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▶ アルファテック スパイン, インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(54)【発明の名称】外科用リトラクタ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/02 20060101AFI20231222BHJP
   A61B 17/70 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
A61B17/02
A61B17/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535583
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 US2021062455
(87)【国際公開番号】W WO2022125692
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】63/123,394
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507280675
【氏名又は名称】アルファテック スパイン, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】コンシダイン,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ラジェク,アンドリュー ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ゼメゾナック,マックス シー.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160AA02
4C160AA12
4C160LL24
4C160LL62
4C160LL70
(57)【要約】
【解決手段】リトラクタアセンブリは、2つ以上のリトラクタアームとスライド可能に係合するベース部分を含み、リトラクタアームの少なくとも1つが骨アンカにアンカ留めされるように構成されたリトラクタブレードを解放可能に固定する。リトラクタブレードは、細長ブレード部分を含み、リトラクタ係合部分が細長ブレード部分の近位端に配置され、アンカ機構が細長ブレード部分の遠位端に配置されている。アンカ機構は、骨インプラントと係合するように構成された第1のジョーおよび第2のジョーを含む。骨インプラント(モジュール式ネジシステムのシャンクであり得る)の周囲で閉じられるか、または骨インプラントにアンカ留めされると、モジュール式ネジの構成要素は、アンカ機構を調整したり、緩めたり、または開いたりすることなく、シャンクに組み立てることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用リトラクタとともに使用するためのアンカ留めブレードであって、
近位端、遠位端、手術通路に面するように構成された前面、前記前面の反対側の後面、および、前記前面に沿って前記近位端から前記遠位端に向かって延在する少なくとも1つのチャネルを有する細長ブレード部分と、
前記細長ブレード部分の前記近位端に配置されたリトラクタ係合部分と、
前記細長ブレード部分の前記遠位端に配置され、骨インプラントと係合するように構成された第1のジョーおよび第2のジョーであって、前記第1のジョーおよび第2のジョーは閉構成および開構成を占めるように構成され、前記開構成にあるとき、前記骨インプラントの一部が前記第1および第2のジョーを通過することができる、第1および第2のジョーと、
前記第1および第2のジョーを前記開構成および前記閉構成の間で移行させるように構成された制御アセンブリと
を備える、アンカ留めブレード。
【請求項2】
前記細長ブレード部分は実質的に第1の平面内に存し、前記第1および第2のジョーの第1の部分は、前記閉構成にあるとき、第2の平面内に存し、前記リトラクタ係合部分の少なくとも一部は第3の平面内に存し、前記第2の平面および第3の平面が実質的に平行である、請求項1に記載のアンカ留めブレード。
【請求項3】
前記第1および第2のジョーの第2の部分は、前記閉構成にあるとき、前記第1の平面内に存する、請求項1または2に記載のアンカ留めブレード。
【請求項4】
前記第1のジョーは第1の軸の周りに枢動するように構成されており、前記第2のジョーは第2の軸の周りに枢動するように構成されている、請求項1~3のいずれか1つに記載のアンカ留めブレード。
【請求項5】
前記第1および第2の軸は前記細長ブレード部分に対して対称である、請求項4に記載のアンカ留めブレード。
【請求項6】
前記第1および/または第2のジョーは、
前記細長ブレード部分の前記遠位端と枢動可能に係合するように構成されたベース部分と、
前記第1および第2のジョーが前記閉構成にあるときに前記骨インプラントと係合するように構成された弓状部分と
を備える、請求項1~5のいずれか1つに記載のアンカ留めブレード。
【請求項7】
前記弓状部分は、椎弓根ネジのヘッドと係合するサイズおよび形状を有する、請求項6に記載のアンカ留めブレード。
【請求項8】
前記第1および第2のジョーは、前記第1および第2のジョーが前記閉構成にあるときに前記椎弓根ネジの前記ヘッド上にモジュール式チューリップを組み立てることを可能にするように構成されている、請求項7に記載のアンカ留めブレード。
【請求項9】
前記細長ブレード部分の前記前面は、前記前面の側部が前記手術通路に向かって隆起するように湾曲部を備える、請求項1~8のいずれか1つに記載のアンカ留めブレード。
【請求項10】
前記制御アセンブリは、
ツール係合部分と、
前記第1および第2のジョーと係合して、前記第1および第2のジョーを前記開構成および前記閉構成の間で移行させるように構成された可動ブロックと、
前記ツール係合部分および前記可動ブロックを機械的に接続し、前記ツール係合部分の回転を、前記細長ブレード部分に沿った遠位方向または近位方向の前記ブロックの移動に変換するように構成された接続ロッドと
を備える、請求項1~9のいずれか1つに記載のアンカ留めブレード。
【請求項11】
前記可動ブロックは、前記第1および第2のジョーの両方に等しい力を印加して、前記第1および第2のジョーを前記開構成と前記閉構成との間で一斉に移動させるように構成されている、請求項10に記載のアンカ留めブレード。
【請求項12】
第1のリトラクタアームおよび第2のリトラクタアームを備え、各リトラクタアームがリトラクタブレードと解放可能に係合するように構成されたリトラクタアセンブリと、
支持構造と解放可能に係合するように構成された支持係合部分と、
前記第1のリトラクタアームと解放可能に係合する請求項1~11のいずれか1つに記載のアンカ留めブレードを備える第1のアンカ留めブレードと
を備える、外科用リトラクタシステム。
【請求項13】
前記第2のリトラクタアームと解放可能に係合する請求項1~11のいずれか1つに記載のアンカ留めブレードを備える第2のアンカ留めブレードをさらに備える、請求項12に記載の外科用リトラクタシステム。
【請求項14】
前記リトラクタアセンブリは、内側リトラクタブレードと解放可能に係合するように構成された内側ブレード係合部分をさらに備える、請求項12または13に記載の外科用リトラクタシステム。
【請求項15】
前記支持構造は手術台または外科用フレームに固定される、請求項12~14のいずれか1つに記載の外科用リトラクタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、患者の脊椎の一部などの手術部位へのアクセスを提供するように構成された外科用リトラクタに関する。
【背景技術】
【0002】
また、脊椎手術などの外科処置においてそのような外科用リトラクタを使用する方法も本明細書に開示される。
【発明の概要】
【0003】
本明細書ではモジュール式外科用リトラクタが開示されており、そのいくつかはアンカ留めリトラクタブレードを利用する。そのようなアンカ留めブレードは、細長ブレード部分と、細長ブレード部分の近位端に配置されたリトラクタ係合部分と、細長ブレード部分の遠位端に配置され、骨インプラントと係合するように構成され、閉構成および開構成を占めるように構成された第1のジョーおよび第2のジョーと、第1のジョーおよび第2のジョーを開構成および閉構成の間で移行させるように構成された制御アセンブリとを含む。
【0004】
いくつかの実施形態によれば、細長ブレード部分は実質的に第1の平面内に存し、第1および第2のジョーの第1の部分は、閉構成にあるとき、第2の平面内に存し、第1および第2の平面は約65°~約120°の角度で互いに交差する。いくつかの実施形態によれば、リトラクタ係合部分の少なくとも一部は第3の平面内に存し、第1および第3の平面は約65°~約120°の角度で互いに交差する。第2および第3の平面は実質的に平行とすることができる。いくつかの実施形態では、第1および第2のジョーの第2の部分は、閉構成にあるとき、第1の平面内に存する。
【0005】
いくつかの実施形態によれば、第1のジョーは第1の軸の周りに枢動し、第2のジョーは第2の軸の周りに枢動する。第1および第2の軸は、第1の平面内に存し得、第1の軸と第2の軸との間の角度が約55°~約115°となるように互いに交差し得る。第1および第2の軸は、細長ブレード部分に対して対称であり得る。
【0006】
いくつかの実施形態によれば、第1および/または第2のジョーは、ベース部分と弓状部分とを含む。ベース部分は、細長ブレード部分の遠位端と枢動可能に係合する。弓状部分は、第1および第2のジョーが閉構成にあるときに骨インプラントと係合するように設計および形状とされる。弓状部分は、椎弓根ネジのヘッドと係合するサイズおよび形状を有し得る。第1および第2のジョーは、第1および第2のジョーが閉構成にあるときに椎弓根ネジのヘッド上にモジュール式チューリップを組み立てることを可能にするように構成され得る。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、制御アセンブリは、細長ブレード部分の後面に配置されている。制御アセンブリは、ツール係合部分と、第1および第2のジョーを係合させてそれらを開構成および閉構成の間で移行させるための可動ブロックと、ツール係合部分および可動ブロックを機械的に接続し、ツール係合部分の回転を、細長ブレード部分に沿った遠位方向または近位方向のいずれかのブロックの移動に変換するように構成された接続ロッドとを含み得る。ツール係合部分は、細長ブレード部分の近位端に配置され得る。いくつかの実施形態では、可動ブロックは、第1のジョーおよび第2のジョーの両方に等しい力を印加して、第1のジョーおよび第2のジョーを開構成および閉構成の間で一斉に移動させる。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、リトラクタ係合部分は、リトラクタアセンブリによって受容されるように構成された球状部分を含む。球状部分は、アンカ留めブレードが単一平面内でのみリトラクタアセンブリに対して回転することを可能にするように構成された一対の側方延長部を含み得る。
【0009】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、リトラクタアセンブリ、支持係合部分、および少なくとも1つのアンカ留めブレードを含む外科用リトラクタシステムについてのものである。リトラクタアセンブリは、第1のリトラクタアームおよび第2のリトラクタアームを有し得、各リトラクタアームは、リトラクタブレードと解放可能に係合するように構成されている。支持係合部分は、支持構造と解放可能に係合し得る。少なくとも1つのアンカ留めブレードは、第1のリトラクタアームと解放可能に係合する、本明細書に開示されるアンカ留めブレードの実施形態のいずれか1つであり得る。いくつかの実施形態は、第2のリトラクタアームと解放可能に係合する、本明細書に開示されるアンカ留めブレードの実施形態のいずれか1つであり得る第2のアンカ留めブレードをさらに含む。いくつかの実施形態は、内側リトラクタブレードと解放可能に係合するように構成された内側ブレード係合部分をさらに含む。そのような実施形態はまた、リトラクタアセンブリの内側ブレード係合部分と解放可能に係合する内側リトラクタブレードを含み得る。支持構造は、手術台または外科用フレームに固定され得る。支持構造はAアームであり得る。
