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特表2024-500197電子棚札の位置決めシステム及び方法、電子棚札、並びに、ガイドレール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-05
(54)【発明の名称】電子棚札の位置決めシステム及び方法、電子棚札、並びに、ガイドレール
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20231225BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20231225BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20231225BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
A47F5/00 E
G06K7/10 244
G06K19/07 230
G09F3/00 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507723
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(85)【翻訳文提出日】2023-02-03
(86)【国際出願番号】 CN2021134015
(87)【国際公開番号】W WO2023092558
(87)【国際公開日】2023-06-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520204777
【氏名又は名称】ハンショウ テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シークオ ホウ
(72)【発明者】
【氏名】チアンクオ チャオ
(72)【発明者】
【氏名】ミン リャン
(72)【発明者】
【氏名】ロー チュオ
(72)【発明者】
【氏名】ション イー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン チャオ
(72)【発明者】
【氏名】イエンウェイ ワン
(72)【発明者】
【氏名】リンチアン ワン
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118FA11
(57)【要約】
本発明は、電子棚札の位置決めシステム及び方法、電子棚札、並びに、ガイドレールを開示し、当該電子棚札の位置決めシステムは、電子棚札と、ガイドレールと、PDAと、バックグラウンドサーバと、を含み、電子棚札は、ホストコントローラSoCと、カードリーダICと、スクリーンと、給電設備と、を含み、ホストコントローラScCは、スクリーンによる表示を制御するとともに、APと通信する機能を発揮するためのものであり、カードリーダICは、無線タグを読み取るためのものであり、給電設備は、電子棚札に対して電力を供給するためのものである。ガイドレールは、ガイドレール識別領域と、タグ領域と、を含み、タグ領域には、複数の無線タグが取り付けられ、各タグは重複しないユニークなID番号を有し、ガイドレール識別領域には、ガイドレールIDを含む身分識別装置が取り付けられ、ガイドレールIDは、無線タグのID番号を順次配列してまとめたものである。本発明は、提案される電子棚札及びガイドレールによれば、電子棚札と商品に対する精確な位置決めが実現され、性能が安定化された信頼性のあるものとなり、無線環境による影響を受けないものとなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストコントローラSoCと、カードリーダICと、スクリーンと、給電設備と、を含み、
前記ホストコントローラScCは、スクリーンによる表示を制御するとともに、APと通信する機能を発揮し、
前記カードリーダICは、無線タグを読み取り、
前記給電設備は、電子棚札に対して電力を供給する、
ことを特徴とする電子棚札。
【請求項2】
電子棚札が移動したか否かを検出するための変位センサをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電子棚札。
【請求項3】
前記ホストコントローラSoCは更に、変位センサによって検出された変位信号に基づき、前記カードリーダICを制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子棚札。
【請求項4】
前記給電設備は、電池である、ことを特徴とする請求項1に記載の電子棚札。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の電子棚札を取り付けるためのものであり、
ガイドレール識別領域と、タグ領域と、を含み、
タグ領域には、複数の無線タグが取り付けられ、各タグは重複しないユニークなID番号を有し、
ガイドレール識別領域には、ガイドレールIDを含む身分識別装置が取り付けられ、
ガイドレールIDは、無線タグのID番号を順次配列してまとめたものである、ことを特徴とするガイドレール。
