(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】流体抽出器を持つ電気流体力学的プリンタ
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20231226BHJP
B41J 2/08 20060101ALI20231226BHJP
B41J 2/04 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
B41J2/01 123
B41J2/08
B41J2/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535506
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 US2021062917
(87)【国際公開番号】W WO2022125965
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511000957
【氏名又は名称】ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ミシガン
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF MICHIGAN
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツェ,ライ・ユィ・レオ
(72)【発明者】
【氏名】バートン,キラ
(72)【発明者】
【氏名】マクミラン,イーサン
【テーマコード(参考)】
2C056
2C057
【Fターム(参考)】
2C056FA02
2C056FA05
2C056HA42
2C057DB01
2C057DB02
(57)【要約】
電気流体力学的プリンタは、流体抽出器を有する。印刷流体に比べて異なる電位にある液体またはキャリア流体の流れが、抽出口から印刷流体を抽出するための抽出口を通り過ぎる。液体の流れは、連続的な流れ、液滴の均一な流れ、または液滴の不均一な流れであり得る。抽出された印刷流体は、堆積のために印刷表面まで運ばれるために、抽出流体と合流し得る。抽出流体の流れは、流れの選択的な部分が印刷流体を抽出しないように、印刷流体を断続的に抽出するために、断続的に荷電され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体抽出器を有する、電気流体力学的プリンタ。
【請求項2】
前記抽出器は、抽出された印刷流体と合流し、印刷表面の方へ前記印刷流体を運ぶキャリア流体の流れである、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記抽出器は、印刷流体供給源の抽出口から抽出された印刷流体に比べて異なる電位にある液体の流れである、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記液体の流れは、連続的な流れである、請求項3に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記液体の流れは、均一な液滴の流れである、請求項3に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記液滴の第1部分の各々は、前記印刷流体の液滴を抽出し、前記液滴の第2部分の各々は、前記印刷流体の液滴を抽出しない、請求項5に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記液滴の前記第1部分は、抽出された前記印刷流体を運び、かつ前記第1部分は印刷表面に向けられ、前記液滴の前記第2部分は、前記印刷表面に向けられない、請求項6に記載のプリンタ。
【請求項8】
前記液体の流れは、不均一な液滴の流れである、請求項3に記載のプリンタ。
【請求項9】
印刷表面の方へキャリア流体の流れを向けるように構成される第1ノズルと、
抽出口で印刷流体を提供するように構成される第2ノズルとを備え、前記キャリア流体の流れは、前記印刷表面の方へ流れるときに、前記抽出口を通り過ぎ、
前記キャリア流体および前記印刷流体の間の電位差は、前記印刷流体が前記第2ノズルから抽出されることを引き起こす、プリンタ。
【請求項10】
抽出された前記印刷流体は、前記印刷表面の方へ運ばれるために、前記キャリア流体の流れと合流する、請求項9に記載のプリンタ。
【請求項11】
前記キャリア流体は、前記キャリア流体の流れを連続的な流れにするために、前記第1ノズルの中で均一に加圧される、請求項9に記載のプリンタ。
【請求項12】
前記第1ノズルにおける前記キャリア流体の圧力は、前記キャリア流体の流れを均一な液滴の流れにするために、一定の周波数で変わる、請求項9に記載のプリンタ。
【請求項13】
前記第1ノズルにおける前記キャリア流体の圧力を変えるために、前記一定の周波数で変形するように構成される圧電素子をさらに備える、請求項12に記載のプリンタ。
【請求項14】
