(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-05
(54)【発明の名称】電池加熱システム、電池パック及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/04 20060101AFI20231225BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20231225BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20231225BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20231225BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20231225BHJP
H01M 10/637 20140101ALI20231225BHJP
H01M 10/667 20140101ALI20231225BHJP
【FI】
H02J7/04 L
H02J7/10 L
H02J7/02 H
H01M10/615
H01M10/625
H01M10/637
H01M10/667
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501524
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 CN2022098528
(87)【国際公開番号】W WO2023092999
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】202122926112.8
(32)【優先日】2021-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 元▲ミャオ▼
(72)【発明者】
【氏名】但 志▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】李 占良
(72)【発明者】
【氏名】黄 孝▲鍵▼
【テーマコード(参考)】
5G503
5H031
【Fターム(参考)】
5G503BA03
5G503BB02
5G503BB03
5G503CB11
5G503FA06
5G503GD02
5G503GD06
5G503HA02
5H031AA09
5H031HH06
(57)【要約】
本願の実施例は電池加熱システム、電池パック及び電力消費装置を開示し、該電池加熱システムは、第1、第2、第3スイッチを備えるスイッチアセンブリを含み、第1スイッチがオンであり、さらに第2及び第3スイッチがオフである場合、第1電池モジュールと第2電池モジュールは直列接続設置され、且つ充放電装置に接続されることにより、直列接続された第1電池モジュール及び第2電池モジュールを充電又は放電し、第1スイッチがオフであり、さらに第2及び第3スイッチがオンである場合、第1電池モジュールと前記第2電池モジュールはそれぞれ電池加熱装置に接続されて、第1回路及び第2回路を形成し、第1及び第2回路は第1及び第2電池モジュールを加熱するために用いられる。本願の実施例の電池加熱システムは、電池の本来の出力機能に影響を与えない状況で、2路回路による電池加熱を用いて電池を加熱することで加熱効率を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1スイッチと、第2スイッチと、第3スイッチと、を備えるスイッチアセンブリを含む電池制御装置を含み、
前記第1スイッチの一端は第1電池モジュールの負極に接続するために用いられ、前記第1スイッチの他端は第2電池モジュールの正極に接続するために用いられ、前記第2スイッチの一端は前記第1電池モジュールの負極に接続するために用いられ、前記第3スイッチの一端は前記第2電池モジュールの正極に接続するために用いられ、
前記第1スイッチがオンであり、さらに前記第2スイッチ及び前記第3スイッチがオフである場合、前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールは直列接続設置され、且つ充放電装置に接続されることにより、直列接続された前記第1電池モジュール及び前記第2電池モジュールを充電又は放電し、
前記第1スイッチがオフであり、さらに前記第2スイッチ及び前記第3スイッチがオンである場合、前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールはそれぞれ電池加熱装置に接続されて、第1回路及び第2回路を形成し、前記第1回路及び前記第2回路は前記第1電池モジュール及び前記第2電池モジュールを加熱するために用いられることを特徴とする、電池加熱システム。
【請求項2】
第1ブリッジアームと、第2ブリッジアームと、エネルギー貯蔵素子と、を備える前記電池加熱装置をさらに含み、
前記第1スイッチがオフであり、さらに前記第2スイッチ及び前記第3スイッチがオンである場合、前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールはそれぞれ前記電池加熱装置に接続されて、前記第1電池モジュールが前記エネルギー貯蔵素子に放電する第1回路と、前記エネルギー貯蔵素子及び前記第1電池モジュールが前記第2電池モジュールに充電する第2回路とを形成し、又は、前記第2電池モジュールが前記エネルギー貯蔵素子に放電する第1回路と、前記第2電池モジュール及び前記エネルギー貯蔵素子が前記第1電池モジュールに充電する第2回路と、を形成することを特徴とする、請求項1に記載の電池加熱システム。
【請求項3】
前記電池制御装置は、メイン正極インタフェースと、メイン負極インタフェースと、第1加熱正極インタフェースと、第1加熱負極インタフェースと、第2加熱正極インタフェースと、第2加熱負極インタフェースと、を備えるインタフェースアセンブリをさらに含み、前記メイン正極インタフェースは前記第1電池モジュールの正極に接続するために用いられ、前記メイン負極インタフェースは前記第2電池モジュールの負極に接続するために用いられ、前記第2スイッチの他端は前記第1加熱負極インタフェースに接続され、前記第3スイッチの他端は前記第2加熱正極インタフェースに接続され、
前記第1スイッチがオンであり、さらに前記第2スイッチ及び前記第3スイッチがオフである場合、前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールは直列接続設置され、且つ前記メイン正極インタフェース及び前記メイン負極インタフェースを介して前記充放電装置に接続されることにより、直列接続された前記第1電池モジュール及び前記第2電池モジュールを充電又は放電し、
前記第1スイッチがオフであり、さらに前記第2スイッチ及び前記第3スイッチがオンである場合、前記第1電池モジュールは前記第1加熱正極インタフェース及び前記第1加熱負極インタフェースを介して前記電池加熱装置に接続され、前記第2電池モジュールは前記第2加熱正極インタフェース及び前記第2加熱負極インタフェースを介して前記電池加熱装置に接続され、前記第1回路及び前記第2回路を形成することを特徴とする、請求項1に記載の電池加熱システム。
【請求項4】
前記スイッチアセンブリは第4スイッチ及び第5スイッチをさらに含み、前記第4スイッチの一端は前記第1電池モジュールの正極に接続するために用いられ、前記第4スイッチの他端は前記メイン正極インタフェースに接続され、前記第5スイッチの一端は前記第2電池モジュールの負極に接続するために用いられ、前記第5スイッチの他端は前記メイン負極インタフェースに接続され、
前記第1スイッチ、前記第4スイッチ及び前記第5スイッチがオンであり、さらに前記第2スイッチ及び前記第3スイッチがオフである場合、前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールは直列接続設置され、且つ前記メイン正極インタフェース及び前記メイン負極インタフェースを介して前記充放電装置に接続されることにより、直列接続された前記第1電池モジュール及び前記第2電池モジュールを充電又は放電することを特徴とする、請求項3に記載の電池加熱システム。
【請求項5】
前記第4スイッチの他端はさらに前記第1加熱正極インタフェースに接続され、前記第5スイッチの他端はさらに前記第2加熱負極インタフェースに接続され、
前記第1スイッチがオフであり、さらに前記第2スイッチ、前記第3スイッチ、前記第4スイッチ及び前記第5スイッチがオンである場合、前記第1電池モジュールは前記第1加熱正極インタフェース及び前記第1加熱負極インタフェースを介して前記電池加熱装置に接続され、前記第2電池モジュールは前記第2加熱正極インタフェース及び前記第2加熱負極インタフェースを介して前記電池加熱装置に接続されることを特徴とする、請求項4に記載の電池加熱システム。
【請求項6】
前記電池制御装置は、直列接続された前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールが充電又は放電される時に形成される回路における電流値を検出するために用いられる電流センサをさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の電池加熱システム。
【請求項7】