【請求項6】
前記身分識別装置は、ガイドレールタグが用いられ、
ガイドレールタグ内には、ガイドレールIDが書き込まれる、ことを特徴とする請求項5に記載のガイドレール。
【請求項7】
前記身分識別装置は、二次元コードが用いられ、
二次元コードは、ガイドレールIDによって生成される、ことを特徴とする請求項5に記載のガイドレール。
【請求項8】
ガイドレールタグと複数の無線タグは、貼り付けられる又は側面から挿入される方式によって、ガイドレールに固定された、
ことを特徴とする請求項5に記載のガイドレール。
【請求項9】
前記ガイドレール上に、商品の位置合わせを支援するための目盛りがさらに含まれる、
ことを特徴とする請求項5に記載のガイドレール。
【請求項10】
請求項1~4のいずれか1項に記載の電子棚札と、
請求項5~9のいずれか1項に記載のガイドレールと、
PDAと、
バックグラウンドサーバと、を含み、
ガイドレールは、商品棚に取り付けられており、
前記PDAは、商品棚IDとガイドレールIDをスキャンして、棚とガイドレールIDとのバインディング関係を形成し、電子棚札IDと商品IDをスキャンして、電子棚札と商品とのバインディング関係を形成し、バインディング関係をバックグラウンドサーバに伝送するためのものであり、
電子棚札は、ガイドレール上の無線タグIDを読み取ってバックグラウンドサーバに伝送するためのものであり、
バックグラウンドサーバは、商品及び価格情報を電子棚札にプッシュして表示し、無線タグIDに基づいてガイドレールIDを特定し、棚とガイドレールIDとのバインディング関係とガイドレールIDとに基づき、棚情報を特定し、棚情報に基づいて対応する電子棚札の位置を取得するためのものである、
ことを特徴とする電子棚札の位置決めシステム。
【請求項11】
前記バックグラウンドサーバは、電子棚札と商品とのバインディング関係と、電子棚札の位置とに基づき、商品陳列マップを生成するためのものでもある、
ことを特徴とする請求項10に記載の電子棚札の位置決めシステム。
【請求項12】
電子棚札の位置決め方法であって、
PDAが、商品棚IDとガイドレールIDをスキャンして、棚とガイドレールIDとのバインディング関係を形成し、電子棚札IDと商品IDをスキャンして、電子棚札と商品とのバインディング関係を形成し、バインディング関係をバックグラウンドサーバに伝送するステップと、
電子棚札が、ガイドレール上の無線タグIDを読み取ってバックグラウンドサーバに伝送するステップと、
バックグラウンドサーバが、商品及び価格情報を電子棚札にプッシュして表示し、無線タグIDに基づいてガイドレールIDを特定し、棚とガイドレールIDとのバインディング関係とガイドレールIDとに基づき、棚情報を特定し、棚情報に基づいて対応する電子棚札の位置を取得するステップと、を含み、
電子棚札は、請求項1~4のいずれか1項に記載の電子棚札であり、
ガイドレールは、請求項5~9のいずれか1項に記載のガイドレールであり、
ガイドレールは、商品棚に取り付けられている、
ことを特徴とする電子棚札の位置決め方法。
【請求項13】
バックグラウンドサーバが、電子棚札と商品とのバインディング関係と、電子棚札の位置とに基づき、商品陳列マップを生成するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の電子棚札の位置決め方法。
【請求項14】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されているとともに、プロセッサにて運行できるコンピュータプログラムと、を含むコンピュータ機器であって、
前記プロセッサによって前記コンピュータプログラムが実行されると、請求項12~13のいずれか1項に記載の電子棚札の位置決め方法を実現する
ことを特徴とするコンピュータ機器。
【請求項15】
コンピュータプログラムが記憶されており、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項12~13のいずれか1項に記載の電子棚札の位置決め方法が実現される、
ことを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項16】
コンピュータプログラムを含み、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項12~13のいずれか1項に記載の電子棚札の位置決め方法が実現される、
ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子値札の技術分野に関し、特に、電子棚札の位置決めシステム及び方法、電子棚札、並びに、ガイドレールに関する。
【背景技術】
【0002】
本部分は、特許請求の範囲に記載の本発明の実施例のために、背景又は上下文を提供することを意図したものである。ここでの記載は、本部分に含まれたことを理由にして従来技術として認められるものではない。
【0003】
