(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】無線周波数信号ミキシング・システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H03D 7/12 20060101AFI20231226BHJP
H01G 7/06 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
H03D7/12 Z
H01G7/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530297
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 US2021059617
(87)【国際公開番号】W WO2022108966
(87)【国際公開日】2022-05-27
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500047848
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】ホック,ジョセフ・エム
(72)【発明者】
【氏名】カイン,ジェフリー・シー
(57)【要約】
多層セラミック無線周波数ミキサは、第1終端と、第2終端と、第3終端と、第4終端とを含むことができる。複数の交互配置電極は、第1終端と接続された第1組の電極と、第2終端と接続された第2組の電極と、第3終端と接続された第3組の電極と、第4終端と接続された第4組の電極とを含んでもよい。複数の交互配置電極のそれぞれの電極間に、複数の誘電体層を挟んでもよい。複数の誘電体層の誘電率は、複数の交互配置電極に印加されるDCバイアス電圧に応答して、10%未満だけ変化してもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層セラミック無線周波数ミキサであって、
第1終端、第2終端、第3終端、および第4終端と、
複数の交互配置電極であって、
前記第1終端と接続された第1組の電極と、前記第2終端と接続された第2組の電極と、前記第3終端と接続された第3組の電極と、前記第4終端と接続された第4組の電極とを含む、複数の交互配置電極と、
前記複数の交互配置電極のそれぞれの電極間に挟まれた複数の誘電体層と、
を備え、
前記複数の誘電体層の誘電率が、前記複数の交互配置電極に印加されたDCバイアス電圧に応答して、10%未満だけ変化する、多層セラミック無線周波数ミキサ。
【請求項2】
請求項1記載の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、前記複数の誘電体層には、1つ以上の強誘電体基本相を含む基本組成がない、多層セラミック無線周波数ミキサ。
【請求項3】
請求項1記載の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、前記複数の誘電体層には、調整可能な誘電体材料がない、多層セラミック無線周波数ミキサ。
【請求項4】
請求項1記載の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、前記複数の誘電体層が、IEC60250にしたがって1MHzの周波数において判定した際に、約10以下の誘電率を呈する誘電体材料を含む、多層セラミック無線周波数ミキサ。
【請求項5】
請求項1記載の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、前記複数の誘電体層が、IEC60250にしたがって1MHzの周波数において判定した際に、約0.1以下の誘電正接を呈する誘電体材料を含む、多層セラミック無線周波数ミキサ。
【請求項6】
請求項1記載の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、前記多層セラミック・コンポーネントが、第1側面と、前記第1側面と平行で前記第1側面に対向する第2側面とを含み、前記第1終端が前記第1側面上に配置され、前記第2終端が前記第2側面上に配置される、多層セラミック無線周波数ミキサ。
【請求項7】
請求項6記載の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、前記多層セラミック・コンポーネントが、前記第1側面と垂直な第3側面を含み、前記多層セラミック・コンポーネントが、前記第3側面と平行で第4側面に対向する第4側面を含み、前記第3終端が前記第3側面上に配置され、前記第4終端が前記第4側面上に配置される、多層セラミック無線周波数ミキサ。
【請求項8】
請求項1記載の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、前記第1組の電極が1対の電極を含み、前記第2組の電極からの少なくとも1つの電極(on electrode)および前記第3組の電極または前記第4組の電極からの少なくとも1つの電極が、前記第1組の電極の1対の電極間に挟まれる、多層セラミック無線周波数ミキサ。
【請求項9】
請求項1記載の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、前記第1組の電極が1対の電極を含み、前記第2組の電極からの少なくとも1つの電極(on electrode)、前記第3組の電極からの少なくとも1つの電極、および前記第4組の電極からの少なくとも1つの電極が、前記第1組の電極の1対の電極間に挟まれる、多層セラミック無線周波数ミキサ。
【請求項10】
請求項1記載の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、前記複数の交互配置電極が、前記第1組の電極、前記第2組の電極、前記第3組の電極、および前記第4組の電極の各々から1つの電極を含む、4つの電極の繰り返し積層パターンで交互配置される、多層セラミック無線周波数ミキサ。
【請求項11】
請求項1記載の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、前記第3組の電極からの電極数に対する、前記第1組の電極からの電極数の比率が、1よりも大きい、多層セラミック無線周波数ミキサ。
【請求項12】
請求項1記載の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、前記第3組の電極からの電極数に対する、前記第1組の電極からの電極数の比率が、1よりも小さい、多層セラミック無線周波数ミキサ。
【請求項13】
無線周波数ミキサ・システムであって、
多層セラミック・コンポーネントであって、
第1終端、第2終端、第3終端、および第4終端と、
複数の交互配置電極であって、
第1終端と接続された第1組の電極と、
第2終端と接続された第2組の電極と、
第3終端と接続された第3組の電極と、
第4終端と接続された第4組の電極とを含む、複数の交互配置電極と、
複数の交互配置電極のそれぞれの電極間に挟まれた複数の誘電体層と、
を含む、多層セラミック・コンポーネントと、
前記多層セラミック・コンポーネントの第2終端に関して、前記第1終端に第1信号を印加するように構成された第1信号源と、
前記多層セラミック・コンポーネントの第3終端に第2信号を印加するように構成された第2信号源と、
を備え、多層セラミック・コンポーネントが、第1信号および第2信号に基づいて、第4終端において混合信号を出力するように構成される、無線周波数ミキサ・システム。
【請求項14】
請求項13記載の無線周波数ミキサ・システムにおいて、前記複数の誘電体層が、IEC60250にしたがって1MHzの周波数において判定した際、約10以下の誘電率を呈する誘電体材料を含む、無線周波数ミキサ・システム。
【請求項15】
請求項13記載の無線周波数ミキサ・システムにおいて、前記複数の誘電体層が、IEC60250にしたがって1MHzの周波数において判定した際、約0.1以下の誘電正接を呈する誘電体材料を含む、無線周波数ミキサ・システム。
【請求項16】
請求項13記載の無線周波数ミキサ・システムにおいて、前記複数の誘電体層には、1つ以上の強誘電体基本相を含む基本組成がない、無線周波数ミキサ・システム。
【請求項17】
請求項13記載の無線周波数ミキサ・システムにおいて、前記複数の誘電体層の誘電率が、複数の交互配置電極に印加されるDCバイアス電圧に応答して、10%未満だけ変化する、無線周波数ミキサ・システム。
【請求項18】
