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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】接触媒体
(51)【国際特許分類】
   C08L 1/08 20060101AFI20231226BHJP
   C08L 71/02 20060101ALI20231226BHJP
   C08K 5/103 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
C08L1/08
C08L71/02
C08K5/103
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526598
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 EP2020080993
(87)【国際公開番号】W WO2022096089
(87)【国際公開日】2022-05-12
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523416966
【氏名又は名称】エコ スプレイ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100182730
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 浩明
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムート ハース
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AB031
4J002CH022
4J002EH056
4J002FD316
4J002GB00
4J002HA06
(57)【要約】
本発明は、0.05~2.5重量%のゲル形成剤、0.05~3.5重量%の洗浄剤、および0.1~4.0重量%の乳化剤および必要に応じて添加剤ならびに残りの要素として水を含む、医療及び非医療ソノグラフィー、心電図検査、脳波検査、又は除細動に使用するための接触媒体に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記:
0.05~2.5重量%のゲル形成剤、
0.1~4.0重量%の洗浄剤、
0.1~4.0重量%の乳化剤、
任意には添加剤、好ましくは防腐剤、酸性化剤、スキンケア添加剤、及びそれらの混合物から選択される、及び
残りの要素としての水を含み、
ここで前記ゲル形成剤は、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシセルロース、キサンタンガム、グアーガム、コラーゲン、ゼラチン、ペクチン、キチン、デンプン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、及びアルギン酸カルシウムを含むアルギン酸塩、ならびにそれらの混合物からなる群から選択され、
前記洗浄剤は非イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤の混合物であり、
前記乳化剤は、グリセロールモノ脂肪酸エステル及びグリセロールジ脂肪酸エステル及びそれらの混合物からなる群から選択され、ここで残りの脂肪酸は、好ましくはC7-C20-飽和脂肪酸、C16-C20-モノ不飽和脂肪酸、及び/又はC18-C20-ジ不飽和脂肪酸、好ましくはステアリン酸、オレイン酸、カプリル酸、カプリン酸、及び /又はリノレン酸に由来する、
5~7の範囲のpH値を有する接触媒体。
【請求項2】
ゲル形成剤を 0.05~0.5重量%の量で含むことを特徴とする、請求項1に記載の接触媒体。
【請求項3】
>80重量%、好ましくは>90重量%、特に好ましくはゲル形成剤全体がヒドロキシエチルセルロース、好ましくは2-ヒドロキシエチルセルロース、平均置換度 (DS) が 0.85 ~ 1.35 及び/又はモル置換度が 1.5 ~ 3.0であるセルロース2-ヒドロキシエチル エーテル (CAS♯9004-62-0)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の接触媒体。
【請求項4】
>80重量%、好ましくは>90重量%、特に好ましくは洗浄剤全体がポリエトキシル化ヒマシ油であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の接触媒体。
【請求項5】
前記洗浄剤が、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポロキサマー、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の接触媒体。