【0010】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、アンカ留めブレードを第1の骨インプラントに固定する方法に関する。そのような方法は、第1に、アンカ留めブレードの第1および第2のジョーの少なくとも一部が第1の骨インプラントの上面の下に配置されるように、本明細書に開示されるもののいずれか1つであり得る第1のアンカ留めブレードを配置することと、第2に、第1のアンカ留めブレードの制御アセンブリを作動させて、第1および第2のジョーを開構成から閉構成に移行させ、第1のアンカ留めブレードを第1の骨インプラントにアンカ留めすることとを含む。いくつかの方法は、第1に、第2のアンカ留めブレードの第1および第2のジョーの少なくとも一部が第2の骨インプラントの上面の下に配置されるように、本明細書に開示されるもののいずれか1つであり得る第2のアンカ留めブレードを配置することと、第2に、第2のアンカ留めブレードの制御アセンブリを作動させて、第1および第2のジョーを開構成から閉構成に移行させ、第2のアンカ留めブレードを第2の骨インプラントにアンカ留めすることとをさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1のアンカ留めブレードが第1の骨インプラントに固定される前に、第1の骨インプラントが第1の椎骨に固定され、および/または、第2のアンカ留めブレードが第2の骨インプラントに固定される前に、第2の骨インプラントが第2の椎骨に固定される。いくつかの実施形態では、第1のアンカ留めブレードが第1の骨インプラントに固定された後に、第1の骨インプラントが第1の椎骨に固定され、および/または、第2のアンカ留めブレードが第2の骨インプラントに固定された後に、第2の骨インプラントが第2の椎骨に固定される。いくつかの実施形態では、第1または第2の骨アンカを第1または第2の椎骨に固定する前に、ドライバが第1の骨アンカまたは第2の骨アンカに固定される。第1の骨インプラントおよび/または第2の骨インプラントは、ネジ付きシャンク部分およびヘッド部分を有する椎弓根ネジであり得る。ヘッド部分は、少なくとも部分的に球状の形状であり得る。椎弓根ネジは、モジュール式ネジアセンブリの構成要素であり得る。いくつかの方法は、第1および/または第2のアンカ留めブレードがそれぞれ第1および/または第2の骨インプラントにアンカ留めされた後に、モジュール式ネジアセンブリを組み立てることをさらに含む。本明細書に開示されるいくつかの方法は、経椎間孔腰椎椎体間固定術の処置の一部を形成する。
【0012】
また本明細書では、第1および第2の延長部と1つ以上の係合部分とを有するベース部分と、第1のリトラクタアームと、第2のリトラクタアームとを含む、アンカ留め外科用リトラクタのさまざまな実施形態が開示される。第1のリトラクタアームは、近位端および遠位端と、ベース部分の第1の延長部をスライド可能に受容するように構成された近位端の第3の受容領域と、第1のリトラクタブレードの一部と解放可能に係合するように構成された遠位端の第4の受容領域とを有する。第2のリトラクタアームは、近位端および遠位端と、ベース部分の第2の延長部をスライド可能に受容するように構成された近位端の第5の受容領域と、第2のリトラクタブレードの一部と解放可能に係合するように構成された遠位端の第6の受容領域とを有する。いくつかの実施形態では、内側、第1および第2のリトラクタブレードが共に、調節可能な手術通路を形成するが、いくつかの実施形態では、3つのリトラクタブレードのうちの2つだけが、調節可能な手術通路を形成するために使用される。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、第1および/または第2のリトラクタブレードは、近位端および遠位端を有する細長ブレード部分と、細長ブレード部分の近位端に配置されたリトラクタ係合部分と、細長ブレード部分の遠位端に配置されたアンカ機構とを含む。いくつかの実施形態では、アンカ機構は、骨インプラントと係合するように構成された第1のジョーおよび第2のジョーを含み、第1および第2のジョーは、閉構成および開構成の間で移行するように構成されている。開構成では、骨インプラントの一部は第1および第2のジョーを通過することができる。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、第1および第2のリトラクタブレードは、第1および第2のジョーを開構成および閉構成の間で移行させるように構成された制御アセンブリを含む。いくつかの場合には、ベース部分は第1の受容領域をさらに備え、リトラクタアセンブリは近位端および遠位端を有する内側リトラクタアームをさらに備える。内側リトラクタアームは、内側リトラクタブレードの一部と解放可能に係合するように設計および構成された第2の受容領域を遠位端に有し得る。近位端は、ベース部分の第1の受容領域にスライド可能に受容されるように構成され得る。
【0015】
リトラクタアセンブリのいくつかの実施形態は、近位端および遠位端を有する外側リトラクタアームをさらに含み、近位端は、第1のリトラクタアームまたは第2のリトラクタアームのうちの一方に配置された外側アーム係合部分と解放可能に係合するように構成された第7の受容領域を有する。遠位端は、外側リトラクタブレードの一部と解放可能に係合するように構成された第8の受容領域を含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1および/または第2のリトラクタブレードは、本明細書の他の場所に記載されている通りである。いくつかの実施形態では、第1および第2のリトラクタブレードの両方は、本明細書の他の場所に記載されている通りである。
【0017】
これらおよび他の特徴は、添付の図面および以下の詳細な説明でより詳細に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図面に記載された実施形態は、本質的に説明的および例示的なものであり、特許請求の範囲によって定義される主題事項を限定することを意図したものではない。例示的実施形態の以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照符号で示されている以下の図面と併せて読むと、よりよく理解することができる。
【0019】
図1】本開示による外科用リトラクタの斜視図である。
図2図1に示す実施形態の拡大斜視図である。
図3図1に示す外科用リトラクタの構成要素であるリトラクタベース部分の斜視図である。
図4図1に示す外科用リトラクタの構成要素である第1のリトラクタアームの斜視図である。
図5図1に示す外科用リトラクタの構成要素である第2のリトラクタアームの斜視図である。
図6図4に示す第1のリトラクタアームの一部の下面の拡大図である。
図7】本開示によるリトラクタアセンブリとともに使用するためのアンカ留めブレードの斜視図である。
図8A】アンカリングアセンブリが閉構成である図7のアンカ留めブレードの部分的な正面平面図である。
図8B】アンカリングアセンブリが開構成である図7のアンカ留めブレードの部分的な正面平面図である。
図9図7のアンカ留めブレードの側面図である。
図10A図7のアンカ留めブレードの背面図である。
図10B図7のアンカ留めブレードの背面図である。
図11図7のアンカ留めブレードの近位端の上面図である。
図12図1に示す外科用リトラクタの構成要素である内側リトラクタアームの斜視図である。
図13図12に示す内側リトラクタアームの遠位端の正面図である。
図14図12に示す内側リトラクタアームのロック部材の1つの要素の斜視図である。
図15図12に示す内側リトラクタアームとともに使用され得る内側リトラクタブレードの斜視図である。
図16図15に示す内側リトラクタブレードの近位端の拡大図である。
図17図1に示す外科用リトラクタとともに使用され得る外側リトラクタアームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、外科用リトラクタに関し、特に脊椎手術で使用するために構成されたリトラクタに関する。本明細書に開示されるリトラクタアセンブリは、リトラクタブレードがアセンブリのリトラクタアームに容易に取り付けられてそこから取り外され、いくつかの実施形態において少なくとも4つのリトラクタブレードを使用する一方で、いくつかの実施形態において2つ以下のリトラクタブレードを使用することができ、少なくとも1つおよび/または2つのリトラクタブレードを固定要素にアンカ留めすることができ、モジュラー式ネジがアンカ留めリトラクタのアンカとして機能する場合であっても同ネジを組み立てることができるという利点がある。これらおよび他の利点は、本開示に基づいて当業者には明らかとなるであろう。
【0021】
図1は、外科用リトラクタ1000の一実施形態を示す。この図示の実施形態では、リトラクタ1000は、2つの側方延長部100aおよび100bを有するベース部分100を含む。延長部100aおよび100bは、実質的に直線を形成するように反対方向に延在するものとして示されている。いくつかの実施形態では、延長部100aおよび100bは、鋭角または鈍角となり得る角度を形成するように互いに対して配置されている。そのような方位のバリエーションにより、特定の処置またはアプローチが容易になり得る。
【0022】
ベース部分100は、ベース部分100の後方に配置された係合部分120をさらに含む。この図示の実施形態では、係合部分120は、Aアーム(非図示)などの支持構造に取り付けるように構成された2つの係合延長部120aおよび120bを含む。2つの係合延長部の存在により、ユーザは、支持構造に対するリトラクタ1000の位置、ならびに/または、リトラクタ1000に対する、および/もしくは手術部位に対する支持構造の位置を変えることができる。
【0023】
図1に示す実施形態では、リトラクタ1000は、3つのリトラクタアーム、すなわち、内側リトラクタアーム200と、アンカ留めリトラクタブレード310および410がそれぞれ取り付けられた2つのリトラクタアーム300および400とを含む。内側アーム200には、内側ブレード210が取り付けられている。以下でより詳細に説明するように、これらのブレードのそれぞれは、外科処置中にベース部分100に容易に取り付けられ、処置中にそのそれぞれのリトラクタアームから容易に取り外され得る。さらに、各リトラクタアームは、最大限のカスタマイズ性を可能にするためにベース部分100から取り外され得る。
【0024】
アンカ留めリトラクタブレード310および410はそれぞれ、骨ネジまたは椎弓根ネジなどのアンカ500に係合またはアンカ留めされるように構成されている。いくつかの実施形態では、アンカはモジュール式椎弓根ネジであり、アンカ留めリトラクタブレード310および410の一方または両方は、モジュール式椎弓根ネジの組み立てを可能にするように構成され、それはモジュール式椎弓根ネジの上にチューリップを置くことを含み得る。チューリップのモジュール式椎弓根ネジへのそのような組み立ては、アンカ留めリトラクタブレード310および410に何ら調節を行うことなく達成され得る。例えば、アンカ留めリトラクタブレード310および410をモジュール式椎弓根ネジのヘッドから取り外す必要はなく、ましてやヘッドから緩める必要なく、チューリップをモジュール式椎弓根ネジのヘッドに固定することができる。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、リトラクタ1000を使用する方法は、椎弓根ネジなどの1つ以上の骨アンカを患者の空間に置く第1のステップを含む。1つ以上の骨アンカは、この第1のステップ中にネジのシャンク部分だけを含むモジュール式ネジであり得る。第1のリトラクタブレード310はそして第1の骨アンカに向かって前進し、ブレード310のアンカ部分をネジの近位端上を前進させる。アンカ部分はそしてネジの周囲で閉じられる。第2の骨アンカが使用される場合、リトラクタブレード410は、第1のリトラクタブレード310と同様の方法で、第2の骨アンカに向かって前進し、その上にアンカ留めされる。それぞれのリトラクタブレードはそして、ベース部分100と、リトラクタアーム300および400とを含むリトラクタアセンブリ1000に固定される。そして、アームを操作して、患者の脊椎、特に椎間腔へのアクセスを可能にする開口部を拡大することができる。十分なアクセスが得られれば、外科医は椎弓切除術、または患者の椎間板の全体または部分的な除去および各椎骨間の椎体間移植を必要とする椎間板固定術など、さまざまな処置を行い得る。
