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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(54)【発明の名称】シート材加工機械
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/32 20060101AFI20231222BHJP
   B26D 7/18 20060101ALI20231222BHJP
   B26F 1/44 20060101ALI20231222BHJP
   B65H 31/02 20060101ALI20231222BHJP
   B65H 43/06 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
B26D7/32 A
B26D7/18 F
B26F1/44 G
B65H31/02
B65H43/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536494
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2021086234
(87)【国際公開番号】W WO2022129353
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】20215108.0
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ドゥケルヴェル アルノー
(72)【発明者】
【氏名】シャトリー パトリス
【テーマコード(参考)】
3C021
3C060
3F048
3F054
【Fターム(参考)】
3C021FD03
3C060AA01
3C060BA01
3C060BD01
3C060BG13
3C060BG17
3C060BG20
3F048AA00
3F048AB04
3F048BA04
3F048BB02
3F048BB10
3F048CB13
3F048DB06
3F048DC13
3F048EB04
3F048EB40
3F054AA01
3F054AB01
3F054AC09
3F054BA02
3F054CA11
3F054CA12
3F054CA23
3F054CA26
(57)【要約】
シート材加工機械がシート材パイルを収集する受け入れ領域(38)およびシート材パイルの高さを決定する装置(36)を有する。この装置(36)は、受け入れ領域(38)の第1の側(48)のところに配置された手動的に変位可能な第1のセンサ素子(46)、および受け入れ領域(38)の向かい側(52)のところに配置された自動的に変位可能な第2のセンサ素子(50)を有し、第1および第2のセンサ素子(46,50)は、受け入れ領域(38)の幅方向に沿って互いに向かい側に配置されるようになっている。第1のセンサ素子(46)および第2のセンサ素子(50)は、シート材受け入れ領域(38)の長さ方向に沿って変位可能である。第1のセンサ素子(46)は、発光源(54)および受光センサ(56)のうちの一方であり、第2のセンサ素子(50)は、発光源(54)および受光センサ(56)のうちの他方である。発光源(54)と受光センサ(56)は、互いに向かい合ったときに幅方向に沿って光バリヤ(58)を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材パイルを収集する受け入れ領域(38)および前記シート材パイルの高さを決定する装置(36)を有するシート材加工機械であって、
前記装置(36)は、前記受け入れ領域(38)の第1の側(48)のところに配置された手動的に変位可能な第1のセンサ素子(46)、および前記受け入れ領域(38)の向かい側(52)のところに配置された自動的に変位可能な第2のセンサ素子(50)を有し、前記第1および前記第2のセンサ素子(46,50)は、前記受け入れ領域(38)の幅方向に沿って互いに向かい側に配置されるようになっており、
前記第1のセンサ素子(46)および前記第2のセンサ素子(50)は、前記シート材受け入れ領域(38)の長さ方向に沿って変位可能であり、
前記第1のセンサ素子(46)は、発光源(54)および受光センサ(56)のうちの一方であり、前記第2のセンサ素子(50)は、発光源(54)および受光センサ(56)のうちの他方であり、
前記発光源(54)と前記受光センサ(56)は、互いに向かい合ったときに前記幅方向に沿って光バリヤ(58)を形成する、シート材加工機械。
【請求項2】
前記第1のセンサ要素(46)および前記第2のセンサ要素(50)は、それぞれ、第1のレール(60)および第2のレール(62)に取り付けられている、請求項1記載のシート材加工機械。
