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特表2024-500159バックラッシュ防止ベイトキャスト釣りリール
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  • 特表-バックラッシュ防止ベイトキャスト釣りリール 図1
  • 特表-バックラッシュ防止ベイトキャスト釣りリール 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(54)【発明の名称】バックラッシュ防止ベイトキャスト釣りリール
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/01 20060101AFI20231222BHJP
   A01K 89/015 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
A01K89/01 F
A01K89/015 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538031
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 US2021063053
(87)【国際公開番号】W WO2022140096
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】63/128,895
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502407152
【氏名又は名称】ピュア・フィッシング・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100221327
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 亮
(72)【発明者】
【氏名】パーカー,ベンジャミン フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ラビット,ウィリアム ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】ソレオ,ロバート エフ.
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108BE04
2B108BF02
2B108BF04
2B108BF15
2B108EE01
2B108EE03
2B108EF02
(57)【要約】
釣りリールは、フレームと、回転軸を中心に回転するためにフレームに結合されたスプールと、光源と、第1の光学部品と、センサと、第2の光学部品と、コントローラと、制動機構とを備える。スプールは、第1のフランジおよび第2のフランジを含む。第1の光学部品は、光源から発されて第1の光学部品を通過する光が回転軸と平行な実質的にコリメートされた光の帯を生成するように、配置される。第2の光学部品は、実質的にコリメートされた光の帯をセンサに向かって合焦させるように配置および構成される。コントローラは、センサに電気的に結合され、センサから信号を受信し、制動信号を生成するように構成される。制動機構はコントローラに電気的に結合され、制動機構は、制動信号に応答して、スプールを減速させる制動力を印加する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
回転軸を中心に回転するために前記フレームに結合されたスプールであって、前記スプールの一端またはその近くに第1のフランジを含み、前記スプールの反対側の端またはその近くに第2のフランジを含む、スプールと、
光源と、
第1の光学部品であって、前記光源から発されて前記第1の光学部品を通過する光が、前記回転軸と平行な実質的にコリメートされた光の帯を生成するように、前記光源および前記スプールとの関係で配置された第1の光学部品と、
センサと、
前記光源、前記スプール、および前記センサとの関係で配置され、前記実質的にコリメートされた光の帯を前記センサに向かって合焦させるように構成された、第2の光学部品と、
前記センサに電気的に結合され、前記センサから信号を受信し、前記センサからの受信信号に基づいて制動信号を生成するように構成された、コントローラと、
前記コントローラに電気的に結合された制動機構であって、前記制動機構が、前記コントローラからの前記制動信号に応答して、前記スプールを減速させる制動力を印加する、制動機構と、
を備える釣りリール。
【請求項2】
前記第1のフランジおよび前記第2のフランジが各々、フランジを貫通して延びる少なくとも1つのそれぞれのフランジ開口を含み、前記実質的にコリメートされた光の帯が前記それぞれのフランジ開口を通過する、請求項1に記載の釣りリール。
【請求項3】
前記第1のフランジおよび前記第2のフランジが各々、フランジを貫通して延びる複数のそれぞれのフランジ開口を含んでいる、請求項2に記載の釣りリール。
