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▶ アダプティブエンドウ エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】内視鏡システム及びアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
A61B1/00 711
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534372
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 US2021062210
(87)【国際公開番号】W WO2022125550
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】63/225,682
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/186,484
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/122,175
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/203,552
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/260,209
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/203,619
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519187827
【氏名又は名称】アダプティブエンドウ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ADAPTIVENDO LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】ファンチャー, ハーシェル, イー.
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン, マーク, エー.
(72)【発明者】
【氏名】パワーズ, ガレン, アール.
(72)【発明者】
【氏名】パワーズ, トレヴァー, イー.
(72)【発明者】
【氏名】ゴールデンボーゲン, マイケル, ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ファーニッシュ, グレゴリー, アール.
(72)【発明者】
【氏名】カンフィールド, ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ウォレス, ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】スタッブルフィールド, ウォルター
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA06
4C161AA15
4C161AA16
4C161CC06
4C161FF12
4C161HH02
4C161HH03
4C161HH04
4C161HH05
4C161HH22
4C161HH36
4C161JJ06
(57)【要約】
内視鏡アセンブリ、システム及びその製造方法が開示されている。特に、細長いハンドルの一端に制御部及び/又はツールポート開口、細長いハンドルの他端にコンソールに延びる挿入管アセンブリ及びアンビリカルを有する内視鏡が提供される。また、内視鏡のハンドル内の流体制御部及び流路の配置、並びにアーティキュレーションリンクの構成及び挿入管の構造も記載されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部分と下端部分とを有する細長いハンドル部分に接続された、挿入管アセンブリ及びアンビリカルを有し、
該細長いハンドル部分の上端部分は、
該ハンドル部分に接続された挿入管アセンブリの遠位部分をアーティキュレーション運動させるためのアーティキュレーション制御部と、
灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部と、
ツールポート開口部と、
のうちの少なくとも1つを有し、
該挿入管アセンブリ及びアンビリカルは、該下端部分から延びるようにされている、内視鏡。
【請求項2】
該細長いハンドル部分の該上端部分が、少なくとも、該該アーティキュレーション制御部と、該灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部とを含む、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
該細長いハンドル部分の該上端部分が、少なくとも、該アーティキュレーション制御部と、該ツールポート開口部とを含む、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項4】
該細長いハンドル部分の該上端部分が、少なくとも、該灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部と、該ツールポート開口部とを含む、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項5】
該細長いハンドル部分の該上端部分が、該アーティキュレーション制御部と、該灌注、吸引、及び/又は該気腹の制御部と、該ツールポート開口部とのそれぞれを含む、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項6】
該灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部が、灌注制御部である、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項7】
該灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部が、吸引制御部である、請求項1記載の内視鏡。
【請求項8】
該灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部が、気腹制御部である、請求項1記載の内視鏡。
【請求項9】
該灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部が、流量調節機構を有する、請求項1記載の内視鏡。
【請求項10】
該流量調節機構が、流体制御ボタンを少なくとも部分的に押し下げられた状態に保持するように構成されている、請求項9に記載の内視鏡。
【請求項11】
該流量調節機構が、回転可能なノブを備える、請求項9に記載の内視鏡。
【請求項12】
該灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部が、該細長いハンドル部分内に配置されて可撓性流体チューブを圧縮するように構成されたピンチバルブを備える、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項13】
該灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部が、該細長いハンドル部分内に配置された常閉バルブを含む、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項14】
該灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部が、第1のルーメンを通って延びる第1の流路に沿った流体の流れを制御するようになされており、
該第1のルーメンは、該アンビリカルを通って延びており、
該第1の流路は、該挿入管アセンブリを通って延びる第1のツールルーメンと流体連通し、且つ該ツールポート開口部と連通している、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項15】
該ツールポート開口部と該第1の流路との間に配置されたバルブを備える、請求項14に記載の内視鏡。
【請求項16】
該アンビリカルの第2のルーメンを通って第2の流路が延びており、
該第2の流路が該第1のツールルーメンと流体連通している、請求項14に記載の内視鏡。
【請求項17】
該細長いハンドル部分に連結された挿入管アセンブリの遠位部分をアーティキュレーション運動させるための該アーティキュレーション制御部がレバーである、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項18】
該レバーが、該細長いハンドル部分の長手方向軸と同一の平面内でアーティキュレーション運動する、請求項17に記載の内視鏡。
【請求項19】
挿入管アセンブリに連結されたハンドル部分を備え、
該ハンドル部分は、該挿入管アセンブリの遠位部分をアーティキュレーション運動させるためのアーティキュレーション制御部を含み、
該アーティキュレーション制御部が、該ハンドル部分内に配置された回転可能なプーリに連結されたレバー及び/又はノブを含み、
1つ又は複数のアーティキュレーションワイヤが、該回転可能なプーリの周り及び該挿入管アセンブリの該遠位部分を通って延び、
摩擦要素が、該回転可能なプーリと該ハンドル部分の一部との間に配置され、該ハンドル部分に対する該回転可能なプーリの回転に抵抗するようにされている、内視鏡。
【請求項20】
該摩擦要素が、該アーティキュレーション制御部が1ニュートン以上の力を受けたときに、該挿入管アセンブリの該遠位部分のアーティキュレーション運動を可能とするようにされ、
該摩擦要素が、該アーティキュレーション制御部からの該力の除去後に、該挿入管アセンブリの該遠位部分をアーティキュレーション運動された状態に保持するようにされている、請求項19に記載の内視鏡。
【請求項21】
該摩擦要素がゴムを含む、請求項19に記載の内視鏡。
【請求項22】
該摩擦要素がOリングを含む、請求項19に記載の内視鏡。
【請求項23】
該摩擦要素が摩擦グリースを含む、請求項19記載の内視鏡。
【請求項24】
該ハンドル部分の該一部が、該回転可能なプーリを通って延びる、請求項19に記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概括的には、胆管鏡、尿管鏡、細胞鏡、及び/又は子宮鏡を含むがこれらに限定されない小径内視鏡を含む内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、診断的処置又は治療的処置のいずれかにおいて、人体内の内部空洞又は潜在的空間を可視化するために、多種多様な医療処置において使用される。特に、医療用の内視鏡は、細長い挿入部を体腔内に挿入することにより、体腔内の検査対象部位を解剖することなく観察することができ、必要に応じて処置具を用いて治療処置を行うことができることから、広く用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの場合、体腔は非常に小さいため、体腔内を観察・処置するためには小径の内視鏡が必要となる。例えば、尿管鏡検査とは、尿管鏡を用いて患者の尿管や腎臓を検査することである。尿管鏡は通常、患者の尿道、膀胱、及び膀胱と尿管をつなぐ尿管開口部から挿入可能な細長い可撓性部分を含む。尿管鏡は通常、内視鏡の通路と尿管又は腎臓内の作業領域を十分に視覚化するためのカメラ及び照明システムをさらに含む。多くの場合、尿管鏡検査では、患者の尿管中部から上部、又は腎臓の杯内に詰まった結石を処理する。作業スペースのサイズのために、小さな体腔や管内で容易に操作できる内視鏡を製造することが望ましい。
【0004】
内視鏡手術では、複数のスコープを使用することがある。そのため、複数のツールと複数の補助者を必要とする過度に複雑なシステムが必要となる。手術室の大きさのために、これらの処置の複雑さを軽減してより複雑でなく高機能な内視鏡を開発することが望まれている。従って、この分野には改善の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、一般に内視鏡に関する。開示された特徴の多くは、他の技術分野、特に他の医療装置において適用可能であることが理解される。
【0006】
本開示は、改良された内視鏡、並びに関連するコンソール及びカートリッジアセンブリを提供する。いくつかの実施形態において、内視鏡は、尿管鏡、胆管鏡、膀胱鏡、子宮鏡、又は気管支鏡などの小径内視鏡であり得る。内視鏡は、使い捨て(1回使用、シングルユース)内視鏡及び/又は再使用可能な内視鏡であり得る。内視鏡アセンブリは、「アンビリカル」と呼ばれることもあるチューブによって、内視鏡アセンブリと共に使用するのに適したコンソールに接続可能なカートリッジに接続される。
【0007】
内視鏡は、患者の体内に挿入するための挿入管を含む。挿入管は、患者の体内に挿入するための遠位端と、近位端とを含み得る。挿入管は、挿入管の少なくとも一部を通って延びるメインルーメンを含み得る。挿入管は、挿入管の少なくとも一部の内部を延びるツールチューブを含むことができる。ツールチューブは、好ましくは、挿入管を通して患者の体内に様々なツールを挿入及び伸長させることを可能にするツールチャネルを画定する。
【0008】
挿入管は、コンソールに情報を提供するため、及び/又は挿入管の端部からのビデオフィードのようなモニタへの画像の投影のために、CCD及び/又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサのような光学センサモジュールを含むことができる。このビデオフィードは、赤外線、熱又は可視光によるものである。挿入管は、挿入管の端部のLEDに電力を供給するための発光ダイオード(LED)ワイヤを含むことができる。
【0009】
内視鏡は、ハンドル本体を有するハンドルアセンブリを有する。ハンドル本体は、第1のハウジング部材と第2のハウジング部材とから構成され得る。ハンドルアセンブリは、挿入管ストレインリリーフ(strain relief)及びアンビリカルストレインリリーフを含み得る。ストレインリリーフは、内視鏡の硬質構成部品と挿入管及びアンビリカルとの間の接続を安定させ、支持するのに役立ち得る。ストレインリリーフ部は、ハンドル本体の内部及び/又は外部にあってもよい。
【0010】
ハンドル本体は、非円筒形であってもよい。例えば、ハンドル本体は、ピストル型の形状を有していてもよい。有利なことに、この形状は、内視鏡医が内視鏡の挿入管にトルクをかける能力を向上させるのに役立ち、これにより、内視鏡を患者の体内へと及び/又は体内を通して進める間の当該内視鏡の操作に役立ち、及び/又は内視鏡のカメラが向いている方向を変えるのに役立つ。非円筒形のハンドルは、挿入管の回転方向の基準を提供することもできる。
【0011】
アンビリカルは、カートリッジと内視鏡のハンドルアセンブリとの間に延びる流体ルーメンと電気信号導体との両方を組み込んだ統合アンビリカルとすることができる。統合アンビリカルは、処置中にユーザが管理しなければならないチューブ及び/又はケーブルの数を減らすことができる。さらに、電気信号導体と流体ルーメンを、カートリッジによって一箇所でコンソールに取り付けられた1本のアンビリカル内にまとめることによって、ユーザは、機械/装置の操作に1カ所のみで拘束される。これにより、操作の自由度が増す。
【0012】
ハンドル本体の上部は、アーティキュレーション制御レバー、ツールポート、及び/又は流量調節機構を有する流体制御ボタン/トリガを含むことができる。アーティキュレーション制御レバーは、ハンドル本体の中心に近接して配置されており、左利き及び右利きの両方の使用を容易にすることができる。
【0013】
ツールポートは、内視鏡の上部に操作可能に配置される。ツールポートはまた、両方の手での使用をしやすくするために、アーティキュレーション操作レバーと同様に内視鏡の中央に配置され得る。ツールポートは、好ましくは、内視鏡を通って挿入管の遠位端まで延びるツールチャネルへの開口部であり、ツールが内視鏡を通って患者の体内に通るのを可能にする。ツールポートを内視鏡ハンドル本体の上部に配置することにより、ツールポート及びツールチャネルを通って延在しないツールの余分な部分は、ツールポートがハンドル本体の側部に位置している配置と比較して、内視鏡技師の動きを妨げにくくなり得る。ツールポートがハンドル本体の側面に位置する場合には、内視鏡医がハンドル本体を握ることがより困難になり、内視鏡医が誤ってツールをぶつけてしまう可能性がある。そのツールポートの位置は、さらに、内視鏡医がハンドル本体を把持している同じ手の親指と人差し指を用いてツールポートを調節することを可能にする。このような配置は、有利には、ツールポートの使用を負担の少ないものにし、内視鏡のハンドルアセンブリの片手操作を可能にすることができる。ツールポートは、好ましくは、ポートを通って延びるツールを所定の位置にロックするようにされたロックを含む。
【0014】
流体制御ボタンは、好ましくは、ユーザが、ハンドルを把持している同じ手の人差し指を使用して、内視鏡のハンドルからの灌注流体の流れ又は吸引を制御することを可能にする。これにより内視鏡のハンドルアセンブリの片手操作が可能になる。流量制御ボタンを繰り返し押したり離したりすると、脈動流が発生する。脈動流は、患者の体内にある物体、例えば、患者の尿管に留まった尿路結石を取り除くのに有益である。
【0015】
流量調節機構は、レバー又はノブとすることができる。ノブ流量調節機構を使用する実施形態では、ノブを回転させることができる。ノブのこのような回転は、流体制御ボタンを少なくとも部分的に押し下げられた状態へと動かすことができる。流量調節機構は、流体制御ボタンを少なくとも部分的に押し込まれた状態に保持することができ、ユーザが流体制御ボタンに継続的に力を加えることを必要とせずに、一定の最小灌漑流量又は吸引流量を提供することができる。より高い流量が必要な場合には、流体制御ボタンは、所望の一定流量がどのようなものであっても、完全に押し下げられた最大流量に至るまでさらに押し下げられ得る。さらに、上記のように脈動流を使用することもできる。例えば、流量調節機構は、流体制御ボタンを押し下げて保持し、20%の一定流量を発生させることができる。より高い流量又は脈動流量が必要な場合には、ユーザは、流体制御ボタンをさらに押して、上述のように、より高い流量又は脈動流とすることができる。流量調節機構を利用して、任意の所望の一定流量を達成することができることが理解されよう。
【0016】
内視鏡アセンブリは、1つ以上のプーリアセンブリを含むことができる。プーリアセンブリは、アーティキュレーション制御レバーの動きに応答して回転するように動作可能に配置された少なくとも1つのプーリを含むことができる。少なくとも1つのプーリと関連付けられるのは、作動時に内視鏡アセンブリの遠位シャフト部分を曲げるように構成された1つのアーティキュレーションワイヤ又は一対のアーティキュレーションプルワイヤ(例えば、プーリ上にループ状に配置されてプーリの相互に反対の側から延びるワイヤセグメントを有する、2つの別個のワイヤ又は1つの連続ワイヤ)である。アーティキュレーションワイヤは、プーリに固定され(例えば、アンカーによって結ばれ又は固定され)、及び/又はプーリの少なくとも一部の周囲に延在する(例えば、プーリの周囲にループを形成する)ことができる。プーリはカムであってもよい。
【0017】
アーティキュレーションワイヤは、ハンドル本体を通り、挿入管の近位部分に至り、そして挿入管の近位部分を通って延びる。ハンドル本体内では、アーティキュレーションワイヤは、アーティキュレーションワイヤ管理チューブを通って延びるようにし得る。
【0018】
さらに、プーリアセンブリは、プーリに接続されたそれぞれのアーティキュレーションワイヤに巻き付けられる1つ以上のアーティキュレーションコイルを受け入れるアーティキュレーション終端コイルを含むことができる。アーティキュレーション終端コイルは、アーティキュレーションワイヤに張力を与えることができる。アーティキュレーション終端コイルは、アーティキュレーションワイヤの弛みを除去するように調節可能であり得る。例えば、アーティキュレーション終端コイルは、アーティキュレーションプルワイヤの張力を制御するために、内視鏡アセンブリの長手方向軸に沿って調節可能であり得る。ハンドルアセンブリの内部は、挿入管の近位端のための複数の固定スロットを含むことができる。このような配置は、内視鏡の組立中にアーティキュレーションワイヤの張力を維持するのに役立つ。固定スロットは、挿入管がアーティキュレーションワイヤの引っ張り力に対抗するために利用される場合に有用である。実施形態では、アーティキュレーションコイル及び/又は固定スロットを利用することができる。
【0019】
摩擦要素は、アーティキュレーション制御レバーがユーザによって解放されたときに、その位置を保持するために使用することができる。摩擦要素は、ユーザがアーティキュレーション制御レバーを放したときに、挿入管の遠位先端がニュートラルな構成に戻らないようにすることができる。したがって、例えば、ユーザは、アーティキュレーション制御レバーの位置を維持する必要なく、光学センサモジュールを目標視認領域上に維持することができる。
【0020】
第2のハウジング部材は、1つ以上のプーリを通って延びるようにできる。プーリは、アーティキュレーション制御レバーによって回転されると、第2のハウジング部材の周りを回転することができる。摩擦要素は、第2のハウジング部材の静止摩擦面とプーリの回転摩擦面との間に配置され得る。いくつかの実施形態では、摩擦要素の代わりに摩擦グリースが使用され得る。いくつかの例では、摩擦要素はOリングであってもよい。プーリが挿入管の遠位端をアーティキュレーション運動させるために回転させられていないときには、摩擦要素は、静止摩擦面に対する回転摩擦面の回転に抗することによって、プーリの位置を維持してプーリが回転して中立位置に戻るのを阻止する。
【0021】
ハンドル本体は、流路アセンブリを含むことができる。流路アセンブリは、灌注及び/又は吸引のために使用され得る。例示の目的で、流路は、灌注に関連して説明されている。
【0022】
内視鏡は、ハンドル本体を通って延びる第1の灌注源からの第1/主の灌注ルーメンを含み得る。内視鏡のハンドル本体内に組み込まれたバルブは、第1の灌注ルーメン内の流体の流れを制限及び/又は誘導するように配置され得る。例えば、バルブはピンチバルブであってもよい。バルブは、好ましくは、処置中における流体制御ボタンの作動により流体が第1の灌注ルーメンを流れるようにする常閉バルブである。しかし、バルブは常開バルブであってもよい。ユーザは、ハンドルを把持しているのと同じ手の親指及び/又は人差し指を使用してバルブを制御することができるようにし得る。
【0023】
第1の灌注ルーメンは、第1のT字継手に取り付けられている。第1のT字継手は、第1の灌注ルーメンの第1の流路をツールチャネルに接続することができる。接続ルーメンが、第1のT字継手から挿入管に向かって延びるようにできる。第2の灌注源及び/又は吸引源を統合するために第2のT字継手が含まれ得る。第2のT字継手は、第1のT字継手と挿入管との間の流路に沿って配置され得る。
【0024】
内視鏡は、ハンドル本体を通って延びる第2の灌注源からの第2/副の灌注ルーメンを含むことができる。第2の灌注ルーメンは第2のT字継手に取り付けられる。第2のT字継手は、第2の灌注ルーメンの第2の流路をツールチャネルに接続するために使用され得る。第2のT字継手、第1の流路、第2の流路、及びツールチャネルは、すべて流体連通して得る。第2の灌注ルーメンの配置は、ユーザが第1の流体制御ボタン制御灌注源にアクセスすることを妨げることなく、第2の灌注/吸引源を組み込むことを可能にする。一例では、第1の灌注源は定圧バッグであり、一方で第2の灌注源は吸引ポンプ又は単動(拍動)灌注ポンプである。第2の流体源は、ハンドルアセンブリから離れた位置で(例えば、処置中にユーザをサポートするアシスタントによって)制御することができる。
【0025】
第2の灌注ルーメンは好ましくはアンビリカルストレインリリーフを通ってハンドルから出て、例えばメス(雌)ルアーのようなコネクタで終端する。コネクタは、第1の灌注源が使用中であり、および/又は挿入管が流体で満たされた空洞に挿入されているときに、漏れを防ぐためにキャップで覆われるようにできる。使用中、キャップは取り外されて、二次流体源、例えば流体が充填されたシリンジがコネクタに接続される。
【0026】
第2の灌注ルーメンは、好ましくは、アンビリカルストレインリリーフを通ってハンドルから出て、例えばメスルアーのようなコネクタで終端する。第1の灌注源が使用中であり、及び/又は挿入管が流体で満たされた空洞に挿入されているときに、漏れを防止するためにシリンジ作動バルブがコネクタと一体化されるようにできる。使用中は、シリンジをコネクタとバルブに接続して、二次流体源とすることができる。
【0027】
一方向バルブが、ツールポートと第1のT字継手との間に配置されるようにできる。一方向バルブは、第1のT字継手に組み込まれ得る。一方向バルブはダックビルバルブであってもよい。一方向バルブは、好ましくは、第1の灌注源からツールポート(例えば、締め付けられていないトーイボーストアダプター(tuohy borst adapter))からの流体の意図しない流れに抗する。
【0028】
挿入管は、近位部、移行部、及び挿入管の遠位端に位置するアーティキュレーション部を含む複数の部分を有することができる。挿入管の近位部は、アーティキュレーション部のアーティキュレーション運動中に、近位部の曲げに抵抗するために、アーティキュレーション部よりも高いデュロメータポリマーで作ることができる。アーティキュレーション部は、挿入管の遠位端をアーティキュレーション運動させるためのアーティキュレーションリンクアセンブリ(以下に詳述)を含むことができる。アーティキュレーション部は、アーティキュレーション部がアーティキュレーションワイヤによって曲げられるように、近位部よりも低デュロメータポリマーで作られ得る。移行部は、アーティキュレーション部と近位部との間に動作可能に配置される。移行部は、アーティキュレーション部よりもデュロメータ値が高く、近位部よりもデュロメータ測定値が低いポリマーで作られてもよい。これにより、移行部は、挿入管のアーティキュレーション部のアーティキュレーション運動中に受動的に曲がることができる。従って、アーティキュレーション部がアーティキュレーション運動するときに、動いていない、又は動きが最小限の近位部とアーティキュレーション部との間に滑らかで流動的な移行部が存在し得る。
