(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-05
(54)【発明の名称】ヒートシンクを改善した半導体冷却装置
(51)【国際特許分類】
H01L 23/473 20060101AFI20231225BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20231225BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H01L25/04 C
H05K7/20 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538889
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 EP2021086627
(87)【国際公開番号】W WO2022136187
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513039333
【氏名又は名称】ヤサ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サイモン デイビッド ハート
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル レンデル
(72)【発明者】
【氏名】ポール ドナルド スペンドレイ
(72)【発明者】
【氏名】ラジェシ クディカラ
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA02
5E322AB02
5E322DA04
5E322EA11
5E322FA09
5F136BB18
5F136CB01
5F136CB06
5F136DA27
5F136EA01
5F136EA70
5F136FA01
(57)【要約】
半導体冷却装置。半導体冷却装置は、1つまたは複数の半導体アセンブリ、ハウジング、及び1つまたは複数のバッフルを備える。各半導体アセンブリは、ヒートシンク、半導体ダイ、封止材、及び電気接続部を備える。半導体ダイは、ヒートシンクに接合され、半導体パワーデバイスを含む。封止材は、半導体ダイを覆う。半導体ダイが接合されるヒートシンクの側面は、封止材を超えて延伸する。電気接続部は、封止材を通り、半導体ダイに至る。ハウジングは、1つまたは複数のアセンブリをハウジング内のチャンバに収容するためのものであり、チャンバと流体連通する入口ポートおよび出口ポートを備える。各バッフルは、流体が貫通孔を通って、半導体パワーデバイスが取り付けられているそれぞれの半導体アセンブリの領域、または半導体パワーデバイスが取り付けられている位置とは反対の半導体アセンブリのヒートシンクの領域に流れるように配置された貫通孔を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体冷却装置であって、
1つまたは複数の半導体アセンブリであって、
ヒートシンクと、
前記ヒートシンクに接合された半導体ダイであって、前記半導体ダイが半導体パワーデバイスを含む、半導体ダイと、
前記半導体ダイを覆う封止材であって、前記半導体ダイが接合されている前記ヒートシンクの前記側面が、前記封止材を超えて延伸する、封止材と、
前記封止材を通過して、前記半導体ダイに至る電気接続部と、を備える各半導体アセンブリと、
前記1つまたは複数のアセンブリをハウジング内のチャンバに収容するための前記ハウジングであって、前記ハウジングは、前記チャンバと流体連通する入口ポートおよび出口ポートを備える、ハウジングと、
1つまたは複数のバッフルであって、流体が貫通孔を通って、前記半導体パワーデバイスが取り付けられているそれぞれの半導体アセンブリの領域、または前記半導体パワーデバイスが取り付けられている位置とは反対の前記半導体アセンブリの前記ヒートシンクの領域に流れるように配置された前記貫通孔を備える、各バッフルと、
を備える半導体冷却装置。
【請求項2】
前記半導体ダイは、前記ヒートシンクに電気的に結合され、前記ヒートシンクが
前記半導体パワーデバイスの前記ドレインまたはソースであって、前記半導体パワーデバイスがトランジスタである、ドレインまたはソース、
前記半導体パワーデバイスの前記コレクタまたはエミッタであって、前記半導体パワーデバイスがトランジスタである、コレクタまたはエミッタ、若しくは
前記半導体パワーデバイスの前記アノードまたはカソードであって、前記半導体パワーデバイスがダイオードである、アノードまたはカソード
のうちの1つに対する電気接続部として機能する、請求項1に記載の半導体冷却装置。
【請求項3】
前記半導体ダイが前記ヒートシンクに焼結されている、請求項1または2に記載の半導体冷却装置。
【請求項4】
前記ヒートシンクは、銀層を含み、前記半導体ダイは、前記銀層に焼結されている、請求項3に記載の半導体冷却装置。
【請求項5】
前記ヒートシンクは凹部を含み、前記半導体ダイはその凹部内で前記ヒートシンクに接合され、前記封止材は前記凹部を充填し、または部分的に充填し、前記凹部を超えて延伸しない、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体冷却装置。
