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特表2024-500334広いビット幅の非同期アプリケーション向けの、効率的なMullerのC素子の実施態様
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】広いビット幅の非同期アプリケーション向けの、効率的なMullerのC素子の実施態様
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/017 20060101AFI20231226BHJP
   H03K 19/0185 20060101ALI20231226BHJP
   H03K 19/23 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
H03K19/017
H03K19/0185
H03K19/23
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534632
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 US2021062197
(87)【国際公開番号】W WO2022125542
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】63/122,073
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513182776
【氏名又は名称】ユニバーシティ・オブ・シンシナティ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】エマート,ジョン・マーティン
【テーマコード(参考)】
5J042
5J056
【Fターム(参考)】
5J042CA07
5J042CA08
5J042CA09
5J042CA27
5J056BB02
5J056BB32
5J056DD13
5J056DD28
5J056DD29
(57)【要約】
システムは、nMOS能動抵抗器、nMOSトランジスタ、pMOS能動抵抗器、およびpMOSトランジスタを備え、nMOSトランジスタの一部とpMOSトランジスタの一部とがそれぞれ、並列OR構成に従って互いに結合され、nMOS能動抵抗器のソース端子が、nMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合され、pMOS能動抵抗器のソース端子が、pMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合されている。トランジスタレベル遅延ベースの回路は、pMOSトランジスタのうちの少なくとも1つに結合された、nMOSトランジスタのうちの1つを備える、書込み部分的回路構成要素であって、書込み部分的回路が逆論理信号によって制御される、書込み部分的回路構成要素と、pMOSトランジスタの追加部分に結合された、複数のnMOSトランジスタの追加部分を備える、ゲート構成要素であって、ゲート構成要素が、半静的交差結合インバータ回路に相当する、ゲート構成要素とをさらに備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広い入力ビット幅を有するヌルコンベンション論理ベースのアプリケーション向けシステムであって、
nMOS能動抵抗器、複数のnMOSトランジスタ、pMOS能動抵抗器、および複数のpMOSトランジスタを備える、2トランジスタレベル遅延ベースの回路であり、
前記複数のnMOSトランジスタの少なくとも一部が、並列OR構成に従って結合され、前記複数のpMOSトランジスタの少なくとも一部が、前記並列OR構成に従って結合され、
前記nMOS能動抵抗器のソース端子が、前記複数のnMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合され、
前記pMOS能動抵抗器のソース端子が、前記複数のpMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合された、
2トランジスタレベル遅延ベースの回路と、
前記複数のpMOSトランジスタのうちの少なくとも1つに結合された、前記複数のnMOSトランジスタのうちの少なくとも1つを備える、書込み部分的回路構成要素であり、前記書込み部分的回路が、逆論理信号によって制御される、書込み部分的回路構成要素と、
前記複数のpMOSトランジスタの追加部分に結合された、前記複数のnMOSトランジスタの追加部分を備える、ゲート構成要素であり、前記ゲート構成要素が、半静的交差結合インバータ回路に相当する、ゲート構成要素と
を具備する、システム。
【請求項2】
前記2トランジスタレベル遅延ベースの回路が、MullerのC素子ベースの電磁両立性回路である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記書込み部分的回路が、修正されたtゲートに基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数のnMOSトランジスタの前記それぞれのドレイン端子に結合されている、前記nMOS能動抵抗器の前記ソース端子、および前記複数のpMOSトランジスタの前記それぞれのドレイン端子に結合されている、前記pMOS能動抵抗器の前記ソース端子は、前記2トランジスタレベル遅延ベースの回路に関連付けられた入力が、前記2トランジスタレベル遅延ベースの回路に関連付けられた前記入力が異なる値1に関連付けられているときの、ゼロに等しい値に関連付けられるときに、前記2トランジスタレベル遅延ベースの回路のドレイン電圧から、前記2トランジスタレベル遅延ベースの回路のソース電圧への経路を阻止する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ゲート構成要素が、前記複数のpMOSトランジスタの前記追加部分に結合された、前記複数のnMOSトランジスタの前記追加部分に接続された、前記複数のnMOSトランジスタのうちの追加のnMOSトランジスタをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記追加のnMOSトランジスタをさらに備える前記ゲート構成要素が、センスアンプ回路に相当する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記センスアンプ回路が、デジタルヒステリシスを実行する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記デジタルヒステリシスを前記実行することが、複数の入力が第1の値から第2の値にリセットされるまで、前記2トランジスタレベル遅延ベースの回路の出力値を維持することを可能にする、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の値が1に相当し、前記第2の値が0に相当する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記2トランジスタレベル遅延ベースの回路が、入力ビット幅とは無関係な固定遅延値を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記センスアンプ回路が、前記書込み部分的回路構成要素の負荷を軽減する、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
広い入力ビット幅を有するヌルコンベンション論理ベースのアプリケーション向けシステムであって、
nMOS能動抵抗器、複数のnMOSトランジスタ、pMOS能動抵抗器、および複数のpMOSトランジスタを備える、2トランジスタレベル遅延ベースの回路であり、前記2トランジスタレベル遅延ベースの回路が、入力ビット幅とは無関係な固定遅延値を有し、
前記複数のnMOSトランジスタの少なくとも一部が、並列OR構成に従って結合され、前記複数のpMOSトランジスタの少なくとも一部が、前記並列OR構成に従って結合され、
