(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】ソーラーパネル架台の防水構造
(51)【国際特許分類】
H02S 30/10 20140101AFI20231226BHJP
【FI】
H02S30/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528733
(86)(22)【出願日】2021-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 CN2021073884
(87)【国際公開番号】W WO2022160110
(87)【国際公開日】2022-08-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513259609
【氏名又は名称】向陽農業生技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Sunny Rich Agric.& Biotech CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】12F.,NO.99,SEC.2,DUN-HUA S.RD.,TAIPEI CITY TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 貴光
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251BA18
5F251JA09
5F251JA12
(57)【要約】
【課題】 本発明はソーラーパネル架台の防水構造を提供する。
【解決手段】 ソーラーパネル架台の防水構造は、ソーラーパネル1、フレーム2、枠体3及びシールストリップ4を含む。ソーラーパネル1は上表面11、下表面12及び4つの側面13を有する。フレーム2はソーラーパネル1の側面位置に設置され、上接合板21、下接合板22を備え、上接合板21と下接合板22の間に立板24が連結して設置され、立板24は非平面であり且つソーラーパネル1との接合方向又は離れる方向に向いた少なくとも1つの凸部241が設けられ、凸部241の反対側は凹部242が形成される。枠体3はフレーム2の下方に設置され且つ下接合板22と接続固定される。シールストリップ4は2つの隣接するソーラーパネル1のフレーム2間に設置され、2つの隣接するフレーム2の立板24間に上障壁及び下障壁を形成する。これにより優れた組み立ての利便性と防水効果がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のソーラーパネルであって、それぞれ長方形状を呈しており、上表面、下表面及び4つの側面を備えた前記ソーラーパネルと、
複数のフレームであって、硬質材料で製造され、それぞれ前記ソーラーパネルの1つの側面位置に設置され、前記ソーラーパネルの上表面に対して平行且つ前記ソーラーパネルと接合される上接合板と、前記上接合板に対して平行且つ前記ソーラーパネルの下表面と間隔を有する下接合板を備え、また前記上接合板と前記下接合板の間には立板が連結して設置され、また前記立板は非平面であり且つ前記ソーラーパネルとの接合方向又は離れる方向に向いた少なくとも1つの凸部が設けられており、前記凸部の反対側は凹部が形成されている、複数の前記フレームと、
前記フレームの下方に設置され且つ前記下接合板と接続固定される複数の枠体と、
複数のシールストリップであって、軟質の防水可能な材質で製造され、2つの隣接する前記ソーラーパネルのフレーム間に設置されて、2つの隣接する前記フレームの前記立板間に上障壁及び下障壁を形成することができる複数の前記シールストリップと、を含むことを特徴とするソーラーパネル架台の防水構造。
【請求項2】
前記フレームの立板には前記ソーラーパネルとの接合方向に向いた少なくとも1つの凸部が設けられ、前記凸部は反対側に前記ソーラーパネルとの接合方向に向いた凹部を備え、また前記シールストリップは隣接する前記フレームの立板の凹部と対応する位置に前記凹部と密着可能な凸縁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のソーラーパネル架台の防水構造。
【請求項3】
前記フレームの前記立板には前記ソーラーパネルとの接合方向と離れる方向に向いた少なくとも1つの凸部が設けられ、前記凸部は反対側に前記ソーラーパネルとの接合方向と離れる方向に向いた凹部を備え、また前記シールストリップは隣接する前記フレームの前記立板の凸部と対応する位置に前記凸部と密着可能な溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のソーラーパネル架台の防水構造。