【0029】
圧縮コイルは、アーティキュレーションリンクアセンブリの近位リンクの近位端まで延びて近位リンクの近位端で終端し得る。挿入管は、外側のポリマージャケットと、ジャケットの内側の編組(ブレード)とを含むことができる。従って、組み立ての際に、(リンク、アーティキュレーションワイヤ、アーティキュレーションコイル、カメラアセンブリ、及び電気信号導体を含み得る)単一の挿入管を、単一の動作でハンドルアセンブリに通して引き込んでハンドルアセンブリに装着するようにできる。このようにすることにより、組立及び修理が容易になるとともに、人件費を削減することができる。
【0030】
遠位端は終端バンドを含み得る。アーティキュレーションワイヤは、例えば、溶接及び/又は接着剤によって、終端バンドの内壁に対して取り付けるようにできる。終端バンドの直径はキャップアセンブリの直径よりも大きく、キャップアセンブリを終端バンドの開口部に挿入して固定することができる。
【0031】
挿入管は、アーティキュレーションリンクアセンブリを覆って延びる。電気信号導体は、カメラ及び/又はLEDから、キャップアセンブリからアーティキュレーションリンクアセンブリを通って延びる。
【0032】
アーティキュレーションリンクアセンブリは、複数のリンク及び/又は少なくとも部分的に複数のリンクの長さ方向に延びるサポートビームを含んでもよい。サポートビームは、複数のリンクに取り付けられたサポートストラットを含んでもよい。複数のリンクは、アディティブ及び/又はサブストラクティブ製造プロセスを介して製造され得る。サポートビーム及びサポートストラットは、リンクを支持して製造プロセス中にリンクを整列した状態に維持するために使用され得る。アーティキュレーションリンクアセンブリの組立後、サポートビームとサポートストラットは取り外されて廃棄されるようにできる。製造工程は、(以下に詳述する)一連の固有のリンクを製造することを可能にすることができる。製造工程は、アーティキュレーションリンクアセンブリの各アーティキュレーションリンクのための別個の型を必要としない。
【0033】
アーティキュレーションリンクは、アーティキュレーションワイヤがリンクを通って延びるための2つの開口部を含むことができる。リンクの下部は、凹状/窪み状アーティキュレーションピボットを含み、リンクの上部は、凸状/突出したアーティキュレーションピボットを含むことができる。各リンクは、リンクの長さ方向に延びる中空内部又はルーメンを含むようにできる。
【0034】
複数のリンクは、2つ以上のリンクから構成される。いくつかの実施態様において、リンクは、隣接するリンクの対向する面間の角度(すなわち、角度X°)が次第に増大し、及び/又は長さ(L1、L2)がアセンブリの長さに沿って減少するように(例えば、近位端から遠位端に向かう方向に沿って角度X°が増大し及び/又は長さが減少するように)設計及び配置される。このような配置は、ユーザが近位端よりも遠位端を多く曲げること、及び/又は近位端が曲がり始める前に遠位端を曲げることを可能にし得る。
【0035】
リンクは、アーティキュレーションアセンブリの遠位端でより大きいアーティキュレーション運動を可能にするように変更可能である。リンクは、挿入管の遠位端で所望の程度のアーティキュレーションを得るために必要なアーティキュレーションワイヤの力を低減するように配置可能である。例えば、遠位端に近いリンクは、近位端に近いリンクよりも短い長さを有することができる。リンクはまた、遠位端におけるアーティキュレーション角度を大きくするように配置することもできる。凸状のアーティキュレーションピボットのピボット半径は近位端よりも遠位端に近いリンクの方が小さくなるようにでき、及び/又は、凹状のアーティキュレーションピボットのピボット半径は近位端よりも遠位端に近いリンクの方が大きくなるようにできる。
【0036】
これらの特徴はすべて、所望のアーティキュレーション応答及び形状を達成するために、個々のリンクで、又は複数のリンクと組み合わせて変更することができる。このような配置は、近位側のアーティキュレーション運動に先立って又は同時に、遠位側のアーティキュレーション運動を開始するようにする能力を提供することができる。さらに、このような配置は、アーティキュレーション部の近位端に蓄積する引っ張り力の増大を緩和するようにする能力を提供することができる。さらにこのような配置は、近位端から遠位端までアーティキュレーション部に沿った半径の均一な曲率を提供し得る。
【0037】
複数のリンクは、アーティキュレーションリンクアセンブリ全体に配置されてもよい。複数のリンクは、アーティキュレーションリンクアセンブリの近位端にある近位終端リンクと、アーティキュレーションリンクアセンブリの遠位端にある遠位終端リンクとを含み得る。近位終端リンクは、複合挿入管によって横方向で保持されるようにできる。遠位終端リンクは、終端バンドによってカメラアセンブリに固定されるようにできる。リンクを通って延びるアーティキュレーションワイヤは、終端バンドにレーザー溶接されるようにできる。
【0038】
アーティキュレーションワイヤの遠位端は、挿入管の遠位端に取り付けられるようにできる。アーティキュレーションワイヤの遠位端は、遠位終端リンクを通って延びるようにしたり、終端バンドにレーザー溶接されるようにしたりできる。アーティキュレーションワイヤは、遠位終端リンクのステップダウン部分の溝、例えばU字型の溝内に配置されるようにできる。アーティキュレーションワイヤは、例えば接着剤によって固定され、終端バンドを遠位終端リンクのステップダウン部分上でスライドさせることによって所定の位置にロックされる。好ましくは、終端バンドは、遠位終端リンクとキャップアセンブリとの間の確実な接続を提供する。
【0039】
実施形態によっては、アーティキュレーションリンクを利用しないこともできる。上述のように、挿入管は、近位部、移行部、及びアーティキュレーション部を含む。挿入管は、外側のポリマージャケット及び/又はジャケットの内側の編組を含むことができる。編組の内部には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)スリーブが近位部からアーティキュレーション部まで延びるようにし得る。アーティキュレーションワイヤはスリーブを通って延びるようにし得る。アーティキュレーションワイヤは、例えば溶接によって、編組の後側で終端バンドの壁に固定することができる。アーティキュレーションワイヤはフラットプルワイヤとすることができる。
【0040】
メインシャフトのPTFEライナーは、PTFEスリーブの編組とは反対側に配置される。ライナーは、挿入管のメインルーメンを画定する。有利なことに、この配置により、リンクが不要になり、挿入管の遠位端における利用可能な断面積が増加する。利用可能な断面積が増大することにより、ツールチャネル、電気信号導体、及び挿入管のメインルーメン内に配置される可能性のある他の長尺物の自由な移動が容易になる可能性がある。この配置により、挿入管の遠位端が300度以上、場合によっては310度まで曲がるようにできる。
【0041】
アンビリカルアセンブリは、アンビリカルと第1のカートリッジを含む。アンビリカルアセンブリは、カートリッジと内視鏡のハンドルアセンブリとの間に延びる流体ルーメンと電気信号導体とを含むことができる。アンビリカルは、その一端がカートリッジのある位置に取り付けられる。カートリッジはハウジングを含んでいてもよい。ハウジングの別の位置から第2のチューブが延びていてもよい。第2のチューブは、上述した第1の灌注源に接続される。第2のチューブは、第2のチューブを第1の灌注源に接続するために、チューブの一端にルアーロックコネクタを含むことができる。第2のチューブは、カートリッジのハウジングを通って、アンビリカル内に延びることができる。有利なことに、手動式又は移動式の灌注源の場合、第2のチューブは、処置中に第1の灌注源が内視鏡ハンドルを引っ張って動く可能性を低減することができる。
【0042】
カートリッジは、プリント回路基板(PCB)を含むことができる。PCBは、電気信号スプリングタブを含むことができる。カートリッジスプリングタブは、コンソールと接続されて、コンソールと、カートリッジ及び/又は内視鏡との間の電気的接続を確立することができる。カートリッジは、静的保持タブ及び/又は動的保持タブの組合せを含むことができる。保持タブは、対応する保持スロットに接続することによって、カートリッジをコンソールのレセプタクルに動作可能に接続することができる。保持タブは、カートリッジのコンソールへの「スナップオン」接続を提供することができる。コンソールにカートリッジをスナップオンする機能は、コンソールにカートリッジを取り付ける、又はコンソールからカートリッジを取り外すための迅速かつ安全な方法を可能にすることができる。
【0043】
コンソールは、手術室内や使用中のカート上のスペースを節約するため、比較的小型であってもよい。コンソールは流体制御部を含まなくてもよい。コンソールはレセプタクルを含んでいてもよい。レセプタクルは、第1のカートリッジの電気信号スプリングタブをコンソールに接続するための電気信号コネクタを含んでいてもよい。レセプタクルは、カートリッジの動的保持タブとカートリッジの静的保持タブのための保持スロットを受けて接続するための保持スロットをさらに含むことができる。この接続により、コンソールとカートリッジとの間に電気的接続が形成され得る。アンビリカルに過度の張力がかかると、動的保持タブは動的保持スロットから自動的に解除され得る。有利なことに、この安全解除により、コンソールやカートリッジの意図しない損傷を防ぐことができる。静的保持タブ及び静的保持スロットだけを利用することもできる。ある実施例では、動的保持タブ及び動的保持スロットのみが利用される。また、静的保持タブ及び静的保持スロットと動的保持タブ及び動的保持スロットの両方を利用する場合もある。
【0044】
コンソールは、照明制御部をさらに含むことができる。照明制御部は、挿入管の遠位端のLEDへの電力を制御することができる。照明制御部は、LEDから放射される光の波長を制御し得る。コンソールはまた、コンソールの電源をオン又はオフにするための電源制御部を含み得る。例えば、電源制御部は、スイッチ、ノブ又はボタンとすることができる。
【0045】
カートリッジは、コンソールを柱に垂直に取り付けるためのブラケットを含むことができる。レセプタクルは、コンソールが水平であろうと垂直であろうと、カートリッジを同じ状態でカートリッジに接続できるように向けられるようにできる。レセプタクルは、コンソールの向きに基づいて所望の向きに回転させることができる。有利なことに、これにより、手術室内のコンソールの向きに関係なく、所望の人間工学的チューブの配置を維持することができる。
【0046】
本開示は、第2のカートリッジ及び第2のコンソールをさらに提供する。第2のカートリッジ及び第2のコンソールは、第2のコンソール及び第2のカートリッジで流体制御機構を使用するため、第1のコンソール及び第1のカートリッジよりも大きくなる可能性がある。システムは、コンソールの制御バルブアセンブリに挿入されたカートリッジを含むことができる。カートリッジは、アンビリカルによって内視鏡に接続することができる。例えば、カートリッジは、1つ以上の流体チューブ及び/又は電導体によって使い捨て内視鏡に接続され得る。
【0047】
カートリッジは、支持具に接続され得る。支持具は、灌注ポンプ、気腹器、及び/又は真空ポンプ(例えば、スタンドアロン型又は中央型)を含むことができる。カートリッジは、内視鏡と支持具との間に配置されてもよい。
【0048】
いくつかの実施例では、コンソールは、ユーザが内視鏡システムの様々な変数を変更することを可能にするユーザインターフェース(図示せず)を含むことができる。ある実施例では、ユーザインターフェースは、電気ビジュアルディスプレイに統合されたタッチスクリーンである。別の例では、ユーザインターフェースは、キーボード、マウス、トラックボール、及び/又はタッチセンシティブポインティングデバイス等を含み得る。
【0049】
コンソールは、カートリッジを受け入れて作動するための制御バルブアセンブリを含み得る。コンソールは、電力、流体及び/又は流体圧、真空圧、及び/又は内視鏡アセンブリとの電気信号の送信及び/又は受信を提供し得る。コンソールは、使い捨てシャフトアセンブリの遠位端にあるカメラからのビデオフィードのような内視鏡アセンブリから受信した信号を視覚化するためのモニタ(図示せず)を含み得る。
【0050】
制御バルブアセンブリは、カートリッジの流路の作動可能部分を選択的に作動させるために使用され得る。制御バルブアセンブリは、アクチュエータと、第1の表面及び第2の表面を有する支持構造体とを含み得る。
【0051】
アクチュエータは、リニアアクチュエータ又は回転アクチュエータとし得る。アクチュエータはソレノイドであってもよい。アクチュエータは1つでもよいが、好ましい実施例では、制御バルブアセンブリは4つのアクチュエータを含む。アクチュエータは、カートリッジ内の流路のバルブ部分を作動させ、流路を選択的に開放及び/又は閉鎖するようにされる。
【0052】
流路のバルブ部分は、任意の許容可能なバルブを備えることができる。例えば、バルブ部分は、ペットコックを備えることができる。また、バルブ部分は、ドアの第1の面のアンビルと制御バルブアセンブリのアクチュエータ(例えば、ソレノイド)との間の圧縮のために配置されたチューブの一部(例えば、ピンチバルブ)を備えることもできる。バルブ部分は、アクチュエータに関連する吸引バルブ、アクチュエータに関連するカメラ洗浄流バルブ、アクチュエータに関連する気腹バルブ、及び/又はアクチュエータに関連する気腹ベントバルブなど、内視鏡の任意の数の流体機能のためのバルブとして機能することができる。
【0053】
制御バルブアセンブリのアクチュエータは、コンソールによって受け入れられて、アクチュエータをコンソールに電気的に接続するための電気コネクタを含むことができる。コンソールに接続されると、コンソールは、アクチュエータに電力及びユーザ入力コマンドを供給して、カートリッジの流体通路を開放及び/又は閉鎖することができる。
【0054】
カートリッジは、制御バルブアセンブリによって読み取り可能及び/又は書き込み可能な識別子を含むことができる。識別子は、カートリッジのタイプに関する情報、及び/又は使用情報(例えば、カートリッジが以前に使用されたかどうか)を含んでもよい。好ましくは、制御バルブアセンブリは、(例えば、カートリッジの種類及び/又はカートリッジが以前に使用されたかどうかを判断するために)カートリッジの識別子を読み取って処理するように構成される。識別子は、カートリッジの電気コネクタを介して、及び/又は他の手段(例えば、RFID、光学系、及び/又は機械的接触)を介して、読み取り可能及び/又は書き込み可能とし得る。
【0055】
支持構造体の第1の表面は、カートリッジの電気コネクタとの電気的接続を形成するための電気コネクタを含むことができる。コンソールの制御バルブアセンブリとカートリッジとの間の電気的接続により、コンソールは、内視鏡からカートリッジを介してコンソールに送られる画像及び制御データ(バルブ/アクチュエータ及び/又は画像データ)を受信することができる。電気的接続により、コンソールは、内視鏡アセンブリの発光ダイオード(LED)に電力を供給することができる。
【0056】
カートリッジは、使い捨てカートリッジとすることができる。使い捨てカートリッジは、再使用可能な内視鏡及び/又はコンソール内に含まれる永久バルブボディの使用の必要性を無くすことができる。これにより、再使用可能なバルブを使用毎に滅菌する必要がなくなる。
【0057】
カートリッジはハウジングを有する。ハウジングは、第1の側面と第2の側面とを含むことができる。ハウジングは、流体がカートリッジハウジングに流入及びカートリッジハウジングから流出するように移動することを可能にする第1の流体側及び第2の流体側をさらに含む。ハウジングは、1つ以上の流路、流体コネクタ、及び/又は電気コネクタを画定することができる。例えば、カートリッジハウジングは、内視鏡の電導体と電気的に連通する電気コネクタ、及び任意に光学センサの較正データ及び/又は内視鏡の固有の識別子を含む光学センサモジュールを含むことができる。ハウジングは、窓を画定することができる。一例では、ハウジングは4つの窓を含む。窓は、ハウジングの内面によって画定され得る。内面は、ハウジングに概ね円形の開口を形成することができる。ある窓の円周は、より大きな流路断面を受容するために、他の窓よりも大きくてもよい。
【0058】
窓は、アクチュエータをコンソールから内面によって画定されたチャンバ内に受け入れるように構成され得る。上述したように、アクチュエータは、窓を通過し、及び/又はコンソールの制御バルブアセンブリのドア上のアンビルに接触して、ドアととともにピンチバルブを形成することができる。カートリッジが制御バルブアセンブリ上に配置されてドアが閉じられると、窓はドアのアンビル及び制御バルブアセンブリのアクチュエータと整列する。窓は、幾何学的形状を画定するように配置され得る。例えば、窓は菱形を画定することができる。
【0059】
上述したように、1つ又は複数のアクチュエータは、カートリッジハウジングの窓の中に延び、及び/又は制御バルブアセンブリのドア上のアンビルに接触するように構成されたソレノイドであってもよく、閉じたときにピンチバルブを形成する。
【0060】
ハウジングは、制御バルブアセンブリの電気コネクタに接続するための電気コネクタをさらに含むことができる。カートリッジの電気コネクタは、コンソールの制御バルブアセンブリの対応する数のフラットパッド電気接点に接触するように構成されたスプリングフィンガ電気接点であってもよいし、その逆であってもよい。カートリッジハウジングの電気コネクタは、内視鏡によって提供される画像データ及び制御データをコンソールに送ることができる。ハウジングの電気コネクタは、コンソールから患者の体内で内視鏡によって使用されるLEDに電力を送ることができる。
【0061】
カートリッジは、制御バルブアセンブリの支持構造体の第1の表面と面一に挿入される。カートリッジの第1の流体側は、アンビリカルの中及び内視鏡の使い捨てシャフトアセンブリ(図示せず)に続く緩いチューブを含むことができる。
【0062】
カートリッジの第2の流体側は、支持具に接続され得る。支持具は、灌注ポンプ、気腹器、及び/又は真空ポンプ(スタンドアロン型又は中央型)を含むことができる。カートリッジは、内視鏡と支持具との間の流体連通を提供することができる。
【0063】
制御バルブアセンブリは、レッジ(棚)面とラッチとを含むことができる。カートリッジは、レッジ面とラッチ受け部とを含むことができる。別の実施例では、制御バルブアセンブリはラッチ受け部を含み、カートリッジはラッチを含む。カートリッジが制御バルブアセンブリに受容されると、ラッチがラッチ受け部に接触して、カートリッジの第1端を制御バルブアセンブリに固定する。これとは別に、ラッチ及びラッチ受け部の反対側で、カートリッジのレッジ面と制御バルブアセンブリのレッジ面とが互いに接触して、カートリッジの第2の端部を制御バルブアセンブリに固定してもよい。
【0064】
幾つかの実施例では、カートリッジは、カートリッジの第1の側に配置された2つ以上の磁石を含むことができる。いくつかの実施例では、1つの磁石がカートリッジの第1の面の下部に位置し、第2の磁石がカートリッジの第1の面の上部に位置する。制御バルブアセンブリの第1の面は、カートリッジ上の磁石の位置に対応する2つ以上の磁気センサ(ホール又はリード)を含むことができる。例えば、一方は第1の面の下部に位置し、他方は第1の面の上部に位置する。カートリッジ上の下部の磁石は、制御バルブアセンブリ上の下部の磁気センサと干渉して、アクチュエータ(例えば、ソレノイド)バルブを引き込み、カートリッジを制御バルブアセンブリに傾けるのに必要な力を減少させる。上部の磁石は、制御バルブアセンブリ上の上部の磁気センサと干渉して、コンソール上のカートリッジの存在を確認し、コンソールを動作させて適切なアクチュエータを解放しまた内視鏡検査のためのアクチュエータ動作モードを開始させることができる。
【0065】
システムは、第1のカートリッジと第2のカートリッジとを含むことができる。第1のカートリッジは第1の内視鏡(図示せず)に接続され、第2のカートリッジは第2の内視鏡(図示せず)に接続される。第1のカートリッジ及び第2のカートリッジは、それぞれ、コンソールの第1の制御バルブアセンブリ及び第2の制御バルブアセンブリにしっかりと挿入される。コンソールは、それぞれが独立したカートリッジを受け入れることができる任意の数の制御バルブアセンブリを有することができる。第1の制御バルブアセンブリは第1のカートリッジを受け入れ、第2の制御バルブアセンブリは第2のカートリッジを受け入れるようにできる。全ての制御バルブアセンブリが全ての医療処置においてカートリッジを受け取る必要は必ずしもない。
【0066】
各カートリッジは、別個の支持具及び内視鏡のような独立した医療装置に接続され得る。
【0067】
第1の制御バルブアセンブリ及び第2の制御バルブアセンブリは、独立して及び/又は主/副の関係で動作するように構成される。第1の(別名「マザー」)内視鏡が主制御装置で、第2の(別名「ドーター」)内視鏡が副制御装置であり得る。この配置において、主内視鏡の制御部は、1つ又は複数の副内視鏡の機能(例えば、画像制御部及び/又はLED)を制御することができる。主内視鏡は、(例えば、コンソールに接続された1つ以上のカートリッジを介して)本明細書に記載のアクチュエータを選択的に作動させるための電気信号を第2の制御バルブアセンブリに供給することによって、副内視鏡の流路の機能を制御することができる。第1の内視鏡は、第2の制御バルブアセンブリの状態を変更する(例えば、第2の制御バルブアセンブリによって第2の内視鏡のカートリッジに提供される電気信号を変更する)ために第1の内視鏡から電気信号を提供することによって、第2の内視鏡の機能(例えば、LED及び/又はカメラの動作)をさらに制御することができる。例えば、制御バルブアセンブリは、第1の内視鏡から受信した信号に基づいて、第2の内視鏡のLED及び/又はカメラに電気信号を供給することができる。この配置はさらに、複数の内視鏡を一度にセットアップして処置に利用することを可能にし、1つの内視鏡を別の内視鏡に交換するために通常使用される多くのセットアップ時間を排除又は短縮し、及び/又は複数の制御コンソールのような追加の装置の必要性を排除又は低減する。
【0068】
コンソールは、ユーザインターフェースを含むことができる。ユーザインターフェースは、任意の適切な入出力装置であってよい。ユーザインターフェースは、タッチスクリーンを含むことができる。
【0069】
第2の制御コンソールは、流体制御部を含み、流体制御部のないコンソールよりも大きくなり得る。第2のコンソールは、1つ以上のレセプタクル/制御バルブアセンブリを含み得る。レセプタクルは、カートリッジの電気信号スプリングタブをコンソールに接続するための電気信号コネクタを含み得る。第2のコンソールは、流体制御部を備えるカートリッジ又は流体制御部を備えないカートリッジをユーザが取り付けることを可能にし得る。いくつかの例では、大型のカートリッジが大型の第2のコンソールのレセプタクルに接続され得る。大型の第2のカートリッジは、レセプタクルの一部を覆い得る。この例では、上記述したように、コンソールは、カートリッジを通る流体の流れを制御するために作動するバルブを含む。別の実施例では、上述した第1のカートリッジは、第2のコンソールのレセプタクルの、大きなカートリッジよりも小さい部分を覆うように取り付け得る。第3の例では、大きなカートリッジがレセプタクル全体を覆うために使用されてもよいが、流体制御部は利用されない。
【0070】
有利なことに、例えば、流体制御部のないカートリッジを、医務室で見られるような小型のポール取り付けコンソールにも、尿管鏡検査用の手術室で見られるような大型のコンソール(例えば、デュアルコンソール)にも接続できる柔軟性を有するようにできる。さらに、使い捨て胆管鏡とハイブリッド十二指腸鏡の両方をデュアルコンソールに接続するなどして、内視鏡的逆行性胆管膵管造影の際に、使い捨て胆管鏡をハイブリッド十二指腸鏡と組み合わせて使用することができる。さらに、使い捨て胆管鏡は、流体制御部なしで、サードパーティ製の再使用可能な十二指腸内視鏡及び関連するビデオ処理ユニットと組み合わせて、小型のコンソールと共に使用することもできる。
【0071】
さらに、改良された4方向ステアリング可撓性内視鏡が開示されている。内視鏡アセンブリは、アンビリカルと挿入管とを含むことができる。挿入管は、アーティキュレーション部を含んでいてもよい。挿入管は、アーティキュレーションワイヤをさらに含むことがある。アーティキュレーションワイヤは、挿入管のアーティキュレーション部をアーティキュレーション運動させるために使用される。一実施形態では、挿入管は、上下又は左右のいずれかのアーティキュレーション運動のための2本のアーティキュレーションワイヤを含む。例示的な一実施形態では、挿入管は4本のアーティキュレーションワイヤを含む。この構成により、ユーザによる上下及び左右のアーティキュレーション運動が可能になる。
【0072】
さらに、ある内視鏡を別の内視鏡のハンドルに取り付けるための取り付け構造体が開示されている。一方の内視鏡を他方の内視鏡に取り付けて固定する機能により、内視鏡医は両方の内視鏡を容易に取り扱うことができ、2つの内視鏡の取り扱いの煩わしさが減少する。多くの場合、小径の内視鏡は大径の内視鏡のツールチャネルを通して、例えば胆管鏡を十二指腸内視鏡を通して、配備される。取り付け構造体は、小口径内視鏡を大口径内視鏡のハンドル及び/又はストレインリリーフに固定するようにされる。
【0073】
取り付け構造体は、例えばエラストマーパッドのようなアライメントパッドを有する弾性ストラップを含むことができる。いくつかの実施形態では、アライメントパッドは、大口径内視鏡の本体の典型的な形状に合わせて湾曲されている。アライメントパッドは、大口径内視鏡上での小口径内視鏡の移動を防止する。取り付け構造体は、カムラッチと、カムラッチ用のランドとをさらに含むことができる。開位置では、カムラッチはカムラッチ用ランドから解放されている。閉/固定位置では、カムラッチはカムラッチ用ランドに固定されている。閉位置では、小径内視鏡は大径内視鏡の本体にしっかりと固定される。
【0074】
内視鏡のハンドルには、吸引制御部が一体化されている。この吸引制御部により、手動による吸引を可変にすることができる。さらに、可変の吸引強度を選択することができる。バルブは、さらに、灌注流体の流れを制御し得る。