前記nMOS能動抵抗器のソース端子が、前記複数のnMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合され、
前記pMOS能動抵抗器のソース端子が、前記複数のpMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合された、
2トランジスタレベル遅延ベースの回路と、
前記複数のpMOSトランジスタのうちの少なくとも1つに結合された、前記複数のnMOSトランジスタのうちの少なくとも1つを備える、書込み部分的回路構成要素であり、前記書込み部分的回路が、逆論理信号によって制御される、書込み部分的回路構成要素と、
前記複数のpMOSトランジスタの追加部分に結合された、前記複数のnMOSトランジスタの追加部分を備える、ゲート構成要素であり、前記ゲート構成要素が、半静的交差結合インバータ回路に相当する、ゲート構成要素と
を具備する、システム。
【請求項13】
前記2トランジスタレベル遅延ベースの回路が、MullerのC素子ベースの電磁両立性回路である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記書込み部分的回路が、修正されたtゲートに基づく、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数のnMOSトランジスタの前記それぞれのドレイン端子に結合されている、前記nMOS能動抵抗器の前記ソース端子、および前記複数のpMOSトランジスタの前記それぞれのドレイン端子に結合されている、前記pMOS能動抵抗器の前記ソース端子は、前記2トランジスタレベル遅延ベースの回路に関連付けられた入力が、前記2トランジスタレベル遅延ベースの回路に関連付けられた前記入力が異なる値1に関連付けられているときの、ゼロに等しい値に関連付けられるときに、前記2トランジスタレベル遅延ベースの回路のドレイン電圧から、前記2トランジスタレベル遅延ベースの回路のソース電圧への経路を阻止する、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記ゲート構成要素が、前記複数のpMOSトランジスタの前記追加部分に結合された、前記複数のnMOSトランジスタの前記追加部分に接続された、前記複数のnMOSトランジスタのうちの追加のnMOSトランジスタをさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記追加のnMOSトランジスタをさらに備える前記ゲート構成要素が、センスアンプ回路に相当する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記センスアンプ回路が、デジタルヒステリシスを実行する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記デジタルヒステリシスを前記実行することが、複数の入力が第1の値から第2の値にリセットされるまで、前記2トランジスタレベル遅延ベースの回路の出力値を維持することを可能にする、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記センスアンプ回路が、前記書込み部分的回路構成要素の負荷を軽減する、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年12月7日に出願された米国特許出願第63/122,073号の優先権を主張し、その全開示が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本明細書で説明される実施形態は、概ね、デジタル非同期アプリケーションに好適なシステムに関し、より詳細には、広い入力ビット幅を有するヌルコンベンション論理ベースのアプリケーションなど、MullerのC素子を備えるシステムに関する。
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
[0003]本発明は、アメリカ国立科学財団から授与されたCNS-1916722の下で、政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明に、一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
[0004]同期式回路またはクロック駆動される集積回路は、サイドチャネル攻撃(SCA:side channel attack)の影響を受けやすい。たとえば、トロイの木馬回路は、同期式回路の動作を危険に曝し、機密情報の盗難を容易にするために、信頼できないファウンドリの一部として、および、たとえば電磁放射、温度変動、動作特性などの様々なアプリケーションの一部として、または製造プロセスの一部として組み込まれる可能性がある。同期式回路の設計および製造プロセスの一部として組み込まれ、たとえば、クロック駆動される集積回路の動作中、クロックエッジの立ち上がりまたは立ち下がりでの熱スパイクまたは温度上昇の際に、同期式回路から、情報を危険に曝して抽出する、秘密鍵を解読するなどの、余計なハードウェア。トロイの木馬回路は、クロックエッジの立ち上がりおよび立ち下がりの際の、電力および放散される熱を取り込み、機密情報を解読することができる。SCAに対処し、克服する技法は、速度非依存回路(speed independent circuit)および遅延非依存回路(delay independent circuit)など、クロックのない非同期式デジタル設計の使用を含み得る。しかし、これらの回路にはそれぞれ、制約がある。これらの回路は、具体的には、クロックを完全に削除できず、スペース効率が悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0005]したがって、コンパクトに設計され、上記で説明されたような様々なトロイの木馬回路の悪影響に対処し、克服するよう構成された、非同期ヌルコンベンション論理ベースのシステムに対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0006]1つの実施形態では、高速スイッチングおよび広い入力ビット幅を有することによる恩恵をもたらす、ヌルコンベンション論理(NCL:null convention logic)ベースのアプリケーションに好適なシステムが提供される。このシステムは、nMOS能動抵抗器、複数のnMOSトランジスタ、pMOS能動抵抗器、および複数のpMOSトランジスタを備える、2トランジスタレベル遅延ベースの回路であり、複数のnMOSトランジスタの少なくとも一部が、並列OR構成に従って結合され、複数のpMOSトランジスタの少なくとも一部が、並列OR構成に従って結合され、nMOS能動抵抗器のソース端子が、複数のnMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合され、pMOS能動抵抗器のソース端子が、複数のpMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合された、2トランジスタレベル遅延ベースの回路と、複数のpMOSトランジスタのうちの少なくとも1つに結合された、複数のnMOSトランジスタのうちの少なくとも1つを備える、書込み部分的回路(write sub-circuit)構成要素であり、書込み部分的回路が、逆論理信号によって制御される、書込み部分的回路構成要素と、複数のpMOSトランジスタの追加部分に結合された、複数のnMOSトランジスタの追加部分を備える、ゲート構成要素であり、ゲート構成要素が、半静的交差結合インバータ回路に相当する、ゲート構成要素とを具備する。
【0006】
