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特表2024-500078空気透過性受容空洞を備えたエアロゾル発生装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(54)【発明の名称】空気透過性受容空洞を備えたエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20231222BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20231222BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023535395
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(85)【翻訳文提出日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 EP2021084450
(87)【国際公開番号】W WO2022128585
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】20215085.0
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ ロドリゲス アルベス
(72)【発明者】
【氏名】オリアナ ヴァレリオ
(72)【発明者】
【氏名】セレダ アレクサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ボンジョヴァンニ ジャンルカ
(72)【発明者】
【氏名】ベダッソ ベケレ アレム
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC12
4B162AC22
4B162AD20
4B162AD23
(57)【要約】
エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置(10)は、エアロゾル形成基体を受容するための開口部(220)を有する空洞(200)と、空洞の外部に配置されて、動作時に、空洞内に変動磁場を発生するように配設された少なくとも一つの誘導コイル(250、260)とを備える。空洞は、開口部から離れるように延びる側壁(210)によって画定される。空洞の側壁(210)は、非磁性材料、好ましくは非サセプタ材料から形成され、かつ空気に対して透過性であり、それによって側壁を通した空洞内への空気の半径方向の流入を可能にする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置であって、前記エアロゾル発生装置が、
前記エアロゾル形成基体を受容するための開口部を有する空洞であって、前記空洞が、前記開口部から離れるように延びる側壁によって画定される、空洞と、
前記空洞内に受容された時に、前記エアロゾル形成基体、または前記エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を支持するための空洞基部であって、前記空洞基部が、前記空洞を画定する前記側壁内で長軸方向に移動可能に配設される、空洞基部と、
前記空洞の外部に配置され、動作時に、前記空洞内に変動磁場を発生するように配設された、少なくとも一つの誘導コイルと、を備え、
前記空洞の前記側壁が、非磁性材料から形成され、
前記空洞の前記側壁が、空気に対して透過性であり、それによって前記側壁を通した前記空洞内への空気の半径方向の流入が可能になる、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記空洞の前記側壁が、非サセプタ材料から形成される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記側壁の少なくとも一部分が、半径方向に多孔性の材料から形成される、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記側壁が、前記空洞の前記開口部から離れるように延びる長軸方向寸法を有し、前記側壁の前記長軸方向寸法の50%~100%が半径方向に多孔性の材料から形成される、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記側壁の実質的にすべてが半径方向に多孔性の材料から形成される、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記空洞基部が、第一の位置と第二の位置との間で長軸方向に移動可能であり、前記第一の位置では、前記空洞基部が、前記第二の位置におけるよりも前記空洞の前記開口部の近くに位置付けられる、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記装置が、前記空洞基部を前記第二の位置に解放可能に保持するためのラッチを備える、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記第一の位置が、停止部によって画定され、前記停止部が、前記空洞基部が前記空洞の前記開口部に向かってさらに移動することを防止するように作用する、請求項6または7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記空洞基部が、前記空洞開口部に面する第一の表面と、前記空洞開口部から離れて面する第二の表面とを有し、前記第二の表面が、プッシュロッドに連結または接続され、前記プッシュロッドが、前記第二の表面から離れるように延びる、請求項6~8のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記空洞基部およびプッシュロッドが、前記空洞からの前記エアロゾル形成基体の取り外しを促進するための、手動で作動可能なイジェクターを形成する、請求項9に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記空洞基部が、ばねによって付勢される、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記装置が、第一のタイプのエアロゾル発生物品と、前記第一のタイプのエアロゾル発生物品とは異なる第二のタイプのエアロゾル発生物品と共に動作するように構成され、前記第一のタイプのエアロゾル発生物品が、エアロゾル形成基体、および前記エアロゾル形成基体を加熱するための第一のサセプタ構成を含み、前記第二のタイプのエアロゾル発生物品が、エアロゾル形成基体、および前記エアロゾル形成基体を加熱するための第二のサセプタ構成を含む、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに定義されたエアロゾル発生装置と、前記エアロゾル発生装置の前記空洞内に受容されるように構成されたエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムであって、前記エアロゾル発生物品が、
エアロゾル形成基体と、前記エアロゾル発生装置の前記誘導コイルによって発生される変動磁場と連結された時に、前記エアロゾル形成基体を加熱するためのサセプタと、を含む、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置に関する。本開示はまた、エアロゾル発生システムに関する。
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生装置は、当業界で知られている。こうした公知の装置は、基体の燃焼ではなく、基体への熱の適用を通して基体からエアロゾルを発生し得る。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置から物理的に分離しているエアロゾル発生物品の構成要素部分として存在してもよい。こうしたエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の空洞内に受容され得る。
【0003】
使用時、装置は、電力を提供して熱源からエアロゾル形成基体への熱の伝達を可能にし得る。こうした公知のエアロゾル発生装置の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によりエアロゾル形成基体から放出され、そしてエアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷却とともに凝結し、消費者が吸い込むエアロゾルを形成する。
【0004】
多くのエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品またはエアロゾル形成基体の外側に熱を提供する。誘導加熱を実装する外部加熱装置は、エアロゾル発生物品などの消耗品を受容するための空洞として金属の管状サセプタ要素を有する。こうしたシステムは、効果的な熱伝達を可能にし、かつ適切な空気管理を確保するために、サセプタ要素を消耗品と緊密に接触させる必要がある。これは、装置のサセプタ空洞内部の正確な嵌合を確保するための、非常に厳格な公差を有する直径の観点から、消耗品の製造における複雑さが生じる。こうした厳格な公差は、消耗品が消費中に当然に加湿されるのに伴い、消耗品が装置内部に固着する可能性があることを意味する。したがって、こうした管状サセプタ要素/空洞から消耗品を取り出すことは非常に困難である。こうした空洞内部で断片化された消耗品を引き出すには、特定のツールが必要であり、サセプタの形状および表面を損傷しないよう注意を払う必要がある。
【0005】
本開示によると、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を受容するための開口部を有する空洞を備える。空洞は、開口部から離れるように延びる側壁によって画定され得る。少なくとも一つの誘導コイルは、空洞の外部に配置され、動作時に空洞内に変動電磁場を発生するように配設されてもよい。空洞の側壁は、非磁性材料から形成されてもよい。空洞の側壁は、空気に対して透過性であり、それによって側壁を通した空洞内への空気の半径方向の流入が可能になる。
【0006】
本開示の第一の態様によると、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を受容するための開口部を有する空洞を備える。空洞は、開口部から離れるように延びる側壁によって画定される。少なくとも一つの誘導コイルは、空洞の外部に配置され、動作時に空洞内に変動電磁場を発生するように配設される。空洞の側壁は、非磁性材料から形成される。空洞の側壁は、空気に対して透過性であり、それによって側壁を通した空洞内への空気の半径方向の流入が可能になる。
