(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】RFIDマルチ読み取りポータル
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20231226BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
G06K7/10 268
G06K7/10 144
G07G1/00 311D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536066
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 US2021072873
(87)【国際公開番号】W WO2022133414
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520392214
【氏名又は名称】フジツウ フロンテック ノース アメリカ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】FUJITSU FRONTECH NORTH AMERICA INC.
【住所又は居所原語表記】27121 Towne Centre Drive,Suite 100,Foothill Ranch,CA 92610,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マークマン,ハーバート
(72)【発明者】
【氏名】テッター,アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ダルトン,ダニエル,ジー.
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142BA01
3E142EA02
3E142GA04
3E142GA22
3E142GA41
(57)【要約】
マルチ読み取りRFIDコードのためのシステムおよび方法が開示される。システムは、ポータル、RFIDリーダ、入口センサ、出口センサ、およびコントローラを備えることができる。コントローラは、物品ごとにRFIDコードデータおよび読み取りタイムスタンプを受信し、開始トリガタイムスタンプおよび停止トリガタイムスタンプを受信し、開始トリガタイムスタンプおよび停止トリガタイムスタンプに基づいて読み取り領域時間範囲を決定し、先読みオフセットおよび後読みオフセットによって調整された読み取り領域時間範囲に基づいてアクティブ読み取り領域タイムフレームを決定し、RFIDコードデータに関連付けられた読み取りタイムスタンプがアクティブ読み取り領域タイムフレームの間に発生した場合、RFIDコードデータを第1のグループに関連付け、第1のグループのRFIDコードデータを処理し、第1のグループの処理の結果を出力インターフェースに送信する、ように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品によって運ばれるマルチ読み取り無線周波数識別(RFID)タグのためのシステムであって、前記システムは、
読み取りゾーンの流入口と流出口との間に配置された前記読み取りゾーンを有するポータルであって、各物品がRFIDタグを含む複数の物品を受け入れるように構成された、ポータルと、
各物品の前記RFIDタグを読み取り、(a)前記RFIDタグに基づくRFIDコードデータ、および(b)前記RFIDタグが読み取られた時間を表す読み取りタイムスタンプをコントローラに送信するように構成されたRFIDリーダと、
開始トリガを検出し、開始トリガタイムスタンプを前記コントローラに送信するように構成された入口センサであって、前記開始トリガタイムスタンプが、前記複数の物品の第1のグループの前記読み取りゾーンへの前記入口を示す、入口センサと、
停止トリガを検出し、停止トリガタイムスタンプを前記コントローラに送信するように構成された出口センサであって、前記停止トリガタイムスタンプが、前記読み取りゾーンから前記第1のグループの前記出口を示す、出口センサと、
前記RFIDリーダ、前記入口センサ、前記出口センサ、および出力インターフェースと動作可能に通信する前記コントローラであって、前記コントローラが、
物品ごとに前記RFIDコードデータおよび前記読み取りタイムスタンプを受信することと、
前記開始トリガタイムスタンプおよび前記停止トリガタイムスタンプを受信することと、