【請求項6】
前記半導体アセンブリは、複数の半導体ダイであって、トランジスタを含む各半導体ダイと、複数の封止材のそれぞれの領域であって、それぞれの半導体ダイを覆う封止材の各領域と、を備え、封止材の他の領域から分離される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体冷却装置。
【請求項7】
前記ヒートシンクは、前記封止材の周りに配置された複数の貫通孔を備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半導体冷却装置。
【請求項8】
前記複数の貫通孔は、前記凹部の周りに配置される、請求項5に従属する請求項7に記載の半導体冷却装置。
【請求項9】
前記半導体ダイの前記接合位置の反対側にある前記ヒートシンク上の複数の隆起要素を含み、前記複数の隆起要素は、流体を前記貫通孔に誘導するように配置される、請求項7または8に記載の半導体冷却装置。
【請求項10】
各ヒートシンクと前記出口方向における隣接する前記バッフルとの間の前記隙間が、各ヒートシンクと前記入口方向における他の隣接するバッフルとの間の前記隙間よりも、前記出口に最も近い位置にあるヒートシンクを除いて、大きく、前記入口方向における隣接する前記バッフルの前記貫通孔が、各ヒートシンクの前記封止材と整列している、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の半導体冷却装置。
【請求項11】
各ヒートシンクと前記出口の方向における隣接する前記バッフルとの間に位置する支持構造を備える、請求項10に記載の半導体冷却装置。
【請求項12】
前記支持構造が流路を含み、各半導体アセンブリの前記電気接続部のうちの少なくとも1つが前記流路内にある、請求項11に記載の半導体冷却装置。
【請求項13】
前記流路が、前記半導体アセンブリの前記封止材と重なる、請求項12に記載の半導体冷却装置。
【請求項14】
前記支持構造は、それぞれの前記電気接続部と整列した貫通孔を含み、前記ヒートシンクは、前記支持構造の前記貫通孔と整列した貫通孔を含み、前記流路は、前記貫通孔を介して前記電気接続部に冷却液が流れ、次いで前記電気接続部の周りに流れることを可能にするように配置される、請求項11または12に記載の半導体冷却装置。
【請求項15】
各バッフルは、前記半導体ダイの前記電気接続部のうちの1つと整列した貫通孔を備える、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の半導体冷却装置。
【請求項16】
半導体冷却装置であって、
半導体アセンブリであって、
ヒートシンクと、
前記ヒートシンクに接合された半導体ダイであって、前記半導体ダイが半導体パワーデバイスを含む、半導体ダイと、
前記半導体ダイを覆う封止材であって、前記半導体ダイが接合されている前記ヒートシンクの前記側面が、前記封止材を超えて延伸する、封止材と、
前記封止材を通過して、前記半導体ダイに至る電気接続部と、を備える半導体アセンブリと、
前記半導体ダイの前記接合位置の反対側の前記ヒートシンクの側面に配置された冷却流路と、
を備える半導体冷却装置。
【請求項17】
半導体アセンブリを製造する方法であって、
ヒートシンクを設けるステップと、
半導体ダイを前記ヒートシンクに接合するステップであって、前記半導体ダイはトランジスタを含む、接合するステップと、
電気接続部を前記半導体ダイに接続するステップと、
前記電気接続部が封止材から突出し、前記封止材が、前記半導体ダイが接合される前記ヒートシンクの前記側面の一部のみを覆うように、前記封止材を使用して前記半導体ダイを封止するステップと、
を含む方法。
【請求項18】
前記接合するステップが、前記半導体ダイを前記ヒートシンクに焼結させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ヒートシンクは、銀層を含み、前記半導体ダイを前記ヒートシンクに焼結させるステップは、前記半導体ダイを前記銀層に焼結させるステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記封止材が、エポキシ樹脂である、請求項17乃至19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ヒートシンクが、
前記ヒートシンクを貫通する貫通孔と、
凹部と、
前記半導体ダイの前記接合位置の反対側の隆起要素と、の1つまたは複数を含み、
前記ヒートシンクを設けるステップは、金属ブランクから前記ヒートシンクをスタンピングするステップを含む、請求項17乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワー半導体などの半導体デバイスを冷却するための半導体冷却装置に関する。このような装置は、高い電力損失およびそのようなデバイスによって発生される関連熱のために、インバータの分野で有利である。
【背景技術】
【0002】
電気および電子部品は、使用中に副産物として熱を発生する。過熱は、通常、性能および部品寿命に影響を与え、したがって、電気および特に電子部品は、典型的に冷却され、過熱を防ぐ。
