(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】圧縮機装置、熱回収システム、及び圧縮機装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
F04B 49/06 20060101AFI20231226BHJP
F04B 49/10 20060101ALI20231226BHJP
F04B 49/22 20060101ALI20231226BHJP
F28F 27/00 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
F04B49/06 331Z
F04B49/10 331A
F04B49/22
F28F27/00 511D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532369
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-05-26
(86)【国際出願番号】 IB2021060732
(87)【国際公開番号】W WO2022112910
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンデヴァル トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ロ ジェウンファイ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ラーレ ナタン
(72)【発明者】
【氏名】コルトゥー ベルト
【テーマコード(参考)】
3H145
【Fターム(参考)】
3H145AA25
3H145AA42
3H145BA19
3H145BA32
3H145CA06
3H145CA21
3H145DA04
3H145DA11
3H145DA13
3H145EA14
3H145EA20
(57)【要約】
本発明は、電気モータ(4)によって駆動される、吸引ガスを圧縮するための少なくとも1つの圧縮機要素(3a、3b、3c)を有する圧縮機設備(2)と;吸引ガスの圧縮から生じる圧縮ガスから熱を回収するための熱回収システム(6)と;を備える圧縮機装置(1)であって、熱回収システム(6)は、冷却剤のための入口(8)及び出口(9)を有する配管網(7)を備え、配管網(7)は、入口(8)又は出口(9)において配管網(7)の冷却剤の第1の流量を変更するための流量制御状態変数を有する制御手段を備えており、圧縮機装置(1)は、配管網(7)の出口(9)での温度T
w、outを予め設定されたレベルにするように、電気モータ(4)の駆動電流に基づいて、又は吸引ガスの第2の流量に基づいて、制御手段の流量制御状態変数を調整する制御ユニット(13)をさらに備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機装置であって、
-電気モータ(4)によって駆動される、吸引ガスを圧縮するための少なくとも1つの圧縮機要素(3a、3b、3c)を有する圧縮機設備(2)と、
-前記吸引ガスの圧縮から生じる圧縮ガスから熱を回収するための熱回収システム(6)と、
を備え、
前記熱回収システム(6)は、冷却剤のための入口(8)及び出口(9)を有する配管網(7)を備え、
前記配管網(7)は、前記入口(8)又は前記出口(9)において前記配管網(7)の前記冷却剤の第1の流量を変更するための流量制御状態変数を有する制御手段を備えており、
前記圧縮機装置は、前記電気モータ(4)の駆動電流又は前記吸引ガスの第2の流量のそれぞれの実際値を決定するための測定手段をさらに備え、
前記圧縮機装置は、
-前記実際値を受け取り、
-前記実際値に基づいて、前記配管網(7)の前記出口(9)での前記冷却剤の温度T
w、outを予め設定されたレベルにする前記第1の流量の目標値を決定し、
-前記制御手段の前記流量制御状態変数と前記第1の流量との関係を提示する特性に基づいて、前記制御手段の前記流量制御状態変数を前記第1の流量の前記目標値に調整する、
ように構成された制御ユニット(13)を備えることを特徴とする圧縮機装置。
【請求項2】
前記制御手段は調整可能バルブ(12)を含み、前記特性は、前記調整可能バルブ(12)のバルブ特性であり、前記流量制御状態変数は、前記調整可能バルブ(12)の開口位置である、請求項1に記載の圧縮機装置。
【請求項3】
前記制御ユニット(13)は、前記実際値に基づいて、及び、一方では前記第1の流量の前記目標値と、他方では前記電気モータ(4)の前記駆動電流又は前記吸引ガスの前記第2の流量のそれぞれとの間の関係に基づいて、前記第1の流量の前記目標値を決定するように構成されている、請求項1又は2に記載の圧縮機装置。
【請求項4】