【請求項6】
>80重量%、好ましくは>90重量%、特に好ましくは乳化剤全体がグリセロールモノ脂肪酸エステルであることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の接触媒体。
【請求項7】
5~6.5の範囲、好ましくは5~6の範囲、特に好ましくは5~5.6の範囲のpH値を有し、そして、好ましくはクエン酸、クエン酸ナトリウム-クエン酸緩衝液、及びリン酸-クエン酸緩衝液から選択される、pHレベルを調整するための無機又は有機緩衝系又は酸性化剤を任意に含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の接触媒体。
【請求項8】
防腐剤、好ましくは防腐剤を0.05~1.0重量%の量で含有し、ここで、前記防腐剤は、特に好ましくは、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の接触媒体。
【請求項9】
さらに、スキンケア添加物、好ましくはアロエベラを含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の接触媒体。
【請求項10】
DIN EN ISO 2431:2020-20に従って、25℃で4mmノズルを備えた流出ビーカーを使用して決定された、5~200秒の範囲、好ましくは10~150秒の範囲、または10~100 秒の範囲又は 10~50 秒の範囲での流出時間を有することを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の接触媒体。
【請求項11】
多くても1重量%、好ましくは多くても0.5重量%の一価アルカノールを含み、そして特に好ましくは、いずれの一価アルカノールを含まないことを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の接触媒体。
【請求項12】
0.1~0.3重量%のゲル形成剤及び/又は0.075~0.5重量%の洗浄剤及び/又は0.2~0.8重量%の乳化剤を含むことを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の接触媒体。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の接触媒体、及び少なくとも1つのアプリケータ、好ましくはスプレーボトル、及び任意には、接触媒体で満たされた少なくとも1つの補充容器を含むキット。
【請求項14】
アプリケータ及び/又は再充填容器内の接触媒体を加熱するように構成された少なくとも1つの加熱装置を含み、ここで前記加熱装置は好ましくは電気加熱装置を含む、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
医療及び非医療用ソノグラフィー、心電図検査、脳波検査、及び/又は電流インパルスによる除細動、好ましくは医療用ソノグラフィーにおける接触媒体としての、請求項1~12のいずれか1項に記載の接触媒体の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは医療用ソノグラフィーで使用される接触媒体に関する。 しかしながら、本発明による接触媒体は、超音波による技術的構造の検査のための非医療的方法、並びに超音波に基づかないが接触媒体を必要とする他の医療処置にも使用することができる。
【背景技術】
【0002】
エコー検査または超音波検査としても知られるソノグラフィーは、異なる媒体内の結合された音波が異なる速度で伝播し、異なる波インピーダンスを持つ界面で部分的に反射されるという事実に基づいている、有機的又は技術的構造の非破壊検査のためのイメージング手順である。波動インピーダンスとは、波動の伝搬に対抗する抵抗を指す。 界面での波動インピーダンスの差が大きくなると、結合波の反射部分も大きくなる。 反射波の飛行時間と強度が検出され、そして構造情報に変換される。
【0003】
例えばコンピュータ断層撮影法(CT)におけるX線検査と比較して、医用画像診断におけるソノグラフィーの重要な利点は、使用される音波の無害性にある。機器関連の支出と関連するコスト、及び必要な空間もまた、コンピュータ断層撮影法や磁気共鳴画像法の場合よりもソノグラフィーの方が一般的に大幅に少く、そのため、ソノグラフィー診断は、十分に意味のある情報を提供するために使用できる小規模な医療行為でも使用されている。
【0004】
組織、器官、血管、骨などの有機構造の検査のためだけではなく、またドップラー法などによる血流速度の可視化のための医療用ソノグラフィーでは、約1~40MHzの周波数範囲の超音波が使用される。超音波はプローブ内で生成され、そして典型的には、表面を介して短い指向性の音波インパルスとして体内に導入される。反射波は、検出器から受信される。検出器は通常、プローブ内に配置され、電気信号に変換され、処理される。 検査された構造に関する情報は、飛行時間と反射波の強度から決定される。