前記電流センサの一端は前記第1電池モジュールの正極に接続するために用いられ、前記電流センサの他端は前記メイン正極インタフェースに接続されることを特徴とする、請求項6に記載の電池加熱システム。
【請求項8】
前記電池制御装置はさらにプリチャージ抵抗を含み、前記スイッチアセンブリはさらに第6スイッチを含み、前記プリチャージ抵抗の一端は前記第6スイッチの一端に接続され、前記プリチャージ抵抗の他端は前記第4スイッチの一端に接続され、前記第6スイッチの他端は前記第4スイッチの他端に接続され、前記プリチャージ抵抗及び前記第6スイッチは、直列接続された前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールが充電又は放電される時に、前記メイン正極インタフェース及び前記メイン負極インタフェースに接続された負荷を流れる電流を制限するために用いられることを特徴とする、請求項4に記載の電池加熱システム。
【請求項9】
前記スイッチアセンブリにおける少なくとも1つのスイッチはリレーであることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の電池加熱システム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の電池加熱システムと、第1電池モジュールと、第2電池モジュールと、を含み、
前記第1電池モジュールの負極はそれぞれ前記第1スイッチの一端及び前記第2スイッチの一端に接続され、前記第2電池モジュールの正極はそれぞれ前記第1スイッチの他端及び前記第3スイッチの一端に接続されることを特徴とする、電池パック。
【請求項11】
第1手動メンテナンススイッチ及び第2手動メンテナンススイッチをさらに含み、前記第1手動メンテナンススイッチは前記第1電池モジュールに直列接続され、前記第2手動メンテナンススイッチは前記第2電池モジュールに直列接続されることを特徴とする、請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
前記第1電池モジュール及び前記第2電池モジュールのうちの少なくとも1つの電池モジュールは複数の電池セルを直列接続して形成され、及び/又は、前記第1電池モジュール及び前記第2電池モジュールのうちの少なくとも1つの電池モジュールは、複数の電池セルをまず並列接続し、次に直列接続して形成されることを特徴とする、請求項10又は11に記載の電池パック。
【請求項13】
電力消費装置であって、
請求項10~12のいずれか一項に記載の電池パックを含み、前記電池パックは前記電力消費装置に電気エネルギーを供給するために用いられることを特徴とする電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年11月25日に中国国家知識産権局に出願された、出願番号CN202122926112.8、発明の名称「電池加熱システム、電池パック及び電力消費装置」の実用新案出願の優先権を主張し、その内容全体は参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は電池技術分野に関し、より具体的には、電池加熱システム、電池パック及び電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0003】
動力電池は、エネルギー密度が高く、サイクル充電が可能で、安全で環境にやさしいなどの利点を有するため、新エネルギー自動車、家庭用電気機器、エネルギー貯蔵システムなどの分野に広く応用されている。
【0004】
しかしながら、低温環境下で動力電池の使用は一定の制限を受ける。具体的には、動力電池は低温環境下で放電容量が著しく低下し、また動力電池は低温環境下で充電することができない。したがって、動力電池を正常に使用できるようにするために、低温環境下で動力電池を加熱する必要がある。
【0005】
電池を加熱するために、現在は一般的に電池内部のセル表面に加熱フィルムを貼り付け、加熱フィルムが生成する熱は互いに接触することでセルに伝達され、電池の加熱を実現している。しかしながら、該解決手段は実質的に外部加熱方式であり、熱伝達の過程に損失が存在し、加熱効率が低く、加熱エネルギーの消費が大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の実施例は、電池の本来の出力機能に影響を与えない状況で、2路回路による電池加熱という解決手段を用いて電池を加熱することで、加熱効率を向上させ、加熱エネルギーの消費を減少させることができる電池加熱システム、電池パック及び電力消費装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様によれば、第1スイッチと、第2スイッチと、第3スイッチと、を備えるスイッチアセンブリを含む電池制御装置を含み、該第1スイッチの一端は第1電池モジュールの負極に接続するために用いられ、該第1スイッチの他端は第2電池モジュールの正極に接続するために用いられ、該第2スイッチの一端は該第1電池モジュールの負極に接続するために用いられ、該第3スイッチの一端は該第2電池モジュールの正極に接続するために用いられ、該第1スイッチがオンであり、さらに該第2スイッチ及び該第3スイッチがオフである場合、該第1電池モジュールと該第2電池モジュールは直列接続設置され、且つ充放電装置に接続されることにより、直列接続された該第1電池モジュール及び該第2電池モジュールを充電又は放電し、該第1スイッチがオフであり、さらに該第2スイッチ及び該第3スイッチがオンである場合、該第1電池モジュールと該第2電池モジュールはそれぞれ電池加熱装置に接続されて、第1回路及び第2回路を形成し、該第1回路及び該第2回路は該第1電池モジュール及び第2電池モジュールを加熱するために用いられる、電池加熱システムを提供する。
【0008】
第1スイッチのオンとオフを制御することにより、電池における第1電池モジュールと第2電池モジュールの、直列接続設置と個別設置との切り替えを実現することができ、且つ第2スイッチと第3スイッチのオンとオフを制御することにより、第1電池モジュールと第2電池モジュールを直列接続した時に充放電装置へ接続することを実現し、直列接続された第1電池モジュールと第2電池モジュールに対する充電又は放電を実現し、第1電池モジュールと第2電池モジュールを個別設置した時には、第1電池モジュールと第2電池モジュールはそれぞれ電池加熱装置に接続され、第1電池モジュールと第2電池モジュールに対する加熱を実現することができる。従って、本願の実施例の電池加熱システムは、電池の本来の出力機能に影響を与えない状況で、2路回路による電池加熱という解決手段を用いて電池を加熱することで、加熱効率を向上させ、加熱エネルギーの消費を減少させることができる。
【0009】
一つの実現可能な形態において、該電池加熱システムはさらに、第1ブリッジアームと、第2ブリッジアームと、エネルギー貯蔵素子と、を備える該電池加熱装置を含み、該第1スイッチがオフであり、さらに該第2スイッチ及び該第3スイッチがオンである場合、該第1電池モジュールと該第2電池モジュールはそれぞれ該電池加熱装置に接続されて、該第1電池モジュールが該エネルギー貯蔵素子に放電する第1回路と、該エネルギー貯蔵素子及び該第1電池モジュールが該第2電池モジュールに充電する第2回路とを形成し、又は、該第2電池モジュールが該エネルギー貯蔵素子に放電する第1回路と、該第2電池モジュール及び該エネルギー貯蔵素子が該第1電池モジュールに充電する第2回路とを形成する。
【0010】
2路回路による電池加熱という解決手段を用いて電池を加熱することにより、電池の低温加熱の温度上昇速度を大幅に向上させて、加熱効率を向上させ、加熱エネルギーの消費を減少させることができる。
【0011】
一つの実現可能な形態において、該電池制御装置はさらに、メイン正極インタフェースと、メイン負極インタフェースと、第1加熱正極インタフェースと、第1加熱負極インタフェースと、第2加熱正極インタフェースと、第2加熱負極インタフェースと、を備えるインタフェースアセンブリを含み、該メイン正極インタフェースは該第1電池モジュールの正極に接続するために用いられ、該メイン負極インタフェースは該第2電池モジュールの負極に接続するために用いられ、該第2スイッチの他端は該第1加熱負極インタフェースに接続され、該第3スイッチの他端は該第2加熱正極インタフェースに接続され、該第1スイッチがオンであり、さらに該第2スイッチ及び該第3スイッチがオフである場合、該第1電池モジュールと該第2電池モジュールは直列接続設置され、且つメイン正極インタフェース及びメイン負極インタフェースを介して該充放電装置に接続されることにより、直列接続された該第1電池モジュール及び該第2電池モジュールを充電又は放電し、該第1スイッチがオフであり、さらに該第2スイッチ及び該第3スイッチがオンである場合、該第1電池モジュールは該第1加熱正極インタフェース及び該第1加熱負極インタフェースを介して該電池加熱装置に接続され、該第2電池モジュールは該第2加熱正極インタフェース及び該第2加熱負極インタフェースを介して該電池加熱装置に接続され、該第1回路及び該第2回路を形成する。
【0012】