電子棚札は、小売業において応用されたことで、価格に対する柔軟な管理が実現される。それと同時に、電子棚札による位置決め機能の発揮に対する小売業者の要求も明らかになる。電子棚札の正確な位置が得られることは、小売業者にとっても消費者にとっても、重要な価値があるわけである。小売業者による管理の角度からすれば、正確な位置情報を用いて、最適なピッキング作業用経路と補充作業用経路を生成することができ、運営効率を向上することが可能である。また、消費者の場合からすれば、最適なショッピング用経路が得られるため、ショッピング体験が向上した。
【0004】
従来の位置決め法には、三角位置決め法が含まれる。(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)という3つの特定の位置にAPが配置された場合、電子値札は、位置Eで、BS1、BS2、BS3の3つのAPからの無線信号を受信し、受信信号強度RSSIによって、電子値札からBS1、BS2、BS3までの距離r1、r2、r3を推算し、図1中の3つの円が交わる領域を算出することで点Eの位置が得られる。
【0005】
しかしながら、三角位置決め法では、以下の欠点が存在する。即ち、実際な環境において、無線信号にはバラツキがあり、信号の多経路や減衰は、RSSIを大きく変化させることにつながり、正確な距離の値が得難い。小売業のシーンでは、棚や顧客による信号の遮蔽や減衰は、無線環境の複雑さを助長させるため、位置決めの精度に大きな影響を及ぼし、数メートルまでの精度に至ることしかできないのも一般的である。スーパーマーケットのシーンでは、80cmを超えると、通路の位置を間違えるようになり、この精度なら、小売業者の要求を満たすわけがない。
【0006】
従来の位置決め法には、UWB位置決め法がさらに含まれる。UWB位置決め法では、TDOA(Time Difference Of Arrival、到達時間差)原理が活用されている。図2に示されるように、電子値札は、データフレームをナノ秒オーダの狭パルスで、周囲のモジュールへ絶えずにブロードキャスト送信し、各位置決めモジュールは、高感度の受信機により、データフレームが受信機アンテナに到達するまでの時間を測定し、異なる位置決め基地局同士間の無線信号伝送上の時間差を用いて、複数組の位置決めモジュールに対する電子値札の距離の差を得る。信号が2つのモジュールに到達するまでの時間差から、位置決めタグがその2つのモジュールを焦点とした双曲線上にあることを確定できる。3つ以上の基地局がある場合、複数の双曲線方程式を組み立てるとよい。これらの双曲線方程式の交差点が値札の二次元座標の位置となる。
【0007】
しかしながら、UWB位置決め法では、以下の欠点が存在する。
【0008】
1、UWBシステムは、個別に配置される必要があり、同時に、UWB信号の減衰がより速いので、位置決め基地局を密に追加設置する必要があり、小売業者による設備上の投入コストが大きくなる。
【0009】
2、UWBは、配置の実施に対する要求が高く、コンクリート壁又は金属では、UWB信号への減衰力が強いので、位置決めの精度の低下又は位置決めの不可能につながる。
【0010】
3、UWBの方案では、タグ側に消費電力が高いので、電子棚札の使用寿命を5~10年にするとの小売業者の要求を満たすことができない。
【発明の概要】
【0011】
本発明の実施例は、電子棚札であって、
ホストコントローラSoCと、カードリーダICと、スクリーンと、給電設備と、を含み、
前記ホストコントローラScCは、スクリーンによる表示を制御するとともに、APと通信する機能を発揮するためのものであり、
前記カードリーダICは、無線タグを読み取るためのものであり、
前記給電設備は、電子棚札に対して電力を供給するためのものである電子棚札を提供する。
【0012】
本発明の実施例は、さらに、ガイドレールであって、上記記載の電子棚札を取り付けるためのものであり、
ガイドレール識別領域と、タグ領域と、を含み、
タグ領域には、複数の無線タグが取り付けられ、各タグは重複しないユニークなID番号を有し、
ガイドレール識別領域には、ガイドレールIDを含む身分識別装置が取り付けられ、ガイドレールIDは、無線タグのID番号を順次配列してまとめたものであるガイドレールを提供する。
【0013】
本発明の実施例は、さらに、電子棚札の位置決めシステムであって、
上記記載の電子棚札と、
上記記載のガイドレールと、
PDAと、
バックグラウンドサーバと、を含み、
ガイドレールは、商品棚に取り付けられており、
前記PDAは、商品棚IDとガイドレールIDをスキャンして、棚とガイドレールIDとのバインディング関係を形成し、電子棚札IDと商品IDをスキャンして、電子棚札と商品とのバインディング関係を形成し、バインディング関係をバックグラウンドサーバに伝送するためのものであり、
電子棚札は、ガイドレール上の無線タグIDを読み取ってバックグラウンドサーバに伝送するためのものであり、
バックグラウンドサーバは、商品及び価格情報を電子棚札にプッシュして表示し、無線タグIDに基づいてガイドレールIDを特定し、棚とガイドレールIDとのバインディング関係とガイドレールIDとに基づき、棚情報を特定し、棚情報に基づいて対応する電子棚札の位置を取得するためのものである、電子棚札の位置決めシステムを提供する。
【0014】
