(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】オフセット案内装置及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/17 20060101AFI20231226BHJP
A61B 17/56 20060101ALI20231226BHJP
A61B 17/16 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
A61B17/17
A61B17/56
A61B17/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534724
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 IL2021051509
(87)【国際公開番号】W WO2022130392
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510203669
【氏名又は名称】ティー.エー.ジー. メディカル デヴァイシス-アグリカルチャー コーポラティヴ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナクミアス シャイ
(72)【発明者】
【氏名】ビトン ドロール
(72)【発明者】
【氏名】ガベル ウリ
(72)【発明者】
【氏名】ボタンスキー ハガイ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL07
4C160LL27
(57)【要約】
骨の第1の側面に係合するための第1の接点を含むドリル進入部分であって、骨ドリルを受け入れるサイズにされた少なくとも1つのボアを含むドリル進入部分と、骨の第2の側面に係合するための第2の接点を含む骨固定部分であって、骨の第2の側面が骨の第1の側面とは反対であり、装置がドリル進入部分及び骨固定部分の1つに第3の接点を含む骨固定部分と、ドリル進入部分及び骨固定部分を骨の対向する側面に位置決めするためにドリル進入部分及び骨固定部分を選択可能に堅固に接続するためのカップリングとを含む骨ドリル案内装置。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨ドリル案内装置であって、
骨の第1の側面に係合するための第1の接点を含むドリル進入部分であって、前記ドリル進入部分が、骨ドリルを受け入れるサイズにされた前記少なくとも1つのボアを含む、前記ドリル進入部分と、
前記骨の第2の側面に係合するための第2の接点を含む骨固定部分であって、前記骨の前記第2の側面が前記骨の前記第1の側面とは反対である、前記骨固定部分と、を備え、
前記装置が、前記ドリル進入部分及び前記骨固定部分の1つに第3の接点を含み、
前記ドリル進入部分及び前記骨固定部分を、前記骨の対向する側面に位置決めするために、前記ドリル進入部分及び前記骨固定部分を選択可能に堅固に接続するためのカップリングと、を備える、前記骨ドリル案内装置。
【請求項2】
前記第3の接点が、前記ドリル進入部分及び前記骨固定部分の一方の上にある、請求項1に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項3】
前記ドリル進入部分が、
前記骨の前記第1の側面に直接的に係合することと、
中間組織を通して前記骨の前記第1の側面に係合することと
の1つのための前記第1の接点を含む、請求項1または2に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項4】
前記骨固定部分が、
前記骨の前記第2の側面に直接的に係合することと、
中間組織を通して前記骨の前記第2の側面に係合することと
の1つのための前記第2の接点を含む、請求項1または2に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項5】
前記装置が調整可能な固定要素を含み、前記第2の接点が、前記調整可能な固定要素の近位点によって画定され、前記固定要素が、前記骨の前記第2の側面に係合するために前記骨固定部分に対して軸方向に及び近位に移動可能であり、前記固定要素が、前記骨の前記第2の側面を前記骨固定部分から解放するために、前記骨固定部分に対して軸方向に及び遠位に移動可能である、請求項1に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項6】
前記調整可能な固定要素が、前記骨固定部分に対して近位に前記固定要素を移動させるために第1の方向に回転可能であり、前記骨固定部分に対して前記固定要素を遠位に移動させるために、前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転可能であるねじ山を含む、請求項5に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項7】
前記調整可能な固定要素が固定先端を含み、前記調整可能な固定要素が、前記骨固定部分に対して伸長した位置または後退した位置に前記固定先端を保持するためのロックを含む、請求項5または6に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項8】
前記装置が長手方向軸を有し、前記ドリル進入部分が、前記装置の長手方向軸と同軸である長手方向軸を有する単一のチャネルを含み、前記調整可能な固定要素が、前記チャネルの長手方向と同様に同軸である長手方向軸を有する、請求項5または6に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項9】
前記装置が長手方向軸を有し、前記ドリル進入部分が複数のチャネルを備え、前記各チャネルが骨ドリルを受け入れるサイズにされ、前記各チャネルが、前記装置の長手方向軸に対して事前に選択された向きで長手方向軸を有する、請求項1~2、及び請求項5~6のいずれか1項に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項10】
前記各チャネルが、前記装置の長手方向軸に平行な長手方向軸を有する、請求項9に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項11】
前記チャネルのそれぞれが長手方向軸を有し、前記チャネルの前記長手方向軸が互いに平行である、請求項9に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項12】
前記ドリル進入部分が第1及び第2のチャネルを含む、請求項9に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項13】
前記チャネルの前記長手方向軸が、約5mm離間している、請求項12に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項14】
前記ドリル進入部分が、それぞれ前記第1及び前記第2のチャネルに隣接する第1及び第2の遠位に延びる接触部分を含み、前記第1及び第2の遠位に延びる接触部分が、それぞれ前記第1及び前記第3の接点を画定する、請求項12に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項15】
前記ドリル進入部分の中から延びる第3の遠位に延びる接触部分をさらに含み、前記第1、前記第2、及び前記第3の遠位に延びる接触部分が、前記第1及び前記第2の遠位に延びる接触部分に底辺を有する二等辺三角形を画定する、請求項14に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項16】
前記第3の遠位に延びる接触部分が前記骨の第3の側面に接触するように構成され、前記骨の前記第3の側面が前記第1の側面と前記第2の側面との間にある、請求項15に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項17】
前記カップリングが、前記ドリル進入部分と前記骨固定部分との間の前記骨の上面に隣接する皮膚に接触するように構成された安定化部分を含む、請求項1~2及び請求項5~6のいずれか1項に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項18】
前記安定化部分が、前記骨の前記上面に隣接する前記皮膚に接触するために前記カップリングから伸長可能であるように構成される、請求項17に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項19】
(a)前記骨固定部分が、近位に向けられた開放端部分を含み、前記開放端部分が、前記骨の前記第2の側面に接触するための複数の接点を含むことと、
(b)前記ドリル進入部分が、前記少なくとも1つのボアの周りに位置決めされた開放端部分を含み、前記開放端部分が遠位に向けられた開放端を有し、前記開放端が、前記骨の前記第1の側面に接触するための複数の接点を含むことと
の少なくとも1つであり、
前記複数の接点のうちの第1及び第2の接点が、前記第1の接点及び前記第3の接点を含み、
前記複数の接点のうちの前記第1及び前記第2の接点が、前記ボアの直径の2倍より遠く離れている、請求項1~2及び請求項5~6のいずれか1項に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項20】
前記ドリル進入部分が把持部分を含み、前記把持部分が、前記第1及び前記第3の接点を含み、前記把持部分が、前記第1及び前記第3の接点を含む凹面を含む、請求項1~2、及び請求項5~6のいずれか1項に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項21】
前記骨固定部分が近位端を有し、前記骨固定部分の近位端が前記第3の接点を含む、請求項1~2及び請求項5~6のいずれか1項に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項22】
前記骨固定部分の近位端が、2つの固定先端を含み、前記第2及び前記第3の接点が、前記固定先端の最も近位部分にある、請求項21に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項23】
前記ドリル進入部分が、前記骨の前記第1の側面に係合するために第4の接点を含む、請求項22に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項24】
前記第1、前記第2、前記第3、及び前記第4の接点が、単一平面内に配置され、それぞれ前記第1の接点と前記第4の接点との間に、及び前記第2の接点と前記第3の接点との間に、少なくとも一対の平行な辺を有する四辺形を画定する、請求項23に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項25】
前記カップリングが、前記ドリル進入部分と前記骨固定部分との間に延びるアーチ形の部分を含む、請求項1~2及び請求項5~6のいずれか1項に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項26】
前記カップリングが、前記ドリル進入部分と前記骨固定部分との間の恒久的な接続部である、請求項1~2及び請求項5~6のいずれか1項に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項27】
前記ドリル進入部分が遠位端を含み、前記骨固定部分が近位端を含み、前記骨ドリル案内装置が、前記ドリル進入部分の遠位端と前記骨固定部分の近位端の空間関係を示すように構成されたインジケータを含む、請求項1~2及び請求項5~6のいずれかに記載の骨ドリル案内装置。
【請求項28】
前記ドリル進入部分が、前記装置と前記骨との間に位置合わせを提供するように構成されたマーカーを含む、請求項1~2及び請求項5~6のいずれか1項に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項29】
前記マーカーが、前記骨内で触覚マーキングを提供するように構成される、請求項28に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項30】
前記マーカーが、点、円、十字、及びXの1つとして構成される、請求項28に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項31】
前記ドリル進入部分の複数の側面の選択された側面で前記ドリル進入部分に接続可能なハンドルをさらに含む、請求項1~2及び請求項5~6のいずれか1項に記載の骨ドリル案内装置。
【請求項32】
請求項1~2及び請求項5~6のいずれか1項に記載の前記骨ドリル案内装置を含むキットであって、
前記少なくとも1つのボアに受け入れられるサイズにされたドリルと、
前記少なくとも1つのボアに受け入れられるサイズにされたアンカーと、
アンカー挿入装置と、をさらに含む、前記キット。
【請求項33】
骨にボアを穿設する方法であって、
骨の第1の側面に骨ドリル案内装置のドリル進入部分を位置決めすることであって、前記ドリル進入部分が、骨ドリルを受け入れるサイズにされた少なくとも1つのボアを含む、前記位置決めすることと、
前記骨の第2の側面に骨固定部分を位置決めすることであって、前記骨の前記第2の側面が前記骨の前記第1の側面とは反対である、前記位置決めすることと、
前記ドリル進入部分の少なくとも第1の接点が前記骨の前記第1の側面に係合し、前記骨固定部分の少なくとも第2の接点が前記骨の前記第2の側面に係合するまで、前記ドリル進入部分及び前記骨固定部分を互いに向かって移動させることであって、前記ドリル進入部分及び前記骨固定部分が、前記第1及び前記第2の接点を含む少なくとも3つの点で前記骨と集合的に接触する、前記移動させることと、
前記骨に接触するまでドリルを前記ドリル進入部分の近位端部分に挿入することと、
前記ドリルを用いて骨に予め選択された距離、ボアを穿設することと、を含む、前記方法。
【請求項34】
前記係合することが、
(a)前記ドリル進入部分が、前記骨の前記第1の側面の少なくとも2点で前記骨に接触し、前記骨固定部分が、前記骨の前記第2の側面の少なくとも1点で前記骨に接触することと、
(b)前記ドリル進入部分が、前記骨の前記第1の側面の少なくとも1点で前記骨に接触し、前記骨固定部分が、前記骨の前記第2の側面の少なくとも2点で前記骨に接触することと、の1つを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記移動させることが、
前記ドリル進入部分及び前記骨固定部分を互いに向かって軸方向に摺動させること、を含む、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記骨ドリル案内装置が長手方向軸を有し、前記移動させることが、前記装置の長手方向軸に平行な軸に沿って実行される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記ドリル進入部分が、前記ボアの周りで半径方向に間隔を置いた複数の場所の1つで前記ドリル進入部分に選択的に接続可能であるハンドルを含み、前記方法が、前記穿設の前に、
前記ハンドルを接続する前記複数の場所の1つを選択することと、
前記選択された場所で前記ハンドルを前記ドリル進入部分に接続することと、をさらに含む、請求項33~34及び36のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年12月20日に出願された米国仮特許出願第63/128,117号の優先権の利益を主張するものであり、参照により、その内容全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、案内装置に関し、より具体的にはオフセットドリル案内装置及びその使用方法に関するが、これに限定されない。
【0003】
様々な関節鏡処置中に骨にボアを穿設することが必要とされることは既知である。例えば、前十字靭帯再建術(ACL再建術)では、大腿骨トンネルの前中央部の穿設が必要になる。
【0004】
この処置中、大腿骨を通る所定の寸法を有するボアを穿設するために、いくつかの異なる固定技術のいずれかが使用され得る。ACL再建手術中にドリル進入点の正確な決定、及び出口点の固定を提供することが役立つ。
【0005】
既知の装置は、大腿骨などの細長い骨の固定を容易にし、ドリルが骨を穿設するにつれドリルの案内を容易にするために役立つ場合があるが、そのような装置は、より小さい骨または例えば膝蓋骨(膝頭)などの細長くない骨には適していない場合がある。例えば、細長い以外の様々な形状及びサイズを有する骨に対して実行される外科処置に適した固定装置及び固定技術を提供することが役立つであろう。
【0006】
様々な関節鏡処置中に、骨を通る所定の寸法を有するボアを穿設するために、異なる固定技術が用いられることは既知である。処置中に、ドリル進入点の正確な決定、及び出口点の固定を提供することは役立つ。
【0007】
