(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(54)【発明の名称】血液の体外処理のための使い捨て回路、血液の体外処理のための装置、および、関連する方法
(51)【国際特許分類】
A61M 1/16 20060101AFI20231222BHJP
A61M 1/34 20060101ALI20231222BHJP
A61M 60/109 20210101ALN20231222BHJP
A61M 60/279 20210101ALN20231222BHJP
A61M 60/37 20210101ALN20231222BHJP
【FI】
A61M1/16 110
A61M1/34 120
A61M60/109
A61M60/279
A61M60/37
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538095
(86)(22)【出願日】2021-10-11
(85)【翻訳文提出日】2023-06-29
(86)【国際出願番号】 EP2021078070
(87)【国際公開番号】W WO2022144117
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501473877
【氏名又は名称】ガンブロ・ルンディア・エービー
【氏名又は名称原語表記】GAMBRO LUNDIA AB
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プーシュリン, ドミニク
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA05
4C077BB01
4C077DD07
4C077DD23
4C077DD25
4C077EE01
4C077EE02
4C077JJ03
4C077JJ04
4C077JJ16
4C077JJ18
4C077KK25
4C077KK30
(57)【要約】
濾過ユニット(2)と、血液回収ライン(6)および血液回収ライン(7)を有する血液回路(6、7)と、を備える体外血液処理のための使い捨て回路であって、脱血ライン(6)および返血ライン(7)は、患者の心血管系に接続されるように設計され、脱血ライン(6)および返血ライン(7)は、患者の血管アクセスデバイスに着脱可能に接続される動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)を備え、少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)は、血液回路に接続され、使い捨て回路は、血液回路(6、7)上または液体ライン(15、21、25、42、42a)上の何れかに配された第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)を備え、液体の再循環可能にする閉回路を画定するように、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)と取り外し可能に接続されるように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液の体外処理のための使い捨て回路であって、
-濾過ユニット(2)と、
-前記濾過ユニット(2)の入口に接続された第1端部を有する脱血ライン(6)と、前記濾過ユニット(2)の出口に接続された第1端部を有する返血ライン(7)と、を備え、前記脱血ライン(6)および前記返血ライン(7)は、患者の心血管系に接続されるように設計された血液回路(6、7)であって、
前記脱血ライン(6)は、動脈コネクタ(40)が設けられた第2端部を有し、前記返血ライン(7)は、静脈コネクタ(41)が設けられた第2端部を有し、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)は、患者の血管アクセスデバイスに着脱可能に接続されるように設計され、前記血液回路は、前記血液回路(6、7)内の前記流れを制御するための血液ポンプ(11)と繋ぎ合わされるように構成される、血液回路(6、7)と、
-前記血液回路(6、7)に接続された少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)であって、前記使い捨て回路は、前記血液回路(6、7)上または前記少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上の何れかに配された少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)をさらに備え、前記少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、前記血液回路内の液体の再循環を可能にする閉回路を画定するように、再循環構成で前記動脈コネクタ(40)と前記静脈コネクタ(41)との間の少なくとも一方と取り外し可能に接続されるように構成され、
前記使い捨て回路は、任意で、前記血液回路上または前記少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上に配された第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)をさらに備え、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記閉回路を画定するように、一方が前記動脈コネクタ(40)および他方が前記静脈コネクタ(41)に、取り外し可能に接続されるように構成される、少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)と、
を備える、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項2】
血液の体外処理のための使い捨て回路であって、
-濾過ユニット(2)と、
-前記濾過ユニット(2)の入口に接続された第1端部を有する脱血ライン(6)と、前記濾過ユニット(2)の出口に接続された第1端部を有する返血ライン(7)と、を備え、前記脱血ライン(6)および前記返血ライン(7)は、患者の心血管系に接続されるように設計された血液回路(6、7)であって、
前記脱血ライン(6)は、動脈コネクタ(40)が設けられた第2端部を有し、前記返血ライン(7)は、静脈コネクタ(41)が設けられた第2端部を有し、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)は、患者の血管アクセスデバイスに着脱可能に接続されるように設計され、前記血液回路は、前記血液回路(6、7)内の前記流れを制御するための血液ポンプ(11)と繋ぎ合わされるように構成される、血液回路(6、7)と、
-前記血液回路(6、7)上に配された少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)であって、前記少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、前記血液回路内の液体の再循環を可能にする閉回路を画定するように、再循環構成で前記動脈コネクタ(40)と前記静脈コネクタ(41)との間の少なくとも一方のコネクタと取り外し可能に接続されるように構成され、
前記使い捨て回路は、任意で、前記血液回路上に配された第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)をさらに備え、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記閉回路を画定するように、一方が前記動脈コネクタ(40)および他方が前記静脈コネクタ(41)に、取り外し可能に接続されるように構成される、少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と、
を備える、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項3】
請求項1または2に記載の使い捨て回路であって、前記使い捨て回路は、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)が、患者の前記血管アクセスデバイスに取り外し可能に接続され、血液が、前記脱血ライン(6)を通り患者から抜き出され、前記濾過ユニット(2)を通り循環し、前記返血ライン(7)を通り前記患者に戻されうる処理構成と、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)のうち一方が、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)のうち一方に取り外し可能に接続され、任意で、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)のうち他方が前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)のうち他方に取り外し可能に接続される再循環構成であって、前記再循環構成において、前記血液回路(6、7)内に含まれる液体は、前記使い捨て回路の内部で再循環されうる再循環構成と、の間で可逆的に構成可能である、使い捨て回路。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、前記補助コネクタ(51、53、55、57、59)と前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との間の少なくとも一方のコネクタ、任意で、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との両方は、前記静脈コネクタ(41)および前記動脈コネクタ(40)から選択される一方のコネクタに接続されるように構成された切り離し可能ポート(70)を備える3ポートコネクタであり、
具体的には、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との間の少なくとも一方のコネクタ、任意で、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との両方は、
-それぞれのチューブ部に固定された第1切り離し不可能サービスポート(71)および第2切り離し不可能サービスポート(71)と、
-前記少なくとも1つのフリーの切り離し可能ポート(70)と、
を備える、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項5】
請求項1、3および4の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、前記1つ以上の注入ライン(15、21、25、42、42a)は、以下のライン
-前記脱血ライン(6)に直接接続された血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)、
-前記脱血ライン(6)に直接接続された血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)、
-前記返血ライン(7)に直接接続された希釈後液体ライン(25)、
のうち1つ以上を備え、
前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、前記第1補助コネクタが配された前記液体ライン(15、21、25、42、42a)のそれぞれのチューブ部に固定された第1切り離し不可能サービスポート(71)および第2切り離し不可能サービスポート(71)を備える、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項6】
請求項1および3乃至5の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、前記第2補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、前記第2補助コネクタが配された、具体的には、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)が同じ液体ラインに固定された前記液体ライン(15、21、25、42、42a)のそれぞれのチューブ部に固定された第1切り離し不可能サービスポート(71)および第2切り離し不可能サービスポート(71)を備える、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項7】
請求項1および3乃至7の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、前記脱血ライン(6)に直接接続された血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)を備え、前記第1補助コネクタ(53)および前記第2補助コネクタ(52)は、前記血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)に固定され、前記再循環構成において、前記血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配された前記第1補助コネクタ(53)は、前記動脈コネクタ(40)に接続され、前記血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配された前記第2補助コネクタ(52)は、前記静脈コネクタ(41)に接続される、使い捨て回路。
【請求項8】
請求項7に記載の使い捨て回路であって、前記第1補助コネクタ(53)は、前記第2補助コネクタ(52)の下流の前記血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配される、使い捨て回路。
【請求項9】
請求項1および3乃至8の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、前記動脈コネクタ(40)の下流の前記血液回路への液体投与を可能にするように構成された血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)を備え、前記血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)は、対応する蠕動ポンプと結合するように構成された蠕動ポンプ路と、例えば、クエン酸塩溶液である抗凝固溶液を任意で含む容器と、を備え、前記血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)は、前記容器に接続され、前記第1補助コネクタ(53)および任意で前記第2補助コネクタ(52)は、前記蠕動ポンプ路の下流の前記血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)に接続される、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、再循環中に液体の流れの分布を均一にするように構成された少なくとも1つの第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)を備え、前記少なくとも1つの第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)は、前記血液回路上または前記少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上に配され、前記少なくとも1つの第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)は、再循環中に、2つの接続された分岐チューブ部のそれぞれの液体のフロー抵抗を均一にするように構成され、具体的には、前記少なくとも1つの第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)は、前記液体ライン(15、21、25、42、42a)の少なくとも1つの部分と、前記血液回路(6、7)の少なくとも1つの部分と、を備える前記2つの接続された分岐チューブ部の一方に配される、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、
-前記二次チャンバ(4)の出口に接続された排出液ライン(13)と、
-前記二次チャンバ(4)の前記入口に接続された透析液ライン(19)と、
をさらに備え、
具体的には、前記使い捨て回路は、CRRT使い捨て回路である、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項12】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記血液回路(6、7)上に配され、前記再循環構成において、前記血液回路(6、7)上、具体的には、前記返血ライン(7)上に配された前記第1補助コネクタ(59)は、前記動脈コネクタ(40)に接続され、前記血液回路(6、7)上、具体的には、前記脱血ライン(6)上に配された前記第2補助コネクタ(58)は、前記静脈コネクタ(41)に接続される、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)、任意で前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)の両方は、前記静脈コネクタ(41)または前記動脈コネクタ(40)の何れかの切り離し可能ポート(72)に対応して接続されるように構成された少なくとも1つの切り離し可能ポート(70、70a)を備える、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項14】
請求項13に記載の使い捨て回路であって、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との間の少なくとも一方のコネクタ、任意で前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との両方は、切り離し可能ポート(72)、前記静脈コネクタ(41)または前記動脈コネクタ(40)に接続されるように構成された切り離し可能なポート(70)を備える3ポートコネクタである、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項15】
請求項13または14に記載の使い捨て回路であって、
-前記少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)の前記少なくとも1つの切り離し可能ポート(70、70a)、および、前記動脈コネクタ(40)または前記静脈コネクタ(41)の前記少なくとも1つの切り離し可能ポート(72)は、第1雄タイプまたは第2雌タイプの何れかであってもよく、前記第1雄タイプは、前記第2雌タイプに少なくとも部分的に導入されるように構成され、
-前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)の両方は、前記第1タイプの切り離し可能ポート(72)を備えるコネクタである、または、代わりに、
-前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)の両方は、前記第2タイプの切り離し可能なポート(72)を備える、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項16】
請求項15に記載の使い捨て回路であって、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、両方とも雄タイプまたは両方とも雌タイプの前記少なくとも1つの着脱可能ポート(70)を有する、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項17】
請求項1および請求項1に従属する3乃至12の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記注入ライン上で他方に対して一方が上流に取り付けられ、前記注入ラインは、液体ポンプが動作する自らの液体ポンプ路を備え、具体的には、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記液体ポンプ路の下流に配される、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項18】
請求項1乃至17の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、急性フィールドにおける血液の体外処理のための腎不全用装置で使用するためのCRRT使い捨て回路であり、任意で、前記CRRT使い捨て回路は、前記二次チャンバ(4)の入口に取り外し不能に接続された使い捨て透析液ライン(19)と、前記二次チャンバ(4)の出口に取り外し不能に接続された使い捨て排出ライン(13)と、を含む、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項19】
請求項1乃至18の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、再循環構成において、液体は、前記動脈コネクタ(40)から前記一次チャンバ(3)を通り前記静脈コネクタ(41)に流れ、前記静脈コネクタ(41)から前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)に流れ、前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)から前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)に流れ、前記後者から前記動脈コネクタ(40)に流れる、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項20】
請求項1乃至19の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、別々のコネクタである、または、代わりに、前記第1補助コネクタおよび前記第2補助コネクタは、単一部品で作製されている、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項21】
血液の体外処理のための装置であって、請求項1乃至20の何れか1項に記載の使い捨て回路を備え、前記装置は、制御ユニット(10)と、前記血液回路(6、7)内の血液の前記流れを制御するように構成された血液ポンプ(11)と、をさらに備え、
前記制御ユニット(10)は、
-前記血液ポンプ(11)を停止し、
-前記血液回路(6、7)内の液体の再循環の作動のコマンドを受信し、
-前記使い捨て回路が再循環構成にあるとき、少なくとも前記血液ポンプ(11)を作動させて、前記血液回路(6、7)内の液体を再循環させる、
ように構成される、ことを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置であって、前記再循環構成において、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、前記動脈コネクタ(40)または前記静脈コネクタ(41)の何れかと直接接続され、前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)の他方と直接接続され、前記制御ユニット(10)は、前記再循環構成に前記使い捨て回路を維持するように構成され、再循環中、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)または前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)に入る液体の全流量が、別々の部分流量に分割されるか、または、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)または前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)に入る液体の2つの部分流量が統合され、全流量として流出するか、の何れかである、ことを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項21または22に記載の装置であって、前記再循環構成において、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、前記動脈コネクタ(40)または前記静脈コネクタ(41)の何れかと直接接続され、前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)の他方と直接接続され、前記制御ユニット(10)は、前記再循環構成に前記使い捨て回路を維持するように構成され、再循環中、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)または前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)に入る液体の全流量が、別々の部分流量に分割されるか、または、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)または前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)に入る液体の2つの部分流量が統合され、全流量として流出するか、の何れかである、ことを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項21乃至23の何れか1項に記載の装置であって、処理構成において、前記制御ユニット(10)は、