本発明の実施例は、さらに、電子棚札の位置決め方法であって、
PDAが、商品棚IDとガイドレールIDをスキャンして、棚とガイドレールIDとのバインディング関係を形成し、電子棚札IDと商品IDをスキャンして、電子棚札と商品とのバインディング関係を形成し、バインディング関係をバックグラウンドサーバに伝送するステップと、
電子棚札が、ガイドレール上の無線タグIDを読み取ってバックグラウンドサーバに伝送するステップと、
バックグラウンドサーバが、商品及び価格情報を電子棚札にプッシュして表示し、無線タグIDに基づいてガイドレールIDを特定し、棚とガイドレールIDとのバインディング関係とガイドレールIDとに基づき、棚情報を特定し、棚情報に基づいて対応する電子棚札の位置を取得するステップと、を含み、
電子棚札は、上記記載の電子棚札であり、
ガイドレールは、上記記載のガイドレールであり、
ガイドレールは、商品棚に取り付けられている、電子棚札の位置決め方法を提供する。
【0015】
本発明の実施例は、さらに、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されているとともに、プロセッサにて運行できるコンピュータプログラムと、を含むコンピュータ機器であって、前記プロセッサによって前記コンピュータプログラムが実行されると、上記記載の電子棚札の位置決め方法を実現するコンピュータ機器を提供する。
【0016】
本発明の実施例は、さらに、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記記載の電子棚札の位置決め方法が実現される、コンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【0017】
本発明の実施例は、さらに、コンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記記載の電子棚札の位置決め方法が実現される、コンピュータプログラム製品を提供する。
【0018】
本発明の実施例は、従来技術における三角位置決め法とUWB位置決め法の技術案と比べて、電子棚札の位置決めシステムを提案し、当該電子棚札の位置決めシステムは、電子棚札と、ガイドレールと、PDAと、バックグラウンドサーバと、を含み、電子棚札は、ホストコントローラSoCと、カードリーダICと、スクリーンと、給電設備と、を含み、ホストコントローラScCは、スクリーンによる表示を制御するとともに、APと通信する機能を発揮するためのものであり、カードリーダICは、無線タグを読み取るためのものであり、給電設備は、電子棚札に対して電力を供給するためのものである。ガイドレールは、ガイドレール識別領域と、タグ領域と、を含み、タグ領域には、複数の無線タグが取り付けられ、各タグは重複しないユニークなID番号を有し、ガイドレール識別領域には、ガイドレールIDを含む身分識別装置が取り付けられ、ガイドレールIDは、無線タグのID番号を順次配列してまとめたものである。本発明は、提案される電子棚札及びガイドレールによれば、電子値札と商品に対する精確な位置決めが実現され、性能が安定化された信頼性のあるものとなり、無線環境による影響を受けないものとなる。
【0019】
本発明の実施例または従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下は、実施例または従来技術の説明に必要な添付図面を簡単に紹介するが、明らかなことに、以下で説明している添付図面は、本発明の幾つかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わずに、これらの添付図面を基にして他の添付図面を取得することができる。添付図面において、
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】は、本発明の実施例における電子棚札の構造模式図である。
図2】は、本発明の実施例におけるガイドレール構成の構造模式図である。
図3】は、本発明の実施例における電子棚札の位置決めシステムの構造模式図である。
図4】は、本発明の実施例における製造されたガイドレール構成の構造模式図である。
図5】は、本発明の実施例における棚の模式図である。
図6】は、本発明の実施例における棚IDと無線タグとのバインディングを示す模式図である。
図7】は、本発明の実施例における棚ID、無線タグ、商品、電子棚札の間のバインディングを示す模式図である。
図8】は、本発明の実施例における商品陳列マップである。
図9】は、本発明の実施例における電子棚札の位置決め方法のフローチャートの一である。
図10】は、本発明の実施例における電子棚札の位置決め方法のフローチャートの二である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施例の目的、技術案および利点をより明瞭にするために、以下は、添付図面を参照しながら、本発明の実施例をさらに詳しく説明する。ここで、本発明に係る例示的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであるが、本発明を限定するものではない。
