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特表2024-500112情報化学物質組成物の受動的拡散を伴うウェアラブルペットデバイス
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  • 特表-情報化学物質組成物の受動的拡散を伴うウェアラブルペットデバイス 図1
  • 特表-情報化学物質組成物の受動的拡散を伴うウェアラブルペットデバイス 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(54)【発明の名称】情報化学物質組成物の受動的拡散を伴うウェアラブルペットデバイス
(51)【国際特許分類】
   A01K 29/00 20060101AFI20231222BHJP
【FI】
A01K29/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536492
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 EP2021086599
(87)【国際公開番号】W WO2022136181
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】FR2013842
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515243590
【氏名又は名称】ビルバック
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジラルダン、オレリー
(72)【発明者】
【氏名】モンジヌー、パトリシア
(72)【発明者】
【氏名】ル ジーン、セシル
(72)【発明者】
【氏名】ジョリベ、ジャン
(57)【要約】
本発明は、情報化学物質組成物を受動的に拡散させることができるポータブルペットデバイスに関し、これらの鎮静デバイスは、動物がストレス発生状況(引き離し状況、引きこもり、輸送、騒音、花火に対する恐怖などの状況)にうまく対処することを可能にし、新しい状況にうまく適応すること可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペット用の情報化学物質組成物を動物へ又は動物の身近な環境に連続的に放出するためのデバイスであって、
ポリマーマトリックス、
揮発性脂肪酸誘導体の混合物を含む情報化学物質組成物、
粘土、珪藻土及びゼオライトから選択される、デバイス外への情報化学物質組成物の拡散を制御する制御因子
を含む上記デバイス。
【請求項2】
首輪である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
拡散を制御する制御因子が、アタパルジャイト、セピオライト及びパリゴルスカイトから選択される、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子が、デバイスの総重量を基準として、5~25重量%、有利には10~20重量%、好ましくは約15重量%の変化する割合でデバイス内に存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
ポリマーマトリックスがエチレン-ビニルアセテートの熱可塑性コポリマーである、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
情報化学物質組成物が、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、アゼライン酸メチル、ピメリン酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミトレイン酸メチル、リノール酸メチル、ステアリン酸メチル、アラキドン酸メチル、n-酪酸メチル、イソ酪酸メチル、α-メチル酪酸メチル、カプロン酸メチル、ピバル酸メチル、γ-リノール酸メチル、エイコサペンタン酸メチル、ペンタデカン酸メチル、トリデカン酸メチル、ドコサヘキサン酸メチルからなる群から選択され、有利には、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、リノール酸メチル、ステアリン酸メチル及びペンタデカン酸メチルからなる群から選択される揮発性脂肪酸誘導体の混合物を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
情報化学物質組成物が、情報化学物質組成物の総重量を基準として、32重量%~38重量%のオレイン酸メチル、1重量%~3重量%のラウリン酸メチル、13重量%~16重量%のステアリン酸メチル、18重量%~24重量%のリノール酸メチル、3%重量~7重量%のミリスチン酸メチル及び18重量%~24重量%のパルミチン酸メチルを含む脂肪酸エステルの混合物である、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
情報化学物質組成物が、デバイスの総重量の0.1重量%~25重量%、有利には、デバイスの総重量の1重量%~10重量%、より有利には3重量%~8重量%、好ましくは5重量%である、請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
コロイダルシリカなどの流動剤、及び抗酸化剤又は抗UV剤などの情報化学物質組成物の経時的な安定性を向上させるための成分を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
1カ月超の期間、より好ましくは2カ月超の期間、好ましくは約3カ月の期間、ペットにおけるストレスの発現を予防すること、及び/又は不安を軽減することにおける使用のための、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイスに存在する情報化学物質組成物。
【請求項11】
ペットが犬である、請求項10に記載の使用のための、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイスに存在する情報化学物質組成物。
【請求項12】
ポリマーマトリックス外への、揮発性脂肪酸誘導体の混合物を含む情報化学物質組成物の経時的な規則的拡散及び/又はより高い相対量の拡散を可能にするための請求項1~2及び4~9のいずれか一項に記載のデバイスにおける情報化学物質組成物の拡散を制御するための制御因子の使用であって、規則的拡散及び/又はより高い相対量の拡散が、拡散を制御する制御因子を含有していない同一のポリマーマトリックスに含まれる同じ情報化学物質組成物を拡散した際に計測される量に対して計測され、拡散を制御する制御因子が、粘土、珪藻土及びゼオライトから選択されることを特徴とする、上記使用。
【請求項13】
拡散を制御する制御因子が、アタパルジャイト、セピオライト及びパリゴルスカイトから選択されるフィロシリケートである、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
ポリマーマトリックスが、エチレン-ビニルアセテートの熱可塑性コポリマーである、請求項12又は13に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報化学物質組成物を受動的に拡散させることができるウェアラブルペットデバイスに関する。
【0002】
本発明は、特に、先行技術において知られているデバイスよりも長い時間、情報化学物質組成物を拡散させることができるデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
