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特表2024-500113ツールクランプ組立体およびブランキングツール組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(54)【発明の名称】ツールクランプ組立体およびブランキングツール組立体
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/06 20060101AFI20231222BHJP
   B26F 1/44 20060101ALI20231222BHJP
   B26D 7/18 20060101ALI20231222BHJP
   B26D 7/02 20060101ALI20231222BHJP
   B26D 7/01 20060101ALI20231222BHJP
   B65H 29/04 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
B26D7/06 C
B26F1/44 G
B26D7/18 F
B26D7/02 D
B26D7/01 D
B65H29/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536493
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2021085985
(87)【国際公開番号】W WO2022129224
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】20215093.4
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ウヤル アデム
(72)【発明者】
【氏名】シャトリー パトリス
【テーマコード(参考)】
3C021
3C060
3F106
【Fターム(参考)】
3C021BB04
3C021BB07
3C021CB02
3C021CB08
3C021DA03
3C021DA06
3C021DA15
3C021FD03
3C060AA01
3C060BA01
3C060BD01
3C060BE07
3C060BG18
3C060BG20
3F106AA14
3F106AA17
3F106AB01
3F106AB04
3F106AC04
3F106AC23
3F106AC24
3F106AC27
3F106LA15
3F106LB01
3F106LB05
3F106LB10
(57)【要約】
シート材加工機械(10)のブランキングステーション(22)で使用されるようになったブランキングツールをクランプするツールクランプ組立体(38)がブランキングツール(40)のクランプ対象となるべきフレーム(46)、および少なくとも1つのクランプ要素(48)を含む。フレーム(46)は、ブランキングツール(40)を第1の方向に揃えるようになった位置合わせ機構体(54)を有する。さらに、フレーム(46)は、ブランキングツール(40)を第1の方向に垂直な第2の方向に支持するよう差し向けられた少なくとも1つの支持面(60)、およびブランキングツール(40)を第1の方向および第2の方向に垂直な第3の方向に支持するよう差し向けられた少なくとも1つの当接面(62)を有する。クランプ要素(48)は、開き位置とクランプ位置との間で変位可能であり、クランプ要素(48)は、ブランキングツール(40)を支持面(60)と当接面(62)の両方に当ててクランプするようになっている。さらに、かかるツールクランプ組立体を備えたブランキングツール組立体が示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材加工機械(10)のブランキングステーション(22)で使用されるようになったブランキングツールをクランプするツールクランプ組立体であって、
前記ツールクランプ組立体(38)は、前記ブランキングツール(40)のクランプ対象となるべきフレーム(46)、および少なくとも1つのクランプ要素(48)を含み、
前記フレーム(46)は、前記ブランキングツール(40)を第1の方向に揃えるようになった位置合わせ機構体(54)を有し、
前記フレーム(46)は、前記ブランキングツール(40)を前記第1の方向に垂直な第2の方向に支持するよう差し向けられた少なくとも1つの支持面(60)、および前記ブランキングツール(40)を前記第1の方向および前記第2の方向に垂直な第3の方向に支持するよう差し向けられた少なくとも1つの当接面(62)をさらに有し、