【0003】
デバイスは、効果的に動作する可能性のある上限温度に制限があり、制限温度を超えるとデバイスの効率が低下し、故障する可能性がある。ほとんどの場合、デバイスは、過熱による障害から回復できず、それらが一部であるシステム全体が使用できなくなり、修理が必要になるか、多くの場合「焼き切れた」モジュール/システムが交換される。
【0004】
治療よりも予防が大切であり、システムをより堅牢にするために多くの努力が払われてきたが、修理が容易であることにも価値がある。
【0005】
デバイスの動作限界を引き上げようとするものもいるが、その範囲は限られていて、その一方で、努力の大部分はデバイス、サブモジュール、およびシステムからの熱の除去に焦点を当てている。多くのパワーエレクトロニクスアプリケーションでは、効率的な放熱が必要な場所でヒートシンクが使用される。ヒートシンクは、熱接触によって電気部品からの熱を吸収し、放散する。例えば、ヒートシンクは、パワーエレクトロニクスデバイスにはんだ付け、接合、またはその他の方法で取り付けられ、廃熱が流入することができる大きな熱容量を提供することによって熱除去を改善することができる。
【0006】
高電力アプリケーションでは、ヒートシンクを拡大して熱容量を向上させることができる。しかし、ヒートシンクのサイズを増やすと、電源モジュールの重量と体積が増加し、それに応じてコストが増加する。多くの場合、特に自動車用途のこのようなモジュールに利用できる空間は、むしろ減少している。
【0007】
中央処理装置(CPU)のシリコンダイの表面に何百万もの半導体デバイスが集積されているコンピューティングシステムにおいて電子部品の冷却に多大な努力が払われている。1つのデバイスからの熱損失は小さいが、集積密度により総放熱量が高くなり、CPUの速度および寿命に大きな制限を与える。
【0008】
コンピューティングシステムにおける電子部品を冷却するための技術のいくつかは、高電力の単一または低レベル集積半導体スイッチデバイスの冷却にも適用されている。
【0009】
特許文献1には、電子システムの浸漬冷却を提供する液密筐体が記載されており、この筐体には、冷却プレートに冷却液を供給するための液体導管を有する冷却プレートが提案されており、前記冷却プレートは、電気システムの電子部品に結合された底面と、側壁上の少なくとも1つの開口ポートとを有する。特定の実施形態では、導管によって供給された冷却液は、冷却プレートの上部に入り、部分的にサイドポートから排出される一方、残りの冷却液が高熱流束コンポーネントに向けられたジェットを通って流される。サイドポート開口部および噴射口は、コンポーネントの冷却を最適化するように寸法決定される。
【0010】
特許文献1は、特に、コンピュータ内のCPUの冷却に向けられ、基板上に取り付けられた高電力プロセッサチップの冷却を説明し、基板は、プリント回路基板にさらに取り付けられたプロセッサモジュールに電気的および機械的に取り付けられている。
【0011】
特許文献1の欠点は、基板を介した熱拡散が不十分であり、特にプリント回路基板への接続を介した熱拡散が不十分であることである。
【0012】
中電力コンバータモジュールの場合、100アンペアの電流と1000Vのオーダーの電圧という、別次元の電力損失に対処する必要がある。中電力コンバータには、半導体スイッチデバイスが使用され、特許文献2は、位相間の電気的絶縁を維持するために半導体スイッチデバイスがラミネートされたバスバーに取り付けられる配置を教示している。特許文献2より前には、バスバーにおけるラミネーションが温度制限機能であったが、特許文献2は、ラミネートされたバスバーに液冷ヒートシンクを適用することを教示しており、ヒートシンクはバスバーから電気的に絶縁されている。バスバーからの熱およびそこに取り付けられた電気的に絶縁されたスイッチデバイスからの熱伝導による熱の除去は、温度上昇および絶縁層の熱制限が再び制限要因となる前に、全体的な電力容量を改善する。
【0013】
特許文献3は、衝突ジェットを使用した熱放散半導体デバイスの冷却の代替モードを提供し、ジェット冷却(空気、または空気マトリックス中の液体)の適用は、冷却される半導体デバイスに熱的に接続される形状記憶合金から作られた熱的に変形可能なノズルによって局所的に制御される。このようにして、デバイスは、必要に応じて冷却され得る。しかしながら、特許文献3は、フリップチップの裏側に焦点を当てた衝突ジェットを用いたチップレベルの冷却に向けられている。特許文献3の教示は、空気中の液体ジェットであり、それによってその冷却能力が制限され、冷却がチップスケールであるため、ピン配置構成は、そのような冷却装置の接続性をさらに制限する。
【0014】
特許文献4は、高熱伝導性プリント回路基板の使用について述べており、この基板の一方の面には、衝突する冷却液流に乱流を促進させる機能が表面に構成され、他方の面には、パワーエレクトロニクスコンポーネント、例えば車両で使用するパワーインバーターモジュールのコンポーネントが搭載される電気回路が構成されている。電気回路側は、乱流を促進するように構成された側から電気的に絶縁される。
【0015】
