(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】ニューラルネットワークデバイスをトレーニングするためのコンピュータ実装方法およびフレグランスまたはフレーバー組成物を生成するための対応する方法
(51)【国際特許分類】
G16C 60/00 20190101AFI20231226BHJP
【FI】
G16C60/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513997
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2021086591
(87)【国際公開番号】W WO2022136180
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ギヨーム ゴダン
(72)【発明者】
【氏名】ルート ファン デュールセン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント ノウチ
(72)【発明者】
【氏名】ファビオ アンドレ カペラ
(72)【発明者】
【氏名】ガエタン ラメ
(72)【発明者】
【氏名】ティボー カルヴァヤック
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーヌ シシュテ
(57)【要約】
配合すべき新規のフレグランスまたはフレーバー成分組成物の非決定論的でかつ現実的なデジタル表現を生成するためにオートエンコーダニューラルネットワークまたは敵対的生成ネットワークデバイスをトレーニングするためのコンピュータ実装方法(100)は、以下のステップ:
-少なくとも2つの異なる成分を含む具体化されたフレグランスまたはフレーバー組成物を代表するものである例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを提供するステップ(105)と、
-配合すべき少なくとも2つの異なる成分を含む、新規のフレグランスまたはフレーバー成分組成物を生成するようにトレーニングされたフレグランスまたはフレーバー組成物生成モデルを生成するために、例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを使用してオートエンコーダデバイスまたは敵対的生成ネットワークデバイスをトレーニングするステップ(110)とを含む。トレーニングされたオートエンコーダデバイスまたは敵対的生成ネットワークデバイスは、新規のフレグランスまたはフレーバー成分組成物を生成するために使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配合すべき新規のフレグランスまたはフレーバー成分組成物の非決定論的でかつ現実的なデジタル表現を生成するためにオートエンコーダニューラルネットワークまたは敵対的生成ネットワークデバイスをトレーニングするためのコンピュータ実装方法(100)において、
前記方法は、
-少なくとも2つの異なる成分を含む具体化されたフレグランスまたはフレーバー組成物を代表するものである例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを提供するステップ(105)と、
-配合すべき少なくとも2つの異なる成分を含む、新規のフレグランスまたはフレーバー成分組成物を生成するようにトレーニングされたフレグランスまたはフレーバー組成物生成モデルを生成するために、前記例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを使用してオートエンコーダデバイスまたは敵対的生成ネットワークデバイスをトレーニングするステップ(110)と
を含むことを特徴とする、コンピュータ実装方法(100)。
【請求項2】
前記方法において、前記例示的なフレグランスまたはフレーバーの元のセットは、少なくとも1つの例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子に関連付けられた、少なくとも1つの快楽的、感覚的、および/または物理化学的パラメータを代表する値をさらに含み、前記値は、具体化されたフレグランスまたはフレーバー組成物についての少なくとも1つの捕捉された快楽的、感覚的、および/または物理化学的パラメータの代表値であり、中でも:
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた嗅覚または味覚の方向性、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた条件付け媒体、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた視覚的および/または嗅覚的安定性または劣化値、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた生分解性のパーセンテージ、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた再生可能な炭素のパーセンテージ、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた精神物理学的知覚強度、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた引火点値、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた毒性値、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた皮膚感作値、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた増強成分適合値、
-組成物中の複数の成分、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた環境累積値、および/または
-前記組成物のための保留指標
を代表するものである、請求項1記載のコンピュータ実装方法(100)。
【請求項3】
前記方法は、少なくとも1つの具体化されたフレグランスまたはフレーバー組成物についての少なくとも1つの快楽的、感覚的、および/または物理化学的パラメータを代表する値を捕捉するステップ(104)を含み、前記値は、例示的セットにおけるフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子に関連付けられたものである、請求項2記載の方法(100)。
【請求項4】
前記方法において、前記トレーニングするステップ(110)は、変分オートエンコーダデバイスをトレーニングするように構成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のコンピュータ実装方法(100)。
【請求項5】
前記方法において、
-前記提供するステップ(105)は、一次条件付け媒体識別子に関連付けられた例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットと、少なくとも1つの二次条件付け媒体識別子に関連付けられた例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の少なくとも付加的な元のセットとを提供するように構成され、
-前記トレーニングするステップ(110)は、入力が一次条件付け媒体に関連付けられたフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子であり、出力が少なくとも1つの二次条件付け媒体識別子に関連付けられたフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子である生成モデルをトレーニングするように構成されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載のコンピュータ実装方法(100)。
【請求項6】
デジタル識別子によって表されるフレグランスまたはフレーバー組成物を生成するためのコンピュータ実装方法(200)において、
請求項1から5までのいずれか1項記載のトレーニングでトレーニングされたオートエンコーダまたは敵対的生成ネットワークデバイスを使用してフレグランスまたはフレーバー組成物を生成するステップ(115)を含むことを特徴とする、コンピュータ実装方法(200)。
【請求項7】
前記方法において、前記生成するステップ(115)は、生成されたフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子について、中でも:
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた嗅覚または味覚の方向性、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた条件付け媒体、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた視覚的および/または嗅覚的安定性または劣化値、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた生分解性のパーセンテージ、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた再生可能な炭素のパーセンテージ、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた精神物理学的知覚強度、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた引火点値、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた毒性値、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた皮膚感作値、
-前記識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた増強成分適合値、
-組成物中の複数の成分、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた環境累積値、および/または
-前記組成物のための保留指標について、
フレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子を、少なくとも1つの快楽的、感覚的、および/または物理化学的パラメータを代表する生成された組成物に対する少なくとも1つの入力制約を代表する少なくとも1つの値の関数として生成するように構成されている、請求項6記載のコンピュータ実装方法(200)。
【請求項8】
前記方法において、前記生成するステップ(115)は、少なくとも1つの二次条件付け媒体識別子に関連付けられたフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子を、一次条件付け媒体識別子に関連付けられた少なくとも1つのフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の入力の関数として生成するように構成されている、請求項5ならびに請求項6または7のいずれか1項記載のコンピュータ実装方法(200)。
【請求項9】
前記方法は、
-トレーニングされた補助的機械学習デバイスを生成するステップ(130)を含み、該生成するステップ(130)は:
-例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットと、嗅覚的特徴値または前記構造に関連付けられた化学的化合物量を代表する値などの化学的特徴を代表するラベルとを提供するステップ(131)と、
-組成物分類器を提供するために前記例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを使用して前記補助的機械学習デバイスをトレーニングするステップ(132)とを含み、さらに前記方法は、
-前記機械学習デバイスを用いて敵対的生成ネットワークデバイスまたはオートエンコーダデバイスをトレーニングするステップを制約するステップ(135)を含み、前記ステップは、前記トレーニングするステップ中に、強化ルールとして、または生成されたフレグランスまたはフレーバー組成物識別子の後処理を介して実行されるものである、
請求項1から7までのいずれか1項記載のコンピュータ実装方法(300)。
【請求項10】
前記方法は、少なくとも2つの異なる成分を含む生成されたフレグランスまたはフレーバー組成物を配合するステップ(136)をさらに含む、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法(100,200,300)。
【請求項11】
配合すべき少なくとも2つの異なる成分を含む生成されたフレグランスまたはフレーバー組成物を選択するステップ(137)をさらに含む、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法(100,200,300)。
【請求項12】
コンピュータ実装オートエンコーダデバイスであって、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法に従ってトレーニングされている、コンピュータ実装オートエンコーダデバイス。
【請求項13】
コンピュータ実装敵対的生成ネットワークデバイスであって、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法に従ってトレーニングされている、コンピュータ実装敵対的生成ネットワークデバイス。
【請求項14】
コンピュータプログラム製品であって、請求項1から11までのいずれか1項記載の任意の方法を実行するためのプログラミング命令を含んでいる、コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
コンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータによって実行されるときに、請求項1から11までのいずれか1項記載のステップをコンピュータに実行させることを示すプログラミング命令が記憶されている、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
配合すべき新規のフレグランスまたはフレーバー成分組成物の非決定論的でかつ現実的なデジタル表現を生成するためにオートエンコーダニューラルネットワークまたは敵対的生成ネットワークデバイスをトレーニングするためのデバイス(400)において、
前記デバイス(400)は、
-少なくとも2つの異なる成分を含む具体化されたフレグランスまたはフレーバー組成物を代表するものである例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを提供する手段(405)と、
-配合すべき少なくとも2つの異なる成分を含む新規のフレグランスまたはフレーバー成分組成物を生成するようにトレーニングされたフレグランスまたはフレーバー組成物生成モデルを生成するために、前記例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを使用してオートエンコーダデバイスまたは敵対的生成ネットワークデバイスをトレーニングする手段(410)と
を含むことを特徴とする、デバイス(400)。
【請求項17】
フレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子を生成するためのデバイス(500)において、
前記デバイス(500)は、請求項1から5までのいずれか1項記載のトレーニングでトレーニングされたオートエンコーダまたは敵対的生成ネットワークデバイスを使用して、少なくとも2つの異なる成分を含むフレグランスまたはフレーバー組成物を生成する手段(505)を含んでいることを特徴とする、デバイス(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、オートエンコーダニューラルネットワークデバイスをトレーニングするためのコンピュータ実装方法、敵対的生成ニューラルネットワークデバイスをトレーニングするためのコンピュータ実装方法、およびフレグランスまたはフレーバー組成物を生成するための対応するコンピュータ実装方法に関するものである。このフォーマットは、香水およびフレーバー設計および製造の領域における予測および生成設計プロセスに使用することができ、より一般的には、疼痛、美食または薬などの成分組成物を使用する任意の領域に使用することができる。
【0002】
発明の背景技術
成分組成物を生成する1つのやり方として、用途における統計的な成分使用量を使用し、成分の存在と所与の用途に対する調合量との組み合わせを決定するために最適化技術を適用することがある。この技術は、ワインのアッサンブラージュのように、問題の次元が最大100成分未満と非常に限定された、非常に単純なケースに限られる。
【0003】
IBM社のphilyraシステムのような現行のシステムは、より大きな成分次元空間において成分の類似性を学習できる意味のある埋め込み空間を作成することによって同様の働きをしている。しかしながら、このシステムは、生成された組成物の数パーセントだけが専門家にとって興味深い出発点とみなされることを考慮すると、まだランダムに近いものである。
【0004】
他の現行システムでは、ランダムフォレストニューラルネットワークデバイスが、トレーニングされたランダムフォレストニューラルネットワークデバイスに入力された組成物に対するプルーニング効果またはクロッピング効果を得るための生成ツールとして使用される場合がある。したがって、そのようなシステムでは、新規の組成物を非決定論的な手法で生成することはできない。
【0005】
他のシステムでは、深層信念ニューラルネットワークが生成ツールとして使用される場合がある。しかしながら、そのようなシステムでは、実行可能な解決手段をフィルタリングするために、大量の後処理が必要となる。基本的に、深層信念ニューラルネットワークは、その空間に整合する解決手段を提供するためにその解決手段が実行可能かどうか空間全体を探索するものである。次いで、これは、生成的なやり方で使用される深層信念ニューラルネットワークが、トレーニング後に決定論的であることを意味する。
【0006】
国際公開第2020/163860号に開示されているような他のシステムでは、個々の分子の嗅覚特性が機械学習技術を使用して実現される。そのようなシステムは、成分組成物の生成に使用することはできない。さらに、そのようなシステムは、単位分子の嗅覚特性予測に焦点を当てているが、現実には、成分組成物の嗅覚特性は、前述の組成物中の単位分子の嗅覚特性と線形にリンクしていない。少なくとも、香料は、成分と溶媒とを含み、溶媒は組成物の嗅覚特性に影響を与える。例えば、インドール(登録商標)という成分は、多少希釈されても、同じ匂いを呈することはない。そのため、そのような現在のシステムでは考慮されていない組成物効果が存在する。
【0007】
本課題は、解決手段を数千の可能な成分にスケールアップし、既存の組成物データベースに近い組成物の点で新規の成分組成物を提供し、さらに匂いおよび/または味覚の点でも既に良好にできる機会を十分に持たせつつ、価格、安定性、色調、沈殿、安全性、パワー、および性能などの複数の基準の最適化を満足させることができるようにすることである。
【0008】
発明の概要
本発明は、これらの欠点の全部または一部の改善を課題とするものである。
【0009】
この効果に対して、第1の態様によれば、本発明は、配合すべき新規のフレグランスまたはフレーバー成分組成物の非決定論的(indeterministic)でかつ現実的な(realistic)デジタル表現を生成するためにオートエンコーダニューラルネットワークまたは敵対的生成ネットワークデバイスをトレーニングするためのコンピュータ実装方法を目的としており、このコンピュータ実装方法は、以下のステップ:
-少なくとも2つの異なる成分を含む具体化された(materialized)フレグランスまたはフレーバー組成物を代表する(representative)ものである例示的な(exemplar)フレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを提供するステップと、
-配合すべき少なくとも2つの異なる成分を含む、新規のフレグランスまたはフレーバー成分組成物を生成するようにトレーニングされたフレグランスまたはフレーバー組成物生成モデルを生成するために、例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを使用してオートエンコーダデバイスまたは敵対的生成ネットワークデバイスをトレーニングするステップとを含むことを特徴としている。
【0010】
そのような規定は、新規の組成物の発見または元の組成物とは異なる使用ケース環境に適した等価的組成物の自動生成を目的とした生成的機械学習デバイスのトレーニングを可能にする。
【0011】
これらの規定のおかげで、フレグランスまたはフレーバー組成物を生成するためにオートエンコーダデバイスまたは敵対的生成ネットワークデバイスが使用されるたびに、そのフレグランスまたはフレーバー成分組成物は新しくなり、確実に具体化することができる。
【0012】
特定の実施形態において、例示的なフレグランスの元のセットは、少なくとも1つの例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子に関連付けられた、少なくとも1つの快楽的(hedonic)、感覚的(sensorial)および/または物理化学的(physicochemical)パラメータを代表する値をさらに含み、前述の値は、具体化されたフレグランスまたはフレーバー組成物についての少なくとも1つの捕捉された快楽的、感覚的および/または物理化学的パラメータを代表する値であり、中でも:
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた嗅覚または味覚の方向性、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた条件付け媒体、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた視覚的および/または嗅覚的安定性または劣化値、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた生分解性のパーセンテージ、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた再生可能な炭素のパーセンテージ、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた精神物理学的知覚強度(perceived psychophysical intensity)、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた引火点値、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた毒性値、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた皮膚感作値(skin sensitization value)、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた増強成分適合値、
-組成物中の複数の成分、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた環境累積値、および/または
-組成物のための保留指標(retention indices)を代表する値である。
【0013】
トレーニングのステップにおいてそのような制約の使用は、所定の生成基準を満たす空間内で組成物を生成する組成物生成器の能力の最適化を可能にする。そのような生成基準は、トレーニング段階および生成段階の両方で制約として入力される。
【0014】
特定の実施形態において、本発明対象の方法は、少なくとも1つの具体化されたフレグランスまたはフレーバー組成物についての少なくとも1つの快楽的、感覚的、および/または物理化学的パラメータを代表する値を捕捉するステップを含み、前述の値は、例示的セットにおけるフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子に関連付けられたものである。
【0015】
そのような実施形態は、既存のフレグランスまたはフレーバー組成物についての物理的および現実の快楽的、感覚的、および/または物理化学的パラメータの収集を可能にする。次いで、そのような収集は、生成された組成物が、例示的セットにおいて値が捕捉されたパラメータによって象徴される生成制約に整合することを保証するために、トレーニングするステップにおいて使用することができる。
【0016】
特定の実施形態では、
-提供するステップは、一次条件付け媒体識別子(primary conditioning medium identifier)に関連付けられた例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットと、少なくとも1つの二次条件付け媒体識別子(secondary conditioning medium identifier)に関連付けられた例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の少なくとも付加的な元のセットとを提供するように構成され、
-トレーニングするステップは、入力が一次条件付け媒体に関連付けられたフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子であり、出力が少なくとも1つの二次条件付け媒体識別子に関連付けられたフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子である生成モデルをトレーニングするように構成されている。
【0017】
そのような実施形態は、例えば、ファインフレグランスのためのライン拡張の自動的な生成を可能にする。より一般的には、そのような実施形態は、既知の基準用途から異なる条件付け用途に対応する組成物の生成を可能にする。
【0018】
特定の実施形態では、トレーニングするステップは、変分オートエンコーダデバイス(variational autoencoder device)をトレーニングするように構成されている。
【0019】
第2の態様によれば、本発明は、デジタル識別子によって表されるフレグランスまたはフレーバー組成物を生成するためのコンピュータ実装方法を目的としており、このコンピュータ実装方法は、本発明対象のトレーニング方法に記載のトレーニングでトレーニングされたオートエンコーダまたは敵対的生成ネットワークデバイスを使用してフレグランスまたはフレーバー組成物を生成するステップを含む。
【0020】
そのような規定は、新規の組成物の発見または元の組成物とは異なる使用ケース環境に適した等価的組成物の自動生成を可能にする。
【0021】
特定の実施形態では、生成するステップは、生成されたフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子について、中でも:
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた嗅覚または味覚の方向性、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた条件付け媒体、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた視覚的および/または嗅覚的安定性または劣化値、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた生分解性のパーセンテージ、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた再生可能な炭素のパーセンテージ、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた精神物理学的知覚強度、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた引火点値、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた毒性値、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた皮膚感作値、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた増強成分適合値、
