(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(54)【発明の名称】隊形で走行する車両のための共有制御
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20231222BHJP
B60W 30/165 20200101ALI20231222BHJP
B60W 50/00 20060101ALI20231222BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20231222BHJP
B60W 50/08 20200101ALI20231222BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20231222BHJP
【FI】
G08G1/00 X
B60W30/165
B60W50/00
B60W60/00
B60W50/08
B60W50/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562454
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 US2021063447
(87)【国際公開番号】W WO2022140121
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523237899
【氏名又は名称】トラック オプコ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】メリクリ, テキン アルプ
(72)【発明者】
【氏名】ラジャゴパラン, ベンカタラマナン
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ, マイケル デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】メリクリ, セティン アルプ
(72)【発明者】
【氏名】ケリー, アロンゾ ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】オズククル, ネジー エルギン
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA01
3D241BA60
3D241BB16
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF11
5H181FF25
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
(57)【要約】
隊形で走行する2つ以上の車両を制御する方法および装置。選択された車両が、完全または部分的に自律的に制御され得、少なくとも1つの車両が、人間運転者によって部分的に制御される。情報が、各車両において運転者から収集され、他の車両および運転者と共有され、共有世界モデルを生成する。共有世界モデルの側面が、次いで、制御入力を用いて応答し得る人間運転者に提示され得る。車両上の自律型システムおよび運転者が、次いで、行動することまたは行動しないことの集合的決定を行うために共同し、そのような調整された様式における任意の行動を実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両隊形の共同的制御のための方法であって、第1の車両が、人間運転者によって少なくとも部分的に制御可能であり、第2の車両が、自律型論理によって少なくとも部分的に制御可能であり、前記方法は、
前記第1の車両上の人間運転者の入力から情報を収集することと、
前記第1の車両および前記第2の車両の両方上のセンサから情報を収集することと、
このように収集された情報を前記第1の車両と前記第2の車両との間で共有し、共有情報を提供することと、
各車両が前記共有情報を使用し、世界モデルを維持することと、
各車両が前記世界モデルを使用し、各車両が他の車両とともに一団としての決定に共同して従事することを可能にすることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記決定は、提案された行動を実施すること、または実施しないことである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記決定は、前記世界モデルの状態を更新することである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記提案された行動は、前記自律型論理によって提案され、前記提案された行動は、前記人間運転者によって拒否可能である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記提案された行動は、前記人間運転者によって提案され、前記提案された行動は、前記自律型論理によって拒否可能である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記提案された行動は、前記第1の車両または第2の車両のいずれかが前記隊形に加わることまたは前記隊形から離れることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記提案された行動は、人間によって少なくとも部分的に制御されている第3の車両が、前記第1の車両の背後において前記隊形に加わることと、次いで、前記第3の車両が自律運転モードに入ることとを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記提案された行動は、前記第1の車両が自律運転モードから離れ、人間制御モードに入り、車列から離れることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記提案された行動は、前記隊形における先導車両と追従車両との役割を入れ替えることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記提案された行動は、
前記第1の車両または第2の車両のいずれかが車線を変更すること、または
前記第1の車両または第2の車両のいずれかが走行車線に入ること、またはそれから離れること、または
前記第1の車両または第2の車両のいずれかがスピードまたは別の車両までの距離を増減させること、または
前記第1の車両または第2の車両のいずれかが別の車両の隣に駐車するように操縦すること
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記人間運転者の入力は、視覚的に、オーディオを経由して、または、ジョイスティックまたはステアリングデバイスまたは他の入力デバイスへの力による等、物理的に伝達される情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記決定は、前記第1の車両または前記第2の車両のいずれかに課される制約の伝搬をさらに考慮する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記制約は、前記自律型論理が、前記人間がステアリング決定を行うことをやめさせようとするが、それを防止しないことを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記共有情報は、
前記自律型論理または人間制御のコンポーネントの外側で生じるデータおよび導出データ、
前記自律型論理または人間制御の内側で生じるデータ、および/または
前記人間運転者によって感知されることが可能である物理的現象
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
車両隊形の共同的制御を可能にするためのインターフェースであって、第1の車両が、人間運転者によって少なくとも部分的に制御可能であり、第2の車両が、自律型論理によって少なくとも部分的に制御可能であり、前記インターフェースは、1つ以上のメモリに記憶されたプログラムコードを実行するように構成された1つ以上のプロセッサを備え、
前記プログラムコードは、
前記第1の車両上の人間運転者の入力および出力から情報を収集することと、
前記第1の車両および第2の車両の両方上のセンサから情報を収集することと、
結果として生じた収集情報を前記第1の車両と第2の車両との間で共有することと、
少なくとも前記結果として生じた共有情報の選択された部分を前記第1の車両に関連付けられたディスプレイ上に表示することと、
各車両が前記共有情報を使用し、世界モデルを維持することと、
前記世界モデルを使用し、前記車両が一団としての決定に共同して従事することを可能にすることと
をさらに行うためである、インターフェース。
【請求項16】
車両の車列の共同的制御を可能にするためのインターフェースであって、第1の車両が、人間運転者によって少なくとも部分的に制御可能であり、第2の車両が、自律型論理によって少なくとも部分的に制御可能であり、前記インターフェースは、1つ以上のメモリに記憶されたプログラムコードを実行するように構成された1つ以上のプロセッサを備え、
前記プログラムコードは、
前記第1の車両上の人間運転者の入力および出力から情報を収集することと、
前記第1の車両および第2の車両の両方上のセンサから情報を収集することと、
結果として生じた収集情報を前記第1の車両と第2の車両との間で共有することと、
少なくとも前記結果として生じた共有情報の選択された部分を前記第1の車両に関連付けられたディスプレイ上に表示することと、
各車両が前記共有情報を使用し、世界モデルを維持することと、
前記世界モデルを使用し、前記車両が一団としての決定に共同して従事することを可能にすることと
をさらに行うためである、インターフェース。
【請求項17】
前記決定は、提案された行動を実施すること、または実施しないことに関する、請求項16に記載のインターフェース。
【請求項18】
前記決定は、前記人間運転者と前記自律型論理との間の共同から生じる、請求項16に記載のインターフェース。
【請求項19】
前記プログラムコードは、前記第1の車両の中に位置しているステアリングホイールからの入力をさらに受け入れるためである、請求項16に記載のインターフェース。
【請求項20】
前記結果として生じた共有情報の前記選択された部分は、前記第1の車両の外部ミラー内に配置されたコンピュータ生成ディスプレイユニット上に表示される、請求項16に記載のインターフェース。
【請求項21】
前記結果として生じた共有情報の前記選択された部分は、前記第1の車両内に配置されたコンピュータ生成ディスプレイユニット上に表示される、請求項16に記載のインターフェース。
【請求項22】
前記プログラムコードは、
ステアリングシェーカー、
合成ミラー、
俯瞰ディスプレイ、
合成視点ディスプレイ、
運転者席触知装置、または
予測ディスプレイ
のうちの1つ以上に出力をさらに提供するためである、請求項16に記載のインターフェース。
【請求項23】
前記結果として生じた共有情報の前記選択された部分は、前記人間運転者が進入車線から幹線道路に入ることを援助するためである、請求項16に記載のインターフェース。
【請求項24】
前記結果として生じた共有情報の前記選択された部分は、前記車両が操縦を安全に完了するための残りの時間または距離を示すプログレスバーとして表示される、請求項16に記載のインターフェース。
【請求項25】