直接接合された銅または直接接合されたアルミニウムのような、銅またはアルミニウムの外層で挟まれたセラミック(通常はアルミナ)を含む基板が提案されている。しかしながら、これらの直接接合された基板は良好な熱伝導体であるが、製造コストが高く、取り扱いおよび修理を行うことが困難である。
【0016】
パワー半導体デバイスの改善された冷却のための他のアプローチは、誘電性流体中のコンポーネントの直接浸漬、および冷却流路を形成するためにコンポーネントを構成すること、冷却効果を増加させるための相変化液体/気体冷却システムの使用を含む。
【0017】
これらのアプローチと組み合わせて、特にパワーエレクトロニクスシステムでは、パワー半導体スイッチデバイスのスイッチング速度の最適化が行われている。この理由は次のとおりである。スイッチ速度が速いほど、スイッチデバイスが抵抗モードで費やす時間が短くなり、デバイスのジュール熱損失が少なくなる。しかしながら、スイッチング速度が速いと誘導損失が増加し、それはまた、電圧スパイクにつながる可能性があり、したがって、インバータモジュールにおける大型低インダクタンスバスバーおよび対称位相レグ、ならびに高価な過電圧指定コンデンサの必要となる。
【0018】
半導体デバイスのスイッチでは、ジュール熱損失が必然的につながる妥協に至る。最善の試みにもかかわらず、これまでのすべての冷却アプローチは、その冷却能力が不十分であり、パワー半導体コンポーネントの冷却効率は、パワー半導体スイッチデバイスおよびひいてはパワーインバータの最大電力処理並びに電力密度の制限する特徴となっている。
【0019】
本発明は、廃熱の除去を大幅に改善し、同時に半導体スイッチデバイスにおけるシステム全体のインダクタンスおよび対応するジュール熱損失をさらに低減することにより、パワーインバータおよび半導体スイッチデバイスのそれぞれの電力密度および最大電力処理を増加させることを目指す。
【0020】
したがって、我々は改善された冷却装置の必要性を認識している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】米国特許出願第2011/103019号
【特許文献2】米国特許出願公開第2011/0242760号
【特許文献3】米国特許出願第2014/204532号
【特許文献4】米国特許出願第2011/141690号
【発明の概要】
【0022】
本発明の第1の態様によれば、半導体冷却装置が提供される。半導体冷却装置は、1つまたは複数の半導体アセンブリ、ハウジング、および1つまたは複数のバッフルを備える。各半導体アセンブリは、ヒートシンク、半導体ダイ、封止材、および電気接続部を備える。半導体ダイは、ヒートシンクに接合され、半導体パワーデバイスを含む。封止材は、半導体ダイを覆う。半導体ダイが接合されるヒートシンクの側面は、封止材を超えて延伸する。電気接続部は、封止材を通り、半導体ダイに至る。ハウジングは、1つまたは複数のアセンブリをハウジング内のチャンバに収容するためのものであり、チャンバと流体連通する入口ポートおよび出口ポートを備える。各バッフルは、流体が貫通孔を通って、半導体パワーデバイスが取り付けられているそれぞれの半導体アセンブリの領域、または半導体パワーデバイスが取り付けられている位置とは反対の半導体アセンブリのヒートシンクの領域に流れるように配置された貫通孔を備える。
【0023】
第2の態様によれば、半導体冷却装置が提供される。半導体冷却装置は、半導体アセンブリおよび冷却流路を備える。各半導体アセンブリは、ヒートシンク、半導体ダイ、封止材、および電気接続部を備える。半導体ダイは、ヒートシンクに接合され、半導体パワーデバイスを含む。封止材は、半導体ダイを覆う。半導体ダイが接合されるヒートシンクの側面は、封止材を超えて延伸する。電気接続部は、封止材を通り、半導体ダイに至る。冷却流路は、半導体ダイの接合位置の反対側のヒートシンクの側面に配置される。
【0024】
第3の態様によれば、半導体アセンブリを製造する方法が提供される。ヒートシンクが用意されている。半導体ダイは、ヒートシンクに接合され、半導体ダイは、トランジスタを含む。電気的接続部は、半導体ダイに接続される。半導体ダイは封止材を用いて封止され、電気接続部は封止材から突出し、封止材はダイが接合されるヒートシンクの側面の一部のみを覆う。
【0025】
本発明のさらなる実施形態は、請求項2以降に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】モーターの電源のシステムブロック図である。
【
図2】半導体パワーデバイスの典型的なパッケージを示す図である。
【
図3】冷却システムの特定の実施態様の断面を示す図である。
【
図4】冷却システムの代替的な実施形態を示す図である。
【
図7】
図6のヒートシンクを使用して半導体アセンブリを組み立てるプロセスを示す図である。
【
図8b】
図8aのヒートシンクの隆起した特徴を示す図である。
【
図9b】
図9aで使用されるロックラグを示す図である。
【
図10a】バッフル上の貫通孔の様々な可能な配置を示す図である。
【
図10b】バッフル上の貫通孔の様々な可能な配置を示す図である。
【
図10c】バッフル上の貫通孔の様々な可能な配置を示す図である。
【