前記制御ユニット(13)は、前記実際値に基づいて、及び、一方では前記第1の流量の目標値と、他方では前記電気モータ(4)の前記駆動電流又は前記吸引ガスの前記第2の流量のそれぞれとの間の正の正比例関係に基づいて、前記第1の流量の前記目標値を決定するように構成されている、請求項3に記載の圧縮機装置。
【請求項5】
前記圧縮機設備(2)は、複数の圧縮機要素(3a、3b、3c)を有する多段圧縮機設備である、請求項1から4のいずれか1項に記載の圧縮機装置。
【請求項6】
前記圧縮機要素(3a、3b、3c)は、前記電気モータ(4)によって駆動される、請求項5に記載の圧縮機装置。
【請求項7】
前記圧縮機装置(2)は、複数の連続する圧縮機要素(3a、3b、3c)を有する多段圧縮機設備であり
前記連続する圧縮機要素(3a、3b、3c)は、前記ガスのための配管(5)によって互いに流体接続されており、前記連続する圧縮機要素(3a、3b、3c)の間の前記配管(5)には、前記ガスを冷却するための1又は2以上のインタークーラ(10a、10b)が組み込まれている、請求項5又は6に記載の圧縮機装置。
【請求項8】
前記インタークーラ(10a、10b)は、前記配管網(7)の前記入口(8)と前記出口(9)との間に相互に並列に組み込まれている、請求項7に記載の圧縮機装置。
【請求項9】
前記インタークーラ(10a、10b)は、前記配管網(7)の前記入口(8)と前記出口(9)との間に相互に直列に組み込まれている、請求項7に記載の圧縮機装置。
【請求項10】
前記多段圧縮機設備の下流には、前記圧縮ガスを冷却するためのアフタークーラ(11)が設けられており、前記アフタークーラー(11)は、前記配管網(7)の前記入口(8)と前記出口(9)との間に前記インタークーラー(10a、10b)に対して直列に組み込まれている、請求項7から9のいずれか1項に記載の圧縮機装置。
【請求項11】
前記多段圧縮機設備は、少なくとも3つの連続する圧縮機要素(3a、3b、3c)を備え、前記3つの連続する圧縮機要素(3a、3b、3c)のうちの2つの直接連続する圧縮機要素(3a、3b;3b、3c)の各々の間の前記配管(5)において、少なくとも1つのインタークーラ(10a、10b)を備える、請求項7から10のいずれか1項に記載の圧縮機装置。
【請求項12】
前記複数の連続する圧縮機要素(3a、3b、3c)は、ターボ圧縮機要素である、請求項7から11のいずれか1項に記載の圧縮機装置。
【請求項13】
前記冷却剤は水である、請求項1から12のいずれか1項に記載の圧縮機装置。
【請求項14】
前記圧縮機装置は、前記配管網(7)の前記出口(9)での前記温度T
w、outが前記予め設定されたレベルにされる、一方では前記制御手段の前記流量制御状態変数、他方では前記電気モータ(4)の前記駆動電流又は前記吸引ガスの前記第2の流量に関する、対応する基準値を記憶するためのメモリユニットを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の圧縮機装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の圧縮機装置で使用するための熱回収システム。
【請求項16】
圧縮機装置を制御するための方法であって、
前記圧縮機装置は、
-電気モータ(4)によって駆動される、吸引ガスを圧縮するための少なくとも1つの圧縮機要素(3a、3b、3c)を有する圧縮機設備(2)と、
-前記吸引ガスの圧縮から生じる圧縮ガスから熱を回収するための熱回収システム(6)と、
を備え、
前記熱回収システム(6)は、冷却剤のための入口(8)及び出口(9)を有する配管網(7)を備え、
前記配管網(7)は、前記入口(8)又は前記出口(9)において前記配管網(7)の前記冷却剤の第1の流量を変更するための流量制御状態変数を有する制御手段を備えており、
前記方法は、
-前記電気モータ(4)の駆動電流又は前記吸引ガスの第2の流量のそれぞれの実際値を決定するステップと、
-前記実際値に基づいて、前記配管網(7)の前記出口(9)での前記冷却剤の温度T
w、outを予め設定されたレベルにする前記第1の流量の目標値を決定するステップと、
-前記制御手段の前記流量制御状態変数と前記第1の流量との間の関係を提示する特性に基づいて、前記制御手段の前記流量制御状態変数を前記第1の流量の前記目標値に適合させるステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記制御手段は、調整可能バルブ(12)を含み、前記特性は、前記調整可能バルブ(12)のバルブ特性であり、前記流量制御状態変数は、前記調整可能バルブ(12)の開口位置である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の流量の前記目標値は、実際値に基づいて、及び、一方では前記第1の流量の目標値と、他方では前記電気モータ(4)の前記駆動電流又は前記吸引ガスの前記第2の流