【請求項3】
前記第1のセンサ要素(46)は、前記第1のレール(60)のスロット付きガイド(70)内に設けられたスロット付きガイドスライダ(68)によって取り付けられている、請求項2記載のシート材加工機械。
【請求項4】
前記第2のセンサ要素(50)は、前記第2のセンサ要素のモータ、特に前記第2のセンサ要素(50)のアクチュエータ(72)によって変位可能である、請求項1~3のうちいずれか一に記載のシート材加工機械。
【請求項5】
前記装置(36)は、前記第1のセンサ要素(46)に接続されるとともに前記第2のセンサ要素(50)に接続されたコントロールユニット(40)を有し、前記コントロールユニット(40)は、前記受光センサ(56)からセンサ信号を受け取るとともに前記第2のセンサ要素(50)の動きを制御するようになっている、請求項1~4のうちいずれか一に記載のシート材加工機械。
【請求項6】
前記コントロールユニット(40)は、前記第2のセンサ要素(50)を前記長さ方向に沿って作業位置に動かすようになっており、前記作業位置では、前記センサ信号は、非ゼロであり、好ましくは、前記作業位置では、前記センサ信号は、最大である、請求項5記載のシート材加工機械。
【請求項7】
前記コントロールユニット(40)は、前記第1のセンサ要素(46)を動かすたびに前記第2のセンサ要素(50)を前記作業位置に動かすようになっている、請求項6記載のシート材加工機械。
【請求項8】
前記第1のセンサ要素(46)は、前記シート材加工機械(10)のオペレータ側のところに配置され、前記第2のセンサ要素(50)は、前記シート材加工機械(10)の向かいのオペレータ側のところに配置されている、請求項1~7のうちいずれか一に記載のシート材加工機械。
【請求項9】
前記受け入れ領域(38)は、前記シート材加工機械(10)のブランク分離ステーション(22)の一部であり、前記シート材パイルは、ブランク(11)のパイルである、請求項1~8のうちいずれか一に記載のシート材加工機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材パイルの高さを決定する装置を有するシート材加工機械に関する。
【背景技術】
【0002】
シート材加工機械は、コンバート加工機械とも呼ばれており、かかる機械は、原料、例えば厚紙、紙または箔を加工して中間材または典型的なシート材の形態の完成品の状態にする包装業界で用いられている。コンバート加工作業は、例えば、印刷、切断、罫入れ、ブランキング、箔押しおよび/または折り‐糊付けを含む場合がある。典型的には、個々の作業は、シート材加工機械の次々に連続して位置する加工ステーションで行われ、シート材は、移送機構体によって1つの加工ステーションから次の加工ステーションに運ばれる。
【0003】
加工済みシート材は、シート材加工機械の指定受け入れ領域内での加工後、シート材パイル、すなわち、シート材の垂直スタックの状態に集められる場合がある。受け入れ領域内に定められたバッチサイズの加工済みシート材を収集して次の取り扱いおよび/または物流ステップを単純化することが望ましい。
【0004】
シート材が定められた厚さを有しているので、バッチサイズは、シート材パイルの高さに一致する。シート材パイルの高さを測定するため、当該技術分野において知られているシート材加工機械は、受け入れ領域の所定の高さのところに配置された光バリヤを有する場合がある。
【0005】
しかしながら、加工済みシート材の、例えばシート材から押し出されたブランクの寸法および形状は、互いに異なるシート材加工ジョブ相互間でまちまちである。したがって、光バリヤのコンポーネント、すなわち発光素子および受光素子の位置は、シート材加工機械の熟練オペレータによって注意深く調節されなければならない。この調節プロセスは、時間がかかり、しかも典型的には、複雑な取り扱い作業、例えばシート材加工機械の対応の加工ステーションの開放、オペレータのための安全機構体の取り扱い、加工ステーションで用いられるツールの取り外しを必要とする。
【0006】
種々のシート加工ジョブについての任意の追加の調節、例えば、多数の光バリヤから成っていて受け入れ領域全体をモニタする光カーテンを必要としないより複雑な検出システムは、大抵の用途にとっては費用が高くつき過ぎる。
【0007】
米国特許出願公開第2005/0077672号明細書は、光ビームを用いてシート材パイルの高さを制御するシステムを開示している。このシステムは、バインダーシート材を収容した引き出し(パイル状のブランクを収容するのを助ける)内で用いられる。光ビームの位置が固定されているので、パイルは、これが光ビームを遮断するまで持ち上げられる。独国実用新案第20103326(U)号明細書は、プリンタの入力部のところに位置するパイル状のシート材に適用される類似のシステムを用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0077672号明細書
