイの凹部内に挿入して包含することができる。ポリマーフィルムウェブの形態の「蝶ネクタイ」状のカバーは、製品を凹部内に封入するためにフランジに固定される。トレイに固定されると、カバーは、容器10の底壁14を画定する。カバーは、超音波溶接を使用してフランジ20に固定することができる。しかしながら、カバーは、加熱、感圧接着剤、熱作動接着剤若しくは別のタイプの接着剤又は任意の適切なシール技術を含む任意の適切なプロセスにより、フランジ20に付着及びシールされ得ることも想定される。容器内の製品18の劣化又は汚染を防止又は低減するために、容器のシールは、気密であることが好ましい。
【0056】
[0070] 実施形態によれば、本体11は、以下の少なくとも1つを含む材料から形成され得る:ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、非晶質ポリウレタンテレフタレート(APET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリ乳酸(PLA)、バイオ材料、鉱物充填材料、薄い金属形成材料、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)及びラミネート。
【0057】
[0071] 実施形態によれば、容器は、滅菌環境下において又は滅菌製造プロセスを通して製造することができる。例えば、上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つを滅菌することができる。滅菌製造プロセスは、無菌製造又は超清浄製造を含み得る。代替的に、容器又は容器の一部(上壁、側壁及び底壁の少なくとも1つなど)は、二次滅菌にかけられ得る。例えば、上壁、側壁及び底部の壁の少なくとも1つは、ガンマ線照射、エチレンオキシド(EtO)ガスによって処理されるか、又は熱処理され得る。
【0058】
[0072] 本開示の解釈において、すべての用語は、文脈と一致する最も広い合理的な方法で解釈されるべきである。例えば、本明細書で使用される場合、含む/含んでいる及びその文法的変形は、記載された特徴、整数、ステップ、構成要素又はそれらの群の存在を特定するように読まれるべきであるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではない。
【0059】
[0073] 図面に示され、本明細書に記載された実施形態は、本開示の範囲内にある容器の多くの複数の可能な形状、構成及び/又は実施形態の1つにすぎない。本明細書における教示は、多数の実施形態のいずれか1つで使用され得、特許請求される本発明の範囲は、本明細書に描写又は記載される特定の特徴によって限定されないことは、当業者に明らかであろう。
【0060】
[0074] 先の記載は、本開示による変形可能プローブの好ましい実施形態の特徴に関する。1つ又は複数の特徴が均等な特徴又は代替的な特徴に置き換えられ得ることが企図される。したがって、本技術の趣旨及び範囲から逸脱することなく、例示的な例に対する多くの修正形態がなされ得、他の配置が考案され得ることを理解されたい。最も広い意味において以下の特許請求の範囲に従う本発明は、添付の図に示されるか又は本明細書に記載されたような特定の特徴に限定されるものではない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
【国際調査報告】