-組成物中の複数の成分、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた環境累積値、および/または
-組成物のための保留指標について、フレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子を、少なくとも1つの快楽的、感覚的、および/または物理化学的パラメータを代表する生成された組成物に対する少なくとも1つの入力制約を代表する少なくとも1つの値の関数として生成するように構成されている。
【0022】
そのような実施形態は、世代別ターゲットの仕様が機械学習デバイスの使用によって達成されることを可能にする。
【0023】
特定の実施形態では、生成するステップは、少なくとも1つの二次条件付け媒体識別子に関連付けられたフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子を、一次条件付け媒体識別子に関連付けられた少なくとも1つのフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の入力の関数として(as a function of)生成するように構成されている。
【0024】
そのような実施形態は、例えば、ファインフレグランスのためのライン拡張の自動的生成を可能にする。より一般的には、そのような実施形態は、既知の基準用途から異なる条件付け用途に対応する組成物を生成することを可能にする。
【0025】
特定の実施形態では、本発明対象の方法は、
-トレーニングされた補助的機械学習デバイスを生成するステップを含み、該生成するステップは:
-例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットと、嗅覚的特徴値または前述の構造に関連付けられた化学的化合物量(chemical compound quantity)を代表する値などの化学的特徴を代表するラベルとを提供するステップと、
-組成物分類器(composition classifier)を提供するために例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを使用して補助的機械学習デバイスをトレーニングするステップとを含み、さらに前述の方法は、
-機械学習デバイスを用いて敵対的生成ネットワークデバイスまたはオートエンコーダデバイスをトレーニングするステップを制約するステップを含み、前述のステップは、前述のトレーニングするステップ中に、強化ルールとして、または生成されたフレグランスまたはフレーバー組成物識別子の後処理を介して実行されるものである。
【0026】
そのような実施形態は、他の、専門的な機械学習デバイスのトレーニングから結果として生じる制約のもとで組成物の生成を可能にする。
【0027】
特定の実施形態では、本発明対象の任意の方法は、少なくとも2つの異なる成分を含む生成されたフレグランスまたはフレーバー組成物を配合するステップをさらに含む。
【0028】
この配合するステップは、生成されたフレグランスまたはフレーバー組成物を、調香師が任意の関連する化学的プロセスに従って事後的に取得されるフレグランスまたはフレーバーを生成するやり方に類似した物理的手法で取得させることを可能にする。
【0029】
特定の実施形態において、本発明対象の方法は、配合すべき少なくとも2つの異なる成分を含む生成されたフレグランスまたはフレーバー組成物を選択するステップをさらに含む。
【0030】
そのような実施形態は、配合または生成すべき、かつ分配すべき生成されたフレグランスまたはフレーバー組成物を手動または自動で選択することを可能にする。
【0031】
第3の態様によれば、本発明は、本発明対象の方法に従ってトレーニングされている、コンピュータ実装オートエンコーダデバイスを目的としている。
【0032】
第4の態様によれば、本発明は、本発明対象の方法に従ってトレーニングされている、コンピュータ実装敵対的生成ネットワークデバイスを目的としている。
【0033】
第5の態様によれば、本発明は、本発明対象の任意の方法を実行するためのプログラミング命令を含んでいる、コンピュータプログラム製品を目的としている。
【0034】
第6の態様によれば、本発明は、コンピュータによって実行されるときに、本発明対象の任意の方法のステップをコンピュータに実行させることを示すプログラミング命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を目的としている。
【0035】
第7の態様によれば、本発明は、配合すべき新規のフレグランスまたはフレーバー成分組成物の非決定論的でかつ現実的なデジタル表現を生成するためにオートエンコーダニューラルネットワークまたは敵対的生成ネットワークデバイスをトレーニングするためのデバイスを目的としており、このデバイスは、以下のステップ:
-少なくとも2つの異なる成分を含む具体化されたフレグランスまたはフレーバー組成物を代表するものである例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを提供する手段と、
-配合すべき少なくとも2つの異なる成分を含む、新規のフレグランスまたはフレーバー成分組成物を生成するようにトレーニングされたフレグランスまたはフレーバー組成物生成モデルを生成するために、例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを使用してオートエンコーダデバイスまたは敵対的生成ネットワークデバイスをトレーニングする手段とを含む。
【0036】
第8の態様によれば、本発明は、フレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子を生成するためのデバイスを目的としており、このデバイスは、本発明対象の方法に記載のトレーニングでトレーニングされたオートエンコーダまたは敵対的生成ネットワークデバイスを使用してフレグランスまたはフレーバー組成物を生成する手段を含む。
【0037】
本発明の第3~第8の態様は、関連する第1および第2の態様と同じ利点を呈する。
【0038】
本発明の他の利点、目的、および特定の特徴は、本明細書に添付の図面に関連して、本発明の少なくとも1つの特定の実施形態の以下の網羅するものではない説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明対象の方法の特定の実施形態の第1のステップの連続を概略的に表した図である。
【
図2】本発明対象の方法の特定の実施形態の第2のステップの連続を概略的に表した図である。
【
図3】本発明対象の方法の特定の実施形態の第3のステップの連続を概略的に表した図である。
【
図4】本発明対象のデバイスの第1の特定の実施形態を概略的に表した図である。
【
図5】本発明対象のデバイスの第2の特定の実施形態を概略的に表した図である。
【
図6】本発明対象のデバイスの第3の特定の実施形態を概略的に表した図である。
【
図7】本発明対象のデバイスの第4の特定の実施形態を概略的に表した図である。
【
図8】本発明対象のデバイスの第5の特定の実施形態を概略的に表した図である。
【
図9】本発明対象のデバイスの第6の特定の実施形態を概略的に表した図である。
【
図10】本発明対象のデバイスの第7の特定の実施形態を概略的に表した図である。
【
図11】本発明対象のデバイスの第8の特定の実施形態を概略的に表した図である。
【
図12】本発明対象の方法の特定の実施形態の第4のステップの連続を概略的に表した図である。
【
図13】VAEトレーニングアーキテクチャの例である。
【
図14】組成物用途拡張トレーニングアーキテクチャの例である。
【
図15】敵対的生成ネットワークトレーニングアーキテクチャの例である。
【0040】
発明の詳細な説明
1つの実施形態の各特徴は、任意の他の実施形態の任意の他の特徴と有利なやり方で組み合わせてもよいため、この説明は網羅するものではない。また、様々な発明概念は、1つまたは複数の方法として実施されてよく、それらの一例が提供されている。本方法の一部として実行される行為は、任意の適切なやり方で順序付けてよい。したがって、実例的な実施形態において順次連続した行為として示されていたとしても、それらの行為が図示とは異なる順序で行われ、いくつかの行為は同時に行われることを含み得る実施形態が構築されてもよい。
【0041】
本明細書および特許請求の範囲で使用されるように、不定冠詞「a」および「an」は、明示的に反することが示されていない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解されるべきである。
【0042】
本明細書および特許請求の範囲で使用されるように、「および/または」という表現は、そのように結合された要素の「いずれかまたは両方」、すなわち、いくつかの場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素を意味するものと理解されるべきである。「および/または」で列記された複数の要素は、同じように解釈されるべきであり、すなわち、そのように結合された要素の「1つまたは複数」を意味する。「および/または」節によって具体的に識別された要素以外の他の要素が、具体的に識別されたこれらの要素に関連するかどうかにかかわらず任意選択的に存在する場合もある。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及が「含む」などの拡張可能な言語と組み合わせて使用される場合、1つの実施形態では、Aのみ(任意選択的にB以外の要素を含む);別の実施形態では、Bのみ(任意選択的にA以外の要素を含む);さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(任意選択的に他の要素を含む);などを指し得る。
【0043】
本明細書および特許請求の範囲で使用されるように、「または」は、上記で定義された「および/または」と同じ意味を有するものと理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を区切る場合、「または」もしくは「および/または」は、包括的であるように、すなわち、要素の数または列記のうち、少なくとも1つを含むが、1より多くのものも含み、ならびに列記されていない付加的項目を任意選択的に含むものであるように解釈されよう。例えば「のうちの1つだけ」または「のうちの厳密に1つ」、あるいは特許請求の範囲で使用される場合の「~からなる」など、明示的に反することが示されている用語のみが、要素の数または列記のうちの厳密に1つの要素が含まれていることを指す。一般的に、本明細書で使用されるように、「または」という用語は、例えば「いずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの1つだけ」、または「のうちの厳密に1つ」などの排他性の用語に先行する場合にのみ、排他的選択肢(すなわち「一方または他方だが両方ではない」)を示すものとして解釈されよう。「実質的に~からなる」は、特許請求の範囲において使用される場合、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0044】
本明細書および特許請求の範囲で使用されるように、1つまたは複数の要素の列記に言及する「少なくとも1つ」という表現は、要素のリスト内の任意の1つまたは複数の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味するものと理解すべきであるが、必ずしも要素のリスト内に具体的に列記された各々およびすべての要素の少なくとも1つを含むものではなく、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外しない。この定義も、「少なくとも1つ」という表現が指す要素のリスト内で具体的に識別された要素以外の要素が、具体的に識別されたこれらの要素に関連するかどうかにかかわらず任意選択的に存在する場合もあることを可能にする。したがって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(あるいは等価的に「AまたはBの少なくとも1つ」あるいは等価的に「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、1つの実施形態では、Bが存在しない、2つ以上のAを任意選択的に含む少なくとも1つのA(ならびにB以外の要素を任意選択的に含む);別の実施形態では、Aが存在しない、2つ以上のBを任意選択的に含む少なくとも1つのB(ならびにA以外の要素を任意選択的に含む);さらに別の実施形態では、2つ以上のAを任意選択的に含む少なくとも1つのA、および2つ以上のBを任意選択的に含む少なくとも1つのB(ならびに他の要素を任意選択的に含む)などを指し得る。
【0045】
特許請求の範囲、ならびに上記明細書において、「含む」、「含有する」、「持っている」、「有する」、「収容する」、「伴う」、「保持する」「~を含む」などのすべての移行句は、拡張可能であること、すなわち、それらを含むがそれらに限定されないことを意味するものと理解すべきである。移行句「~からなる」および「実質的に~からなる」だけが、それぞれ限定的または半限定的な移行句であるものとされよう。
【0046】
この点においては、図面が縮尺通りではないことに留意されたい。
【0047】
フレーバーおよびフレグランスの知覚は、製品の化学的混合物と個々の生物学的受容体との間の相互作用によって励起される。化学製品から知覚に至るまで、最終製品の正/負のフィードバックを決定する感覚と感情とを生成するために、プロセスの高度な非線形的連鎖が起こっている。