【0026】
上記処置中または処置後、リトラクタ1000は、リトラクタブレード310および410の位置および/または角度を調節することによって、椎間板腔を開き、および/または椎間板腔の構成を調節するように操作され得る。
【0027】
リトラクタ1000によって形成される開口部は、以下でさらに説明する、内側リトラクタブレード310または外側リトラクタブレードの使用によってさらに強化され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、リトラクタ1000は、1つのアンカ留めリトラクタブレード310または410のみと、1つの内側ブレード210とを含む。いくつかの実施形態では、リトラクタ1000は、アンカ留めリトラクタブレード310および410を含むが、内側ブレード210を含まない。
【0029】
図2は、リトラクタアーム300とベース100の延長部100aとの係合を強調するリトラクタ1000の拡大図を示し、この係合は、リトラクタアーム300の受容部分、すなわち窓320を通して延長部100aを挿入することによって達成される。同様に、リトラクタアーム400は、リトラクタアーム400の窓420を通して延長部100bを受容することによって延長部100bと係合する。対照的に、内側アーム200は、窓130であるベース100上の受容部分に挿入されることによってベース100と係合する。
【0030】
延長部100aおよび100bはそれぞれ、2組の線形ギア歯を含む。各延長部の一組のギア歯は、各リトラクタアームに設けられたピニオンギアと係合して、延長部100aおよび100bに沿ってリトラクタアーム300および400をそれぞれに直線的に並進制御することを可能にするラックアンドピニオン機構を形成する。それぞれのピニオンギアの回転は、拡張機構330および/または430をそれぞれ回転させることによって達成される。この図示の実施形態では、いずれかの拡張機構の回転は、一方向、すなわち、本明細書では正中線とも呼ばれる、内側リトラクタブレード210から離れる方向の拡張方向にのみ実行され得る。これは、各ラックアンドピニオン機構がそれぞれキャッチ340および440に結合されており、キャッチ340および440が各延長部の他の組の線形ギア歯と係合するからである。各拡張機構が回転すると、各ピニオンギアが回転し、そのそれぞれの組の線形ギア歯と係合して、それぞれのリトラクタアームを正中線から離れる方向に並進させる。各リトラクタアームが前進するにつれて、キャッチ340および/またはキャッチ440(それぞれが第2の組の線形ギア歯との係合を維持するためにバネ負荷されている)により、各リトラクタアームが正中線から離れるように並進することを可能にするが、いずれかのリトラクタアームが正中線に向かって並進することを防止する。正中線に向かう並進を達成するには、キャッチ340および/またはキャッチ440を線形ギア歯から離れる方向に枢動させなければならず、それにより、それぞれのリトラクタアームが延長部100aおよび/または100bに沿って自由に並進できるようになる。
【0031】
いくつかの実施形態では、そのようなキャッチは使用されず、正中線から離れる、およびそれに向かう並進は、単に拡張機構330および/または430を回転させることによって達成され、いくつかの実施形態では、並進を達成するためにより多くのトルクを必要とするように変更される。より高いトルクを必要とすることにより、リトラクタアーム300および/または400に印加される力だけによって拡張機構が意図せず回転されることを防ぎ得る。
【0032】
図2はまた、内側リトラクタアーム200が、ベース部分100上の調節機構140(この実施形態ではウォームギアである)と係合するように構成された一組の線形ギア歯220を含むことを示している。回転される方向にもよるが、調節機構140の回転は、アンカ留めリトラクタブレード310および410と内側リトラクタブレード210との間に形成される手術通路から離れる方向またはそれに向かう方向のいずれかに内側リトラクタアーム200を線形並進させる。
【0033】
図3は、リトラクタアームが取り付けられていないベース部分100を示す。この図は、延長部100aおよび延長部100bのそれぞれの線形ギア歯の各組を明確に示している。また、係合部分120を形成するそれぞれの係合延長部120aおよび120bも明確に示されている。リトラクタ1000のこの実施形態は、係合延長部120aおよび120bの両方を含むが、リトラクタ1000のいくつかの実施形態は、1つの係合延長部のみを含み得る。リトラクタ1000を使用するとき、ユーザは、Aアームまたは同様の装置を係合延長部120aもしくは120bのいずれかまたは両方に取り付けることによって、リトラクタ1000を手術台に固定し得る。2つの係合拡張部の存在により、ユーザはさまざまな係合方位から選択することができる。例えば、患者の片側から患者の脊椎にアプローチする場合、特定の係合拡張部がAアームにとってより望ましい固定点になり得る。しかし、反対側から患者の脊椎にアプローチする場合、他方の係合延長部により、外科医は患者の最初の側で得られた方位の鏡像を得ることができる。あるいはいくつかの場合には、外科医が左利きの場合、またはその逆の場合、異なる固定点の方が、より有益であることが判明する場合もある。
【0034】
図4は、ベース部分100またはリトラクタブレード310のないリトラクタアーム300の斜視図である。この図は、受容部分320を明確に示しており、この図示の実施形態では、延長部100a(図示せず)の下側の対応チャネルと係合する隆起またはキー付き部分350を含み、リトラクタアーム300と延長部100aとの間の確実な係合を保証する。
【0035】
リトラクタアーム300はまた、図17を参照して後述する補助または外側リトラクタアームの取り付け点として機能するように構成された補助取り付け部分360を含む。
【0036】
リトラクタアーム300はさらに、回転するとリトラクタブレード310の遠位端を外側に突き出す伸延機構370を含み、それによって、リトラクタ1000が取り付けられるかまたはアンカ留めされる椎骨の伸延を可能にし、またはそれを引き起こす。
【0037】
リトラクタアーム300は、その遠位端にて、図6および図7を参照して後述するように、リトラクタブレード310の近位端を解放可能に固定するように構成されたリトラクタブレード係合部分380を含む。リトラクタブレード係合部分380は、解放ボタン380aを含み、解放ボタン380aは、押されると、リトラクタブレード310の近位端をリトラクタブレード係合部分380から解放することができる。しかし、リトラクタブレード310をリトラクタブレード係合部分380に係合させるには、ボタン380aの押下を必要とせず、その理由は、(図6に関してより詳細に説明される)機構が、最小限の労力でリトラクタブレード310を簡単に取り付けることを可能にする受動的機構であるからである。ブレード310とアーム300との係合は、ブレード310の近位端をブレード係合部分380に押し込むことだけを必要とする。
【0038】
図5は、ベース部分100またはリトラクタブレード410のないリトラクタアーム400の斜視図である。この図は、受容部分420を明確に示しており、この図示の実施形態では、延長部100b(図示せず)の下側の対応チャネルと係合する隆起またはキー付き部分450を含み、リトラクタアーム400と延長部100bとの間の確実な係合を保証する。
【0039】
リトラクタアーム400はまた、図17に示される実施形態の鏡像である補助または外側リトラクタアームの取り付け点として機能するように構成された補助取り付け部分460を含む。
【0040】
リトラクタアーム400はさらに、回転するとリトラクタブレード410の遠位端を外側に突き出す伸延機構470を含み、それによって、リトラクタ1000が取り付けられるかまたはアンカ留めされる椎骨の伸延を可能にし、またはそれを引き起こす。
【0041】
リトラクタアーム400は、その遠位端にて、リトラクタブレード410の近位端を解放可能に固定するように構成されたリトラクタブレード係合部分480を含む。リトラクタブレード係合部分480は、解放ボタン480aを含み、解放ボタン480aは、押されると、リトラクタブレード410の近位端をリトラクタブレード係合部分480から解放することができる。しかし、リトラクタブレード410をリトラクタブレード係合部分480に係合させるには、ボタン480aの押下を必要とせず、その理由は、機構が、最小限の労力でリトラクタブレード410を簡単に取り付けることを可能にする受動的機構であるからである。
【0042】
図6は、リトラクタアーム300の係合部分380の下面の拡大図である。この図は、係合部分380が、解放ボタン380aに加えて、スロット380cを含む受容領域380bを含むことを示す。受容領域380b内には、付勢要素380eによってロック位置に解放可能に保持されるロック機構380dがある。図示されていないが、解放ボタン380aは、解放ボタン380aが押されるとロック機構380dと位置合わせされてロック解除位置へロック機構380dが枢動できるようにする切り欠き部分を含む。
【0043】
図7は、リトラクタブレード310の斜視図であるが、リトラクタブレード410の図示の実施形態も実質的に同一である。したがって、リトラクタブレード310のこの説明は、リトラクタブレード410にも同様に適用される。同様に、リトラクタブレード310がリトラクタアーム300と係合する方法は、リトラクタブレード410がリトラクタアーム400と係合する方法と実質的に同一である。
【0044】
図7は、近位端10および遠位端15を有する細長ブレード部分5として画定される、アンカ留めリトラクタブレード310のそのような一実施形態を示す。ブレード部分5の遠位端15には、椎弓根ネジなどの骨インプラント(図示せず)に固定されるように構成された2つのジョー部材20A,20Bを含むアンカアセンブリ20が配置されている。ジョー部材20A,20Bは、「鏡像」構成要素であり得、または、適切なアンカへの取り付けを容易にするためにそれぞれ別個の設計を有し得る。ブレード部分5は、前面25および反対側の後面30の両方を有する。図7にて見られるように、この実施形態では、ブレード部分5の側部が前面25に向かって湾曲するように、ブレード部分5がわずかに湾曲しているという事実である。
【0045】
前面25には、近位端10から遠位端15に向かって延在するチャネル35が配置されている。チャネル35は、近位端10から遠位端15に向かって下方に器具の通過を容易にするように構成されている。そのような器具は、アンカ留めブレード310によって形成された手術通路の可視化を容易にするために使用される照明ストリップを含み得る。チャネル35に沿って、器具をブレード部分5に沿ったさまざまな深さで固定するための器具の固定点として機能し得る多数の窪みがある。これらのチャネルはまた、アンカ留めブレード310の清掃を容易にし得る。
【0046】
ブレード部分5の近位端10は、実質的に水平な部材45と、一対の側方延長部55を有する球状ヘッド部分50とを含むリトラクタ係合部分40を含む。係合部分40は、リトラクタ1000などのリトラクタアセンブリと解放可能に係合するように構成されている。球状ヘッド部分50は、側方延長部55と併せて、アンカ留めブレード310が、リトラクタアセンブリに係合または固定されたときに、回転軸を形成する側方延長部により単一の回転面に沿って所望の位置まで回転することができるように構成されている。