前記第1ノズルに対して外部に位置する電極をさらに備え、前記キャリア流体の流れは、前記電位差の少なくとも一部を提供するために前記電極によって荷電される、請求項9に記載のプリンタ。
【請求項15】
前記キャリア流体の流れのある部分が前記抽出口を通り過ぎたときに、前記キャリア流体の流れが前記印刷流体を抽出し、前記キャリア流体の流れの荷電されていない部分が前記抽出口を通り過ぎたときに、前記キャリア流体の流れが前記印刷流体を抽出しないようにするために、前記キャリア流体の流れの一部のみを荷電するように構成される電極をさらに備える、請求項9に記載のプリンタ。
【請求項16】
前記キャリア流体の流れのある部分が、前記印刷流体を抽出することなく前記抽出口を通り過ぎ、前記第1ノズルに前記キャリア流体を供給するキャリア流体供給源に集められ、かつ戻される、請求項9に記載のプリンタ。
【請求項17】
前記プリンタは、ドロップオンデマンドプリンタであり、前記キャリア流体の流れは、液滴の流れであり、前記キャリア流体のそれぞれの液滴は、前記抽出口から前記印刷流体の液滴を抽出し、前記印刷表面に前記印刷流体のそれぞれの液滴を運ぶ、請求項9に記載のプリンタ。
【請求項18】
前記キャリア流体は、10センチポアズより小さい粘度を有し、前記印刷流体は、30センチポアズより大きい粘度を有する、請求項9に記載のプリンタ。
【請求項19】
前記電位差は、少なくとも500Vであり、前記キャリア流体の流れは、前記キャリア流体の流れと前記第2ノズルの前記抽出口との間の隙間を維持するために十分に高い速度を有する、請求項9に記載のプリンタ。
【請求項20】
前記印刷流体は、前記キャリア流体の中に溶解でき、前記電位差は、前記プリンタの洗浄モード中に前記第1ノズルに前記キャリア流体の流れを引き寄せる、請求項9に記載のプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、一般に、印刷に関し、より詳しくは、電気流体力学的印刷に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
e-jet印刷としても知られる電気流体力学的印刷は、印刷表面上に堆積するために荷電された、または分極された印刷流体を印刷ノズルから抽出するための電場に依存する印刷技術である。e-jet印刷は、サブミクロンもしくはナノメータースケールでの液滴サイズおよび空間的な正確さを持つ他のドロップオンデマンドまたは流れ印刷方法と比較して、とても高い解像度の印刷が可能である。初期に、e-jet印刷は、印刷表面が、その間に電場が作り出される複数の電極の1つであったため、電気的な導電性の印刷表面に限定されていた。堆積されたインクが、印刷が進行されるにつれてその電場に干渉を引き起こすため、電場に対する整合性にも問題があった。Bartonらによる米国特許No.9,415,590は、導電性の印刷表面に依存しない巧みなインクの抽出と指向技術によって、これらの問題および他の問題に対処した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
概要
種々の実施の形態にしたがって、電気流体力学的プリンタは、流体抽出器を有する。
【0004】
種々の実施の形態において、抽出器は、抽出された印刷流体と合流し、印刷表面の方へ印刷流体を運ぶキャリア流体の流れである。
【0005】
種々の実施の形態において、抽出器は、印刷流体供給源の抽出口から抽出された印刷流体に比べて異なる電位にある液体の流れである。
【0006】
種々の実施の形態において、抽出器は、液体の連続的な流れである。
種々の実施の形態において、抽出器は、均一な液滴の流れである。
【0007】
種々の実施の形態において、液滴の第1部分の各々は、印刷流体の液滴を抽出し、液滴の第2部分の各々は、印刷流体の液滴を抽出しない。
【0008】
種々の実施の形態において、液滴の第1部分は、抽出された印刷流体を運び、かつ第1部分は印刷表面に向けられ、液滴の第2部分は、印刷表面に向けられない。
【0009】
種々の実施の形態において、抽出器は、不均一な液滴の流れである。
種々の実施の形態にしたがって、プリンタは、第1ノズルおよび第2ノズルを含む。第1ノズルは、印刷表面の方へキャリア流体の流れを向けるように構成され、第2ノズルは、抽出口で印刷流体を提供するように構成される。キャリア流体の流れは、印刷表面の方へ流れるときに、抽出口を通り過ぎる。キャリア流体および印刷流体の間の電位差は、印刷流体が第2ノズルから抽出されることを引き起こす。
【0010】
種々の実施の形態において、抽出された印刷流体は、印刷表面の方へ運ばれるために、キャリア流体の流れと合流する。
【0011】
種々の実施の形態において、キャリア流体は、キャリア流体の流れを連続的な流れにするために、第1ノズルの中で均一に加圧される。
【0012】
種々の実施の形態において、第1ノズルにおけるキャリア流体の圧力は、キャリア流体の流れを均一な液滴の流れにするために、一定の周波数で変わる。
【0013】