【0005】
プローブが、例えば体の開口部(膣内、直腸内)又はカテーテルによって血管系に挿入される試験に加えて、音波インパルスは、ソノグラフィーのほとんどのアプリケーションで外部から体内に導入される。ここで、プローブ ヘッドは通常、検査を行う医師によって手動で患者の皮膚に置かれ、その上を移動し、さまざまな角度位置に傾けられる。
【0006】
空気と水又は皮膚を含む有機構造との間の波動インピーダンスの差は非常に大きいため (空気: 約 410kg/ms; 皮膚、脂肪、水、筋肉: > 106kg/ms)、超音波プローブは、肌の凹凸や抜け毛により存在する、プローブヘッドと皮膚表面の間の空気ポケットによって音がすでに反射されないように、水性接触媒体を介して皮膚に結合する必要がある。
【0007】
同じことは、空気ポケットが測定に干渉する可能性がある他の検査方法、例えば超音波による非有機的な技術構造の材料試験、又は空気が混入すると、電気抵抗が非常に高くなるため、測定が大きく歪んだり、測定が不可能になったりする、CG や EEG試験などの非常に低い電流を測定する検査方法でも、同じことが当てはまる。
【0008】
医療用ソノグラフィーでは、プローブ ヘッドを皮膚表面に結合するための接触媒体として、さまざまな処方に従って生成された粘性の水性ゲルを主に使用する。 そのようなゲルは、その成分のために製造コストが高くなる可能性があり、他の欠点もある。例えば、粘性のために、一般的に、必要以上のゲルが適用される。 従って、ゲルの消費量が多く、コストが高くなる。粘性ゲルは、完全に脱衣していない患者の衣服を汚すことが多く、ゲルを拭くために大量の紙が消費され、追加のコストが発生し、廃棄する必要がある。 多くの場合、患者は接触媒体を不快なほど冷たいと感じる。 従って、適用前に患者の皮膚上で接触媒体を予熱できることが望ましい。 しかしながら、従来の粘性ゲルでは、これにより物理的特性が変化し、制御されていない排水やフィルムの破損につながる可能性がある。粘性ゲルの適用は、通常、ゲルを押し出すことができる柔らかい壁の使い捨てプラスチック容器から行われる。 使用後、これらの使い捨て容器は通常廃棄され、容器内に残っているかなりの量のゲルが未使用のまま廃棄されることが多い。 容器の開口部からゲルを塗布する場合、患者間の細菌感染の結果として、患者の皮膚に触れる危険性も常にある。
【0009】
ソノグラフィー検査中はプローブヘッドを皮膚上で動かさなければならないため、検査する皮膚領域を完全にカバーする良好な膜形成に加えて、良好な滑走能力も必要である。 粘性ゲルはこれらの要件を十分に満たしているため、上記の欠点にもかかわらず、依然として主に使用されている。 しかしながら、原則として、プローブヘッドと皮膚との間の結合には薄い接触媒体フィルムしか必要とされない。
【0010】
DE 44 34 626C2は、水に加えて、0.5~10体積%の洗浄剤及び1~25体積%のエタノールの含有量を含有する高度に流動性の超音波接触媒体を記載しており、ここで、満足のいく生成物が、1体積% の洗浄剤と 3-5体積% のエタノールの含有量でのみ得られ、前記生成物は、市販の粘性接触媒体ゲルのそれに対応する良好な滑り特性と音波伝達を有する永久的な液体フィルムを形成する。しかしながら、接触媒体は、十分な膜形成に必要なエタノール含有量が高いため、超音波デバイスのユーザーやメーカーには受け入れられなかった。 長時間使用すると、エタノール分がプローブヘッドの材質を侵す恐れがある。 さらに、塗布中のエタノールの蒸発は、患者に不快な冷感をもたらし、望ましくないアルコール臭を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明が取り組む問題は、特に医療用ソノグラフィーにおける既知の接触媒体の欠点を克服するか、少なくとも軽減する新しい接触媒体を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、下記:
0.05~2.5重量%のゲル形成剤、
0.1~4.0重量%の洗浄剤、
0.1~4.0重量%の乳化剤、
任意には添加剤、好ましくは防腐剤、酸性化剤、スキンケア添加剤、及びそれらの混合物から選択される、及び
残りの要素としての水を含み、
ここで前記ゲル形成剤は、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシセルロース、キサンタンガム、グアーガム、コラーゲン、ゼラチン、ペクチン、キチン、デンプン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、及びアルギン酸カルシウムを含むアルギン酸塩、ならびにそれらの混合物からなる群から選択され、
前記洗浄剤は非イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤の混合物であり、