【請求項4】
前記光源が発光ダイオード(LED)である、請求項1に記載の釣りリール。
【請求項5】
前記光源が単一のLEDである、請求項4に記載の釣りリール。
【請求項6】
前記第1の光学部品または前記第2の光学部品が、フレネルレンズまたは非球面レンズである、請求項1に記載の釣りリール。
【請求項7】
前記第1の光学部品は、前記実質的にコリメートされた光の帯が、前記第1のフランジの外側直径の外側を、前記回転軸に対して垂直な方向に外方に延びるように、前記光源との関係で配置されている、請求項1に記載の釣りリール。
【請求項8】
前記第1の光学部品は、前記実質的にコリメートされた光の帯が、前記第1のフランジおよび前記第2のフランジ各々のそれぞれの外側直径の外側を、前記回転軸に対して垂直な方向に外方に延びるように、前記光源との関係で配置されている、請求項1に記載の釣りリール。
【請求項9】
前記第2の光学部品は、前記第1の光学部品と構成が同一であり、前記回転軸に対して垂直な軸を中心に前記第1の光学部品の向きから180度回転されている、請求項1に記載の釣りリール。
【請求項10】
前記センサが、光信号を電気信号に変換するPINダイオードである、請求項1に記載の釣りリール。
【請求項11】
前記コントローラが、低電力の8ビットまたは32ビットマイクロコントローラである、請求項1に記載の釣りリール。
【請求項12】
前記センサが、前記コントローラと協働して利得の差を検出する、請求項1に記載の釣りリール。
【請求項13】
前記コントローラは、利得の非線形の低下を検出すると、前記制動信号を生成して前記制動機構に送るように構成されている、請求項1に記載の釣りリール。
【請求項14】
回生電源をさらに備える、請求項1に記載の釣りリール。
【請求項15】
フレームと、
回転軸を中心に回転するために前記フレームに結合されたスプールであって、前記スプールの一端またはその近くに第1のフランジを含み、前記スプールの反対側の端またはその近くに第2のフランジを含み、前記第1のフランジおよび前記第2のフランジが各々、フランジを貫通して延びる複数のそれぞれのフランジ開口を含んでいる、スプールと、
前記第1のフランジの外側から、前記回転軸に平行な方向に外方にずらされて配置された、単一の発光ダイオード(LED)と、
フレネルレンズまたは非球面レンズである第1の光学部品であって、前記第1の光学部品は、前記単一のLEDから発されて前記第1の光学部品を通過する光が、前記回転軸と平行な実質的にコリメートされた光の帯を生成するように、前記単一のLEDと前記スプールとの間に配置され、前記実質的にコリメートされた光の帯は、前記それぞれのフランジ開口を通って平行に、かつ、前記第1のフランジおよび前記第2のフランジ各々のそれぞれの外側直径の外側を、前記回転軸に対して垂直な方向に外方に配置される、第1の光学部品と、
前記第2のフランジの外側から、前記回転軸に平行な方向に外方にずらされて配置されたPINダイオードと、
フレネルレンズまたは非球面レンズである第2の光学部品であって、前記単一のLEDとの関係で、前記スプールと前記PINダイオードとの間に配置され、前記第2の光学部品が、前記実質的にコリメートされた光の帯を前記PINダイオードに向かって合焦させるように構成された、第2の光学部品と、
前記PINダイオードに電気的に結合され、前記PINダイオードから信号を受信し、前記PINダイオードにより利得の非線形の低下を検出するのに基づいて制動信号を生成するように構成された、コントローラと、
前記コントローラに電気的に結合された制動機構であって、前記制動機構が、前記コントローラからの前記制動信号に応答して、前記スプールを減速させる制動力を印加する、制動機構と、
を備える釣りリール。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ベイトキャスト釣りリールにはバックラッシュと呼ばれる欠点があり、これはリールスプールが出ていく糸よりも多く回転するときに発生し、それにより、出ていく糸が回転するスプールに引っかかって引き戻され、結果として、一般に「鳥の巣」と呼ばれる結び目のある糸のもつれが生じる。
【0002】
いくつかの特許が、バックラッシュの問題を解決することを試みる開示を有しており、その1つは米国特許第7,784,724(B2)号明細書であり、これは、釣り糸が時間と共にバックラッシュゾーンを進行する際に、釣り糸のバックラッシュ状態の画像データを捕捉する非接触ラインセンサを対象とする。この特許に列挙される構成要素を考えると、バックラッシュ状態を判定するための制御ループ結果は100ミリ秒前後である。同様に、米国特許第8,439,290(B2)号明細書は、デジタルイメージングの手段を有する糸挙動センサを用い、センサは、釣り糸が繰り出す際の糸の記録画像から導出される出力信号を生成する。米国特許第8,439,290(B2)号明細書では、コンピュータがこのセンサに関連付けられ、出力信号を比較して制動機構を制御する。米国特許第6,045,076(B1)号明細書は光線を発する発光器を開示しており、発された光線の一部が、スプールにきつく巻き付けられた糸の束に当たり、そこで全反射されて光検出器に戻る。米国特許第6,045,076(B1)号明細書では、光線のうち、きつく巻き付けられた糸の束から反射されない部分は透過されて、スプールの反対側の赤外線吸収材料によって吸収され、反射光の検出に影響しないようにしている。