【0022】
本発明は、電子棚札を提案し、当該電子棚札の構成は、図1に示されるように、ホストコントローラSoCと、カードリーダICと、スクリーンと、給電設備(即ち、電池)と、を含み、
前記ホストコントローラSoCは、スクリーンによる表示を制御するとともに、APと通信する機能を発揮するためのものであり、
前記カードリーダICは、無線タグを読み取るためのものであり、
前記給電設備は、電子棚札に対して電力を供給するためのものである。
【0023】
具体的に、AP(Access Point)は、即ち、無線APアクセスポイントのことを指す。SoC(System on Chip)は、通常、システムレベルのチップと呼ばれ、システムオンチップとも呼ばれるが、完全なシステムを含むとともに、埋め込まれたソフトウェアのすべてのコンテンツを有する、目標が特定された集積回路である。
【0024】
本発明の実施例では、図1に示されるように、電子棚札が移動したか否かを検出するための変位センサがさらに含まれる。
【0025】
具体的に、電子棚札は、変位センサにより、移動の有無を判断することが可能となり、移動が発生し且つ新たに静止状態となった後にtag情報(無線タグ情報)をさらに読み取るように設定することによって、消費電力を低減させることができる。
【0026】
以上により、前記ホストコントローラSoCは、変位センサによって検出された変位信号に基づき、前記カードリーダICを制御するためのものでもある。
【0027】
本発明は、ガイドレールを提案し、当該ガイドレールの構成は、図2に示されるように、上記記載の電子棚札を取り付けるためのものであり、
ガイドレール識別領域と、タグ領域と、を含み、
タグ領域には、複数の無線タグが取り付けられ、各タグは重複しないユニークなID番号を有し、
ガイドレール識別領域には、ガイドレールIDを含む身分識別装置が取り付けられ、ガイドレールIDは、無線タグのID番号を順次配列してまとめたものである。
【0028】
具体的に、前記身分識別装置は、ガイドレールタグが用いられ、ガイドレールタグ内には、ガイドレールIDが書き込まれる。前記身分識別装置は、二次元コードが用いられ、二次元コードは、ガイドレールIDによって生成される。
【0029】
具体的に、ガイドレールタグと複数の無線タグは、貼り付けられる又は側面から挿入される方式によって、ガイドレールに固定された。
【0030】
本発明の実施例では、図2に示されるように、前記ガイドレール上には、商品の位置合わせを支援するための目盛りがさらに含まれる。つまり、店員による商品の位置合わせ作業の助けとなる。
【0031】
本発明は、さらに、電子棚札の位置決めシステムを提案し、図3に示されるように、当該電子棚札の位置決めシステムは、上記記載の電子棚札と、上記記載のガイドレールと、PDAと、バックグラウンドサーバと、を含み、ガイドレールは、商品棚に取り付けられている。
【0032】
ガイドレールIDと棚IDをバインディングすることで、ガイドレールの位置が得られ、バインディング関係がバックグラウンドサーバに記憶される。値札がガイドレールに取り付けられて、ガイドレール上の無線タグIDを読み取ってサーバ端にアップロードし、無線タグのID番号との対照を行うことで、所在のガイドレール及び棚の位置が得られる。
【0033】
具体的に、前記PDAは、商品棚IDとガイドレールIDをスキャンして、棚とガイドレールIDとのバインディング関係を形成し、電子棚札IDと商品IDをスキャンして、電子棚札と商品とのバインディング関係を形成し、バインディング関係をバックグラウンドサーバに伝送するためのものであり、
電子棚札は、ガイドレール上の無線タグIDを読み取ってバックグラウンドサーバに伝送するためのものであり、
バックグラウンドサーバは、商品及び価格情報を電子棚札にプッシュして表示し、無線タグIDに基づいてガイドレールIDを特定し、棚とガイドレールIDとのバインディング関係とガイドレールIDとに基づき、棚情報を特定し、棚情報に基づいて対応する電子棚札の位置を取得するためのものである。
【0034】
ここで、PDA(Personal Digital Assistant)はパーソナルデジタルアシスタントのことを指す。
【0035】
本発明の実施例では、位置決めの流れの詳細は以下の通りである。
【0036】
1、ガイドレールの用意。無線タグを、貼り付けるまたは側面から挿入する方式によって、ガイドレールタグ領域に順次に固定し、PDAにより、無線タグIDを順次に読み取ってまとめることで、ガイドレールIDを生成し、ガイドレールIDをガイドレールタグに書き込む。まとめたガイドレールIDは、二次元コードとして生成されて、貼り付けられるまたは側面から挿入される方式によってガイドレール識別領域に固定されてもよい。この段階では、当該ガイドレールIDと各無線IDとのバインディング関係を生成する。良好な位置決めの精度を実現させるために、各無線タグのサイズを3~5cmにする。
【0037】
図4中のR101のコンテンツは、T101T102T103T104T105T106T107T108であり、読取り又はコードスキャンを1回だけ行うことで、当該ガイドレール上の順次配列された全てのtagIDが得られる。
