(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(54)【発明の名称】揮発性物質を拡散するための装置
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20231222BHJP
【FI】
B65D83/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536536
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 EP2021085900
(87)【国際公開番号】W WO2022129175
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522243521
【氏名又は名称】ゾベレ ホールディング エスピーエー
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ルクエ ヴェラ, セルジオ
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア ファブレガス, ルーベン
(72)【発明者】
【氏名】サンチョ マルゾ, アルベルト, ホセ
(57)【要約】
拡散装置は揮発性物質を含有する液体が収容されるリフィル(1)を備え、リフィル(1)は、液体の通過のための穴(2)と、液体の通過を防止する閉位置と液体が穴(2)を通過することを可能にする開位置との間で可動な封止要素(3)と、封止要素(3)をその閉位置に押圧する弾性要素(4)とを備え、封止要素(3)は封止要素(3)を閉位置から開位置に移動させる作動要素(7)を、弾性要素(4)の作用に抗して収容するためのハウジング(8)を備える。これにより、リフィルがオリジナルであり、正しい位置に挿入されたときにのみ動作する装置を提供することを可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性物質を拡散させるための装置であって、前記揮発性物質を含む液体が収容されたリフィル(1)を備え、
前記リフィル(1)は、
前記液体が通過する穴(2)と、
前記液体の通過を妨げる閉位置と、前記穴(2)を介して液体の通過を可能にする開位置との間で可動な封止要素(3)と、
前記封止要素(3)をその閉位置に押圧する弾性要素(4)と、を備え
前記封止要素(3)は、該封止要素(3)を前記閉位置から前記開位置まで、前記弾性要素(4)の作用に抗して移動させる作動要素(7)を収容するためのハウジング(8)を含むことを特徴とする揮発性物質を拡散させるための装置。
【請求項2】
前記ハウジング(8)は、前記封止要素(3)の中心軸の方向に延在する請求項1に記載の揮発性物質を拡散させるための装置。
【請求項3】
前記作動要素(7)が、前記封止要素(3)の凹部(10)と相補的な凸部(9)を含む請求項1に記載の揮発性物質を拡散させるための装置。
【請求項4】
前記相補的な凸部(9)および前記凹部(10)がねじある請求項3に記載の揮発性物質を拡散させるための装置。
【請求項5】
前記弾性要素(4)が弾性膜を含む請求項1に記載の揮発性物質を拡散させるための装置。
【請求項6】
前記液体の通過のための前記穴(2)が、前記リフィル(1)の仕切り(5)に設けられている請求項1に記載の揮発性物質を拡散させるための装置。
【請求項7】
前記仕切り(5)は、前記封止要素(3)のための空洞(6)を含む請求項6に記載の揮発性物質を拡散させるための装置。
【請求項8】
前記封止要素(3)が円筒形であり、前記閉位置において前記穴(2)と接触するフランジを備える請求項1に記載の揮発性物質を拡散させるための装置。
【請求項9】
前記封止要素(3)が、前記作動要素(7)のねじ(10)と相補的な凸部(9)を含む請求項1に記載の揮発性物質を拡散させるための装置。
【請求項10】
前記弾性要素(4)は、螺旋ばねであり、前記封止要素(3)から、複数のロッド(12)が延出しており、
前記複数のロッド(12)のそれぞれは、前記封止要素(3)に対してその先端側に、前記螺旋ばねの一端に接触する当接部(11)を有している請求項1に記載の揮発性物質を拡散させるための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性物質(volatile substances)を拡散させるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気清浄器(air fresheners)や一般の揮発性物質を拡散させるための装置は、一般的な製品である。
