(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(54)【発明の名称】喫煙品用スリーブ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/57 20200101AFI20231222BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20231222BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20231222BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20231222BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20231222BHJP
A24F 40/53 20200101ALI20231222BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/40
A24F40/10
A24F40/46
A24F40/60
A24F40/53
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535408
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 IB2021061599
(87)【国際公開番号】W WO2022123540
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カーマイケル,ミスティ・ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】シアーズ,スティーブン・ベンソン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC10
4B162AC16
4B162AC22
4B162AC32
4B162AC41
4B162AC50
4B162AD02
4B162AD06
4B162AD12
4B162AD13
4B162AD16
4B162AD18
4B162AD23
4B162AD32
(57)【要約】
本開示は、喫煙品とともに使用するための温度調節スリーブを提供する。或る実施形態では、温度調節スリーブは、外側シェルと、外側シェル内に少なくとも部分的に画定され、喫煙品の少なくとも一部を受け入れるように構成された内側チャンバと、エアロゾルを放出するように構成された外側シェルを通る開口部と、外側シェル内に配置された電源と、外側シェル内に配置された少なくとも1つの制御構成要素と、内側チャンバと連通して配置された1つ以上のセンサと、内側チャンバと連通して配置された1つ以上の換気構成要素と、を含む様々な構成要素を含むことができる。或る実施形態では、本開示にかかる温度調節スリーブは、それとともに使用される喫煙品の少なくとも一部の温度の自動調整を行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙品用の温度調節スリーブであって、
外側シェルと、
外側シェル内に少なくとも部分的に画定され、喫煙品の少なくとも一部を収容するように構成された内側チャンバと、
エアロゾルを放出するように構成された、外側シェルを通る開口部と、
外側シェル内に配置された電源と、
外側シェル内に配置された少なくとも1つの制御構成要素と、
内側チャンバと連通して配置された1つ以上のセンサと、
内側チャンバと連通して配置された1つ以上の換気構成要素と、
を備え、
少なくとも1つの制御構成要素は、1つ以上のセンサによって生成された1つ以上の入力を受信するように構成され、1つ以上の入力は、内側チャンバ内の温度および内側チャンバ内の空気流のうちの一方または双方に関連し、
少なくとも1つの制御構成要素は、1つ以上の換気構成要素に出力を提供して、喫煙品の少なくとも一部の温度の自動調整を行うように構成されている、温度調節スリーブ。
【請求項2】
外側シェルは断熱材料を備える、請求項1に記載の温度調節スリーブ。
【請求項3】
断熱材料は、セラミック材料、プラスチック材料、炭素質材料、またはそれらの組み合わせである、請求項2に記載の温度調節スリーブ。
【請求項4】
少なくとも1つの制御構成要素、1つ以上のセンサ、および1つ以上の換気構成要素は電気的に連通している、請求項1に記載の温度調節スリーブ。
【請求項5】
1つ以上の換気構成要素は、それぞれ、外側シェルを通って延在する空気通路と、ダンパとを備え、ダンパは、内側チャンバへの空気の流れを可能にする開位置と、内側チャンバへの空気の流れを制限する閉位置との間で構成可能である、請求項1に記載の温度調節スリーブ。
【請求項6】
ダンパの位置は、少なくとも1つの制御構成要素によって選択的に制御されるように構成されている、請求項5に記載の温度調節スリーブ。
【請求項7】
ダンパは熱応答性材料を含む、請求項5に記載の温度調節スリーブ。
【請求項8】
熱応答性材料は、ほぼ選択された閾値温度において閉位置と少なくとも部分的に開位置との間で自発的に変化するように構成されている、請求項7に記載の温度調節スリーブ。
【請求項9】
1つ以上のセンサは、1つ以上の温度センサおよび1つ以上の流量センサを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の温度調節スリーブ。
【請求項10】
1つ以上の温度センサは熱プローブを含み、熱プローブは、内側チャンバによって受容されたときに喫煙品の少なくとも一部と熱検出関係にあるように構成される、請求項9に記載の温度調節スリーブ。
【請求項11】
少なくとも1つの制御構成要素と電気的に連通する1つ以上のヒータをさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の温度調節スリーブ。
【請求項12】
1つ以上のヒータは、少なくとも1つの制御構成要素によって選択的に作動されるように構成されている、請求項11に記載の温度調節スリーブ。
【請求項13】
1つ以上のヒータは、内側チャンバによって受容されたときに、喫煙品の少なくとも一部の1つ以上の領域と加熱関係にあるように構成されている、請求項11に記載の温度調節スリーブ。
【請求項14】
1つ以上のヒータは、1つ以上の熱電発生器を含む、請求項11に記載の温度調節スリーブ。
【請求項15】
外側シェル内に配置され、外側シェル内の開口部に対して配置された1つ以上の多孔質構造をさらに備え、開口部を通って出るエアロゾルは、1つ以上の多孔質構造を通り、かつその周りの一方または双方を通過する、請求項1~8のいずれか一項に記載の温度調節スリーブ。
【請求項16】
1つ以上の多孔質構造は、非タバコ風味付け液体、タバコ抽出物または蒸留物、香味剤、エアロゾル前駆体組成物、およびそれらの組み合わせを含有するように構成されている、請求項15に記載の温度調節スリーブ。
【請求項17】
電源は、電池およびキャパシタのうちの一方または双方を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の温度調節スリーブ。
【請求項18】
外側シェルの外面に配置された入力要素をさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の温度調節スリーブ。
【請求項19】
入力要素は、電源から温度調節スリーブの1つ以上の構成要素への電力の供給を制御することと、温度調節スリーブの作動および停止を制御することとのうちの一方または双方を行うように構成されている、請求項18に記載の温度調節スリーブ。
【請求項20】
外側シェルの外面に配置されたフィードバック要素をさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の温度調節スリーブ。
【請求項21】
フィードバック要素は、有効期限までに取られたまたは残りの吸煙回数、総吸煙時間、喫煙品に沿った様々な位置における温度勾配を示すヒートマップ、および喫煙品に沿った様々な位置における過熱および熱不足についての警告に関するフィードバックのうちの1つ以上を提供するように構成されている、請求項20に記載の温度調節スリーブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タバコ加熱製品内に含まれるタバコ材料を燃焼させることなくタバコ材料を加熱することができる、タバコ加熱製品と呼ばれることもある喫煙品および喫煙品用の付属品に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの喫煙品は、使用のためにタバコを燃焼させることに基づく、喫煙製品の改良または代替として長年にわたって提案されている。或る例示的な代替品は、固体または液体燃料が燃焼されて熱をタバコに伝達するか、または化学反応がそのような加熱源を提供するために使用される装置を含んでいる。例は、参照により本明細書に組み込まれる、Wormらによる米国特許第9,078,473号明細書に記載されている喫煙品を含む。一般に喫煙品またはタバコ加熱製品と呼ばれるそのような装置は、タバコ材料の著しい燃焼または燃焼なしにタバコ材料を加熱することを可能にする。
【0003】
喫煙品の改良または代替品の目的は、通常、かなりの量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することなく、紙巻タバコ、葉巻、またはパイプ喫煙に関連する感覚を提供することであった。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性物質を気化もしくは加熱するか、または大幅にタバコを燃焼させることなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプ喫煙の感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器、および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれるRobinsonらによる米国特許第7,726,320号明細書、およびGriffith Jr.らによる米国特許出願公開第2013/0255702号明細書、およびSearsらによる米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載された背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置および熱源を参照されたい。例えば、参照により本明細書に組み込まれるBlessらによる米国特許出願公開第2015/0220232号明細書において商品名および商業的供給源によって参照される、様々な種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電動熱源もまた参照されたい。同様にその全体が参照により本明細書に組み込まれるDePianoらによる米国特許出願公開第2015/0245659号明細書において、商品名および商業的供給源によって参照される、さらなる種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電動熱源がリスト化されている。記載されており、場合によっては市販されている他の代表的な紙巻タバコまたは喫煙品は、参照により本明細書に組み込まれる、Gerthらによる米国特許第4,735,217号明細書、Brooksらによる米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書、および米国特許第4,947,875号明細書、Countsらによる米国特許第5,060,671号明細書、Morganらによる米国特許第5,249,586号明細書、Countsらによる米国特許第5,388,594号明細書、Higginsらによる米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらによる米国特許第6,053,176号明細書、Whiteによる米国特許第6,164,287号明細書、Vogesによる米国特許第6,196,218号明細書、Felterらによる米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsによる米国特許第6,854,461号明細書、Honによる米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiによる米国特許第7,513,253号明細書、Robinsonらによる米国特許第7,726,320号明細書、Hamanoによる米国特許第7,896,006号明細書、Shayanによる米国特許第6,772,756号明細書、Honによる米国特許出願公開第2009/0095311号明細書、Honによる米国特許出願公開第2006/0196518号明細書、米国特許出願公開第2009/0126745号明細書、および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Thorensらによる米国特許出願公開第2009/0272379号明細書、Monseesらによる米国特許出願公開第2009/0260641号明細書、および米国特許出願公開第2009/0260642号明細書、Oglesbyらによる米国特許出願公開第2008/0149118号明細書および米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangによる米国特許出願公開第2010/0307518号明細書、およびHonによる国際公開第2010/091593号に記載されているものを含む。
【0004】