従来のインタフェースアセンブリに2組の加熱インタフェースを増設することにより、第1電池モジュール及び第2電池モジュールを電池加熱装置にそれぞれ個別に接続し、電池を加熱する第1回路及び第2回路を形成し、且つ従来のメイン正極インタフェース及びメイン負極インタフェースを介して電池を充放電装置に接続し、電池に対する充電又は放電を実現する。すなわち本願の実施例の電池加熱システムは、加熱回路を個別に設置することにより、電池の本来の出力機能に影響を与えない状況で、2路回路による電池加熱という解決手段を用いて電池を加熱することで、加熱効率を向上させ、加熱エネルギーの消費を減少させることができる。
【0013】
一つの実現可能な形態において、該スイッチアセンブリはさらに第4スイッチ及び第5スイッチを含み、該第4スイッチの一端は該第1電池モジュールの正極に接続するために用いられ、該第4スイッチの他端は該メイン正極インタフェースに接続され、該第5スイッチの一端は該第2電池モジュールの負極に接続するために用いられ、該第5スイッチの他端は該メイン負極インタフェースに接続され、該第1スイッチ、該第4スイッチ及び該第5スイッチがオンであり、さらに該第2スイッチ及び該第3スイッチがオフである場合、該第1電池モジュールと該第2電池モジュールは直列接続設置され、且つ該メイン正極インタフェース及び該メイン負極インタフェースを介して該充放電装置に接続されることにより、直列接続された該第1電池モジュール及び該第2電池モジュールを充電又は放電する。
【0014】
直列接続された第1電池モジュールと第2電池モジュールの、正極とメイン正極インタフェース及び負極とメイン負極インタフェースとの間にそれぞれスイッチを設置することにより、電池を充放電装置と接続する必要がない時に、電池と充放電装置との間の接続を切断するようにリアルタイムで制御することができる。
【0015】
一つの実現可能な形態において、該第4スイッチの他端はさらに該第1加熱正極インタフェースに接続され、該第5スイッチの他端はさらに該第2加熱負極インタフェースに接続され、該第1スイッチがオフであり、さらに該第2スイッチ、該第3スイッチ、第4スイッチ及び該第5スイッチがオンである場合、該第1電池モジュールは該第1加熱正極インタフェース及び該第1加熱負極インタフェースを介して該電池加熱装置に接続され、該第2電池モジュールは該第2加熱正極インタフェース及び該第2加熱負極インタフェースを介して該電池加熱装置に接続される。
【0016】
第1加熱正極インタフェースとメイン正極インタフェースが第4スイッチを共用し、第2加熱負極インタフェースとメイン負極インタフェースが第5スイッチを共用することにより、電池加熱システムの変更を少なくして、コストを削減することができ、且つ電池加熱システムに対する制御の複雑さを低減することができる。
【0017】
一つの実現可能な形態において、該電池制御装置はさらに、直列接続された該第1電池モジュールと該第2電池モジュールが充電又は放電される時に形成される回路における電流値を検出するために用いられる電流センサをさらに含む。
【0018】
電流センサは直列接続された第1電池モジュールと第2電池モジュールの充電電流又は放電電流の大きさを測定することにより、電流が過大になり、電池モジュールが損傷するのを防止することができる。同時に、電流センサが測定した電流の大きさを積分演算し、直列接続された第1電池モジュールと第2電池モジュールの充電電荷量又は放電電荷量を得ることができ、それにより電池モジュールの電気量の状態を判断することができ、使用過程における過充電又は過放電の発生を防止して、電池モジュールの耐用年数に影響を与えることを回避する。
【0019】
一つの実現可能な形態において、該電流センサの一端は該第1電池モジュールの正極に接続するために用いられ、該電流センサの他端は該メイン正極インタフェースに接続される。
【0020】
電流センサを第1電池モジュールの正極とメイン正極インタフェースとの間に設置することで、直列接続された第1電池モジュールと第2電池モジュールの充電電流又は放電電流の大きさを測定しやすくなることにより、電流が過大になり、電池モジュールが損傷するのを防止することができる。
【0021】
一つの実現可能な形態において、該電池制御装置はさらにプリチャージ抵抗を含み、該スイッチアセンブリはさらに第6スイッチを含み、該プリチャージ抵抗の一端は該第6スイッチの一端に接続され、該プリチャージ抵抗の他端は該第4スイッチの一端に接続され、該第6スイッチの他端は該第4スイッチの他端に接続され、該プリチャージ抵抗及び該第6スイッチは、直列接続された該第1電池モジュールと該第2電池モジュールが充電又は放電する時に、該メイン正極インタフェース及び該メイン負極インタフェースに接続された負荷を流れる電流を制限するために用いられる。
【0022】
プリチャージ抵抗及び第6スイッチの目的は、メイン正極インタフェース及びメイン負極インタフェースの後端に接続される容量性負荷を流れる電流を制限することにより、瞬間電流が過大になり高圧回路におけるデバイスが損傷するのを回避することである。
【0023】
一つの実現可能な形態において、該スイッチアセンブリにおける少なくとも1つのスイッチはリレーである。
【0024】
リレーは一般的なスイッチよりも安全であり、制御が容易である。
【0025】
第2態様によれば、上記第1態様及び第1態様におけるいずれかの実現可能な形態における電池加熱システムと、第1電池モジュールと、第2電池モジュールと、を含み、該第1電池モジュールの負極はそれぞれ該第1スイッチの一端及び該第2スイッチの一端に接続され、該第2電池モジュールの正極はそれぞれ該第1スイッチの他端及び該第3スイッチの一端に接続される、電池パックを提供する。
【0026】
本願の実施例が提供する電池加熱システムを電池に設置することにより、電池の本来の出力機能に影響を与えない状況で、2路回路による電池加熱という解決手段を用いて電池を加熱することで、加熱効率を向上させ、加熱エネルギーの消費を減少させることができる。
【0027】
一つの実現可能な形態において、該電池パックはさらに第1手動メンテナンススイッチ及び第2手動メンテナンススイッチを含み、該第1手動メンテナンススイッチは該第1電池モジュールに直列接続され、該第2手動メンテナンススイッチは該第2電池モジュールに直列接続される。
【0028】
第1手動メンテナンススイッチ及び第2手動メンテナンススイッチの目的は、第1電池モジュール及び第2電池モジュールが個別に動作する時、第1電池モジュール及び第2電池モジュールに保護を提供することである。
【0029】
一つの実現可能な形態において、該第1電池モジュール及び該第2電池モジュールのうちの少なくとも1つの電池モジュールは複数の電池セルを直列接続して形成され、及び/又は、該第1電池モジュール及び該第2電池モジュールのうちの少なくとも1つの電池モジュールは、複数の電池セルをまず並列接続してから、次に直列接続して形成される。
【0030】
第3態様によれば、第2態様及び第2態様のいずれかの実現可能な形態における電池パックを含み、該電池パックは該電力消費装置に電気エネルギーを供給するために用いられる電力消費装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本願の実施例に係る電池加熱装置の応用シーンの概略図を示す。
【
図2】本願の実施例に係る電池加熱装置の概略回路図を示す。
【
図3】本願の実施例に係る電池加熱システムの概略回路図を示す。
【
図4】本願の実施例に係る電池加熱システムの別の概略回路図を示す。
【
図5】本願の実施例に係る電池パックの概略ブロック図を示す。
【
図6】本願の実施例に係る電池モジュールの構造概略図を示す。
【
図7】本願の実施例に係る電池モジュールの別の構造概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を説明する。
【0033】
本願の記載において説明すべきことは、別途説明されない限り、「複数」は、2つ以上という意味であり、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の用語が指示する方位又は位置関係は、本願の説明を容易にして、説明を簡略化するものであるに過ぎず、対象の装置や素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され及び操作されるべきであることを示す又は暗示するものではなく、従って本願を限定するものと理解すべきではない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、説明する目的で用いられるに過ぎず、相対的な重要性を示す又は暗示するものと理解すべきではない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではなく、誤差の許容範囲内にあるものである。「平行」は、厳密な意味での平行ではなく、誤差の許容範囲内にあるものである。
【0034】
以下の説明に出現する方位表現はいずれも図に示す方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。本願の記載においてさらに説明すべきことは、別途明確に規定及び限定されない限り、「取り付ける」、「つながっている」、「接続」という用語は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体接続であってもよい。直接つながっていてもよく、中間媒体を介して間接的につながっていてもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0035】