前記結果として生じた共有情報の前記選択された部分は、コンピュータ生成ディスプレイユニット上に表示され、前記決定に共同して従事する前記車両のステータスを視覚的に示す、請求項16に記載のインターフェース。
【請求項26】
前記結果として生じた情報の選択された部分は、オーディオを経由して伝達される、請求項16に記載のインターフェース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、それらの各々の全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれる2020年12月22日に出願され、「Shared Control for Vehicles Travelling in Formation」と題された係属中の米国仮出願第63/128,961号、2021年10月22日に出願され、「Shared Control for Vehicles Travelling in Formation」と題された係属中の米国特許出願第17.507,935号、2021年11月17日に出願され、「User Interfaces for Shared Control of Vehicles Travelling in Formation」と題された係属中の米国特許出願第17/528,302号の優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本願は、自律車両に関し、より具体的に、隊形で走行する2つ以上の車両の共有制御に関する。
【背景技術】
【0003】
これまでの数十年におけるロボット工学の分野におけるある努力は、1つの車両が別のものに追従しているときのその車両について自律的制御を提供することに集中してきた。理想的に、自律型追従車両は、全ての交通法規を観察し、常時予測可能な様式において挙動する人間によって駆動された場合と同じ方法において行動すべきである。自動運転の一般的目標は、安全の向上、減少した渋滞、および減少した排出量を含む。
【0004】
長距離トラック輸送等の商業的車両に適用されるように、目標は、エネルギー節約および人件費削減も伴う。方法が、したがって、隊形(間に短い間隙のみを伴って同じ軌道に沿って走行するトラックの群を含む)を動作させるために開発されている。そのようないわゆる隊列または車列は、協働可能な制御を使用し得る。それらは、例えば、直前に先行するトラックに対する距離およびスピードの差異を測定する前方に向いている遠隔のセンサからの情報をそのトラックおよびその前方の他のトラックから通信される追加の情報と組み合わせることによって、運転決定を実施し得る。いくつかのそのような従来の努力の精査に関して、例えば、Tsugawa,et al.の「A Review of Truck Platooning Projects for Energy Savings」,IEEE Transactions on Intelligent Vehicles,Vol.1 No.1,March 2016,pp 68-77(非特許文献1)を参照されたい。
【0005】
以下の走行車線をたどることを伴う車両制御の側面も、数十年にわたって研究されている。例えば、Huang,et al.は、「Finding multiple lanes in urban road networks with vision and lidar」,Autonomous Robots,Vol 26,pp.103-122 (2009)(非特許文献2)において、移動車両によって入手された較正されたビデオ像およびレーザ測距データからの都市の道路網内の複数の走行車線の特性を検出および推定するためのシステムを説明する。システムは、複数のプロセッサ上でリアルタイムで動作し、車両を誘導するために使用され得る近傍の走行車線の安定した推定値に検出された道路マーキング、障害物、および縁石を融合する。
【0006】
Fong,T.は、「Collaborative Control: A Robot-Centric Model for Vehicle Teleoperation」,The Robotics Institute,Carnegie Mellon University (2001) (CMU-RI-TR-01-34)(非特許文献3)において、共同的制御アプローチを説明し、人間とロボットとが、タスクを実施し、共通の目標を達成するために共同する。監督者が従属者に指示することの代わりに、人間とロボットとは、情報を交換し、質問し、差異を解決するための対話に従事する。このアプローチを用いることで、ロボットは、実行においてより多くの自由を有し、問題が存在するとき、良好な解決策を見出す可能性がより高くなる。人間は、ロボットのリソースとして機能することが可能であり、タスク実行中、認識および知覚に関して援助を提供する。これは、人間が自律性の不備を補償することを可能にすることができる。
【0007】
Triller,S.は、「A Cooperative Behavior Model for Autonomous Robots in Dynamic Domains」,University of Kassel,(2009)(非特許文献4)において、自律型ロボットの協働可能なチームが、ロボットサッカーゲーム等の種々の領域において使用されるシナリオを説明する。複数のロボットが、チームを形成し、全てのロボットは、そのセンサデータをそれ自体の世界モデルに統合する。この世界モデルからのあるデータが、他のチームメンバに送信される。ロボットが、そのチームメンバのうちの1つからデータを受信する度に、それは、そのデータを共有世界モデルのそれ自体のコピーに統合する。共有世界モデルは、全てのチームメンバに関するデータを保持し、共有されたボール位置を計算すること等の方法を提供する。各ロボット上の挙動エンジンが、共有されたデータを考慮し、それらの行動を調整することができる。ボール位置等のデータが、例えば、ボール位置の共有推定値を計算するためにさらに融合されることができる。例えば、共有される推定されるボール位置は、大部分のロボットが合意するボールの位置を表し得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Tsugawa,et al.「A Review of Truck Platooning Projects for Energy Savings」,IEEE Transactions on Intelligent Vehicles,Vol.1 No.1,March 2016,pp 68-77
【非特許文献2】Huang,et al.「Finding multiple lanes in urban road networks with vision and lidar」,Autonomous Robots,Vol 26,pp.103-122 (2009)
【非特許文献3】Fong,T.「Collaborative Control: A Robot-Centric Model for Vehicle Teleoperation」,The Robotics Institute,Carnegie Mellon University (2001) (CMU-RI-TR-01-34)
【非特許文献4】Triller,S.「A Cooperative Behavior Model for Autonomous Robots in Dynamic Domains」,University of Kassel,(2009)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
車両隊形の共有制御のためのシステムおよび方法が、本明細書に開示され、第1の車両は、人間運転者によって少なくとも部分的に制御可能であり、第2の車両は、自律型論理によって制御可能である。隊形の動作を改良するために、一方または両方の車両上の自律型論理が互いに、および人間運転者と共同することが、有利であり得る。
【0010】
そのような共同は、情報の共有によって可能にされ得、そのような情報は、最終的に、以下を含む多数のタスクのために使用され得る:
【0011】
・知覚:隊列の外部および内部の物体および事象を理解すること。
【0012】
・思考:状況の認識全体に基づいて、行動することまたはしないことの決定に達すること。
【0013】
・行動:行動を実行すること、または実行しないこと。
【0014】
車両が、車両が隊列に加わることまたはそれから離れること、または車線を変更すること、または他の行動をとることを意図する場合を含む、そのような共有情報を使用して協働することを可能にする方法および装置が、説明される。この共同に参加する人間運転者を援助するような情報を伝達または受け入れるための方法も、提供される。
【0015】
隊形で移動する車両が情報を共有することは、稀ではないが、共有世界モデルの使用および維持は、実践では、車両間でコマンドおよびセンサデータを単に送信することより精緻であり得る。コマンドおよびセンサデータは、共有されている情報の一部であることができるが、他の情報は、処理することまたは人間とインターフェースをとることの任意の中間段階において生み出された任意の情報を含み得る。部分的に、そのような中間段階情報をさらすことの恩恵は、それが、環境の解釈および複雑な決定を行うことにおける、はるかにより深い共同を可能にすることである。
【0016】
そのようなより精緻な共有は、任意の数の自律的に制御可能な車両に関する任意の共同的挙動を含む、共同的制御を可能にする、および/または改良することができる。さらに、共同的活動は、それらの両方が恣意的にそれらの車両間に分散させられ得る任意の数の人間と、任意の数の車両上の自律型論理とを伴うことができる。
【0017】
一側面では、方法またはシステムが、車列または隊列等の車両隊形の共同的制御を提供する。第1の車両が、人間運転者によって少なくとも部分的に制御可能であり、第2の車両が、自律型論理によって少なくとも部分的に制御可能である。情報が、少なくとも第1の車両上の人間運転者の入力および出力から収集される。情報は、第1の車両および第2の車両の両方上のセンサからも収集される。結果として生じた収集情報が、次いで、第1の車両と第2の車両との間で共有される。各車両は、次いで、共有情報を使用し、共有世界モデルのそれ自体のコピーを維持する。共有世界モデルは、次いで、車両が、一団として、共同して1つ以上の行動に従事することを可能にする。より具体的に、自律型論理によって提案された行動が、人間運転者によって拒否され得るような、および人間運転者によって提案された行動が、自律型論理によって拒否され得るような、提案された行動を実施するか、または実施しないかの決定が、人間運転者と自律型論理との共同から生じる。
【0018】
いくつかの実施形態において、共有世界モデルによってサポートされる行動は、人間制御車両が、隊形に加わること、またはそれから離れることを含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、共有世界モデルによってサポートされる行動は、第2の人間制御車両が、第1の人間制御車両の背後において隊形に加わり、第2の車両が、次いで、自律運転モードに入ることを含み得る。または、行動は、人間制御車両が、自律運転モードから離れ、人間制御モードに入り、隊列から離れることを含み得る。
【0020】
共有世界モデルによってサポートされる共同的行動は、自律型または人間駆動から、またはその逆の運転モードの対応する変化に伴って、先導車両および追従車両の役割を入れ替えることも含み得る。
【0021】