さらに別の点では、R.J.Reynolds Tobacco Companyによって「Premier」および「Eclipse」というブランド名で市販されているものなどの特定の種類のシガレットは、煙状エアロゾルを生成するための熱を発生する可燃性燃料源(例えば、炭素質燃料要素)を組み込んでいる。例えば、Sensabaughらによる米国特許第4,793,365号明細書、Clearmanらによる米国特許第5,183,062号明細書、およびRiggsらによる米国特許第5,551,451号明細書、ならびにCantrellらによる米国特許出願公開第2007/0023056号明細書、Crooksらによる米国特許出願公開第2007/0215167号明細書、およびBanerjeeらによる米国特許出願公開第2007/0215168号明細書に記載された喫煙品の種類を参照されたい。これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
タバコ、タバコ由来材料、または他の植物由来材料を加熱することによって、かなりの程度の燃焼または燃焼を伴わずに喫煙の味および感覚を生じる物品は、一貫性のない有害な性能特性を被っている。場合によっては、一部の喫煙品、特に従来の巻紙材料を使用する喫煙品は、巻紙材料に近接する燃料源によって達成される高温のために、点火可能な燃料源を覆う巻紙材料の焼け焦げも生じやすい。一般に、喫煙品の過熱はまた、内部タバコ材料の望ましくない焼け焦げまたは燃焼を引き起こす可能性がある。これは、一部の消費者にとって喫煙経験の楽しみを減らす可能性があり、喫煙品のエアロゾル送達構成要素によって消費者に送達される香味をマスクするか、または望ましくない変更を行う可能性がある。さらなる例では、従来の種類の喫煙品は、(例えば、炭素燃焼の生成物として)使用中に比較的有意なレベルのガス、例えば一酸化炭素および/または二酸化炭素を生成する可能性がある。さらに別の例では、従来の種類の喫煙品は、エアロゾル形成構成要素をエアロゾル化することに関して性能が低いという問題を抱えることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第9,078,473号明細書
【特許文献2】米国特許第7,726,320号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2015/0220232号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2015/0245659号明細書
【特許文献7】米国特許第4,735,217号明細書
【特許文献8】米国特許第4,922,901号明細書
【特許文献9】米国特許第4,947,874号明細書
【特許文献10】米国特許第4,947,875号明細書
【特許文献11】米国特許第5,060,671号明細書
【特許文献12】米国特許第5,249,586号明細書
【特許文献13】米国特許第5,388,594号明細書
【特許文献14】米国特許第5,666,977号明細書
【特許文献15】米国特許第6,053,176号明細書
【特許文献16】米国特許第6,164,287号明細書
【特許文献17】米国特許第6,196,218号明細書
【特許文献18】米国特許第6,810,883号明細書
【特許文献19】米国特許第6,854,461号明細書
【特許文献20】米国特許第7,832,410号明細書
【特許文献21】米国特許第7,513,253号明細書
【特許文献22】米国特許第7,726,320号明細書
【特許文献23】米国特許第7,896,006号明細書
【特許文献24】米国特許第6,772,756号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2009/0095311号明細書
【特許文献26】米国特許出願公開第2006/0196518号明細書
【特許文献27】米国特許出願公開第2009/0126745号明細書
【特許文献28】米国特許出願公開第2009/0188490号明細書
【特許文献29】米国特許出願公開第2009/0272379号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2009/0260641号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2009/0260642号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2008/0149118号明細書
【特許文献33】米国特許出願公開第2010/0024834号明細書
【特許文献34】米国特許出願公開第2010/0307518号明細書
【特許文献35】国際公開第2010/091593号
【特許文献36】米国特許第4,793,365号明細書
【特許文献37】米国特許第5,183,062号明細書
【特許文献38】米国特許第5,551,451号明細書
【特許文献39】米国特許出願公開第2007/0023056号明細書
【特許文献40】米国特許出願公開第2007/0215167号明細書
【特許文献41】米国特許出願公開第2007/0215168号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、紙巻タバコ、葉巻またはパイプ喫煙の感覚を、タバコ材料を過熱することなく、且つ有利な性能特性によって提供することができる、喫煙品および喫煙品用の付属品を提供することが望ましい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、喫煙品用のスリーブに関し、特に、その中に収容された喫煙品の熱調節を提供するように構成され得る温度調節スリーブに関する。本開示の一態様では、例えば、喫煙品用の温度調節スリーブは、外側シェルと、外側シェル内に少なくとも部分的に画定され、喫煙品の少なくとも一部を受け入れるように構成された内側チャンバと、外側シェルを通ってエアロゾルを放出するように構成された外側シェルを通る開口部と、外側シェル内に配置された電源と、外側シェル内に配置された少なくとも1つの制御構成要素と、内側チャンバと連通して配置された1つ以上のセンサと、内側チャンバと連通して配置された1つ以上の換気構成要素と、を備えてもよく、少なくとも1つの制御構成要素は、1つ以上のセンサによって生成された1つ以上の入力を受信するように構成され、1つ以上の入力は、内側チャンバ内の温度および内側チャンバ内の空気流の温度のうちの一方または双方に関連し、少なくとも1つの制御構成要素は、喫煙品の少なくとも一部の温度の自動調整を行うように、1つ以上の換気構成要素に出力を提供するように構成されている。
【0009】
或る実施形態では、外側シェルは、断熱材料を備えてもよい。或る実施形態では、断熱材料は、セラミックまたはプラスチック材料であってもよい。或る実施形態では、少なくとも1つの制御構成要素、1つ以上のセンサ、および1つ以上の換気構成要素は、電気的に連通している。或る実施形態では、1つ以上の換気構成要素は、それぞれ、外側シェルを通って延在する空気通路と、ダンパと、を備え、ダンパは、内側チャンバへの空気流を可能にする開位置と、内側チャンバへの空気流を制限する閉位置との間で構成可能である。或る実施形態では、ダンパの位置は、少なくとも1つの制御構成要素によって選択的に制御されるように構成されている。或る実施形態では、ダンパは、熱応答性材料を含んでもよい。或る実施形態では、熱応答性材料は、ほぼ選択された閾値温度で閉位置と開位置との間で自発的に変化するように構成されることができる。
【0010】
或る実施形態では、1つ以上のセンサは、1つ以上の温度センサおよび1つ以上の流量センサを含んでもよい。或る実施形態では、1つ以上の温度センサは、内側チャンバによって受容されたときに、喫煙品の少なくとも一部と熱検出関係にあるように構成された1つ以上の熱プローブを含む。或る実施形態では、温度調節スリーブは、少なくとも1つの制御構成要素と電気的に連通する1つ以上のヒータをさらに備えてもよい。或る実施形態では、1つ以上のヒータは、少なくとも1つの制御構成要素によって選択的に作動されるように構成されてもよい。或る実施形態では、1つ以上のヒータは、内側チャンバによって受容されたときに、喫煙品の少なくとも一部の1つ以上の領域と加熱関係にあるように構成されている。或る実施形態では、1つ以上のヒータは、1つ以上のサーミスタを含む。
【0011】
或る実施形態では、温度調節スリーブは、外側シェル内に配置され、外側シェルの開口部に対して配置された1つ以上の多孔質構造をさらに備えてもよく、開口部を通って出るエアロゾルが、1つ以上の多孔質構造を通り、およびその周りの一方または双方を通過する。或る実施形態では、1つ以上の多孔質構造は、非タバコ風味付け液体、タバコ抽出物または蒸留物、香味剤、エアロゾル前駆体組成物、およびそれらの組み合わせを含むように構成されてもよい。或る実施形態では、電源は、電池およびキャパシタのうちの一方または双方を備えてもよい。
【0012】
或る実施形態では、温度調節スリーブは、外側シェルの外面に配置された入力要素をさらに備えてもよい。或る実施形態では、入力要素は、電源から温度調節スリーブの1つ以上の構成要素への電力の供給を制御することと、温度調節スリーブの作動および停止を制御することとのうちの一方または双方を行うように構成されている。或る実施形態では、温度調節スリーブは、外側シェルの外面に配置されたフィードバック要素をさらに備えてもよい。或る実施形態では、フィードバック要素は、有効期限までに取られたおよび/または残っている吸煙の回数、総吸煙時間および/または残っている総吸煙時間、喫煙品に沿った様々な位置における温度勾配を示すヒートマップ、ならびに喫煙品に沿った様々な位置における過熱および熱不足についての警告に関する、1つ以上のフィードバックを提供するように構成されてもよい。
【0013】
本開示は、限定されないが、以下の実施形態を含む。
【0014】
実施形態1:喫煙品用の温度調節スリーブであって、温度調節スリーブは、外側シェルと、外側シェル内に少なくとも部分的に画定され、喫煙品の少なくとも一部を収容するように構成された内側チャンバと、外側シェルを通ってエアロゾルを放出するように構成された外側シェルを通る開口部と、外側シェル内に配置された電源と、外側シェル内に配置された少なくとも1つの制御構成要素と、内側チャンバと連通して配置された1つ以上のセンサと、内側チャンバと連通して配置された1つ以上の換気構成要素と、を備え、少なくとも1つの制御構成要素は、1つ以上のセンサによって生成された1つ以上の入力を受信するように構成され、1つ以上の入力は、内側チャンバ内の温度および内側チャンバ内の空気流の温度のうちの一方または双方に関連し、少なくとも1つの制御構成要素は、喫煙品の少なくとも一部における温度の自動調整を行うように1つ以上の換気構成要素に出力を提供するように構成されている。
【0015】
実施形態2:外側シェルは断熱材料を備える、実施形態1に記載の温度調節スリーブ。
【0016】
実施形態3:断熱材料はセラミックまたはプラスチック材料である、実施形態1~2のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0017】
実施形態4:少なくとも1つの制御構成要素、1つ以上のセンサ、および1つ以上の換気構成要素は電気的に連通している、実施形態1~3のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0018】
実施形態5:1つ以上の換気構成要素は、それぞれ、外側シェルを通って延びる空気通路と、ダンパとを備え、ダンパは、内側チャンバへの空気の流れを可能にする開位置と、内側チャンバへの空気の流れを制限する閉位置との間で構成可能である、実施形態1~4のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0019】
実施形態6:ダンパの位置は、少なくとも1つの制御構成要素によって選択的に制御されるように構成されている、実施形態1~5のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0020】
実施形態7:ダンパが熱応答性材料を含む、実施形態1~5のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0021】
実施形態8:熱応答性材料は、ほぼ選択された閾値温度において閉位置と開位置との間で自発的に変化するように構成されている、実施形態1~5および7のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0022】
実施形態9:1つ以上のセンサは、1つ以上の温度センサおよび1つ以上の流量センサを含む、実施形態1~8のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0023】
実施形態10:1つ以上の温度センサは1つ以上の熱プローブを含み、熱プローブは、内側チャンバによって受容されたときに喫煙品の少なくとも一部と熱検出関係にあるように構成される、実施形態1~9のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0024】
実施形態11:少なくとも1つの制御構成要素と電気的に連通する1つ以上のヒータをさらに備える、実施形態1~10のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0025】
実施形態12:1つ以上のヒータは、少なくとも1つの制御構成要素によって選択的に作動されるように構成されている、実施形態1~11のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0026】
実施形態13:1つ以上のヒータは、内側チャンバによって受容されたときに、喫煙品の少なくとも一部の1つ以上の領域と加熱関係にあるように構成されている、実施形態1~12のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0027】
実施形態14:1つ以上のヒータは1つ以上のサーミスタを含む、実施形態1~13のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0028】