請求項13記載の無線周波数ミキサ・システムにおいて、前記第1組の電極が1対の電極を含み、前記第2組の電極からの少なくとも1つの電極(on electrode)および前記第3組の電極または前記第4組の電極からの少なくとも1つの電極が、前記第1組の電極の1対の電極間に挟まれる、無線周波数ミキサ・システム。
【請求項19】
請求項13記載の無線周波数ミキサ・システムにおいて、前記第1組の電極が1対の電極を含み、前記第2組の電極からの少なくとも1つの電極(on electrode) 、前記第3組の電極からの少なくとも1つの電極、および前記第4組の電極からの少なくとも1つの電極が、前記第1組の電極の1対の電極間に挟まれる、無線周波数ミキサ・システム。
【請求項20】
請求項13記載の無線周波数ミキサ・システムにおいて、前記複数の交互配置電極が、第1組の電極、第2組の電極、第3組の電極、および第4組の電極の各々からの1つの電極を含む、4つの電極の繰り返し積層パターンで交互配置される、無線周波数ミキサ・システム。
【請求項21】
請求項13記載の無線周波数ミキサ・システムにおいて、第3組の電極からの電極数に対する、前記第1組の電極からの電極数の比率が、1よりも大きい、無線周波数ミキサ・システム。
【請求項22】
請求項13記載の無線周波数ミキサ・システムにおいて、第3組の電極からの電極数に対する、前記第1組の電極からの電極数の比率が、1よりも小さい、無線周波数ミキサ・システム。
【請求項23】
請求項13記載の無線周波数ミキサ・システムにおいて、前記第1信号源または第2信号源の少なくとも1つが、ローカル・オシレータを含む、無線周波数ミキサ・システム。
【請求項24】
請求項13記載の無線周波数ミキサ・システムにおいて、前記第1信号源が、第1終端に第1信号を印加するように構成され、多層セラミック・コンポーネントの第2終端が接地される、無線周波数ミキサ・システム。
【請求項25】
請求項13記載の無線周波数ミキサ・システムにおいて、前記複数の誘電体層には調整可能な誘電体材料がない、無線周波数ミキサ・システム。
【請求項26】
請求項13記載の無線周波数ミキサ・システムにおいて、前記多層セラミック・コンポーネントが、第1側面と、前記第1側面と平行で前記第1側面に対向する第2側面とを含み、前記第1終端が前記第1側面上に配置され、前記第2終端が前記第2側面上に配置される、無線周波数ミキサ・システム。
【請求項27】
請求項26記載の無線周波数ミキサ・システムにおいて、前記多層セラミック・コンポーネントが、前記第1側面と垂直な第3側面を含み、前記多層セラミック・コンポーネントが、前記第3側面と平行で第4側面に対向する第4側面を含み、前記第3終端が前記第3側面上に配置され、前記第4終端が前記第4側面上に配置される、無線周波数ミキサ・システム。
【請求項28】
信号ミキシング方法であって、
多層セラミック・コンポーネントの第2終端に関して、多層セラミック・コンポーネントの第1終端に第1信号を印加するステップであって、前記多層セラミック・コンポーネントが、
第1終端、第2終端、第3終端、および第4終端と、
複数の交互配置電極であって、
前記第1終端と接続された第1組の電極と、
前記第2終端と接続された第2組の電極と、
前記第3終端と接続された第3組の電極と、
前記第4終端と接続された第4組の電極とを含む、複数の交互配置電極と、
複数の交互配置された電極のそれぞれの電極の間に挟まれた複数の誘電体層とを備える、ステップと、
前記多層セラミック・コンポーネントの第3終端に第2信号を印加するステップと、
前記第1信号および前記第2信号に基づいて、前記多層セラミック・コンポーネントの第4終端において、混合信号を受け取るステップと、
を含む、方法。
【請求項29】
請求項25記載の方法において、前記多層セラミック・コンポーネントの第1終端に前記第1信号を印加するステップが、ローカル・オシレータを使用して前記第1信号を印加するステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互引用
[0001] 本願は、2020年11月18日の出願日を有する米国仮特許出願第63/115、189号の出願権利(filing benefit)を主張する。この特許出願をここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。
【従来技術】
【0002】
[0002] 無線周波数ミキシング・コンポーネントを製造するには、通例、費用がかかる。例えば、従来のミキシング・コンポーネントは、多くの場合、シリコンのような高価な材料を含み、および/または費用がかかる製造技法を必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003] 本開示の実施形態例の1つは、多層セラミック無線周波数ミキサを対象とする。この多層セラミック無線周波数ミキサは、第1終端、第2終端、第3終端、および第4終端を含むことができる。複数の交互配置電極は、第1終端と接続された第1組の電極、第2終端と接続された第2組の電極、第3終端と接続された第3組の電極、および第4終端と接続された第4組の電極を含んでもよい。複数の誘電体層を、複数の交互配置電極のそれぞれの電極間に挟んでもよい(disposed between)。複数の誘電体層の誘電率は、複数の交互配置電極に印加されるDCバイアス電圧に応答して、10%未満だけ変化してもよい。
【0004】
[0004] 本開示の他の実施形態例は、無線周波数ミキサ・システムを対象とする。この無線周波数ミキサ・システムは、第1終端、第2終端、第3終端、および第4終端を含む多層セラミック・コンポーネントを含むことができる。多層セラミック・コンポーネントは、複数の交互配置された電極を含むことができる。複数の交互配置電極は、第1終端と接続された第1組の電極、第2終端と接続された第2組の電極、第3終端と接続された第3組の電極、および第4終端と接続された第4組の電極を含むことができる。多層セラミック・コンポーネントは、複数の交互配置電極のそれぞれの電極間に挟まれた複数の誘電体層を含むことができる。無線周波数ミキサ・システムは、多層セラミック・コンポーネントの第2終端に関して、第1信号を第1終端に印加するように構成されたダイ1信号源と、多層セラミック・コンポーネントの第3終端に第2信号を印加するように構成された第2信号源とを含むことができる。多層セラミック・コンポーネントは、第1信号および第2信号に基づいて、第4終端に、混合信号(mixed signal)を出力するように構成することができる。
【0005】
[0005] 本開示の他の実施形態例は、信号をミキシングする方法を対象とする。この方法は、多層セラミック・コンポーネントの第1終端に、多層セラミック・コンポーネントの第2終端に関して、第1信号を印加するステップを含むことができる。多層セラミック・コンポーネントは、第1終端、第2終端、第3終端、および第4終端を含むことができる。多層セラミック・コンポーネントは、複数の交互配置された電極を含むことができる。複数の交互配置電極は、第1終端と接続された第1組の電極、第2終端と接続された第2組の電極、第3終端と接続された第3組の電極、および第4終端と接続された第4組の電極を含むことができる。多層セラミック・コンポーネントは、複数の交互配置電極のそれぞれの電極間に挟まれた複数の誘電体層を含むことができる。この方法は、多層セラミック・コンポーネントの第3終端に第2信号を印加するステップと、第1信号および第2信号に基づいて、多層セラミック・コンポーネントの第4終端において混合信号を受け取るステップとを含むことができる。
【0006】
[0006] 種々の実施形態のこれらおよびその他の特徴、態様、ならびに利点は、以下の説明および添付した特許請求の範囲を参照することにより、更に深く理解されよう。この明細書に組み込まれその一部を構成する添付図面は、本開示の実施形態を例示し、説明と共に、関連する原理を説明する役割を果たす。
【0007】
[0007] 本発明の完全で実施可能な開示は、その最良の態様を含み、当業者を対象とする。本明細書の残りの部分において、添付図面を参照しながら、本開示について更に特定的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の態様にしたがって、多層セラミック・コンポーネントを使用して、無線周波数信号のような信号をミキシングするシステムの実施形態を示す。
【
図2】本開示の態様にしたがって、多層セラミック・コンポーネントを使用して、無線周波数信号のような信号をミキシングするシステムの実施形態を示す。
【
図3】本開示の態様にしたがって、無線周波数信号のような信号をミキシングする方法のフローチャートを示す。