【0047】
また、図7には、図9および図10を参照してより詳細に説明する制御アセンブリ60の一部であるツール係合部分60Aが見られる。
【0048】
図8Aは、閉構成にあるアンカアセンブリ20を示し、図8Bは、開構成にあるアンカアセンブリ20を示す。図8Aおよび図8Bはさらに、第1のジョー部材20Aが第1の軸65Aの周りに枢動し、第2のジョー部材20Bが第2の軸65Bの周りに枢動することを示している。この図示の実施形態では、第1の軸65Aおよび第2の軸65Bは、細長ブレード部分5と実質的に同じ平面内に、または少なくとも細長ブレード部分5の平面に平行な平面内に存する。しかし、互いに同じ平面内に存するにもかかわらず、第1の軸65Aおよび第2の軸65Bは角度65Cで互いに交差する。
【0049】
角度65Cは、約60°~約70°、約65°~約75°、約70°~約80°、約75°~約85°、約80°~約90°、約85°~約95°、約90°~約100°、約95°~約105°、約100°~約110°、約65°~約105°、または約75°~約95°などの任意の適切な角度とすることができる。いくつかの実施形態では、アンカリングアセンブリ20の開口部により、手術通路の限られた範囲内で手術を行っている間、骨インプラント上への容易なアンカリングおよび/または骨インプラントからの容易な取り外しが可能になるはずであることを理解されたい。したがって、いくつかの実施形態では、角度65Cは、骨インプラントの一部の周囲でアンカリングアセンブリ20を開閉するだけでなく、アンカ留めブレード310が手術通路内に下降されるか、または手術通路から取り出されるときに、アンカ留めブレード310の上方または下方への移動を容易にするためにも選択される。
【0050】
角度65Cは、その中心線が細長ブレード部分5の中央線と実質的に一致するように示されている。これは、第1の軸65Aおよび第2の軸65Bが実質的に対称であることを意味する。しかし、いくつかの実施形態では、2つの軸は対称ではなく、それにより、角度65Cの中心線が細長ブレード部分5の中央線と一致しない。そのような実施形態では、第1および第2のジョー部材を非対称的な方法で開閉させること、または、場合によっては、一方のジョー部材をより垂直な線またはより水平な線において移動させることが望ましくあり得る。例えば、いくつかの実施形態では、角度65Cの中心線は、細長ブレード部分5の中央線から約1°~約4°、約3°~約6°、約5°~約8°、約7°~約10°、約9°~約12°、約11°~約14°、約13°~約16°離れている。
【0051】
アンカリングアセンブリ20は、互いに協働し得る第1のジョー部材20Aおよび第2のジョー部材20Bを含むものとして示されているが、いくつかの実施形態では、一方のジョー部材のみは枢動するが、他方のジョー部材は閉構成のままであり得る。いくつかの実施形態では、制御アセンブリ60(以下でより詳細に説明する)は、閉構成にあるときに両方のジョー部材に等しく積極的に係合する一方、各ジョー部材が自由に枢動できるようにすることによって開構成を達成し、それにより、第1および第2のジョー部材20A,20Bは、協働して枢動してもしなくてもよい。
【0052】
図9は、アンカ留めブレード310の側面図であり、閉構成にあるときの、細長ブレード部分5に対するアンカリングアセンブリ20の実質的に直交する方位、ならびに、リトラクタ係合部分40の水平部材45に対する細長ブレード部分5の直交する方位などの多くの特徴を示す。この図示の実施形態では、細長ブレード部分5は第1の平面を画定すると言うことができ、アンカリングアセンブリ20の一部は第2の平面を画定すると言うことができ、水平部材45は第3の平面を画定すると言うことができる。いくつかの実施形態では、アンカリングアセンブリ20が閉構成にあるとき、第2および第3の平面は、互いに実質的に平行であり、第1の平面に対して実質的に直交する。いくつかの実施形態では、第2の平面および第3の平面のうちの1つは第1の平面に対して実質的に直交するが、第2および第3の平面は互いに平行ではない。いくつかの実施形態では、第2の平面も第3の平面も第1の平面に対して直交しておらず、それらは互いに平行であってもなくてもよい。図9はさらに、アンカリングアセンブリ20の少なくとも一部が、閉構成にあるとき、実質的に第1の平面内、または第1の平面に平行な平面内に存することを示している。アンカリングアセンブリのこの部分は、第1および第2のジョー部材の両方のベース部分と呼ばれ得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、第1および第2の平面は、約70°~約85°、約80°~約95°、約90°~約105°、約100°~約115°、約70°~約115°、約80°~約100°、または約85°~約95°の角度で互いに交差する。いくつかの実施形態では、第1および第3の平面は、約70°~約85°、約80°~約95°、約90°~約105°、約100°~約115°、約70°~約115°、約80°~約100°、または約85°~約95°の角度で互いに交差する。
【0054】
図9は、細長ブレード部分5の前面25および後面30と、制御アセンブリ60が後面30に配置されているという事実とを示し、制御アセンブリ60はツール係合部分60A(図7および図11に示す)、接続ロッドハウジング60B内に収容される接続ロッド60C、および可動ブロック60Dを含む。この実施形態では、ツール係合部分60Aの回転により接続ロッド60Cが回転し、これにより可動ブロック60Dが遠位方向または近位方向に並進する。いくつかの実施形態では、制御アセンブリは、チャネル35においてなど、前面25に配置される。
【0055】
次に図10Aおよび図10Bを参照すると、可動ブロック60Dの遠位方向への並進により、アンカアセンブリ20の第1および第2のジョー部材20A,20Bが遠位方向または下方に押され、それにより、第1および第2のジョー部材20A,20Bが枢動して、図10Aに示されるような閉構成になって維持される。開構成は、図10Bに示すように、可動ブロック60Dを近位方向に並進させる(これは、ツール係合部分60Aを回転させることによって引き起こされる)ことによって達成される。可動ブロック60Dが近位方向に並進すると、第1および第2のジョー部材20A,20Bに印加される圧力が減少して除去されるが、ジョー部材は閉構成から自動的に移行しなくてもよい。換言すれば、第1および第2のジョー部材20A,20Bは受動的に閉構成に留まり得る。アンカリングアセンブリ20が骨インプラントにアンカ留めされている場合、第1および第2のジョー部材20A,20Bを開くには、アンカ留めブレード310を近位方向に引いてアンカリングアセンブリ20を骨インプラントから係合解除する必要があり得る。しかし、アンカリングアセンブリ20が骨インプラントにアンカ留めされておらず、それに接触する組織または他の物体がない場合、可動ブロック60Dを並進させることは、第1および第2のジョー部材が重力によって下方または遠位方向に引っ張られて、開構成を達成することを可能にする。
【0056】
いくつかの実施形態では、可動ブロック60Dの遠位方向の並進により、アンカ留めブレード310を動かす必要がなく、アンカリングアセンブリ20が自動的に開構成に移行する。いくつかの実施形態では、第1のジョー部材20Aまたは第2のジョー部材20Bのいずれかが可動ブロック60Dに機械的に係合され、それにより、可動ブロック60Dの近位方向への並進により、関連するジョー部材が開構成に移行し、他方のジョー部材は受動的に閉構成に留まる。
【0057】
図示の実施形態では、ツール係合部分60Aの回転を可動ブロック60Dの並進に機械的に伝達する接続ロッド60Cが、接続ロッドハウジング60B内に収容されている。いくつかの実施形態では、接続ロッド60Cはハウジング内に収容されない。いくつかの実施形態では、ツール係合部分60Aがリトラクタ係合部分40上またはその近くに配置されないように、接続ロッド60Cがより短い。例えば、ツール係合部分60Aは、細長ブレード部分5の後面30に沿って、より遠位に配置され得る。いくつかの実施形態では、ツール係合部分60Aがブロック60Dに直接接続されるように、接続ロッド60Cは全く含まれていない。
【0058】
いくつかの実施形態では、制御アセンブリ60の一部またはすべてが、細長ブレード部分5の前面25上に配置されている。いくつかのそのような実施形態では、アンカ留めブレード310の近位端に向かってできるだけ多くの作業スペースを維持することが望ましくあり得る。したがって、制御アセンブリ60は、ツール係合部分60Aが可動ブロック60Dの真上または可動ブロック60Dの近位に配置されるように、接続ロッドを欠き得、調節ツールは、ツール係合部分60Aを係合および回転させるために、前面25に沿って細長ブレード部分5の長さ方向に延在しなければならない。
【0059】
図9および図10はまた、リトラクタ係合部分40の球状ヘッド部分50上の側方突起55を示す。この図示の実施形態では、側方突起55は、細長ブレード部分5により画定された平面にほぼ直交する回転面内でアンカ留めブレード310の回転を生じさせる軸を画定する。しかし、いくつかの実施形態では、異なる平面内での回転が望ましくあり得、その場合、側方突起55を球状ヘッド部分50上に適宜配置して、所望の平面内で回転を達成することができる。さらに、いくつかの実施形態では、アンカ留めブレード310が複数の平面内で回転することができるようにするために、側方突起55が完全に除去される。
【0060】
図11は、アンカ留めブレード310の近位端の上面図である。その斜視図は、他の図に関して上述したアンカ留めブレード310の多くの要素の構造的関係を示すが、図11はさらに、第1および第2のジョー部材20A,20Bの遠位部分または弓状部分を示す。第1および第2のジョー部材20A,20Bは、閉構成で互いに当接するとき、骨ネジまたは椎弓根ネジなどの骨インプラントの一部にアンカ留めおよびそれを保持するように構成された開口部70を形成する。この図示の実施形態では、開口部70は実質的に円形であるが、いくつかの実施形態では、開口部70は、楕円形、正方形、長方形などの他の形状を有する。この図示の実施形態では、開口部70の円形形状は、第1および第2のジョー部材20A,20Bの2つの半円アスペクトによって達成される。いくつかの実施形態では、第1および第2のジョー部材の一方または両方は、2つ未満の半円を形成する。図示の実施形態では、第1および第2のジョー部材20A,20Bの2つの半円は、半円の各端部で実質的に互いに当接するように示されている。そのような構成は、アンカ留めブレード310のより大きな安定性または係合を提供し得るだけでなく、アンカ留めブレード310を骨インプラントに係合させるユーザに、より大きな触覚応答をも提供し得る。しかし、いくつかの実施形態では、一方の半円(または他の適切な形状)の一端のみが、他の半円(または他の適切な形状)の対応する端部に当接する。いくつかの実施形態では、半円(または他の適切な形状)のどちらの端部も、他の半円(または他の適切な形状)の対応する端部に当接しない。
【0061】
開口部70の形状は、アンカリングアセンブリ20がアンカ留めされる骨インプラントの部分の形状によって決定され得る。例えば、骨インプラントが椎弓根ネジであり、アンカ留めされる部分が部分的または完全に球状のヘッドである場合、開口部70の形状は理想的には円形であり、第1および第2のジョー部材20A,20Bの弓状アームの縁部は、椎弓根ネジの球状ヘッドを収容または係合するために、傾斜面または丸みを帯びた面をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、開口部70の形状および側面は、椎弓根ネジのシャンク部分に取り付けられるように構成され得、それにより、椎弓根ネジがモジュール式の椎弓根ネジである場合、椎弓根ネジの上部またはヘッド部分にアクセスして、ヘッドへのチューリップの組み立てを可能にする。
【0062】