背景技術は、米国特許第5,330,468号、米国特許第5,643,273号、及び米国特許第9,198,676号、米国特許出願公開第2015/0150570号、第2012/0059382号、第2014/0039552号、第2011/0166581号、第2008/0103506号、及び第2019/0167281号、ならびに国際公開第2017/1874376号を含む。
【発明の概要】
【0008】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、骨の第1の側面に係合するための第1の接点を含むドリル進入部分であって、骨ドリルを受け入れるサイズにされた少なくとも1つのボアを含むドリル進入部分と、骨の第2の側面に係合するための第2の接点を含む骨固定部分であって、骨の第2の側面が骨の第1の側面とは反対であり、装置がドリル進入部分及び骨固定部分の1つに第3の接点を含む骨固定部分と、ドリル進入部分及び骨固定部分を骨の対向する側面に位置決めするためにドリル進入部分及び骨固定部分を選択可能に堅固に接続するためのカップリングと、を含む骨ドリル案内装置が提供される。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、第3の接点は、ドリル進入部分及び骨固定部分の一方の上にある。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ドリル進入部分は、骨の第1の側面に直接的に係合すること、及び中間組織を通して骨の第1の側面に係合することの1つのための第1の接点を含む。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、骨固定部分は、骨の第2の側面に直接的に係合すること、及び中間組織を通して骨の第2の側面に係合することの1つのための第2の接点を含む。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、装置は調整可能な固定要素を含み、第2の接点は、調整可能な固定要素の近位点によって画定され、固定要素は、骨の第2の側面に係合するために骨固定部分に対して軸方向に及び近位に移動可能であり、固定要素は、骨の第2の側面を骨固定部分から解放するために、骨固定部分に対して軸方向に及び遠位に移動可能である。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、調整可能な固定要素は、骨固定部分に対して近位に固定要素を移動させるために第1の方向に回転可能であり、骨固定部分に対して固定要素を遠位に移動させるために、第1の方向とは反対の第2の方向に回転可能であるねじ山を含む。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、調整可能な固定要素は固定先端を含み、調整可能な固定要素は、骨固定部分に対して伸長した位置または後退した位置に固定先端を保持するためのロックを含む。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、装置は長手方向軸を有し、ドリル進入部分は、装置の長手方向軸と同軸である長手方向軸を有する単一のチャネルを含み、調整可能な固定要素は、チャネルの長手方向軸と同軸である長手方向軸を有する。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によれば、装置は長手方向軸を有し、ドリル進入部分は複数のチャネルを含み、各チャネルは、骨ドリルを受け入れるサイズにされ、各チャネルは、装置の長手方向軸に対して事前に選択された向きで長手方向軸を有する。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、各チャネルは、装置の長手方向に平行な長手方向軸を有する。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によれば、チャネルのそれぞれは長手方向軸を有し、チャネルの長手方向軸は互いに平行である。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ドリル進入部分は、第1及び第2のチャネルを有する。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によれば、チャネルの長手方向軸は、約5mm離間している。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ドリル進入部分は、それぞれ第1及び第2のチャネルに隣接する第1及び第2の遠位に延びる接触部分を含み、第1及び第2の遠位に延びる接触部分は、それぞれ第1及び第3の接点を画定する。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によれば、装置は、ドリル進入部分の中から延びる第3の遠位に延びる接触部分をさらに含み、第1、第2、及び第3の遠位に延びる接触部分は、第1及び第2の遠位接触部分に底辺を有する二等辺三角形を画定する。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によれば、第3の遠位接触部分は、骨の第3の側面に接触するように構成され、骨の第3の側面は第1の側面と第2の側面との間にある。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態によれば、カップリングは、ドリル進入部分と骨固定部分との間の骨の上面に隣接する皮膚に接触するように構成された安定化部分を含む。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態によれば、安定化部分は、骨の上面に隣接する皮膚に接触するためにカップリングから伸長可能であるように構成される。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態によれば、(a)骨固定部分は、近位に向けられた開放端部分を含み、開放端部分は、骨の第2の側面に接触するための複数の接点を含むことと、(b)ドリル進入部分は、少なくとも1つのボアの周りに位置決めされた開放端部分を含み、開放端部分は遠位に向けられた開放端を有し、開放端は、骨の第1の側面に接触するための複数の接点を含むこととの少なくとも1つ、複数の接点のうちの第1及び第2の接点は、第1の接点及び第3の接点を含み、複数の接点のうちの第1及び第2の接点は、ボアの直径の2倍より遠く離れている。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ドリル進入部分は把持部分を含み、把持部分は、第1及び第3の接点を含み、把持部分は、第1及び第3の接点を含む凹面を含む。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態によれば、骨固定部分は近位端を有し、骨固定部分の近位端は第3の接点を含む。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態によれば、骨固定部分の近位端は、2つの固定先端を含み、第2及び第3の接点は、固定先端の最も近位部分にある。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ドリル進入部分は、骨の第1の側面に係合するために第4の接点を含む。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態によれば、第1、第2、第3、及び第4の接点は、単一平面内に配置され、それぞれ第1の接点と第4の接点との間に、及び第2の接点と第3の接点との間に、少なくとも一対の平行な辺を有する四辺形を画定する。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態によれば、カップリングは、ドリル進入部分と骨固定部分との間に延びるアーチ形の部分を含む。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態によれば、カップリングは、ドリル進入部分と骨固定部分との間の恒久的な接続部である。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ドリル進入部分は遠位端を含み、骨固定部分は近位端を含み、骨ドリル案内装置は、ドリル進入部分の遠位端と骨固定部分の近位端の空間関係を示すように構成されたインジケータを含む。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ドリル進入部分は、装置と骨との間に位置合わせを提供するように構成されたマーカーを含む。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態によれば、マーカーは、骨内で触覚マーキングを提供するように構成される。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態によれば、マーカーは、点、円、十字、及びXの1つとして構成される。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態によれば、装置はドリル進入部分の複数の側面の選択された側面でドリル進入部分に接続可能なハンドルをさらに含む。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態によれば、骨ドリル案内装置を含むキットが提供され、キットは、少なくとも1つのボア内に受け入れられるサイズにされたドリルと、少なくとも1つのボア内で受け入れられるサイズにされたアンカーと、アンカー挿入装置とをさらに含む。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、骨の第1の側面に骨ドリル案内装置のドリル進入部分を位置決めすることであって、ドリル進入部分が、骨ドリルを受け入れるサイズにされた少なくとも1つのボアを含む、位置決めすることと、骨の第2の側面に骨固定部分を位置決めすることであって、骨の第2の側面が骨の第1の側面とは反対である、位置決めすることと、ドリル進入部分の少なくとも第1の接点が骨の第1の側面に係合し、骨固定部分の少なくとも第2の接点が骨の第2の側面に係合するまで、ドリル進入部分及び骨固定部分を互いに向かって移動させることであって、ドリル進入部分及び骨固定部分が、第1及び第2の接点を含む少なくとも3つの点で骨と集合的に接触する、移動させることと、骨に接触するまでドリルをドリル進入部分の近位端部分に挿入することと、ドリルを用いて骨に予め選択された距離、ボアを穿設することとを含む、骨にボアを穿設する方法が提供される。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態によれば、係合することは、(a)ドリル進入部分が、骨の第1の側面の少なくとも2つの点で骨に接触し、骨固定部分が、骨の第2の側面の少なくとも1つの点で骨に接触すること、及び(b)ドリル進入部分が、骨の第1の側面の少なくとも1つの点で骨に接触し、骨固定部分が、骨の第2の側面の少なくとも2つの点で骨に接触することの1つを含む。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態によれば、移動させることは、ドリル進入部分及び骨固定部分を互いに向かって軸方向に摺動させることを含む。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態によれば、骨ドリル案内装置は長手方向軸を有し、移動させることは、装置の長手方向軸に平行な軸に沿って実行される。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ドリル進入部分は、ボアの周りで半径方向に間隔を置いた複数の場所の1つでドリル進入部分と選択的に接続可能であるハンドルを含み、方法は、穿設の前に、ハンドルを接続する複数の場所の1つを選択することと、選択された場所でハンドルをドリル進入部分に接続することをさらに含む。
【0045】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本発明の実施または試験には、本明細書に記載したものと類似または同等の方法及び材料を用いることができるが、例示的な方法及び/または材料が以下に説明される。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び例は、一例にすぎず、必ずしも限定することを意図していない。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態を、本明細書では、単なる例示として、添付の図面を参照しながら説明する。このとき図面を詳細にわたって具体的に参照するが、図示されている細部は例示として本発明の実施形態を説明的に考察することを目的としたものであることが強調される。この点に関して、図面を用いた説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1A】本発明のいくつかの実施形態による、少なくとも3つの接点を含む装置の平面図の概略図であって、装置は、上部から示され、接点の相対的な場所を示すために部分は削除されている。
【
図1B】本発明のいくつかの実施形態による、
図1Aに示される装置の矢印1B-1Bの方向から見た側面図の概略図である。
【
図1C】本発明のいくつかの実施形態による、
図1Bに示される装置の第1の代替実施形態の概略図である。
【
図1D】本発明のいくつかの実施形態による、
図1Bに示される装置の第2の代替実施形態の概略図である。
【
図2A】本発明の第1の実施形態による骨ドリル案内装置の斜視図である。
【
図2B】本発明の第1の実施形態による、骨に係合した状態で示される、
図2Aの装置を示す。
【
図2C】本発明の第1の実施形態による、患者の膝蓋骨に係合した状態で示される、骨ドリル案内装置の図である。
【
図2D】本発明の第1の実施形態による、
図2Aの骨ドリル案内装置の分解組立図である。
【
図3A】本発明の第1の実施形態による、
図2Dの装置の案内部分の斜視図である。
【
図3B】本発明の第1の実施形態による、
図2Dの装置の案内部分の上面図である。
【
図3C】本発明の第1の実施形態による、
図2Dに示される案内部分の矢印3C-3Cの方向から見た背面図である。
【
図3D】本発明の第1の実施形態による、
図2Dに示される案内部分の矢印3D-3Dの方向から見た正面図である。
【
図4A】本発明の第1の実施形態による、骨ドリル案内装置の固定部分の側面図である。
【
図4B】本発明の第1の実施形態による、骨ドリル案内装置の固定部分の斜視図である。
【
図4C】本発明の第1の実施形態による、
図2Dに示される固定部分の底面図である。
【
図5】A~Cは、本発明の1の実施形態による、
図2Cに示されるハンドルのそれぞれの側面図、正面図、及び背面図である。
【
図6A】本発明の第2の実施形態による、骨ドリル案内装置の下部斜視図である。
【
図6B】本発明の第2の実施形態による、骨ドリル案内装置の側面図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態による、骨に係合した状態で示される、
図6Aに示される骨ドリル案内装置の斜視図である。
【
図8A】本発明の第3の実施形態による骨ドリル案内装置の側面図である。
【
図8B】本発明の第3の実施形態による、骨に係合した状態で示される、
図8Aの装置を示す。
【
図8C】本発明の第3の実施形態による、
図8Aに示される装置の分解組立図である。
【
図8D】本発明の第3の実施形態による、
図8Cに示される案内部分及びハンドルの分解組立図であり、底面及び側面から見た斜視図である。
【
図9A】本発明の第3の実施形態による、
図8Cの装置の案内部分の側面斜視図である。
【
図9B】本発明の第3の実施形態による、
図8Cの装置の案内部分の下部斜視図である。
【
図10】本発明の第3の実施形態による、
図8Aの装置の骨固定部分のロック機構の上面図である。
【
図11】本発明の第1の実施形態による装置を含むキットの側面図であり、キットの一部が詳細に拡大されて示されている。
【
図12】A~Bは、本発明の第1の実施形態による、装置のそれぞれの側面図及び斜視図であり、装置はそれぞれ穿設処置前及び穿設処置中を示している。
【
図13】Aは、本発明の実施形態による、アンカーが挿入された骨の側面図である。Bは、本発明の実施形態による、アンカーが挿入された骨の斜視図である。
【
図14】本発明の実施形態による、骨に少なくとも1つのボアを形成することを含む、処置中に外科医によって実行される主な動作を示すフローチャートである。
【
図15A】本発明の実施形態による、骨に少なくとも1つのボアを形成することを含む、処置中に外科医によって実行される詳細な動作を示すフローチャートである。
【
図15B】本発明の実施形態による、骨に少なくとも1つのボアを形成することを含む、処置中に外科医によって実行される詳細な動作を示すフローチャートである。
【
図15C】本発明の実施形態による、骨に少なくとも1つのボアを形成することを含む、処置中に外科医によって実行される詳細な動作を示すフローチャートである。
【
図16A】本発明の第4の実施形態による装置の側面図である。
【
図16B】第4の実施形態による装置の斜視図である。
【
図16C】明瞭にするために固定要素が削除された、第4の実施形態による装置の斜視図である。