情報化学物質組成物を受動的に拡散させることができるデバイスが、先行技術において知られている。情報化学物質組成物は、動物が同じ種内でコミュニケーションをとるために自然に分泌する化合物又は化合物の混合物である。例えば、授乳中、雌犬は、自分の近くに子犬がいるとき、子犬を安心させるためにフェロモンを分泌する。同様に、猫は顔面にフェイシャルフェロモンを分泌し、慣れ親しんだ縄張りを示すために既知の場所にフェイシャルフェロモンを堆積させる。
【0004】
これらの化合物の混合物を特定し、合成的に複製するために、数多くの研究が行われてきた。
【0005】
このような化合物の混合物は、例えば、犬がストレスの多い状況(引き離し状況、離乳、輸送、騒音や花火に対する恐怖など)にうまく対処し、新しい状況にうまく適応することを助けるために提示される。
【0006】
関係する製品は、特に、スプレー、アクティブディフューザー(有機溶媒中に分散又は可溶化した情報化学物質組成物を加熱する電気プラグ)、及び首輪の化合物である。
【0007】
先行技術の首輪、特にADAPTIL(登録商標)ブランドの首輪は、その活性原理又は情報化学物質活性成分が、雌犬が子犬に接触して安心させるために分泌するフェロモンの合成相似形質であり、エチレンビニルアセテート又はEVAというポリマー、及び脂肪酸メチルエステルの混合からなる情報化学物質組成物を含有している。ポリマー中に含浸した情報化学物質組成物は、空気中に受動的に拡散し、犬の鋤鼻器官によって知覚される。
【0008】
この首輪の拡散速度(又は放出速度)は、製造業者によれば、首輪を4週間使用することができる速度である。本出願人は、4週間後に、情報化学物質組成物のわずかな部分のみが実際にデバイスから拡散したことを実証することができた。したがって、4週間後、最初に首輪内に存在した情報化学物質組成物の最大14%が拡散していた。
【0009】
これらの結果は、エチレンビニルアセテートへの情報化学物質組成物の含浸では、情報化学物質組成物の完全な放出は不可能であり、4週間後にはフェロモンの放出動態が非常に低くなり、デバイスの効果がなくなることを明確に示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、先行技術のデバイス、特に情報化学物質組成物を含有するペット用首輪を改良することである。
【0011】
本発明の第1の目的は、先行技術のデバイスと比較して、情報化学物質組成物をより長い期間、特に1カ月を超える期間にわたって拡散させることを可能にすることである。
【0012】
本発明の第2の目的は、先行技術のデバイスと比較して、デバイス内の総量に対して、より高い相対量の情報化学物質組成物をデバイス外へ拡散することを可能にすることである。
【0013】
本発明の第3の目的は、先行技術のデバイスと比較して、制御された拡散、すなわち、時間期間ごとに少なくとも2つの等しい時間間隔にわたって連続的に同等の平均量の情報化学物質組成物の放出を可能にすることである。
【0014】
本発明の第4の目的は、好ましくは第1の目的及び第2の目的を満たすデバイスであって、動物、特にペットに使用できるあらゆる種類の物体、特に首輪に変形するのに十分な柔軟性を保持する上記デバイスを提供することである。
【0015】
本発明の第5の目的は、特に、デバイスの作用時間を長くし、動物又は動物の身近な環境におけるデバイスの2回の適用の間の時間を長くすることによって、飼い主による扱いの法令遵守を向上させるデバイスを得ることである。
【0016】
特に断らない限り、すべての百分率は、示された成分の総重量に対する成分の重量(m/m)として与えられる。
【0017】
本発明の第1の目的は、特に、ペット用の情報化学物質組成物を動物へ又は動物の身近な環境に連続的に放出するためのデバイスであって、
・ポリマーマトリックス、
・情報化学物質組成物、
・デバイス外への情報化学物質組成物の拡散を制御する制御因子、
・場合により抗酸化剤、
・場合により抗UV剤、
・場合により流動剤(flow agent)
を含む上記デバイスである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この第1の目的により、本発明は、ペット用の情報化学物質組成物を動物へ又は動物の身近な環境に連続的に放出するためのデバイスであって、
・ポリマーマトリックス、
・揮発性脂肪酸誘導体の混合物を含む情報化学物質組成物、
・粘土、珪藻土及びゼオライトから選択される、デバイス外への情報化学物質組成物の拡散を制御する制御因子
を含む上記デバイスに関する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】揮発性脂肪酸エステル誘導体の図である。
図2】脂肪酸メチルエステルの経時的な放出(例2A)の図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明によるデバイスは、特に、動物が着用することができ、又は動物の身近な環境に設置することができる固体成形体、例えば、首輪、ハーネス、首輪ペンダント(メダリオン)、耳標、四肢又は体の一部に取り付けることができる首輪、粘着ストリップ及びフィルムを含む。メダリオン及び首輪、とりわけ首輪が優先される。
【0021】
動物の身近な環境とは、飼い主の自宅、犬小屋、乗り物、輸送用ケージなどの、動物が育つ可能性が高い領域と定義される。
【0022】
本発明による成形体は、使用者が容器に入れることができるボールの形態をとることもできる。
【0023】
デバイスはまた、ボウル、フロアマット、毛布、衣類、トレーニングマットなどの、動物の環境にある物体の形態をとることも可能である。
【0024】
あらゆるデバイスの大きさ及び形状は、それが意図される動物に適合される。デバイスは、必要であれば、当業者に知られている取り付け手段により装着される。例えば、押し出しストリップからなる首輪を装着するためのシステムの場合、締結具は、リベットを有する成形プラスチックであってもよく、金属リベットで固定されても、金属クリップで固定されてもよく、又は複数のリベットにより折り畳まれたストラップに保持されたループを有する金属ループシステムであってもよい。
【0025】
首輪の場合、対象動物、例えば子犬、小型犬、中型犬、大型犬の首のサイズに最適になるようにペットの飼い主によりカットされることになる標準的な長さの首輪を提供することも可能である。
【0026】
一実施形態において、本発明によるデバイスは、所定の長さの首輪であって、首輪の余分な長さを動物の首と接触する首輪の部分に対して保持することを可能にするループが取り付けられた上記首輪である。ループにより、情報化学物質組成物が存在する首輪の全長が保持され、この余分な長さが動物又は飼い主に煩わしさを与えないようにすることができる。
【0027】
デバイスは、平滑な表面を有するか、又は交換表面及び所定時間に放出される情報化学物質活性成分の量を増加させるレリーフを有していてもよい。
【0028】
したがって、本発明の文脈では、デバイスは、情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子が分散された連続相としてのポリマーマトリックスを含む複合体である。用語「複合体」及び「ポリマーマトリックス」は、本発明の意味において、(例えば、「ポリマー用語及び命名法の概要-IUPAC推奨事項、2008(Compendium-of-Polymer-Terminology-and-Nomenclature-IUPAC-Recommendations-2008)」に定義されている通り)当業者にとって一般的な意味で理解される。「ポリマーマトリックス」という用語は、連続非発泡又はハニカム構造を有するポリマーを含むマトリックスを指し、したがって、ポリマー発泡体及びハニカム又は気泡質構造を有するポリマー材料を除外する。