【
図4A】本開示の態様による無線周波数ミキサ・システムの多層セラミック・コンポーネントの実施形態の断面図を示す。
【
図4B】本開示の態様による
図4Aの多層セラミック・コンポーネントの分解平面図を示す。
【
図4C】本開示の態様による
図4Aの多層セラミック・コンポーネントの分解斜視図を示す。
【
図4D】本開示の態様による
図4Aの多層セラミック・コンポーネントの斜視図を示す。
【
図4E】本開示の態様による多層セラミック・コンポーネントについて、複数の交互配置電極の配置の代替例の断面図を示す。
【
図5A】本開示の態様による無線周波数ミキサ・システムの多層セラミック・コンポーネントの他の実施形態の断面図を示す。
【
図5B】本開示の態様による
図5Aの多層セラミック・コンポーネントの分解平面図を示す。
【
図5C】本開示の態様による
図5Aの多層セラミック・コンポーネントの分解斜視図を示す。
【
図6】本開示の態様にしたがって、本開示の多層セラミック・コンポーネントを製造するときに使用可能なチップ製造自動化プロセス(CMAP:chip manufacturing automatedprocess)を表す。
【
図7】実験中に多層セラミック・コンポーネントの第3終端に印加した、20MHzの周波数を有する正弦波形を含む第2信号のスペクトル図である。
【
図8】
図7の第2信号を第3終端に印加し、第1終端に信号を印加しなかったときに、第4終端において検出された信号のスペクトル図である。
【
図9】19.9HMzの第1信号を第1終端に印加し、
図7の20MHzの周波数を有する第2信号を第3終端に印加したときに、第4終端において検出された混合信号のスペクトル図である。
【
図10】周波数が0kHzから200kHzまでの範囲に及ぶ、
図9の混合信号のスペクトル図である。
【
図11】5kHz信号を第1信号および第2信号上に変調したときの混合信号のスペクトル図である。
【
図12】第1信号源を多層セラミック・コンポーネントに接続しなかったときに第4終端において検出された信号のスペクトル図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0026] 本明細書および添付図面全体を通じて、参照文字を繰り返し使用するときは、同じまたは類似する特徴、要素、ステップを表すことを意図している。
【0010】
[00027] この論述は、代表的な実施形態の説明に過ぎず、これらの実施形態よりも広い本発明の態様を限定することを意図するのではなく、更に広い態様は代表的な構造において具体化されることは、当業者によって理解されよう。
【0011】
[00028] 概して言えば、本開示は多層セラミック無線周波数ミキサを対象とする。多層セラミック無線周波数ミキサである。多層セラミック・コンポーネントのような、多層セラミック・コンポーネントを製造するために使用されるプロセスは、従来の無線周波数ミキサのコンポーネントを製造するために通例使用されるものよりも価格効率的である。本発明の発明者は、無線周波数信号をミキシングするための低価格で効果的なデバイスおよびシステムを提供するために、多層セラミック・コンポーネントの電極の選択的配列および構成を使用できることを発見した。多層セラミック・コンポーネントは、複数の信号源からの無線周波数信号をミキシングするように構成することができる。例えば、多層セラミック・コンポーネントは、複数の信号源と関連付けて、印刷回路ボード等に表面実装することができる。
【0012】
[00029] 本開示の態様によれば、多層セラミック無線周波数ミキサは、第1終端、第2終端、第3終端、および第4終端を含むことができる。複数の相互配置された電極は、第1終端と接続された第1組の電極、第2終端と接続された第2組の電極、第3終端と接続された第3組の電極、および第4終端と接続された第4組の電極を含んでもよい。複数の誘電体層を、複数の相互配置電極のそれぞれの電極間に挟んでもよい。一般には、調整可能でない(non-tunable)誘電体材料を採用してもよい。更に具体的には、複数の誘電体層の誘電率は、複数の相互配置電極に印加されたDCバイアス電圧に応答して、10%未満であれば、変化してもよい。種々の適した誘電体材料について、以下で説明する。
【0013】
[00030] 第1信号源は、多層セラミック・コンポーネントの第2終端に関して、第1終端に第1信号を印加するように構成することができる。例えば、第2信号源を第1終端とすることができ、第2終端を接地と接続することができる。多層セラミック・コンポーネントの第3終端に第2信号を印加するように、第2信号源を構成することができる。多層セラミック・コンポーネントは、第1信号および第2信号に基づいて、第4終端において混合信号を出力するように構成することができる。
【0014】
[00031] 一般に、誘電体層は、当技術分野において通常採用されている、任意の調整できない誘電体材料で作ることができる。実例をあげると、誘電体層は、チタン酸塩を主成分として含むセラミック材料で作ることができる。チタン酸塩は、チタン酸バリウム(BaTiO3)を含むことができるが、これに限定されるのではない。また、セラミック材料は、希土類金属の酸化物、および/またはMn、V、Cr、Mo、Fe、Ni、Cu、Co等のような受容体型元素の化合物も含有してよい。また、チタン酸塩は、MgO、CaO、Mn3O4、Y2O3、V2O5、ZnO、ZrO2、Nb2O5、Cr2O3、Fe9O3、P2O5、SrO、Na2O、K2O、Li2O、SiO2、WO3等を含有してもよい。また、セラミック材料は、他の添加物、即ち、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤等も、セラミック粉末に加えて、含んでもよい。
【0015】
[00032] 加えて、ある実施形態では、セラミック、半導体、または絶縁体を含む、非有機誘電体材料を使用してもよく、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化亜鉛、低耐火ガラス 低耐火ガラスを含むアルミナ(alumina with low-fire glass)、または他の適したセラミックもしくはガラス接合材料等があげられるが、これらに限定されるのではない。代わりに、誘電体材料は、回路ボード材料として知られている、エポキシ(ファイバ・グラス内に混合されたファイバ・グラスを含むまたは含まない、セラミックを含むもしくは含まない)、または誘電体として一般的な他のプラスチックのような有機化合物であってもよい。これらの場合、導体は、大抵の場合、銅箔であり、パターンを形成する(provide)ために化学的にエッチングされている。更に他の実施形態では、誘電体材料は、NPO(COG)、X7R、X5R、X7S、Z5U、Y5V、およびチタン酸ストロンチウムの内1つのような、比較的高い誘電率(K)を有する材料を含んでもよい。一例では、誘電体材料は、約2000から約4000の間の範囲内の誘電率を有してもよい。誘電体材料は、電圧定格、電力定格等のような、1つまたは所望のミキシング特性(mixingcharacteristics)もしくはシステム特性(systemproperties)を達成するように選択されればよい。
【0016】
[00033] 一般に、誘電体層は、DCバイアス電圧が印加されると、静誘電率を呈する。誘電体層は、調整可能な誘電体材料がなくても可能である。調整可能な誘電体材料の例について、以下で説明する。つまり、本開示の態様によれば、多層セラミック・コンポーネントの誘電体層は、以下の材料、ドーパント、添加物等がなくても可能である。同様に、多層セラミック・コンポーネントの誘電体層の誘電率は、一般に、調整可能な誘電体材料とは異なり、2組の電極間にDCバイアス電圧が印加されたときに、不変の誘電率、即ち、静誘電率を呈することができる。
【0017】
[0034] 更に特定すると、調整可能な誘電体材料は、印加電圧の印加時に可変誘電率を呈する。更に特定すると、このような材料は、通例、約10%から約90%、ある実施形態では約20%から約80%、そしてある実施形態では約30%から約70%の範囲内に「電圧調整可能係数」(voltage tunability coefficient)を有し、「電圧調整可能係数」は以下の一般式にしたがって決定される。
T = 100 x (ε0-εv)/ε0
ここで、
Tは電圧調整可能係数であり、
ε0は、電圧を印加しないときの材料の静誘電率であり、
εvは、印加電圧(DC)の印加後における材料の可変誘電率である。
【0018】