時代が進むにつれて、新エネルギー自動車はその環境保護性、低騒音、使用コストが低い等の利点により、巨大な市場という将来性を有し、且つ省エネルギーと排出削減を効果的に促進することができ、社会の発展及び進歩に寄与する。
【0036】
動力電池の電気的、化学的特性のため、低温環境下では、動力電池の充放電能力が大幅に制限され、ユーザの冬季の使用体験に深刻な影響を与える。したがって、動力電池を正常に使用できるようにするために、低温環境下で動力電池を加熱する必要がある。
【0037】
本願の実施例に係る動力電池はリチウムイオン電池、リチウム金属電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池又はナトリウムイオン電池等であってもよく、ここでは限定しない。規模から言えば、本願の実施例に係る動力電池はセル/電池セルであってもよく、電池モジュール又は電池パックであってもよく、ここでは限定しない。応用シーンから言えば、該動力電池は自動車、船舶等の動力装置において応用することができる。例えば、新動力源自動車のモータに電力を供給する動力源として、電気自動車に応用することができる。該動力電池はさらに電気自動車内の車内エアコン、車載プレーヤ等の他の電装部品に電力を供給することができる。
【0038】
説明の便宜上、以下に動力電池を新エネルギー自動車(すなわち新動力源自動車、又は電気自動車と称する)に応用することを例として、本願の解決手段を説明する。
【0039】
動力電池(以下、単に「電池」という)を加熱するために、現在は一般的に電池内部のセル表面に加熱フィルムを貼り付け、加熱フィルムが生成する熱は互いに接触することでセルに伝達され、電池の加熱を実現している。該解決手段は実質的に外部加熱方式であり、熱伝達の過程に損失が存在し、最も大きな問題は加熱効率が低く、加熱エネルギーの消費が大きいことである。電池の電気量が電池自体を加熱するために大量消費され、そのため電気自動車は冬に充電時間が長く、航続距離が短くなる。
【0040】
このため、本願の実施例は、加熱効率を向上させ、加熱エネルギーの消費を減少させることができる電池を加熱する解決手段を提供する。
【0041】
図1は本願の実施例に係る電池加熱装置の応用シーンの概略図を示す。
図1に示すように、電池120が電池加熱装置110に接続されると、電池加熱装置110は電池120を加熱するために用いられる。電池120が充放電装置130に接続されると、充放電装置130は電池120を充電又は放電するために用いられる。充放電装置130は、充電装置又は電力消費装置を含むことができる。充電装置は、例えば電池120を充電するための充電スタンドであってもよい。電力消費装置は例えばモータであってもよく、電池120はモータの駆動回路に接続され、該駆動回路に電源を供給するために用いられ、それにより新動力源自動車の正常な走行を保証する。
【0042】
一実現形態において、電池120の電池管理システム(battery management system、BMS)は電池120の状態情報、例えば電池温度、充電状態(state of charge、SOC)、電圧信号、電流信号等を収集し、且つ該状態情報に基づいて電池120を加熱する必要があるか否かを判断する。BMSは、電池120を加熱する必要があると判断した場合、車両コントローラ(vehicle control unit、VCU)に加熱要求を送信することができる。VCUはBMSから送信された加熱要求に応じて、電池加熱装置110をオンにして電池120を加熱するか否かを判断する。
【0043】
例えば、VCUはBMSから送信された加熱要求を受信してから、電池加熱装置110を利用して電池120を加熱するか否かを電池120のSOCに基づいて判断することができる。ここで、電池120の電気量が十分であり、即ちSOCが高く、例えば閾値より高い場合、電池加熱装置110を利用して電池120を加熱することができ、この場合、新動力源自動車の正常な走行に影響を与えない。
【0044】
又は、電池120の電気量が不足しており、即ちSOCが低く、例えば閾値より低い場合、電池加熱による損失を低減するために、電池加熱装置110を利用して電池を加熱しなくてもよい。モータコントローラ、例えばマイクロプログラムコントローラ(microprogrammed control unit、MCU)はモータの電圧及び電流等の情報に基づき、モータの状態を判断し、且つVCUに送信することができる。従って、モータがこの時に正常に動作する状態にあれば、モータの動作損失による熱を利用して電池120を加熱又は保温することができ、例えば走行時にモータの動作損失による熱を利用して電池120の冷却液を加熱し、該冷却液で電池120を加熱又は保温する。
【0045】
又は、電池120のSOCが低い場合、電池加熱装置110をオンにして電池120を加熱し、且つ電池加熱装置110の加熱周期の長さを調整し、換言すれば、電池加熱装置110の加熱周波数を調整することができる。
【0046】
本願は電池加熱装置110の使用シーンを限定せず、本願の実施例に係る電池加熱装置110は任意の必要な状況で、電池120を加熱するために用いられる。
【0047】
電池加熱装置110が電池120を加熱する過程において、電池120のBMSはさらに電池120の温度に異常が存在するか否かを監視することができる。電池120の温度に異常が存在する場合、例えば電池120における異なるセル間の温度差が大きい場合、BMSは温度異常の情報をVCUに送信し、VCUは電池加熱装置110を制御して電池120の加熱を停止することができる。この時、モータの動作損失による熱を利用して電池120を加熱又は保温することができ、例えばモータの動作損失による熱を利用して電池120の冷却液を加熱し、冷却液で電池120を加熱又は保温する。
【0048】
電池加熱装置110が電池120を加熱する過程において、電池120の温度が要件を満たしていれば、VCUは電池加熱装置110を制御して電池120の加熱を停止することができる。この時、モータの動作損失による熱を利用して電池120を保温することができ、例えばモータの動作損失による熱を利用して電池120の冷却液を加熱し、冷却液で電池120を保温する。
【0049】
電池120が複数の電池モジュールを含む場合、従来技術では、一般的に、各電池モジュールを順次加熱し、又は複数の電池モジュールを並列接続した後に同時に加熱する方式を採用する。しかしながら上記一番目の方式は加熱時間を延長させ、二番目の方式は加熱用の電流を分流するため、2つの方式はいずれも加熱効率が低く、ユーザ体験に影響を与える。
【0050】
このため、本願は2路回路による電池加熱という解決手段を提供し、合理的な制御によって2つの電池モジュールを同時に加熱することができ、加熱用の電流が分流しないため、電池の低温加熱の温度上昇速度が大幅に向上し、加熱効率を向上させる。
【0051】
図2は本願の実施例が提供する電池加熱装置110の概略回路図を示す。
図2に示すように、電池120は第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122を含み、電池加熱装置110は第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122を同時に加熱することができる。ここで、電池加熱装置110は第1ブリッジアーム1111と、第2ブリッジアーム1112と、エネルギー貯蔵素子1113と、を含むことができる。エネルギー貯蔵素子1113は例えばインダクタンスLであってもよく、又はインダクタンスLとコンデンサを直列接続したものであってもよい。
【0052】
第1電池モジュール121の両端に例えば第1コンデンサC1が並列接続されてもよく、第2電池モジュール122の両端に例えば第2コンデンサC2が並列接続されてもよい。該第1コンデンサC1及び該第2コンデンサC2は対応するブリッジアームのオフスパイク電圧の吸収、電池電圧安定化等の機能を実現でき、電池加熱装置110が動作を停止する瞬間に、ブリッジアームスイッチは対応してオフになり、この時に高圧回路の浮遊インダクタンス及び電流変化率により非常に大きなスパイク電圧が発生するため、第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2を使用して吸収する必要がある。さらに第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122の電圧変動を低減し、第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122の電圧安定性を向上させる必要がある。これにより、電池及び回路における高電圧デバイスをより良好に保護し、電圧の衝撃による損傷を回避することができる。
【0053】
第1ブリッジアーム1111及び第2ブリッジアーム1112はVCUの制御下で、第1電池モジュール121がエネルギー貯蔵素子1113に放電する回路と、エネルギー貯蔵素子1113及び第1電池モジュール121が第2電池モジュール122に充電する回路とを形成し、それにより放電及び充電の過程において第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122を加熱することができる。及び/又は、第1ブリッジアーム1111及び第2ブリッジアーム1112はVCUの制御下で、第2電池モジュール122がエネルギー貯蔵素子1113に放電する回路と、エネルギー貯蔵素子1113及び第2電池モジュール122が第1電池モジュール121に充電する回路とを形成し、それにより放電及び充電の過程において第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122を加熱することができる。