【0029】
ポリマーマトリックスは、製造時及び使用時にデバイスが壊れたり脆くなったりしないように、十分な強度及び柔軟性を備えていなければならない。ポリマーマトリックスはまた、デバイスが動物に装着又は適用されたときの通常の磨耗及び破損に耐えることができる十分な耐久性を有していなければならない。更に、ポリマーマトリックスは、情報化学物質組成物のデバイス表面への十分な移行、すなわち受動的拡散、及び動物へ又は動物の環境、特に動物の嗅覚器官への前記組成物の放出を可能にしなければならない。
【0030】
熱可塑性ポリマー、エラストマー及び熱可塑性ポリビニル樹脂が有利に使用される。熱可塑性であり柔軟なポリオレフィン及びエラストマーは、成形体の担体物質又は基材として使用するのに適している。これらには、ポリビニル樹脂、EPDM(エチレン/プロピレン-ジエンターポリマー)、ポリエチレン(例えばHDPE又はLLDPE)及びポリプロピレンが含まれ、これらは上記の活性化合物と十分に適合する。
【0031】
ポリビニル樹脂は、ポリハロゲン化ビニル、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル-ビニルアセテート(vinyl polyvinyl acetate chloride)及びポリフッ化ビニル;ポリビニルベンゼン、例えば、ポリスチレン及びポリビニルトルエン;並びにビニルアセテート系コポリマー、例えば、エチレン-ビニルアセテートの熱可塑性コポリマー又はEVAを含む。
【0032】
本発明によるデバイスのマトリックスとして使用するのに適した他のプラスチック材料は、熱可塑性エラストマーである。例えば、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)がある。
【0033】
有利には、上記のポリビニル樹脂が使用される。好ましくは、エチレン-ビニルアセテートの熱可塑性コポリマー(EVA)が使用される。これらのコポリマーの特性、特に柔軟性及び強度は、ビニルアセテート含有量(グレードともいう)によって異なり、好ましくは、5~20%、好ましくは5~16%、更に好ましくは約9%のビニルアセテート含有量を有するエチレン-ビニルアセテートの熱可塑性コポリマーによって異なる。これらのグレードのEVAは、動物の首輪の製造に特に有用である。
【0034】
使用される情報化学物質組成物は、好ましくは、揮発性脂肪酸誘導体の混合物を含む鎮静情報化学物質組成物である。
【0035】
本発明の目的において、鎮静情報化学物質組成物は、天然起源の(例えば生物から単離された)、又は合成起源の(例えば動物にリラックス又は鎮静効果を生成し得る脂肪酸の揮発性誘導体を混合することによって得られた)、生物間の信号値を有する化学物質の混合物を修飾する。
【0036】
本発明の目的において、「揮発性脂肪酸誘導体」とは、外部からの電気的熱源をデバイスに加えることなく、動物へ又は動物の環境中に拡散させることができる任意の脂肪酸誘導体をいう。
【0037】
本発明の目的において、「脂肪酸」とは、4~22個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の直鎖又は分枝炭化水素モノカルボン酸又はジカルボン酸をいう。有利には、脂肪酸は、オレイン酸、パルミチン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、アラキドン酸、n-酪酸、イソ酪酸、α-メチル酪酸、カプロン酸、ピバル酸、γ-リノール酸、エイコサペンタン酸、ペンタデカン酸、トリデカン酸、又はドコサヘキサン酸からなる群から選択される。
【0038】
揮発性脂肪酸誘導体は、脂肪酸エステル、例えば脂肪酸とC1~Cのアルコールから形成されるエステルを含む。有利には、脂肪酸エステルは、エチル又はメチルエステルである。好ましくは、脂肪酸エステルは、脂肪酸メチルエステルである。
【0039】
したがって、有利には、鎮静情報化学物質組成物は、揮発性脂肪酸誘導体の混合物を含み、脂肪酸は、オレイン酸、パルミチン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、アラキドン酸、n-酪酸、イソ酪酸、α-メチル酪酸、カプロン酸、ピバル酸、γ-リノール酸、エイコサペンタン酸、ペンタデカン酸、トリデカン酸、又はドコサヘキサン酸からなる群から選択され、有利には、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、リノール酸、ステアリン酸、ペンタデカン酸からなる群から選択される。
【0040】
より有利には、鎮静情報化学物質組成物は、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、アゼライン酸メチル、ピメリン酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミトレイン酸メチル、リノール酸メチル、ステアリン酸メチル、アラキドン酸メチル、n-酪酸メチル、イソ酪酸メチル、α-メチル酪酸メチル、カプロン酸メチル、ピバル酸メチル、γ-リノール酸メチル、エイコサペンタン酸メチル、ペンタデカン酸メチル、トリデカン酸メチル、ドコサヘキサン酸メチルからなる群から選択され、有利には、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、リノール酸メチル、ステアリン酸メチル及びペンタデカン酸メチルからなる群から選択される、揮発性脂肪酸誘導体の混合物を含む。
【0041】
揮発性脂肪酸誘導体及びその鎮静情報化学物質組成物中での相対的割合は、対象動物に依存する。
【0042】
対象動物が犬である場合、鎮静情報化学物質組成物は、国際出願WO2009144321に記載されているものから選択することができる。
【0043】
犬を鎮静させるための脂肪酸のエステル、好ましくはメチルエステルの特定の混合物は、以下の脂肪酸のエステルである:
・オレイン酸及びn-酪酸の混合物A;
・オレイン酸、パルミチン酸及びリノール酸の混合物B;
・オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸及びパルミトレイン酸の混合物C;
・カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミトレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、及びオレイン酸の混合物D;
・オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸及びミリスチン酸の混合物E;
・オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ラウリン酸及びミリスチン酸の混合物F;
・オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ミリスチン酸及びペンタデカン酸の混合物G;
・オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸及びステアリン酸の混合物H;
・オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ミリスチン酸、ラウリン酸及びペンタデカン酸の混合物I;
・ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びリノール酸の混合物J;
・オレイン酸、アゼライン酸、ピメリン酸及びパルミチン酸の混合物K。
【0044】
脂肪酸のエステル、好ましくはメチルエステルの混合物は、以下の脂肪酸のエステルである:
・約55%~65%のオレイン酸、及び45%~35%のパルミチン酸を含む混合物L;
・約45%のオレイン酸、16%のアゼライン酸、18%のピメリン酸、及び21%のパルミチン酸を含む混合物M;
・約30%のパルミチン酸、30%のオレイン酸、及び40%のリノール酸を含む混合物N;
・約30%のパルミチン酸、40%のリノール酸、10%のパルミトレイン酸、及び20%のオレイン酸を含む混合物O。
【0045】
犬を鎮静するための特定の脂肪酸エステル混合物Pは、約35%のオレイン酸メチル、約2%のラウリン酸メチル、約13%のステアリン酸メチル、約21%のリノール酸メチル、約5%のミリスチン酸メチル、約4%のペンタデカン酸メチル、及び約20%のパルミチン酸メチルを含む。
【0046】
本発明の発明者らは、ペンタデカン酸メチルを含まない鎮静情報化学物質組成物が、犬に対して混合物Pと同様の効果をもたらすことを更に実証した。ペンタデカン酸は天然では比較的稀な脂肪酸であり、その主な由来元は牛乳の脂肪画分であり、牛乳の脂肪画分にペンタデカン酸は少量(1.2%)存在し、安価に入手することは困難である。したがって、この脂肪酸がなくても情報化学物質組成物の鎮静効果は低下しないという発見は、本発明によるデバイスの製造に関連するコストを有利に削減するものである。したがって、犬を鎮静するための脂肪酸エステルの更なる特定の混合物Qは、32%~38%のオレイン酸メチル、1%~3%のラウリン酸メチル、13%~16%のステアリン酸メチル、18%~24%のリノール酸メチル、3%~7%のミリスチン酸メチル及び18%~24%のパルミチン酸メチルを含む。
【0047】
犬を鎮静するための脂肪酸エステルのより具体的な混合物Rは、約35%のオレイン酸メチル、約2%のラウリン酸メチル、約15.5%のステアリン酸メチル、約21%のリノール酸メチル、約5%のミリスチン酸メチル及び約21%のパルミチン酸メチルを含む。
【0048】
対象動物が猫である場合、鎮静情報化学物質組成物は、国際出願WO2015140631に記載されているものから選択することができる。
【0049】
鎮静情報化学物質組成物は、例えば、猫の肩甲骨と耳との間の領域に由来する皮膚分泌物から得られる鎮静猫フェロモンである。
【0050】
したがって、猫を鎮静することを意図した情報化学物質組成物は、有利には、パルミチン酸メチル、リノール酸メチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、ラウリン酸メチル及びミリスチン酸メチルを含む。
【0051】
猫を鎮静するための脂肪酸エステルの特定の混合物Sは、15%~25%のパルミチン酸メチル、10%~27%のリノール酸メチル、25%~35%のオレイン酸メチル、5%~15%のステアリン酸メチル、5%~15%のラウリン酸メチル及び5%~15%のミリスチン酸メチルを含む。
【0052】
猫を鎮静するための脂肪酸エステルの別の特定の混合物Tは、19%~26%のパルミチン酸メチル、14%~20%のリノール酸メチル、26%~32%のオレイン酸メチル、8%~14%のステアリン酸メチル、8%~14%のラウリン酸メチル及び8%~14%のミリスチン酸メチルを含む。
【0053】
更に具体的な混合物Uは、22%のパルミチン酸メチル、17%のリノール酸メチル、28%のオレイン酸メチル、11%のステアリン酸メチル、11%のラウリン酸メチル及び11%のミリスチン酸メチルを含む。
【0054】
本発明によるデバイスに使用できる別の情報化学物質組成物は、特許US10227321に記載されており、少なくとも1つの揮発性脂肪酸誘導体は、図1による式のエステルであり、n=0、且つRは9~30の炭素原子を含む飽和又は不飽和直鎖アルキル、又はn=1、且つRは8~22の炭素原子を含む飽和又は不飽和直鎖アルキルである。
【0055】
対象動物は、非ヒト哺乳類である。ペット、例えば、ネコ、イヌ、フェレット及びウサギ、又は生活状態を向上させるために有用である家畜、例えばウサギ及びブタが存在し得る。当業者は、本発明によるデバイスにおいて、ストレスの発現を防止し、及び/又は各対象種に適合した不安を軽減することができる情報化学物質組成物を使用することになる。
【0056】
デバイス内の情報化学物質組成物の量は、大きく変わり得る。情報化学物質組成物の割合は、典型的には、デバイスの総重量の0.1重量%~25重量%である。有利には、首輪において、情報化学物質組成物は、首輪の総重量の1重量%~10重量%、より有利には3重量%~8重量%、好ましくは約5重量%を占める。
【0057】
本発明の目的において、「約x%」は、規定された割合からプラス又はマイナス0.2%の変動を意味する。
【0058】
本発明によるデバイスは、先行技術に記載されているもの、特にADAPTIL(登録商標)という商標で販売されている首輪とは、前記情報化学物質組成物の拡散を遅らせることができる、情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子を含有するという点で異なる。
【0059】
本出願人は、情報化学物質組成物を吸着できる材料を導入することで、前記情報化学物質組成物の拡散を制御することが可能であることを実証した。「情報化学物質組成物の拡散を制御する」とは、情報化学物質組成物を吸着できる材料を含有しない同じデバイスと比較して、より高い相対量の情報化学物質組成物を放出すること及び/若しくはより長い期間放出すること、並びに/又は連続的に少なくとも2つの等しい時間間隔にわたって同等の平均量の情報化学物質組成物を放出すること、例えば、少なくとも2つの期間で14日間にわたって約10%の情報化学物質組成物を放出することであると理解される。これらの特性は、先行技術のデバイスと比較して、デバイス内の総量を基準として、より高い相対量の情報化学物質組成物のデバイス外への拡散をもたらす。
【0060】
情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子には、粘土、珪藻土、ゼオライトなどの無機材料が含まれる。有利には、鎖状構造(角閃石様のシリカ四面体の鎖)を有する粘土、特にフィロシリケート、例えば、ウォラストナイト(例えばCasiflux F75の名称で販売されている)、ベントナイト、カオリナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト、セピオライト及びパリゴルスカイト(paligorskyte)が使用される。アタパルジャイト、セピオライト及びパリゴルスカイトが好ましく、セピオライトは更に好ましい。
【0061】
地中から採掘したセピオライトが好適であるが、化学処理(例えばゼータ電位の変更)又は熱処理(例えば構造の変更)を施したセピオライトも使用可能である。
【0062】
情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子は、デバイスの総重量に対して、5~25重量%、有利には10~20重量%、好ましくは約15重量%の変化する割合でデバイス内に導入される。
【0063】