第1の車両または第2の車両のいずれかが車線を変更すること、または第1の車両または第2の車両のいずれかが走行車線に加わること、またはそれから離れること、または車両が交通出入車線または路肩を経由して幹線道路に加わること、または第1の車両または第2の車両のいずれかがスピードまたは別の車両までの距離を増減させること等、共有世界モデルによってサポートされる他の共同的行動も、可能である。
【0022】
共有世界モデルに提供されるまたはそれから取得される人間運転者の入力および出力は、視覚的に、オーディオ(認識可能な音または発話される言葉)を経由して、または、ジョイスティック、またはステアリングホイール、または他の手動の入力デバイスへの力による等、物理的に伝達される情報を含み得る。
【0023】
共同的決定プロセスは、いくつかの共同的行動がとられることに先立って、第1の車両または第2の車両のいずれかまたは両方に課される制約の伝搬をさらに考慮し得る。そのような制約は、自律型論理が、人間がステアリング決定を行うことをやめさせようとするが、それを防止しないことを含み得る。
【0024】
共有世界モデル内に維持される情報は、自律型論理または人間制御のコンポーネントの外側で生じるデータおよび導出データ、自律型論理または人間制御の内側で生じるデータ、および/または人間運転者によって感知されることが可能である物理的現象等の情報を含み得る。
【0025】
車両の共同的制御を可能にするためのインターフェースも、本明細書において説明され、第1の車両が、人間運転者によって少なくとも部分的に制御可能であり、第2の車両が、自律型論理によって少なくとも部分的に制御可能である。インターフェースは、第1の車両上の人間運転者の入力および出力から情報を収集し、第1の車両および第2の車両の両方上のセンサから情報を収集するためである。結果として生じた収集情報は、次いで、第1の車両と第2の車両との間で共有され、共有世界モデルを維持する。インターフェースは、世界モデルが、車両が一団としての決定に共同して従事することを可能にするように、少なくとも結果として生じた共有情報の選択された部分を第1の車両に関連付けられたディスプレイ上に表示する。
【0026】
いくつかの例示的実施形態において、インターフェースディスプレイは、人間運転者によって提案された行動が自律型論理によって拒否されているかどうか等の情報を人間運転者に伝達する。
【0027】
インターフェースディスプレイは、共有世界モデル内の状態情報から導出された一団としての操縦を安全に実行するための隊列の能力のある側面も運転者に通信し得る。そのような操縦は、幹線道路進入、幹線道路退出、または車線変更を含み得る。
【0028】
情報はまた、ステアリングホイールまたは座席を通してなど、触知フィードバックを経由して人間運転者に物理的に伝達されることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本明細書に議論されるアプローチの追加の新規の特徴および利点が、続く文章および付随の図面から明白である。
【0030】
【
図1】
図1は、自律トラックおよび人間駆動トラックと、共同を可能にするハードウェアおよびソフトウェアシステムの一部とを示す図面である。
【0031】
【
図2】
図2は、2つの車両上のコントローラを運転者、センサ、アクチュエータに、および他の車両に接続する機器を示すアーキテクチャブロック図である。
【0032】
【
図3】
図3は、共同を可能にするプロセスステップおよび情報フローを表すフローチャートおよびデータフロー図である。
【0033】
【
図4】
図4は、自律型コントローラのいくつかの主要コンポーネントおよびそれらのデータ相互接続を示すデータフロー図である。
【0034】
【
図5-1】
図5A-5Cは、車両が隊列に入列し、それから離れているシナリオを描写する。
【0035】
【
図5-2】
図5Dおよび5Eは、
図5A-5Cのシナリオに関するプロセスフローである。
【
図5-3】
図5Dおよび5Eは、
図5A-5Cのシナリオに関するプロセスフローである。
【0036】
【
図6-1】
図6A-6Eは、先導車両および追従車両が役割および占位位置を入れ替えているシナリオを描写する。
【0037】
【0038】
【
図7-1】
図7A-7Cは、種々の交通状況に反応するための共同のいくつかの例を示す。
【0039】
【
図7-2】
図7Dおよび7Eは、
図7A-7Cのシナリオに対応する、プロセスフローである。
【0040】
【
図8】
図8は、種々の交通状況に反応するための共同の別の例を示す。
【0041】
【
図9-1】
図9A-9Eは、オペレータディスプレイのいくつかの例を示す。
【
図9-2】
図9A-9Eは、オペレータディスプレイのいくつかの例を示す。
【
図9-3】
図9A-9Eは、オペレータディスプレイのいくつかの例を示す。
【0042】
【
図10-1】
図10A、10B、および10Cは、人間運転者との触知相互作用のいくつかの例を示す。
【
図10-2】
図10A、10B、および10Cは、人間運転者との触知相互作用のいくつかの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本特許出願は、隊形で移動する車両の共有制御のための方法を説明する。本説明は、一対の車両が隊形にある例に焦点を当てるであろう。第1の車両は、人間運転者によって少なくとも部分的に制御可能であり、第2の車両は、自律型論理によって制御可能である。しかしながら、本明細書において議論される原理が、車両のより大きい群にも適用可能であることを理解されたい。
【0044】
車両が、隊形で移動することを所望するとき、車両の各々は、他のものが有していないこともある情報へのアクセスを有し得る。任意の車両において利用可能な情報は、車両内またはその近傍において生じ、その車両上のセンサを使用して感知され得る。感知されている物理的現象は、(良好にまたは全く)感知するために他の車両から遠すぎる位置に離れていることも、その現象が、それを感知可能である1つの車両によって遮られていることもある。情報はまた、他の車両における存在が不明または検出不可能な任意の車両の内側にいる人間からも生じ得る。人間が、情報の意図された消費者であるとき、それは、多くの場合、人間の知覚能力に一貫する様式において最良にフォーマット化される。情報は、そのような処理に対する入力として利用可能である任意の他の情報の恣意的量の処理の結果でもあり得る。
【0045】
いくつかの車両が、一団として行動することを所望するとき、それらは、多くの場合、一団として思考する必要があり、それは、関連のある情報の全てが空間を横断しているとき(車両自体の間で分散させられているとき)、達成することが困難であり得る。1つの可能な解決策は、車両間で関連のある情報を共有することである。このアプローチは、特定の信号処理、シミュレーション、センサデータ融合、または最適な推定スキームに依拠せず、むしろ、方法では、共同的意思決定の一部としてそのような情報を補間、外挿、不一致回避、フィルタリング、処理、および共有する。そのような技法を使用して生み出された共有データベースは、そうでなかった場合より、完全、最新、一貫、および正確であることができ、このデータベースは、全ての車両上で利用可能にされることができる。
【0046】
いくつかの車両が一団として隊形で動作し得る様式を可能にするために、および/または改良するために、情報を共有する方法が、本明細書に提示される。個々の車両は、人間によって、自律型論理によって、または両方の組み合わせによって動作させられ得る。例えば、自律型論理は、人間から認識的に負担を軽減するために使用され得るか、または、そうでなければ、人間が注意を他所に向けることまたは十分に定量的または精密な観点から車両と通信する必要性から彼らを解放することを可能にするために使用され得る。
【0047】
さらに、いくつかの方法が、情報全体が一団としてより効果的に動作することを可能にするために、人間の全てと車両の全ての上の自律型論理の全てとの間で共有されている情報を使用し得る。
【0048】
(1.1情報フロー)
【0049】
図1は、2つの車両が一団として隊形で協働可能に走行している状況である。例示的隊形は、車両が接近して追従している車列または隊列であり得る。両方の車両は、車両が製造されるとき、または後続の改造において、それらが自律型論理を実装することを可能にするハードウェアと、ソフトウェアとを組み込み得る。そのような自律型論理は、車両がそれ自体を駆動し、人間運転者と相互作用し、それらの間で情報を交換することを可能にするためのアルゴリズムを含み得る。
【0050】
例示的車両110は、センサ112と、アクチュエータ114と、V2V無線送受信機116と、他のI/Oデバイス118と、1つ以上のプロセッサ120(本明細書では、コントローラ120とも称される)とを含み得る。本明細書においてさらに議論されるように、1つ以上のプロセッサ120は、自律型論理122と、決定論理124とを含む、種々の論理を実行し得、世界モデル126も維持し得る。車両110は、人間駆動車両110-Hと、自律車両110-Aとを含む。
【0051】
図2は、これらのコンポーネントをより詳細に図示する。自動運転アルゴリズムおよび自律型論理122の他の側面は、コントローラ(1つ以上のプロセッサ120等)において実装され、コントローラは、それぞれの車両(110-Aまたは110-H)からセンサ112データを受信し、それぞれの車両110-Aまたは110-Hにアクチュエータ114信号を送信する。コントローラ120は、ヒューマンインタフェースアルゴリズムをさらに実装し得、ヒューマンインタフェースアルゴリズムは、人間運転者から他のI/Oデバイス118-Dを経由して入力(例えば、ステアリング、スロットル、タッチスクリーン等)を受け入れながら、人間読み取り可能なディスプレイ等の他のI/Oデバイス118にデータを送信することも行う。コントローラ120は、車車間(V2V)無線送受信機116にデータを送信し、それからデータを受け入れ、それが人間と相互作用すること、および他の車両110内に位置するコントローラ120と情報を交換することも可能にし得る。
【0052】
(1.2.共有情報を経由した共同)
【0053】
図3に示されるように、各車両110-A、110-Hのために決定論理124を提供する機能は、知覚および状態推定320と、状況認識および査定322と、意思決定324と、挙動実行328とを含み得る。世界モデル126は、状態モデル330と、状況モデル332と、決定モデル334とを含み得る。
【0054】
コントローラ120は、運転者および車両が共有情報に基づいて共同することを可能にするアルゴリズムを実装し得る。この情報は、典型的に、コンピュータ/人間システムのコンポーネントの外側で生じるセンサデータのみならず、コンピュータ/人間システムの内側で生じる導出データ(状態、事象、制約、結論)、および人間運転者によって生成された物理的現象を示すデータ(または、人間運転者によって感知されることを目的とするデータ)を含む。共有情報は、したがって、以下を含み得る:(i)車列の内外で生じるデータ、(ii)物理的現象(ステアリングホイール上の力等、人間によって生み出される現象、または、人間によって感知されることが可能な現象等)を表すデータ、(iii)その未加工/感知形態にあるセンサまたは他の入力デバイスから受信されるデータ、または、(iv)導出データ(例は、自律型論理または人間制御のコンポーネントの内側で生じる状態、事象、制約、結論を含む)。
【0055】