【0054】
以上から分かるように、電池加熱装置110が第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122を加熱する時、第1ブリッジアーム1111及び第2ブリッジアーム1112のオン又はオフを制御することにより、第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122のうち1つの電池がエネルギー貯蔵素子に放電する回路と、該電池及びエネルギー貯蔵素子がもう一つの電池に充電する回路とを形成する。放電回路と充電回路は繰り返し切り替えられ、放電及び充電の過程において2つの電池モジュールの内部にいずれも電流の流れが存在するため、電池の温度を上昇させ、2つの電池モジュールに対する同時加熱を実現し、且つ高い加熱効率を有する。
【0055】
図2に示すように、第1ブリッジアーム1111の第1端E11は第1電池モジュール121の第1端に接続され、第2ブリッジアーム1112の第1端E21は第2電池モジュール122の第1端に接続され、第1ブリッジアーム1111の第2端E12は第1電池モジュール121の第2端に接続され、第2ブリッジアーム1112の第2端E22は第2電池モジュール122の第2端に接続される。ここで、第1ブリッジアーム1111は第1サブブリッジアーム1101及び第2サブブリッジアーム1102を含み、第2ブリッジアーム1112は第3サブブリッジアーム1103及び第4サブブリッジアーム1104を含む。
【0056】
ここで、第1電池モジュール121の第1端は第1電池モジュール121の正極であり、第1電池モジュール121の第2端は第1電池モジュール121の負極である。第2電池モジュール122の第1端は第2電池モジュール122の正極であり、第2電池モジュール122の第2端は第2電池モジュール122の負極である。
【0057】
本願のエネルギー貯蔵素子1113は、第1ブリッジアーム1111と第2ブリッジアーム1112との間に接続されてもよい。例えば、
図2に示すように、エネルギー貯蔵素子1113の一端は第1サブブリッジアーム1101と第2サブブリッジアーム1102との間に接続され、エネルギー貯蔵素子1113の他端は第3サブブリッジアーム1103と第4サブブリッジアーム1104との間に接続される。
【0058】
本願の実施例が提供する2路回路による電池加熱という解決手段は電池加熱装置110に2つの電池モジュールが入力する必要があり、これにより、本願の実施例は、電池の本来の出力機能に影響を与えない状況で、2路回路による電池加熱という解決手段を用いて電池を加熱することができ、加熱効率を向上させ、加熱エネルギーの消費を減少させることができる電池加熱システムを提供する。
【0059】
図3は本願の実施例が提供する電池加熱システム300の概略ブロック図を示す。
図3に示すように、該電池加熱システム300は電池制御装置200を含み、該電池制御装置200は第1スイッチ211と、第2スイッチ212と、第3スイッチ213と、を備えるスイッチアセンブリを含み、第1スイッチ211の一端は第1電池モジュール121の負極に接続するために用いられ、第1スイッチ211の他端は第2電池モジュール122の正極に接続するために用いられ、第2スイッチ212の一端は第1電池モジュール121の負極に接続するために用いられ、第3スイッチ213の一端は第2電池モジュール122の正極に接続するために用いられる。
【0060】
第1スイッチ211がオンであり、さらに第2スイッチ212及び第3スイッチ213がオフである場合、第1電池モジュール121と第2電池モジュール122は直列接続設置され、且つ充放電装置130に接続されることにより、直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122を充電又は放電し、又は、第1スイッチ211がオフであり、さらに第2スイッチ212及び第3スイッチ213がオンである場合、第1電池モジュール121と第2電池モジュール122はそれぞれ電池加熱装置110に接続されて、第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122を加熱するために用いられる第1回路及び第2回路を形成する。
【0061】
なお、本願の実施例に係る電池モジュールは、電池モジュールの構造ではなく、セルの数又は電池モジュールの数に重点を置いて説明する。すなわち、電池モジュールは少なくとも1つのセル又は少なくとも1つの電池モジュールを含み、該電池モジュールがさらに他の構造を含むか否かについて、本願の実施例はこれを限定していない。
【0062】
ここで、直列接続設置とは、第1電池モジュール121の負極と第2電池モジュール122の正極を接続し、第1電池モジュール121の正極と第2電池モジュール122の負極を、直列接続した第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122全体の正極及び負極とするものであってもよい。又は、第2電池モジュール122の負極と第1電池モジュール121の正極を接続し、第2電池モジュール122の正極と第1電池モジュール121の負極を、直列接続した第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122全体の正極及び負極とするものである。
【0063】
第1スイッチ211のオンとオフを制御することにより、第1電池モジュール121と第2電池モジュール122の直列接続設置と個別設置との切り替えを実現することができ、且つ第2スイッチ212と第3スイッチ213のオンとオフを制御することにより、第1電池モジュール121と第2電池モジュール122を直列接続設置した時に、充放電装置130へ接続することを実現し、直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122に対する充放電を実現し、第1電池モジュール121と第2電池モジュール122を個別設置した時には、第1電池モジュール121と第2電池モジュール122はそれぞれ電池加熱装置110に接続され、第1電池モジュール121と第2電池モジュール122に対する加熱を実現することができる。従って、本願の実施例の電池加熱システム300は、電池の本来の出力機能に影響を与えない状況で、2路回路による電池加熱という解決手段を用いて電池を加熱することで、加熱効率を向上させ、加熱エネルギーの消費を減少させることができる。
【0064】
好ましくは、
図3に示すように、該電池加熱システム300はさらに電池加熱装置110を含むことができ、該電池加熱装置110の回路構造は
図2に示すとおりである。具体的には、該電池加熱装置110は第1ブリッジアーム1111と、第2ブリッジアーム1112と、エネルギー貯蔵素子1113と、を含むことができる。ここで、第1スイッチ211がオフであり、さらに第2スイッチ212及び第3スイッチ213がオンである場合、第1電池モジュール121と第2電池モジュール122はそれぞれ電池加熱装置110に接続されることにより、第1電池モジュール121がエネルギー貯蔵素子1113に放電する第1回路と、エネルギー貯蔵素子1113及び第1電池モジュール121が第2電池モジュール122に充電する第2回路とを形成し、又は、第2電池モジュール122がエネルギー貯蔵素子1113に放電する第1回路と、第2電池モジュール122及びエネルギー貯蔵素子1113が第1電池モジュール121に充電する第2回路と、を形成する。該第1回路及び第2回路は、第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122を加熱するために用いられる。
【0065】
ここで、該第1電池モジュール121の正極は第1ブリッジアーム1111の第1端E11に接続され、該第1電池モジュール121の負極は第1ブリッジアーム1111の第2端E12に接続され、該第2電池モジュール122の正極は第2ブリッジアーム1112の第1端E21に接続され、該第2電池モジュール122の負極は第2ブリッジアーム1112の第2端E22に接続される。又は、該第1電池モジュール121の正極は第2ブリッジアーム1112の第1端E21に接続され、該第1電池モジュール121の負極は第2ブリッジアーム1112の第2端E22に接続され、該第2電池モジュール122の正極は第1ブリッジアーム1111の第1端E11に接続され、該第2電池モジュール122の負極は第1ブリッジアーム1111の第2端E12に接続される。
【0066】
2路回路による電池加熱という解決手段を用いて第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122を加熱することにより、電池の低温加熱の温度上昇速度を大幅に向上させて、加熱効率を向上させ、加熱エネルギーの消費を減少させることができる。
【0067】
好ましくは、本願の実施例において、