【0003】
前述に照らして、バックラッシュ状態を判定するための機構を用いる釣りリールは、バックラッシュ状態をより高速に判定するように、またバックラッシュ状態を判定するための機構の大きさを低減するように改良され得る。
【発明の概要】
【0004】
前述に照らして、釣りリールは、フレームと、回転軸を中心に回転するためにフレームに結合されたスプールと、光源と、第1の光学部品と、センサと、第2の光学部品と、コントローラと、制動機構とを含む。スプールは、スプールの一端またはその近くに第1のフランジを含み、スプールの反対側の端またはその近くに第2のフランジを含む。第1の光学部品は、光源から発されて第1の光学部品を通過する光が、回転軸と平行な実質的にコリメートされた光の帯を生成するように、光源およびスプールとの関係で配置される。第2の光学部品は、光源、スプール、およびセンサとの関係で配置され、実質的にコリメートされた光の帯をセンサに向かって合焦させるように構成される。コントローラは、センサに電気的に結合され、センサから信号を受信し、センサからの受信信号に基づいて制動信号を生成するように構成される。制動機構は、コントローラに電気的に結合され、制動機構は、コントローラからの制動信号に応答して、スプールを減速させる制動力を印加する。
【0005】
上記の釣りリールについて、第1のフランジおよび第2のフランジが各々、フランジを貫通して延びる少なくとも1つのそれぞれのフランジ開口を含むことができ、実質的にコリメートされた光の帯が、それぞれのフランジ開口を通過する。より詳細には、第1のフランジおよび第2のフランジが各々、フランジを貫通して延びる複数のそれぞれのフランジ開口を含むことができる。
【0006】
前述の段落またはその前の段落に記載された釣りリールのいずれについても、光源は発光ダイオード(LED)であり得る。より詳細には、光源は単一のLEDであり得る。
【0007】
上記の段落に記載された釣りリールのいずれについても、第1の光学部品または第2の光学部品は、フレネルレンズまたは非球面レンズであり得る。
【0008】
上記の段落に記載された釣りリールのいずれについても、第1の光学部品は、実質的にコリメートされた光の帯が、第1のフランジおよび/または第2のフランジの外側直径の外側を、回転軸に対して垂直な方向に外方に延びるように、光源との関係で配置され得る。
【0009】
上記の段落に記載された釣りリールのいずれについても、第2の光学部品は、第1の光学部品と構成が同一であり、回転軸に対して垂直な軸を中心に第1の光学部品の向きから180度回転され得る。
【0010】
上記の段落に記載された釣りリールのいずれについても、センサは、光信号を電気信号に変換するPINダイオードであり得る。
【0011】
上記の段落に記載された釣りリールのいずれについても、コントローラは、低電力の8ビットまたは32ビットマイクロコントローラであり得る。
【0012】
上記の段落に記載された釣りリールのいずれについても、センサは、コントローラと協働して利得の差を検出することができる。
【0013】
上記の段落に記載された釣りリールのいずれについても、コントローラは、利得の非線形の低下を検出すると、制動信号を生成して制動機構に送るように構成され得る。
【0014】
上記の段落に記載された釣りリールのいずれについても、釣りリールは、回生電源を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】釣りリールの関連する構成要素の概略図である。
図2図1に示される釣りリールのスプールおよびスプール軸の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、釣りリール10の構成要素の例を示し、フレーム12、スプール14、光源16、第1の光学部品18、センサ20、第2の光学部品22、コントローラ24、および制動機構26を含んでいる。釣りリール10は、光源16、センサ20、コントローラ24および制動機構26に電力を供給するための電源28をさらに含むことができる。電源は、例えば、バッテリ、またはスプール駆動装置(一部分だけが図示されている)に動作的に接続される回生電源であり得る。スプール駆動装置は、従来知られている可能性があり、スプール14、糸ガイド(これも図示せず)、およびクランクハンドル(図示せず)と動作可能である。スプール駆動装置は、通例、少なくとも1つのギアトレインを含み、クランクハンドルによって駆動されると、スプール駆動装置はスプール14を回転させ、従来知られているような形で糸ガイドを往復運動させて、スプール14に巻き付けられた釣り糸を巻き上げる。