[0007]別の実施形態では、広い入力ビット幅を有する、ヌルコンベンション論理ベースのアプリケーションに好適な、別のシステムが提供される。このシステムは、nMOS能動抵抗器、複数のnMOSトランジスタ、pMOS能動抵抗器、および複数のpMOSトランジスタを備える、2トランジスタレベル遅延ベースの回路であり、2トランジスタレベル遅延ベースの回路が、入力ビット幅とは無関係な固定遅延値を有し、複数のnMOSトランジスタの少なくとも一部が、並列OR構成に従って結合され、複数のpMOSトランジスタの少なくとも一部が、並列OR構成に従って結合され、nMOS能動抵抗器のソース端子が、複数のnMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合され、pMOS能動抵抗器のソース端子が、複数のpMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合された、2トランジスタレベル遅延ベースの回路と、複数のpMOSトランジスタのうちの少なくとも1つに結合された、複数のnMOSトランジスタのうちの少なくとも1つを備える、書込み部分的回路構成要素であり、書込み部分的回路が、逆論理信号によって制御される、書込み部分的回路構成要素と、複数のpMOSトランジスタの追加部分に結合された、複数のnMOSトランジスタの追加部分を備える、ゲート構成要素であり、ゲート構成要素が、半静的交差結合インバータ回路に相当する、ゲート構成要素とを具備する。
【0007】
[0008]本明細書で説明されている実施形態によって提示される、こうした特徴および追加の特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することで、より完全に理解されよう。
【0008】
[0009]図面に記載された実施形態は、本質的に説明的かつ例示的なものであり、特許請求の範囲によって定義される主題を限定することが意図されるものではない。以下の説明的な実施形態の詳細な説明は、以下の図面と併せて読まれると理解され得、同様の構造体は、同様の参照番号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0010]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、同期式シーケンシャルデータフロー回路を示す図である。
図2】[0011]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、非同期式レジスタを備えたNCL非同期式データフロー回路を示す図である。
図3A】[0012]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、従来型の半静的TH44の、従来の相補型金属酸化膜半導体(「CMOS:complementary metal oxide semiconductor」)ベースの実施態様を示す図である。
図3B】[0013]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、5段TH44ゲート回路の、例示的な16THmm MullerのC素子の実施態様を示す図である。
図4A】[0014]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、特定の制約および制限を伴う、例示的なMullerのC素子回路の実施態様400を示す図である。
図4B】[0015]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、例示的な分圧器ベースのフィードバック回路を示す図である。
図5A】[0016]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路の一部である、修正されたEMC逆論理ベースの部分的回路を示す図である。
図5B】[0017]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路の一部である、書込み部分的回路を示す図である。
図5C】[0018]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路の一部として備えられる、EMC MullerのC素子ゲート構成要素を示す図である。
図5D】[0019]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、互いに結合された状態の、図5Aに示された、修正されたEMC逆論理ベースの部分的回路、図5Bに示された、書込み部分的回路、および図5Cに示された、EMC MullerのC素子ゲート構成要素のそれぞれを備える、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路を示す図である。
図5E】[0020]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路の一部として備えられる、EMC MullerのC素子ゲート構成要素の別の実施態様を示す図である。
図5F】[0021]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、互いに結合された状態の、図5Aに示された、修正されたEMC逆論理ベースの部分的回路、図5Bに示された、書込み部分的回路、および図5Fに示された、EMC MullerのC素子ゲート構成要素の別の実施態様のそれぞれを備える、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路を示す図である。
図6】[0022]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、従来の段を増やしたTH6464回路の、テスト波形による結果に対応するグラフ波形図である。
図7】[0023]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、従来の段を増やしたTH6464回路の、やはり、テスト波形による結果に対応する別のグラフ波形図である。
図8】[0024]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、2トランジスタレベル遅延ベースの回路の、機能および電力シミュレーション波形を含む、グラフ波形図である。
図9】[0025]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、2トランジスタレベル遅延ベースの回路の別の実施態様、すなわち、図5Eおよび図5Fで示されたように、半静的交差結合インバータ出力段または出力回路を備えた実施態様の、機能および電力シミュレーション波形を示す、別のグラフ波形図である。
図10】[0026]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、2トランジスタレベル遅延ベースの回路の、能動抵抗器のチャネル長さの乗数の関数である、遷移時相対平均消費電力および遅延を含む、グラフ図である。
図11A】[0027]図11Aは、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、データパスゲートのトランジスタ図に相当するCMOS設計を示す図である。
図11B図11Bは、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、データパスゲートのトランジスタ図に相当するCMOS設計を示す図である。
図12A】[0028]本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、2入力「AND」ゲート設計のデータパス等価物についての、波形シミュレーション結果を示す図である。
図12B】本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、2入力「OR」ゲート設計のデータパス等価物についての、波形シミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0029]上記で述べられたように、同期式回路は、サイドチャネル攻撃(SCA)の影響を受けやすい。SCAに対処し、克服する技法は、速度非依存回路および遅延非依存回路など、クロックのない非同期式デジタル設計の使用を含み得るが、これらの技法は、クロックを完全に削除できず、スペース効率も悪い。
【0011】