【0038】
2、店舗のユニークなバーコードの棚への貼り付け。棚IDの識別子として、一次元コード、二次元コード、又は、RFIDタグとされてもよい。図5中のS001を参照されたい。
【0039】
3、ガイドレールとのバインディング。準備済みのガイドレールを棚に取り付け、PDAにより、棚IDをまずスキャンし、その後、各層のガイドレールIDを順次にスキャンして、棚とガイドレールIDとのバインディング関係を形成する。以上により、ガイドレールIDと各無線タグとのバインディング関係が得られるため、表1と図6に示されるように、棚IDと無線タグとのバインディング関係を確立することができる。
【表1】
【0040】
4、電子棚札の取付け。電子棚札と商品の位置は、左側からの位置合わせという原則に従う。電子棚札IDと商品IDをそれぞれ、スキャンして、電子棚札と商品とのバインディング関係を形成する。バインディング情報がサーバにアップロードされた後、サーバは、図7と表2に示されるように、商品及び価格情報を電子棚札に表示するようにプッシュする。

【表2】
【0041】
5、バックグラウンドサーバによる位置決め、および、電子棚札によるガイドレール上の無線タグへの読取りと報知。サーバは、ガイドレールIDと無線タグIDとのバインディング関係を対照することで、正確なガイドレールIDを取得し、さらに、ガイドレールIDと棚とのバインディング関係から、棚情報を取得する。そうすると、対応する商品の精確な位置情報が得られる。
【0042】
例えば、図7中の5番目の電子棚札ESL5は、ガイドレール上のタグID T204を読み取り、表1を調べると、当該棚札が棚S001上の2層目におけるガイドレール内の4番目のタグ領域に位置するという正確な情報が得られる。
【0043】
本発明の実施例では、図8に示されるように、前記バックグラウンドサーバは、電子棚札と商品とのバインディング関係と、電子棚札の位置とに基づき、商品陳列マップを生成するためのものでもある。
【0044】
図9は、本発明の実施例における電子棚札の位置決め方法のフローチャートの一である。図9に示されるように、当該方法では、
PDAが、商品棚IDとガイドレールIDをスキャンして、棚とガイドレールIDとのバインディング関係を形成し、電子棚札IDと商品IDをスキャンして、電子棚札と商品とのバインディング関係を形成し、バインディング関係をバックグラウンドサーバに伝送するステップ901と、
電子棚札が、ガイドレール上の無線タグIDを読み取ってバックグラウンドサーバに伝送するステップ902と、
バックグラウンドサーバが、商品及び価格情報を電子棚札にプッシュして表示し、無線タグIDに基づいてガイドレールIDを特定し、棚とガイドレールIDとのバインディング関係とガイドレールIDとに基づき、棚情報を特定し、棚情報に基づいて対応する電子棚札の位置を取得するステップ903と、を含み、
ここで、電子棚札は、上記記載の電子棚札であり、ガイドレールは、上記記載のガイドレールであり、ガイドレールは、商品棚に取り付けられている。
【0045】
本発明の実施例では、図10に示されるように、当該方法では、
バックグラウンドサーバが、電子棚札と商品とのバインディング関係と、電子棚札の位置とに基づき、商品陳列マップを生成するステップ1001をさらに含む。
【0046】
本発明の実施例は、さらに、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されているとともに、プロセッサにて運行できるコンピュータプログラムと、を含むコンピュータ機器であって、前記プロセッサによって前記コンピュータプログラムが実行されると、上記記載の電子棚札の位置決め方法を実現するコンピュータ機器を提供する。
【0047】
本発明の実施例は、さらに、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記記載の電子棚札の位置決め方法が実現されるコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【0048】
本発明の実施例は、さらに、コンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記記載の電子棚札の位置決め方法が実現されるコンピュータプログラム製品を提供する。
【0049】
本発明の実施例では、従来技術における三角位置決め法とUWB位置決め法の技術案と比べて、電子棚札の位置決めシステムを提案し、当該電子棚札の位置決めシステムは、電子棚札と、ガイドレールと、PDAと、バックグラウンドサーバと、を含み、電子棚札は、ホストコントローラSoCと、カードリーダICと、スクリーンと、給電設備と、を含み、ホストコントローラSoCは、スクリーンによる表示を制御するとともに、APと通信する機能を発揮するためのものであり、カードリーダICは、無線タグを読み取るためのものであり、給電設備は、電子棚札に対して電力を供給するためのものである。ガイドレールは、ガイドレール識別領域と、タグ領域と、を含み、タグ領域には、複数の無線タグが取り付けられ、各タグは重複しないユニークなID番号を有し、ガイドレール識別領域には、ガイドレールIDを含む身分識別装置が取り付けられ、ガイドレールIDは、無線タグのID番号を順次配列してまとめたものである。本発明によれば、以下のような有益な効果が得られる。