-排出ライン(13)を通る液体の流量(Q
eff)、少なくとも1つの注入液体ライン(15、21、25、42、42a)を通る液体の流量(Q
pre、Q
pbp、Q
post)、透析液液体ライン(19)を通る液体の流量(Q
dial)、前記患者からの液体の抜き出し速度(Q
pfr)、血流量(Q
b)を含むグループから選択された1つ以上の液体の流量を受信または計算し、
-前記血液ポンプ(11)、注入ポンプ(18、22、27)、透析ポンプ(17a)、排出液ポンプ(17)のうちの少なくとも1つを作動させて、前記所定のまたは計算された流量を送達する、
ように構成される、装置。
【請求項25】
請求項21乃至24の何れか1項に記載の装置であって、前記再循環構成を作動させるために、前記制御ユニット(10)は、
-前記血液回路(6、7)内の一時的な液体の再循環の作動のコマンドを受信し、
-前記血液回路(6、7)を通る再循環の流量の少なくとも1つの値を設定し、
-前記再循環構成にあるときに、少なくとも前記血液ポンプ(11)を作動させて、前記血液回路(6、7)内の液体を再循環させる、
ように構成され、
前記再循環構成は、前記処理構成が中断され、少なくとも前記血液ポンプ(11)、および、任意で1つ以上の注入ポンプ(18、22、27)を停止することによって、血液回路(6、7)内の液体の流量が、少なくとも瞬間的にゼロに減少した後に行われる、ことを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項25に記載の装置であって、前記制御ユニット(10)は、再循環のための前記血液ポンプ(11)の前記作動を可能にする前に、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)の切り離しの電子的な確認を取得するように構成される、ことを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項21乃至26の何れか1項に記載の装置であって、前記処理構成において、前記少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)、および、任意で前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)に接続されず、前記再循環構成において、前記少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、前記動脈コネクタ(40)または前記静脈コネクタ(41)に接続され、任意で、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、前記動脈コネクタ(40)と前記静脈コネクタ(41)との間の一方のコネクタに直接接続され、前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記動脈コネクタ(40)と前記静脈コネクタ(41)との他方に直接接続される、ことを特徴とする装置。
【請求項28】
血液の体外処理のための装置から患者の一時的な切り離しの方法であって、前記装置は、請求項1乃至20の何れか1項に記載の使い捨て回路を備え、前記方法は、
-前記血液回路上で作動する血液ポンプを停止することと、
-前記動脈コネクタ(40)を前記患者の前記アクセスデバイスから切り離すことと、
-前記静脈コネクタ(41)を前記患者の前記アクセスデバイスから切り離すことと、
-前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)の一方を前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)に接続して再循環構成を画定することと、
-任意で、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)の他方を前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)に接続し、前記再循環構成を画定するように前記使い捨て回路に閉回路を画定することと、
-前記患者が前記装置から切り離されたままであるときに、前記血液ポンプを動作させ、前記閉回路内の液体の再循環を開始することと、
を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、
-前記閉回路内の液体の再循環を停止するために前記血液ポンプを停止することと、
-前記動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)のうち一方のコネクタを前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)から切り離すことと、
-任意で、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)の他方を前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)から切り離すことと、
-前記処理を再開する前に、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)を前記患者の前記アクセスデバイスに再接続することと、
-前記処理を再開する前に、前記静脈コネクタ(41)を前記患者の前記アクセスデバイスに再接続することと、
をさらに含み、
前記方法のステップは、前記使い捨て回路を変更することなく、および/または、前記使い捨て回路を前記装置から切り離すことなく実行される、ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体再循環のために構成可能な血液の体外処理のための使い捨て回路、血液の体外処理のための装置、使い捨て回路における血流再循環の方法、および、関連するコンピュータプログラム製品に関する。
【0002】
使い捨て回路は、血液の体外処理のための装置から患者を一時的に切り離し、その後、処理の続行のために同じ使い捨て回路に再接続するのに特に適している。
【背景技術】
【0003】
体外血液処理は、患者から血液を移し、患者の体外で血液を処理し、処理された血液を患者に戻すことを含む。体外血液処理は、典型的には、患者の血液から望ましくない物質または分子を除去し、および/または、望ましい物質または分子を血液に追加するために使用される。体外血液処理は、患者が一時的または永続的な腎不全に罹ったときなど、血液から物質を効果的に除去することができない患者に使用される。これらの患者および他の患者は、例えば、血液に物質を追加または除去するため、酸/塩基平衡を維持するため、または、過剰な体液を除去するために、体外血液処理を受けうる。
【0004】
体外血液処理は、典型的には、血液が半透膜を越えて流れることが可能な濾過ユニット(透析器または血液フィルタなど)の、血液チャンバとも呼ばれる一次チャンバに血液を導入する、例えば、連続流中で患者から血液を移すことによって達成される。半透膜は、血液中の物質が一次チャンバから二次チャンバに膜を通過することを選択的に可能にし、また、処理のタイプに応じて、二次チャンバ内の物質が一次チャンバ内の血液に膜を通過することを選択的に可能にする。
【0005】
多くの異なるタイプの体外血液処理が行われうる。限外濾過(UF)処理において、望ましくない物質は、膜を越える二次チャンバ内への対流によって血液から除去される。血液濾過(HF)処理において、血液は、UFのように半透膜を通過して流れ、望ましい物質は、典型的には、血液が濾過ユニットを通過する前および/または通過した後、および、血液が患者に戻される前に、血液中に液体を投与することによって、血液に追加される。血液透析(HD)処理において、望ましい物質を含む二次液体が、濾過ユニットの二次チャンバに導入される。血液からの望ましくない物質は、半透膜を通過して二次液体に入り、二次液体からの望ましい物質は、膜を通過して血液に入りうる。血液透析濾過(HDF)処理において、HDのように血液と二次液体とは物質を交換し、さらに、通常、HFのように、血液が患者に戻る前に、処理された血液中に液体を投与することによって、物質が血液に追加される。
【0006】
主に急性患者の治療のために、特定の血液処理装置が開発されている。なぜならば、
-急性患者において、総処理時間は事前には不明であり、したがって、腎不全がどれくらいの期間続くかが不明であるので、セットアップパラメータとして使用することはできない、実際、急性患者は腎不全から回復する前に、典型的には数日間続く、比較的長い処理セッションをしばしば必要とする。
-集中治療装置は、むしろ、セットアップパラメータとして複数の流量情報を要求するように設計されうる。
-急性患者は、非常に正確に制御された液体の抜き出しを必要とし、さらに、薬物または液体の注入も、一般に、非常に正確に制御されなければならない。
-急性患者は、また、非常に弱く、したがって、急性患者の処理の過程において、血液ラインに接続された各ラインにおける流量に関する非常に正確な制御を用いて、処理中に患者に継続的かつ穏やかな治療が確実に遂行されるようにすることが重要であると考えられてきた。
-さらに、装置は、しばしば緊急時に操作する必要があるため、したがって、急性期の処理のための装置は、非常に簡単なセットアップ手順によって特徴づけられるべきである。
【0007】
患者のためのいくつかの処理は、血液が数日間またはさらには数週間にわたって処理される非常に長い手順を伴いうる、これは、持続的腎代替療法CRRTの場合であり、血液処理装置が数日間連続して操作されうる。治療が持続的腎代替のためであるか、または、急性または慢性の患者のためであるかに関わらず、処理がまだ完了していないときに、患者が装置から切り離される必要がありうる場合がありうる。これは、例えば、患者が腎臓ユニットルームの外で行われる医学的検査を受けなければならない場合、または、血管アクセスに対する介入が突然実施されなければならない場合である。血液処理装置と血液回路ラインとの接続を切り離して再接続するには、患者からこれらのライン、特に、血液回路装置の端部に配された静脈コネクタおよび動脈コネクタから切り離す必要がある(例えば、患者は、瘻に挿入されたそれぞれの静脈および動脈の針から切り離される-慢性治療、または、患者に固定されたカテーテルから切り離される-急性治療)。
【0008】
このような一時的な切り離しは、少なくとも以下の理由のために重要である。血液処理装置の血液回路の切り離しおよび再接続は、無菌状態で行われなければならず、これは、典型的には無菌ではない、装置の制御ユニットと相互作用しえない有資格のオペレータを必要とする。装置の血液回路内の停滞した血液は凝固しうる、そのため、血液処理装置は、患者の安全性を損なわないように、非常に短い時間、非作動のままにされなければならない。一方、治療の一時的な中断の間の使い捨て回路の完全な置換は、少なくとも経済的な理由のために回避されるべきであり、この後者の場合、使い捨て回路の置換は、各単一の処理に対して著しく高いコストを意味する。
【0009】
米国特許9713670号明細書は、血液処理装置の使用によって患者の血液の体外処理を一時的に中断するための方法を開示している。この方法は、血液治療装置を、血液治療セッションを継続する意図をもって、患者の血液治療セッションを中断できる状態にするように構成された制御装置を作動させることを含む。血液ラインの端部は、患者から切り離され、「Y」コネクタを介して同じ生食バッグに接続される。次いで、液体は、血液回路内で再循環される。
【0010】
米国特許出願公開第2009/221949号明細書は、患者の身体の部分循環隔離および治療のための装置を記載している。ポンプが液体を加熱器および酸素供給器ユニットに送るために、静脈リザーバから液体を吸引する。酸素供給器ユニットの出口は、第1動脈Yコネクタに接続される。第1動脈Yコネクタのメインストリームの出口は、動脈幹導管を介して患者の動脈カテーテルに接続される。静脈側では、静脈カテーテルを介して患者から来る血液または液体が、静脈フロント導管および静脈Yコネクタを通過する。静脈Yコネクタのシャントの入口は、シャント導管の手段によって第1動脈Yコネクタのシャントの出口に接続される。メインストリームの出口は、一体化されたフィルタによって静脈リザーバに接続される。コネクタの第3ポートは、収集バッグ159に液体を送ることができる。
【0011】
米国特許6913588号明細書は、既存の血液濾過システムにインライン接続された体外回路を示している。血液濾過システムは、血液ポンプが設けられた導管内の患者の静脈接続部から現れる。血液凝固を防ぎ、老廃物として失われた血液量を置換するために、抗凝固剤および置換液がポンプで導管に注入される。血液は、限外濾液が血液から分離される血液フィルタに入る。濾過後、血液は、シャントおよび導管を通って、血液ラインに沿って血液フィルタから出て、患者の動脈系に戻る。限外濾液は、限外濾液導管を通って限外濾液ポートで血液フィルタから出る。
【0012】
米国特許5630946号明細書は、患者からの血液を含む白血球を容器に通し、白血球を除去するためのフィルターアセンブリを含む再循環ループを介して容器から体液の一部を通し、白血球が減少した血液の一部を容器に移動させることによって、体外回路で血液から白血球を除去する方法を開示し、追加の血液が容器内の白血球が減少した血液と混合された混合物を提供し、次いで、混合物の一部を患者に送りながら、混合物の別の部分を再循環ループに通すように、追加の血液が患者から容器内に移される。
【0013】
本開示の実施形態の目的は、集中治療に特に適切な血液の体外処理のための使い捨て回路を提供することであるが、血液処理の実行中に患者が装置から迅速かつ安全に一時的に切り離されるのを助ける慢性治療用途にも適した使い捨て回路を提供することである。
【0014】
さらに、本開示の実施形態の目的は、使用するのに経済的に便利な、血液の体外処理のための使い捨て回路である。
【0015】
本開示の実施形態のさらなる目的は、患者が装置から一時的に切り離されている間、装置内に静止している液体の液体管理のエラーを防止する血液の体外処理のための使い捨て回路である。
【0016】
本開示の実施形態のさらなる目的は、患者が治療機械に再接続されるときの、装置への患者の安全な再接続、および、装置内に依然として存在する液体および/または血液の患者の循環装置への安全な再導入を可能とする血液の体外治療のための使い捨て回路である。
【0017】
本開示の実施形態のさらなる目的は、患者が装置から切り離されたときに、その中に依然として存在する血液の停滞を防止し、および/または、凝固のリスクを低減する構成で構成可能である使い捨て回路を提供することである。
【発明の概要】
【0018】
上述の目的の少なくとも1つは、以下の態様による使い捨て回路によって実質的に達成される。
【0019】
使い捨て回路は、可能な場合、任意の組み合わせで互いに組み合わせられうる以下の態様に従って開示される。したがって、態様の依存関係は、厳密に限定することを意図するものではない。
【0020】
第1態様によると、血液の体外処理のための使い捨て回路が開示され、
-濾過ユニット(2)であって、具体的には、半透膜(5)によって分離された一次チャンバ(3)および二次チャンバ(4)を有する濾過ユニット(2)と、
-濾過ユニット(2)の、具体的には一次チャンバ(3)の入口に接続された第1端部を有する脱血ライン(6)と、濾過ユニット(2)の、具体的には一次チャンバ(3)の出口に接続された第1端部を有する返血ライン(7)と、を備え、脱血ライン(6)および返血ライン(7)は、患者の心血管系に接続されるように設計された血液回路(6、7)であって、
脱血ライン(6)は、動脈コネクタ(40)が設けられた第2端部を有し、返血ライン(7)は、静脈コネクタ(41)が設けられた第2端部を有し、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)は、患者の血管アクセスデバイスに着脱可能に接続されるように設計され、血液回路は、血液回路(6、7)内の流れを制御するための血液ポンプ(11)と繋ぎ合わされるように構成される、血液回路(6、7)と、
-任意で、二次チャンバ(4)の出口に接続された排出液ライン(13)と、
-血液回路(6、7)に接続された少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)であって、使い捨て回路は、血液回路(6、7)上または少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上の何れかに配された少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)をさらに備え、少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、血液回路内の液体の再循環を可能にする閉回路を画定するように、再循環構成で動脈コネクタ(40)と静脈コネクタ(41)との間の少なくとも一方のコネクタと取り外し可能に接続されるように構成され、
使い捨て回路は、任意で、血液回路上または少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上の何れかに配された第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)をさらに備え、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、閉回路を画定するように、一方が動脈コネクタ(40)および他方が静脈コネクタ(41)に、取り外し可能に接続されるように構成される、少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)と、
を備える。
【0021】
この第1態様は、例えば、HFおよびHDFなどの透析処理および局所的抗凝固療法を含む処理、または、液体注入による血液潅流処理を実施するための装置を対象とする(ただし、これらに限定されない)。さらに、この第1態様は、注入を伴うECCO2Rのための構成、すなわち、血液から余分なCO2を除去するために血液ライン上に配される酸素供給器の使用にも関連しうる。
【0022】
別の独立した態様による血液の体外処理のための使い捨て回路は、
-濾過ユニット(2)と、
-濾過ユニット(2)の入口に接続された第1端部を有する脱血ライン(6)と、濾過ユニット(2)の出口に接続された第1端部を有する返血ライン(7)と、を備え、脱血ライン(6)および返血ライン(7)は、患者の心血管系に接続されるように設計された血液回路(6、7)であって、
脱血ライン(6)は、動脈コネクタ(40)が設けられた第2端部を有し、返血ライン(7)は、静脈コネクタ(41)が設けられた第2端部を有し、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)は、患者の血管アクセスデバイスに着脱可能に接続されるように設計され、血液回路は、血液回路(6、7)内の流れを制御するための血液ポンプ(11)と繋ぎ合わされるように構成される、血液回路(6、7)と、
-血液回路(6、7)上に配された少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)であって、少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、血液回路内の液体の再循環を可能にする閉回路を画定するように、再循環構成で動脈コネクタ(40)と静脈コネクタ(41)との間の少なくとも一方のコネクタと取り外し可能に接続されるように構成され、
使い捨て回路は、任意で、血液回路上に配された第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)をさらに備え、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、閉回路を画定するように、一方が動脈コネクタ(40)および他方が静脈コネクタ(41)に、取り外し可能に接続されるように構成される、少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と、
を備える。
【0023】
この追加の態様は、例えば、HDなどの血液回路への注入を伴わない透析処理、または、注入を伴わない血液潅流処理を実施するための装置を対象にする(ただし、これらに限定されない)。さらに、このさらなる態様は、注入を伴わないECCO2Rのための構成、すなわち、血液から余分なCO2を除去するために血液ライン上に配される酸素供給器の使用にも関連しうる。
【0024】
前の態様に応じたさらなる態様によると、使い捨て回路は、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)が、患者の血管アクセスデバイスに取り外し可能に接続され、血液が、脱血ライン(6)を通り患者から抜き出され、濾過ユニット(2)を通り循環し、返血ライン(7)を通り患者に戻されうる処理構成と、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)のうち一方が、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)のうち一方に取り外し可能に接続され、任意で、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)のうち他方が、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)のうち他方に取り外し可能に接続される再循環構成であって、再循環構成において、血液回路(6、7)内に含まれる液体は、使い捨て回路の内部で再循環されうる再循環構成と、の間で可逆的に構成可能である。
【0025】
前の態様の何れか1つに応じた第2態様によると、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)、任意で第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との両方は、静脈コネクタ(41)または動脈コネクタ(40)の何れかの切り離し可能ポート(72)に対応して接続されるように構成された少なくとも1つの切り離し可能ポート(70、70a)を備える。
【0026】
切り離し可能ポートは、別のコネクタの対応する切り離し可能ポートとの取り外し可能な接続を可能にするコネクタの入口または出口を指す。ルアー(Luer)ロックデザインは、取り外し可能な接続の一例であり、第1コネクタの一方の切り離し可能ポートは、第2コネクタのその嵌合テーパ状のキャビティ上に滑り込むように構成されたテーパ状の円錐であってもよく、第2コネクタの他方の切り離し可能ポートは、一体化されたロックねじ山を有する嵌合テーパ状のキャビティである。
【0027】
態様2に応じた第3態様によると、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との間の少なくとも一方のコネクタ、任意で第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との両方は、切り離し可能ポート(72)、静脈コネクタ(41)または動脈コネクタ(40)に接続されるように構成された切り離し可能ポート(70)を備える3ポートコネクタである。
【0028】
態様1~2のうち1つ以上に応じた第4態様によると、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、それぞれ静脈コネクタ(41)または動脈コネクタ(40)のそれぞれの切り離し可能ポート(72)に接続されるように構成される、第1切り離し可能ポート(70)および第2切り離し可能ポート(70a)を備える4ポートコネクタである。
【0029】
態様2または3または4の何れかに応じた第5態様によると、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との間の少なくとも一方のコネクタ、任意で、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との両方は、