【0007】
エアロゾル形成物品の外部加熱のための既存の誘導加熱装置は、管状サセプタ空洞を有する。上述の問題に加えて、管状サセプタ空洞の使用は、それと共に使用され得る消耗品の多様性の観点から、装置の使用をさらに制限する。例えば、異なるエアロゾル発生物品および消耗品は、異なる空気管理セットアップを必要とし得る。また、既存の装置は、複数の異なるタイプのエアロゾル発生消耗品を組み合わせて使用する観点から、消費者体験をカスタマイズすることを促進しない。
【0008】
本開示では、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品、またはエアロゾル発生物品またはエアロゾル形成基体を含有するカートリッジなどの消耗品を受容するための空洞を備える。好ましくは、空洞の外部に配置されたインダクタは、エアロゾル発生物品内に配置された、または空洞内に受容可能なカートリッジの一部としてのサセプタを誘導加熱するために、空洞内に変動電磁場を発生する。空洞の側壁は、非磁性材料から形成されて、変動電磁場との相互作用を最小化または除去する。したがって、装置は、誘導加熱装置として構成され得るが、装置の空洞自体は、エアロゾル形成基体を加熱しない。装置は、サセプタが空洞内に受容される要素である誘導加熱装置として構成されてもよい。
【0009】
空洞の側壁は、任意の適切な非磁性材料、好ましくは適切な化学的安定性およびUV安定性を有する材料または複数の材料から形成されてもよい。
【0010】
空洞の側壁は、非サセプタ材料から形成されてもよい。非サセプタ材料は、変動電磁場との実質的な相互作用または連結を受けない材料である。非サセプタ材料は、変動電磁場内で加熱しない。空洞の側壁は、ポリマー材料、例えば、ポリプロピレンまたはポリエチレンまたはポリカーボネートから形成されてもよい。側壁は、セラミック材料またはガラス材料から形成されてもよい。側壁は、複合材料、例えば高分子マトリクス複合材料から形成されてもよい。
【0011】
空洞の側壁は、非磁性金属材料から形成されてもよい。こうした材料は、変動電磁場との最小限の連結を有し得る。したがって、空洞壁の加熱は、最小限であるか、または存在しない。空洞の側壁は、アルミニウム、アルミニウム合金、真鍮、銅、銅合金、および非強磁性ステンレス鋼からなるリストから選択される金属から形成されてもよい。
【0012】
本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、気体中の固体微粒子、または液滴、または固体微粒子と液滴の組み合わせの分散を指す。エアロゾルは、可視であってもよく、または不可視であってもよい。エアロゾルは、室温において通常は液体または固体である物質の蒸気だけでなく、固体粒子もしくは液体の液滴、または固体粒子および液体の液滴の組み合わせも含んでもよい。
【0013】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱する、または燃焼することによって放出されてもよい。
【0014】
エアロゾル形成基体は固体エアロゾル形成基体であってもよい。固体エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎、膨化たばこおよび均質化したたばこのうち一つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、撚糸、細片またはシートのうち一つ以上を含み得る。
【0015】
エアロゾル形成基体は、固体成分および液体成分を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、液体、ゲル、またはペーストのエアロゾル形成基体であってもよい。
【0016】
エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、撚糸、細片またはシートの形態を取ってもよい。固体のエアロゾル形成基体は、例えばシート、発泡体、ゲル、またはスラリーの形態で、担体の表面上に沈着され得る。エアロゾル形成基体は、担体の全表面上に沈着してもよく、または代わりに、使用中、均一でない風味送達を提供するために一定のパターンにおいて沈着してもよい。
【0017】
エアロゾル形成基体は、ニコチンを含み得る。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこ含有材料を含んでもよい。たばこ含有材料は、揮発性たばこ風味化合物を含有してもよい。これらの化合物は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出され得る。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および、風味剤などの成分を含んでもよい。
【0018】
エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。本明細書で使用する用語「均質化したたばこ材料」は、粒子状たばこを凝集することによって形成される材料を指す。
【0019】
エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料のシートの集合体を含んでもよい。本明細書で使用する用語「シート」は、その厚さより略大きい幅および長さを有する層状要素を指す。本明細書で使用する用語「集められた」は、巻き込まれ、折り畳まれ、またはそれ以外では、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に対して略横断方向に圧縮され、または収縮されるシートを記述するために使用される。
【0020】
エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含んでもよい。本明細書で使用する用語「エアロゾル形成体」は、使用時に、エアロゾルの形成を容易にする、かつエアロゾル発生物品の動作温度にて熱分解に対して略抵抗性である、任意の好適な周知の化合物または化合物の混合物を記述するために使用される。好適なエアロゾル形成体は、当技術分野で公知であるが、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、トリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、および最も好ましくは、グリセリン)またはその混合物である。
【0021】
エアロゾル形成基体は、単一のエアロゾル形成体を含み得る。例えば、エアロゾル形成基体は、グリセリンを唯一のエアロゾル形成体として、またはプロピレングリコールを唯一のエアロゾル形成体として含んでもよい。あるいは、エアロゾル形成基体は、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含み得る。例えば、エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体成分は、グリセリンおよびプロピレングリコールであってもよい。
【0022】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」または「消耗品」という用語は、エアロゾル形成基体を含むか、またはエアロゾル形成基体からなる物品を指す。エアロゾル発生物品または消耗品は、エアロゾル形成基体に加えて構成要素を含んでもよい。エアロゾル発生物品または消耗品は、喫煙物品であってもよい。エアロゾル発生物品または消耗品は、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中へと直接的に吸入可能なエアロゾルを発生してもよい。エアロゾル発生物品または消耗品は、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中へと直接的に吸入可能なニコチン含有エアロゾルを発生させる喫煙物品であってもよい。エアロゾル発生物品または消耗品は、ロッドの形態であり得る。
【0023】
本明細書で使用される「カートリッジ」という用語は、エアロゾル発生装置によって取り外し可能に受容され得る構成要素を指す。カートリッジは、エアロゾル形成基体を含むか、またはエアロゾル形成基体からなるエアロゾル発生物品または消耗品を配置するか、または含有する。
【0024】
本明細書で使用される「サセプタカートリッジ」という用語は、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを発生するためのサセプタを含むカートリッジを指す。
【0025】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置を指す。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、またはエアロゾル形成基体もしくはエアロゾル発生物品を保持するカートリッジと相互作用して、エアロゾルを発生し得る。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を加熱して、基体からの揮発性化合物の放出を促進し得る。エアロゾル発生装置は、電気的に動作するエアロゾル発生装置でもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成するための、電気ヒーターなどのアトマイザーを備えてもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品またはカートリッジを受容するための空洞を備える。エアロゾル発生装置は、空洞内に変動電磁場を発生するためのインダクタを備えることが好ましい。
【0026】
本明細書で使用される「軸方向」および「長軸方向」という用語は、エアロゾル発生装置、カートリッジまたはエアロゾル発生物品などの構成要素の下流、近位または口側端と、構成要素の対向する上流または遠位端との間の方向を記述するために使用される。
【0027】
本明細書で使用される「半径方向」および「横断方向」という用語は、長軸方向に対して直角をなす方向を記述するために使用される。
【0028】
本明細書で使用される「長さ」という用語は、エアロゾル発生装置、カートリッジまたはエアロゾル発生物品などの構成要素の遠位または上流端と、構成要素の対向する上流または遠位端との間の最大の長軸方向寸法を記述するために使用される。
【0029】
本明細書で使用される「幅」という用語は、エアロゾル発生装置、カートリッジ、またはエアロゾル発生物品などの構成要素の横断方向寸法を記述するために使用される。
【0030】
本明細書で使用される「直径」という用語は、エアロゾル発生装置、カートリッジ、またはエアロゾル発生物品などの構成要素の最大の横断方向寸法を記述するために使用される。