実施形態15:外側シェル内に配置され、外側シェル内の開口部に対して配置された1つ以上の多孔質構造をさらに備え、開口部を通って出るエアロゾルが、1つ以上の多孔質構造を通り、かつその周りの一方または双方を通過するようにする、実施形態1~14のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0029】
実施形態16:1つ以上の多孔質構造は、非タバコ風味付け液体、タバコ抽出物または蒸留物、香味剤、エアロゾル前駆体組成物、およびそれらの組み合わせを含有するように構成されている、実施形態1~15のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0030】
実施形態17:電源は、電池およびキャパシタのうちの一方または双方を備える、実施形態1~16のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0031】
実施形態18:外側シェルの外面に配置された入力要素をさらに備える、実施形態1~17のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0032】
実施形態19:入力要素は、電源から温度調節スリーブの1つ以上の構成要素への電力の供給を制御することと、温度調節スリーブの作動および停止を制御することとのうちの一方または双方を行うように構成されている、実施形態1~18のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0033】
実施形態20:外側シェルの外面に配置されたフィードバック要素をさらに備える、実施形態1~19のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0034】
実施形態21:フィードバック要素は、有効期限までに取られたまたは残りの吸煙回数、総吸煙時間または有効期限までに残っている総吸煙時間、喫煙品に沿った様々な位置における温度勾配を示すヒートマップ、および喫煙品に沿った様々な位置における過熱および熱不足についての警告に関するフィードバックを提供するように構成されている、実施形態1~20のいずれかに記載の温度調節スリーブ。
【0035】
本開示のこれらのおよび他の特徴、態様、および利点は、以下に簡単に記載される添付の図面とともに以下の詳細な説明を読むことから明らかになろう。本発明は、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の上述した実施形態の任意の組み合わせ、ならびにそのような特徴または要素が本明細書における特定の実施形態の説明において明示的に組み合わせられるかどうかにかかわらず、本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の組み合わせを含む。本開示は、その様々な態様または実施形態のいずれかにおいて、開示された発明の任意の分離可能な特徴または要素が、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り組み合わせ可能としてみなされるべきであるように、全体的に読まれるように意図される。
【0036】
上記の一般用語で本開示の態様をそのように説明してきたが、ここで、必ずしも縮尺どおりに描かれていない添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本開示の例示的な実施形態にかかる、喫煙品とともに使用するための温度調節スリーブの側面断面図を示している。
【
図2】本開示の例示的な実施形態にかかる、1つ以上の温度センサと、1つ以上の流量センサと、1つ以上のヒータと、少なくとも1つの制御構成要素および電源と電気的に連通する1つ以上の換気構成要素とを含む熱調節構成要素の強調図を示している。
【
図3】本開示の例示的な実施形態にかかる、外側シェルを通る空気通路およびダンパの双方を含む例示的な換気構成要素の切欠斜視図を示している。
【
図4】本開示の例示的な実施形態にかかる、喫煙品とともに使用するための温度調節スリーブの側面断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本開示は、その例示的な実施形態を参照して、以下においてより完全に記載される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的且つ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、「the」などは、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。また、本明細書では、量的尺度、値、幾何学的関係などに言及する場合があるが、特に明記しない限り、任意の1つ以上は、これらの全てではないにしても、技術公差などに起因するものなど、発生する可能性のある許容可能な変動を説明するために絶対的または近似的であることがある。
【0039】
以下に記載されるように、本開示の例示的な実施形態は、喫煙品とともに使用するための温度調節スリーブに関する。本明細書で使用される場合、「喫煙品」という用語は、その物品および/または装置のいかなる構成要素も実質的な程度に燃焼することなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという多くの感覚(例えば、吸入および呼気の形式、味または風味の種類、感覚刺激効果、体感、使用法、目に見えるエアロゾルによって提供されるものなどの視覚的合図など)を提供する物品および/または装置を意味することを意図している。本明細書で使用される場合、「喫煙品」という用語は、動作中に、物品または装置が、タバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるエアロゾルの意味で煙を生成することを必ずしも意味するのではなく、むしろ、物品または装置が、物品および/または装置の特定の構成要素、要素などの揮発または気化から生じる蒸気(煙状と記載されると考えられることができる目に見えるエアロゾルであると考えられるエアロゾル内の蒸気を含む)を生成することを意味する。或る実施形態では、本明細書で使用される喫煙品は、例えば一般に非燃焼加熱(HNB)装置、カーボンタバコ加熱製品(cTHP)、および電気タバコ加熱製品(eTHP)と呼ばれるような、タバコ加熱製品(THP)の形態であってもよい。本開示の任意の部分または全てが組み込まれることができるそのような装置の非限定的な例は、Sensabaughらによる米国特許第4,793,365号明細書、Clearmanらによる米国特許第5,183,062号明細書、Riggsらによる米国特許第5,551,451号明細書、ならびにCantrellらによる米国特許出願公開第2007/0023056号明細書、Crooksらによる米国特許出願公開第2007/0215167号明細書、およびBanerjeeらによる米国特許出願公開第2007/0215168号明細書に記載されており、これらは、全て参照により本明細書に完全に組み込まれる。本開示の温度調節スリーブは、特にカーボンチップTHP製品を組み込んだ実施形態に関して本明細書で以下に一般的に記載されるが、機構、構成要素、特徴、および方法は、多くの異なる形態で具体化され、本明細書で上述したように様々な喫煙品に関連付けられ得ることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される喫煙品用の温度調節スリーブを提供する機構、構成要素、特徴、および方法の説明は、単なる例として、カーボンチップタバコ加熱製品に関する実施形態に関して説明されており、様々な他の喫煙品とともに具体化および使用されてもよいことを理解されたい。
【0040】
本開示の特定の態様によれば、使用が容易であり、再使用可能な構成要素を提供する喫煙品を提供することが有利となり得る。或る実施形態では、そのような喫煙品は、1つ以上の取り外し可能なカートリッジ(例えば、少なくとも可燃性炭素質材料と、例えばタバコなどの基材材料とを含む)およびホルダを含んでもよい。本開示の温度調節スリーブ(例えば、本明細書に記載の喫煙品として使用される)とともに使用され得るホルダおよび取り外し可能なカートリッジ構成の或る例は、2018年7月13日に出願された、「Smoking Article with Detachable Cartridge」と題する米国特許出願第16/035,103号、2019年7月18日に出願された、「Aerosol Delivery Device with Consumable Cartridge」と題する米国特許出願第16/515,637号、2019年7月19日に出願された、「Holder for Aerosol Delivery Device with Detachable Cartridge」と題する米国特許出願第16/516,573号、2019年7月19日に出願された、「Aerosol Delivery Device with Sliding Sleeve」と題する米国特許出願第16/516,601号、2019年7月19日に出願された、「Aerosol Delivery Device with Clamshell Holder for Cartridge」と題する米国特許出願第16/516,621号、7月19日に出願された、「Aerosol Delivery Device with Rotatable Enclosure for Cartridge」と題する米国特許出願第16/516,821号、および2019年7月19日に出願された、「Aerosol Delivery Device with Separable Heat Source and Substrate」と題する米国特許出願第16/516,932号に記載されており、そのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。或る実施形態では、ホルダまたは取り外し可能なカートリッジ(および/またはそれらのサブ構成要素のいずれか)の一方または双方は、例えば、限定されないが、実質的に長方形の直方体形状などの実質的に長方形の形状、実質的に円筒形の形状、小さい箱形状、様々なポッドモッド(pod mod)形状、フォブ形状、および/または様々な他のハンドヘルド形状を含む様々な形状を有してもよい。
【0041】
或る実施形態では、これらの喫煙品は、蒸気生成品または薬剤送達品として特徴付けられ得る。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態の1つ以上の物質(例えば、香味剤、ニコチンおよび/または活性成分)を提供するように適合されてもよい。例えば、吸入可能物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であってもよい。あるいは、吸入可能物質は、エアロゾル(すなわち、気体中の微細な固体粒子または液滴の懸濁液)の形態であってもよい。簡潔にするために、本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、可視であるかどうか、および煙のようにみなすことができる形態であるかどうかにかかわらず、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、ガス、およびエアロゾルを含むことが意味される。
【0042】
上述したように、本開示の温度調節スリーブは、或る実施形態では、タバコ加熱製品、例えば、吸入可能な物質(例えば、カーボンチップ加熱タバコ製品など)を形成するために材料を加熱するために着火性熱源を使用する製品とともに使用するように構成されてもよい。そのような喫煙品では、材料は、一般に、材料を有意な程度まで燃焼させることなく加熱される。すなわち、様々な喫煙品の構成要素の使用は、エアロゾルが主にタバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるという意味で煙の生成をもたらさず、むしろ、これらの好ましいシステムの使用は、その中に組み込まれたタバコの燃焼または燃焼を伴わない加熱から生じる蒸気の生成をもたらす。或る例示的な実施形態では、本明細書で以下にさらに記載される様々な実施形態において使用するのに適した喫煙品は、非燃焼加熱式シガレットとして特徴付けられてもよく、これらの非燃焼加熱式タバコは、最も好ましくはタバコおよび/またはタバコ由来成分を組み込み、したがってエアロゾル形態のタバコ由来成分を送達する。喫煙品自体は、そのいずれかの成分のかなりの程度の燃焼を何ら伴わずにタバコを点火して燃焼させることによって(したがって、タバコの煙を吸い込むことによって)使用されるタバコ、葉巻、またはパイプ喫煙の多くの感覚(例えば、吸入および呼気行為、味または風味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用行為、視認可能なエアロゾルによって提供されるような視覚的合図など)を提供してもよい。例えば、本開示の或る例示的な実施形態にかかる喫煙品のユーザ(例えば、本開示にかかる温度調節スリーブと組み合わせて使用される場合)は、喫煙者が従来の種類の喫煙品を使用するのと同じようにその装置を保持して使用し、その部品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙するなどをすることができる。
【0043】
有利には、本開示にかかる温度調節スリーブは、(例えば、内部タバコ材料の望ましくない焼け焦げおよびタバコ棒の先端紙の炭化を引き起こす)喫煙品の過熱を実質的に防止する、および/または(例えば、喫煙品の一部が過熱され、喫煙品の一部が熱不足にされることをもたらす可能性がある)喫煙品の長さに亘る様々な位置での不均一な加熱を実質的に防止するように適合または構成されることができる。喫煙品の過熱を実質的に防止することによって、本開示のスリーブは、負の感覚属性の形成および/またはその中に含まれるタバコ材料からの1つ以上の化合物、特に不完全燃焼(または熱分解)および/または熱によるタバコの分解(すなわち、熱を生じる分解)から生じる可能性がある化合物の放出を低減または防止するのに有用となることができる。或る実施形態では、本開示にかかる温度調節スリーブは、様々な喫煙品の温度調節を提供し、特に、そのような喫煙品およびその中に設けられた構成要素の過熱または炭化を防止するように構成されてもよい。