[0030]本開示で説明されているような2トランジスタレベル遅延ベースの回路は、上記で説明された欠点に対処し、克服する。一実施形態では、2トランジスタレベル遅延ベースの回路は、具体的には、nMOS能動抵抗器、複数のnMOSトランジスタ、pMOS能動抵抗器、および複数のpMOSトランジスタを備え、これにより、複数のnMOSトランジスタの少なくとも一部が、並列OR構成に従って結合され、複数のpMOSトランジスタの少なくとも一部が、並列OR構成に従って結合される。さらに、nMOS能動抵抗器のソース端子が、複数のnMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合され、pMOS能動抵抗器のソース端子が、複数のpMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合され、書込み部分的回路構成要素は、複数のpMOSトランジスタのうちの少なくとも1つに結合された、複数のnMOSトランジスタのうちの少なくとも1つを備え、書込み部分的回路は、逆論理信号によって制御され、ゲート構成要素は、複数のpMOSトランジスタの追加部分に結合された、複数のnMOSトランジスタの追加部分を備え、ゲート構成要素は、半静的交差結合インバータ回路に相当する。
【0012】
[0031]実施形態では、「THmn」ゲートと呼ばれる2レベルのヌルコンベンション論理(「NCL」)ベースの閾値ゲートが、n個の入力(「n」は、こうしたゲートの入力の総数を表す)および閾値mを有することに留意されたい。NCLベースの閾値ゲートへの入力の総数(「n」)が閾値(m)に等しい、NCLベースの閾値ゲートの一部は、MullerのC素子と表されることにも留意されたい。本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路は、入力(n)が閾値(m)に等しい、NCLベースの閾値ゲートの一部に使用可能であり、NCLベースの閾値ゲートの一部向けに動作する。MullerのC素子は、NCLベースの、またはNCL特有のアプリケーションで使用される回路に加えて、様々な相異なる種類の非同期式回路にも使用されることに、さらに留意されたい。
【0013】
[0032]図1は、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、同期式シーケンシャルデータフロー回路100を示している。同期式シーケンシャル回路は、特定の出力を生成する目的で、入力へのフィードバックがクロック信号によって制御されるデジタル回路であることに留意されたい。かかる回路の動作は、予測可能であり、設計が容易である。しかし、同期式シーケンシャル回路は、回路のすべての素子に到達するクロック信号に関連する伝播遅延のせいで、非同期式回路に比べて動作速度が遅い。同期式シーケンシャル回路は通常、カウンタ、シフトレジスタ、メモリユニットなどで使用される。同期式シーケンシャルデータフロー回路100は、図1に示されているように、4信号レジスタのレジスタビット幅を使用する。図1に示されているように、特定の出力を生成するために、組合せ論理回路が利用され得ることにも留意されたい。
【0014】
[0033]図2は、本明細書に説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、非同期式レジスタを備えたNCL非同期式データフロー回路200を示している。NCL非同期式データフロー回路200の、ハンドシェイクまたは通信接続確立の重要な構成要素は、円形の点線で示されている従来のフィードバック回路(TFBC:traditional feedback circuit)である。従来のフィードバック回路は、TH44ゲートの出力に配置されたインバータを備える、TH44ゲートを具備する。「THmm」という表記は、MullerのC素子の、素子を表し、「mm」は、数字(入力ビットに関連する)を表すことができる。「THmm」ゲートは、上記で説明された、NCLベースの閾値ゲート「THmn」の一部として分類される、MullerのC素子に相当することに留意されたい。MullerのC素子は、さらに、上記で述べられたように、特にNCLベースの、またはNCL特有のアプリケーションで使用される回路に加えて、様々な相異なる種類の非同期式回路で動作し、このような非同期式回路に対して使用できることに留意されたい。実施形態では、従来のフィードバック回路は、5ビット以上の入力ビットの場合、NCL非同期式データフロー回路200の動作中に、たとえば、図2に示されているTH44ゲートなどの、より小さいゲートを組み合わせるか、またはより小さいゲートの段を増やすこと(staging up)により、実現され得る。実施形態では、従来のフィードバック回路のサイズおよび遅延は、「N」で表されるTFBCの入力数の関数に基づくことができ、レジスタのビット幅が特定の入力ビット数と等しい場合、単一の「THmm」MullerのC素子が、利用され得ることに留意されたい。
【0015】
[0034]図3Aは、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、従来型の半静的TH44 300の、従来の相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)ベースの実施態様を示している。実施形態では、かなりの数の技術ノードへ直列に接続されるトランジスタの数が、入力ビット幅4に制限されることが、従来型の半静的TH44 300のCMOSベースの実施態様の制約であることに留意されたい。従来型の半静的TH44 300の従来のCMOSベースの実施態様は、12個のトランジスタベースの2重または2レベルの遅延の、半静的TH44閾値ゲートを備えることに留意されたい。
【0016】
[0035]図3Bは、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、5段TH44ゲート回路302の、例示的な16THmm MullerのC素子の実施態様を示している。5段TH44ゲート回路302の16THmm MullerのC素子の実施態様は、図示されているように、16個の信号用NCL TFBCレジスタ専用に設計されている。ゲート回路302は、総計すると、合計4つのトランジスタ遅延および合計60個のトランジスタとなる、5個のTH44セルを利用する。図3Bに示されているように、より小さいTHmm MullerのC素子が、より大きいTHmm MullerのC素子を形成するために、段に配置されるかまたは組み合わされ、より小さいTHmm MullerのC素子は、静的であっても、半静的であってもよい。より小さいMullerのC素子は、図3Bに示されているように、より大きいMullerのC素子を形成するために、段に配置されるかまたは組み合わされることに留意されたい。
【0017】
[0036]図4Aは、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、特定の制限および制約を伴う、例示的なMullerのC素子回路の実施態様400を示している。例示的なMullerのC素子回路の実施態様は、図示されているように、1組の弱いトランジスタ(weak transistor)の慎重かつ特別なサイズ設定に基づいている。実施形態では、例示的なMullerのC素子回路の実施態様400の制約は、MullerのC素子回路の動作が、回路の入力が切り替わるシーケンスまたは順序によって変わることである。上記で述べられたように、MullerのC素子はNCLベースの閾値ゲート「THmn」の一部として分類され、特にNCLベースの、またはNCL特有のアプリケーションで使用される回路に加えて、様々な相異なる種類の非同期式回路で動作し、このような非同期式回路に対して使用可能である。
【0018】
[0037]図4Bは、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、例示的な分圧器ベースのフィードバック回路402を示している。実施形態では、例示的な分圧器ベースのフィードバック回路402について、動作中に、静止状態での電力がゼロとなり得る唯一の時間は、すべての入力が「0」のときであり得る。これは回路の制約である。さらに、実施形態では、分圧器ベースのフィードバック回路402のもう1つの制約は、この回路が、大量の電力、たとえば、他の回路で通常消費される量の2倍を消費することである。
【0019】