【特許文献2】独国実用新案第20103326(U)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、シート材パイルの高さを測定する簡単かつ安価な手段、特に互いに異なる形状および/または寸法のシート材に関してシート材パイルの高さを測定するのに適した手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、シート材パイルを収集する受け入れ領域およびシート材パイルの高さを決定する装置を有するシート材加工機械によって達成される。本装置は、受け入れ領域の第1の側のところに配置された手動的に変位可能な第1のセンサ素子、および受け入れ領域の向かい側のところに配置された自動的に変位可能な第2のセンサ素子を有し、第1および第2のセンサ素子は、受け入れ領域の幅方向に沿って互いに向かい側に配置されるようになっている。第1のセンサ素子および第2のセンサ素子は、シート材受け入れ領域の長さ方向に沿って変位可能であり、第1のセンサ素子は、発光源および受光センサのうちの一方であり、第2のセンサ素子は、発光源および受光センサのうちの他方である。発光源と受光センサは、互いに向かい合ったときに幅方向に沿って光バリヤを形成する。
【0011】
本発明は、オペレータによって手動的に取り扱われる第1のセンサ素子と、位置を第1のセンサ素子に対して自動的に適合させるようになった第2のセンサ素子を組み合わせるという技術的思想に基づいており、すなわち、第2のセンサ素子の位置は、このオペレータによって同様に手動的に調整される必要はない。これにより、第1および第2のセンサ素子をオペレータによって手動で注意深く調整する必要がなく、しかも熟練度の低い職員であっても、シート材加工機械を作動させることができる。
【0012】
さらに、本発明のシート材加工機械は、シート材パイルの高さを決定する装置をセットアップする複雑な取り扱い作業を必要としない。したがって、互いに異なるシート材加工ジョブ相互間のシート材加工機械の作動停止時間を短縮することができる。
【0013】
それと同時に、手動的に調節可能なセンサ素子を維持することによって、オペレータは、光バリヤの位置をシート材加工ジョブのためにさしあたって受け取り容器内で得られるシート材の寸法および/または形状に適したものにすることができる。
【0014】
さらに、シート材パイルの高さを決定する装置は、構造が簡単でありかつ安価あり、と言うのは、単一の光バリヤでもシート材パイルが光バリヤの位置する高さに達したかどうかを高信頼度で判定するのに十分だからである。
【0015】
シート材パイルの高さを決定する装置をできるだけ安価かつ構造を簡単に保つためには、好ましくは、発光素子が1つだけ、しかも受光センサが1つだけ用いられる。
【0016】
幅方向および長さ方向は、特に互いに垂直である。
【0017】
第1のセンサ素子および第2のセンサ素子は、それぞれ、第1のレールおよび第2のレールに取り付けられるのがよい。第1のレールと第2のレールは、特に互いに平行である。
【0018】
シート材パイルの高さを決定する高さの構成を単純化するため、第1のレールおよび第2のレールは、直線レールであるのがよい。
【0019】
一形態では、第1のセンサ素子は、第1のレールのスロット付きガイド内に設けられたスロット付きガイドスライダによって取り付けられている。スロット付きガイドスライダは特に、シート材加工機械のオペレータによって管理可能であるようにスロット付きガイドから特に延び出ている。したがって、第1のセンサ素子の位置は、スロット付きガイド内のスロット付きガイドスライダを所望の位置に動かすことによってオペレータによって調節可能である。
【0020】
第2のセンサ要素は、第2のセンサ要素のモータ、特に第2のセンサ要素のアクチュエータによって変位可能であるのがよい。モータは、第2のレールに連結されるのがよく、それにより、シート材パイルの高さを測定する装置は、第2のセンサ素子の位置を自動的に調節することができる。
【0021】
好ましくは、本装置は、第1のセンサ要素に接続されるとともに第2のセンサ要素に接続されたコントロールユニットを有し、コントロールユニットは、受光センサからセンサ信号を受け取るとともに第2のセンサ要素の動きを制御するようになっている。したがって、コントロールユニットは、第1のセンサ素子と第2のセンサ素子が互いに向かい合って光バリヤが形成されるようにするという働きをすることができる。