-チューブ部に固定された第1切り離し不可能サービスポート(71)、任意で、それぞれのチューブ部に固定された第1切り離し不可能サービスポート(71)および第2切り離し不可能サービスポート(71)と、
-少なくとも1つの切り離し可能ポート(70)と、
を備える。
【0030】
態様4に応じた第6態様によると、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、チューブ部、第1切り離し可能ポート(70)および第2切り離し可能ポート(70a)に固定された第1切り離し不可能サービスポート(71)および第2切り離し不可能サービスポート(71)を備え、それぞれのチューブ部に固定された第1切り離し不可能サービスポート(71)および第2切り離し不可能サービスポート(71)は、第1補助コネクタが固定された液体ライン(15、21、25、42、42a)のそれぞれの部分に取り外し不可能に接続されるように構成される。
【0031】
態様1~2のうち1つ以上に応じた第7態様によると、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との間の少なくとも一方のコネクタは、動脈コネクタ(40)または静脈コネクタ(41)と着脱可能に接続するように構成された切り離し可能ポート(70)が設けられた端部コネクタである。
【0032】
態様2~7に応じた第8態様によると、少なくとも第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)または第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、「Y」字形または「T」字形コネクタであり、および/または、ルアータイプコネクタであり、および/または、少なくともその第1切り離し可能ポート(70)が別のコネクタからの切り離し時に液体漏れを防止し、静脈コネクタ(41)または動脈コネクタ(40)に接続されたときに液体通路を可能にするように自動的に開くように構成される、セルフシールコネクタである。
【0033】
先行する態様の1つ以上に応じた第9態様によると、
-少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)の少なくとも1つの切り離し可能ポート(70、70a)、および、動脈コネクタ(40)または静脈コネクタ(41)の少なくとも1つの切り離し可能ポート(72)は、第1雄タイプまたは第2雌タイプの何れかであってもよく、第1雄タイプは、第2雌タイプに少なくとも部分的に導入されるように構成され、
-動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)の両方は、第1タイプの切り離し可能ポート(72)を備えるコネクタである、または、代わりに、
-動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)の両方は、第2タイプの切り離し可能なポート(72)を備える。
【0034】
態様9に応じた第10態様によると、
-第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、両方とも雄タイプまたは両方とも雌タイプの少なくとも1つの着脱可能ポート(70)を有する。
【0035】
先行する態様の1つ以上に応じた第11態様によると、1つ以上の液体ライン(15、21、25、42、42a)は、任意で、切り離し不可能コネクタ、好ましくは、3ウェイ一体型コネクタの介在を介して、血液回路に直接接続される。
【0036】
先行する態様の1つ以上に応じた第12態様によると、1つ以上の液体ライン(15、21、25、42、42a)は、以下のライン、
-脱血ライン(6)に直接接続された血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)、
-脱血ライン(6)に直接接続された血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)、
-返血ライン(7)に直接接続された希釈後液体ライン(25)、
のうちの1つ以上を備える。
【0037】
前の態様の1つ以上に応じた第13態様によると、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、血液回路(6、7)上に配される。
【0038】
前の態様の1つ以上に応じた第14態様によると、第1補助コネクタ(51、53、55)は、脱血ライン(6)上に配される。
【0039】
前の態様1~13のうちの1つ以上に応じた第15態様によると、第1補助コネクタ(57、59)は、返血ライン(7)上に配される。
【0040】
前の態様1~12のうちの1つ以上に応じた第16態様によると、第1補助コネクタ(51)は、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)上に配される。
【0041】
前の態様1~12のうちの1つ以上に応じた第17態様によると、第1補助コネクタ(53)は、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配される。
【0042】
前の態様1~12のうちの1つ以上に応じた第18態様によると、第1補助コネクタ(57)は、希釈後液体ライン(25)上に配される。
【0043】
前の態様の1つ以上に応じた第19態様によると、第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、血液回路(6、7)上に配される。
【0044】
前の態様の1つ以上に応じた第20態様によると、第2補助コネクタ(50、52、54、58)は、脱血ライン(6)上に配される。
【0045】
前の態様の1つ以上に応じた第21態様によると、第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、返血ライン(7)上に配される。
【0046】
前の態様1~18のうちの1つ以上に応じた第22態様によると、第2補助コネクタ(50)は、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)上に配される。
【0047】
前の態様1~18のうちの1つ以上に応じた第23態様によると、第2補助コネクタ(52)は、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配される。
【0048】
前の態様1~18のうちの1つ以上に応じた第24態様によると、第2補助コネクタ(56)は、希釈後液体ライン(25)上に配される。
【0049】
前の態様1~12のうちの1つ以上に応じた第25態様によると、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)内に配される。
【0050】
前の態様1~12のうちの1つ以上に応じた第26態様によると、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)内に配される。
【0051】
前の態様1~12のうちの1つ以上に応じた第27態様によると、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、希釈後液体ライン(25)内に配される。
【0052】
前の態様1~12のうちの1つ以上に応じたさらなる態様によると、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、血液回路上に配され、例えば、脱血ライン上に第1補助コネクタおよび血液回収ライン上に第2補助コネクタである、または、代わりに、両方の補助コネクタが脱血ライン(6)上に配される。
【0053】
前の態様の1つ以上に応じた第28態様によると、血液回路に接続された少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)は、少なくとも1つの補助ライン(42、42a)を備える。
【0054】
前の態様1~12、28のうちの1つ以上に応じた第29態様によると、第1補助コネクタ(55)は、少なくとも1つの補助ライン(42、42a)上に配される。
【0055】
前の態様1~12、28、29のうちの1つ以上に応じた第30態様によると、第2補助コネクタ(54)は、少なくとも1つの補助ライン(42、42a)上に配される。
【0056】
前の態様28~30のうちの1つ以上に応じた第31態様によると、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、同じ単一の補助ライン(42)上に取り付けられ、補助液体ライン(42)は、液体ポンプが動作する自らの液体ポンプ路を任意で備え、任意で、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、他方に対して一方が上流に取り付けられる。
【0057】
前の態様1~31のうちの1つ以上に応じた第32態様によると、血液ポンプ(11)の作用を受けるように構成された血液ポンプ路は、入口ポートおよび出口ポートを備え、抜き出しライン(6)は、血液ポンプ路の入口ポートの上流かつ動脈コネクタ(40)の下流に位置する第1部分(6a)と、血液ポンプ路の出口ポートの下流かつ一次チャンバ(3)の入口の上流に位置する第2部分とを備える。
【0058】
態様17および32に応じた第33態様によると、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)の第1補助コネクタ(53)は、脱血ライン(6)の第1部分(6a)に直接、液体連通するポートを備える。
【0059】
態様33に応じた第34の態様によると、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)は、動脈コネクタ(40)の下流の血液回路への液体投与を可能にするように構成され、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)は、例えば、抗凝固薬溶液(例えば、クエン酸塩溶液)を含む容器を任意で含み、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)は、当該容器に接続される。
【0060】
第34態様に応じた第35態様になると、液体ラインは、
-任意で自らの液体ポンプを備える第1補助ライン(42)と、
-任意で自らの液体ポンプを備える第2補助ライン(42a)と、
を備え、
第1補助ライン(42)に第1補助コネクタが取り付けられ、第2補助ライン(42a)に第2補助コネクタが取り付けられる。
【0061】
前の態様の1つ以上に応じた第36態様によると、使い捨て回路は、再循環中に液体の流れの分布を均一にするように構成された少なくとも1つの第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)をさらに備え、少なくとも1つの第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)は、血液回路上または少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上に配され、少なくとも1つの第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)は、再循環中に2つの接続された分岐チューブ部のそれぞれの液体のフロー抵抗を均一にするように構成される。
【0062】
態様36に応じた第37態様によると、少なくとも1つの第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)は、2つの接続された分岐チューブ部のうちの1つに配され、任意で、2つの接続された分岐チューブ部は、液体ライン(15、21、25、42、42a)の少なくとも1つの部分と、血液回路(6、7)の少なくとも1つの部分と、を備える。
【0063】
態様36および態様37に応じた第38態様によると、少なくとも1つの第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)は、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)のうち少なくとも1つの下流に取り付けられ、任意で、少なくとも1つの第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)は、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)の下流および第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)の下流、かつ、一次チャンバ(3)の入口と直接接続する液体ラインの部分に取り付けられ、好ましくは、血液ポンプ(11)の出口とも直接接続する。
【0064】
下流は、ここでは治療中の置換液の注入前の注入液の方向に関して意図されている。具体的には、第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)は、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタの下流の血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)上に配される(
図6参照)。
【0065】
前の態様の1つ以上に応じた第39態様によると、液体ライン(15、21、25、42、42a)のうち少なくとも1つは、フロー調節アクチュエータ、具体的には、それぞれの液体ライン内の液体の流れを調整するように構成された液体ポンプ(18、22、27)に結合されるように構成される。
【0066】
態様12および39に応じた第40態様によると、
-脱血ライン(6)に接続された血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)は、希釈前液体ライン(15)を通る液体の流れを調節するための少なくとも1つの注入ポンプ(18)に結合されるように構成された液体ポンプチューブセクションを有し、
-返血ラインに接続された希釈後液体ライン(25)は、希釈後液体ラインを通る流れを調節するための少なくとも1つの注入ポンプ(27)に結合されるように構成された液体ポンプチューブセクションを有し、
-脱血ライン(6)に接続された血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)は、血液ポンプ前注入ラインを通る流れを調節するための少なくとも1つの血液注入前ポンプ(22)に結合されるように構成された液体ポンプチューブセクションを有する。
【0067】
第40態様に応じた第41態様によると、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との間の少なくとも一方のコネクタは、それぞれの注入液体ライン(15、21、25)の液体ポンプチューブセクションの下流に配され、具体的には、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、それぞれの液体ライン(15、21、25)の液体ポンプ(18、22、27)の下流に配される。
【0068】
前の態様の1つ以上に応じた第42態様によると、
-第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、具体的には、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)のポートと動脈コネクタ(40)との間の直接接続を通して、または、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)のポートと動脈コネクタ(40)とを接続するラインの一部を通して、動脈コネクタ(40)に接続可能であり、
-第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、具体的には、第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)のポートと動脈コネクタ(40)との間の直接接続を通して、または、第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)のポートと静脈コネクタ(41)とを接続するラインの一部を通して、静脈コネクタ(41)に接続可能である。
【0069】
前の態様の1つ以上に応じた第43態様によると、使い捨て回路は、空気分離器、具体的には、気泡トラップ(8)を備え、空気分離器は、一次チャンバ(3)の出口の下流に、一次チャンバ(3)の出口と静脈コネクタ(41)との間の返血ライン(7)の部分に配され、液体ライン(15、21、25、42、42a)のうちの少なくとも1つ、好ましくは、すべての液体ライン(15、21、25、42、42a)は、空気分離器の上流または空気分離器において、すなわち、動脈コネクタ(40)と空気分離器との間で血液回路(6、7)に接続する。
【0070】
前の態様の1つ以上に応じた第44態様によると、回路は、返血ライン(7)上で動作し、制御ユニット(10)によって制御されるように構成された安全クランプ(9)をさらに備え、少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)は、安全クランプ(9)の上流に配され、任意で、すべての液体ライン(15、21、25、42、42a)は、動脈コネクタ(40)と安全クランプ(9)との間で安全クランプ(9)の上流に配される。
【0071】
態様44に応じた第45態様によると、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との間の少なくとも一方のコネクタは、安全クランプ(9)の上流に配され、任意で、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、両方とも安全クランプ(9)の上流に配される。
【0072】
態様42および44に応じた第46態様によると、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との間の少なくとも一方のコネクタは、一次チャンバ(3)の出口と静脈コネクタ(41)との間に含まれる返血ライン(7)の一部において、安全クランプ(9)の下に配され、任意で、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、安全クランプ(9)の上流に配され、第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、安全クランプ(9)の下流に配される。
【0073】
態様12に応じた第47態様によると、使い捨て回路は、血液ポンプ後希釈前ライン(15)の入口、または、希釈後液体ライン(25)の入口、または、血液ポンプ前希釈ライン(21)の入口に接続された少なくとも1つの注入液容器(16、23、26)をさらに備え、任意で、血液ポンプ後希釈前ライン(15)の入口に接続された第1注入液容器(16)、希釈後液体ライン(25)の入口に接続された第2注入液容器(26)、および、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)の入口に接続された第3注入液容器(23)を備える。
【0074】
態様43に応じた場合の前の態様のいずれかに応じた第48態様によると、使い捨て回路は、血液回路(6、7)内の1つまたは複数の気泡の存在を検出するように構成された気泡センサ(8a)とインターフェースし、気泡センサ(8a)は、制御ユニット(10)に動作可能に接続されるように構成され、少なくとも1つまたは複数の気泡が血液回路(6、7)内で検出された場合に所定の信号を制御ユニット(10)に送信するように構成される。
【0075】
態様44および48に応じた第49態様によると、気泡センサ(8a)は、気泡トラップ(8)に関連付けられる、または、気泡トラップ(8)とクランプ(9)との間の返血ライン(7)の一部に結合され、
具体的には、気泡センサ(8a)は、クランプ(9)を閉鎖させるために、少なくとも1つ以上の気泡が検出された場合に所定の信号を制御ユニット(10)に送信するように構成される。
【0076】
前の態様の1つ以上に応じたさらなる態様によると、使い捨て回路は、急性フィールドにおける血液の体外処理のための装置で使用するためのCRRT使い捨て回路である。
【0077】
前の態様の1つ以上に応じたさらなる態様によると、使い捨て回路は、二次チャンバ(4)の入口に取り外し不能に接続された使い捨て透析液ライン(19)と、二次チャンバ(4)の出口に取り外し不能に接続された使い捨て排出液ライン(13)と、を含むCRRT使い捨て回路である。
【0078】
前の態様の1つ以上に応じた第50態様によると、使い捨て回路は、二次チャンバ(4)の入口に接続された透析液ライン(19)をさらに備える。
【0079】
第50態様に応じた第51態様によると、使い捨て回路は、透析液ライン(19)の端部に設けられ、その中に含まれる液体を二次チャンバ(4)の入口に送達するように構成された透析液容器(20)をさらに備え、
任意で、
-使い捨て回路は、透析液ライン(19)上に配され、その上で透析液ポンプ(17a)が動作すると、透析液容器(20)から二次チャンバ(4)の入口への液体の供給を強制する透析液ポンプ路をさらに備える。
【0080】
態様50または51に応じた第52態様によると、排出液ライン(13)の端部に設けられ、二次チャンバ(4)の出口から抽出された液体を収集するように構成された排出液容器(14)をさらに備え、
使い捨て回路は、任意で、排出液ライン(13)上に配され、その上に排出液ポンプ(17)を設け、二次チャンバ(4)の出口から排出液容器(14)への液体の抜き出しを強制する排出液ポンプ路をさらに備える。
【0081】
先行する態様の1つ以上に応じた第53態様によると、再循環構成において、液体は、動脈コネクタ(40)から一次チャンバ(3)を通って静脈コネクタ(41)へ、または、脱血ライン(6)の第2端部から脱血ライン(6)の第1端部へおよび返血ライン(7)の第1端部から返血ライン(7)の第2端部へ流れる。
【0082】
先行する態様の1つ以上に応じた第54態様によると、少なくとも1つの注入液体ライン(15、21、25、42、42a)は、血液回路(6、7)に接続された、具体的には直接接続された第1端部と、第1端部と反対側の第2端部とを備え、使い捨て回路は、再循環構成とは異なる処理構成を含み、当該処理構成において、体外血液処理が行われ、当該処理構成において、少なくとも1つの注入液体ライン(15、21、25、42、42a)において第2端部から第1端部に液体が流れる。
【0083】
態様12および16に応じた第55態様によると、再循環構成において、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)上に配された第1補助コネクタ(51)は、静脈コネクタ(41)に接続され、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)上に配された第2補助コネクタ(50)は、動脈コネクタ(40)に接続される。
【0084】
態様12および16に応じた第56態様によると、再循環構成において、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)上に配された第1補助コネクタ(51)は、動脈コネクタ(40)に接続され、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)上に配された第2補助コネクタ(50)は、静脈コネクタ(41)に接続される。
【0085】
態様12および17に応じた第57態様によると、再循環構成において、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配された第1補助コネクタ(53)は、動脈コネクタ(40)に接続され、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配された第2補助コネクタ(50)は、静脈コネクタ(41)に接続される。
【0086】
態様12および17に応じた第58態様によると、再循環構成において、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配された第1補助コネクタ(53)は、静脈コネクタ(41)に接続され、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配された第2補助コネクタ(50)は、動脈コネクタ(40)に接続される。
【0087】
態様12および18に応じた第59態様によると、再循環構成において、希釈後液体ライン(25)上に配された第1補助コネクタ(57)は、動脈コネクタ(40)に接続され、希釈後液体ライン(25)上に配された第2補助コネクタ(56)は、静脈コネクタ(41)に接続される。
【0088】