【0048】
ディープニューラルネットワークは、視覚、聴覚、言語理解など、人間の認知の複数の側面をモデル化することを既に可能にしている。そのようなモデルは、非常にリアルな画像や音/歌の生成にも使用されている。しかしながら、嗅覚や味覚に関するモデルは、主に利用可能なデータ量が限られている理由からほとんど注目されていない。
【0049】
本明細書で呈示されるモデルの目的は、以下のような所定のターゲットを考慮することによって、新規の代替的フレグランスまたはフレーバー組成物を生成することである:
-「グリーン、ウッディ、バニラ」または「フルーティ、シトラス、アロマティック」、「ローストチキン」または「ストロベリー、シトラス」などの識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた嗅覚または味覚の方向性であって、この場合、精神化学的知覚の点で類似のまたはそれに近い別の項目の味覚または匂いを表し、成分の特徴としていずれ既知となる、フレグランスまたはフレーバーの味覚または匂いの記述子に対応する嗅覚の方向性、味覚の方向性、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた条件付け媒体、識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物が注入される消費者製品のフレグランスまたはフレーバー用途に関連付けられた条件付け媒体など;そのような条件付け媒体は、芳香性の分子の輸送を可能にする化学基剤を示す。用途の例は、「石鹸」、「液体洗剤」、「粉末洗剤」、「シャンプー」、「スキンケア/フェイス」、「飲料」、「スープ&ストック」、「スイーツ」、「デザート」、「ダイアリー」などである、
-消費者製品において識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた視覚的および/または嗅覚的/味覚的安定性評価制御:沈殿物なし、非常に僅かな黄色い着色、非常に僅かな臭いの変化、フレグランスまたはフレーバーの安定性を代表するスコアまたはパーセンテージに対応する値、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた生分解性のパーセンテージ;そのような単位はパーセンテージとして測定でき、例えば、組成物中の化学物質の割合の95%が28日後の試験で生分解性である、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた再生可能な炭素のパーセンテージ;そのような単位はパーセンテージとして測定可能であり、例えば、組成物中の化学物質の割合の65%が再生可能な炭素源であり、石油化学の調達に由来するのではなく、天然の調達に由来するか、または再生可能な炭素基準の大部分を維持しながら変換された化学的または生物学的分子に由来する(炭素の50%を超える部分が石油化学の調達に由来しない)、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた精神物理学的知覚強度;そのような単位は、例えば、臭気強度の基準スケールにおいて64%などのパーセンテージとして測定することができ、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた引火点値;そのような単位は、例えば、67℃など、爆発のリスクなしで飛行機または船舶でのフレグランスの輸送が可能なパーセンテージとして測定することができる、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた毒性値;そのような単位は、例えば、組成物中の化学物質の100%が非毒性であるなどのパーセンテージとして測定することができる、
-識別されたフレグランス/フレーバー組成物に関連付けられた皮膚感作値、
-例えば、グルテンフリーまたはベジタリアンなどダイエットタイプを代表する値、
-組成物中の複数の成分、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた増強成分適合値;そのような単位は、例えば、スクラロースのパーセンテージ、フルクトースのパーセンテージ、旨味のパーセンテージ、増強成分のパーセンテージなどのパーセンテージとして測定することができる、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた環境累積値、および/または
-組成物の保持指標。
【0050】
「フレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子」という用語は、フレグランスまたはフレーバー組成物の任意のデジタル表現を指す。そのような組成物は、少なくとも2つの成分の組み合わせに対応する。対応するデジタル表現は、例えば、組成物のグラフまたは線形表記のデータベース内のエントリ識別子に対応し得る。そのような線形表記は、例えば、SMILES(「Simplified Molecular Input Line Entry Specification」)ストリングに対応し得る。代替的に、そのような組成物は、成分名に対応する英数字名によって参照されてもよい。
【0051】
本明細書で使用されるように、「計算システム」という用語は、単一型か分散型かにかかわらず、数値入力を受け取り、デジタルインターフェースなどの任意の種類のインターフェースによって、およびそれに向けて数値出力を提供することができる、任意の電子計算デバイスを示す。典型的には、計算システムは、データストレージへのアクセスを有するソフトウェアを実行するコンピュータまたはクライアント側がインターフェースとして作用している間にサーバー側でデータおよび/または計算が実行されるクライアントサーバーアーキテクチャのいずれかを示す。
【0052】
本発明の重要な利点の1つが、非決定論的組成物識別子を生成するためのトレーニングされたオートエンコーダデバイスまたは敵対的生成ネットワークデバイスの能力にあることを理解すべきである。「非決定論的」という用語は、オートエンコーダデバイスまたは敵対的生成ネットワークデバイスが、配合することによって具体化されるべき新規の具体化されていない組成物識別子を現実的に代表する真にランダムな組成物識別子を生成する能力を指す。換言すれば、非決定論的システムは、元の具体化された組成物識別子に関連付けられた値を再現または導出するのではなく、まったく新規の組成物識別子を生成する。そのような非決定論的能力は、単一の入力に基づいて複数の組成物識別子を生成するようにオートエンコーダデバイスまたは敵対的生成ネットワークデバイスをトレーニングできるという事実によっても表される。そのようなシステムでは、例えば、潜在空間は、凸包として既知の入力適用性範囲を定義する。入力ベクトルは、この範囲内から選択される。入力における生成制約の使用は、前述の適用性範囲から抽出された入力が制約のセットごとに異なるように適用性範囲を変更する。
【0053】
「現実的な」表現とは、生成された組成物識別子が、対応する具体化された組成物についての材料の世界の挙動を代表することを意図している。これは、例えば、特定の感覚的嗅覚または味覚の方向性に関連付けられた組成物識別子の元のセットを使用して敵対的生成ネットワークがトレーニングされているならば、敵対的生成ネットワークは、元のセットの初期の感覚的嗅覚または味覚の方向性に整合する組成物識別子を生成し、したがって、材料の世界を代表するものであることを意味する。
【0054】
本明細書において、「具体化された」という用語は、本発明のデジタル環境外に存在することを意図している。「具体化された」とは、例えば、自然界で容易に発見されるか、実験室または化学プラントで合成されることを意味し得る。いずれにせよ、具体化された組成物は、明確な現実を呈示する。「配合される」または「配合する」という用語は、成分の抽出および組み立てを介してか、成分の合成および組み立てを介してかにかかわらず、組成物の具体化の行為を指す。
【0055】
本明細書で使用されるように、「成分」という用語は、香料成分、フレーバー成分、香水担体、フレーバー担体、香水補助剤、フレーバー補助剤、香水調節剤、フレーバー調節剤を示す。好適には、そのようなフレグランスまたは芳香性の化学的化合物は揮発性である。そのような成分は、天然成分であってもよい。
【0056】
「香料成分」とは、本明細書では、快楽的効果を付与するために香料調製物または組成物に使用される化合物を意味する。換言すれば、そのような成分は、香料成分であるとみなされるべきであり、当業者によって、組成物の臭いを単に臭いがあるというだけでなく積極的にまたは心地よいやり方で付与または変更できるものとして認識されなければならない。
【0057】
香料成分の性質とタイプについては、本明細書でより詳細な説明を保証するものではなく、いずれにせよ、網羅するものでもないが、当業者であれば、一般的な知識に基づいて、意図された使用または用途、および所期の官能効果に従ってそれらを選択することができるものである。一般論として、これらの香料補助成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素性または硫黄質複素環化合物および精油などの様々な化学クラスに属し、前述の香料補助成分は天然または合成由来であり得る。前述の香料成分は、いずれにせよ、S. Arctanderによる刊行物「Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA」、などの参考テキストまたはそのより新しいバージョン、あるいは同様の性質の他の著作物、および香水の分野における豊富な特許文献に列記されている。また、前述の香料成分は、香料前駆体またはプロフレグランスとしても知られている様々なタイプの香料成分を制御されたやり方で放出することが知られている化合物であってもよいことが理解される。
【0058】
「香水担体」とは、本明細書では、香水の観点から実質的に中性である、すなわち香料成分の官能特性を著しく変化させない材料を意味する。前述の担体は、液体または固体であってよい。
【0059】
液体担体としての非限定的な例として、乳化系、すなわち溶媒および界面活性剤系、または香水において一般的に使用される溶媒を挙げることができる。香水で一般的に使用される溶媒の性質とタイプの詳細な説明について網羅することはできない。しかし、非限定的な例として、ブチレンまたはプロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコールおよびそのモノエーテル、1,2,3-プロパントリイルトリアセテート、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル1,3-ジアセチルオキシプロパン-2-イルアセテート、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール、2-(2-エトキシエトキシ)-1-エタン、クエン酸トリエチル、または最も一般的に使用されるそれらの混合物などの溶媒を挙げることができる。香水担体および香水ベースの両方を含む組成物について、先に特定したもの以外の適切な香水担体は、エタノール、水/エタノール混合物、リモネンまたは他のテルペン、例えばIsopar(登録商標)(由来:Exxon Chemical)の商標で知られているイソパラフィンなど、またはDowanol(登録商標)(由来:Dow Chemical Company)の商標で知られているグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステルなど、またはCremophor(登録商標)RH40(由来:BASF)の商標で知られている硬化ヒマシ油などであってもよい。
【0060】
固体担体は、香料組成物または香料組成物のいくつかの要素を化学的または物理的に結合させることができる材料を指定することを意味する。一般的に、そのような固体担体は、組成物を安定化させるか、または組成物もしくはいくつかの成分の蒸発速度を制御するために採用される。固体担体の使用は、当該技術分野において現在使用されているものであり、当業者ならば、所期の効果に到達する術を知っている。しかしながら、固体担体の非限定的な例として、吸収性ガムまたはポリマーまたは無機材料、例えば多孔性ポリマーなど、シクロデキストリン、木材ベース材料、有機または無機ゲル、粘土、石膏タルクまたはゼオライトを挙げることができる。
【0061】
固体担体の他の非限定的な例として、カプセル化材料を挙げることができる。そのような材料の例には、壁形成および可塑化材料、例えば単糖類、二糖類、または三糖類、天然または変性デンプン、ハイドロコロイド、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、タンパク質、またはペクチン、あるいはさらにH. Scherzによる「Hydrokolloide: Stabilisatoren, Dickungs - und Geliermittel in Lebensmitteln, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitaet, Behr’s Verlag GmbH & Co., Hamburg, 1996.」などの参考テキストに引用されている材料を挙げることができる。カプセル化は、当業者にとって周知のプロセスであり、例えば、噴霧乾燥、凝集、あるいはさらに押し出しなどの技術を使用することによって実行することができ;あるいはコアセルベーションおよび複合コアセルベーション技術を含むコーティングカプセル化からなる。
【0062】
固体担体の非限定的な例として、特に、アミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレア、またはポリウレタンタイプの樹脂(前述の樹脂のすべては当業者に周知である)、または任意選択的にポリマー安定剤またはカチオンコポリマーの存在下で、重合、界面重合、コアセルベーション、または全体によって誘導される相分離プロセスのような技術(前述の技術のすべては従来技術に記載されている)を使用したこれらの混合物を有するコアシェルカプセルを挙げることができる。