前記開始トリガタイムスタンプおよび前記停止トリガタイムスタンプに基づいて読み取り領域時間範囲を決定することと、
時間の先読みオフセットおよび時間の後読みオフセットのうちの少なくとも1つによって調整された、前記読み取り領域時間範囲に基づいて、アクティブ読み取り領域タイムフレームを決定することと、
RFIDコードデータに関連付けられた前記読み取りタイムスタンプが、前記アクティブ読み取り領域タイムフレーム中に発生した場合に、前記RFIDコードデータを前記第1のグループに関連付けることと、
前記第1のグループの前記RFIDコードデータを処理し、前記第1のグループの前記処理の結果を出力インターフェースに送信することとを、行うように構成されている、コントローラと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記コントローラによって受信された前記RFIDコードデータの少なくとも一部は、ブリード領域内の前記ポータルの外側に配置されたRFIDタグから生成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記RFIDリーダは、前記システムの動作中にアクティブ状態にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記停止トリガは、前記第1のグループを含むキャリアが前記読み取りゾーンを出るときを示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記開始トリガは、前記第1のグループを含むキャリアが前記読み取りゾーンに入るときを示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記アクティブ読み取り領域タイムフレームは、前記読み取り領域時間範囲よりも長い持続時間である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記出力インターフェースは、ディスプレイまたは支払システムである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
物品によって運ばれる無線周波数識別(RFID)タグをマルチ読み取りするための方法であって、前記方法は、
ポータルによって複数の物品を受け取るステップであって、各物品はRFIDタグを含む、ステップと、
コントローラによって、物品ごとにRFIDコードデータおよび関連する読み取りタイムスタンプを受信するステップと、
開始トリガタイムスタンプおよび停止トリガタイムスタンプを受信するステップと、
前記開始トリガタイムスタンプおよび前記停止トリガタイムスタンプに基づいて、読み取り領域時間範囲を決定するステップと、
時間の先読みオフセットおよび時間の後読みオフセットのうちの少なくとも1つによって調整された前記読み取り領域時間範囲に基づいて、アクティブ読み取り領域タイムフレームを決定するステップと、
RFIDコードデータに関連付けられた前記読み取りタイムスタンプが前記アクティブ読み取り領域タイムフレーム中に発生した場合に、前記RFIDコードデータを前記複数の物品の第1のグループに関連付けるステップと、
前記RFIDコードデータを前記第1のグループで処理するステップと、
前記第1のグループの前記処理の結果を出力インターフェースに送信するステップと、を含む方法。
【請求項9】
RFIDリーダによって、各物品の前記RFIDタグを読み取り、(a)前記RFIDタグに基づく前記RFIDコードデータ、および(b)前記RFIDタグが読み取られた前記時間を表す前記読み取りタイムスタンプを、前記コントローラに送信するステップと、
開始トリガを検出し、かつ前記開始トリガタイムスタンプを前記コントローラに送信するステップであって、前記開始トリガタイムスタンプが、前記複数の物品の前記第1のグループの前記読み取りゾーンへの入口を示す、ステップと、