いくつかの実施形態では、アンカリングアセンブリ20の閉構成は、第1のジョー部材20Aの少なくとも一部が第2のジョー部材20Bの少なくとも一部と接触し、その接触が維持されるときに達成されると理解される。いくつかの実施形態では、閉構成は、可動ブロック60Dが第1および第2のジョー部材20A,20Bに力を印加するのに十分な距離だけ遠位に並進されて、第1のジョー部材20Aのどの部分も第2のジョー部材20Bのどの部分とも接触していない場合でも、アンカリングアセンブリ20が骨インプラントまたは他の適切なアンカリング点に係合およびアンカ留めされることを可能にするときに達成されると理解される。
【0063】
いくつかの実施形態では、アンカリングアセンブリ20の開構成は、可動ブロック60Dが近位方向に十分に並進されて、アンカリングアセンブリ20の第1および第2のジョー部材20A,20Bが開き、それによって骨インプラントの一部(または他の適切なアンカリング点)が開口部70に出入りすることを可能にするときに達成されると理解される。
【0064】
本明細書に開示されるアンカ留めリトラクタブレードは、リトラクタ1000などのリトラクタアセンブリとともに使用するように構成されている。そのようなアセンブリは、1つ以上のリトラクタアームを有し得、各アームは、リトラクタブレードを(解放可能にまたは解放不可能に)それに取り付けるように構成され、そのブレードのうちの少なくとも1つは、本開示によるアンカ留めリトラクタブレードである。リトラクタアセンブリのいくつかの実施形態では、2つのアンカ留めブレードがリトラクタアセンブリ内で互いに対向して配置される。いくつかの実施形態は、2つの対向するアンカ留めブレードによって形成された空間の側に配置される内側および/または外側ブレードを含む。
【0065】
適切なリトラクタアセンブリはまた、リトラクタアセンブリが手術台に対して固定される位置および方位にて解放可能に固定され、保持され得るように、支持係合部分を含み得る。そのような構成では、Aアームを利用してリトラクタアセンブリを手術台に固定し得る。
【0066】
本明細書で論じられるアンカ留めリトラクタブレードは、外科用リトラクタを骨インプラントまたは他の適切なアンカにアンカ留めする方法にて使用することができる。そのような方法は、アンカ留めブレードの第1および第2のジョーの少なくとも一部が第1の骨インプラントの上面の下に配置されるように、この開示による第1のアンカ留めブレードを手術通路内に配置することを含み得る。所定位置に配置されると、ユーザは、第1のアンカ留めブレードの制御アセンブリを作動させて、第1および第2のジョーを開構成から閉構成に移行させ、第1のアンカ留めブレードを第1の骨インプラントにアンカ留めする。いくつかの方法は、第2のアンカ留めブレードの第1および第2のジョーの少なくとも一部が第2の骨インプラントの上面の下に配置されるように、この開示による第2のアンカ留めブレードを手術通路内に配置することをさらに含む。所定位置に配置されると、ユーザは、第2のアンカ留めブレードの制御アセンブリを作動させて、第1および第2のジョーを開構成から閉構成に移行させ、第2のアンカ留めブレードを第2の骨インプラントにアンカ留めする。
【0067】
上記の方法は、アンカ留めブレードが、手術部位またはその近くにすでに置かれている骨インプラントにどのように固定されることができるかを示している。代替の実施形態では、結果として得られる構造物が手術部位近くの患者の体内に挿入される前に、一方または両方のアンカ留めブレードが骨アンカに固定される。そのような構成では、ブレード/インプラントの組み合わせが手術部位またはアンカ部位に向かって前進し、適切に配置されると、骨インプラント(例えば椎弓根ネジ)が骨内に前進し、それによってアンカ留めブレードも所定位置に固定される。他方のアンカ留めブレードについても同じステップが実行され得、両方のアンカ留めブレードを所定位置に置き、それらをリトラクタアセンブリに固定して、安定した手術通路を確立し得る。いくつかの実施形態では、ドライバをブレード/インプラントの組み合わせに固定して、ブレード/インプラント/ドライバの組み合わせを達成し、そして、手術部位またはアンカ部位に向かって前進させ、それにより、その組み合わせが適切に配置されると、ドライバをすぐに使用して、追加の器具またはステップを必要とせずに、インプラントを骨内に前進させることができる。
【0068】
骨インプラントがモジュール式椎弓根ネジである場合、いくつかの方法は、椎弓根ネジのヘッド部分にチューリップをインストールするステップをさらに含む。本明細書に開示されるようなアンカ留めリトラクタブレードを利用するいくつかの方法は、経椎間孔腰椎椎体間固定術の処置の一部となる。いくつかの方法は、後部腰椎椎体間固定術の処置の一部となる。いくつかの方法は、側方腰椎椎体間固定術の処置の一部となる。
【0069】
図12は、調節機構140と嵌合するように構成された線形ギア歯220を備える上面を有する細長部分215を含む、内側リトラクタアーム200を示す。上述したように、調節機構140の回転により、内側リトラクタアーム200は、ベース部分100に対して線形に並進し、2つ以上のリトラクタブレード/アームによって形成される手術通路の内側部分を拡張または収縮させる。内側リトラクタアーム200は、その遠位端に、伸延機構230によって細長部分215に対して枢動可能な内側ブレード係合部分225を含み、伸延機構230は、回転すると、係合部分225を下向きに枢動させ、これは、細長部分215により画定される平面の下方を意味する。そのような枢動は、外科用アクセスを拡大するため、および/または手術通路内への組織侵入に対抗するために有用であり得る。
【0070】
係合部分225は、内側リトラクタブレード210の係合延長部を受容するように構成された受容窓235を含み、これについては、図15および図16を参照して以下でより詳細に説明する。係合部分225はさらに、ロック部分245(図13および図14に関して以下でより詳細に説明する)と、この図示の実施形態では係合部分225の上面の上に延びるボタン部分250とを備える解放/ロック機構240を含む。
【0071】
図13は、係合部分225の正面図であり、伸延機構230、受容窓235、および解放/ロック機構240が見える。図示されていないが、解放/ロック機構240の下に解放/ロック機構をロック位置に維持するバネなどの付勢要素が配置されており、これは、ロック部分245の円錐台形セクションの大部分が受容窓235を通して見えるときに達成される。ボタン部分250を押し下げると、付勢要素が圧縮され、ロック部分245が受容窓235の下に落ちることが可能になって、それにより、内側ブレード係合部分を解放する。
【0072】
図14は、解放/ロック機構240を単独で示し、後述するように、円錐台形セクションの後ろに、内側ブレード係合部分の少なくとも一部を受容するように構成された2つの切り欠き255を含む後方セクションを強調している。いくつかの実施形態は、単一の切り欠き255のみを含む。いくつかの実施形態は、異なる形状の切り欠きを含むが、一般に、切り欠きの形状は、内側ブレード係合部分の延長部の形状に対応する。
【0073】
図15は、内側リトラクタブレード210の斜視図であり、内側リトラクタブレード210がその近位端に係合部分260を含み、その遠位端に延長可能部分265を含むことを示す。近位端と遠位端との間には、ブレード本体255がある。延長可能部分265は、その遠位端に湾曲した先端を有するように示されている。この構成により、内側リトラクタブレード210は、外科用リトラクタ1000に固定された2つ以上のリトラクタブレードによって形成される手術通路からの組織をより良好に保持または抑制し得る。延長可能部分265は、手術通路の深さおよび外科処置のニーズに応じて、ブレード本体255の中へ、またはブレード本体255から外へ並進され得る。
【0074】
係合部分260は、1つの延長部、または一対の延長部270を含み、延長部270は、図示のように、受容窓235に挿入されるときに解放/ロック機構240と係合するように構成されている。図15は、この実施形態において延長部270がフックまたはアーチ275を有することを示している。この構造的特徴は、解放/ロック機構240のロック部分245の円錐台形状に適合するように構成されている。アーチ状領域275に隣接する傾斜面280は、係合部分260が受容窓235に押し込まれるときにロック部分245を押し下げるように構成され、それにより、ロック部分245を押し下げ、その下の付勢要素を圧縮し、延長部270が少なくとも部分的にロック部分245を通過することができる。延長部270が内側リトラクタアーム200の係合部分225に十分に挿入されると、アーチ状領域275は、ロック部分245をアーチ状領域275に収容することによって、解放/ロック機構240がロック位置に戻ることを可能にする。さらに、延長部270のほぼ長方形の外形は、受容窓235のほぼ長方形の内面に対応し、それにより、係合部分の回転運動、それに関連して、内側リトラクタブレード210の回転運動に抵抗する。
【0075】
上記で説明した特徴は、能動的ロックステップ、他の構成要素の作動、構成要素またはボタンの押下などを必要とせずに、内側アーム200による内側ブレード210の受動ロックを可能にするように設計されている。
【0076】
内側リトラクタアーム200からの内側リトラクタブレード210の係合解除は、ボタン部分250を押すことによって達成され、これによりロック部分245が下方に移動し、延長部270がロック部分245を越えて受容窓235の外に引っ張られることが可能になる。
【0077】
図16はさらに、内側リトラクタブレード210が、この実施形態において、アンカ留めリトラクタブレード310および/または410のチャネル35と同様の方法で動作するように構成されたチャネル285を含み得ることを示している。
【0078】
図17は、補助または外側リトラクタアーム500を示す。この図示された外側リトラクタアーム500は、リトラクタアーム300に取り付けられるように構成されているが、いくつかの実施形態では、外側リトラクタアーム500は、リトラクタアーム400に取り付けられるように構成され得る。これは、後述する外側リトラクタアーム500のさまざまな特徴の方位を単に反転することによって達成される。
【0079】
外側リトラクタアーム500は、その近位端にアーム係合部分505を含み、その遠位端に外側ブレード係合部分510を含む。遠位端と近位端との間には、伸延機構515および外側調節機構520があり、外側調節機構520は、この図示の実施形態では、ウォームギアを備える。調節機構520の回転により、外側リトラクタアーム500が拡張または収縮し、リトラクタ1000に取り付けられると、手術通路のサイズが拡大または縮小する。伸延機構515は、回転すると、外側ブレード係合部分510に固定された外側リトラクタブレードを外側に突き出すか、または角度を付ける。外側ブレード(図示せず)は、内側リトラクタブレード210と同様の設計とし得る。外側ブレード係合部分510は、この図示の実施形態では、リトラクタブレードがねじれたりまたは回転したりしないようにリトラクタブレードを解放可能に固定するという点で、内側ブレード係合部分225と同様に動作する。
【0080】
適切な手術通路を達成するために、本明細書に開示される外科用リトラクタは、2つのアンカ留めリトラクタブレード、1つの内側リトラクタブレード、および1つの外側リトラクタブレードの任意の組み合わせを使用して、わずか2つのリトラクタブレード、および多くとも3つのリトラクタブレードを含み得、外側リトラクタブレードは、外側リトラクタアームを介して2つのリトラクタアームのいずれかに固定される。例えば、いくつかの構成は、互いに対向する2つのアンカ留めリトラクタブレードのみを含む。いくつかの構成は、2つのリトラクタブレードと内側リトラクタブレードのみを含み、これらの構成のいくつかはさらに、外側リトラクタアームを介して2つのリトラクタアームのいずれかに取り付けられた外側リトラクタブレードを含む。いくつかの実施形態は、内側リトラクタアームもしくは外側リトラクタ、または内側リトラクタブレードおよび外側リトラクタブレードの両方と、1つのみのアンカ留めリトラクタブレードとを含む。
【0081】
実施形態
【0082】
以下の実施形態は、この開示の著者によって企図された特定の構成、材料、配置などの例としてのみ提供される。
実施形態1.