【0075】
吸引制御部は、一体型可変吸引バルブと吸引チューブとを含み得る。一体型吸引バルブは、バルブ可変スクリュー、バルブスライディングボタン、バルブスプリング、及びバルブアンビルを含み得る。スクリューは回転可能であってもよいし、回転せずに圧縮されていてもよい。スクリューを回転させると、吸引チューブはバルブアンビルに対して圧縮されて吸引の強さを下げるか、又はバルブアンビルに対する圧縮を解除して吸引を増加させる。吸引のレベルは、吸引チューブがバルブアンビルに対して完全に遮断されて吸引しない状態から、スクリューがアンビルに対して吸引チューブを圧縮しないで完全に開放された状態までの範囲とすることができる。スクリューを調整することにより、ユーザは可変量の吸引を得ることができる。
【0076】
挿入管は、(後述するように)挿入管内に延在する一体型ルーメンを有する固体ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)押出成形品であってもよい。挿入管は、様々な医療器具を、挿入管を通して患者の体内に展開するためのツールチャネルを画定するルーメンを含むことができる。挿入管は、例えば相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサワイヤのために、挿入管の遠位端にあるカメラ及び/又は光ダイオードに電気信号を送るめの1つ以上の電導体のための別のルーメンをさらに含むことができる。挿入管は、灌注管や吸引管などの流体管をさらに含むことができる。上述したように、挿入管は、挿入管をアーティキュレーション運動させるためのアーティキュレーションワイヤをさらに含むことができる。さらに、挿入管は、編組で囲まれたコアプロファイルを含む。
【0077】
コアプロファイルは、潤滑性ポリマーで作製することができ、アーティキュレーションワイヤを通すための4つのアーティキュレーションワイヤルーメンを備える中央ルーメンを含む。いくつかの実施形態において、中央ルーメンはPTFEである。1つの例示的な実施形態において、アーティキュレーションワイヤルーメンは、中央ルーメンの周りに等間隔で配置される。4つのルーメン(ツールチャネル用ルーメン、電導体用ルーメン、及び2つの流体用ルーメン)は、ナイロン、EVA、及び/又はPVC製とすることができる。
【0078】
編組は、コアプロファイルの中央ルーメンの外側の少なくとも一部を取り囲む。編組は、シース/外側ジャケットによって包囲される。外側ジャケットは、HDPE、EVA、PVC、及び/又はPBAXから構成され得る。
【0079】
挿入管の製造中に、ツールチャネルを画定するルーメン、それらを通って延びる電導体を有するルーメン、様々な流体チューブ、及びアーティキュレーションワイヤルーメンが、中央プロファイルの中央ルーメンを通して引かれる。一実施形態では、ルーメンはすべて一度に引かれる形成される。この製造方法は、リークポイントの数を制限する。
【0080】
アーティキュレーション部は、コアプロファイルの2つの対向する一連の連接カットを含み得る。これらのカットは、アーティキュレーション部の長さの少なくとも一部にわたって形成される。これらのカットは、単一平面内で、例えば互いに90度の角度での曲げをしやすくする一連のアーティキュレーションリビングヒンジを形成する。アーティキュレーション部は、コアプロファイルとは異なる材料、例えばナイロンで作製してもよい。アーティキュレーション部は、接着剤によって、機械的な接続によって、又はアーティキュレーション部と挿入管の残りの部分を貫通して延びるアーティキュレーションワイヤによって、挿入管の残りの部分に分離可能に取り付けることができる。
【0081】
挿入管は、近位部、移行部、及び挿入管の遠位端に位置するアーティキュレーション部を含む複数の部を有することができる。挿入管の近位部は、アーティキュレーション部のアーティキュレーション中に近位部が曲がるのを防ぐために、アーティキュレーション部よりも高いデュロメータポリマーで作り得る。アーティキュレーション部は、アーティキュレーション部がアーティキュレーションワイヤによって曲げられることを可能にするために、近位部よりも低いデュロメータポリマーで作り得る。移行部は、アーティキュレーション部と近位部との間に動作可能に配置される。移行部は、アーティキュレーション部よりも高いデュロメータ値を有し且つ近位部よりも低いデュロメータ値を有するポリマーで作られ得る。これにより、移行部は、挿入管のアーティキュレーション部のアーティキュレーション運動中に受動的に曲がることができる。従って、アーティキュレーション部をアーティキュレーション運動させると、動いていないか又は動きが最小限の近位部とアーティキュレーション部との間で、滑らかで流れるような移行が生じる。
【0082】
挿入管は、挿入管の遠位端に位置するカメラキャップアセンブリをさらに含むことができる。挿入管は、アーティキュレーションシャフト部と移行バンドとの間に移行バンドをさらに含むことができる。移行バンドの直径は、キャップアセンブリが終端バンドの開口部に挿入されて固定されるように、キャップアセンブリの直径よりも大きくされ得る。
【0083】
挿入管の終端取付具は、それぞれのアーティキュレーションワイヤの周りに巻かれた1つ以上のアーティキュレーションコイルを受けるアーティキュレーション圧縮コイルを受け入れることができる。アーティキュレーションワイヤは、作動時に内視鏡アセンブリの遠位シャフト部分を曲げるように構成されている。挿入管終端取付具は、さらに、挿入管を内視鏡ハンドル本体に固定するのを補助する。
【0084】
カメラキャップアセンブリは、カメラキャップと、カメラキャップ内の光学センサ(カメラ)と、ツールチャネルとを含み得る。ツールチャネルは、内視鏡ハンドル本体から挿入管を通って延び、カメラキャップを貫通している。
【0085】
挿入管は、アーティキュレーション部、移行部、及び近位部をそれぞれ包含する、アーティキュレーション部ポリマージャケット、移行部ポリマージャケット、及び近位部ポリマージャケットを含む。この3つのジャケットが外側複合管を構成する。外側複合管は、挿入管の内部部品のいずれかを挿入する前に、マンドレル上で1回の作業で組み立てることができる。
【0086】
挿入管は、挿入管全体に延びる複数のアーティキュレーションリンクを含み得る。複数のリンクは、一連の2つ以上のリンクから構成される。リンクは、患者の体内での挿入管の遠位部分(アーティキュレーションシャフト部分)のアーティキュレーション運動を容易にする。遠位アーティキュレーションリンクの使用は、他の方法と比較して、工具が工具チャネル内の所定の位置にあるときに、所定の入力に基づいてより大きなアーティキュレーションの程度を作り出す。
【0087】
コイルとヒートステークは、コイルを近位シャフト部に取り付ける。最初のシャフトレイアップに続いて、コイルを近位シャフト部に挿入してヒートステーク(熱カシメ)して固定することで、製造が簡素化される。
【0088】
近位シャフト部(近位部)は、外側の近位部ポリマージャケットを含むことができる。ポリマージャケットは、近位シャフト部の周囲を円周方向に延び得る。編組ワイヤがポリマージャケット内に延在し得る。コイルは編組ワイヤ内にとされ得る。
【0089】
移行シャフト部(移行部)は、移行部ポリマージャケットを近位部ポリマージャケットの代わりに備えており近位シャフト部と同一であり得る。
【0090】
アーティキュレーションシャフト(アーティキュレーション部)は、外側のアーティキュレーション部ポリマージャケットを含む。ポリマージャケットは、アーティキュレーションシャフト部の周囲を円周方向に延び得る。編組ワイヤがポリマージャケット内を延びている。編組ワイヤは、アーティキュレーションリンクのアセンブリを包囲する。
【0091】
挿入管の製造中、アーティキュレーション構成部品(コイル、アーティキュレーションワイヤ、リンク、内部チューブ)は、複合挿入管内に単一ユニットとして引き込まれ得る。製造中、圧縮コイル及びアーティキュレーションワイヤを含む近位シャフト部は、アーティキュレーションシャフト部を通って延ばされ、近位シャフト部が挿入管終端取付具に至り、圧縮コイル及びプルワイヤが挿入管終端取付具を越えて延びるまで、複合挿入管内を引っ張られるようにできる。内部の全てのアーティキュレーション部品を全体として引っ張ることにより、組み立てが容易になる。有利なことに、アーティキュレーションコイルは、アーティキュレーション力を近位シャフトから隔離することにより、近位シャフト部の意図しない動きを防止することができる。
【0092】
アーティキュレーションワイヤの遠位端を挿入管の遠位端に取り付けるために、アーティキュレーションワイヤは、遠位アーティキュレーションリンクのステップダウン部分の溝、例えばU字形の溝内に配置することができる。アーティキュレーションワイヤは、例えば接着剤によって固定され、移行バンドを遠位アーティキュレーションリンクを覆って位置決めすることによって所定の位置にロックされる。これにより、連続ワイヤを用いた簡単な固定方法が提供され、ワイヤ端部が緩む危険性が抑制される。
【0093】
アーティキュレーションワイヤの遠位端を挿入管の遠位端に取り付けるための第2の実施形態では、アーティキュレーションワイヤの遠位端は、遠位アーティキュレーションリンクを通って延び、移行バンドに固定(例えば、レーザー溶接)される。
【0094】
両方の実施形態において、移行バンドは、遠位アーティキュレーションリンクとキャップアセンブリとの間の確実な接続を提供する。有利なことに、いずれの実施形態も、小口径内視鏡の限られたスペース内でアーティキュレーションリンクの遠位端を固定することを可能にする。
【0095】
製造中、複数のリンクの長さの少なくとも部分的に延びるサポートビーム有する複数のリンク又はプリントリンクを使用することができる。サポートビームは、複数のリンクに取り付けられた離脱可能なサポートストラットを含む。複数のリンクは、複数のリンクの製造中に形成され得る。上述したように、複数のリンクのうちのいくつかのリンクは互いに異なっていてもよい。製造方法としては、射出成形、付加製造(アディティブマニュファクチャリング)、及び/又は減法製造(サブトラクティブマニュファクチャリング)であってよい。サポートビーム及び分離サポートストラットは、リンクを支持し、製造中にリンクの整列を維持することができる。アーティキュレーションリンクアセンブリの組立おいて、サポートビームとサポートストラットは取り除かれて廃棄される。
【0096】
複数のリンクにはサポートストラットを備えたランナーが取り付けられ得る。ランナーはサポートストラットを含み、リンクは射出成形により形成される。リンクは可撓性リンクコネクタによって連結され得る。可撓性リンクコネクタは、サポートストラット及び/又はランナーを取り外した後に、アーティキュレーションリンクの隣接するリンクを互いに向かって枢動させるために折り畳み可能とされ得る。可撓性リンクコネクタは、組立中にリンクの適切な順序及び向きを補助することができる。
【0097】
アーティキュレーションリンクの近位(底部)端は、2つの離間した凹状/窪み状アーティキュレーションピボットを含み、リンクの遠位(頂部)端は、2つの対応する凸状/突出状アーティキュレーションピボットを含むことができる。各凹型/窪み状アーティキュレーションピボットと対応する凸状/突出状アーティキュレーションピボットは対を形成する。
【0098】
一方の側にアーティキュレーション運動させると、凸状/凹状アーティキュレーション運動ピボットの1対だけが互いに接触し得る。異なる側にアーティキュレーション運動させると、凸状/凹状アーティキュレーションピボットの異なる対が互いに接触し得る。従って、一方の側に枢動されると、隣接するリンクは、アセンブリが異なる側に枢動されたときとは異なる枢動点を中心にアーティキュレーション運動する。このような例では、1つのアーティキュレーションワイヤは、アセンブリが第1の側にアーティキュレーション運動するときには枢動点から第1の距離に位置し、アセンブリが第2の側にアーティキュレーション運動するときには第2の距離に位置することがある。有利なことに、このような配置は、アセンブリが一方の側と他方の側とにアーティキュレーション運動するときに、隣接するリンクを互いに相対的にピボット運動させるためにワイヤに与えられた引張力に対してアーティキュレーションワイヤがより大きなモーメント(すなわち、回転力)を発生させることを可能にし得る。
【0099】
複数のリンクは、2つ以上のリンクから構成される。ある実施例では、リンクは、凸状/凹状アーティキュレーションピボットの対の間の距離が変化するように設計され、アーティキュレーション運動が最初に起こる場所を制御する。リンクの中心線に対してピボット間の距離を短くすることにより、上述したように、所定の力がより大きなアーティキュレーショントルクを発生させることができる。好ましい実施形態では、凸状/凹状ピボット間の距離は、挿入管の遠位先端に向って順次ある凸状/凹状ピボットの距離は順次減少する。アーティキュレーション運動中、リンク間にアーティキュレーション角が生じる。
【0100】
これらの特徴はすべて、所望のアーティキュレーション応答及び形状を達成するために、個々のリンクで又は複数のリンクを組み合わせて変更することができる。この配置は、近位アーティキュレーション運動の前に、あるいは近位アーティキュレーション運動と同時に、遠位アーティキュレーション運動を開始する能力を提供する。さらに、この配置は、アーティキュレーション部の近位端に蓄積する引っ張り力の増加を緩和する能力を提供する。この配置は、近位端から遠位端までアーティキュレーション部に沿って半径の均一な曲率を提供することができる。
【0101】
挿入管の別の実施形態が本明細書に開示されている。上記の挿入管を含むすべての適用可能な開示は、ここに組み込まれる。挿入管は、2つの連続する部(近位部及び遠位アーティキュレーション部)から構成され得る。挿入管は、マルチルーメンの近位押し出し部を有する近位マルチルーメンシャフト部と、操作可能なシースとしての撓み部とを含むことができる。この2つの部分の間には、撓み移行部がある。この2つの部分は、外側の編組(braid)と複数に分割されたポリマージャケットによって直線的に結合されている。
【0102】
近位マルチルーメン(上述のように中央ルーメンと4つのアーティキュレーションワイヤルーメンを含む)シャフト部の使用により、近位シャフトの構造が単純化される。中央ルーメンの使用により、流体ルーメン、ツールチャネルを画定するルーメン、アーティキュレーションワイヤルーメン、及び電導体を含む内部構成要素を、(上述したように)組立中に単一の操作として引っ張ることを容易にする。遠位撓み部は、オーバー編組(over-braid)及びリフローの前に、近位マルチルーメン押出し部とともにマンドレル上に予め組み立てることができる。
【0103】
挿入管は、外側近位部ポリマージャケット、内側撓み移行部ライナー、外側撓み移行部ジャケット、内側撓み部ライナー、及び外側撓み部ジャケットを含む。
【0104】
遠位移行部バンドには、1対以上のアーティキュレーションワイヤが接着され得る。移行バンドは、アーティキュレーションワイヤの固定点として、また、撓み部の遠位先端とカメラキャップアセンブリとを接続する移行部として機能する。移行バンドは、撓み部とカメラキャップアセンブリの間の薄型接続を提供する。移行バンドとアーティキュレーションワイヤアセンブリは、近位/アーティキュレーション複合管に挿入することができるため、組み立てが容易となる。
【0105】
撓み部は操作可能なシースとして構成される。この操作可能なシース構造は、代替の操作可能な構造技術と比較して、より大きなルーメンサイズを提供することができる。
【0106】
近位シャフト部は、アーティキュレーションワイヤが延びるアーティキュレーションワイヤルーメンを含み得る。いくつかの実施形態では、4つのアーティキュレーションワイヤルーメンがある。近位シャフト部は、中央ルーメンをさらに含み得る。
【0107】
撓み部は、アーティキュレーションワイヤジャケットをさらに含む。
【0108】
挿入管の製造において、アーティキュレーションワイヤを含むアーティキュレーション構成要素は、挿入管内に単一ユニットとして引き込まれ得る。さらに、製造において、アーティキュレーションワイヤを含む近位マルチルーメンシャフト部は、撓み部を通って延ばされ、アーティキュレーションワイヤが挿入管の端部から延びるまで挿入管内を通して引き込まれ得る。内部の全てのアーティキュレーション部品を全体として引っ張ることにより、組み立てが容易になる。
【0109】
本明細書では、調節可能な停止部を備えたアーティキュレーションワイヤ張力調整のためのシステムを開示する。このシステムは、圧縮コイル又はカテーテルシャフトのいずれかを、近位プルワイヤ固定点に対して遠位側に移動させ、その結果、1つ又は複数のアーティキュレーションワイヤに張力をかける。
【0110】
アーティキュレーションワイヤに対するアーティキュレーションコイル又は挿入管の位置を調整するための様々なシステムの使用が開示されている。アーティキュレーションコイル又は挿入管をアーティキュレーションワイヤに対して相対的に移動させることにより、アーティキュレーション制御アセンブリに張力を与えるという必要な機能が得られる。アーティキュレーションワイヤを調整する代わりにアーティキュレーションコイル又は挿入管を移動させることには、以下のような利点がある:1)アーティキュレーションワイヤはアーティキュレーションコイルよりも壊れやすく、従って、張力調整/再位置決めの際にアーティキュレーションコイルよりも損傷する危険性が高くなり得る、2)アーティキュレーションワイヤを固定するために圧着又は接着剤が利用される場合、カットコイル/挿入管よりも、固定すること及びそれを繰り返し行うことがより困難である、3)アーティキュレーションワイヤは一般的にプーリで終端するので、アーティキュレーションコイルが終端するハンドル本体に張力調整を組み込むのが容易である。
【0111】
アーティキュレーション圧縮コイルは、調節可能な停止部に接触し得る。停止部は、アーティキュレーションワイヤの力を打ち消すようにされ得る。
【0112】
別の実施形態では、挿入管は、調節可能な挿入管停止部に接触し得る。停止部との協働を容易にするために、挿入管は挿入管カラーを含み得る。
【0113】
第1の位置では、調整可能なコイルスペーサが、停止部とスペーサリテーナとの間に配置されている。スペーサリテーナは、コイルスペーサを停止部に対して所定の位置に保持するために用いられる。第2の位置では、コイルスペーサは、停止部がコイルスペーサとスペーサリテーナの間となるように位置する。この構成では、コイルスペーサは、圧縮コイルが停止部に突き当たるのを阻止する。この構成により、挿入管をアーティキュレーションワイヤとハンドル本体に対して相対的に移動させて、アーティキュレーション制御アセンブリに張力をかけることができる。
【0114】
スライド式コイルリテーナは、圧縮コイルを固定するために用いられる。圧縮コイルは、既知の任意の機構によってコイルリテーナ内に固定することができる。コイルリテーナは、コイルリテーナの長さに沿って延びる複数の溝を含み得る。
【0115】
ハンドル本体は、アーティキュレーションワイヤに張力をかけるために、ハンドル本体内でコイルリテーナを選択的に再位置決めすることを可能にする。ハンドル本体は、ハンドル本体の長さに沿って複数の溝を含み得る。コイルリテーナがハンドル本体内で選択的に再位置決めされると、コイルリテーナの溝とハンドル本体の溝とが整列され得る。整列状態において、ピンが整列した溝内に挿入されて、コイルリテーナ、ひいては圧縮コイルを所定の位置にロックすることができる。非限定的な例をいくつか挙げると、止めねじ及び/又は接着剤など、コイルリテーナをハンドル本体に対してロックするために他の公知のロック機構を使用してもよい。
【0116】
圧縮コイルをスライドさせて保持するための別の実施形態が本明細書に開示されている。上側部分が下側部分よりも広いアーティキュレーションコイルカラーが開示される。カラーは、圧縮コイルを受け入れて保持する。いくつかの実施形態において、圧縮コイルは、コイルカラーに挿入され、及び/又はコイルカラー内へと回転される。ハンドル本体は、ハンドル本体の長さに沿って複数の溝を含む。溝は、カラーの上側部分を受け入れて保持するような形状である。
【0117】
圧縮コイルをスライドさせて保持するためのさらに別の実施形態が本明細書に開示される。アーティキュレーションワイヤは、ハンドルの一部にある開口部を通って延びるようにし得る。スライド式段付きくさびは、ハンドルの該一部に対して位置決めされ、ワイヤがハンドルの部分を通って延びる開口部を覆うようにし得る。スライド式段付きくさびは、高さの異なる段付き表面を含み得る。圧縮コイルは、段部の間を移動して、アーティキュレーションワイヤに対する張力を変えることができる。
【0118】
圧縮コイルをスライドさせて保持するためのさらに別の実施形態が本明細書に開示されている。回転段付きくさびは、段付き表面を含む。いくつかの実施形態では、回転段付きくさびは、異なる高さの3つの段部を含んでもよい。圧縮コイルは、段差のある表面に接して固定され得る。各段差面は、アーティキュレーションワイヤが通って延びるための溝を含む。回転段付きくさびが回転すると、圧縮コイルが段部の間を移動して、アーティキュレーションワイヤ1008に対する張力を変えることができる。
【0119】
アーティキュレーションワイヤの張力を制御するために圧縮コイルの位置を変更する別の実施形態が、本明細書で開示される。この実施形態は、ハンドルに対して構成されたカニューレ状の止めねじを含む。この実施形態では、圧縮コイルは止めねじ内に挿入され、止めねじによって確実に保持されるまで回転させることができる。圧縮コイルは、必要な張力に応じて、圧縮コイルのより多くの部分又はより少ない部分が止めねじ内にあるように、止めねじ内で回転させることができる。
【0120】
アーティキュレーションワイヤの張力を制御するために圧縮コイルの位置を変更するためのさらに別の実施形態が、本明細書で開示される。この実施形態は、ハンドル内の複数の溝内で回転するようにされた回転ねじ付きハブを含む。ねじ付きハブは、溝内を移動するように回転させることができる。圧縮コイルは、回転ねじ付きハブ内に挿入され、保持されることができる。アーティキュレーションワイヤの張力を変えるために、ねじ付きハブは時計回り又は反時計回りに回転され、圧縮コイルの位置を近位方向又は遠位方向に変える。
【0121】
小径の二方向(単一平面)撓み内視鏡に関連する一連のハイブリッドハンドル(使い捨て/再使用可能)の変形例が開示されている。これらのハイブリッドハンドル変形例は、ハンドルの使い捨て部分に関連する様々な程度の機能性を示す。例えば、1つのハイブリッドハンドル変種は遠隔流体制御を必要とするが、別の変形例は画像、照明等のための電子スイッチを再使用可能なハンドルに組み込むだけである。本明細書に開示された二方向ハイブリッドハンドル変形例は、胆管鏡検査、尿管鏡検査、膀胱鏡検査、気管支鏡検査を含む多数の臨床用途をサポートする。
【0122】
開示されたハイブリッドハンドル変形例に加え、いくつかの二方向操作係合機構が開示されている。これらの係合機構は、自己整列シャフト構成とバネ負荷係合構成の両方を含む。
【0123】
内視鏡アセンブリは、分離可能な再使用可能なハンドルと使い捨て内視鏡ハンドルとを含み得る。再使用可能なハンドルは、電子制御スイッチ及び電導体を含むことができる。電子制御スイッチは、画像取り込み、照明電力、ビデオ取り込み等のためのものである。
【0124】
使い捨て内視鏡ハンドルは、ツールポート、挿入管、アンビリカル、アーティキュレーション制御レバー、流体制御ボタン/トリガ、及び電導体を含むことができる。上述のツールポート、様々な挿入管、アンビリカル、アーティキュレーション制御レバー、及び流体制御ボタンに関する開示は、ここに組み込まれる。電導体は、別の電導体に接続されて、使い捨て内視鏡ハンドルと再使用ハンドルとの間で電気信号を伝達する。再使用可能なハンドルからの電気信号は、上述のカートリッジに送られ、カートリッジがコンソールに接続されたときにコンソールに送られる。電気信号はまた、コンソールから挿入管の遠位端に送られる。
【0125】
再使用可能なハンドルの使用は、内視鏡ハンドルの構造、機構、及び電子機器の一部を、使い捨てシングルピース内視鏡から、マルチピース内視鏡の再使用可能なハンドルに移すことにより、廃棄物を削減する。電子制御を使い捨てシングルピース内視鏡からマルチピース内視鏡の再使用可能なハンドルに移すことにより、付加的な機能及び高品質の構成要素を組み込むことができる一方で、使い捨てハンドルに付加的なコストを負担させることがない。言い換えれば、使用毎に捨てなければならない使い捨てシングルピース内視鏡とは対照的に、より高価で高品質な電子機器を再使用可能なハンドルに使用することができ、使い捨て内視鏡ハンドルは製造コストを安くすることができる。従って、再使用可能なハンドルと一連の使い捨て内視鏡ハンドルとの連続使用を可能にすることにより、コストを下げることができる。再使用可能なハンドルに電力及び信号接続を提供するために、使い捨て内視鏡ハンドルに関連する電導体を使用することにより、交換又は充電を必要とする二次ケーブル又は電池が不要になる。有線接続の使用はまた、無線接続にしばしば関連する待ち時間及び/又は接続性の問題を排除する。
【0126】
分離可能な再使用可能なハンドルと使い捨て内視鏡ハンドルとを有する内視鏡アセンブリの別の実施形態が本明細書に開示される。多くの構成要素は、上述した実施形態と同様である。従って、内視鏡アセンブリの相違点のみを説明する。
【0127】
再使用可能なハンドルは、画像取り込み、照明レベル、ビデオ取り込み等のための電子制御装置と、オプションのブレーキ付きアーティキュレーションレバーとを含む。再使用可能なハンドルは、前述のアーティキュレーション制御レバーと同様の機能を有するアーティキュレーション制御レバーと、係合機能を有するアーティキュレーション駆動シャフトとを含む。使い捨て内視鏡ハンドルは、アーティキュレーション駆動シャフトと適合するように構成された係合部を有するアーティキュレーションプーリを含む。レバーの動きにより、駆動シャフトが駆動してプーリが駆動する。プーリは、挿入管内のアーティキュレーションワイヤのアーティキュレーションを制御する。
【0128】