【
図16D】本発明の第4の実施形態による装置の分解組立図である。
【
図17】明瞭にするために固定要素が削除され、装置の一部分がその詳細を示すために拡大されている、第4の実施形態による装置の斜視図である。
【
図18】Aは、本発明の第4の実施形態による、固定要素の斜視図である。Bは、本発明の第4の実施形態による、固定要素の側面図である。Cは、本発明の第4の実施形態による、固定要素の側面図である。
【
図19】本発明の第4の実施形態による、骨に係合した状態で示される装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、案内装置に関し、より具体的にはオフセットドリル案内装置及びその使用方法に関するが、これに限定されない。
【0049】
いくつかの実施形態では、装置は、例えば、少なくとも1つのアンカーを骨に挿入するため、または他の処置のために骨にボアを穿設するための横方向の制御を提供するために、骨に穿設することを含む処置での使用に適合され得る。そのような横方向の制御は、骨上の特定の進入点へのドリルの案内、及び穿設角度の案内を含み、それによってボアが骨に穿設される角度を制御する。いくつかの実施形態では、装置は、例えば膝蓋骨など、特定のサイズ及び形状を有する骨へ穿設することを含む処置での使用に特に適する場合がある。装置のいくつかの実施形態は、所望の場所及び角度で、及び骨内の所望の深さに骨にボアを穿設するために、骨に対して装置を安定化させる及び/または固定するための、ならびに骨上のドリル進入点に向かってドリルを案内するための部分を含む。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、装置が骨に係合され得るか、またはそれ以外の場合、骨に固定され得る、例えば、骨の第1の側面の少なくとも1つの接点、及び第1の側面とは反対の骨の第2の側面の少なくとも2つの接点など、少なくとも3つの接点を設けることに関する。少なくとも3つの接点を設けることは、それらが、穿設処置中の骨の不用意な移動を防ぐために、小さい骨に(任意選択で骨に隣接する皮膚を通して)、及び/または例えば膝蓋骨などの係合及び/または把持が困難である場合がある、曲線状の側面を有する骨に係合及び/または把持するために使用され得る点で、潜在的な利点を有し得る。例えば、膝蓋骨は、膝の他の構造に堅固に付着していない自由に動く骨であるため、骨穿設処置前に膝蓋骨を安定化させることは役立つ。本発明による装置は、この安定化効果を達成するために必要な特徴を提供し得る。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、扁平骨の平面に平行である向きで骨に穿設することに関する。これは、特に、骨が比較的に薄く、骨上で装置を穿設部位と位置合わせする上で外科医の柔軟性に干渉することなく、骨の薄い側面にボアを穿設する必要がある場合に役立ち得る。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、単一平面内で複数のボアを互いに対して所定の向きで穿設することに関する。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、複数のボアは、単一平面内で平行な向きに穿設され得る。これは、骨の中に複数のボアを位置決めすることが、骨が互いに対して所定の向きを有する場合に、既知の装置を使用するそのような位置決めに比してより容易に達成され得、それによって外科処置の時間を数分、短縮するという点で、別の潜在的な利点を有し得る。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、少なくとも1つのボアの骨へのより正確な穿設を可能にし得る、骨の安定化を提供することに関する。骨に不正確に穿設すると、骨へのアンカーの挿入の角度及び/または深さが不適切になる場合があり、これによって骨、ひいては骨を含む関節に損傷を与える場合があることに留意されたい。本発明は、いくつかの実施形態で、それが選択された角度及び深さでボアを正確に穿設することを可能にし得るという点で別の潜在的な利点を有し得、これは、適切な角度及び深さでボアにアンカーを挿入するために役立ち得る。
【0054】
本発明の一態様は、穿設されたボアに対して既知の位置で骨上にマークを形成する部分を包含することに関する。これは、装置が処置部位から取り外された後に、外科医が穿設されたボアの位置をより容易に突き止めることを可能にし得るという点で潜在的な利点を提供する。いくつかの実施形態では、装置が骨に係合する/押し付けられると、マークは自動的に形成される。いくつかの実施形態では、マークは、穿設されたボアに対して横方向に対称及び/または回転対称である。
【0055】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の記述で記載される、ならびに/または図面及び/もしくは実施例に示される、構造の詳細ならびに構成要素及び/または方法の配列に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実践もしくは実行することが可能である。
【0056】
ここで図面を参照すると、
図1Aは、本発明のいくつかの実施形態による、接点1、2、及び3を含む装置の平面図の儀略図であって、装置5は、上部から示され、接点の相対的な場所を示すために部分は削除されている。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態によれば、装置は、装置が骨に係合され得るか、またはそれ以外の場合、骨に固定され得る、例えば、骨の第1の側面の少なくとも接点1、及び第1の側面とは反対の骨の第2の側面の少なくとも接点2及び3など、少なくとも接点1、2、及び3で骨に対して固定され得る。任意選択で、接点の少なくとも1つは骨に直接的に係合するのではなく、代わりに骨に隣接した皮膚に係合する場合がある。いくつかの実施形態では、接点は、本発明の装置と、骨または骨に隣接する皮膚との間の接点である場合がある、及び/または本発明の装置が骨とまたは骨に隣接する皮膚に係合する領域として画定され得る。例えば、接点は、チャネル、またはチャネルに隣接する装置の延長部分が骨に接触する点であってよい。あるいは、いくつかの実施形態では、接点はチャネルに関連付けられ得、チャネルに対して横方向に位置決めされ得る。接点の位置の例は、以下に詳細に説明される。骨との接触または係合を説明するとき、これは、任意選択で骨に隣接する皮膚との接触または係合を含むことを意図している。
【0058】
図1Aに示される実施形態では、接点1、2、及び3は、二等辺三角形を画定する。好ましくは、接点1と2との間の距離Dは、例えば5mmであってよい。ただし、例えば、30mm、25mm、20mm、15mm、10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、4mm、3mm、2mm、1mm、または所望のように、任意のより大きいまたはより小さい距離などの任意の適切な距離が選択され得る。接点1と2との間の距離はまた、本明細書にさらに説明されるように、装置の特定の実施形態に、または係合される骨に左右される場合がある。例えば、二等辺三角形を画定する接点は、それが、装置の長手方向軸に対して概して対称な構成を有する骨に係合するためにより適している場合があるという点で潜在的な利点を有し得る。
【0059】
任意選択で、接点1、2、及び3はすべて、
図1Bに示されるように、単一の水平面内にあってよい。あるいは、
図1C~
図1Dに示されるように、接点1(これらの図では図示せず)及び接点2は、同じ水平面内にある場合があり、一方、接点3は、比較的により低い向きに(
図1C)または比較的により高い向きに(
図1D)にある場合がある。これは、例えば膝蓋骨などの比較的に薄い骨に係合するためにより適している場合があるという点で潜在的な利点を有し得る。
【0060】
任意選択で、3つの接点の少なくとも1つは、少なくとも部分的に骨の下側の位置にあってよい。任意選択で、装置は、少なくとも一対の平行な辺を有する四辺形を画定する4つの接点を含み得る。
【0061】
実施形態では、装置は、それが低侵襲性となる、すなわち、装置の第1の部分の少なくとも1つの接点が、骨の第1の側面で骨に係合することを可能にするために、小さい切開のみが骨の第1の側面の皮膚及び他の組織に行われるように構築され得る。骨の第1の側面とは反対の骨の第2の側面の皮膚は、装置の第2の部分によって係合され得る。この特徴は、骨領域への外傷を最小限に抑え、患者の回復時間を短縮する潜在的な利点を提供し得る。
図2A~
図2Dを参照すると、本発明の第1の実施形態による骨ドリル案内装置10の斜視図が示されている。装置は、例えばプラスチック及び金属などの任意の適切な材料から製作され得、プラスチックは任意選択で使い捨てできる。好ましくは、装置は、大部分または任意選択で全体に、例えばポリカーボネート、ナイロン、ABSなどのプラスチック材料から製作される。
【0062】
装置10は、骨の第1の側面に係合するための、それを介してドリルを骨の第1の側面に対して案内し得るドリル進入部分12と、骨の第2の側面に係合するための骨固定部分14とを含む。さらに
図3A~
図5Cを参照すると、ドリル進入部分12は、長手方向軸22を有する細長い本体20を有し、本体20は、そこを通って本体20の近位端28から本体20の遠位端26へ延びる少なくとも1つのチャネル24を含む。各チャネル24は、そこを通って延びるボア30を有する。各チャネル24は、それを通る骨ドリルを受け入れるサイズ及び形状にされ、これは以下にさらに説明される。
【0063】
図示される実施形態では、ドリル進入部分12は、軸22に平行である2つのチャネル24を具備し得る。ボア30の中心点32(
図3C)間の距離は、
図1Aに関して上述されるように、例えば5mmであってよい。しかしながら、実行される処置、ならびに穿設されるボアの数及びボアの相対的な位置に応じて、任意の数のチャネルが、任意選択で設けられ得、チャネルは、互いに対して事前に選択された任意の向きで配置され、ボアの中心点は任意の選択された距離、離間しており、チャネルは、任意の選択された構成で本体内に位置決めされる。例えば、正方形を画定する位置で骨に4つのアンカーを挿入することが所望される処置では、骨ドリル案内装置は、ボアの中心が正方形に構成される4つの平行なチャネルを含み得る。
【0064】
さらに、任意選択で、本体20内のボア30の中心点32間の距離が、任意の選択された距離であってよく、選択された距離は、少なくとも部分的に穿設されるボアの直径に依存することに留意されたい。例えば、本発明のいくつかの実施形態による装置は、骨に2つの平行したボアを穿設するための処置で利用され得、穿設された平行なボアのそれぞれは、例えば0.1~10mmの直径を有する。例えば、それぞれが10mmの直径を有する一対の平行なボアは、本発明のいくつかの実施形態による装置を使用して骨に穿設され得、本体20のボア30の中心点32間の距離は、例えば15mmであってよい。
【0065】
図示される実施形態では、チャネル24はカニューレに似ており、各チャネル24の近位端38は任意選択で本体近位端28を越えて延びる。しかしながら、所望される場合、チャネルの近位端は、代わりに本体近位端28を越えて延び得るのではなく、むしろ本体近位端28と同一平面であってよい。これは、骨に係合する本体部分がより広い表面積を有し得、それによって骨に対してより確実な把持を提供するという点で潜在的な利点を提供し得る。
【0066】
本体遠位端26は、骨の第1の側面に接触し、係合し、本体20が骨に対して移動するのを防ぐために適した、
図3Dに最も明確に見られる任意選択の把持面34を具備し得る。図示される実施形態では、把持面34は、例えば、それぞれ、V字形の断面または任意の他の適切な構成を有し得る複数の隆起部分36を具備し得る。任意選択で、隆起部分36は、歯に似ていてもよい。あるいは、把持面34は、骨に係合し、骨に対する本体20の移動を防ぐための任意の適切なテクスチャを具備し得る。任意選択で、把持面34は滑らかであってよい。例えば、よりテクスチャ加工された把持面は、それがより滑らかな表面を有する骨に係合するためにより適し得るという点で潜在的な利点を有し得る。
【0067】
示される実施形態では、把持面34は、
図2Dに最も明確に示されるように、任意選択で凹面であってよい。凹状の把持面34は、把持面34と骨2の第1の側面3aとの間の構成の類似性のため、骨2の把持を容易にし得る。
【0068】
任意選択で、チャネル24のそれぞれは、本体遠位端26から(
図3Aに見られるように、チャネル近位端38が本体近位端28を越えて延びるのと同様に)突出し得、その結果、突出したチャネル自体が、骨に接触及び係合するための少なくとも1つの点を提供する。これは、本明細書にさらに説明される。
【0069】
ドリル進入部分はまた、ドリル進入部分12を骨固定部分14に接続するためのバー40を具備し得、これは以下により詳細に説明される。示される実施形態では、ドリル進入部分のバー40は、ドリル進入部分を骨固定部分14に接続するためのラチェット機構42(
図2D)の第1の部分を画定する。しかしながら、代わりに、ドリル進入部分12及び骨固定部分14を互いに接続するために任意の適切な接続機構が設けられ得ることに留意されたい。例えば、接続機構は、それが、突出部分を有する骨の周りに延び得るように特に成形され得る。これは、それ以外の場合、把持するのが困難である可能性がある骨に係合するための装置に適し得るという点で潜在的な利点を有し得る。
【0070】
任意選択で、装置10は、ドリル進入部分12の本体20の遠位端26と骨固定部分14の本体80の近位端82の空間関係を示すために、インジケータ(図示せず)を具備し得る。これにより、装置を骨2に対して位置決めする(
図2B~
図2C)前の装置の準備、及び/または骨/骨に隣接する皮膚への装置の固定が容易になり得る。任意選択で、ドリル進入部分12及び骨固定部分14の少なくとも1つの一部分は、インジケータを含む。任意選択で、例えば、ラチェット機構42のバー40などの装置の線形接続部分は、インジケータを含む。互いに対して移動可能である構成要素間の空間関係を示すためのインジケータは、当該技術分野で既知であり、本明細書ではさらに説明されない。
【0071】
ドリル進入部分12の本体近位端28で、ハンドル接続部分50が任意選択で形成され得、でハンドル16は、ドリル進入部分の周りに半径方向に位置決めされたいくつかの別々の場所の1つでドリル進入部分12に接続され得る。しかしながら、任意選択で、装置はハンドルを含まない場合もあれば、
図2Aに示されるものとは異なった構成を有するハンドルを含む場合もあることに留意されたい。
【0072】
図3A~
図3Dを参照すると、その遠位端にバー40、及びその近位端にハンドル接続部分50を有する本体20を含むドリル進入部分12が示されている。
【0073】
示されている実施形態では、ハンドル接続部分50は、ハンドルを、ドリル進入部分の上側、下側、右側、及び左側で選択可能に接続することを可能にするために、4つの接続ステーション52a~52dを含み、本体20のそれぞれの上側、下側、右側、及び左側ごとに1つのステーションが位置決めされる。任意選択で、装置は、任意の他の適切な場所で任意の他の適切な数の接続ステーションを具備し得る。任意選択で、ハンドル接続ステーションは、ハンドル接続部分50の周りに半径方向に離間している。
【0074】
接続ステーション52a~52dのそれぞれは、ドリル進入部分12の本体近位端28から突出する細長いバー54を含む。各バー54は、基部56及び外縁58を有する。バー54は、台形の断面を有しており、その結果、細長いV字形の凹部が、その基部56に隣接して、バー54の両側に設けられ得る。
【0075】
図5A~
図5Cをさらに参照すると、ドリル進入部分12上のハンドル接続部分50に取り付けられ得るハンドル16が示されている。ハンドル16は、装置のユーザーの手のひらに保持されるために任意選択で成形され得る背面70を含む。ハンドル16はまた、装置のユーザーの指を置くための複数の曲線状の部分74を任意選択で有する前面を有する。
【0076】
ハンドル16の上端は、ドリル進入部分12のバー54の断面にサイズ及び形状が一致する台形の断面を有する細長い凹部76を具備し得る。凹部76の長さは、バー54の長さと実質的に同じであってよい。ハンドル16及びドリル進入部分12の近位端28のこの特定の構造によって、4つの接続ステーション52a~52dのいずれか1つでハンドル16をドリル進入部分12と容易に接続することが可能になる。
【0077】
ハンドル16をドリル進入部分12に接続するために、ユーザーは、最初に、4つの接続ステーション52a~52dのどれが、実行される特定の処置のためにハンドルを接続するために最も適し得るのかを決定する。これは、ユーザーが、ハンドル16をドリル進入部分12の上方に、下方に、または片側に位置決めすることを希望するのかどうかに依存する場合がある。例えば、接続ステーション52bが選択される場合、これは、
図2Aに示されるように、ハンドルがドリル進入部分12の側面にある状態で装置を保持することを可能にし、
図2B~