各車両110は、本明細書では、共有世界モデル240と称されるそのような共有情報のそれ自体のローカルコピー126を有するであろう。任意の所与の瞬間において、共有世界モデル240の各ローカルコピー126は、他の車両上のローカルコピー126に完全に一貫していないこともある。それにもかかわらず、全ての車両110のための全てのコントローラ120上に常駐するプロセスは、共有世界モデル240およびローカルコピー126内に共有情報を、効果的な共同を可能にするために十分に最新かつ一貫した状態に保つように試みる。車両110間における共有世界モデル240のローカルコピー126の伝搬は、下記により詳細に議論される。
【0056】
(1.3.情報処理ステップ)
【0057】
図3では、左側および右側の両方における長方形のボックスは、「知覚/思考/行動シーケンス」と呼ばれる例示的シーケンスを示す。点線は、それらのステップ間の移行を表し、実線は、各プロセスと共有世界モデルのコンポーネントとの間のデータフローを表す。コンピュータ/人間システムの内側で生じるデータとして、世界モデル126(故に、また共有世界モデル240)は、コントローラ120内に実装される自律型アルゴリズムによって使用されるべき別の情報源としの機能を果たす。
【0058】
知覚および状態推定ステップ320は、全てのソースから入る情報の全てを処理し、車両、人間、および外部物体、および交通等の恣意的属性を説明する実質的に新しい情報を導出し得る。そのような処理は、例えば、以下等の動作を含み得る:
【0059】
・状態推定/データ融合-冗長な情報を非冗長な形態に変えること、または関連のある数量を組み合わせ、他の関連のある数量を生み出すこと(例えば、車両間の空間を測定すること)。
【0060】
・予測-より早期の状態および時間の測定値(または予測値)から後の状態を導出すること(例えば、最後の既知のスピードに基づいて衝突するまでの時間を予測すること)。
【0061】
状況認識および査定ステップ322は、全てのソースから入る情報の全てを処理し、例えば、以下のような、感知され、通信された情報にあまり直接的に関連しない実質的に新しい情報を導出し得る:
【0062】
・事象検出-注視し、重要な事柄(例えば、車が死角に入ったこと)が生じたとき、通知すること。
【0063】
・制約伝搬-他の情報から制約を導出すること(例えば、今は車線を変更しない)。
【0064】
意思決定ステップ324は、全てのソースから入る情報の全てを処理し、例えば、以下のような、意思決定に関連付けられた(または、それを構成する)実質的に新しい情報を導出し得る。
【0065】
・論理-他の情報から、典型的に、論理的推論、推測、解決等の処理によって結論を導出すること(例えば、提案された車線変更が、入ってきた拒否に起因して拒絶される)。
【0066】
・熟慮-多数の代替を比較し、それらのうちの1つを選定すること(例えば、第1の車両は、加速することができず、そのため、第2の車両は、減速すべきである)。
【0067】
挙動実行ステップ328は、全てのソースから入る情報の全てを処理し、例えば、以下のような実世界の行動に関連付けられる、またはそれを引き起こす実質的に新しい情報を導出し得る。
【0068】
・通知-システムの別の部分における消費のためのイベント(例えば、メッセージ)を生成すること(例えば、ここで開始する車線変更操作)。
【0069】
・行動-車両の運動を維持または改変すること(例えば、緊急制動操作の実行)。
【0070】
(1.4.共有世界モデル)
【0071】
図3では、楕円形330、332、334が、共有世界モデル240のいくつかのコンポーネントを示す。共有世界モデル240は、多様なデータリポジトリとして使用され、多様なデータリポジトリは、いくつかのアルゴリズムのための関連のある情報のソース、および他の(または、同じ)アルゴリズムのための結果のためのリポジトリの両方である。一般に、任意の処理ステップは、任意のコンポーネントから情報を読み取り得るか、または、それに情報を書き込み得る。上で述べられるように、各車両は、共有世界モデル240のそれ自体のローカルコピー126を有し、プロセスは、それらを適度に最新かつ一貫したものに保つように試みる。このように、任意の1つの車両上のプロセスは、全ての車両の共有世界モデルから効果的に情報を読み取り、それに情報を書き込んでいる。
【0072】
共有世界モデル240は、共有される全ての情報を含む。
図3では、それは、解説の便宜上、3つのコンポーネント330、332、334に分割されているものとして描写されたが、より多いまたはより少ないコンポーネント(下で説明される、状態予測321等)が、存在することができ、それらの間の相違は、車両が協働し得る異なる方法を精緻にすることを助ける役割を果たすにすぎない。例示的実施形態において、共有情報は、以下を含む:
【0073】
・状態モデル-車両隊形の内部および外部の両方にある全ての着目物体の特性、属性等に関連する情報。例えば、このコンポーネントは、「全てのものが存在している場所、および、それがどのように動作しているか」の側面を備えている。
【0074】
・状況モデル-状況の説明に関する情報。例えば、このコンポーネントは、「起こっているもの」の側面を備えている。
【0075】
・決定モデル-行動をとるか、またはとらないかの決定に関する情報。例えば、このコンポーネントは、「行うべきこと」の側面を備えている。
【0076】
図4の例示的データフロー図内に描写されるように、各車両110-Hまたは110-Aは、コントローラ120、ローカルモデル126、知覚および状態推定320、状態予測321、状況査定322、意思決定324、共有世界モデル240、モデル伝搬280、モデルレンダリング290、および車車間通信295のコンポーネントを有する。センサ112は、ローカルモデル126を構成する、知覚および状態推定320コンポーネントと、状態予測321コンポーネントとをフィードする。ローカルモデル126のコンテンツは、共有世界モデル240のローカルコピーを展開するために使用され、それは、次に、モデル伝搬機能280を経由して他の車両110と共有される。制約、前提条件、および可能な行動260が、状況査定322からの出力に加えて、意思決定324に入力され、それらは、次に、コントローラ120を駆動する。モデルレンダリング290が、ユーザインターフェースをフィードする。
【0077】
(2.共有情報によって可能にされる共同的挙動)
【0078】
共有世界モデル240内に記憶される共有情報の文脈を前提として、本節は、そのような情報が共有制御および共同的挙動の多数の例を実装するために使用され得る方法を説明する。共有制御は、2つ以上の車両上のコントローラがそれら自体を制御するためのある様式において協働(すなわち、共同)する場合を指す。例えば、車両間の空間を拡大させるために、先導車両が、加速し得るか、または、追従車両が、減速し得るか、または、両方である。用語「共同的挙動」は、当技術分野では、多くの場合、それらが複数のステップ、状態間の移行等によって特徴付けられるので、基本制御より複雑である行動を指すために使用される。共有制御は、共同的挙動の単純な場合である。
【0079】
(2.1.隊列に加わることおよび隊列から離れること)
【0080】
図5A-5Cは、情報が、多くの場合、隊列と呼ばれる一列の先導/追従隊形での動作を始め、動作を終える2つの車両間で共有されるシナリオを示す。
【0081】
図5Aでは、第1の車両(V1によって示される車両1)が、3つの車線に分割された幹線道路の中央車線内で走行している。車両1は、人間運転者の制御下または自律型論理の制御下にあり得る。これは、幹線道路のグラフィック描画の上方にあるステータス「V1:HまたはA」によって示される。
【0082】
第2の車両、すなわち、車両2は、最初に、人間によって駆動され、車両2は、V2として示され、ステータスV2:Hを有する。車両2の人間運転者は、必要に応じて、都合の良いときに車線を変更するが、いずれの場合も、自律型論理に制御権限を移すプロセスを開始するために適切な距離および相対スピードで車両1の背後に車両2を位置付けるように操縦する。そのプロセスは、V2からV1への要求を経由して開始され得る。
【0083】
V2から自律モードへの制御の移転は、共同的挙動である。この共同的挙動を可能にするために、共有世界モデル240は、車両に関する前述の距離および相対的スピード情報と、自律モードの隊列においてそれと一緒になる先導車両への要求(ここでは、V2からV1への要求)についての情報を含む。その要求は、一方または両方の車両の自動化された隊列走行モードへの移行に関する前提条件への遵守を査定するために処理される。前提条件を査定するために必要とされる情報の一部または全てが、共有世界モデル240自体に提供され得る。例えば、それらのそれぞれの車両内の人間によって使用されるボタン、スイッチ、およびディスプレイの状態に関連する情報が、世界モデル240内に記憶され得る。前提条件は、慎重なハンドシェイキング操縦を調整するためにも使用され得、車両のうちの一方の中の人間によって発行される要求は、最終的に処理され、おそらく、他方の車両内の人間によって受け入れられる。結果は、隊列に参加するための決定が共同的なものであり、オペレータによる(および、随意に、車両1および車両2の両方の特定の自律型論理による)決定を伴い、共有世界モデル240内に提示されるような前提条件に基づく。
【0084】
図5Bでは、自動化された隊列走行モードへの移行が、完了し、車両2が、ここで、(V2:Aによって示されるような)自律モードに入る。車両1は、(V1:HまたはAによって示されるような)その以前の状態のままである。多数の共同的挙動の実行を含む、本車両隊列の隊形の維持に関連する情報が、下で説明される。
【0085】
図5Cでは、この状況は、自律隊列走行モードから外への移行である。車両2内に存在する人間は、緊急事態に応答して、または車両1およびその人間運転者との共同におけるより徐々で慎重なハンドシェイキング操縦に参加することによって、一方的に車両の制御を引き受け得る。いずれの場合でも、各車両の運動の状態、制御権限を移行するための多段階プロセスの進行、近傍にある任意の物体または車両の説明等に関連する情報が、共有世界モデル240内に表され得る。
【0086】
隊列から外に移行するための決定は、前述のように、共有世界モデル240内の情報に基づくV1およびV2の両方による関与/意思決定を慎重に要求する共同的なものである。車両2の人間制御への移行が完了すると、その人間運転者は、状態V2:Hによって示されるように、続いて、恣意的に、車両1からの共同なしに車両に指示し得る。そのような操縦は、この例に示されるように、左車線に変更し、スピードを増し、V1を追い越すことを含み得る。
【0087】
図5Dおよび5Eは、
図5A-5Cに描写される共有世界モデルを連続的に更新するステップが隊列の入列および離列シナリオのための共同的意思決定において使用され得る方法を図示する論理フロー図である。
【0088】
この例では、初期状態550において、車両V1が、それ自体が人間駆動型であり、中央車線内に位置し、60マイル/時間において走行していることを示す世界モデルのあるバージョンを維持している。この初期状態550では、V2は、範囲外にあり、V1によって維持されるモデルは、車両V2のいかなる知識も有していない。同様に、この状態550では、車両V2は、それ自体のセンサから、それが人間駆動型であり、左車線内に位置し、62マイル/時間において走行していることを認識しているが、V1のいかなる知識も有していない。
【0089】
最終的に、状態552が、到達され、2つの車両は、互いの通信範囲内にあり、車両V2が、おそらく、その人間運転者によって指示されるようにそれ自体を告知し、通信リンク(V2V)が確立される。ここで、2つの車両は、それらの共有世界モデルを更新するであろう。それによって、状態554において、2つの車両は、互いの状態の一貫した「全体像」を有する。例えば、各車両内の共有世界モデル240は、ここで、V2は、(