停止トリガを検出し、停止トリガタイムスタンプを前記コントローラに送信するステップであって、前記停止トリガタイムスタンプは、前記読み取りゾーンからの前記第1のグループの出口を示す、ステップと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のグループ内に重複するRFIDコードデータが存在するときを決定するステップと、前記第1のグループのRFIDコードデータの前記処理の前に重複するRFIDコードデータを除去するステップと、をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記処理の前にRFIDコードデータをバッファに配置するステップを、さらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記処理の後に、RFIDコードデータに関連付けられた前記読み取りタイムスタンプは前記読み取り領域時間範囲の開始点または開始点の後に発生したとき、前記バッファから前記RFIDコードデータを除去するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記RFIDリーダは、前記方法の間、アクティブ状態にある、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記コントローラによって受信された前記RFIDコードデータの少なくとも一部は、ブリード領域内の前記ポータルの外側に配置されたRFIDタグから生成される、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータ可読プログラムコードがその中で具現化されたコンピュータ使用可能媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ可読プログラムコードは、物品によって運ばれる無線周波数識別(RFID)タグをマルチ読み取りするための方法を実行されるように適合され、前記方法は、
ポータルにおいて受け取られた1つまたは複数の物品についてのRFIDコードデータおよび前記RFIDコードデータに関連付けられた読み取りタイムスタンプを受信するステップと、
開始トリガタイムスタンプおよび停止トリガタイムスタンプを受信するステップと、
前記開始トリガタイムスタンプおよび前記停止トリガタイムスタンプに基づいて、読み取り領域時間範囲を決定するステップと、
時間の先読みオフセットおよび時間の後読みオフセットのうちの少なくとも1つによって調整された前記読み取り領域時間範囲に基づいて、アクティブ読み取り領域タイムフレームを決定するステップと、
前記アクティブ読み取り領域タイムフレーム中に前記読み取りタイムスタンプが発生したときに、前記RFIDコードデータを第1の物品グループと関連付けるステップと、
前記第1のグループの前記RFIDコードデータを処理するステップと、
前記第1のグループの前記処理の結果を出力インターフェースに送信するステップと、を含む、
コンピュータプログラム製品。
【請求項16】
前記開始トリガタイムスタンプは、前記第1のグループの物品の前記読み取りゾーンへの入口を示す、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
前記方法は、前記第1のグループ内に重複するRFIDコードデータが存在するときを決定するステップと、前記処理の前に重複するRFIDコードデータを除去するステップと、をさらに含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
前記方法は、前記処理の前にRFIDコードデータをバッファに配置するステップをさらに含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記方法は、前記処理の後に、前記読み取り領域時間範囲の開始点の後に発生した読み取りタイムスタンプに関連付けられたRFIDコードデータを、前記バッファから除去するステップをさらに含む、請求項18に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記アクティブ読み取り領域タイムフレームは、前記読み取り領域時間範囲よりも長い、請求項18に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線周波数識別(RFID)タグ付き物品、特に物品のグループまたはバッチ内のマルチ読み取りRFIDタグのリーダの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
RFIDタグとポータルの読み取りゾーンに方向づけられた1つまたは複数のRFIDアンテナとの間の電磁相互作用を集中させるために、いくつかの態様が当技術分野で個別に組み合わせて使用されている。近くに位置する可能性があるがグループのメンバではない物品に関連付けられたタグとの相互作用を最小限に抑えながら、読み取りゾーンに手動で運ばれるか、またはカート、車輪付きの箱、ショッピングカート、衣類吊り下げ機器などで移動された物品を読み取るのに有用なRFIDマルチ読み取りポータルが提供されることが求められている。グループは、互いに近接して配置された複数のRFIDタグ付き物品であり、例えば、搬送バッグに包含され、可動カートまたは箱に配置され、別個の長さのコンベヤまたは同様の輸送で運ばれ、あるいはポータルの読み取りゾーンを通過する間に一緒に配置される。