[0038]本開示で説明されているように、2トランジスタレベル遅延ベースの回路を備える、広いビット幅を有するヌルコンベンション論理ベースのアプリケーション向けのシステムは、上記で説明された回路設計の制約に対処し、克服する。
【0020】
[0039]図5Aは、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路の一部である、修正されたEMC逆論理ベースの部分的回路500を示している。部分的回路500は、部分的回路の組合せが常にアクティブまたはオン位置にあり、その結果、静止状態での電力が常に能動抵抗器を介して引き出される特定のトランジスタ抵抗回路の実施態様を、修正した結果であることに留意されたい。能動抵抗器を介して、静止状態で電力が一貫して引き出されることが、従来型の回路の動作効率を低下させる。図5Aに示されている部分的回路500は、この欠点に対処し、克服する。部分的回路500の設計は、具体的には、すべての入力が「0」または「1」のときに、部分的回路500内の上部回路(たとえば、セット回路)も部分的回路500の底部回路(たとえば、リセット回路)も、確実に電力を引き出さないか、または取り出さないようにする。部分的回路500の設計は、さらに、入力が「0」から「1」、または「1」から「0」に遷移している間、確実に、抵抗トランジスタのうちの1つだけしかアクティブにならないようにする。
【0021】
[0040]実施形態では、修正されたEMC逆論理ベースの部分的回路500の反転出力「Z」は、nMOSおよびpMOS能動抵抗器のそれぞれについて、制御ゲートに送られるか、またはフィードバックされる。部分的回路500の中央部分は、nMOS能動抵抗器およびpMOS能動抵抗器を示していることに留意されたい。反転出力Zである、出力のかかる経路設定により、また出力の状態に応じて、どんな所与のタイミングでも、2つの能動抵抗器のうちの一方だけしか「オン」状態にならないであろう。このようにして、入力が「0」または「1」のときの、電力の引出しまたは取出しの制約が対処され、克服される。図5Aに示されているように、pMOS能動抵抗器のソース端子は、pMOS入力トランジスタのドレイン端子に対応して、移動または配置されることに留意されたい。部分的回路500の上部分に配置されたトランジスタである、pMOSトランジスタは、並列OR構成に従って、互いに接続または結合されていることに、さらに留意されたい。さらに、nMOS能動抵抗器のソース端子は、nMOS入力トランジスタのドレイン端子に対応して、移動または配置され得る。部分的回路500の底部分に配置されたトランジスタである、nMOSトランジスタは、並列OR構成に従って、互いに接続または結合されていることに、さらに留意されたい。pMOSおよびnMOS能動抵抗器は、部分的回路500の中央部分、すなわち反転出力がそれぞれZである回路に示されている。出力Zを、nMOSおよびpMOS能動抵抗器の制御ゲートにフィードバックし、nMOSおよびpMOS能動抵抗器のソース端子をそれぞれ、nMOSおよびpMOS入力トランジスタのドレイン端子に配置することにより、すべての入力が「0」状態または「1」状態のときに、VDDからVSSへの経路は確実に存在しない。したがって、部分的回路が静止状態にあるとき、すなわちすべての入力が「0」もしくはすべての入力が「1」のとき、または部分的回路が状態間で遷移しているとき、すなわち入力の一部が「0」で入力の別の一部が「1」のときに、電力が節約される。
【0022】
[0041]図5Bは、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路の一部である、書込み部分的回路502を示している。書込み部分的回路502は、図示されているように、複数のpMOSトランジスタのうちの少なくとも1つに結合された、複数のnMOSトランジスタのうちの少なくとも1つを備え、逆論理信号によって制御される。書込み部分的回路502が、修正されたtゲート設計に基づくことにも留意されたい。動作中、ノードYに関して、すべての入力が「1」から「0」にリセットされると、トランジスタは、「オン」位置になり、「Z」の値をリセット値「0」に修正するであろう。残りの時間は、ノードYが「オフ」になり得るため、「Z」の値に影響を与えない。さらに、ノードXに関しては、すべての入力が値「1」にセットされると、トランジスタXは、「オン」位置になり得、「Z」の値をリセット値「0」に修正する。トランジスタXは、残りの時間、「オフ」状態であり得る。
【0023】
[0042]書込み部分的回路502のnMOSおよびpMOSトランジスタの幅は、特定の種類の出力段に基づくことに留意されたい。トランジスタの幅は、たとえば、従来の半静的交差結合インバータが選択される場合、トランジスタが「オン」のときに、トランジスタの抵抗値が十分に小さくなり、図5Aに示されているように、「Z」と表された出力を駆動する(また、「Z」によって駆動される)、交差結合インバータを無効化するよう設計され、サイズ設定される。他の実施形態では、特定のアンプ出力段(たとえば、センスアンプ出力段)が選択される場合、書込み部分的回路内のnMOSおよびpMOSトランジスタの幅は、寸法が小さくなるよう設計され得、その結果として、スペースおよび面積が節約され得る。
【0024】
[0043]図5Cは、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路の一部として備えられる、EMC MullerのC素子ゲート構成要素504を示している。EMC MullerのC素子ゲート構成要素504は、図示されているように、出力「Z」がセットおよびリセットされるときに(たとえば、「1」から「0」へ)、デジタルヒステリシスを実施し、図5Bに示されたように、書込み部分的回路502への負荷を、最小限に抑える。ゲート構成要素は、複数のpMOSトランジスタの追加部分に結合された、複数のnMOSトランジスタの追加部分を備え、半静的交差結合インバータの出力段(または半静的交差結合インバータ回路)に相当する。
【0025】
[0044]図5Dは、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、互いに結合された状態の、図5Aに示された、修正されたEMC逆論理ベースの部分的回路500、図5Bに示された、書込み部分的回路502、および図5Cに示された、EMC MullerのC素子ゲート構成要素504のそれぞれを備える、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路506を示している。上記で詳述されたように、2トランジスタレベル遅延ベースの回路506は、遅延を低減するよう設計され、遅延を低減するよう動作し、2トランジスタレベル遅延ベースの回路506への入力数の制約を低減するか、または取り除くよう活用され得る。2トランジスタレベル遅延ベースの回路506への入力のすべてが「0」のとき、および2トランジスタレベル遅延ベースの回路506への入力のすべてが「1」のときに、2トランジスタレベル遅延ベースの回路506の、静止状態で引き出される電力はゼロであることに、さらに留意されたい。2トランジスタレベル遅延ベースの回路506はやはり、どんな所与のタイミングでも確実に、1つの能動抵抗器だけが「オン」位置になるようにする。実施形態では、すべての入力が「0」または「1」のいずれかである状況では、両方の能動抵抗器が「オフ」位置になるであろう。
【0026】
[0045]図5Eは、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路の一部として備えられる、EMC MullerのC素子ゲート構成要素508の別の実施態様を示している。別の実施態様は、センスアンプ出力段または回路に相当する。EMC MullerのC素子ゲート構成要素508は、図示されているように、図5Cに示されたEMC MullerのC素子ゲート構成要素504と比較して、追加のnMOSトランジスタを備えるよう設計されている。EMC MullerのC素子ゲート構成要素508の別の実施態様は、さらに、デジタルヒステリシス機能を実行し、出力の値を修正するための特定の条件が満たされるまで、2トランジスタレベル遅延ベースの回路の出力値(たとえば、「Z」)を維持するよう構成される。
【0027】