図5Aに描写されたように)V1が人間駆動型であり、中央車線内にあり、60マイル/時間で走行していること、および、V2が左車線にあり、人間駆動型であり、62マイル/時間で走行していることを把握していることを「認識」する。
【0090】
状態556において、V2を制御している人間が、V1とともに隊列し、自律モードに入ることを望む。しかしながら、V2が、それを行うことを可能にされる前、いくつかのステップが、最初に生じなければならない。状態556において、車両V2は、
図5Bに示される位置をとっており、V2は、中央車線内で走行しており、車両V1のスピードに合致し、25フィート等の隊列走行のために許容可能な間隙を維持するように試みている。状態558において、各車両内の共有世界モデル240は、更新され、それによって、状態560において、V1およびV2は、ここで、世界の一貫した理解を有する。
【0091】
状態562において、V2は、共有世界モデル240のそのバージョン126をチェックし、適切な前提条件が存在するかどうか、すなわち、それが、V1とともに隊列走行するための要求に準拠する状態にあるかどうかを決定する。例えば、それは、状態562において、世界モデルが、車両V1が隊列を先導するために適切なタイプの車両であること、および、それが適切なスピードおよび離れた距離において走行していることも示すかどうかを把握するためにチェックし得る。状態564において、V2は、次いで、V1に、隊列に加わるための要求を発行し、要求は、V1において受信される。状態556において、V1は、その要求がV2による「隊列に加わる」要求に準拠しているかどうかを把握するために、共有世界モデルのそれ自体のバージョンに対して加わる要求を確認する。そのような決定は、V2がV1とともに隊列走行するために適切なタイプの車両であるかどうか、そのシステムが機能しているかどうか(V2のセンサまたは自律型論理の動作チェック等)、または他の前提条件を把握するためにチェックすることを含み得る。要求が準拠していない場合、状態566において、要求は、V1によって拒絶され、拒絶は、567においてV2に通信される。拒絶された要求の場合、各車両は、次いで、加わることが承認されなかったと結論付け、各々は、他の動作計画を継続する。
【0092】
しかしながら、状態568において、要求が準拠している場合、それは、V1によって承認され、承認は、V2に通信される。この時点において、各車両内の共有世界モデル240は、(前述のように)最終的に、再び、各車両が他の車両の理解に一貫する世界の理解を有するように、更新されるであろう。
【0093】
続いて
図5Eを参照すると、状態570において、V2は、自律モードに入っており、車両は、共有世界モデル240のそれらのそれぞれのコピーを維持し続ける。したがって、モデルは、V2が自律モードにあり、60マイル/時間において中央車線内で、V1の10フィート背後で走行していること、および、V1が中央車線内で人間駆動型であり、V2も、60マイル/時間において走行し、V2より10フィート前方を走行していることを反映するであろう。
【0094】
状態574では、車両は、本書の他所において解説されるように、それらの共有世界モデル240を更新し、おそらく、それらの周囲の他の車両、障害物、および事象等も検出し続ける。この時点において、人間駆動のV1は、最終的に、それが隊列から離れ、隊列を解消することを望むことを決定する。しかしながら、それを行う前、それは、好ましくは、V2(V2に関わる人間またはV2内の自律型論理のいずれか)から承認を受信する。
【0095】
状態576において、V2は、V1から要求を受信し、共有世界モデル240のそのバージョンをチェックし、条件がそのような要求を承認するために適切であるかどうかを決定する。例えば、V2は、ここで車両V2の制御を引き受ける準備ができているかどうかをV2に関わる人間に尋ねるために、ユーザインターフェースを通して質問し得る。準備ができていない場合、要求は、拒絶され、その拒絶は、V1に通信され得る。
【0096】
しかしながら、状態578において、解消するための要求が、V2によって承認され、車両V1に返信される。状態580において、人間は、車両V2の制御を引き受けるが、しかしながら、この時点において、V2は、依然として、中央車線内を走行しており、その60マイル/時間のスピードを維持する。この時点において、ここで自由に隊列から離れ、車両V1は、そのスピードを62マイル/時間までわずかに増し得る。共有世界モデルは、状態582において更新される。最終的に、
図5Cに示されるように、人間駆動の車両V2は、左車線に入り、そのスピードを65マイル/時間まで増すことを決定し得る。この事実は、共有世界モデルが再び更新されると、V1によって気づかれ得る。
【0097】
(2.2.役割の入れ替え)
【0098】
図6A-6Eは、別のシナリオを示し、情報が、隊列で動作する2つの車両間で共有され、共同的意思決定をサポートする。この状況は、両方の車両が、すでに一団として縦に並んで移動しているが、それらが、役割および縦方向の車線位置を入れ替えることを所望し、それによって、先導が追従になり、または逆になり、車両は、再び最終的に一列になる。
【0099】
この共同的な役割入れ替え挙動を可能にするために、共有世界モデル240は、各車両が位置する場所についての状態情報と、役割入れ替え操縦の実行を開始、維持、または終結することを決定するために使用され得る決定情報と、各々がプロセス内の次のステップに向かって進んでいる進行についての状況情報とを含み得る。
【0100】
図6Aでは、V1によって示される、現時点で、先導車両として行動している第1の車両が、人間によって駆動され、従って、それは、そのステータスを示すためにV1:H、Lと標識される。V2によって示される第2の車両が、現時点で、自律型論理によって実質的に制御され、別の車両に追従しており、従って、そのステータスは、V2:A、Fのように示される。
【0101】
図6Bにおいて、自律モードから出ることがV1によって承認されたと仮定して、V2は、人間駆動モードに切り替わり、もはや追従または先導しておらず、従って、それは、ここで、V2:H、Nによって示される。V1のステータスは、同じ、すなわち、V1:H、Nである。V2は、次いで、その左の車線に車線変更を実行する。両方の車両が、別個の車線内に入ると、それらは、V2がV1を追いつき得るように、それらのスピードを変調する。1つの可能な実装では、燃料を節約するために、V1は、V2が加速する必要がないように減速する。
【0102】
図6Cでは、第2の車両V2が、V1に追いついており、その右の車線に車線変更を実行するための準備をしている。この操縦は、V2が、
図6Dに示されるように、V1の前で移動することをもたらす。
【0103】
図6Eでは、第1の車両、すなわち、V1が、実質的に自律的様式において動作するように切り替わっており、V2に追従しており、V1は、隊列の先導車両になっており、共同的挙動が完了することを認識する。これは、ステータスV1:A、FおよびV2:H、Lによって示される。結果として、両方の車両が、隊形内で前から後ろに、およびその逆にそれらの相対位置を切り替え、それらは、先導車両から追従車両に、およびその逆に役割を入れ替え、それらは、再び共同を用いて人間駆動型から自律型に、およびその逆にそれらのモードをトグルしている。
【0104】
図6Fは、共有世界モデルを連続的に更新するステップが、
図6A-6Eに描写される、先導車両/追従車両役割入れ替えシナリオのための共同的意思決定において使用され得る方法を図示する論理フロー図である。
【0105】
この例では、初期状態650において、車両V1およびV2の両方が、
図6Aに示されたように、車列として動作している。各々は、(
図5Eの状態570に類似する)世界モデルを維持する。車両V1は、それ自体が人間駆動型であり、右車線内に位置し、60マイル/時間において走行している一方、車両V2は、同じ車線内で自律モードにおいて動作し、また、60マイル/時間において走行し、V1に追従していることを示す世界モデルのあるバージョンを維持している。車両は、10フィートだけ分離されている。
【0106】
この状態650において、車両V2はまた、車両V1の世界モデル内に、上記の段落において説明される情報に関して車両V1のそれと同じである世界モデル240のコピーも維持する。
【0107】
状態652中、両方の車両は、おそらく、必要に応じて情報を交換しながら、それらのそれぞれの世界モデル240を連続的に維持する。最終的に、
図5Eと同じまたはそれに類似する操縦が、実行されるが、車両間隔は、30フィートまで増され、車両V2は、人間駆動モードに切り替わる。
【0108】
ある時点において、車両のうちの一方が、先導車両/追従車両役割を入れ替えることを所望し、他方の車両に要求を送信する。他方の車両は、次いで、状態653において、要求を承認または拒絶する。要求の拒絶に対処するためのプロセスは、ここでは詳細に示されていないが、
図5Dのステップ564-560に似ているステップのシーケンスであり得る。例えば、V1またはV2のいずれかが提案された役割の変更を拒絶する場合、車両は、役割を入れ替えない。しかしながら、役割入れ替えが生じ得ることのV1およびV2の両方の合意が存在する場合、処理は、(
図6Bに描写されるような)状態654に進む。
【0109】
これは、慎重に共同的な挙動であるので、2つの車両は、車両V2の人間運転者が左車線に変更し、車両V1を追い越し始める間、状態656において、通信したままであり、それらの世界モデルを更新する。この操縦の中点が、状態658として示され、それは、
図6Cに対応する。
【0110】
最終的に、両方の車両の世界モデル240が、情報を交換し続ける間(状態660)、車両V2の人間運転者は、車両V1の前方で適切な距離において、および車両V1に対して適切な速度において、右車線に戻るようにその車両に移動させる。これは、状態662であり、車両がここで、車両V2がここで車両のV1の前方にある、逆転された占位位置を有することを除いて、状態654に類似する。この状態662は、
図6Dに対応する。車両は、状態664において、それらの共有世界モデルを更新し続ける。
【0111】
最終的に、
図5Dのそれに類似するシーケンスが、実行され、両方の車両および/またはそれらの人間運転者が、自律モードへの車両V1の移行を承認する。これは、両方の車両が合意しなければならない別の承認プロセス665を伴い得る。両方の合意がある場合、任意の他の前提条件が満たされ、移行が承認されたと仮定し、2つの車両は、V2が人間駆動型であり、隊列を先導し、V1が自律型の追従車両である
図6Fに描写されるような状態666に到達する。
【0112】
(2.3.交通状況への適合)
【0113】
別の部類の共同的挙動は、周囲の交通(そのような交通は、隊形の一部ではない)に対してある方法において応答するそれらである。この場合、共有世界モデル内の情報は、部分的に、全ての車両を交通状況に関してより知識を与えられた状態にすることと、ある様式で行動することまたは行動しないことの潜在的に複雑な決定を調整することとを行うために使用されることができる。
【0114】