【0003】
当技術分野における開示された方法および装置は、読み取りゾーンに焦点を合わせる形状であり得る反射面が並べられた部分的な筐体と、損失の大きい材料を含み、任意選択で反射シートで外向きに面し、読み取りゾーンの外側で信号の伝播を制限および減衰させ、伝播経路を延長するように、すべて配置されている、隣接する電磁信号減衰構造と、を含む。加えて、感知およびシグナリングと共に、RFID読み取り/書き込み信号レベルおよびタイミングの可変制御は、読み取り筐体を通って、またはポータルの読み取りゾーンと交差する通過経路に沿って移動されるRFIDマルチ読み取りタグ符号化アイテムのグループのRF電力密度および滞留時間などの1つまたは複数の要因を制御するために、開示されている。
【0004】
グループ内のパッシブ型UHF RFIDタグを読み取るためには、各タグと相互作用するのに十分なRF電力密度が必要である。これは、各RFIDタグを充電し、ポーリング手順中にRFIDタグと通信するための電力を含む。このプロセスを支援するために、RF電力レベルを向上させること、および/または相互作用時間を延長することが可能であり得るが、これは、グループの外側のタグとの望ましくない相互作用のリスクを増加させる可能性がある。
【0005】
さらに、RFIDタグは、積み重ねもしくはスタックもしくはハンガーラック、または他の隣接状態など、密に配置された物品上で運ばれてもよい。従来は、密に配置されたタグを読み取ることは、タグに呼び掛ける高いまたは最大の可能な電力レベルと、応答を識別する高いまたは最大感度のRFIDアンテナ構成とを使用して行われてきた。開放環境においてタグへの照射(充電)、および応答を検出するプロセスは、大きすぎる領域または体積にわたる偶発的な相互作用のリスクがあり、精査中のRFIDタグのグループの一部ではないRFIDタグを包含する可能性がある。例えば、公称RFIDタグ読み取りレベルは、20フィート(6メートル)の範囲で、または直接見通し線に沿って条件が理想的である場合には、50フィート(15m)であっても、タグと相互作用するのに十分であり得る。
【0006】
完全に包囲する導電筐体は、相互作用を筐体内に配置されたタグに制限することができるが、いくつかの用途には適さない場合がある。筐体が、筐体の外側のタグと相互作用することなく電磁的に十分に遮蔽されている場合、高いRF電力密度を安全に適用できる。例えば、遮蔽筐体は、タグが配置される内部反射読み取り領域を作成するように閉じることができる導電遮蔽ドアを有する導電性中空ボックスを備えることができる。したがって、タグとの相互作用は、導電性ボックス内の体積に限定される。電力レベルおよび滞留時間は、望ましくない外部タグ相互作用なしに十分以上であり得る。例えば、米国特許第9760826号明細書を参照されたい。その完全な開示は、参照により本明細書に組み込まれ、これらの問題に対処する。
【0007】
米国特許第9760826号明細書は、RFIDアンテナを含む筐体内に、および任意選択で筐体を越えて通じる通過経路に沿って導電的に覆われた壁を設けることによって、筐体の外側のRFIDタグとの望ましくない相互作用を制限する技術を開示している。したがって、延長された遮蔽されたホールは、往路通過経路および復路通過経路に沿って、導電側壁と、任意選択で上部および底部の導電壁と、を含む。タグ付き物品のバッチまたはグループは、実質的に囲まれており、RFIDアンテナが窪んだ隙間に取り付けられている中央読み取りゾーン内にある時間存在する。往路および復路は、反射を必要とするように傾斜または湾曲した比較的長い信号伝播経路を画定することができ、筐体内のRFIDアンテナと本開示の外部に付随的に配置された「散在する」RFIDタグとの間の直接見通し線の信号経路を含まない(除外する)。これらの規定は、産業上の設置では有効であるが、小売の精算など、オープンなプランが好ましい他の設置では、閉塞的になり制限され得る。RFIDタグをオープンな設置で読み取ることにより、散在するRFIDタグと相互作用すること、物品会計の精度を損なうこと、規定された在庫の主要部分の中でどの物品が実際に存在するかに関するエラーが入ること、読み取りが販売時点である場合にキャッシュレジスタのレシートを追加するときに保護を必要とすること、などのリスクが生じる。オープンな読み取り装置を有することには美的理由があるが、読み取りゾーンを囲むことを必要とする機能的理由がある。