量のそれぞれとの間の関係に基づいて決定される、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の流量の前記目標値は、実際値に基づいて、及び、一方では前記第1の流量の目標値と、他方では前記電気モータ(4)の前記駆動電流又は前記吸引ガスの前記第2の流量のそれぞれとの間の正の正比例関係に基づいて決定される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記予め決定されたレベルは、60℃と90℃との間にある、請求項16から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記配管網(7)の前記入口(8)での前記冷却剤の温度は、5℃と35℃との間にある、請求項16から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記電気モータ(4)が所定の基準駆動電流で駆動される場合、又は圧縮機設備(2)が前記ガスの所定の基準流量を吸引する場合のそれぞれで、前記制御手段の前記流量制御状態変数の初期基準値は、前記配管網(7)の前記出口(9)での前記冷却剤の前記温度T
w、outが、第1の予め設定された期間中に、前記予め設定されたレベルに関して第1の予め定められた最大絶対偏差内に留まる場合に記憶される、請求項16から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の予め設定された期間は、少なくとも60秒である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の予め設定された最大絶対偏差は、最大で1.0℃である、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
前記制御手段の前記流量制御状態変数の前記初期基準値は、
-一方では、前記配管網(7)の前記出口(9)での前記冷却剤の前記温度T
w、outが、第2の予め設定された期間時間の間、前記予め設定されたレベルに関して第2の予め設定された最大絶対偏差内に留まる場合、及び、
-他方では、前記駆動電流が、第2の予め設定された期間、前記基準駆動電流に関して予め設定された最大絶対相対偏差内に留まるか、又は、前記第2の流量が、前記基準流量に関して前記予め設定された最大絶対相対偏差内に留まるかのそれぞれの場合、
に予め設定された瞬間に新しい基準値に更新される、請求項22から24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の予め設定された期間は、少なくとも60秒である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の予め設定された最大絶対偏差は、最大で0.8℃である、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
前記予め設定された最大絶対相対偏差は、最大で5.0%である、請求項25から27のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機装置に関し、圧縮機装置は、吸引ガスを圧縮するための少なくとも1つの圧縮機要素を有する圧縮機設備と、吸引ガスの圧縮から生じる圧縮ガスから熱を回収するための熱回収システムとを備える。
【0002】
本発明は、より具体的には、
-圧縮機要素は、電気モータによって駆動され、
-熱回収システムは、冷却剤のための入口及び出口を有する配管網を備え、この配管網はまた、この入口又は出口において、配管網内の冷却剤の第1の流量を変更するための流量制御状態変数を有する制御手段を備えており、
-圧縮機装置はまた、配管網の出口の冷却剤の温度が所定のレベルになるように、電動モータの駆動電流又は吸引ガスの第2の流量にそれぞれ基づいて、制御手段の流量制御状態変数を調整する制御ユニットを含む、
圧縮機装置に関する。
【0003】
「第1の流量」又は「第2の流量」は、本発明の範囲内では常に体積流量を意味すると理解される。
【0004】
これに関連して、「配管網内の冷却剤の第1の流量」は、配管網内の冷却剤の総冷却剤流量を意味する。「吸引ガスの第2の流量」は、吸引ガスの総ガス流量を意味する。
【背景技術】
【0005】
従来から、一方では、吸引ガスが圧縮機要素によって圧縮される圧縮機設備を備え、他方では、圧縮機設備で発生した熱を回収するための熱回収システムを備える圧縮機装置が知られている。
【0006】
この熱は、主に、吸引ガスが圧縮される圧縮機要素の内部で圧縮熱として、この圧縮機要素を駆動するモータで、及び/又は圧縮機装置の軸受で発生する。
【0007】
圧縮機装置が単一の圧縮機要素のみを備える場合、圧縮熱は、例えば、吸引ガスの圧縮から生じる圧縮ガスのための圧縮機要素の出口と流体連通状態にあるアフタークーラによって取り出される。