【請求項4】
前記シールストリップは2つの隣接する前記フレームの立板間に設置される垂直区間を備えており、前記垂直区間の上方には2つの隣接する前記フレームの上方に突出し且つ2つの前記フレームの上接合板と当接する上シール部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のソーラーパネル架台の防水構造。
【請求項5】
2つの隣接する前記ソーラーパネルのフレームの立板の凸部はそれぞれ前記ソーラーパネルとの接合方向向きと離れる方向向きであり、且つ一方の前記フレームの凹部はもう一方の前記フレームの凸部の位置と対応することができ、また前記シールストリップは一方の前記フレームの凹部と密着可能な凸縁及びもう一方の前記フレームの凸部と密着可能な溝を備えていることを特徴とする請求項1に記載のソーラーパネル架台の防水構造。
【請求項6】
前記フレームは前記上接合板の下方に前記ソーラーパネルの下表面を挟むことができる挟板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のソーラーパネル架台の防水構造。
【請求項7】
前記フレームはアルミ材によって製造されることを特徴とする請求項1に記載のソーラーパネル架台の防水構造。
【請求項8】
前記シールストリップはゴム材料によって製造されることを特徴とする請求項1に記載のソーラーパネル架台の防水構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に優れた組み立ての利便性と防水構造を備え得る、ソーラーパネル架台の防水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽エネルギーは火力発電よりもクリーンなエネルギー源であり、火力発電の過度な使用によって引き起こされる大気汚染を低減し得る。太陽光発電設備は、一般的には同一平面に配列された複数のソーラーパネルを備えている。ソーラーパネルは長方形状で、4つの側面の位置にフレームが接合され、フレームは支柱と組み合わせて地面や建築物上に設置することができる。ところが、隣接するソーラーパネルのフレーム間には水が染み込む隙間があり、降雨時にソーラーパネルの下方の建築物に水が溜まってしまうだけでなく、フレームに水気が溜まってソーラーパネルに影響を及ぼしたり、ソーラーパネルの破損や欠損が生じやすくなったりしていた。
【0003】
隣接するソーラーパネル間における水漏れの状態を改善するために、現在では2つの隣接するソーラーパネルのフレーム間に特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5のような構造を設置することができるが、それらの構造は主に2つの隣接するソーラーパネルフレームの上方と下方それぞれに1つの組立部材が設置され、2つの組立部材を連結するか又はフレームと組み合わせることで防水の目的を達成するものである。しかし、この構造は構成部材が複雑で、組み立てにくいという欠点があった。また、特許文献6及び特許文献7のような構造では、2つの隣接するソーラーパネルのフレーム両側の垂直面にパッドや詰め物を設置して防水の目的を達成するが、垂直面とパッド又は詰め物が密着しにくく、垂直面から水が容易に下へ流れてしまい、防水性が良くないという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾特許第I703298号公報
【特許文献2】台湾実用新案第M599891号公報
【特許文献3】台湾実用新案第M594310号公報
【特許文献4】台湾実用新案第M576650号公報
【特許文献5】台湾実用新案第M574218号公報
【特許文献6】台湾実用新案第M599506号公報
【特許文献7】台湾実用新案第M587262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、優れた組み立ての利便性と防水構造を備えるソーラーパネル架台の防水構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明は、複数のソーラーパネルであって、各ソーラーパネルは長方形状を呈しており、上表面、下表面及び4つの側面を備えたソーラーパネルと、複数のフレームであって、硬質材料で製造され、それぞれソーラーパネルの1つの側面位置に設置され、ソーラーパネルの上表面に対して平行且つソーラーパネルと接合される上接合板と、上接合板に対して平行且つソーラーパネルの下表面と間隔を有する下接合板を備え、また上接合板と下接合板の間には立板が連結して設置され、また立板は非平面であり且つソーラーパネルとの接合方向又は離れる方向に向いた少なくとも1つの凸部が設けられており、凸部の反対側は凹部が形成されている、複数のフレームと、フレームの下方に設置され且つ下接合板と接続固定される複数の枠体と、複数のシールストリップであって、軟質の防水可能な材質で製造され、それぞれ2つの隣接するソーラーパネルのフレーム間に設置されて、2つの隣接するフレームの立板間にシールストリップによって上障壁及び下障壁を形成することができる複数のシールストリップと、を含む。
