(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(54)【発明の名称】シート処理機
(51)【国際特許分類】
B65H 5/38 20060101AFI20231222BHJP
B65H 29/04 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
B65H5/38
B65H29/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536487
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2021085477
(87)【国際公開番号】W WO2022128911
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】シェゾー ステファーヌ
(72)【発明者】
【氏名】サゲス ミトハナ カルル
【テーマコード(参考)】
3F101
3F106
【Fターム(参考)】
3F101FA03
3F101FB02
3F101FC05
3F101LA15
3F101LB01
3F101LB05
3F101LB06
3F106AA02
3F106AA14
3F106AA17
3F106AB02
3F106AC02
3F106AC21
3F106AC26
3F106LA14
3F106LA15
3F106LB01
3F106LB05
(57)【要約】
シート処理機のハンドリング方向に沿ってシートを移動させる搬送機構と、シートを放出する廃棄物排出デバイス(36)と、を有するシート処理機である。搬送機構は、シートを移動させるシートハンドリング要素(28)を備え、シートハンドリング要素(28)は、少なくとも1つの摺動要素(54)を備える。シートハンドリング要素(28)は、廃棄物排出デバイス(36)を通過するときにシートを放出するように構成される。廃棄物排出デバイスは、廃棄物排出デバイス(36)を通過するときにシートハンドリング要素(28)の変形を最小限に抑えるために少なくとも1つの摺動要素(54)と相互作用するように構成された少なくとも1つの位置合わせ要素(38)を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート処理機(10)のハンドリング方向に沿ってシート(12)を移動させる搬送機構(26)と、前記シート(12)を放出する廃棄物排出デバイス(36)と、を有するシート処理機であって、
前記搬送機構(26)は、シート(12)を移動させるためのシートハンドリング要素(28)を備え、前記シートハンドリング要素(28)は、少なくとも1つの摺動要素(54)を備え、
前記少なくとも1つのシートハンドリング要素(28)は、前記廃棄物排出デバイス(36)を通過するときに前記シート(12)を放出するように構成され、
前記廃棄物排出デバイス(36)は、前記廃棄物排出デバイス(36)を通過するときに、前記少なくとも1つのシートハンドリング要素(28)の変形を最小限に抑えるために前記少なくとも1つの摺動要素(54)と相互作用するように構成された摺動面(40)を有する少なくとも1つの位置合わせ要素(38)を備える、
ことを特徴とするシート処理機。
【請求項2】
前記少なくとも1つの摺動要素(54)は、前記シートハンドリング要素(28)の前縁(56)に配置される、
請求項1に記載のシート処理機。
【請求項3】
前記前縁(56)は、前記シートハンドリング要素(28)の長さ方向を規定し、前記少なくとも1つの摺動要素(54)は、前記長さ方向に沿って前記シートハンドリング要素(28)の第1の端部(58)及び第2の端部(60)の間に配置され、前記第2の端部(60)は、前記長さ方向に沿って前記第1の端部(58)の反対側にある、
請求項2に記載のシート処理機。
【請求項4】
前記少なくとも1つのシートハンドリング要素(28)は、複数の摺動要素(54)を備え、前記摺動要素(54)は、特に、前記少なくとも1つのシートハンドリング要素(28)の前記長さ方向の中央を中心として対称的に配置される、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシート処理機。
【請求項5】
前記摺動要素(54)は、前記前縁(56)の前記長さ方向に沿って互いに等距離に配置される、
請求項4に記載のシート処理機。
【請求項6】
前記少なくとも1つの摺動要素(54)は、ローラーである、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシート処理機。
【請求項7】