図12】どのコンポーネントがPCBバッフルに含まれ得るかを示すシステムブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書では、それぞれが独自のセクションにある、半導体アセンブリの冷却に関連する改善のためのいくつかの提案が説明されるが、これらの改善は、以下の説明に記載されているように適切な方法で組み合わされ得るか、または別々に使用され得ることが理解されるであろう。以下の説明を補助するために、まず、個々の改良のない基本装置について説明する。
【0028】
図1は、モーター用の電源のシステムブロック図であり、電源はスイッチングデバイスを備え、破線のボックスは個々のコンポーネントまたはサブシステムの位置を示している。スイッチングデバイスは、スイッチング制御回路を含むマザーボード110と、冷却システムであって、冷却ポンプ121、バッフル122またはその他の冷却液流体制御要素、およびヒートシンク123を備える冷却システムと、ヒートシンク123上に取り付けられた(または他の方法で熱的に結合された)高速スイッチ101などの半導体パワーデバイスを備える半導体アセンブリを備える。各ヒートシンク123は、それに取り付けられた1つまたは複数の高速スイッチを有してもよい。
【0029】
冷却システムおよび半導体アセンブリは、一緒に半導体冷却装置を形成する。
【0030】
スイッチングデバイスは、3相AC電源133への変換を介して、DC高電圧電源131からモーター132への電力の流れを制御する。
【0031】
図2は、半導体パワーデバイス、例えば、
図1のスイッチ101(この場合、3ピン絶縁ゲートバイポラートランジスタスイッチ(IGBT))、ダイオード、または同様のコンポーネントのための典型的なパッケージを示す。パッケージ210は、トランジスタが配置されているシリコンダイを含むポリマーケーシングであり、半導体パワーデバイス(例えば、トランジスタのベース、コレクタ、およびエミッタまたはゲート、ソース、およびドレイン)の入力および出力に対応する電気接点201をさらに備える。そのようなパッケージはまた、一般的に、例えばはんだ付けすることによって、シリコンダイとヒートシンクなどの外部冷却手段との間の熱接続を提供するヒートシンクベースプレート202を含む。ヒートシンクベースプレートは、半導体パワーデバイスの入力または出力のうちの1つ、例えば、トランジスタのドレインに電気的に接続され得る。パッケージはまた、取り付け穴203を有し、ネジ、リベット、または他の同様の取り付け具を介して取り付けることを可能にすることができる。
【0032】
図3は、冷却システムの特定の実施形態、特に
図1のバッフル122およびヒートシンク123の断面図を示す。冷却システムは、冷却流路340内に配置された冷却液入力310、複数のバッフル320、および複数のヒートシンク330を備える。この説明は、図中の冷却液の流れが右から左にあることを想定しているが、それはまた(冷却液入力310は冷却液出力である)反対の方向であってもよい。冷却流路内の方向は、「アップフロー」(すなわち、冷却液入力に向かって)または「ダウンフロー」(すなわち、冷却液出力に向かって)として説明され得る。
【0033】
各バッフル320は、それらの貫通孔321を通って流れる冷却液が、各半導体パワーデバイスの取り付け位置と反対側のヒートシンクの領域上でジェットとしてヒートシンクに当たるように配置された複数の貫通孔321を有する。各半導体パワーデバイスには、図示のような円形貫通孔のセットがあってもよく、他の数、形状、分布の貫通孔があってもよい。追加の貫通孔322は、さらなるコンポーネントを冷却するために設けられてもよく、例えば、この場合、貫通孔322は、半導体パワーデバイスへの高電圧接続を冷却するように配置される。
【0034】
各ヒートシンク330は、(図に見られるように、裏側に)それに取り付けられた1つまたは複数の半導体パワーデバイスと、半導体パワーデバイスの取り付け位置を取り囲む複数の貫通孔331とを有し、これは、冷却液を次のバッフルに向ける。各ヒートシンクは、各バッフル上の追加の貫通孔322に対応する追加の貫通孔332を有してもよい。
【0035】
貫通孔331、332の代替として、各ヒートシンクは、冷却流路を部分的に横切ってのみ延び、冷却液がヒートシンクの縁の周りを流れるようにしてもよい。
【0036】
冷却流路340は、各ヒートシンクおよびバッフルが冷却流路を横切って延びるように、ヒートシンク330およびバッフル320を囲む。冷却液入力310を介して提供される冷却液は、次に各バッフルを通って流れ、各ヒートシンク上にジェットを作成し、冷却を提供し、次いで、ヒートシンクを通って次のバッフルに到達し、ヒートシンクとバッフルとの間の空間内で乱流混合する(流体の混合を確実にし、半導体パワーデバイスパッケージに追加の冷却を提供する)。図は、2つのヒートシンクおよび2つのバッフルを示すが、このパターンは、任意の数のヒートシンクおよびバッフルに対して繰り返すことができ、同様に、各ヒートシンクは、任意の数の半導体パワーデバイスに対して取り付け位置を有し得ることを理解されよう。
【0037】