前記乳化剤は、グリセロールモノ脂肪酸エステル及びグリセロールジ脂肪酸エステル及びそれらの混合物からなる群から選択され、ここで残りの脂肪酸は、好ましくはC7-C20-飽和脂肪酸、C16-C20-モノ不飽和脂肪酸、及び/又はC18-C20-ジ不飽和脂肪酸、好ましくはステアリン酸、オレイン酸、カプリル酸、カプリン酸、及び /又はリノレン酸に由来する、
5~7の範囲のpH値を有する接触媒体により解決される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明による接触媒体は、従来の接触ゲルより流動性が高く、従って、より低い粘度、すなわちより高い流動性を有する。 本発明による接触媒体の粘度、すなわち流動性は、使用される成分、特にゲル形成剤の量を選択することによって調整することができる。本発明による接触媒体の流動性の決定は、本明細書ではISO 2431(DIN EN ISO 2431:2020-02)に従って、室温(25℃)、及び適用可能な場合は体温(37℃)で、直径 4mmのノズルを備えた ISO 流出ビーカー No 4 を使用して、100 ml の測定量の接触媒体組成物の流出時間を測定することによって実施された。好ましい実施形態によれば、本発明による接触媒体は、25℃で5~200秒の範囲、好ましくは10~150秒の範囲、特に好ましく10~100秒の範囲、及び特に非常に好ましくは10~50秒の範囲で、このようにして決定された流出時間を有する。
【0014】
本発明による接触媒体の粘度が低すぎる場合、不十分なフィルム形成が達成され、フィルム破損の危険性がある。 本発明による接触媒体の粘度が高すぎる場合、粘性接触媒体ゲルの記載された欠点が生じる。
【0015】
医療用ソノグラフィーで使用される場合、本発明による接触媒体は、その高い流動性、すなわち皮膚上での低粘度にもかかわらず、重大なフィルム破損なしに、治療される皮膚領域を良好かつシームレスに覆う薄い接触媒体フィルムを形成する。 同時に、皮膚上でのプローブヘッドの良好な滑走能力を保証する。本発明による接触媒体の音波伝達は、市販の粘性接触媒体ゲルのそれに匹敵し、組成によってはさらに優れている場合もある。
【0016】
さらに、本発明による接触媒体は、皮膚から容易に除去することができ、必要な量が比較的少ないため、市販の接触ゲルと比較して紙の消費が少ない。
【0017】
本発明による接触媒体のさらなる特定の利点は、例えば市販のスプレーボトルなど、流動性の高い媒体に適したアプリケータで適用できることである。 スプレーボトルは、接触媒体を使い切った後、再充填して再利用できるため、パッケージの無駄を省くことができる。スプレーボトルを使用した接触媒体の適用は、患者の皮膚への接触も回避するため、ある患者から次の患者に細菌を運ぶリスクを軽減する。 例えば、接触媒体は大きな容器から再充填することができる。 従って、使い捨てアプリケータで販売及び使用される粘性接触媒体ゲルの場合のように、廃棄しなければならない使用不能な接触媒体が使い捨てアプリケータに残ることはない。
【0018】
さらに、本発明による接触媒体は、安価な成分の使用により、市販の接触媒体ゲルよりもコスト効率よく製造することができる。
【0019】
本発明による接触媒体は、0.05~2.5重量%の間の量でゲル形成剤を含有することができる。 ゲル形成剤の割合が0.5~2.5重量%を超える範囲で高くなると、接触媒体は、使用するゲル形成剤に応じて、市販の接触ゲルの粘度に近い粘度をすでに有することができ、この場合、上記の利点を有しながら、接触媒体を薄く塗布することができる。
【0020】
しかしながら、特に好ましい実施形態によれば、本発明による接触媒体は、ゲル形成剤を0.05~0.5重量%の量で含有する。 本発明によるそのような接触媒体は、特に流動性が高いが、本明細書に記載のすべての利点を有し、特に、例えばスプレーボトルによって非常に効果的に塗布することができる。 さらに、必要なゲル形成剤が少なくなるため、製造の費用対効果が高くなる。
【0021】
ゲル形成剤、洗浄剤及び乳化剤に加えて、本発明による接触媒体は、任意に、防腐剤、緩衝剤又は酸性化剤、スキンケア添加剤などのさらなる添加剤を含有することができる。このような添加剤は有利に使用できるが、接触媒体の有利な特性、例えば流れ及び膜形成特性、滑走能力、及び音波伝達を損なわないか、又は少なくとも著しく損なわないような少量で使用することができる。
【0022】
1つの実施形態によれば、本発明による接触媒体は、防腐剤を、好ましくは0.05~1.0重量%の量で含み、ここで、防腐剤は、特に好ましくは、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される。 防腐剤が少なすぎると、防腐効果がないか、又は少なすぎる。 比率が高すぎると、実質的な追加の保存効果が得られず、及び/又は接触媒体の物理的及び/又は化学的特性に悪影響を与える可能性がある。本発明の1つの有利な実施形態によれば、接触媒体は、約0.3~0.5重量%の安息香酸ナトリウムと約0.1~0.3重量%のソルビン酸カリウムの混合物を含む。 防腐剤の添加は、さらなる有利な特性を著しく損なうことなく、本発明による接触媒体の耐久性及び貯蔵寿命を改善する。