[0046]図5Fは、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、互いに結合された状態の、図5Aに示された、修正されたEMC逆論理ベースの部分的回路500、図5Bに示された、書込み部分的回路502、および図5Fに示された、EMC MullerのC素子ゲート構成要素508の別の実施態様のそれぞれを備える、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路510を示している。上記で詳述されたように、2トランジスタレベル遅延ベースの回路510はやはり、遅延を低減するよう設計され、遅延を低減するよう動作し、2トランジスタレベル遅延ベースの回路510への入力数の制約を低減するか、または取り除くよう活用され得る。2トランジスタレベル遅延ベースの回路506への入力のすべてが「0」のとき、および2トランジスタレベル遅延ベースの回路506への入力のすべてが「1」のときに、2トランジスタレベル遅延ベースの回路506の、静止状態で引き出される電力はゼロであることに、さらに留意されたい。2トランジスタレベル遅延ベースの回路510はやはり、どんな所与のタイミングでも確実に、1つの能動抵抗器だけが「オン」位置になるようにする。実施形態では、すべての入力が「0」または「1」のいずれかである状況では、両方の能動抵抗器が「オフ」位置になるであろう。
【0028】
[0047]本開示で説明されているように、「THmn」ゲートと呼ばれる2レベルのヌルコンベンション論理(「NCL」)ベースの閾値ゲートは、n個の入力および閾値mを有する。実施形態では、NCLベースの閾値ゲートへの入力の総数(「n」)が閾値(m)に等しい、NCLベースの閾値ゲートの一部は、MullerのC素子と表される。本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路は、入力(n)が閾値(m)に等しい、NCLベースの閾値ゲートの一部に使用可能であり、NCLベースの閾値ゲートの一部向けに動作する。MullerのC素子は、NCLベースの、またはNCL特有のアプリケーションに加えて、様々な相異なる種類の非同期式回路に使用されることにも留意されたい。
【0029】
[0048]図6は、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、従来の段を増やしたTH6464回路の、テスト波形による結果に対応するグラフ波形図600を示している。実施形態では、図6の波形を生成するために、従来のTH6464MullerのC素子回路が、半静的交差結合インバータ出力段または回路を備えた、新しいEMC TH6464MullerのC素子と比較された。シミュレーションの一部として、すべての回路入力が値「0」にリセットされた。その後、すべての入力が再び個々に、「1」にセットされ、次いで「0」にリセットされた。入力信号は、このようにして、複数のセットおよびリセットサイクルを通過し、同じ入力シーケンスが複数のテストケースで使用された。テストは、mが1024である入力のビット幅の値に関して、正常に実行された。
【0030】
[0049]グラフ波形図600には、「0」から「1」に遷移する最初の入力と、「1」から0に変化する最後の入力とが示されている。具体的には、x軸602は時間の値に対応し、y軸604はビット幅の値に対応している。テストプロセスの一部として、すべての入力が、同じサイズに設定されたバッファおよび出力、ならびに同じサイズに設定された負荷を使って駆動された。テストの一部として、すべてのトランジスタの長さが、できるだけ短くなるように選択および設計され、すべてのトランジスタの幅も、できるだけ短くなるよう設計されたことに、さらに留意されたい。すべての回路の遅延値は、変化する最後の入力が、最後の入力の安定値の50%に達した時間から、出力「Z」が、出力「Z」の安定値の50%に達した時間までの差を、平均することによって計算された。さらに、平均電力は、適切なテスト期間中に、プロットに使用された数値データを平均することによって計算された。グラフの底部分に示されている平均消費電力は、遷移期間に、すなわち出力が「0」から「1」に変化するとき、および出力が「1」から「0」に再び変化するときに、スパイクがあることを示している。
【0031】
[0050]図7はやはり、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、従来の段を増やしたTH6464回路の、テスト波形による結果に対応する別のグラフ波形図700を示している。グラフ波形図700は、図示されているように、閾値入力を満たし、「Z」の出力値を「1」にセットするために、入力(たとえば、最後の入力)が値「1」にセットされるときの出力遷移、および出力Zをリセットして「0」に戻すために、最後の入力が「0」にリセットされるときの、別の出力遷移を示している。
【0032】
[0051]図8は、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、2トランジスタレベル遅延ベースの回路の、機能および電力シミュレーション波形を含む、グラフ波形図800を示している。グラフ波形図800を、グラフ波形図600および700と比較すると、グラフ波形図600および700に示されたような、TH6464ゲートの動作中の識別可能な遅延を示している。対照的に、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路のグラフ波形図800では、入力がたとえば「0」から「1」へ変化した結果として、出力に最小限の、または無視できる遅延が存在し、また入力を「1」から「0」にリセットした結果として、別の出力に別の最小限の、または無視できる遅延が存在する。本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路は、従来の段を増やしたTH6464回路の動作と比較して、両方の回路が静止時(たとえば、すべての入力が同じ値「0」にリセットされているか、または同じ値「1」にセットされているとき)の、静止状態での消費電力が、確実に低くなるか、または最小限である。たとえば入力が「0」から「1」に切り替わるとき、および「1」から「0」に切り替わるときに、2つのゲート間のスイッチング時間を高速化可能であることが、2トランジスタレベル遅延ベースの回路の利点であることに留意されたい。加えて、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路の別の利点は、2トランジスタレベル遅延ベースの回路の適切な動作に使用されるトランジスタの総数が、従来の段を増やしたTH6464回路よりも少ないことである。本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路のnMOS能動抵抗器およびpMOS能動抵抗器のサイズは、2トランジスタレベル遅延ベースの回路の遅延および消費電力を直接制御するよう作用することに、さらに留意されたい。
【0033】
[0052]図9は、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、2トランジスタレベル遅延ベースの回路の別の実施態様、すなわち、図5Eおよび図5Fで示されたような、半静的交差結合インバータ出力段または回路を備えた実施態様の、機能および電力シミュレーション波形を示す、別のグラフ波形図900を示している。別のグラフ波形図900は、時間に対応するx軸902と、入力ビット幅に対応するy軸904とを含む。別のグラフ波形図900は、具体的には、入力の「0」から「1」への変化、および「1」から「0」への変化の結果としての、それぞれ「0」から「1」への出力遷移、および「1」から「0」への出力遷移を示している。図示されているように、遷移中の入力と出力との間の遅延は、最小限であるか、または無視できる。さらに、入力および出力遷移中の、静止状態での消費電力レベルまたはスパイクは、上記で説明された、従来の段を増やしたTH6464回路の消費電力レベルに比べて小さい。
【0034】