【0044】
本開示の一態様では、温度調節スリーブ100は、例えば
図1に示す実施形態などの外側シェル102を備えてもよい。或る実施形態では、外側シェル102の一部または全部は、例えば、断熱材料などの軽量および/または熱的に安定な材料を具備してもよい。或る実施形態では、例えば、外側シェルは、外面に触れると熱くなることなく温度調節スリーブ内に熱を保持する断熱品質を提供することとしてもよい。或る実施形態では、外側シェルは、薄肉であることを特徴としてもよい。或る実施形態では、外側シェルは、2つ以上の構成要素を含んでもよく、例えば、外側シェル102は、例えば
図1に示すように、外側ケーシング102aおよび内側ライニング102bを備えてもよい。そのような実施形態では、外側ケーシングおよび内側ライニングのうちの一方または双方は、断熱材料を具備してもよい。例えば、或る実施形態では、内側ライニングは、断熱材料を備えてもよく、外側ケーシングは、より費用効果の高い非断熱材料を備えてもよい。或る実施形態では、内側ライニングは、例えば、喫煙品を収容する内側チャンバの部分にのみ存在してもよい。外側シェル、または外側ケーシングおよび/またはその内側ライニングに使用される断熱材料の種類は変更してもよい。一般に、適切な材料は、例えば、セラミック、ポリマー材料、プラスチック系材料、炭素質材料などを含有してもよい。或る実施形態では、外側シェルまたはケーシングは、限定されないが、絶縁ポリマー(例えば、プラスチックまたはセルロース)、ガラス、ゴム、セラミック、磁器、二重壁真空構造、またはそれらの任意の組み合わせを含む非導電性絶縁材料および/または構造を備えてもよい。特定の他の実施形態では、外側シェルまたはケーシングは、例えば木材または木材ベースの複合材などの炭素質材料を含有してもよい。
【0045】
或る実施形態では、温度調節スリーブは、外側シェル102内に配置された電源104を含んでもよい。例えば、電源は、例えば、加熱源への電力供給、1つ以上のセンサへの電力供給、制御システムへの電力供給、インジケータへの電力供給など、温度調節スリーブに様々な機能を提供するのに十分な電流を供給することができる電池または他の電源の形態であってもよい。これらおよび他の機能については、本明細書でさらに説明される。或る実施形態では、電源は、温度調節スリーブ内のこれらの1つ以上の構成要素を迅速に作動させ、所望の期間にわたって使用することによって温度調節スリーブに電力を供給するのに十分な電力を供給するように適合または構成されてもよい。或る実施形態では、電源は、温度調節スリーブを容易に取り扱うことができるように、例えば、温度調節スリーブが喫煙品自体よりも著しく大きくならないように、温度調節スリーブ内に都合よく収まるようなサイズである。有用な電源の例は、充電式とし得るリチウムイオン電池、例えば、充電式リチウム-二酸化マンガン電池を含む。特に、リチウムポリマー電池は、そのような電池が安全性を高めることができるため、使用されることができる。他の種類の電池、例えば、N50-AAA CADNICAニッケル-カドミウム電池が使用されてもよい。さらに、電源は、望ましい喫煙経験を損なわないように十分に軽量としてもよい。いくつかの適切な電源の例は、Peckerarらによる米国特許第9,484,155号明細書、および2015年10月21日に出願されたSurらによる米国特許出願公開第2017/0112191号明細書に記載されており、その開示は、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
或る実施形態では、電源は、例えば、固体電池、薄膜固体電池、充電式スーパーキャパシタなどを含んでもよく、壁充電器への接続、自動車充電器への接続、コンピュータへの接続、太陽電池のソーラーアレイ、無線充電器、または他の適切な充電接続を含む任意の種類の再充電技術と組み合わせられることができる再使用可能および/または再充電可能な電源であってもよい。例えば、或る実施形態では、温度調節スリーブは、適切な充電器に接続するために、およびいくつかの例では、通信のために他の周辺機器に接続するために、複数の異なる端子、電気コネクタなどのいずれかを含んでもよい。より具体的な適切な例は、円筒形コネクタなどの直流(DC)コネクタ、USB 1.x(例えば、Type A、Type B)、USB 2.0およびその更新および追加(例えば、Mini A、Mini B、Mini AB、Micro A、Micro B、Micro AB)およびUSB 3.x(例えば、Type A、Type B、Micro B、Micro AB、Type C)によって指定されるものを含むシガーライターのコネクタおよびUSBコネクタ、ならびにAppleのLightningコネクタなどの独自のコネクタなどを含む。温度調節スリーブは、充電器または他の周辺機器と直接接続してもよく、または2つは、適切なコネクタも有する適切なケーブルを介して接続してもよい。2つがケーブルによって接続される例では、スリーブおよび充電器または他の周辺機器は、1つの種類のコネクタまたは双方の種類のコネクタを有するケーブルと同じまたは異なる種類のコネクタを有してもよい。
【0047】
誘導給電充電を含む例では、温度調節スリーブは、無線充電技術が装備されてもよい。例えば、温度調節スリーブは、誘導無線充電技術をサポートするように構成され、誘導送信機を含み、誘導無線充電(例えば、ワイヤレスパワーコンソーシアム(WPC)からのQi無線充電規格による無線充電を含む)を使用する無線充電器、充電パッドなどと接続するための誘導受信機を含んでもよい。あるいは、電源は、無線周波数(RF)ベースの充電器から再充電されてもよい。誘導無線充電システムの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Surらによる米国特許出願公開第2017/0112196号明細書に記載されている。
【0048】
電源を再充電技術に接続するために1つ以上の接続が使用されてもよく、或るものは、充電ケース、クレードル、ドック、スリーブなどを含んでもよい。より具体的には、例えば、温度調節スリーブの外側シェルは、電源に接続するためのUSBコネクタを含むクレードルと係合するように構成されてもよい。あるいは、別の例では、外側シェルは、電源に接続するためのUSBコネクタを含むスリーブ内に嵌合し、スリーブと係合するように構成されてもよい。これらおよび同様の例では、USBコネクタは、電源に直接接続されてもよく、またはUSBコネクタは、適切な電源アダプタを介して電源に接続されてもよい。
【0049】
或る実施形態では、電源は、電池およびキャパシタの双方を備えてもよい。キャパシタは、電池よりも迅速に放電することができ、吸煙の間に充電することができ、電池が温度調節スリーブに直接電力を供給するために使用される場合よりも低い速度でキャパシタ内に放電することを可能にする。例えば、スーパーキャパシタ、例えば、電気二重層キャパシタ(EDLC)は、電池とは別に、または電池と組み合わせて使用されることができる。単独で使用される場合、スーパーキャパシタは、温度調節スリーブを使用する前に再充電されることができる。したがって、或る実施形態では、温度調節スリーブはまた、キャパシタを補充するために使用の間に温度調節スリーブに取り付けられることができる充電器構成要素を含むことができる。
【0050】
或る実施形態では、温度調節スリーブの外側シェル102は、喫煙品108の少なくとも一部を収容するように構成された内側チャンバ106と、エアロゾル(例えば、使用中に喫煙品によって生成されるエアロゾル)が通過するように構成された第1の開口部110とを画定してもよい。或る実施形態では、外側シェルは、内側チャンバ106内に少なくとも部分的に喫煙品を収容するように構成された第2の開口部112を含んでもよく、喫煙品は、吸口端114および点火端116(例えば、喫煙品が炭素タバコ加熱製品である場合の可燃性カーボンチップ、または任意の他の種類の熱源)を有する。上述したように、内側チャンバ106は、喫煙品の少なくとも一部を収容することができ、例えば、内側チャンバは、喫煙品の少なくとも第1の部分118を内部に保持するように構成されてもよい(例えば、喫煙品の第1の部分は、例えばタバコ材料などの基材材料を少なくとも含む)。例えば、喫煙品108は、喫煙品の吸口端114が外側シェルの第1の開口部110と機能的に位置合わせされるように、第2の開口部112に挿入されることができる。そのような機能的位置合わせは、喫煙品108の吸口端114を通っておよび/または吸口端から引き出された蒸気/エアロゾルが、第1の開口部110におよびそれを通って伝達され得るような構成とすることができる。或る実施形態では、喫煙品の吸口端114は、具体的には、外側シェルの第1の開口部110に近接して配置されてもよい。好ましくは、喫煙品108が内側チャンバ106内に完全に挿入されると、喫煙品の点火端116を含む第2の部分120は、外側シェルの第2の開口部112の外側に露出される。或る実施形態では、内側チャンバは、1つ以上のリッジ(例えば、
図1の121に示すような)を備えてもよく、リッジは、外側シェルの内壁123に沿って配置され、外側シェルへの挿入後に喫煙品を定位置に少なくとも一時的に保持するように構成される。或る実施形態では、例えば、
図1に示すように、複数のリッジが、内側チャンバの内壁123に沿って長手方向に延在し、喫煙品を受け入れる際に確実な嵌合を提供することができる。或る実施形態では、内側チャンバは、追加的または代替的に、喫煙品が内側チャンバ内に所定の距離を超えて挿入されるのを防止するために、外側シェルの内壁123に配置された1つ以上の深さガイド(例えば、
図1の122に示すように)を備えてもよい。
【0051】
本開示の温度調節スリーブ内の構成要素の位置合わせは、異なる実施形態にわたって変更してもよいことに留意されたい。様々な実施形態では、温度調節スリーブ、温度調節スリーブ内の構成要素、およびそれとともに使用される喫煙品は、限定されないが、略棒状または略管状であると定義され得る全体形状を含む、様々な全体形状を有してもよい。或る実施形態では、例えば、外側シェルおよび内側チャンバは、略円筒形の形状であってもよい。他の実施形態では、温度調節スリーブ(および/または任意のサブ構成要素)は、他のハンドヘルド形状を有してもよい。例えば、或る実施形態では、温度調節スリーブは、小さい箱形状、略長方形の直方体形状、様々なポッドモッド形状、またはフォブ形状を有してもよい。温度調節スリーブおよび、それとともに使用される喫煙品は、様々な断面形状(例えば、円形、楕円形、正方形、三角形など)を有してもよく、その全てが本開示に包含されることが意図されている。したがって、物品の物理的形状を記述する任意の文言は、本明細書に記載されるような様々な実施形態において、その個々の構成要素にも適用され得る。
【0052】
或る実施形態では、本開示にかかる温度調節スリーブ100は、外側シェル102内に配置された少なくとも1つの制御構成要素124と、内側チャンバ106(例えば、
図1に示すように)と連通して配置された熱調節構成要素126とを備えてもよい。本明細書でさらに説明されるように、熱調節構成要素は、限定されないが、1つ以上のセンサ(例えば、温度および/または流量センサ)、1つ以上の換気構成要素、および/または1つ以上のヒータを含む、異なる実施形態の様々な異なる個々の構成要素を含んでもよい。一般に、熱調節構成要素は、本明細書でさらに説明されるように、少なくとも1つのセンサおよび少なくとも1つの換気構成要素を含む。少なくとも1つの制御構成要素124は、本明細書でさらに説明されるように、電源104および温度調節スリーブ内の1つ以上の追加の構成要素と電気的に連通してもよい。或る実施形態では、温度調節スリーブは、温度調節スリーブ内の特定の構成要素の機能を個別にまたは組み合わせて制御する複数の制御構成要素を含んでもよい。本明細書でさらに説明されるように、例えば、少なくとも1つの制御構成要素は、温度調節スリーブ内の1つ以上の構成要素から入力データ(例えば、スリーブ内の温度および/または流れに関する1つ以上のセンサからの入力など)を受信し、受信したデータを処理し、熱調節構成要素の1つ以上の構成要素(例えば、1つ以上の換気構成要素および/または1つ以上のヒータ)に出力を(例えば、電子フィードバックの形態で)送信して、最終的に喫煙品の少なくとも一部の温度の自動調整を行うように構成されてもよい。
【0053】
適切な制御構成要素は、或る電子構成要素を含んでもよく、或る例では、プリント回路基板(PCB)から形成されてもよい。或る例では、電子構成要素は、1つ以上の実施例にしたがって、データ処理、アプリケーション実行、または他の処理、制御、もしくは管理サービスを実行するように構成された処理回路を含む。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサコア、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または、例えばASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、それらのいくつかの組み合わせなどの1つ以上の集積回路を含む様々な他のコンピューティングもしくは処理装置などの様々な形態で具体化されるプロセッサを含んでもよい。或る例では、処理回路は、プロセッサに結合または統合され、データ、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム命令、それらのいくつかの組み合わせなどを記憶することができるメモリを含んでもよい。
【0054】