図2Cに示されるように、ハンドルが骨2の下方に保持された状態で装置を保持することを可能にする。あるいは、他の接続ステーション52a、52c、または52dのいずれかが選択される場合、これは、ハンドルで装置をそれぞれドリル進入部分12の上方に、ドリル進入部分の右側に、またはドリル進入部分の左側に保持することを可能にする(ハンドル16が、接続ステーション52a、52c、及び52dの1つで接続され得るこれらの構成は、図面に図示されていない)。これらの構成のいずれかは、外科医が、例えば、処置部位のよりよい視認性を可能にし得る、及び/または処置部位へのより容易なアクセスを可能にし得る特定の角度から骨を保持することを可能にし得るという点で潜在的な利点を提供し得る。
【0078】
ハンドル16をドリル進入部分12に接続するために、ハンドルは、ハンドル凹部76がドリル進入部分のバー54と位置合わせされた状態で、ドリル進入部分に近位に保持され得る。バー56は、それが凹部内に完全に位置決めされるまで、凹部76に挿入及び摺動され得る。装置10は、ハンドル16とドリル進入部分12との間の接続を維持するために、ドリル進入部分12のバー54とハンドル16の凹部76との間に摩擦嵌めを具備し得る。あるいは、ハンドル16とドリル進入部分12との間の接続を維持するために、任意の他の適切な機構が設けられてもよい。
【0079】
ハンドルは、ドリルまたは他の要素のチャネル(複数可)24への挿入に干渉しないように、
図2Aに最も明確に見られるように、本体20の下方で、チャネル近位端(複数可)38に遠位の位置に接続され得ることに留意されたい。
【0080】
任意選択で、装置10は、任意の適切な位置でドリル進入部分に接続された任意の他の適切なタイプのハンドルを含み得る。任意選択で、装置10は、ハンドルを含まない場合がある。
【0081】
さらに
図4A~
図4Cを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による骨固定部分14が示されている。骨固定部分14は、本明細書でさらに説明される、本体80がドリル進入部分12に接続され得る近位端82と、一対のスパイク90を含む遠位端84とを有する細長い本体80を有する。
【0082】
本体80は、そこを通って延びる通路86を有し、通路86は、より狭い上部86aと、より広い下部86bとを含む。
図4Cに最も明確に示されるように、本体80は、通路86につながる開口部89を有する下面88を有する。あるいは、下面88に開口部がない場合もある。これは、下面88がより大きい場合があり、それによって骨に接触する可能性があるより多くの表面積を提供するという点で潜在的な利点を提供し得る。
【0083】
通路下部86bは、ドリル進入部分12(
図3A)のバー40を摺動で受け入れるサイズ及び形状にし得る。通路上部86aは、バー40上で歯41に係合するための爪または歯(図示せず)、骨固定部分14の本体80を具備し得、それによってドリル進入部分12を骨固定部分14に接続するためのラチェット機構42(
図2D)を画定する。バー40及びラチェット機構42の通路下部86bは、バー40が通路下部86bに挿入され得るように構成されており、ドリル進入部分12及び骨固定部分14は、軸22に平行である場合がある通路内でそれらを軸方向に摺動することによって互いに対して移動可能であり、ラチェット機構42は、ドリル進入部分12及び骨固定部分14を互いに対して所定の位置にロックする。ラチェット機構は当該技術分野で十分に既知であるので、これはここでは詳細に説明されない。骨に接触し、係合する(及び/または骨に隣接する皮膚)ようにドリル進入部分12及び骨固定部分14を互いに向かって摺動することが、本明細書でさらに説明される。
【0084】
本体80の遠位端84は、本体80の下方に延びる下部91を含み、そこから一対のスパイク90が垂下する。任意選択で、スパイクは、それぞれ本体80の下方に同じ距離垂下する。スパイク90は、下部91から延び、本体80の一部の下方で近位に向けられるため、スパイクの先端92は、スパイク90の最も近位部分を画定する。スパイク90は、それぞれ、装置が組み立てられるときにドリル進入部分の軸22に平行であってよい長手方向軸94を有する(
図2A)。スパイク90は、それぞれ、本明細書に説明されるように、任意選択で骨に隣接する皮膚を介して骨に係合及び把持するために適した鋭利な先端92を具備する。
【0085】
穿設処置で使用する前に、ハンドル16は、ドリル進入部分12のバー54をハンドル16の凹部76内に摺動することによってドリル進入部分12に取り付けられ得る。
図2A~
図2Bに示される実施形態では、(ハンドル接続ステーション52bで)ドリル進入部分12の下面にある場合があるバー54は、ハンドル16の凹部76内に摺動されており、その結果ハンドル16は、ドリル進入部分12に接続され得る。
【0086】
ドリル進入部分12を骨固定部分14に堅固に接続するために、ドリル進入部分12のバー40は、骨固定部分14の通路下部86bに挿入され、その中にわずかに摺動され得る。装置は、骨固定部分14の本体下面88が骨2の上面3cに隣接する皮膚に接触した状態で、骨2に隣接する皮膚に位置決めされ得る。骨固定部分14の本体80は、それによってドリル進入部分12の本体20に対して偏位する場合がある。任意選択で、骨固定部分14の下面88は、骨上面3c上方の皮膚を介して骨上面3cにしっかりと係合し、外科処置中に骨固定部分14と骨2との間の相対的な移動を防ぐために、例えばテクスチャ加工された表面などの滑らない表面を含む。これは、本明細書にさらに詳細に説明される。
【0087】
ドリル進入部分12及び骨固定部分14は、ドリル進入部分12の把持面34が骨2の第1の側面3aに接触し、係合し、スパイク90の先端92が、骨の第2の側面3bに隣接する皮膚を介して、第1の側面3aとは反対の骨2の第2の側面3bに係合するまで、互いに向かって移動し、バー40をさらに通路下部86b内に摺動することによって所定の位置にロックされる。あるいは、スパイク90の少なくとも1つは、骨2の下側3dに隣接する皮膚に接触し、それによって骨2の下側3dに係合し得る。これによって、骨は3つの側面、すなわち側面3a、3b、及び3dで係合され得、骨のよりしっかりとした把持を提供し得るという点で潜在的な利点を提供する。
【0088】
外科処置が実行された後、ドリル進入部分12及び骨固定部分14は、互いから離れて軸方向に移動し、装置10を骨(及び/または骨に隣接する皮膚)から係合解除し得る。この特徴は、装置の部分が、処置前に骨の対向する側面に係合し、任意選択で骨の少なくとも1つの側面上で皮膚に係合するように容易に操作され得、処置部位にさらに外傷を引き起こすことなく処置の部位から係合を解除するように容易に操作し得るという点で、別の潜在的な利点を提供する。任意選択で、カップリングは、第1の部分と第2の部分との間の恒久的な接続部であってよく、装置の追加の部分は、骨に隣接する皮膚との係合のために骨に向かって移動可能であり得る。
【0089】
あるいは、骨固定部分14の本体下面88が、
図2Cに示されるように、骨2の上面3cに隣接する皮膚と直接的に接触する代わりに、装置10は、骨の第3の側面3cに隣接する皮膚に接触するために、例えばバー40の下面で垂下する支持部材(図示せず)を具備し得る。このような支持部材は、第2及び第3の実施形態に関して、
図6A~
図9Bに関して詳細に説明され、ここでは説明されない。このような支持部材は、第2及び第3の実施形態(
図6A~
図9B)に関して本明細書に説明されるように、ドリル進入部分12の骨2の第1の側面3aとの位置合わせを容易にし得る。
【0090】
示される実施形態では、把持面34が、ドリル進入部分12と骨2との間に複数の接点を提供することに留意されたい。任意選択で、把持面34に設けられた少なくとも2つの接点は、チャネル24に対して半径方向に外側に設けられ、その結果、チャネル24は、把持面に設けられた2つの接点間に配置される。さらに、示される実施形態では、一対のスパイク90は、骨の第2の側面3bで、骨固定部分14と骨2に隣接する皮膚との間に追加の2つの接点を提供する。
【0091】
任意選択で、スパイク90の少なくとも1つは、骨の下側3dに隣接する皮膚に少なくとも部分的に接触し得、それによって装置10と骨2(または骨に隣接する皮膚)との間に少なくとも1つのさらなる接点を提供する。任意選択で、上述のように、チャネル24のそれぞれは、本体遠位端26から突出し得、それによって各チャネル24は、骨に接触するための少なくとも1つの点を提供し、スパイク90はそれぞれ、骨固定部分14と骨2に隣接する皮膚との間に少なくとも1つの追加の接点を提供する。
【0092】
さらに、骨固定部分14の本体80の下面88は、上述のように、骨に隣接する皮膚との、具体的には骨の上側3cに隣接する皮膚上にさらなる接点を提供し、これは追加の安定性を提供し、それによって外科処置中の装置10と骨2との間の相対的な移動を防ぐ。
【0093】
しかしながら、装置10が、装置と骨2(及び/または骨に隣接する皮膚)との間に最低でも3つの接点があるように特に設計されることに留意されたい。少なくとも3つの接点は、ドリル進入部分12と骨の第1の側面3aとの間の少なくとも単一の接点と、骨固定部分14と骨の第2の側面3b(または骨の第2の側面3bに隣接する皮膚)との間の少なくとも一対の接点とを含み得る。あるいは、少なくとも3つの接点は、ドリル進入部分12と骨の第1の側面3aとの間の少なくとも一対の接点と、骨固定部分14と骨の第2の側面3b(または骨の第2の側面3bに隣接する皮膚)との間の少なくとも単一の接点とを含み得る。任意選択で、第1、第2、及び第3の接点は単一の平面内に位置する。
【0094】
任意選択で、ドリル進入部分12は、骨の第1の側面3aに接触し、係合するための少なくとも単一の接点を含み、骨固定部分14は、骨の第2の側面3b(または骨の第2の側面3bに隣接する皮膚)に接触し、係合するための少なくとも一対の接点を含み、ドリル進入部分12は、骨2の第1の側面3aに接触し、係合するための第4の接点をさらに含む。任意選択で、第1、第2、第3、及び任意選択の第4の接点は、それぞれ第1の接点と第4の接点との間、及び第2の接点と第3の接点との間に少なくとも一対の平行な側面を有する四辺形を画定する。骨2(及び/または骨に隣接する皮膚)の少なくとも2つの対向する側面に位置する少なくとも3つの接点を設けることによって、装置10は、骨に対する強化された安定性を提供され得、例えば本明細書に説明されるように、骨への穿設及び/またはアンカー挿入などの外科処置中に、骨をしっかりと把持することを可能にする。上述のように、装置10と骨(及び/または骨に隣接する皮膚)との間のさらなる接点は、本明細書に説明されるようにさらなる安定性を提供し得る。
【0095】
図2B~
図2Cは、例えば、膝蓋骨が堅固に係合される外科処置中など、本発明のいくつかの実施形態による、膝蓋骨などの骨2に係合する装置10を示す。
図2Cで、膝650及び患者の脚の隣接する部分が示されており、膝蓋骨2及び装置10の一部分が点線で示されており、膝蓋骨及び装置10のその部分が、患者の皮膚の真下にあることを示している。
図2Bでは、明確にするために膝蓋骨自体を除く患者の脚のすべての部分が削除されていることを除き、
図2Bは、
図2Cにおいてと同一の装置10及び膝蓋骨2を示す。
【0096】
図2Cでは、少なくとも1つのボアを穿設することが所望される、膝蓋骨2の側面に切開652が行われたことが分かる。ドリル進入部分12の本体20上の把持面34を含む装置10の一部分は、把持面34が膝蓋骨2に接触するように十分な距離、切開部652に挿入されている。骨固定部分14の本体80は、膝蓋骨の上面3cの上部の皮膚に置かれるように配向される。ドリル進入部分の本体20及び骨固定部分の本体80は、スパイク90が膝蓋骨の側面3bに隣接する皮膚に係合し、それによって本明細書で説明されるように、複数の接点で膝蓋骨に接触するまで、ラチェット機構42(
図2D)を介して互いに向かって軸方向に移動している。
【0097】
図6A~
図6Bを参照すると、本発明の第2の実施形態による骨ドリル案内装置100が示されている。装置100の構成要素のいくつかは、装置の第1の実施形態の類似する構成要素(
図2A~
図5C)と構成及び機能で類似するので、それらは再び詳細に説明されない。
【0098】
装置100は、骨の第1の側面に係合するための、それを介してドリルを骨の第1の側面に対して案内し得るドリル進入部分112と、骨2の第2の側面3bに係合するための骨固定部分114とを含む。ドリル進入部分112及び骨固定部分114は、ともに、装置100と骨2及び/または骨に隣接する皮膚との間に少なくとも3つの接点を提供する。
【0099】
ドリル進入部分112は、長手方向軸122を有する本体120を有し、本体120は、そこを通って本体120の近位端128から本体120の遠位端126へ延びる少なくとも1つのチャネル124を含む。各チャネル124は、そこを通って延びるボア130を有する。各チャネル124は、骨ドリルを受け入れるサイズにされ得、これは本明細書にさらに説明される。
【0100】
図示される実施形態では、ドリル進入部分112は、軸122に平行である2つのチャネル124を具備し得る。ボア130の中心点132(
図6A)間の距離は、例えば5mmであってよい。しかしながら、実行される処置、ならびに穿設されるボアの数及びボアの相対的な位置に応じて、任意の数のチャネルが、任意選択で設けられ得、チャネルは、互いに対して事前に選択された任意の向きで配置され、ボアの中心点は任意の選択された距離、離間しており、チャネルは、任意の選択された構成で本体内に位置決めされる。例えば、正方形を画定する位置で骨に4つのアンカーを挿入することが所望される場合がある処置では、骨ドリル案内装置は、中心が正方形に構成される4つの平行なチャネルを含み得る。
【0101】
図示される実施形態では、チャネル124はカニューレに似ており、各チャネル124の近位端138は本体近位端128を越えて延びる。しかしながら、所望される場合、チャネルの近位端は、代わりに本体近位端128を越えて延び得るのではなく、むしろ本体近位端128と同一平面であってよい。これは、骨に接触するためのより広い把持面を装置に提供し得るという点で潜在的な利点を有し得る。
【0102】
図7をさらに参照すると、本体遠位端126は、骨2の第1の側面3aに接触し、本体120が骨に対して移動するのを防ぐために適した、
図6Aに最も明確に見られる概して三角形の把持面134を具備し得る。図示される実施形態でのように、把持面134は、本体120の遠位端126よりも幅広い場合があり、本体遠位端126に対して横方向及び下方向の両方に延び得る。任意選択で、把持面134は、本体120の側面を越えて外側に延びない場合がある。任意選択で、把持面は、本体120の遠位端126よりも狭い場合がある。把持面134はまた、一対の上部スパイク152と下部スパイク154を具備し得、下部スパイクは上部スパイク152のそれぞれよりも短く、狭い。任意選択で、上部スパイク152及び下部スパイク154のそれぞれは、同じサイズであってよい。あるいは、把持面134は、骨2に係合し、骨に対する本体120の移動を防ぐために、任意の構成で位置決めされた任意の適切な数のスパイクを具備し得る。これは、装置が、装置の長手方向軸に対して対称ではない形状を有する骨をよりうまく把持し得るという点で潜在的な利点を有し得る。任意選択で、下部スパイク154は、骨2の下面3d(
図7)に係合するように構成され得る。
【0103】
上部スパイク152及び下部スパイク154がともに上底面を有する二等辺三角形を画定することに留意されたい。任意選択で、三角形は正三角形であってよい。あるいは、把持面134は、単一の上部スパイクと、二等辺三角形または正三角形をともに画定する一対の下部スパイクとを具備し得る。これは、骨を把持するためによりうまく位置決めされ得るスパイクを提供するという点で潜在的な利点を有し得る。
【0104】
図示される実施形態では、上部スパイク152及び下部スパイク154はそれぞれ、ドリル進入部分112の軸122に平行であってよい軸(図示せず)を有する。あるいは、上部スパイク及び/または下部スパイクは、ドリル進入部分112の軸122に対して任意の他の向きを有する軸を有してもよい。これは、装置の長手方向軸に対して対称ではない形状を有する骨に係合及び固定するための潜在的な利点を提供し得る。
【0105】
図示される実施形態ではさらに、上部スパイク152が、一対のボア130の両側の位置の把持面134に位置することにも留意されたい。任意選択で、上部スパイクは、一対のボア130間の位置で把持面134に位置してよい。
【0106】
任意選択で、把持面134はスパイクを含まない場合があり、チャネル124は、(チャネル近位端138が、
図6Bで、本体近位端128を越えて延びるのと同様に)本体遠位端126から突出し得、その結果、突出した各チャネル自体が、骨の第1の側面3aに接触し、係合するための少なくとも1つの点を提供する。これは、本明細書にさらに説明される。
【0107】