第1および第2の延長部、第1の受容領域、ならびに1つ以上の係合部分を備えるベース部分と、
近位端および遠位端を有し、内側リトラクタブレードの一部と解放可能に係合するように構成された遠位端の第2の受容領域を有し、近位端がベース部分の第1の受容領域にてスライド可能に受容されるように構成された内側リトラクタアームと、
近位端および遠位端を有し、ベース部分の第1の延長部をスライド可能に受容するように構成された近位端の第3の受容領域、および、第1のリトラクタブレードの一部と解放可能に係合するように構成された遠位端の第4の受容領域を有する第1のリトラクタアームと、
近位端および遠位端を有し、ベース部分の第2の延長部をスライド可能に受容するように構成された近位端の第5の受容領域、および、第2のリトラクタブレードの一部と解放可能に係合するように構成された遠位端の第6の受容領域を有する第2のリトラクタアームと
を備え、
内側、第1、および第2のリトラクタブレードが共に調節可能な手術通路を形成する、
外科用リトラクタ。
実施形態2.
第1および第2のリトラクタアームの一方または両方が外側アーム係合部分をさらに備える、実施形態1に記載の外科用リトラクタ。
実施形態3.
近位端および遠位端を有する外側リトラクタアームをさらに備え、近位端は、第1または第2のリトラクタアームの外側アーム係合部分と解放可能に係合するように構成された第7の受容領域を備え、遠位端は、外側リトラクタブレードの一部と解放可能に係合するように構成された第8の受容領域を備える、実施形態2に記載の外科用リトラクタ。
実施形態4.
第2および第8の受容領域のうちの少なくとも1つは、内側または外側リトラクタブレードの一部を固定される方位にて受容および維持するように構成されたハウジングを備える、実施形態2または3に記載の外科用リトラクタ。
実施形態5.
第2および第8の受容領域のうちの少なくとも1つは、内側または外側リトラクタブレードの一部を受容して所定位置に受動的にロックするように構成された第1の受動ロック機構を備える、実施形態2、3、または4に記載の外科用リトラクタ。
実施形態6.
第1の受動ロック機構は、手術通路とは反対側を向いた1つ以上の切り欠きを有する円錐台形ベース部分を有するバネ式コラムを備える、実施形態5に記載の外科用リトラクタ。
実施形態7.
第2および/または第8の受容領域によって受容される内側ブレードの一部が、バネ式コラムの幅に適合するように離間された一対の延長部を備え、各延長部は、円錐台体の各切り欠きによって受容されるように構成された遠位方向に延在する突起を有する、実施形態6に記載の外科用リトラクタ。
実施形態8.
外側リトラクタアームが、近位端と遠位端との間に配置された外側調節機構をさらに備える、実施形態3、4、5、6、または7に記載の外科用リトラクタ。
実施形態9.
第1の受容領域が、内側リトラクタアームに係合してその位置を調節するように構成された内側調節機構を備える、実施形態1、2、3、4、5、6、7、または8に記載の外科用リトラクタ。
実施形態10.
外側調節機構および内側調節機構の少なくとも一方がウォームギアである、実施形態8または9に記載の外科用リトラクタ。
実施形態11.
第1、第2、内側、および外側リトラクタアームのうちの少なくとも1つが、近位端と遠位端との間に配置された伸延調節機構をさらに備える、実施形態2、3、4、5、6、7、8、9、または10に記載の外科用リトラクタ。
実施形態12.
第4および第6の受容領域のうちの少なくとも1つは、第1または第2のリトラクタブレードの一部を受容して所定位置に受動的にロックするように構成された第2の受動ロック機構を含むハウジングを備える、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11に記載の外科用リトラクタ。
実施形態13.
ハウジングが、第1または第2のリトラクタブレードの一部が手術通路と交差する平面上で枢動することを可能にするように構成されている、実施形態12に記載の外科用リトラクタ。
実施形態14.
受動ロック機構が、第1の位置に受動的に維持されるバネ式ブロッカを備え、ブロッカが、第1の軸の周りに枢動し、第1または第2のリトラクタブレードの一部が第4または第6の受容領域内に押し込まれたときに、第2の位置に回転するが、第1または第2のリトラクタブレードの一部が第4または第6の受容領域内に十分に前進したときに、自動的に回転して第1の位置に戻るように構成されている、実施形態12または13に記載の外科用リトラクタ。
実施形態15.
受動ロック機構がバネ式ボタンを備え、バネ式ボタンは、押されるとブロッカが第1または第2のリトラクタブレードの一部を第1または第2のリトラクタブレードのハウジングから解放する第3の位置に回転することを可能にする、実施形態14に記載の外科用リトラクタ。
実施形態16.
ベース部分の1つ以上の係合部分が、2つの係合部分を備える、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15に記載の外科用リトラクタ。
実施形態17.
第1および/または第2のリトラクタブレードの一部は、2つの側方突起を有する球状形状を備える、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16に記載の外科用リトラクタ。
実施形態18.
第1および第2のリトラクタブレードのうちの少なくとも1つは、アンカ留めリトラクタブレードである、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17に記載の外科用リトラクタ。
実施形態19.
アンカ留めリトラクタブレードは、椎弓根ネジに解放可能にアンカ留めされるように構成されている、実施形態18に記載の外科用リトラクタ。
実施形態20.
アンカ留めリトラクタブレードは、実施形態32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、または49に記載のアンカ留めブレードである、実施形態19に記載の外科用リトラクタ。
実施形態21.
第2および第3の受容領域のうちの少なくとも1つは、第1または第2のリトラクタアームが内側リトラクタアームから離れて第1または第2の延長部に沿って前進するときに、第1または第2のリトラクタアームを第1または第2の延長部に沿って所定位置にロックするように構成されたラチェット機構を備える、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20に記載の外科用リトラクタ。
実施形態22.
ラチェット機構は、引かれると第1または第2の延長部からラチェット機構を係合解除して、第1または第2の延長部に沿った第1または第2のリトラクタアームの自由移動を可能にする解放レバーを備える、実施形態21に記載の外科用リトラクタ。
実施形態23.
第2および第3の受容領域の少なくとも1つは、回転すると第1または第2のリトラクタアームを内側リトラクタアームから離れる方向に前進させる前進機構を備える、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22に記載の外科用リトラクタ。
実施形態24.
第1および第2の延長部のうちの少なくとも1つが、第1または第2の延長部の第1の側および第2の側(第1の側の反対側)に配置されたラチェット歯を備える、実施形態21、22、または23に記載の外科用リトラクタ。
実施形態25.
アンカ留め外科用リトラクタを使用する方法であって、
近位端および遠位端を有する細長ブレード部分と、細長ブレード部分の近位端に配置されたリトラクタ係合部分と、細長ブレード部分の遠位端に配置され、骨インプラントと係合するように構成され、閉構成および開構成を占めるように構成された第1のジョーおよび第2のジョーを備え、開構成で骨インプラントの一部が第1および第2のジョーを通過することができるアンカ機構と、第1および第2のジョーを開構成と閉構成との間で移行させるように構成された制御アセンブリとを備える第1および第2のリトラクタブレードを、患者の脊椎近くの患者の開口部を通して挿入することと、
第1および第2のリトラクタブレードを、それぞれ患者の脊椎に固定された各第1および第2の骨アンカに向かって前進させることと、
第1および第2の骨アンカのそれぞれの一部を、第1および第2のリトラクタブレードのそれぞれの第1および第2のジョーの間に配置することと、
第1および第2のジョーの各組が第1および第2の骨アンカのそれぞれの一部の周りに閉位置を占めて保持されるように、各制御アセンブリを操作することと、
ベース部分と、第1のリトラクタブレードのリトラクタ係合部分の一部を解放可能に受容する第1のリトラクタアームと、第2のリトラクタブレードのリトラクタ係合部分の一部を解放可能に受容する第2のリトラクタアームとを備える外科用リトラクタアセンブリに、第1および第2のリトラクタブレードを解放可能に固定することと、
第1および第2のリトラクタブレード間に形成される手術通路を形成および/または拡大するように、第1および第2のリトラクタアームの一方または両方を操作することと
を含む、方法。
実施形態26.
ベース部分が1つ以上の係合部分をさらに備え、方法が、ベース部分の1つ以上の係合部分のうちの1つに安定化装置を固定することをさらに含み、安定化装置は、手術台に対してベース部分の位置を固定するように手術台に固定される、実施形態25に記載の方法。
実施形態27.
安定化装置がAアームである、実施形態26に記載の方法。
実施形態28.
近位端および遠位端を有する細長ブレード部分と、細長ブレード部分の近位端に配置されたリトラクタ係合部分とを備える内側リトラクタブレードを、開口部を通して挿入し、患者の脊椎に向かって前進させることと、
ベース部分内でその開口部に配置されてベース部分に対して移動可能な、内側リトラクタブレードのリトラクタ係合部分の一部を解放可能に受容するように構成されたブレード係合部分を遠位端に有する内側リトラクタアームをさらに備えるリトラクタアセンブリに、内側リトラクタブレードを解放可能に固定することと、
手術通路を保持および/または拡大するように、ベース部分に対する内側リトラクタアームの位置を調節することと
をさらに含む、実施形態25、26、または27に記載の方法。
実施形態29.