図4に示すように、該電池制御装置200はさらに、メイン正極インタフェース221と、メイン負極インタフェース222と、第1加熱正極インタフェース223と、第1加熱負極インタフェース224と、第2加熱正極インタフェース225と、第2加熱負極インタフェース226と、を備えるインタフェースアセンブリを含む。該メイン正極インタフェース221は第1電池モジュール121の正極に接続するために用いられ、該メイン負極インタフェース222は第2電池モジュール122の負極に接続するために用いられ、第2スイッチ212の他端は第1加熱負極インタフェース224に接続され、第3スイッチ213の他端は第2加熱正極インタフェース225に接続される。ここで、第1スイッチ211がオンであり、さらに第2スイッチ212及び第3スイッチ213がオフである場合、第1電池モジュール121と第2電池モジュール122は直列接続設置され、且つメイン正極インタフェース221及びメイン負極インタフェース222を介して充放電装置130に接続されることにより、直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122を充電又は放電する。又は、第1スイッチ211がオフであり、さらに第2スイッチ212及び第3スイッチ213がオンである場合、第1電池モジュール121は第1加熱正極インタフェース223及び第1加熱負極インタフェース224を介して電池加熱装置110に接続され、第2電池モジュール122は第2加熱正極インタフェース225及び第2加熱負極インタフェース226を介して電池加熱装置110に接続されることにより、第1回路及び第2回路を形成する。
【0068】
好ましくは、
図4を参照し、該第1加熱正極インタフェース223は電池加熱装置110の第1入力端E11に接続され、該第1加熱負極インタフェース224は電池加熱装置110の第2入力端E12に接続され、該第2加熱正極インタフェース225は電池加熱装置110の第3入力端E21に接続され、該第2加熱負極インタフェース226は電池加熱装置110の第4入力端E22に接続される。ここで、該第1入力端E11及び第2入力端E12はそれぞれ
図2における第1ブリッジアーム1111の第1端E11及び第2端E12に対応し、該第3入力端E21及び第4入力端E22はそれぞれ
図2における第2ブリッジアーム1112の第1端E21及び第2端E22に対応する。
【0069】
従来のインタフェースアセンブリに2組の加熱インタフェースを増設することにより、第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122を電池加熱装置110にそれぞれ個別接続することにより、第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122を加熱する第1回路及び第2回路を形成する。且つ従来のメイン正極インタフェース221及びメイン負極インタフェース222を介して、直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122を充放電装置130に接続することにより、直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122に対する充電又は放電を実現する。すなわち本願の実施例の電池加熱システム300は、加熱回路を個別に設置することにより、電池の本来の出力機能に影響を与えない状況で、2路回路による電池加熱という解決手段を用いて電池を加熱することができ、それにより加熱効率を向上させ、加熱エネルギー消費を減少させる。
【0070】
引き続き
図4を参照し、該電池制御装置200のスイッチアセンブリはさらに第4スイッチ214及び第5スイッチ215を含み、第4スイッチ214の一端は第1電池モジュール121の正極に接続するために用いられ、第4スイッチ214の他端はメイン正極インタフェース221に接続され、第5スイッチ215の一端は第2電池モジュール122の負極に接続するために用いられ、第5スイッチ215の他端はメイン負極インタフェース222に接続される。ここで、第1スイッチ211、第4スイッチ214及び第5スイッチ215がオンであり、且つ第2スイッチ212及び第3スイッチ213がオフである場合、第1電池モジュール121と第2電池モジュール122は直列接続設置され、且つメイン正極インタフェース221及びメイン負極インタフェース222を介して充放電装置130に接続されることにより、直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122を充電又は放電する。
【0071】
直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122の、正極とメイン正極インタフェース221及び負極とメイン負極インタフェース222との間にそれぞれスイッチを設置することにより、電池を充放電装置と接続する必要がない時に、電池と充放電装置との間の接続を切断するように制御することができる。
【0072】
引き続き
図4を参照し、第4スイッチ214の他端はさらに第1加熱正極インタフェース223に接続され、第5スイッチ215の他端はさらに第2加熱負極インタフェース226に接続される。ここで、第1スイッチ211がオフであり、さらに第2スイッチ212、第3スイッチ213、第4スイッチ214及び第5スイッチ215がオンである場合、第1電池モジュール121は第1加熱正極インタフェース223及び第1加熱負極インタフェース224を介して電池加熱装置110に接続され、第2電池モジュール122は第2加熱正極インタフェース225及び第2加熱負極インタフェース226を介して電池加熱装置110に接続される。
【0073】
第1加熱正極インタフェース223とメイン正極インタフェース221が第4スイッチ214を共用し、第2加熱負極インタフェース226とメイン負極インタフェース222が第5スイッチ215を共用することにより、電池加熱システム300の変更を少なくして、コストを削減することができ、且つ電池加熱システム300に対する制御の複雑さを低減することができる。
【0074】
別の実施例において、該第1加熱正極インタフェース223とメイン正極インタフェース221は第4スイッチ214を共用せず、該第2加熱負極インタフェース226とメイン負極インタフェース222は第5スイッチ215を共用せず、即ち該電池制御装置200はさらに第7スイッチ及び第8スイッチを含み、該第7スイッチは第1電池モジュール121の正極と第1加熱正極インタフェース223との間に接続され、該第8スイッチは第2電池モジュール122の負極と第2加熱負極インタフェース226との間に接続される。ここで、第1スイッチ211、第4スイッチ214及び第5スイッチ215がオンであり、且つ第2スイッチ212、第3スイッチ213、第7スイッチ及び第8スイッチがオフである場合、第1電池モジュール121と第2電池モジュール122は直列接続設置され、且つメイン正極インタフェース221及びメイン負極インタフェース222を介して充放電装置130に接続されることにより、直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122を充電又は放電し、又は、第1スイッチ211、第4スイッチ214及び第5スイッチ215がオフであり、さらに第2スイッチ212、第3スイッチ213、第7スイッチ及び第8スイッチがオンである場合、第1電池モジュール121は第1加熱正極インタフェース223及び第1加熱負極インタフェース224を介して電池加熱装置110に接続され、第2電池モジュール122は第2加熱正極インタフェース225及び第2加熱負極インタフェース226を介して電池加熱装置110に接続され、それにより電池120に対する加熱を実現する。
【0075】
引き続き
図4を参照し、該電池制御装置200は、直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122が充電又は放電される時に形成される回路における電流値を検出するために用いられる電流センサ230をさらに含む。
【0076】
電流センサ230は直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122の充電電流又は放電電流の大きさを測定することにより、電流が過大になり、電池モジュールが損傷するのを防止することができる。同時に、電流センサ230が測定した電流の大きさを積分演算し、直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122の充電電荷量又は放電電荷量を得ることができ、それにより電池モジュールの電気量の状態を判断することができ、使用過程における過充電又は過放電の発生を防止して、電池モジュールの耐用年数に影響を与えることを回避する。
【0077】
一例において、
図4に示すように、電流センサ230は、第1電池モジュール121の正極とメイン正極インタフェース221との間に接続される。すなわち電流センサ230の一端は第1電池モジュール121の正極に接続するために用いられ、電流センサ230の他端はメイン正極インタフェース221に接続される。さらに、電流センサ230の一端は第1電池モジュール121の正極に接続するために用いられ、電流センサ230の他端は第4スイッチ214に接続される。
【0078】