本発明によるデバイスは、デバイスの成形を容易にするために従来から使用されている成分、例えば、流動剤、可塑剤、抗酸化剤、抗UV剤、又は経時的な安定性を改善することを可能にする他の任意の成分を含んでいてもよい。
【0064】
流動剤の役割は、押出機スクリューに供給を行うホッパー内への混合物の流動性を促進することである。流動剤は、当業者にはよく知られている。流動剤は、好ましくはコロイダルシリカ、ステアリン酸マグネシウムから選択され、更に好ましくは、流動剤はコロイダルシリカである。
【0065】
本発明によるデバイスの安定性、特に情報化学物質組成物の成分の安定性は、例えば、抗酸化剤又は抗UV剤を組み込むことによって改善され得る。
【0066】
抗酸化剤としては、フェノール化合物、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸、没食子酸プロピル及びピロガロール、ヒドロキノン、例えば、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)及びジ-tert-ブチルヒドロキノン(DTBHQ)、トコフェロール、アミン、例えば、オクチルブチルジフェニルアミン(OBPA)、ポリ(1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン(Orox PK)、N,N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(DPD)及びエトキシキン、並びにこれらの抗酸化剤の混合物が挙げられる。このような化合物は当業者によく知られており、無理なく選択することができる。好ましくは、使用する抗酸化剤はTBHQである。目安として、使用する抗酸化剤の量は、0.001%~0.1%であってよい。
【0067】
抗UV剤は、デバイスの材料を不透明化するか、又はUV線を吸収することを可能にし、したがって、光線がデバイスのコアに到達するのを防ぎ、光によるその成分の劣化、特に情報化学物質組成物の劣化を制限する。抗UV剤は、カーボンブラック、水酸化アルミニウム(Al(OH))、炭酸カルシウム、及び例えばHostavin N30P(登録商標)の名称で販売されているヒンダードアミン系光安定剤(HALS)から選択することができる。
【0068】
特定の実施形態によれば、本発明によるデバイスは、コロイダルシリカなどの流動剤、及び抗酸化剤又は抗UV剤などの情報化学物質組成物の経時的な安定性を向上させるための成分を更に含む。
【0069】
デバイス中の各成分の割合は、デバイスの流動学的性質(例えば、動物の首輪の場合における柔軟性又は弾性)を維持しながら、情報化学物質組成物の拡散が所望の用途に適合するように選択される。
【0070】
したがって、本発明の第2の目的は、
・ポリマーマトリックス、
・0.5%~10%、好ましくは約5%の、上記で定義した情報化学物質組成物、
・5%~25%、好ましくは約15%の、上記で定義した情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子、
・任意に0.001%~0.1%、好ましくは約0.005%の抗酸化剤、
・任意に0.1%~2%、好ましくは約1%の抗UV剤、
・任意に0.1%~5%、好ましくは約1.5%の流動剤
を含むデバイスに関する。
【0071】
第1の実施形態において、本発明によるデバイスは、
・エチレン-ビニルアセテートの熱可塑性コポリマーからなるポリマーマトリックス、
・0.5%~10%、好ましくは約5%の、上記で定義した情報化学物質組成物、
・5%~25%、好ましくは約15%の、上記で定義した情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子、
・任意に0.001~0.1%、好ましくは約0.05%の抗酸化剤、
・任意に0.1%~2%、好ましくは約1%の抗UV剤、
・任意に0.1%~5%、好ましくは約1.5%の流動剤
を含む。
【0072】
第2の実施形態において、本発明によるデバイスは、
・ポリマーマトリックス、
・0.5%~10%、好ましくは約5%の情報化学物質組成物であって、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、リノール酸塩、任意にペンタデカン酸塩から選択される脂肪酸エステルの混合物を含む上記情報化学物質組成物、
・5%~25%、好ましくは約15%の、上記で定義した情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子、
・任意に0.001%~0.1%、好ましくは約0.05%の抗酸化剤、
・任意に0.1%~2%、好ましくは約1%の抗UV剤、
・任意に0.1~5%、好ましくは約1.5%の流動剤
を含む。
【0073】
第3の実施形態において、本発明によるデバイスは、
・ポリマーマトリックス、
・0.5%~10%、好ましくは約5%の情報化学物質組成物、
・5%~25%、好ましくは約15%の、上記で定義した情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子であって、粘土、特にフィロシリケート、特にセピオライト、アタパルジャイト又はパリゴルスカイトである
上記制御因子、
・任意に0.001%~0.1%、好ましくは約0.05%の抗酸化剤、
・任意に0.1%~2%、好ましくは約1%の抗UV剤、
・任意に0.1%~5%、好ましくは約1.5%の流動剤
を含む。
【0074】
特定の実施形態において、本発明によるデバイスは、
・エチレン-ビニルアセテートの熱可塑性コポリマーからなるポリマーマトリックス、
・0.5%~10%、好ましくは約5%の情報化学物質組成物であって、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、リノール酸塩、任意にペンタデカン酸塩から選択される脂肪酸エステルの混合物を含む上記情報化学物質組成物、
・5%~25%、好ましくは約15%の粘土、好ましくはセピオライト、アタパルジャイト及びパリゴルスカイトから選択される粘土、
・任意に0.001%~0.1%、好ましくは約0.05%の抗酸化剤、
・任意に0.1%~2%、好ましくは約1%の抗UV剤、
・任意に0.1%~5%、好ましくは約1.5%の流動剤
を含む。
【0075】
好ましくは、本発明は、
・エチレン-ビニルアセテートの熱可塑性コポリマーからなるポリマーマトリックス、
・約5%の情報化学物質組成物であって、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、及び任意にペンタデカン酸メチルの混合物を含む上記情報化学物質組成物、
・約15%のセピオライト、
・約0.05%の抗酸化剤、
・約1%の光保護化合物、
・約1.5%の流動化剤
を含む犬用首輪に関する。
【0076】
第3の態様において、本発明は、以下の効果:
・動物の環境における動物の幸福を確保すること、
・動物がストレス及び/又は不安に対処することを助けること、
・引き離しに伴う動物のストレスを軽減すること、
・動物の離乳に伴うストレスを軽減すること、
・孤独に伴う動物のストレスを軽減すること、
・輸送前及び/又は輸送中の動物のストレスを軽減すること、
・雷雨又は花火などの騒音に伴うストレスを軽減すること、
・検査又は更には手術を必要とし得る病状、医療処置、獣医への訪問に伴うストレスを軽減すること、
・動物の攻撃性を軽減すること、
・動物、特に攻撃的な動物又は恐怖心を持つ動物の行動を改善すること、
・動物にリラックス効果を与えること、
・動物が新しい状況(例えば、養子に出されたとき、新しい動物又は子供が環境にやってきたとき、家を引っ越したとき)に適応するのを助けること、