前記クランプ要素(48)は、開き位置とクランプ位置との間で変位可能であり、前記クランプ要素(48)は、前記ブランキングツール(40)を前記支持面(60)と前記当接面(62)の両方に当ててクランプするようになっている、ツールクランプ組立体において、
前記クランプ要素(48)は、クランプ力をクランプ位置で前記ブランキングツールに加え、前記クランプ力は、前記第2の方向に沿う力成分F2および前記第3の方向に沿う力成分F3を含む、ツールクランプ組立体。
【請求項2】
前記クランプ要素(48)は、前記第2の方向に沿う運動によって、特に前記フレーム(46)内に配置された状態で前記クランプ要素(48)に連結されたピストン(66)によって開始される運動によって前記開き位置と前記クランプ位置との間で変位可能である、請求項1記載のツールクランプ組立体。
【請求項3】
前記クランプ要素(48)は、キャリヤ要素(59)によって前記フレーム(46)に連結されており、前記キャリヤ要素(50)は、第1の端区分(64)により前記フレーム(46)に関連づけられるとともに第2の端区分(68)によって前記クランプ要素(48)に関連づけられている、請求項1または2記載のツールクランプ組立体。
【請求項4】
前記クランプ要素(48)は、前記キャリヤ要素(50)に回転可能に連結されている、請求項3記載のツールクランプ組立体。
【請求項5】
前記クランプ要素(48)は、第1の端区分(72)により前記キャリヤ要素(50)に回転可能に連結されるとともに前記開き位置と前記クランプ位置との間で変位したときに前記キャリヤ要素(50)の方へ第2の端区分(74)とともに回転するようになっており、前記第2の端区分(74)は、前記ブランキングツール(40)を前記フレーム(46)の前記支持面(60)および前記当接面(62)に当ててクランプするようになっている、請求項4記載のツールクランプ組立体。
【請求項6】
前記クランプ要素(48)と前記キャリヤ要素(50)は、前記クランプ要素(48)の前記開き位置において互いに対して90°未満の角度をなしている、請求項3~5のうちいずれか一に記載のツールクランプ組立体。
【請求項7】
前記ツールクランプ組立体(38)は、前記クランプ要素(48)に連結された板ばね(80)、特に前記クランプ要素(48)と前記キャリヤ要素(50)を互いにさらに連結する板ばね(80)をさらに含む、請求項1~6のうちいずれか一に記載のツールクランプ組立体。
【請求項8】
前記キャリヤ要素(50)は、前記第2の端区分(74)のところに配置されたカバー(82)を有する、請求項1~7のうちいずれか一に記載のツールクランプ組立体。
【請求項9】
前記位置合わせ機構体(54)は、前記フレーム(46)に連結されている、請求項1~8のうちいずれか一に記載のツールクランプ組立体。
【請求項10】
ブランキングツール組立体であって、請求項1~9記載のツールクランプ組立体(38)およびブランキングツール(40)を含む、ブランキングツール組立体。
【請求項11】
前記クランプ要素(48)は、前記クランプ位置において前記ブランキングツール(40)の受け入れ空間(78)のコーナ内に配置された接触面(76)に圧接する、請求項10記載のブランキングツール組立体。
【請求項12】
前記ブランキングツール(40)の前記接触面(76)は、前記ブランキングツール(40)の段構造の一部である、請求項11記載のブランキングツール組立体。
【請求項13】
前記ブランキングツール(40)は、クランプ要素(48)、特にクランプ要素(48)および前記キャリヤ要素(50)を前記クランプ要素(48)が前記クランプ位置にあるときに組み込むことができる凹部を有する、請求項10~12記載のブランキングツール組立体。
【請求項14】
前記位置合わせ機構体(54)は、前記ブランキングツール(40)の位置合わせ突起(52)と協働する、請求項10~13のうちいずれか一に記載のブランキングツール組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブランキングツールをクランプするツールクランプ組立体およびこのツールクランプ組立体を含むブランキングツール組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
シート材加工機械は、コンバート加工機械とも呼ばれており、かかる機械は、原料、例えば厚紙、紙または箔を加工して中間材または典型的なシート材の形態の完成品の状態にする包装業界で用いられている。コンバート加工作業は、例えば、印刷、切断、罫入れ、ブランキング、箔押しおよび/または折り‐糊付けを含む場合がある。典型的には、個々の作業は、シート材加工機械の次々に連続して位置する加工ステーションで行われ、シート材は、移送機構体によって1つの加工ステーションから次の加工ステーションに運ばれる。加工済みシート材は、シート材加工機械の指定受け入れ領域内でのコンバート加工後、シート材の垂直スタックの状態に集められる場合がある。