【0008】
その全開示が参照により本明細書に組み込まれる、2020年9月22日に発行された米国特許第10783339号明細書(’339特許)は、グループのメンバではない「散在する」RFIDタグとの相互作用のリスクを最小限に抑えながら、連続するグループ内のマルチ読み取りRFIDタグを効果的に読み取るためのロバストかつ十分な信号振幅および/または滞留タイミングを可能にするために、RFIDアンテナの呼び掛けおよび応答シグナリングを配置することを開示している。言い換えれば、’339特許は、グループ内のタグの充電(呼び掛け)および/または読み取り応答に最低限十分であり得るRF電力密度および相互作用時間を使用し、その結果、グループ内に存在するタグのほとんどまたはすべてのコードが正常に識別され、一方で、近くに位置する可能性があるがそのグループのメンバではないタグとの望ましくない相互作用が区別される。この目的のために、構造的配置および材料が読み取りゾーンに提供され、読み取りゾーンに閉じ込められたタグ充電およびシグナリング効果に焦点を合わせて強化する1つまたは複数の電磁反射面と、同様に、読み取りゾーンと外部ゾーンとの間の信号伝播経路長を長くするために、読み取りゾーンの外側の伝播を間接的な交差経路に制限する反射ホール構造と、動作RF周波数を減衰させる厚さおよび表面の仕上げを含む、ホールに沿って選択的に配置された電磁的な損失の大きい吸収性材料とを、含む、進入および/または出口のホール/ポータルを画定する。’339特許は、適度なサイズであり、散在するRFIDタグと過度に相互作用することなく両端が開放され、小売の精算ライン、衣類ラックリーダ、繊維加工ラインなどを含む様々な用途に有用であり得る、マルチ読み取りRFIDタグ読み取り装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第9760826号明細書
【特許文献2】米国特許第10783339号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本明細書で開示されるのは、物品が、例えばバッグまたはローリングカートなどのポータルを通って運ばれるか、またはポータルを通って移動するときに、高度な信頼性で物品上のRFIDタグのグループの読み取りを可能にするシステムおよび方法である。開示された装置および方法は、高密度に配置された多数のタグのRFIDコードの高速識別を可能にするのに十分高いRF密度を維持する。バッグまたは箱内で互いに上に積み込まれた繊維アイテムなどの何百ものアイテムのRFIDを読み取ることを可能にし、それらがグループの一部であるかのように処理され、所望のグループの外側のタグを含まない、実施形態が開示される。
【0011】
タグ付きアイテム、バッグ、カート、または容器は、通常の歩行ペースでポータル読み取り領域を通過しながら手動で移動させることができ、またはコンベヤもしくは他の動力付きキャリア上で運ぶことができる。
【0012】
読み取りおよび書き込みRFIDアンテナは、呼び掛けおよび応答RFエネルギーをウォークスルーまたは他の様態で通過した筐体内の限られた体積に集中させるように配置される。これは、反射導電材料で構造化された隙間内に複数のRFIDアンテナを配置することと、読み取りゾーンに印加される指向性信号放射および指向性アンテナ感度によって読み取りゾーンとの間で電磁エネルギーを方向づけることとを含むことができる。これはまた、RFIDアンテナを保持する凹状反射構造の使用を含んでもよく、任意選択で、電磁エネルギーをRFIDアンテナに閉じ込めて方向づけるための、放物面集光器、フレネル反射器セグメント、および/またはメタマテリアル導波路構造などのより高性能な配置を含んでもよい。
【0013】
筐体との間のアプローチ(本明細書では「ホール」または「ポータル」と呼ばれる)は、1つまたは複数の側部(および底部(存在する場合)および/または上部(存在する場合))上に構成されて、RFIDアンテナと外部の散在するRFIDタグ、特に小売店の近くに保管されているか、または他の顧客によって持ち運ばれるかもしくは持ち運ばれる様々な在庫アイテムのRFIDタグとの間のRFエネルギーの伝播を制限できる。これは、信号経路伝播長を延長する反射を必要とすること、および/または、ホール/ポータル内の信号が損失の大きい誘電材料の厚さ、もしくはソールズベリー表面などの周波数固有の阻止帯域減衰トラップ、に入射することを確実にすること、のうちの1つまたは複数によって達成される。特定の実施形態によれば、RF吸収性側壁構造は、ホール/ポータルの仕上げ表面に沿って配置され、電磁吸収性の損失の大きい材料を含む。有利な吸収材料には、炭素充填発泡体、グラファイトが埋め込まれたゴム材料、またはフェライトなどの強磁性粒子含有物が含まれる。一実施形態では、ホール/ポータル壁の内向きの仕上げまたは厚さは、吸収性および/または阻止帯域の材料もしくは構造を有し、壁の外向きの厚さまたは裏面は、内向きに反射するように、例えば反射フィルム表面を有するように導電性である。