【0008】
圧縮機設備が複数の連続する圧縮機要素を備え、連続する圧縮機要素がガス用のパイプラインによって互いに流体連通状態にある場合、圧縮熱は、例えば、パイプラインに含まれる1又は2以上のインタークーラによって、及び/又は連続する圧縮機要素の最後の出口と流体連通状態にあるアフタークーラによって取り出される。
【0009】
1又は2以上のインタークーラ及び/又はアフタークーラは、冷却回路によってガスから圧縮熱を取り出すための冷却剤を備える。これに関連して、冷却剤は、所定の温度まで昇温することができる。
【0010】
また、圧縮機設備のモータ及び/又は軸受は、通常、同じ冷却回路を使用して冷却される。
【0011】
近年、冷却剤に吸収された熱を単に圧縮機設備の周囲に逃がすのではなく、加熱された冷却剤を、例えば、建物の暖房又は工業プロセスの流体流れの予熱など、あらゆる用途に有効活用する傾向が強まっている。
【0012】
そのためには、加熱された冷却剤の温度は、特定の精度レベルで特定の予め設定されたレベルにすることが必要である。
【0013】
冷却回路を使用して冷却される圧縮機設備の構成要素が多いほど、加熱された冷却剤の温度の制御が難しくなり、安定性も低下することになる。
【0014】
さらに、制御は、圧縮機設備の負荷条件の変化を考慮する必要もある。この負荷条件が低い/高いほど、ある期間に発生する圧縮熱は少なくなり/多くなり、その間に冷却剤に吸収される熱も少なくなる/多くなる。
【0015】
負荷条件が低い/高いという影響は、通常、冷却回路内の調整可能バルブによって冷却回路内の冷却剤流量を減少/増加させることによって相殺される。
【0016】
従来、この調整可能バルブの制御は、冷却回路内の流量計に基づいて行われている。しかしながら、このような流量計は、高価であるという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上述の及び/又は他の欠点の少なくとも1つに対する解決策を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
このため、本発明の目的は圧縮機装置であり、圧縮機装置は、
-電気モータによって駆動される、吸引ガスを圧縮するための少なくとも1つの圧縮機要素を有する圧縮機設備と、
-吸引ガスの圧縮から生じる圧縮ガスから熱を回収するための熱回収システムと、
を備え、
熱回収システムは、冷却剤のための入口及び出口を有する配管網を備え、
配管網は、入口又は出口において配管網の冷却剤の第1の流量を変更するための流量制御状態変数を有する制御手段を備えており、
圧縮機装置は、電気モータの駆動電流又は吸引ガスの第2の流量のそれぞれの実際値を決定するための測定手段をさらに備え、
圧縮機装置は、
-実際値を受け取り、
-実際値に基づいて、配管網の出口での冷却剤の温度Tw、outを予め設定されたレベルにする第1の流量の目標値を決定し、
-制御手段の流量制御状態変数と第1の流量との関係を提示する特性に基づいて、目標値を第1の流量に調整する、
ことができるように構成された制御ユニットを備える。
【0019】
利点は、電気モータの駆動電流又は吸引ガスの第2の流量のそれぞれに基づいて、第1の流量の目標値を決定し、特性に基づいて流量制御状態変数を調整することによって、熱回収システムの配管網には、流量制御状態変数をドライブ(drive)するための流量計が不要になることである。
【0020】
本発明による圧縮機装置の好ましい実施形態では、制御手段は、調整可能バルブ弁を含み、特性は、調整可能バルブのバルブ特性であり、流量制御状態変数は、調整可能バルブの開口位置である。
【0021】
このような調整可能バルブの利点は、簡単かつ安価な方法で制御でき、配管網の入口又は出口に設置できることである。
【0022】
本発明の圧縮機装置のさらに好ましい実施形態では、制御部ユニットは、実際値に基づいて、及び、一方では第1の流量の目標値と、他方では電気モータの駆動電流又は吸引ガスの第2の流量のそれぞれとの間の関係に基づいて、第1の流量の目標値を決定するように構成されている。
【0023】
本発明の圧縮機装置のさらに好ましい実施形態では、制御部ユニットは、実際値に基づいて、及び、一方では第1の流量の目標値と、他方では電気モータの駆動電流又は吸引ガスの第2の流量のそれぞれとの間の正の正比例関係に基づいて、第1の流量の目標値を決定するように構成されている。
【0024】
このような正の正比例関係は、基本的な数学関数を形成し、これにより、制御ユニットに過剰な量の計算能力を要求することなく、第1の流量の目標値を迅速かつ容易に決定することができる。
【0025】
本発明の圧縮機装置のさらに好ましい実施形態では、圧縮機設備は、複数の圧縮機要素を有する多段圧縮機設備である。
【0026】