冷却液入力310に提供される冷却液は、非常に低い電気伝導率を有する冷却液、例えば、誘電性冷却液である。オプションとして、バッフル320とヒートシンク330との間に追加のフローガイド(図示せず)を設けて、それぞれの貫通孔の間の流体の流れを誘導することができる。
【0038】
図4は、ヒートシンクの「片側」冷却のための冷却システムの代替実施形態を示す。ヒートシンク401は、その上に取り付けられた半導体パワーデバイス402を有する。ヒートシンク401の反対側には、冷却液がヒートシンクを横切って流れるように構成された冷却流路403がある。この配置は、(ヒートシンクを介した単一の接続を除いて)冷却液と半導体パワーデバイス402またはその電気接続との間の電気的接触を可能にすることなく、ヒートシンクを冷却する。したがって、この配置は、水などのより高い導電性を有する冷却液の使用を可能にする。繰り返しになるが、この配置は、追加のフローガイドを備え、ヒートシンク上に流体を導き得る。
【0039】
1.ヒートシンク上のダイ
a.直接ダイ接合
図2に示されるパッケージ設計の問題は、パッケージが典型的には比較的低い熱伝導率を有する材料から作られるため、ダイから熱を取り出す唯一の効果的な方法は、ヒートシンクベースプレート202を介することである。高出力半導体アセンブリの場合、これはダイを効果的に冷却するための重要な障壁となり得る。
【0040】
代替的な配置を
図5に示す。ヒートシンク501は、
図2を参照して説明されるような介在パッケージなしに、半導体パワーデバイス自体を含むダイ502に直接接合される。次いで、電気接続部503は、ダイから提供される。以前のように、これらのうちの1つ(例えば、ソースまたはドレイン)は、ヒートシンクを介してもよい。次いで、電気接続部503は、スイッチングデバイスのマザーボードに接続され得る。ダイは、絶縁材料504、例えば、エポキシ樹脂で封止される。
【0041】
PCB素子は、例えば、裸の銅と比較して構造的安定性を提供するために、またはそれらをヒートシンクから分離するために、電気接続部のために設けられ得る。電気接続部は、ヒートシンクの下に封止材が充填される隙間を設けることで、ヒートシンクから絶縁することができる。さらなる接続部、例えば、温度センサと共に使用するための熱伝導性接続部を設けてもよい。
【0042】
ダイを取り囲むヒートシンクの構造は、例えば、上記の
図3または
図4を参照して説明されたものと同等であってもよく、または本明細書で後述されるヒートシンク特徴のうちの1つまたは複数を有するものなど、任意の所望の構造であってもよい。
【0043】
アセンブリの組み立てプロセスを以下に要約する。
1.ダイ502は、ヒートシンク501に接合される。
2.電気接続部503は、ダイ502に接続される。
3.封止材504は、ダイを封止するために適用される。
【0044】
ダイは、焼結によってヒートシンクに接合され得る。焼結は、ヒートシンクに可融性/焼結性の一般的に高い熱伝導性材料(例えば、銀、銅、ニッケル、金、またははんだ)の層を塗布し、次いでダイをその層に焼結させることによって実行され得る。層は、別個の材料として適用される場合、例えば、テープ/フィルム、粉末またはペーストフォーマットで適用されてもよく、またはウェハ裏面コーティングとして適用されてもよい。あるいは、ダイは、はんだ付けまたは接着剤の使用によってヒートシンクに接着され得る。
【0045】
封止材を塗布することは、封止材の範囲を画定するためにダイの周囲にバリアを適用することと、次いでそのバリア内の領域を封止材で充填することとを含んでもよい。バリアは、取り外し可能であってもよく、またはヒートシンクに取り付けられたままであってもよい。
【0046】
接続部503はまた、封止材が一般に接続部503またはヒートシンク501よりも熱伝導性が低いため、封止材を介してダイから熱を取り出すように作用し、ヒートシンク501がダイを冷却するのを助ける。
【0047】
b.「バスタブ」ヒートシンク構造
図6は、セクション1aに記載される「直接ダイ接合」に特に適したヒートシンク構造を示す。このヒートシンク構造は、「バスタブ」ヒートシンク構造と呼ばれている。ヒートシンク601は、前述のように、半導体パワーデバイスを含む、それに接合された半導体ダイ602を有し、ダイは、電気接続部603を有する。
図5に示されるアセンブリとは対照的に、ヒートシンクは、凹部605(ブラインドホールまたはウェルとしても知られる)を有し、ダイは、そのウェルの基部でヒートシンクに接合される。次いで、封止材604は、凹部内に設けられる。ヒートシンクは、
図3のヒートシンクの貫通孔331に対応する凹部を取り囲む貫通孔606を含み得る。
【0048】
バスタブヒートシンク構造を使用してアセンブリを組み立てるプロセスを
図7に示す。
【0049】
ステップ710において、ヒートシンク701は、半導体パワーデバイスダイ702と接合するために用意される。一例として、これは、凹部705内の半導体パワーデバイスダイの接合のためのパッチ711を適用することを含み得る。
【0050】
ステップ720において、半導体パワーデバイスダイ702は、例えば、焼結によってヒートシンク701に接合される。PCB素子721がダイの電気入力のいずれかに使用される場合、これらはまた、PCBに接合される。
【0051】