態様12および18に応じた第60態様によると、再循環構成において、希釈後液体ライン(25)上に配された第1補助コネクタ(57)は、静脈コネクタ(41)に接続され、希釈後液体ライン(25)上に配された第2補助コネクタ(56)は、動脈コネクタ(40)に接続される。
【0089】
態様12、15および20または21に応じた第61態様によると、再循環構成において、血液回路(6、7)上、具体的には、返血ライン(7)上に配された第1補助コネクタ(59)は、動脈コネクタ(40)に接続され、血液回路(6、7)上、具体的には、脱血ライン(6)上に配された第2補助コネクタ(58)は、静脈コネクタ(41)に接続される。
【0090】
態様12および59、または、態様12および60に応じた第62態様によると、少なくとも1つの第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)が、希釈後液体ライン(25)上に配される。
【0091】
態様12および55、または、態様12および56に応じた第63態様によると、少なくとも1つの第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)が、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)上に配される。
【0092】
態様12および57、または、態様12および58に応じた第63の2態様によると、少なくとも1つの第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)が、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配される。
【0093】
前の1つ以上の態様に応じた第64態様によると、使い捨て回路は、少なくとも血液回路(6、7)内の液体(たとえば、血液)の流量を決定するための少なくとも1つのセンサを備える。
【0094】
前の態様の1つ以上に応じたさらなる態様によると、第1補助コネクタと第2補助コネクタとは、別々のコネクタである。代わりに、第1補助コネクタと第2補助コネクタとは、単一部品(例えば、2つはそれぞれのチューブ部に取り外し不可能に接続され、残りの2つはそれぞれ第1補助コネクタおよび第2補助コネクタに接続するための、4ウェイを有するコネクタ)として作製されてもよい。
【0095】
第65態様において、本発明によると、慢性患者のための血液の体外処理のための装置における、態様1~64の1つ以上に応じた使い捨て回路の使用が開示される。
【0096】
第66態様において、本発明によると、急性患者のための血液の体外処理のための装置における、先行する請求項の1つ以上に応じた使い捨て回路の使用が開示される。
【0097】
第67の態様において、本発明によると、態様1~64の1つ以上による使い捨て回路を備える血液の体外処理のための装置が開示され、装置は、血液回路(6、7)内の血液の流れを少なくとも制御するように構成された血液ポンプ(11)をさらに備える。
【0098】
第67の2態様において、態様1~64の1つ以上による使い捨て回路を備える装置が提供され、装置は、制御ユニット(10)と、血液回路(6、7)内の血液の流れを制御するように構成された血液ポンプ(11)と、をさらに備え、
制御ユニットは、
-患者の切り離しの前に血液ポンプ(11)を停止し、
-血液回路(6、7)内の液体の再循環の作動のコマンドを受信し、
-使い捨て回路が再循環構成にあるとき、少なくとも血液ポンプ(11)を作動させて、血液回路(6、7)内の液体を再循環させる、
ように構成される。
【0099】
態様67に応じた第68の態様によると、装置は、少なくとも1つのフロー調節アクチュエータ、具体的には、注入ライン(15、21、25)のうちの少なくとも1つのための液体ポンプ(18、22、27)をさらに備え、任意で、1つ以上の以下のライン、
-脱血ライン(6)に接続された血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)、ここで、装置は、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)を通る液体の流れを調節するための少なくとも1つの注入ポンプ(18)を備える、
-返血ラインに接続された希釈後液体ライン(25)、ここで、装置は、希釈後液体ライン(25)を通る流れを調節するための少なくとも1つの注入ポンプ(27)を備える、
-脱血ライン(6)に接続された血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)、ここで、装置は、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)を通る流れを調節するための少なくとも1つの血液注入前注入ポンプ(22)を備える、
が存在する。
【0100】
態様67に応じた第68の2態様によると、再循環構成において、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、動脈コネクタ(40)または静脈コネクタ(41)の何れかと直接接続され、第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)の他方と直接接続され、制御ユニット(10)は、再循環構成に使い捨て回路を維持するように構成され、再循環中、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)または第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)に入る液体の全流量が、別々の部分流量に分割されるか、または、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)または第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)に入る液体の2つの部分流量が統合され、全流量として流出するか、の何れかである。
【0101】
態様67または68に応じた第69態様によると、血液ポンプ(11)、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)の注入ポンプ(18)、希釈後液体ライン(25)の注入ポンプ(27)、血液ポンプ後希釈前注入ライン(21)の血液前注入ポンプ(22)、透析ポンプ(21)、排出液ポンプ(17)のうちの少なくとも1つは、装置に固定して取り付けられた蠕動ポンプであり、そのアクチュエータは、直接作用する、具体的には、それぞれのラインのポンプ路上の圧縮を通して、液体の動きを強制するように構成される。
【0102】
態様67~69の1つ以上および態様47に応じた第70態様によると、装置は、以下のグループから選択される少なくとも1つのスケール、
-第1液体容器(16)から供給される液体の量に対する重量情報を提供するように動作する第1スケール(34)、
-第2液体容器(23)から供給される液体の量に対する重量情報を提供するように動作する第2スケール(36)、
-第3液体容器(26)から供給される液体の量に対する重量情報を提供するように動作する第3スケール(37)、
-排出液容器(14)内に収集された液体の量に対する重量情報を提供するように動作する排出スケール(33)、
-透析液容器(20)によって供給される液体の量に対する重量情報を提供するように動作する透析スケール(20)、
をさらに備える。
【0103】
態様67~70の1つ以上に応じた第71態様によると、装置は、血液の少なくとも1つの第1動作構成を備える制御ユニット(10)をさらに備え、血液の第1動作構成は、
-排出ライン(13)を通る液体の流量(Qeff)、少なくとも1つの注入液体ライン(15、21、25、42、42a)を通る液体の流量(Qpre、Qpbp、Qpost)、任意で、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)、希釈後液体ライン(25)、透析液液体ライン(19)を通る液体の流量(Qdial)、患者からの液体の抜き出し速度(Qpfr)、血流量(Qb)を含むグループから選択された1つ以上の液体の流量を受信または計算する、
ように構成される。
【0104】
態様71に応じた第72態様によると、制御ユニット(10)は、血液ポンプ(11)、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)の注入ポンプ(18)、希釈後液体ライン(25)の注入ポンプ(27)、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)の血液注入前ポンプ(22)、透析ポンプ(17a)、排出液ポンプ(17)のうちの少なくとも1つを作動させて、所定のまたは計算された流量を送達するように構成される。
【0105】
態様71または72および68に応じた第73態様によると、制御ユニット(10)は、
-血液回路(6、7)内の一時的な液体の再循環の作動のコマンドを受信し、
-血液回路(6、7)を通る再循環の流量の少なくとも1つの値を設定し、
-再循環構成にあるときに、少なくとも血液ポンプ(11)を作動させて、血液回路(6、7)内の液体を再循環させる、
ことを含む第2動作構成を備え、
-第2動作構成は、第1動作構成が中断され、少なくとも血液ポンプ(11)、任意で、血液ポンプ(11)、希釈前液体ライン(15)の注入ポンプ(18)、希釈後液体ライン(25)の注入ポンプ(27)、血液ポンプ前注入ライン(21)の血液注入前ポンプ(22)を停止することによって、血液回路(6、7)内の液体の流量が、少なくとも瞬間的にゼロに減少した後に行われる。
【0106】
第71~73態様の1つ以上に応じた第74態様によると、制御ユニット(10)は、再循環のための血液ポンプ(11)の作動を可能にする前に、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)の切り離しの電子的な確認を取得するように構成される。
【0107】
態様63~74の1つ以上に応じた第75態様によると、装置は、血液回路(6、7)を通る液体の流れを可能にする少なくとも1つの開構成と、血液回路(6、7)を通る液体の流れを止める閉構成と、を備える、血液回路(6、7)上に固定して配された安全クランプ(9)をさらに備え、任意で、安全クランプ(9)は、電子制御式安全クランプ(9)である。
【0108】
態様75に組み合わされたときの態様72、73、74の1つ以上に応じた第76態様によると、安全クランプ(9)は、制御ユニット(10)に動作可能に接続され、第1動作構成および第2動作構成において、安全クランプ(9)は、その開構成の永続性を引き起こす制御信号を受信する、または、開構成にあり、第1動作構成と第2動作構成との間で切り換わるとき、安全クランプ(9)は、それを閉構成に構成する制御信号を受信する。
【0109】
前の態様の何れかに応じた第77態様によると、動作/処理構成において、少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)、任意で、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)に接続されず、動作/治療構成に代わる再循環構成において、少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、動脈コネクタ(40)または静脈コネクタ(41)に接続され、任意で、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、動脈コネクタ(40)と静脈コネクタ(41)との間の一方のコネクタに直接接続され、第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、動脈コネクタ(40)と静脈コネクタ(41)との他方に直接接続される。
【0110】
態様68およびそれに応じた任意の態様に応じた第78態様によると、少なくとも血液ポンプ(11)、または、血液ポンプ前希釈注入ライン(15)の注入ポンプ(18)、または、希釈後液体ライン(25)の注入ポンプ(27)、または、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)の血液前注入ポンプ(22)、または、透析ポンプ(17a)、または、排出液ポンプ(17)は、閉塞ポンプ、任意で、蠕動ポンプである。
【0111】
第79態様によると、使い捨て回路における血流再循環の方法がここに開示され、使い捨て回路は、
-濾過ユニット(2)と、
-濾過ユニット(2)の入口に接続された第1端部を有する脱血ライン(6)と、濾過ユニット(2)の出口に接続された第1端部を有する返血ライン(7)と、を備え、脱血ライン(6)および返血ライン(7)は、患者の心血管系に接続されるように設計された血液回路(6、7)であって、
脱血ライン(6)は、動脈コネクタ(40)が設けられた第2端部を有し、返血ライン(7)は、静脈コネクタ(41)が設けられた第2端部を有し、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)は、患者の血管アクセスに着脱可能に接続されるように設計され、血液回路は、血液回路(6、7)内の流れを制御するための血液ポンプ(11)と繋ぎ合わされるように構成される、血液回路(6、7)と、
を備え、
方法は、以下のステップ、
-血液回路上で作動する血液ポンプ(11)を停止することと、
-動脈コネクタ(40)を患者の心血管系へのアクセスから切り離すことと、
-静脈コネクタ(41)を患者の心血管系へのアクセスから切り離すことと、
-血液回路(6、7)上に配された、または、少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上に配された少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)を動脈コネクタ(40)または静脈コネクタ(41)に接続することによって、再循環構成における使い捨て回路を構成することであって、接続後に、液体再循環を可能にする閉回路が画定され、任意で、再循環構成における使い捨て回路を構成するステップは、血液回路上または少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上に配された第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)を動脈コネクタ(40)または静脈コネクタ(41)の他方に接続することを含むことと、
を含む。
【0112】
第80態様によれば、血液の体外処理のための装置から患者を一時的に切り離す方法がここに開示され、装置は、
-半透膜(5)によって分離された一次チャンバ(3)および二次チャンバ(4)を任意で有する濾過ユニット(2)と、
-濾過ユニット(2)、例えば、一次チャンバ(3)の入口に接続された第1端部を有する脱血ライン(6)と、濾過ユニット(2)、例えば、一次チャンバ(3)の出口に接続された第1端部を有する返血ライン(7)と、を備え、脱血ライン(6)および返血ライン(7)は、患者の心血管系に接続されるように設計された血液回路(6、7)であって、
脱血ライン(6)は、動脈コネクタ(40)が設けられた第2端部を有し、返血ライン(7)は、静脈コネクタ(41)が設けられた第2端部を有し、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)は、患者の血管アクセスデバイスに着脱可能に接続されるように設計され、血液回路は、血液回路(6、7)内の流れを制御するための血液ポンプ(11)と繋ぎ合わされるように構成される、血液回路(6、7)と、
-血液回路(6、7)に接続された少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)と、
を有する使い捨て回路を備え、使い捨て回路は、血液回路(6、7)上または少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上に配された少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と、任意で、血液回路上または少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上に配された第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)と、をさらに備え、方法は、
-血液回路上で作動する血液ポンプを停止することと、
-動脈コネクタ(40)を患者のアクセスデバイスから切り離すことと、
-静脈コネクタ(41)を患者のアクセスデバイスから切り離すことと、
-動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)の一方を第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)に接続して再循環構成を画定することと、
-任意で、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)の他方を第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)に接続し、再循環構成を画定するように使い捨て回路に閉回路を画定することと、
-患者が装置から切り離されたままであるときに、血液ポンプを動作させ、閉回路内の液体の再循環を開始することと、
を含む。
【0113】
特に、態様80の使い捨て回路は、例えば、1~64の使い捨て回路に対応する態様の何れか1つによる。
【0114】
第80の2態様によると、血液の体外処理のための装置の使い捨て回路の構成の方法がここに開示され、方法は、
-先行する態様1から78の何れかによる使い捨て回路を、濾過ユニットの少なくとも一次チャンバ(3)内に液体の流れの循環を強制するように構成された血液ポンプ(11)を少なくとも備える血液処理のための装置に配することであって、血液回路(6、7)の少なくとも一部が前記血液ポンプ(11)と相互作用する動作構成に導く使い捨て回路を配するステップであり、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)が、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)から切り離されていることと、
-血液回路(6、7)上または液体ライン(15、21、25、42、42a)上に配された少なくとも1つの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)を動脈コネクタ(40)または静脈コネクタ(41)に接続することによって、再循環構成における使い捨て回路を構成することであって、接続後に、液体再循環を可能にする閉回路が画定され、任意で、再循環構成における使い捨て回路を構成するステップは、血液回路上または液体ライン(15、21、25、42、42a)上に配された第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)を動脈コネクタ(40)または静脈コネクタ(41)の他方に接続することを含むことと、
を含む。
【0115】
態様79または80の1つ以上に応じた第81態様によると、方法は、
-閉回路内の液体の再循環を停止するために血液ポンプを停止することと、
-動脈コネクタ(40)または静脈コネクタ(41)を第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)から切り離すことと、
-任意で、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)の他方を第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)から切り離すことと、
-処理を再開する前に、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)の両方を患者のアクセスデバイスに再接続することと、
をさらに含み、
方法のステップは、使い捨て回路を変更することなく、および/または、使い捨て回路を装置から切り離すことなく実行される。
【0116】
態様79または80または81の1つ以上に応じた第81の2態様によると、使い捨て回路を装置上に配するステップは、使い捨て回路を装置上に配するステップが任意でガイドされるように、装置のグラフィックユーザインターフェース上に提供される経路に従って使い捨て回路の少なくとも一部を配することを含む。
【0117】
態様79~81の1つ以上に応じた第82態様によると、血液回路(6、7)上に配された、または、少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上に配された少なくとも第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)を、動脈コネクタ(40)または静脈コネクタ(41)と接続し、接続後に、液体再循環を可能にする閉回路が画定されることは、動脈コネクタ(40)または静脈コネクタ(41)を第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)に向かって移動させることを含む。
【0118】
態様79~82の1つ以上に応じた第83態様によると、血液回路上または少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上に配された第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)を、閉回路を画定するために第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)にまだ接続されていない動脈コネクタ(40)または静脈コネクタ(41)のうちの1つと接続することは、動脈コネクタ(40)または静脈コネクタ(41)を第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)に向かって移動させることを含む。
【0119】
態様79~83の1つ以上に応じた第84態様によると、注入ラインから動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)を切り離すステップと、再循環構成において使い捨て回路を構成するステップと、の間で、血液回路は、一時的に開回路構成にある。
【0120】
態様79~83の1つ以上に応じた第84の2態様によると、方法は、再循環を開始する前に、体外の血液の少なくとも一部を患者に戻すことを含む。
【0121】
前の態様によると、動脈コネクタ(40)と静脈コネクタ(41)との間の一方のコネクタを患者の血管アクセスデバイス(具体的には、動脈コネクタ)から切り離すことと、切り離されたコネクタを、生食液を含むバッグに接続することと、がさらに提供され、方法は、血液ポンプを作動させて体外血液を患者に戻し、体外血液の少なくとも一部が戻されると、バッグからコネクタを切り離して第1補助コネクタまたは第2補助コネクタの何れかに接続することをさらに含む。
【0122】
前の態様によると、方法は、血液の戻しに続いて、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)のうちの他方を患者の血管アクセスデバイス(具体的には、静脈コネクタ)から切り離し、それを第1補助コネクタおよび第2補助コネクタのうち他方に接続することを含む。
【0123】
第84の2態様によると、方法は、患者が体外血液回路に接続されたままの状態で、注入ライン上の注入ポンプを作動させ、注入ラインに関連するバッグに含まれる液体を血液回路内に押し込み、患者に血液を戻す(患者から血液を抜き出すことなく)ことを含み、任意で、血液ポンプが作動され、注入ポンプと同期させる。
【0124】
前の態様によると、方法は、血液を戻す間、動脈コネクタおよび静脈コネクタのうち少なくとも1つを患者の血管アクセスデバイス(および、好ましくは両方のコネクタ)に接続されたままにすることを含む。血液を戻す間、患者の血管アクセスデバイスに動脈コネクタおよび静脈コネクタの両方を接続されたままにすることの代わりに、動脈コネクタおよび静脈コネクタのうち一方のコネクタが、血管アクセスデバイスから切り離され、第1補助コネクタまたは第2補助コネクタの何れかに接続され、その後、血液の戻しが開始される。より具体的には、この変形は、注入ポンプおよび関連する溶液バッグ(治療のために使用される)を使用し、動脈ラインは、再循環ステップにおいて「即座に」設定される。これはまた、補助的な液体バッグを必要とせず、同時に取り扱いステップ(および汚染のリスク)を最小限にするためのこのオプション/変形の利点でもある。
【0125】
前の2つの態様によると、方法は、血液を戻した後に、静脈コネクタを患者の血管アクセスデバイスから切り離すことと、静脈コネクタを第1補助コネクタまたは第2補助コネクタの何れかに接続することと、を含む。
【0126】