種々の実施の形態において、プリンタは、第1ノズルにおけるキャリア流体の圧力を変えるために、一定の周波数で変形するように構成される圧電素子を含む。
【0014】
種々の実施の形態において、プリンタは、第1ノズルに対して外部に位置する電極を含む。キャリア流体の流れは、電位差の少なくとも一部を提供するために電極によって荷電される。
【0015】
種々の実施の形態において、プリンタは、キャリア流体の流れのある部分が抽出口を通り過ぎたときに、キャリア流体の流れが印刷流体を抽出し、キャリア流体の流れの荷電されていない部分が抽出口を通り過ぎたときに、キャリア流体の流れが印刷流体を抽出しないようにするために、キャリア流体の流れの一部のみを荷電するように構成される電極を含む。
【0016】
種々の実施の形態において、キャリア流体の流れのある部分が、印刷流体を抽出することなく抽出口を通り過ぎ、第1ノズルにキャリア流体を供給するキャリア流体供給源に集められ、かつ戻される。
【0017】
種々の実施の形態において、プリンタは、ドロップオンデマンドプリンタであり、キャリア流体の流れは、液滴の流れである。キャリア流体のそれぞれの液滴は、抽出口から印刷流体の液滴を抽出し、印刷表面に印刷流体のそれぞれの液滴を運ぶ。
【0018】
種々の実施の形態において、キャリア流体は、10センチポアズより小さい粘度を有し、印刷流体は、30センチポアズより大きい粘度を有する。
【0019】
種々の実施の形態において、電位差は、少なくとも500Vであり、キャリア流体の流れは、キャリア流体の流れと第2ノズルの抽出口との間の隙間を維持するために十分に高い速度を有する。
【0020】
種々の実施の形態において、印刷流体は、キャリア流体の中に溶解でき、電位差は、プリンタの洗浄モード中に第1ノズル上のキャリア流体の流れを引き寄せる。
【0021】
上述の実施の形態の個別の特徴のいくつか、および以下の図面または明細書に詳述されるいずれの他の実施の形態の個別の特徴のいくつかは、特徴が相容れないものを除き、発明を定義するためのいずれの組合せに組み合わせることができることが予期される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】連続的な流れの形態における流体抽出器を有する電気流体力学的プリンタの断面図である。
【
図2】均一な液滴の流れの形態における流体抽出器を有する電気流体力学的プリンタの断面図である。
【
図3】不均一な液滴の流れの形態における流体抽出器を有する電気流体力学的プリンタの断面図である。
【
図4】混合することのできない印刷流体が合流されたキャリア流体の流れを示す
図1の部分の拡大図である。
【
図5】混合することのできない印刷流体が合流されたキャリア流体の流れを示す
図3の部分の拡大図である。
【
図6】キャリア流体の流れが印刷流体と混合することができる
図4の代替版を示す図である。
【
図7】キャリア流体の流れが印刷流体と混合することができる
図5の代替版を示す図である。
【
図8】洗浄モードにおける
図1のプリンタの図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施の形態の説明
図1は、流体抽出器12が備え付けられた電気流体力学的(またはe-jet)プリンタ10の部分を概略的に示す。流体抽出器12は、インクノズル20の抽出口18の位置で提供される印刷流体16に比べて異なる電位にあるキャリア流体14の噴射または流れ自体である。流体の流れが、電位差(V
1-V
2)と距離(D)との十分な組合せを有して抽出口18を通り過ぎるとき、印刷流体16は、インクノズル20から抽出され、そして抽出流れ12に合流して、基板24の表面または印刷材料が以前に堆積された層などの印刷表面22の方へ運ばれる。流体抽出器12の使用は、前述の米国特許におけるBartonらによって詳述された利益などの、固体状態の抽出器の利益を享受する一方で、固体状態の抽出器において起こり得るある問題、たとえば、インクノズルおよび抽出器の間のアーク放電のための電位、抽出器上に積み重なるインク、およびインク抽出点および印刷表面22の間の相対的に限定された飛距離(H)などの問題に追加的に対処している。流体抽出器は、普通に産業用の連続的なインクジェット(CIJ)プリンタで連想される飛距離を有する高い粘度の流体の印刷を可能にする。
【0024】
図1の例において、プリンタ10は、キャリア流体14を含む第1ノズル26、および印刷流体16を含む第2ノズル(つまりインクノズル)を含む。ここに使用されるように、インクまたは印刷流体は、圧力下で流れるいずれかの流体である。いくつかの印刷流体は、堆積後に凝固することができる。凝固は、溶剤蒸発、化学反応、冷却または焼結などの種々の機構を経て起こり得る。いくつかの場合において、印刷流体は、印刷流体が印刷された表面上でひとたび凝固されると、色づけより他の機能を提供する印刷流体である、機能的なインクである。そのような機能の例には、電気導電性、誘電特性、物理構造(たとえば、剛性、弾性もしくは摩擦抵抗)、電磁気の遮蔽特性またはフィルタ特性、光学特性、エレクトロルミネセンス、対生物作用性などを含む。潤滑剤などのいくつかの他の印刷流体は、堆積後に凝固することを意図しない。