ステップ730および740において、電気接続部703は、半導体パワーデバイスダイ702およびPCB素子721に取り付けられ、これらは、封止後にアクセスすることができる。
【0052】
ステップ750では、封止材704、例えば、エポキシが凹部内に設けられる。封止材は、凹部を充填する、すなわち、凹部の周囲でヒートシンクと同一平面になる場合もあれば、ダイを覆うのに十分な深さまで凹部を部分的に充填してもよい。
【0053】
前のセクションで平らなヒートシンクについて説明した方法とは対照的に、封止材を塗布するときに封止材を含むためのバリアは必要なく、これはアセンブリの製造を簡素化し、封止材が所望の領域を超えて漏れる可能性を低減する。
【0054】
図7はまた、前述のような貫通孔706、および電気接続部703を上昇させ、ヒートシンクと隣接するバッフルとの間の間隔を提供する支持構造707を示す。支持構造の個々の特徴は、後でより詳細に説明されるが、任意の適切な支持構造が、このセクションで説明される特徴と共に使用され得ることが理解されるであろう。
【0055】
ヒートシンク701は、ダイおよび/または任意のPCB素子の整列を補助するために、凹部内の突起を含み得る。
【0056】
2.ヒートシンク構造の改善
a.ヒートシンク上に流体ガイドを内蔵したバッフルーヒートシンクアセンブリ
図8aは、ヒートシンク800の片側(半導体パワーデバイスが取り付けられている側の反対側)を示す。ヒートシンク800は、凹部801および貫通孔802を有するように示されているが、(セクション1bに記載されるように)凹部801は、このセクションに記載される特徴のために必要とされないことが理解されるであろう。ヒートシンク800は、ヒートシンクに統合された隆起した特徴810を有し、
図8bに簡略化された形態で再現される「雪片」パターンに配置されている。隆起した特徴810は、細長い突出部811および円形の突出部812の両方を含み、冷却液のジェットがヒートシンク(すなわち、
図3を参照して説明されるように、バッフルからのジェット)に衝突するとき、隆起した特徴は、
図8bの矢印によって示されるように、冷却液の流れを貫通孔802に向かって誘導するように作用する。さらに、隆起した特徴は、ヒートシンクの表面積を増加させ、改善された流れと共にヒートシンクの冷却を増加させる。疑義を避けるために、特徴810は隆起したものであり、平坦なままである(または、他の所望の特徴、例えば前述の凹部を有する)裏側をくぼむことによって生じるものではない。
【0057】
隆起した特徴810の配置は、ジェットを「雪片」の領域内に衝突させるバッフルに適している。隆起した特徴の代替パターンが使用され得、これらは、バッフル(すなわち、バッフル上の貫通孔)またはヒートシンク上の貫通孔からのジェットの特定の配置のために最適化され得る。一般に、特徴は、ジェット衝撃領域からヒートシンク上の貫通孔への流れを促進するように配置される。さもなければ、ジェットからの衝突された流体は、ジェットからの追加の流体が表面に衝突するのを防ぐことができる。
【0058】
b.バッフルとヒートシンクを接続する支持構造
図9aは、
図7に示される支持構造の拡大図である。支持構造は、ヒートシンクから次のバッフルに冷却液が流れるヒートシンクの側面にある隣接するバッフルから各ヒートシンクの間隔をあけるように作用する。この間隔の理由は、ヒートシンクを通過した後の流体の乱流混合のためのチャンバを可能にするためである。流体がバッフルからヒートシンクに流れる側では、バッフルによって形成されたジェットがヒートシンク(または流れ方向に応じて封止材)に衝撃を与えることを確実にするために、チャンバの幅が狭いことが望ましい。
【0059】
図9aに示される例では、乱流混合のためのチャンバは、半導体パワーデバイスと同じヒートシンク側にある。支持構造900は、ヒートシンクおよびバッフル上の対応する穴と並ぶ固定穴901を含み、冷却アセンブリがボルト、ロッド、または同様の手段によって一緒に固定されることを可能にする。支持構造はまた、
図9bのプロファイルに示されるように、支持構造をバッフルに固定するように作用するロックラグ902と、ラグと並ぶバッフルに設けられた追加の貫通孔とを含み得る。
【0060】
支持構造はまた、半導体パワーデバイスへの電気接続部が通過するための複数のチャネル903を含み得る。チャネルは、ヒートシンクを超えて半導体パワーデバイスに延在し得、電気接続部をヒートシンクから容易に絶縁することを可能にする。流路はそれぞれ、(例えば、
図3、332のように)ヒートシンク上の追加の貫通孔を通って流体が流れてジェットを形成し、電気接続に影響を与えることを可能にする貫通孔904を含み得る。この追加の冷却は、電気接続部が、例えば、ソースであり、高電流を伝達している場合に特に重要である。支持構造は、各貫通孔904のための側方流路905を備え、ジェットの衝突後に電気接続部の周囲を流れる流体の向きを、バッフルの追加貫通孔(例えば
図3の322のように)に向けて誘導する。
【0061】
c.代替バッフル孔の配置
図10a~