再使用可能なハンドルと使い捨て内視鏡ハンドルの間で自己整列式の着脱可能なアーティキュレーション駆動装置(駆動シャフトとプーリ)を使用することにより、ブレーキレバー/機構などの追加機能やより高品質の部品を組み込むことができる一方で、使い捨て内視鏡ハンドルに追加コストを負担させることはない。言い換えれば、使用毎に捨てなければならない使い捨て単一ピースの内視鏡とは対照的に、より高価で高品質な部品を再使用可能なハンドルに使用することができ、使い捨て内視鏡ハンドルは製造コストが安くなる。従って、再使用可能なハンドルと一連の使い捨て内視鏡ハンドルとの連続使用を可能にすることにより、コストを下げることができる。
【0129】
分離可能な再使用ハンドルと使い捨て内視鏡ハンドルとを有する内視鏡アセンブリの別の実施形態が、本明細書において開示される。多くの構成要素は、上述した実施形態と同様である。従って、本明細書では、内視鏡アセンブリの相違点のみを説明する。
【0130】
再使用可能なハンドルは、画像取り込み、照明レベル、ビデオ取り込み等のための電子制御と、オプションのブレーキを備えたアーティキュレーションレバーと、使い捨て内視鏡ハンドル内に含まれる流体導管を機械的に挟む(制御する)ための流体ボタンとを含む。
【0131】
使い捨て内視鏡ハンドルは、スロット及び流体制御チューブを含む。再使用ハンドルと使い捨て内視鏡ハンドルが接続されると、流体制御ボタンと流体制御チューブとの間にピンチバルブが形成される。流体制御ボタンは、流体制御チューブを通過する流体の量を制限するために、流体制御チューブを挟むようにユーザによって押され得る。ユーザは、流体制御ボタンを様々な力で押すことにより、流体制御チューブを通過する流体の量を制御することができる。流体制御ボタンは、ボタンが押されていないときに、チューブを通る最大流量を許容する。チューブを通る流体は、ユーザが制御ボタンを内側に押す量に応じて徐々に減少する。
【0132】
この実施形態はまた、機械式ピンチバルブボタンと機構を、使い捨て内視鏡ハンドルから再使用ハンドルに移している。この構成により、使い捨てカートリッジに追加コストを負担させることなく、より高品質の部品を組み込むことができる。換言すれば、使用毎に廃棄しなければならない使い捨て一体型内視鏡とは対照的に、より高価で高品質の構成部品を再使用ハンドルに使用することができ、使い捨て内視鏡ハンドルは製造コストが安くなる。従って、再使用可能なハンドルと一連の使い捨て内視鏡ハンドルとの連続使用を可能にすることにより、コストを下げることができる。
【0133】
分離可能な再使用ハンドルと使い捨て内視鏡ハンドルとを有する内視鏡アセンブリの別の実施形態が開示される。多くの構成要素は、上述した実施形態と同様である。従って、本明細書では、内視鏡アセンブリの相違点のみを説明する。
【0134】
再使用可能なハンドルは、画像取り込み、照明レベル、ビデオ取り込み等のための電子制御装置と、オプションのブレーキを有するアーティキュレーションレバーとを含む。再使用可能なハンドルは、遠隔に配置された電気機械アクチュエータを使用して流体導管を挟む(制御する)ための電気スイッチをさらに含む。
【0135】
再使用可能なハンドルは電気スイッチを含む。ユーザが電気スイッチを押すと、信号が電気機械アクチュエータに送られ、アクチュエータが(上述したように)流体管路に作動して流体管路を通る流体の流れを制限又は防止する。
【0136】
この実施形態では、機械式ピンチバルブボタンと機構を、再使用可能なハンドルに関連する電気スイッチと内視鏡アセンブリから離れた場所に配置された電気機械式ピンチバルブとに置き換える。使い捨て内視鏡ハンドル及び/又は再使用ハンドルから機械式ピンチバルブを無くすことにより、使い捨てカートリッジのコストが低減される。
【0137】
本明細書では、自動調心アーティキュレーション駆動シャフトと、それに関連する係合部を有するアーティキュレーションプーリとが開示される。上記に開示されたように、再使用可能なハンドルは、アーティキュレーション駆動シャフトを含み得る。駆動シャフトは、上述のようにアーティキュレーション制御レバーによって駆動される。
【0138】
再使用可能なハンドルのハウジングは、アーティキュレーション制御レバーに連結された駆動シャフトを支持する。駆動シャフトは、使い捨て内視鏡ハンドルを受け入れる再使用可能なハンドルの領域内に延在する。駆動シャフトは、再使用可能なハンドルと使い捨て内視鏡ハンドルとが一緒に接合されたときに、駆動シャフトが使い捨て内視鏡ハンドルに配置されたプーリに係合するように、使い捨て内視鏡ハンドルの凹部内に延在する。
【0139】
駆動シャフトは、プーリ係合部を含み得る。この部分は、トルクを伝達することができるような非円形断面の幾何学的形状を有することができる。この幾何学的形状は、いくつかの非限定的な例を挙げると、楕円形、スプライン、正方形、又は星形を含むが、これらに限定されない。
【0140】
使い捨て内視鏡ハンドルは、1つ以上のプーリを含み得る。プーリは、駆動シャフトの端部を受けるようにされ得る。好ましくは、駆動シャフトに関連するアーティキュレーション制御レバーの作動は、プーリを回転させる。好ましくは、プーリは、プーリとドライブシャフトとを互いに回転方向で結合するように、ドライブシャフトの係合部と嵌合する係合部を有する。好ましくは、係合部は、駆動軸とプーリとの間の摩擦のみに依存しない。好ましくは、嵌合部は、アーティキュレーションシャフトとプーリとの間の幾何学的干渉を含む。
【0141】
少なくとも1つのプーリと関連しているのは、挿入管の遠位端を曲げるように構成された1つのアーティキュレーションワイヤ又は一対のアーティキュレーションワイヤ(例えば、プーリ上にループ状に配置され、プーリのそれぞれ反対側から延びるワイヤセグメントを有する2つの別個のワイヤ又は1つの連続ワイヤ)である。アーティキュレーションワイヤは、プーリに固定されていてもよく、及び/又はプーリの少なくとも一部の周囲に延在していてもよい(例えば、プーリの周囲でループ状になっている)。好ましくは、アーティキュレーションワイヤは、挿入管の遠位端を相互に直交する平面内で曲げるように構成されている。
【0142】
バネ付勢された係合部を有するプーリに駆動シャフトを係合させる代替の実施形態が開示される。上述したすべての該当する説明はここに組み込まれる。駆動シャフトは、バネ負荷係合タブを含み得る。バネ負荷係合タブは、1つ又は複数のバネ負荷引き込み式ブレードを含み得る。バネ負荷係合タブは、プーリ上の係合部と嵌合して、駆動シャフトをプーリに動作可能にロックすることができる。係合部は、バネ負荷係合タブの引き込み式ブレードを受け入れるための1つ又は複数のスロットを含むことができる。
【0143】
バネ負荷(案内傾斜付き)引き込み式ブレードにより、ユーザは2つの部品を単に押し付けるだけでよい。制御レバーをその可動範囲内でアーティキュレーション運動させると、引き込み式ブレードは、アーティキュレーションプーリのボア上のスロットに至り、伸長してアーティキュレーションプーリに係合する。これにより、ユーザは、再使用可能なハンドルと使い捨て内視鏡ハンドルとを予め位置合わせすることなく、使い捨て内視鏡ハンドルを取り付けることができる。
【0144】
駆動シャフトをプーリと嵌合させるためのさらに別の実施形態が開示されている。再使用可能なハンドルは、駆動ディスクを含み得る。駆動ディスクは、中心アライメントピン(例えば、例えば案内面取りを有するアライメントボス)と、トルクを伝達するためにディスクの中心線からずれたバネ負荷引き込みピン(例えば案内面取りを有するバネ負荷トルクピン)とを含み得る。アーティキュレーションプーリは、中心アライメント穴と、トルクピンのための案内部を有する案内面取り付きオフセット穴とを含む嵌合部を有することができる。
【0145】
(案内面取り付き)バネ負荷引き込みピンにより、ユーザは単に2つの構成要素を単に一緒に押圧することができる。制御レバーをその可動範囲内でアーティキュレーション運動させることにより、引き込まれたバネ負荷引き込みピンが伸びて、アーティキュレーションプーリの面にある嵌合部に係合する。これにより、ユーザは、再使用可能なハンドルと使い捨て内視鏡ハンドルとを予め位置合わせすることなく、使い捨て内視鏡ハンドルを取り付けることができる。
【0146】
さらに、本明細書では、内視鏡の挿入管に対するコイルと編組の相互の利点を達成するための新規な編組パターンを開示する。従来の編組に関連するトルク性を提供する一方で、コイルに関連する耐キンク性を付与するために、らせん状経路の1つ以上に独自の多糸整合編組パターン(multi-filar aligned braid pattern)を組み込む新規な編組パターンが開示される。この新規の改良された編組パターンは、それを生成するためにキャリアの位置を変更した従来の編組機構を使用して作製することができる。この新規な編組パターンは、胆管鏡、尿管鏡、膀胱鏡、気管支鏡を含むがこれらに限定されない小口径内視鏡の耐キンク性を改善することができる。
【0147】
小口径内視鏡挿入管の一実施形態は、全て同じ方向とされた多糸群にわたる単一螺旋状糸である。いくつかの実施形態では、多糸群は、2本から10本又はそれ以上とされ得る。ある例示的な実施形態では、多糸群は3本である。
【0148】
反対方向の多糸群と組み合わされた単一螺旋状糸は、一般的な1対1の編組パターン又はその他の変形に関連するトルク性を提供する。
【0149】
多糸群は、すべて同じ方向に整列した螺旋パターンである。この構成により、挿入管の耐キンク性を提供するための模擬的なコイルが形成される。編組工程中に模擬的なコイルを生成する能力は、工程ステップを削減し、追加の装置の必要性をなくし、内視鏡挿入管を製造する際にコイルを使用するコストをなくす。
【0150】
本明細書で説明した発明の態様及び実施例は、いずれも独立して、又は互いに組み合わせて使用することができる。単一の医療装置が、本明細書に開示された全ての態様を含むことができる。
【0151】
本開示の他の態様、目的、及び利点は、添付の図面を参照しながら行われる以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。本開示のさらなる形態、目的、特徴、形態、利益、利点、及び実施例は、本明細書で提供される詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0152】
図1】内視鏡アセンブリ及びカートリッジを示す図である。
図2A図1の内視鏡アセンブリの右側面図である。
図2B図1の内視鏡アセンブリの背面図を示す。
図2C図1の内視鏡アセンブリの左側面図である。
図2D図1の内視鏡アセンブリの前側面図を示す。
図3図1の内視鏡アセンブリの斜視図を示す。
図4図1の内視鏡アセンブリの上部を示す図である。
図5】ハウジングピースが取り外された状態の図1の内視鏡アセンブリを示す。
図6図1の内視鏡アセンブリの摩擦要素を含むプーリアセンブリの断面図を示す。
図7図1の内視鏡アセンブリの摩擦要素を含むプーリアセンブリの別の実施形態の断面図を示す。
図8A図1の内視鏡アセンブリの断面図を示す。
図8B】第2/副の流体ルーメンを示す。
図8C】第2/副の流体ルーメンを示す。
図8D】第2/副の流体ルーメンを示す。
図8E】第2/副の流体ルーメンを示す。
図8F】第2/副の流体ルーメンを示す。
図8G】第2/副の流体ルーメンを示す。
図8H】第2/副の流体ルーメンを示す。
図9図4の内視鏡アセンブリの上部の断面図である。
図10】ハンドルアセンブリが取り外された状態の図1の内視鏡アセンブリの挿入管の側面図である。
図11A図10の挿入管の断面図である。
図11B図10の挿入管の別の断面図である。
図11C図10の挿入管のアーティキュレーション部の断面図である。
図12図10の挿入管の終端バンド及びキャップアセンブリの分解斜視図である。
図13図10の挿入管の部分分解斜視図である。
図14図10の挿入管の複数のリンクを示す図である。
図15A図14の複数のリンクのうちの単一のリンクの底面図である。
図15B図14の複数のリンクのうちの単一のリンクの上面図である。
図16図14の複数のリンクのうちの2つのリンクの側面図である。
図17図10の挿入管のアーティキュレーションリンクアセンブリの断面図である。
図18】遠位リンク及び終端キャップの分解斜視図である。
図19】遠位リンク及び終端キャップの別の実施形態の分解斜視図である。
図20図10の挿入管のアーティキュレーション部の断面を示す図である。
図21】内視鏡アセンブリ及びカートリッジを示す図である。
図22】内視鏡とカートリッジを示す図である。
図23図22のカートリッジの斜視図である。
図24図23のカートリッジの分解図である。
図25】コンソール及びカートリッジを示す斜視図である。
図26A図25のコンソールの斜視図である。
図26B】垂直方向における図25のコンソールの斜視図である。
図27】制御バルブアセンブリを含むカートリッジ及びコンソールの別の実施例の斜視図である。
図28図27の制御バルブアセンブリの斜視図である。
図29図27のコンソール及び図23のカートリッジの斜視図である。
図30】別の内視鏡アセンブリの前方斜視図である。
図31図30の内視鏡アセンブリの背面斜視図である。
図32A】取付構造が開位置にある図30の内視鏡アセンブリの上部の後方斜視図である。
図32B】取付構造が固定位置にある状態の図30の内視鏡アセンブリの上側部分の背面斜視図である。
図33】上部カバー及びプーリが取り外された状態の図30の内視鏡アセンブリの部分分解斜視図である。
図34図33の内視鏡アセンブリの部分分解斜視図である。
図35】挿入管の断面図である。
図36】挿入管のアーティキュレーション部の側面図である。
図37】ハンドルアセンブリが取り外された挿入管の斜視図である。
図38図37の挿入管の側面図である。
図39図37の挿入管の断面図である。
図40A図37の挿入管の近位シャフト部の断面図である。
図40B】挿入管のアーティキュレーションシャフト部の断面図である。
図41図37の挿入管の部分分解斜視図である。
図42A図37の挿入管の遠位端の断面図である。
図42B図37の挿入管の遠位端の別の実施形態の断面図である。
図43A】複数のリンクの製造中のサポートビーム及びサポートストラットを有する複数のリンクを示す図である。
図43B】複数のリンクの製造中のサポートビーム及びサポートストラットを有する複数のリンクを示す図である。
図44】複数のリンクの製造中の可撓性リンクコネクタを有する複数のリンクを示す図である。
図45】複数のリンクの製造中に一対のアーティキュレーションリンクを一緒に取り付けるために折り畳まれた可撓性リンクコネクタを有する複数のリンクを示す図である。
図46図37の挿入管の圧縮コイルとアーティキュレーションリンクとを備えた複数のリンクの側面図である。
図47A】2つの組み立てられた近位アーティキュレーションリンクを示す図である。
図47B】2つの組み立てられた近位アーティキュレーションリンクを示す図である。
図48A】2つの組み立てられた遠位アーティキュレーションリンクを示す図である。
図48B】2つの組み立てられた遠位アーティキュレーションリンクを示す図である。
図49】ハンドルアセンブリが取り外された挿入管の別の実施形態の斜視図である。
図50図49の挿入管の側面図である。
図51図49の挿入管の断面図である。
図52A図49の挿入管の近位シャフト部の断面図である。
図52B図49の挿入管の撓み部の断面図である。
図52C図37の挿入管の撓み移行部の断面図である。
図53図49の挿入管の部分分解斜視図である。
図54A】真っ直ぐな状態の図49の挿入管の遠位端を示す図である。
図54B】アーティキュレーション状態にある図49の挿入管の遠位端を示す図である。
図55A】調節可能な停止部に対する圧縮コイルを有する挿入管を示す図である。
図55B】調整可能な停止部に対する挿入管を示す図である。
図56A】第1の位置にある調節可能な停止部の実施形態を示す図である。
図56B】第2の位置にある調節可能な停止部の実施形態を示す図である。
図57A】第1の位置にある調節可能な停止部の別の実施形態を示す図である。
図57B】第2の位置にある調節可能な停止部の別の実施形態を示す図である。
図58A】第1の位置にある調節可能な停止部の別の実施形態を示す図である。
図58B】第2の位置にある調節可能な停止部の別の実施形態を示す図である。
図59A】第1の位置にある調節可能な停止部の別の実施形態を示す図である。
図59B】第2の位置にある調節可能な停止部の別の実施形態を示す図である。
図60A】第1の位置にある調節可能な停止部の別の実施形態を示す図である。
図60B】第2の位置にある調節可能な停止部の別の実施形態を示す図である。
図61A】第1の位置にある調節可能な停止部の別の実施形態を示す図である。
図61B】第2の位置にある調節可能な停止部の別の実施形態を示す図である。
図62A】第1の位置にある調節可能な停止部の別の実施形態を示す図である。
図62B】第2の位置にある調節可能な停止部の別の実施形態を示す図である。
図63A】電子制御装置のみを組み込んだ再使用可能なハンドルを有する内視鏡の背面斜視分解図である。
図63B図63Aの内視鏡の前面斜視分解図である。
図63C図63Aの内視鏡の別の前方斜視分解斜視図である。
図64A】電子制御装置及びアーティキュレーション制御レバーを組み込んだ再使用可能なハンドルを有する内視鏡の背面斜視分解斜視図である。
図64B図64Aの内視鏡の前方斜視分解斜視図である。
図64C図64Aの内視鏡の別の前方透視分解斜視図である。
図65A】使い捨て内視鏡ハンドル内の流体導管を制御するための電子制御装置、アーティキュレーション制御レバー、及び機械式押しボタンを組み込んだ再使用可能なハンドルを有する内視鏡の背面斜視分解斜視図である。
図65B図65Aの内視鏡の正面斜視分解図である。
図65C図65Aの内視鏡の別の前面斜視図分解図である。
図66A】遠隔に配置された電気機械アクチュエータを使用して使い捨て内視鏡ハンドル内の流体導管を制御するための電子制御装置、アーティキュレーション制御レバー、及び電子スイッチを組み込んだ再使用可能なハンドルを有する内視鏡の背面斜視分解斜視図である。
図66B図66Aの内視鏡の正面斜視分解図である。
図66C図66Aの内視鏡の別の正面斜視分解図である。
図67】自己整列係合部を有する駆動シャフト及びプーリを備える内視鏡を示す図である。
図68A図67の駆動シャフト及びプーリの断面図である。
図68B図67の駆動シャフト及びプーリの背面図である。
図69】バネ付勢された係合部を有する駆動シャフト及びプーリを備える内視鏡を示す図である。
図70A図69の駆動シャフト及びプーリの断面図である。
図70B図69の駆動シャフト及びプーリの背面図である。
図71】駆動シャフト及びプーリを備えた内視鏡の別の実施形態を示す図である。
図72A図71の駆動シャフト及びプーリの断面図である。
図72B図71の駆動シャフト及びプーリの背面図である。
図73】挿入管のブレードパターンを示す斜視図である。
図74図73のパターンの側面図である。
図75図73のパターンの拡大図である。
図76図73のパターンの別の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0153】
本開示の原理の理解ために、次に、図面に示された実施形態を参照し、特定の言葉を用いて説明する。しかしながら、それによって本開示の範囲が限定されるものではない。記載された実施形態における任意の変更及びさらなる修正、並びに本明細書に記載された本開示の原理の任意のさらなる応用が、本開示が関連する技術分野の当業者において通常行われることは企図するところである。本開示の例示的な実施形態は、詳細に示されているが、本開示に関連しないいくつかの特徴は、記載の明瞭さのために示されないことがあることは、関連技術の当業者には明らかであろう。
【0154】
本開示は、改良された内視鏡、並びに関連するコンソール及びカートリッジアセンブリを提供する。いくつかの実施形態では、内視鏡は、例えば尿管鏡、胆管鏡、膀胱鏡、子宮鏡、又は気管支鏡などの小径内視鏡であり得る。内視鏡は、使い捨て内視鏡であってもよいし、再使用内視鏡であってもよい。図1図4は、内視鏡アセンブリ1の様々な図を示している。図1は、内視鏡アセンブリと共に使用するのに適したコンソール600又は700に接続可能な、「アンビリカル」と呼ばれることもあるチューブ501によってカートリッジ511に接続された内視鏡アセンブリを示す。
【0155】
図2A図2D及び図3は、患者の体内に挿入するための挿入管201を含む内視鏡を示す。挿入管は、患者の体内に挿入するための遠位端214と、近位端216とを含む。挿入管は、挿入管の少なくとも一部を通って延びるメインルーメン218を含み得る。挿入管は、挿入管の少なくとも一部の内部を延びるツールチューブ162を含み得る。ツールチューブは、挿入管を通して患者の体内に様々なツールを挿入及び伸長させることができるツールチャネル161を画定している。
【0156】
挿入管はCCD及び/又はCMOS画像センサのような光学センサモジュールを含み、コンソールによって読み取り可能な情報を提供したり、モニタ上に挿入管の端部からのビデオフィードのような画像を投影したりできる。このビデオフィードは、赤外線、熱又は可視光によるものであり得る。挿入管は、挿入管の端部のLEDに電力を供給するための発光ダイオード(LED)ワイヤを含むことができる。
【0157】
内視鏡は、ハンドル本体101を有するハンドルアセンブリ100を有する。ハンドル本体は、第1のハウジング部材139と第2のハウジング部材140とから構成され得る。ハンドルアセンブリは、挿入管ストレインリリーフ(strain relief)102及びアンビリカルストレインリリーフ103を含むことができる。ストレインリリーフは、内視鏡の硬質部材と挿入管及びアンビリカルとの間の接続を安定させ、支持するのに役立ち得る。他の例示的な実施形態では、ストレインリリーフは、ハンドル本体の内部で裏返しにされる。
【0158】
ハンドル本体は、典型的な円柱形状ではなくピストル型であってもよい。有利なことに、この形状は、内視鏡医が内視鏡の挿入管にトルクをかける能力を向上させるのに役立ち、これにより、内視鏡を患者の体内へ及び/又は体内を通して進める間の内視鏡の操作に役立ち、及び/又は内視鏡のカメラが向いている方向を変えるのに役立つ。非円筒形のハンドルは、挿入管の回転方向の基準を提供することもできる。
【0159】
図1図3は、カートリッジと内視鏡のハンドルアセンブリとの間に延びる電導体押出部503内に流体ルーメン502と電気信号導体202との両方を組み込んだ統合アンビリカルとしてのアンビリカル501を示している。有利なことに、統合アンビリカルは、処置中にユーザが管理しなければならないチューブ及び/又はケーブルの数を減少させる。多くの場合、電気信号導体と流体ルーメンは、別々のチューブ又はアンビリカルを通って延びており、その結果、手術空間がより乱雑になる。電気信号導体と流体ルーメンを1本のアンビリカル内にまとめ、カートリッジでコンソールに1カ所で取り付けることで、ユーザは機械/装置の操作に1カ所のみで拘束されることになる。これにより、操作の自由度が増す。
【0160】
図4は、ハンドル本体の上部141を示す。上部は、アーティキュレーション制御レバー126、ツールポート154、及び流量調節機構162を有する流体制御ボタン/トリガ151を有する。有利には、アーティキュレーション制御レバーは、ハンドル本体の中央に取り付けられており、左利き及び右利きの両方での使用を容易にする。
【0161】
ツールポートは、内視鏡の上部に操作可能に配置されている。ツールポートは、両方の手での使用をしやすくするために、アーティキュレーション操作レバーと同様に内視鏡の中央に配置し得る。ツールポートは、内視鏡を通って挿入管の遠位端まで延びるツールチャネルへの開口部であり、ツールが内視鏡を通って患者の体内に通ることを可能にする。有利なことに、ツールポートを内視鏡ハンドル本体の上部に配置することにより、ツールポート及びツールチャネルを通っていないツールの余分な部分が、ツールポートがハンドル本体の側面に位置している配置と比較して、内視鏡技師の動きを妨げにくくなる。ツールポートがハンドル本体の側面に位置する場合には、内視鏡医がハンドル本体を握ることがより困難になり、内視鏡医が誤ってツールをぶつけてしまう可能性がある。図示のツールポートの位置は、内視鏡医がハンドル本体を握っている同じ手の親指と人差し指を使ってツールポートを調整することを可能にするため、ツールポートの使用の負担が少なくなり、内視鏡医の片手が自由になる。ツールポートは、ポートから繰り出されるツールを所定の位置にロックするために使用される。
【0162】
流体制御ボタンは、灌注に必要な一般的なリモートコマンドとは異なり、ハンドルを握っている同じ手の人差し指を使って、灌注流体の流れや吸引を制御することを可能にする。この場合も、内視鏡医は、処置中に他の作業を行うために一方の手を自由にすることができる。流体制御ボタンを繰り返し押したり離したりすると、脈動流が発生する。多くの場合、脈動流は、患者の体内にある物体、例えば、患者の尿管に留まった尿路結石を取り除くのに有益である。
【0163】
流量調節機構は、レバー又はノブであってもよい。ノブ流量調節機構を使用した実施形態では、ノブを回転させることができる。ノブのこのような回転は、流体制御ボタンを少なくとも部分的に押し下げられた状態へと動かすことができる。有利なことに、流量調節機構は、流体制御ボタンに力を加えることをユーザに要求することなく、一定の最小灌漑流量又は吸引流量を提供するように、流体制御ボタンを少なくとも部分的に押し下げられた状態に保持することができる。より高い流量が所望される場合には、流体制御ボタンは、所望の一定流量がどのようなものであっても、完全に押し下げられた最大流量に至るまでさらに押し下げられ得る。さらに、上記のように脈動流を使用することもできる。例えば、流量調節機構は、流体制御ボタンを押し下げて保持し、20%の一定流量を発生させることができる。より高い流量又は脈動流量が所望される場合には、ユーザは、流体制御ボタンをさらに押して、上述のように、より高い流量又は脈動流とすることができる。流量調節機構を利用して、任意の所望の一定流量を達成することができることが理解されよう。
【0164】
図5図7に示すように、内視鏡アセンブリは、1つ以上のプーリアセンブリ142を含み得る。プーリアセンブリは、アーティキュレーション制御レバーの動きに応答して回転するように動作可能に配置された少なくとも1つのプーリ127を含み得る。少なくとも1つのプーリと関連付けられるのは、作動時に内視鏡アセンブリの遠位シャフト部分を曲げるように構成されたアーティキュレーションワイヤ131又は一対のアーティキュレーションワイヤ(例えば、プーリ上にループ状に配置されてプーリの相互に反対側から延びるワイヤセグメントを有する、2つの別個のワイヤ又は1つの連続ワイヤ)である。アーティキュレーションワイヤは、プーリに固定され(例えば、アンカー(図示せず)によって結ばれ又は固定され)、及び/又はプーリの少なくとも一部の周囲に延在する(例えば、プーリの周囲にループを形成する)ことができる。プーリはカムであってもよい。