前記少なくとも1つのシートハンドリング要素(28)は、シート把持状態とシート放出状態との間で変位可能である少なくとも1つの把持要素(62)を備え、前記少なくとも1つの把持要素(62)は、特に、前記少なくとも1つのシートハンドリング要素(28)の後縁(64)に配置され、前記後縁(64)は、前記前縁(56)の反対側にある、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシート処理機。
【請求項8】
前記摺動面(40)は、湾曲した形状を有する、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のシート処理機。
【請求項9】
前記廃棄物排出デバイス(36)は、前記少なくとも1つのシートハンドリング要素(28)の前記摺動要素(54)の各々に対して1つの位置合わせ要素(38)を備え、前記位置合わせ要素(38)の各々は、1つの摺動要素(54)と関連付けられる、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のシート処理機。
【請求項10】
前記少なくとも1つの位置合わせ要素(38)は、カムである、
請求項1ないし9のいずれか1項に記載のシート処理機。
【請求項11】
前記廃棄物排出デバイス(36)は、複数の歯(46)を含む櫛状部(44)をさらに備える、
請求項1ないし10のいずれか1項に記載シート処理機。
【請求項12】
前記搬送機構(26)は、前記シート(12)を、前記シート処理機(10)の積み込みステーション(14)から前記廃棄物排出装置(36)を有する前記シート処理機(10)の前記廃棄物排出ステーション(24)に移動させる、
請求項1ないし11のいずれか1項に記載のシート処理機。
【請求項13】
前記搬送機構(26)は、複数のシートハンドリング要素(28)を備える、
請求項1ないし12のいずれか1項に記載のシート処理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物排出デバイスを有するシート処理機に関する。
【背景技術】
【0002】
シート処理機は、また、変換機械として知られ、包装業界において、原材料、例えば、段ボール、紙又は箔を、通常はシートの形態の中間製品又は最終製品に処理するために使用される。変換作業は、例えば、印刷、切断、折り目付け、ブランキング、箔押し及び/又は折り畳み-接着を含むことができる。典型的には、個々の作業は、シート処理機の後続の処理ステーションにおいて行われ、シートは、搬送機構によって1つの処理ステーションから後続の処理ステーションに搬送される。
【0003】
例えば、打ち抜き機において、いわゆるブランクは、原材料から作られたシートから得ることができる。ブランキング作業は、例えば、ブランキング工具によってシートの切り目を切り離す工程を伴い、切り目は、前の処理ステップで形成され、それによって、ブランクは、ブランクを回収するための積み重ね領域に下向きに押し込まれる。従って、廃棄シートは、ブランキング作業後、搬送機構に接続されたままであり、後続の廃棄物排出ステーション(廃棄物放出ステーションとも呼ばれる)で除去する必要がある。
【0004】
最新のシート処理機は、シートの高いスループット、すなわち、高い処理速度を可能にする。このような処理速度を達成するために、廃棄シートを動的に搬送機構から放出することが望ましく、すなわち、搬送機構を停止させる必要なく廃棄シートを放出することが望まれる。
【0005】
しかしながら、処理速度が速いと、結果的に、搬送機構の構成要素に作用する大きな力、例えば、搬送機構の回転時に遠心力が生じる。処理されるシートのサイズが大きいほど、この影響は顕著になる。従って、既知のシステムは、大きなシートサイズに関して、搬送機構を停止させる工程と、追加の移動要素で廃棄シートを除去する工程と、を伴う。これによって、最高処理速度が制限されると共に複雑な機構が必要となる。
【0006】