・動物のストレス関連の尿マーキングを軽減すること、
・動物の不潔さ及び汚さを軽減すること、
・動物をその仲間に親しませるための状況を整えること、
・掻き傷又は縄張りの破壊を防止すること、
・鳴き声又は吠え声などの発声(sound manifestation)を減らすこと、
・特に飼い主に対して、攻撃的でなく、よりリラックスした、より愛情深い動物の行動を生じさせること
のうちの1つ以上を達成するための方法であって、
好ましくは1カ月超の期間、より有利には2カ月超の期間、好ましくは約3カ月の期間にわたる、上記のデバイスからの情報化学物質組成物の拡散を含み、動物が犬又は猫である
上記方法に関する。前記拡散は、動物又は動物の身近な環境、すなわち、動物の嗅覚器官に近い環境において生じる。
【0077】
第4の態様において、本発明は、以下の効果:
・動物の環境における動物の幸福を確保すること、
・動物がストレス及び/又は不安に対処することを助けること、
・引き離しに伴う動物のストレスを軽減すること、
・動物の離乳に伴うストレスを軽減すること、
・孤独に伴う動物のストレスを軽減すること、
・輸送前及び/又は輸送中の動物のストレスを軽減すること、
・雷雨又は花火などの騒音に伴うストレスを軽減すること、
・検査又は更には手術を必要とし得る病状、医療処置、獣医への訪問に伴うストレスを軽減すること、
・動物の攻撃性を軽減すること、
・動物、特に攻撃的又は恐怖心を持つ動物の行動を改善すること、
・動物にリラックス効果を与えること、
・動物が新しい状況(例えば、養子に出されたとき、新しい動物又は子供が環境にやってきたとき、家を引っ越したとき)に適応するのを助けること、
・動物のストレス関連の尿マーキングを軽減すること、
・動物の不潔さ及び汚さを軽減すること、
・動物をその仲間に親しませるための状況を整えること、
・掻き傷又は縄張りの破壊を防止すること、
・鳴き声又は吠え声などの発声を減らすこと、
・特に飼い主に対して、攻撃的でなく、よりリラックスした、より愛情深い動物の行動を生じさせること
のうちの1つ以上を達成するための、上記のデバイスの使用であって、
好ましくは1カ月超の期間、より有利には2カ月超の期間、好ましくは約3カ月の期間にわたり、動物が犬又は猫である、
上記使用に関する。
【0078】
本発明は、更に、動物を鎮静するための非治療的方法、特に、
・動物の環境における動物の幸福を確保すること、
・動物がストレス及び/又は不安に対処することを助けること、
・引き離しに伴う動物のストレスを軽減すること、
・動物の離乳に伴うストレスを軽減すること、
・孤独に伴う動物のストレスを軽減すること、
・輸送前及び/又は輸送中の動物のストレスを軽減すること、
・雷雨又は花火などの騒音に伴うストレスを軽減すること、
・検査又は更には手術を必要とし得る病状、医療処置、獣医への訪問に伴うストレスを軽減すること、
・動物の攻撃性を軽減すること、
・動物、特に攻撃的又は恐怖心を持つ動物の行動を改善すること、
・動物にリラックス効果を与えること、
・動物が新しい状況(例えば、養子に出されたとき、新しい動物又は子供が環境にやってきたとき、家を引っ越したとき)に適応するのを助けること、
・動物のストレス関連の尿マーキングを軽減すること、
・動物の不潔さ及び汚さを軽減すること、
・動物をその仲間に親しませるための状況を整えること、
・掻き傷又は縄張りの破壊を防止すること、
・鳴き声又は吠え声などの発声を減らすこと、
・特に飼い主に対して、攻撃的でなく、よりリラックスした、より愛情深い動物の行動を生じさせること、
・動物の訓練及び/又は教育を容易にすること
のための方法であって、
本発明によるデバイスを動物又は動物の身近な環境、すなわち動物の嗅覚器官に近い環境に適用することを含む
上記方法に関する。
【0079】
本発明は更に、1カ月超の期間、より好ましくは2カ月超の期間、好ましくは約3カ月の期間、ペットにおけるストレスの発現を予防し、及び/又は不安を軽減するための上記に定義した情報化学物質組成物であって、本発明によるデバイス内に存在することを特徴とする上記情報化学物質組成物に関する。
【0080】
特に、本発明は、動物を鎮静するときに使用するための、特に、
・動物の環境における動物の幸福を確保すること、
・動物がストレス及び/又は不安に対処することを助けること、
・引き離しに伴う動物のストレスを軽減すること、
・動物の離乳に伴うストレスを軽減すること、
・孤独に伴う動物のストレスを軽減すること、
・輸送前及び/又は輸送中の動物のストレスを軽減すること、
・雷雨又は花火などの騒音に伴うストレスを軽減すること、
・検査又は更には手術を必要とし得る病状、医療処置、獣医への訪問に伴うストレスを軽減すること、
・動物の攻撃性を軽減すること、
・動物、特に攻撃的又は恐怖心を持つ動物の行動を改善すること、
・動物にリラックス効果を与えること、
・動物が新しい状況(例えば、養子に出されたとき、新しい動物又は子供が環境にやってきたとき、家を引っ越したとき)に適応するのを助けること、
・動物のストレス関連の尿マーキングを軽減すること、
・動物の不潔さ及び汚さを軽減すること、
・動物をその仲間に親しませるための状況を整えること、
・掻き傷又は縄張りの破壊を防止すること、
・鳴き声又は吠え声などの発声を減らすこと、
・特に飼い主に対して、攻撃的でなく、よりリラックスした、より愛情深い動物の行動を生じさせること、
・動物の訓練及び/又は教育を容易にすること
のための、上記に定義した情報化学物質組成物であって、
情報化学物質組成物が、先に定義したデバイス内に含まれ、
・ポリマーマトリックス、
・情報化学物質組成物、
・デバイス外への情報化学物質組成物の拡散を制御する制御因子、
・場合により抗酸化剤、
・場合により抗UV剤、
・場合により流動剤
を含む上記情報化学物質組成物に関する。
【0081】
好ましくは、鎮静情報化学物質組成物は、
・ポリマーマトリックス、
・揮発性脂肪酸誘導体の混合物を含む情報化学物質組成物、特に鎮静情報化学物質組成物、
・デバイス外への情報化学物質組成物の拡散を制御する制御因子
を含むデバイスにおいて動物に投与される。
【0082】
有利には、デバイスによって実現される効果は、
・動物の環境における動物の幸福を確保すること、
・引き離しに伴う動物のストレスを軽減すること、
・孤独に伴う動物のストレスを軽減すること、
・輸送前及び/又は輸送中の動物のストレスを軽減すること、
・雷雨又は花火などの騒音に伴うストレスを軽減すること、
・検査又は更には手術を必要とし得る病状、医療処置、獣医への訪問に伴うストレスを軽減すること、
・動物が新しい状況(例えば、養子に出されたとき、新しい動物又は子供が環境にやってきたとき、家を引っ越したとき)に適応するのを助けること
から選択される。
【0083】
好ましくは、すべての上記の実施形態によれば、ペットは猫又は犬であり、好ましくはペットは犬である。
【0084】
本発明は、より高い相対量の情報化学物質組成物の放出及び/若しくはより長い期間の放出、並びに/又は少なくとも2つの等しい時間間隔にわたる連続的な同等の平均量の情報化学物質組成物の放出を可能にする、ポリマーマトリックス内への情報化学物質組成物の拡散を制御する制御因子の使用であって、より高い量の放出及び/若しくはより長い時間の放出、並びに/又は少なくとも2つの等しい時間間隔にわたる連続的な同等の平均量の情報化学物質組成物の放出は、拡散制御因子を含有していない同一のポリマーマトリックス中に含まれる同じ情報化学物質組成物を拡散させた際に測定される量に対して測定され、拡散を制御する制御因子は、粘土、珪藻土及びゼオライトから選択される、上記使用に関し、この結果、先行技術のデバイスと比較して、デバイス内の総量を基準として、より高い相対量の情報化学物質組成物のデバイスからの拡散がもたらされる。