多段圧縮機設備は、入力と出力との間の圧力比が、1つの圧縮機要素のみを有する圧縮機設備の圧力比と比較して一般的に比較的大きいので、熱回収にとって興味深いものである。このため、発生する圧縮熱も比較的大きく、熱回収システム内の冷却剤を比較的高い温度に加熱することができ、比較的高い温度は、回収された圧縮熱の特定の消費者の要求である場合がある。
【0027】
本発明による圧縮機装置のより好ましい実施形態では、圧縮機要素は、電気モータによって駆動される。
【0028】
全ての圧縮機要素を1つの同じ電気モータで駆動することにより、駆動電流の実際値を1つ決定するだけでよく、測定デバイスのコストを制限することができる。
【0029】
さらに、制御ユニットは、駆動電流に関する1つの実際値を受け取るだけでよく、複雑な制御アルゴリズム及びそれに伴う制御ユニットの過剰な計算能力を回避することができる。
【0030】
本発明による圧縮機装置のさらに好ましい実施形態では、圧縮機設備は、複数の連続する圧縮機要素を有する多段圧縮機設備であり、連続する圧縮機要素は、ガスのための配管によって互いに流体連通状態にあり、連続する圧縮機要素の間の配管には、ガスを冷却するための1又は2以上のインタークーラが組み込まれている。
【0031】
上記のインタークーラは、配管網の入口と出口との間に並列又は直列に組み込まれる。
【0032】
本発明による圧縮機装置のさらに好ましい実施形態では、多段圧縮機設備の下流には圧縮ガスを冷却するためのアフタークーラが設けられており、アフタークーラは、配管網の入口と出口との間でインタークーラに対して直列に組み込まれている。
【0033】
その結果、多段圧縮機設備の最終圧縮機要素で発生した圧縮熱は、配管網内の冷却剤を加熱するためにも使用される。
【0034】
本発明による圧縮機装置のさらに好ましい実施形態では、多段圧縮機設備は、少なくとも3つの連続する圧縮機要素と、これら3つの連続する圧縮機要素のうちの2つの直接連続する圧縮機要素の間の配管に設けられた少なくとも1つのインタークーラとを備える。
【0035】
このような圧縮機装置には少なくとも2つのインタークーラがあり、結果として、熱回収システムによって1つのインタークーラのみを有する圧縮機装置よりも多くの圧縮熱を潜在的に回収することができる。
【0036】
本発明による圧縮機装置のさらに好ましい実施形態では、圧縮機装置は、冷却剤の温度が配管網の出口で予め設定されたレベルにされる、一方では制御手段の流量制御状態変数、他方では電気モータの駆動電流又は吸引ガスの第2の流量に関する対応する基準値を記憶するためのメモリユニットを備える。
【0037】
次に、これらの基準値は、実際値に基づいて第1の流量の目標値を決定するのに役立つ。
【0038】
一方では制御手段の流量制御状態変数、及び他方では電気モータの駆動電流又は吸引ガスの第2の流量にそれぞれ対応するこの一対の基準値に基づいて、一方では第1の流量の目標値、他方では電気モータの駆動電流又は吸引ガスの第2の流量にそれぞれ関係する1又は2以上のパラメータは、特性によって決定することもできる。
【0039】
正の正比例関係では、例えば比例定数を決定することができる。
【0040】
圧縮機設備の負荷条件、結果として電気モータの駆動電流及び吸引ガスの第2の流量が変化した場合、冷却剤の第1の流量の関連する所要の変化は、決定された比例定数を有する上記の正の正比例関係に基づいて、配管網の出口での冷却剤の温度を予め設定されたレベルにするために計算することができる。
【0041】
次に、制御手段の流量制御状態変数の関連する変化は、冷却剤の第1の流量の上記の所要の変化に基づいて、特性を用いて計算することができる。
【0042】
また、本発明は、上記の実施形態の1つによる圧縮機装置に使用するための熱回収システムに関する。
【0043】
このような熱回収システムは、本発明による圧縮機装置の上記の実施形態と同じ利点を有することは言うまでもない。
【0044】
最後に、本発明は、圧縮機装置を制御するための方法にも関し、
圧縮機装置は、
-電気モータによって駆動される、吸引ガスを圧縮するための少なくとも1つの圧縮機要素を有する圧縮機設備と、
-吸引ガスの圧縮から生じる圧縮ガスから熱を回収するための熱回収システムと、
を備え、熱回収システムは、冷却剤のための入口及び出口を有する配管網を備え、配管網は、入口又は出口において配管網の冷却剤の第1の流量を変更するための流量制御状態変数を有する制御手段を備えており、
本方法は、
-電気モータの駆動電流又は吸引ガスの第2の流量のそれぞれの実際値を決定するステップと、
-実際値に基づいて、配管網の出口での冷却剤の温度Tw、outを予め設定されたレベルにする第1の流量の目標値を決定するステップと、
-制御手段の流量制御状態変数と第1の流量との間の関係を提示する特性に基づいて、制御手段の流量制御状態変数を第1の流量の目標値に適合させるステップと、
を含む。
【0045】