ドリル進入部分112及び骨固定部分114は、ドリル進入部分112と骨固定部分114との間に延びるアーチ形の結合要素140によって互いに堅固に接続され得る。具体的には、アーチ形の要素140の近位端192は、把持面134にすぐ近位のドリル進入部分本体120の一部分に接続され得、アーチ形の要素140の遠位端193は、骨固定部分114の垂直支持体180に接続され得る。あるいは、アーチ形の要素140は、本体遠位端126と本体近位端128との間の、ドリル進入部分本体120に沿った任意の部分で接続され得る。あるいは、ドリル進入部分112及び骨固定部分114を互いに接続するための、及び特に、ドリル進入部分112及び骨固定部分114を互いに堅固に接続するためのアーチ形の要素140の代わりに、任意の適切な接続要素が設けられ得る。これは、骨から突出する場合がある骨のあらゆる部分の周りに延びながら、装置が骨に係合することを可能にする点で潜在的な利点を提供し得る。任意選択で、アーチ形の要素140は、ドリル進入部分112の本体120に結合され得、例えばスナップ嵌め接続などの任意の適切な機構によって本体120から分離され得る。
【0108】
任意選択で、アーチ形の要素140は、ドリル進入部分112及び骨固定部分114が互いに向かって移動することを可能にする2つの別々の結合部分(図示せず)から形成され得る。任意選択で、2つの結合部分は、第1の実施形態に関して上述され、
図2A~
図4Cに示されたものに類似するラチェット機構をともに画定する。
図2Dに示されるラチェット機構42は、ドリル進入部分12及び骨固定部分14が互いに向かって軸方向に移動することを可能にするが、所望される場合、装置100が、ドリル進入部分112及び骨固定部分114が互いに向かって移動し、それらが骨2に係合するときに所定の位置にロックされることを可能にするアーチ形の部分を含むラチェット機構を具備し得ることに留意されたい。
【0109】
アーチ形の要素140は、任意選択で、アーチ形の要素140の下面188から下方に延びる垂下する支持部材142を具備し得る。支持部材142は、骨2の上面3cに隣接する皮膚に接触し、係合するための下部接触面144を含む(
図7)。本明細書に説明されるように、支持部材142は、ドリル進入部分112の骨2の第1の側面3aとの位置合わせを容易にし得る。任意選択で、下部接触面144は、円形の輪郭を有し得、例えば、15mmなどの直径を有し得る。
【0110】
任意選択で、下部接触面144の約7mm下方に位置決めされた各ボア130の中心132。これによって、各ボアが、骨の上面3cの最高点から約7mm下方の位置で骨2に穿設されることが確実になり得る。
【0111】
任意選択で、接触面144は、皮膚を介して骨上面3cにしっかりと係合し、外科処置中の支持部材142と骨2との間の相対的な移動を防ぐために、例えばテクスチャ加工された表面などの滑らない表面であってよい。任意選択で、支持部材142は、骨上面3cに向かって、及び骨上面3cから離れて伸長可能であってよく、その結果、装置100は、骨2の形状及びサイズに従って調整され得る。任意選択で、支持部材142は、支持部材142の回転によって、下面188に対して伸縮され得る。これによって、皮膚を介した装置100と骨2との間のより良好な係合が可能になり得、外科処置中に装置100に対して骨のより確実な安定化を提供する上で役立ち得る。
【0112】
ドリル進入部分112の本体近位端128に隣接して、ハンドル116は、本体120の下方に任意選択で堅固に接続され得る。ハンドル116とドリル進入部分112との間の接続は、ドリルまたは他の要素のチャネル(複数可)124への挿入を干渉しないように、チャネル近位端138に遠位の場所にあるが、ハンドル116が、チャネル近位端(複数可)138に概して遠位に位置決めされ得ることに留意されたい。ハンドル116は、ハンドル116が、ドリル進入部分112に容易に着脱可能となり得ないことを除き、構成及び機能においてハンドル16に類似している(
図2A)。あるいは、ハンドル116は、ドリル進入部分112に着脱可能であってよい。これは、処置部位の視認性の向上を可能にする、及び/または処置部位へのより良好なアクセスを可能にするという点で潜在的な利点を有し得る。任意選択で、装置100は、任意選択で本体120の任意の適切な場所に、より小さいハンドルを具備し得る。任意選択で、装置100は、ハンドルを含まない場合がある。
【0113】
骨固定部分114は、アーチ形の要素140から下方に延びる垂直支持体180を含む。垂直支持体180は、垂直支持体のほぼ中心(図示せず)に位置するボア181を具備し得、ボアは垂直支持体を通ってその遠位側182から近位側183に延びる。ボア186を有するU字形のブラケット191は、垂直支持体180の遠位側182に取り付けられ得る。垂直支持体180のボア181及びブラケット191のボア186は、軸方向に位置合わせされており、例えば、ドリル進入部分112の軸122に平行であってよい軸194を有するねじ190などの調整可能な固定要素を受け入れるサイズ及び形状にされ得る。任意選択で、ねじ190及びドリル進入部分112は同軸である。
【0114】
ブラケット191及び垂直支持体180は、ねじ190に支持を提供し、
図6Bに示される水平位置にねじを保持する。ブラケット191はU字形の構成を有するとして示されているが、任意選択で、ブラケット191は、ねじ190を支持する任意の他の適切な構成を有し得る。
【0115】
ねじ190は、ヘッド部分195とねじ付きシャンク196とを含み、ヘッド部分は遠位に位置決めされ、ねじ先端197は軸194に沿って近位に位置決めされる。ねじは、ボア181及び186内で回転可能であってよく、それによって第1の方向の回転によってねじは軸方向に及び近位に移動し得、第1の方向とは反対の第2の方向での回転によって、ねじは軸に沿った遠位方向に移動し得る。
【0116】
図示される実施形態では、ともに上述される、ドリル進入部分112の軸122に平行である上部スパイクの相対的な向き、及びねじ190の向きにより、上部スパイク152の先端184及びねじ190の先端197はともに、上部スパイク152の先端184間に底辺を有する三角形を画定することに留意されたい。
【0117】
使用前に、ねじ190は、軸方向に及び遠位に移動するために回転され得、それによってねじ先端197と、上部スパイク152の先端184との間の距離を拡大し得る。ねじ190は、十分に回転されて遠位に移動して、骨2の一方の側面3aの上部スパイク152及び/または下部スパイク154と、骨2の他方の側面3b上のねじ190との間に骨2を配置するための十分な空間を提供し得る。骨2にしっかりと係合し、把持するために、装置100は、アーチ形の要素140が、骨の上方に位置し、任意選択で支持部材142の支持面144が、骨2の上面3c(
図7)に隣接する皮膚に接触し、少なくとも上部スパイク152が、骨の第1の側面3aに接触するように、骨2に対して位置決めされ得る。ねじ190は、ねじ先端197が、骨の第2の側面に隣接する皮膚を介して、骨2の第2の側面3bに係合するまで、回転され、近位に移動し得る。任意選択で、下部スパイク154は、骨の側面3aに係合する場合もあれば、骨の下側3dに係合する場合もある。
【0118】
図示される実施形態では、一対の上部スパイク152がそれぞれ、骨の側面3a上でドリル進入部分112と骨2との間に接点を提供し、ねじ先端197が、骨の側面3b上で骨固定部分114と骨(または骨に隣接する皮膚)との間に接点を提供することに留意されたい。
【0119】
上部スパイク152及びねじ190は、それらが、骨2の第1の側面3a上に底辺を有する二等辺三角形の形状内に位置決めされた接点を画定するように互いに対して位置決めされる。任意選択で、画定された三角形は、水平面内にあってよい。
【0120】
任意選択の支持部材142は、上述のように、装置100と骨2に隣接する皮膚との間に、具体的には骨の上側3cに隣接する皮膚上にさらなる接点を提供し得、これは追加の安定性を提供し、それによって外科処置中の骨2の移動を防ぐ。さらに、下部スパイク154は、その下面3dで骨とのなおさらなる接点を提供し得る。しかしながら、装置10(
図2A~
図5C)に関して上述されたように、装置100は、装置と骨2(及び/または骨に隣接する皮膚)との間に最低でも3つの接点があるように特に設計される。
【0121】
少なくとも3つの接点は、例えば上部スパイク152によって提供される、ドリル進入部分112と骨の第1の側面3aとの間の少なくとも2つの接点と、ねじ190によって提供される、骨固定部分114と骨の第2の側面3bに隣接する皮膚との間の少なくとも1つの接点とを含み得る。あるいは、いくつかの実施形態では、少なくとも3つの接点は、ドリル進入部分112と骨の第1の側面3aとの間の少なくとも1つの接点と、骨固定部分114と骨の第2の側面3bに隣接する皮膚との間の少なくとも2つの接点とを含み得る。
【0122】
骨2(及び/または骨に隣接する皮膚)の少なくとも2つの対向する側面に位置する少なくとも3つの接点を設けることによって、装置100は、骨に対する安定性を提供され得、例えば本明細書に説明されるように、骨への穿設及び/またはアンカー挿入などの外科処置中に、骨をしっかりと把持することを可能にする。上述のように、装置100と骨(及び/または骨に隣接する皮膚)との間のさらなる接点は、本明細書に説明されるようにさらなる安定性を提供し得る。
【0123】
図8A及び
図8Cを参照すると、本発明の第3の実施形態による骨ドリル案内装置200が示されている。装置200の構成要素のいくつかは、上述の装置の第1及び/または第2の実施形態の類似する構成要素と構成及び機能で類似するので、それらは再び詳細に説明されない。
【0124】
装置200は、骨の第1の側面に係合するための、それを介してドリルを骨の第1の側面に対して案内し得るドリル進入部分212と、骨2の第2の側面3bに係合するための骨固定部分214とを含む。ドリル進入部分212及び骨固定部分214は、ともに、装置100と骨2及び/または骨に隣接する皮膚との間に少なくとも3つの接点を提供する。
【0125】
ドリル進入部分212は、
図9Bに最も明確に示される長手方向軸222を有する細長い本体220を有する。本体220は、そこを通って本体220の近位端228から本体220の遠位端226に延びる少なくとも1つのチャネル224を含む。各チャネル224は、そこを通って延びるボア230を有する(
図9A)。各チャネル224は、本明細書にさらに説明されるように、骨ドリルを受け入れるサイズにされる。
【0126】
図8A~
図8Cに示される実施形態では、ドリル進入部分212は、軸222に平行である2つのチャネル224を具備し得る。ボア230の中心点232(
図9A)間の距離は、例えば約5mmであってよい。しかしながら、実行される処置に応じて、任意の数のチャネルが設けられ得、チャネルは互いに対して任意の事前に選択された向きで配置され、ボアの中心点は、任意の選択された距離、離間し得、チャネルは任意の選択された構成で本体に位置決めされ得ることに留意されたい。例えば、正方形を画定する位置で骨に4つのアンカーを挿入することが所望される場合がある処置では、骨ドリル案内装置は、中心が正方形に構成される4つの平行なチャネルを含み得る。
【0127】
図8Aに示されるように、チャネル224はカニューレに似ており、各チャネル224の近位端238は本体近位端228を越えて延びる。しかしながら、所望される場合、チャネルの近位端は、代わりに本体近位端228を越えて延び得るのではなく、むしろ本体近位端228と同一平面であってよいことに留意されたい。
【0128】
図8B及び
図9A~
図9Bをさらに参照すると、本体遠位端226は、骨2の第1の側面3aに接触し、ドリル進入部分212の本体220が骨に対して移動するのを防ぐために適した第1の把持要素234を具備し得る。
【0129】
図示される実施形態では、第1の把持要素234は、任意選択で、開放端が遠位に向く概して円筒形状を有し得、把持要素234は、任意選択で、軸222に垂直な平面内に取られた楕円形の断面輪郭235(
図9A)を有し得る 。あるいは、第1の把持要素234は、例えば円形など任意の他の適切な断面輪郭を有し得る。これは、第1の把持要素234が、より多くの把持力を骨のより小さい領域に集中させ得、第1の把持要素234がチャネルボア230が楕円形の断面輪郭235内に位置するように、本体220の端部に配置され得るという点で潜在的な利点を有し得る。第1の把持要素234はまた、遠位に向けられた端縁248を含む複数の歯252を具備し得る。歯252は、骨2の第1の側面3a(
図8B)に係合し、把持し、骨に対する本体220の移動を防ぐサイズ及び形状にされる。本明細書に説明されるように第1の把持要素234を設けると、他のタイプの把持要素と比較して、骨の領域内に位置する半月板に損傷を引き起こすことなく、骨を把持するための構成要素が提供され得る。
【0130】
任意選択で、ドリル進入部分212は、第1の把持要素234を含まない場合があり、代わりに、チャネル224が、第2の実施形態に関して説明された方法と同様の方法で本体遠位端226から突出し得、その結果、突出する各チャネル自体が、骨の第1の側面3aに接触し、係合するための少なくとも1つの点を提供する。これは、本明細書にさらに説明される。
【0131】
ドリル進入部分212及び骨固定部分214は、任意の適切な手段によって互いに堅固に接続され得る。図示される実施形態では、ドリル進入部分212及び骨固定部分214は、ドリル進入部分212と骨固定部分214との間に延びるアーチ形の結合要素240によって互いに堅固に接続される。具体的には、アーチ形の要素240の近位端241は、第1の把持要素234にすぐ近位のドリル進入部分本体220の一部分に接続され得、アーチ形の要素240の遠位端243は、骨固定部分214の垂直支持体280に接続され得る。あるいは、アーチ形の要素240は、本体遠位端226と本体近位端228との間の、ドリル進入部分本体220に沿った任意の部分で接続され得る。あるいは、ドリル進入部分212及び骨固定部分214を互いに接続するための、及び特に、ドリル進入部分212及び骨固定部分214を互いに堅固に接続するためのアーチ形の要素240の代わりに、任意の適切な接続要素が提供され得ることにも留意されたい。任意選択で、アーチ形の要素240は、ドリル進入部分212の本体220に結合され得、例えばスナップ嵌め接続などの任意の適切な機構によって本体220から分離され得る。
【0132】
本発明の第2の実施形態に関して上述されるように、任意選択で、アーチ形の要素240は、ドリル進入部分212及び骨固定部分214が、互いに向かって移動し、それらが骨2に係合するときに所定の位置にロックされることを可能にする2つの別々の結合部分(図示せず)から形成され得る。
【0133】
アーチ形の要素240は、任意選択で、骨2の第3の側面3cに隣接する皮膚に接触するための垂下する支持部材242を具備し得、それによって支持部材242は、第2の実施形態(
図6A)に関して本明細書に説明される支持部材142に構造及び機能で類似し得るため、本明細書ではさらに詳細に説明されない。本明細書に説明されるように、支持部材242は、ドリル進入部分212の骨2の第1の側面3aとの位置合わせを容易にし得る。任意選択で、支持部材242は、骨2の第3の側面3cとのより良好な接触を提供するために、支持部材242が骨に向かって及び骨から離れるように移動し得るように調整可能であってよい。
【0134】
装置200は、本体近位端228に隣接してドリル進入部分212に選択可能に接続され得るハンドル216を具備し得る。ハンドル216は、外科処置中にユーザーによって把持されるように構成された、概して細長い部分206を含む細長い要素であってよい。ハンドルの細長い部分206は、その下端219で、ハンドル216の残りよりも幅広い場合がある基部208を具備し得る。基部208は、例えば、ハンドル216が概して垂直向きでテーブル(図示せず)に置かれるときに、ハンドル216を直立位置で維持することを可能にするために設けられ得る。
【0135】
ハンドルの細長い部分206の上端218は、ハンドル216を通って、その近位側215からその遠位側217に延びる、概して正方形の開口部204を有する概して正方形の部分202を含み得る。開口部204は、近位側227及び遠位側229を有する。開口部204は、本体220の近位端228を受け入れるためのサイズ及び形状にされ得る。開口部204は内面210を画定し、内面210は、開口部204の周りに延びる。ハンドル部分202はまた、内面210に接続されたレバー201を具備し得る。レバー201は、開口部204の中から近位に延びる近位端部211と、開口部204内で開口部近位側227と開口部遠位側229との間に配置される遠位端213とを有する。レバー遠位端213は、内面210に対して半径方向に内側に付勢される場合がある突起部205を具備し得る。
【0136】
本体近位端228は、概して正方形の断面輪郭を有し、本体遠位端226よりも任意選択で幅広い場合がある。任意選択で、本体近位端228は、本体遠位端226の断面輪郭よりも狭い断面輪郭を有する。任意選択で、本体近位端228の断面輪郭は、本体遠位端226の断面輪郭よりも狭くない場合がある。本体近位端228は、本体近位端228の周囲の周囲に延びる溝260を具備し得る。
【0137】
本体近位端228及びハンドル216が
図8Dにおいてのように配向され、位置合わせされるとき、本体近位端228は、本体近位端が開口部204の遠位側229に嵌るまで、ハンドル216内の開口部204に向かって移動され得る。本体近位端228が突出部205に接触するように開口部204内に十分に深く挿入されると、本体近位端228は、内面210の方向で突出部205に力を加え、それによってレバー201を下方に偏向させ得る。突出部205は、本体近位端228上で摺動可能であってよい。突出部205が溝260に達すると、突出部205は下方に付勢されて溝に入り、レバー201は、解放され、上方に移動し得る。これにより、ハンドル216とドリル進入部分212との間にスナップ嵌め接続が提供され、これらの構成要素を互いに対して接続された状態で保持し得る。