【0085】
好ましくは、
・デバイス外への情報化学物質組成物の拡散を制御する制御因子は、粘土、珪藻土又はゼオライトであり、
・情報化学物質組成物は、上記の通りであり、特に脂肪酸エステル、好ましくは脂肪酸メチルエステル、例えば情報化学物質組成物A~Uで構成され、
・ポリマーマトリックスは、エチレン-ビニルアセテートの熱可塑性コポリマーであり、
・情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子の使用は、先行技術のデバイスと比較して、より高い相対量の情報化学物質組成物の放出及び/若しくはより長い期間の放出、並びに/又は少なくとも2つの等しい時間間隔にわたる連続的な同等の平均量の情報化学物質組成物の放出を可能にし、特に、より高い量の情報化学物質組成物の放出及び/若しくはより長い期間の放出、並びに/又は少なくとも2つの等しい時間間隔にわたる連続な同等の平均量の情報化学物質組成物の放出は、1カ月超、好ましくは約3カ月の期間にわたって持続し、
・ペットは犬である。
【0086】
有利には、情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子は、鎖状構造(角閃石に似たシリカ四面体の鎖)を有する粘土、特にフィロシリケート、例えば、ウォラストナイト(例えばCasiflux F75の名称で販売されている)、ベントナイト、カオリナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト、セピオライト及びパリゴルスカイトから選択される。好ましくは、因子は、アタパルジャイト、セピオライト及びパリゴルスカイト、更に好ましくはセピオライトである。
【0087】
本発明によるデバイスは、その形態が何であれ、それらを構成する成分を混合することによって調製され、この混合物は、次に、当業者に知られている様々な手段、特に、押出し、成形又は更には3Dプリントによって成形することができる。
【0088】
成形(場合によっては射出成形)による製造は、デバイスを構成する成分の混合物を溶かし、次にそれを完成品の形状を持つ金型に投入することを必要とする。この金型は、離型を容易にする製品でコーティングされている場合があり、溶融混合物は冷えて固まり、次に完成品が型から取り出される。型から取り出された完成品は、カット又は研磨によって調整されて不完全な部分が取り除かれることもある。
【0089】
3Dプリントによる製造は、好ましくは「溶融堆積モデリング」(FDM)により行われる。この技術は、成分の溶融混合物のフィラメントを層ごとに堆積させることに基づくものであり、その溶融混合物を重ね合わせることによりオブジェクトに形状を与える。プリントヘッドは、プリントされるオブジェクトの3Dモデルに対応する3Dファイルから送信されるX、Y及びZ座標(縦、横、高さ)に従って移動する。
【0090】
押出製造方法の動作原理は、成分の混合物をダイに押し込むことに基づく。ダイの形状は、完成部品の断面に対応する。
【0091】
したがって、この押出製造方法の実施は、
・デバイス内で成分を混合すること;
・この混合物を押出機で押し出して、押出製品をもたらすこと;
・任意に、押出製品をカレンダー加工すること、
・カットして完成品を得ること
を含む。
【0092】
例示的実施形態によれば、成分の混合ステップは、ポリマー(好ましくは9%のEVA)を、例えばPloughshareミキサーに投入し、次いで攪拌下で情報化学物質組成物を添加することに基づく。この添加は、例えば、情報化学物質組成物の噴射を伴う噴霧により行うことができる。次に、デバイス外への情報化学物質組成物の拡散を制御する制御因子を添加する(好ましくはセピオライト)。全部を一緒に混合する。次に、存在する場合、流動剤を混合物に添加し(好ましくは1%のコロイダルシリカ)、全体を攪拌し、篩い分ける。その後、更なる用量の流動剤を篩に添加して篩い分ける(好ましくは0.4%のコロイダルシリカ)。最後に、ポリマーの残り半分(好ましくは9%のEVA)を反転ミキサーに添加し、全部を再び一緒に混合する。
【0093】
次に、成分の混合物を、単軸又は二軸であり得る押出機に供給する。必要に応じて、押出ウェブをカレンダー加工して、必要な正確な寸法を得る。カレンダー加工では、押出ウェブを冷却して、固形の製品を得ることもできる。
【0094】
押出製品はリボンの形態であり、次に、これをカットして完成品を得る。
【0095】
図1は揮発性脂肪酸エステル誘導体の図である。
図2は脂肪酸メチルエステルの経時的な放出(例2A)の図である。
【実施例
【0096】
(例1:本発明による鎮静犬用首輪の調製)
(例1A)
本発明の首輪デバイスは、情報化学物質活性成分を含む混合物(ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル及びリノール酸メチルを含む脂肪酸メチルエステルの混合物R)、エチレン-ビニルアセテート(EVA)ポリマーマトリックス(9%のEVA)、粘土タイプの、情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子(18.5%のモンモリロナイト)及び流動剤(1%のコロイダルシリカ、その後順次的に1%)からなる。
【0097】
調製:
第1のステップは、ポリマーの半分(9%のEVA)をPloughshareミキサーに投入し、次に脂肪酸メチルエステルの混合物を攪拌下で噴霧することにより添加することからなる。次に、モンモリロナイトを添加する。全部を30秒間混合する。
【0098】
第2のステップは、混合物(1%のコロイダルシリカ)に流動剤を添加し、30秒間混合した後、混合物を篩い分けることに基づく。その後、もう1回分の用量の流動剤を混合物(1%のコロイダルシリカ)に篩い分ける。
【0099】
最後に、ポリマーの残り半分(9%のEVA)を反転ミキサーに添加し、全部を更に3分間混合する。
【0100】
次に、この混合物を押し出しにより成形する。
【0101】
(例1B)
本発明の首輪デバイスは、情報化学物質活性成分を含む混合物(ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル及びリノール酸メチルを含む脂肪酸メチルエステルの混合物R)、エチレン-ビニルアセテートポリマーマトリックス(9%のEVA)、粘土タイプの、情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子(15%のセピオライト)及び流動剤(01.9%のコロイダルシリカ)からなる。
【0102】
調製:
第1のステップにおいて、セピオライトとコロイダルシリカをPloughshareミキサーで混合する。次に、脂肪酸メチルエステルの混合物を攪拌下で添加する。全体を20秒間混合し、篩い分ける。混合物を9%のEVAを入れた反転ミキサーに移し、全体を3分間混合する。
【0103】
次に、この混合物を押し出しにより成形する。
【0104】
(例1C)(バッチD17190)、(1D)(バッチD17191)、(1E)(バッチD18001)及び(1F)(バッチD17207):
首輪1C、1D、1E:
本発明の首輪デバイスは、情報化学物質活性成分(ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル及びリノール酸メチル)を含む混合物、エチレン-ビニルアセテート型ポリマーマトリックス(例1C及び1Eでは9%のEVA、例1Dでは16%のEVA)、粘土タイプの、情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子(15%のセピオライト)、流動剤(1%のコロイダルシリカ、その後順次的に0.4%)、抗酸化剤(0.005%のTBHQ)、及び例1Eのみでの抗UV剤(1%のHostavin N30P)からなる。
【0105】
首輪1F:
本発明の首輪デバイスは、情報化学物質活性成分を含む混合物(ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル及びリノール酸メチルを含む脂肪酸メチルエステルの混合物R)、エチレン-ビニルアセテート型ポリマーマトリックス(9%のEVA)、粘土様の、情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子(15%のセピオライト)、流動剤(1.4%のコロイダルシリカ)、及び抗酸化剤(0.005%のTBHQ)からなる。
【0106】
調製:
例1C、1D、1E及び1Fを同じ調製様式に従って調製した。
【0107】
EVAの半分をPloughshareミキサーに投入した。更に、TBHQ抗酸化剤を脂肪酸メチルエステルの混合物に溶解し、この混合物を撹拌下で軸に垂直な噴射によりEVAに噴霧した。次に、情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子としてセピオライトを添加し、全体を30秒間混合した。次に、更に30秒間混合しながら、1%のコロイダルシリカ(例Eでは、+抗UV剤(Hostavin N30P))を投入した。次に、混合物を1mmメッシュ篩で篩い分けた。
【0108】
次に、さらなる用量のコロイダルシリカ(0.4%)を混合物に篩い分けた。次に、混合物を反転ミキサー内でEVAの残り半分に移した。最後に、全体を3分間混合した。
【0109】
次に、この混合物を押し出しにより成形する。
【0110】
例1A~1Fのまとめ:
【表1】
【0111】
(例2:情報化学物質組成物(FAME)の放出プロファイルの特性決定)
(例2A-1カ月間のin vivoでの放出に関する研究)
情報化学物質組成物の放出動態を測定し、動物における首輪の良好な局所的耐性を確認するために、情報化学物質組成物を含有する異なる首輪の比較研究を犬で実施した。
【0112】
そのために、異なる組成の以下の3つの首輪を試験した:市販の対照首輪ADAPTIL(登録商標)(バッチP098663/099295)、例1Cに従って調製した首輪(バッチD17190)、及び例1Dに従って調製した首輪(バッチD17191)。
【0113】
したがって、8頭の犬を含む3つの群に、それぞれ3つの首輪のうちの1つを14日間又は28日間着用させた(群ごとに期間ごとに4頭の犬)。
【0114】
期間のそれぞれの終了時に、首輪にまだ存在する脂肪酸メチルエステルを、例2Aに記載したように測定した。
【0115】
脂肪酸メチルエステルの経時的な放出の結果を、以下の表及び図2に示す:
【表2】
【0116】
14日後、放出された脂肪酸メチルエステルの量は、対照首輪と本発明により試験した2つの首輪との間で有意な差を示さなかった。
【0117】
一方、28日後、本発明により試験した2つの首輪は、脂肪酸メチルエステルの含有量が少なく、本発明による首輪は、脂肪酸メチルエステルの放出量が有意に変化しない対照首輪とは対照的に、14日時点より多くの脂肪酸メチルエステルが利用可能であったことを示している。
【0118】
T0からT28dの間、本発明による首輪のメチルエステルの量は、14日の期間あたり10%ずつ規則的に減少し、これは対照首輪の場合とは異なる。
【0119】
(例2B-3カ月間のin vivo放出の研究)
本発明によるデバイスが鎮静情報化学物質組成物を放出することができる時間を評価する目的で、3カ月間にわたる比較in vivo研究を実施した。
【0120】
今回は、市販の対照首輪ADAPTIL(登録商標)バッチP100736/101294を、例1Eに従って調製したバッチD18001(セピオライト+9%のEVA)と比較した。
【0121】
したがって、合計16頭の犬を2つの群に分け、各犬は2つの首輪のうち1つを1カ月又は3カ月間着用した(群ごとに期間ごとに4頭の犬)。
【0122】
各期間の終了時に、マトリックス中の活性成分を測定した。結果を以下の表に示す:
【表3】
【0123】
この研究の結果、以下のことが判明した:
・本発明による首輪は、少なくとも3カ月間の放出を可能にする。
・本発明による首輪は、少なくとも3カ月間の対照と比較して、より大きな情報化学物質組成物の利用可能性を可能にする。
【0124】
(例3:3カ月間の組成物の安定性の研究)
情報化学物質組成物のデバイス外への拡散を制御する制御因子(セピオライト又はモンモリロナイト)及びEVAコポリマー中のビニルアセテート(VA)のレベル(9%又は16%)の影響を比較するために、第1の系列の製剤の安定性を3カ月にわたって試験した。製剤は未包装のまま気候室内に保管した。
【表4】

【表5】
【0125】
セピオライトベースのバッチは、VA9%又は16%のEVAを用いた製剤であるか否かを問わず、安定性試験を通じて均一な結果を示した。モンモリロナイト及び9%のVAを含むEVAベースのバッチは、3カ月後に許容できる安定性を示した。
【0126】
第1の系列について、この安定性は、3カ月間にわたり、セピオライトベースのバッチは、情報化学物質組成物含有量の点でより安定的であることを示した。
【0127】
次に、セピオライト、9%のEVA、及びいくつかの添加剤(抗酸化剤、抗UV剤、分散剤)をベースとした第2の系列の製剤の安定性を試験した。特に、安定性に及ぼす影響を調べるため、添加剤を別々に投入した。より高い濃度の活性成分の効果も調べた(5%又は10%)。製剤は未包装のまま気候室内に保管した。更に、40℃/75%RHで保存された製剤は、保管の1カ月間に、1日8時間、紫外線にさらされた。
【表6】

【表7】
【0128】
第2の系列について、紫外線に1日8時間さらされた首輪が安定的であることが示された。したがって、抗UV剤又は抗酸化剤の存在は任意である。
【0129】
(例4:in vivo研究:効能の認識)
特に、病害虫防除首輪の補完物として又は単体として、本発明による首輪の有効性を評価するために、フランスで犬の飼い主の家庭における消費者調査を行った。
【0130】
次に、犬の飼い主に対して、飼い犬の様々な行動基準に対する認識について、質問票を介して質問した。
【0131】
これらの犬は、その家庭で1頭であり、猫との同居がなく、月齢3カ月超であり、メスとオスを合わせ、その大部分が去勢/消毒されておらず、妊娠又は授乳中でなく、戸外運動の制限がなく、皮膚問題又は皮膚アレルギーがなく、行動障害の治療を受けていないが軽度の行動障害を有していた。
【0132】
首輪の家庭内試験を3カ月間行い、各家庭を合計75頭の2つの群に分け、45頭の群にはバッチD18101首輪(3カ月間同じ首輪を着用)、30頭の群にはバッチD18101首輪及び病害虫防除首輪(両方の首輪を3カ月間同時着用)を付けた。これらの群のそれぞれにおいて、体重10kg未満の犬が50%、体重10kg超の犬が50%であった。
【0133】
3カ月間の終了時点で、首輪装着期間を通じて、ストレス又は不安の兆候に対しては首輪の良い影響があったが、2つの群の犬の行動に有意差は認められなかった。本発明によるバッチD18101の首輪を着用しても、病害虫防除首輪の効果は変化せず、逆もまた然りであることにも留意されたい。
図1
図2
【国際調査報告】