【0023】
本発明による接触媒体は、5~7の範囲のpHレベルを有する。従って、この媒体はすでに皮膚に十分に許容されている。 さらに、5~7の範囲のpHレベルが、本発明によるゲル形成剤、洗浄剤、及び乳化剤の組み合わせによって達成される接触媒体の有利な物理的及び化学的特性を安定化することが示されている。本発明のさらに有利な実施形態によれば、接触媒体は、5~6.5の範囲、好ましくは5~6の範囲、特に好ましくは5~5.6の範囲のpHレベルを有する。多くの場合、5 ~6 の範囲、さらには 5.6 以下の低い pH レベルが有利である。これは、とりわけ、高い pH レベルよりも防腐剤の存在下で優れた保存効果が得られるためである。
【0024】
使用するゲル形成剤、洗浄剤、乳化剤、添加剤の選択と量によっては、pH レベルを下げたり、緩衝したりする必要がある場合がある。 従って、1つの実施形態によれば、本発明による接触媒体は、pHレベルを調整及び/又は緩衝するための無機又は有機緩衝系又は酸性化剤を含有する。 本発明による適切な酸性化剤はクエン酸である。本発明による適切な緩衝系は、クエン酸ナトリウム-クエン酸緩衝液又はリン酸-クエン酸緩衝液、例えばリン酸二ナトリウム-クエン酸緩衝液である。 必要な緩衝剤又は酸性化剤の量は少なく、当業者によって日常的に決定される。 実験では、例えば、2重量%の量のクエン酸が、本発明による組成物のpHレベルを5.6に下げるのに適していることが証明された。
【0025】
さらに、本発明による接触媒体は、スキンケア添加剤を有利に含有することができる。 適切なスキンケア添加剤は、化粧品の分野並びに医療用及び非医療用スキンケア製品から当業者に知られている。 本発明による有利なスキンケア添加剤は、例えば、アロエベラ単独又は他のスキンケア添加剤との混合物である。 添加されるスキンケア添加剤の量は、本発明による接触媒体の有利な特性を著しく損なうことなく、所望のスキンケア効果を達成するように日常的に選択されるべきである。
【0026】
組み合わされた場合、本明細書に記載の用途に有利な接触媒体の物理的及び化学的特性を達成する本発明による接触媒体の実質的な成分は、ゲル形成剤、洗浄剤、及び乳化剤である。
【0027】
本発明による特に適切で好ましいゲル形成剤は、ヒドロキシエチルセルロース、好ましくは0.85~1.35の平均置換度(DS)及び/又は1.5~3.0のモル置換度(MS)を有する2-ヒドロキシエチルセルロース(CAS♯ 9004-62-0)である。ゲル形成剤は、単独で、又はより多くの前述のゲル形成剤と混合して使用することができる。 本発明によるゲル形成剤として特に適したヒドロキシエチルセルロースは、Natrosol(登録商標)(Ashland Inc.)、Cellosize(登録商標)(Dow Chemical)、及びTylose(登録商標)(信越)の名前で市販されている。以下に記載する実施例では、製品Natrosol(登録商標)250 HXを使用した。
【0028】
本発明による接触媒体の好ましい実施形態によれば、ゲル形成剤の80重量%以上、好ましくは90重量%以上がヒドロキシエチルセルロースである。 本発明による接触媒体のさらに好ましい実施形態によれば、ゲル形成剤全体がヒドロキシエチルセルロースである。
【0029】
1つの有利な実施形態によれば、本発明による接触媒体は、0.1~0.3重量%のゲル形成剤を含有する。 驚くべきことに、本発明による洗浄剤及び乳化剤と組み合わせて、本明細書に記載の特性及び利点、特に優れたフィルム形成特性、滑走能力、及び音波伝達を有する接触媒体を得るために、そのような少量のゲル形成剤で十分であり得ることが示された。
【0030】
洗浄剤は、非イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤の混合物である。 本発明の知識がある当業者は、適切な非イオン性界面活性剤を選択することができる。 好ましくは、洗浄剤は、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポロキサマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される。本発明による接触媒体の好ましい実施形態によれば、洗剤の80重量%以上 、好ましくは90重量%以上がポリエトキシル化ヒマシ油である。 本発明による接触媒体のさらに好ましい実施形態によれば、洗浄剤全体が、Cremophor(登録商標)又はKolliphor(登録商標)の名前で市販されているポリエトキシル化ヒマシ油である。下記の実施例では、製品Kolliphor(登録商標)RH40(別名Cremophor(登録商標)RH40;マクロゴルグリセロールヒドロキシステアレート、PEG-40ヒマシ油;CAS番号:61788-85-0;Merck KGaA、Darmstadt、Germany)を使用した。