【0025】
明確に図示されていないが、ノズル20,26は、プリンタ10の印刷ヘッドの部分であってもよく、印刷ヘッドは、印刷表面22に対して相対的に移動するように構成されている。印刷ヘッドは、たとえば、ノズル20,26を支持する、ならびに/または、ノズルの内部における流体14,16に圧力を提供しかつノズルおよび/もしくはそれらの含まれる流体に対する電圧をかけるように構成された1つ以上の連結を含む、ハウジングまたは他の構造を含んでいてもよい。プリンタ10は、また、他の図示しない構成を含んでいてもよく、いくつかの例を挙げると、ベース、印刷ヘッドおよび印刷表面22を互いに相対的に移動するための駆動機構、複数のインクノズル20もしくはキャリア流体ノズル26、指向性場の発生器、オンボードインク供給源、ノズルの中における流体14,16を加圧する手段、空気または他のガスのコネクタ、圧力制御装置、または1つ以上の電源、ならびに抽出器12および抽出口18の間に生ずる抽出場を選択的に制御するための関連付けられた制御部などである。
【0026】
キャリア流体ノズル26は、印刷表面22の方へキャリア流体の流れ12を向けるように構成され、インクノズル20は、抽出口18で印刷流体16を提供するように構成される。ノズル20,26の相対的な方向は、キャリア流体の流れ12が印刷表面22の方へ流れるときに、抽出口18を通り過ぎるようにされている。図示された例において、それぞれのノズル26,20の中心の長手方向の軸A
1,A
2は、X-Z平面において交差する。第1ノズル軸A
1は、鉛直かつ印刷表面22に対して垂直であり、第2ノズル軸A
2は、
図1中の印刷表面に水平かつ平行である。しかし、ノズル軸が斜めの角度で、互いにおよび/または印刷表面に交差してもよいため、これらのノズルの方向は欠かせないものではない。
【0027】
キャリア流体14は、10センチポアズ(cps)もしくはそれ以下などの相対的に低い粘度を有する、相対的に揮発性がある液体溶剤(たとえば、有機溶剤)であってもよい。いくつかの実施の形態において、キャリア流体14は、印刷流体16にも含まれる溶剤または液体を含む。たとえば、印刷流体の固体状の成分が、溶解され、懸濁され、または乳化された液体である。ノズル26において流体14に印加された十分に高い圧力P1のため、高い速度のキャリア流体の流れ12が、ノズルの吐出口28で生じ、印刷表面22の方へ向けられる。吐出口28は、1μmから100μmまで、20μmから100μmまで、または20μmから70μmまでの範囲であってもよい。圧力P1は、5psiから500psiまで(34kPaから3.4MPaまで)の範囲であってもよい。圧力P1は、典型的に50psi以下である従来の低い解像度のCIJインク圧力より、かなり高くてもよい。キャリア流体14の高い圧力P1は、さらに以下で論じられるように、キャリア流体の流れが液滴の流れであるときに、より高い解像度の印刷を可能にする。
【0028】
キャリア流体の流れの相対的に高い速度(v)は、必須および有利の両方であると言ってもよい。高い速度は、高速印刷に繋がるといってもよい。しかし、閾値速度以下で、キャリア流体の流れは、電位差および結果として生じている電気的な引き寄せによって、インクノズル20上に流れるであろう。閾値速度は、電位(V1-V2)、抽出器12と抽出口18との間の距離(D)、印刷流体16の粘度、抽出口の寸法、および流体14,16の導電性を含む、いくつかの要因に依存する。流体14,16の間の電位がおよそ2000Vである、ひとつの制限しない例において、閾値速度は、およそ6m/sからおよそ11m/sまでの範囲である。プリンタ10は、20m/sから50m/sまでの範囲などのCIJプリンタの速度に匹敵する速度(v)を有するキャリア流体の流れを生み出すことが可能である。
【0029】
キャリア流体14は、いくつかの場合において導電性があってもよく、これによって、キャリア流体が印加される電圧(V1)から電荷をより容易に受け入れることを許容する。導電性のキャリア流体のある特定の例は、20,000μS/cmより大きい電気導電性を有する、SIGNASPRAY(R)(Parker Laboratories, Inc., Fairfield, NJ, USA)である。導電性キャリア流体14の別の例は、ナノ粒子などの金属(たとえば銀)粒子の懸濁を有する溶剤である。もちろん、キャリア流体14の固体量は、堆積されたインクに存在しているであろう。他の場合において、キャリア流体14は、非導電性である。適当な非導電性のキャリア流体の一例は、およそ0.06μS/cmの導電度を有する、イソプロピルアルコール(IPA)である。非導電性のキャリア流体は、アーク放電の閾値を増加し、高い電圧の使用を許容し、結果として、高い印刷流体の抽出率およびより速い印刷プロセスを可能にする。上述したように、キャリア流体は、印刷流体16の部分でもある溶剤を含んでもよく、またはそのような溶剤であってもよい。いくつかの場合、抽出口18から印刷表面まで移動する間に印刷流体16から蒸発する溶剤は、堆積された流体が所望の溶剤量を維持するように、キャリア流体によって満たされる。