電流センサ230を第1電池モジュール121の正極とメイン正極インタフェース221との間に設置することで、直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122の充電電流又は放電電流の大きさを測定しやすくなることにより、電流が過大になり、電池モジュールが損傷するのを防止することができる。
【0079】
なお、本願の実施例は電流センサ230の設置位置を限定しない。例えば、電流センサ230は第2電池モジュール122と第5スイッチ215との間に設置されてもよい。直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122が充電又は放電する時に形成される回路内に設置されればよい。
【0080】
引き続き
図4を参照し、該電池制御装置200におけるスイッチアセンブリはさらに第6スイッチ216を含み、該電池制御装置200はさらにプリチャージ抵抗240を含み、プリチャージ抵抗240の一端は第6スイッチ216の一端に接続され、プリチャージ抵抗240の他端は第4スイッチ214の一端に接続され、第6スイッチ216の他端は第4スイッチ214の他端に接続され、プリチャージ抵抗240及び第6スイッチ216は、直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122が充電又は放電する時に、メイン正極インタフェース221及びメイン負極インタフェース222に接続された負荷を流れる電流を制限するために用いられる。
【0081】
具体的には、充放電装置130が、直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122を充電する時、該充電プロセスはプリチャージプロセスと急速充電プロセスとに分けられる。プリチャージプロセスとは、充放電装置130を制御して小電流を出力し、直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122を充電することである。急速充電プロセスとは、充放電装置130を制御して大電流を出力し、直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122を充電することである。ここで、第1スイッチ211、第4スイッチ214、第5スイッチ215及び第6スイッチ216がオフであり、且つ第2スイッチ212、第3スイッチ213がオンである場合、プリチャージプロセスが起動する。直列接続された第1電池モジュール121と第2電池モジュール122が一定の充電条件を満たした場合、第6スイッチ216をオフにし、他のスイッチの状態を維持することにより、この時に急速充電プロセスが起動することができる。
【0082】
プリチャージ抵抗240及び第6スイッチ216の目的は、メイン正極インタフェース221及びメイン負極インタフェース222の後端に接続される容量性負荷を流れる電流を制限することにより、瞬間電流が過大になり高圧回路におけるデバイスが損傷するのを回避することである。
【0083】
好ましくは、本願の実施例において、スイッチアセンブリにおける少なくとも1つのスイッチはリレーである。
【0084】
リレーは一般的なスイッチよりも安全であり、制御が容易である。
【0085】
引き続き
図4を参照し、電池120の内部に第1手動メンテナンススイッチ123及び第2手動メンテナンススイッチ124を設置することができ、ここで、該第1手動メンテナンススイッチ123は第1電池モジュール121に直列接続され、第2手動メンテナンススイッチ124は第2電池モジュール122に直列接続される。
【0086】
第1手動メンテナンススイッチ123及び第2手動メンテナンススイッチ124の目的は、第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122が独立して動作する時、第1電池モジュール121及び第2電池モジュール122に保護を提供することである。
【0087】
本願の実施例はさらに電池パックの概略ブロック図を提供する。
図5に示すように、該電池パック500は電池加熱システム510と、第1電池モジュール520と、第2電池モジュール530と、を含む。ここで該電池加熱システム510は上記各実施例における電池加熱システム300であり、該第1電池モジュール520は上記各実施例における第1電池モジュール121に対応し、該第2電池モジュール530は上記各実施例における第2電池モジュール122に対応する。具体的には、該第1電池モジュール520の負極はそれぞれ第1スイッチ211の一端及び第2スイッチ212の一端に接続され、第2電池モジュール530の正極はそれぞれ第1スイッチ211の他端及び第3スイッチ213の一端に接続される。
【0088】
本願の実施例が提供する電池加熱システムを電池に設置することにより、電池の本来の出力機能に影響を与えない状況で、2路回路による電池加熱という解決手段を用いて電池を加熱することで、加熱効率を向上させ、加熱エネルギーの消費を減少させることができる。
【0089】
好ましくは、本願の実施例において、該電池パック500はさらに第1手動メンテナンススイッチ及び第2手動メンテナンススイッチを含み、ここで、該第1手動メンテナンススイッチは第1電池モジュール520に直列接続され、第2手動メンテナンススイッチは第2電池モジュール530に直列接続される。該第1手動メンテナンススイッチは上記各実施例における第1手動メンテナンススイッチ123に対応し、該第2手動メンテナンススイッチは上記各実施例における第2手動メンテナンススイッチ124に対応する。
【0090】
好ましくは、本願の実施例において、該第1電池モジュール520及び第2電池モジュール530のうちの少なくとも1つの電池モジュールは複数の電池セルを直列接続して形成され、及び/又は、第1電池モジュール520及び第2電池モジュール530のうちの少なくとも1つの電池モジュールは、複数の電池セルをまず並列接続してから、次に直列接続して形成される。例えば、第1電池モジュール520は複数の電池セルを直列接続して形成され、第2電池モジュール530は、複数の電池セルをまず並列接続してから、次に直列接続して形成される。
図6に示すように、第1電池モジュール520は、電池セル521~52nを直列接続して形成される。
図7に示すように、第2電池モジュール530は電池モジュール531-53nを直列接続して形成され、電池モジュール531は電池セル5311-531nを並列接続して形成され、ここで、電池モジュール531-53nにおける各電池モジュールに含まれる電池セルの数は同じであってもよく、異なっていてもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0091】
本願の実施例はさらに電池パックを含み、該電池パックは電力消費装置に電気エネルギーを供給するために用いられる電力消費装置を提供する。該電池は、上記実施例における電池パック500を含むことができる。
【0092】
当業者は、本明細書に開示された実施例と組み合わせて説明された各例のユニット及びアルゴリズムのステップは、電子的ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子的ハードウェアとの組み合わせで実現可能であることを理解できる。これらの機能がハードウェアで実行されるか又はソフトウェアで実行されるかは、技術的解決手段の具体的な用途及び設計における制約条件に依存する。当業者は、説明される機能を実現するために、具体的な用途ごとに異なる方法を用いることができるが、そのような実現方法は、本願の範囲から逸脱していると見なされるべきではない。
【0093】
本願が提供するいくつかの実施例において、当然のことながら、開示されたシステム、装置及び方法は、他の方式で実現することができる。例えば、これまで説明された装置の実施例は例示的なものに過ぎず、例えば、前記ユニットの分割は論理機能の分割に過ぎず、実際に実現する時には他の分割方式を有してもよく、例えば複数のユニット又はアセンブリを別のシステムに組み合わせるか又は集積してもよく、又はいくつかの特徴を無視し、又は実行しなくてもよい。別の点では、図示又は議論される相互の結合又は直接的な結合、又は通信接続は、インタフェース、装置又はユニットを介した間接的な結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的又は他の形態であってもよい。
【0094】
前記分離部材として説明されたユニットは物理的に分離してもよく又は分離しなくてもよく、ユニットとして示された部材は物理的ユニットであってもよく又はそうでなくてもよく、すなわち一箇所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分布していてもよい。実際の必要に応じてそのうちの一部又は全てのユニットを選択して本実施例の解決手段の目的を達成することができる。
【符号の説明】
【0095】
110 電池加熱装置
120 電池
121 第1電池モジュール
122 第2電池モジュール
123 第1手動メンテナンススイッチ
124 第2手動メンテナンススイッチ
130 充放電装置
200 電池制御装置
211 第1スイッチ
212 第2スイッチ
213 第3スイッチ
214 第4スイッチ
215 第5スイッチ
216 第6スイッチ
221 メイン正極インタフェース
222 メイン負極インタフェース
223 第1加熱正極インタフェース
224 第1加熱負極インタフェース