[00035] このような調整可能な誘電体材料とは対照的に、本開示の多層セラミック・コンポーネントの誘電体層の誘電率は、一般に、DCバイアス電圧が2組の電極間に印加されると、調整可能な誘電体材料とは異なり、不変の誘電率、即ち、静誘電率を呈すことができる。例えば、本開示の多層セラミック・コンポーネントの誘電体層の誘電率は、10%未満だけ変化することができ、ある実施形態では5%未満、ある実施形態では3%未満、そしてある実施形態では2%未満、更にある実施形態では1%未満だけ変化することができる。DCバイアス電圧は、一般に、誘電体層のブレークダウン電圧よりも低い。例えば、DCバイアス電圧は、誘電体層のブレークダウン電圧の5%および90%の間、ある実施形態では10%および80%の間、そしてある実施形態では約20%および60%の間で変化することができる。例えば、DCバイアス電圧は、0.5ボルトから100ボルトの範囲に及ぶことができ、ある実施形態では約1ボルトから約80ボルト、ある実施形態では3ボルトから約60ボルトの範囲に及ぶことができる。一実施形態例では、本開示の多層セラミック・コンポーネントの誘電体層の誘電率は、10ボルトのDCバイアス電圧が印加されたときには10%未満だけ変化することができる(例えば、1806KEITHLEY2400シリーズSource Measure Unit(SMU)、例えば、Keithley2410-C SMUを使用する)。IEC60250によれば、誘電率は、1MHzの周波数において判定することができる(アクティブな電極間に印加する)。
【0019】
[00036] ある実施形態では、本開示の多層セラミック・コンポーネントの誘電体層は、調整可能な誘電体材料がなくても可能である。調整可能な誘電体材料の例には、ペロブスカイト、タングステン銅材料(例えば、ニオブ酸バリウム・ナトリウム)、層構造材料(例えば、チタン酸ビスマス)のような、その基本組成が1つ以上の強誘電体基本相を含む誘電体を含むことができる。ペロブスカイトの例には、実例をあげると、チタン酸バリウムおよび関連する固溶体(例えば、チタン酸バリウム-ストロンチウム、チタン酸バリウム・カルシウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム・ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸バリウム・カルシウム等)、チタン酸鉛および関連する固溶体(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛)、チタン酸ナトリウム・ビスマス等を含むことができる。調整可能な誘電体材料の他の例には、化学式Ba
xSr
1-xTiO
3のチタン酸バリウム・ストロンチウム(「BSTO」)を含み、xは0から1であり、ある実施形態では約0.15から約0.65であり、そしてある実施形態では約0.25から約0.6である。他の電子的に調整可能な誘電体材料も、チタン酸バリウム・ストロンチウムの代わりに、部分的にまたは全体的に使用することができる。実例をあげると、一例にBa
xCa
1-xTiO
3があり、xは約0.2から約0.8であり、ある実施形態では約0.4から約0.6である。他の適したペロブスカイトには、Pb
xZr
1-xTiO
3(「PZT」)(ここで、xは約0.05から約0.4の範囲に及ぶ)、チタン酸ランタン鉛・ジルコニウム(「PLZT」)、チタン酸鉛(PbTiO
3)、チタン酸バリウム・カルシウム・ジルコニウム(BaCaZrTiO
3)、硝酸ナトリウム(NaNO
3)、KNbO
3、LiNbO
3、LiTaO
3、PbNb
2O
6、PbTa
2O
6、KSr(NbO
3)、およびNaBa
2(NBO
3)
5KHb
2PO
4を含むことができる。更に追加の複合ペロブスカイトには、A[B1
1/3B2
2/3]O
3材料を含むことができ、ここで、AはBa
xSr
1-x(xは0から1までの値にすることができる)、B1はMg
yZn
1-y(yは0から1までの値にすることができる)、B2はTa
zNb
1-z(zは0から1までの値にすることができる)である。調整可能な誘電体材料の他の例は、
図10の代表的実施形態に示すように、交互する層内に2つの端成分組成を組み合わせることによって形成することもできる。このような端成分組成は、先に論じたようなA-部位ドーパント(A-site dopants)と化学的に同様であるが、比率が異なるのでもよい。例えば、組成1(
図10における132)は、一般式(A1
x、A2
(1-x))BO
3のペロブスカイト化合物でもよく、組成2(134)は、一般式(A1
y、A2
(1-y)BO
3のペロブスカイトでもよい。ここで、A1およびA2はBa、Sr、Mg、およびCaからであり、潜在的なB-部位部材はZr、Ti、およびSnであり、「x」および「y」は各成分のモル分率である。化合物1の具体例は(Ba
0.8Sr
0.2)TiO
3としてもよく、化合物2は(Ba
0.6Sr
0.4)TiO
3としてもよい。
図10に示すように、各材料の誘電体特性が重なり合うように、調整可能な電極構造を有する焼成多層キャパシタ(sintered multilayer capacitor)内の交互層に、これら2つの化合物を組み合わせればよい。また、5.0モル百分率以下、更に好ましくは0.1から1モル百分率の量で、ペロブスカイト材料に希土類酸化物(「REO」)をドーピングしてもよい。この目的に合った希土類酸化物ドーパントの例には、実例をあげると、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、およびルテチウムを含むことができる。このように、ある実施形態では、多層セラミック・コンポーネントの誘電体層は、通常、以下の材料、ドーパント、添加物等がなくても可能である。
【0020】
[00037] 代替実施形態では、しかしながら、多層セラミック・コンポーネントの誘電体層の1つ以上が、先に説明した1つ以上の調整可能な誘電体材料のような、調整可能な誘電体材料を含むことができる。このような調整可能な誘電体材料は、異なる2組の電極間に印加されるDC電圧に応答して、入力信号間に調節可能な調整比(tuning ratio)に対応する(provide)ことができる。
【0021】
[00038] 誘電体層は、約0.5マイクロメートル(μm)から約50μmまで、ある実施形態では約1μmから約40μmまで、そしてある実施形態では約2μmから約15μmまでの範囲に及ぶ厚さを有するとよい。電極層は、約0.5μmから約3.0μmまで、ある実施形態では約1μmから約2.5μmまで、そしてある実施形態では約1μmから約2μmまでの範囲に及ぶ厚さ、例えば、約1.5μmを有するとよい。誘電体層の厚さは、1つまたは所望の混合特性(mixing characteristic)、あるいたは電圧定格、電力定格等のようなシステム特性(system properties)を達成するように選択することができる。
【0022】
[00039] 複数の交互配置電極は、4つの電極の繰り返し積層パターン(repeating stackedpattern)で、交互配置することができる。繰り返し積層パターンは、第1組の電極からの1つの電極、これに続いて、第2組の電極からの1つの電極、これに続いて、第3組の電極からの1つの電極、そして第4組の電極からの1つの電極を含むことができる。つまり、これらの電極を交互に積層することができる。しかしながら、これらの電極は、本開示の範囲内において、種々のパターンまたは構成に積層できることは理解されてしかるべきである。
【0023】
[00040] 第1信号源と関連付けられた電極(例えば、第1組の電極および第2組の電極)の第2信号と関連付けられた電極(例えば、第3組の電極)に対する比率は、更に他の終端において第1および第2信号の所望の混合または重み付け組み合わせが得られるように選択することができる。例えば、複数の交互配置電極は、第2信号よりも第1信号と強く対応する重み付け混合信号を生成するために、第3組の電極よりも、第1組の電極から多くの電極を含むことができる。このような例では、第3組の電極からの電極数に対する、第1組の電極からの電極数の比率は、1よりも大きく、ある実施形態では2よりも大きく、ある実施形態では3よりも大きく、ある実施形態では5よりも大きく、更にある実施形態では10よりも大きくすることができる。他の例として、複数の交互配置電極は、第1信号よりも第2信号と強く対応する重み付け混合信号を生成するために、第1組の電極よりも、第3組の電極から多くの電極を含むことができる。このような例では、第3組の電極からの電極数に対する、第1組の電極からの電極数の比率は、1未満、ある実施形態では0.5未満、ある実施形態では0.3未満、ある実施形態では0.25未満、そしてある実施形態では0.1未満にすることができる。