【0030】
印刷流体16は、キャリア流体14に対して相対的に高い粘度を有していてもよい。印刷流体の粘度は、たとえば1cpsから300,000cpsまでの範囲であってもよい。種々の実施の形態において、印刷流体の粘度は、300,000cpsもしくはそれより低い一方で、10cpsより高く、30cpsより高く、100cpsより高く、1000cpsより高く、10,000cpsより高く、または100,000cpsより高くてもよい。たくさんの機能的なインクは、高い固体量および/または粒子寸法によって高い粘度を有する。インクノズル20における印刷流体16の背圧P2は、0.5psiおよび200psi(3.4kPaから1.4MPaまで)の間など、他のノズル26における圧力P1と比較して低くてもよい。抽出口18は、1μmから200μmまでの範囲であってもよい。一実施の形態においては、抽出口18は、20μmから100μmまでの範囲である。高い解像度の印刷は、典型的に、1μmから2μmまでの開口などのより小さい抽出口18が必要である。
【0031】
キャリア流体14および印刷流体16が流体の抽出流れ12に沿って合流する前の、それらの間の電位差は、500Vから5000Vまで、または1000Vから5000Vまでの範囲であってもよい。印加される電圧(V1,V2)の種々の組合せが可能であり、電圧は、種々の方法で印加されてもよい。たとえば、ノズル20,26の1つまたは両方は、金属材料(たとえば、ステンレス鋼)などの導電性材料から形成されていてもよいし、電圧は流体14,16がノズルの内部に接触した状態でノズル20,26に印加されてもよい。別の例では、ノズル20,26の各々は、導電性の部分を有し、ノズルのその部分に電圧が印加される。たとえば、ノズル20,26は、内部の表面上にメッキされたまたは堆積された金属層を有する非導電性材料(たとえば、プラスチック)から形成されることができ、または、ノズルは、対応している抽出口18または吐出口28を含む導電性の先端を含んでいてもよい。他の実施の形態においては、電圧の各々は、ノズルにおける流体に、またはノズルを供給する貯蔵器に、少なくとも部分的に浸された電極に印加される。
【0032】
一例において、印刷流体16上の電圧は、キャリア流体14上の電圧より大きい(V2>V1)。たとえば、キャリア流体14が接地され、または電位が印加されていない状態でフロートしているとき、印刷流体16に高い電圧(500-5000V)が印加されてもよい。この配置は、導電性のキャリア流体を使用しているときに、特に適当である。これは、固体状態の抽出器を持つ好まれる配置に類似しており、その配置では、印刷流体が抽出器の方へ引き寄せられ、そしてそれによって、印刷流体がインクノズルから抽出されることを引き起こすために、抽出器が接地され、高電圧パルスが印刷流体に印加される。この配置において、抽出口18での電荷密度は、鋭いノズル先端を備えることによって大変高く、アーク放電の閾値を抽出の閾値より高くしやすく、これによりアーク放電に関わることなく印刷流体16の抽出を許容する。この配置は、印刷表面22がキャリア流体14と同じ電位(つまり、ゼロの印加電圧または接地)であってもよいという事実によって、制限されてもよい。これは、高い電圧の印刷流体16がキャリア流体の流れ12および印刷表面22の両方に引き寄せられることができる、つまり、インクノズル20に対する印刷表面22の近接が、抽出される印刷流体の軌道に影響し得ることを意味する。これは、たとえば、かなり近接して重合体の基板上に印刷する、および/または、非導電性キャリア流体を使用する時に問題がある可能性がある。適切なとき、この配置における導電性のキャリア流体の使用は、キャリア流体を抽出口18に近い電場におけるより支配的な素子にすることによって、このような問題を緩和する助けとなる。
【0033】
別の例において、印刷流体16上の電圧は、キャリア流体14上の電圧より低い(V2<V1)。たとえば、印刷流体16が接地される、または電位が印加されていない状態でフロートしているとき、高電圧がキャリア流体14に対して印加されてもよい。この配置において、インクノズル20の抽出口18では高い電荷密度はない。このため、この配置によっては印刷流体のいくつかのタイプを抽出することができないかもしれない。しかし、相対的に低い電荷密度でe-jet印刷をすることができる流体については、この配置は、印刷流体16と基板24とが同電位であるため、基板の干渉を避けるだろう。キャリア流体の流れ12は、全体システムにおける印刷流体のための唯一の引き寄せる特徴である。たとえ印刷表面22がいくつかの残留静電気を持っていても、キャリア流体の流れにおける電荷の大きさは、基板に対する抽出された印刷流体のどんな引き寄せにも容易に打ち勝つ。いくつかの場合において、アーク放電の事象において電流の流れを有効に制限するために、印刷流体を接地しないこと(つまり、印刷流体が電気的にフロートしている電位を持つことを許容すること)の利益があるかもしれない。電荷が印刷流体を離れるための経路がないことから、キャリア流体から印刷流体に移る電荷の量は、制限される。インクノズル20を通過している電荷を制限することは、アーク放電の電流によって生じた熱を減らすことを助け、それゆえ、ノズルが熱硬化性の印刷流体で詰まる可能性を減らす。