本方法は、本発明による上記の圧縮機装置と同じ利点を有することは言うまでもない。
【0046】
本発明による方法の好ましい実施形態では、上記の予め設定されたレベルは、60℃と90℃との間にある。
【0047】
この温度レベルは、多くの場合、熱回収システムによって圧縮ガスから回収された熱の消費者が要求するものである。
【0048】
本発明による方法のさらに好ましい実施形態では、配管網の入口での冷却剤の温度は、5℃と35℃との間にある。
【0049】
入口での冷却剤の温度が低いほど、冷却剤と圧縮ガスとの間の熱交換がより速く、より大きくなる。
【0050】
この入口での冷却剤の温度は、もちろん、冷却剤が圧縮ガスから熱を吸収する前に凍結するような低いレベルに選択してはならず、これは配管網の閉塞を引き起こし、従って熱回収システムの故障の原因となる。
【0051】
本発明による方法の好ましい実施形態では、電気モータが所定の基準駆動電流で駆動される場合、又は圧縮機設備が吸引ガスの所定の基準流量を吸引する場合のそれぞれで、制御手段の流量制御状態変数の初期基準値は、配管網の出口における冷却剤の温度が、第1の予め設定された期間中に、予め設定されたレベルに関して第1の予め設定された最大絶対偏差内に留まる場合に記憶されることになる。
【0052】
これに関連して「最大絶対偏差」とは、最大絶対偏差が正の最大偏差として表される場合であっても、最大絶対偏差は、正の最大偏差の他に、負の最大偏差を表すことを意味する。
【0053】
この制御手段の流量制御状態変数の初期基準値と、基準駆動電流又は基準流量のそれぞれに基づいて、例えば、一方では第1の流量の目標値と、他方では電気モータの駆動電流又は吸引ガスの第2の流量のそれぞれとの間の正の正比例関係に関する比例定数は、特性により決定することができる。
【0054】
圧縮機設備の負荷条件、結果として電気モータの駆動電流及び吸引ガスの第2の流量が変化した場合、冷却剤の第1の流量の関連する所要の変化は、決定された比例定数を有する上記の正の正比例関係に基づいて、配管網の出口での冷却剤の温度を予め設定されたレベルにするために計算することができる。
【0055】
次に、制御手段の流量制御状態変数の関連する変化は、冷却剤の第1の流量の上記の所要の変化に基づいて、特性を用いて計算することができる。
【0056】
好ましくは、制御手段の流量制御状態変数の初期基準値は、
-一方では、配管網の出口での冷却剤の温度が、第2の予め設定された期間の間、予め設定されたレベルに関して第2の予め設定された最大絶対偏差内に留まる場合、及び、
-他方では、駆動電流が、第2の予め設定された期間、基準駆動電流に関して予め設定された最大絶対相対偏差内に留まるか、又は、第2の流量が、基準流量に関して予め設定された最大絶対相対偏差内に留まるかのそれぞれの場合、
に予め設定された瞬間に新しい基準値に更新される、
【0057】
その結果、制御手段の制御は、例えば、比例定数をより正確に決定することによって、より正確になる。
【0058】
これに関連して、「最大相対偏差」とは、最大偏差が、最大偏差が適用されるパラメータの相対的割合比例(relative percentage proportion)として表現されることを意味する。
【0059】
以下、本発明の特徴をよりよく示すために、本発明による圧縮機装置及び本発明によるそのような圧縮機装置を制御するための方法のいくつかの好ましい実施形態は、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図2a】
図1の圧縮機装置の熱回収システムを概略的に示す。
【
図2b】
図2aの熱回収システムの第1の変形例を概略的に示す。
【
図2c】
図2aの熱回収システムの第2の変形例を概略的に示す。
【
図2d】
図2aの熱回収システムの第3の変形例を概略的に示す。
【
図3a】一方では駆動電流の相対的変化、吸引ガスの第2の流量の相対的変化、及び調整可能バルブによる要求される所望の第1の流量の相対的変化と、他方では
図1の圧縮機装置の負荷状態の程度との間の関数関係を示す。
【
図3b】一方では駆動電流の相対的変化、吸引ガスの第2の流量の相対的変化、及び調整可能バルブによる要求される所望の第1の流量の相対的変化と、他方では
図1の圧縮機装置の負荷状態の程度との間の関数関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0061】
【0062】
圧縮機装置1は、圧縮機設備2、この場合、3つの連続する圧縮機要素3a、3b、3cを有する多段圧縮機設備を備え、圧縮機設備2に吸引されたガスは次第に圧縮される。
【0063】
本発明の範囲内において、圧縮機設備2が別の数の圧縮機要素を備えることは除外されない。
【0064】
この場合、圧縮機要素3a、3b、3cは、ターボ圧縮機要素である。
【0065】