【0024】
[00041] 本開示の範囲内において、更に他の変形も可能である。尚、本開示の範囲内において、複数の交互配置電極は、種々の他の適した構成に交互配置できることは、理解されてしかるべきである。
【0025】
[00042] 他の変形では、多層セラミック・コンポーネントは、4組よりも多い電極および関連する終端を含むことができる。したがって、多層セラミック・コンポーネントは、4つよりも多い信号源からの信号をミキシングするように構成することができる。実例をあげると、ある実施形態では、多層セラミック・コンポーネントは5組以上の電極、ある実施形態では7組以上の電極、そしてある実施形態では10組以上の電極を含むことができる。逆に、ある実施形態では、多層セラミック・コンポーネントは3組の電極のみを含むこともできる。このような実施形態では、多層セラミック・コンポーネントは3つの終端のみを有することができる。これらの終端の内2つは、それぞれの信号源と結合することができ、第3終端は混合信号を出力するように構成することができる。このような実施形態では、多層セラミック・コンポーネントは非接地と見なすことができる(ungrounded)。
【0026】
[00043] 電極層の総数は、変化してもよい。例えば、ある実施形態では、電極の総数は2つから約1,000個までの範囲に及ぶことができ、ある実施形態では約10個から約500個、そしてある実施形態では約10個から約100個までの範囲に及ぶことができる。尚、図に示し本明細書において説明した電極層の数は例示に過ぎないことは理解されてしかるべきである。
【0027】
[00044] 多層セラミック・コンポーネントが占める体積は小さくすることができ、および/またはそれが実装される表面は小さな表面積にすることができる。つまり、多層セラミック・コンポーネントは、例えば、印刷回路ボード上の設置に非常に適していると言ってよい。個々の多層セラミック・コンポーネントの長さは、例えば、約1mmから約50mm、ある実施形態では約2mmから約35mm、ある実施形態では約3mmから約10mm、ある実施形態では約3mmから約7mmまでの範囲に及ぶ場合もある。個々の多層セラミック・コンポーネントの幅は、実例をあげると、約1mmから約50mm、ある実施形態では約2mmから約35mm、ある実施形態では約3mmから約10mm、ある実施形態では、約3mmから約7mmの範囲に及ぶ場合もある。
【0028】
[00045] 同様に、多層セラミック・コンポーネントは、例えば、印刷回路ボード上の設置に適した低い縦断面を有することができる。個々の多層セラミック・コンポーネントの厚さは、実例をあげると、約1mmから50mmまで、ある実施形態では約2mmから約35mmまで、ある実施形態では約3mmから約10mmまで、ある実施形態では約2mmから約4mmまでの範囲に及ぶ場合もある。
【0029】
[00046] 信号をミキシングする無線周波数ミキサ・システムは、種々の信号をミキシングするように構成することができる。例えば、このシステムは、約500Hzから約100MHz以上までの範囲に及ぶ周波数を含む信号をミキシングするように構成することができる。ある実施形態では、第1信号および/または第2信号は、約1kHzから約70MHzまで、ある実施形態では約10kHzから約60MHzまで、ある実施形態では約100kHzから約50MHzまで、ある実施形態で早く1MHzから約40Mhzまでの範囲に及ぶ周波数を含むことができる。
【0030】
I.
本システムおよびコントローラの実施形態例
[00047]
図1は、本開示の態様による多層セラミック・コンポーネント102を使用して、無線周波数信号のような信号をミキシングするシステム100の実施形態を示す。多層セラミック・コンポーネント102は、第1終端106、第2終端108、第3終端110、および第4終端112を含むことができる。多層セラミック・コンポーネント102は、例えば、
図5Aから
図8Cを参照して以下で説明するように、終端106、108、110、112と選択的に接続された複数の交互配置電極を含むこともできる。システム100は、第1信号源114を含むことができる。第1信号源114は、多層セラミック・コンポーネント102の第2終端108に関して、第1信号を第1終端106に印加するように構成されている。例えば、第1信号源114を第1終端106と接続してもよく、第2終端108を接地116と接続してもよい。第2信号源118は、多層セラミック・コンポーネント102の第3終端110に第2信号を印加するように構成することができる。多層セラミック・コンポーネント102は、第1信号源114からの第1信号および第2信号源118からの第2信号に基づいて、第4終端112において混合信号120を出力するように構成することができる。混合信号120は、第1信号および第2信号の組み合わせまたは混合とすること、もしくは含むことができる。
【0031】
[00048]
図2は、本開示の態様による多層セラミック・コンポーネント202を使用して、無線周波数信号のような信号をミキシングするシステム200の実施形態を示す。システム200は、1つ以上のインピーダンス整合抵抗器Rを含むことができる。多層セラミック・コンポーネント202は、例えば、
図5Aから
図8Cを参照して以下で説明するように、複数の終端と選択的に接続された複数の交互配置電極を含むこともできる。システム200は、多層セラミック・コンポーネント202の第2終端208に関して、第1終端206に第1信号を印加するように構成された第1信号源214を含むことができる。第1信号源214は、第1抵抗器215(例えば、インピーダンス整合抵抗器)を介して、第1終端206と接続することができ、第2終端208は、第2抵抗器217(例えば、インピーダンス整合抵抗器)を介して、接地216と接続することができる。第2信号源118は、第3抵抗器219(例えば、インピーダンス整合抵抗器)を介して、多層セラミック・コンポーネント202の第3終端210に第2信号を印加するように構成することができる。ある実施形態では、第4終端212と接地216との間に、第4抵抗器220(例えば、インピーダンス整合抵抗器)を接続することができる。多層セラミック・コンポーネント202は、第1信号源214からの第1信号および第2信号源218からの第2信号に基づいて、第4終端212において混合信号218を出力するように構成することができる。混合信号218は、第1信号および第2信号の組み合わせまたは混合を含むこと、あるいはそれと対応することができる。抵抗器215、217、219、220は、終端206、210と終端208、212との間に所望のインピーダンス整合が得られるように選択された抵抗値を有することができる。
【0032】
[00049]
図3は、本開示の態様にしたがって、無線周波数信号のような信号をミキシングする方法300のフローチャートを示す。信号をミキシングする方法300は、302において、例えば、
図1、
図2を参照して本明細書において説明したように、更に
図4Aから
図5Cを参照して本明細書において説明するように、多層セラミック・コンポーネントの第2終端に関して、多層セラミック・コンポーネントの第1終端の少なくとも1つに第1信号を印加するステップを含むことができる。
【0033】
[00050] 多層セラミック・コンポーネントは、
図4A~
図5Cに関して本明細書において説明するように構成してもよい。多層セラミック・コンポーネントは、複数の交互配置電極を含むことができる。複数の交互配置電極は、第1終端と接続された第1組の電極と、第2終端と接続された第2組の電極と、第3終端と接続された第3組の電極と、第4終端と接続された第4組の電極とを含む。複数の誘電体層が、複数の交互配置電極のそれぞれの電極間に挟まれている。
【0034】
[00051] 方法300は、304において、例えば、
図1、
図2を参照して本明細書において説明したように、更に
図4Aから
図5Cを参照して本明細書において説明するように、多層セラミック・コンポーネントの第3終端に第2信号を印加するステップを含むことができる。
【0035】
[00052] 方法300は、306において、例えば、
図1、
図2を参照して本明細書において説明したように、更に
図4Aから
図5Cを参照して本明細書において説明するように、第1信号および第2信号に基づいて、多層セラミック・コンポーネントの第4終端において、混合信号を受け取るステップを含むことができる。
【0036】
II.