【0003】
空気清浄器の主な機能は、保存(storage)、拡散(diffusion)および輸送(transportation)にある。
【0004】
保存の間、揮発性物質は、外部からの影響から保護される領域に保存され、生産から製品の保存可能期間(product’s shelf life)が終わるまで保存される。
【0005】
拡散の間、揮発性物質は、専用の拡散手段を介して大気中に放出される。
【0006】
輸送の間、揮発性物質は、保存領域から拡散手段に移される。
【0007】
現在の拡散装置は、ウィックなどの輸送のための単純な解決策、またはポンプなどの非常に複雑な解決策に基づいている。
【0008】
保存領域が装置内に逆さまに挿入されたボトルであるいくつかの装置がある。これらの装置では、接続が正しく行われることが重要である。
【0009】
第1に、ボトルに収容された液体がボトルを逆さまに回転させた際に下方に行くことなく、ボトルが装置内に配置されたときにのみ出ることができることが重要である。
【0010】
第2に、拡散される液体が正しいものであることを確実にすることが重要である。揮発性物質の中には、毒性が強いものもある。したがって、オリジナル(正規品)でないリフィル(refill:詰替え器)を装置に接続することができないことが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、リフィルがオリジナルのものであり、かつ正しい位置に挿入されているときにのみ機能する揮発性物質を拡散させるための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の揮発性物質を拡散させるための装置により、上述の欠点が解決され、以下に記載される他の利点が提供される。
【0013】
本発明に係る揮発性物質を拡散させるための装置は、前記揮発性物質を含む液体が収容されたリフィルを備え、
前記リフィルは、
前記液体が通過する穴(hole)と、
前記液体の通過を妨げる閉位置と、前記穴を介して液体の通過を可能にする開位置との間で可動な封止要素(sealing element)と、
前記封止要素をその閉位置に押圧する弾性要素(elastic element)と、を備え
前記封止要素は、該封止要素を前記閉位置から前記開位置まで、前記弾性要素の作用に抗して移動させる作動要素(activation element)を収容するためのハウジングを含むことを特徴とする揮発性物質を拡散させる装置。
【0014】
この特徴により、揮発性物質を含む液体は、リフィルが装置内に正しく配置されたときにのみ、リフィルから排出されることになり、作動要素は、ハウジング内に正確に収容される。
【0015】
好ましくは、ハウジングが封止要素の中心軸の方向に延在し、これにより、ハウジング内での作動要素の正確な位置決めが保証される。
【0016】
さらに、好ましくは、作動要素は封止要素の凹部と相補的な凸部を備え、好ましい実施形態によれば、相補的な凸部および相補的な凹部はねじ(threads)である。
【0017】
このようにして、リフィルがねじ込まれると、封止要素は変位するが、ネジすなわち凹部および凸部が相補的でない場合、封止要素は変位せず、穴は開かない。
【0018】
好ましい実施形態によれば、弾性要素は、弾性膜によって形成される。
【0019】
さらに、液体の通過のための穴は、好ましくはリフィルの仕切り(partition)に設けられ、また仕切りは、封止要素のための空洞を備える。
【0020】
一実施形態によれば、封止要素は円筒形であり、閉位置において穴と接触するフランジを備える。
【0021】
さらに、この実施形態によれば、封止要素は、作動要素のねじと相補的な凸部を備える。
【発明の効果】
【0022】
この実施形態によれば、弾性要素は螺旋ばねであり、また前記封止要素から、複数のロッドが延在しており、これらのロッドのそれぞれは、前記封止要素に対してその先端側に、前記螺旋ばねの一端に接触する当接部(abutment)を有している。
【図面の簡単な説明】
【0023】
上記で説明したことをより良く理解するために、いくつかの図面が添付されており、図面には、概略的かつ非限定的な例としてのみ、実施形態の実用的なケースが示されている。
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る揮発性物質を拡散するための装置のリフィルの下部の斜視断面図である。
【0025】
【
図2】
図2は、封止要素が閉位置にある、本発明の第2実施形態に係る揮発性物質を拡散するための装置のリフィルカバー(refill cover)の断面立面図である。