【0138】
ハンドル216をドリル進入部分212から分離することが所望されるとき、レバー近位端211は押し下げられ得、それによって突出部205を溝260から解放し、本体近位端228がハンドル開口部204から滑り出ることを可能にする。
【0139】
本体近位端228及びハンドル上部218が対応する概して正方形の形状を有すること、ならびに溝260が本体近位端228の周囲全体の周りに延びることに留意されたい。したがって、ハンドルは、4つの異なる向きのいずれか1つで、すなわちハンドルの細長い部分206がドリル進入部分212の上方で、ドリル進入部分212の下方(
図8Aに示されるように)に位置決めされた状態でドリル進入部分212に、またはドリル進入部分212の両側に取り付けられ得る。
【0140】
ドリル進入部分212に対してハンドル216の選択可能な向きを提供することによって、実行される特定の処置、処置部位の物理的な構造、及び外科医の個人的な好みに応じて、特定の向きの選択が可能になることに留意されたい。
【0141】
本発明の第3の実施形態は、ハンドルを本体近位端に保持することを可能にする、本体近位端228の上に溝260、及びハンドル開口部204に突出部205を有するとして説明される場合があるが、代わりに、ハンドル216及びドリル進入部分212を取り付け、それらの間に、例えば、第1の実施形態(
図2D)に関して示されたものなどの接続部を維持するために、任意の他の適切な機構が設けられ得ることに留意されたい。あるいは、本発明による装置は、例えば、第2の実施形態に関して説明されるように、ドリル進入部分に恒久的に取り付けられ得るハンドルを含み得る。
【0142】
ハンドル216は、例えば、
図8Aに、ドリルまたは他の要素のチャネル(複数化)124への挿入に干渉しないように、チャネル近位端(複数可)238に遠位に位置決めされているとして示されることにも留意されたい。
【0143】
あるいは、装置200は、ドリル進入部分212上に任意の他の適切なタイプのハンドルを含んでもよい。任意選択で、装置200は、ドリル進入部分212上にハンドルを含まない場合がある。
【0144】
上述のように、骨固定部分214は、アーチ形の要素240から下方に延びる垂直支持体280を含む。垂直支持体280は、垂直支持体のほぼ中心(図示せず)に位置するボア281を具備し得、ボアは垂直支持体を通ってその遠位側282から近位側283に延びる。垂直支持体280の遠位側282は、ボア286を有する延長部291を具備し得る。垂直支持体280のボア281及び延長部291のボア286は位置合わせされており、例えば、第2の把持要素254が接続されたねじ290などの調整可能な固定要素を受け入れるサイズ及び形状にされており、ねじ290と第2の把持要素254はともに軸294に沿って位置決めされる。任意選択で、軸294は、ドリル入口部212の軸222に平行であってよい。任意選択で、ねじ290及びドリル進入部分212は同軸である。
【0145】
第2の把持要素254は、任意選択で、近位に向く開放端を有し、複数の歯257を具備する近位に向く表面256を有する、概してカップ形状の構成を有する。第2の把持要素254は、任意選択で概して円筒形の形状を有し得、任意選択で、軸222に垂直な平面内に取られた円形の断面輪郭を有し得る。あるいは、第2の把持要素254は、例えば楕円形など、任意の他の適切な断面輪郭を有してもよい。これは、第1の把持要素234が、より多くの把持力を骨のより大きい領域に集中させ得るという点で潜在的な利点を有し得る。
【0146】
第2の把持要素254の歯257は、骨2の第2の側面3bに隣接する皮膚(図示せず)に係合するために近位に向けられて、それによって骨2の第2の側面3bに係合し、把持する(
図8B)。第2の把持要素254はまた、歯257に対して遠位に延びるネック253を含み、ネック253にはボア255が形成されている。
【0147】
本明細書に説明されるように第2の把持要素254を設けると、他のタイプの把持要素と比較して、骨の領域内に位置する半月板に損傷を引き起こすことなく骨を把持するための構成要素が提供され得る。
【0148】
延長部291は、幅が広くされた遠位部分292を具備し得る。遠位部分292は、遠位面293を有し、延長部291に対して横方向に延びる一対のフィンガーグリップ262及び264を含む。
図9Bの実施形態では、フィンガーグリップ264は、フィンガーグリップ262が延びるよりさらに横方向に延びる。しかしながら、所望される場合、フィンガーグリップ262及び264は、任意の所望の長さを有し得、任意選択で同じ長さであってもよい。長穴266は、遠位面293に設けられ得、長穴は延長部291の内部に延びる。延長部291は、細長い開口267がある場合がある横方向の外面298を有し得る。
【0149】
さらに
図8Cを参照すると、ねじ290は、ねじ遠位端297にヘッド部分287、ねじ付きシャンク288、及びねじ近位端296に隣接する狭い部分295を含む。
【0150】
骨固定部分214を組み立てるために、ねじ近位端296は、延長部291内のボア286を通して、及び垂直支持体280内のボア281を通して挿入され得、その結果、ねじ近位端296は、垂直支持体280を通って延びる。第2の把持要素254は、狭いねじ部分295を、第2の把持要素254のボア255に挿入することによってねじ近位端296に取り付けられ得る。あるいは、第2の把持要素254のネック253は、ねじ290の狭い部分295に挿入され得る。
【0151】
骨固定部分214が組み立てられると、ねじ290は、垂直支持体280のボア281、及び延長部291のボア286内で回転可能となり得、それによってねじ290が第1の方向で回転すると、ねじ及び取り付けられた第2の把持要素は、近位に移動し得、ねじ290が第1の方向とは反対の第2の方向で回転すると、ねじ及び取り付けられた第2の把持要素254は遠位方向に移動し得る。本明細書にさらに説明されるように、そのような移動によって、第1の把持要素234と第2の把持要素254との間の距離は変化する。
【0152】
さらに
図10を参照すると、装置200は、第1の把持要素234と第2の把持要素254との間の距離を維持するための一方向ロック機構300を具備し得る。任意選択で、ロック機構300は、当該技術分野で既知であるように任意のタイプのラチェット機構を含む場合がある。具体的には、図示される実施形態では、ロック機構300は、止めねじ312及びロック要素302を含み、図示される実施形態では、ロック要素302は、第1の端部306及び第2の端部308を有する細長い可撓部分304であってよい。ロック要素302の第1の端部306に隣接して、ボア310が配置され得る。
【0153】
ロック要素302の第2の端部は、延長部291の内部に延びるように長穴266(
図9B)に挿入され得る。その結果、ロック要素302は開口267で可視となり、ロック要素302の第2の端部308がねじ山T1とT2(
図10)との間でねじ山289に係合するまで、延長部291の内部にさらに前進し得る。止めねじ312は、次に延長部291のボア316に最初に挿入され、次にロック要素302のボア310(
図8C)に挿入されて、ロック機構300を作動させ得る。止めねじ312を右回りに回転させることによって、止めねじ312は、ロック要素302に対して締め付けられ、それによってロック要素302をねじ山T1とT2との間の空間にさらに押し込む。
【0154】
ねじヘッド287を左方向に回転させると、ねじシャンク288は、延長部291内で回転し(
図9B)、それによって第2の把持要素254は、第1の把持要素234に向かって移動する。ロック要素254の可撓性により、シャンク288が完全に1回転、回転すると、ロック要素はわずかに曲がり、ロック要素の第2の端部308は、ねじ山T1とT2の間の空間から滑り出て、ねじ山T2を越えて移動し、隣接する空間(T1の隣)に落ち着く。ねじヘッド287を右回りに回転させ続けることによって、第2の把持要素254は、第1の把持要素234に向かって選択された距離、移動し得る。
【0155】
ねじ290が左回りに回転し得るように、ねじ290を解放し、それによって第2の把持要素254を第1の把持要素234から離れるように移動させるために、止めねじは取り外す必要があり、それによってロック要素302がねじ290のねじ山間から移動し、シャンク288が左回りに回転するにつれ、ねじ山の上を摺動することを可能になる。
【0156】
使用前、ねじ290が軸方向に及び遠位に移動するために回転され得るように止めねじ312は緩められ、それによって第2の把持要素254の歯257と、第1の把持要素234の歯252との間の距離を拡大し得るねじ190は、第1の把持要素234と第2の把持要素254との間に骨2を配置するために十分な空間を提供するほど十分な量、第1の方向に回転され得る。止めねじ312は、次に締め付けられ得、このようにして骨2に対して装置を締め付けるためのロック機構300を準備する。
【0157】
骨2をしっかりと把持するために、装置200は、アーチ形の要素240が骨上方に位置し得、任意選択で支持部材242の支持面244が骨2の上面3c(
図8B)に隣接する皮膚に接触するように、骨2に対して位置決めされ得る。第1の把持要素234は、骨2の第1の側面3aに隣接して位置決めされ得る。ねじヘッド部分287は、次に、ねじ290を回転させるために第1の方向とは反対の第2の方向に回転され得、それによって第2の把持要素254を骨2の第2の側面3bに向かって移動させる。ねじ290が回転されるにつれ、ロック機構300は、上述のように、右回り方向でのねじ290のさらなる回転を可能にし、それによって第2の把持要素254が第1の把持要素234に向かって移動することを可能にする。ねじヘッド部分287の回転は、第2の把持要素254が、骨2の第2の側面3bに隣接する皮膚に係合するまで継続される。
【0158】
任意選択で、接点のいずれかまたはすべては、骨(または骨に隣接する皮膚)に係合するときに所定の位置にロックされ得る。接点によって提供される潜在的な利点は、接点が、骨に穿設する前に装置を骨に対して固定することを可能にし得、穿設及びアンカー挿入などの処置を通して確実な接点が維持され得ることである。本発明の開示による装置は、通常、それが処置中に移動しないことを確実にするために、ドリルに対して安定化され得るサイズ及び形状を有する、例えば膝蓋骨などの骨に穿設するときに役立ち得るなど、骨に対する装置のそのような固定を可能にし得る。
【0159】
図示される第3の実施形態では、第1及び第2の把持要素234及び254が、装置200と骨2及び/または骨に隣接する皮膚との間に少なくとも3つの接点を提供することに留意されたい。3つの接点は、ドリル進入部分212と骨2の第1の側面3aとの間の少なくとも1つの接点と、骨固定部分214と骨2の第2の側面3bに隣接する皮膚との間の少なくとも1つの接点を含む。さらに、上述のように、任意選択の支持部材242は、上述のように、装置200と骨2との間に、具体的には骨の上側3cに隣接する皮膚上にさらなる接点を提供し得、これは追加の安定性を提供し、それによって外科処置中の装置200と骨2との間の相対的な移動を防ぐ。
【0160】
しかしながら、装置10(
図2A~
図5C)に関して上述されたように、装置200は、装置と骨2(及び/または骨に隣接する皮膚)との間に最低でも3つの接点が設けられるように特に設計され得る。少なくとも3つの接点は、例えば第1の把持要素234によって提供される、ドリル進入部分212と骨の第1の側面3aとの間の少なくとも2つの接点と、第2の把持要素254によって提供される、骨固定部分214と骨の第2の側面3bに隣接する皮膚との間の少なくとも1つの接点とを含み得る。任意選択で、第1の把持要素234は、ドリル進入部分212と骨の第1の側面3aとの間に少なくとも2つの接点を提供し得、少なくとも2つの接点は、楕円形の断面輪郭235(
図9A)の対向する端部で、最大で、例えば25mmの距離、離間している。あるいは、いくつかの実施形態では、少なくとも3つの接点は、ドリル進入部分212と骨の第1の側面3aとの間の少なくとも1つの接点、及び骨固定部分214と骨の第2の側面3bに隣接する皮膚との間の少なくとも2つの接点を含み得る。任意選択で、第2の把持要素254は、骨固定部分214と骨の第2の側面3bとの間に少なくとも2つの接点を提供し得、少なくとも2つの接点は、第2の把持要素254の対向する側面で、最大で、例えば14mmの距離、離間している。
【0161】
骨2(及び/または骨に隣接する皮膚)の少なくとも2つの対向する側面に位置する少なくとも3つの接点を設けることによって、装置200は、骨に対する安定性を提供され得、例えば本明細書に説明されるように、骨への穿設及び/またはアンカー挿入などの外科処置中に、骨をしっかりと把持することを可能にする。上述の、装置200と骨(及び/または骨に隣接する皮膚)との間のさらなる接点は、本明細書に説明されるようにさらなる安定性を提供し得る。
【0162】
図16A~
図16Dを参照すると、本発明の第4の実施形態による骨ドリル案内装置500が示されている。装置500の構成要素のいくつかは、上述の装置の第1、第2、及び/または第3の実施形態の類似する構成要素と構成及び機能で類似するので、それらは再び詳細に説明されない。
【0163】
装置500は、骨の第1の側面に係合するための、それを介してドリルを骨の第1の側面に対して案内し得るドリル進入部分512と、骨2の第2の側面3bに係合するための骨固定部分514とを含む。ドリル進入部分512は第1の把持要素534を具備し、骨固定部分514は、第2の把持部分254を具備し、両方とも、以下にさらに説明され、それらはともに装置500と、骨2及び/または骨に隣接する皮膚との間に少なくとも3つの接点を提供する。
【0164】
ドリル進入部分512は、
図16Aに最も明確に示される長手方向軸522を有する細長い本体520を有する。本体520は、そこを通って本体520の近位端528から本体520の遠位端526に延びる少なくとも1つのチャネル524(
図16C及び
図17)を含む。各チャネル524は、そこを通って延びるボア530を有する。各チャネル524は、装置10、100、及び200に関して本明細書に説明されるように、骨ドリルを受け入れるサイズにされる。
【0165】
図16A~
図17に示される実施形態では、ドリル進入部分512は、軸522に平行である2つのチャネル524を具備し得る。ボア530の中心点232間の距離は、例えば約5mmであってよい。しかしながら、実行される処置に応じて、任意の数のチャネルが設けられ得、チャネルは互いに対して任意の事前に選択された向きで配置され、ボアの中心点は、任意の選択された距離、離間し得、チャネルは任意の選択された構成で本体520に位置決めされ得る。例えば、正方形を画定する位置で骨に4つのアンカーを挿入することが所望される場合がある処置では、骨ドリル案内装置500は、中心が正方形に構成される4つの平行なチャネルを含み得る。
【0166】
図16C及び
図17に示されるように、チャネル524はカニューレに似ており、任意選択で(図示せず)各チャネル524の近位端は本体近位端528を越えて延びる。しかしながら、所望される場合、チャネルの近位端は、代わりに本体近位端528を越えて延び得るのではなく、むしろ本体近位端528と同一平面であってよいことに留意されたい。
【0167】
図17をさらに参照すると、本体遠位端526は、骨2の第1の側面3aに接触し、ドリル進入部分512の本体520が骨に対して移動するのを防ぐために適した第1の把持要素534を具備し得る。第1の把持要素534は、開放端が遠位に向く概して円筒形状を有し得、第1の把持要素534は、軸522に垂直な平面内に取られた楕円形の断面輪郭235を有し得る。あるいは、第1の把持要素534は、例えば円形など任意の他の適切な断面輪郭を有し得る。
【0168】
図示される実施形態では、第1の把持要素534は、チャネルボア530が、楕円形の断面輪郭235内に位置するように、本体520の端部に位置決めされ得る。第1の把持要素534はまた、遠位に向けられた端縁548を含む複数の歯552を具備し得る。歯552は、骨2の第1の側面3aに係合し、把持し(
図19)、骨に対する本体520の移動を防ぐサイズ及び形状にされる。上述のように、複数の小さい歯552を有する第1の把持要素534を設けると、他のタイプの把持要素と比較して、骨の領域内に位置する半月板に損傷を引き起こすことなく、骨を把持するための構成要素が提供され得る。任意選択で、第1の把持要素534は、楕円形の断面輪郭235から遠位に延びる少なくとも1つの突出部515を含む。任意選択で、少なくとも1つの突出部515は、歯552からさらに遠位に延びて、骨2を把持するための追加の点を提供する。
【0169】
任意選択で、ドリル進入部分512は、第1の把持要素534を含まない場合があり、代わりに、チャネル524は、本発明の第2の実施形態に関して説明された方法と同様の方法で本体遠位端526から突出し得、その結果、突出する各チャネル自体が、骨の第1の側面3aに接触し、係合するための少なくとも1つの点を提供する。これは、本明細書でさらに説明される。