前の3つの態様によると、方法は、血液を戻した後に、動脈コネクタを患者の血管アクセスデバイスから切り離すことと、動脈コネクタを第1補助コネクタまたは第2補助コネクタの何れかに接続することと、を含む。
【0127】
態様84の2までの前の態様の何れか1つによると、再循環後、処理の再開前に、再循環中に使用された生食液を排出するステップが提供される。例えば、ドレーンバッグが、静脈コネクタに接続されてもよく、動脈コネクタが、患者の血管アクセスデバイスに再接続され、血液ポンプが、患者から血液を抜き出し、生食液をドレーンバッグに押し込む。
【0128】
態様79~84のいずれかに応じた第85態様によると、方法は、脱血ラインおよび返血ライン(6、7)の少なくとも1つのそれぞれのチューブ部をクランプするステップをさらに含み、クランプするステップは、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)を患者の血管アクセスから切り離すステップの前に行われ、
方法は、再循環構成において閉回路を画定した後に行われる、脱血ラインおよび返血ラインをクランプ解除するステップを含む。
【0129】
態様85に応じた第86態様によると、クランプすることは、脱血ライン(6)の第2端部と、返血ライン(7)の第2端部と、に対応して行われる。
【0130】
態様85または態様86に応じた第87態様によると、クランプするステップは、脱血ライン(6)または返血ライン(7)の少なくとも1つのチューブ部をクランプすることを含み、任意で、脱血ライン(6)のチューブ部を第1手動クランプでクランプし、返血ライン(7)のチューブ部を第2手動クランプでクランプする。
【0131】
態様79~87の1つ以上に応じた第88態様によると、使い捨て回路は、体外循環のための装置上に配され、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)を血管アクセスから少なくとも切り離すステップ、および、再循環構成において使い捨て回路を構成するステップは、体外循環のための装置から使い捨て回路を取り外すことなく実行され、
方法は、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)を血管アクセスから切り離すステップを実行する前に、体外循環のための装置の少なくとも1つの血液ポンプ(11)を停止するステップを含み、
方法は、再循環構成において使い捨て回路を構成するステップが実行された後に、体外循環のための装置の少なくとも血液ポンプ(11)を再作動するステップを含む。
【0132】
態様88に応じた第89態様によると、少なくとも血液ポンプ(11)を停止するステップおよび少なくとも血液ポンプ(11)を再作動するステップは、ユーザの動作を通して、具体的には、制御ユニット(10)に接続されたユーザインターフェース上で実行され、制御ユニット(10)は、少なくとも血液ポンプ(11)の動作を管理し、それぞれ、血液ポンプ(11)への停止信号の送信および血液ポンプ(11)への再作動信号の送信を含む。
【0133】
態様88または89に応じた第90態様によると、体外循環のための装置の少なくとも1つの血液ポンプ(11)を停止するステップに付随して、濾過ユニット(2)の二次チャンバ(4)の入口に接続された透析(19)で動作する透析ポンプ(17a)と、二次チャンバ(4)の出口に接続された排出ライン(13)で動作する排出液ポンプ(17)とは、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)を注入ラインから切り離すステップを実行する前に、停止される、または、濾過ユニットをバイパスされる。
【0134】
もちろん、血液回路に注入するための全ての注入ポンプ(注入ラインが存在する場合)も停止される。
【0135】
態様79~90のうち1つ以上に応じた第91態様によると、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)、任意で、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との両方は、静脈コネクタ(41)および/または動脈コネクタ(40)に接続されるように構成された少なくとも1つの切り離し可能ポート(70、70a)を備え、再循環構成において使い捨て回路を構成するステップは、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)の切り離し可能ポート(70、70a)を静脈コネクタ(41)または動脈コネクタ(40)の切り離し可能ポート(72)に接続することを含む。
【0136】
態様91に応じた第92の態様によると、再循環構成において使い捨て回路を構成するステップは、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)の切り離し可能ポート(70、70a)を静脈コネクタ(41)の切り離し可能ポート(72)に接続することと、第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)の切り離し可能ポートを動脈コネクタ(40)に接続することと、またはその逆に、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)の切り離し可能ポート(70、70a)を動脈コネクタ(40)の切り離し可能ポート(72)に接続することと、第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)の切り離し可能ポートを静脈コネクタ(41)に接続することと、を含む。
【0137】
態様79~92に応じた第93態様によると、
-第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、同じタイプ、雄タイプまたは雌タイプのそれぞれの着脱可能ポート(70)を有し、または、
第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、雄タイプの少なくとも1つの着脱可能ポート(70)を有し、第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、雌タイプの少なくとも1つの着脱可能ポート(70)を有し、または、
-第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、雌タイプの少なくとも1つの着脱可能ポート(70)を有し、第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、雄タイプの少なくとも1つの着脱可能ポート(70)を有し、
第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)の切り離し可能ポート(70、70a)を静脈コネクタ(41)の切り離し可能ポート(72)に接続することと、第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)の切り離し可能ポートを動脈コネクタ(40)に接続することと、またはその逆に、第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)の切り離し可能ポート(70、70a)を動脈コネクタ(40)の切り離し可能ポート(72)に接続することと、第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)の切り離し可能ポートを静脈コネクタ(41)に接続することと、のステップ。
【0138】
1つ以上の態様79~93に応じた第94態様によると、1つ以上の液体ライン(15、21、25、42、42a)は、以下のライン
-脱血ライン(6)に直接接続された血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)、
-脱血ライン(6)に直接接続された血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)、
-返血ライン(7)に直接接続された希釈後液体ライン(25)、
のうち1つ以上を備え、
血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)、および、希釈後液体ライン(25)の各々は、血液回路(6、7)に直接接続された第1端部と、第1端部とは反対側の、それぞれの注入液体容器(16、23、26)に接続されるように構成された、または、接続された第2端部とを備え、再循環構成において、液体容器(16、23、26)から液体が抜き出されない。
【0139】
態様79~94のうち1つ以上に応じた第95態様によると、方法は、少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)内の再循環中に液体の流れの分布を均一にするように構成された少なくとも1つの第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)を配するステップをさらに含み、任意で、方法は、使い捨て回路が再循環構成にあるときに、少なくとも1つの第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)を調節するステップを含む。
【0140】
態様79~95に応じた第96態様によると、方法は、血液回路(6、7)上に配された、または、少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上に配された少なくとも第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)を、動脈コネクタ(40)または静脈コネクタ(41)と接続することを含み、任意で、血液回路上または少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上に配された第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)を、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)の他方と接続することを含み、具体的には、動脈コネクタ(40)または静脈コネクタ(41)の間の一方のコネクタとの第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)の直接接続と、動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)の他方との第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)の直接接続と、を含む。
【0141】
態様94応じた第97態様によると、再循環構成において、液体は、動脈コネクタ(40)から一次チャンバ(3)を通って静脈コネクタ(41)へ、または、脱血ライン(6)の第2端部から脱血ライン(6)の第1端部へおよび返血ライン(7)の第1端部から返血ライン(7)の第2端部へ流れる。
【0142】
態様94に応じた第98態様によると、第1補助コネクタ(51)および第2補助コネクタ(50)は、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)上に配され、再循環構成において、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)上に配された第1補助コネクタ(51)は、静脈コネクタ(41)に接続され、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)上に配された第2補助コネクタ(50)は、動脈コネクタ(40)に接続される。
【0143】
態様94に応じた第99態様によると、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)上に配され、再循環構成において、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)上に配された第1補助コネクタ(51)は、動脈コネクタ(40)に接続され、血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)上に配された第2補助コネクタ(50)は、静脈コネクタ(41)に接続される。
【0144】
態様94に応じた第100態様によると、第1補助コネクタ(53)および第2補助コネクタ(52)は、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配され、再循環構成において、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配された第1補助コネクタ(53)は、動脈コネクタ(40)に接続され、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配された第2補助コネクタ(52)は、静脈コネクタ(41)に接続される。
【0145】
態様94に応じた第101態様によると、第1補助コネクタ(53)および第2補助コネクタ(52)は、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配され、再循環構成において、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配された第1補助コネクタ(53)は、静脈コネクタ(41)に接続され、血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配された第2補助コネクタ(52)は、動脈コネクタ(40)に接続される。
【0146】
態様94に応じた第102態様によると、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、希釈後液体ライン(25)上に配され、再循環構成において、希釈後液体ライン(25)上に配された第1補助コネクタ(57)は、動脈コネクタ(40)に接続され、希釈後液体ライン(25)上に配された第2補助コネクタ(56)は、静脈コネクタ(41)に接続される。
【0147】
態様94に応じた第103態様によると、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、希釈後液体ライン(25)上に配され、再循環構成において、希釈後液体ライン(25)上に配された第1補助コネクタ(57)は、静脈コネクタ(41)に接続され、希釈後液体ライン(25)上に配された第2補助コネクタ(56)は、動脈コネクタ(40)に接続される。
【0148】
態様79~103の1つ以上に応じた第104態様によると、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、血液回路(6、7)上に配され、再循環構成において、血液回路(6、7)上、具体的には、返血ライン(7)上に配された第1補助コネクタ(59)は、動脈コネクタ(40)に接続され、血液回路(6、7)上、具体的には、脱血ライン(6)上に配された第2補助コネクタ(58)は、静脈コネクタ(41)に接続される。
【0149】
第105態様によれば、ここでは少なくとも1つの非一時的メモリサポートに記憶された、少なくとも1つのデータ処理ユニットによって実行されるのに適したソフトウェアコード部を備える、少なくとも1つの非一時的メモリサポートに記憶されたコンピュータプログラム製品が開示され、ソフトウェアコード部は、少なくとも
-処理構成における血液処理のための装置を構成するためのグラフィックユーザインターフェース上の少なくとも1つの第1選択項目を提供することであって、治療構成において、望ましくない物質は、装置に搭載された先の態様1~78の何れかによる使い捨て回路の血液回路(6、7)における血液の循環を介して血液から除去され、再循環構成において血液処理のための装置を構成するための第2選択項目を提供することと、
-体外血液再循環のための装置に備えられた血液ポンプ(11)の作動および停止のステップを決定し、血液回路(6、7)を動作させることであって、再循環構成の選択に続いて、血液ポンプ(11)を停止するための停止信号が送信されることと、
が実行されるように構成され、
ソフトウェアコード部は、ユーザによって入力された確認コマンドの受信に続いて、血液ポンプ(11)の再作動の実行の原因になるようにさらに構成され、コマンドは、使い捨て回路が再循環構成にあることの確認に対応する。
【0150】
態様105に応じた第106態様によると、停止信号は、装置の制御ユニット(10)から血液ポンプ(11)に送信される電気制御信号である。
【0151】
態様106または態様105に応じた第107態様によると、再循環構成の選択に続いて、ソフトウェアコード部は、再循環構成において使い捨て回路を構成することを助けることを目的とする、装置の画面上のビジュアルガイドの表示の原因になり、次いで、ユーザによって確認コマンド入力されると、装置を「待機確認」状態に切り換えさせる。
【0152】
先行する態様のうち1つ以上に応じた第108態様によると、制御ユニット(10)は、ユーザインターフェースを通して、複数の処理モードのうち少なくとも1つを選択するための少なくとも1つの選択アイテムを提供するように構成され、処理モードは、血液透析(HD)、前希釈を伴う血液濾過(HFpre)、後希釈を伴う血液濾過(HFpost)、前希釈および後希釈の両方を伴う血液濾過(HFpre-post)、前希釈を伴う血液透析濾過(HDFpre)、後希釈を伴う血液透析濾過(HDFpost)、前希釈および後希釈の両方を伴う血液透析濾過(HDFpre-post)、限外濾過(UF)を含み、選択された治療モードに従って少なくとも装置の動作を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0153】
本発明の態様は、非限定的な例として提供される添付の図面に示される。
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による使い捨て回路の一般的な概略図を示す。
【
図3】
図2および
図3は、補助コネクタが血液ポンプ前希釈前注入ライン上に配されるときの、本発明の実施形態による使い捨て回路の補助コネクタの例示的なタイプの接続を示す。
【
図5】
図4および
図5は、補助コネクタが血液ポンプ後希釈前注入ライン上に配されるときの、本発明の実施形態による使い捨て回路の補助コネクタの例示的なタイプの接続を示す。
【
図6】
図6は、使い捨て回路の構成の具体的かつ部分的な概略図を示す。
【
図8】
図7および
図8は、補助コネクタが希釈後液体ライン上に配されるときの、本発明の実施形態による使い捨て回路の補助コネクタの例示的なタイプの接続を示す。
【
図9】
図9は、使い捨て回路の構成の具体的かつ部分的な概略図を示す。
【
図11】
図10および
図11は、補助コネクタが血液回路上に配されるときの、本発明の実施形態による使い捨て回路の補助コネクタの代替的なタイプの接続を示す。
【
図14】
図12、
図13および
図14は、補助コネクタが1または2つの補助ライン上に配されるときの、本発明の実施形態による使い捨て回路の補助コネクタの例示的なタイプの接続を示す。
【
図19】
図15~19は、使い捨て回路の補助コネクタのための代替的な構成を示す。
【
図20】
図20は、本開示の装置および使い捨て回路の目的のための、処理構成から再循環構成に切り換えるために必要ないくつかの動作ステップのフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0154】
本発明の革新的な態様を実施しうる血液の体外処理のための装置1の非限定的な実施形態が、図に示されている。以下の説明および図において、同じ構成要素は同じ参照符号によって識別される。
【0155】
図1は、患者の血液から望ましくない物質を除去するための処理などの体外血液処理を患者に提供するために設計された装置1を示す。
【0156】
さらなる実施形態によると、血液潅流および/または体外CO2除去(ExtraCorporeal CO2 Removal:ECCO2R)による体外血液処理のための装置もまた、本発明の範囲に含まれる。
【0157】
非限定的な実施形態において、装置1は、以下の治療、血液透析(HD)、前希釈を伴う血液濾過(HFpre)、後希釈を伴う血液濾過(HFpost)、前希釈および後希釈の両方を伴う血液濾過(HFpre-post)、前希釈を伴う血液透析濾過(HDFpre)、後希釈を伴う血液透析濾過(HDFpost)、前希釈および後希釈の両方を伴う血液透析濾過(HDFpre-post)、限外濾過(UF)のうち少なくとも1つを実行するために考案される。装置は代わりに、プラズマ濾過を提供してもよい。
【0158】
装置1は、血液処理のための使い捨て回路を備え、これは以下に特定されるいくつかの要素を備える。本発明の目的においては、「使い捨て」とは、使用後、具体的には、1回の使用後に、捨てられるか、または、いずれにしても廃棄されることを意図される、具体的に考案された要素を意味するものとする。特に、「1回の使用」については、1人の患者の処理を意図するものとすることに留意されたい。未完了の処理の過程で、装置1からの患者の一時的な切り離しは、1回の処理を中断せず、一時的な切り離しの後の患者の使い捨て回路への再接続は、本明細書で定義されるように依然として1回の使用の範囲内にあることが理解される。以下に記載される非限定的な実施形態の何れかによると、使い捨て回路の一部である要素は、添付の図面において太線でマークされ、装置1の一部である要素は、細線でマークされ、これは、読者がどの要素が使い捨て回路に属し、どの要素が装置の一部であるかを明確に識別するのを助ける。以下に記載される使い捨て回路は、装置に着脱可能に接続されてもよく、装置1とは別に販売されてもよく、また、いずれにしても装置1とは別に提供されてもよい。
【0159】
使い捨て回路は、血液濾過器、限外濾過器、血液透析器、透析器、プラズマフィルタ、ガス交換器、吸着剤カートリッジなどの濾過ユニット2を備え、具体的には、透析装置を特に扱う
図1による第1例において、濾過ユニットは、半透膜5によって分離された一次チャンバ3および二次チャンバ4を有してもよく、処理に応じて、濾過ユニットの膜は、異なる特性および性能を有するように選択されうる。
【0160】
使い捨て回路は、一次チャンバ3の入口に接続された脱血ライン6と、一次チャンバ3の出口に接続された返血ライン7と、を備える。使用時には、脱血ライン6および返血ライン7は、患者の血管系と連通する血管アクセスデバイスに接続される。例えば、脱血ラインおよび返血ラインは、固定されたカテーテル(例えば、急性患者のための中心静脈カテーテル)に、または、それぞれの針に、具体的には、非限定的な程度ではあるが、金属針(例えば、慢性患者のための動静脈瘻に挿入される)、または、本明細書で「動作構成」または「処理構成」として説明される使い捨て回路の第1構成において、血液が脱血ラインを通って抜き出され、一次チャンバを通って流れ、次いで、返血ラインを通って患者の血管系に戻されうるように、患者の血管系と液体連通するように配される他のアクセスデバイス(添付の図に示されない)に接続されてもよい。返血ライン7および脱血ライン6は、可撓性プラスチック材料で作られる。非限定的なソリューションにおいて、脱血ライン6および返血ライン7は、透明なプラスチック材料で作られ、血液の存在を識別することができる。
【0161】
より詳細には、脱血ライン6は、一次チャンバ3の入口に接続された第1端部と、これは患者「P」の血管系へのアクセスを提供する動脈アクセス40aの下流に配された使い捨て回路の最後の部分である動脈コネクタ40に接続された第1端部とは反対側の第2端部と、を備え、返血ライン7は、一次チャンバ3の出口に接続された第1端部と、患者「P」の静脈アクセス41aの上流の使い捨て回路の最後の部分である静脈コネクタ41に接続された第1端部とは反対側の第2端部と、を備える。
【0162】
本開示の過程において、要素の他のものに対する位置を示すために、「下流」および「上流」を参照する。
図1に矢印Fで示されるように、血液ポンプ11によって課される液体の通常の流れは、動脈コネクタ40から静脈コネクタ41へであり、したがって、「下流」および「上流」という表現はそのような流れを考慮して参照される。したがって、動作構成において、液体は、動脈コネクタ40から脱血ライン6の部分6aを通り一次チャンバの入口で流れを強制する血液ポンプ11まで移動し、次いで、フィルタ2を通り一次チャンバ3の出口まで移動する。次いで、液体は、静脈コネクタ41に接続されたその第2端部まで返血ライン7内を移動する。例えば、血液ポンプ11は、一次チャンバ3の上流に位置し、一次チャンバ3の出口は、一次チャンバ3および/または血液ポンプ11の入口の下流にある。
【0163】
動脈コネクタ40および静脈コネクタ41は、それぞれチューブ部(脱血ラインおよび返血ライン)に固定された(例えば、溶接または接着された)ポートと、それぞれ動脈アクセス40aまたは静脈アクセス41a(例えば、動脈針および静脈針またはカテーテル)に着脱可能に接続可能なフリーポートと、を備える、切り離し不可能コネクタである。動脈コネクタおよび静脈コネクタのフリーポートは、雄タイプまたは雌タイプでありうる。好ましくは、動脈コネクタ40および静脈コネクタ41の両方のフリーポートは、同じタイプである。