国際公開第2017/153056号には、シート処理機でのオンザフライ方式の廃棄物除去のための排出部材が開示されている。この排出部材は、第1の低速位置と第2の高速位置との間で切り替わるように構成された櫛状部を備える。櫛状部の中心は、高速位置において、処理されるシートの変形及び搬送機構の要素の変形を補償するために後退される。しかしながら、排出部材及びこのような機構を有するシート処理機は、複雑かつコストのかかる設計を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、好ましくは、大きなシートサイズについてさえも高い処理速度を可能にする、シート処理機での廃棄物排出のための簡単な機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、シートをシート処理機のハンドリング方向に沿って移動させる搬送機構と、シートを放出する廃棄物排出デバイスと、を有するシート処理機によって解決される。搬送機構は、シートを移動させるシートハンドリング要素を備え、シートハンドリング要素は、少なくとも1つの摺動要素を備える。シートハンドリング要素は、廃棄物排出デバイスを通過するときにシートを放出するように構成される。廃棄物排出デバイスは、廃棄物排出デバイスを通過するときにシートハンドリング要素の変形を最小限に抑えるために少なくとも1つの摺動要素と相互作用するように構成された少なくとも1つの位置合わせ要素を備える。
【0010】
本発明は、廃棄物排出デバイスを通過するときにシートハンドリング要素の形状を維持する簡単かつ安価な機械的手段を提供するという考えに基づく。搬送機構の少なくとも1つの摺動要素と廃棄物排出デバイスの少なくとも1つの位置合わせ要素との摺動相互作用は、これらの構成要素の摩耗を最小限に抑えることができ、一方でシートハンドリング要素の形状の確実な安定化を可能にし、その結果、シート処理機の高い処理速度が可能になる。
【0011】
シートハンドリング要素の変形を最小限に抑えることによって、シートハンドリング要素の機械的応力を低減することができ、その結果、特に、高い処理速度を使用するときに、シートハンドリング要素の損傷及び/又は破損のリスクが最小限に抑えられる。
【0012】
少なくとも1つの摺動要素は、好ましくは、シートハンドリング要素の前縁に配置される。「前縁」という用語は、シート処理機で処理されるシートの処理方向に対してシートハンドリング要素の前部に配置されるシートハンドリング要素の部分を示す。廃棄物排出デバイスの少なくとも1つの位置合わせ要素は、少なくとも1つの摺動要素を前縁に設けることによって、シートハンドリング要素の任意の他の部分が廃棄物排出デバイスに接触する前に摺動要素と相互作用することができる。これは、位置合わせ要素の形状及びサイズを単純化することができ、シートハンドリング要素が廃棄物排出デバイスと接触すると、すぐにシートハンドリング要素の変形を最小限に抑えることができ、さらには防止することができる。
【0013】
前縁は、特に、シートハンドリング要素の長さ方向を規定し、少なくとも1つの摺動要素は、特に、長さ方向に沿ってシートハンドリング要素の第1の端部と第2の端部との間に配置され、第2の端部は、長さ方向に沿って第1の端部の反対側にある。従って、特に、シートハンドリング要素の前縁に沿った変形を防止又は少なくとも最小限に抑えることができる。
【0014】
シートハンドリング要素は、特に、106cm以上の長さ方向に沿った長さを有し、例えば、長さ方向は、140cmから170cmの長さを有する。
【0015】
長さ方向に沿ったシートハンドリング要素の長さは、特に、シート処理機によって処理されるシートのサイズに対応する。従って、本発明によるシート処理機は、シートハンドリング要素を廃棄物排出デバイスの少なくとも1つの位置合わせ要素によって安定させることができるので、特に、大きなサイズのシートを処理することが可能である。
【0016】
シートハンドリング要素は、シートハンドリング要素の変形の程度をさらに最小限に抑える又はこのような変形を完全に防止するために、特に少なくとも1つのシートハンドリング要素の長さ方向の中央を中心として対称的に配置された複数の摺動要素を備えることができる。
【0017】
換言すると、複数の摺動要素は、特に、シートハンドリング要素が、摺動要素の配置に関して本質的に長さ方向の中心で長さ方向に垂直な鏡面を有するように配置される。
【0018】
一変形例では、摺動要素は、前縁の長さ方向に沿って互いに等距離に配置される。これは、少なくとも1つの位置合わせ要素が複数の摺動要素と相互作用できる位置の特に均一な分散配置を提供する。
【0019】
好ましくは、少なくとも1つの摺動要素は、ローラーである。ローラーを摺動要素として使用することによって、摺動要素に作用する任意の力をローラーの円運動に変換することができ、その結果、少なくとも1つの位置合わせ要素と相互作用するときに摺動要素が損傷を受けるリスクが排除される又は少なくとも最小限に抑えられる。
【0020】
シートハンドリング要素は、シート把持状態とシート放出状態との間で変位可能である少なくとも1つの把持要素を備えることができ、少なくとも1つの把持要素は、シートハンドリング要素の後縁に配置され、後縁は、前縁の反対側にある。
【0021】