多層セラミック・コンポーネントの実施形態例
[00053] これより
図4Aから
図4Dを参照して、本開示にしたがって形成することができる多層セラミック・コンポーネント10の一特定実施形態について、これより更に詳しく説明する。
図4Dは、多層セラミック・コンポーネント10の外観を示す。
図4Dに示すように、多層セラミック・コンポーネント10は、第1終端30、第2終端32、第3終端16、および第4終端18を含むことができる。多層セラミック・コンポーネント10は、複数の交互配置電極を含むことができる。複数の交互配置電極は、第1終端30と接続された第1組の電極22と、第2終端32と接続された第2組の電極26とを含むことができる。複数の交互配置電極は、第3終端16と接続された第3組の電極14と、第4終端18と接続された第4組の電極20とを含むことができる。複数の交互配置電極14、20、22、26のそれぞれの電極間には、複数の誘電体層12が挟まれている。複数の誘電体層12は、電極14、20、22、26と交互に積層されればよい。
【0037】
[00054] ある実施形態では、第1組の電極22は、多層セラミック・コンポーネント10の側面まで達し、第1終端30と電気的に接続する延長部材24(例えば、タブ)を含むことができる。同様に、第2組の電極26は、第2組の電極26の延長部材28を介して、第2終端32と電気的に接続することができる。ある実施形態では、第3および第4終端16、18は、回路において多層セラミック・コンポーネント10と電気的に接続するために、もっと大きな終端16、18を設けるように、多層セラミック・コンポーネント10のそれぞれの端部の周りを巻回することもできる。例えば、多層セラミック・コンポーネント10は、印刷回路ボードのような実装面の終端に結合することができる。第1および第2終端30、32は、多層セラミック・コンポーネント10の側面全体には達しないストリップとして構成してもよい。他の実施形態では、しかしながら、第1および第2終端30、32は、代わりに、多層セラミック・コンポーネント10の側面の周りを巻回してもよく、第3および第4終端16、18は、多層セラミック・コンポーネントの端部全体に沿って延びないストリップとして構成してもよい。
【0038】
[00055]
図4Aを参照すると、複数の交互配置電極は、種々の構成およびパターンに配列することができる。例えば、第2組の電極50からの少なくとも1つの電極、および第3組の電極36または第4組の電極40からの少なくとも1つの電極は、第1組の電極22の1つ以上の電極対の間に挟む(arrange)ことができる。ある実施形態では、第2組の電極50からの少なくとも1つの電極、第3組の電極36からの少なくとも1つの電極、および第4組の電極40からの少なくとも1つの電極は、第1組の電極22の1つ以上の電極対の間に挟むことができる。ある実施形態では、複数の交互配置電極は、4つの電極の繰り返し積層パターンで交互配置される。この繰り返し積層パターンは、第1組の電極22からの1つ電極、続いて第2組の電極50からの1つの電極、第3組の電極36からの1つの電極、および第4組の電極40からの1つの電極を含むことができる。このように、電極を交互に積層することができる。しかしながら、例えば、以下で
図4Eを参照しながら説明するように、本開示の範囲内において、種々のパターンまたは構成に電極を積層できることは理解されてしかるべきである。
【0039】
[00056]
図4Dを参照すると、多層セラミック・コンポーネント10は、概略的に矩形のプリズム形状を有することができる。多層セラミック・コンポーネント10は、第1側面35と、第1側面35と平行であり第1側面35に対向する第2側面37とを含むことができる。第1側面35上に、第1終端30を配置することができる。第2側面37上に、第2終端を配置することができる。
【0040】
[00057] ある実施形態では、多層セラミック・コンポーネント10は、第1側面35および第2側面37に対して垂直な第3側面39を含むことができる。多層セラミック・コンポーネント10は、第3側面39と平行であり、第3側面39に対向する第4側面41を含むことができる。第3側面39上に、第3終端16を配置することができる。第4側面41上に、第4終端30を配置することができる。
【0041】
[00058] しかしながら、本開示の範囲内において、種々の他の構成で終端を配置できることは理解されてしかるべきである。例えば、多層セラミック・コンポーネントの隣接する側面上に、第1および第2終端を配置することができる。第3および第4終端は、隣接する側面上に配置することができる。
【0042】
[00059] また、例えば、
図4Eを参照して以下で説明するように、本開示の範囲内において、複数の交互配置電極を種々の他の適した構成で交互配置できることも理解されてしかるべきである。複数の交互配置電極は、第2信号よりも第1信号に強く対応する重み付け混合信号を生成するために、第3組の電極よりも、第1組の電極から多くの電極を含むことができる。他の例として、複数の交互配置電極は、第1信号よりも第2信号と強く対応する重み付け混合信号を生成するために、第1組の電極よりも、第3組の電極から多くの電極を含むことができる。第1信号源と関連付けられた電極(例えば、第1組の電極および第2組の電極)の、第2信号と関連付けられた電極(例えば、第3組の電極)に対する比率は、更に他の終端において、第1および第2信号の所望の混合または重み付けした組み合わせが得られるように、選択することができる。更に他の変形も、本開示の範囲内において可能である。
【0043】
[00060]
図4Eは、複数の交互配置電極の代わりの配列例を示す。複数の交互配置電極は、第2組の電極26からの電極26よりも、第1組の電極22からの電極22を多く含む繰り返しパターンを含むことができる。実例をあげると、繰り返しパターンは、第3組の電極14からの電極14、第1組の電極22からの電極22、第2組の電極20からの電極20、および第2組の電極26からの電極26を含む一連の電極を含むことができる。図示のように、この繰り返しパターン例は、第3組の電極14からの2つの電極14毎に、第1組の電極22からの3つの電極を含む。尚、混合信号において第1信号および第2信号の所望の混合または重み付けした組み合わせを達成するために、第1組の電極22および第3組の電極14からの電極に、任意の適した比率を選択できることは理解されてしかるべきである。
【0044】
[00061]
図5Aから
図5Cは、本開示の態様による多層セラミック・コンポーネント49の他の実施形態を示す。多層セラミック・コンポーネント49は、複数組の電極と交互配置された複数の誘電体層44を含んでもよい。多層セラミック・コンポーネント49も、第1終端54、第2終端56、第3終端38、および第4終端42を含むことができる。多層セラミック・コンポーネント49は、複数の交互配置電極も含むことができる。複数の交互配置電極は、第1終端54と接続された第1組の電極46、第2終端56と接続された第2組の電極50とを含むこともできる。複数の交互配置電極は、第3終端38と接続された第3組の電極36と、第4終端42と接続された第4組の電極40とを含むことができる。第3組の電極36の各電極は、第4組の電極40のそれぞれの電極と同一平面上に配列することができる。
【0045】
[00062] 現在開示している主題は、等しく、本明細書において説明したシステムおよび方法において使用するための多層セラミック・コンポーネントを製造するための、関連するおよび/または対応する方法論も包含する。例えば、