【0031】
1つの有利な実施形態によれば、本発明による接触媒体は、0.075~0.5重量%の洗浄剤を含有する。驚くべきことには、本明細書に記載の特性及び利点、特に優れたフィルム形成特性、滑走能力及び音波伝達を有する本発明による組成物中の接触媒体を得るためには、そのような少量の洗浄剤で十分であり得ることが示された。
【0032】
乳化剤は、グリセロールモノ脂肪酸エステル及びグリセロールジ脂肪酸エステル及びそれらの混合物からなる群から選択され、ここで、残りの脂肪酸は、好ましくはC7-C20-飽和脂肪酸、C16-C20-モノ不飽和脂肪酸、及び/又はC18-C20-ジ不飽和脂肪酸に由来し、好ましくはステアリン酸、オレイン酸、カプリル酸、カプリン酸及び/又はリノレン酸に由来する。
【0033】
本発明による接触媒体の好ましい実施形態によれば、乳化剤の80重量%以上、好ましくは90重量%以上がグリセロールモノ脂肪酸エステルである。 本発明による接触媒体のさらに好ましい実施形態によれば、乳化剤全体がグリセロールモノ脂肪酸エステルである。 本発明による適切な市販の乳化剤は、Imwitor(登録商標)の名前で入手することができる。以下に記載する実施例では、IOI Oleo GmbH(Hamburg、Germany)から入手可能な製品Imwitor(登録商標)742、グリセロールモノカプリロカプレート(マクロゴール-6-グリセロールカプリロカプレート)を使用した。
【0034】
1つの有利な実施形態によれば、本発明による接触媒体は、0.2~0.8重量%の乳化剤を含有する。驚くべきことには、本明細書に記載の特性及び利点、特に優れたフィルム形成特性、滑走能力及び音波伝達を有する本発明による組成物中の接触媒体を得るためには、そのような少量の乳化剤で十分であり得ることが示された。
【0035】
さらに有利な実施形態によれば、本発明による接触媒体は、0.1~0.3重量%のゲル形成剤、0.075~0.5重量%の洗浄剤、及び0.2~0.8重量%の乳化剤を含有する。
【0036】
本発明による接触媒体は、材料の使用量が少なく、従って安価な製造可能性及びその高い流動性、すなわち市販の接触媒体ゲルと比較して低粘度であるにもかかわらず、完全に水ベースでその有利な特性を発現する。 追加成分としての一価アルカノール、特にエタノールの添加は必要ない。したがって、本発明による接触媒体は、フィルム形成と音波伝達に関して満足できる製品を得るために 3 ~ 5体積% の割合のエタノールを必要とするが、エタノール含有量のために超音波デバイスのユーザーとメーカーによって受け入れられない、既知の高度に流動性のある接触媒体と比較して利点も有する。少量のエタノールは、本発明による接触媒体において破壊的ではないが、それ以上の利点をもたらさず; むしろ、既知の欠点をもたらす。 従って、本発明による接触媒体は、一価アルカノールを多くても1重量%、好ましくは多くても0.5重量%含み、特に好ましくは一価アルカノールを含まないことが好都合である。
【0037】
本発明による接触媒体の有利な特性は、ゲル形成剤、洗浄剤、及び乳化剤の成分を本発明による濃度で組み合わせた場合にのみ達成された。 これらの成分のそれぞれの化学的及び物理的特性は、一般的に知られていた。 予想外であり、従って驚くべきことは、特にソノグラフィーにおいて優れた特性を有する接触媒体を形成するために、本発明による組合せ及び本発明による低濃度でのそれらの協力であった。本発明による接触媒体中の成分の効果は、個々の成分の特性の純粋な相加効果を超えている。 この効果は、以下の例の結果によって示される。 実際、個々の成分の特性が知られているため、成分の組み合わせには不利な点が予想されていました。 したがって、本発明による接触媒体の有利な特性は、成分の相乗効果、それ自体は予想されなかった効果に基づいていると考えられる。 個々の成分を省略したり、本発明の範囲外の濃度で使用した実験により、この効果が確認された。
【0038】