【0022】
コントロールユニットは特に、第2のセンサ素子を長さ方向に沿って作業位置に動かすようになっており、作業位置では、センサ信号は、非ゼロである。好ましくは、センサ信号は、第2のセンサ素子が作業位置にあるときに最大である。
【0023】
「非ゼロ」センサ信号は、ここでは、しかもまた、以下において、センサ信号が対応の受光センサのノイズレベルを超えていることを意味している。
【0024】
第1のセンサ素子と第2のセンサ素子、およびかくして発光源と受光センサが互いに向かい合っていない限り、光バリヤを首尾よく形成することができず、すなわち、発光源によって放出された光は、受光センサに到達することができない。位置合わせが最適である場合、センサ信号は、最大であることが見込まれる。これにより、コントロールユニットは、第2のセンサ素子の正確な位置、すなわち、第2のセンサ素子の作業位置を求めて探す際に受光センサから受け取ったセンサ信号を制御変数として用いることができる。
【0025】
この目的のため、コントロールユニットは、第2のセンサ素子を第2のレールの長さ全体に沿って動かし、その後、第2のセンサ素子を最大センサ信号に関連づけられた位置に動かすようになっているのがよい。
【0026】
変形例として、コントロールユニットは、センサ信号が所定の第2のしきい値だけ増大した後に所定の第1のしきい値だけ減少するやいなや、第2のレールに沿う第2のセンサ素子の動きを停止させ、そして第2のセンサ素子をセンサ信号が減少し始める前の位置に戻すようになっていてもよい。換言すると、コントロールユニットは、センサ信号の最大値を最初に識別した後に第2のセンサ信号の動きを停止させるようになっていてもよい。好ましくは、単一の発光源だけが用いられるので、第2のレールに沿う第2のセンサ素子の次の全ての位置についてセンサ信号を測定し続ける必要はない。
【0027】
第1のおよび第2のしきい値は、例えばノイズに起因したセンサ信号のランダムな変動がセンサ信号の最大値を誤って指示することがないよう選択される必要がある。例えば、第1および第2のしきい値を受光センサのノイズレベルの倍数、例えば、ノイズレベルの10倍として決定することができる。当然のことながら、第1および第2のしきい値は、同一の値または異なる値を有することができる。
【0028】
さらに、コントロールユニットは、第1のセンサ要素を動かすたびに第2のセンサ要素を作業位置に動かすようになっているのがよい。このように、オペレータが第1のセンサ素子の位置を手動的に再調整してこれが新たなシート材加工ジョブと合致した後、その度ごとに、第2のセンサ素子が光バリヤを形成するよう自動的に位置合わせ状態になるようにすることが可能である。
【0029】
加うるに、コントロールユニットは、第1のセンサ素子が変位しきい値に対応した距離移動した後、第2のセンサ素子を作業位置に動かすだけで済むよう構成されているのがよい。これにより、コントロールユニットは、例えばシート材加工機械の振動に起因した第1のセンサ素子の最小限の運動後、第2のセンサ素子の位置を再調整することがないようになる。
【0030】
追加的に、コントロールユニットは、シート材加工機械がセットアップモードにあるときにのみ第2のセンサ素子を動かすようになっているのがよい。
【0031】
セットアップモードは、ヒューマン・マシン・インターフェースによってオペレータにより始動と終了が可能である。ヒューマン・マシン・インターフェースは特に、シート材加工機械を制御するため、そしてシート材加工機械の現状に関する情報を表示するために使用されるのがよい。
【0032】
好ましくは、第1のセンサ要素は、シート材加工機械のオペレータ側のところに配置され、第2のセンサ要素は、シート材加工機械の向かいのオペレータ側のところに配置される。したがって、シート材加工機械のオペレータは、手動で取り扱われる必要のある第1のセンサ素子に容易にアクセスすることができ、他方、オペレータがアクセスするには手数がかかりしかも時間がかかる第2のセンサ素子を自動的に取り扱うことができる。
【0033】
受け入れ領域は、シート材加工機械のブランク分離ステーションの一部であるのがよく、シート材パイルは、ブランクのパイルであるのがよい。シート材を加工することによって作られたブランクは、広範な寸法および/または形状を有することができ、その結果、その時点でのシート材加工ジョブで作られたブランクに合わせて調節可能なシート材パイルの高さを決定する装置を用いることが、特に有利である。
【0034】
さらなる利点およびさらなる特徴は、本発明の以下の説明および添付の図から明らかになり、添付の図は、本発明の非限定的な例示の実施形態を示している。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明のシート材加工機械を概略的に示す図である。