【0031】
空洞の側壁の少なくとも一部分は、半径方向に多孔性の材料から形成されることが好ましい。空洞内への空気の半径方向の流入を可能にする能力により、異なる構成の消耗品を装置と共に使用することが可能になる。
【0032】
側壁は、空洞の開口部から離れるように延びる長軸方向寸法を有してもよい。側壁の長軸方向寸法の50%~100%は、半径方向に多孔性の材料から形成されてもよい。実質的にすべての側壁は、半径方向に多孔性の材料から形成されてもよい。半径方向に多孔性の材料は、メッシュまたはネットの形態であってもよい。半径方向に多孔性の材料は、好ましくは管の形態、例えば、隆起した管、例えば、隆起した管状の高分子メッシュである。半径方向の空隙率は、側壁の一部分を通して画定される穴によって形成され得る。
【0033】
側壁は、40%~95%、好ましくは50%~90%、好ましくは60%~80%の総空隙率を有してもよい。
【0034】
装置の空洞は、実質的に円筒状、例えば、実質的に円形円筒状であってもよい。空洞の側壁は、実質的に管状であってもよい。したがって、空洞は、実質的に円筒形状のエアロゾル発生物品または実質的に円筒状のカートリッジを受容することができ得る。空洞の横断断面は、実質的に円形であってもよいが、その他の形状の横断断面、例えば、楕円形、または正方形、長方形、または六角形などの多角形形状も可能である。 装置の空洞は、20mm~100mmの長さを有してもよい。空洞は、例えば、少なくとも20、30、40または50ミリメートルの長さを有してもよい。空洞は、100、80、または60ミリメートル未満の長さを有してもよい。空洞は、3mm~30mmの幅を有してもよい。空洞は、少なくとも3、5または10ミリメートルの幅を有してもよい。空洞は、30、20、または15ミリメートル未満の幅を有してもよい。
【0035】
エアロゾル発生装置はハウジングを備えてもよく、空洞は、ハウジングによって配置されるか、またはハウジング内に配置される。一つ以上の空気吸込み口は、ハウジング内に画定されて、空洞への気流経路を可能にすることが好ましい。一つ以上の気流経路は、一つ以上の空気吸込み口から空洞の側壁の外表面まで延び、したがって、空洞内への空気の半径方向の流入が可能になることが好ましい。ハウジングは、側壁を含んでもよい。
【0036】
装置は、空洞内に受容された時に、エアロゾル形成基体、またはエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を支持するための空洞基部を備えてもよい。 空洞基部は、空洞の側壁内で長軸方向に移動可能に配設され得る。例えば、空洞基部は、空洞内で長軸方向に移動するように配設されたプランジャーまたはピストンに類似し得る。 空洞基部は、第一の位置と第二の位置との間で長軸方向に移動可能であってもよく、第一の位置では、空洞基部は、第二の位置におけるよりも空洞の開口部の近くに位置付けられる。したがって、空洞内の空洞基部の移動により、物品またはカートリッジが空洞の開口部から少なくとも部分的に押し出されることを可能にすることによって、空洞内に受容されたエアロゾル発生物品またはカートリッジの取り外しが促進され得る。ハウジングは、空洞基部を含んでもよい。
【0037】
空洞基部は、付勢要素によって付勢されてもよい。例えば、空洞基部は、ばねによって付勢されてもよい。付勢要素またはばねは、空洞基部を空洞の開口部に向かう方向に付勢し得る。こうした付勢要素は、基部の移動、および空洞からのエアロゾル発生物品またはカートリッジの引き出しを促進するのに役立ち得る。
【0038】
エアロゾル発生装置は、空洞基部を第一の位置に取り外し可能に保持するためのラッチまたはラッチ手段を備え得る。エアロゾル発生装置は、空洞基部をその第二の位置に解放可能に保持するためのラッチまたはラッチ手段を備え得る。したがって、空洞基部は、ラッチされた時に、その第一の位置および第二の位置のうちの一方または両方で安定し、ラッチが解放された時にその位置から移動することができ得る。
【0039】
空洞基部の第一の位置は、空洞開口部に向かう空洞基部のさらなる移動を防止するよう作用する停止部によって画定され得る。例えば、停止部は、側壁によって、または側壁内に画定されるレッジ、または側壁から半径方向に延びる突出部を含み得る。
【0040】
空洞の側壁は、空洞の開口部に向かう近位端、および遠位端を有し得る。側壁の遠位端は、端面またはキャップで終結し得る。空洞基部は、端面またはキャップの近位に配置され得る。穴は、端面またはキャップを通して画定されてもよい。
【0041】
側壁は、装置のハウジングと一体化されてもよい。側壁は、装置のハウジングに接続されてもよい。側壁は、装置のハウジングに取り外し可能に、または恒久的に接続されてもよい。
【0042】
空洞基部は、空洞開口部に面する第一の表面と、空洞開口部から離れて面する第二の表面とを有してもよい。第二の表面は、プッシュロッドに連結またはプッシュロッドに接続されてもよく、プッシュロッドは第二の表面から離れるように延びる。プッシュロッドは、端面またはキャップの穴を通って延びるように寸法設定されてもよい。したがって、空洞基部の移動は、プッシュロッドに作用することによって引き起こされ得る。 プッシュロッドは、エアロゾル形成基体、またはエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品、またはエアロゾル発生物品もしくはエアロゾル形成基体を含むカートリッジが空洞内に位置付けられる場合に、エアロゾル発生装置の本体から突出し得る。空洞基部およびプッシュロッドは、空洞からのエアロゾル形成基体、エアロゾル発生物品、またはカートリッジの取り外しを促進するための、手動で作動可能なイジェクターを形成し得る。
【0043】
エアロゾル発生装置は、取り外し可能なマウスピースをさらに備えてもよく、取り外し可能なマウスピースは、空洞の開口部を覆う位置においてエアロゾル発生装置に取り外し可能に取り付け可能である。取り外し可能なマウスピースは、エアロゾル発生物品またはカートリッジを装置の中に挿入することを可能にするよう取り外され得る。別の方法として、エアロゾル発生物品またはカートリッジは、マウスピースを備えてもよい。
【0044】
好ましくは、エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体、および少なくとも一つの誘導コイルによって発生した変動電磁場と相互作用してエアロゾル形成基体を加熱するためのサセプタを含むエアロゾル発生物品またはカートリッジを受容するように構成されている。少なくとも一つの誘導コイルは、空洞に隣接してもよい。少なくとも一つの誘導コイルは、空洞の一部分を半径方向に取り囲んでもよい。
【0045】
エアロゾル発生装置は、誘導コイルおよび電源などのインダクタを備えてもよい。電源は、インダクタが変動電磁場または振動電磁場を発生するように、交流電流をインダクタに通過させるように構成され得る。交流電流は、任意の好適な周波数を有し得る。交流電流は、高周波の交流電流であってもよい。交流電流は、100キロヘルツ(kHz)~30メガヘルツ(MHz)の周波数を有してもよい。インダクタが管状インダクタコイルである場合、交流電流は、500キロヘルツ(kHz)~30メガヘルツ(MHz)の周波数を有してもよい。インダクタが平坦なインダクタコイルである場合、交流電流は、100キロヘルツ(kHz)~1メガヘルツ(MHz)の周波数を有してもよい。
【0046】
エアロゾル発生装置は、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを備えてもよく、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルの両方は、動作時に空洞内に変動磁場を発生するように配設される。 第一の誘導コイルは、空洞の第一の部分内に変動磁場を発生するように配設され、第二の誘導コイルは、空洞の第二の部分内に変動磁場を発生するように配設され得る。このように、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは、空洞の異なる部分内に配置されたサセプタまたは複数のサセプタの一部分を加熱するように配設されてもよい。
【0047】
第一の誘導コイルは、空洞内に第一の変動磁場を発生するように構成されてもよく、第一の変動磁場は、第一の磁場特性を有し、また第二の誘導コイルは、空洞内に第二の変動磁場を発生するように構成されてもよく、第二の変動磁場は、第二の磁場特性を有し、第二の磁場特性は、第一の磁場特性とは異なる。装置は、第一および第二の誘導コイルを制御して、空洞内のサセプタの加熱の制御を提供する、または装置を空洞内に配置された異なるタイプのサセプタと共に動作するように構成することを可能にするように構成され得る。例えば、装置は、エアロゾル発生物品内に配置された第一のタイプのサセプタと、取り外し可能なカートリッジ内に配置された第二のタイプのサセプタとを加熱するように構成されてもよく、エアロゾル発生物品および取り外し可能なカートリッジの両方は、空洞内に受容されるように寸法設定される。二つ以上の誘導コイルを使用することによって、装置は、異なるサイズおよび形状のサセプタ、例えば、ロッドまたはブレード形状のサセプタおよび管状のサセプタの両方を加熱することができる。したがって、エアロゾル発生装置は、より多様な消耗品と共に使用されるように構成され、ユーザーにより多くの選択肢を提供する。
【0048】
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの電源、例えば、装置の少なくとも一つの誘導コイルに電力を供給するための電源を備えることが好ましい。装置は、少なくとも一つのコントローラ、例えば、少なくとも一つの誘導コイルへの電力供給を制御するように構成されたコントローラを備えることが好ましい。
【0049】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体、カートリッジ、またはエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品の空洞内の存在を検出するための検出器または検出手段を備えてもよい。
【0050】
装置は、第一のタイプのエアロゾル発生物品またはカートリッジと、第一のタイプのエアロゾル発生物品またはカートリッジとは異なる第二のタイプのエアロゾル発生物品またはカートリッジと共に動作するよう構成されてもよく、 第一のタイプのエアロゾル発生物品またはカートリッジは、エアロゾル形成基体、およびエアロゾル形成基体を加熱するための第一のサセプタ構成を含み、第二のタイプのエアロゾル発生物品またはカートリッジは、エアロゾル形成基体、およびエアロゾル形成基体を加熱するための第二のサセプタ構成を含む。 第一のサセプタ構成および第二のサセプタ構成は、サセプタ材料、サセプタ形状、サセプタ寸法、およびエアロゾル形成基体に対するサセプタ位置からなるリストから選択される一つ以上のサセプタパラメータにおいて異なり得る。