図18および19は、フリーポート72が雌タイプ(
図18)、または、雄タイプ(
図19)である、動脈コネクタまたは静脈コネクタの非限定的かつ概略的な実施形態を示す。ルアー(Luer)コネクタが、好ましく使用される。同じ接続タイプであるため、動脈コネクタ40と静脈コネクタ41とは、互いに直接接続することはできない。
【0164】
気泡トラップ8などの少なくとも1つの空気分離器が、血液回路6、7内に、好ましくは返血ライン上に存在し(さらに、別の気泡トラップが、抜き出しライン内に設けられてもよい)、さらに、装置の安全クランプ9が、返血ライン上で作動し、それは、通常、気泡トラップ8の下流で、静脈コネクタ41の近くに配される。安全クランプ9は、装置1の制御ユニット10によって制御されうる。空気分離器および安全クランプは、任意の要素であるが、それらの存在が好ましいことに留意されたい。
【0165】
追加して、装置は、気泡トラップ8と安全クランプ9との間のリターンライン7の一部に対応して作動する気泡センサ8aをさらに備え、気泡センサは、制御ユニット10に接続され、1つ以上の気泡が検出された場合、制御ユニット信号を制御ユニットに送信し、そのような場合、制御ユニットは、処理を停止してもよく、クランプ9を閉鎖させてもよい。装置(図示せず)の対応する安全クランプは、脱血ライン6に対応して設けられてもよい。安全クランプは、動脈コネクタ40のすぐ下流の脱血ライン6上で作動する。
【0166】
図1に示されるように、血液ラインを通る血流は、脱血ラインまたは返血ラインの何れかに作用する血液ポンプ11、例えば、蠕動血液ポンプによって制御される。血液ポンプ11は、装置1の一部である蠕動血液ポンプである。オペレータは、ユーザインターフェース12を介して血流量Q
Bの設定値を入力してもよく(または、装置が他の設定パラメータに基づいて血流量を計算してもよい)、制御ユニット10は、処理中に、設定/計算された血流量に基づいて血液ポンプを制御するように構成される。本説明の過程において、制御ユニットは、特定のステップを実行するために「構成される」または「プログラムされる」ことが示され、これは、実際には制御ユニットを構成またはプログラムすることを可能にする任意の手段によって達成されうる。
【0167】
装置1は、処理のための設定パラメータを可能にし、その様々な動作構成で装置1にコマンドおよび制御を与えるように構成された(グラフィック)ユーザインターフェースを備える。ユーザインターフェースは、画面またはモニタ、任意で、装置1の特定の動作を引き起こすように特に構成されたタッチセンシティブ、1つ以上のスイッチおよび/またはプッシュボタンを備えうる。
【0168】
使い捨て回路は、一端において、二次チャンバ4の出口に接続され、他端において、二次チャンバから抽出された使用済み液体を収集する排出液容器14に接続された排出液ライン13をさらに備える。代わりに、排出液ライン13が、使用済み液体を直接ドレインに導いてもよい。排出液ラインは、装置の排出液ポンプ17と接続されるように構成され、排出液ポンプ17は、制御ユニット10の制御のもと排出液ライン上で動作し、排出液ラインを横切る流量Qeffを調節する。
【0169】
透析液ライン19は、一端において、透析液容器20(または、透析液調製装置)に接続され、他端において、濾過ユニットの二次チャンバ4の入口に接続される。液体回路の透析液ライン19は、装置1の透析液ポンプ17aと協働するように構成される。透析液ポンプ17aは、制御ユニット10の制御のもと透析液体液ラインで働き、透析液容器から二次チャンバに流量Qdialで未使用の透析液を供給する。
【0170】
急性処理のための特定の実施形態によると、使い捨て回路は、濾過ユニットに一体的に固定された使い捨ての構成要素として、上述の排出液ライン13および透析液ライン19を備えていてもよい。処理の最後に、使い捨てセットの全体が処分される。透析液ライン19は、容器20から未使用の液体を受け取り、使用済み透析液は、排出バッグ14に送られる。
【0171】
それとは異なり、慢性腎処理の使い捨て品は、使い捨て部品として透析液ラインも排出液ラインも含まない。透析液ラインおよび排出液ラインは、装置1内に配された非使い捨て液体経路である。着脱可能な接続部が、透析液ラインおよび排出液ラインをそれぞれ濾過ユニットの二次チャンバ4の入口および出口に液体連通するように取り外し可能に配するために設けられ、後者は使い捨て回路の一部である。透析液は、濃縮物を水に混合してオンラインで調製されるか、または、中央透析液調製プラントから受け取られるかの何れかである。
【0172】
本開示の文脈では、「上流」および「下流」という表現が、排出液ポンプ17および透析ポンプ17aによって課される液体の流れにしたがって参照され、
図1において、矢印F’によって示される。排出液ポンプ17および透析ポンプ17aは、協働して、透析液容器20から透析液ライン19を通って透析ポンプ17aへ、次いで、二次チャンバ4の入口に入りフィルタ2を通って二次チャンバ4の出口まで、液体が排出液ライン13に入って排出液ポンプ17で流れ、次いで、排出液容器14へ流れるように強制する。
【0173】
透析液ポンプ17aおよび排出液ポンプ17は、それぞれのラインを通る液体の流れを調節する手段の一部であり、上述のように、ポンプを制御する制御ユニット10に動作可能に接続される。制御ユニット10はまた、オペレータの入力を受け取り、装置の出力を表示するユーザインターフェース12、例えば、グラフィックユーザインターフェースに接続される。例えば、グラフィックユーザインターフェース12は、タッチスクリーン、ディスプレイスクリーン、ユーザの入力またはそれらの組み合わせを入力するためのハードキーまたはソフトキーを含みうる。
【0174】
図1に示される使い捨て回路は、血液ポンプ11の上流に位置する脱血ライン6の部分6aに一端が接続された注入ライン21と、他端に、例えばクエン酸溶液、または、置換液もしくは他の液体などの局所抗凝固剤を収容できる注入液容器23と、を含みうる。この注入ラインは、以下、血液ポンプ前希釈前注入ライン21と称される。液体の流れを調節するための手段は、ポンプ22、例えば、制御ユニット10によって制御される蠕動ポンプを備え、血液ポンプ前希釈前注入ライン21のセグメントに作用して、血液ポンプ前注入量Q
pbpを調節するポンプ22は、装置1の一部である。
【0175】
本開示の目的のために、上述の3ウェイコネクタは、「切り離し不可能コネクタ」であり、これは、通常の使用において、コネクタがその3つのポートの何れかにおいて接続された導管の任意の部分から切断されるように構成されていないこと、または同等に、その3つのポートの何れかにおいて接続された導管の部分が、例えば、接着または封止によって、それに固定的に接合されることを意味する。
【0176】
図1の実施形態はまた、一端が血液ポンプ11の下流に配された脱血ライン6の一部6aに直接接続され、他端がさらなる注入液容器に接続された血液ポンプ後希釈前液体ライン15を含み、この血液ポンプ後希釈前液体ライン15は、血液ポンプ後希釈前液体ライン15の一端で接続された注入液容器16から置換液を供給する。この装置は、血液ポンプ前希釈前液体ライン15上で動作して、ライン15を通る流量Q
preを調節する、例えば、蠕動ポンプなどの注入ポンプ18をさらに備える。
【0177】
血液ポンプ後希釈前注入ライン15、または、血液ポンプ前希釈前注入ライン21を参照するときに、「上流」および「下流」という表現は、動作構成中の通常の液体の流れを指す。液体は、容器16、23から、注入ラインの何れかのポンプ18、22が作用する導管ラインの一部を通って、注入ラインを脱血ライン6に接続する切り離し不可能コネクタまで流れる。
【0178】
図1の装置は、希釈前液体ライン15の代わりに、または、希釈前液体ライン15に組み合わせて、一端が注入液のさらなる容器26に接続され、他端が返血ライン7に接続された希釈後液体ライン25もまた、存在してもよい。さらなるポンプ27、例えば蠕動ポンプが、制御ユニット10の制御のもとで、希釈後液体ライン25上で作用してもよく、したがって、液体ラインを通る流れを調節するための手段の一部でもありうる。
【0179】
希釈後液体ライン25を参照するときに、「上流」および「下流」という表現は、動作構成中の通常の液体の流れを指す。液体は、容器26から、ポンプ27が作用する導管ラインの一部を通って、注入ラインを返血ライン7に接続する切り離し不可能コネクタまで流れる。
【0180】
代わりに、または、前述の液体ラインと組み合わせて、
図1の装置は、一端が血液回路、例えば、脱血ライン6に接続される、1つ以上の補助ラインを備えていてもよい。
図1は、単一の補助ライン42を示す。
図1には示されていないさらなるポンプ、例えば、蠕動ポンプは、制御回路10の制御のもと補助ライン上で作用してもよく、したがって、液体ラインを通る流れを調節するための手段の一部でもありうる。
【0181】
補助ラインの何れかを参照するときに、「上流」および「下流」という表現は、補助ラインのフリーな端部から血液回路6、7に接続された端部に流れる通常の液体の流れを指す。
【0182】
装置1は、また、排出液容器14内に収集された使用済み液体の量に対する重量情報を提供するように動作可能な第1スケール33と、血液ポンプ後希釈前注入ライン15を介して注入液容器16から供給された液体の量に対する重量情報を提供するように動作可能な第2スケール34と、透析液容器20から供給された液体の量に対する重量情報を提供するように動作可能な第3スケール35と、を備えうる。より多くの輸液ラインが存在する場合、血液ポンプ前希釈前注入ライン21、希釈後液体ライン25として、注入容器23、26から供給される液体の量に対する重量情報を提供するために、それぞれのスケール36、37が存在することができる。スケールは全て、制御ユニット10に接続され、各容器内の液体の実際の量、および/または、各容器によって供給されるまたは各容器内で受け取られる液体の実際の流量を決定するために、制御ユニット10に重量情報を提供する。次いで、制御ユニット10は、処理選択情報を受信し、ユーザが必要な透析パラメータを入力したかどうかをチェックするように構成されうる。制御ユニットはまた、第1スケールから、選択された処理に応じて、選択された処理の送達に関与するラインを供給する容器に関連するスケールから重量情報を受信し、少なくとも処理の開始時に、重量情報に基づいて調節するための手段を制御することによって、排出液、注入液、透析液のうち少なくとも1つの流量を制御するように構成されうる。
【0183】
構造的な観点から、1つ以上の、任意で、全ての容器14、16、20、23、26は、使い捨てプラスチック容器、好ましくは、それぞれのスケールによって支持される支持体上に吊り下げられるソフトプラスチックバッグであってもよい。流れを調節するための手段は、典型的にはポンプを含むが、弁または弁およびポンプの組合せとして他の調節手段を使用することもできる。スケールは、圧電センサ、または、ひずみゲージ、または、バネセンサ、または、その上に印加される力を感知することができる任意の他のタイプのトランスデューサを含みうる。図中の例は、それぞれの容器内の液体の量を決定するための、および、種々のラインを通るそれぞれの流量の計算を可能にするためのスケールの使用を示すが、本発明の上述の態様は、流量、または、質量および体積センサの組合せを決定するための体積センサを使用する血液処理機械にも適合することに留意されたい。
【0184】
先の説明は、主に透析装置を参照したが、本開示の実施形態は、血液潅流をさらに包含する。血液潅流は、1つ以上の毒素を除去するために血液を体外で濾過する方法である。他の体外での方法と同様に、血液は、患者から脱血ライン6内に移動し、濾過ユニット2内で濾過され、次いで、典型的には静脈アクセスを使用することによって、返血ライン7を通って患者内に戻る。血液潅流において、血液は、活性炭または他のマイクロポーラス材料で満たされた人工細胞から構成されるフィルタを潅流する。血液潅流装置において、注入ラインは存在しなくてもよい。そのような場合、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、例えば、第4実施形態による以下に開示されるような位置で、血液ライン上に配される。可能なさらなる血液潅流の構成として、血液ポンプの上流の血液に溶液を注入するために、血液ポンプ前注入前ラインが含まれていてもよい。この後者の実施形態において、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、血液ポンプ前注入前ライン上に配されてもよく、または、血液回路上のままでもよい(または、1つのコネクタは、血液ポンプ前注入前ライン上に配されてもよく、他の1つは血液ライン上に配されてもよい)。
【0185】
さらに、実施形態の装置は、(代わりにまたは追加して)体外CO2除去(ECCO2R)デバイスであってもよく、血液ライン回路は、CO2除去濾過ユニット2に接続されてもよく、装置は、何れかの注入ラインを含んでもよいし、含まなくてもよい。第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、注入ラインが利用可能でない場合には血液回路上に、存在する場合には血液回路または注入ラインの何れかに配されうる。
【0186】
本開示の使い捨て回路は、(一時的に)中断された処理を継続するために、一時的な切り離し、次いで、同じ使い捨て回路への患者の再接続を可能にするように設計される。そのタスクを達成するために、使い捨てセットは、主に血液回路内で液体(例えば、血液)の再循環を可能にするように再構成可能である。上述の処理(動作)構成の代わりに、本明細書で説明する使い捨て回路の別の構成は、本明細書では「再循環構成」と呼ばれる。当該構成において、患者は、使い捨て回路から切り離され、その中に存在する液体は、患者が体外血液処理装置から離れることを可能にするために再循環されうる。この態様のおかげで、患者は、一時的に装置1から切り離され、装置1による処理を中断した間に、他の検査または処理を行うことができ、高価な使い捨て回路の完全な交換を要求せず、切り離し-再循環-再接続の動作に関連する健康リスクを低減することができる。さらに、追加の「Y」コネクタ、生理食塩水バッグなどのような、一時的な切り離しを達成するための追加のコンポーネントは必要とされない。動作構成と再循環構成との間の容易な切換能力または再構成能力は、治療のパフォーマンス全体を通して患者を助ける有資格のオペレータの活動をさらに容易にする。再循環構成の間、すなわち、制御ユニット10が再循環構成のために適切に設定された後に、流量および/または所定の動作の目標手段値は中断され、制御ユニット10またはそれに動作可能に接続されたセンサの何れかによって計算および/または測定された平均値は、好ましくはメモリに記憶される。その計算および/または測定は、制御ユニット10が、血液処理の元の動作構成を再確立するために適切に設定されたときに、患者の一時的な切り離しの最後に再開され、任意で、好ましくであるが、制御ユニット10は、再循環構成の導入前および動作構成の再導入後に、部分値の計算および/または測定を可能にするように構成されうる。
【0187】
この目的のために、使い捨て回路のいくつかの実施形態は、血液ポンプ11の動作下で液体の再循環を可能にする適切に閉じた回路を画定する目的のために、再循環構成において一方が静脈コネクタ40に接続され、他方が動脈コネクタ41に接続される、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタを備えるものとして意図されてきた。本実施形態の詳細な開示では常に2つの補助コネクタが開示されているが、原則として、少なくとも1つの補助コネクタが閉回路を形成するのに十分でありうる。実際、好ましくはないが、一方の血液ラインの端部(静脈コネクタまたは動脈コネクタ)を第1補助コネクタに接続し、他方の血液ラインの端部を行い止まりとして残すことが可能である(第2血液端部、すなわち、行き止まりの端部は単にクランプされる)。次いで、閉ループ内の液体は再循環されうる。好ましくは、生理食塩水または他の置換液が再循環されるべきである(すなわち、血液ではない)。
【0188】
好ましくは、しかし非限定的な範囲において、補助コネクタは、それらが配される主ラインのピースを受け取る主入口および主出口を有する3ウェイコネクタであり、キャップを通して密封されうる、または代わりに、セルフシールタイプでありうる、少なくとも1つの切り離し可能ポートを備える。この後者のタイプは、別のコネクタが補助コネクタの切り離し可能ポートから切り離されると、ポートが自動的に封止され、別のコネクタが補助コネクタの切り離し可能ポートに接続されると、自動的に開くようになっている。セルフシールタイプ補助コネクタは、患者の処理が中断され、使い捨て回路の構成が動作構成と再循環構成との間で切り換えられるときに、望ましくない液体(具体的には、血液)の漏れを防止するのに役立ち、血液回路内に気泡が含まれるリスクを低減し、患者を支援する有資格のオペレータによって実行される動作をさらに容易にする。
【0189】
補助コネクタは多種多様な形状を有してもよく、補助コネクタを別の補助コネクタおよび/または静脈コネクタおよび動脈コネクタの一方と接続するために使用されうる、少なくとも1つの第1、またはさらには第2の、切り離し可能かつフリーなポートを備えうる。本開示によるコネクタの非限定的な構成は、「T」字形コネクタ(
図15)のような3ウェイ補助コネクタを含む。
【0190】
図示されたコネクタ(第1補助コネクタまたは第2補助コネクタである)は、それぞれのフレキシブルチューブ部に固定された(例えば、シールされた)第1切り離し不可能サービスポート71および第2切り離し不可能サービスポート71を備える。例えば、チューブ部は、血液ポンプ前希釈前ライン21のそれぞれのチューブ部であってもよく、代わりに、チューブ部は、任意の他の注入ラインのチューブ部、または、脱血ラインまたは返血ラインのチューブ部のそれぞれであってもよい。概略的にしか示されていない切り離し可能ポート72は、脱血ライン6または返血ライン7の対応する雌(または雄)ルアーコネクタ40、41と結合するように構成された雄(または雌)ルアーコネクタであってもよい。明らかに、「Y」字形コネクタ、ハーフスノーフレーク形コネクタ、または、異なる幾何学的形状の別のコネクタが使用されてもよい。
【0191】
図16を見ると、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、単一部品で作製されてもよく、第1切り離し不可能サービスポート71および第2切り離し不可能サービスポート71は、依然としてそれぞれのフレキシブルチューブ部に固定(例えば、密封)されるが、併合コネクタは、抜き出しラインコネクタ40およびリターンラインコネクタ41をそれぞれ受容するための2つの切り離し可能ポート70、70aを含む。また、この設計では、抜き出しラインコネクタ40およびリターンラインコネクタ41が、ルアー雄コネクタである場合、2つの切り離し可能ポート70はルアー雌コネクタであり、逆もまた同様である。
【0192】
「一体型」コネクタの幾何学的形状はまた、
図17の実施形態のように異なっていてもよく、2つの切り離し可能ポート70は、デバイスの同じ側面上で互いに並列に現れる。
【0193】
図1は、本明細書でさらに詳細に説明される、本発明者らによって考案された主要かつ非限定的な実施形態を、単一の概略図で提示する。
【0194】
第1実施形態
第1実施形態において、第1補助コネクタ53および第2補助コネクタ52は、血液ポンプ前希釈前注入ライン21上に配されており、装置1に使い捨て回路が適切に設置されると、血液ポンプ前希釈前注入ライン21上に配されたポンプ22の下流にある導管の一部に位置する。第1補助コネクタ53は、第2補助コネクタ52の下流に配されている。
【0195】
再循環構成では、代わりに、
-第1補助コネクタ53は、動脈コネクタ40に接続され、第2補助コネクタ52は、静脈コネクタ41に接続される(
図2)、または、
-第1補助コネクタ53は、静脈コネクタ41に接続され、第2補助コネクタ52は、動脈コネクタ40に接続される(
図3)。
【0196】
図2の再循環構成において、全流量(二重矢印)が、血液ポンプ前希釈前注入ライン21の下流の脱血ライン6と返血ライン7とに存在し、全流量が、第2補助コネクタ52に到達し、そこで、流量は、第2補助コネクタ52と第1補助コネクタ53とを接続するラインの部分に存在する部分流量(単一矢印)と、動脈コネクタ40と脱血ライン6の血液ポンプ前希釈前注入ライン21の注入ポイントとを接続するラインの部分に存在する部分流量(単一矢印)に分割される。ここで、2つの部分流量が再び合流し、全流量を生成する。
【0197】
図2および
図3において、二重矢印は、ラインに沿った全流量およびその方向を示し、単一矢印は、ライン部に沿ったスプリット(部分)流量およびその方向を示す。同じ描写が、再循環を示す全ての図に関して使用される。
【0198】
第1実施形態において、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、ともに3ウェイコネクタであり、それぞれ、上記で特定された2つの可能な代替案のうち1つに従って、静脈コネクタ40と動脈コネクタ41との間で選択された一方のコネクタの切り離し可能ポート72に接続されるように構成された、切り離し可能ポート70を備える。第1補助コネクタ53および第2補助コネクタ52の切り離し可能ポート72は、静脈コネクタおよび動脈コネクタの切り離し可能ポートのタイプとは反対のタイプのものである。換言すると、第1補助コネクタ53および第2補助コネクタ52の切り離し可能ポート72が雄タイプであるときに、動脈コネクタおよび静脈コネクタの切り離し可能ポートは雌タイプであり、逆もまた同様である。
【0199】
第2実施形態
第2実施形態において、第1補助コネクタ51および第2補助コネクタ50は、血液ポンプ後希釈前注入ライン15上に配されており、装置1に使い捨て回路が適切に設置されると、血液ポンプ後希釈前注入ライン15上に配されたポンプ18の下流にある導管の一部に位置する。第1補助コネクタ51は、第2補助コネクタ50の下流に配されている。
【0200】
再循環構成では、代わりに、
-第1補助コネクタ51は、静脈コネクタ41に接続され、第2補助コネクタ50は、動脈コネクタ40に接続される(
図4)、または、
-第1補助コネクタ51は、動脈コネクタ40に接続され、第2補助コネクタ50は、静脈コネクタ41に接続される(
図5)。
【0201】
図4の再循環構成において、全流量は、血液ポンプ後希釈前注入ライン15の上流の脱血ライン6に存在し、全流量は、ライン15の注入ポイントで分割され、部分流量は、返血ライン7、第1補助コネクタ51までの静脈コネクタ41に存在し、ここで、脱血ラインからくる部分的な流れと第1補助コネクタ50までの部分的な流れとが合流し、第1補助コネクタ51と第2補助コネクタ50とを接続するラインの部分および脱血ライン6まで、描画されるように、全体の流れが存在する。
【0202】
第2実施形態において、第1補助コネクタ51および第2補助コネクタ50は、ともに3ウェイコネクタであり、それぞれ、上記で特定された2つの可能な代替案のうち1つに従って、静脈コネクタ40と動脈コネクタ41との間で選択された一方のコネクタの別の切り離し可能ポート72に接続されるように構成された、切り離し可能ポート70を備える。第1補助コネクタ51および第2補助コネクタ50の切り離し可能ポート72は、静脈コネクタおよび動脈コネクタの切り離し可能ポートのタイプとは反対のタイプのものである。換言すると、第1補助コネクタ51および第2補助コネクタ50の切り離し可能ポート72が雄タイプであるときに、動脈コネクタおよび静脈コネクタの切り離し可能ポートは雌タイプであり、逆もまた同様である。
【0203】
図6に概略的に開示されるように、任意で、血液ポンプ後希釈前注入ライン15は、具体的にかつ非限定的な範囲で、第1補助コネクタ51の下流に、血液ポンプ後希釈前注入ライン15を脱血ライン6に接続する切り離し不可能3ウェイコネクタのすぐ上流に設置された、圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器60を備えていてもよい。圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器60は、再循環中にフロー抵抗を均一にするように構成され、液体ライン上に着脱可能または固定して設置されていてもよく、任意で、ドロップバルブまたはフロー抵抗器は、可変抵抗タイプであってもよい。ドロップバルブまたは流量抵抗器60の目的は、各回路分岐に発生する流れが可能な限り同様になるように、パイプのそれぞれの部分の抵抗を同様にすることである。
【0204】
第3実施形態