少なくとも1つの把持要素は、搬送機構によってハンドリング方向に沿ってシート処理機の処理ステーションを通って移動されるときに、シートを固定する役割を担うことができる。
【0022】
従って、少なくとも1つのシートハンドリング要素は、特に、把持バー、好ましくは、複数の把持要素を備える把持バーとすることができる。
【0023】
把持要素は、摺動要素と同様に、シートを均等に分散配置された状態で把持することができるように、少なくとも1つのシートハンドリング要素の長さ方向の中央を中心として対称的に配置することができる。
【0024】
少なくとも1つの把持要素は、少なくとも1つの摺動要素に対してシートハンドリング要素の反対側に少なくとも1つの把持要素を配置することによって、少なくとも1つの摺動要素に干渉しない。さらに、シートハンドリング要素とシートとの唯一の接触は、少なくとも1つの把持要素によって容易に達成することができ、すなわち、シートは、シートハンドリング要素の他の部分と接触する必要は全くない。
【0025】
廃棄物排出デバイスの少なくとも1つの位置合わせ要素は、少なくとも1つの摺動要素との相互作用のための摺動面を備えることができる。換言すれば、少なくとも1つの摺動要素、従って、シートハンドリング要素の移動方向は、摺動面の進路によって少なくとも部分的に規定することができる。
【0026】
好ましくは、摺動面は、湾曲した形状を有する。
【0027】
例えば、摺動面は、廃棄物排出ステーションを通過するときにシートハンドリング要素の移動方向と一致するように配置することができる。これは、搬送機構が、シートハンドリング要素によってシートが処理方向に沿って移動されるループの周りを実質的に半分移動することができ、処理される次のシートを把持するために、ループの実質的にもう半分を、シートなしで逆方向に沿って開始位置に戻ることができることを意味する。摺動面は、廃棄物排出デバイス内のループの2つの半分の間の方向転換点に配置することができる。
【0028】
好ましくは、廃棄物排出デバイスは、シートハンドリング要素の各摺動要素に対して1つの位置合わせ要素を備え、各位置合わせ要素は、1つの摺動要素に関連付けられる。従って、シートハンドリング要素に存在する摺動要素の各々は、廃棄物排出デバイスを通過するときにシートハンドリング要素の変形を防止する又は少なくとも最小限に抑えることに寄与することができる。
【0029】
少なくとも1つの位置合わせ要素は、カムとすることができる。カムは、安価であり、少なくとも1つの摺動要素とカムとの所望の相互作用をもたらすために様々なサイズ及び形状で入手可能である。さらに、カムは、必要とされる空間を最小化するように設計することができる。
【0030】
廃棄物排出デバイスは、複数の歯を備える櫛状部をさらに備えることができる。櫛状部は、シートハンドリング要素が通過することを可能にしながら、搬送機構によって廃棄物排出デバイスに送給された廃棄シートを保持するために使用される。従って、櫛状部の歯は、特に、少なくとも1つのシートハンドリング要素の少なくとも1つの把持要素が櫛状部を通過することができるように配置される。
【0031】
廃棄物排出デバイスは、シートハンドリング要素の変形を最小限に抑えることによって、固定された形状を有する櫛状部を使用することができる。
【0032】
好ましくは、搬送機構は、シートをシート処理機の積み込みステーションから、廃棄物排出デバイスを備えるシート処理機の廃棄物排出ステーションに移動させる。
【0033】
好ましくは、搬送機構は、複数のシートハンドリング要素を備える。これは、シート処理機の非常の高速の処理速度を可能にする。
【0034】
本発明のさらなる利点及び特徴は、本発明の以下の説明及び本発明の非限定的な例示的な実施形態を示す添付図から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図2】
図1のシート処理機の廃棄物排出デバイスの斜視図を示す。
【
図3】シートハンドリング要素と相互作用する場合の
図2の廃棄物排出デバイスを示す。
【
図4】
図3の廃棄物排出デバイスを通る横断路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、一連のシート12からブランクを切断することを可能にするシート処理機10を概略的に示す。通常、これらのブランクは、その後、包装箱を形成するために折り畳まれて接着されるように意図される。しかしながら、シート12は、一般に、例えば、紙、厚紙、箔、それらの複合材料又は包装業界において日常的に使用される任意の他の材料で作ることができる。
【0037】