【0003】
ブランキング作業は、先行する加工ステップで形成されたシート材の刻み目(nick)を破る作業を含む。この結果、シート材からブランクが打ち抜かれる。この目的のため、ブランキングステーションは、例えば、互いに垂直に組み付けられた上側の雄型ブランキングツールと下側の雌型ブランキングツールを有する場合がある。上側ブランキングツールは、ブランクの周囲よりもわずかに小さい押圧装置で構成される。下側ブランキングツールは、ブランクの周囲に対応したグリッドを形成する長手方向および横方向バーで構成される。ブランクは、上側ブランキングツールが下降させられると、このグリッドの空間を通って落下し、そして垂直方向に積み重なることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このブランキング作業の品質は、それぞれのブランキングステーションで用いられるブランキングツールの正確な位置合わせ状態で決まる。したがって、使用されたブランキングツールの位置を揃えて固定する機構体が必要である。典型的には、ブランキングツールは、所望のブランクの形状および/または寸法に対応するよう互いに異なる生産バッチ相互間で変更されなければならない。シート材加工機械の作動停止時間を短縮するため、ブランキングツールの信頼性のある位置合わせ状態を提供しながらブランキングツールの迅速な交換を可能にする機構体が要望されている。
【0005】
本発明の目的は、ブランキングツールを位置合わせして締結するための容易な手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、シート材加工機械のブランキングステーションで使用されるようになったブランキングツールをクランプするツールクランプ組立体であって、ツールクランプ組立体がブランキングツールのクランプ対象となるべきフレーム、および少なくとも1つのクランプ要素を含む形式のツールクランプ組立体によって達成される。フレームは、ブランキングツールを第1の方向に揃えるようになった位置合わせ機構体を有する。さらに、フレームは、ブランキングツールを第1の方向に垂直な第2の方向に支持するよう差し向けられた少なくとも1つの支持面、およびブランキングツールを第1の方向および第2の方向に垂直な第3の方向に支持するよう差し向けられた少なくとも1つの当接面を有する。クランプ要素は、開き位置とクランプ位置との間で変位可能であり、クランプ要素は、ブランキングツールを支持面と当接面の両方に当ててクランプするようになっている。
【0007】
本発明は、2つの簡単な機構体の組み合わせによって、すなわち、位置合わせ機構体とクランプ要素の組み合わせによってあらゆる方向における運動に抗してブランキングツールを固定する手段を提供するという技術的思想に基づいている。
【0008】
ブランキングツールの固定後の位置をさらに保証するため、クランプ要素は特に、クランプ力をクランプ位置にあるブランキングツールに加え、クランプ面は、第2の方向に沿う力成分および第3の方向に沿う力成分を有する。したがって、クランプは、ブランキングツールの位置を2つの互いに垂直な方向に同時に固定するようになっているのがよい。
【0009】
開き位置とクランプ位置との間における容易な移行を可能にするため、クランプ要素は、第2の方向に沿う運動、特にフレーム内に配置された状態でクランプ要素に連結されたピストンによって開始される運動によって開き位置とクランプ位置との間で変位可能であるのがよい。
【0010】
一形態では、クランプ要素は、キャリヤ要素によってフレームに連結されており、キャリヤ要素は、第1の端区分によりフレームに関連づけられるとともに第2の端区分によってクランプ要素に関連づけられている。
【0011】
好ましくは、キャリヤ要素は、第1の端区分のところでピストンに連結される。したがって、クランプ要素をキャリヤ要素によるピストンの運動によって、開き位置とクランプ位置との間で、またその逆の関係をなして変位させることができる。
【0012】
幾つかのクランプ要素は、同一のキャリヤ要素に連結されるのがよい。また、ツールクランプ組立体は、クランプ要素の各々についてキャリヤ要素を含むのがよい。
【0013】
クランプ要素は、開き位置とクランプ位置との間におけるクランプ要素の位置合わせ状態の変更を可能にするようキャリヤ要素に回転可能に連結されるのがよい。
【0014】
一実施例では、クランプ要素とキャリヤ要素は、キャリヤ要素のピンおよびクランプ要素のスリーブまたはブッシュによって連結されるのがよい。
【0015】