或る例示的な実施形態では、制御構成要素は、処理回路に結合または統合され得る1つ以上の入力/出力周辺機器を含んでもよい。より具体的には、制御構成要素は、1つ以上のネットワーク、コンピューティング装置、または他の適切にイネーブルされた装置との無線通信を可能にするための通信インターフェースを含んでもよい。適切な通信インターフェースの例は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、Marionらによる米国特許出願公開第2016/0261020号明細書に開示されている。適切な通信インターフェースの別の例は、Texas Instruments製のCC3200シングルチップ無線マイクロコントローラユニット(MCU)である。温度調節スリーブを無線通信するように構成されることができる適切な方法の追加の例は、そのそれぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Ampoliniらによる米国特許出願公開第2016/0007651号明細書、およびHenry,Jr.らによる米国特許出願公開第2016/0219933号明細書に開示されている。追加の制御構成および構成要素(例えば、1つ以上の入力またはフィードバック要素など)は、本明細書で以下により詳細に説明され、本明細書で説明されるように温度調節スリーブの実施形態に組み込まれることができる。
【0055】
上述したように、或る実施形態では、熱調節構成要素126は、例えば、1つ以上のセンサおよび1つ以上の換気構成要素などの、様々な異なる構成要素をその中に含んでもよい。或る実施形態では、熱調節構成要素およびその構成要素は、喫煙品108の第1の部分118の少なくとも一部と熱的に連通するように、外側シェルの内側チャンバ106と連通して配置されてもよい。例えば、熱調節構成要素126は、喫煙品の第1の部分108または喫煙品の全長の約10%~約90%、約20%~約80%、または約30%~約70%を包含する喫煙品118の部分と熱的に連通するように配置されてもよい。熱調節構成要素126は、単一の要素であってもよく、または例えば
図2に示すように、ともに構成要素を形成する複数の個々の要素から構成されてもよい。本明細書で使用される「熱調節構成要素」は、(例えば、直接的/間接的な加熱、スリーブ内の空気流の増加/減少、スリーブ内の温度の増加/減少などによって)喫煙品の第1の部分の温度の自動調整を行うことができる任意の構成要素、または構成要素の組み合わせを指す。例えば、熱調節構成要素は、例えば、1つ以上の温度センサ、および/または1つ以上の流量センサ、および/または1つ以上のヒータ、および/または1つ以上の換気構成要素、および/または1つ以上の追加の構成要素など、様々な異なる個々の構成要素または構成要素の組み合わせを含んでもよい。そのような構成要素は、様々な異なる構成および組み合わせで使用されてもよく、温度調節構成要素内の構成要素の特定の構成および/または組み合わせは、本明細書に具体的に提示されたものに限定されることを意図しないことに留意されたい。例えば、温度調節スリーブ内で使用するための特定の構成要素の選択は、一般に、喫煙品の種類、個々の構成要素の種類、スリーブの所望の機能性などに応じて変更してもよい。
【0056】
或る実施形態では、熱調節構成要素126は、少なくとも1つの制御構成要素124および/または電源104と電気的に連通してもよい。熱調節構成要素126が複数の個々の構成要素を備える実施形態では、例えば、それらの構成要素の一部または全部は、互いに、ならびに少なくとも1つの制御構成要素および電源と電気的に連通してもよい。
図2に示すように、例えば、破線は、制御構成要素、電源、および熱調節構成要素の様々な構成要素(例えば、126とラベル付けされたボックスによって強調表示された、その様々な構成要素を含む全体的な熱調節構成要素)の間の電気的接続を表す。そのような実施形態では、少なくとも1つの制御構成要素は、全体的な熱調節構成要素126を形成するこれらの1つ以上の構成要素からの入力/フィードバックに基づいて温度調節スリーブの様々な機能を制御するように構成されてもよい。或る実施形態では、熱調節構成要素126は、1つ以上のセンサ(例えば、1つ以上の温度センサ128、1つ以上の流量センサ130、およびそれらの組み合わせなど)ならびに1つ以上の換気構成要素132を含んでもよい。
【0057】
或る実施形態では、熱調節構成要素126は、1つ以上の温度センサ128を含んでもよい。或る実施形態では、1つ以上の温度センサ128は、(例えば、少なくとも1つの制御構成要素が、1つ以上の温度センサによって生成された温度に関する入力を受信するように)少なくとも1つの制御構成要素124および任意に温度調節スリーブ内の1つ以上の追加構成要素と電気的に連通していてもよい。例えば、少なくとも1つの制御構成要素は、1つ以上の温度センサから温度読取値を受信するように構成されている。或る実施形態では、1つ以上の温度センサは、外側シェル102の内壁123に沿って選択的に配置される。或る実施形態では、1つ以上の温度センサは、内側チャンバによって受容されたときに、喫煙品の少なくとも一部と熱検出関係にあるように構成された1つ以上の熱プローブを含むことができる。1つ以上の温度センサは、外側シェル内に完全にまたは少なくとも部分的に陥凹されていてもよい。しかしながら、或る実施形態では、個々の温度センサの一部は、外側シェルから内側に距離を置いて延在することができる(すなわち、内側チャンバ106に向かって内側に向けられている)。喫煙品内の温度センサおよびその構成の例は、一般に、Searsらによる米国特許第10,117,460号明細書およびBlessらによる米国特許第10,226,073号明細書に詳細に記載されており、双方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
或る実施形態では、熱調節構成要素126は、追加的または代替的に、1つ以上の流量センサ130を含んでもよい。本明細書で使用される「流量センサ」は、一般に、空気流量を測定/検知することができるセンサを指し、本明細書で使用される「流量」は、一般に、空気流量を指す。本明細書で参照される1つ以上の流量センサによって測定される流量は、一般に、そのセンサを横切る、より具体的には外側シェルの内壁と喫煙品との間の空気流量を指すことに留意されたい。或る実施形態では、1つ以上の流量センサ130は、(例えば、少なくとも1つの制御構成要素が、1つ以上の流量センサによって生成された空気流/流量に関する入力を受信するように)少なくとも1つの制御構成要素124および任意に温度調節スリーブ内の1つ以上の追加の構成要素と電気的に連通していてもよい。例えば、少なくとも1つの制御構成要素は、1つ以上の流量センサから流量読み取り値を受信するように構成されることができる。或る実施形態では、1つ以上の流量センサは、外側シェルの内壁123に沿って長手方向に選択的に配置されてもよい。喫煙品内の空気流量センサおよびその構成の例は、一般に、Searsらによる米国特許第10,117,460号明細書およびBlessらによる米国特許第10,226,073号明細書に詳細に記載されており、双方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0059】
或る実施形態では、熱調節構成要素126は、少なくとも1つの制御構成要素124および任意に温度調節スリーブ内の少なくとも1つ以上の他の構成要素と連通する1つ以上の換気構成要素132を含んでもよい。或る実施形態では、1つ以上の換気構成要素132は、それぞれ、外側シェル102の内壁123から外側シェル102の外壁125まで延在する空気通路132aと、ダンパ132b(例えば、
図3に示すように)とを備える。或る実施形態では、空気通路は、単に空隙、または管状切欠、または外側シェル102の全体を貫通する孔の形態であってもよい。例えば、
図3の直線状の破線は、空気通路132aを形成する外側シェル102の外壁125および内壁123の空隙を表す。或る実施形態では、ダンパ132bは、空気通路を一時的に遮断することができるゲート、フラップ、または格納式構成要素の形態であってもよい。
【0060】
或る実施形態では、ダンパは、(空気通路を介して)内側チャンバに出入りする空気流を可能にする開位置と、(空気通路を介して)内側チャンバに流入する空気流を制限する閉位置との間で構成可能とすることができる。一般に、ダンパは、空気通路が少なくとも部分的に開いているときに開位置にあると考えられ、空気通路を通して内側チャンバへの少なくともいくらかの空気流を可能にする。例えば、ダンパは、空気通路の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または実質的に全て(100%)が遮られないように、開位置において構成可能であってよい。或る実施形態では、空気通路の閉塞率は、温度調節スリーブに出入りする空気の所望の流量に基づいて、少なくとも1つの制御構成要素によって制御されてもよい。例示的な実施形態にかかるダンパ132bの開位置(または部分開位置)と閉位置との間の移動は、例えば、ダンパが開位置(部分開位置を含む)または閉位置のいずれかにあるように構成されることができるように単一の軸線に沿って回転可能となり得ることを示す、
図3の破線の楕円によって表される。そのような構成は、限定を意味するものではなく、例えば、或る実施形態では、ダンパは、ダンパが100%開放しいているときに完全に遮られない空気通路を提供するように外側シェル内に引き込まれることができる。
【0061】
或る実施形態では、例えば、ダンパの位置は、1つ以上の温度センサおよび/または1つ以上の流量センサから受信した温度および/または流量読取値に基づいて、少なくとも1つの制御構成要素によって選択的に制御されるように構成されている(例えば、少なくとも1つの制御構成要素は、1つ以上のセンサによって生成された温度および/または空気流に関する入力を受信するように構成され、1つ以上の換気構成要素に出力を提供して、喫煙品の第1の部分の少なくとも1つの温度の自動調整を行うように構成されている)。例えば、温度調節スリーブ内の温度が閾値量を超える場合、少なくとも1つの制御構成要素は、換気構成要素のうちの1つ以上を開くことによって喫煙品の第1の部分の温度の自動調整を行うこととしてもよい。同様に、温度調節スリーブ内の温度が閾値量を下回る場合、少なくとも1つの制御構成要素は、(例えば、スリーブ内により多くの熱を保持するために)換気構成要素のうちの1つ以上を閉じることによって喫煙品の第1の部分の温度の自動調整を行うこととしてもよい。ダンパの調整および/または制御は、そのような制御構成によって限定されることを意味せず、他の制御構成が考えられる。例えば、ダンパの動作およびそれらの制御構成は、それとともに使用される喫煙品の性質に応じて変更してもよい。例えば、喫煙品が潜在的に可燃性の材料を含有する特定の実施形態では、可燃性材料への酸素の接近を抑制するために、ダンパを(少なくとも部分的に)閉じることが有利となり得る。そのような実施形態では、温度センサは、例えば、新生の望ましくない燃焼の指標として機能する。
【0062】
少なくとも1つの制御構成要素が喫煙品の第1の部分の温度の自動調整をもたらし得る閾値温度は、温度調節スリーブの所望の用途に応じて変更してもよい。或る実施形態では、例えば、閾値温度が、望ましくない熱分解または燃焼副生成物が形成される最低温度にほぼ等しいことが有利となり得る。したがって、閾値温度は、温度調節スリーブとともに使用される喫煙品の種類に基づいて変更してもよい。或る実施形態では、閾値温度は、約100℃~約300℃、または約150℃~約200℃の範囲であってもよい。或る実施形態では、閾値温度は、250℃未満、225℃未満、200℃未満、175℃未満、150℃未満、または125℃未満であってもよい。
【0063】
他の実施形態では、ダンパは、完全に、または少なくとも部分的に、所定の温度で活性化される熱応答性材料の形態であってもよい。そのような実施形態では、熱応答性材料は、(例えば、喫煙品の第1の部分の温度の自動調整を行うために)熱応答性材料の表面温度が閾値温度を超えると、閉位置から開位置(または部分開位置)に、およびその逆に変化するように構成されてもよい。適切となり得る例示的な熱応答性材料は、熱応答性ポリマー材料、熱応答性熱可塑性材料、熱応答性金属材料、二層金属材料などを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0064】
熱応答性材料がトリガされる閾値温度は、温度調節スリーブの所望の用途に応じて変更してもよい。或る実施形態では、例えば、閾値温度が、望ましくない熱分解または燃焼副生成物が形成される最低温度にほぼ等しいことが有利となり得る。したがって、閾値温度は、温度調節スリーブとともに使用される喫煙品の種類に基づいて変更してもよい。或る実施形態では、閾値温度は、約100℃~約300℃、または約150℃~約200℃の範囲であってもよい。或る実施形態では、閾値温度は、250℃未満、225℃未満、200℃未満、175℃未満、150℃未満、または125℃未満であってもよい。
【0065】
或る実施形態では、熱応答性材料は、形状記憶材料を備えてもよい。或る実施形態では、形状記憶材料は、形状記憶合金であってもよい。他の実施形態では、形状記憶材料は、形状記憶ポリマーであってもよい。形状記憶合金の或る説明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Sebastianらによる米国特許第10,080,388号明細書、およびSebastianらによる米国特許出願公開第2018/0174500号明細書に見出すことができる。形状記憶合金は、一般に、様々な実施形態にわたって変化し得る適切な刺激を受けたときに、以前に定義された何らかの形状またはサイズに戻る能力を示す金属材料の群を指す。例えば、或る実施形態では、刺激は、温度の変化を具備してもよい。他の実施形態では、刺激は、電場または磁場の変化を具備してもよい。他の実施形態では、刺激は、光への曝露を具備してもよい。他の実施形態では、刺激は、pHレベルの変化を具備してもよい。さらに他の実施形態では、刺激は、化学反応を具備してもよい。或る形状記憶合金は、相および/または結晶構造を変化させて形状記憶効果をもたらすように構成されている。例えば、或る形状記憶合金は、それらの降伏強度、剛性、寸法および/または形状が温度の関数として変更される相転移を受けることができる。一般に、低温またはマルテンサイト相では、形状記憶合金は、弾性変形されることができ、あるより高い温度に曝されるとオーステナイト相または母相に変態し、変形前の形状に戻る。或る形状記憶合金は、合金組成および加工履歴に応じて、一方向形状記憶効果、固有の双方向効果、または外部の双方向形状記憶効果を示し得る。