【0063】
樹脂は、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、2,2-ジメトキシエタナール、グリオキサール、グリオキシル酸またはグリコールアルデヒドおよびそれらの混合物など)と、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、メラミン、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、グアナゾールなどのアミン、ならびにそれらの混合物との重縮合によって生成されてよい。代替的に、Urac(登録商標)(由来:Cytec Technology Corp.)、Cymel(登録商標)(由来:Cytec Technology Corp.)、Urecoll(登録商標)またはLuracoll(登録商標)(由来:BASF)の商標のもとで市販されている予備成形樹脂アルキロール化ポリアミンなどを使用することができる。
【0064】
他の樹脂には、グリセロールのようなポリオールと、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体、イソホロンジイソシアネートまたはキシリレンジイソシアネートの3量体、またはヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの3量体(タケネート(登録商標)の商標名で知られている、由来:三井化学)などのポリイソシアネートとの重縮合によって生成されたものがあり、中でもキシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの3量体およびヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットが好適である。
【0065】
アミノ樹脂、すなわちメラミンベースの樹脂とアルデヒドとの重縮合による香水のカプセル化に関連するいくつかの独創的な文献は、K. Dietrichらによって公開された「Acta Polymerica, 1989, vol. 40, pages 243, 325,683, ならびに 1990, vol. 41, page 91」などの論文によって表されるものを含んでいる。そのような論文は、特許文献にもさらに詳しく例示されている従来の方法に従って、そのようなコアシェルマイクロカプセルの調製に影響を与える様々なパラメータを既に記載している。Wiggins Teape Group Limited社に対する米国特許第4,396,670号明細書は、後者に関係する初期の例である。それ以来、他の多くの著者がこの分野の文献を充実させており、本明細書で開示されたすべての開発を網羅することはできないが、カプセル化技術における一般的な知識は非常に重要である。そのようなマイクロカプセルの好適な使用を開示する、pertinencypertinenceのより最近の刊行物は、例えば、K.BruyninckxおよびM.Dusselierらの論文、「ACS Sustainable Chemistry & Engineering, 2019, vol.7, pages 8041-8054」、H.Y.Leeらによる「Journal of Microencapsulation, 2002, vol.19, pages 559-569」、国際公開第01/41915号、またはさらにS.Boeneらの論文「Chimia, 2011, vol.65, pages 177-181」によって表される。
【0066】
「香水補助剤」とは、本明細書では、色、特定の耐光性、化学的安定性などの付加的に加算される利点を付与することができる成分を意味する。香料組成物に一般的に使用される補助剤の性質およびタイプの詳細な説明について網羅することはできないが、前述の成分は当業者に周知であることを言及しなければならない。具体的で非限定的な例として、以下のものを挙げることができる:粘度剤(例えば、界面活性剤、増粘剤、ゲル化および/またはレオロジー調整剤)、安定剤(例えば、防腐剤、酸化防止剤、熱/光および/または緩衝剤またはBHTなどのキレート剤)、着色剤(例えば、染料および/または顔料)、防腐剤(例えば、抗菌剤または抗微生物剤または抗真菌剤または抗刺激剤)、研磨剤、皮膚冷却剤、固定剤、防虫剤、軟膏、ビタミン、およびそれらの混合物。
【0067】
「香水調整剤」とは、ここでは、前述の調整剤を組み込んだ組成物の匂い、特に蒸発速度および強度が、調整剤の非存在下での同じ認識と比較して、その観察者または使用者によって経時的に認識され得る態様に影響を与える能力を有する薬剤を意味するものと理解される。香水調節剤は、固定剤としても知られている。特に、調節剤は、その香りが知覚される時間を延長することを可能にする。好適な調節剤の非限定的な例としては、メチルグルコシドポリオール;エチルグルコシドポリオール、プロピルグルコシドポリオール、イソセチルアルコール;PPG-3ミリスチルエーテル;ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール;ラウリン酸スクロース、ジラウリン酸スクロース、ミリスチン酸スクロース、パルミチン酸スクロース、ステアリン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、トリステアリン酸スクロース、ヒアルロン酸二糖ナトリウム塩、ヒアルロン酸ナトリウム、プロピレングリコールプロピルエーテル;ジセチルエーテル;ポリグリセリン-4エーテル;イソセテス-5;イソセテス-7、イソセテス-10;イソセテス-12;イソセテス-15;イソセテス-20;イソセテス-25;イソセテス-30;ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ヘキサエチレングリコールモノドデシルエーテル、およびそれらの混合物、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール、エチルヘキサン酸セテアリル、パンテノールエチルエーテル、DL-パンテノール、n-ノナン酸ヘキサデシル、n-ノナン酸ノクタデシル、プロフレグランス、シクロデキストリン、カプセル化、およびこれらの組み合わせを含むことができる。
【0068】
「香味成分」とは、本明細書では、快楽的効果を付与するために香味調製物または組成物に使用される化合物を意味する。換言すれば、そのような成分は、香味成分であるとみなされるべきであり、当業者によって、組成物の味を単に味を有するというだけでなく積極的にまたは心地よいやり方で付与または変更することができるものとして認識されなければならない。組成物中に存在する香味成分の性質およびタイプは、ここでより詳細な説明を保証するものではなく、当業者は、その一般的な知識に基づいて、意図する使用または用途および所期の官能効果に従って、それらを選択することができる。一般論として、これらの香味成分は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素性または硫黄質複素環化合物および精油などの様々な化学クラスに属し、前述の香味成分は天然または合成由来であり得る。これらの成分の多くは、いずれにせよ、S. Arctanderによる刊行物「Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA」などの参考テキストまたはそのより新しいバージョン、あるいは同様の性質の他の著作物、およびフレーバーの分野における豊富な特許文献に列記されている。また、前述の補助成分は、プロフレーバーとも称される様々なタイプの香味化合物を制御されたやり方で放出することが知られている化合物であってもよいことが理解される。
【0069】
「フレーバー担体」という用語は、フレーバー成分の官能特性を著しく変化させない限りにおいて、フレーバーの観点から実質的に中性である材料を示すものである。担体は、液体または固体であってよい。
【0070】
適切な液体担体には、例えば、乳化系、すなわち溶媒と界面活性剤系、またはフレーバーにおいて一般的に使用される溶媒が含まれる。フレーバーで一般的に使用される溶媒の性質およびタイプの詳細な説明について網羅することはできない。フレーバーに使用される適切な溶媒には、例えば、プロピレングリコール、トリアセチン、カプリル/カプリン酸トリグリセリド(neobee(登録商標))、クエン酸トリエチル、ベンジルアルコール、エタノール、イソプロパノール、シトラステルペン、リンシード油、ひまわり油、またはココナッツ油などの植物油、グリセロールが含まれる。
【0071】
適切な固体担体には、例えば、吸収性ガムまたはポリマー、あるいはカプセル化材料ですら含まれる。そのような材料の例は、壁形成および可塑化材料、例えば、単糖類、二糖類、または多糖類、天然または変性デンプン、ハイドロコロイド、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、アラビアゴム、アカシアガム、あるいはさらにH. Scherzによる「Hydrokolloid: Stabilisatoren, Dickungs - und Geliermittel in Lebensmitteln, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitaet, Behr’s Verlag GmbH & Co., Hamburg, 1996.」などの参考テキストに引用されている材料を挙げることができる。カプセル化は、当業者にとって周知のプロセスであり、例えば、噴霧乾燥、凝集、押し出し、コーティング、メッキ、コアセルベーションなどの技術を使用して実行することができる。
【0072】
「フレーバー補助剤」とは、本明細書では、色(例えばカラメル)、化学的安定性などの付加的に加算される利点を付与することができる成分を意味する。香味組成物において一般的に使用される補助剤の性質およびタイプの詳細な説明を網羅することはできない。それにもかかわらず、そのような補助剤は、その一般的な知識に基づいて、意図された使用または用途に従ってそれらを選択することができる当業者には周知である。具体的で非限定的な例として、以下のものを挙げることができる:粘度剤(例えば、乳化剤、増粘剤、ゲル化および/またはレオロジー調整剤、例えばペクチンまたは寒天ガム)、安定剤(例えば、抗酸化剤、熱/光および/または緩衝剤、例えばクエン酸など)、着色剤(例えば、天然または合成または色を付与する天然抽出物など)、防腐剤(例えば、抗菌剤または抗真菌剤、安息香酸など)、ビタミン、およびそれらの混合物。
【0073】
「フレーバー調節剤」とは、本明細書では、甘味の増強、苦味の遮断、旨味の増強、酸味や甘草味の低減、塩味の増強、冷却効果の増強、またはこれらの任意の組み合わせが可能な成分を意味する。フレーバー調節剤は、三叉神経感覚物とも称される。
【0074】
本明細書で使用されるように、「組成物」という用語は、少なくとも1つの揮発性分子の液体、固体または気体状の集合体を示す。
【0075】
本明細書で使用されるように、「フレグランス」という用語は、少なくとも1つの芳香性の化学的化合物による臭気受容体の活性化、増強、および阻害の合計から結果として生じる嗅覚知覚を指す。
【0076】
本明細書で使用されるように、「フレーバー」という用語は、組成物中の少なくとも成分による嗅覚および/または味覚受容体の活性化、増強および阻害の合計から結果として生じる嗅覚および/または味覚の知覚を指す。
【0077】
本明細書で使用されるように、「例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子」という用語は、具体化されたフレグランスまたはフレーバー組成物のデジタル化された表現を指す。
【0078】
図1は、本発明対象の方法100の特定の実施形態のステップの連続を示す。配合すべき新規のフレグランスまたはフレーバー成分組成物の非決定論的でかつ現実的なデジタル表現を生成するためにオートエンコーダニューラルネットワークまたは敵対的生成ネットワークデバイスをトレーニングするためのこのコンピュータ実装方法100は、以下のステップ:
-少なくとも2つの異なる成分を含む具体化されたフレグランスまたはフレーバー組成物を代表するものである例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを提供するステップ105と、
-配合すべき少なくとも2つの異なる成分を含む、新規のフレグランスまたはフレーバー成分組成物を生成するようにトレーニングされたフレグランスまたはフレーバー組成物生成モデルを生成するために、例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを使用してオートエンコーダデバイスまたは敵対的生成ネットワークデバイスをトレーニングするステップ110とを含む。
【0079】
提供するステップ105は、例えば、マイクロプロセッサなどの電子計算デバイスによって実行されるコンピュータプログラムによって実行される。この提供するステップ105の間に、少なくとも1つの例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子が、トレーニングされる機械学習デバイスに提供される。そのような提供するステップ105は、例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子を、デジタル記憶場所から別の場所にメモリ内で転送することに対応し得るものであり、後者は機械学習デバイスのトレーニングセット専用のものである。そのような提供するステップ105の間、別個のフレグランスまたはフレーバー組成物を代表するフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子のより大きなサンプルは、トレーニングセットと検証セットとに分割されてよい。
【0080】
トレーニングするステップ110は、オートエンコーダデバイスまたは敵対的生成ネットワークデバイスをトレーニングするために適切な任意のトレーニング方法を使用することができる。
【0081】