【0034】
別の例においては、反対の極性を有するゼロでない電圧がキャリア流体14および印刷流体16に印加される。たとえば、高い大きさの負の電圧(たとえば、V1=-2000V~-5000V)がキャリア流体14に印加されるとともに、適度な電圧(たとえば、V2=500V~1500V)がインクノズル20における印刷流体16に印加されてもよく、それで抽出流れ12が印刷流体16および印刷表面22より低い電位になる。この配置において、インクノズルと基板24と他の近くの構成要素との間の電位差は、ノズルから印刷流体16を抽出するために不十分であるが、印刷流体に適用される正の電圧は、インクノズル20において電荷密度の相当なレベルを与えるために十分である。その効果は、負に荷電された抽出流れ12が、抽出口18を通り過ぎるときに、印刷流体を抽出するために十分な電位差を提供する唯一の特徴であるということである。これは、抽出される印刷流体が、印刷流体が合流して印刷表面の方へ向かい続けるキャリア流体の流れ以外の何かに引き寄せられる確率を低減する。
【0035】
特定の実施の形態において、1000Vの電荷がインクノズル20に印加され、-2000Vの電荷がキャリア流体14に印加される。これらの電圧のレベルは、抽出された印刷流体がキャリア流体の流れ12および基板の間を有効に区別するために十分であり、そのため、抽出されたインクが抽出流れ12により引き寄せられ、基板または他の荷電されていない構成要素から重大な競合無しにキャリア流体に合流する。これは、キャリア流体14が実質的に非導電性(たとえば、IPA)である場合にも該当する。
【0036】
印刷流体の飛距離(H)は、5mmから15mmまでの範囲であってもよく、連続的な流れ、均一な液滴の流れ、または不均一な液滴の流れ(たとえば、ドロップオンデマンド)であり得る、キャリア流体の流れ12の特徴によって大部分が決定される。印刷流体の抽出の比率は、電位、背圧(P
2)、抽出口18とキャリア流体の流れとの間の距離(D)、抽出口のサイズ、および印刷流体16の特徴(たとえば、導電性、粘度など)によって決定される。
図1の例は、キャリア流体の連続的な流れ12を描写する。連続流れの形式で、キャリア流体は、壊れて個々の液滴になることなく、連続する流れの中において印刷流体16を抽出することができ、そのため、2つの流れが合流し、大体がキャリア流体の流れの方向において印刷表面の方へ向かい続ける。
【0037】
図2は、抽出器12がキャリア流体の均一な液滴30の流れである電気流体力学的プリンタ10の一例を概略的に示す。ここで使用される「均一な」とは、流れ12の液滴30が移動の方向において均等に間隔をあけ、互いに同じサイズであることを意味する。
図2において示されるキャリア流体の流れの放出と形成は、CIJ印刷において生ずるインクの噴射方法に類似している。しかしながら、この場合において、壊れて液滴になる流体はキャリア流体14であり、印刷流体16ではない。ノズル26におけるキャリア流体14は、圧力P
1で加圧される。しかし、一定圧力がノズル26に適用される
図1のキャリア流体の連続的な流れと異なり、ノズル26におけるキャリア流体14に適用される圧力P
1は、一定の周波数で変わる。一定の周波数で圧力を変える1つの方法は、圧電素子32によることである。圧電素子32は、電圧が印加されたときに、機械的に撓む。素子32は、撓むときに、つまり、ノズルにおけるキャリア流体14の量をわずかに減少させることによって、ノズル26における圧力を増加させるように構成される。圧電素子32に対する電圧は、ノズル26を出て行くときにキャリア流体の流れを壊して均一な液滴30の流れにするために、超音波振動(たとえば、20kHzより大きい)などのとても高い振動数で印加される。
【0038】
キャリア流体の流れが荷電素子34を通り過ぎるときには、荷電素子34は液滴の部分に電荷を与える。この例において、荷電素子34は、キャリア流体の流れが通る荷電リングである。電圧V1は、通過する液滴の一部を選択的に荷電するために、断続的に荷電素子34に印加される。特に、インクノズル20から印刷流体16の液滴を抽出し、印刷表面に留まろうとする液滴30のみが荷電される。荷電素子34は、また、電極と呼んでもよい。
【0039】
インクノズル20の抽出口18を通り過ぎるとき、キャリア流体の液滴の第1部分の液滴30の各々(つまり、荷電された液滴)は、印刷表面22の方へ運ばれるキャリア流体のそれぞれの液滴に合流する印刷流体16の液滴を抽出する。液滴30の第2部分(たとえば、荷電されていない液滴)は、印刷流体の液滴を抽出せず、単に、キャリア流体の流れの元の方向に留まる。
【0040】