例えば、従来の接触媒体ゲルにおいて、連続した接触媒体フィルムの形成及び皮膚上での超音波プローブヘッドの良好な滑走能力は、実質的に高濃度のゲル形成剤に起因する。 従来の接触媒体ゲルよりも高い流動性又は低い粘度の一貫性を実現するために、ゲル形成剤の濃度を大幅に低くすると、フィルム形成及び滑り特性が悪化することが最初に予想された。実際、本発明による低濃度のゲル形成剤では、洗浄剤と乳化剤の2つのさらなる成分がなくても、球形のゲル滴の形成及び泡の形成さえ観察されるが、これはソノグラフィーの接触媒体としての適合性に反する。本発明による洗浄剤の添加は、表面張力の変化による可能性がある球状ゲル液滴の形成を減少させたが、フィルム形成特性は依然として不十分であった。さらに、かなりの量の気泡 (泡の形成) が形成されたため、このゲル形成剤と洗浄剤の組み合わせは、ソノグラフィーの接触媒体として使用できないように見え、なぜならば接触媒体は、音波を皮膚に結合する際のエアポケットの破壊的な影響を排除するためのものであるからである。乳化剤のみをゲル形成剤に添加すると、フィルム形成特性がわずかに改善されたが、液滴と泡の形成は依然として観察された。ゲル形成剤、洗浄剤、及び乳化剤の本発明の組み合わせにおいてのみ、特に良好なフィルム形成及び滑り特性、破壊的気泡の有意な減少又は消失、及び良好な音波伝達が、低濃度にもかかわらず見出された。
【0039】
材料の使用量が少なく、したがって安価に製造できるため、本発明による組み合わせには、市販のコンタクトジェルと同等またはそれ以上の音波伝達特性を有し、そして同時に、噴霧性などの高い流動性と、重大なフィルムの破損や良好な滑走能力がなく、処理された皮膚領域を完全にカバーするため、取り扱いと使用に利点を有する接触媒体をもたらした。本発明による接触媒体の有利な特性は、少なくとも患者が快適に感じる温度、例えば37℃(体温)まで接触媒体を加熱した場合にも保持される。 さらに、遠くから噴霧される接触媒体を使用する場合、細菌感染のリスクは非常に低くなる。
【実施例
【0040】
試験シリーズでは、ゲル形成剤、洗浄剤、及び/又は乳化剤の異なる組成物が、個別に、異なる組み合わせで、及び異なる濃度で製造され、そして膜形成、湿潤、接触媒体膜の耐久性、気泡の形成、ポンプスプレーボトルからの噴霧性、滑走特性(プローブヘッドの皮膚上での滑走能力を含む)、ソノグラフィーの接触媒体としての適合性(音波伝達)などの特性を調べた。組成物のこれらの特性は、患者の「インビトロ」モデル及び「インビボ」モデルの両方を使用して試験された。
【0041】
インビトロモデル
インビトロモデルにおいて、患者の皮膚は、わずかに粗い表面を有する市販のオフィスフィルムラッパーによってシミュレートされ、プローブヘッドの接触面は、特に滑らかな表面を有するフィルムラッパーによってシミュレートされた。 接触媒体フィルムの形成、均一性、及び耐久性を、わずかに粗い表面を有するオフィスホイルラッパーで試験した。接触媒体フィルムの均一性は視覚的に評価され、耐久性は経時的な観察を通じて評価された。 接触媒体の滑り特性も試験し、組成物を使い捨ての PE 手袋で擦ることによって比較評価した。 気泡の形成又は非存在を視覚的に評価した。
【0042】
噴霧性は、市販のスプレーボトルから組成物をスプレーする際にノズルから出るスプレーコーンを観察することによって評価した。 約 30°の噴霧コーン角度で良好な噴霧性が想定され、50°の噴霧コーン角度で非常に良好な噴霧性が想定された。
【0043】
インビボモデル
患者の「インビボ」モデルにおいて、組成物の特性は、従来のソノグラフィーと同様に接触媒体として試験された。 得られたソノグラフィー画像を、医療用ソノグラフィーで使用される市販の接触媒体ゲル(Sonogel、Sonogel Vertriebs GmbH)で得られた画像と比較することにより、接触媒体の音波伝達特性を視覚的に評価した。 同じ患者で、同じ臓器の顕著な臓器構造が、異なる組成の接触媒体で画像化された。
【0044】
均一な液体膜の気泡のない形成とプローブヘッドの滑走能力も、患者のインビボモデルで評価され、濡れた領域の限界を超えたときの液体膜の担持も評価された。
【0045】
組成物の調製
以下に記載する実験では、組成物を調製するために以下の成分を使用した:
a) ゲル形成剤: ヒドロキシエチルセルロース (Natrosol(登録商標)250HX)
b) 洗浄剤: ポリエトキシ化ヒマシ油 (Kolliphor(登録商標)RH40、CAS♯ 61788-85-0)
c) 乳化剤: グリセロール モノカプリロカプレート (Imwitor(登録商標)742)。
【0046】
ゲル形成剤Natrosolは粉末として存在し、洗浄剤Kolliphor と乳化剤 Imwitor はワックス状の塊として存在する。 Imwitor は、製造開始前に 60℃ の加熱チャンバーで約12時間均質化される。 Kolliphor と水 (蒸留水) も 60℃ に予熱する。 撹拌しながら、60℃に予熱したImwitorを最初に撹拌しながら水に入れ、次にKolliphorを撹拌しながら加える。続いて、凝集を避けるために強く撹拌しながら、少量のNatrosol粉末を徐々に導入する。 組成物は均一になるまで攪拌され、その後冷却され、製造中に形成された泡が崩壊するまで放置される。 次に、組成物を充填し、該当する場合はオートクレーブで滅菌することができる。
【0047】