[0053]図10は、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、2トランジスタレベル遅延ベースの回路の、能動抵抗器のチャネル長さの乗数の関数である、遷移時相対平均消費電力および遅延を含む、グラフ図1000を示している。グラフ図1000は、1~8の範囲のチャネル長さに対応するx軸1002と、消費電力に対応するy軸1004とを含む。遅延に対応する、追加のy軸が含まれている。図示されているように、チャネル長さが増加するにつれて、遅延1008も増加し、消費電力1006が減少する。遅延1008および消費電力1006の曲線、すなわちグラフは、ほぼ逆の関係になる。
【0035】
[0054]下記に提示される表1は、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、従来型の段を増やしたTH6464回路と、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路との、様々な要素の比較を含む。
【0036】
【表1】
【0037】
[0055]表に示されているように、トランジスタの総数、トランジスタ遅延の数、シミュレーションされた遅延、および静止時の平均電力は、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路の場合、上記で説明された従来の段を増やしたTH6464回路と比較して、かなり小さい。少なくともこれらの理由で、本開示の2トランジスタレベル遅延ベースの回路は、たとえば上記で説明された従来の段を増やしたTH6464回路の欠点に対処し、克服している。
【0038】
[0056]図11Aおよび図11Bはそれぞれ、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、データパスゲートのトランジスタ図に相当する、CMOS設計1100および1102を示している。実施形態では、図11Aおよび図11Bに示されているデータパスゲート設計は、特定のブール機能を維持しながら、非同期信号と同期信号との両方を同時に受信するよう構成された、特定の、またはカスタムの相補型金属酸化膜半導体ゲート設計である。こうした設計では、同期式ネットリストを、複合型(すなわち、同期式および非同期式)ネットリストに変換することもできる。かかる設計は、多くの利点、すなわち、機密データを標的にして曝露する、サイドチャネル攻撃に対するさらなるセキュリティを提供する。
【0039】
[0057]実施形態では、変換方法は、設計のタイミングのクリティカルパスデータに基づくことができ、元のネットリストのすべての機能を保存するよう構成される。こうした設計に含まれるデータパスゲートは、同期信号と非同期信号との両方を受信し、値が非同期入力についてセットされている場合にのみ、実行動作を実行することができる。データパスゲートは、タイミングの1つまたは複数のクリティカルパスに基づいて、同期式ネットリストの一部分を複合型ネットリストに変換するために、利用され得ることにも留意されたい。この複合型ネットリストは、回路面積を最小限に抑えながら、さらなるセキュリティ上の利点、すなわちサイドチャネル攻撃に対するセキュリティ上の利点を提供する。こうした設計は、ゼロ復帰(RTZ:return-to-zero)特性を維持し、その結果、こうした設計に基づく回路は、入力が同期してゲートへ到着するか否かに係わらず、非同期入力がセットされるまで、実行動作を実行しないことにも留意されたい。上記で説明されたデータパスが、こうした設計の一部として含まれ得ることにより、タイミングの1つまたは複数のクリティカルパスを置き換えると同時に、面積は、確実に、特定の閾値を超えて増えることなく、損なわれないことに留意されたい。
【0040】
[0058]CMOS設計1100および1102を設計するための設計方法は、下記に提示される表1に詳述されている、5つのステップのプロセスに基づく。
【0041】
【表2】
【0042】
[0059]上記の表1は、上記で説明されたCMOS設計のプルダウンネットワーク(PDN:pull-down network)およびプルアップネットワーク(PUN:pull-up network)を表す、進化したブール式を示している。実施形態では、A信号は非同期入力であり得、B信号は同期入力である。CMOS設計内に含まれるゲートが、Aの値がセットされている場合にのみ実行動作を実行する必要があることが、CMOS設計の重要な設計上の特徴であることに留意されたい。ステップ1の一部として、ブール式の最小項が、AからA1に変更され得、これは、データパスゲートの論理ハイのワイヤとして機能することになる。その後、ステップ2および3は、FO出力のPDNに等しいブールを提供する。実施形態では、反転入力を実現するには、別のレベルのゲート遅延を追加することによって、まず入力が、データパスゲートに到達する前に、NOTゲートを通って解析される必要があろう。この問題に対処し、克服するために、データパスゲートのPDN経路のすべての反転同期入力信号は、通常のnMOSゲートではなく、pMOSゲートへ送られることになる。その後、データパスゲートのPUNを設計するために、すべての非同期入力が、一連の直列のpチャネル金属酸化膜半導体(pMOS:p-channel metal-oxide semiconductor)ゲートに接続され得る。
【0043】
[0060]これにより確実に、非同期入力信号だけがセットされ、データパス信号の出力と共に静止する。さらに、データパスゲートを設計するための重要なステップは、各トランジスタの適切なサイズを決定することを含む。実施形態では、トランジスタのサイズは、すべての長さを均一に保ちながら、このトランジスタの幅が修正されるよう設計された。さらに、CMOS設計1100および1102で示されたように、逆方向インバータG2は、すべてのデータパスゲートについて最小サイズを有するよう設計され、順方向インバータG1は、最小サイズに設定されたインバータの、2倍の寸法を有するよう設計された。かかる設計は、すべてのデータパスゲート設計について、均一に適用された。すべての設計のPDNは、特定の設計における、GNDから順方向インバータの入力までの最長の既存経路に応じて、サイズ設定された。pMOSトランジスタは、すべてのPUNが同一に設計されたので、PDNの設計に利用されたのと同様の方法で、2個のトランジスタの経路に応じたサイズを有するよう設計されたことにも留意されたい。
【0044】
[0061]図12Aおよび図12Bはそれぞれ、本明細書で説明され、例示されている1つまたは複数の実施形態による、2入力「AND」ゲート設計および2入力「OR」ゲート設計のデータパス等価物についての、波形シミュレーション結果1200および1202を示している。これらのシミュレーション結果は、要するに、出力が「NULL」波形中には決してセットされず、論理ハイ出力と論理ロー出力との両方が、決して同時にハイの値を有するようセットされないという、重要な結果を示している。かかる重要な結果は、非同期式回路のRTZ特性を維持しながら、回路動作を可能にし、回路の機能を保持する。
【0045】
態様リスト
[0062]態様1。広いビット幅を有するヌルコンベンション論理ベースのアプリケーション向けシステムであって、nMOS能動抵抗器、複数のnMOSトランジスタ、pMOS能動抵抗器、および複数のpMOSトランジスタを備える、2トランジスタレベル遅延ベースの回路であり、複数のnMOSトランジスタの少なくとも一部が、並列OR構成に従って結合され、複数のpMOSトランジスタの少なくとも一部が、並列OR構成に従って結合され、nMOS能動抵抗器のソース端子が、複数のnMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合され、pMOS能動抵抗器のソース端子が、複数のpMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合された、2トランジスタレベル遅延ベースの回路と、複数のpMOSトランジスタのうちの少なくとも1つに結合された、複数のnMOSトランジスタのうちの少なくとも1つを備える、書込み部分的回路構成要素であり、書込み部分的回路が、逆論理信号によって制御される、書込み部分的回路構成要素と、複数のpMOSトランジスタの追加部分に結合された、複数のnMOSトランジスタの追加部分を備える、ゲート構成要素であり、ゲート構成要素が、半静的交差結合インバータ回路に相当する、ゲート構成要素とを具備する。