インクノズル20を通り過ぎた後、キャリア流体の流れは、指向性ユニット36を通り過ぎる。この場合において、指向性ユニット36は、一対の逆に荷電されたプレートを含む。キャリア流体の荷電されていない液滴の第2部分は、指向性ユニット36によって影響を受けず、流れ12の元の方向に沿って収集器38の内部に入り続ける。収集器38において、キャリア流体は、清浄なキャリア流体をノズル26に供給するかまたは再利用のために貯蔵するキャリア流体供給源40に戻される。各々が今や印刷流体の液滴と合流した、荷電された液滴30’の第1部分は、指向性ユニット36によって収集器38から離れるように、そして印刷表面22に向かうように向けられ、印刷パターン42の部分として所望の場所に堆積される。
【0041】
図2において、基板24および印刷表面22は、印刷ヘッドと同じ図の中に印刷パターン42を示すために平面図で概略的に示されている。荷電された液滴30’の各々に印加される電荷の大きさは、同じであることができ、指向性ユニットの対向する面にかかって印加される電圧は一定であることができ、所望のパターン42を生み出すために互いに相対的に印刷ヘッドおよび/または基板24が移動する。そのような配置において、印刷流体を運んでいる荷電された液滴30’の各々は、キャリア流体の流れの軸A
1から同じ量だけ横方向に方向を変え、相対的に印刷ヘッドに対する基板の移動は、印刷される材料の所望のパターン42を形成するために依存される。
【0042】
いくつかの実施の形態において、指向性ユニットの効果が変わるように、荷電された液滴の各々に印加された電荷が変わる。言い換えれば、より高度に荷電された液滴は、指向性ユニットによってより影響され、より多くの量だけ横方向に方向を変えられる。代替的または付加的に、指向性ユニットにかかる電圧は、似た効果を持って変えられる。この方法において、印刷ヘッドと基板24との間の相対的な移動は、より単純にすることができる。たとえば、印刷流体を運んでいる複数の異なる荷電された液滴は、x方向における液滴の列として印刷表面22上に連続的に堆積されることができ、印刷ヘッドは基板24に対してx方向に相対的に移動せず、その後、基板および/または印刷ヘッドが、別の液滴の堆積の列を始めるためにy方向に割り出される。列方向における印刷ヘッドまたは基板の移動なしでの液滴の列の長さは、指向性ユニット36が可能な方向を変える総量に対して、当然制限される。いくつかの実施の形態において、指向性ユニット36は、x方向、y方向およびxとyの何らかの組合せなど、1つ以上の方向において荷電された液滴の方向を変えるように構成される。
【0043】
図3は、抽出器12がキャリア流体の液滴30の不均一な流れである電気流体力学的プリンタ10の一例を概略的に示す。液滴の不均一な流れにおいて、個々の液滴間の間隔は、液滴ごとに変わる。この構成は、キャリア流体30の液滴が、対応する印刷流体16の液滴を印刷表面22まで運ぶために抽出することが必要とされるときのみに生成される、ドロップオンデマンドの印刷として機能することができる。
図3に示されるキャリア流体の流れの放出と形成は、産業用でないインクジェットプリンタにおいてインクの噴射が生まれる方法に類似する。ノズル26におけるキャリア流体14は、キャリア流体の液滴が欲せられるとき、圧力パルスを受ける。この場合、圧力パルスの各々は、キャリア流体14の仕事量の小さい減少を引き起こす方向に撓む圧電素子32によって提供される。キャリア流体14の対応する量は、圧力パルスの各々とともに吐出口28を通じて解放される。圧力パルスは、熱エネルギー(たとえば、泡噴射)によるなど、他の手法で生み出されてもよい。
図3のドロップオンデマンドの実施の形態と一致する別の例では、ノズル26におけるキャリア流体14は、5psiから150psiまでの範囲で加圧され、ソレノイドまたは圧電素子によって制御される液滴の解放バルブがキャリア流体の流れを作り出すために使用される。
【0044】
キャリア流体の流れ12の液滴30の各々が荷電され、液滴の各々は、それゆえインクノズル20の抽出口18を通り過ぎるときに印刷流体16の液滴を抽出する。印刷流体の抽出された液滴の各々は、対応するキャリア流体の液滴に合流し、印刷表面に堆積される。印刷パターンは、xおよびy方向における印刷ヘッドと印刷表面22との相対的な動き、ならびに、圧力パルスのタイミングおよび対応する液滴の形成によって、制御される。この例において、キャリア流体は、ノズル26の中のキャリア流体14に接触する電極44を経た電圧(V
1)の印加によって荷電される。他の実施の形態においては、キャリア流体の液滴は
図2に示すように、荷電されたノズル26に対して外側の電極を通り過ぎてもよい。液滴の流れのすべての液滴30が印刷流体を抽出するために荷電されるため、荷電された液滴を印刷表面に向かせ、荷電されていない液滴を印刷表面から離すために、指向性が無い場が必要とされる。しかしながら、指向性場は、液滴の軌道に対する付加的な制御のために任意に使用されることができ、電極を変える、または、素子電圧(V
1)を荷電することによって、液滴の各々の電荷の量を変えることができる。
【0045】