図7Aは、先導車両Lと、追従車両Fとから構成される、隊列が、それらの現在の車線Pから所望の車線Dに、左に移動することを決定するプロセスにある、場合を示す。車両LおよびFの両方は、決定に影響を及ぼし得る。決定をネゴシエートするプロセス内のある時点において、一方または両方の車両が、第3の車両Mの存在を認識するようになる。この例では、一方のみの車両が第3の車両Mを認識するようになる場合、第3の車両Mの存在は、一方の車両から共有世界モデル240を経由して他方に伝搬される制約を発生させる。結果として、車線を変更するための行動は、実行されない。
【0115】
この決定を集合的に行うために使用されるプロセスの詳細は、各車両が、そのセンサに基づいて、車両Mのいずれの部分も認めないか、または一部または全体を認め、次いで、最終決定が行われる前、その情報を(例えば、共有世界モデル240を経由して伝搬された制約として)共有するようなものであり得る。
【0116】
いくつかの実装では、車線を変更するための行動は、一方の車両によって提案され、他方によって拒否されることができる。いくつかの実装では、左車線変更は、右車線変更より望ましくないものとして共同してランクを付けられ得、したがって、右車線操縦が、代わりに提案され、選定され、実行される。
【0117】
いくつかの実装では、先導車両Lの人間運転者が、共同的決定に関わる。先導運転者が、車線を変更するための意図を示していることもある。先導運転者の車線を変更するための意図は、運転者の入力のうちの1つを経由して、システムに示され得る(
図1および2参照)。車線を変更するためのこの意図は、共有世界モデル240を経由して共有され、最終的に、追従車両まで伝搬する。提案された車線変更は、次いで、追従車両Fによって拒否され得る。またはおそらく、追従車両の自律型論理が、最初は、ある他の有効な理由のために左車線に移動することを意図していたが、何らかの理由で、近傍の車両Mを認識していなかった。自律型論理によって提案された操縦が、したがって、先導車両の運転者によって拒否され得る。
【0118】
この場合において共有制御を使用するための動機付けは、より一般的な観点から、3つのインテリジェントなエージェント(1人の人間および2つの自律型論理)の全てが、時間内に認め、理解し、反応するための異なる能力を有し得ることである。3つの全てを一団として行動するように調整するシステムは、代替解決策より優れたものであることができる。
【0119】
図7Dは、共有世界モデル240を断続的に更新するステップが、
図7Aに描写されるシナリオのための共同的意思決定において使用され得る方法を図示する論理フロー図である。状態750において、車列は、正常に動作しており、人間駆動の先導車両Lおよび自律型論理駆動の追従車両Fを伴っている。ある時点において、人間駆動の車両Lが、中央車線から左車線に移動することを決定し、先導車両Lの自律型論理が、そのセンサに基づいて、車両Mの前面を認める一方、追従車両Fの自律型論理が、そのセンサに基づいて、車両Mの背面を認める。図内のブロックは、車両LおよびFのそれぞれの世界モデル240内に記憶された選択された情報を示す。
【0120】
状態752において描写されるように、断続的に、両方の車両の世界モデル240は、それらのそれぞれのセンサに基づいて、各それぞれの車両の近傍にある車両および物体についての情報を投入される。
【0121】
状態754において、車両Lの自律型論理が、そのセンサに基づいて、その左後方象限内に、01と示される車両Mを認識するようになっているが、それは、車両Mの前半分のみを認めることが可能である。それ自体の世界モデル240は、これを反映する。同様に、状態754において、車両Fの自律型論理が、そのセンサに基づいて、その左前方象限において、02と示される車両Mを認識するようになっているが、それは、車両Mの後ろ半分のみを認めることが可能である。
【0122】
状態758において、(状態756におけるような)両方の車両の共有世界モデルへのより連続的な更新の後、両方のモデルが、01および02が、実際に、同じ物体であることの同意に達し、それは、ここで、両方の世界モデルにおいてMとして一貫して指定される。
【0123】
その後、状態760において、先導車両Lの人間運転者は、左車線に変更することの所望を示し、そのような指示は、要求が要求を確認するために追従車両Fに送信されることを引き起こす。車両Mが、状態762に描写されるように、左車線内に留まる場合、追従車両Fは、要求された操縦を拒絶し、拒絶は、先導車両Lによって受信され、先導車両Lは、その人間運転者が左車線に移動することを防止する、または少なくともやめさせようとするであろう。車両Mが、状態762に描写されるように、もはや左車線内に留まっていない場合、追従車両Fは、要求された操縦を受け入れ得、受け入れは、先導車両Lによって受信され、先導車両Lの自律型論理は、その人間運転者が左車線に移動することを防止しないか、または思いとどまらせないであろう。これは、ディスプレイ118-D(
図1および2)を経由して遂行され得る。
【0124】
状態760において、車線を変更するための要求が、共有世界モデル更新のために使用されるものと別個の通信チャネルまたは別個のメッセージを経由して送信され得る。しかしながら、
図7Dの状態760から開始するハンドシェイキングシーケンスも、提案される挙動を要求し、認識し、受け入れ、拒絶する種々のメッセージを伝搬させるための共有世界モデル240更新を使用することによって遂行され得る。
【0125】
共有世界モデル240は、なおも他のシナリオにおける共同的意思決定をサポートする。
図7Bは、先導車両Lと、追従車両Fとから構成される隊列が、ある理由のために、先導車両Lに非常に近接している先導車両Lのすぐ前方にある第3の車両Xを認識するようになる1つのそのような場合を示す。そのような状況は、先導車両Lが、制動する、または、そうでなければ、迅速にスピードを減らす必要があり得る高められたリスクを表す。そのリスクは、追従車両Fが先導車両と衝突し得る高められたリスクにさらにつながる。
【0126】
そのような高められたリスクを軽減するために、(人間運転者の関与を伴って、または伴わず)この状況を検出している両方の車両は、それらの間隔を増やすことを決定し得る。間隔が減らされる(隊列車両LおよびFのスピードの個々の変更を意味する)精密な様式は、第3の車両Xのスピードおよび先導車両がXからのその間隔を維持する必要性に依存し得る。
【0127】
この場合において共有制御を使用するための動機付けは、追従車両Fが車両Xを認めることが可能でないことであり得るか、または、Lの人間運転者が状況を正確に査定すること、または十分に定量的または正確な観点から追従車両に命令することが可能でないことであり得る。または、動機付けは、両方の車両内の自律型論理が十分に有能であることであり得る(いずれの車両における運転者も、決定または操縦への参加を控え、それらの注意を他所に集中させて得るほど)。
【0128】
この場合において交換される情報、および決定が集合的に行われる機構に関して、いくつかの選択肢が、存在する。1つの選択肢では、車両Xに関する状態情報が、先導車両Lによって記述され、追従車両Fによって読み取られ、追従車両Fが、別様に独立して応答する。別の選択肢では、先導車両Lの自律型論理が、隊列のための新しい所望の間隔を計算し、それを世界モデルの中に配置する。第3の選択肢では、いずれかの車両内の人間運転者が、車両Xを認識するようになり、間隔の増加操縦を開始する。
【0129】
図7Cは、先導車両Lと、追従車両Fとから構成される、隊列が、アクティブにされたサイレンを伴う第3の緊急事態車両Sを認識するようになる別の場合を示す。車両Sは、追従車両Fのすぐ背後にあり、追従車両Fに非常に近接しているか、または、急速にそれに接近している。この場合、結果として生じる共同的決定は、車線を現在の車線Pから所望の空いている右車線Dまたは路肩に変更し、サイレンを鳴らしている車両が追い越すことを可能にすることであり得る。
【0130】
この場合において共有制御を使用するための動機付けは、先導車両Lが、車両Sを認めることが可能でないことであり得るか、または、それは、Lの人間運転者が、状況を正確に査定すること、または十分に定量的または正確な観点から追従車両に命令することが可能でないことであり得る。または、動機付けは、両方の車両内の自律型論理が十分に有能であることであり得る(いずれの車両内の運転者も、決定または操縦への参加を控え、その注意を他所に中中させ得るほど)。
【0131】
この場合において交換される情報、およびそれによって決定が集合的に行われるプロセスに関して、いくつかの選択肢が、存在する。1つの選択肢では、車両Sに関する状態情報が、追従車両Fによって記述され、先導車両Lによって読み取られ、先導車両Lが、追従車両Fが先導車両Lの車線変更を本質的に模倣するであろうという知識に伴って、別様に独立して応答する。別の選択肢では、追従車両Fの自律型論理は、全ての車両および従事人間運転者による精査のために車線変更操縦を提案する。第3の選択肢では、いずれかの車両内の人間運転者が、Sを認識するようになり、側方に停車する操縦を開始する。
【0132】
図8は、先導車両Lと追従車両Fとから構成される隊列が先導車両Lの経路を遮断している障害物Oを認識するようになるさらに別の場合を示す。追従車両Fは、障害物が見えないこともある。この状況は、いくつかの重要な差異を伴って、
図7Bにおけるそれに類似する。1つの差異は、隊列の応答が、ここでは「即時」でなければならない、すなわち、間隔をゆっくりと改変するための時間がないことである。別の差異は、
図7Bで「高められたリスク」であったものが、ここでは、それを防ぐために何かが行われない限り、「差し迫ったある衝突」であることである。これらの差異は、異なる共同的意思決定プロセスにつながり得る。1つの選択肢では、追従車両Fは、車線を単に右に変更するように指示される。別の選択肢では、決定は、(迅速に)ネゴシエートされるが、追従車両Fは、衝突の均等な危険がその右に存在する場合にのみ、従うことを拒絶することができる。
【0133】
図7Bの例におけるように、
図8の追従車両は、共有世界モデルにおいて障害物について伝えられ得るが、この特別な情報は、この場合、決定にあまり影響を及ぼさないこともある(追従車両がすでにその先導車両の背後に存在する義務がある場合、先導車両は、すでに車線を変更する決定をしている)。しかしながら、特殊な場合もあり、追従車両は、先導車両の背後に存在する義務がなく、追従車両が、有能であり得、この状況に応答して先導車両から離れ、おそらく、車線をその左に変更し得る。
【0134】
(2.4 共同的意思決定から利益を得る他の状況)
【0135】
共有世界モデルが他の状況において意思決定を改良するためにも使用され得ることを理解されたい。例えば、隊列内の2つの車両が、並列駐車操縦に従事することを望むとき、追従車両上のセンサは、先導車両の周囲の障害物を検出することが可能でないこともある。この事例では、共有世界モデルは、追従車両が実際にそこに駐車するために移動しようとする前、追従車両における意思決定者(それは、自律型論理または人間運転者である)が、先導車両の左または右側への任意の障害物を認識することを確実にするために使用されることができる。
【0136】
(3.人間が共同することを可能にするヒューマンインタフェース)
【0137】
人間運転者は、時として、1つ以上の車両の制御における自律型論理より有能であり得る(特に、複雑な状況において、または、おそらく、人間反応が自律型より迅速であるか、または正しい場合)。
【0138】
それによって人間が自身の車両の制御を共有し得る機構は、多数の課題に起因して、うまく設計することが困難である。1つの種類の課題は、とるべき行動に対して2つの意見(人間対自動運転者援助システム(ADAS))が存在するときに行われるべきことの論議に関連する。