【0046】
[0063]態様2。2トランジスタレベル遅延ベースの回路が、MullerのC素子ベースの電磁両立性回路である、態様1のシステム。
[0064]態様3。書込み部分的回路が、修正されたtゲートに基づく、態様1または態様2のシステム。
【0047】
[0065]態様4。複数のnMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合されている、nMOS能動抵抗器のソース端子、および複数のpMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合されている、pMOS能動抵抗器のソース端子が、2トランジスタレベル遅延ベースの回路に関連付けられた入力が、2トランジスタレベル遅延ベースの回路に関連付けられた入力が異なる値1に関連付けられているときの、ゼロに等しい値に関連付けられるときに、2トランジスタレベル遅延ベースの回路のドレイン電圧から、2トランジスタレベル遅延ベースの回路のソース電圧への経路を阻止する、態様1から3のいずれかのシステム。
【0048】
[0066]態様5。ゲート構成要素が、複数のpMOSトランジスタの追加部分に結合された、複数のnMOSトランジスタの追加部分に接続された、複数のnMOSトランジスタのうちの追加のnMOSトランジスタをさらに備える、態様1から4のいずれかのシステム。
【0049】
[0067]態様6。追加のnMOSトランジスタをさらに備えるゲート構成要素が、センスアンプ回路に相当する、態様5のシステム。
[0068]態様7。センスアンプ回路が、デジタルヒステリシスを実行する、態様6のシステム。
【0050】
[0069]態様8。デジタルヒステリシスを実行することが、複数の入力が第1の値から第2の値にリセットされるまで、2トランジスタレベル遅延の出力値を維持することを可能にする、態様7のシステム。
【0051】
[0070]態様9。第1の値が1に相当し、第2の値が0に相当する、態様8のシステム。
[0071]態様10。2トランジスタレベル遅延ベースの回路が、入力ビット幅とは無関係な固定遅延値を有する、態様10のシステム。
【0052】
[0072]態様11。センスアンプ回路が、書込み部分的回路構成要素の負荷を軽減する、態様7のシステム。
[0073]態様12。広い入力ビット幅を有するヌルコンベンション論理ベースのアプリケーション向けシステムであって、nMOS能動抵抗器、複数のnMOSトランジスタ、pMOS能動抵抗器、および複数のpMOSトランジスタを備える、2トランジスタレベル遅延ベースの回路であり、2トランジスタレベル遅延ベースの回路が、入力ビット幅とは無関係な固定遅延値を有し、複数のnMOSトランジスタの少なくとも一部が、並列OR構成に従って結合され、複数のpMOSトランジスタの少なくとも一部が、並列OR構成に従って結合され、nMOS能動抵抗器のソース端子が、複数のnMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合され、pMOS能動抵抗器のソース端子が、複数のpMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合された、2トランジスタレベル遅延ベースの回路と、複数のpMOSトランジスタのうちの少なくとも1つに結合された、複数のnMOSトランジスタのうちの少なくとも1つを備える、書込み部分的回路構成要素であり、書込み部分的回路が、逆論理信号によって制御される、書込み部分的回路構成要素と、複数のpMOSトランジスタの追加部分に結合された、複数のnMOSトランジスタの追加部分を備える、ゲート構成要素であり、ゲート構成要素が、半静的交差結合インバータ回路に相当する、ゲート構成要素とを具備する。
【0053】
[0074]態様13。2トランジスタレベル遅延ベースの回路が、MullerのC素子ベースの電磁両立性回路である、態様12のシステム。
[0075]態様14。書込み部分的回路が、修正されたtゲートに基づく、態様12のシステム。
【0054】
[0076]態様15。複数のnMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合されている、nMOS能動抵抗器のソース端子、および複数のpMOSトランジスタのそれぞれのドレイン端子に結合されている、pMOS能動抵抗器のソース端子は、2トランジスタレベル遅延ベースの回路に関連付けられた入力が、2トランジスタレベル遅延ベースの回路に関連付けられた入力が異なる値1に関連付けられているときの、ゼロに等しい値に関連付けられるときに、2トランジスタレベル遅延ベースの回路のドレイン電圧から、2トランジスタレベル遅延ベースの回路のソース電圧への経路を阻止する、態様12のシステム。
【0055】
[0077]態様16。ゲート構成要素が、複数のpMOSトランジスタの追加部分に結合された、複数のnMOSトランジスタの追加部分に接続された、複数のnMOSトランジスタのうちの追加のnMOSトランジスタをさらに備える、態様12のシステム。
【0056】
[0078]態様17。追加のnMOSトランジスタをさらに備えるゲート構成要素が、センスアンプ回路に相当する、態様16のシステム。
[0079]態様18。センスアンプ回路が、デジタルヒステリシスを実行する、態様17のシステム。
【0057】
[0080]態様19。デジタルヒステリシスを実行することが、複数の入力が第1の値から第2の値にリセットされるまで、2トランジスタレベル遅延ベースの回路の出力値を維持することを可能にする、態様18のシステム。
【0058】
[0081]態様20。センスアンプ回路が、書込み部分的回路構成要素の負荷を軽減する、態様17のシステム。
【0059】
[0082]本明細書で使用される用語法は、特定の態様を説明することだけを目的としており、限定することが意図されるものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、内容が明らかにそうでないと示していない限り、「少なくとも1つ」を含む、複数の形態を含むことが意図されている。「または」は、「および/または」を意味する。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数の、ありとあらゆる組合せを含む。本明細書で使用される場合、「備える(三人称単数現在)」および/もしくは「備える(現在分詞)」、または「含む(三人称単数現在)」および/もしくは「含む(現在分詞)」という用語は、述べられた特徴、領域、整数、ステップ、動作、素子、および/または構成要素の存在を特定するが、他の1つまたは複数の特徴、領域、整数、ステップ、動作、素子、構成要素、および/またはこれらの群の、存在または追加を排除するものではないことが、さらに理解されよう。「またはこれらの組合せ」という用語は、前述された素子のうちの少なくとも1つを含む組合せを意味する。
【0060】
[0083]「ほぼ」および「約」という用語は、本明細書では、どんな定量的な比較、値、測定、または他の表現にもよる場合がある、特有の不確実性の程度を表すために利用され得ることに留意されたい。これらの用語は、本明細書では、問題となっている主題の基本機能には変化をもたらすことなく、定量的表現が記載された基準からばらつき得る程度を表すためにも利用される。
【0061】
[0084]本明細書では、特定の実施形態が例示され、説明されてきたが、特許請求の範囲に記載される主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の様々な変更および修正が行われ得ることを理解されたい。さらに、特許請求の範囲に記載される主題の様々な態様が、本明細書で説明されてきたが、かかる態様は、組み合わせて利用される必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は、特許請求の範囲に記載される主題の範囲内にある、すべてのかかる変更および修正を網羅することが意図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
【国際調査報告】