【0014】
ソールズベリースクリーンは、明確な狭い周波数阻止帯域でRF吸収を達成する既知の手法である。米国特許第2,599,944号明細書「ABSORBENT BODY FOR ELECTROMAGNETIC WAVES」(「ソールズベリー」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる)には、このような構造が記載されている。電磁伝播を減衰させる複合材料構造体は、複合材料構造体の寸法によって決定される周波数帯域でこれらの表面を電磁的に非反射にするために、内側読み取りゾーンと外側との間のホール/ポータル壁に配置された本開示に適用されるように、筐体の導電性壁面に取り付けられる。他の手法は、炭素充填RF減衰発泡体、複合ゴムフェライト材料、または同様の構造もしくは材料を含んでもよい。導電性微粒子または誘電体の充填の程度は、好ましくは、ホール/ポータル壁に入射するRF信号を減衰させて、所与の範囲、例えば1~3メートルを超えて位置する散在するRFIDタグとの相互作用を排除するのに十分である。ホール/ポータル壁での反射信号強度の減衰は、RFIDアンテナでクラムシェル反射構造と共に使用され、一般に、ホール壁間の経路を長手方向または斜めに下るのとは対照的に、読み取りゾーンを横切って横方向に伝播を方向づける。
【0015】
本開示の特定の実施形態によれば、減衰される1つまたは複数の周波数帯域は、タグのRFID UHF読み取り/応答周波数を少なくとも含む。複合構造を保持する表面は、読み取りゾーンに通じるホール/ポータルの少なくとも1つの側壁を含んでもよい。いくつかの代替的な実施形態では、複合材は、対向する両方の側壁に沿って含まれるだけでなく、ホール/ポータルおよび/またはRFIDアンテナ筐体、ならびにホール/ポータルの上部(存在する場合)および底部(存在する場合)は、反射エネルギーの大部分が読み取りゾーンに再び方向づけられることを確実にするように配置された反射材料から構成されてもよい。
【0016】
ソールズベリー特許は、木材ブロックによって金属背面(すなわち、導電性接地面)から離間したグラファイト被覆キャンバス(導電性である)の複合材を開示している。間隔は、吸収される周波数を決定する。有利な間隔は、約4分の1波長(λ/4)である。回路および伝送線路の理論は、短絡(≒0Ωインピーダンス)である接地平面が、接地平面から(λ/4)の距離で開回路(≒∞Ωインピーダンス)に変換されることを示すことができる。抵抗シートを(λ/4)間隔で配置することにより、377Ωのインピーダンスが反射開放回路と並列に配置される。これにより、自由空間に377Ωのインピーダンスを有する入射面RF波が377Ωの負荷シートに整合する構造となる。理想的には、複合材は入射波のエネルギーを完全に吸収する。読み取りゾーンと外側の物品との間のいずれの方向においても、複合材からの反射によってエネルギーは、ほとんどまたは全く伝播しない。同様に、反射フィルムによって形成された導電性裏面から、非導電性プラスチック間隔層(機能的にはソールズベリー木材スペーサに類似する)によって間隔を空けつつ、ホール/ポータル壁の内側(ソールズベリーグラファイトコーティングされたキャンバスのような)に炭素またはグラファイト装填材料の導電性フィルム層などの他の特定の構造で、同じ効果を生み出すことが可能である。
【0017】