【0139】
この問題は、車両の隊形が制御されるべき方法に対する意見を有するより多くの車両および/またはより多くの人間を追加するとき、さらにより複雑になる。複数の意見に関連する異なる部分的問題が、多くの場合、異なる仲裁機構を要求する。自動制動のような場合、自律コンポーネントは、人間挙動を無効化する。しかしながら、人間がデフォルト挙動を無効化するための特別な権利を有すべき場合もある。上記からの1つのそのような例は、車線変更を拒否することである。
【0140】
コンピュータと異なり、人間は、要約情報を効率的に処理することのみ可能であり、高速で相互作用することはできず、認知的過負荷および疲労等を受ける。人間と情報交換するより効果的な手段のうちのいくつかは、オーディオ信号、ディスプレイ、発話、音、力等を含む。この理由のために、本明細書に説明されるプロセスは、そうでなければコンピュータによって処理され得るもののみを含意し得るより狭義の用語「データ」ではなく、(人間によって提供され、消費され得るものを包含する)「情報」の観点から説明される。
【0141】
別の群の課題は、状況認識に関連する。高速無線通信によって接続されるコンピュータ間においても、それらの世界モデルを連続的かつ一貫してレンダリングすることは、困難な工学的問題であり得るが、人間も含まれると、人間と自律型とが同じ状況を異なって解釈するより高い傾向さえある。上記の問題の全てが、適切なディスプレイおよび入力デバイスとの組み合わせにおける共有世界モデルの使用に基づいて、ある程度まで軽減されることができる。
【0142】
(3.1 人間が共同することを可能にするディスプレイ)
【0143】
図9A-9Cは、人間が、共有世界モデルに基づいて車両隊形の制御において共同することを可能にするために効果的であるヒューマンインタフェースのいくつかの例を示す。
【0144】
図9Aは、人間が自身の車両および第2の車両の両方を駆動することをより容易にするように意図されるオペレータ(例えば、人間運転者)ディスプレイ901を示す。ディスプレイ910は、コントローラ120上で起動するソフトウェアプログラムコードによって発生させられ得る(
図2)。第2の車両は、人間駆動型先導車両Lの背後において近接して追従する義務がある、追従車両Fであり得る。上側ビュー902は、先導車両内の運転者の視点からの運転者の側面外部バックミラー内で得られ得るビューを表す。下側ビュー903は、追従車両内の運転者の視点から運転者の側面外部バックミラー内で見られ得るビューを表す。別の車両Mが、ディスプレイ902および903の両方において可視であることに留意されたい。
【0145】
図9Aは、その運転者の側面ミラー上で、一方が他方の上にある状態で先導車両運転者にとって利用可能にされている、これらのビューの両方を示す。上半分902は、実際の光学式ミラーであることができるが、下半分903は、コントローラ120およびアプリケーションソフトウェアによって発生させられる合成ビューである。上半分は、ミラーの代わりに、少なくとも、未加工またはミラー筐体上に搭載されるカメラによって生み出される処理された画像を含むディスプレイでもあり得る(例えば、デバイスは、完全にコンピュータ生成ディスプレイである)。筐体は、運転席の外部または内部に位置し得る。
【0146】
下側ビューは、追従車両上で生じ、追従車両上の任意の場所に搭載されるセンサによって生み出された、情報のレンダリングによって生み出され得るか、または、それは、追従車両の運転者側バックミラー上に搭載されるカメラによって生み出された追従車両上で生じる情報から生み出され得る。いずれの場合でも、ディスプレイ901を生み出すために必要とされる情報は、共有世界モデル240内で先導車両に利用可能にされ得る。
【0147】
この構成の1つの利点は、人間運転者がいずれにしてもそのミラーを見るであろうこと、および、関連付けられる合成ビュー903を査定しながら第2の車両内に座っている状況を想像させるそのようなディスプレイを可能にすることが直観的であり得ることである。描写される状況は、追従車両の左にある車両であり、それは、両方のビュー内に表示される。追従車両のビューは、追従車両が車線を変更することが安全であるかどうかを判断するためにより好適であるが、ディスプレイは、先導車両運転者が査定を行うことを可能にする。
【0148】
図9Bは、第2の車両の運転者の座席の視点からの第2の車両のフロントガラスビューの合成ビュー910であるオペレータディスプレイを示す。これは、運転者自身の車両のダッシュボード上で、またはヘッドアップディスプレイにおいて、または人間運転者に対して可視である別の便利な地理的場所において出現し得る。再び、ディスプレイ910は、共有世界モデル240からの第2の車両上の任意の場所で生じた情報からレンダリングされ得るか、または、それは、所望の視点の近傍に位置付けられ、向けられた第2の車両上のカメラから生み出され得、それは、第1の車両にフィードされる。
【0149】
この構成の1つの利点は、人間運転者がそのような観点から交通を査定することに慣れていることであろうこと、および、関連付けられた合成ビュー910を査定しながら第2の車両内に座っている状況を一時的に想像させることが直観的であり得ることである。描写される状況は、追従車両の右の車両であり、合成ビューは、先導車両の後方のビューも含む。追従車両のビューは、車列間に第3の車両Mが入り込むリスクを決定するためにより好適であるが、ディスプレイは、先導車両運転者が査定を行うことを可能にする。このビュー910は、そのような能力が有用であり得る任意の状況において、先導車両内の人間が追従車両を遠隔で動作させることを可能にするために非常に価値を有することができる。1つの例示的状況は、追従車両の自律的論理がそれ自体の障害を宣言し、先導車両内の人間がそれを路肩にまで駆動することを望む場合である。
【0150】
図9Cは、隊形内の任意の場所の人間運転者が、空間関係および相対的速度の全体的表現を効率的かつ直観的に理解することを可能にし得る別の合成「俯瞰」ビュー920を示す。そのようなディスプレイは、任意の車両の人間運転者の視界内の任意の便利な場所に出現し得、それは、運転者自身の車両内の共有世界モデルのコンテンツに基づいてレンダリングされ得る。
【0151】
図9Cに描写される状況は、上で説明されるものの多くの組み合わせである。追従車両の背後における近接しているサイレンを鳴らした車両と、追従車両の右の車と、追従車両の左前方のオートバイとが、存在する。先導車両内の運転者は、この状況のこの便利な視覚的俯瞰要約表現から利益を受け得る。それは、人間駆動車両のダッシュボード内ディスプレイ、またはそれらの個人のスマートフォンまたはタブレット上、または他の方法において提示され得る。
【0152】
人間運転者によって自律型論理に対して行われる共同的操縦に関する要求の肯定応答を提供すること等、人間運転者へのフィードバックが、
図9A-9Cのディスプレイを経由して提供されることができる。
【0153】
例えば、
図9Aの合成ミラーディスプレイは、共同的決定に対する合意またはその拒絶を示すために緑色または赤色に着色されたピクセルを有するスクリーンの部分911等の視覚インジケータを含むことができる。黄色は、要求が、依然として処理されていることを示し得る。部分911は、ディスプレイ901の上またはその近傍に搭載される別々のLEDを用いる等、他の方法においても提供され得る。
【0154】
例えば、緑色光部分911は、先導車両の人間運転者によって提案される車線変更操縦への追従車両内の自律型論理の同意であり得る。赤色光は、提案された車線変更が自律型論理によって拒絶されたことを示し得る。赤色または黄色は、自律型論理が、依然として、要求を処理していることを示し得る。
【0155】
同様に、
図9Bの合成の追従車両視点が、緑色/赤色インジケータ光部分912で増加させられることができる。
【0156】
別の例では、
図9Cの俯瞰ビューも、共同的決定の要求のステータスを確認するための緑色/赤色インジケータエリア914または他の印を有することができる。
【0157】
図9Dは、別のタイプの俯瞰ディスプレイが有用であり得る別の状況を示す。この場合、隊列950が、進入車線952上を走行しており、それは、次の幹線道路の最も近い車線における交通との差し迫った合流に向かって進行している。人間運転者は、合流されるべき車線における並行交通における少なくとも1つの間隙の存在および予測される位置を査定することを必要とする。2つ以上の間隙が存在する場合、標的にすべきものを選定する必要があり得る。次いで、同時に、その間隙と同じ地理的場所に到達するためにスピードを調節しなければならない。これは、必要とされる間隙が単一の車両よりわずかに大きいとき、単一の車両の運転者にとって、行うことが困難である。それは、2つの車両と同程度の大きさ(それらの間の間隔を含む)であるとき、車列先導車両の運転者にとって、行うことがはるかにより困難である。
【0158】
そのような困難な場合において、共有世界モデルは、有用であるディスプレイのために必要とされるデータを供給することによって、人間を援助することができる。隊列内の全ての車両上のセンサは、共有世界モデルを更新し、人間運転者に合流されるべき交通の相対位置およびスピードのより明確な感知を与えることができる。
【0159】
図9Dは、この状況がディスプレイの最左部分上に表示されるある例を示す。共有世界モデルは、任意のディスプレイ上での将来の予測的ビューを可能にするデータも提供し得るが、そのようなビューは、この場合、特別な価値を有するであろう。
図9Dの中側部分および最右部分は、今後数十秒における2つの予測される状況を示す。1つの代替策では、全ての交通は、自律型論理のセンサおよび共有世界モデルの同意によって決定されるように、各車両の現在のスピードに基づいて、時間内、単純に前進させられる。そのようなディスプレイに加えて、オーディオトーンまたは他の音も、意図される間隙とより好ましく同期するために、スピードを増減させるように運転者に合図するために使用され得る。
【0160】
図9Eは、進入車線に対する相補的な場合を示す。ここで、車列は、次の出口車線を使用することを意図し、それは、たまたま右の出口である。この場合、この状況は、再び、左に示され、2つの予測されるディスプレイが、その右に部分的に示される。本ディスプレイの潜在的な利点は、人間が出口車線までの残りの距離を査定し、任意の他の交通も同出る意図を示す様式において移動しているかどうかを査定することを援助することを含む。
【0161】
図9Dおよび9Eのディスプレイは、共有世界モデルから導出される追加のグラフィックで修飾されることができ、それらは、幹線道路上に合流することまたは車線を変更すること等、安全に操縦を実行するために残っている時間または距離を表す。人間運転者は、次いで、それに応じてそのスピードを計測することに役立つように、これらのグラフィックを使用することができる。
【0162】
1つのそのような例は、
図9Dのプログレスバー970、971、および972である。(すでに上で説明されたように)共有世界モデル240内に記憶される近傍の車両および/または障害物の位置およびスピードに関する情報が、他の交通が迫る前の時間の推定値を決定するために使用されることができる。初期の最左ビュー内のプログレスバー970は、部分的に陰影が付けられ、陰影が付けられていない部分は、隊列が進入車線から幹線道路上に合流するために残っている推定される時間または距離を示していた。続いて、合流するための時間がほぼ終了していることを示す状態が、状態971内の中側ビューおよびプログレスバーに伴って到達される。最後に、プログレスバーに関して、状態972が、到達され、進入車線合流は、完了し、したがって、プログレスバーは、空である。