【0051】
装置は、第一のタイプのエアロゾル発生物品および第二のタイプのエアロゾル発生物品のうちのいずれが空洞内に受容されたかを検出するように構成されてもよい。装置は、そのタイプのエアロゾル発生物品のサセプタを加熱するのに適した変動磁場を生成するために少なくとも一つの誘導コイルを制御するように構成され得る。
【0052】
本開示の一態様によると、上記に定義するエアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置の空洞内に受容されるように構成されたエアロゾル発生物品またはカートリッジとを備え、エアロゾル発生物品またはカートリッジが、
【0053】
エアロゾル形成基体と、エアロゾル発生装置の誘導コイルによって発生される変動磁場と連結された時に、エアロゾル形成基体を加熱するためのサセプタとを含む、エアロゾル発生システムが提供されている。
【0054】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度まで誘導加熱されることができる任意の材料であってもよく、またはそれを含んでもよい。好ましいサセプタ材料は、摂氏50、100、150、200、250、300、350、または400度を超える温度まで加熱されてもよい。好ましいサセプタ材料は、変動電磁場との連結に適した金属を含み得る。好ましいサセプタ材料は、強磁性材料、例えばフェライト鉄、または強磁性鋼もしくはステンレス鋼、またはニッケル、またはコバルトを含んでもよい。好ましいサセプタ材料は、400シリーズのステンレス鋼、例えばグレード410、またはグレード420、またはグレード430のステンレス鋼を含んでもよく、またはそれらから形成されてもよい。異なる材料は、類似の値の周波数および電界強度を有する電磁場内に置かれた時に、異なる量のエネルギーを散逸させる。こうして、材料のタイプ、サイズなどのサセプタ材料のパラメータは、公知の電磁場内で望ましい電力散逸を提供するように改変されてもよい。
【0055】
エアロゾル発生物品またはカートリッジは、近位端および遠位端を有するロッドの形態であってもよく、ロッドの遠位端は、エアロゾル発生装置の空洞内に受容されるように寸法設定され、エアロゾル形成基体は、ロッド内に配置される。
【0056】
一つ以上のサセプタは、エアロゾル形成基体を加熱するためにロッド内に内部的に配置される。例えば、一つ以上のサセプタは、ロッド内に半径方向中央に配置されてもよく、または一つ以上のサセプタは、ロッドの半径方向外側部分に配置されてもよい。一つ以上のサセプタは、ロッドの一部分を取り囲んでもよい。ロッドの外層は、一つ以上のサセプタを含んでもよい。一つ以上のサセプタは、エアロゾル形成基体と接触して配置されてもよい。一つ以上のサセプタは、使い捨てエアロゾル発生物品、例えば、エアロゾル発生装置の空洞内、またはエアロゾル発生装置の空洞内に受容されるように寸法設定された再使用可能なカートリッジ内に受容されるように寸法設定されたエアロゾル発生物品の構成要素部分であってもよい。
【0057】
エアロゾル発生物品またはカートリッジは、エアロゾル発生物品またはカートリッジの遠位端とエアロゾル発生物品またはカートリッジの近位端との間に延びる気流経路を画定し得る。エアロゾル発生物品またはカートリッジは、物品を通した気流経路の少なくとも一部分が、エアロゾル発生物品またはカートリッジの遠位端とエアロゾル発生物品またはカートリッジの近位端との間に配置された半径方向の空気吸込み口と、エアロゾル発生物品またはカートリッジの遠位端における空気出口との間に延びる、気流経路を画定し得る。空気は、エアロゾル発生装置空洞の空気透過性の壁を通して物品またはカートリッジの半径方向の気流入口に流入し得る。
【0058】
システムと共に使用するのに適したエアロゾル発生物品またはカートリッジは、ハウジングまたはラッパー内に配置されたエアロゾル形成基体を含む細長いエアロゾル発生物品であってもよく、ハウジングまたはラッパーを通して画定される一つ以上の穴または多孔性の領域は、エアロゾル発生物品内への半径方向の気流を可能にする。
【0059】
エアロゾル形成基体は、固体エアロゾル形成基体、例えば、たばこ材料からなる、またはたばこ材料を含むエアロゾル形成基体であってもよい。 エアロゾル形成基体は、液体エアロゾル形成基体、例えば、グリセリンまたはプロピレングリコールを含むエアロゾル形成基体であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0060】
システムとの使用に適したエアロゾル発生物品は、単回の使用後に廃棄されるように構成された使い捨てエアロゾル発生物品であってもよい。エアロゾル発生物品は、ラッパー内にロッドの形態で組み立てられたエアロゾル形成基体を含む複数の構成要素を備え得る。 エアロゾル発生物品は、ラッパー内に配置されたサセプタを備え得る。 エアロゾル発生物品のラッパーは、サセプタを含んでもよく、またはサセプタからなってもよい。
【0061】
システムと共に使用するのに適したエアロゾル発生物品またはカートリッジ要素は、再使用可能な部分および使い捨て部分を含み得る。再使用可能な部分は、空洞内に受容されるように構成されたカートリッジの形態であってもよい。カートリッジは、サセプタ材料を含み、エアロゾル形成基体を受容するためのカートリッジ空洞を画定するハウジングを有し得る。使い捨て部分は、エアロゾル形成基体を含む物品または消耗品であってもよい。カートリッジ空洞は、一つ以上の別個の消耗品を受容するように構成され得る。
【0062】
再使用可能な部分またはカートリッジは、長軸方向寸法および半径方向寸法を有してもよく、一つ以上の穴または多孔性の領域は、ハウジングの壁を通して画定され、カートリッジ空洞内への一つ以上の半径方向の空気吸込み口を形成し得る。
【0063】
カートリッジハウジングは、軸方向の空気吸込み口を画定し得る。軸方向の空気吸込み口は、空気がハウジング内に軸方向に流入することを可能にし得る。ハウジングは、空気出口を画定してもよい。空気出口は、軸方向の空気吸込み口の下流にあってもよい。空気出口は、軸方向の空気出口にあってもよい。空気出口は、空気がハウジングから軸方向に流出することを可能にし得る。ハウジングは、軸方向の空気吸込み口から空気出口への第一の気流経路を画定してもよい。有利なことに、軸方向の空気吸込み口および軸方向の空気出口は、それを通した軸方向の気流を有するように構成された消耗品、例えば、その周囲の周りに不透過性のバリアを有するが、その軸方向の端部には透過性のバリアを有するか、またはバリアを有さない消耗品と共にカートリッジを使用することを可能にし得る。
【0064】
カートリッジのハウジングは、近位または下流端、および遠位または上流端を有してもよい。ハウジングは、部分的または完全に中空管であってもよく、またはそれを含んでもよい。管は、近位または下流端と、遠位または上流端との間に画定されてもよい。管は、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を画定してもよい。
【0065】
カートリッジ空洞は、一つ以上の消耗品を受容するのに適し得る。上述のように、「消耗品」という用語は、エアロゾル形成基体を含むか、またはそれからなる物品を指し得る。空洞は、複数の消耗品を受容するのに適し得る。有利なことに、複数の消耗品を保持する能力により、異なる風味の複数の消耗品を使用することによってユーザーが自身の体験をカスタマイズすることが可能になり得る。
【0066】
各消耗品は、上流端と下流端との間の軸方向にわたる長さを有してもよい。各消耗品は、横断方向にわたる直径を有してもよい。カートリッジ空洞は、消耗品が空洞内に軸方向に配設されるように、複数の消耗品を受容するのに適し得る。空洞は、空洞内に受容された第一の消耗品の上流端が、空洞内に受容された第二の消耗品の下流端に隣接して、および随意に当接して配置されるように、複数の消耗品を受容するのに適し得る。さらに、空洞内に受容された第二の消耗品の上流端は、空洞内に受容された第三の消耗品の下流端に隣接して、および随意に当接して配置されてもよい。空洞は、空洞内に受容された第一の消耗品が、空洞内に受容された第二の消耗品の完全に下流にあるように、複数の消耗品を受容するのに適し得る。さらに、空洞内に受容された第二の消耗品は、空洞内に受容された第三の消耗品の完全に下流にあってもよい。有利なことに、空洞内におけるこの配設を可能にすることにより、空洞内の異なる風味の消耗品の異なる順序を使用することによってユーザーがその体験をカスタマイズすることが可能になり得る。
【0067】
空洞は、空洞内に受容された一つ以上の消耗品を確実に保持するように構成され得る。例えば、空洞は、締り嵌めまたは摩擦嵌めを使用して、空洞内に受容された一つ以上の消耗品を確実に保持するようにサイズ設定されてもよい。有利なことに、これにより、空洞内に消耗品を確実に保持するための別個の機構の必要性が除去され得る。
【0068】
カートリッジハウジングは、第一の半径方向の空気吸込み口を画定し得る。第一の半径方向の空気吸込み口は、空気出口の上流にあり得る。第一の半径方向の空気吸込み口は、軸方向の空気吸込み口の下流にあってもよい。第二の気流経路は、第一の半径方向の空気吸込み口から空気出口まで画定され得る。第一の半径方向の空気吸込み口は、空気がハウジング内に半径方向に流入することを可能にし得る。
【0069】
カートリッジハウジングは、第二の半径方向の空気吸込み口を画定し得る。第二の半径方向の空気吸込み口は、空気出口の上流にあり得る。第二の空気吸込み口は、ハウジングに沿って第一の半径方向の空気吸込み口から軸方向に離隔していてもよい。第二の半径方向の空気吸込み口は、第一の半径方向の空気吸込み口の下流にあってもよい。第三の気流経路は、第二の半径方向の空気吸込み口から空気出口まで画定され得る。第二の半径方向の空気吸込み口は、空気がハウジング内に半径方向に流入することを可能にし得る。
【0070】
カートリッジハウジングは、第三の半径方向の空気吸込み口を画定し得る。第三の半径方向の空気吸込み口は、空気出口の上流にあり得る。第三の半径方向の空気吸込み口は、ハウジングに沿って第一および第二の半径方向の空気吸込み口から離隔していてもよい。第三の半径方向の空気吸込み口は、第二の半径方向の空気吸込み口の下流にあってもよい。第四の気流経路は、第三の半径方向の空気吸込み口から空気出口まで画定され得る。第三の半径方向の空気吸込み口は、空気がハウジング内に半径方向に流入することを可能にし得る。