【0066】
適切な形状記憶合金材料のいくつかの例は、限定されないが、ニッケル-チタン系合金、インジウム-チタン系合金、ニッケル-アルミニウム系合金、ニッケル-ガリウム系合金、銅系合金(例えば、銅-亜鉛合金、銅-アルミニウム合金、銅-金、および銅-スズ合金)、金-カドミウム系合金、銀-カドミウム系合金、インジウム-カドミウム系合金、マンガン-銅系合金、鉄-白金系合金、鉄-白金系合金、鉄-パラジウム系合金などを含む。合金は、合金組成が形状記憶効果、例えば形状配向の変化、減衰能力などを示す限り、二元、三元、または任意のより高次であってもよい。例えば、或る実施形態では、形状記憶合金は、3つの元素(例えば、チタン、ニッケル、および銅)の複合材を含んでもよい。変態点は、元素の異なる組み合わせを使用するか、または複合体中の各元素の濃度を変更することによって調整されることができる。形状記憶材料および用途のさらなる例は、例えば、Hejaziらによる2019年5月24日に出願された、「Shape Memory Material for Controlled Liquid Delivery in an Aerosol Delivery Device」に関する米国特許出願第16/442,338号に見出すことができる。
【0067】
或る実施形態では、熱調節構成要素126は、1つ以上のヒータ134を含んでもよい。或る実施形態では、1つ以上のヒータ134は、少なくとも1つの制御構成要素124および任意に温度調節スリーブ内の1つ以上の他の構成要素と電気的に連通していてもよい。例えば、1つ以上のヒータは、1つ以上の温度センサおよび/または1つ以上の流量センサから受信した温度および/または流量読取値に基づいて、少なくとも1つの制御構成要素によって選択的に制御されるように構成されることができる(例えば、少なくとも1つの制御構成要素が、1つ以上のセンサによって生成された温度および/または空気流に関する入力を受信するように構成され、1つ以上のヒータに出力を提供して、喫煙品の第1の部分の少なくとも1つの温度の自動調整を行うように構成されている場合)。例えば、温度調節スリーブ内の温度が閾値量を下回る場合、少なくとも1つの制御構成要素は、(例えば、喫煙品の第1の部分により多くの熱を加えるために)1つ以上のヒータを作動させることによって喫煙品の第1の部分の温度の自動調整を行ってもよい。同様に、温度調節スリーブ内の温度が閾値量を超える場合、少なくとも1つの制御構成要素は、1つ以上のヒータを遮断することによって喫煙品の第1の部分の温度の自動調整を行ってもよい。或る実施形態では、1つ以上のヒータは、喫煙品の少なくとも一部と直接接触するように構成されてもよく、または1つ以上のヒータは、喫煙品に全く直接接触しなくてもよい。一般に、1つ以上のヒータは、内側チャンバに沿って適切に分配されたときに、喫煙品の少なくとも一部の1つ以上の領域と加熱関係にあるように構成されることができる。或る実施形態では、1つ以上のヒータは、外側シェル102の内壁123に沿って長手方向に配置され得る金属トレースヒータの形態である。
【0068】
或る実施形態では、1つ以上のヒータは、導電性および/または誘導性熱源の形態であってもよい。有益には、1つ以上のヒータは、(例えば、例えば、伝導、放射、または対流によって喫煙品に十分な熱を提供するために)1つ以上のヒータを喫煙品と密接に接触または近接して配置することを可能にする形態で提供されることができる。様々な実施形態では、導電性加熱源は、抵抗加熱源を具備する加熱アセンブリを備えてもよい。抵抗性加熱源は、電流がそこを流れるときに熱を生成するように構成されてもよい。抵抗性加熱源として有用な導電性材料は、低質量、低密度、および中程度の抵抗率を有し、使用中に体験される温度で熱的に安定であるものとしてもよい。有用な加熱源は、急速に加熱および冷却するため、エネルギーの効率的な使用を提供する。そのような加熱源はまた、特に時間ベースの電流制御が使用される場合、喫煙品が体験する温度範囲の比較的正確な制御を可能にし得る。
【0069】
導電性材料として使用されることができる非限定的な材料のいくつかの例は、炭素、黒鉛、炭素/黒鉛複合材料、金属、金属および非金属炭化物などのセラミック、窒化物、酸化物、ケイ化物、金属間化合物、サーメット、金属合金、および金属箔を含む。特に、耐火材料が有用となり得る。様々な異なる材料を混合して、抵抗率、質量、および熱伝導率の望ましい特性を実現することができる。特定の実施形態では、利用可能な金属は、例えば、ニッケル、クロム、ニッケルおよびクロムの合金(例えば、ニクロム)、および鋼を含む。抵抗性加熱を提供するのに有用となり得る材料は、Countsらによる米国特許第5,060,671号明細書、Deeviらによる米国特許第5,093,894号明細書、Deeviらによる米国特許第5,224,498号明細書、Sprinkel Jr.らによる米国特許第5,228,460号明細書、Deeviらによる米国特許第5,322,075号明細書、Deeviらによる米国特許第5,353,813号明細書、Deeviらによる米国特許第5,468,936号明細書、Dasによる米国特許第5,498,850号明細書、Dasによる米国特許第5,659,656号明細書、Deeviらによる米国特許第5,498,855号明細書、Hajaligolによる米国特許第5,530,225号明細書、Hajaligolによる米国特許第5,665,262号明細書、Dasらによる米国特許第5,573,692号明細書、およびFleischhauerらによる米国特許第5,591,368号明細書に記載されており、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0070】
上述したように、1つ以上のヒータは、誘導熱源の形態であってもよい。例えば、そのような実施形態では、誘導加熱源は、共振変圧器を備えることができ、これは、共振送信機および共振受信機(すなわち、サセプタ)を備えてもよい。或る実施形態では、共振送信機は、箔材料、コイル、シリンダ、または振動磁場を生成するように構成された他の構造を備えてもよく、共振受信機は、喫煙品の第1の部分に係合するように構成されるか、または喫煙品を取り囲むように配置され得る1つ以上のプロングを備えてもよい。他の実施形態では、共振送信機は、喫煙品が収容される内側チャンバを囲むように構成された螺旋コイルを備えてもよい。或る実施形態では、螺旋コイルは、例えば、外側シェルの内壁に配置されてもよい。共振送信機および共振受信機を含む他の可能な誘導熱源およびその構成要素は、2017年10月31日に出願された「Induction Heated Aerosol Delivery Device」と題する米国特許出願第15/799,365号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
上述したように、1つ以上の温度センサは、少なくとも1つの制御構成要素に温度読取値を提供してもよく、1つ以上の流量センサは、少なくとも1つの制御構成要素に流量読取値を提供してもよい。本明細書で既に説明したように、任意の様々なセンサおよびそれらの組み合わせが組み込まれることができる。そのようなセンサは、例えば、1つ以上のヒータおよび/または1つ以上の換気構成要素と直接接触することができる。或る実施形態では、例えば、レギュレータ構成要素、または複数のレギュレータ構成要素が、電源と1つ以上のヒータとの間に連通して設けられてもよく、レギュレータ構成要素は、電源から1つ以上のヒータへの電流の流れを選択的に調整して、少なくとも1つの制御構成要素からの出力に基づいてその温度を制御するように構成されている。或る実施形態では、電流調整構成要素は、規定の温度が達成されると、抵抗加熱要素への電流の流れを停止するように機能することができる。1つ以上のヒータの抵抗を評価し、そのような抵抗を1つ以上のヒータの温度と相関させるための論理制御構成要素などの代替の温度検知構成が使用されることができる。他の例では、1つ以上のヒータは、フィードバックループを介して少なくとも1つの制御構成要素と係合されてもよく、例えば、比較器は、1つ以上のヒータにおいて測定された電気的パラメータ(すなわち、電圧、電流)を所望の設定点と比較し、電源からのその電気的パラメータの出力を調整してもよい。
【0072】
上述したように、少なくとも1つの制御構成要素は、複数のセンサから同時に(例えば、温度読取値および/または空気流読取値に関連する)入力を受信するように構成されてもよく、その全てが、喫煙品の様々なセグメントにおいて温度読取値および/または流量読取値を収集するように、外側シェルの内壁に沿った様々な点に選択的に配置されてもよく、次いで、少なくとも1つの制御構成要素は、1つ以上の換気構成要素および/または1つ以上のヒータに出力を提供して、喫煙品の少なくとも1つの温度の自動調整を行うように構成されている。或る実施形態では、例えば
図4に示すように、喫煙品118の第1の部分(
図1において言及した第1の部分と同じ)は、喫煙品の第1の部分(例えば、
図4に示すように、第1のセグメント(118a)、第2のセグメント(118b)、第3のセグメント(118c)、さらなるセグメント(118d)など)の画定されたセグメントに関して言及されてもよい。そのような実施形態では、少なくとも1つの制御構成要素および熱調節構成要素(その構成要素を含む)は、喫煙品の第1の部分の任意の特定のセグメントの温度の自動調整を個別に、または喫煙品の第1の部分の任意の他のセグメントと(同時にまたは連続的に)組み合わせて行うように構成されることができる。例えば、セグメント118aに近接して配置された温度センサによって測定された温度が閾値量を超える場合、この温度読み取り値は、少なくとも1つの制御構成要素に通信され、次いで、少なくとも1つの制御構成要素は、他のセグメントの温度に実質的に影響を与えることなく、例えば、(少なくとも1つの制御構成要素からの出力を介して)セグメント118aに近接して配置された1つ以上の換気構成要素を開くことによって、喫煙品のセグメント118aの温度の自動調整を行うことができる。同様に、セグメント118dに近接して配置された温度センサによって測定された温度が閾値量を下回る場合、この温度読取値は、少なくとも1つの制御構成要素に通信され、少なくとも1つの制御構成要素は、他のセグメントの温度に実質的に影響を与えることなく、例えば、(少なくとも1つの制御構成要素からの出力を介して)セグメント118dに近接して配置された1つ以上の換気構成要素を閉じることによって、および/または(少なくとも1つの制御構成要素からの出力を介して)セグメント118dに近接して配置された1つ以上のヒータを選択的に作動させることによって、喫煙品のセグメント118dの温度の自動調整を行うことができる。本明細書で上述した特定の例および実施形態は、熱調節構成要素の構成要素の機能性、構成、および/または選択に関して限定することを意図するものではなく、一般に、本明細書に記載の少なくとも1つの制御構成要素および熱調節構成要素(その構成要素を含む)は、(例えば、(1つ以上のヒータを介して)喫煙品への熱の印加を変更することによって、または(1つ以上の換気構成要素を介して)スリーブ内の空気流特性を変更することによって、その中で使用される喫煙品の任意の1つ以上のセグメントの温度の自動調整を行うように構成されることができることに留意されたい。
【0073】
或る実施形態では、温度調節スリーブは、温度調節スリーブ内で生成された熱エネルギーを収集し、そのような収集されたエネルギー(電気エネルギーの形態)を温度調節スリーブ内の様々な構成要素に伝達するように構成されてもよい。例えば、或る実施形態では、1つ以上のヒータ134は、温度調節スリーブ内で生成された熱エネルギーを貯蔵し、その貯蔵エネルギーを使用可能な電磁形態に変換するように構成された1つ以上の熱電発生器135を含んでもよい。本明細書で「ゼーベック発生器」と呼ばれることもある「熱電発生器」(TEG)は、熱電効果の一形態であるゼーベック効果と呼ばれる現象によって熱流束(温度差)を直接電気エネルギーに変換する固体装置である。一般に、熱電発生器内の熱電材料が温度差を瞬間的に電圧に変換することによって熱から直接電力を発生させるため、熱電発生器による熱エネルギーの電気エネルギーへの変換(ゼーベック効果による)は、実質的に瞬間的である。1つ以上の熱電発生器135は、熱調節構成要素126内の様々な他の構成要素(例えば、1つ以上のヒータ、電源、少なくとも1つの制御構成要素など)と電気的に連通していてもよい。例えば、或る実施形態では、熱電発生器は、温度調節スリーブ内の主電源を補うために、キャパシタおよび/または電源と電気的に連通していてもよい。温度調節スリーブ内に1つ以上の熱電発生器を使用することは、例えば、温度調節スリーブの効率を高め、および/または必要とされる全体的な電池容量を低減するために、温度調節スリーブ内に設けられた従来の電源を補うために使用される場合に特に有利となり得る。
【0074】
或る実施形態では、温度調節スリーブは、1つ以上の追加の構成要素を含んでもよく。1つ以上の追加の構成要素は、外側シェル内に配置されてもよく、外側シェルの外面上に配置されてもよく、または外側シェルに別個に取り付けられてもよい。温度調節スリーブ内の様々な構成要素の位置決めおよび構成は、変更してもよい。例えば、