シート処理機10は、一体的な組立体を形成するために並置されるが相互依存する一連の処理ステーションを備える。処理機10は、積み込みステーション14と、次に、シート12が切断によって変形される、例えば、ダイ又はプラテンプレス18を備える(通常、打ち抜きステーションとも呼ばれる)切断ステーション16と、廃棄部分の大部分が剥離される廃棄物除去ステーション20と、ブランキング工具23によってブランクを分離するため(又はブランキング工程)の(通常、受け取りステーションとも呼ばれる)ブランク分離ステーション22と、打ち抜かれたシート12の残留廃棄シートを除去する廃棄物排出ステーション24と、を含む。
【0038】
処理ステーションの数及び性質は、シート12に対して実施される変換作業の性質及び複雑さに応じて様々とすることができる。
【0039】
シート処理機10は、搬送機構26をさらに有し、搬送機構26は、図示の実施形態にでは、各シート12を積み込みステーション14の出口から廃棄物排出ステーション24に個別に移動させることを可能にするためのコンベヤである。
【0040】
コンベヤは、一連のシートハンドリング要素28を使用し、一連のシートハンドリング要素28は、シート処理機10の各側面に横方向に配置された2つのチェーン30のループによって移動可能に取り付けられる。チェーン30の各ループは、シートハンドリング要素28が、切断ステーション16、廃棄物除去ステーション20、ブランク分離ステーション22及び排出ステーション24を連続して通過する軌道を辿ることができるループの周りを移動する。
【0041】
各シートハンドリング要素28は、その通路の実質的に前半については、従動輪32と遊動輪34との間の通路の実質的に水平な平面において往路上で移動し、その後、通路の実質的に後半については、シート処理機10の上部部分の復路上で移動する。各シートハンドリング要素28は、従動輪32に戻ると、その後、新しいシート12をシート12の前縁で把持することができる。
【0042】
図示の実施形態において、シートハンドリング要素28は、いわゆる把持バーである。
【0043】
図1において、各処理ステーションは、シート12の移動平面の両側に位置決めされる上部分及び下部分をそれぞれ象徴する2つの矩形の形態で図示されている。
【0044】
図1において、横方向(又は側方)、縦方向及び垂直方向は、直交空間系(T、L、V)で示されている。
【0045】
「上流」及び「下流」という用語は、
図1において矢印Dによって示すように、ハンドリング方向におけるシート12の移動方向に関連して定義される。
【0046】
廃棄物排出ステーション24は、積み込みステーション14から廃棄物排出ステーション24に移動されてきたシート12を放出する、すなわち、廃棄シートを除去する廃棄物排出デバイス36をさらに備える。
【0047】
【0048】
廃棄物排出デバイス36は、2つの位置合わせ要素38を備え、位置合わせ要素38の各々は、湾曲した摺動面40を備えるカムである。
【0049】
位置合わせ要素38は、ねじ42によってフレーム41にしっかりと取り付けられ、すなわち、位置合わせ要素38は、その位置に固定される。
【0050】
廃棄物排出デバイス36は、複数の歯46を有する櫛状部44をさらに備える。
【0051】
櫛状部44は、複数の固定要素52によって結合された第1のシート48及び第2のシート50から形成される。第1のシート48は、櫛状部44に衝突するシートの騒音を制限するプラスチック材料から作られるが、第2のシート50は、櫛状部44に十分な機械的強度を与える金属から作られる。もちろん、代替的に、第1のシート48及び第2のシート50の両方は、櫛状部44の十分な機械的強度が達成される限り、プラスチック製又は金属製とすることができる。
【0052】
図3及び4は、シートハンドリング要素28のうちの1つが廃棄物排出デバイス36を通過するときの廃棄物排出デバイス36を示す。
【0053】
シートハンドリング要素28は、図示の実施形態では、ローラーである2つの摺動要素54を有する。シートハンドリング要素28の各々は、廃棄物排出デバイス36の位置合わせ要素38のうちの1つに関連付けられる。
【0054】
より具体的には、摺動要素54の各々は、シートハンドリング要素28が廃棄物排出デバイス36を通過するときに、関連する位置合わせ要素38の摺動面40に沿って回転するように構成されている。
【0055】
もちろん、シートハンドリング要素28は、原理的には1つだけの又は3以上の摺動要素54を有することができる。
【0056】
摺動要素54は、シートハンドリング要素28の前縁56に配置される。前縁56は、シートハンドリング要素28の長さ方向を規定し、摺動要素54は、前縁56において、シートハンドリング要素28の第1の端部58と第2の端部60との間に配置される。