【0026】
【
図3】
図3は、封止要素が開位置にある、本発明の第2実施形態に係る揮発性物質を拡散させるための装置のリフィルカバーの断面立面図である。
【0027】
【
図4】
図4は、本発明の第3実施形態に係る揮発性物質を拡散させるための装置のリフィル下部の斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、第1の実施形態による、揮発性物質を拡散させるための装置のリフィル(refill)の下部を示す。
【0029】
この図は、揮発性物質を含有する液体を含むリフィルの一部のみを示すことに留意されたい。リフィルの残りの部分は破線で示されており、リフィルはボトルまたは任意の適切な容器であってもよい。
【0030】
前記リフィル1は、封止要素(sealing element)3によって開閉可能な穴(hole)2を備え、この封止要素はリフィル1から液体が漏れるのを防止する閉位置(closed position)と、リフィル1から液体が出るのを可能にする開位置(open position)との間で移動可能である。
【0031】
前記封止要素3は、弾性要素(elastic element)4によってその封止位置に押し込まれ、この弾性要素は、図示の実施形態によれば、弾性膜(elastic membranes)によって形成される。
【0032】
図から分かるように、穴2はリフィル1の仕切り(partition)に設けられ、仕切り5の中心に位置する。仕切り5は封止要素3のための空洞(cavity)6も備える。
【0033】
前記封止要素は、図示の実施形態によれば、半球状部分(hemispherical portion)を備える。この半球状部分は、閉位置において穴2に接触してそれを封止する部分である。
【0034】
本発明に係る揮発性物質を拡散させるための装置は、リフィル1に含まれた液体から揮発性物質を拡散させるための手段も備えている。この手段は、従来からあるもので、図示されていない。
【0035】
封止要素3の位置をその閉位置からその開位置に変更するために、揮発性物質を拡散させるための装置は、作動要素7を含む。この作動要素は、
図1に示される実施形態ではロッドであり、
図2および3に示される実施形態ではねじが設けられた端部を有する部品である。
【0036】
この作動要素7は、封止要素3のハウジング8の内側に配置され、このハウジング8は封止要素3の中心軸の方向に延在する。
【0037】
この作動要素7は、
図2および
図3に示されるように、ハウジング8のネジ (thread)などの凹部(recess)10と相補的な例えばネジ(thread)などの凸部(protrusion)9を備える。
【0038】
したがって、封止要素3がその開位置に配置され、揮発性物質を含む液体が拡散のためにリフィル1の穴2を通って出ることを可能にするために、ユーザは、オリジナルのリフィル1をその正しい位置に配置しなければならない。この位置において、装置の作動要素7は、封止要素3の空洞6と位置合わせされ、その中に収容される。さらに、凸部9は相補的な、好ましくはねじ切りされた凹部10内に収容され、凸部9が凹部10にねじ込まれると、作動要素7は弾性要素4の作用に抗してシール要素3を開位置に引っ張る。
【0039】
図4は、本発明による揮発性物質を拡散させるための装置の第3の実施形態を示す。
【0040】
簡単にするために、同じ参照番号は、前述の実施形態と同じであるか、または同じ機能を実行する要素を特定するために使用される。さらに、先の実施形態との相違点のみを説明する。
【0041】
この第3の実施の形態によれば、封止素子3の形状が異なり、特に、その上部にフランジを備えたシリンダーから形成され、その閉位置が孔2を閉ざすものである。
【0042】
この形状により、ハウジング8は円筒壁の周りに画定され、すなわち、前記フランジの下の空間である。
【0043】
さらに、凸部9は円筒壁上に配置され、本実施形態では、ねじである凹部10の内側に収容され、ねじは本実施形態では容器である作動要素7の内側に設けられる。
【0044】
前述の実施形態とのさらなる相違点は、封止要素3から延在し、弾性要素4の上部と接触する頂部に当接部11を含むロッド12がある点であり、この実施形態では、この弾性要素は螺旋ばねである。
【0045】
本発明の特定の実施形態を参照してきたが、記載された揮発性物質を拡散させるための装置は多数の変形及び修正の影響を受けやすく、記載された全ての詳細は、添付の特許請求の範囲によって規定される保護の範囲から逸脱することなく、他の技術的に同等のものに置き換えられてもよいことが、当業者には明らかである。
【国際調査報告】