図4に示すように、温度調節スリーブ100は、外側シェル102の外面125上に入力要素136およびフィードバック要素138のうちの一方または双方を備えてもよい。一般に、入力要素136および/またはフィードバック要素138は、少なくとも1つの制御構成要素124と電気的に連通している。入力要素136は、ユーザがスリーブの1つ以上の機能を制御することを可能にし、および/またはスリーブの作動または停止を提供するために含まれてもよい。温度調節スリーブの機能を制御するための入力要素として、任意の構成要素または構成要素の組み合わせが利用されてもよい。例えば、参照により本明細書に組み込まれるWormらによる米国特許出願公開第2015/0245658号明細書に記載されているように、1つ以上の押しボタンが使用されてもよい。同様に、タッチスクリーンは、参照により本明細書に組み込まれる、Searsらによる2015年3月10日に出願された米国特許出願第14/643,626号に記載されているように使用されてもよい。さらなる例として、温度調節スリーブの指定された動きに基づくジェスチャ認識に適合した構成要素が入力として使用されることができる。参照により本明細書に組み込まれるHenryらによる米国特許出願公開第2016/0158782号明細書を参照されたい。或る実施形態では、例えば、温度調節スリーブは、手動で(例えば、押しボタン、タッチスクリーンなどを介して)制御および/または作動させることができる温度調節スリーブ内の1つ以上の構成要素(例えば、熱調節構成要素)への電力の供給を制御するためのセンサまたは検出器を組み込むことができる。したがって、例えば、使用されていないときに温度調節スリーブおよびその特定の構成要素への電力供給をオフにし、使用中に温度調節スリーブおよびその特定の構成要素を作動またはトリガするために電力供給をオンにする方式または方法が提供される。温度調節スリーブは、或る実施形態では、引き出し中に熱調節構成要素の様々な構成要素への特定の電力量を制御するための追加の制御機構を組み込んでもよい。
【0075】
或る実施形態では、温度調節スリーブは、代替的にまたは追加的に、フィードバック要素138を含んでもよい。一般に、フィードバック要素は、ユーザへの情報の出力および/または表示のために構成されてもよい。例えば、フィードバック要素は、喫煙品の現在の寿命、有効期限までに行われたまたは吸煙の残り回数(例えば、視覚的吸煙カウンタ)、有効期限までの総吸煙時間または吸煙残り時間、ユーザがあまりにも積極的に吸煙している場合の警告(例えば、過熱および熱不足についての警告)、喫煙品の部分に沿った加熱程度の変化(例えば、過熱または熱不足)などを示すように構成されてもよい。或る実施形態では、喫煙品は、エアロゾル生成の前に予熱期間を必要とし得る。そのような実施形態では、フィードバック要素は、予熱期間の残り時間を示すように、および/または温度調節スリーブの使用準備ができたときを示すように構成されてもよい。フィードバック要素は、その装置のユーザに様々な対話型機能またはディスプレイを提供するように構成可能であってもよい。例えば、フィードバック要素は、外側シェルの内側チャンバ内に収容された喫煙品の別個の部分に加えられている熱量の熱勾配マップを表示するように構成されたディスプレイを備えてもよい。
【0076】
或る実施形態では、入力要素およびフィードバック要素のうちの一方または双方は、スマートフォンまたはタブレットなどのコンピュータまたはコンピューティング装置を含んでもよい。特に、温度調節スリーブは、USBコードまたは同様のプロトコルの使用などを介して、コンピュータまたは他の装置に配線されてもよい。或る実施形態では、例えば、フィードバック要素は、温度調節スリーブが1つ以上のネットワーク、コンピューティング装置または他の適切にイネーブルされた装置と無線通信することを可能にすることができる無線通信インターフェースを介して電子装置に情報を送信するように構成されてもよい。適切なコンピューティング装置の例は、様々なモバイルコンピュータのいずれかを含む。適切なモバイルコンピュータのより具体的な例は、ポータブルコンピュータ(例えば、ラップトップ、ノートブック、タブレットコンピュータ)、携帯電話(例えば、携帯電話、スマートフォン)、ウェアラブルコンピュータ(例えば、スマートウォッチ)などを含む。他の例では、コンピューティング装置は、デスクトップコンピュータ、サーバコンピュータなどのように、モバイルコンピュータ以外として具現化されてもよい。さらに別の例では、コンピューティング装置は、Apple Inc.によって開発されたiBeacon(登録商標)技術を使用するものなどの電気ビーコンとして具現化されてもよい。エアロゾル送達装置が無線通信するように構成され得る適切な方法の例は、2014年7月10日に出願された、Ampoliniらによる米国特許出願第14/327,776号、および2016年1月29日に出願された、Henry,Jr.らによる米国特許出願第14/609,032号に開示されており、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0077】
無線通信インターフェースは、例えば、アンテナ(または多重アンテナ)と、通信ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク、Wi-Fi、WLANなど)との無線通信を可能にするため、および/または所望の通信技術にしたがって装置間の短距離通信をサポートするためのサポートハードウェアおよび/またはソフトウェアとを含んでもよい。通信インターフェースによってサポートされ得る適切な短距離通信技術の例は、様々な近距離無線通信(NFC)技術、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)技術などを含む。適切なWPAN技術のより具体的な例は、Bluetooth、Bluetooth low energy(Bluetooth LE)、ZigBee、赤外線(例えば、IrDA)、無線周波数識別(RFID)、無線USBなどを含むIEEE802.15規格またはその他によって指定されるものを含む。適切な短距離通信技術のさらに他の例は、Wi-Fi Direct、ならびにIEEE802.11および/またはIEEE802.15.4規格に基づくか、またはそれによって指定され、直接的な装置間通信をサポートする特定の他の技術を含む。
【0078】
温度調節スリーブはまた、無線通信を介して入力として機能するコンピュータまたは他の装置と通信することができる。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれるAmpoliniらによる米国特許出願公開第2016/0007561号明細書に記載されている読取要求を介して装置を制御するシステムおよび方法を参照されたい。そのような実施形態では、APPまたは他のコンピュータプログラムがコンピュータまたは他のコンピューティング装置に関連して使用されて、温度調節スリーブに制御命令を入力することができ、そのような制御命令は、例えば、(例えば、1つ以上のヒータの作動を介して)喫煙品の特定の部分に沿って加熱を変更する能力、(例えば、1つ以上の換気構成要素の作動を介して)喫煙品の特定の部分に沿って空気流を増減する能力、吸煙ごとに提供される総粒子状物質(TPM)を選択すること、実装される特定の加熱プロファイルを選択すること、引き出しに対する修正可能な抵抗を選択することなどを含む。
【0079】
或る実施形態では、温度調節スリーブは、1つ以上の視覚的インジケータまたは要素を含んでもよい。或る実施形態では、視覚的インジケータまたは要素は、例えば、スリーブのオン/オフ状態を示すため、充電状態および/または電池寿命などを示すために、様々な機能を実行するように構成されることができる。適切な構成要素の一例は、温度調節スリーブを使用して照明されることができる発光ダイオード(LED)、量子ドットベースのLEDなどのインジケータである。適切なLED構成要素の例、ならびにその構成および使用は、Sprinkelらによる米国特許第5,154,192号明細書、Newtonによる米国特許第8,499,766号明細書、Scatterdayによる米国特許第8,539,959号明細書、およびSearsらによる米国特許第第9,451,791号明細書に記載されており、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる。LEDに加えて、またはその代替として、さらなるインジケータ(例えば、触覚フィードバック構成要素、音声フィードバック構成要素など)が含まれることができる。発光ダイオード(LED)構成要素などの視覚的な合図またはインジケータを生成する追加の代表的な種類の構成要素、およびその構成と使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Sprinkelらによる米国特許第5,154,192号明細書;Newtonによる米国特許第8,499,766号明細書およびScatterdayによる米国特許第8,539,959号明細書;Gallowayらによる米国特許出願公開第2015/0020825号明細書;およびSearsらによる米国特許出願公開第2015/0216233号明細書に記載されている。図示された要素の全てが必要とされるわけではないことが理解される。例えば、LEDは、存在しなくてもよく、または振動インジケータなどの異なるインジケータによって置き換えられてもよい。
【0080】
さらに他の構成要素も企図され、特にエアロゾル送達装置とともに使用するのに適した構成要素が、本開示の温度調節スリーブに組み込まれてもよい。例えば、Sprinkelらによる米国特許第5,154,192号明細書は、喫煙品のインジケータを開示しており、Sprinkel,Jr.による米国特許第5,261,424号明細書は、吸引取得に関連するユーザの唇の活動を検出した後に加熱装置の加熱をトリガするために装置の口端に関連付けることができる圧電センサを開示しており、McCaffertyらによる米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを介した圧力降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギーの流れを制御するための吸煙センサを開示しており、Harrisらによる米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過率の不均一性を検出する識別子と、構成要素がレセプタクルに挿入されるときに検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙装置内のレセプタクルを開示しており、Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号明細書は、複数の差動位相を有する定義済みの実行可能パワーサイクルについて記載しており、Watkinsらによる米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニック-オプトロニック構成要素を開示しており、Countsらによる米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙装置を介して吸引抵抗を変更するための手段を開示しており、Blakeらによる米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙装置で使用するための特定の電池構成を開示しており、Griffenらによる米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙装置で使用するための様々な充電システムを開示しており、Fernandoらによる米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にして装置のコンピュータ制御を可能にするための喫煙装置用のコンピュータインターフェース手段を開示しており、Fernandoらによる米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙装置の識別システムを開示しており、Flickによる国際公開第2010/003480号は、エアロゾル生成システムの吸煙を示す流体フロー検知システムを開示しており、前述の開示の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0081】
或る実施形態では、温度調節スリーブ100は、外側シェル102の第1の開口部110と係合し、(例えば、
図4に示すように)喫煙品の吸口端114と相互作用するように配置されたマウスピース140をさらに備えてもよい。或る実施形態では、マウスピースは、マウスピースに加えられた吸引力が喫煙品に伝達されるように、外側シェルの第1の開口部と流体連通するチャネル142を画定する。マウスピースは、様々な異なる機構、例えば、ねじ嵌合係合、圧入係合、スナップ嵌合係合、磁気係合などを介して外側シェルに接続されてもよい。一般に、マウスピースは、取り外し可能および/または交換可能であってもよい。図示の実施形態では、電源104および制御構成要素124は、喫煙品とマウスピース140との間に配置されているが、他の構成も可能であることに留意されたい。例えば、電源104および/または制御構成要素124は、温度調節スリーブの外側シェル102の他の場所に埋め込まれてもよい。或る実施形態では、例えば、電源および/または制御構成要素は、外側シェル内に配置されるか、または外側シェル内に埋め込まれ、喫煙品に近接して配置されてもよい。
【0082】
或る実施形態では、温度調節スリーブは、外側シェル102内に配置され、外側シェル102の第1の開口部110に対して配置された1つ以上の多孔質構造144をさらに備えてもよく、開口部を通って出るエアロゾルが、1つ以上の多孔質構造144を通っておよびその周りの一方または双方を通過する。他の実施形態では、1つ以上の多孔質構造は、マウスピース140(図示せず)内に完全に、または少なくとも部分的に配置されてもよい。或る実施形態では、ユーザが温度調節スリーブを吸引するときに喫煙品によって生成されるエアロゾルは、1つ以上の多孔質構造を通って、および/またはその周りを流れることができる。或る実施形態では、例えば、多孔質構造は、1つ以上の香味または他の成分(例えば、活性成分など)を通過するエアロゾルに伝達するのに適した液体材料を含むように構成されたフィルタまたは多孔質材料の形態であってもよい。或る実施形態では、多孔質構造は、必要に応じて濾過能力を提供し、および/または引き出し抵抗を提供することができる。或る実施形態では、フィルタは、個別のセグメントを備えてもよい。例えば、或る実施形態は、濾過を提供するセグメント、吸引抵抗を提供するセグメント、エアロゾルが冷却するための空間を提供する中空セグメント、構造的完全性の向上を提供するセグメント、他のフィルタセグメント、および上記のいずれか1つまたは任意の組み合わせを含んでもよい。他の実施形態では、マウスピース140自体は、温度調節スリーブのユーザの口に引き込まれる前にエアロゾルの適切な凝縮および/または冷却を提供するようなサイズおよび/または形状にされることができるチャンバまたはその中の空隙(喫煙品の下流)を含んでもよい。そのような実施形態では、チャンバまたは空隙は、濾過能力、冷却、および/または引き出し抵抗のうちの1つ以上を提供するために、本明細書で上述したような多孔質構造を含んでもよい。