【0057】
長さ方向は、横方向Tに沿って延び、シート処理機10によって管理可能である、横方向Tに沿ったシート12のサイズを規定する。
【0058】
前縁56の反対側で、シートハンドリング要素28は、シートハンドリング要素28の後縁64に複数の把持要素62を備える。
【0059】
把持要素62は、シート把持状態とシート放出状態との間で変位可能であり、これらの2つの状態間の切り替えは、シートハンドリング要素28の開放機構66と廃棄物排出デバイス36の開放カム(図示せず)との相互作用によって、廃棄物排出ステーション24で行われる。
【0060】
把持要素62の各々は、2つのアーム63を備え、このアーム6は、例えば、把持状態においてシートハンドリング要素28のばね機構(図示せず)によって加えられる力によって互いに押し付けられる。シート放出状態において、把持要素62のアーム63は、シート12がアーム63の間に置かれるのを可能にするために、互いに離れている。シート12は、もとの把持状態に変位すると、適宜、アーム63の間で押し付けられて固定される。
【0061】
摺動要素54及び把持要素62の両方は、それぞれ、前縁56及び後縁64の長さ方向の中央を中心として対称的に配置される。
【0062】
以下、廃棄物排出デバイス36の作動モードをより具体的に説明する。
【0063】
シートハンドリング要素28の把持要素62は、シート処理機10の作動中、積み込みステーション14の出口でシート12の前縁を把持すために使用され、すなわち、把持要素62は、把持状態にされる(
図1参照)。
【0064】
その後、シート12は、処理ステーションを通るハンドリング方向Dに沿ったシートハンドリング要素28の移動によって移動し、廃棄シートは、シートハンドリング要素28が廃棄物排出デバイス36を有する廃棄物排出ステーション24に到達したときに把持要素62によって把持されるという結果になる。
【0065】
上述したように、搬送機構26のチェーン30は、往路及び復路を規定する。往路と復路との間の移行は、廃棄物排出デバイス36にて遊動輪34によって規定される方向転換点を通過することによって定められる。
【0066】
従って、シートハンドリング要素28は、チェーン30の移動によって方向転換点に沿って引き込まれる。
【0067】
シート処理機10の高い処理速度に起因して、これは、シートハンドリング要素28に作用する遠心力につながる。遠心力は、シートハンドリング要素28の変形をもたらすことになる。具体的には、シートハンドリング要素28は、変形すると弓状の形状になり、すなわち、シートハンドリング要素28は、長さ方向に沿ってもはや真っ直ぐではなくなるであろう。
【0068】
しかしながら、シートハンドリング要素28の摺動要素54は、シートハンドリング要素28が廃棄物排出デバイス36を通過するときに関連する湾曲した摺動面40と接触し、それによって、廃棄物排出デバイス36を通過するときのシートハンドリング要素28の変形は、防止される又は少なくとも最小限に抑えられる。
【0069】
換言すると、シートハンドリング要素28の摺動要素54と位置合わせ要素38との相互作用は、シートハンドリング要素28の剛性部材のように作用し、シートハンドリング要素28は、廃棄物排出デバイス36を通過するときに長さ方向に沿って本質的に真っ直ぐなままであることが保証される。
【0070】
後縁64の把持要素62は、シートハンドリング要素28が廃棄物排出デバイス36を通過するときに、櫛状部44の歯46の間を通過する。
【0071】
従って、把持要素62によって保持されたシート12、より正確には廃棄シートは、後縁64が櫛状部44を通過するときに歯46に衝突することになる。
【0072】
同時に、把持要素62は、廃棄物排出デバイス36の開放カム(図示せず)と開放機構66との相互作用によって、シート放出状態に変位される。
【0073】
従って、シート12が櫛状部44に衝突するときにシート12は保持されるが、シートハンドリング要素28は、廃棄物排出デバイス36を通過することができる。廃棄物である保持されたシート12は、廃棄物排出ステーション24で回収して廃棄することができる。
【0074】
本発明によるシート処理機は、簡単かつ安価な方法で、シートハンドリング要素28に発生する変形を防止する又は少なくとも最小限に抑えることを可能にする。これによって、シート処理機10は、比較的大きなシート12の場合においてさえも、動的に、すなわち、搬送機構26の停止なしに廃棄シートを放出することができる。さらに、廃棄シートを除去するための廃棄物排出デバイス36において可動要素な必要ない。
【国際調査報告】