第3実施形態において、第1補助コネクタ57および第2補助コネクタ56は、希釈後液体ライン25上に配されており、装置1に使い捨て回路が適切に設置されると、希釈後液体ライン25上に配されたポンプ27の下流にある導管の一部に位置する。第1補助コネクタ57は、第2補助コネクタ56の下流に配されている。
【0205】
再循環構成では、代わりに、
-第1補助コネクタ57は、動脈コネクタ40に接続され、第2補助コネクタ56は、静脈コネクタ41に接続される(
図7)、または、
-第1補助コネクタ57は、静脈コネクタ41に接続され、第2補助コネクタ56は、動脈コネクタ40に接続される(
図8)。
【0206】
図7の再循環構成において、全流量は、脱血ライン6および返血ライン7の、一次チャンバ3の出口から発し、返血ライン7を希釈後液体ライン25に接続する切り離し不可能コネクタに到達する部分に存在し、部分流量は、第1補助コネクタ57と第2補助コネクタ56とを接続するラインの部分と、返血ライン7の希釈後液体ライン25の下流の部分と、に存在する。
【0207】
第3実施形態において、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、ともに3ウェイコネクタであり、それぞれ、上記で特定された2つの可能な代替案のうち1つに従って、静脈コネクタ40と動脈コネクタ41との間で選択された一方のコネクタの別の切り離し可能ポート72に接続されるように構成された、切り離し可能ポート70を備える。第1補助コネクタ57および第2補助コネクタ56の切り離し可能ポート72は、静脈コネクタおよび動脈コネクタの切り離し可能ポートのタイプとは反対のタイプのものである。換言すると、第1補助コネクタ57および第2補助コネクタ56の切り離し可能ポート72が雄タイプであるときに、動脈コネクタおよび静脈コネクタの切り離し可能ポートは雌タイプであり、逆もまた同様である。
【0208】
図9に概略的に開示されるように、任意で、希釈後液体ライン25は、具体的には、第1補助コネクタ57の下流に、希釈後液体ライン25を返血ライン7に接続する切り離し不可能3ウェイコネクタのすぐ上流に設置された、圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器60を備えていてもよい。圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器60は、再循環中にフロー抵抗を均一にするように構成され、液体ライン上に着脱可能または固定して設置されていてもよく、任意で、ドロップバルブまたはフロー抵抗器は、可変抵抗タイプであってもよい。
【0209】
第4実施形態
第4の実施形態において、第1補助コネクタ59および第2補助コネクタ58は、血液回路上に両方とも配され、第1補助コネクタ59が返血ライン7上に配され、第2補助コネクタ58が脱血ライン6上に配されるように構成される。好ましくは、非限定的な範囲ではあるが、第2補助コネクタ58は、使い捨て回路が装置1に適切に設置されると、血液ポンプ11の上流に位置する血液回収ライン6の部分6a上に位置し、第1補助コネクタ59は、好ましくは、気泡検出器8aおよび安全クランプ9の上流に設置される。したがって、第1補助コネクタ59は、第2補助コネクタ58の下流に配されている。
【0210】
図10の再循環構成において、第1補助コネクタ59は、動脈コネクタ40に接続され、第2補助コネクタ58は、静脈コネクタに接続される。
【0211】
図10の再循環構成において、全流量は、第2補助コネクタ58の下流の脱血ライン6および第1補助コネクタ59の上流、すなわち、第2補助コネクタ58と一次チャンバ3の入口との間の脱血ライン6のそれぞれの部分、および、一次チャンバの出口と第1補助コネクタ59との間の返血ライン7の部分に存在し、部分流量は、血液回収ライン6の第2補助コネクタ58と動脈コネクタ40との間に位置する部分、および、第1補助コネクタ59と静脈コネクタ41との間に位置する返血ライン7に存在する。
【0212】
第4実施形態において、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、ともに3ウェイコネクタであり、静脈コネクタ40と動脈コネクタ41との間で選択された一方のコネクタの別の切り離し可能ポート72に接続されるように構成された、切り離し可能ポート70を備える。第1補助コネクタ59および第2補助コネクタ58の切り離し可能ポート72は、静脈コネクタおよび動脈コネクタの切り離し可能ポートのタイプとは反対のタイプのものである。換言すると、第1補助コネクタ59および第2補助コネクタ58の切り離し可能ポート72が雄タイプであるときに、動脈コネクタおよび静脈コネクタの切り離し可能ポートは雌タイプであり、逆もまた同様である。
【0213】
図11は、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタが両方とも脱血ライン6上に配され、血液ポンプ11の上流のライン部6aにおいて、静脈コネクタ41が第2補助コネクタ58に直接接続され、動脈コネクタ40が第2補助コネクタ58の下流に配された第1補助コネクタ59に直接接続される代わりの接続を示す。この後者の構成は、好ましいと考慮されるべきではないが、いずれにしても、本開示において意図されるような液体の再循環を可能にする閉回路を画定することが依然として許容可能であることに留意されたい。
【0214】
第5実施形態
第5実施形態において、第1補助コネクタ55および第2補助コネクタ54は、使い捨て回路が装置1上に適切に配されると、好ましくかつ非限定的な範囲で、血液ポンプ11の上流に位置する脱血ラインの一部において、例えば、脱血ライン6の一部に設置される単一の補助ライン上に両方とも配される。第5実施形態において、第1補助コネクタ55は、第2補助コネクタ54の下流に配されている。
【0215】
再循環構成では、代わりに、
-第1補助コネクタ55は、動脈コネクタ40に接続され、第2補助コネクタ54は、静脈コネクタ41に接続される(
図12)、または、
-第1補助コネクタ55は、静脈コネクタ41に接続され、第2補助コネクタ56は、動脈コネクタ40に接続される(
図13)。
【0216】
図12の再循環構成において、全流量は、補助ライン42の下流の脱血ライン6および返血ライン7に存在し、部分流量は、補助ライン42、および、脱血ライン6の、補助ライン42の一端を脱血ライン6に接続する3ウェイ切り離し不可能コネクタと動脈コネクタ40で終端する脱血ライン6の第2端部との間に含まれる部分に存在する。
【0217】
第5の実施形態において、第1補助コネクタと第2補助コネクタとの間の一方のコネクタは、上記で特定された2つの可能な代替案のうち1つに従って、静脈コネクタ40、動脈コネクタ41間で選択された一方のコネクタの別の切り離し可能ポート72に接続されるように構成された切り離し可能ポート70を備える3ウェイコネクタである。他方のコネクタは、切り離し可能ポートと、補助ライン42のそれぞれのチューブ部に固定して設置された切り離し不可能ポートと、を備えた2ウェイコネクタである。第1補助コネクタ55および第2補助コネクタ54の切り離し可能ポート72は、静脈コネクタおよび動脈コネクタの切り離し可能ポートのタイプとは反対のタイプのものである。換言すると、第1補助コネクタ55および第2補助コネクタ54の切り離し可能ポート72が雄タイプであるときに、動脈コネクタおよび静脈コネクタの切り離し可能ポートは雌タイプであり、逆もまた同様である。
【0218】
第5実施形態は第1実施形態と同様であるが、一時的な切り離しおよび再循環のために、処理ライン21の代わりにサービスライン42が使用される。
【0219】
第6実施形態
使い捨て回路の第6実施形態は、
図14に概略的に示されており、好ましくかつ非限定的な範囲であるが、使い捨て回路が装置1上に適切に配されるときに、血液ポンプ11の上流、任意で、血液ポンプ前注入前ライン21の上流に両方が位置する、脱血ライン6の一部上に配された第1補助ライン42および第2補助ライン42aを備えている。第1補助ライン42および第2補助ライン42aのそれぞれは、脱血ライン6に接続された第1端部と、第1補助ライン42上に配された第1補助コネクタ55、第2補助ライン42a上に配された第2補助コネクタ54でそれぞれ終端する第2端部と、を備える。
【0220】
再循環構成では、代わりに、
-第1補助コネクタ55は、静脈コネクタ41に接続され、第2補助コネクタ54は、動脈コネクタ40に接続される(
図15)、または、
-第1補助コネクタ55は、動脈コネクタ40に接続され、第2補助コネクタ56は、静脈コネクタ41に接続される(
図15の構成に対して実質的に対称であるため、何れの図にも図示せず)。
【0221】
図15の再循環構成において、全流量は、第2補助ライン42aの下流の脱血ライン6および返血ライン7に存在し、部分流量は、第1補助ライン42、第2補助ライン42a、および、脱血ライン6の、第1補助ライン42の一端を接続する3ウェイ切り離し不可能コネクタと第2補助ライン42aの一端を接続する3ウェイ切り離し不可能コネクタの上流から、脱血ライン6が動脈コネクタ40で終わる第2端部までの間を含む部分に存在する。
【0222】
第6実施形態において、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタの両方が、それぞれ第1補助ライン、第2の補助ライン42のそれぞれのチューブ部に固定して設置された、切り離し可能ポートおよび切り離し不可能ポートを備える2ウェイコネクタである。第1補助コネクタ55および第2補助コネクタ54の切り離し可能ポート72は、静脈コネクタおよび動脈コネクタの切り離し可能ポートのタイプとは反対のタイプのものである。換言すると、第1補助コネクタ55および第2補助コネクタ54の切り離し可能ポート72が雄タイプであるときに、動脈コネクタおよび静脈コネクタの切り離し可能ポートは雌タイプであり、逆もまた同様である。
【0223】
最後に、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタが動脈コネクタ41および静脈コネクタ40に接続されたときに、血液再循環を適切に可能にするように、記載された注入ラインの何れか1つおよび血液回路の他の1つに配されうることは、排除されない。
【0224】
動作の方法
ここでは、血液処理中に患者が一時的に装置1から、したがって、使い捨て回路からも切り離されうるという文脈において、本開示による使い捨て回路の動作の方法を詳細に説明する。
【0225】
使用時には、処理構成を開始する前に、使い捨て回路は、装置1に設置され、使い捨て回路の設置を容易にし、また、設置中に有資格のオペレータによって実行されるエラーのリスクを低減するために、装置1は、オペレータが正しい配置を行うことを助けるGUI上の視覚的なインストラクションを提供してもよい。制御ユニット10は、装置1のユーザインターフェースの画面上に、処理の前の機械構成の選択項目を提供する。処方および関連パラメータが入力されると、使い捨て回路は、適切に準備され、その後、血液回路は、患者の血管アクセスに接続され、処理が開始される。
【0226】
処理が一時的に中断されなければならない場合、ユーザインターフェースは、対応する画面を有し、再循環構成のための選択項目、例えばアイコンが、ユーザは選択することができる。
【0227】
図24にも簡単に開示されるように、患者が装置1から切り離されなければならないとき、ユーザは、装置1の画面上で再循環構成の選択項目を選択し、次いで、制御ユニット10は、装置1を、最初に少なくとも血液ポンプ11、好ましくは、装置1の全てのポンプが停止される特定の構成に構成する(ブロック1000)。血液ポンプ11は、主に動作構成および再循環構成の両方において、動脈コネクタから静脈コネクタへの液体の循環を強制することに関与するポンプであるため、少なくとも血液ポンプ11の停止は、装置1を上述の再循環構成に切り換える、または、再構成するために、したがって、使い捨て回路を処理構成から再循環構成へおよびその逆のために、必要である。
【0228】
非限定的な範囲ではあるが、停止信号は、排出液ポンプ17および透析ポンプ17aにも送られうる。透析液が液体回路内で循環し続ける場合、少なくとも限外濾過は、停止される、または、最小の非常に低い値に設定される。もちろん、1つ以上の注入ポンプが稼働してもよく、注入液は限外濾過によってバランスされてもよい。
【0229】
次いで(ブロック1001)、装置1から患者の切り離しが行われ、ユーザ(および/または装置)は、血液ラインの端部をクランプし、次いで、動脈コネクタ40および静脈コネクタ41をアクセスデバイス(例えば、中央カテーテルまたはアクセス針)から切り離し、その結果、動脈コネクタ40および静脈コネクタ41は、上述の実施形態のうち1つに従って、それぞれの切り離し可能な端部が実際にはフリーであり、補助コネクタのそれぞれのフリーの端部に接続される準備が整う。
【0230】
一般に、ユーザは、第1コネクタを切り離し、通常、動脈コネクタ40は、最初に切り離される。次いで、切り離された(例えば、動脈)コネクタは、選択された再循環構成に応じて、第1補助コネクタまたは第2補助コネクタに接続される。その後、第2コネクタ(例えば、静脈コネクタ41)は、切り離され、続いて、再循環構成を画定する第1補助コネクタおよび第2補助コネクタのうちフリーのコネクタに接続される。換言すると、ユーザは、動脈コネクタと静脈コネクタとを順次切り離して接続する。
【0231】
図24のブロック1002に示されるように、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタは、次いで、好ましくは、前述の実施形態の構成の何れかの開示に応じて、静脈コネクタ41および動脈コネクタ40に接続される。第1補助コネクタおよび第2補助コネクタがセルフシールタイプである場合、オペレータは、典型的には補助コネクタの切り離し可能ポート70、70aから閉鎖キャップを取り外す必要がなく、そうでない場合、補助コネクタのそれぞれの動脈コネクタ40および静脈コネクタ41への接続を適切に設定する前に、オペレータは、任意の保護キャップおよび/または閉鎖キャップを切り離し可能ポートから適切に取り外さなければならない。もちろん、セルフシールコネクタがキャップを有さない場合、セルフシールポートに接続する前に、セルフシールポートを洗浄/消毒する必要がありうる。
【0232】
本明細書に開示される使い捨て回路の導管の柔軟性は、容易な再構成を可能にし、動作構成から再循環構成への切り換えまたは再構成中に、回路が装置1上の定位置に残されることにさらに留意されたい。多くの場合、動脈コネクタ40および静脈コネクタ41の両方に近い血液回路6、7の部分は、装置1上の経路上に少なくとも一時的に画定された位置から、より容易にアクセス可能であり、および/または、フリーであるかまたはいずれにせよ離れているものでありうる、したがって、静脈コネクタ40または動脈コネクタ41の何れかとの補助コネクタの相互接続のステップは、好ましくは、血液回路6、7の一部分を移動させることによって実行されてもよく、その結果、静脈コネクタ(または動脈コネクタ)は、物理的に、最初に接近させられ、次いで、それぞれの補助コネクタのフリーな端部ポートと接触させられる。これによって、ユーザの操作が容易になり、回路および装置の再構成に要する時間がさらに短縮される。この態様のおかげで、再循環構成への再構成を迅速に行うことができる。
【0233】
第1補助コネクタ、第2補助コネクタ、および、動脈コネクタ40、静脈コネクタ41の間の適切な接続が設定されると、血液ラインは、クランプ解除され、オペレータは、少なくとも血液ポンプ11の再作動のコマンドを設定するために、装置1のユーザインターフェース上に迅速に介入するものとする。このステップは、
図24のブロック1003に概略的に示されている。好ましくは、これは、装置1の画面上に提供された特定のアイコンとのインタラクションを通して、または、装置1上の特定の作動ボタンに対する動作を通して行われる(ブロック1003、
図24)。
【0234】
再循環構成における液体の再循環中、血液回路6、7に接続された液体ラインの何れかに含まれる液体が、そこからドレインされることは望まれない。したがって、再循環プロセスによると、血液回路6、7に接続された液体ラインの任意のポンプは、再循環のプロセス全体にわたって非作動化され、休止する。これは、ポンプの停止が、ポンプの上流のそれぞれの液体ラインにおける自由な液体の循環を妨げるための手段として作用するため、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタが液体ラインのポンプの両方の下流に配されるときに特に適している。この利点は、液体ラインに作用するポンプが蠕動ポンプのような閉塞ポンプであるときに、さらに高められる、なぜならば、この後者のタイプのポンプが作動していないときに液体の流れに追加の抵抗を提供するだけでなく、液体ラインの導通部分を実質的に完全に閉じ、液体ラインの上流部からの液体のドレインを物理的に妨げるからである。したがって、血液回路6、7内に液体を導入するラインの何れかのポンプの上流に含まれる液体の汚染が防止されるか、または、いずれにせよ著しく低減される。
【0235】
第1代替形態において、液体が再循環構成において使い捨て回路内で再循環されるときに、排出液ポンプ17および透析ポンプ17aは停止され、別の第2代替形態において、液体が再循環構成において使い捨て回路内で再循環されるときに、排出液ポンプ17および透析ポンプ17aは作動したままである(しかし、限外濾過は達成されない)。
【0236】
患者の一時的な切り離しが終了するとき、すなわち、血液処理の一時的な中断を終了する目的で静脈コネクタ40および補助コネクタ41を介して患者が装置1に再接続されるとき、ユーザは、血液ポンプ11の作動を停止する制御ユニット10に動作可能に接続されたユーザインターフェース上の特定のコマンドを選択し、液体の再循環中に排出液ポンプ17および透析ポンプ17aが作動したままであった場合、それらのポンプも停止されうる。次いで、オペレータは、静脈コネクタ40および動脈コネクタ41を、クランプし、それらが接続されているそれぞれの第1補助コネクタ、第2補助コネクタから切り離す。使い捨て回路の再循環構成が開始されたときに画定された回路の閉構成は、その後終了し、一時的に使い捨て回路は開く。第1補助コネクタおよび第2補助コネクタがセルフシールタイプでない場合、オペレータは、そのフリーの切り離し可能な端部を閉じることを提供し、そうでない場合、第1補助コネクタおよび第2補助コネクタがセルフシールタイプである場合、オペレータのこの後者の動作は必要とされない。
【0237】
静脈コネクタ40および動脈コネクタ41は、次いで、患者のアクセスデバイスに再接続され、クランプ解除され、画面上の制御ユニット10のメニューを介して、ユーザは血液処理の再開に対応する選択項目を選択し、装置1のポンプ、具体的には、少なくとも血液ポンプ11が次いで、再作動される。再作動化は、好ましくは、排出液ポンプ17および透析ポンプ17a、および、処理の送達を可能にするためのすべての注入ポンプ(設定された処理モードによって必要とされる)についても行われる。
【0238】
上記の切り離しの手順は、一時的な切り離しの前に、患者に血液を戻す必要がないことに留意されたい(ただし、これも可能である)。したがって、血液ライン内および最終的には関与する注入ラインの部分内で起こる再循環が、患者の血液に対して起こる。
【0239】
代替的な手順として、体外の血液は、再循環の前に患者に戻されてもよい。この実施形態によると、血液ポンプが停止され、脱血ライン6がクランプされた後、動脈コネクタ40は患者のアクセスデバイスから切り離され、生食液(例えば、生理食塩水または置換液)を収容するバッグに接続される。脱血ラインは、クランプ解除され、血液ポンプは再作動化されて、血管アクセスに依然として接続されている返血ラインを介して患者に血液を戻す。血液が戻されると、脱血ラインがクランプされ、動脈コネクタが第1補助コネクタまたは第2補助コネクタに適切に接続される。次いで、返血ラインがクランプされ、静脈コネクタ41がアクセスデバイスから取り外され、第1補助ラインおよび第2補助コネクタの他方に接続される。ユーザは、血液ラインをクランプ解除し、再循環回路内の生食液の再循環を開始する。
【0240】
特に、注入ラインが回路上に存在する場合、注入ラインに供給するバッグの内容物を使用して、血液を回復させるのに適した液体を提供することができる。すなわち、液体が血液ラインに入り、返血ラインおよび血管アクセスを介して患者に血液を押し込むために、脱血ラインがクランプされ、注入ポンプ(および必要であれば血液ポンプも)が作動される。この代替的な手順は、動脈コネクタを取り外す前であっても実行されうる。
【0241】
液体の再循環中、アクセス、動脈圧および静脈圧のアラームなどの通常のアラームは、非アクティブ化される、または、アラームウィンドウが変更される。実際、再循環中の異なる条件は、通常のアラームの閾値と互換性がなく、変更/非アクティブ化がないと、いくつかの誤ったアラームが生成される。
【0242】
そこに記載されたプロセスパートは、メモリサポートにロードされたソフトウェアプログラムまたはファームウェアプログラムの部分を実行するために着想された1つ以上のデータ処理ユニットと技術的に交換可能なデータ処理ユニットを介して提供されうる。ソフトウェアまたはファームウェアプログラムは、任意の既知のプログラミング言語で書かれてもよい。電子コンピュータが2つ以上の場合、その演算能力が共有されうるように、データコネクションを介して互いに接続されてもよく、したがって、電子コンピュータは、異なる位置にインストールされてもよく、それによって、分散コンピューティング環境におけるデータコネクションを実現する。データ処理ユニットまたは制御ユニットは、ソフトウェアまたはファームウェアプログラムを介して本開示で定義されるプロセスの1つ以上の部分を実行するように特に構成された汎用プロセッサであってもよく、または、本明細書で説明するプロセスの動作の少なくとも一部を実行するように特にプログラムされたASICまたは専用プロセッサまたはFPGAであってもよい。メモリサポートは、プロセッサまたは制御ユニットまたはデータ処理ユニットの内部または外部に配されてもよく、そこから地理的に遠隔に配されてもよい。
【0243】
本発明は、図面に示された実施形態に限定されない。したがって、添付の特許請求の範囲において言及された特徴の後に参照符号が続く場合、そのような符号は、特許請求の範囲の明瞭性を高める目的のためにのみ含まれ、特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0244】
最終的に、添付の特許請求の範囲によって提供される保護の範囲から逸脱することなく、本開示の一部を形成する要素の任意の部分において、任意の適応または追加が可能になることは明らかである。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液の体外処理のための使い捨て回路であって、
-濾過ユニット(2)と、
-前記濾過ユニット(2)の入口に接続された第1端部を有する脱血ライン(6)と、前記濾過ユニット(2)の出口に接続された第1端部を有する返血ライン(7)と、を備え、前記脱血ライン(6)および前記返血ライン(7)は、患者の心血管系に接続されるように設計された血液回路(6、7)であって、
前記脱血ライン(6)は、動脈コネクタ(40)が設けられた第2端部を有し、前記返血ライン(7)は、静脈コネクタ(41)が設けられた第2端部を有し、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)は、患者の血管アクセスデバイスに着脱可能に接続されるように設計され、前記血液回路は、前記血液回路(6、7)内の前記流れを制御するための血液ポンプ(11)と繋ぎ合わされるように構成される、血液回路(6、7)と、
-前記血液回路(6、7)に接続された少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)
と、
-前記血液回路(6、7)上または前記少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上の何れかに配され
た第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)
であって、前
記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、前記血液回路内の液体の再循環を可能にする閉回路を画定するように、再循環構成で前記動脈コネクタ(40)と前記静脈コネクタ(41)との間
の一方と取り外し可能に接続されるように構成され
る、
前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と、
-前記血液回路上または前記少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上に配された第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)