【0071】
第一の半径方向の空気吸込み口は、空洞内に受容された第一の消耗品と整列するように位置付けられ得る。使用時、空気は、第一の半径方向の空気吸込み口を通って、次いで、第一の消耗品、例えば、第一の消耗品の透過性の外側部分、または周辺部分を通って流れ得る。次いで、空気はハウジングを通して軸方向に流れ得る。第二の消耗品が空洞内に受容される場合、空気は、第一の消耗品を通って流れた後、第二の消耗品を通って軸方向に流れてもよい。第三の消耗品もまた空洞内に受容される場合、空気は、第二の消耗品を通って流れた後、第三の消耗品を通って軸方向に流れてもよい。
【0072】
第二の半径方向の空気吸込み口は、空洞内に受容された第二の消耗品と整列するように位置付けられてもよい。使用時、空気は、第二の半径方向の空気吸込み口を通って流れ、次いで、第二の消耗品、例えば、第二の消耗品の透過性の外側部分、または周辺部分を通って流れ得る。次いで、空気はハウジングを通して軸方向に流れ得る。第三の消耗品もまた空洞内に受容される場合、空気は、第二の消耗品を通って流れた後、第三の消耗品を通って軸方向に流れてもよい。
【0073】
第三の半径方向の空気吸込み口は、空洞内に受容された第三の消耗品と整列するように位置付けられてもよい。使用時、空気は、第三の半径方向の空気吸込み口を通って流れ、次いで、第三の消耗品、例えば、第三の消耗品の透過性の外側部分、または周辺部分を通って流れ得る。次いで、空気はハウジングを通して軸方向に流れ得る。
【0074】
有利なことに、この様式で半径方向の空気吸込み口を使用することにより、新鮮な空気が消耗品の各々を通って流れ得るため、ユーザー体験が高まり得る。対照的に、軸方向の空気吸込み口のみが存在する場合、第二の消耗品を通って流れる空気は、この空気が既に第一の消耗品を通って流れているため、新鮮ではない場合がある。この文脈において、「新鮮な空気」という用語は、まだ消耗品を通って流れていない空気を指すために使用される。
【0075】
カートリッジハウジングは、軸方向の空気吸込み口および一つ以上の半径方向の空気吸込み口の両方を画定し得る。例えば、ハウジングは、軸方向の空気吸込み口、および第一、第二、および第三の半径方向の空気吸込み口のうちの任意の一つ、二つ、またはすべてを画定し得る。第一、第二、および第三の半径方向の空気吸込み口のうちの任意の一つ、二つ、またはすべては、軸方向の空気吸込み口の下流に配置されてもよい。空気出口は、軸方向の空気吸込み口および半径方向の空気吸込み口(複数可)の下流にあってもよい。軸方向の空気吸込み口から空気出口への気流経路は、第一、第二、または第三の空気吸込み口から空気出口への気流経路(複数可)のうちの任意の一つ、二つ、またはすべてと合流してもよい。有利なことに、軸方向の空気吸込み口および半径方向の空気吸込み口の包含により、より大きな空気の流量をハウジング内に許容することによって、カートリッジの引き出し抵抗が低減し得る。有利なことに、これはまた、カートリッジをより多様な消耗品と共に使用することを可能にし得る。これは、カートリッジが、それを通した軸方向の気流を意図した消耗品、およびそれを通した半径方向の気流を意図した消耗品の使用に適し得るためである。
【0076】
第一、第二、および第三の半径方向の空気吸込み口のうちの任意の一つ、二つ、またはすべては、カートリッジハウジングの空気透過性部分によって形成されてもよい。したがって、第一の半径方向の空気吸込み口は、ハウジングの第一の空気透過性部分によって形成されてもよい。第二の半径方向の空気吸込み口は、ハウジングの第二の空気透過性部分によって形成されてもよい。第三の空気吸込み口は、ハウジングの第三の空気透過性部分によって形成されてもよい。
【0077】
ハウジングの第一、第二、および第三の空気透過性部分のうちの任意の一つ、二つ、またはすべては、一つ以上の多孔性材料、および複数のスリットなどの複数の穴を含み得る。
【0078】
ハウジングの第一、第二、および第三の空気透過性部分のうちの任意の一つ、二つ、またはすべては、40%~95%、または50%~90%、または60%~80%の空隙率を有してもよい。この文脈において、「空隙率」という用語は、ハウジングの壁を通した自由空間の面積による尺度として使用され得る。したがって、空気透過性部分が固体材料によって囲まれた複数の穴を含む場合、穴によって形成される空気透過性部分の断面積の割合は、40%~95%、または50%~90%、または60%~80%であり得る(残りの60%~5%、または50%~10%、または40%~20%は固体材料によって形成される)。有利なことに、これらの空隙率の範囲は、適切な量の空気がカートリッジを通して流れることを可能にすること、空気透過性部分に近いハウジングのサセプタ材料の適切なレベルの加熱を可能にすること、カートリッジを通した最適な引き出し抵抗を提供すること、およびハウジングの構造的完全性を維持することを含む多くのファクタにおける最適な網羅を提供し得る。
【0079】
第一の空気透過性部分は、ハウジング内に第一の環状または実質的に環状の空気透過性バンドを含み得る。第一の環状の空気透過性バンドは、ハウジング内に第一の複数の穴を含んでもよい。
【0080】
第二の空気透過性部分は、ハウジング内に第二の環状または実質的に環状の空気透過性バンドを含み得る。第二の環状の空気透過性バンドは、ハウジング内に第二の複数の穴を含んでもよい。第二の環状の空気透過性バンドは、ハウジングに沿って第一の環状の空気透過性バンドから離隔していてもよい。
【0081】
第三の空気透過性部分は、ハウジング内に第三の環状または実質的に管状の空気透過性バンドを含み得る。第三の環状の空気透過性バンドは、ハウジング内に第三の複数の穴を含んでもよい。第三の環状の空気透過性バンドは、第一および第二の環状の空気透過性バンドから離隔していてもよい。
【0082】
第一の空気透過性バンドは、それを通って空気が流れる第一の透過性を有してもよい。第二の空気透過性バンドは、それを通って空気が流れる第二の透過性を有してもよい。第三の空気透過性バンドは、それを通って空気が流れる第三の透過性を有してもよい。第一の透過性は、第二の透過性とは異なってもよい。第一の透過性は、第三の透過性とは異なってもよい。第二の透過性は、第三の透過性とは異なってもよい。第一の空気透過性バンド、第二の空気透過性バンド、および第三の空気透過性バンドはすべて異なる透過性を有してもよい。
【0083】
有利なことに、これらの異なる透過性によって、ユーザーは、空気透過性バンドを通した空気の予想される流量に基づいて、カートリッジ内で消耗品をどこに配置するかを決定することによって、自身の体験をカスタマイズすることが可能であり得る。例えば、ユーザーが特定の消耗品に存在する風味を最大化することを望む場合、この消耗品は、最も高い透過性を有する空気透過性バンドと整列するように、空洞内に受容され得る。
【0084】
ハウジングの第一、第二、および第三の環状の空気透過性バンドのうちの任意の一つ、二つ、またはすべては、ハウジングの周囲の少なくとも50、60、70、80、または90%の周りに延び得る。したがって、当然のことながら、環状の空気透過性バンドは、ハウジングの周囲または周辺全体の周りに延びてもよいが、必ずしも全体に延びる必要はない。
【0085】
カートリッジは、カートリッジのサセプタ材料を誘導加熱するように構成されたエアロゾル発生装置、例えば、上述のエアロゾル発生装置と共に使用可能なサセプタカートリッジであってもよい。例えば、カートリッジは、インダクタコイルなどのインダクタを含むエアロゾル発生装置と共に使用されるように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、電源を備えてもよい。電源は、インダクタが変動電磁場を発生するように、交流電流をインダクタに通過させるように構成され得る。装置は、カートリッジが変動電磁場内に配置され得るように構成されてもよい。交流電流は、高周波の交流電流であってもよい。これは、次いで、サセプタ材料内に渦電流およびヒステリシス損失を発生し得る。これは、サセプタ材料を加熱し得る。したがって、電源およびインダクタは、サセプタ材料を誘導加熱するように構成され得る。
【0086】
サセプタ材料は、ハウジングの50、60、70、または80重量%超を構成してもよい。ハウジングは、サセプタ材料からなるか、またはサセプタ材料から形成されてもよい。有利なことに、サセプタ材料から形成されるハウジングの割合が高くなるほど、誘導加熱式エアロゾル発生システムにおけるハウジングのより大きな誘導加熱がもたらされ得る。
【0087】
サセプタ材料は、使用中に空洞内の消耗品またはエアロゾル形成基体と接触し得る。有利なことに、これにより、使用中のサセプタ材料から消耗品またはエアロゾル形成基体へのより効率的な熱伝達がもたらされ得る。
【0088】
カートリッジ空洞は、20mm~100mmの長さを有してもよい。空洞は、少なくとも20、30、40または50ミリメートルの長さを有してもよい。空洞は、100、80、または60ミリメートル未満の長さを有してもよい。空洞は、3mm~30mmの幅を有してもよい。空洞は、少なくとも3、5または10ミリメートルの幅を有してもよい。空洞は、30、20、または15ミリメートル未満の幅を有してもよい。空洞は、実質的に円筒形状、例えば、実質的に直円筒形状であってもよい。空洞は、円形の横断断面、または楕円形の横断断面、または多角形の横断断面を有してもよい。
【0089】
カートリッジは、再使用可能なマウスピースを含んでもよい。マウスピースは、ポリマーまたはセラミックを含んでもよく、またはそれらから形成されてもよい。有利なことに、再使用可能なカートリッジは、使い捨てカートリッジよりも環境にやさしい場合がある。
【0090】
気流経路は、マウスピースを通して画定されてもよい。使用時、空気は、カートリッジハウジングを通してカートリッジ内に流入または引き出され、次いでマウスピースを通してユーザーに流入または引き出される得る。
【0091】
本開示は、上述のエアロゾル発生装置またはエアロゾル発生システムを使用してエアロゾルを発生する方法を提供し得る。方法は、エアロゾル形成基体およびサセプタを含むエアロゾル発生物品またはカートリッジをエアロゾル発生装置の空洞内に配置する工程と、エアロゾル発生装置の少なくとも一つの誘導コイルを動作させて装置の空洞内に変動磁場を発生させる工程であって、変動磁場は、サセプタと連結されて、サセプタを動作温度まで加熱し、それによってエアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成する、動作させる工程とを含み得る。方法はさらに、エアロゾル形成基体と流体連通するマウスピースを吸ってエアロゾルを吸入する工程を含み得る。
【0092】