スプール駆動装置はまた、従来公知の、ドラッグ機構と共にスプール14とスプール駆動装置との間に動作的に結合されるクラッチ(これも図示せず)も含むことができる。クラッチが係合されると、スプール駆動装置およびドラッグは、動作的にスプール14に結合される。その結果、クランクハンドルの回転がスプール14を回転させて釣り糸を巻き上げる。同時に、ドラッグ機構は、スプール14の逆回転を減速して釣り糸を放出する。スプール14をスプール駆動装置およびドラッグ機構から切り離すためにクラッチが係合解除されているとき、スプール14は、逆方向に実質的に回転自在であり、キャスティング時などに釣り糸を放出する。キャスティングの間、適切に制動されない場合、スプール14は、ベイトまたはルアーおよび投げられる糸の速度よりも速い速度で回転することがあり、その結果バックラッシュが生じ得る。
【0017】
フレーム12の一部のみが図1に描かれている。フレーム12は、スプール14、光源16、第1の光学部品18、センサ20、第2の光学部品22、コントローラ24、および制動機構26を、釣りリール10の他の構成要素と共に支持する。フレーム12は加えて、スプール駆動装置およびドラッグ機構と共に上述の構成要素を収容することができる。フレーム12は、様々な材料から作られ得、様々な形状および大きさのものが入手可能であり得る。
【0018】
スプール14は、回転軸30を中心に回転するためにフレーム12に結合されている。スプール14は、スプール軸32に取り付けられ、スプール14の一端またはその近くに第1のフランジ34を含み、スプール14の反対側の端またはその近くに第2のフランジ36を含む。スプール14は、スプール駆動装置およびドラッグ機構にも動作的に結合されている。スプール14は、スプール14の第1のフランジ34と第2のフランジ36との間に巻き付けられる釣り糸(図示せず)を載せている。図示の実施形態では、また図2を参照すると、第1のフランジ34は第1のフランジスポーク40を含み、これら第1のフランジスポークは、第1のフランジ34を貫通して延びる第1のフランジ開口42同士を分離し、部分的にその境界を定めている。同様に、第2のフランジ36は第2のフランジスポーク44を含み、これら第2のフランジスポークは、第2のフランジ36を貫通して延びる第2のフランジ開口46同士を分離し、部分的にその境界を定めている。第1のフランジ34および第2のフランジ36は各々、それぞれ6個のフランジ開口42、46を含むものと示されているが、より少ないまたは多い数がフランジ34、36の各々に設けられ得る。フランジ開口42、46は各々、各フランジ34、36のそれぞれの外側直径48、50から内側にずらされている。
【0019】
再度図1を参照すると、光源16は、第1のフランジ34の外側54から、回転軸30に平行な方向に外方にずらされて配置される。外側54は、第1のフランジ34のうち、スプール14に巻き付けられている釣り糸に面する側と反対の側である。光源16は、発光ダイオード(LED)であり得る。より詳細には、光源16は単一のLEDであり得、これはバックラッシュ防止システムの小型化を助けることができる。
【0020】
第1の光学部品18は、光源16から発されて第1の光学部品18を通過する光が、スプール14の回転軸30と平行な実質的にコリメートされた光の帯56を生成するように、光源16およびスプール14との関係で配置されている。第1の光学部品18として使用することのできるような光学部品の例には、フレネルレンズに似たレンズならびに非球面レンズが含まれる。光源16および第1の光学部品18は、実質的にコリメートされた光の帯56がそれぞれのフランジ34、36のフランジ開口42、46を通過するように、連携して設計されている。光源16および第1の光学部品18はまた、実質的にコリメートされた光の帯が、第1のフランジ34および第2のフランジ36各々のそれぞれの外側直径48、50の回転軸30に垂直な方向に対して径方向外側を回転軸30に平行に進むように、連携して設計されることも可能である。第1の光学部品18はまた、第1のフランジ34の外側54から、回転軸30と平行な方向に外方にずらされて配置され、光源16と第1のフランジ34との間に挿入されている。
【0021】
センサ20は、第2のフランジ36の外側58から、回転軸30と平行な方向に外方にずらされて配置されている。センサ20は、フォトダイオードであり得る。より詳細には、センサ20は、光信号を電気信号に変換するPINダイオードであり得る。センサ20は、コントローラ24と協働して、バックラッシュ状態直前のスプール14から出て来る釣り糸の輪を示唆し得る、利得(受け取られる光)の差を検出する。利得は通例、キャスト中に釣り糸がスプール14から出て来るのにつれて増大し、この理由は、釣り糸が繰り出すにつれて巻き付けられた釣り糸の直径が徐々に減り、実質的にコリメートされた光の帯56のうち、より多くの光をセンサ20に到達させるようになるためである。この結果、キャストが進行するにつれて、利得の線形の低下が生じる。コントローラ24は、輪状態を示唆し得る、利得の非線形の低下を検出するように構成することができる。利得の非線形の低下を検出すると、コントローラ24は、制動信号を生成して制動機構26に送る。PINダイオード以外の種類の光センサを使用することもできるが、PINダイオードの使用はバックラッシュ防止システムの小型化を助けることができる。