【0007】
好ましくは、フレームの立板にはソーラーパネルとの接合方向に向いた少なくとも1つの凸部が設けられ、凸部は反対側にソーラーパネルとの接合方向に向いた凹部を備え、またシールストリップは隣接するフレームの立板の凹部と対応する位置に凹部と密着可能な凸縁が設けられている。
【0008】
好ましくは、フレームの立板にはソーラーパネルとの接合方向と離れる方向に向いた少なくとも1つの凸部が設けられ、凸部は反対側にソーラーパネルとの接合方向と離れる方向に向いた凹部を備え、またシールストリップは隣接するフレームの立板の凸部と対応する位置に凸部と密着可能な溝が設けられている。
【0009】
好ましくは、シールストリップは2つの隣接するフレームの立板間に設置される垂直区間を備えており、垂直区間の上方には2つの隣接するフレームの上方に突出し且つ2つのフレームの上接合板と当接する上シール部を備えている。
【0010】
好ましくは、2つの隣接するソーラーパネルのフレームの立板の凸部はそれぞれソーラーパネルとの接合方向向きと離れる方向向きであり、且つ一方のフレームの凹部はもう一方のフレームの凸部の位置と対応することができ、またシールストリップは一方のフレームの凹部と密着可能な凸縁及びもう一方のフレームの凸部と密着可能な溝を備えている。
【0011】
好ましくは、フレームは上接合板の下方にソーラーパネルの下表面を挟むことができる挟板が設けられている。
【0012】
好ましくは、フレームはアルミ材で製造される。
【0013】
好ましくは、シールストリップはゴム材料で製造される。
【発明の効果】
【0014】
本発明のソーラーパネル架台の防水構造によると、フレームの立板が備える凸部がリブを形成してフレームの強度を高めることができ、且つフレームとソーラーパネルのねじり剛性効果を高めることができる。また、本発明のソーラーパネル架台の防水構造は1つのシールストリップ構成部材と2つの隣接するフレームによって防水シールされ、組み立てが簡便である。また、シールストリップとフレームの非平面な立板が密着し、優れた組み立ての安定性と密着性を備えることができ、且つシールストリップに緩衝・ダンピング効果を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施例のソーラーパネル架台の防水構造の部分分解図である。
【
図2】本発明の第1実施例のソーラーパネル架台の防水構造の部分組立断面図である。
【
図3】本発明の第1実施例のソーラーパネル架台の防水構造の組立立体図である。
【
図4】本発明の第2実施例のソーラーパネル架台の防水構造の組立断面図である。
【
図5】本発明の第3実施例のソーラーパネル架台の防水構造の組立断面図である。
【
図6】本発明の第4実施例のソーラーパネル架台の防水構造の組立断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0016】
以下の各実施例中、本発明のソーラーパネル架台の防水構造において機能が同様の構成要素は同じ符号で示している。
図1~
図3を参照されたい。本発明の第1実施例のソーラーパネル架台の防水構造は、複数のソーラーパネル1、複数のフレーム2、複数の枠体3及び複数のシールストリップ4を含み、ソーラーパネル1は長方形状を呈しており、上表面11、下表面12及び4つの側面13を備えている。
【0017】
複数のフレーム2はアルミ又は他の硬質材料で製造される。各フレーム2は、ソーラーパネル1の1つの側面13の位置に設置され、ソーラーパネル1の上表面11に対して平行且つソーラーパネル1と接合される上接合板21と、上接合板21に対して平行且つソーラーパネル1の下表面12と間隔を有する下接合板22を備える。また上接合板21の下方にはソーラーパネル1の下表面12を挟むことができる挟板23が設けられている。また上接合板21と下接合板22の間には立板24が連結して設置され、立板24は非平面であり且つソーラーパネル1との接合方向に向いた2つの円弧形凸部241が設けられており、凸部241の反対側は凹部242が形成されている。
【0018】
枠体3はフレーム2の下方に設置され、且つ接合部材により下接合板22と接続固定されている。
【0019】