クランプ要素は、第1の端区分によりキャリヤ要素に回転可能に連結されるとともに開き位置とクランプ位置との間で変位したときにキャリヤ要素の方へ第2の端区分とともに回転するようになっているのがよく、第2の端区分は、ブランキングツールをフレームの支持面および当接面に当ててクランプするようになっている。このように、ブランキングツールの迅速な交換および確実な締結を可能にする特に簡単かつ迅速な機構体が提供される。
【0016】
クランプ要素とキャリヤ要素は特に、クランプ要素の開き位置において互いに対して90°未満の角度をなしている。これにより、クランプ要素とキャリヤ要素の互いに対する配置が可能であり、この配置構成例では、キャリヤ要素は、突起を効果的に形成し、突起は、ブランキングツールと相互作用可能に使用できる。
【0017】
さらに、クランプ要素とキャリヤ要素が互いに回転可能に連結されている場合、好ましい回転方向を提供することができる。好ましくは、この構成例では、開き位置におけるクランプ要素とキャリヤ要素とのなす最小角は10°である。
【0018】
もう1つの形態では、ツールクランプ組立体は、クランプ要素に連結された板ばね、特にクランプ要素とキャリヤ要素を互いにさらに連結する板ばねをさらに含む。板ばねは、クランプ要素とキャリヤ要素の正確な相対的位置合わせ状態を保証するようクランプ要素を開き位置において傾斜状態に保持することができる一方で、開き位置とクランプ位置との間で変位したときにキャリヤ要素の相対的運動を依然として可能にする。それと同時に板ばねは、クランプ位置から開き位置に変位したときにクランプ要素を再位置合わせするために使用できる。
【0019】
さらに、キャリヤ要素は、第2の端区分のところに配置されたカバーを有するのがよい。カバーは、キャリヤ要素がカバーの方向において動き、特に回転するのを阻止することができ、それにより、キャリヤ要素の位置合わせ不良を阻止することができる。
【0020】
位置合わせ機構体は、好ましくは、フレームに連結される。一実施形態では、位置合わせ機構体は、フレームに取り付けられたクランプである。
【0021】
本発明の目的は、さらに、上述のツールクランプ組立体およびブランキングツールを含むブランキングツール組立体によって達成される。
【0022】
クランプ要素は、特にクランプ位置にあるブランキングツールの接触面に圧接し、接触面は、特に、ブランキングツールの受け入れ空間のコーナ内に配置されている。したがって、ブランキングツールは、クランプ要素がブランキングツールの接触面に圧接することによって、フレームの支持面および当接面に圧接される。換言すると、ブランキングツールは、ブランキングツールを支持面、当接面、およびクランプ要素との間にクランプすることによって、第2および第3の方向に沿って固定される。
【0023】
接触面は、ブランキングツールの段構造の一部であるのがよい。段構造は、ツールクランプ組立体の別のコンポーネント、例えば、キャリヤ要素のカバーと協働するようになっているのがよい。
【0024】
ブランキングツールの平坦な表面を提供するため、ブランキングツールは、クランプ要素、特にクランプ要素およびキャリヤ要素をクランプ要素がクランプ位置にあるときに組み込むことができる凹部を有するのがよい。
【0025】
さらに、位置合わせ機構体は、ブランキングツールの位置合わせ突起と協働するのがよい。換言すると、ブランキングツールは、位置合わせ突起を有するのがよく、この位置合わせ突起は、フレームの位置合わせ機構体によってブランキングツールを位置合わせするために使用される。一実施形態では、位置合わせ機構体は、第1の方向におけるブランキングツールの運動を阻止するよう位置合わせ突起と相互作用する台形クランプであるのがよい。
【0026】
さらなる利点およびさらなる特徴は、本発明の以下の説明および添付の図から明らかになり、添付の図は、本発明の非限定的な例示の実施形態を示している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明のブランキングツール組立体を有するシート材加工機械を概略的に示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態としてのツールクランプ組立体を有する図1のブランキングツール組立体の斜視図である。
図3図2のブランキングツール組立体の概略斜視図である。
図4図3のA-A面に関するブランキングツール組立体の断面を概略的に示す図である。
図5】本発明の第2の実施形態としてのツールクランプ組立体の斜視図であり、クランプ要素が開き位置にある状態を示す図である。