【0165】
アーティキュレーションワイヤは、ハンドル本体を通って、挿入管の近位部分に至り、そして挿入管の近位部分を通って延びる。ハンドル本体内では、アーティキュレーションワイヤはアーティキュレーションワイヤ管理チューブを通って延びている。
【0166】
さらに、プーリアセンブリは、プーリに接続されたそれぞれのアーティキュレーションワイヤの周りに巻かれる1つ以上のアーティキュレーションコイルを受け入れるアーティキュレーション終端コイル133を含むことができる。アーティキュレーション終端コイルは、アーティキュレーションワイヤに張力を与える。アーティキュレーション終端コイルは、アーティキュレーションワイヤの弛みを除去するように調節可能である。言い換えれば、アーティキュレーション終端コイルは、アーティキュレーションプルワイヤの張力を制御するために、内視鏡アセンブリの長手方向軸に沿って調節可能である。他の実施形態では、ハンドルアセンブリの内部は、挿入管の近位端のための複数の固定スロット135を含むことができる。これは、内視鏡の組立中にアーティキュレーションワイヤの張力を維持するのに役立つ。固定スロットは、挿入管がアーティキュレーションワイヤの引張力に対抗するために利用される場合に有用である。ある実施形態では、アーティキュレーションコイルを使用し、他の実施形態では、固定スロットを使用することができる。他の実施形態では、固定スロットとアーティキュレーションコイルの両方があるようにできる。挿入管終端フィッティング134が、アーティキュレーションワイヤを受け入れるために設けられ得る。
【0167】
図6及び図7には、アーティキュレーション制御レバーがユーザによって解放されたときにアーティキュレーション制御レバーの位置を保持するための摩擦要素136が示されている。有利には、これらの摩擦要素は、ユーザがアーティキュレーション制御レバーを放したときに、挿入管の遠位先端がニュートラルな状態に戻らないようにする。従って、ユーザは、アーティキュレーション制御レバーの位置を維持する必要なく、光学センサモジュールを目標視認領域上に維持することができる。
【0168】
第2のハウジング部材は、1つ以上のプーリを通って延びることができる。プーリは、アーティキュレーション制御レバーによって回転されると、第2のハウジング部材の周りを回転することができる。摩擦要素は、第2のハウジング部材の静止摩擦面137とプーリの回転摩擦面138との間に配置され得る。いくつかの実施形態では、摩擦要素の代わりに摩擦グリースを使用することができる。いくつかの例では、摩擦要素はOリングとすることができる。プーリが挿入管の遠位端をアーティキュレーション運動させるために回転させられていないときには、摩擦要素は、静止摩擦面に対する回転摩擦面の回転に抗することによって、プーリの位置を維持してプーリが回転して中立位置に戻るのを阻止する。
【0169】
図8図9には、ハンドル本体内の流路アセンブリ150が示されている。流路アセンブリは、灌注及び/又は吸引のために使用され得ることが理解されよう。例示のみを目的として、流路は灌注に関連して説明されている。
【0170】
内視鏡は、ハンドル本体を通って延びる第1の灌注源(図示せず)からの第1/主の灌注ルーメン158を含み得る。内視鏡のハンドル本体内に組み込まれたバルブ153は、第1の灌注ルーメン内の流体の流れを制限及び/又は誘導するように配置される。例えば、バルブはピンチバルブとすることができる。バルブは、好ましくは、操作中における流体制御ボタンの作動により第1の灌注ルーメン上のバルブを作動させて流体が第1の灌注ルーメンを流れるようにする常閉バルブである。しかし、バルブは常開バルブとすることもできる。有利なことに、ユーザは、ハンドルを握っているのと同じ手の親指と人差し指でバルブを操作することができる。
【0171】
第1の灌注ルーメンは第1のT字継手156に取り付けられている。第1のT字継手は、第1の灌注ルーメンの第1の流路をツールチャネルに接続するために使用される。接続ルーメン160が、第1のT字継手から挿入管に向かって延びている。第2の灌注源及び/又は吸引源(図示せず)を統合するために、第2のT字継手157を設けることができる。第2のT字継手は、第1のT字継手と挿入管との間の流路に沿って配置され得る。
【0172】
内視鏡は、ハンドル本体を通って延びる第2の灌注源(図示せず)からの第2/副の灌注ルーメン159を含むことができる。第2の灌注ルーメンは、第2のT字継手に取り付けられている。第2のT字継手は、第2の灌注ルーメンの第2の流路をツールチャネルに接続するために使用される。従って、第2のT字継手の後で、第1の流路、第2の流路及びツールチャネルはすべて流体連通する。第2の灌注ルーメンの配置により、第1の灌注源へのユーザのアクセスを妨げることなく、第2の灌注/吸引源を組み込むことができる。一例として、第1の灌注源は定圧バッグであり、一方で第2の灌注源は吸引ポンプ又は単動(拍動)灌注ポンプである。多くの場合、第2の流体源は、処置中にユーザをサポートするアシスタントによって制御される。
【0173】
図8B図8Eは、第2/副の灌注ルーメンをさらに詳細に示している。第2の灌注ルーメンは、アンビリカルストレインリリーフを通ってハンドルから出て、例えばメス(雌)ルアーのようなコネクタ170で終端する。コネクタは、第1の灌注源が使用中であるか、又は挿入管が液体で満たされた空洞に挿入されているときに、漏れを防ぐためにキャップ171で覆われ得る。使用中、キャップが取り外されて、二次流体源、例えば流体充填シリンジ172がコネクタに接続され得る。
【0174】
図8F図8Hは、第2/副の灌注ルーメンの第2の実施形態を示す。第2の灌注ルーメンは、アンビリカルストレインリリーフを通ってハンドルから出て、例えばメスルアーのようなコネクタ170で終端する。シリンジ作動バルブ173が、一次灌注源が使用中であるか、又は挿入管が液体で満たされた空洞に挿入されているときに、漏れを防ぐためにコネクタと一体化され得る。使用中は、シリンジをコネクタとバルブに接続して、二次流体源とすることができる。
【0175】
図8及び図9にさらに示されているのは、ツールポートと第1のT字継手との間に配置された一方向バルブ155である。一方向バルブは、第1のT字継手に組み込むことができる。いくつかの好ましい実施例では、一方向バルブはダックビルバルブである。一方向バルブは、第1の灌注源からツールポート(例えば、締め付けられてないトーイボーストアダプター(tuohy borst adapter))からの流体の意図しない流れに抗する。
【0176】
図10図13には、挿入管201が示されている。挿入管は、近位部203、移行部204、及び挿入管の遠位端に位置するアーティキュレーション部205を含む複数の部分を有することができる。挿入管の近位部は、アーティキュレーション部のアーティキュレーション運動中に近位部が曲がるのを防ぐために、より高いデュロメータのポリマーで作られ得る。アーティキュレーション部は、挿入管の遠位端をアーティキュレーション運動させるためのアーティキュレーションリンクアセンブリ300(以下に詳述)を含むことができる。アーティキュレーション部は、アーティキュレーション部がアーティキュレーションワイヤによって曲げられるように、低デュロメータポリマーで作られ得る。移行部が、アーティキュレーション部と近位部との間に動作可能に配置される。移行部は、アーティキュレーション部よりもデュロメータが高く、近位部分よりもデュロメータが低いポリマーで作られ得る。これにより、移行部は、挿入管のアーティキュレーション部のアーティキュレーション運動中に受動的に曲がることができる。従って、アーティキュレーション部がアーティキュレーション運動するときに、動いていない、又は動きが最小限の近位部とアーティキュレーション部との間に滑らかで流動的な移行部が存在する。
【0177】
図11Aに示すように、アーティキュレーション圧縮コイルは、アーティキュレーションリンクアセンブリの近位リンクの近位端まで延びて、近位リンクの近位端で終端している。図11B及び図11Cは、挿入管の断面及びアーティキュレーション部の断面をより詳細に示す。図示されているように、挿入管は、外側のポリマージャケット209と、ジャケットの内側の編組(ブレード)208とを含む。従って、組立において、(リンク、アーティキュレーションワイヤ、アーティキュレーションコイル、カメラアセンブリ、及び電気信号導体を含み得る)単一の結合挿入管を、単一の動作でハンドルアセンブリを通して引き込んでハンドルアセンブリに装着するようにできる。これにより、組み立てと修理が容易になり、人件費が削減される。
【0178】
図12は、挿入管の遠位端をより詳細に示している。遠位端は、終端バンド210を含む。アーティキュレーションワイヤは、例えば、溶接及び/又は接着剤によって、終端バンドの内壁213に対して取り付けられ得る。終端バンドの直径は、キャップアセンブリ206が終端バンドの開口部に挿入されてそれに固定され得るように、キャップアセンブリの直径よりも大きくされている。
【0179】
図13は、カメラ及びLEDのために、キャップアセンブリからアーティキュレーションリンクアセンブリを通って延びる電気信号導体202を含む、アーティキュレーションリンクアセンブリを覆う挿入管のアセンブリの部分分解図である。
【0180】
図14及び図19には、アーティキュレーションリンクアセンブリがより詳細に示されている。図14は、複数のリンク301と、少なくとも部分的に複数のリンクの長さ方向に延びるサポートビーム302とを含むアーティキュレーションリンクアセンブリを示す。サポートビームは、複数のリンクに取り付けられたサポートストラット303を含む。複数のリンクは、付加製造プロセス(アディディブマニュファクチャリングプロセス)を通して製造されてもよい。サポートビームとサポートストラットは、リンクを支持し、また製造プロセス中にリンクを整列した状態に維持するために使用される。アーティキュレーションリンクアセンブリの組み立て後、サポートビームとサポートストラットは取り外されて廃棄される。付加製造プロセスにより、従来の成形技術では製造が非常に困難かつ/又は高価であった一連のユニークなリンク(以下に詳述)を製造することができる。
【0181】
図15A及び図15Bは、アーティキュレーションリンク301の底面図(図15A)及び上面図(図15B)を示す。アーティキュレーションリンクは、アーティキュレーションワイヤがリンクを通って延びるための2つの開口部305を含む。図16を用いてより詳細に説明するように、リンクの底部は凹状/窪み状アーティキュレーションピボット306を含み、リンクの頂部は凸状/突出したアーティキュレーションピボット307を含む。各リンクはさらに、リンク301の長さを通って延びる中空内部又はルーメン308を含む。
【0182】
図16は、2つの組み立てられたリンク301を示している。複数のリンクは、2つ以上の一連のリンクからなる。いくつかの場合において、リンクは、アセンブリの長さに沿って、隣接するリンクの対向する面間の角度(すなわち、角度X°)が次第に増大し、及び/又は長さ(L1、L2)がアセンブリの長さに沿って減少するように(例えば、近位端から遠位端に向かう方向に沿って角度X°が増大し及び/又は長さが減少するように)設計及び配置される。有利には、このような配置は、ユーザが近位端よりも遠位端をより多く曲げること、及び/又は近位端が曲がり始める前に遠位端を曲げることを可能にし得る。アーティキュレーション部の長さに沿って、凹状/窪み状アーティキュレーションピボット306の半径R1が増加するようにし、及び/又は、凸状/突出したアーティキュレーションピボット307の半径R2が減少するようにすることができる。
【0183】
典型的には、リンクは、アーティキュレーションアセンブリの遠位端においてより大きいアーティキュレーション運動を可能にするように変更される。リンクは、挿入管の遠位端において所望の程度のアーティキュレーション運動を得るために必要なアーティキュレーションワイヤの力を低減するようにすることができる。例えば、遠位端に近いリンクは、近位端に近いリンクよりも短い長さを有するようにすることができる。リンクはまた、遠位端におけるアーティキュレーション角度を大きくするようにすることもできる。凸状のアーティキュレーションピボットの半径を、近位端よりも遠位端に近いリンクの方が小さくなるようにし、及び/又は凹状のアーティキュレーションピボットのピボット半径を、近位端よりも遠位端に近いリンクの方が大きくなるようにできる。
【0184】
これらの特徴はすべて、所望のアーティキュレーション応答及び形状を達成するために、個々のリンクで、又は複数のリンクと組み合わせて変更することができる。有利には、この配置は、近位側のアーティキュレーション運動に先立って又はそれと同時に、遠位側のアーティキュレーション運動を開始するようにする能力を提供する。さらに、この配置は、アーティキュレーション部の近位端に蓄積する引張り力の増加を緩和するようにする能力を提供する。さらにこの配置は、近位端から遠位端までアーティキュレーション部に沿って半径の均一な曲率を提供し得る。
【0185】
図17は、アーティキュレーションリンクアセンブリの断面図を示す。複数のリンクが、アーティキュレーションリンクアセンブリ全体にわたって示されている。複数のリンクは、アーティキュレーションリンクアセンブリの近位端にある近位終端リンク309と、アーティキュレーションリンクアセンブリの遠位端にある遠位終端リンク312とを含む。近位終端リンクは、複合挿入管によって横方向に保持され得る。遠位終端リンクは、終端バンドによってカメラアセンブリに固定される。リンクを通って延びるアーティキュレーションワイヤは、この終端バンドにレーザー溶接されるようにできる。
【0186】
図18は、挿入管の遠位端におけるアーティキュレーションワイヤの遠位端の取り付けを示している。一実施形態では、アーティキュレーションワイヤの遠位端は、遠位終端リンクを通って延び、終端バンドにレーザー溶接されるようにできる。図19は、アーティキュレーションワイヤの遠位端を挿入管の遠位端に取り付けるための第2の実施形態を示す。アーティキュレーションワイヤは、遠位終端リンクのステップダウン部分の溝313、例えばU字型の溝内に配置されるようにすることができる。アーティキュレーションワイヤは、例えば接着剤によって固定され、終端バンドを遠位終端リンクのステップダウン部分314上でスライドさせることによって所定の位置にロックされる。両方の実施形態において、終端バンドは、遠位終端リンクとキャップアセンブリとの間の確実な接続を提供する。有利なことに、両方の実施形態は、小口径内視鏡の限られたスペース内でのアーティキュレーションワイヤの遠位端の固定を可能にする。
【0187】
図20は、挿入管のアーティキュレーション部を操縦/アーティキュレーション運動させるための代替の実施形態を示す。この代替実施形態は、アーティキュレーションリンクを利用しないようにできる。上述したように、挿入管は、近位部、移行部、及びアーティキュレーション部を含む。挿入管は、外側のポリマージャケットと、ジャケットの内側の編組(braid)を含む。編組の内部には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)スリーブ402が近位部からアーティキュレーション部まで延びている。アーティキュレーションワイヤは、スリーブを通って延び、例えば溶接によって編組の後ろで終端バンドの壁に固定される。アーティキュレーションワイヤは平らなプルワイヤであってもよい。メインシャフトPTFEライナー401は、編組とは反対側のPTFEスリーブの側面に位置し、挿入管のメインルーメンを画定する。有利なことに、この構成はリンクの必要性をなくし、挿入管の遠位端における利用可能な断面積を増加させる。この利用可能な断面積の増加により、ツールチャネル、電気信号導体、及び挿入管のメインルーメン内に配置される可能性のある他の長尺物の自由な移動が容易になる。このような構成により、挿入管の遠位端が300度以上、場合によっては310度まで曲がるようにできる。
【0188】
図21図24には、アンビリカルアセンブリ500が示されている。アンビリカルアセンブリは、アンビリカル501と第1のカートリッジ511を含む。上述しまた図22にも示されるように、アンビリカルは、カートリッジと内視鏡のハンドルアセンブリとの間に延びる流体ルーメンと電気信号導体とを含む。アンビリカルは、その一端がカートリッジ511のある位置でカートリッジに取り付けられている。カートリッジ511は、ハウジング506を含むことができる。第2のアンビリカル又はチューブの第2の部分504が、カートリッジのハウジングを通って延び、ハウジングの別の位置からハウジングの外に延びることができる。いくつかの実施形態では、第2のチューブは、上述の第1の灌注源に接続される。第2のチューブは、第1の灌注源に接続するために、その一端にルアーロックコネクタ505を含むことができる。第2のチューブは、(図24に示されているように)カートリッジのハウジングを通って、アンビリカル内まで延びることができる。有利な事に、手動又はモバイル式の灌注源の場合、第2のチューブは、処置中に第1の灌注源が内視鏡ハンドルを引っ張って動く可能性を低減する。
【0189】
図23及び図24は、それぞれ、組み立てられたカートリッジ511及び分解されたカートリッジ511の更なる詳細を示す。カートリッジ511は、プリント回路基板(PCB)509を含むことができる。PCBは、電気信号スプリングタブ510を含むことができる。カートリッジスプリングタブは、コンソール600又は700と接続されて、コンソール600又は700、カートリッジ511及び内視鏡の間の電気的接続を確立することができる。カートリッジ511は、静的保持タブ507及び/又は動的保持タブ508の組み合わせを含むことができる。保持タブは、静的保持スロット604及び動的保持スロット603を含む対応する保持スロットに接続することによって、カートリッジをコンソールの受け入れレセプタクル601(図25に図示)に動作可能に接続する。いくつかの実施形態では、保持タブのいくつかは、コンソールへのカートリッジの「スナップオン」接続を提供することができる。コンソールにカートリッジをスナップオンする機能は、コンソールへのカートリッジの取付け、取外しの迅速かつ安全な方法を可能にする。
【0190】
図25図26A及び図26Bには、流体制御部のない第1のコンソール600がさらに詳細に示されている。流体制御部がない場合、コンソール600は、手術室内及び使用中のカート上のスペースを節約するように、比較的小さくできる。コンソール600はレセプタクル601を含むことができる。レセプタクルは、第1のカートリッジ511の電気信号スプリングタブをコンソール600に接続するための電気信号コネクタ602を含むことができる。レセプタクルは、カートリッジ511の動的保持タブを受け入れて接続するための保持スロットとカートリッジの静的保持タブのための保持スロットをさらに含んでもよい。この接続により、コンソール600とカートリッジ511との間に電気的接続がなされる。アンビリカルに過度の張力がかかると、動的保持タブは動的保持スロットから自動的に解除され得る。有利なことに、この安全解除により、コンソールやカートリッジの意図しない損傷を防ぐことができる。いくつかの実施形態では、静的保持タブ及び静的保持スロットのみが利用される。他の実施形態では、動的保持タブ及び動的保持スロットのみが利用される。さらなる実施形態では、静的保持タブ及び静的保持スロットと動的保持タブ及び動的保持スロットの両方が利用される。
【0191】
コンソール600は、挿入管の遠位端のLEDへの電力を制御するための照明制御部605をさらに含むことができる。照明制御部は、LEDから放射される光の波長を制御することもできる。コンソールはまた、コンソールの電源をオン又はオフにするための電源制御部606を含むことができる。例えば、電源制御部は、スイッチ、ノブ、又はボタンなどとすることができる。
【0192】
図26Bは、支柱607に取り付けられたカートリッジを示す。カートリッジは、コンソールを垂直状態でポールに取り付けるためのブラケット608を含み得る。図26A及び図26Bに見られるように、レセプタクルは、コンソールが水平であっても垂直であっても、カートリッジが同じ状態でカートリッジに接続されることを可能にするように方向付けられるようにできる。言い換えれば、レセプタクルは、コンソールの向きに基づいて所望の向きに回転させることができる。有利なことに、これにより、手術室内のコンソールの向きに関係なく、所望の人間工学的チューブの配置を維持することができる。
【0193】
本開示はさらに、第2のカートリッジ800及び第2のコンソール700を提供する。図27は、好ましくは医療従事者による使用のために操作可能に接続されたシステムの概要を示している。第2のカートリッジ800及び第2のコンソール700は、第2のコンソール700及び第2のカートリッジ800による流体制御機構の使用により、第1のコンソール600及び第1のカートリッジ511よりも大きくなり得る。システムは、コンソール700の制御バルブアセンブリ1100に挿入されたカートリッジ800を含むことができる。カートリッジ800は、アンビリカルによって内視鏡に接続され得る。例えば、カートリッジ800は、1つ以上の流体チューブ及び/又は電導体によって使い捨て内視鏡に接続され得る。
【0194】
カートリッジ800は、支持具に接続され得る。支持具は、(例えば、スタンドアロン型又は中央型の)灌注ポンプ、気腹器、及び/又は真空ポンプを含み得る。カートリッジ800は、内視鏡と支持具との間に配置され得る。
【0195】
いくつかの実施例では、コンソール700は、ユーザが内視鏡システムの様々な変数を変更することを可能にするユーザインターフェース(図示せず)を含むことができる。一実施例では、ユーザインターフェースは、電気ビジュアルディスプレイに統合されたタッチスクリーンであり得る。別の例では、ユーザインターフェースは、キーボード、マウス、トラックボール、及び/又はタッチセンシティブポインティングデバイス等を含み得る。
【0196】
コンソール700は、カートリッジを受け入れて作動させるための制御バルブアセンブリを含み得る。コンソール700は、電力、流体及び/又は流体圧、真空圧を供給し、及び/又は、内視鏡アセンブリと電気信号を送信及び/又は受信し得る。コンソール700は、使い捨てシャフトアセンブリの遠位端のカメラからのビデオフィードのような内視鏡アセンブリから受信した信号を視覚化するためのモニタ(図示せず)を含み得る。
【0197】
図28には、制御バルブアセンブリがより詳細に示されている。制御バルブアセンブリは、カートリッジ800の流路の作動可能な部分を選択的に作動させるために使用され得る。制御バルブアセンブリは、アクチュエータ1130と、第1の表面1152及び第2の表面1154を有する支持構造体1150とを含み得る。
【0198】
アクチュエータは、リニアアクチュエータ又は回転アクチュエータとし得る。アクチュエータはソレノイドであってもよい。1つのアクチュエータでもよいが、好ましい実施例では、制御バルブアセンブリは4つのアクチュエータを含む。アクチュエータは、カートリッジ内の流路のバルブ部分を作動させ、流路を選択的に開放及び/又は閉鎖するようにされる。
【0199】
流路のバルブ部分は、任意の許容可能なバルブを備えることができる。例えば、バルブ部分は、ペットコックを備えることができる。また、バルブ部分は、ドアの第1の面のアンビルと制御バルブアセンブリのアクチュエータ(例えば、ソレノイド)との間での圧縮のために配置されたチューブの一部(例えば、ピンチバルブ)を備えることもできる。バルブ部分は、アクチュエータ1132に関連する吸引バルブ、アクチュエータ1134に関連するカメラ洗浄流バルブ、アクチュエータ1136に関連する気腹バルブ、及び/又はアクチュエータ1138に関連する気腹ベントバルブなど、内視鏡の任意の数の流体機能のためのバルブとして機能することができる。
【0200】
制御バルブアセンブリのアクチュエータは、コンソール700に受け入れられて、アクチュエータをコンソール700に電気的に接続するための電気コネクタを含むことができる。コンソール700に接続されると、コンソール700は、アクチュエータに電力及びユーザ入力コマンドを供給して、カートリッジの流路を開放及び/又は閉鎖することができる。
【0201】
カートリッジ800は、制御バルブアセンブリによって読み取り可能及び/又は書き込み可能な識別子を含むことができる。識別子は、カートリッジのタイプに関する情報、及び/又は使用情報(例えば、カートリッジが以前に使用されたかどうか)を含み得る。好ましくは、制御バルブアセンブリは、(例えば、カートリッジの種類及び/又はカートリッジが以前に使用されたかどうかを判断するために)カートリッジ800の識別子を読み取って処理するように構成される。識別子は、カートリッジの電気コネクタを介して、及び/又は他の手段(例えば、RFID、光学系、及び/又は機械的接触)を介して、読み取り可能及び/又は書き込み可能とし得る。
【0202】
支持構造体の第1の表面は、カートリッジ800の電気コネクタへの電気的接続を形成するための電気コネクタを含むことができる。コンソール700の制御バルブアセンブリとカートリッジ800との間の電気的接続により、コンソールは、内視鏡からカートリッジ800を介してコンソール700に送られる画像及び制御データ(バルブ/アクチュエータ及び/又は画像データ)を受信することができる。電気的接続により、コンソール700は、内視鏡アセンブリの発光ダイオード(LED)に電力を供給することができる。
【0203】
カートリッジは、使い捨てカートリッジとすることができる。使い捨てカートリッジは、再使用可能な内視鏡及び/又はコンソール内に含まれる永久バルブボディの使用の必要性を無くすことができる。これにより、再使用可能なバルブを使用毎に滅菌する必要がなくなる。
【0204】