【0083】
一般に、多孔質構造は、その中に様々な異なる構成要素を含む様々な形態で提供されてもよい。或る実施形態では、例えば、多孔質構造は、空隙、中空管構造、冷却空気用の相変化材料、香味放出媒体、選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維、濾過材としてのエアロゲル粒子、および他の適切な材料のうちの1つ以上を備えてもよい。可能な相変化材料のいくつかの例は、AgNO3、AlCl3、TaCl3、InCl3、SnCl2、AlI3、およびTiI4などの塩;セレン、スズ、インジウム、スズ-亜鉛、インジウム-亜鉛、インジウム-ビスマスなどの金属または金属合金;D-マンニトール、コハク酸、p-ニトロ安息香酸、ハイドロキノン、アジピン酸などの有機化合物を含むが、これらに限定されない。他の例は、Potterらによる米国特許第8,430,106号明細書に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。多孔質構造は、様々な異なる材料から形成されてもよく、例えば、或る実施形態では、多孔質構造は、酢酸セルロースまたはポリプロピレン材料から作製されてもよい。一般に、当該技術分野において一般的に使用される任意の多孔質フィルタ材料が、多孔質構造を形成するのに適している。
【0084】
或る実施形態では、多孔質構造は、加熱されると、温度調節スリーブの使用中に喫煙品から放出されるエアロゾルと組み合わされ得る第2のエアロゾルを放出するように構成されてもよい。そのような実施形態では、多孔質構造は、非タバコ風味付け液体(例えば、ニコチン溶液など)、タバコ抽出物または蒸留物、香味剤、エアロゾル前駆体組成物、およびそれらの組み合わせを含むように構成されてもよい。或る実施形態では、例えば、多孔質構造は、外側シェル内のヒータ(例えば、本明細書で上述した1つ以上のヒータのうちの1つなど)によって加熱され、したがってエアロゾルを生成するように構成されてもよい。本明細書において上記定義した任意のヒータは、多孔質構造を加熱するのに適し得る。そのような実施形態では、多孔質構造の加熱は、温度調節スリーブの使用中に喫煙品によって生成されたエアロゾルと組み合わせることができるエアロゾルを生成することができる。
【0085】
多孔質構造と組み合わせて使用され得るいくつかのエアロゾル前駆体組成物は、レブリン酸、コハク酸、乳酸、ピルビン酸、安息香酸、フマル酸、それらの組み合わせなどの1つ以上の酸を含んでもよい。ニコチンを含む液体エアロゾル前駆体組成物に酸を含めることは、塩形態のニコチンを含むプロトン化液体エアロゾル前駆体組成物を提供するものとしてもよい。或る実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、例として、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、またはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または香料を含む様々な成分を含有してもよい。いくつかの例では、エアロゾル前駆体組成物は、グリセリンおよびニコチンを含む。代表的な種類の液体エアロゾル前駆体成分および製剤は、Robinsonらによる米国特許第7,726,320号明細書、Chongらによる米国特許第9,254,002号明細書、およびZhengらによる米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Lipowiczらによる米国特許出願公開第2015/0020823号明細書、およびKollerによる米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowenらによる国際公開第2014/182736号、およびCollettらによる米国特許第8,881,737号明細書に記載されて特徴付けられており、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。使用され得る他のエアロゾル前駆体は、上記で特定された多数の代表的な製品のいずれかに組み込まれたエアロゾル前駆体を含む。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。さらに別の例示的なエアロゾル前駆体組成物は、BLACK NOTE、COSMIC FOG、MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR.CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM,MT.BAKER VAPOR、およびJIMMY THE JUICE MANの商品名で販売されている。発泡性材料の実装は、エアロゾル前駆体とともに使用されることができ、例として、参照により本明細書に組み込まれる、Huntらによる米国特許出願公開第2012/0055494号明細書に記載されている。さらに、発泡性材料の使用は、例えば、Niaziらによる米国特許第4,639,368号明細書、Wehlingらによる米国特許第5,178,878号明細書、Wehlingらによる米国特許第5,223,264号明細書、Patherらによる米国特許第6,974,590号明細書、Bergquistらによる米国特許第7,381,667号明細書、Crawfordらによる米国特許第8,424,541号明細書、Stricklandらによる米国特許第8,627,828号明細書、およびSunらによる米国特許第9,307,787号明細書、ならびにBrinkleyらによる米国特許出願公開第2010/0018539号明細書、およびJohnsonらによる国際公開第97/06786号に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0086】
上記のように、1つ以上の多孔質構造は、追加的または代替的に、ニコチン成分、植物成分(例えば、ラベンダー、ペパーミント、カモミール、バジル、ローズマリー、ショウガ、大麻、朝鮮人参、マカ、麻、ユーカリ、ロイボ、フェンネル、柑橘類、クローブおよびチサン類)、刺激剤(例えば、カフェインおよびガラナ)、アミノ酸(例えば、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン)および/または医薬、栄養補助食品および薬用成分(例えば、ビタミン、例えばB6、B12およびC、および/またはカンナビノイド、例えばテトラヒドロカンナビノール(THC)およびカンナビジオール(CBD))を含むがこれらに限定されない他の活性成分をさらに含んでもよい。
【0087】
本明細書で使用される場合、「香味剤」または「香料」への言及は、エアロゾル化してユーザに送達することができ、味および/または芳香に関して感覚的経験を与える化合物または成分を指す。香味剤の非限定的な例は、限定されないが、バニラ、コーヒー、チョコレート/ココア、クリーム、ミント、スペアミント、メントール、ペパーミント、ウィンターグリーン、ユーカリ、ラベンダー、カルダモン、ナツメグ、シナモン、クローブ、カスカリラ、ビャクダン、ハチミツ、ジャスミン、ジンジャー、アニス、セージ、カンゾウ、レモン、オレンジ、リンゴ、モモ、ライム、チェリー、イチゴ、テルペン、三叉神経感覚(trigeminal senstates)、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。参照により本明細書に組み込まれる、Leffingwellら,Tobacco Flavoring for Smoking Products,R.J.Reynolds Tobacco Company(1972)も参照されたい。香料はまた、ユーカリなどの湿潤剤、冷却剤または平滑剤と考えられる成分を含み得る。これらの香味は、ニート(すなわち、単独で)またはコンポジットで提供されてもよく、濃縮物または香味パッケージ(例えば、スペアミントおよびメントール、オレンジおよびシナモン;ライム、パイナップルなど)として使用されてもよい。代表的な種類の構成要素もまた、Whiteらによる米国特許第5,387,416号明細書、Stricklandらによる米国特許出願公開第2005/0244521号明細書、およびQuinterらによる国際公開第05/041699号に記載されており、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。場合によっては、香味剤は、噴霧乾燥形態または液体形態で提供されてもよい。
【0088】
香味剤は、揮発性香味成分であってもよい。本明細書で使用される場合、「揮発性」とは、周囲温度で容易に蒸気を形成する化学物質(すなわち、不揮発性物質と比較して所定の温度において蒸気圧が比較的高い化学物質)を指す。典型的には、揮発性香味成分は、約400Da未満の分子量を有し、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合、炭素-酸素二重結合、またはその双方をしばしば含む。一実施形態では、少なくとも1つの揮発性香味成分は、1つ以上のアルコール、アルデヒド、芳香族炭化水素、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド、またはそれらの組み合わせを含有する。アルデヒドの非限定的な例は、バニリン、エチルバニリン、p-アニスアルデヒド、ヘキサナール、フルフラール、イソバレルアルデヒド、クミンアルデヒド、ベンズアルデヒド、およびシトロネラールを含む。ケトンの非限定的な例は、1-ヒドロキシ-2-プロパノンおよび2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテノン-1-オンを含む。エステルの非限定的な例は、アリルヘキサノエート、エチルヘプタノエート、エチルヘキサノエート、イソアミルアセテートおよび3-メチルブチルアセテートを含む。テルペンの非限定的な例は、サビネン、リモネン、ガンマ-テルピネン、ベータ-ファルネセン、ネロリドール、ツジョン、ミルセン、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、リナロールおよびユーカリプトールを含む。一実施形態では、少なくとも1つの揮発性香味成分は、エチルバニリン、シンナムアルデヒド、サビネン、リモネン、ガンマ-テルピネン、ベータ-ファルネセン、またはシトラールのうちの1つ以上を含む。一実施形態では、少なくとも1つの揮発性香味成分は、エチルバニリンを含む。
【0089】
さらなる実施形態では、温度調節スリーブ100は、外側シェル102の第2の開口部112に近接して配置され、温度調節スリーブへの空気流を制限するように構成されたバリアまたはシール構成要素146を備えてもよい。特に、バリアまたはシール構成要素146は、(例えば、熱源を含む)喫煙品120の第2の部分および(例えば、燃焼のための基材材料を含む)喫煙品118の第1の部分の交差平面148において喫煙品を取り囲む非通気性バリアおよび/またはシールを形成してもよい。そのような実施形態では、熱源は、周囲空気が熱源を通過するのを防止するように、実質的に非空気透過性の熱源の形態であってもよい。同様に、バリアまたはシール構成要素146は、空気が熱源の周りを流れ、その第2の開口部112を通って温度調節スリーブに入るのを防ぐ。或る実施形態では、喫煙品118の第1の部分は、換気構成要素を介して温度調節スリーブに流入する空気流が、温度調節スリーブの使用中に喫煙品の第1の部分に連通することを可能にするために、1つ以上の換気構成要素132と連通する通気性ラッパーおよび/または空気入口(図示せず)を備えてもよい。
【0090】
特定の実施形態では、喫煙品自体は、(例えば、熱源を含む)喫煙品120の第2の部分と(例えば、燃焼のための基材材料を含む)喫煙品118の第1の部分とを分離するバリアまたはシール構成要素をその中に含んでもよい。そのような実施形態では、喫煙品内のバリアまたはシール構成要素は、喫煙品120の第2の部分の熱源を通って、そこから下流の喫煙品118の第1の部分の位置に空気が流れるのを防ぐことができる。或る実施形態では、喫煙品118の第1の部分は、換気構成要素を介して温度調節スリーブに流入する空気流が、温度調節スリーブの使用中に喫煙品の第1の部分に連通することを可能にするために、1つ以上の換気構成要素132と連通する通気性ラッパーおよび/または空気入口(図示せず)を備えてもよい。
【0091】
1つ以上の例では、本明細書に記載の値は、「約」という単語で特徴付けられることができる。記載された量「約」である値は、記載された量が正確に示された値であってもよく、最大5%、最大2%、または最大1%によって示された値から変化してもよいことを示すことが理解される。同様に、1つ以上の例では、本明細書に記載の値および/または特性は、「実質的に」という単語で特徴付けられることができる。値および/または特性が「実質的に」記載された量であることは、記載された量が正確に示された値または特性であってもよく、最大5%、最大2%、または最大1%で示された値または特性から変化してもよいことを示すことが理解される。
【0092】
本開示の多くの変更および他の実施形態が、前述の説明および関連する図面に示された教示の利益を有することを本開示が関する当業者が思い付くであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは、一般的且つ説明的な意味でのみ使用され、限定のためではない。
【国際調査報告】