電磁信号強度は伝播距離の逆二乗に応じて減衰する。ソールズベリーまたは他の減衰材料および構成を追加して達成される減衰は、伝播経路、特に間接的な(反射された)伝播経路にわたる長さを延長するのと同様の減衰効果を有する。信号減衰の所望の程度、すなわち、RFが散在するRFIDタグと相互作用する有効信号強度でホール/ポータルから出るのを防止または最小化するのに十分な程度は、好ましくは、ホール/ポータル・ワットの幾何学的構成によって部分的に達成される。横方向のホール/ポータル壁の間隔が比較的狭いと、利用可能な縦方向および斜め(反射)経路の長さが長くなり、信号が発生または反射する点と外側の散在するRFIDタグとの間の、直接見通し線の経路が妨げられる傾向がある。幾何学的配置単独か、または減衰材料の減衰と共に幾何学的配置により、例えば、所定の範囲内、例えば、1から10メートル、好ましくは3または4フィート(1.0mから1.3m)を超える範囲内で、RFIDアンテナからポータルの外側の散在するRFIDタグへのRF伝播が、散在するタグ読み取りが無効になる程度まで、減衰される。開示された実施形態によれば、アンテナと散在するタグとの間の減衰は少なくとも10dBだけ取得される。アンテナと対象外の散在するタグの集団との間の直接見通し線を防止することと、対象外タグの減衰に遭遇する前に信号経路を長くする反射を引き起こすこととによって、減衰はまた、損失の大きい吸収材を使用せずに達成されてもよく、その逆も同様である。例示的な実施形態によれば、幾何学形状および損失の大きい吸収体、ならびに/または帯域阻止配置の両方を使用して、最適化された場合に少なくとも10dBおよび潜在的に20dBの所望の減衰を得ることができる。
【0018】
’339特許に開示されている手法は、効果的な高いタグ読み取り成功率、および有利には散在するタグとの低い相互作用率を達成する。これらは、ソールズベリー型材料、他のRF吸収材料もしくは構造の1つまたは複数またはすべてを使用することによって、ならびに、放射パターン操作、反射、および吸収を使用して、RFエネルギーを方向づけおよび反射するようにRF電力方向および形状を操作することによって、(例えば、ソールズベリースクリーン、およびタグ読み取り/応答RFエネルギーを補完するように寸法決めされ、読み取りポータルの外壁の全体形状に組み込まれた他の損失の大きい材料を使用することによって)、達成される。常にアクティブ状態にあるRFIDリーダ(詳細な説明において本明細書で定義される)と組み合わせると、開始トリガの受信とRFIDタグを呼び掛けるための最大電力までの立ち上がりとの間の時間が排除されている間に他の利点が維持されるため、散在するタグとの相互作用率が依然として低いまま、グループに対してさらに効果的な高いタグ読み取り成功率を達成できる。
【0019】
これらおよび他の目的は、RFID観測可能領域を通って移動したグループ内の物品上の複数の関連するRFIDタグを読み取るRFIDリーダを含むポータル内で達成され、読み取りゾーンに集中した呼び掛け/充電および受信/検出のRFIDアンテナを含むが、読み取りゾーンおよび物理ポータルの外側のブリード領域(本明細書では詳細な説明で定義される)での読み取りも含む。物品は、通路を通って移動可能であり、一時停止または移動するときに読み取ることができる。通路は、その中の物品にわたってRFエネルギーを均一に分配する読み取りゾーンに導電性壁を有し、好ましくは、所定の周波数帯域の反射電磁エネルギーを減衰させるように構成された、読み取りゾーンに出入りするホールを有することができる。このホールは、減衰を達成するための電磁減衰表面構造または反射幾何学形状を含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本開示の一態様によれば、物品によって運ばれるマルチ読み取りRFIDタグのためのシステムが開示される。システムは、ポータルと、RFIDリーダと、入口センサと、出口センサと、コントローラとを備える。ポータルは、読み取りゾーンの流入口と流出口との間に配置された読み取りゾーンを有し、ポータルは、複数の物品を受け取るように構成され、各物品はRFIDタグを含む。RFIDリーダは、各物品のRFIDタグを読み取り、(a)RFIDタグに基づくRFIDコードデータ、および、(b)RFIDタグが読み取られた時間を表す読み取りタイムスタンプ、をコントローラに送信するように構成されてもよい。入口センサは、開始トリガを検出し、開始トリガタイムスタンプをコントローラに送信するように構成されてもよく、開始トリガタイムスタンプは、複数の物品の第1のグループの読み取りゾーンへの入口を示す。出口センサは、停止トリガを検出し、停止トリガタイムスタンプをコントローラに送信するように構成されてもよく、停止トリガタイムスタンプは、読み取りゾーンからの第1のグループの出口を示す。コントローラは、RFIDリーダと、入口センサと、出口センサと、出力インターフェースと動作可能に通信する。コントローラは、物品ごとにRFIDコードデータおよび読み取りタイムスタンプを受信し、開始トリガタイムスタンプおよび停止トリガタイムスタンプを受信し、開始トリガタイムスタンプおよび停止トリガタイムスタンプに基づいて読み取り領域時間範囲を決定し、アクティブ読み取り領域タイムフレームを、先読みオフセットおよび後読みオフセットによって調整される読み取り領域時間範囲に基づいて決定し、RFIDコードデータに関連付けられた読み取りタイムスタンプがアクティブ読み取り領域タイムフレーム中に発生した場合、RFIDコードデータを第1のグループに関連付け、第1のグループのRFIDコードデータを処理し、第1のグループの処理の結果を出力インターフェースに送信する、ように構成される。