カートリッジ800は、ハウジング1210を有する。ハウジングは、第1の側面1212及び第2の側面1214を含み得る。ハウジングは、流体がカートリッジハウジングに流入及びカートリッジハウジングから流出するように移動することを可能にする第1の流体側1220及び第2の流体側1224をさらに含む。ハウジングは、1つ以上の流路、流体コネクタ、及び/又は電気コネクタを画定することができる。例えば、カートリッジハウジングは、内視鏡の電導体と電気的に連通する電気コネクタ1244と、任意に光学センサの較正データ又は内視鏡の固有の識別子を含む光学センサモジュールとを含み得る。ハウジングは、窓1270а-1270dを画定することができる。一実施例では、ハウジングは4つの窓を含む。窓は、ハウジングの内面によって画定され得る。内面は、ハウジングに概ね円形の開口を形成することができる。ある窓の円周は、より大きな流路断面を受容するために、他の窓よりも大きくし得る。
【0205】
窓は、アクチュエータをコンソールから内面によって画定されたチャンバ1272内に受け入れるように構成され得る。上述したように、アクチュエータは、窓を通過し、及び/又はコンソール700の制御バルブアセンブリのドア上のアンビルに接触して、ドアとともにピンチバルブを形成することができる。カートリッジ800が制御バルブアセンブリ上に配置されてドアが閉じられると、窓はドアのアンビル及び制御バルブアセンブリのアクチュエータと整列する。窓は、幾何学的形状を画定するように配置され得る。例えば、図示されているように、窓は菱形を画定することができる。
【0206】
上述したように、1つ又は複数のアクチュエータは、カートリッジハウジングの窓の中に延び、及び/又は制御バルブアセンブリのドア上のアンビルに接触するように構成されたソレノイドであってもよく、閉じたときにピンチバルブを形成する。
【0207】
ハウジングは、制御バルブアセンブリの電気コネクタに接続するための電気コネクタをさらに含むことができる。カートリッジ800の電気コネクタは、コンソールの制御バルブアセンブリの対応する数のフラットパッド電気接点に接触するように構成されたスプリングフィンガ電気接点であってもよいし、その逆であってもよい。カートリッジハウジングの電気コネクタは、内視鏡によって提供される画像データ及び制御データをコンソールに送ることができる。ハウジングの電気コネクタは、コンソールから患者の体内で内視鏡によって使用されるLEDに電力を送ることができる。
【0208】
図27には、コンソール700の制御バルブアセンブリに挿入されたカートリッジ800が示されている。図示のように、カートリッジは、制御バルブアセンブリの支持構造体の第1の表面と面一に挿入される。カートリッジの第1の流体側は、アンビリカル内及び内視鏡の使い捨てシャフトアセンブリ(図示せず)に続く緩いチューブを含むことができる。
【0209】
カートリッジ800の第2の流体側は、支持具に接続され得る。支持具は、灌注ポンプ、気腹器、及び/又は真空ポンプ(スタンドアロン型又は中央型)を含むことができる。カートリッジ800は、内視鏡と支持具との間の流体連通を提供することができる。
【0210】
制御バルブアセンブリは、レッジ(棚)面1110及びラッチ1120を含むことができる。カートリッジ800は、レッジ面とラッチ受け部とを含み得る。別の実施例では、制御バルブアセンブリがラッチ受け部を含み、カートリッジがラッチを含むようにできる。カートリッジが制御バルブアセンブリに受容されると、ラッチがラッチ受け部に接触して、カートリッジの第1の端部を制御バルブアセンブリに固定する。これとは別に、ラッチ及びラッチ受け部の反対側で、カートリッジのレッジ面と制御バルブアセンブリのレッジ面とが互いに接触して、カートリッジの第2の端部を制御バルブアセンブリに固定する。
【0211】
いくつかの例では、カートリッジ800は、カートリッジの第1の側に配置された2つ以上の磁石1250を含み得る。いくつかの例では、1つの磁石がカートリッジ800の第1の面の下部に位置し、第2の磁石がカートリッジの第1の面の上部に位置し得る。制御バルブアセンブリの第1の面は、カートリッジ上の磁石の位置に対応する2つ以上の(ホール又はリード)磁気センサ1180を含むことができる。例えば、一方は第1の面の下部に位置し、他方は第1の面の上部に位置する。カートリッジ800の下部の磁石は、制御バルブアセンブリの下部の磁気センサと干渉し、アクチュエータ(例えば、ソレノイド)バルブを引き込み、カートリッジを制御バルブアセンブリに傾けるのに必要な力を減少させる。上部の磁石は、制御バルブアセンブリの上部の磁気センサと干渉し、コンソール700上のカートリッジ800の存在を確認し、コンソール700を動作させて適切なアクチュエータを解放しまた内視鏡検査のためのアクチュエータ動作モードを開始させる。
【0212】
図27は、1つのカートリッジ800と追加のカートリッジ800を有するコンソール700を示す。一方のカートリッジ800は第1の内視鏡(図示せず)に接続され、追加のカートリッジ800は第2の内視鏡(図示せず)に接続されるようにできる。一方のカートリッジ800及び追加カートリッジ800は、それぞれ、コンソールの第1の制御バルブアセンブリ及び第2の制御バルブアセンブリにしっかりと挿入され得る。コンソールは、第1及び第2の制御バルブアセンブリと共に図示されているが、各々が独立したカートリッジを受け入れることができる任意の数の制御バルブアセンブリを有するようにできる。第1の制御バルブアセンブリは第1のカートリッジ800を受け入れ、第2の制御バルブアセンブリは第2のカートリッジ800を受け入れるようにできる。すべての制御バルブアセンブリがすべての医療処置においてカートリッジを受け入れる必要は必ずしもない。
【0213】
図示されているように、各カートリッジは、別個の支持具のセット及び内視鏡などの独立した医療装置に接続され得る。
【0214】
第1の制御バルブアセンブリ及び第2の制御バルブアセンブリは、独立して及び/又は主/副の関係で動作するようにされる。第1の内視鏡又はマザー内視鏡が主制御装置で、第2の内視鏡又はドーター内視鏡が副制御装置であり得る。この配置において、主内視鏡の制御部は、1つ以上の副内視鏡の機能(例えば、画像制御及び/又はLED)を制御することができる。主内視鏡は、(例えば、コンソールに接続された1つ以上のカートリッジを介して)本明細書に記載のアクチュエータを選択的に作動させるための電気信号を第2の制御バルブアセンブリに供給することによって、副内視鏡の流路の機能を制御することができる。第1の内視鏡は、第2の制御バルブアセンブリの状態を変更する(例えば、第2の制御バルブアセンブリによって第2の内視鏡のカートリッジに提供される電気信号を変更する)ために第1の内視鏡から電気信号を提供することによって、第2の内視鏡の機能(例えば、LED及び/又はカメラの動作)をさらに制御することができる。例えば、制御バルブアセンブリは、第1の内視鏡から受信した信号に基づいて、第2の内視鏡のLED及び/又はカメラに電気信号を供給することができる。この配置は更に、複数の内視鏡を一度にセットアップして処置に利用することを可能にし、1つの内視鏡を別の内視鏡に交換するために通常使用される多くのセットアップ時間を排除又は短縮し、及び/又は複数の制御コンソールのような追加の装置の必要性を排除又は低減する。
【0215】
コンソールは、タッチスクリーンのユーザインターフェースを備えて示されている。ユーザインターフェースは、任意の適切な入出力装置であってよい。
【0216】
図29には、第2のコンソール700が第1のカートリッジ511とともに示されている。第2のコンソール700は、流体制御部を含み、流体制御部のないコンソール600よりも大きくなり得る。第2のコンソール700は、1つ以上のレセプタクル/制御バルブアセンブリを含み得る。レセプタクルは、カートリッジ511又は800の電気信号スプリングタブをコンソールに接続するための電気信号コネクタを含み得る。第2のコンソール700は、流体制御部を備えるカートリッジ又は流体制御部を備えないカートリッジをユーザが取り付けることを可能にし得る。いくつかの例では、(図27及び図28に図示の)大型のカートリッジ800は、大型の第2のコンソール700のレセプタクルに接続され得る。大型の第2のカートリッジ800は、レセプタクルの一部を覆い得る。この例では、上述したように、コンソール700は、カートリッジ800を通る流体の流れを制御するために作動し得るバルブを含む。別の例では、上述の第1のカートリッジ511は、第2のコンソール700のレセプタクルの、大きなカートリッジ800よりも小さい部分を覆うように取り付け得る。第3の例では、大きなカートリッジ800がレセプタクル全体を覆うために使用され得るが、流体制御部は利用されない。上述し、図29にも示したように、コンソール700は複数のレセプタクル/制御バルブアセンブリを含むことができる。任意の種々のカートリッジ511及び800をコンソール700に取り付けて、一度に使用することができる。
【0217】
有利なことに、例えば、流体制御部のないカートリッジ511をより大きなコンソール700に取り付けることにより、医療事務環境にあるポール取り付けコンソール、又は尿管鏡検査のための手術室環境にあるデュアルコンソール700(図示)のいずれかに、臨床医が細胞鏡を接続する機能を提供する。さらに、使い捨て胆管鏡とハイブリッド十二指腸鏡の両方をデュアルコンソール700に接続することなどによって、内視鏡的逆行性胆管膵管造影の際に、使い捨て胆管鏡をハイブリッド十二指腸鏡と併用して使用することができる。さらに、使い捨て胆管鏡は、流体制御なしで、サードパーティ製の再使用可能な十二指腸内視鏡及びその関連ビデオ処理ユニットと組み合わせて、小型のコンソール600と共に使用することもできる。
【0218】
様々なカートリッジの実施形態及び様々なコンソールの実施形態の多くの特徴は、実施形態間で交換可能に使用され得ることが理解される。換言すれば、様々なカートリッジ及びコンソールの特徴は、いずれの実施形態内でも使用することができる。
【0219】
図30図36には、改良された4方向ステアリング可撓性内視鏡が開示されている。この内視鏡は、小口径内視鏡、より具体的には胆管鏡として示されている。しかしながら、4方向ステアリングは、他の小口径内視鏡、大口径内視鏡、及び他の医療装置一般に組み込むことができる。
【0220】
図30及び図31は、アンビリカル901及び挿入管902を有する内視鏡アセンブリ900を示す。上記のアンビリカル及び挿入管に関する全ての記載は、ここに組み込まれる。挿入管902は、アーティキュレーション部904を含む。挿入管はさらにアーティキュレーションワイヤ917を含む。アーティキュレーションワイヤは、挿入管のアーティキュレーション部をアーティキュレーション運動させるために使用される。一実施形態では、挿入管は、上下又は左右のアーティキュレーション運動用に2本のアーティキュレーションワイヤを含む。例示的な一実施形態では、挿入管は4本のアーティキュレーションワイヤを含む。この構成により、ユーザによる上下及び左右のアーティキュレーション運動が可能になる。
【0221】
図32A及び図32Bは、ある内視鏡を別の内視鏡のハンドルに取り付けるための取り付け構造体を示している。一方の内視鏡を他方の内視鏡に取り付けて固定することができる機能により、内視鏡医は両方の内視鏡を容易に取り扱うことができ、2つの内視鏡の取り扱いの煩雑さが減少する。多くの場合、小径の内視鏡は大径の内視鏡のツールチャネルを通して、例えば、胆管鏡を十二指腸内視鏡を通して、配備される。取り付け構造体は、小口径内視鏡を大口径内視鏡のハンドル及び/又はストレインリリーフに固定するようにされる。
【0222】
取り付け構造体は、例えばエラストマーパッドのようなアライメントパッド922を有する弾性ストラップ906を含む。いくつかの実施形態では、アライメントパッドは、大口径内視鏡の本体の典型的な形状に合わせて湾曲されている。アライメントパッドは、大口径内視鏡上での小口径内視鏡の移動を防止する。取り付け構造体はさらに、カムラッチ907と、カムラッチ用ランド908とを含む。図32aは、カムラッチがカムラッチ用ランドから解放された開位置にある取り付け構造体を示す。図32bは、カムラッチがカムラッチ用ランドに固定された閉/固定位置にある取り付け構造体を示している。閉位置では、小口径内視鏡は大口径内視鏡本体にしっかりと固定される。
【0223】
図33及び図34は、内視鏡のハンドルに一体化された可変一体型吸引制御部を示している。この吸引制御部により、手動による吸引を可変にすることができる。さらに、可変の吸引強度を選択することができる。さらにバルブにより灌注流体の流れを制御し得る。
【0224】
吸引制御部は、一体型可変吸引バルブ905と吸引チューブ909とを含む。一体型吸引バルブは、バルブ可変スクリュー912、バルブスライディングボタン911、バルブスプリング910、及びバルブアンビル913を含む。スクリューは回転可能であってもよいし、回転せずに圧縮されていてもよい。スクリューが回転すると、吸引チューブはバルブアンビルに対して圧縮されて吸引の強さを下げるか、又はバルブアンビルに対する圧縮が解除されて吸引の強さを増加させる。吸引のレベルは、吸引チューブがバルブアンビルに対して完全に遮断されて吸引しない状態から、スクリューがアンビルに対して吸引チューブを圧縮していないで完全に開放された状態までの範囲とすることができる。スクリューを調整することにより、ユーザは可変量の吸引を得ることができる。
【0225】
図35は、挿入管903の断面図である。挿入管は、(後述するように)挿入管内に延在する一体型ルーメンを有する固体ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)押出成形品であってもよい。図示されているように、挿入管は、挿入管を通って患者の体内に様々な医療器具を展開するためのツールチャネル914を画定するルーメンを含むことができる。挿入管は、例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサワイヤのために、挿入管の遠位端にあるカメラ及び/又は光ダイオードに電気信号を送るための1つ以上の電導体915のための別のルーメンをさらに含むことができる。挿入管は、灌注管又は吸引管909などの流体管916をさらに含む。上述したように、挿入管は、挿入管をアーティキュレーション運動させるためのアーティキュレーションワイヤ917をさらに含む。さらに、挿入管は、編組(braid)919によって囲まれたコアプロファイル918を含む。
【0226】
コアプロファイルは、潤滑性ポリマーで作製することができ、アーティキュレーションワイヤを通す4つのアーティキュレーションワイヤルーメン923を備える中央ルーメン924を含む。いくつかの実施形態において、中央ルーメンはPTFEである。1つの例示的な実施形態において、アーティキュレーションワイヤルーメン923は、中央ルーメンの周りに等間隔に配置される。4つのルーメン(ツールチャネル用ルーメン、電導体用ルーメン、及び2つの流体ルーメン)は、ナイロン、EVA、及び/又はPVC製とすることができる。
【0227】
編組919は、コアプロファイルの中央ルーメンの外側の少なくとも一部を取り囲む。編組は、シース/外側ジャケット920によって包囲される。外側ジャケットは、HDPE、EVA、PVC、及び/又はPBAXから構成され得る。
【0228】
挿入管の製造中に、ツールチャネルを画定するルーメン、電導体が通されるルーメン、様々な流体チューブ、及びアーティキュレーションワイヤルーメンが、中央プロファイルの中央ルーメンを通して引かれる。一実施形態では、ルーメンはすべて一度に引かれる。この製造方法は、リークポイントの数を制限する。
【0229】
図36には、挿入管のアーティキュレーション部の側面図が示されている。アーティキュレーション部は、コアプロファイルに2つの対向する一連のアーティキュレーションカット921を含むことができる。これらのカットは、アーティキュレーション部の長さの少なくとも一部にわたって形成されている。これらのカットは、単一平面内で、例えば互いに90度の角度での曲げをしやすくする一連のアーティキュレーションリビングヒンジを形成する。アーティキュレーション部は、コアプロファイルとは異なる材料、例えばナイロンで形成可能である。アーティキュレーション部は、接着剤によって、機械的な接続によって、又はアーティキュレーション部と挿入管の残りの部分を貫通して延びるアーティキュレーションワイヤによって、挿入管の残りの部分に分離可能に取り付けることができる。
【0230】
図37図48には、別の挿入管1000が開示されている。上述した挿入管の開示は、ここに組み込まれる。相違点については、挿入管1000に関連して説明する。
【0231】
図37及び図38に示すように、挿入管は、近位部1005、移行部1004、及び挿入管の遠位端に位置するアーティキュレーション部1003を含む、複数の部分を有するようにできる。挿入管の近位部は、アーティキュレーション部のアーティキュレーション運動中に近位部が曲がるのを防止するために、アーティキュレーション部よりも高いデュロメータポリマーで作ることができる。アーティキュレーション部は、アーティキュレーションワイヤによって曲げられることを可能にするために、近位部よりも低いデュロメータポリマーで作ることができる。移行部は、アーティキュレーション部と近位部との間に動作可能に配置される。移行部は、アーティキュレーション部よりも高いデュロメータ値を有し且つ近位部よりも低いデュロメータ値を有するポリマーで作ることができる。これにより、移行部は、挿入管のアーティキュレーション部のアーティキュレーション運動中に受動的に曲がるようにできる。従って、アーティキュレーション部をアーティキュレーション運動させると、動いていないか又は動きが最小限の近位部とアーティキュレーション部との間での滑らかで流れるような移行が生じる。
【0232】
挿入管は、挿入管の遠位端に位置するカメラキャップアセンブリ1001をさらに含むことができる。挿入管は、アーティキュレーション部とキャップアセンブリとの間に移行バンド1002をさらに含む。移行バンドの直径は、キャップアセンブリが終端バンドの開口部に挿入されてそれに固定され得るように、キャップアセンブリの直径よりも大きい。
【0233】
図37及び図38は、挿入管終端取付具1006をさらに示している。挿入管終端取付具は、それぞれのアーティキュレーションワイヤ1008の周りに巻かれた1つ以上のアーティキュレーションコイルを受けるアーティキュレーション圧縮コイル1007を受け入れることができる。アーティキュレーションワイヤは、作動時に内視鏡アセンブリの遠位シャフト部分を曲げるように構成されている。挿入管終端取付具は、さらに、挿入管を内視鏡ハンドル本体に固定するのを補助する。
【0234】
図39は、挿入管の断面側面図である。カメラキャップアセンブリ1001は、カメラキャップ1009と、カメラキャップ内の光学センサ(カメラ)1010と、ツールチャネル1011とを含むことができる。ツールチャネルは、内視鏡ハンドル本体から挿入管を通って延び、カメラキャップを貫通している。
【0235】
挿入管は、アーティキュレーション部、移行部、及び近位部をそれぞれ包囲する、アーティキュレーション部ポリマージャケット1012、移行部ポリマージャケット1013、及び近位部ポリマージャケット1014を含む。この3つのジャケットが外側複合管1046を構成する。外側複合管は、挿入管の内部部品のいずれかを挿入する前に、マンドレル上で1回の作業で組み立てることができる。
【0236】
挿入管は、挿入管全体に延びる複数のアーティキュレーションリンク1019を含む。複数のリンクは、一連の2つ以上のリンクから構成される。リンクは、患者の体内での挿入管の遠位部分(アーティキュレーション部)のアーティキュレーション運動を容易にする。遠位のアーティキュレーションリンクの使用は、他の方法と比較して、ツールがツールチャネル内の所定位置にあるときに、所与の入力に基づいてより大きなアーティキュレーションの程度を作り出す。
【0237】
図39は、コイル1017と、コイルを近位シャフト部に取り付けるヒートステーク1018とをさらに示している。最初のシャフトのレイアップに続いて、近位シャフト部にコイルを挿入してヒートステーク(熱カシメ)することで、製造が簡素化される。
【0238】
図40Aは、近位シャフト部の断面図を示す。近位シャフトは、外側の近位部ポリマージャケットを含む。ポリマージャケットは、近位シャフト部の周囲を円周方向に延びている。編組ワイヤ1016が、ポリマージャケット1014内を延びている。コイル1017が編組ワイヤ1016内に示されている。
【0239】
図40Bは、移行シャフト部の断面図を示す。移行シャフト部は、近位部ポリマージャケットの代わりに移行部ポリマージャケットを備えており近位シャフト部と同一であり得る。
【0240】
図40Cは、アーティキュレーションシャフト部の断面図である。アーティキュレーションシャフトは、外側のアーティキュレーション部ポリマージャケットを含む。ポリマージャケットは、アーティキュレーションシャフト部の周囲を円周方向に延びている。編組ワイヤ1016が、ポリマージャケット内を延びている。編組ワイヤは、アーティキュレーションリンク1019のアセンブリを包囲する。
【0241】
図41は、挿入管の部分分解図である。図示されているように、挿入管の製造において、アーティキュレーション構成要素(コイル1017、アーティキュレーションワイヤ1008、リンク1019、及び内部チューブ)は、単一のユニットとして外側複合管1046内に引き込まれる。図示されているように、製造中、圧縮コイル及びアーティキュレーションワイヤを含む近位シャフト部は、アーティキュレーション部を通って延ばされ、近位部が挿入管終端取付具に至り、圧縮コイル及びプルワイヤが挿入管終端取付具を越えて延びるまで、複合挿入管を通って引っ張られる。内部の全てのアーティキュレーション部品を全体として引っ張るようにすることにより組み立てが容易になる。有利なことに、アーティキュレーションコイル1007は、アーティキュレーション力を近位シャフトから隔離することによって、近位シャフト部の意図しない動きを防止することができる。
【0242】
図42Aは、挿入管の遠位端におけるアーティキュレーションワイヤの遠位端の取り付けを示す。アーティキュレーションワイヤは、遠位アーティキュレーションリンク1020のステップダウン部分の溝1021、例えばU字形の溝内に配置される。アーティキュレーションワイヤは、例えば接着剤によって固定され、移行バンドを遠位アーティキュレーションリンクを覆って位置決めすることによって所定の位置にロックされる。これにより、連続ワイヤを用いた簡単な固定方法が提供され、ワイヤ端部が緩む危険性が制限される。
【0243】
図42Bは、アーティキュレーションワイヤの遠位端を挿入管の遠位端に取り付ける別の方法を示している。アーティキュレーションワイヤの遠位端は、遠位アーティキュレーションリンクを通って延び、移行バンドに固定(例えば、レーザー溶接)される。
【0244】
両方の実施形態において、移行バンドは、遠位アーティキュレーションリンクとキャップアセンブリとの間の確実な接続を提供する。有利なことに、両方の実施形態は、小口径内視鏡の限られたスペース内でのアーティキュレーションワイヤの遠位端の固定を可能にする。
【0245】
図43A及び図43Bは、複数のリンクの長さの少なくとも部分的にわたり延びるサポートビーム1024を有する複数のリンク又はプリントリンク1019を示す。サポートビームは、複数のリンクに取り付けられたサポートストラット1025を含む。複数のリンクは、複数のリンクの製造中に形成され得る。上述のように、複数のリンクのうちのいくつかリンクは互いに異なっていてもよい。製造方法としては、射出成形、付加製造(アディティブマニュファクチャリング)、及び/又は減法製造(サブトラクティブマニュファクチャリング)であってよい。サポートビーム及び分離サポートストラットは、リンクを支持し、製造中にリンクの整列を維持することができる。アーティキュレーションリンクアセンブリの組立において、サポートビーム及びサポートストラットは取り除かれて廃棄される。
【0246】
図44及び図45は、複数のリンクに取り付けられた分離サポートストラット1025を有するランナー1026を備えた複数のリンクを示している。ランナー、サポートストラット、及びリンクは、射出成形によって形成され得る。リンクは、可撓性リンクコネクタ1027によって連結され得る。可撓性リンクコネクタは、サポートストラット及び/又はランナーを取り外した後に、アーティキュレーションリンクの隣接するリンクを互いに向かって枢動させるために折り畳み可能とされ得る。有利なことに、可撓性リンクコネクタは、組立においてにリンクの適切な順序及び向きを補助することができる。
【0247】
図46は、コイル1070及びワイヤ1080が所定の位置にある複数のリンクの側面図を示す。
【0248】
図47及び図48は、2つの組み立てられたアーティキュレーションリンク1019を図示する。図15及び図16の開示はここに組み込まれる。リンクの近位(底部)端は、2つの間隔を空けて配置された凹状/窪み状アーティキュレーションピボット1028を含み、リンクの遠位(頂部)端は、2つの対応する凸状/突出状アーティキュレーションピボット1029を含む。各凹状/窪み状アーティキュレーションピボット1028と、対応する凸状/突出状アーティキュレーションピボット1029は、対を形成する。
【0249】
図47B及び図48Bに示すように、一方の側へのアーティキュレーション運動させると、凸状/凹状アーティキュレーションピボットの1対のみが互いに接触し得る。異なる側にアーティキュレーション運動させると、凸状/凹状アーティキュレーションピボットの異なる対が互いに接触し得る。従って、一方の側に枢動されると、隣接するリンクは、アセンブリが異なる側に枢動されたときとは異なる枢動点を中心にアーティキュレーション運動する。このような例では、1つのアーティキュレーションワイヤは、アセンブリが第1の側にアーティキュレーション運動するときには枢動点から第1の距離に位置し、アセンブリが第2の側にアーティキュレーション運動するときには第2の距離に位置することがある。有利なことに、このような配置は、アセンブリが一方の側と他方の側とにアーティキュレーション運動するときに隣接するリンクを互いに相対的にピボット運動させるためにワイヤに与えられた引張力に対して、アーティキュレーションワイヤがより大きなモーメント(すなわち、回転力)を発生させることを可能にし得る。
【0250】
複数のリンクは、一連の2つ以上のリンクから構成される。ある実施態様では、リンクは、凸状/凹状のアーティキュレーションピボットの対の間の距離1030が、アーティキュレーション運動が最初に起こる場所を制御するために変化するように設計される。リンクの中心線の周りのピボット間の距離1030を短くすることにより、上述したように、所与の力がより大きいアーティキュレーショントルクを発生させることができる。好ましい実施形態では、挿入管の遠位先端に向かう方向に沿って順次ある凸状/凹状ピボットの距離1030は順次減少する。アーティキュレーション運動中、リンク間にアーティキュレーション角度1031が生じる。