高い粘度の印刷流体16は、抽出器としてキャリア流体の流れを使用してうまく印刷される。動作の例において、印刷流体16は、典型的にスクリーン印刷(DGP-NO, ANP Materials, Milpitas, CA, USA, www.anapro.com)によってのみ印刷可能な銀ナノペーストである。この印刷流体は、50,000~150,000cpsの間の粘度を有し、70~80wt%の銀ナノ粒子を含む。インクノズル20は、200μmの距離(D)によって、抽出流れ12から間隔をあけられた70μmの抽出口18を有する。キャリア流体14と印刷流体16との間の電位は2000Vである。6m/sと11m/sとの間の速度にあるキャリア流体14の流れ12によって、印刷流体16は、インクノズル20から抽出され、キャリア流体の流れに合流して印刷表面に運ばれた。
【0046】
図4~7は、抽出された印刷流体16がキャリア流体14の流れに合流する、異なる方法を示す。
図4は、
図1のキャリア流体14の連続的な流れの部分の拡大図である。この例において、印刷流体16は、キャリア流体14に混合することができない。したがって、2つの流体14,16は、それらが印刷表面の方へ移動するときに混ざらない。これは、キャリア流体14が印刷流体16を希釈することを妨げるために望ましい状況といってもよく、そうしないと、キャリア流体と印刷流体とが混合可能である場合、溶質に対する溶媒の比が変わる。キャリア流体14は、印刷表面に向かう経路上でキャリア流体の少なくとも一部を蒸発させるため、とても低い沸点を有するように選ぶことができ(たとえば、アセトン)、そのため、印刷流体16は最小のキャリア流体の量で堆積される。同じ発想は、
図3のキャリア流体の流れの一部の拡大図である
図5に示されるような、均一な、または、不均一な液滴30の形式のときのキャリア流体の流れに適用される。
【0047】
図6は、印刷流体16がキャリア流体14に混合することができる
図4の代替版である。2つの流体14,16は、それらが合流する、および/または、印刷流体の方へ移動するときに混ざる。これは、印刷流体16が、インクノズル20から印刷表面まで移動する間に部分的に蒸発される低い沸点の溶媒を持って調製されているときには望ましい状況といってもよい。キャリア流体14は、印刷流体16から蒸発する溶媒を含むことができ、または、同じ溶媒であってもよく、それにより、蒸発した溶媒を補充してもよく、そのため、印刷流体は、ノズルにおける印刷流体の溶質に対する溶媒の比にとても近い溶質に対する溶媒の比で、またはいくつかの異なる比で、堆積される。同じ発想は、印刷流体16がキャリア流体14に混合することができる
図5の代替版である
図7に示されるような、均一な、または、不均一な液滴30の形式のときのキャリア流体の流れに適用される。
【0048】
図8は、
図1の構成に適用するときのプリンタの洗浄モードを示す。印刷流体16が溶解できる、または、そうでなければ、キャリア流体14と親和性があるとき、キャリア流体は、インクノズル20のための清浄剤または詰まり防止剤として用いられる。プリンタが印刷していないとき、背圧は印刷流体16から除去され、そしてキャリア流体14の圧力P
1は、ノズル26から出て行くキャリア流体の流れ12の速度が、電圧がそれぞれの流体に印加されるときに、キャリア流体の流れがインクノズル20を通り過ぎるために十分な高さでないように、低減される。結果として、キャリア流体の流れは、ノズル20に引き寄せられ、清浄なノズル先端を維持するために役立ち、印刷流体16が干上がる、または、そうでなければ抽出口18を詰まらせることを妨げる。
【0049】
前述の説明は、本発明の1つ以上の実施の形態の説明であると理解される。本発明は、ここに開示される特定の実施の形態に限定されず、むしろ以下の特許請求の範囲によって単独で定義される。さらに、前述の説明の中に含まれる主張は、開示された実施の形態に関連し、用語または句が上記で明確に定義された場合を除いて、発明の範囲または特許請求の範囲において使用される用語の定義を限定するように解釈されない。種々の他の実施の形態、ならびに開示された実施の形態に対する種々の変更および修正は、当業者に明らかになるだろう。
【0050】
この明細書および特許請求の範囲において使用されるとき、用語「たとえば(e.g.)」、「たとえば(for example)」、「たとえば(for instance)」、「など(such as)」、および「など(like)」、ならびに、動詞「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、およびそれらの他の動詞形は、1つ以上の構成要素または他の項目の列挙と組み合わせて使用されるとき、オープンエンドとして各々解釈されるべきであり、列挙が他の追加の構成要素または項目を除外する者と考えられていないことを意味する。さらに、「電気的に接続された」という用語およびその変形は、無線電気接続と、1つ以上のワイヤ、ケーブル、または導体を介して行われる電気接続(有線接続)との両方を包含することを意図している。他の用語は、異なる解釈を必要とする文脈で使用されない限り、それらの最も広い合理的な意味を使用して解釈されるべきである。
【国際調査報告】