防腐剤などの添加剤は、Kolliphor の添加後及び/又は Natrosol の攪拌後に導入し、攪拌によって溶解することができる。 pHレベルは、Kolliphorの添加後及び/又はNatrosolの攪拌後に、酸又は緩衝液、例えばクエン酸を添加することによって進行中のpHレベル測定で調整することができる。 約5.5~5.6のpHレベルを達成するために、約1.5~2.0重量%のクエン酸が従来の組成物に使用された。
【0048】
実施例1
試験シリーズでは、本発明による個々の成分(ゲル形成剤、洗浄剤、及び乳化剤)、2つの成分の組み合わせ、及び3つの成分すべての組み合わせが最初に調査され、異なる特性に関して異なる組成物で評価された (A ~I)。 調査及び評価された特性 (A ~I) 及び評価基準を以下の表 1にまとめる。 結果を以下の表2及び3に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3-1】
【表3-2】
【0052】
実施例2
実施例1、表3からの組成物の中から、有望な混合物を選択し、さらに希釈し、患者の皮膚で「インビボ」で試験した。 音響透過特性は、全ての混合物で同等に良好であった。
【0053】
選択した組成物を調査し、さまざまな特性 (J ~ N) について評価した。 市販の接触媒体ゲル(Sonogel、Sonogel Vertriebs GmbH)を比較組成物として使用した。 調査及び評価された特性 (J ~ N) 及び評価基準を以下の表 4 にまとめ、結果を以下の表 5 に示す。
【0054】
【表4】
【0055】
実施例3
実施例2、表5からの組成物#28(0.5%Imwitor、0.125%Kolliphor、0.2%Natrosol)に基づいて、水を加えて様々な希釈液を調製した (#28/水: 2/1=66%; 1/1=50%; 1/2=33%)。 希釈していない組成物(1/0=100%)と比較して噴霧挙動を評価した。 組成物のpHレベルは5.9であった。 先の試験Aの後に、いずれの組成物においても泡の形成は観察されなかった。
【0056】
さらなる工程において、希釈物及び未希釈組成物を防腐剤(0.4重量%安息香酸ナトリウム+0.15重量%ソルビン酸カリウム)と混合し、異なる濃度のクエン酸を添加し、pHレベルを再度測定した。 防腐剤の添加は、組成物の開始pHレベルを変化させなかった。 結果を以下の表6に示す。
【0057】
実施例4
実施例3からの組成物#28(0.5% Imwitor、0.125% Kolliphor、0.2% Natrosol)及びその希釈物を、実施例2の試験J、K、M、及びNに従って、噴霧特性、フィルム形成、及び滑走能力について評価した。さらに、0.8mLの組成物を20cm の皮膚の表面積上に広げ、周囲温度で1時間後に表面損失を測定するという乾燥によって、物質の損失を評価した。 結果を以下の表7に示す。
【0058】
実施例5
比重は組成物#10、14、17、23、28から決定され、流動性はDIN EN ISO 2431:2020-02に従って25℃及び37℃で測定された。 結果を以下の表8に示す。
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】
【表8】
サンプル#28xは、サンプル#28と比較して防腐剤(0.4重量%安息香酸ナトリウム+0.15重量%ソルビン酸カリウム)も含み、そしてクエン酸でpHレベル=5.6に調整された。
【0063】
結果についての議論
純水は流動性が高く、噴霧性にも優れており、気泡も発生しない。 しかしながら、同様に非常に良好に噴霧可能であり、気泡の形成を全く示さないか、わずかしか示さない本発明による接触媒質組成物と比較して、水は液膜を形成することなく皮膚から離れた。 従って、水だけでは接触媒体として使用できない。
【0064】
本発明によるゲル形成剤、洗浄剤、及び乳化剤の組み合わせのみが、優れた特性、特に良好な滑走特性、良好なフィルム形成、低または無泡形成、及び非常に良好な音響伝達特性を提供した。
【0065】
特に定量的には、ゲル化剤、洗浄剤、乳化剤の組み合わせで驚くほど良い結果が得られた。 予想通り、より高い濃度は混合物の良好な特性を示し、記載された基準に向けられた。 これらの特性が低濃度でも観察されたことは驚くべきことであった。
【0066】
本発明のさらなる利点は、従来の接触媒体ゲルと比較した、本発明による接触媒体の噴霧可能性であった。 さらに、接触媒体は、機能を失うことなく体温まで加熱することもできる。 この目的のためには、加熱装置は、例えば使用中の乳児用ミルクボトルを保温するのに適している。加熱パッドなどの他の装置も考えられる。 医療分野では、さまざまなタイプのトランスデューサや超音波技術に関係なく、媒体は診断用及び治療用の超音波の両方で使用できる。 医療用超音波への適用に加えて、本発明による接触媒体は、心電図検査(ECG)、除細動、及び医療分野外(例えば、技術的超音波)にも有利に使用できる。
【国際調査報告】