図2図1のシート材加工機械のシート材パイルの高さを決定する装置の斜視図である。
図3図2の装置の部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、ブランク11をひと続きのシート材12から切断することができるようにするシート材加工機械10を概略的に示している。これらブランク11は、通常、包装用の箱を形成するために後で折り畳まれて結合されるようになっている。しかしながら、シート材12は、一般的に、例えば紙、厚紙、箔、それらの複合材、または包装業界で日常的に用いられる任意他の材料で作られる可能性がある。
【0037】
シート材加工機械10は、一体形組立体を形成するために、並置されているが相互依存性である一連の加工ステーションを有する。加工機械10は、給紙ステーション14を有し、次に、例えば、シート材12が切断によって変換されるダイまたはプラテンプレス18を含む切断ステーション16(通常、パンチングステーションとも呼ばれる)を有し、次に、くずの大部分がストリッピングされるくず取りステーション20を有し、次に、ブランキングツール23によってブランク11の分離(または、ブランキング作業)のためのブランク分離ステーション22(通常、レセプションステーションとも呼ばれる)を有し、次いで、パンチングされたシート材12の残留くずシート材を除去する排紙ステーション24を有する。
【0038】
加工ステーションの数および性状は、シート材12に対して実施されるべきコンバート加工作業の性状および複雑さに応じて様々な場合がある。
【0039】
シート材加工機械10は、各シート材12を個々に給紙ステーション14の出口から排紙ステーション24に動かすことができるようにする移送機構体26をさらに有し、図示の実施形態では、この移送機構体は、コンベヤである。
【0040】
コンベヤは、一連のグリッパバー28を使用し、これらグリッパバーは、シート材加工機械10の各側に側方に1つずつ配置された2つのループ状のチェーン30によって移動可能であるよう取り付けられている。チェーン30の各ループは、グリッパバー28が切断ステーション16、くず取りステーション20、ブランク分離ステーション22および排紙ステーション24を次々と通過する軌道を辿ることができるようにするループ回りに走行する。
【0041】
各グリッパバー28は、被動車32と遊び車34との間における実質的に水平な通過平面内で外方経路上を走行し、次にシート材加工機械10の頂部分内の戻り経路上を走行する。被動車32にいったん戻ると、各グリッパバー28は、その時点において、新たなシート材12をシート材12の前縁のところで掴むことができる。
【0042】
図1では、各加工ステーションは、シート材12の運動平面の各側に位置決めされたそれぞれ、その頂部分およびその底部分を表す2つの長方形の形態で示されている。
【0043】
図1では、横方向(または側方の方向)、長手方向および垂直方向は、直交空間系(T,L,V)で指示されている。
【0044】
「上流側」および「下流側」は、図1の矢印Dによって示されているように取り扱い方向におけるシート材12の運動方向に関して定められている。
【0045】
シート材加工機械10は、ブランク分離ステーション22の受け入れ領域38内のシート材パイルの高さを決定する装置36をさらに有する。したがって、シート材パイルは、図示の実施形態では、ブランク11のパイルである。
【0046】
装置36は、例えばイーサネット(Ethernet)接続方式によってコントロールユニット40に接続されており、コントロールユニット40は、装置36を制御するようになっている。しかしながら、装置36は、装置36とコントロールユニット40との間における実質的に迅速な信号交換を可能にする任意の手段によってコントロールユニット40に接続されていてもよい。例えば、接続方式は、確立されたワイヤレスであってもよく、例えば、Wi‐Fiによるものである。
【0047】
コントロールユニット40は、記憶モジュール42をさらに有する。
【0048】
シート材加工機械10は、図示の実施形態では、タッチセンサ式ディスプレイであるヒューマン・マシン・インターフェース44をさらに有する。
【0049】
ヒューマン・マシン・インターフェース44によって、オペレータ(図示していないオペレータ)は、シート材加工機械10の作動を制御することができる。さらに、シート材加工機械10の現状についての情報をヒューマン・マシン・インターフェース44上に表示してオペレータに知らせることができる。
【0050】
図2には、装置36の斜視図が示されている。