特定の実施形態において、例示的なフレグランスの元のセットは、少なくとも1つの例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子に関連付けられた、少なくとも1つの快楽的、感覚的および/または物理化学的パラメータを代表する値をさらに含み、前述の値は、具体化されたフレグランスまたはフレーバー組成物についての少なくとも1つの捕捉された快楽的、感覚的および/または物理化学的パラメータの代表値であり、中でも:
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた嗅覚または味覚の方向性、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた条件付け媒体、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた視覚的および/または嗅覚的安定性または劣化値、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた生分解性のパーセンテージ、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた再生可能な炭素のパーセンテージ、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた精神物理学的知覚強度、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた引火点値、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた毒性値、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた皮膚感作値、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた増強成分適合値、
-組成物中の複数の成分、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた環境累積値、および/または
-組成物のための保留指標(Kovats保留指標など)を代表するものである。
【0082】
特定の実施形態では、
図1に示されているように、本発明は、少なくとも1つの具体化されたフレグランスまたはフレーバー組成物についての少なくとも1つの快楽的、感覚的、および/または物理化学的パラメータを代表する値を捕捉するステップ104を含み、前述の値は、例示的セットにおけるフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子に関連付けられたものである。
【0083】
そのような捕捉するステップ104は、例えば、捕捉すべき快楽的、感覚的および/または物理化学的パラメータに適合する任意のタイプのセンサを使用することによって実行されてよい。例えば、皮膚感作値は、アンチバックスキンアッセイまたはLLNA法を用いて測定することができる。
【0084】
特定の実施形態では、
-提供するステップ105は、一次条件付け媒体識別子に関連付けられた例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットと、少なくとも1つの二次条件付け媒体識別子に関連付けられた例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の少なくとも付加的な元のセットとを提供するように構成され、
-トレーニングするステップ110は、入力が一次条件付け媒体に関連付けられたフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子であり、出力が少なくとも1つの二次条件付け媒体識別子に関連付けられたフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子である生成モデルをトレーニングするように構成されている。
【0085】
一次調整媒体の例では、嗅覚の方向性が「スズラン、グルマン、フローラル」で、炭素再生率70%、生分解性100%の「石鹸」がある。
【0086】
トレーニングするステップ110の例では、「スープ&ストック」の条件付け媒体と「ローストチキン」の嗅覚プロファイルとに関連付けられたフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子を有することができ、出力は「シトラス」の嗅覚プロファイルを持つ「飲料」の条件付け媒体で最終製品はレモネードソーダであり得る。
【0087】
条件付け媒体または輸送媒体は、香水用の溶媒または液体石鹸もしくはシャンプー用途用の界面活性剤基剤のように、放出まで芳香性の分子を保持する化学基剤に対応し得る。そのような輸送媒体も、ファインフレグランス、ボディケア、ホームケア、食品、または香気添加物の用途など、フレグランスまたはフレーバー組成物の意図する用途に対応することができる。
【0088】
以下では、2つの例が呈示される:
-
図6によって示されるオートエンコーダデバイス600のトレーニングに関連する第1の例と
-
図8によって示される敵対的生成ネットワークデバイス800のトレーニングに関連する第2の例である。
【0089】
オートエンコーダニューラルネットワーク
オートエンコーダは、入力および出力に典型的には同じ数のニューロンを持つ特定のタイプのニューラルネットワークである。出力は、トレーニングプロセス中に入力にできるだけ近くなるように期待され、強制される。この「コピーマシン」の目的は、入力中に表される情報の圧縮目的を果たすニューラルネットワークの層の1つにボトルネックが存在するという興味深い特徴に基づいている。そのようなボトルネック層は、潜在空間と称されるものを表し、そのボトルネック層以前のすべてのニューラルネットワーク層(隠れ層とも称される)は、入力よりもはるかに少ない数のニューロンを用いて最もパフォーマンスの高いやり方で入力の情報を圧縮し、それによって、初期入力の最も顕著な特徴が潜在空間において表されることを目的としている。これは、オートエンコーダの「エンコーダ」部分とも称される。ボトルネック層以降のすべての隠れ層は、潜在空間の情報を解凍し、それによって、出力が可能な限り入力と同様になるようにすることを目的としている。オートエンコーダのそのような部分は「デコーダ」と称される。
【0090】
出力が可能な限り同様になるように強制される出力のやり方は、「再構成損失」と称されるもので、これは、入力(典型的にはベクトルで表される)と出力とを量ごとに比較し、その差分を合計するものである。学習プロセスの目的は、逆伝播と称されるプロセスを通じて、その合計に対する可及的に低い数値を得ることである。
【0091】
オートエンコーダは、画像のノイズ除去など、様々なタスクで使用され、ノイズ除去オートエンコーダとも称される。このノイズ除去オートエンコーダは、潜在空間のスパース表現を学習した後、ノイズの多い画像を呈示することができ、関連する特徴をノイズから区別することを学習したので、学習した潜在空間を通じてそこからノイズを除去することができる。
【0092】
本発明にとって特に興味深い別の種類のオートエンコーダは、変分オートエンコーダである。この変分オートエンコーダは、潜在空間のスパース表現を学習するだけでなく、さらに新しい出力も生成することができる。
【0093】
オートエンコーダが学習しているのは入力のデータ分布であり、変分オートエンコーダが行うのは、その問題を2つのサブ問題に分割することである。潜在空間分布の中央値ベクトルと標準偏差ベクトルとを学習し、潜在空間分布がガウスであることを仮定する(そうでなければ中央値または標準偏差が存在することを補償することはできない)。トレーニングプロセスが終了すると、新たに生成された出力を、潜在空間で学習した分布からランダムにサンプリングし、それをデコーダに供給し、モデルがトレーニングオフしたデータ分布の連続的な表現に由来するまったく新しい出力を生成することによって提供することができる。そのようなサンプルは、ランダムでユニークな値を生成するように設計されたサンプリング器によって提供される。
【0094】
変分オートエンコーダをトレーニングするためには、リパラメータ化トリックと称される最終的なトリックを考慮する必要がある。デコーダに供給されたサンプリング演算は、逆伝播によってトレーニングすることができないので、変分オートエンコーダを適切にトレーニングするためには、決定論的な平均および標準偏差を考慮に入れ、決定論的な標準偏差を持つガウス分布を有するランダムベクトルの乗算にサンプリングプロセスが挿入される。そのようなランダムベクトルは、逆伝播プロセスを介さず、中央値と標準偏差の値とを介すだけである。したがって、サンプリングプロセスは、学習される決定論的な部分と、固定された(したがって学習されない)確率的な部分とに分割される。トレーニングが終わると、正規分布からランダムなベクトルをサンプリングして、それをデコーダに供給することができる。
【0095】
変分オートエンコーダは、潜在空間の量子化により、自己回帰モデルと称されるモデルを採用することができるため改善が可能である。そのような自己回帰モデルの考え方は、生成自体が自身の先行する値に基づいて条件付けられている点にあり、したがって、出力ベクトルの第1の値はランダムな値となり、出力の第2の値は、生成された第1の値に基づいて条件付けされ、第3の値は、第1の値および第2の値に依存するなどとなる。そのような自己回帰モデルは、トレーニングプロセスが終了した後はデコーダの役割を果たす。
【0096】
変分オートエンコーダトレーニングのための例示的なアーキテクチャは、各層が先行する層の出力と同じ数のニューロンを有し、1層~5層の隠れ層を含む完全接続型ニューラルネットワークである。特定の実施形態では、非線形性(relu,prelu,elu,selu,swish,mish,sigmoid,tanh,tanhexpなどの任意の活性化関数)を一部またはすべての隠れ層と任意選択的に出力層とに適用することが可能である。
【0097】
そのようなアーキテクチャをトレーニングするために、以下のような例が実装されてよい:
-入力として、エンコーダは、2つの別個の文字列の連結を受け取る:
-組成物または混合物(例えば2~50000成分)を代表する第1の文字列605;文字列605の例:「ウッドレザー」、「ライムミントベリー」、「ラベンダーハロセント」、「メラミン」、および
-上記で定義されたように関連付けられた快楽的、感覚的、および/または物理化学的パラメータを代表する、かつ/または任意選択的に価格またはユーザーの好み指標などの非快楽的、非感覚的、および/または非物理化学的パラメータを代表する第2の文字列610;文字列610の例:「石鹸」、「価格:10$」、「ムスク、バニラ、スパイシー」、「再生可能な炭素:100%」、「ココナッツ」、「ダイアリー」、「ベジタリアン」、「ナチュラル:100%」、
-エンコーダ615は、入力を受信するように構成され、以下を含む:
-入力側からのサンプルの数に対応する入力サイズ(ニューロンの数)、
-所期の圧縮レベルに依存して構成可能な出力サイズ、
-デコーダの出力側にプラグインされる、潜在空間の平均の予測器、
-デコーダの出力側にプラグインされる、潜在空間の標準偏差の予測器、
-潜在空間620は、以下のように説明される再パラメータ化トリックを使用して予測された平均と標準偏差とから計算される:予測された標準偏差は、ランダムガウスノイズによって乗算されて予測された平均に追加され、調整された予測平均と予測標準偏差とが逆伝播される、
-デコーダ625は:
-計算された潜在空間の連結と、上記で定義されたように関連付けられた快楽的、感覚的、および/または物理化学的パラメータを代表する、かつ/または任意選択的に価格またはユーザーの好み指標などの非快楽的、非感覚的、および/または非物理化学的パラメータを代表する第2の文字列630とにプラグインされ、そのような第2の文字列630は、第1の文字列610と同一であり、
-計算された潜在空間の連結と各第2の文字列の代表とに対応する入力サイズを含み、
-エンコーダの入力サイズと同じ出力サイズを含み、
-逆伝播中は、再構成損失と発散損失とが最小化されるべきである。再構成損失について、これは、距離を計算できる任意のメトリック(例えば、MSE、RMSE、KL-ダイバージェンスなど)を使用して行うことができる。ダイバージェンス損失については、2つの分布間の距離を計算できる任意のメトリック(例えば、KL-ダイバージェンス、Wasserstein距離など)を使用して、潜在空間の正規性を強制することが目的である。
【0098】
敵対的生成ネットワーク
敵対的生成ネットワーク(GAN;Generative Adversarial Networks)は、実際には2つのニューラルネットワーク:1つの生成モデル(G)と1つの識別モデル(D)とである。識別モデルは、入力変数が与えられたターゲット変数の条件付き確率を学習する。
図8の例800では、Dは、ニューラルネットワークDに供給される組成物が、実際に実データのサンプルなのか、生成されたサンプルなのかを弁別するように学習する。他方、ニューラルネットワークGは、入力変数と出力変数との結合確率分布を学習する。生成モデルGは、データ自体の分布関数を学習しているため、基本的には実データの確率分布に従うべき新規のサンプルを生成するために使用される。
【0099】
この2つのモデルは、敵対的なセットアップにおいて作動する。これは、これらの2つのモデルが互いに「競争」し、最終的には両者がそのタスクにおいてより良好となることを意味する。トレーニングプロセス中は、ランダムなベクトルが、典型的にはG(Z)と称される出力を生成する生成モデルGに供給される。次いで、生成器の出力が弁別器に渡される。時折、実データからのサンプルが弁別器に供給される。弁別器は、単一の数値:その入力が元のデータに属する確率を出力する。モデルDは、適正なクラスを予測する偶発性を最大化しているが、他方、GはDを騙そうと試みている。GANの文献では、GとDとが2人用のミニマックスゲームをプレイしているようなものと言及している。つまりこれは、一方のプレーヤーは勝つ確率を最大化しようと試み、それに対して、他方のプレーヤーは最初のプレーヤーの勝つ確率を最小にしようと試みることを意味する。