シールストリップ4はゴム又は他の軟質の防水可能な材質で製造され、密な嵌合、接着又は他の適当な方法により2つの隣接するソーラーパネル1のフレーム2間に設置され、且つシールストリップ4によって2つの隣接するフレーム2の立板24に上障壁及び下障壁を形成させることができる。また、シールストリップ4は、隣接するフレーム2の立板24の2つの凹部242と対応する位置に2つの凹部242と密着可能な凸縁41が設けられている。また、シールストリップ4は、2つの隣接するフレーム2の立板24間に設けられる垂直区間42を備えており、垂直区間42の上方には2つの隣接するフレーム2の上方に突出し且つ2つの上接合板21と当接する上シール部43を備えている。
【0020】
本発明のソーラーパネル架台の防水構造は、ソーラーパネル1の4つの側面13のそれぞれを4つのフレーム2の上接合板21と挟板23の間に挿入してから接着するか又は他の適当な方法で接合固定することができる。また、本発明のソーラーパネル架台の防水構造は、フレーム2の立板24が備える凸部241がリブを形成することでフレーム2の強度を向上させることができ、且つフレーム2とソーラーパネル1のねじり剛性の強度を向上させることができる。
【0021】
本発明のソーラーパネル架台の防水構造は、1つのシールストリップ4と2つの隣接するフレーム2によって防水シールされ、既知の上・下組立部材を組み合わせる構造よりも組み立てが簡便である。また、シールストリップ4とフレーム2の非平面な立板24が密着し、優れた組み立ての安定性と密着性を備えることができ、且つソーラーパネル1の上方に溜まった水がシールストリップ4の凸縁41とフレーム2の凹部242により形成される折れ曲がった障壁のおかげでソーラーパネル1の下方に落ちて行かず、確かな防水効果を備えることができる。また、本発明のソーラーパネル架台の防水構造は、シールストリップ4の上シール部43が2つの隣接するフレーム2の上方の隙間を塞ぐことができ、防水効果をより良好にすることができる。また、シールストリップ4の軟質特性は、フレーム2に熱膨張・低温収縮をさせたり、地震時の緩衝・ダンピング効果を持たせたりすることができる。
【実施例2】
【0022】
本発明の第2実施例のソーラーパネル架台の防水構造である
図4を参照されたい。第2実施例は第1実施例と類似しているが、異なる点として、フレーム2の凸部241がアンダーカット形状になっており、第1実施例の円弧形凸部と形状が異なっており、且つシールストリップ4の凸縁41が第1実施例の凸縁形状と異なっており、異なる形状の設計も本発明が求める効果を備えることができる。
【実施例3】
【0023】
本発明の第3実施例のソーラーパネル架台の防水構造である
図5を参照されたい。第3実施例は第1実施例と類似しているが、異なる点として、2つの隣接するソーラーパネル1のフレーム2の凸部241はそれぞれソーラーパネル1との接合方向向きと離れる方向向きであり、且つ一方のフレーム2の凹部242をもう一方のフレーム2の凸部241の位置と対応させており、またシールストリップ4は、一方のフレーム2の凹部242と密着可能な凸縁41及びもう一方のフレーム2の凸部241と密着可能な溝44を備えており、本発明が求める防水効果を備えることができ、且つ2つの隣接するフレーム2の凸部241と凹部242の位置が対応することによって組み立ての安定性をより優れたものにさせることができる。
【実施例4】
【0024】
本発明の第4実施例のソーラーパネル架台の防水構造である
図6を参照されたい。第4実施例は第1実施例と類似しているが、異なる点として、シールストリップ4の断面が楕円柱形状になっており、第1実施例の垂直区間と上シール部を備えておらず、シールストリップ4の凸縁41とフレーム2の凹部242を密着させることができ、且つ本発明が求める防水効果を備えることができる。
【0025】
上述により、本発明は組み立ての簡便性、より良好な防水シール性を備えることができ、フレームとソーラーパネルの強度を向上させることができ、緩衝・ダンピング効果を備えることができる。また、本発明のソーラーパネルはフレームの上接合板と直接組み合わせてもよく、フレームの挟板は必ずしも設ける必要はない。上述の実施例は本発明を例示するものであり、決して本発明を限定するものではなく、本発明の精神に基づく同等の効果が得られる改変はすべて本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0026】
1 ソーラーパネル
11 上表面
12 下表面
13 側面
2 フレーム
21 上接合板
22 下接合板
23 挟板
24 立板
241 凸部
242 凹部
3 枠体
4 シールストリップ
41 凸縁
42 垂直区間
43 上シール部
44 溝
【国際調査報告】