近位端および遠位端を有する細長ブレード部分と、細長ブレード部分の近位端に配置されたリトラクタ係合部分とを備える外側リトラクタブレードを、開口部を通して挿入し、患者の脊椎に向かって前進させることと、
第1または第2のリトラクタアームのいずれかに解放可能に固定され、外側リトラクタブレードのリトラクタ係合部分の一部を解放可能に受容するように構成されたブレード係合部分を遠位端に有する外側リトラクタアームをさらに備えるリトラクタアセンブリに、外側リトラクタブレードを解放可能に固定することと、
手術通路を保持および/または拡大するように、第1または第2のリトラクタアームに対する外側リトラクタアームの位置を調節することと
をさらに含む、実施形態25、26、27、または28に記載の方法。
実施形態30.
第1および第2のリトラクタアームが、それぞれ第1および第2のリトラクタアームに対する第1および第2のリトラクタブレードの角度方位を調節するように構成された伸延機構をさらに備え、方法は、第1および第2のリトラクタブレードが、それぞれ別個の椎骨に固定された第1および第2の骨アンカにそれぞれアンカ留めされているときに、一方または両方の伸延機構を利用して、椎骨を伸延することをさらに含む、実施形態25、26、27、28、または29に記載の方法。
実施形態31.
アンカ留め外科用リトラクタが、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24のいずれか1つの外科用リトラクタである、実施形態25、26、27、28、29、または30に記載の方法。
実施形態32.
外科用リトラクタとともに使用するためのアンカ留めブレードであって、
近位端、遠位端、手術通路に面するように構成された前面、前面の反対側の後面、および前面に沿って近位端から遠位端に向かって延在する少なくとも1つのチャネルを有する細長ブレード部分と、
細長ブレード部分の近位端に配置されたリトラクタ係合部分と、
細長ブレード部分の遠位端に配置され、骨インプラントと係合するように構成された第1のジョーおよび第2のジョーであって、閉構成および開構成を占めるように構成され、開構成にあるとき、骨インプラントの一部が第1および第2のジョーを通過することができる、第1のジョーおよび第2のジョーと、
第1および第2のジョーを開構成および閉構成の間で移行させるように構成された制御アセンブリと
を備える、アンカ留めブレード。
実施形態33.
細長ブレード部分が実質的に第1の平面内に存し、閉構成にあるとき、第1および第2のジョーの第1の部分が第2の平面内に存し、第1および第2の平面が、約70°~約85°、約80°~約95°、約90°~約105°、約100°~約115°、約70°~約115°、約80°~約100°、または約85°~約95°の角度で互いに交差する、実施形態32のアンカ留めブレード。
実施形態34.
リトラクタ係合部分の少なくとも一部が第3の平面内に存し、第1および第3の平面が、約70°~約85°、約80°~約95°、約90°~約105°、約100°~約115°、約70°~約115°、約80°~約100°、または約85°~約95°の角度で互いに交差する、実施形態32または33に記載のアンカ留めブレード。
実施形態35.
第2および第3の平面が実質的に平行である、実施形態34に記載のアンカ留めブレード。
実施形態36.
第1および第2のジョーの第2の部分が、閉構成にあるとき、第1の平面内に存する、実施形態32、33、34または35に記載のアンカ留めブレード。
実施形態37.
第1のジョーが第1の軸の周りに枢動するように構成され、第2のジョーが第2の軸の周りに枢動するように構成されている、実施形態32、33、34、35、または36に記載のアンカ留めブレード。
実施形態38.
第1および第2の軸は、第1の平面内に存し、第1および第2の軸の間の角度が約60°~約70°、約65°~約75°、約70°~約80°、約75°~約85°、約80°~約90°、約85°~約95°、約90°~約100°、約95°~約105°、約100°~約110°、約65°~約105°、または約75°~約95°であるように互いに交差する、実施形態37に記載のアンカ留めブレード。
実施形態39.
第1および第2の軸が細長ブレード部分に対して対称である、実施形態38に記載のアンカ留めブレード。
実施形態40.
第1および/または第2のジョーが、
細長ブレード部分の遠位端と枢動可能に係合するように構成されたベース部分と、
第1および第2のジョーが閉構成にあるときに骨インプラントと係合するように構成された弓状部分と
を備える、実施形態32、33、34、35、36、37、38、または39に記載のアンカ留めブレード。
実施形態41.
弓状部分が椎弓根ネジのヘッドと係合するサイズおよび形状を有する、実施形態40に記載のアンカ留めブレード。
実施形態42.
第1および第2のジョーは、第1および第2のジョーが閉構成にあるときに椎弓根ネジのヘッド上にモジュール式チューリップを組み立てることを可能にするように構成されている、実施形態41に記載のアンカ留めブレード。
実施形態43.
細長ブレード部分の前面が、前面の側部が手術通路に向かって隆起するように湾曲部を備える、実施形態32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、または42に記載のアンカ留めブレード。
実施形態44.
制御アセンブリが細長ブレード部分の後面に配置されている、実施形態32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、または43に記載のアンカ留めブレード。
実施形態45.
制御アセンブリが、
ツール係合部分と、
第1および第2のジョーと係合して、それらを開構成および閉構成の間で移行させるように構成された可動ブロックと、
ツール係合部分および可動ブロックを機械的に接続し、ツール係合部分の回転を細長ブレード部分に沿った遠位方向または近位方向のいずれかのブロックの移動に変換するように構成された接続ロッドと
を備える、実施形態32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44に記載のアンカ留めブレード。
実施形態46.
ツール係合部分が細長ブレード部分の近位端に配置されている、実施形態45に記載のアンカ留めブレード。
実施形態47.
可動ブロックが、第1および第2のジョーの両方に等しい力を印加して、それらを開構成と閉構成との間で一斉に移動させるように構成されている、実施形態45または46に記載のアンカ留めブレード。
実施形態48.
リトラクタ係合部分が、リトラクタアセンブリによって受容されるように構成された球状部分を備える、実施形態32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、または47に記載のアンカ留めブレード。
実施形態49.
球状部分が、アンカ留めブレードが単一平面内のみでリトラクタアセンブリに対して回転することを可能にするように構成された一対の側方延長部を有する、実施形態48に記載のアンカ留めブレード。
実施形態50.
第1のリトラクタアームおよび第2のリトラクタアームを備え、各リトラクタアームがリトラクタブレードと解放可能に係合するように構成されたリトラクタアセンブリと、
支持構造と解放可能に係合するように構成された支持係合部分と、
第1のリトラクタアームと解放可能に係合する、実施形態32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、または49に記載のアンカ留めブレードを備える、第1のアンカ留めブレードと
を備える、外科用リトラクタシステム。
実施形態51.
第2のリトラクタアームと解放可能に係合する実施形態32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、または49に記載のアンカ留めブレードを備える第2のアンカ留めブレードをさらに備える、実施形態50に記載の外科用リトラクタシステム。
実施形態52.
リトラクタアセンブリが、内側リトラクタブレードと解放可能に係合するように構成された内側ブレード係合部分をさらに備える、実施形態50または51に記載の外科用リトラクタシステム。
実施形態53.
リトラクタアセンブリの内側ブレード係合部分と解放可能に係合する内側リトラクタブレードをさらに備える、実施形態52に記載の外科用リトラクタシステム。
実施形態54.
支持構造が手術台または外科用フレームに固定される、実施形態50、51、52、または53に記載の外科用リトラクタシステム。
実施形態55.
支持構造がAアームである、実施形態50、51、52、53、または54に記載の外科用リトラクタシステム。
実施形態56.
アンカ留めブレードを第1の骨インプラントに固定する方法であって、
実施形態32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、または49に記載のアンカ留めブレードを備える第1のアンカ留めブレードを、アンカ留めブレードの第1および第2のジョーの少なくとも一部が第1の骨インプラントの上面の下に配置されるように配置することと、
第1のアンカ留めブレードの制御アセンブリを作動させて、第1および第2のジョーを開構成から閉構成に移行させ、第1のアンカ留めブレードを第1の骨インプラントにアンカ留めすることと
を含む、方法。
実施形態57.
実施形態32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、または49に記載のアンカ留めブレードを備える第2のアンカ留めブレードを、第2のアンカ留めブレードの第1および第2のジョーの少なくとも一部が第2の骨インプラントの上面の下に配置されるように配置することと、
第2のアンカ留めブレードの制御アセンブリを作動させて、第1および第2のジョーを開構成から閉構成に移行させ、第2のアンカ留めブレードを第2の骨インプラントにアンカ留めすることと
をさらに含む、実施形態56に記載の方法。
実施形態58.
第1のアンカ留めブレードが第1の骨インプラントに固定される前に第1の骨インプラントが第1の椎骨に固定され、および/または、第2のアンカ留めブレードが第2の骨インプラントに固定される前に第2の骨インプラントが第2の椎骨に固定される、実施形態56または57に記載の方法。
実施形態59.
第1のアンカ留めブレードが第1の骨インプラントに固定された後に第1の骨インプラントが第1の椎骨に固定され、および/または、第2のアンカ留めブレードが第2の骨インプラントに固定された後に第2の骨インプラントが第2の椎骨に固定される、実施形態56または57に記載の方法。
実施形態60.
第1または第2の骨アンカを第1または第2の椎骨に固定する前に、ドライバが第1の骨アンカまたは第2の骨アンカに固定される、実施形態28に記載の方法。
実施形態61.
第1の骨インプラントおよび/または第2の骨インプラントが、ネジ付きシャンク部分およびヘッド部分を有する椎弓根ネジである、実施形態25、26、27、28または29に記載の方法。
実施形態62.
ヘッド部分の形状が少なくとも部分的に球状である、実施形態30に記載の方法。
実施形態63.
椎弓根ネジがモジュール式ネジアセンブリの構成要素である、実施形態30または31に記載の方法。
実施形態64.
第1および/または第2のアンカ留めブレードがそれぞれ第1および/または第2の骨インプラントにアンカ留めされた後にモジュール式ネジアセンブリを組み立てることをさらに含む、実施形態32に記載の方法。
実施形態65.
方法が、経椎間孔腰椎椎体間固定術の処置の一部を形成する、実施形態25、26、27、28、29、30、31、32、または33に記載の方法。
実施形態66.
第1および第2の延長部と、1つ以上の係合部分とを備える、ベース部分と、
近位端および遠位端を有し、ベース部分の第1の延長部をスライド可能に受容するように構成された近位端の第3の受容領域、および、第1のリトラクタブレードの一部と解放可能に係合するように構成された遠位端の第4の受容領域を有する第1のリトラクタアームと、
近位端および遠位端を有し、ベース部分の第2の延長部をスライド可能に受容するように構成された近位端の第5の受容領域、および、第2のリトラクタブレードの一部と解放可能に係合するように構成された遠位端の第6の受容領域を有する第2のリトラクタアームと
を備え、
内側、第1、および第2のリトラクタブレードが共に調節可能な手術通路を形成し、第1および第2のリトラクタブレードは、
近位端および遠位端を有する細長ブレード部分と、
細長ブレード部分の近位端に配置されたリトラクタ係合部分と、
細長ブレード部分の遠位端に配置され、骨インプラントと係合するように構成された第1のジョーおよび第2のジョーであって、閉構成および開構成を占めるように構成され、開構成にあるとき、骨インプラントの一部が第1および第2のジョーを通過することができる、第1および第2のジョーと
を備える、アンカ留め外科用リトラクタアセンブリ。
実施形態67.