図6は、ここで開示したデバイスの代表的な実施形態の製造と併せて使用可能な、チップ製造自動化プロセス(CMAP:chip manufacturing automated process)86を表す。図示のように、プロセス86は、複数の連続ステージを含むことができ、ある実例では、セラミック・ステーション(ceramic station)が介在する3つの炉、あるいは、 図に代表して示すような、スクリーン・ヘッドまたはエレベータおよびコンベア機構の使用というような、他の工程/ファセット(facet)を伴う。尚、連続工程の正確な装備は、ここで開示した代表的なデバイスの実施形態(またはその変更物)がどのように生産されるかに左右されることは、当業者には理解されよう。また、ここに示した個々の工程は、示した種類の工程を代表することを意図するに過ぎず、示した工程の一般的な性質を超えて、他の態様の使用を必要とすることを示すのではない。例えば、スクリーン・ヘッド工程は、電極層のスクリーン貼り付けのために、ステンレス鋼製のスクリーンを電極ペーストと共に使用することを伴う場合があり、またはこのような工程のために他の技術を実施してもよい。例えば、以前からの(more conventional)交互積層および貼り合わせ(laminating)(テープによる)の工程を実施してもよい。いずれのプロセスでも(または他のプロセスでも)、本明細書において開示する主題の所与の用途に合わせて選択された特定の設計を制作するために、選択された工程を実施できることは、当業者には理解されよう。
【0046】
III.用途
[00063] 本明細書において開示したシステムおよび方法は、種々のシステム、デバイス、および産業において用途を見出すことができる。多層セラミック・コンポーネントは、2つ以上の信号源からの信号をミキシングすることができる。このシステムは、無線周波数送信機、受信機、中継機、トランスポンダ、ダイプレクサ(diplexer)、マルチプレクサ、または小型で低価格の無線周波数ミキサの恩恵を得ることができる任意の他のコンポーネントにおいて使用することができる。
【0047】
例
[00064] 本明細書において説明したように、信号ミキシング・システムを製作して検査した。ローカル・オシレータを使用して、多層セラミック・コンポーネントの第1終端に第1信号を印加した。ソース信号生成器(source signal generator)を使用して(例えば、1806 KEITHLEY2400シリーズのSource Measure Unit(SMU)、例えば、Keithley2410-C SMU)を使用する)、第2信号を第3終端に印加した。第2信号は、発振器によって生成された20MHzの周波数を有する正弦波信号を含んだ。第4終端において混合信号を検出した(例えば、ソース信号生成器を使用する)。これを種々の信号およびフィルタの構成に対して繰り返した。
【0048】
[00065]
図7から
図12は、1つの実験において本システムから収集した実験データを示す。この実験では、第1信号は、ローカル・オシレータによって生成された19.9MHzの周波数を有する正弦波信号を含んだ。第2信号は、ソース信号生成器を使用して生成した20MHzの周波数を有する正弦波信号を含んだ。第1信号および第2信号の混合信号は、これらの信号のそれぞれの周波数間の差に対応する、100kHzにおいてピークを呈するはずである。
【0049】
[00066]
図7は、20MHzの周波数を有する正弦波波形を含む第2信号のスペクトルグラムである。第1終端に印加した信号を使用せずに、多層セラミック・コンポーネントの第3終端に第2信号を印加した。
図8は、第4終端において検出された信号のスペクトルグラムを示す。このスペクトルグラムは、0kHzから200MHzの範囲に及ぶ。
図8に示すように、100kHzにおいてピークは検出されなかった。
【0050】
[00067] 次に、第1信号が第1終端に印加されるように、第1信号源を第1終端と接続した。
図9は、混合信号の19.85MHzから20.15MHzまでの範囲に及ぶスペクトルグラムを示す。
図9に示すように、第1信号と対応する19.9MHzにおいて、ピーク902が観察された。第2信号と対応する20MHzにおいて、ピーク904が観察された。加えて、第1信号と第2信号との干渉(interference)の結果として、20.1MHzにおいてピーク906が観察された。
【0051】
[00068]
図10は、0kHzから200kHzまでの範囲に及ぶ、混合信号のスペクトルグラムである。
図10に見られるように、第2信号の20MHz周波数と第1信号の19.9MHz周波数との間の差に対応する100kHzにおいて、ピーク1002が観察された。
図8との比較により、第4終端において混合信号を生成するとき、多層セラミック・コンポーネントは第1信号および第2信号をミキシングしたことが例証される。
【0052】
[00069]
図11は、第1信号および第2信号上に5kHz信号が変調された混合信号のスペクトルグラムである。
図11に示すように、95kHにおいて第1ピーク1102が検出された。第2ピーク1104は、100kHzにおいて検出された。第3ピーク1106は、105kHzにおいて検出された。
図12は、対照的に、第1信号源を多層セラミック・コンポーネントに接続しなかったときに、第4終端において検出された信号のスペクトルグラムである。
【0053】
[00070] 本開示の更に他の態様を、以下の項目の主題によって示す。
【0054】
[00071] 1.多層セラミック無線周波数ミキサであって、第1終端、第2終端、第3終端、および第4終端と、第1終端と接続された第1組の電極と、第2終端と接続された第2組の電極と、第3終端と接続された第3組の電極と、第4終端と接続された第4組の電極とを含む複数の交互配置電極と、複数の交互配置電極のそれぞれの電極間に挟まれた複数の誘電体層とを備え、複数の誘電体層の誘電率が、複数の交互配置電極に印加されたDCバイアス電圧に応答して、10%未満だけ変化する。
【0055】
[00072] 2.いずれかの前出の条項の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、複数の誘電体層には、1つ以上の強誘電体基本相を含む基本組成がない。
【0056】
[00073] 3.いずれかの前出の条項の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、複数の誘電体層には、調整可能な誘電体材料がない。
【0057】
[00074] 4.いずれかの前出の条項の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、複数の誘電体層が、IEC60250にしたがって1MHzの周波数において判定した際に、約10以下の誘電率を呈する誘電体材料を含む。
【0058】
[00075] 5.いずれかの前出の条項の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、複数の誘電体層が、IEC60250にしたがって1MHzの周波数において判定した際に、約0.1以下の誘電正接を呈する誘電体材料を含む。
【0059】
[00076] 6.いずれかの前出の条項の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、多層セラミック・コンポーネントが、第1側面と、第1側面と平行で第1側面に対向する第2側面とを含み、第1終端が第1側面上に配置され、第2終端が第2側面上に配置される。
【0060】
[00077] 7.いずれかの前出の条項の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、多層セラミック・コンポーネントが、第1側面と垂直な第3側面を含み、多層セラミック・コンポーネントが、第3側面と平行で第4側面に対向する第4側面を含み、第3終端が第3側面上に配置され、第4終端が第4側面上に配置される。
【0061】
[00078] 8.いずれかの前出の条項の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、第1組の電極が1対の電極を含み、第2組の電極からの少なくとも1つの電極(on electrode)および第3組の電極または第4組の電極からの少なくとも1つの電極が、第1組の電極の1対の電極間に挟まれる。