複数の連続する圧縮機要素3a、3b、3cは、電気モータ4によって駆動され、ガス用の配管5によって互いに流体連通状態にある。
【0066】
下流側の第1の圧縮機要素3aの入口には、より小さく又はより大きく閉鎖されると、吸引ガスの第2の流量を増加又は減少させる入口ベーンが設けられている。
【0067】
圧縮機装置1は、圧縮された吸引ガスから熱を回収するための熱回収システム6をさらに備える。
【0068】
この熱回収システム6は、冷却剤の入口8及び出口9を有する配管網7を備える。
【0069】
例えば、冷却剤としては、比熱容量が比較的大きく、腐食性が比較的低いことから水を用いることができる。
【0070】
配管5において、直接連続する各2つの圧縮機要素3a、3b及び3b、3cの間には、配管網7内の冷却剤との熱交換によってガスを冷却するためのインタークーラ10a、10bが組み込まれている。
【0071】
インタークーラ10a、10bの他に、圧縮機設備2の下流側には、連続する圧縮機要素3a、3b、3cの下流側最後部の近くで圧縮されたガスを冷却剤との熱交換により冷却するためのアフタークーラ11が設けられる。
【0072】
冷却剤とガスとの間の熱交換は、配管網7の出口9に設けられた調整可能バルブ12によって、配管網7内の冷却剤の第1の流量に基づいて制御される。
【0073】
本発明の範囲内において、調整可能バルブ12が配管網7の入口8に設けられることは除外されない。
【0074】
本発明の範囲内において、配管網7内の冷却剤の第1の流量を変更するために、例えば調整可能なポンプのような他の制御手段が適用されることも排除されない。
【0075】
調整可能バルブ12の開口位置は、配管網7の出口9での温度Tw、outを予め設定されたレベルにすることができるように、制御ユニット13によって駆動される。
【0076】
出口9の温度Tw、outは、配管網7の出口9に設けられた温度センサ14によって測定される。
【0077】
この場合、制御ユニット13は、電気モータ4の駆動電流の実測値に関する情報を有する信号を受け取る。この実際の値は、この場合、電流計15によって決定される。
【0078】
この信号に基づいて、圧縮機装置1の運転中に、調整可能な弁12の開口位置が制御される。
【0079】
本発明の範囲内で、制御ユニット13は、代替的に又は追加的に、吸引ガスの第2の流量の実際値に関する情報を有する信号を受け取ることができる。
【0080】
この第2の流量の実際値を直接決定するための測定装置は、第1の圧縮機要素3aの入口に設けることができる。
【0081】
吸引ガスのこの第2の流量の実際値は、第1の圧縮機要素3aの入口の下流側の圧縮機設備2のガス流量を測定するために、さらに下流側に配置された測定装置によって、間接的に決定することもできる。この測定されたガス流量は、さらに下流側に配置された測定装置の上流側の圧縮機要素に対する圧力比に基づいて、吸引ガスの第2の流量に関してさらに換算する必要がある。
【0082】
図2aは、
図1の圧縮機装置1の熱回収システム6を概略的に示す。
【0083】
インタークーラ10a、10bは、配管網7内で入口8と出口9との間で相互に並列に組み込まれている。
【0084】
アフタークーラ11は、配管網7内で入口8と出口9との間でインタークーラ10a、10bに対して直列に組み込まれている。
【0085】
図2bは、
図2aの熱回収システム6の第1の変形例を概略的に示す。
【0086】
この第1の変形例におけるインタークーラ10a、10bは、配管網7内で入口8と出口9との間で相互に直列に配置されている。
【0087】
ここでも、アフタークーラ11は、配管網7内で入口8と出口9の間でインタークーラ10a、10bに対して直列に組み込まれている。
【0088】
図2cは、
図2aの熱回収システム6の第2の変形例を概略的に示す。
【0089】
ここでも、中間クーラ10a、10bは、配管網7内で入口8と出口9との間で相互に並列に組み込まれている。
【0090】
しかしながら、この第2の変形例では、アフタークーラは組み込まれていない。
【0091】
図2dは、
図2aの熱回収システム6の第3の変形例を概略的に示す。
【0092】
この第3の変形例では、インタークーラ10a、10bは、配管網7内で入口8と出口9との間で相互に直列に組み込まれている。
【0093】
この第3の変形例では、アフタークーラは組み込まれていない。
【0094】
本発明の範囲内では、熱回収システム6が、配管網7内で入口8と出口9との間で直列及び/又は並列に相互に組み込まれた3以上のインタークーラを備えることは、配管網7内でインタークーラに対して直列に組み込まれたアフタークーラ11を備えているか否かにかかわらず、除外されない。
【実施例】
【0095】
図3aにおいて、
図1の圧縮機装置1について、
-一方では、第1の圧縮機要素3aの入口に設けられた入口ベーンの閉鎖比(IGV)と、