であって、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記閉回路を画定するように、一方が前記動脈コネクタ(40)および他方が前記静脈コネクタ(41)に、取り外し可能に接続されるように構成される、
前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)と、
を備える、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項2】
血液の体外処理のための使い捨て回路であって、
-濾過ユニット(2)と、
-前記濾過ユニット(2)の入口に接続された第1端部を有する脱血ライン(6)と、前記濾過ユニット(2)の出口に接続された第1端部を有する返血ライン(7)と、を備え、前記脱血ライン(6)および前記返血ライン(7)は、患者の心血管系に接続されるように設計された血液回路(6、7)であって、
前記脱血ライン(6)は、動脈コネクタ(40)が設けられた第2端部を有し、前記返血ライン(7)は、静脈コネクタ(41)が設けられた第2端部を有し、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)は、患者の血管アクセスデバイスに着脱可能に接続されるように設計され、前記血液回路は、前記血液回路(6、7)内の前記流れを制御するための血液ポンプ(11)と繋ぎ合わされるように構成される、血液回路(6、7)と、
-前記血液回路(6、7)上に配され
た第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)であって、前
記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、前記血液回路内の液体の再循環を可能にする閉回路を画定するように、再循環構成で前記動脈コネクタ(40)と前記静脈コネクタ(41)との間
の一方のコネクタと取り外し可能に接続されるように構成され
る、
前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と、
-前記血液回路上に配された第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)
であって、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記閉回路を画定するように、一方が前記動脈コネクタ(40)および他方が前記静脈コネクタ(41)に、取り外し可能に接続されるように構成される、
前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)と、
を備える、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項3】
請求項1または2に記載の使い捨て回路であって、前記使い捨て回路は、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)が、患者の前記血管アクセスデバイスに取り外し可能に接続され、血液が、前記脱血ライン(6)を通り患者から抜き出され、前記濾過ユニット(2)を通り循環し、前記返血ライン(7)を通り前記患者に戻さ
れる処理構成と、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41
)が、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58
)に取り外し可能に接続さ
れる再循環構成であって、前記再循環構成において、前記血液回路(6、7)内に含まれる液体は、前記使い捨て回路の内部で再循環さ
れる前記再循環構成と、の間で可逆的に構成可能である、使い捨て回路。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の使い捨て回路であって
、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との両方は、前記静脈コネクタ(41)および前記動脈コネクタ(40)から選択される一方のコネクタに接続されるように構成された切り離し可能ポート(70)を備える3ポートコネクタであり、
前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との両方は、
-それぞれのチューブ部に固定された第1切り離し不可能サービスポート(71)および第2切り離し不可能サービスポート(71)と、
-前
記切り離し可能ポート(70)と、
を備える、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項5】
請求項
1に記載の使い捨て回路であって、前記
少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)は、以下のライン
-前記脱血ライン(6)に直接接続された血液ポンプ後希釈前注入ライン(15)、
-前記脱血ライン(6)に直接接続された血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)、
-前記返血ライン(7)に直接接続された希釈後液体ライン(25)、
のうち1つ以上を備え、
前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、前記第1補助コネクタが配された前記液体ライン(15、21、25、42、42a)のそれぞれのチューブ部に固定された第1切り離し不可能サービスポート(71)および第2切り離し不可能サービスポート(71)を備える、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項6】
請求項1および3乃至5の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、前記第2補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、前記第2補助コネクタが配され
た前記液体ライン(15、21、25、42、42a)のそれぞれのチューブ部に固定された第1切り離し不可能サービスポート(71)および第2切り離し不可能サービスポート(71)を備える、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項7】
請求項6に記載の使い捨て回路であって、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、同じ液体ラインに固定される、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項8】
請求項
1に記載の使い捨て回路であって、
前記少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)は、前記脱血ライン(6)に直接接続された血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)を備え、前記第1補助コネクタ(53)および前記第2補助コネクタ(52)は、前記血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)に固定され、前記再循環構成において、前記血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配された前記第1補助コネクタ(53)は、前記動脈コネクタ(40)に接続され、前記血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配された前記第2補助コネクタ(52)は、前記静脈コネクタ(41)に接続される、使い捨て回路。
【請求項9】
請求項
8に記載の使い捨て回路であって、前記第1補助コネクタ(53)は、前記第2補助コネクタ(52)の下流の前記血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)上に配される、使い捨て回路。
【請求項10】
請求項
1に記載の使い捨て回路であって、
前記少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)は、前記動脈コネクタ(40)の下流の前記血液回路への液体投与を可能にするように構成された血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)を備え、前記血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)は、対応する蠕動ポンプと結合するように構成された蠕動ポンプ路と
、容器と、を備え、前記血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)は、前記容器に接続され、前記第1補助コネクタ(53)およ
び前記第2補助コネクタ(52)は、前記蠕動ポンプ路の下流の前記血液ポンプ前希釈前注入ライン(21)に接続される、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項11】
請求項1乃至
10の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、再循環中に液体の流れの分布を均一にするように構成され
た第1圧力ドロップバルブまたはフロー抵抗器(60)を備え、前
記第1圧力ドロップバルブまたは
前記フロー抵抗器(60)は、前記血液回路上または前記少なくとも1つの液体ライン(15、21、25、42、42a)上に配され、前
記第1圧力ドロップバルブまたは
前記フロー抵抗器(60)は、再循環中に、2つの接続された分岐チューブ部のそれぞれの液体のフロー抵抗を均一にするように構成され
、前記第1圧力ドロップバルブまたは
前記フロー抵抗器(60)は、前記液体ライン(15、21、25、42、42a)
の部分と、前記血液回路(6、7)
の部分と、を備える前記2つの接続された分岐チューブ部の一方に配される、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項12】
請求項1乃至
11の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、
-前記二次チャンバ(4)の出口に接続された排出液ライン(13)と、
-前記二次チャンバ(4)の前記入口に接続された透析液ライン(19)と、
をさらに備え、
前記使い捨て回路は、CRRT使い捨て回路である、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項13】
請求項1
または2に記載の使い捨て回路であって、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記血液回路(6、7)上に配され、前記再循環構成において
、前記返血ライン(7)上に配された前記第1補助コネクタ(59)は、前記動脈コネクタ(40)に接続され
、前記脱血ライン(6)上に配された前記第2補助コネクタ(58)は、前記静脈コネクタ(41)に接続される、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項14】
請求項1乃至12の何れか1項に記載の使い捨て回路であって
、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)の両方は、前記静脈コネクタ(41)または前記動脈コネクタ(40)の何れかの切り離し可能ポート(72)に対応して接続されるように構成され
た切り離し可能ポート(70、70a)を備える、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項15】
請求項
14に記載の使い捨て回路であって
、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)と前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)との両方は、切り離し可能ポート(72)、前記静脈コネクタ(41)または前記動脈コネクタ(40)に接続されるように構成された切り離し可能なポート(70)を備える3ポートコネクタである、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項16】
請求項
15に記載の使い捨て回路であって、
-前
記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)の前
記切り離し可能ポート(70、70a)、および、前記動脈コネクタ(40)または前記静脈コネクタ(41)の前
記切り離し可能ポート(72)は、第1雄タイプまたは第2雌タイプの何れかであ
り、前記第1雄タイプは、前記第2雌タイプに少なくとも部分的に導入されるように構成され、
-前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)の両方は、前記第1タイプの切り離し可能ポート(72)を備えるコネクタである、または、代わりに、
-前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)の両方は、前記第2タイプの切り離し可能なポート(72)を備える、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項17】
請求項
16に記載の使い捨て回路であって、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、両方とも雄タイプまたは両方とも雌タイプの前
記着脱可能ポート(70)を有する、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項18】
請求項1および請求項1に従属する3乃至12の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記
液体ライン上で他方に対して一方が上流に取り付けられ、前記
液体ラインは、液体ポンプが動作する自らの液体ポンプ路を備え
、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記液体ポンプ路の下流に配される、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項19】
請求項1乃至
18の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、急性フィールドにおける血液の体外処理のための腎不全用装置で使用するためのCRRT使い捨て回路であり
、前記CRRT使い捨て回路は、前記二次チャンバ(4)の入口に取り外し不能に接続された使い捨て透析液ライン(19)と、前記二次チャンバ(4)の出口に取り外し不能に接続された使い捨て排出ライン(13)と、を含む、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項20】
請求項1乃至
19の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、再循環構成において、液体は、前記動脈コネクタ(40)から前記一次チャンバ(3)を通り前記静脈コネクタ(41)に流れ、前記静脈コネクタ(41)から前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)に流れ、前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)から前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)に流れ、前記
第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)から前記動脈コネクタ(40)に流れる、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項21】
請求項1乃至
20の何れか1項に記載の使い捨て回路であって、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)および前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、別々のコネクタである、または
、前記第1補助コネクタおよび前記第2補助コネクタは、単一部品で作製されている、ことを特徴とする使い捨て回路。
【請求項22】
血液の体外処理のための装置であって、請求項1乃至
21の何れか1項に記載の使い捨て回路を備え、前記装置は、制御ユニット(10)と、前記血液回路(6、7)内の血液の前記流れを制御するように構成された血液ポンプ(11)と、をさらに備え、
前記制御ユニット(10)は、
-前記血液ポンプ(11)を停止し、
-前記血液回路(6、7)内の液体の再循環の作動のコマンドを受信し、
-前記使い捨て回路が再循環構成にあるとき
、前記血液ポンプ(11)を作動させて、前記血液回路(6、7)内の液体を再循環させる、
ように構成される、ことを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項
22に記載の装置であって、前記再循環構成において、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、前記動脈コネクタ(40)または前記静脈コネクタ(41)の何れかと直接接続され、前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)の他方と直接接続され、前記制御ユニット(10)は、前記再循環構成に前記使い捨て回路を維持するように構成され、再循環中、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)または前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)に入る液体の全流量が、別々の部分流量に分割されるか、または、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)または前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)に入る液体の2つの部分流量が統合され、全流量として流出するか、の何れかである、ことを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項
22または
23に記載の装置であって、前記再循環構成において、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、前記動脈コネクタ(40)または前記静脈コネクタ(41)の何れかと直接接続され、前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)の他方と直接接続され、前記制御ユニット(10)は、前記再循環構成に前記使い捨て回路を維持するように構成され、再循環中、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)または前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)に入る液体の全流量が、別々の部分流量に分割されるか、または、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)または前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)に入る液体の2つの部分流量が統合され、全流量として流出するか、の何れかである、ことを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項
22乃至
24の何れか1項に記載の装置であって、処理構成において、前記制御ユニット(10)は、
-排出ライン(13)を通る液体の流量(Q
eff)、少なくとも1つの注入液体ライン(15、21、25、42、42a)を通る液体の流量(Q
pre、Q
pbp、Q
post)、透析液液体ライン(19)を通る液体の流量(Q
dial)、前記患者からの液体の抜き出し速度(Q
pfr)、血流量(Q
b)を含むグループから選択された1つ以上の液体の流量を受信または計算し、
-前記血液ポンプ(11)、注入ポンプ(18、22、27)、透析ポンプ(17a)、排出液ポンプ(17)
の1つ
以上を作動させて、前記所定のまたは計算された流量を送達する、
ように構成される、装置。
【請求項26】
請求項
22乃至
25の何れか1項に記載の装置であって、前記再循環構成を作動させるために、前記制御ユニット(10)は、
-前記血液回路(6、7)内の一時的な液体の再循環の作動のコマンドを受信し、
-前記血液回路(6、7)を通る再循環の流量
の値を設定し、
-前記再循環構成にあるときに
、前記血液ポンプ(11)を作動させて、前記血液回路(6、7)内の液体を再循環させる、
ように構成され、
前記再循環構成は、前記処理構成が中断され
、前記血液ポンプ(11)、および
、1つ以上の注入ポンプ(18、22、27)を停止することによって、血液回路(6、7)内の液体の流量が
、瞬間的にゼロに減少した後に行われる、ことを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項
26に記載の装置であって、前記制御ユニット(10)は、再循環のための前記血液ポンプ(11)の前記作動を可能にする前に、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)の切り離しの電子的な確認を取得するように構成される、ことを特徴とする装置。
【請求項28】
請求項
22乃至
27の何れか1項に記載の装置であって、前記処理構成において、前
記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59
)およ
び前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)に接続されず、前記再循環構成において
、前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)は、前記動脈コネクタ(40)と前記静脈コネクタ(41)との間の一方のコネクタに直接接続され、前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)は、前記動脈コネクタ(40)と前記静脈コネクタ(41)との他方に直接接続される、ことを特徴とする装置。
【請求項29】
血液の体外処理のための装置から患者の一時的な切り離しの方法であって、前記装置は、請求項1乃至
21の何れか1項に記載の使い捨て回路を備え、前記方法は、
-前記血液回路上で作動する血液ポンプを停止することと、
-前記動脈コネクタ(40)を前記患者の前記アクセスデバイスから切り離すことと、
-前記静脈コネクタ(41)を前記患者の前記アクセスデバイスから切り離すことと、
-前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)の一方を前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)に接続して再循環構成を画定することと、
-前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)の他方を前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)に接続し、前記再循環構成を画定するように前記使い捨て回路に閉回路を画定することと、
-前記患者が前記装置から切り離されたままであるときに、前記血液ポンプを動作させ、前記閉回路内の液体の再循環を開始することと、
を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項
29に記載の方法であって、
-前記閉回路内の液体の再循環を停止するために前記血液ポンプを停止することと、
-前記動脈コネクタ(40)および静脈コネクタ(41)のうち一方のコネクタを前記第1補助コネクタ(51、53、55、57、59)から切り離すことと、
-前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)の他方を前記第2補助コネクタ(50、52、54、56、58)から切り離すことと、
-前記処理を再開する前に、前記動脈コネクタ(40)および前記静脈コネクタ(41)を前記患者の前記アクセスデバイスに再接続することと、
-前記処理を再開する前に、前記静脈コネクタ(41)を前記患者の前記アクセスデバイスに再接続することと、
をさらに含み、
前記方法のステップは、前記使い捨て回路を変更することなく、およ
び、前記使い捨て回路を前記装置から切り離すことなく実行される、ことを特徴とする方法。
【国際調査報告】