【0062】
[00079] 9.いずれかの前出の条項の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、第1組の電極が、1対の電極を含み、第2組の電極からの少なくとも1つの電極(on electrode)、第3組の電極からの少なくとも1つの電極、および第4組の電極からの少なくとも1つの電極が、第1組の電極の1対の電極間に挟まれる。
【0063】
[00080] 10.いずれかの前出の条項の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、複数の交互配置電極が、第1組の電極、第2組の電極、第3組の電極、および第4組の電極の各々から1つの電極を含む、4つの電極の繰り返し積層パターンで交互配置される。
【0064】
[00081] 11.いずれかの前出の条項の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、第3組の電極からの電極数に対する、第1組の電極からの電極数の比率が、1よりも大きい。
【0065】
[00082] 12.いずれかの前出の条項の多層セラミック無線周波数ミキサにおいて、第3組の電極からの電極数に対する、第1組の電極からの電極数の比率が、1よりも小さい。
【0066】
[00083] 13.無線周波数ミキサ・システムであって、多層セラミック・コンポーネントであって、第1終端、第2終端、第3終端、および第4終端と、第1終端と接続された第1組の電極と、第2終端と接続された第2組の電極と、第3終端と接続された第3組の電極と、第4終端と接続された第4組の電極とを含む複数の交互配置電極と、複数の交互配置電極のそれぞれの電極間に挟まれた複数の誘電体層とを含む、多層セラミック・コンポーネントと、多層セラミック・コンポーネントの第2終端に関して、第1終端に第1信号を印加するように構成された第1信号源と、多層セラミック・コンポーネントの第3終端に第2信号を印加するように構成された第2信号源とを備え、多層セラミック・コンポーネントが、第1信号および第2信号に基づいて、第4終端において混合信号を出力するように構成される。
【0067】
[00084] 14.いずれかの前出の条項の無線周波数ミキサ・システムにおいて、複数の誘電体層が、IEC60250にしたがって1MHzの周波数において判定した際、約10以下の誘電率を呈する誘電体材料を含む。
【0068】
[00085] 15.いずれかの前出の条項の無線周波数ミキサ・システムにおいて、複数の誘電体層が、IEC60250にしたがって1MHzの周波数において判定した際、約0.1以下の誘電正接を呈する誘電体材料を含む。
【0069】
[00086] 16. いずれかの前出の条項の無線周波数ミキサ・システムにおいて、複数の誘電体層には、1つ以上の強誘電体基本相を含む基本組成がない。
【0070】
[00087] 17.いずれかの前出の条項の無線周波数ミキサ・システムにおいて、複数の誘電体層の誘電率が、複数の交互配置電極に印加されるDCバイアス電圧に応答して、10%未満だけ変化する。
【0071】
[00088] 18.いずれかの前出の条項の無線周波数ミキサ・システムにおいて、第1組の電極が1対の電極を含み、第2組の電極からの少なくとも1つの電極(on electrode)および第3組の電極または第4組の電極からの少なくとも1つの電極が、第1組の電極の1対の電極間に挟まれる。
【0072】
[00089] 19.いずれかの前出の条項の無線周波数ミキサ・システムにおいて、第1組の電極が1対の電極を含み、第2組の電極からの少なくとも1つの電極(on electrode) 、第3組の電極からの少なくとも1つの電極、および第4組の電極からの少なくとも1つの電極が、第1組の電極の1対の電極間に挟まれる。
【0073】
[00090] 20.いずれかの前出の条項の無線周波数ミキサ・システムにおいて、複数の交互配置電極が、第1組の電極、第2組の電極、第3組の電極、および第4組の電極の各々からの1つの電極を含む、4つの電極の繰り返し積層パターンで交互配置される。
【0074】
[00091] 21.いずれかの前出の条項の無線周波数ミキサ・システムにおいて、第3組の電極からの電極数に対する、第1組の電極からの電極数の比率が、1よりも大きい。
【0075】
[00092] 22.いずれかの前出の条項の無線周波数ミキサ・システムにおいて、第3組の電極からの電極数に対する、第1組の電極からの電極数の比率が、1よりも小さい。
【0076】
[00093] 23.いずれかの前出の条項の無線周波数ミキサ・システムにおいて、第1信号源または第2信号源の少なくとも1つが、ローカル・オシレータを含む。
【0077】
[00094] 24.いずれかの前出の条項の無線周波数ミキサ・システムにおいて、第1信号源が、第1終端に第1信号を印加するように構成され、多層セラミック・コンポーネントの第2終端が接地される。
【0078】
[00095] 25.いずれかの前出の条項の無線周波数ミキサ・システムにおいて、複数の誘電体層には調整可能な誘電体材料がない。
【0079】
[00096] 26.いずれかの前出の条項の無線周波数ミキサ・システムにおいて、多層セラミック・コンポーネントが、第1側面と、第1側面と平行で第1側面に対向する第2側面とを含み、第1終端が第1側面上に配置され、第2終端が第2側面上に配置される。
【0080】
[00097] 27.いずれかの前出の条項の無線周波数ミキサ・システムにおいて、多層セラミック・コンポーネントが、第1側面と垂直な第3側面を含み、多層セラミック・コンポーネントが、第3側面と平行で第4側面に対向する第4側面を含み、第3終端が第3側面上に配置され、第4終端が第4側面上に配置される。
【0081】
[00098] 28.信号ミキシング方法であって、多層セラミック・コンポーネントの第2終端に関して、多層セラミック・コンポーネントの第1終端に第1信号を印加するステップであって、多層セラミック・コンポーネントが、第1終端、第2終端、第3終端、および第4終端と、第1終端と接続された第1組の電極と、第2終端と接続された第2組の電極と、第3終端と接続された第3組の電極と、第4終端と接続された第4組の電極とを含む複数の交互配置電極と、複数の交互配置電極のそれぞれの電極の間に挟まれた複数の誘電体層とを備える、ステップと、多層セラミック・コンポーネントの第3終端に第2信号を印加するステップと、第1信号および第2信号に基づいて、多層セラミック・コンポーネントの第4終端において、混合信号を受け取るステップとを含む。
【0082】
[00099] 29.いずれかの前出の条項の方法において、多層セラミック・コンポーネントの第1終端に第1信号を印加するステップが、ローカル・オシレータを使用して第1信号を印加するステップを含む。
【0083】
[000100] 30.本明細書において開示した実施形態の内任意のものの1つ以上の態様、および/またはその変形を備える装置。
【0084】
[000101] 31.本明細書において開示した実施形態の内任意のものの1つ以上の態様、および/またはその変形を備えるシステム。
【0085】
[000102] 32.本明細書において開示した実施形態の内任意のものの1つ以上の態様、および/またはその変形を含む方法。
【0086】
[000103] 本発明のこれらおよびその他の変更ならびに変形は、本発明の主旨や範囲から逸脱することなく、当業者によって実施することができる。加えて、種々の実施形態の態様は、全体的または部分的の双方で相互交換できることも理解されてしかるべきである。更に、以上の説明は一例に過ぎず、以上で説明した発明を、このような添付する特許請求の範囲に限定することを意図するのではないことは、当業者には認められよう。
【国際調査報告】