図6図5のツールクランプ組立体を示す図であり、クランプ要素がクランプ位置にある状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、ブランクをひと続きのシート材12から切断することができるようにするシート材加工機械10を概略的に示している。これらブランクは、通常、包装用の箱を形成するために後で折り畳まれて結合されるようになっている。しかしながら、シート材12は、一般的に、例えば紙、厚紙、箔、または包装業界で日常的に用いられる任意他の材料で作られる可能性がある。
【0029】
シート材加工機械10は、一体形組立体を形成するために、並置されているが相互依存性である一連の加工ステーションを有する。加工機械10は、給紙ステーション14を有し、次に、例えば、シート材12が切断によって変換されるダイまたはプラテンプレス18を含む切断ステーション16(通常、パンチングステーションとも呼ばれる)を有し、次に、くずの大部分がストリッピングされるくず取りステーション20を有し、次に、ブランクの分離(または、ブランキング作業)のためのブランク分離ステーション22(通常、レセプションステーションとも呼ばれる)を有し、次いで、パンチングされたシート材12の残留くずシート材を除去する排紙ステーション24を有する。
【0030】
加工ステーションの数および性状は、シート材12に対して実施されるべきコンバート加工作業の性状および複雑さに応じて様々な場合がある。
【0031】
シート材加工機械10は、各シート材12を個々に給紙ステーション14の出口から排紙ステーション24に動かすことができるようにするコンベヤ26をさらに有する。
【0032】
コンベヤ26は、一連のグリッパバー28を使用し、これらグリッパバーは、シート材加工機械10の各側に側方に1つずつ配置された2つのループ状のチェーン30によって移動可能であるよう取り付けられている。チェーン30の各ループは、グリッパバー28が切断ステーション16、くず取りステーション20、ブランク分離ステーション22および排紙ステーション24を次々と通過する軌道を辿ることができるようにするループ回りに走行する。
【0033】
各グリッパバー28は、被動車32と遊び車34との間における実質的に水平な通過平面内で外方経路上を走行し、次にシート材加工機械10の頂部分内の戻り経路上を走行する。被動車32にいったん戻ると、各グリッパバー28は、その時点において、新たなシート材12をシート材12の前縁のところで掴むことができる。
【0034】
図1では、各加工ステーションは、シート材12の運動平面の各側に位置決めされたそれぞれ、その頂部分およびその底部分を表す2つの長方形の形態で示されている。
【0035】
図1では、横方向(または側方の方向)、長手方向および垂直方向は、直交空間系(T,L,V)で指示されている。以下において、これらの方向は、それぞれ、第1の方向、第2の方向、第3の方向とも呼ばれる。
【0036】
「上流側」および「下流側」は、図1の矢印Dによって示されているように第2の方向Lにおけるシート材12の運動方向に関して定められている。
【0037】
ブランキングステーション22は、本発明のブランキングツール組立体36を有し、このブランキングツール組立体は、図2に詳細に示されている。
【0038】
ブランキングツール組立体36は、ツールクランプ組立体38およびブランキングツール40を含む。
【0039】
図2に示すブランキングツール40は、下側ブランキングツールであり、すなわち、このブランキングツールは、シート材12(図1参照)から切断形成されるべきブランクの周囲に一致したグリッドを形成する長手方向および横方向バー42で構成される。ブランクは、このグリッドの空間44を通って落下して垂直に積み重なることができる(図1参照)。
【0040】
ツールクランプ組立体38は、フレーム46および多数のクランプ要素48(図3参照)を含み、これらクランプ要素は、キャリヤ要素50によってフレーム46に連結され、各クランプ48は、キャリヤ要素50の各々にそれぞれ関連づけられる。
【0041】
図3には、ブランキングツール組立体36の選択された部分が示されている。
【0042】
ブランキングツール40は、位置合わせ突起52を有し、この位置合わせ突起は、クランプツール組立体38の位置合わせ機構体54と協働する。図示の実施形態では、位置合わせ機構体54は、位置合わせ突起52の側面56と相互作用する台形クランプである。
【0043】
さらに、ブランキングツール40は、フレーム46の受け入れ部58内にはまり、受け入れ部58は、支持面60および当接面62を有する。
【0044】
クランプ要素48は、キャリヤ要素50にそれぞれ回転可能に連結されたカムである。
【0045】
この構造は、図4に詳細に示されており、図4は、図3に示されたA-A面に沿って取った断面図である。
【0046】
キャリヤ要素50は、ピストン66によってキャリヤ要素50の第1の端区分64のところでフレーム46と関連している。ピストン66は、図4の矢印P3で指示されているように第3の方向(すなわち、垂直方向)に沿って動くことができる。