【0170】
任意選択で、楕円形の断面輪郭235内には、チャネル524間に水平リブ511が設けられる。リブ511は、好ましくはチャネル524間で等距離に位置する。リブ511は、任意選択で、歯552を越えて、及びチャネル524の遠位端504を越えて遠位に延び得る。リブ511の最遠位部分は、鋭利な端縁513を含み得る。装置500が骨2を把持し、第1の把持要素534が、骨の第1の側面3aに係合していると(
図19)、リブ511は骨に押し付けられて、骨内に小さい傷または圧痕を生じさせる場合がある。リブ511は、それによってマーカーとして機能し、穿設されたボア間の場所で骨にマーキングを残す。リブ511は、チャネル524間に等距離に位置し得るので、リブ511は骨にマーキングを残し得、それによってマーキングは穿設されたボアに対して横方向に対称である。
【0171】
このマーキングは、例えば装置500がボアの穿設を案内するために利用され、その後に、装置がアンカーの挿入前に骨2から係合解除される処置で役立ち得る。穿設されたボア間の場所で骨にマークを付けることによって、外科医は、装置が処置部位から取り外された後に穿設されたボアの位置をより容易に突き止めることができる。これは、穿設されたボアが非常に小さい、及び/または処置部位が外科医の処置部位の視界を遮る場合がある破片を含む処置において、特に役立ち得る。任意選択で、マーキングは触覚マーキングである。これによって、処置部位が処置の破片によって遮られるときに、外科医による穿設されたボアの位置の突き止めが容易になり得る。任意選択で、マーキングは複数のマーキングを含む。
【0172】
任意選択で、ドリル進入部分512は、例えばX、十字、または円などの代替の構成を有するマーカーを具備し得る。これは、骨に設けられたマークが回転対称となり得るという点で潜在的な利点を有し得る。これにより、穿設されたボアの位置の突き止めはさらに容易になり得る。これにより、また、装置が骨2から係合解除されていても、チャネル(複数可)524は、穿設されたボア(複数可)と位置合わせされた状態で、装置500の再位置決めが容易になり得る。任意選択で、マーカーは、装置の位置決めに最も干渉しない可能性がある点として構成されてもよい。
【0173】
ドリル進入部分512及び骨固定部分514は、ドリル進入部分512と骨固定部分514との間に延びるアーチ形の結合要素540によって互いに堅固に接続される。アーチ形の結合要素540は、例えば24mmなどの任意の適切な幅を有し得る。アーチ形の結合要素540は、例えば、アーチ形の結合要素の中心部分に、またはアーチ形の結合要素の全長に沿ってなど、その中の任意の位置に複数の穴502を具備し得る。任意選択で、穴502は、アーチ形の結合要素540の任意の部分に沿って、例えば
図16Cに示されるように、行及び/または列に配置され得る。穴502は、処置領域の観察を容易にし得る、及び/または光が穴を通って及び処置領域の上で輝くことを可能にすることによって処置領域のより良好な観察を可能にし得る。任意選択で、穴502は、アーチ形の結合要素540に、テクスチャ加工された表面を提供し得、それによって装置のより良好な把持を容易にする。任意選択で、アーチ形の結合要素540は、穴502を含まない場合がある。
【0174】
アーチ形の要素540の近位端541は、第1の把持要素534にすぐ近位のドリル進入部分本体520の一部分に接続され得、アーチ形の要素540の遠位端543は、骨固定部分514の垂直支持体280に接続され得る。あるいは、アーチ形の要素540は、本体遠位端526と本体近位端528との間で、ドリル進入部分本体520に沿った任意の部分で接続され得る。あるいは、ドリル進入部分512及び骨固定部分514を互いに接続するための、及び特に、ドリル進入部分512及び骨固定部分514を互いに堅固に接続するためのアーチ形の要素540の代わりに、任意の適切な接続要素が提供され得る。任意選択で、アーチ形の要素540は、ドリル進入部分512の本体520に結合され得、例えばスナップ嵌め接続などの任意の適切な機構によって本体520から分離され得る。
【0175】
本発明の第2の実施形態に関して上述されるように、任意選択で、アーチ形の要素540は、ドリル進入部分512及び骨固定部分514が、互いに向かって移動し、それらが骨2に係合するときに所定の位置にロックされることを可能にする2つの別々の結合部分(図示せず)から形成され得る。
【0176】
アーチ形の要素540は、任意選択で、骨の第3の側面3cに隣接する皮膚に接触するための垂下する支持部材242を具備し得、それによって支持部材242は、第2の実施形態(
図6A)に関して本明細書に説明される支持部材142に構造及び機能で類似し得るため、本明細書ではさらに詳細に説明されない。本明細書にさらに説明されるように、支持部材242は、ドリル進入部分512の骨2の第1の側面3aとの位置合わせを容易にし得る。
【0177】
上述のように、骨固定部分514は、アーチ形の結合要素540から下方に延びる垂直支持体280を含む。垂直支持体280は、そこを通って(
図16C)その遠位側282から近位側283に延びるボア281を具備し得、垂直支持体280の遠位側282は、装置200の対応する要素と同様に(
図8A~
図8D)、ボア286(
図16D)を有する延長部291を具備し得る。装置200に関して本明細書に説明されるように、垂直支持体280のボア281及び延長部291のボア286は位置合わせされ、装置200内の固定要素(ねじ)290とは構造が異なる調整可能な子固定要素590を受け入れるサイズ及び形状にされる。固定要素590は、本明細書でさらに説明される。第2の把持要素254は、骨2の第2の側面3bに係合し、把持するために、固定要素590に接続される(
図19)。第2の把持要素254と固定要素590の両方は、軸594に沿って位置決めされ得る。任意選択で、軸594は、ドリル進入部分512の軸522に平行であってよい。任意選択で、固定要素590及びドリル進入部分512は同軸である。
【0178】
第2の把持要素254は、装置200に関して本明細書に説明される第2の把持要素254と構造及び機能で類似しているため、ここではさらに説明されない。
【0179】
延長部291は、装置200に関して上述された対応する要素に類似するフィンガーグリップ262と264、長穴266、及び開口267を含み得、ここにさらに詳細に説明されない。装置500の一部としてのこれらの要素の機能は、以下にさらに説明される。
【0180】
さらに
図18A~
図18Cを参照すると、固定要素590は、固定要素の遠位端597にあるヘッド部分587と、ヘッド部分から固定要素の近位端596まで軸560に沿って延びるシャンク588とを含む。ヘッド部分587は、好ましくは、固定要素590の容易な把持を促進するサイズ及び形状である。例えば、ヘッド部分587は円形である場合がある、及び/または例えば36mmの直径を有する場合がある、及び/または例えば11mmの厚さを有する場合がある。しかしながら、所望される場合、任意の適切なサイズ及び形状のヘッド部分587が提供され得ることに留意されたい。ヘッド部分587は、以下にさらに説明される、好ましくはヘッド部分587の外周に隣接して位置する、例えば塗装された点、穴、または窪みなどのマーキング501を具備する。シャンク588の少なくとも一部分は、シャンクから放射状に外側に突出する複数の隣接するリング599を具備する。各リング599は、シャンクに対して斜めに配置された第1の部分584であって、斜めの部分584はシャンク588の大部分の周りに延びる第1の部分と、シャンク軸560に平行である第2の部分585とを含む。リング599は、シャンク588に沿って隣接した配置で組み立てられ、対応する第1の部分584は位置合わせされ、シャンクの大部分の周りに延び、対応する第2の部分585は、シャンクの残りの部分に配置される。さらに、第2の部分585は、マーキング501に隣接するシャンク588の側面で位置合わせされる。
【0181】
骨固定部分514の構成要素(
図16D)を組み立てるために、固定要素590の近位端596は、延長部291のボア286を通して、及び垂直支持体280のボア281を通して挿入され得、その結果、固定要素の近位端596は、垂直支持体280を通って延びる。第2の把持要素254は、近位端596を、第2の把持要素254のボア255に挿入することによって固定要素590の近位端596に取り付けられ得る。あるいは、固定要素590の近位端596は、第2の把持要素254のネック253の挿入のためのボアを具備し得る。
【0182】
骨固定部分514が組み立てられると、固定要素590は、垂直支持体280のボア281及び延長部291のボア286内で近位にまたは遠位に移動し得る。固定要素590を近位に移動すると、取り付けられた第2の把持要素254が近位方向に対応して移動し、一方、固定要素590を遠位に移動すると、取り付けられた第2の把持要素が遠位方向に対応して移動する。本明細書にさらに説明されるように、これらの移動によって、第1の把持要素534と第2の把持要素254との間の距離は変化する。
【0183】
図16A~
図16Dに示されるように、装置500は、第1の把持要素534と第2の把持要素254との間の距離を維持するための一方向ロック機構510を具備し得る。任意選択で、ロック機構510は、当該技術で既知であるように、任意のタイプのラチェット機構を含み得る。具体的には、図示される実施形態では、ロック機構510は、止めねじ312及びロック要素302を含み、それらは、装置200に関して、
図10に示される対応する構成要素と構造及び機能で類似しているので、ここでさらに説明されない。
【0184】
特に
図17を参照すると、延長部291は、装置200に関して本明細書に説明されるように、ロック要素302の挿入のための長穴266を含む。ロック要素302は長穴266に挿入され、ロック要素302の第2の端部308が、隣接する斜めの部分584aと584bとの間で、例えばリング599a及び599bなどのリング599に係合するまでさらに延長部291の内部に前進し得る(
図18C)。装置200に関して上述されたように、止めねじ312は、次に挿入されて、ロック要素302を延長部291内の所定の位置に保持し得る。
【0185】
第2の把持要素254の遠位方向での移動を防ぐために、固定要素590は、リング599の斜めの部分584が開口267に隣接する延長部291の側面上にあるロック配向でなければならない。平行な部分585は、マーキング501を有するシャンク588の側で位置合わせされるので、マーキング501が開口267から最も遠く離れた延長部291の側にあるようにヘッド部分587を回転させると、平行な部分585が、開口267から最も遠く離れた延長部291の側にあること、及び斜めの部分584が開口に最も近い延長部291の側上にあることが確実になる。
【0186】
ロック配向にあるとき、例えばヘッド部分587を遠位に引っ張ることによって固定要素590を遠位方向に移動することは、例えば、ロック要素302の第2の端部308に当接する斜めの部分584aなど、斜めの部分によって防がれる。
【0187】
依然としてロック配向にあるとき、例えば、ヘッド部分587を近位方向に押すことによって固定要素590を近位方向に移動させると、第2の把持要素254は、第1の把持要素534に向かって移動する。ロック要素254の可撓性により、シャンク588が近位に移動すると、ロック要素は、わずかに曲がる場合があり(または斜めの部分584bはわずかに変形する場合があり)、ロック要素の第2の端部308は、斜めの部分584bの上を摺動し、リング599a及び599bとの間の空間との係合から外れ、斜めの部分584bの上を移動し、リング599bと599cとの間の隣接する空間に落ち着き得る。固定要素590を近位方向に移動させ続けることによって、第2の把持要素254は、第1の把持要素534に向かって選択された距離移動し得る。
【0188】
シャンク588をロック要素302から解放し、その結果、シャンクが遠位に移動し得、それによって第1の把持要素534から第2の把持要素254を遠ざけるために、固定要素590は、ロック解除配向でなければならず、ロック解除配向では、固定要素590は、ヘッド部分587上のマーキング501が、開口267に最も近い延長部291の側面上にあるように回転される。これによって、ロック要素302がリング599の斜めの部分584から係合解除されること、及びリング599の平行な部分585が開口267に最も近い延長部291の側面上にあることが確実になる。ロック要素302は、次に、シャンク588が遠位に移動するにつれ、シャンクの平行な部分585の上を所望されるだけ摺動することが可能になる。
【0189】
使用前、固定要素590は、マーキングが開口267に最も近い延長部291の側面上に配置されるロック解除配向をマーキング501が示すように回転され得る。このロック解除配向で、固定要素590は、軸方向に及び遠位に移動し得、それによって第2の把持要素254の歯257と、第1の把持要素534の歯552との間の距離を拡大する。固定要素590は、第1の把持要素534と第2の把持要素254との間に骨2を配置するために十分な空間を提供するほど十分な量、移動され得る。第1の把持要素534及び第2の把持要素254を骨に対して締め付け、第1の把持要素534及び第2の把持要素254の相対的な位置を保持するために、固定要素590はロック配向で回転され得、その後、固定要素は、ロック要素302がシャンク588の斜めの部分584に係合するまで近位に移動し得、その後固定要素は、上述のように、所望されるように近位に移動し得る。
【0190】
骨2をしっかりと把持するために、装置500は、アーチ形の要素540が骨の上方に位置し、任意選択で支持部材242の支持面244が骨2の上面3c(
図19)に隣接する皮膚に接触するように、骨2に対して位置決めされ得る。第1の把持要素534は、骨2の第1の側面3aに隣接して位置決めされ得る。ヘッド部分587がロック配向にある状態で、固定要素590は、次に近位に移動し得、それによって第2の把持要素254を骨2の第2の側面3bに向かって移動させる。
【0191】
固定要素590は、上述のように近位に移動することが可能であるので、第2の把持要素254は、第1の把持要素534に向かって移動することが可能である。固定要素590の近位の移動は、第2の把持要素254が骨2の第2の側面3bに隣接する皮膚に係合するまで続行する。
【0192】
装置500は、本体近位端528に隣接してドリル進入部分512に選択可能に接続され得るハンドル516を具備し得る。ハンドル516は、外科処置中の装置500の容易な把持を可能にする任意の適切な形状を有し得る。任意選択で、ハンドル516は楕円形状を有する。例えば、ハンドル516は、長軸が約45mm、及び約短軸が20mmの楕円形の構成を有し得る。任意選択で、ハンドル516は、自動車のギアシフトハンドルに似ている場合があり、それによって装置500の容易な把持及び移動を可能にする。任意選択で、装置500は、ドリル進入部分512上にハンドルを含まない場合がある。
【0193】
チャネル524の下方に大きく延びないハンドル516を設けることによって、装置500にコンパクトな構造を提供し得る。例えば、装置500全体は、垂直支持体280の下部からアーチ形の結合要素540(
図16A)の上部まで、約57mmの高さを有し得る。このコンパクトな設計によって、ハンドル自体が処置部位と干渉しないので、骨に対する装置500のより容易な操作が可能になり得る。特に、ハンドル516のサイズは比較的に小さいため、外科医は、実行される特定の処置、処置部位の物理的な構造、及び外科医の個人的な好みに応じて、骨に対する装置のいくつかの向きのいずれか1つを選択し得る。
【0194】
また、ハンドル516が、それぞれチャネル524の上方及び下方に位置する上部把持面及び下部把持面527及び529を含むとして、例えば
図16A~
図16Cに示されることに留意されたい。把持面527及び529を設けることによって、外科医は、ドリルまたは他の要素のチャネル(複数可)524への挿入に干渉することなく、チャネル524の上方及び下方のハンドル516の部分で装置500を把持することが可能になり得る。
【0195】
図示される実施形態では、第1及び第2の把持要素534及び254が、装置500と骨2及び/または骨に隣接する皮膚との間に少なくとも3つの接点を提供することに留意されたい。3つの接点は、ドリル進入部分512と骨2の第1の側面3aとの間の少なくとも1つの接点と、骨固定部分514と骨2の第2の側面3bに隣接する皮膚との間の少なくとも1つの接点を含む。さらに、上述のように、任意選択の支持部材242は、装置500と骨2との間に、具体的に骨の上側3cに隣接する皮膚上にさらなる接点を提供し得、これは、上述のように、追加の安定性を提供し、それによって外科処置中の装置500と骨2との間の相対的な移動を防ぐ。
【0196】
しかしながら、装置10(
図2A~