ユーザーが、構成に応じて、エアロゾル発生物品のマウスピース、カートリッジのマウスピース、またはエアロゾル発生装置のマウスピースであり得るマウスピースを吸うと、空気は、好ましくは、装置のハウジングに画定される空気吸込み口を通してエアロゾル発生装置内に、および装置の空洞内に引き出される。好ましい構成では、空気は、空洞の側壁における空気透過性領域を通して装置の空洞内に引き出される。次いで、空気は、加熱されたエアロゾル形成基体にわたって、揮発性化合物を同伴してユーザーの口に向かって通過する。エアロゾルが気流内に形成され、ユーザーによって吸入される。
【0093】
方法は、使用後にエアロゾル発生装置からエアロゾル発生物品またはカートリッジを排出するさらなる工程を含み得る。
【0094】
装置の空洞は、第一の位置と第二の位置との間で長軸方向に移動可能な空洞基部を備えてもよく、第一の位置では、空洞基部は、第二の位置におけるよりも空洞の開口部の近くに位置付けられる。次いで、方法は、空洞基部と接触するまで、エアロゾル発生物品を空洞の中に挿入する工程と、圧力を加えて空洞基部を第一の位置から第二の位置へ移動させる工程であって、第二の位置は、動作位置である、加える工程と、エアロゾルの発生中に空洞基部を第二の位置に保持する工程とを含み得る。次いで、方法は、空洞基部を第二の位置から第一の位置へ移動させることによって、エアロゾル発生装置からエアロゾル発生物品を排出する工程であって、第一の位置は排出位置であり、それによって、エアロゾル発生物品が空洞開口部に向かう方向に移動する、排出する工程を含み得る。
【0095】
本開示は、以下の番号付けされた実施例を含む。
【0096】
実施例1
エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置であって、
エアロゾル形成基体を受容するための開口部を有する空洞であって、
開口部から離れるように延びる側壁によって画定される、空洞と、
空洞の外部に配置され、動作時に、空洞内に変動磁場を発生するように配設された少なくとも一つの誘導コイルとを備え、
空洞の側壁は、非磁性材料から形成され、
空洞の側壁は、空気に対して透過性であり、それによって側壁を通した空洞内への空気の半径方向の流入が可能になる、エアロゾル発生装置。
実施例2
空洞の側壁は、非サセプタ材料から形成される、実施例1によるエアロゾル発生装置。
実施例3
空洞の側壁は、高分子材料から形成される、実施例1または2によるエアロゾル発生装置。
実施例4
側壁は、セラミック材料またはガラス材料から形成される、実施例1または2によるエアロゾル発生装置。
実施例5:側壁は、複合材料、例えば、高分子マトリクス複合材料から形成される、実施例1または2によるエアロゾル発生装置。
実施例6
空洞の側壁は、非磁性金属材料から形成される、実施例1によるエアロゾル発生装置。
実施例7
空洞の側壁は、アルミニウム、アルミニウム合金、黄銅、銅、銅合金、および非強磁性ステンレス鋼からなるリストから選択される金属から形成される、実施例6によるエアロゾル発生装置。
実施例8
側壁の少なくとも一部分は、半径方向に多孔性の材料から形成される、実施例1~7のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例9
側壁は、空洞の開口部から離れるように延びる長軸方向寸法を有し、側壁の長軸方向寸法の50%~100%は半径方向に多孔性の材料から形成される、実施例8によるエアロゾル発生装置。
実施例10
側壁実質的にすべてが半径方向に多孔性の材料から形成される、実施例1~9のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例11.
半径方向に多孔性の材料は、メッシュまたはネットである、実施例8~10のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例12
側壁は、40%~95%、好ましくは50%~90%、好ましくは60%~80%の総空隙率を有する、実施例1~11のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例13
空洞は、実質的に円筒状である、実施例1~12のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例14
側壁は、実質的に管状である、実施例1~13によるエアロゾル発生装置。
実施例15
空洞の横断断面は、実質的に円形である、実施例1~14のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例16
空洞内に受容された時に、エアロゾル形成基体、またはエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を支持するための空洞基部を備える、実施例1~15のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例17
空洞基部は、空洞の側壁内で長軸方向に移動可能に配設される、実施例16によるエアロゾル発生装置。
実施例18
空洞基部は、第一の位置と第二の位置との間で長軸方向に移動可能であり、第一の位置では、空洞基部は、第二の位置におけるよりも空洞の開口部の近くに位置付けられる、実施例17によるエアロゾル発生装置。
実施例19
空洞基部は、ばねによって付勢される、実施例16~18のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例20
空洞基部は、ばねによって開口部に向かう方向に付勢される、実施例19によるエアロゾル発生装置。
実施例21
装置は、空洞基部を第二の位置に解放可能に保持するためのラッチを備える、実施例18~20のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例22
装置は、空洞基部を第一の位置に解放可能に保持するためのラッチを備える、実施例18~21のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例23
第一の位置は、停止部によって画定され、停止部は、空洞基部が空洞の開口部に向かってさらに移動することを防止するように作用する、実施例18~22のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例24
停止部は、側壁によって画定されるレッジ、または側壁から半径方向に延びる突出部を含む、実施例23によるエアロゾル発生装置。
実施例25
側壁は、空洞の開口部に向かう近位端および遠位端を有し、側壁の遠位端は、端面またはキャップで終結する、実施例1~24のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例26
穴は、端面またはキャップを通して画定される、実施例25によるエアロゾル発生装置。
実施例27
空洞基部は、空洞開口部に面する第一の表面と、空洞開口部から離れて面する第二の表面とを有し、第二の表面は、プッシュロッドに連結または接続され、プッシュロッドは、第二の表面から離れるように延びる、実施例16~26のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例28
端面またはキャップの穴は、プッシュロッドがそれを通って延びることを可能にするように寸法設定される、実施例26に従属する時、実施例27によるエアロゾル発生装置。
実施例29
プッシュロッドは、エアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品が空洞内に位置付けられる時に、装置の本体から突出する、実施例28によるエアロゾル発生装置。
実施例30
空洞基部およびプッシュロッドは、空洞からのエアロゾル形成基体の取り外しを促進するための、手動で作動可能なイジェクターを形成する、実施例27~29のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例31
エアロゾル形成基体、および誘導コイルによって発生した変動電磁場と相互作用してエアロゾル形成基体を加熱するためのサセプタを含むエアロゾル発生物品を受容するように構成されている、実施例1~30のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例32
取り外し可能なマウスピースをさらに備え、取り外し可能なマウスピースは、空洞の開口部を覆う位置においてエアロゾル発生装置に取り外し可能に取り付け可能である、実施例1~31のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例33
少なくとも一つの誘導コイルは、空洞の一部分を半径方向に取り囲む、実施例1~32のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例34
第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを備え、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルの両方は、動作時に空洞内に変動磁場を発生するように配設される、実施例1~33のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例35
第一の誘導コイルは、空洞の第一の部分内に変動磁場を発生するように配設され、第二の誘導コイルは、空洞の第二の部分内に変動磁場を発生するように配設される、実施例34によるエアロゾル発生装置。
実施例36
第一の誘導コイルは、空洞内に第一の変動磁場を発生するように構成され、第一の変動磁場は、第一の磁場特性を有し、第二の誘導コイルは、空洞内に第二の変動磁場を発生するように構成され、第二の変動磁場は、第二の磁場特性を有し、第二の磁場特性は、第一の磁場特性とは異なる、実施例34または35によるエアロゾル発生装置。
実施例37
装置は、少なくとも一つの誘導コイルに電力を供給するための電源をさらに備える、実施例1~36のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例38
装置は、少なくとも一つの誘導コイルへの電力供給を制御するように構成されたコントローラをさらに備える、実施例1~37によるエアロゾル発生装置。
実施例39
装置は、エアロゾル形成基体、またはエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品の空洞内の存在を検出するための検出器を備える、実施例1~38のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例40