【0047】
クランプ要素48は、クランプ要素48のブッシュ内に受け入れられたピン70によってキャリヤ要素50の第2の端区分68のところでキャリヤ要素50に連結されている。
【0048】
クランプ要素48のブッシュは、クランプ要素48の第1の端区分72のところに配置されている。クランプ要素48の反対側の端のところに位置する第2の端区分74は、ブランキングツール40の受け入れ空間78の接触面76に圧接している。
【0049】
クランプ要素48とキャリヤ要素50は、これらが角度αをなすよう互いに対して差し向けられており、この角度αは、好ましくは90°未満であり、すなわち、クランプ要素48の第2の端区分74は、ブランキングツール40の受け入れ空間78の方へ向いている。
【0050】
以下において、ツールクランプ組立体38の作用モードについて説明する。
【0051】
ブランキングツール40がブランキングステーション22(図1参照)内に固定されると、第1のステップにおいて、ブランキングツール40をフレーム46の上方に位置合わせしてブランキングツール40を下降させることによって、すなわち、ブランキングツール40を第3の方向に沿って動かすことによって、位置合わせ突起52は、位置合わせ機構体54の台形部分相互間で位置合わせ状態になる。したがって、ブランキングツール40を図3の矢印P1によって示すように第1の方向沿いの運動が起こらないように固定する。
【0052】
この時点で、クランプ要素48は、開き位置にあり、すなわち、クランプ要素48は、ブランキングツール40に力を加えることはない。
【0053】
第2のステップでは、例えば直線駆動装置(図示していない直線駆動装置)によってピストン66を第3の方向に沿って、すなわち、垂直方向下方へ動かす。したがって、クランプ要素48は、ブランキングツール40の接触面76に接触する。さらに、クランプ要素48は、その第2の端区分74とともにキャリヤ要素50の方へ回転し、ついには、第2の端区分74は、図4に示すようにブランキングツール40の受け入れ空間78のコーナ内にロック状態になる。
【0054】
クランプ要素48のこのクランプ位置では、力がクランプ要素48によってブランキングツール40に加えられ、この力は、図4の矢印で指示するように力成分F2および力成分F3を有する。
【0055】
この結果、ブランキングツール40は、第2の方向沿いに支持面60に圧接されるとともに第3の方向に沿って当接面62に圧接される。
【0056】
換言すると、ブランキングツール40は、フレーム46の受け入れ部58とクランプ要素48との間でクランプされ、このブランキングツールは、図3の矢印P2およびP3で指示するように第2および第3の方向沿いに動かないようになる。
【0057】
ブランキングツール40が取り外されまたは交換される場合、この単純な2段階プロセスを逆の順序で実施するのがよい。
【0058】
したがって、本発明のブランキングツール組立体は、シート材加工機械10のブランキングステーション22で用いられる非常に簡単であって使用しやすく、かつ信頼性の高い機構体となる。
【0059】
図5および図6は、ツールクランプ組立体38の第2の実施形態の選択された部分を示している。第2の実施形態は、本質的に、第1の実施形態に対応しており、第1の実施形態と第2の実施形態との差だけを以下において説明する。同一のかつ機能的に同一のコンポーネントには同一の参照符号がつけられている。
【0060】
第2の実施形態では、ツールクランプ組立体38は、クランプ要素48およびキャリヤ要素50に連結された板ばね80をさらに含み、キャリヤ要素50への連結部は、キャリヤ要素50の第2の端区分68よりもキャリヤ要素50の第1の端区分64に近い。
【0061】
さらに、図5に示す実施形態は、カバー82を含む。
【0062】
図5に示すクランプ要素48の開き位置では、板ばね80は弛緩され、この板ばねは、キャリヤ要素50とクランプ要素48とのなす角度αを定める。別言すると、クランプ要素48の第2の端区分74は、板ばね80によって定められた場合よりも、カバー82の方に向かって近くには回転することができない。
【0063】
図6に示すクランプ要素48のクランプ位置では、板ばね80は、張力下に保たれる。したがって、クランプ要素48を変位させて開き位置に戻すやいなや、板ばね80は、弛緩し、そしてクランプ要素48を図5に示す位置に押し戻す。
【0064】
したがって、クランプ要素48の向きは、ツールクランプ組立体38の作動中、任意の箇所で明確に規定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】