図5C)に関して本明細書に上述されたように、装置500は、装置と骨2(及び/または骨に隣接する皮膚)との間に最低でも3つの接点が設けられるように特に設計され得る。少なくとも3つの接点は、例えば第1の把持要素534によって提供される、ドリル進入部分512と骨の第1の側面3aとの間の少なくとも2つの接点と、第2の把持要素254によって提供される、骨固定部分514と骨の第2の側面3bに隣接する皮膚との間の少なくとも1つの接点とを含み得る。任意選択で、第1の把持要素534は、ドリル進入部分512と骨の第1の側面3aとの間に少なくとも2つの接点を提供し得、少なくとも2つの接点は、楕円形の断面輪郭235(
図17)の対向する端部で、最大で、例えば25mmの距離、離間している。あるいは、いくつかの実施形態では、少なくとも3つの接点は、ドリル進入部分512と骨の第1の側面3aとの間の少なくとも1つの接点、及び骨固定部分514と骨の第2の側面3bに隣接する皮膚との間の少なくとも2つの接点を含み得る。任意選択で、第2の把持要素254は、骨固定部分514と骨の第2の側面3bとの間に少なくとも2つの接点を提供し得、少なくとも2つの接点は、第2の把持要素254の対向する側面で、最大で、例えば14mmの距離、離間している。
【0197】
骨2(及び/または骨に隣接する皮膚)の少なくとも2つの対向する側面に位置する少なくとも3つの接点を設けることによって、装置500は、骨に対する安定性を提供され得、例えば本明細書に説明されるように、骨への穿設及び/またはアンカー挿入などの外科処置中に、骨をしっかりと把持することを可能にする。上述の、装置500と骨(及び/または骨に隣接する皮膚)との間のさらなる接点は、本明細書に説明されるようにさらなる安定性を提供し得る。
【0198】
様々な実施形態の特徴の多くは、1つのまたは複数の特定の実施形態に関してのみ説明されているが、任意選択で、他の実施形態のいずれにも適用され得ることに留意されたい。例えば、ドリル進入部分に対する複数の取り付け位置を有するハンドルは、本明細書では、ドリル進入部分に堅固に接続され得るハンドルを有するとして本明細書に説明される第2の実施形態(
図6A)に、または第4の実施形態(
図16A)に組み込まれ得る。第3の実施形態(
図8A)のカップ形状の第2の把持要素などの他の特徴と同様に、これは第2の実施形態(
図6A)に組み込まれ得る。
【0199】
図11をさらに参照すると、本発明の実施形態によるキット400が示されている。キット400は、ドリル進入部分412と、骨固定部分414と、例えば案内装置10などの、本明細書に説明される案内装置を形成するために組み立てられ得るハンドル416とを含む。キット400はまた、骨にボアを穿設するための少なくとも1つのドリル422を含み得、ドリルは、ドリル進入部分412のドリルガイド内に受け入れられるサイズにされる。任意選択で、少なくとも1つのドリル422は、骨にボアを穿設するために適しており、ボアは、0.1~10mmの直径を有する。キット400は、近位端424及び遠位端426を有するアンカー挿入装置420をさらに含む。アンカー挿入装置の近位端424は、本明細書に詳細に説明されるように、骨に穿設されたボア(複数可)へのアンカー(複数可)418の挿入を容易にするためにハンドル428を具備し得る。
【0200】
キットは少なくとも1つのアンカー418をさらに含み、アンカーは、ドリル422によって穿設されたボア内に受け入れられるサイズにされる。実施形態では、アンカー418は縫合糸アンカーであってよく、アンカーは、骨内のボアに押し込むことによって挿入され得る。しかしながら、例えばねじ込み式アンカー、展開可能なアンカー、及び生体吸収性アンカーであるがこれらに限定されない、骨内に穿設されたボアに挿入されるために適した任意のタイプのアンカーがキット400に含まれ得ることに留意されたい。少なくとも1つのアンカー418アンカーは、例えば、縫合糸材料、チタン、ステンレス鋼、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、またはUHMWPE(超 高分子量ポリエチレン)などの任意の適切な材料で製作され得る。いくつかの実施形態では、アンカーは任意選択で締まり嵌めを有する場合がある。
【0201】
アンカー420は、1本の縫合糸430を具備し得る。任意選択で、少なくとも1つのアンカー420がアンカー挿入装置420に事前に装填され得る。任意選択で、少なくとも1つのアンカー420は、取り付けられた1本の縫合糸材料430を有する。任意選択で、取り付けられた1本の縫合糸を有するアンカー420は、アンカー挿入装置420に事前に装填され得る。
【0202】
さらに、キット400は、第1の実施形態に関して説明されているが、代わりに、説明される実施形態のいずれかによる案内装置が本発明によるキットに組み込まれ得ることに留意されたい。
【0203】
ここで
図12A~
図12Bを参照すると、本発明の実施形態による装置10、つまり穿設処置中に示される装置が示されている。装置10は、ドリル進入部分12、骨固定部分14、及びハンドル16を含み、これらの構成要素は、組み立てられ、例えば膝蓋骨などの骨2に係合されている間に使用されて示されている。
【0204】
本発明の第1の実施形態に関して上述されるように、ドリル進入部分12内のチャネル24の中に挿入される前の、近位端434及び遠位端432を有するドリル422が、
図12Aに示されている。
【0205】
図12Bは、すでにチャネル24に挿入されているドリル422を示しており、ドリル422の遠位端432は骨2に接触している。第1及び第2の対向する側面3a及び3b、ならびに概して平坦な上側3cを含む骨2の構成により、穿設は、骨の平面(図示せず)に対して実質的に水平な向きで実行され得ることに留意されたい。これは、装置の長手方向軸に平行な少なくとも1つのチャネル24を有する装置10を提供することによって促進され得、チャネルは骨の第1の側面に係合する。これは、骨固定部分14を提供することによってさらに容易にされ得、骨の第2の側面に係合する部分は、装置の長手方向軸に平行な軸に沿って配置される(
図2B及び
図4Aを参照)。さらに、ドリル進入部分12の骨固定部分14との結合は、装置の長手方向軸に平行な軸に沿っていてよく、本明細書に説明され、
図12A~
図12Bに示されるように、結合に含まれる骨固定部分14の一部分の、骨の上側3cとの接触によって、本明細書に説明されるように、装置10の骨に対するこの配向に安定性がさらに提供される。
【0206】
骨の平面に対して概して水平な方向で穿設を実行させ得る特徴が
図12A~
図12Bに示されているが、この特徴が、本明細書に説明される本発明の他の実施形態に関しても関連する場合があることにも留意されたい。
【0207】
ここで
図13A~
図13Bを参照すると、アンカーを挿入するための処置中の骨2が示されている。一対のボア440がアンカーに穿設されており、ボアが骨2の第1の側面3aに穿設されていることに留意されたい。
【0208】
例えば
図12A~
図12Bに示された装置を使用して穿設されたボア440が平行であり、各ボアが2つの平行なチャネル24の一方を使用して穿設されたことにも留意されたい。さらに、任意選択で、当該技術分野で既知であるように、ドリルに設けられた測定インジケータを使用して、ボア440がそれぞれ、事前に選択された同じ距離、骨22に穿設されたことに留意されたい。
【0209】
図14を参照すると、本発明の実施形態による、骨にボアを穿設するための方法500の動作を示すフローチャートが示されている。方法500は、本発明の実施形態のいずれかによる骨ドリル案内装置を使用して外科医によって実行され得、方法500は、骨に少なくとも1つのボアを形成することを含む処置中に実行される。
【0210】
方法500によれば、502で、外科医は、骨に形成するボアのパターンを決定する。504で、骨の対向する側面は、複数の接点でしっかりと骨に係合し、把持するために骨ドリル案内装置の複数の接点で接続される。装置のドリル進入部分の、骨の第1の側面との接点(複数可)は、ドリル進入部分のカニューレ(複数可)に設けられ得る。装置はまた、骨の第2の側面に隣接する皮膚を介して、第1の側面とは反対の、骨の第2の側面にしっかりと係合し、把持するための少なくとも1つの接点を含む骨固定部分を含む。本明細書に説明されるように、複数の接点は、骨の第1の側面の少なくとも1つの接点と、骨の第2の側面の少なくとも1つの接点とを含む。506で、動作502で決定されたパターンに従って、骨にボアが穿設される。
【0211】
図15A~
図15Cを参照すると、本発明の実施形態による、骨にボアを穿設するための方法600の動作をより詳細に示すフローチャートが示されている。方法600は、本発明の実施形態のいずれかによる装置のいずれかを使用して外科医によって実行され得、方法600は、骨に少なくとも1つのボアを形成することを含む処置中に実行される。
【0212】
方法600によると、602で、外科医は、少なくとも1つのアンカーを挿入するために骨の第1の側面を決定する。
【0213】
604で、骨の第1の側面にアクセスするために、骨の第1の側面に隣接する皮膚に切開が行われ得る。典型的な切開部は、例えば22mmである場合がある。ただし、例えば、装置を膝蓋骨上に適切に位置決めすることが困難である場合などの特定の場合には、例えば25mmなどのより大きい切開が行われる場合がある。
【0214】
任意選択で、605で、骨の第3の側面は、装置のドリル進入部分を骨の第1の側面と位置合わせするために支持部材に接触され得る。606で、骨ドリル案内装置のドリル進入部分は、ドリル進入部分を骨の第1の側面に位置合わせするための支持部材を用いて、骨の第1の側面に位置決めされ得る。ドリル進入部分は、上述のように、骨の第1の側面に係合し、把持するために少なくとも第1の接点を含む。608で、骨ドリル案内装置の骨固定部分の少なくとも1つの構成要素は、第1の側面とは反対の骨の第2の側面に位置決めされ得る。構成要素は、隣接する皮膚を介して、骨の第2の側面に係合し、把持するために、少なくとも第2の接点を含む。
【0215】
610で、いくつかの実施形態によれば、ドリル進入部分、及び骨固定部分の少なくとも構成要素は、ドリル進入部分または骨固定部分上の少なくとも第3の接点が、それぞれ骨の第1の側面または骨の第2の側面に隣接する皮膚に係合するように、骨のそれぞれの第1及び第2の側面上で堅固に接続される。任意選択で、ドリル進入部分及び骨固定部分は、本発明による骨ドリル案内装置の第1の実施形態に関して本明細書に説明されるように、互いに向かって軸方向にドリル進入部分及び骨固定部分を摺動させることによって互いに堅固に接続され得る。任意選択で、ドリル進入部分及び骨固定部分は、装置の長手方向軸に平行な軸に沿って互いに向かって摺動する。任意選択で、ドリル進入部分と骨固定部分との間の剛性接続は、ラチェット機構を含み得る。
【0216】
あるいは、いくつかの実施形態によれば、ドリル進入部分及び骨固定部分は、構成要素を近位に移動させて、骨の第2の側面または骨の第2の側面に隣接する皮膚に係合することによって互いに対して堅固に位置決めされる。任意選択でロック機構は、ドリル進入部分に対する構成要素の位置をロックするために使用され得る。
【0217】
612で、ドリルは、ドリル進入部分の第1のチャネルに挿入され得、ドリルは、ドリルが骨の第1の側面に接触するまで遠位に前進し得る。614で、ドリルは、骨内に前進して、骨に第1のボアを形成する。任意選択で、骨内のボアの長さは、例えば、612でドリルが最初に骨に接触するときにドリルにマークを付け、次にドリルが骨の中に前進した距離を測定することによって測定され得る。あるいは、ドリルは、骨に穿設されたボアの長さを示し得るマーキングを含む場合がある。616で、ドリルは逆方向に操作されて、ドリルの長手方向軸に対して少なくとも1つの刃の横方向/半径方向の伸長を作動させ得、骨内のボアの一部分は広げられ得る。618で、ドリルは、刃を閉じるために操作され、遠位に前進し得、次に620でドリルはドリル進入部分の第1のチャネルから取り外され得る。
【0218】
622で、アンカー挿入装置は、アンカーを第1のチャネルを通して、骨に形成された第1の骨に挿入するために使用され得る。アンカー挿入装置での近位端でのハンマータップは、アンカーの挿入、及びボアのボア内でのその固定を容易にし得る。
【0219】
第2のボアを穿設し、骨に第2のアンカーを挿入することが所望される場合、骨に第2のボアを穿設し、第2のアンカーを第2のボアに挿入するために、動作612、614、616、618、620、及び622は繰り返され得る。あるいは、動作612、614、616、618、620を実行して第1のボアを形成した後に、これらの5つの動作は、骨に第2のボアを形成するために繰り返され得、その後に、動作622は2回、つまり第1のアンカーを第1のボアに挿入するために1回、及び第2のアンカーを第2のボアに挿入するために1回、実行され得る。
【0220】
624で、いくつかの実施形態によれば、アンカー(複数可)が、骨に形成されたボア(複数可)に挿入された後、装置はドリル進入部分と骨固定部分との間の剛性接続を解放することによって処置部位から取り外され得、その後に、装置は骨との係合から解放され、処置部位から取り外され得る。あるいは、いくつかの実施形態によれば、装置は、骨固定部分の構成要素を遠位に移動させ、それによって接点で骨から装置の係合を解放することによって処置部位から取り外されてもよい。
【0221】
626で、アンカー(複数可)に取り付けられた縫合糸(複数可)は引っ張り得、これによってアンカー(複数可)は、骨のそれぞれのボア(複数可)内の所定の位置に固定される。外科処置は、例えば、アンカー(複数可)を腱に取り付け、腱を別の骨に取り付けることによって、628で続行する。最後に、630で、処置部位で切開が閉じられ得る。
【0222】
本出願から成熟する特許の存続期間中に、多くの関連するドリル案内装置が開発され、用語オフセット案内装置の範囲は、そのようなすべての新技術を先験的に含むことを意図している。
【0223】
本明細書で使用される場合、オフセット案内装置は、膝蓋骨内にボアを穿設するための穿設処置中に膝蓋骨に係合し、ドリルを案内するように適合されているとして示され、説明されている。しかしながら、骨が、装置によってしっかりに係合されるために適切なサイズ及び形状である限り、装置が、任意の他の骨にしっかりと係合し、骨にボアを穿設するためにドリルを案内するために代わりに利用され得ることに留意されたい。
【0224】
「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語及びそれらの同根語は、「限定ではないが、~を含む(including but not limited to)」を意味する。
【0225】
用語「~から成る(consisting of)」は、「含み、~に限定される(including and limited to)」を意味する。
【0226】
用語「本質的に~からなる(consisting essentially of)」は、組成物、方法または構造物が、追加の成分、ステップ及び/または部品を含むことができることを意味するが、追加の成分、ステップ及び/または部品が、特許請求された組成物、方法または構造物の基本的かつ新規な特性を実質的に変えない場合に限る。
【0227】
本明細書で使用される場合、用語「方法」は、化学、薬理学、生物学、生化学及び医学の技術の実践者によって知られている、または既知のマナー、手段、技術及び手順から容易に開発される方法を含むが、これらに限定されない、所定のタスクを達成するためのマナー、手段、技術及び手順を指す。
【0228】
明確にするために別個の実施形態の文脈において説明される本発明のある特徴を、単一の実施形態において組み合わせで設けることもできることが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において説明される本発明の様々な特徴を、別々に、または任意の好適な副次的な組み合わせで、または本発明の任意の他の説明された実施形態において好適なものとして設けることもできる。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは機能しない場合を除いて、それらの実施形態の本質的な特徴と見なすべきではない。
【0229】
本発明をその特定の実施形態に関連して説明したが、多くの代替案、修正及び変形が当業者には明らかであろうことは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広い範囲に含まれるそのようなすべての代替案、修正及び変形を包含することが意図されている。
【0230】
本明細書に記述されるすべての刊行物、特許、及び特許出願は、各個別の刊行物、特許、または特許出願が、参照により本明細書に組み込まれることが示されているときに、これが明確かつ個別に注記されているかのように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれることが出願人(出願人ら)の意図である。さらに、本願におけるいずれかの参考文献の引用または特定は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であるということの承認として解釈するべきではない。セクションの見出しが使用されている場合、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。さらに、本願のいずれかの優先権書類(複数可)は、本明細書により、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】