図10cは、ヒートシンクに冷却液ジェットを提供するためのバッフル上の貫通孔の様々な可能な配置を示しており、すべてほぼ同様のスケールである。様々なパターンから分かるように、冷却流路を通る所望の流体流量および流体圧力に基づいて最適化され得る異なる設計には、大きな余地がある。貫通孔のパターンは、冷却流路内の異なるバッフル、または同じバッフル上の異なるパターン、例えば、冷却流路を通る圧力損失を考慮するために、異なる場合がある。
【0062】
3.一体型バッフルとPCB
a.バッフルアセンブリの制御電子機器
既存の設計の主な欠点は、高電力、高速スイッチまたは他の半導体パワーデバイスで適切な温度を維持するために必要な冷却が大きなスペースを占有し、その結果、半導体パワーデバイスがマザーボードからさらに離れていることである。この増加した距離は、スイッチング制御回路および電力供給回路の効率を低下させ、全体としてより大きな発熱およびスイッチングデバイスからのより大きな電磁干渉をもたらす。
【0063】
図11は、この問題の潜在的な解決策を示す。
図11は、
図3のバッフルと同様に使用され得るバッフル1100を示す。
図3のバッフルと同様に、バッフル1100は、冷却液をヒートシンク(図示せず)に導くための貫通孔1101を有する。バッフル1100は、スイッチング制御回路1102の一部も含むPCBとして構成される。貫通孔1101を設ける必要性以外に、PCB上の回路は、通常のPCB設計原理に従って配置されてもよい。
【0064】
図12は、
図1と同様のシステムブロック図であり、どのコンポーネントがPCBバッフル1100上に設けられてもよく、どのコンポーネントが依然としてマザーボード1110上に設けられるべきであるかを示している。高電圧DC電源1131、取り付けられたスイッチ1111を有するヒートシンク1123、3相電源1133、冷却液ポンプ1121、およびモーター1132は、以下に記載されるような特定の例を除いて、この再配置の影響を受けない。
【0065】
一般に、PCBバッフルは、以下のための回路を含み得る。
・高電圧および低電圧コンポーネントのアイソレーション、
・ロジック、
・ローカルゲートバッファリング、
・ゲート制御のために必要な抵抗またはインピーダンス、
・ローカル電流バランシング、
・ミラークランプ、
・高速過電流保護器。
【0066】
PCBバッフル上にトランジスタ用のゲート抵抗を含むことは、効率に大きな利点を提供する。さらなる利点は、ミラークランプ、ゲートバッファ、およびバッファキャップをPCBバッフルに含めることによって提供される。上記に列挙された他のコンポーネントは、より少ない程度ではあるが、含むのが有利である。
【0067】
PCB上のコンポーネントは、単純な電子コンポーネント(抵抗、コンデンサ、インダクタなど)、集積回路(特定用途向け集積回路、ASICを含む)、半導体パワーデバイスへの接続のための端子または他の取り付けポイント1103、およびマザーボードへの接続のための端子または他の取り付けポイント1104を含み得る。
【0068】
PCBバッフルを使用する場合、PCBとゲートとの間の電気的接触は、PCBとヒートシンクとの間に形成された冷却液チャンバに横切って行われ得る。同様に、温度感知などのために、PCBと半導体パワーデバイスとの間の冷却チャンバを横切って接続することができる。
【0069】
PCBバッフルは、そのダウンフロー側、そのアップフロー側、またはその両側で半導体パワーデバイスに電気的に接続され得る。PCBバッフルは、封止材を介して接続されてもよく、またはヒートシンクが半導体パワーデバイスに対向する側にある場合は、PCBバッフルへの電気的接続のためにヒートシンクを貫通するビアを設けてもよい。
【0070】
一般に、本明細書の別のセクションでバッフルに貫通孔を設けること、またはバッフルの他の構造的特徴を言及している場合、これらは、PCB上の電子機器の適切な配線することでPCBバッフルに適用され得る。
【0071】
4.追加の組み合わせおよび相乗効果
a.ヒートシンクの製造方法
冒頭の一般的な開示に従ったヒートシンクであって、セクション1bに記載されるような凹部を有する、および/またはセクション2aに記載されるような統合された流体ガイドを有する、ヒートシンクは、スタンピングによって容易に製造され得る。特に、適切なスタンピングダイを設けることによって、半導体パワーデバイスの接合位置の周りに貫通孔を設けることができ、凹部を形成することができ、および/または統合された流体ガイドのための突起を形成することができる。さらに、スタンピング方法では、特定の領域におけるヒートシンクの厚さを制御することができ、大量製造を容易にしながら、熱特性を大幅に制御することができる。
【0072】
b.「ヒートシンク上のダイ」を「PCBバッフル」に接続
ダイがヒートシンクに直接接合されている場合(セクション1aのように)、バッフルが制御電子機器を含むPCBとして提供されている場合(セクション3aのように)、封止材から突き出てバッフルに向かって突出する電気接続部を設けることによって、必要に応じてダイとPCBとの間に接続を行うことができる。これは特に、トランジスタのゲートへの電気的接続(これは一般にPCB上の制御回路によって制御される)および温度検知(封止材内の温度センサへの接続、またはPCB上のセンサで温度を決定するために使用できる熱伝導性の突起を設ける)のために使用される。
【国際調査報告】