【0163】
980および981等のプログレスバーが、
図9Eのディスプレイに追加され、車線変更操縦を安全に完了するために残っている時間または距離を示し得る。
【0164】
いくつかの実施形態において、陰影が付けられていない部分によって伝達される、同じ情報が、変化する周波数成分のトーンまたは合成発話等のオーディオ信号を使用して伝達され得る。
【0165】
(3.2 人間が共同することを可能にする出力デバイス)
【0166】
上で説明される視覚出力デバイスに加えて、音、発話、および力を使用して人間と相互作用することも、効果的であり得る。そのような情報は、処理するために直観的であることができ、それは、認知的過負荷を減らし得る。音および発話は、反対意見、重要な事象の発生、またはある他の有用な情報を通信するための効果的な手段であることができる。同様に、力フィードバックとして公知のプロセスにおいて、自律型論理は、力を加えることによって、運転者と通信し得、力を加える目的は、上記状況または他の状況における人間によって感知されることである。
【0167】
図10Aは、人間運転者に通信されている隊形内のある場所において生じる反対意見のある例を示す。例示的状況は、人間運転者が左車線内に移動するために左に操向し始めているが、自車または別の車両上の自律型論理が、操縦をやめさせようとすることまたは防止することを欲する場合である。運転者は、すでにステアリングホイールを保持しており、ステアリングホイールが旋回することをやめさせようとするように、または防止するように反対のトルクを加えることによって人間運転者と通信することが便利であり得る。そのような場合、この力信号をこの状況のために特定のブザー音で増加させること、または、例えば、「左車線が、遮断されています」と話す、発話信号を再生することが有用であり得る。
【0168】
図10Bは、人間運転者に事象を通信するある例を示す。一般的状況は、即時の注意を要求する重要である何らかのものが、起こっており、その事象の説明が、共有世界モデル内に出現していることである。生み出され得る任意のオーディオまたは発話信号に加えて、ステアリングホイール(またはジョイスティック等のある他の入力デバイス)が、同様に振動させられる。この技法が有用であり得る具体的例は、運転者が注意力を失ったように見える場合、または、シカが道路上に出現した場合、または、運転者の車両が路肩上のスピード防止帯に接近している場合を含む。
【0169】
触知タイプフィードバックも、反対意見、ある事象の発生、または情報の他の項目を通信するために他の方法において提供されることができる。
図10Cは、モータまたは他の触知アクチュエータが、ベースクッション1010、側面支持部1011、アームレスト1012、ヘッドレスト1014、または下側支持部1015におけるように、運転席内に設置され得る一例を示す。
【0170】
例えば、コントローラ120が、共有世界モデル240から、車両が車列の左側に接近していることを決定した場合、コントローラは、席の左側のアクチュエータ(1010および/または1012および/または1014等)のみをアクティブにし、他のアクチュエータ1011および/または1015は、非アクティブなままであり得る。
【0171】
アクチュエータが、席を中心として、またはその周囲に分散させられている場合、アクチュエータの相対位置が、運転者にさらなるフィードバックを提供し得る。複数の触知アクチュエータが、したがって、ベースクッションの正面および背面に対して、両側に埋め込まれ得る。この例では、席の基部の後部左に向かって位置する、触知アクチュエータが、隊列の背後から左に接近する車両を示し得、席の基部の正面右に向かって位置するアクチュエータが、隊列の正面経路内の右の障害物を示し得る。
【0172】
(4.実装選択肢)
【0173】
例示的実施形態の前述の説明は、車両内のセンサの新規の配置および動作を実装するためのシステムおよび方法を例証し、説明する。しかしながら、それは、網羅的であること、または開示される精密な形態に限定されることを意図していない。
【0174】
上記で説明される実施形態は、多くの異なる方法において実装され得る。いくつかの事例では、種々の「コンピュータ」および/または「コントローラ」は、中心プロセッサ、メモリ、ディスク、または他の大容量記憶装置、通信インターフェース、入力/出力(I/O)デバイス、および他の周辺装置を有する1つ以上の物理汎用目的コンピュータまたは仮想汎用目的コンピュータによって実装され得る「データプロセッサ」または「組み込みシステム」である。汎用目的コンピュータは、改良された機能性を伴うプロセッサに変形され、プログラムコードを実行し、上で説明されるプロセスを実施し、改良された動作を提供する。プロセッサは、例えば、ソフトウェア命令をロードすることによって動作し、次いで、命令を実行し、説明される機能を行い得る。
【0175】
当技術分野において公知であるように、そのようなコンピュータは、バスが、コンピュータまたは処理システムのコンポーネント間でのデータ転送のために使用されるハードウェア有線接続の組であるシステムバスを含み得る。バスまたは複数のバスは、コンピュータシステムの異なる要素(例えば、プロセッサ、ディスク記憶装置、メモリ、入力/出力ポート、ネットワークポート等)を接続し、情報の転送を可能にする共有された導管である。1つ以上の中央プロセッサ一団が、システムバスに結び付けられ、コンピュータ命令の実行を提供する。また、システムバスに結び付けられるものは、典型的に、種々の入力および出力デバイス(例えば、センサ、ライダ、カメラ、キーボード、タッチディスプレイ、スピーカ、無線ラジオ等)をコンピュータに接続するためのI/Oデバイスインターフェースである。ネットワークインターフェースは、コンピュータが、ネットワークに結び付けられる種々の他のデバイスまたはシステムに接続することを可能にする。メモリは、ある実施形態を実装するために使用されるコンピュータソフトウェア命令およびデータのための揮発性記憶装置を提供する。ディスクまたは他の大容量記憶装置は、例えば、本明細書に説明される種々のプロシージャを実装するために使用される、コンピュータソフトウェア命令およびデータのための不揮発性記憶装置を提供する。
【0176】
ある部分は、記載される機能のうちの1つ以上を実施する「論理」としても実装され得る。この論理は、有線論理回路、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、マイクロプロセッサ、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせ等のハードウェアを含み得る。論理の一部または全てが、1つ以上の有形の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体内に記憶され得、コンピュータまたはデータ処理システムによって実行され得るコンピュータ実行可能命令を含み得る。コンピュータ実行可能命令は、本明細書に説明される1つ以上の実施形態を実装する命令を含み得る。有形の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、揮発性または不揮発性であってもよく、例えば、フラッシュメモリ、動的メモリ、リムーバブルディスク、および非リムーバブルディスクを含み得る。
【0177】
実施形態は、したがって、典型的に、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせの中に実装され得る。
【0178】
いくつかの実装では、上で説明されるプロセスを実行するコンピュータまたはコントローラは、全体または一部を問わず、最小限の管理労力またはサービスプロバイダ相互作用を用いて迅速にプロビジョニングされ、リリースされ得る共有される構成可能なコンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、サーバ、記憶装置、アプリケーション、およびサービス)のネットワークへの要望に応じたアクセスを経由して1つ以上の物理および/または仮想データ処理機械を利用可能にするクラウドコンピューティング配置に展開され得る。
【0179】
さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、または命令は、本明細書では、ある行動および/または機能を実施するものとして説明され得る。また、ブロックおよびフロー図が、より多いまたはより少ない要素を含む、異なるように配置されること、または異なるように表され得ることも理解されたい。したがって、本明細書に含有されるそのような説明が、便宜上にすぎず、そのような行動が、実際、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行するコンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、または他のデバイスから生じることを理解されたい。
【0180】
一連のステップが、フロー図に対して上で説明されているが、ステップの順序は、他の実装において修正され得る。加えて、ステップ、動作、およびステップは、追加または他のモジュールまたはエンティティによって実施され得、それらは、他のモジュールまたはエンティティを形成するために組み合わせられるか、または分離され得る。例えば、一連のステップが、ある図に関して説明されているが、ステップの順序は、本発明の原理と一貫して、他の実装において修正され得る。さらに、非依存的ステップが、並行して実施され得る。さらに、開示される実装は、ハードウェアの任意の具体的な組み合わせに限定されないこともある。
【0181】
本明細書において使用されるいかなる要素、行為、または命令も、そのようなものとして明示的に説明されない限り、本開示にとって重要となるもの、または本質的であるものとして解釈されるべきでではない。本明細書で使用されるように、冠詞「a」は、1つ以上の物品を含むことを意図する。1つのみの物品が、意図される場合、用語「1つ(one)」または類似の文言が、使用される。さらに、語句「~に基づいて(based on)」は、明示的に別様に記載されない限り、「少なくとも部分的に~に基づいて(based,at least in part)」を意味することを意図する。
【0182】
上記説明は、いくつかの例示的実施形態を含む。特定の特徴が、いくつかの実施形態のうちの1つのみに対して上で説明されていることもあるが、特定の特徴は、任意の所与のまたは特定用途に関して所望され、有利であり得るように、他の実施形態の1つ以上の他の特徴と組み合わせら得ることを理解されたい。本明細書における革新を説明する目的のために、構成要素または方法論のあらゆる想起可能な組み合わせを説明することは、当然ながら、不可能であり、当業者は、ここで、上記説明に照らして、多くのさらなる組み合わせおよび順列が、可能なことを認識し得る。また、用語「includes(~を含む)」および「including(~を含む)」およびそれらの異形が、詳細な説明または請求項のいずれかにおいて使用される限り、これらの用語は、用語「comprising(~を備えている)」に類似する様式において包括的であることを意図する。
【0183】
故に、本特許によって網羅される主題は、続く請求項の精神および範囲内にある、そのような改変、修正、均等物、および変形例の全てを包含することを意図している。
【国際調査報告】