【0022】
第2の光学部品22は、光源16、スプール14、およびセンサ20との関係で配置され、実質的にコリメートされた光の帯56をセンサ20に向かって合焦させるように構成される。また、第2の光学部品22は、第2のフランジ36の外側58から、回転軸30と平行な方向に外方にずらされて配置されている。第2の光学部品22は、センサ20と第2のフランジ36の外側58との間に配置されている。第2の光学部品22は、第1の光学部品18と同一の構成であり得るが、第2の光学部品22の向きは、第2の光学部品22が回転軸30に垂直な軸を中心に第1の光学部品18の向きから180度回転されているという点で、第1の光学部品18と異なる。そのような向きは、第2の光学部品22が、コリメートされた光の帯56をセンサ20に向かって合焦させることを可能にし、それがバックラッシュ防止システムの小型化を可能にすることができる。
【0023】
コントローラ24は、センサ20に結合されており、センサ20から信号を受信し、センサ20からの受信信号に基づいて制動信号を生成するように構成されている。コントローラ24は、例えば、低電力の8ビットまたは32ビットマイクロコントローラであり得る。制動機構26は、米国特許第7,784,724(B2)号明細書に記載される制動機構や米国特許第6,412,722(B1)号明細書に記載される制動機構などの従来の制動機構であり得、コントローラ24に結合されている。制動機構26は、コントローラ24から受信された制動信号に応答して、スプール14を減速させる制動力を印加する。
【0024】
第1の光学部品18が光源16と連動する結果、必要とされる場合には単一のLEDが、10mm×2mmの領域などの一般には小さい長方形領域にわたって均等に光を分散させることが可能になる。この実質的にコリメートされた光の帯56は、第2の光学部品22によって受け取られることが可能であり、第2の光学部品22は、コリメート光の帯56を再び小さい直径に合焦させ、それが、単一のフォトダイオードであり得るセンサ20によって受け取られる。実質的にコリメートされた光の帯56を提供することにより、センサ20が長方形領域内のどこでも糸の輪を「見る」ことができるようになる。一例として、スプール14に糸が一杯あり、長いキャストが行われた場合、スプール14上の糸の直径は、糸が出て来るのにつれて減少する。長いキャストでは、これは大幅な直径の変化に相当し得る。もし第1の光学部品18が丸い光線を生成した場合には、センサ20は、キャスト中に直径が変化していくときに小さい面積にわたる利得の変化しか検出することができず、丸い光線は、センサ20が、あり得る糸の輪を検出するためには大きくなり続ける必要がある。単繊維の糸では、糸の復元力が大きい輪の形成を妨げるため、これはより問題になる。実質的にコリメートされた光の帯56として描かれた概ね長方形の光線は、1つのLEDおよび1つの光検出器の使用を可能にし、それによりバックラッシュ防止検出システムを小型化することができる。糸の小さな輪がスプールで生じ始めても、それは、キャスト中にスプール14にどれほどの糸が残っているかに関係なく検出することができる。これにより、単に丸い光線の光検出器およびLEDからの発散性の高い出力を使用するよりも大幅に多くの解決を有する、バックラッシュ防止システムが得られる。上述した構成要素および構成を使用することにより、バックラッシュ状態を判定するための制御ループ結果は50マイクロ秒前後になり、これは従来技術の設計よりもはるかに高速である。
【0025】
上記で説明された実施形態の様々な特徴ならびに他の特徴および機能、またはその代替もしくは変形は、組み合わされて多くの他の異なるシステムまたは用途にされ得ることが認識されるであろう。また、様々な現時点では予想されないまたは予期されない代替形態、変更形態、または変形例、または改良が後に当業者によってなされてもよく、それらも以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。
【符号の説明】
【0026】
10 釣りリール
12 フレーム
14 スプール
16 光源
18 第1の光学部品
20 センサ
22 第2の光学部品
24 コントローラ
26 制動機構
28 電源
34 第1のフランジ
36 第2のフランジ
40 第1のフランジスポーク
42 第1のフランジ開口
44 第2のフランジスポーク
46 第2のフランジ開口
30 回転軸
54 外側
56 光の帯
48、50 外側直径
58 外側
図1
図2
【国際調査報告】