【0051】
装置36は、受け入れ領域38の第1の側48のところに配置された第1のセンサ素子46および受け入れ領域38の向かい側52のところに配置された第2のセンサ素子50を有し、第1のセンサ素子46と第2のセンサ素子50は、図示の実施形態では横方向T(図1参照)に一致した受け入れ領域38の幅方向に沿って互いに向かい合っている。
【0052】
第1のセンサ素子46は、発光源54を含み、第2のセンサ素子50は、受光センサ56から成る。
【0053】
原理を説明すると、発光源54および受光センサ56を交換してもよく、すなわち、第1のセンサ素子46が受光センサ56から成っていてもよく、第2のセンサ素子50が発光源54から成っていてもよい。
【0054】
発光源54と受光センサ56が図2に示すように互いに向かい合っているとき、発光源54と受光センサ56との間には光バリヤ58が形成される。したがって、光バリヤ58の中断を受光センサ56のセンサ信号に基づいて記録することができる。
【0055】
第1のセンサ素子46は、第1のレール60に取り付けられ、第2のセンサ素子50は、第2のレール62に取り付けられ、第1のレール60と第2のレール62は、互いに平行でありかつ受け入れ領域38の幅方向に垂直でありかつ図示の実施形態では、長手方向Lに一致した受け入れ領域38の長さ方向に平行である。
【0056】
第1のレール60および第2のレール62は、それぞれ、第1のフレーム64および第2のフレーム66に取り付けられている。第1のフレーム64および第2のフレーム66は、ブランク分離ステーション22に連結されている。したがって、装置36は、既存のシート材加工機械10にレトロフィット可能であるのに適している。
【0057】
原理を説明すると、第1のフレーム64および第2のフレーム66は、装置36の部分ではなく、ブランキング分離ステーション22の一部であってもよい。
【0058】
図3は、図2の装置36の選択された部分の側面図である。
【0059】
図3から、第1のセンサ素子46が第1のレール60のスロット付きガイド70内に設けられたスロット付きガイドスライダ68によって取り付けられていることが明らかになる。したがって、第1のセンサ素子46およびかくして発光源54(図2参照)は、図3に示した両方向を示す矢印P1によって指示されているように受け入れ領域38の長さ方向に沿って変位可能である。
【0060】
具体的に説明すると、第1のセンサ素子46は、オペレータによって受け入れ領域38の長さ方向に沿って手動で変位可能であり、すなわち、受け入れ領域38の第1の側48は、オペレータが容易に接近することができるシート材加工機械10のオペレータ側のところに配置されている。
【0061】
第2のセンサ素子50は、第2のセンサ素子50を図3の両方向を示す矢印P2によって指示されているように受け入れ領域38の長さ方向に沿って自動的に変位可能であるようにするアクチュエータ72を有する。
【0062】
受け入れ領域38の向かい側52は、オペレータによって容易には接近できないシート材加工機械10の向かいのオペレータ側のところに配置されている。
【0063】
以下において、装置36に対するシート材加工機械10の作用モードについて詳細に説明する。
【0064】
シート材加工ジョブを可能にするためにシート材加工機械10を準備するため、オペレータは、シート材加工機械をヒューマン・マシン・インターフェース44によりセットアップモードに設定する。作用モードのこの変更は、コントロールユニット40によって記録される。原理を説明すると、装置36は、特定のセットアップモードに入ることなく同じように使用することも可能である。
【0065】
次に、オペレータは、スロット付きガイドスライド68をスロット付きガイド70に沿って標的位置までシフトさせることによって、第1のセンサ素子46を受け入れ領域38の長さ方向に沿って手動で変位させる。
【0066】
標的位置は、シート材加工機械10の作動中、ブランク11が標的高さまで受け入れ領域38内でブランク11のパイルの状態に集められたとき、ブランク11のパイルの最も上に位置するブランク11の少なくとも一部が第1のセンサ素子46の発光源54と同一の、受け入れ領域38の長さ方向に沿う位置のところに位置するよう選択される。
【0067】
換言すると、ブランク11のパイル中のブランク11が本質的に受け入れ領域38の長さ方向全体にわたって延びていない場合、第1のセンサ素子46は、オペレータによってブランク11が存在することになる位置のところに配置される。
【0068】
第1のセンサ素子46および第2のセンサ素子50に接続されたコントロールユニット40は、第1のセンサ素子46が動かされたことを記録し、そしてアクチュエータ72を第2のセンサ素子50の作業位置を見出すために制御することによって第2のセンサ素子50を第2のレール62に沿って自動的に変位させ始める。