【0251】
これらの特徴はすべて、所望のアーティキュレーション応答及び形状を達成するために、個々のリンクで又は複数のリンクを組み合わせて変更することができる。有利なことに、この配置は、近位アーティキュレーション運動に先立って、又は近位アーティキュレーション運動と同時に、遠位アーティキュレーション運動を開始する能力を提供する。さらに、この配置は、アーティキュレーション部の近位端に蓄積する引っ張り力の増加を緩和するのを可能とする。さらにこの配置は、近位端から遠位端までアーティキュレーション部に沿った半径の均一な曲率を提供し得る。
【0252】
図49図54には、別の挿入管2000が開示されている。挿入管1000の開示はここに組み込まれる。相違点については、挿入管2000に関連して説明する。挿入管は、2つの連続する部(近位及び遠位アーティキュレーション部)から構成される。挿入管は、マルチルーメンの近位押出し部2004を有する近位マルチルーメンシャフト部2001と、操作可能なシースとして図示された撓み部2002とを含む。この2つの部分の間には、撓み移行部2003がある。2つの部分2001と2002は、外側の編組と複数に分割されたポリマージャケットによって直線的に結合されている。
【0253】
近位マルチルーメン(上述のように中央ルーメンと4つのアーティキュレーションワイヤルーメンを含む)シャフト部2001の使用により、近位シャフトの構造が単純化される。中央ルーメンの使用により、流体ルーメン、ツールチャネルを画定するルーメン、アーティキュレーションワイヤルーメン、及び電導体を含む内部構成要素を、(上述したように)組立中において単一の操作として引っ張ることを容易にする。遠位撓み部は、オーバー編組及びリフローの前に、近位マルチルーメン押出し部とともにマンドレル上に予め組み立てることができる。
【0254】
挿入管は、外側近位部ポリマージャケット2005、内側撓み移行部ライナー2006、外側撓み移行部ジャケット2007、内側撓み部ライナー2008、及び外側撓み部ジャケット2009を含む。
【0255】
上述の挿入管1000と同様に、1対又は複数対のアーティキュレーションワイヤが遠位移行部バンドに結合される。移行バンドは、アーティキュレーションワイヤの固定点として、また、撓み部の遠位先端とカメラキャップアセンブリとを接続する移行部として機能する。移行バンドは、撓み部とカメラキャップアセンブリの間の薄型接続を提供する。移行バンドとアーティキュレーションワイヤアセンブリは、近位/アーティキュレーション複合管に挿入することができるため、組み立てが容易となる。
【0256】
撓み部は操作可能なシースとして構成される。この操作可能なシース構造は、代替の操作可能構造技術と比較して、より大きなルーメンサイズを提供することができる。
【0257】
図52Aは、近位シャフト部2001の断面図を示す。近位シャフト部は、アーティキュレーションワイヤが延在するアーティキュレーションワイヤルーメン2010を含む。いくつかの実施形態では、4つのアーティキュレーションワイヤルーメンがある。近位シャフト部2001は、中央ルーメン2011をさらに含む。
【0258】
図52Bは、撓み部の断面図を示す。撓み部は、アーティキュレーションワイヤジャケット2012をさらに含む。
【0259】
図52Cは、撓み移行部の断面図を示す。
【0260】
図53は、挿入管2000の部分分解斜視図である。図示されるように、挿入管の製造において、アーティキュレーションワイヤを含むアーティキュレーション構成要素は、挿入管2000に単体として引き込まれ得る。図示されているように、製造において、アーティキュレーションワイヤを含む近位マルチルーメンシャフト部は、撓み部を通って延ばされ、アーティキュレーションワイヤが挿入管の端部から延びるまで挿入管内に引き込まれる。内部の全てのアーティキュレーション部品を全体として引っ張ることにより、組み立てが容易になる。
【0261】
図54Aは、直線状体における挿入管の遠位端を示している。図54Bは、アーティキュレーションされた状態における挿入管の遠位端を示している。
【0262】
図55図62には、調節可能な停止部を有するアーティキュレーションワイヤ張力調整のためのシステムが開示される。このシステムは、圧縮コイル又はカテーテルシャフトのいずれかを、近位プルワイヤ固定点に対して相対的に遠位側に移動させ、その結果、1つ又は複数のアーティキュレーションワイヤに張力をかける。
【0263】
アーティキュレーションワイヤに対するアーティキュレーションコイル又は挿入管の位置を調整するための様々なシステムの使用が開示されている。アーティキュレーションコイル又は挿入管をアーティキュレーションワイヤに対して相対的に移動させることにより、アーティキュレーション制御アセンブリに張力を与えるという必要な機能が得られる。アーティキュレーションワイヤを調整する代わりにアーティキュレーションコイル又は挿入管を移動させることには、以下のような利点がある:1)アーティキュレーションワイヤはアーティキュレーションコイルよりも壊れやすく、従って、張力調整/再位置決めの際に、アーティキュレーションコイルよりも損傷の危険性が高くなり得る、2)アーティキュレーションワイヤを固定するために圧着又は接着剤を利用する場合、カットコイル/挿入管よりも、固定すること及びそれを繰り返し行うことがより困難である、3)アーティキュレーションワイヤは、典型的には、プーリで終端するので、アーティキュレーションコイルが終端するハンドル本体に張力調整を組み込むことがより容易である。
【0264】
図55Aにおいて、アーティキュレーション圧縮コイル1007は、調節可能な停止部1032に接触している。この停止部は、アーティキュレーションワイヤの力を打ち消すように配置されている。図55Aはさらに、アーティキュレーションワイヤ1008がその上に固定的に配置されたアーティキュレーションプーリ1033を示す。いくつかの実施形態では、この構成は挿入管1000と共に使用される。
【0265】
図55Bにおいて、挿入管2000は、調節可能な挿入管停止部2013に接触している。停止部2013との協働を容易にするために、挿入管は挿入管カラー2014を含む。
【0266】
図56A及び図56Bには、停止部1032を調整する構造が示されている。第1の位置(図56A)では、調整可能なコイルスペーサ1034が、停止部1032とスペーサリテーナ1035との間に配置されている。スペーサリテーナは、コイルスペーサを停止部に対して所定の位置に保持する。第2の位置(図56B)では、コイルスペーサは、停止部1032がコイルスペーサとスペーサリテーナの間となるように位置している。この構成では、コイルスペーサは、圧縮コイル1007が停止部1032に突き当たるのを阻止している。この構成により、挿入管をアーティキュレーションワイヤ及びハンドル本体に対して相対的に移動させて、アーティキュレーション制御アセンブリに張力をかけることができる。
【0267】
図57A及び図57Bには、スライド式コイルリテーナ1036が、コイルリテーナ内に固定された圧縮コイル1007と共に示されている。圧縮コイルは、任意の既知の機構によってコイルリテーナ内に固定されるようにできる。コイルリテーナは、コイルリテーナの長さに沿って延びる複数の溝1038を含み得る。
【0268】
ハンドル本体は、アーティキュレーションワイヤに張力をかけるために、ハンドル本体内でコイルリテーナを選択的に再位置決めすることを可能にする。ハンドル本体は、ハンドル本体の長さに沿って複数の溝1039を含む。コイルリテーナがハンドル本体内で選択的に再位置決めされると、コイルリテーナの溝1038とハンドル本体の溝1039とが整列する。整列状態において、ピンが整列した溝内に挿入されて、コイルリテーナ、ひいては圧縮コイル1007を所定の位置にロックすることができる。非限定的な例をいくつか挙げると、止めねじ及び/又は接着剤など、コイルリテーナをハンドル本体に対してロックするために他の既知のロック機構を使用してもよい。図57Aは、第1の位置にあるコイルリテーナを示す。図57Bは、第1の位置とは異なる第2の位置にあるコイルリテーナを示す。
【0269】
図58A及び図58Bは、圧縮コイル1007をスライドさせて保持するための別の実施形態を示す。上側部分が下側部分よりも広いアーティキュレーションコイルカラー1040が開示されている。カラーは圧縮コイルを受け入れて保持する。幾つかの実施形態では、圧縮コイルは、コイルカラーに挿入され、及び/又はコイルカラー内へと回転される。ハンドル本体は、ハンドル本体の長さに沿って複数の溝1039bを含む。溝は、カラーの上側部分を受け容れて保持するような形状である。図58Aは、第1の位置にある停止部を示している。図58Bは、第1の位置とは異なる第2の位置にある停止部を示している。
【0270】
図59A及び図59Bは、圧縮コイル1007をスライドさせて保持するための別の実施形態を示す。図示されているように、アーティキュレーションワイヤがハンドル1041の一部にある開口部を通って延びている。スライド式段付きくさび1042が、ハンドル1041の該一部に対して位置決めされ、ワイヤが通されているハンドルの開口部を覆っている。スライド式段付きくさびは、高さの異なる段付き表面を含む。圧縮コイル1007は、アーティキュレーションワイヤ1008の張力を変えるために段差の間を移動することができる。
【0271】
図59Aは、第1の段部上にある圧縮コイルを示す。図59Bは、第1の段部とは異なる第2の段部上にある圧縮コイルを示す。
【0272】
図60A及び図60Bは、圧縮コイル1007を保持するための別の実施形態を示す。図60A及び60Bは、回転段付きくさび1043を示す。回転段付きくさびは、段付き表面1047を含む。いくつかの実施形態では、回転段付きくさびは、異なる高さの3つの段部を含む。圧縮コイルは、段付き表面に接して固定される。各段差面は、アーティキュレーションワイヤ1008が通って延びるための溝1048を含む。回転段付きくさびが回転すると、圧縮コイル1007は段部の間を移動して、アーティキュレーションワイヤ1008の張力を変えることができる。図60Aは、第1の段部にある圧縮コイルを示す。図60Bは、第1の段部とは異なる第2の段部にある圧縮コイルを示す。
【0273】
図61A及び61Bは、アーティキュレーションワイヤの張力を制御するために圧縮コイルの位置を変更する別の実施形態を示す。この実施形態は、ハンドル1041に対して構成されたカニューレ状の止めねじ1044を含む。この実施形態では、圧縮コイル1007は止めねじに挿入され、止めねじによって確実に保持されるまで回転される。圧縮コイルは、必要な張力に応じて、圧縮コイルのより多く部分又はより少ない部分が止めねじ内にあるように、止めねじ内で回転させることができる。図61Aは、第1の位置にある止めねじ内の圧縮コイルを示す。図61Bは、第1の位置とは異なる第2の位置にある止めねじ内の圧縮コイルを示す。
【0274】
図62A及び62Bは、アーティキュレーションワイヤの張力を制御するために圧縮コイルの位置を変更するためのさらに別の実施形態を示す。この実施形態は、ハンドル内の複数の溝1039内で回転するように構成された回転ねじ付きハブ1045を含む。ねじ付きハブは、溝1039内を移動するように回転させることができる。圧縮コイル1007は、回転ねじ付きハブ内に挿入され、保持される。アーティキュレーションワイヤの張力を変更するために、ねじ付きハブを時計回り又は反時計回りに回転し、圧縮コイルの位置を近位方向又は遠位方向に変える。図62Aは、第1の位置にある圧縮コイルとねじ付きハブを示している。図62Bは、第1の位置とは異なる第2の位置にある圧縮コイルとねじ付きハブを示している。
【0275】
図63図72には、小径の二方向(単一平面)撓み内視鏡に関連する一連の(使い捨て/再使用可能)ハイブリッドハンドルの変形例が開示されている。これらのハイブリッドハンドルの変形例は、ハンドルの使い捨て部分に関連する様々な程度の機能性を示している。例えば、1つの変形例は遠隔流体制御を必要とするが、一方で別の変形例では、画像、照明等のための電子スイッチを再使用可能なハンドルに組み込むだけである。ここに開示された二方向撓みのハイブリッドハンドルの変形例は、胆管鏡検査、尿管鏡検査、膀胱鏡検査、気管支鏡検査を含む多数の臨床用途をサポートする。
【0276】
開示されたハイブリッドハンドル変形例に加え、いくつかの二方向操作係合機構が開示されている。これらの係合機構は、自己整列シャフト構成及びバネ負荷係合構成の両方を含む。
【0277】
図63A図63Cには、分離可能な再使用可能なハンドル1201と使い捨て内視鏡ハンドル1202とを有する内視鏡アセンブリ1200が示されている。再使用可能なハンドルは、電子制御スイッチ1207と電導体1209とを含む。電子制御スイッチは、画像取り込み、照明電力、ビデオ取り込み等のためのものである。
【0278】
使い捨て内視鏡ハンドルは、ツールポート1205、挿入管1203、アンビリカル1204、アーティキュレーション制御レバー1206、流体制御ボタン/トリガ1208及び電導体1290を含む。ツールポート、様々な挿入管、アンビリカル、アーティキュレーション制御レバー、及び流体制御ボタンに関するこれまでの記載は、ここに組み込まれる。電導体1290は、電導体1209に接続されて、使い捨て内視鏡ハンドルと再使用可能なハンドルとの間で電気信号を伝達する。再使用可能なハンドルからの電気信号は、上述のカートリッジ(511又は800)に送られ、カートリッジ(511又は800)がコンソールに接続されたときにコンソール(600又は700)に送られる。電気信号はまた、コンソールから挿入管1203の遠位端に送られる。
【0279】
再使用可能なハンドルの使用は、内視鏡ハンドルの構造、機構、及び電子機器の一部を、使い捨てシングルピース内視鏡からマルチピース内視鏡の再使用可能なハンドルに移すことによって、廃棄物を削減する。電子制御を使い捨てシングルピース内視鏡からマルチピース内視鏡の再使用可能なハンドルに移すことにより、付加的な機能及び高品質の構成要素を組み込むことができる一方で、使い捨てハンドルに付加的なコストを負担させることがない。言い換えれば、使用毎に捨てなければならない使い捨てシングルピース内視鏡とは対照的に、より高価で高品質な電子機器を再使用可能なハンドルに使用することができ、使い捨て内視鏡ハンドルは製造コストを安くすることができる。従って、再使用可能なハンドルと一連の使い捨て内視鏡ハンドルとの連続的使用を可能にすることによって、コストを下げることができる。再使用可能なハンドルに電力及び信号接続を提供するために使い捨て内視鏡ハンドルに関連する電導体1290を使用することにより、交換又は充電を必要とする二次ケーブル又は電池が不要になる。有線接続の使用はまた、無線接続にしばしば関連する待ち時間及び/又は接続性の問題を排除する。
【0280】
図64A図64Cには、分離可能な再使用可能なハンドル1291と使い捨て内視鏡ハンドル1213とを有する別の実施形態の内視鏡アセンブリ1211が示されている。多くの構成要素は、図63A図63Cに示された実施形態と同様である。従って、内視鏡アセンブリ1211を参照して、内視鏡アセンブリ間の相違点のみを説明する。
【0281】
再使用可能なハンドルは、画像取り込み、照明レベル、ビデオ取り込み等のための電子制御装置と、オプションのブレーキを有するアーティキュレーションレバーとを含む。再使用可能なハンドルは、前述のアーティキュレーション制御レバーと同様の機能を有するアーティキュレーション制御レバー1292と、係合構成を有するアーティキュレーション駆動シャフト1215とを含む。使い捨て内視鏡ハンドルは、アーティキュレーション駆動シャフト1215と適合するように構成された係合部を有するアーティキュレーションプーリ1216を含む。レバー1292の動きにより、駆動シャフト1215が駆動してプーリ1216が駆動する。プーリ1216は、挿入管1203内のアーティキュレーションワイヤのアーティキュレーション運動を制御する。
【0282】
再使用可能なハンドルと使い捨て内視鏡ハンドルとの間で自己整列式の着脱可能なアーティキュレーション駆動部(駆動シャフト1215及びプーリ1216)を使用することにより、ブレーキレバー/機構などの付加的な機能及び高品質の構成要素を組み込むことが可能になる一方で、使い捨て内視鏡ハンドルに付加的なコストを負担させることはない。言い換えれば、使用毎に捨てなければならない使い捨て単一ピースの内視鏡とは対照的に、より高価で高品質な部品を再使用可能なハンドルに使用することができ、使い捨て内視鏡ハンドルは製造コストが安くなる。従って、再使用可能なハンドルと一連の使い捨て内視鏡ハンドルとの連続使用を可能にすることによって、コストを下げることができる。
【0283】
図65A図65Cには、分離可能な再使用可能なハンドル1218と使い捨て内視鏡ハンドル1219とを有する別の実施形態の内視鏡アセンブリ1217が示されている。多くの構成要素は、図63図64に図示された実施形態と同様である。従って、内視鏡アセンブリ1217を参照して、内視鏡アセンブリ間の相違点のみを説明する。
【0284】
再使用可能なハンドルは、画像取り込み、照明レベル、ビデオ取り込み等のための電子制御と、オプションのブレーキを有するアーティキュレーションレバーと、使い捨て内視鏡ハンドル内に含まれる流体導管を機械的に挟む(制御する)ための流体ボタン1295とを含む。
【0285】
使い捨て内視鏡ハンドルは、スロット1221及び流体制御チューブ1222を含む。再使用ハンドルと使い捨て内視鏡ハンドルが接続されると、流体制御ボタンと流体制御チューブとの間にピンチバルブが形成される。流体制御ボタンは、流体制御チューブを通過する流体の量を制限するために、流体制御チューブを挟むようにユーザによって押される。ユーザは、流体制御ボタンを様々な力で押すことにより、流体制御チューブを通過する流体の量を制御することができる。流体制御ボタンは、ボタンが押されていないときに、チューブを通る最大流量を許容する。チューブを通る流体は、ユーザが制御ボタンを内側に押す程度に応じて徐々に減少する。
【0286】
この実施形態ではまた、機械式ピンチバルブボタンと機構を、使い捨て内視鏡ハンドルから再使用ハンドルに移している。この構成により、使い捨てカートリッジに追加コストを負担させることなく、より高品質の部品を組み込むことができる。換言すれば、使用毎に廃棄しなければならない使い捨て一体型内視鏡とは対照的に、より高価で高品質の構成部品を再使用ハンドルに使用することができ、使い捨て内視鏡ハンドルは製造コストが安くなる。従って、再使用可能なハンドルと一連の使い捨て内視鏡ハンドルとの連続的な使用を可能にすることによって、コストを下げることができる。
【0287】
図66A図66Cには、分離可能な再使用可能なハンドル1293と使い捨て内視鏡ハンドル1225とを有する別の実施形態の内視鏡アセンブリ1223が示されている。多くの構成要素は、図63図65に示された実施形態と同様である。したがって、内視鏡アセンブリ1223を参照して、内視鏡アセンブリ間の相違点のみを説明する。
【0288】
再使用可能なハンドルは、画像取り込み、照明レベル、ビデオ取り込み等のための電子制御装置と、オプションのブレーキを有するアーティキュレーションレバーとを含む。再使用可能なハンドルはさらに、遠隔に配置された電気機械アクチュエータを使用して流体導管を挟む(制御する)ための電気スイッチ1226を含む。
【0289】
再使用可能なハンドルは、電気スイッチ1226を含む。ユーザが電気スイッチを押すと、信号が電気機械アクチュエータに送られ、アクチュエータが(図24及び29に関連して詳細に説明したように)流路に作用して流路を通る流体の流れを制限又は阻止する。
【0290】
この実施形態は、図65A図65Cの機械式ピンチバルブボタンと機構を、再使用可能なハンドルに関連する電気スイッチ1226と内視鏡アセンブリ1223から離れた場所に配置された電気機械式ピンチバルブに置き換える。使い捨て内視鏡ハンドル及び/又は再使用ハンドルから機械式ピンチバルブを無くすことにより、使い捨てカートリッジのコストが低減される。
【0291】
図67及び図68には、自動調心アーティキュレーション駆動シャフト及びそれに関連する係合部を有するアーティキュレーションプーリが示されている。前述のように再使用可能なハンドル1227はアーティキュレーション駆動シャフト1215を含み得る。駆動シャフト1215は前述のようにアーティキュレーション制御レバー1292によって駆動される。
【0292】
図示された実施形態において、再使用可能なハンドルのハウジング1239は、アーティキュレーション制御レバー1292に連結された駆動シャフト1215を支持する。駆動シャフトは、使い捨て内視鏡ハンドルを受け容れる再使用可能なハンドルの領域内に延在する。駆動シャフトは、再使用可能なハンドルと使い捨て内視鏡ハンドルとが一緒に接合されたときに、使い捨て内視鏡ハンドルに配置されたプーリに係合するように、使い捨て内視鏡ハンドルの凹部内に延びる。
【0293】
駆動シャフトはプーリ係合部1228を有する。この部分は、トルクを伝達することができるような非円形断面の幾何学的形状を有することができる。この幾何学的形状は、いくつかの非限定的な例を挙げると、楕円形、スプライン、正方形、又は星形を含むことができるが、これらに限定されない。
【0294】
使い捨て内視鏡ハンドルは、1つ以上のプーリ1229を含み得る。プーリ1229は、駆動シャフトの端部を受けるように配置され得る。好ましくは、駆動シャフトに関連するアーティキュレーション制御レバーの作動は、プーリを回転させる。好ましくは、プーリは、プーリと駆動シャフトとを互いに回転方向で結合するように、駆動シャフト1215の係合部1228と嵌合する係合部1230を有する。好ましくは、係合部1228及び1230は、駆動シャフトとプーリとの間の摩擦のみに依存しない。好ましくは、嵌合部は、アーティキュレーションシャフトとプーリとの間の幾何学的干渉を含む。
【0295】
少なくとも1つのプーリと関連付けられるのは、挿入管の遠位端を曲げるように構成された1つのアーティキュレーションワイヤ1231又は一対のアーティキュレーションワイヤ(例えば、プーリ上にループ状に配置され、プーリのそれぞれ反対側から延びるワイヤセグメントを有する2つの別個のワイヤ又は1つの連続ワイヤ)である。アーティキュレーションワイヤは、プーリに固定されていてもよく、及び/又はプーリの少なくとも一部の周囲に延在していてもよい(例えば、プーリの周囲でループ状になっている)。好ましくは、アーティキュレーションワイヤは、挿入管の遠位端を相互に直交する平面内で曲げるように構成されている。
【0296】
図69及び図70には、駆動シャフト1215をプーリ1229にバネ付勢された係合部で係合させる代替実施形態が示されている。上記(図67図68)で説明したすべての該当する説明はここに組み込まれる。駆動シャフト1215は、バネ負荷係合タブ1232を含む。バネ負荷係合タブは、1つ又は複数のバネ負荷引き込み式ブレード1241を含む。バネ負荷係合タブ1232は、プーリ上の係合部1233と嵌合して、駆動シャフトをプーリに動作可能にロックする。係合部1233は、バネ負荷係合タブの引き込み式ブレードを受け入れるための1つ以上のスロット1240を含むことができる。
【0297】
バネ負荷された(案内傾斜付き)引き込み式ブレードにより、ユーザは、2つの構成要素を簡単に押して一緒にすることができる。制御レバーをその可動範囲を通してアーティキュレーション運動させると、引き込まれたバネ式ブレードは、アーティキュレーションプーリのボア上のスロットに至り、伸長してアーティキュレーションプーリに係合する。これにより、ユーザは、再使用可能なハンドルと使い捨て内視鏡ハンドルとを予め位置合わせすることなく、使い捨て内視鏡ハンドルを取り付けることができる。
【0298】
図71及び図72には、駆動シャフト1215をプーリ1229と嵌合させるさらに別の実施形態が示されている。再使用可能なハンドルは、駆動ディスク1234を含んでいる。駆動ディスク1234は、中心アライメントピン1235(例えば案内面取りを有するアライメントボス)と、トルクを伝達するためにディスクの中心線からずれた1つ以上のバネ負荷引き込みピン1236(例えば案内面取りを有するバネ負荷トルクピン)とを有する。アーティキュレーションプーリ1229は、中心アライメント穴1237及びトルクピンのための案内部を有する案内面取り付きオフセット穴1238を含む嵌合部を有する。
【0299】
(案内面取り付き)バネ負荷引き込みピンにより、ユーザは2つの構成要素を単に一緒に押圧することができる。制御レバーをその可動範囲内でアーティキュレーション運動させることにより、引っ込められたバネ負荷引き込みピンが伸びて、アーティキュレーションプーリの面の嵌合部に係合する。これにより、ユーザは、再使用可能なハンドルと使い捨て内視鏡ハンドルとを予め位置合わせすることなく、使い捨て内視鏡ハンドルを取り付けることができる。
【0300】
図73図76は、内視鏡挿入管1300に対するコイルと編組の相互の利点を達成するための新規な編組パターンを開示している。従来の編組に関連するトルク性を提供する一方で、コイルに関連する耐キンク性を付与するために、らせん状経路の1つ以上に独自の多糸整合編組パターン(multi-filar aligned braid pattern)を組み込む新規な編組パターンが開示されている。この新規の改良された編組パターンは、それを生成するためにキャリアの位置を変更した従来の編組機構を使用して作製することができる。この新規な編組は、胆管鏡、尿管鏡、膀胱鏡、気管支鏡を含むがこれらに限定されない小口径内視鏡の耐キンク性を改善することができる。
【0301】
小径内視鏡挿入管のための1つの実施形態は、全て同じ方向とされた多糸群1304にわたる単一螺旋状糸1302である。いくつかの実施形態では、多糸群は、2本から10本又はそれ以上とされ得る。1つの例示的な実施形態では、多糸群は3本の糸である。
【0302】
反対方向の多糸群と組み合わされた単一螺旋状糸1302は、一般的な1対1の編組パターン又はその他の変形に関連するトルク性を提供する。
【0303】
多糸群1304は、すべて同じ方向に整列した螺旋パターンである。この構成により、挿入管の耐キンク性を提供するための模擬的なコイルが形成される。編組工程中に模擬的なコイルを生成する能力は、工程ステップを削減し、追加の装置の必要性をなくし、内視鏡挿入管を製造する際にコイルを使用するコストをなくす。