225 第2加熱正極インタフェース
226 第2加熱負極インタフェース
230 電流センサ
240 プリチャージ抵抗
300 電池加熱システム
500 電池パック
510 電池加熱システム
520 第1電池モジュール
521~52n 電池セル
530 第2電池モジュール
531-53n 電池モジュール
1101 第1サブブリッジアーム
1102 第2サブブリッジアーム
1103 第3サブブリッジアーム
1104 第4サブブリッジアーム
1111 第1ブリッジアーム
1112 第2ブリッジアーム
1113 エネルギー貯蔵素子
5311-531n 電池セル
C1 第1コンデンサ
C2 第2コンデンサ
E11 第1入力端
E12 第2入力端
E21 第3入力端
E22 第4入力端
【手続補正書】
【提出日】2023-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1スイッチと、第2スイッチと、第3スイッチと、を備えるスイッチアセンブリを含む電池制御装置を含み、
前記第1スイッチの一端は第1電池モジュールの負極に接続するために用いられ、前記第1スイッチの他端は第2電池モジュールの正極に接続するために用いられ、前記第2スイッチの一端は前記第1電池モジュールの負極に接続するために用いられ、前記第3スイッチの一端は前記第2電池モジュールの正極に接続するために用いられ、
前記第1スイッチがオンであり、さらに前記第2スイッチ及び前記第3スイッチがオフである場合、前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールは直列接続設置され、且つ充放電装置に接続されることにより、直列接続された前記第1電池モジュール及び前記第2電池モジュールを充電又は放電し、
前記第1スイッチがオフであり、さらに前記第2スイッチ及び前記第3スイッチがオンである場合、前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールはそれぞれ電池加熱装置に接続されて、第1回路及び第2回路を形成し、前記第1回路及び前記第2回路は前記第1電池モジュール及び前記第2電池モジュールを加熱するために用いられることを特徴とする、電池加熱システム。
【請求項2】
第1ブリッジアームと、第2ブリッジアームと、エネルギー貯蔵素子と、を備える前記電池加熱装置をさらに含み、
前記第1スイッチがオフであり、さらに前記第2スイッチ及び前記第3スイッチがオンである場合、前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールはそれぞれ前記電池加熱装置に接続されて、前記第1電池モジュールが前記エネルギー貯蔵素子に放電する第1回路と、前記エネルギー貯蔵素子及び前記第1電池モジュールが前記第2電池モジュールに充電する第2回路とを形成し、又は、前記第2電池モジュールが前記エネルギー貯蔵素子に放電する第1回路と、前記第2電池モジュール及び前記エネルギー貯蔵素子が前記第1電池モジュールに充電する第2回路と、を形成することを特徴とする、請求項1に記載の電池加熱システム。
【請求項3】
前記電池制御装置は、メイン正極インタフェースと、メイン負極インタフェースと、第1加熱正極インタフェースと、第1加熱負極インタフェースと、第2加熱正極インタフェースと、第2加熱負極インタフェースと、を備えるインタフェースアセンブリをさらに含み、前記メイン正極インタフェースは前記第1電池モジュールの正極に接続するために用いられ、前記メイン負極インタフェースは前記第2電池モジュールの負極に接続するために用いられ、前記第2スイッチの他端は前記第1加熱負極インタフェースに接続され、前記第3スイッチの他端は前記第2加熱正極インタフェースに接続され、
前記第1スイッチがオンであり、さらに前記第2スイッチ及び前記第3スイッチがオフである場合、前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールは直列接続設置され、且つ前記メイン正極インタフェース及び前記メイン負極インタフェースを介して前記充放電装置に接続されることにより、直列接続された前記第1電池モジュール及び前記第2電池モジュールを充電又は放電し、
前記第1スイッチがオフであり、さらに前記第2スイッチ及び前記第3スイッチがオンである場合、前記第1電池モジュールは前記第1加熱正極インタフェース及び前記第1加熱負極インタフェースを介して前記電池加熱装置に接続され、前記第2電池モジュールは前記第2加熱正極インタフェース及び前記第2加熱負極インタフェースを介して前記電池加熱装置に接続され、前記第1回路及び前記第2回路を形成することを特徴とする、請求項
1又は2に記載の電池加熱システム。
【請求項4】
前記スイッチアセンブリは第4スイッチ及び第5スイッチをさらに含み、前記第4スイッチの一端は前記第1電池モジュールの正極に接続するために用いられ、前記第4スイッチの他端は前記メイン正極インタフェースに接続され、前記第5スイッチの一端は前記第2電池モジュールの負極に接続するために用いられ、前記第5スイッチの他端は前記メイン負極インタフェースに接続され、
前記第1スイッチ、前記第4スイッチ及び前記第5スイッチがオンであり、さらに前記第2スイッチ及び前記第3スイッチがオフである場合、前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールは直列接続設置され、且つ前記メイン正極インタフェース及び前記メイン負極インタフェースを介して前記充放電装置に接続されることにより、直列接続された前記第1電池モジュール及び前記第2電池モジュールを充電又は放電することを特徴とする、請求項3に記載の電池加熱システム。
【請求項5】
前記第4スイッチの他端はさらに前記第1加熱正極インタフェースに接続され、前記第5スイッチの他端はさらに前記第2加熱負極インタフェースに接続され、
前記第1スイッチがオフであり、さらに前記第2スイッチ、前記第3スイッチ、前記第4スイッチ及び前記第5スイッチがオンである場合、前記第1電池モジュールは前記第1加熱正極インタフェース及び前記第1加熱負極インタフェースを介して前記電池加熱装置に接続され、前記第2電池モジュールは前記第2加熱正極インタフェース及び前記第2加熱負極インタフェースを介して前記電池加熱装置に接続されることを特徴とする、請求項4に記載の電池加熱システム。
【請求項6】
前記電池制御装置は、直列接続された前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールが充電又は放電される時に形成される回路における電流値を検出するために用いられる電流センサをさらに含むことを特徴とする、請求項
3~5のいずれか一項に記載の電池加熱システム。
【請求項7】
前記電流センサの一端は前記第1電池モジュールの正極に接続するために用いられ、前記電流センサの他端は前記メイン正極インタフェースに接続されることを特徴とする、請求項6に記載の電池加熱システム。
【請求項8】
前記電池制御装置はさらにプリチャージ抵抗を含み、前記スイッチアセンブリはさらに第6スイッチを含み、前記プリチャージ抵抗の一端は前記第6スイッチの一端に接続され、前記プリチャージ抵抗の他端は前記第4スイッチの一端に接続され、前記第6スイッチの他端は前記第4スイッチの他端に接続され、前記プリチャージ抵抗及び前記第6スイッチは、直列接続された前記第1電池モジュールと前記第2電池モジュールが充電又は放電される時に、前記メイン正極インタフェース及び前記メイン負極インタフェースに接続された負荷を流れる電流を制限するために用いられることを特徴とする、請求項
4又は5に記載の電池加熱システム。
【請求項9】
前記スイッチアセンブリにおける少なくとも1つのスイッチはリレーであることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の電池加熱システム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の電池加熱システムと、第1電池モジュールと、第2電池モジュールと、を含み、
前記第1電池モジュールの負極はそれぞれ前記第1スイッチの一端及び前記第2スイッチの一端に接続され、前記第2電池モジュールの正極はそれぞれ前記第1スイッチの他端及び前記第3スイッチの一端に接続されることを特徴とする、電池パック。
【請求項11】
第1手動メンテナンススイッチ及び第2手動メンテナンススイッチをさらに含み、前記第1手動メンテナンススイッチは前記第1電池モジュールに直列接続され、前記第2手動メンテナンススイッチは前記第2電池モジュールに直列接続されることを特徴とする、請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
前記第1電池モジュール及び前記第2電池モジュールのうちの少なくとも1つの電池モジュールは複数の電池セルを直列接続して形成され、及び/又は、前記第1電池モジュール及び前記第2電池モジュールのうちの少なくとも1つの電池モジュールは、複数の電池セルをまず並列接続し、次に直列接続して形成されることを特徴とする、請求項10又は11に記載の電池パック。
【請求項13】
電力消費装置であって、
請求項10~12のいずれか一項に記載の電池パックを含み、前記電池パックは前記電力消費装置に電気エネルギーを供給するために用いられることを特徴とする電力消費装置。
【国際調査報告】