【0050】
(1)提案される電子棚札及びガイドレールによれば、電子棚札と商品に対する精確な位置決めが実現され、性能が安定化された信頼性のあるものとなり、無線環境による影響を受けないものとなる。精確な位置により、ピッキング作業用経路と補充作業用経路を最適化して、運営効率を30%向上した。
【0051】
(2)陳列マップの生成が自動化され、小売業者の本部による各店舗への陳列・管理が本格的に実現され、管理コストが低減される。
【0052】
(3)変位センサの追加により、静止状態にある棚札が無線タグを頻繁的に読み取ることがなく、全般的消費電力が25%低下した。
【0053】
(4)ハードウェアの投入の面では、ガイドレール上に無線タグを増加するだけで、使用の面では、棚とガイドレールをバインディングする操作のみを増加するため、小売業者の投入コストが大幅に低減される。
【0054】
当業者であれば分かるように、本発明の実施例は、方法、システム、または、コンピュータプログラム製品として提供されてもよい。そのため、本発明は、完全ハードウェアの実施例、完全ソフトウェアの実施例、または、ソフトウェアとハードウェアを組み合わせた方面の実施例の形式が用いられてもよい。しかも、本発明は、1つまたは複数の、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含むコンピュータ利用可能な記憶媒体(ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むが、それらに限られないもの)に実施されるコンピュータプログラム製品の形式が用いられてもよい。
【0055】
本発明は、本発明の実施例に係る方法、設備(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して説明していた。理解すべきなのは、コンピュータプログラムコマンドによって、フローチャート及び/又はブロック図における各プロセス及び/又はブロックや、フローチャート及び/又はブロック図におけるプロセス及び/またはブロックの組み合わせが実現されてもよい。これらのコンピュータプログラムコマンドを、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、埋込型プロセッサ、または、他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供することにより、機器を発生させ、それにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行されるコマンドによれば、フローチャートにおける1つのフローまたは複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックに指定された機能を実現するための装置を発生させる。
【0056】
これらのコンピュータプログラムコマンドは、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置を特定の方式で作動するようにガイドできるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよい。それにより、当該コンピュータ可読メモリに記憶されたコマンドは、コマンド装置を含む製品を発生させ、当該コマンド装置によれば、フローチャートにおける1つのフローまたは複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックに指定された機能が実現される。
【0057】
これらのコンピュータプログラムコマンドは、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードされてもよい。それにより、コンピュータ又は他のプログラマブル装置において、一連の操作ステップを実行してコンピュータによって実現される処理を発生させ、さらに、コンピュータ又は他のプログラマブル装置によって実行されるコマンドは、フローチャートにおける1つのフローまたは複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックに指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0058】
以上に記載の具体的な実施例では、本発明の目的、技術案、及び有益な効果がさらに詳しく説明されていたが、理解すべきなのは、以上は、本発明の具体的な実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を制限するためのものではない。本発明の精神と原則において行われる如何なる補正、等価代替、改良などはいずれも、本発明の保護範囲内に入っている。
図1
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【国際調査報告】