【0100】
この特定のセットアップでは、ジェネレータからの特定の入力または実データが特定の用途(または条件付け媒体)、例えば石鹸、シャンプーなどに属するかどうかを分類する追加の弁別器など、複雑さのいくつかの追加の要素が導入されている。
【0101】
トレーニングプロセスが終点に達したら、次いで、基本的に具体化されたデータを代表する新しいサンプルを作成するためにジェネレータを使用することができる。実際に、GANモデルの価値関数は、生成されたデータの確率分布が、価値関数の汎用的最小値における実データの確率分布であることを保証する。汎用的最小値に到達することは、GANをトレーニングするときに直面しなければならない実際の技術的課題である。
【0102】
異なるタイプのGAN、例えばinfoGANまたはWassersteinGAN(WGAN)などが存在し、本開示のセットアップのために考慮される。特定のinfoGANでは、それらは、GANの情報理論的拡張であり、これは、潜在空間表現を分離することができ、それにより、教師なし手法で実データの最も重要な特徴を見ることができるようになる。他方、WGANは、異なる確率分布(実際の確率分布と生成された確率分布)間の距離を計算することができるWasserstein距離の使用により生成されたサンプルの品質を向上させる。
【0103】
そのようなトレーニングアーキテクチャの例には、例えば、完全接続型ニューラルネットワークがあり、これは以下のもの:
-各層が先行する層の出力と同じ数のニューロンを有している1層~5層の隠れ層と、ここで、非線形性(relu,prelu,elu,selu,swish,mish,sigmoid,tanh,tanhexpなどの任意の活性化関数)を一部またはすべての隠れ層と、任意選択的に出力層とに適用することが可能であり、
-成分の存在を計算し、存在と量との間にアダマール積を適用する層と、
-組成物を模倣するランダム(例えば正規)ガウスベクトルと、
ここで、対応するトレーニング方法では、以下のパラメータ:
-入力として:
-組成物または混合物を代表する第1の文字列805(例えば、2~50000成分)と、
-上記で定義されたように関連付けられた快楽的、感覚的、および/または物理化学的パラメータを代表する、かつ/または任意選択的に価格またはユーザーの好み指標などの非快楽的、非感覚的、および/または非物理化学的パラメータを代表する第2の文字列810とを使用することが可能であり、
-100~1000まで変化する出力サイズで当該入力側に埋め込むために使用される第2の文字列810に対応する、入力側にプラグインされたターゲットエンコーダと、
-100~10000まで変化可能な出力サイズで入力側にプラグインされ、100~1000まで変化する出力サイズでターゲットエンコーダにプラグインされる生成器815と、前述の生成器は、入力とターゲットエンコーダ値の連結と、100~10000まで変化可能な出力サイズとをさらに使用し、前述の生成器は、入力に使用されている成分の可能な数を有する組成物を提供し、
-全体の入力または生成器のいずれかにランダムにプラグインされ、本物または偽物の組成物のための分類として出力サイズが1に等しい本物/偽物弁別器820と、
-所期のターゲットのための分類として、全体の入力またはターゲットの数と同じ出力サイズを有する生成器のいずれかにランダムにプラグインされる弁別器ターゲットとを含み、
-逆伝播として、弁別器は批判損失の最大化を試み、すなわち、実インスタンスに基づく出力と、生成されたインスタンスに基づく出力との間の差分の最大化を試み、生成器は偽インスタンスに対する弁別器の出力の最大化を試みる。
【0104】
図2は、本発明対象の方法200の特定の実施形態を示す。デジタル識別子によって表されるフレグランスまたはフレーバー組成物を生成するためのこのコンピュータ実装方法200は、上記に開示されている方法の任意の変化形態に従ってトレーニングされたオートエンコーダまたは敵対的生成ネットワークデバイスを使用して、フレグランスまたはフレーバー組成物を生成するステップ115を含む。
【0105】
例えば、そのような生成するステップ115は、例えば、コンピュータなどの電子計算ユニットまたは計算システム上で実行されるコンピュータプログラムによって実行される。このステップの間、トレーニングされた機械学習デバイスは、出力として、基準(上述の快楽的、感覚的、および/または物理化学的パラメータなど)に対する予め定められた値に適合するフレグランスまたはフレーバー組成物を提供するように実行される。
【0106】
以下では、2つの例が呈示される:
-
図7によって示されるフレグランスまたはフレーバー組成物を生成するためのオートエンコーダデバイス700の使用に関する第1の例、および
-
図9によって示されるフレグランスまたはフレーバー組成物を生成するための敵対的生成ネットワークデバイス900のトレーニングに関する第2の例である。
【0107】
第1の例では、トレーニング中に潜在空間を模倣するランダム(例えば正規)ガウスベクトル705が、デコーダ715に供給される。理想的には、このベクトルは、入力が既にデコーダ715によって使用されている見込みを低減することによって出力の独自性を保証するために100を超える次元を呈示する。
【0108】
デコーダ715の入力は、価格、嗅覚または味覚の方向性、用途、安定性、生分解性、再生可能炭素の割合、消費者の嗜好、あるいはトレーニング中に使用されるセット、ならびに潜在空間とターゲットパラメータとの連結に整合させなければならない組成物についての他の快楽的、感覚的、および/または物理化学的パラメータターゲットなどのパラメータセットである。
【0109】
生成器として作用するデコーダ715は、トレーニング中に使用された成分の数と同じ出力サイズを提供し、これは組成物またはフレーバーまたは構成を呈示する。
【0110】
第2の例では、価格、嗅覚または味覚の方向性、用途、安定性、生分解性、再生可能炭素の割合、消費者の嗜好、あるいはトレーニング中に使用されるセットに整合させなければならない組成物についての入力ターゲットとして作用する他の快楽的、感覚的、および/または物理化学的パラメータターゲットなどのパラメータセットである。
【0111】
ターゲットエンコーダは、100~1000まで変化する出力サイズでパラメータ値を埋め込むために使用される入力側にプラグインされる。
【0112】
生成器915は、ランダムベクトル915ならびにターゲット910を、当該ターゲットに整合する組成物生成のための入力として使用する。
【0113】
特定の実施形態では、生成するステップ115は、生成されたフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子について、中でも:
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた嗅覚または味覚の方向性、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた条件付け媒体、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた視覚的および/または嗅覚的安定性または劣化値、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた生分解性のパーセンテージ、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた再生可能な炭素のパーセンテージ、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた精神物理学的知覚強度、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた引火点値、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた毒性値、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた皮膚感作値、
-組成物中の複数の成分、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた増強成分適合値、
-識別されたフレグランスまたはフレーバー組成物に関連付けられた環境累積値、および/または
-組成物のための保留指標について、フレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子を、少なくとも1つの快楽的、感覚的、および/または物理化学的パラメータを代表する生成された組成物に対する少なくとも1つの入力制約を代表する少なくとも1つの値の関数として生成するように構成されている。
【0114】
特定の実施形態では、生成するステップ115は、少なくとも1つの二次条件付け媒体識別子に関連付けられたフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子を、一次条件付け媒体識別子に関連付けられた少なくとも1つのフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の入力の関数として生成するように構成されている。
【0115】
特定の実施形態では、
図3に示されているように、上記に開示されている任意の実施形態によるコンピュータ実装方法300は、
-トレーニングされた補助的機械学習デバイスを生成するステップ130を含み、該生成するステップ130は:
-例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットと、嗅覚もしくは味覚の特徴または特性値(例えば「ムスク」、「バニラ」、「グリルビーフ」、「ストロベリー」、「シトラス」など)、前述の構造に関連付けられた化学的化合物量を代表する値などの化学的特徴を代表するラベルとを提供するステップ131と、
-組成物分類器を提供するために例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを使用して補助的機械学習デバイスをトレーニングするステップ132とを含み、さらに前述の方法は、
-機械学習デバイスを用いて敵対的生成ネットワークデバイスまたはオートエンコーダデバイスをトレーニングするステップを制約するステップ135を含み、前述のステップは、前述のトレーニングするステップ中に、強化ルールとして、または生成されたフレグランスまたはフレーバー組成物識別子の後処理を介して実行されるものである。
【0116】
生成するステップ130、提供するステップ131、およびトレーニングするステップ132は、
図1に関連して開示された方法100および関連する提供するステップ105およびトレーニングするステップ110に類似して実行することができる。そのような機械学習デバイスは、例えば、ニューラルネットワークデバイスであってよい。
【0117】
制約するステップ135は、補助的機械学習デバイスの出力をオートエンコーダまたは敵対的生成ネットワークデバイス用の生成入力として使用することによって実行されてよい。そのような補助的機械学習デバイスの出力は、生成された組成物をこの補助的機械学習デバイスに入力し、その結果をオートエンコーダまたは敵対的生成ネットワークデバイスに遡及的に注入することによって動的にかつトレーニング後に得られてもよい。
【0118】
そのような補助機械学習デバイス1005は、トレーニングアーキテクチャ1000による間の生成データの処理として、
図10に示されている。トレーニングされたデバイス1100は、
図11に示されている。そのような補助的機械学習デバイス1005は、例えば、GANで使用されるような、弁別器ニューラルネットワークである。
【0119】
さらなる実施形態において、本方法は、オートエンコーダデバイスのトレーニングにおける強化機構を含むことができる。そのような強化機構は、例えば、新しいまたは所期の解決手段を見つけるための強化損失であってよい。そのような強化規則は、例えば、結果を特定の嗅覚の調子を表現するように強制することである。
【0120】
特定の実施形態では、方法100,200および/または300は、生成されたフレグランスまたはフレーバー組成物を配合するステップ136を含むことができる。そのような、フレグランスまたはフレーバー組成物を得るための配合するステップ136は、当業者に周知の任意の手段を使用して実施してよい。そのような手段は、例えば、実験室または化学工場において合成する手段であってもよい。
【0121】
図1に示されているような特定の実施形態では、方法100は、配合すべき生成されたフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子を選択するステップ137を含むことができる。そのような配合のステップ137は、例えばユーザーインターフェースを介して手動で実行してもよいし、生成され選択された化学的化合物デジタル識別子を配合することができるデバイスへの配合命令の発出を介して自動的に実行されてもよい。
【0122】
理解されるように、本発明は、
図1に示されているような方法100の任意の変形形態に従ってトレーニングされたコンピュータ実装オートエンコーダデバイスを目的としている。
【0123】
理解されるように、本発明は、
図1に示されているような方法100の任意の変形形態による方法に従ってトレーニングされたコンピュータ実装敵対的生成ネットワークデバイスを目的としている。
【0124】
理解されるように、本発明は、
図1~
図3に示されているような任意の方法100,200または300の任意の変形形態を実行するためのプログラミング命令を含んでいるコンピュータプログラム製品を目的としている。
【0125】
理解されるように、本発明は、コンピュータによって実行されるときに、
図1~
図3に示されているような任意の方法100,200または300の任意の変形形態のステップをコンピュータに実行させることを示すプログラミング命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を目的としている。
【0126】