【0304】
図面及び明細書に本開示が詳細に例示及び記載されているが、それらは限定的なものではなく例示的なものであり、単に好ましい実施形態を示して説明したものであって、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲内に入るすべての変更、等価物、及び修正が保護されるものとする。本明細書において引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、個々の刊行物、特許、又は特許出願が、参照により具体的且つ個別的に指し示されているのと同等に、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0305】
以下において番号を付して記載するのは、本発明を理解するのに有用な実施形態である。
1. 上端部分と下端部分とを有する細長いハンドル部分に接続された、挿入管アセンブリ及びアンビリカルを有し、
細長いハンドル部分の上端部分は、
該ハンドル部分に接続された挿入管アセンブリの遠位部分をアーティキュレーション運動させるためのアーティキュレーション制御部と、
灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部と、
ツールポート開口部と、
のうちの少なくとも1つを有し、
該挿入管アセンブリ及び該アンビリカルは、該下端部分から延びるようにされている、内視鏡。
2. 該細長いハンドル部分の該上端部分が、少なくとも、アーティキュレーション制御部と、灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部とを含む、上記1に記載の内視鏡。
3. 該細長いハンドル部分の該上端部分が、少なくとも、該アーティキュレーション制御部と、該ツールポート開口部とを含む、上記1又は2のいずれかに記載の内視鏡。
4. 該細長いハンドル部分の該上端部分が、少なくとも、灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部と、該ツールポート開口部とを含む、上記1-3のいずれかに記載の内視鏡。
5. 該細長いハンドル部分の該上端部分が、該アーティキュレーション制御部と、該灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部と、該ツールポート開口部とのそれぞれを含む、上記1-4のいずれかに記載の内視鏡。
6. 該灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部が、灌注制御部である、上記1-5のいずれかに記載の内視鏡。
7. 該灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部が、吸引制御部である上記1-5のいずれかに記載の内視鏡。
8. 該灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部が、気腹制御部である上記1-5のいずれかに記載の内視鏡。
9. 該灌注、吸引及び/又は気腹の制御部が、流量調節機構を有する上記1-8のいずれかに記載の内視鏡。
10. 該流量調節機構が、該流体制御ボタンを少なくとも部分的に押し込まれた状態に保持するように構成されている、上記9に記載の内視鏡。
11. 該流量調節機構が、回転可能なノブを備える、上記9又は10に記載の内視鏡。
12. 該灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部が、該細長いハンドル部分内に配置されて可撓性流体チューブを圧縮するように構成されたピンチバルブを備える、上記1-11のいずれかに記載の内視鏡。
13. 該灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部が、該細長いハンドル部分内に配置された常閉バルブを含む、上記1-12のいずれかに記載の内視鏡。
14. 該灌注、吸引、及び/又は気腹の制御部が、第1のルーメンを通って延びる第1の流路に沿った流体の流れを制御するようになされており、
該第1のルーメンは、該アンビリカルを通って延びており、
該第1の流路は、該挿入管アセンブリを通って延びて第1のツールルーメンと流大連通し、且つ該ツールポート開口部と連通している、上記1-13のいずれかに記載の内視鏡。
15. 該ツールポート開口部と該第1の流路との間に配置されたバルブを備える、上記14に記載の内視鏡。
16. 該アンビリカルの第2のルーメンを通って第2の流路が延びており、
該第2の流路が、該第1のツールルーメンと流体連通している、上記14又は15に記載の内視鏡。
17. 該細長いハンドル部分に連結された挿入管アセンブリの遠位部分をアーティキュレーション運動させるための該アーティキュレーション制御部がレバーである、上記1-16のいずれかに記載の内視鏡。
18. 該レバーが、該細長いハンドル部分の長手方向軸と同一の平面内でアーティキュレーション運動する、上記17項に記載の内視鏡。
19. 挿入管アセンブリに連結されたハンドル部分を備え、
該ハンドル部分は、該挿入管アセンブリの遠位端部分をアーティキュレーション運動させるためのアーティキュレーション制御部を含み、
該アーティキュレーション制御部が、該ハンドル部分内に配置された回転可能なプーリに連結されたレバー及び/又はノブを含み、
1つ又は複数のアーティキュレーションワイヤが、回転可能なプーリの周り及び挿入管アセンブリの該遠位端部分を通って延び、
摩擦要素が、該回転可能なプーリと該ハンドル部分の一部との間に配置され、該ハンドル部分に対する該回転可能なプーリの回転に抵抗するようにされている、内視鏡。
20. 該摩擦要素が、該アーティキュレーション制御部が1ニュートン以上の力を受けたときに、該挿入管アセンブリの該遠位部分のアーティキュレーション運動を可能とするようにされ、
該摩擦要素が、該アーティキュレーション制御部からの該力の除去後に、該挿入管アセンブリの該遠位端部分をアーティキュレーション運動された状態に保持するようにされている、上記19に記載の内視鏡。
21. 該摩擦要素がゴムを含む、上記19又は20に記載の内視鏡。
22. 該摩擦要素がOリングを含む、上記19から21のいずれかに記載の内視鏡。
23. 該摩擦要素が摩擦グリースを含む、上記19から22のいずれかに記載の内視鏡。
24. 該ハンドル部分の一部が、該回転可能なプーリを通って延びる、上記19から23のいずれかに記載の内視鏡。
25. 内視鏡のための挿入管を組み立てる方法であって、
遠位から近位への方向に沿って、挿入管の遠位部分のアーティキュレーションリンクを通して、1つ以上の流体ルーメン及び/又はツールルーメン並びに電導体を進めることと、
遠位から近位への方向に沿って、該挿入管の近位部分を通して、1つ以上の流体ルーメン及び/又はツールルーメン並びに電導体を進めることと、
を有する、方法。
26. 該近位部分を通して、該1つ以上の流体ルーメン及び/又はツールルーメン並びに電導体を同時に進める上記25に記載の方法。
27. 該近位部分を通して、該1つ以上の流体ルーメン及び/又はツールルーメン並びに電導体を前進させることが、該近位部分のマルチルーメンシャフト部を通して該1つ以上の流体ルーメン及び/又はツールルーメン及び電導体を進めることを含む、上記25又は26に記載の方法。
28. 該1つ以上の流体ルーメン及び/又はツールルーメン並びに電導体が、該アーティキュレーションリンクを通して同時に進められる、上記25から27のいずれかに記載の方法。
29. 該アーティキュレーション制御ワイヤを該複数のアーティキュレーションリンクを通して進めることと、
アーティキュレーション制御ワイヤの遠位端を遠位アーティキュレーションリンク及び/又は終端バンドに固定すること、を含む、上記25から28のいずれかに記載の方法:
30. 該アーティキュレーション制御ワイヤを該複数のアーティキュレーションリンクを通して進めることが、該アーティキュレーション制御ワイヤを遠位から近位への方向に沿って該複数のアーティキュレーションリンクを通して進めることを含む、上記29に記載の方法。
31. 遠位から近位への方向に沿って、該挿入管の該近位部分を通して該アーティキュレーション制御ワイヤを進めることを含む、上記29又は30に記載の方法。
32. 該近位部分を通して該アーティキュレーション制御ワイヤを進めることが、該近位部分を通して該1つ以上の流体ルーメン及び/又はツールルーメン及び電導体を進めることと同時に行われる、上記31に記載の方法。
33. 該アーティキュレーション制御ワイヤを該遠位アーティキュレーションリンクに固定することが、該アーティキュレーション制御ワイヤを該遠位アーティキュレーションリンクの溝に位置決めすることを含む、上記29から32のいずれかに記載の方法。
34. 該アーティキュレーション制御ワイヤを固定することが、該アーティキュレーション制御ワイヤを該遠位アーティキュレーションリンクの溝内に保持するように、該溝内に配置した状態で、終端バンドを該遠位アーティキュレーションリンク上にスライドさせることを含む、上記30から33のいずれかに記載の方法。
35. 該アーティキュレーション制御ワイヤを該遠位アーティキュレーションリンクに固定することが、該アーティキュレーション制御ワイヤを接着剤で該遠位アーティキュレーションリンクに接着することを含む、上記29から34のいずれかに記載の方法。
36. 該アーティキュレーション制御ワイヤを該終端バンドに固定することが、該アーティキュレーション制御ワイヤを該終端バンドに溶接することを含む、上記29から35のいずれかに記載の方法。
37. 該1つ以上の流体ルーメン及び/又はツールルーメンが、1つの連続的なチューブ又は各々が該遠位部分及び該近位部分の長さの合計よりも長い長さを有する複数のチューブを有する、上記25から36のいずれかに記載の方法。
38. 該1つ以上の導電体が、それぞれが該遠位部分及び該近位部分の長さの合計よりも長い長さを有する複数の連続ワイヤからなる、上記25から37のいずれかに記載の方法。
39. 該1つ以上の流体ルーメン及び/又はツールルーメン並びに電導体が、遠位から近位への方向に沿って該挿入管の近位部分を通って進められる間に、金属コイル内に配置されている、上記25から38のいずれかに記載の方法。
40. 該挿入管の遠位部分の該アーティキュレーションリンクを遠位から近位への方向に沿って遠位部分ポリマージャケット内に進めることを含む、上記25から39のいずれかに記載の方法。
41. 該近位部分が、該遠位部分ポリマージャケットとは異なるデュロメータを有する近位部分ポリマージャケットを備え、
該挿入管の遠位部分の該アーティキュレーションリンクを遠位から近位への方向に沿って該遠位部分ポリマージャケット内に進める前に、該遠位部分ポリマージャケットを該近位部分ポリマージャケットの遠位端に取り付けるようにした、上記40に記載の方法。
42. 遠位から近位への方向に沿って該挿入管の遠位部分のアーティキュレーションリンクを通して該1つ又は複数の流体ルーメン及び/又はツールルーメン及び電導体を進め、遠位から近位への方向に沿って該挿入管の近位部分を通して該1つ又は複数の流体ルーメン及び/又はツールルーメン並びに電導体を進めた後に、
該挿入管の該近位部分の周囲にワイヤを編組し、
近位部ポリマージャケットを該近位部分の周囲にリフローし、
遠位部ポリマージャケットを該遠位部分の周囲にリフローするようにした、上記25から39のいずれかに記載の方法。
43. 該近位部ポリマージャケットを該近位部分の周囲にリフローすることと、該遠位部ポリマージャケットを該遠位部分の周囲にリフローすることとを同時に行うようにされた、上記42に記載の方法。
44. 該アーティキュレーションリンクを通して該1つ又は複数の流体ルーメン及び/又はツールルーメン並びに電導体を進める前に、遠位部分ポリマージャケットが該挿入管の該遠位部分の該アーティキュレーションリンクの周囲にリフローされる、上記25から39のいずれかに記載の方法。
45. 第1のサポートビームと、
該第1のサポートビームに複数のサポートストラットを介して結合された内視鏡挿入管のための複数のアーティキュレーションリンクと、
を備え、
該アーティキュレーションリンクがそれぞれ、第1の端部から第2の端部まで延びる長さを有し、
該アーティキュレーションリンクがそれぞれ、その長さ方向で貫通する、中央開口部と、第1及び第2のアーティキュレーションワイヤ用の別個の開口部とを画定し、
該第1及び第2のアーティキュレーションワイヤ用の該別個の開口部が、該中央開口部の相互に反対側にあり、
該複数のアーティキュレーションリンクのうちのいくつかのリンクの第1の端部が、凸状のアーティキュレーションピボットを有し、
該リンクの第2の端部が、他のアーティキュレーションリンクの該凸状ピボットを受けるように構成された凹状アーティキュレーションピボットを有する、デバイス。
46. 該アーティキュレーションリンクの該中央開口部及び別個の開口部が、第1のサポートビームに対して横断方向に沿って延びている、上記45に記載のデバイス。
47. 該複数のリンクのうちのいくつかのリンクは、該内視鏡挿入管内の該アーティキュレーションリンクの位置の順に従って該サポートビーム上に配置されている、上記45又は46に記載のデバイス。
48. 該複数のサポートストラットが、該アーティキュレーションリンクの外側の側面から延びる、上記45ないし47のいずれかに記載のデバイス。
49. 該複数のアーティキュレーションリンクの少なくとも第1のアーティキュレーションリンクが、該複数のアーティキュレーションリンクの第2のアーティキュレーションリンクと異なる形状及び/又はサイズを有する、上記45から上記48までのいずれかに記載のデバイス。
50. 内視鏡のハンドルに取り付け可能な近位部と、
複数のアーティキュレーションリンクを含む遠位部と、
該近位部と該遠位部との間に配置された移行部と、
を有し、
該近位部は、該移行部よりも高いデュロメータを有するポリマーを有し、
該移行部は、該遠位部よりも高いデュロメータを有するポリマーを有する、内視鏡挿入管アセンブリ。
51. 内視鏡のハンドルに取り付け可能な近位部と、
複数のアーティキュレーションリンクを含む遠位部と、
を有し、
該近位部のある長さ部分が、該近位部のルーメンの周りを第1の方向に螺旋状に延びる1つ以上のフィラーを含み、
該長さ部分が、該ルーメンの周りを該第1の方向にらせん状に延びる該1つ以上のフィラーよりも、該ルーメンの周りを第2の方向にらせん状に延びるより多くのフィラーを含む、内視鏡挿入管アセンブリ。
52. 該ルーメンの周りを該第1の方向らせん状に延びるフィラーよりも少なくとも2倍の数のフィラーが、該ルーメンの周りを該第2の方向にらせん状に延びる、上記51に記載の内視鏡挿入管アセンブリ。
53. 該単一のフィラーのみが、該長さ部分に沿って該ルーメンの周りを該第1の方向にらせん状に延びる、上記51又は52に記載の内視鏡挿入管アセンブリ。
54. 少なくとも3つのフィラーが、該長さ部分に沿って該ルーメンの周りを該第2の方向にらせん状に延びる、上記51ないし53のいずれかに記載の内視鏡挿入管アセンブリ。
55. 近位端から遠位端まで延びる長さ部分を有する、アーティキュレーションジョイントアセンブリを有し、
該アーティキュレーションジョイントアセンブリが複数のアーティキュレーションリンクを有し、
各アーティキュレーションリンクが、隣接するアーティキュレーションリンクに連結され、該隣接するアーティキュレーションリンクに対してある枢動角度だけ枢動可能であり、
該複数のアーティキュレーションリンクのうちの第1及び第2のアーティキュレーションリンクが、第1の枢動点の周りで長手方向での整列に対する第1の側に枢動可能であり、第2の枢動点の周りで長手方向での整列に対する第2の側に枢動可能であり、
該第1及び第2の枢動点が、該第1及び第2のアーティキュレーションリンクを通って延びる長手方向軸に対して別々の側にある、内視鏡挿入管アセンブリ。
56. 該アーティキュレーションリンクの対の該第1及び第2の枢動点の間の間隔が、該内視鏡挿入管アセンブリの長さに沿って増加する、上記55に記載の内視鏡。
57. 中空ジャケット通路を画定する内面を有する外装ポリマージャケットと、
該中空ジャケット通路内に配置された編組であって、編組通路を画定する中空内部断面を有する編組と、
該編組通路内でかつライナーと編組の内面との間に配置されたアーティキュレーションワイヤスリーブであって、アーティキュレーションワイヤ用のスリーブ通路を画定する中空内部断面を有するスリーブと、
を有し、
アーティキュレーションワイヤが該スリーブを通って延び、該編組の遠位側に配置された終端バンドに固定されている、内視鏡挿入管アセンブリ。
58. 該スリーブがポリテトラフルオロエチレンを含む、上記57に記載のアセンブリ。
59. 該ライナーがポリテトラフルオロエチレンを含む、上記57又は58に記載のアセンブリ。
60. 該アーティキュレーションワイヤが、該挿入管の遠位部において該編組を通って延びている、上記57から59のいずれかに記載のアセンブリ。
61. 内視鏡アセンブリを操作するためのコンソールであって、
第1の内視鏡アセンブリの第1のカートリッジを受け入れるよう構成され、該第1のカートリッジが受け入れたときに該コンソールと該第1の内視鏡アセンブリとの間に電気的接続を形成する電気コネクタを有する受入れ部を有し、
該受入れ部は、該第1のカートリッジとは異なるサイズの第2のカートリッジを受け入れて、該第2の内視鏡アセンブリに接続された該第2のカートリッジとの電気的接続を該第1のカートリッジとの接続時と同じ該電気コネクタを用いて形成するように構成されている、コンソール。
62. 該第2のカートリッジが該受入れ部に受け入れられたときに、該受入れ部内のコンソールアクチュエータは該第2のカートリッジを通る流体の流れを制御しない、上記61に記載のコンソール。
63. 内視鏡システムであって、
ハンドル本体を有する第1の内視鏡を有し、
該ハンドル本体が、第2の内視鏡のハンドル本体を受け入れるように構成された凹部を画定している、内視鏡システム。
64. 該凹部が取付け構造を含む、上記63に記載の内視鏡システム。
65. 該取付け構造が、
第1端において該ハンドル本体に取り付けられ、第2端においてラッチに取り付けられたストラップと、ラッチ用ランドと、を備え、該第2の内視鏡が該第1の内視鏡の該ハンドル本体に固定されたときに、該取り付け構造が閉位置にあり、該閉位置において、該ラッチは該ラッチ用のランド内に動作可能に固定されているようにされた、上記63に記載の内視鏡システム。
66. 該ラッチがカムラッチである、上記65に記載の内視鏡。
67. 該取付け構造がさらに、
該第2の内視鏡の該ハンドル本体のプロファイルと一致するアライメントパッドを有する、上記65に記載の内視鏡。
68. ハンドル部分、及び近位端が該ハンドル部分に取り付けられている挿入部分と、
該挿入部分を通して延び、該ハンドル部分内のプーリに取り付けられた、少なくとも1つのアーティキュレーションワイヤと、
を有し、
該アーティキュレーションワイヤの張力が、
該アーティキュレーションワイヤの一部を包含するコイルを該ハンドル部分に対して再配置することと、
該ハンドル部分に対して該挿入部分の挿入管を調節することと、
の少なくとも1つによって調節可能であるようにされた、
内視鏡アセンブリ。
69. 該アーティキュレーションワイヤの張力は、該アーティキュレーションワイヤの一部を包含するコイルを該ハンドル部分に対して再配置することによって調節可能とされた、上記68に記載の内視鏡アセンブリ。
70. 該アーティキュレーションワイヤの張力は、該ハンドル部分に対して該挿入部分の挿入管を調節することによって調節可能とされた、上記68に記載の内視鏡アセンブリ。
71. 調節可能なスペーサを備え、
該調節可能なスペーサは、該ハンドル部分に対する様々な位置のいずれかに該コイルを保持するように構成されている、上記68項に記載の内視鏡アセンブリ。
72. 第1の構成において、停止部が該スペーサと該コイルとの間に位置して該コイルを該ハウジングに対して第1の位置に保持し、第2の構成において、該スペーサが該コイルと該停止部との間に位置して該コイルを該ハウジングに対して第2の位置に保持する、上記71に記載の内視鏡アセンブリ。
73. 該コイルを固定するためにリテーナが使用され、該リテーナが該リテーナの長さに沿って少なくとも2つの溝を含み、該ハンドル部分が該ハンドル部分の長さに沿って少なくとも2つの溝を含み、該ピンが該コイルの位置を固定するために該リテーナの溝と該ハンドル部分の溝との間に挿入される、上記68に記載の内視鏡アセンブリ。
74. アーティキュレーションコイルカラーが該コイルを固定するために使用され、該カラーが該カラーの下部より大きい上部を含み、該ハンドル部分が該カラーの上部を受け入れて保持するための少なくとも2つの溝を含む、上記68に記載の内視鏡アセンブリ。
75. 該コイルの位置を固定するために、少なくとも2つの段部を有する段付きくさびが使用され、第1の段部上で該コイルが該ハウジングに対して第1の位置に配置され、第2の段部上で該コイルが該ハウジングに対して第2の位置に配置される、上記68に記載の内視鏡アセンブリ。
76. 該段付きくさびが、該ハウジングに対して相対的に回転する、上記75に記載の内視鏡アセンブリ。
77. 該段付きくさびが、該ハウジングに対してスライドする、上記75に記載の内視鏡アセンブリ。
78. 該コイルが螺合されて、該ハンドルのねじ部によって受け入れられる、上記68に記載の内視鏡アセンブリ。
79. 内視鏡であって、
再使用可能なハンドルと使い捨て内視鏡ハンドルとを有し、
該再使用可能なハンドルが、選択的に該使い捨て内視鏡ハンドルに取り付け可能及び該使い捨て内視鏡ハンドルから取り外し可能であり、
該再使用可能なハンドルは、
電子導体及び電子制御スイッチと、
該使い捨て内視鏡ハンドル内に配置されたプーリと係合するように構成された駆動シャフトと、
アーティキュレーション制御レバーと、
該使い捨て内視鏡ハンドル内に含まれる流体導管を機械的に制御するための流体制御ボタンと、
電気スイッチであって、作動されると流路へとアクチュエータを作動させるようにする電気スイッチと、
のうちの少なくとも1つを有する、内視鏡。
80. 該再使用可能なハンドルが、該電子導体及び該電子制御スイッチを含む、上記79に記載の内視鏡アセンブリ。
81. 該再使用可能なハンドルが、該電子導体及び該電子制御スイッチと、該使い捨て内視鏡ハンドル内に配置されたプーリと係合するように構成された該駆動シャフトとを含む、上記79に記載の内視鏡アセンブリ。
82. 該再使用可能なハンドルが、該電子導体及び該電子制御スイッチと、該使い捨て内視鏡ハンドル内に配置されたプーリと係合するように構成された該駆動シャフトと、該アーティキュレーション制御レバーとを含む、上記79に記載の内視鏡アセンブリ。
83. 該再使用可能なハンドルが、該電子導体及び該電子制御スイッチと、該使い捨て内視鏡ハンドル内に配置されたプーリと係合するように構成された該駆動シャフトと、該アーティキュレーション制御レバーと、該流体制御ボタンとを含む、上記79に記載の内視鏡アセンブリ。
84. 該再使用可能なハンドルが、該電子導体及び該電子制御スイッチと、該使い捨て内視鏡ハンドル内に配置されたプーリと係合するように構成された該駆動シャフトと、該アーティキュレーション制御レバー、該電気スイッチとを含む、上記79に記載の内視鏡アセンブリ。
85. 該アーティキュレーション制御レバーがブレーキを含む、上記79に記載の内視鏡アセンブリ。
86. 該駆動シャフトは係合部を含み、該プーリは該駆動シャフトの係合部と嵌合するように構成された係合部を含む、上記79に記載の内視鏡アセンブリ。
87. 該駆動シャフトの係合部がバネ負荷係合タブを含み、該プーリの係合部が該バネ負荷係合タブと嵌合するように構成されたスロットを含む、上記86に記載の内視鏡アセンブリ。
88. 該係合タブが、少なくとも1つの引き込み式ブレードを含む、上記87に記載の内視鏡アセンブリ。
89. 該駆動シャフトの係合部が、バネ負荷された引き込み可能なピンを有するボスを備え、該プーリの係合部が、該駆動シャフトの該ボスと係合するように構成された位置合わせ穴を備える、上記86に記載の内視鏡アセンブリ。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図9
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図11A
図11B
図11C
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図15A
図15B
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図18
図19
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図26A
図26B
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図28
図29
図30
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図32A
図32B
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図34
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図38
図39
図40A
図40B
図40C
図41
図42A
図42B
図43A
図43B
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図45
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図47A
図47B
図48A
図48B
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図51
図52A
図52B
図52C
図53
図54A
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図55A
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図57A
図57B
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【国際調査報告】