【0069】
作業位置を求めるため、受光センサ56は、そのセンサ信号を第2のセンサ要素50がコントロールユニット40によって動かされた第2のレール62に沿うあらゆる位置のところに伝える。
【0070】
コントロールユニット40は、第2のレール62に沿う関連の位置と一緒に受信したセンサ信号を記憶モジュール42に記憶させる。
【0071】
発光源54および受光センサ56が互いに向かい合っているとき、光バリヤ58が形成され(図2参照)、その結果、受光センサ56からの非ゼロセンサ信号が得られる。発光源54および受光センサ56の位置合わせが良好であれば良好であるほど、結果として得られるセンサ信号がそれだけいっそう高くなり、すなわち、最大センサ信号は、発光源54と受光センサ56との最良の位置合わせが得られていることを表す。
【0072】
したがって、作業位置は、受信した関連の受信信号が最大である第2のレール62に沿う第2のセンサ要素50の位置を識別することによって、コントロールユニット40によって求められる。したがって、第2のセンサ素子50は、第2のレール62に沿ってこの位置に動かされる。
【0073】
その後、コントロールユニット40は、メッセージをヒューマン・マシン・インターフェース44に伝えて装置36が適正にセットアップされるとともに光バリヤ58が首尾よく形成されたことをオペレータに知らせる。
【0074】
したがって、オペレータは、シート材加工機械10をセットアップモードから、シート材12が受け入れ領域38内のブランク11内のパイルに積み重なるブランク11を形成するよう加工される作動モードに変更するのがよい。
【0075】
シート材加工機械10の作動中、第1および第2のセンサ素子(46,50)は、間欠形方式で働き、すなわち、シート材加工機械がブランクを突き出すと、センサ素子は、ブランクが光バリヤを交差するのに必要な時間の間、一時的に無効化される。残りの時間、受光センサ56は、常時または所定の時間単位で少なくとも1回、例えば50ms当たり1回の割合で受け取っており、現行のセンサ信号をコントロールユニット40に伝送する。有利には、受光センサは、最も上に位置するブランク11の高さを正確に求めるために互いに上下に配置された数個のセンサセルから成る。
【0076】
ブランク11のパイルが、最も上に位置するブランク11が光バリヤ58と同一の高さのところに位置する高さに達するやいなや、光バリヤ58は、中断状態になり、受光センサ56のセンサ信号は、低下し、特に、ゼロの値または少なくとも受光センサ56のノイズレベルに対応した値まで低下する。
【0077】
センサ信号のこの変化は、コントロールユニット40によって記録される。コントロールユニット40は、ブランク11のパイルの高さが装置36の光バリヤの高さに達したというメッセージをヒューマン・マシン・インターフェース44に伝えるようになっている。
【0078】
好ましくは、この高さは、ブランク11の標的数に対応し、その結果、オペレータは、シート材加工機械10の作動を停止し、そして作ったブランク11をブランク分離ステーション22から取り出すことができるようになっている。
【0079】
原理を説明すると、コントロールユニット40はまた、光バリヤ58がいったん中断状態になると、シート材加工機械の作動を自動的に停止させるようになっているのがよい。
【0080】
次のシート材加工ジョブに関し、オペレータは、この場合もまた、セットアップモードに入りをエンタし、そして必要ならば第1のセンサ素子46の位置を手動で調節し、そして上述のプロセスを繰り返すのがよい。
【0081】
上述の実施形態では、シート材パイルの高さを決定する装置36は、本質的に、シート材加工機械10の作動中、ある特定の数のブランク11が作られた時点を求めることと一致したシート材12のパイル、具体的には、ブランク11のパイルが積み重ねられた時点を検出するために用いられる。
【0082】
しかしながら、装置36は、シート材12のパイルが引き下げられた時点、すなわち、シート材12のパイルから非常に多くのシート材12が取り除かれてシート材パイルの高さが光バリヤ58の高さよりも低くなった時点を検出するために使用することも可能である。
【0083】
本発明のシート材加工機械は、シート材パイルの高さをチェックするのに作動が特に簡単でありかつ安価な可能性を提供する。さらに、シート材加工機械の作動をシート材の広範な寸法および/または形状に合わせて容易に調整することができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】