図4は、本発明対象のデバイス400の特定の実施形態を示す。配合すべき新規のフレグランスまたはフレーバー成分組成物の非決定論的でかつ現実的なデジタル表現を生成するためにオートエンコーダニューラルネットワークまたは敵対的生成ネットワークデバイスをトレーニングするためのこのデバイス400は、以下のステップ:
-少なくとも2つの異なる成分を含む具体化されたフレグランスまたはフレーバー組成物を代表するものである例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを提供する手段405と、
-配合すべき少なくとも2つの異なる成分を含む、新規のフレグランスまたはフレーバー成分組成物を生成するようにトレーニングされたフレグランスまたはフレーバー組成物生成モデルを生成するために、例示的なフレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子の元のセットを使用してオートエンコーダデバイスまたは敵対的生成ネットワークデバイスをトレーニングする手段410とを含む。
【0127】
提供する手段405およびトレーニングする手段410は、本発明対象の方法100の等価的な提供するステップ105およびトレーニングするステップ110に必要な変更を加えて対応するものである。
【0128】
図5は、本発明対象のデバイス500の特定の実施形態を示す。フレグランスまたはフレーバー組成物デジタル識別子を生成するためのこのデバイス500は、本発明対象の方法の特定の実施形態に従ってトレーニングされたオートエンコーダまたは敵対的生成ネットワークデバイスを使用して、フレグランスまたはフレーバー組成物を生成する手段505を含んでいる。
【0129】
この生成する手段505は、本発明対象の方法100の等価的な生成するステップ115に必要な変更を加えて対応するものである。
【0130】
そのようなオートエンコーダと敵対的生成ニューラルネットワークの使用は、出力基準によって定義されるターゲット組成物とライン拡張とを生成するために使用されてよい。ライン拡張は、初期組成物が設計された元の媒体とは異なる媒体に適合するように組成物を変更することに対応する。
【0131】
図10および
図11は、本発明対象のオートエンコーダ1000の特定の実施形態を示す。この実施形態では、オートエンコーダの学習における快楽的、感覚的および/または物理化学的パラメータを代表するトレーニングに使用される入力1010は、デコーダの入力1015とは異なっており、そのため、生成段階の有効性要件は、学習段階の初期要件とは異なる。例えば、そのような変化は、例えば、条件付け媒体の変化を反映するかもしれない。そのような実施形態は、例えば、例示的なデータセットの条件付け媒体とは異なる条件付け媒体のための組成物を適合させるような、組成物における変換の獲得を可能にする。そのような特徴は、香水または味覚用途の変化を指すライン拡張を可能にさせる。
【0132】
図10および
図11は、有効性制約の変化とは無関係に、生成する段階の間の組成物の代替的セットの使用も示す。そのような代替的セットは、ランダム、ルールベースであってもよく、あるいは少なくともトレーニング段階において使用された元のデータセットと比較した変形形態を呈示するものであってもよい。そのような代替的セットは、例えば、別の生成器の出力に対応することができる。
【0133】
図12は、本発明対象の後処理方法1200の特定の実施形態を示す。この後処理方法1200は、以下のもの:
-生成された組成物に対する生成ターゲットを入力するステップ1205と、
-組成物のバッチを生成するステップ1210と、
-以下の後処理ステップ:
-組成物中に生成された条件付け媒体識別子についてフィルタリングするステップ1215と、
-有効範囲に従って生成された組成物の価格値についてフィルタリングするステップ1225と、
-有効範囲に従って生成された組成物の持続可能性値についてフィルタリングするステップ1230と、
-有効範囲に従って生成された組成物の安定値についてフィルタリングするステップ1235と、
-有効範囲に従って生成された組成物の安全値についてフィルタリングするステップ1236とのうちの少なくとも1つと、
-1つまたは複数の後処理ステップを通過する組成物を出力するステップ1240とを含む。
【0134】
図13は、VAEトレーニングアーキテクチャ1300の一例を示すものであり、その中で:
-2321項目のサイズの入力配列1301は、以下のもの:
-2000項目の出力サイズの例示的な組成物1305、
-300項目の出力サイズの嗅覚ターゲット1304、
-20項目の出力サイズの用途ターゲット1303、
-1項目の出力サイズの価格ターゲット1302、
を含有する複数のタイプの入力を含み、
-そのような入力配列1301は、エンコーダ1306に供給され、前述のエンコーダ1306は、以下のもの:
-700項目の出力サイズを有する完全接続型人工ニューロン層1307と、
-350の出力サイズを有し、完全接続型人工ニューロン層1307の出力の平均として使用されるように構成された完全接続型人工ニューロン層1309と、
-350の出力サイズを有し、完全接続型人工ニューロン層1307の出力の対数分散として使用される完全接続型人工ニューロン層1310と、
-処理層1310の出力との積で使用されるように構成され、この積の出力は処理層1309の出力と連結される、350の出力サイズを有するランダムガウスベクトル生成器1308とを含み、
-エンコーダ1306の出力は、350項目の出力サイズを有する潜在コード1311を生成するために使用され、この潜在コードは、デコーダ1312のための他の入力と関連付けられた場合に、新規の組成物の生成を可能にするものであり、前述の他の入力は以下のもの:
-300項目の出力サイズを有する嗅覚ターゲット1313と、
-20項目の出力サイズを有する用途ターゲット1314と、
-1項目の出力サイズを有する価格ターゲット1315とを含み、
-デコーダ1312は、以下のもの:
-2つの完全接続型およびカスケード接続型人工ニューロン層1316および1317を含み、第1の層1316は、700項目の出力サイズを有し、第2の層1317は、1000項目の出力サイズを有し、2000成分または項目の生成された組成物を提供する。
【0135】
図14は、新規の用途に適合化された組成物出力を提供するように構成された、組成物用途拡張トレーニングアーキテクチャ1400の一例を示すものであり、その中で:
-2305項目の大きさの入力配列であって、以下のもの:
-2000項目の出力サイズを有する例示的な組成物1401と、
-300項目の出力サイズを有する、前述の組成物の例示的な嗅覚特性1402と、
-4項目の出力サイズを有する、前述の組成物の例示的な用途1403と、
-1項目の出力サイズを有する価格ターゲット1404とを含有する複数のタイプの入力を含み、
-入力配列は、エンコーダ1405に供給されるものであり、前述のエンコーダ1405は、以下のもの:
-例示的な組成物1401および例示的な嗅覚特性1402を入力用に有し、512項目の出力サイズを有する完全接続型人工ニューロン層1406と、
-完全接続型人工ニューロン層1406の出力を入力用に有し、512項目の出力サイズを有する完全接続型人工ニューロン層1407と、
-例示的な用途1403を入力用に有し、256項目の出力サイズを有する完全接続型人工ニューロン層1408と、
-完全接続型人工ニューロン層1407および1408の出力と共に完全接続型人工ニューロン層1410用の入力1409として作用する価格ターゲット1404と、
-512項目のサイズを有し、潜在コード1411として使用されるものであり、前述の潜在コード1411は、デコーダ1412において入力1415として作用し、用途ターゲット入力1413および価格ターゲット入力1414と共に、512項目の出力サイズを有する、完全接続型人工ニューロン層1410の出力とを含み、
-デコーダ1412は、以下のもの:
-ターゲット用途1413を入力用に有し、256項目の出力サイズを有する完全接続型人工ニューロン層1416と、
-完全接続型人工ニューロン層1416の出力および潜在コード1415と共に、512項目、512項目、および1000項目の出力サイズをそれぞれ有する一連の3つの完全接続型人工ニューロン層1418,1419および1420に供給されるものである価格ターゲット1417と、
-2000項目の出力を有するリドーズベクトル層1423に供給され、2000×2000項目の出力を有する置換行列層1422に供給され、新規の組成物1424を生成するために例示的な組成物1421と置換行列1422との積が得られ、この第1の積とリドーズベクトル1423との積が得られる完全接続型人工ニューロン層1420の出力とを含み、
-次いで、生成された新規の組成物1424は、以下の両方:
-生成された組成物1424と、
-デコーダ用の入力に使用される用途ターゲット1426とを含む弁別器1431用の代替的入力1425を構成するために使用され、
-配合された組成物用の実データを含む別の代替的入力1430も弁別器1431に供給することができ、前述の入力1430は、以下のもの:
-データベース1427から抽出され、2000の出力サイズを有する、配合された組成物1429の識別子と、
-4の出力サイズを有する、これらの組成物1429用の用途ターゲット1428とを含み、
-弁別器1431は、以下のもの:
-入力としての以下のもの:
-生成されたもの1424か実のもの1429かにかかわらず、2000の成分の出力サイズを有する組成物1432と、
-生成された組成物1424に関連付けられたか実の組成物1429に関連付けられたかにかかわらず、4の出力サイズを有するターゲット用途1433と、
-256の出力サイズを有するターゲット用途1433を入力として有する完全接続型人工ニューロン層1435と、
-組成物1432と組み合わされ、2256項目のサイズを有する入力1434として、1024項目、512項目、512項目および1項目の出力サイズをそれぞれ有する一連の完全接続型人工ニューロン層1437,1438,1439および1440に供給される完全接続型人工ニューロン層1435の出力と、
-弁別器1431に、組成物1432が生成されたものか、配合された実のものかを予測可能にさせる完全接続型人工ニューロン層1440の出力とを含む。
【0136】
図15は、組成物を生成するように構成された、敵対的生成ネットワークトレーニングアーキテクチャ1500の一例を示すものであり、その中で:
-入力は、以下のもの:
-100の出力サイズを有するノイズベクトル1501と、
-300の出力サイズを有する嗅覚ターゲット1502と、
-20の出力サイズを有する用途ターゲット1503と、
-1の出力サイズを有する価格ターゲット1504とを含み、
-生成器1525は、以下のもの:
-入力として嗅覚ターゲット1502を有し、30項目の出力サイズを有する完全接続型人工ニューロン層1505と、
-入力として用途ターゲット1503を有し、15項目の出力サイズを有する完全接続型人工ニューロン層1506と、
-500項目の出力サイズを有し、完全接続型人工ニューロン層1508に供給される、完全接続型人工ニューロン層1505,1506、ならびに価格ターゲット入力1504の出力と、
-500項目の出力サイズを有し、完全接続型人工ニューロン層1507に供給されるノイズベクトル1501と、
-1000項目の出力サイズを有し、完全接続型人工ニューロン層1509に供給される完全接続型人工ニューロン層1507および1508の出力と、
-2つの異なる完全接続型人工ニューロン層1510および1511に提供され、両者は2000項目の出力サイズを有し、層1510については、生成された配合物に存在すべき成分識別子が提供され、層1511については、前述の成分についての量が提供され、これらの出力の積が生成された組成物1512を形成する完全接続型人工ニューロン層1509の出力とを含み、
-生成された組成物1514の出力は、初期入力された嗅覚ターゲット1515、用途ターゲット1516および価格ターゲット1517と共に、弁別器1518のための代替的入力1513を形成し、
-代替入力1519は、以下のもの:
-実組成物データベース1524から抽出された、2000項目の出力サイズを有する実組成物1520と、
-300項目の出力サイズを有する嗅覚ターゲット1521と、
-20項目の出力サイズを有する用途ターゲット1522と、
-1項目の出力サイズを有する価格ターゲット1523とを含み、
-入力1513および代替的入力1519は、識別器1518に供給され、
-弁別器1518は、以下のもの:
-入力としての以下のもの:
-入力1513または代替的入力1519のいずれかに由来し、2000項目の出力サイズを有する組成物識別子1526と、
-入力1513または代替的入力1519のいずれかに由来し、300項目の出力サイズを有する嗅覚ターゲット1527と、
-入力1513または代替的入力1519のいずれかに由来し、20項目の出力サイズを有する用途ターゲット1528と、
-入力1513または代替的入力1519のいずれかに由来し、1項目の出力サイズを有する価格ターゲット1529と、
-組成物識別子1526を入力として使用し、30項目の出力サイズを有する完全接続型人工ニューロン層1530と、
-嗅覚ターゲット1527を入力として使用し、30項目の出力サイズを有する完全接続型人工ニューロン層1531と、
-用途ターゲット1528を入力として使用し、15項目の出力サイズを有する完全接続型人工ニューロン層1532と、
-完全接続型人工ニューロン層1531および1532の出力と共に完全接続型人工ニューロン層1534に供給され、500項目の出力サイズを有する価格ターゲット1533と、
-完全接続型人工ニューロン層1530の出力を入力として有し、500の出力サイズを有する完全接続型人工ニューロン層1535と、
-完全接続型人工ニューロン層1535および1534の出力を入力として有し、100の出力サイズを有する完全接続型人工ニューロン層1536と、
-完全接続型人工ニューロン層1536の出力を入力として有し、1の出力サイズを有する完全接続型人工ニューロン層1537と、
-組成物識別子1526が実のものか生成されたものかについての予測1538を提供する完全接続型人工ニューロン層1537の出力とを含む。
【国際調査報告】