装置は、第一のタイプのエアロゾル発生物品と、第一のタイプのエアロゾル発生物品とは異なる第二のタイプのエアロゾル発生物品と共に動作するように構成され、第一のタイプのエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体、およびエアロゾル形成基体を加熱するための第一のサセプタ構成を含み、第二のタイプのエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体、およびエアロゾル形成基体を加熱するための第二のサセプタ構成を含む、実施例1~39のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例41
第一のサセプタ構成および第二のサセプタ構成は、サセプタ材料、サセプタ形状、サセプタ寸法、およびエアロゾル形成基体に対するサセプタ位置からなるリストから選択される一つ以上のサセプタパラメータにおいて異なる、実施例40によるエアロゾル発生装置。
実施例42
装置は、第一のタイプのエアロゾル発生物品および第二のタイプのエアロゾル発生物品のうちのいずれが空洞内に受容されたかを検出するように構成され、少なくとも一つの誘導コイルを制御して、そのタイプのエアロゾル発生物品のサセプタを加熱するのに適した変動磁場を生成する、実施例41によるエアロゾル発生装置。
実施例43
実施例1~42のいずれかに定義されたエアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置の空洞内に受容されるように構成されたエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムであって、エアロゾル発生物品は、
エアロゾル形成基体と、エアロゾル発生装置の誘導コイルによって発生される変動磁場と連結された時に、エアロゾル形成基体を加熱するためのサセプタと、を含む、エアロゾル発生システム。
実施例44
エアロゾル発生物品は、近位端および遠位端を有するロッドの形態であり、ロッドの遠位端は、エアロゾル発生装置の空洞内に受容されるように寸法設定され、エアロゾル形成基体は、ロッド内に配置される、実施例43によるエアロゾル発生システム。
実施例45
一つ以上のサセプタは、エアロゾル形成基体を加熱するためにロッド内に内部的に配置される、実施例44によるエアロゾル発生システム。
実施例46
一つ以上のサセプタは、ロッド内に半径方向中心に配置される、実施例45によるエアロゾル発生システム。
実施例47
一つ以上のサセプタは、ロッドの半径方向外側に配置される、実施例44によるエアロゾル発生システム。
実施例48
一つ以上のサセプタは、ロッドの一部分を取り囲む、実施例45または46によるエアロゾル発生システム。
実施例49
ロッドの外側層は、一つ以上のサセプタを含む、実施例45~48のいずれかによるエアロゾル発生システム。
実施例50
一つ以上のサセプタは、エアロゾル形成基体と接触して配置される、実施例45~49のいずれかによるエアロゾル発生システム。
実施例51
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の遠位端とエアロゾル発生物品の近位端との間に延びる気流経路を画定する、実施例43~50のいずれかによるエアロゾル発生システム。
実施例52
物品を通した気流経路の少なくとも一部分は、エアロゾル発生物品の遠位端とエアロゾル発生物品の近位端との間に配置された半径方向の空気吸込み口と、エアロゾル発生物品の遠位端における空気出口との間に延びる、実施例43~51のいずれかによるエアロゾル発生システム。
実施例53
エアロゾル発生物品は、ハウジングまたはラッパー内に配置されたエアロゾル形成基体を含む細長いエアロゾル発生物品であり、ハウジングまたはラッパーを通して画定される一つ以上の穴または多孔性の領域は、エアロゾル発生物品内への半径方向の気流を可能にする、実施例43~52のいずれかによるエアロゾル発生システム。
実施例54
エアロゾル形成基体は、固体エアロゾル形成基体、例えば、たばこ材料からなる、またはたばこ材料を含むエアロゾル形成基体である、実施例43~53のいずれかによるエアロゾル発生システム。
実施例55
エアロゾル形成基体は、液体エアロゾル形成基体、例えば、グリセリンまたはプロピレングリコールを含むエアロゾル形成基体を含む、実施例43~54のいずれかによるエアロゾル発生システム。
実施例56
エアロゾル発生物品は、単回の使用後に廃棄されるように構成された使い捨てエアロゾル発生物品である、実施例43~55のいずれかによるエアロゾル発生システム。
実施例57
エアロゾル発生物品は、ロッドの形態でラッパー内に組み立てられるエアロゾル形成基体を含む複数の構成要素を備える、実施例56によるエアロゾル発生システム。
実施例58
エアロゾル発生物品は、ラッパー内に配置されたサセプタを備える、実施例57によるエアロゾル発生システム。
実施例59
ラッパーは、サセプタを含んでもよく、またはサセプタからなってもよい、実施例57によるエアロゾル発生システム。
実施例60
エアロゾル発生物品は、再使用可能な部分および使い捨て部分を含み、再使用可能な部分は、空洞内に受容されるように構成されたカートリッジの形態であり、カートリッジは、サセプタ材料を含むハウジングを有し、エアロゾル形成基体を受容するためのカートリッジ空洞を画定し、使い捨て部分は、エアロゾル形成基体を含む、実施例43~55のいずれかによるエアロゾル発生システム。
実施例61
カートリッジは、長軸方向寸法および半径方向寸法を有し、一つ以上の穴または多孔性の領域は、ハウジングの壁を通して画定されて、カートリッジ空洞内への一つ以上の半径方向の空気吸込み口を形成する、実施例60によるエアロゾル発生システム。
実施例62
実施例1~42のいずれかによるエアロゾル発生装置と共に使用されるように構成されたエアロゾル発生物品。
実施例63
実施例43~61のいずれかによるエアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル発生物品。
実施例64
実施例1~42のいずれかによるエアロゾル発生装置、または実施例43~61のいずれかによるエアロゾル発生システムを使用してエアロゾルを発生する方法であって、
エアロゾル形成基体およびサセプタを含むエアロゾル発生物品をエアロゾル発生装置の空洞内に配置する工程と、
エアロゾル発生装置の少なくとも一つの誘導コイルを動作させて空洞内に変動磁場を発生させる工程であって、変動磁場は、サセプタと連結されて、サセプタを動作温度まで加熱し、それによってエアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成する、動作させる工程と、を含む、方法。
実施例65
エアロゾル形成基体と流体連通するマウスピースを吸ってエアロゾルを吸入する工程をさらに含む、実施例64による方法。
実施例66
使用後にエアロゾル発生装置からエアロゾル発生物品を排出する工程をさらに含む、実施例64または65による方法。
実施例67
空洞は、第一の位置と第二の位置との間で長軸方向に移動可能な空洞基部を含み、第一の位置では、空洞基部が第二の位置におけるよりも空洞の開口部の近くに位置付けられ、方法は、空洞基部と接触するまで、エアロゾル発生物品を空洞の中に挿入する工程と、圧力を加えて空洞基部を第一の位置から第二の位置へ移動させる工程であって、第二の位置は、動作位置である、加える工程と、エアロゾルの発生中に空洞基部を第二の位置に保持する工程とを含む、実施例64または65のいずれかによる方法。
実施例68
空洞基部を第二の位置から第一の位置へ移動させることによって、エアロゾル発生装置からエアロゾル発生物品を排出する工程であって、第一の位置は排出位置であり、それによって、エアロゾル発生物品が空洞開口部に向かう方向に移動する、排出する工程を含む、実施例67による方法。
【図面の簡単な説明】
【0097】
ここで、図を参照しながら特定の実施例をさらに説明する。
【0098】
図1図1は、本開示によるエアロゾル発生装置の斜視図を示す。
図2図2は、図1のエアロゾル発生装置の切り取り図を示す。
図3図3は、エアロゾル発生装置の電子構成要素間の関係を示す流れ図を示す。
図4図4は、エアロゾル発生装置の空気透過性空洞を形成するのに使用されるメッシュ構成の例を示す。
図5図5、6、および7は、エアロゾル発生装置の空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入、およびエアロゾル発生物品の引き出しを示す。
図6】同上。
図7】同上。
図8図8は、内部サセプタを備える使い捨てタイプのエアロゾル発生物品と係合した装置の空洞の概略図を示す。
図9図9は、サセプタカートリッジを備える部分的に再使用可能なタイプのエアロゾル発生物品と係合した装置の空洞の概略図を示す。
図10図10は、取り外し可能なマウスピースが取り付けられたエアロゾル発生装置の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0099】
図1は、本発明の特定の実施形態によるエアロゾル発生装置を示す。装置10は、電池電源を配置するハウジング20、第一の誘導コイル、第二の誘導コイル、電池から第一および第二の誘導コイルへの電力を制御するためのコントローラを含む電子機器、およびエアロゾル形成基体を受容するための空洞を備える。作動ボタン30は、ハウジング20上に配置される。空洞への開口部は、開放可能なカバー40によって閉じられる。
【0100】
図2は、図1のエアロゾル発生装置10の切り取り図である。電池110は、電子機器120と共にハウジングの第一の部分内に配置される。電子機器120は、電池110の充電を制御するための電子機器126、第一および第二の誘導コイルに供給される電力を制御するためのコントローラ125、および電池110、誘導コイル、作動ボタン30と、ハウジングを通して画定される充電ポート95などの充電手段との間の電気的接続を含む。
【0101】
空洞200は、空洞の第二の部分内に配置される。空洞200は、ハウジング20を通って延びる開口部220を有するポリプロピレンメッシュの管210によって画定され、空洞の中へのエアロゾル形成基体の挿入、およびエアロゾル形成基体の取り外しを可能にする。開放可能なカバー40は、摺動動作によって開放されて、開口部220を露出し得る。ポリプロピレンメッシュの管210は、空洞の側壁を形成する。ハウジングを通して画定される空気吸込み口は、空気がハウジングの第二の部分に入ることを可能にする。空洞の側壁は、80%超の空隙率を有し、空洞内への妨げられない半径方向の気流を効果的に可能にする。
【0102】
管210の上部は、第一の誘導コイル250によって取り囲まれる。第一の誘導コイル250は、コントローラを介して電池110に連結され、空洞200の上部内に変動電磁場を発生するように構成されている。