-他方では、入口ベーン閉鎖比75%での所要の駆動電流に関する、駆動電流の相対的な変化率(三角記号によって表される);入口ベーン閉鎖比75%での吸引ガスの第2の流量の値に関する、吸引ガスの第2の流量の相対的な変化率(四角記号によって表される);入口ベーン閉鎖比75%での調整可能バルブ12を通る第1の流量の目標値に関する、配管網7の出口9での冷却剤の温度T
w、outを予め設定されたレベルにするために調整可能バルブ12を通って流れる必要がある第1の流量の目標値の相対的な変化率(円形記号によって表される)との間の関数関係が示されている。
【0096】
上記の駆動電流、吸引ガスの第2の流量、及び調整可能バルブ12による第1の流量の目標値の相対的な変化率は、0%、15%、25%、35%、50%及び100%の閉鎖比の値で測定される。
【0097】
第1の圧縮機要素3aの入口での入口ベーンの閉鎖比の増加は、圧縮機装置1が吸引するガスの第2の流量の減少、その結果として、圧縮機装置1の負荷条件の減少に対応する。
【0098】
詳細には、閉塞比の値が0%に等しい場合、圧縮機装置1は、吸引ガスの最大の第2の流量、結果として最大負荷条件で動作する。
【0099】
閉塞比の値が100%に等しい場合、圧縮機装置1は、吸引ガスの流量がゼロであり、結果として最小負荷条件で動作する。
【0100】
配管網7の入口8における冷却剤の温度は、25℃である。
【0101】
出口9の冷却剤の温度Tw、outの予め定められたレベルは、70℃、80℃又は90℃の温度に固定される。
【0102】
図3aの関数関係の各々は、図示されるように、これらの温度値のうちの1つに対応する。
【0103】
図3aの関数関係から、一方では、駆動電流又は吸引ガスの第2の流量のそれぞれと、他方では、配管網7の出口9での冷却剤の温度T
w、outを予め定められたレベルにするために調整可能バルブ12を流れる必要がある第1の流量の目標値との間には、正の正比例関係があると結論づけることができる。
【0104】
図3bは、
図3aと同様の関す関係を示すが、配管網7の入口8での冷却剤の温度が35℃である場合である。
【0105】
上述の直接的な正の比例関係の比例定数を決定するために、基準駆動電流又は吸引ガスの基準流量のそれぞれにおける調整可能バルブ12の開口位置の初期基準値を決定することができる。
【0106】
信頼性の高い初期基準値を得るためには、配管網7の出口9での冷却剤の温度Tw、outは、第1の予め設定された期間中、予め設定されたレベルに対して第1の予め設定された最大絶対偏差の範囲内に留まる必要がある。
【0107】
好ましくは、第1の予め設定された期間は、少なくとも60秒である必要がある。
【0108】
好ましくは、第1の予め設定された最大絶対偏差は、最大で1.0℃である必要がある。
【0109】
調整可能バルブ12の開口位置のための初期基準値は、以下の場合に、予め設定された瞬間に新しい基準値に更新することができる。すなわち、
-一方では、配管網7の出口9での冷却剤の温度Tw、outが、第2の予め設定された時間の間、予め設定されたレベルに関して第2の予め設定された最大絶対偏差の範囲内に留まる場合、及び
-他方では、駆動電流が、第2の予め設定された時間の間、基準駆動電流に関して予め設定された最大絶対相対偏差内に留まる、又は、第2の流量が、基準流量に関して予め設定された最大絶対相対偏差内に留まるかのそれぞれの場合、
である。
【0110】
好ましくは、第2の予め設定された期間は、少なくとも60秒である。
【0111】
好ましくは、第2の予め設定された最大絶対偏差は、最大で0.8℃である。
【0112】
好ましくは、予め設定された最大絶対相対偏差は、最大で5.0℃である。
【0113】
一方では駆動電流又は吸引ガスの第2の流量のそれぞれと、他方では第1の流量の目標値との間の正の正比例関係は、駆動電流又は吸引ガス第2の流量のそれぞれの大きな相対変化の場合に、バルブ特性に基づいて調整可能バルブ12の開口位置を制御するために使用できる。
【0114】
これに関連して、「大きな相対変化」とは、基準駆動電流又は基準流量に対してそれぞれ予め設定された最大絶対相対偏差の2倍を外れる、駆動電流又は吸引ガスの第2の流量のそれぞれの相対変化を意味する。
【0115】
代替的に、上述の予め設定された最大絶対相対偏差の2倍以内に収まる駆動電流又は吸引ガスの第2の流量のそれぞれの小さな相対変化に関して、調整可能バルブ12の開口位置は、配管網7の出口9での温度Tw、outに基づく単純な標準的なPI制御ユニットによって制御することもできる。
【0116】
本発明は、例として説明され、図に示された実施形態に限定されるものではなく、本発明による圧縮機装置は、特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、あらゆる種類の変形例で実施することが可能である。
【国際調査報告】