第1および第2のリトラクタブレードが、第1および第2のジョーを開構成と閉構成との間で移行させるように構成された制御アセンブリをさらに備える、実施形態66に記載のリトラクタアセンブリ。
実施形態68.
ベース部分が第1の受容領域をさらに備え、リトラクタアセンブリが、近位端および遠位端を有する内側リトラクタアームをさらに備え、内側リトラクタアームは、内側リトラクタブレードの一部と解放可能に係合するように構成された遠位端の第2の受容領域を有し、近位端は、ベース部分の第1の受容領域にスライド可能に受容されるように構成されている、実施形態66または67に記載のリトラクタアセンブリ。
実施形態69.
近位端および遠位端を有する外側リトラクタアームをさらに備え、近位端は、第1または第2のリトラクタアームの一方に位置する外側アーム係合部分と解放可能に係合するように構成された第7の受容領域を備え、遠位端は、外側リトラクタブレードの一部と解放可能に係合するように構成された第8の受容領域を備える、実施形態66、67、または68に記載のリトラクタアセンブリ。
実施形態70.
第1および第2のリトラクタブレードのうちの少なくとも1つが、実施形態32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、または49に記載のアンカ留めブレードである、実施形態66、67、68、または69に記載のリトラクタアセンブリ。
実施形態71.
第1および第2のリトラクタブレードがそれぞれ、実施形態32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、または49に記載のアンカ留めブレードである、実施形態66、67、68、または69に記載のリトラクタアセンブリ。
【0083】
本明細書では特定の実施形態を図示し説明してきたが、特許請求される主題事項の精神および範囲から逸脱することなく、他のさまざまな変更および修正を行い得ることを理解されたい。さらに、特許請求される主題事項のさまざまな態様が本明細書で説明されているが、そのような態様は組み合わせて利用される必要はない。本明細書に開示される実施形態のいくつかは、特定のアプローチ(例えば、側方または経椎間孔)に関連して開示され得るが、他のアプローチ(例えば、前方、後方など)も考えられることにも留意されたい。
【0084】
別段の指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される、成分の量、分子量などの特性、反応条件などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、特に断りのない限り、明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本開示の実施形態によって得られるよう求められる所望の特性に応じてさまざまであり得る近似値である。少なくとも、均等論の適用を特許請求の範囲に限定するものではなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有効桁数を考慮して、通常の丸め手法を適用することによって解釈されるべきである。本開示の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の例に示す数値は可能な限り正確に報告される。しかし、どの数値にも、そのそれぞれのテスト測定で見つかった標準偏差に必然的に起因する特定の誤差が本質的に含まれている。一実施形態では、「約」および「およそ」という用語は、示された範囲の10%以内の数値パラメータを指す。
【0085】
本開示の実施形態を説明する文脈で(特に後述の特許請求の範囲の文脈で)使用される用語「a」、「an」、「the」、および類似の指示対象は、本明細書に別段の指示がある場合、または文脈と明らかに矛盾する場合を除き、単数形と複数形との両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の記載は、その範囲内にあるそれぞれの個別の値を個別に参照する簡略的な方法として機能することを単に意図している。本明細書に別段の指示がない限り、個々の値は、あたかも本明細書に個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるあらゆる例、または例示的な文言(例えば、「など」)の使用は、単に本開示の実施形態をよりよく理解させることを目的としており、本開示の範囲に制限を課すものではない。本明細書のいかなる文言も、本開示の実施形態の実施に不可欠な、特許請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0086】
本明細書に開示される代替要素または実施形態のグループ分けは、限定として解釈されるべきではない。各グループメンバは、個別に、またはグループの他のメンバまたは本明細書に記載の他の要素と任意に組み合わせて参照され、特許請求され得る。利便性および/または特許性の理由から、グループの1つ以上のメンバがグループに含まれ、または、グループから削除され得ることが予想される。このような包含または削除が行われた場合、明細書は、そのグループを修正されたものとして含むものとみなされ、したがって、添付の特許請求の範囲で使用されるすべてのマーカッシュグループの記述説明を満たす。
【0087】
本明細書に開示される実施形態を実施するための本開示の著者(複数可)に知られている最良モードを含む、特定の実施形態が本明細書に記載される。もちろん、これらの記述された実施形態の変形は、前述の説明を読めば当業者には明らかになるであろう。著者(複数可)は、当業者がそのような変形を適宜採用することを期待しており、著者(複数可)は、本開示の実施形態が本明細書に具体的に記載されているもの以外の方法で実施されることを意図している。したがって、この開示には、適用される法律によって許可される、本明細書に添付の特許請求の範囲に記載された主題事項のすべての修正および均等物が含まれる。さらに、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、あらゆる可能なその変形における上述の要素の任意の組み合わせが本開示に包含される。
【0088】
本明細書に開示される特定の実施形態は、からなる、または、から本質的になる、という文言を使用して、特許請求の範囲においてさらに限定され得る。特許請求の範囲で使用される場合、提出されたものであるか、補正によって追加されたものであるかにかかわらず、移行用語「からなる」は、請求項で特定されていない要素、ステップ、または成分を除外する。「から本質的になる」という移行用語は、特許請求の範囲を特定の材料またはステップ、および基本的および新規な特性(複数可)に実質的に影響を与えないものに限定する。そのように特許請求されるこの開示の実施形態は、本質的にまたは明示的に本明細書に記載され実効化される。
【0089】
さらに、この開示全体を通じて特許および印刷刊行物に何らかの参照がなされた場合、これらの参照物および印刷刊行物のそれぞれは、その全体が参照により個別に本明細書に組み込まれる。
【0090】
最後に、本明細書に開示される実施形態は、本開示の原理を例示するものであることを理解されたい。採用され得る他の修正もこの開示の範囲内にある。したがって、限定ではなく例として、本開示の実施形態の代替構成を、本明細書の教示に従って利用し得る。したがって、本開示は、正確に図示され説明されたものに限定されない。
【0091】
この出願は、2020年12月9日に出願された米国仮出願第63/123,394号に対する優先権を主張し、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2023-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用リトラクタとともに使用するためのアンカ留めブレードであって、
近位端、遠位端、手術通路に面するように構成された前面、前記前面の反対側の後面、および、前記前面に沿って前記近位端から前記遠位端に向かって延在する少なくとも1つのチャネルを有する細長ブレード部分と、
前記細長ブレード部分の前記近位端に配置されたリトラクタ係合部分と、
前記細長ブレード部分の前記遠位端に配置され、骨インプラントと係合するように構成された第1のジョーおよび第2のジョーであって、前記第1のジョーおよび第2のジョーは閉構成および開構成を占めるように構成され、前記開構成にあるとき、前記骨インプラントの一部が前記第1および第2のジョーを通過することができる、第1および第2のジョーと、
前記第1および第2のジョーを前記開構成および前記閉構成の間で移行させるように構成された制御アセンブリと
を備える、アンカ留めブレード。
【請求項2】
前記細長ブレード部分は実質的に第1の平面内に存し、前記第1および第2のジョーの第1の部分は、前記閉構成にあるとき、第2の平面内に存し、前記リトラクタ係合部分の少なくとも一部は第3の平面内に存し、前記第2の平面および第3の平面が実質的に平行である、請求項1に記載のアンカ留めブレード。
【請求項3】
前記第1および第2のジョーの第2の部分は、前記閉構成にあるとき、前記第1の平面内に存する、請求項1または2に記載のアンカ留めブレード。
【請求項4】
前記第1のジョーは第1の軸の周りに枢動するように構成されており、前記第2のジョーは第2の軸の周りに枢動するように構成されている、請求項1または2に記載のアンカ留めブレード。
【請求項5】
前記第1および第2の軸は前記細長ブレード部分に対して対称である、請求項4に記載のアンカ留めブレード。
【請求項6】
前記第1および/または第2のジョーは、
前記細長ブレード部分の前記遠位端と枢動可能に係合するように構成されたベース部分と、
前記第1および第2のジョーが前記閉構成にあるときに前記骨インプラントと係合するように構成された弓状部分と
を備える、請求項1または2に記載のアンカ留めブレード。
【請求項7】
前記弓状部分は、椎弓根ネジのヘッドと係合するサイズおよび形状を有する、請求項6に記載のアンカ留めブレード。
【請求項8】
前記第1および第2のジョーは、前記第1および第2のジョーが前記閉構成にあるときに前記椎弓根ネジの前記ヘッド上にモジュール式チューリップを組み立てることを可能にするように構成されている、請求項7に記載のアンカ留めブレード。
【請求項9】
前記細長ブレード部分の前記前面は、前記前面の側部が前記手術通路に向かって隆起するように湾曲部を備える、請求項1または2に記載のアンカ留めブレード。
【請求項10】
前記制御アセンブリは、
ツール係合部分と、
前記第1および第2のジョーと係合して、前記第1および第2のジョーを前記開構成および前記閉構成の間で移行させるように構成された可動ブロックと、
前記ツール係合部分および前記可動ブロックを機械的に接続し、前記ツール係合部分の回転を、前記細長ブレード部分に沿った遠位方向または近位方向の前記ブロックの移動に変換するように構成された接続ロッドと
を備える、請求項1または2に記載のアンカ留めブレード。
【請求項11】
前記可動ブロックは、前記第1および第2のジョーの両方に等しい力を印加して、前記第1および第2のジョーを前記開構成と前記閉構成との間で一斉に移動させるように構成されている、請求項10に記載のアンカ留めブレード。
【請求項12】
第1のリトラクタアームおよび第2のリトラクタアームを備え、各リトラクタアームがリトラクタブレードと解放可能に係合するように構成されたリトラクタアセンブリと、
支持構造と解放可能に係合するように構成された支持係合部分と、
前記第1のリトラクタアームと解放可能に係合する請求項1または2に記載のアンカ留めブレードを備える第1のアンカ留めブレードと
を備える、外科用リトラクタシステム。
【請求項13】
前記第2のリトラクタアームと解放可能に係合する請求項1または2に記載のアンカ留めブレードを備える第2のアンカ留めブレードをさらに備える、請求項12に記載の外科用リトラクタシステム。
【請求項14】
前記リトラクタアセンブリは、内側リトラクタブレードと解放可能に係合するように構成された内側ブレード係合部分をさらに備える、請求項12に記載の外科用リトラクタシステム。
【請求項15】
前記支持構造は手術台または外科用フレームに固定される、請求項12に記載の外科用リトラクタシステム。
【国際調査報告】