【0103】
管210の下部は、第二の誘導コイル260によって取り囲まれる。第一の誘導コイル250は、コントローラを介して電池110に連結され、空洞200の下部内に変動電磁場を発生するように構成されている。
【0104】
空洞基部280は、空洞200の下方端に配置される。空洞基部280は、管210内で長軸方向に摺動するように配設される。空洞基部の下部は、ユーザーによって操作されて空洞基部を空洞内で移動させることができるように、ハウジングを通して画定される穴を通って延びる、プッシュロッド290に連結される。空洞基部およびプッシュロッドは、引き出し機構の一部を形成する。
【0105】
エアロゾル発生装置の電気構成要素の配設を図3に概略的に示す。電池110は、電子機器126を介して充電ポート95に連結されて、電池の充電を制御する再充電可能電池である。充電ポート95は、任意の適切な充電ポート、例えば、USB充電ポートであってもよい。電池110は、第一の誘導コイル250および第二の誘導コイル260に電力を供給して動作させる。電池110からの電力は、コントローラ125を介して第一および第二の誘導コイルに供給される。制御電子機器は、第一および第二の誘導コイルへ供給するために、電池によって供給されるDC電流をAC電流に変換するインバータを含む。第一および第二の誘導コイルは、独立して、または一緒に動作し得る。コントローラ125は、ユーザーボタン30によって提供される作動信号に応答して、第一および第二の誘導コイルの動作を制御する。メモリは、作動ボタン30からの信号に応答して、コントローラによって実施される一つ以上の所定の動作プロファイルを記憶し得る。
【0106】
使用時、ユーザーは、カバー40をその開放位置へと摺動させることによって、空洞200の開口部220を露出する。エアロゾル形成基体およびサセプタを備えるエアロゾル発生物品は、空洞200の中に挿入される。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体、およびエアロゾル形成基体と熱接触して配置されるサセプタを備える完全使い捨ての円筒状エアロゾル発生物品の形態であってもよい。エアロゾル発生物品は、使い捨てエアロゾル形成基体を含有する円筒状の再使用可能なカートリッジの形態であってもよい。再使用可能なカートリッジ自体がサセプタを形成してもよい。
【0107】
エアロゾル発生物品は、物品のサセプタが、装置10が動作される時に変動電磁場に供される空洞の一部分内にあるように、空洞200の中に挿入される。ユーザーは、作動ボタン30を使用して装置10を作動させる。コントローラは、誘導コイルへの電力を制御して変動電磁場を発生させる。サセプタは、変動電磁場によって加熱され、次いで、エアロゾル形成基体を加熱して吸入可能なエアロゾルを発生する。誘導コイルに供給される電力は、エアロゾル形成基体の温度を所定の範囲内に維持するように制御される。使用セッションが終了すると、誘導コイルへの電力供給がオフにされる。次いで、ユーザーは、空洞からエアロゾル発生物品を取り外し得る。
【0108】
空洞の側壁は、ポリプロピレンメッシュの空気透過性管210から形成される。管は、ポリプロピレンメッシュのシートを取り、シートを管へと丸め、例えば、溶接プロセスを使用することによって、または接着によって固定することによってシートの接触端部を固定することによって形成され得る。他の特定の実施形態では、空洞の側壁は、非金属金属メッシュ管、または空気透過性セラミック管から形成され得る。金属管は、例えば、金属メッシュのシートを管へと丸め、例えば、溶接によって接触端部を固定することによって形成されてもよい。セラミック管は、緑色のセラミックメッシュを管へと丸め、焼成して空気透過性セラミック管を形成することによって形成されてもよい。図4は、管へと形成されて空洞の側壁を形成するメッシュ構成を示す。空気透過性管はまた、例えば、ポリマー、金属、またはセラミックの粉末を空気透過性管へと焼結することによって、粉末形成プロセスによって形成されてもよい。
【0109】
図5、6、および7は、空洞基部280および引き出し機構をより詳細に示す。
【0110】
図5は、空洞基部280、およびエアロゾル発生物品300を受容するために位置付けられた引き出し機構を示す。引き出し基部280は、空洞200の側壁を形成する空気透過性管210内で長軸方向に摺動可能なプランジャーの形態である。管210は、ハウジング20によって配置される。ばね400は、ハウジング20によって配置され、空洞基部280の下側表面281に作用して、空洞基部280を空洞200の開口部220に向けて付勢する。空洞基部は、空洞の側壁210によって内部に画定される内部レッジ211に対して付勢される。内部レッジ211は、空洞基部280が開口部220に向かってさらに移動することを防止し、空洞基部の受容位置を画定する。プッシュロッド290は、空洞基部280の下側表面281に接続され、下側表面281から、プッシュロッド290の断面を収容するように寸法設定されたハウジング20内の穴を通って長軸方向に延びる。空洞基部が受容位置に配置される場合、プッシュロッド290の端は、ハウジングの外表面と同一平面である。
【0111】
ユーザーがエアロゾル発生物品300を空洞200の中に挿入すると、物品の遠位端が空洞基部280に接触する。挿入力(Fc)を加えることによって、物品の遠位端は、ばね400の力に対して空洞基部を空洞内に押す。弾性突出部500は、空洞の下部(空洞の側壁によって配置されるか、または側壁の遠位端に隣接するハウジングによって配置されるかのいずれか)内に延びる。空洞基部が、挿入力によって空洞の基部に向かって押されると、弾性突出部が偏向し、空洞基部が通過することが可能になる。その後、弾性突出部は、その形状を回復して空洞の下部に空洞基部をラッチする。弾性突出部は、圧縮されているばね400の力に対して空洞基部をこの位置に保持する。空洞基部280が弾性突出部500によってラッチされる場合、空洞基部280は、その動作位置にあり、空洞内に配置されるエアロゾル発生物品が加熱される。空洞基部280が動作位置にある場合(図6に図示)、プッシュロッド290はハウジングの開口部を通って延びる。
【0112】
使用後にエアロゾル発生物品300を引き出すために、ユーザーは、プッシュロッド290に引き出し力(Fe)を加える。引き出し力は、空洞基部280が、弾性突出部500を偏向させ、空洞200の開口部220に向かって長軸方向に移動することを可能にするのに十分である必要がある。空洞基部280が弾性突出部500を通過した後、ばね400は、空洞基部を、内部レッジ211によって配置される受容位置に戻るように付勢する。受容位置へと戻る空洞基部280の移動により、エアロゾル発生物品が開口部220から出されて取り外され得る。
【0113】
エアロゾル発生装置の特定の実施形態は、異なるタイプの消耗品で動作することが意図される。例示として、二つの異なるタイプの消耗品を図8および9に示す。
【0114】
図8は、エアロゾル発生装置の空洞内に配置された使い捨てエアロゾル発生物品700を示す。使い捨てエアロゾル発生物品は、紙巻きたばこ紙内に組み立てられた複数の要素から形成され、遠位端および口側端を有するロッドを形成する。ロッドの要素のうちの一つは、均質化したたばこ材料のシートの集合体であり得る、エアロゾル形成基体710のプラグである。サセプタ材料720の細片は、エアロゾル形成基体のプラグ内に配置されてエアロゾル形成基体を加熱する。装置が動作してサセプタが加熱されると、ユーザーは、エアロゾル形成物品のマウスピースを吸い得る。空気は、空洞の空気透過性側壁210を通ってロッドの遠位端の中へ、エアロゾル形成基体を通ってユーザーの口へと流れる(図8の矢印は気流を示す)。使用後、エアロゾル発生物品700全体が廃棄されてもよい。
【0115】
図9は、エアロゾル発生装置の空洞内に配置された部分的に再使用可能なエアロゾル発生物品800を示す。部分的に再使用可能なエアロゾル発生物品800は、エアロゾル形成基体の第一のサシェ810およびエアロゾル形成基体の第二のサシェ820を含有する多孔性管状カートリッジ801を備える。エアロゾル形成基体の第一および第二のサシェは、管状カートリッジ801内に同軸に配置される。多孔性管状カートリッジ801は、磁性ステンレス鋼から形成され、サセプタとして作用して、内部に配置されたエアロゾル形成基体を加熱する。
【0116】
使用時、ユーザーは、エアロゾル発生物品800またはエアロゾル発生装置10に取り付け可能なマウスピースに含まれるマウスピースを吸う。空気は、空洞の空気透過性側壁210を通って、多孔性管状カートリッジ801内に半径方向に流入する。したがって、新鮮な空気が、エアロゾル形成基体の第一および第二のサシェの各々に流入し得る。空気、および基体を加熱することによって発生されるエアロゾルは、ユーザーの口内に引き出される(図8の矢印は気流を示す)。
【0117】
図10は、空洞の開口部上に取り付けられた取り外し可能なマウスピース1000を備えたエアロゾル発生装置10の一実施形態を示す。取り外し可能なマウスピースは、エアロゾル発生物品、例えば、図9を参照して記載した物品800の挿入および取り外しを可能にするために取り外され得る。マウスピースは、ポリマーまたは紙材料から形成される管の形態であることが好ましく、使用時にユーザーがエアロゾル発生装置からエアロゾルを引き出すことが意図される。取り外し可能なマウスピース1000は、ユーザーが、固有の一体型マウスピースを有するエアロゾル発生物品、例えば、図8を参照して記載したエアロゾル発生物品700を消費するときに、分注され得る。
【0118】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表す全ての数字は、全ての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、全ての範囲は、開示された最大点及び最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されてもよく、列挙されていなくてもよい。したがって、この文脈では、数AはA±10%として理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用するいくつかの事例において、Aが逸脱する量が、特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱し得る。また、全ての範囲は、開示された最大点及び最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されてもよく、列挙されていなくてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】