【0021】
本開示の一態様によれば、物品によって運ばれるRFIDタグをマルチ読み取りするための方法が開示される。本方法は、ポータルによって複数の物品を受け取るステップであって、各物品はRFIDタグを含む、ステップと、コントローラによって、物品ごとにRFIDコードデータおよび関連する読み取りタイムスタンプを受信するステップと、開始トリガタイムスタンプおよび停止トリガタイムスタンプを受信するステップと、開始トリガタイムスタンプおよび停止トリガタイムスタンプに基づいて読み取り領域時間範囲を決定するステップと、先読みオフセットおよび後読みオフセットによって調整された読み取り領域時間範囲に基づいてアクティブ読み取り領域タイムフレームを決定するステップと、RFIDコードデータに関連付けられた読み取りタイムスタンプがアクティブ読み取り領域タイムフレーム中に発生した場合、RFIDコードデータを複数の物品の第1のグループに関連付けるステップと、第1のグループでRFIDコードデータを処理するステップと、第1のグループの処理の結果を出力インターフェースに送信するステップと、を含む。
【0022】
本開示の一態様によれば、コンピュータプログラム製品が開示される。コンピュータプログラム製品は、その中に具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを有するコンピュータ使用可能媒体を備え、コンピュータ可読プログラムコードは、物品によって運ばれたRFIDタグをマルチ読み取りするための方法を実行されるように適合され、本方法は、ポータルで受信された1つまたは複数の物品についてのRFIDコードデータおよびRFIDコードデータに関連付けられた読み取りタイムスタンプを受信するステップと、開始トリガタイムスタンプおよび停止トリガタイムスタンプを受信するステップと、開始トリガタイムスタンプおよび停止トリガタイムスタンプに基づいて読み取り領域時間範囲を決定するステップと、先読みオフセットおよび後読みオフセットによって調整された読み取り領域時間範囲に基づいてアクティブ読み取り領域タイムフレームを決定するステップと、読み取りタイムスタンプがアクティブ読み取り領域タイムフレーム中に発生した場合、RFIDコードデータを第1の物品グループと関連付けるステップと、第1のグループのRFIDコードデータを処理するステップと、第1のグループの処理の結果を出力インターフェースに送信するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】アンテナ読み取りゾーンおよび電磁減衰面の位置を含む、本発明によるポータルを示す平面図である。通過経路は水平である。
【
図2】タグ付き物品のグループが読み取りのためにキューに入れられ、1つのグループが読み取りゾーン内に手動で移動された、
図1と同様の概略図である。
【
図3】
図1と同様の平面図であるが、読み取りポータルを通ってグループを移動させる要素としてコンベヤを有する。
【
図4】ポータルの斜視図であって、
図4は内部構造を示すために部分的に存在していない。
【
図6】読み取りゾーンを通ってカートを手動で押し出すサイズである実施形態の特定の寸法を示す、平面図および立面図のセットである。
【
図7】RF波が伝播する場合の方向を示す概略図である。
【
図8】自動化または半自動化された小売の精算ラインに典型的であり得るように、輪郭付けられた読み取りゾーン内に人によって押し出されるショッピングカート内の物品のマルチ読み取りスキャンへの本発明の適用を示す斜視図である。
【
図9】実質的に読み取りゾーンの反対側からの斜視図であり、エンドドアの図を含んでいる。
【
図10】一般に、
図8および
図9に対応し、追加の詳細を示す斜視図である。
【
図11】ある信号伝播経路を示す概略平面図である。
【
図12】ある信号伝播経路を示す概略平面図である。
【
図13】本開示によるポータルを示す斜視図である。
【
図14】本開示によるポータルを示す斜視図である。
【
図15】例示的な読み取り領域時間範囲、先読みオフセット、後読みオフセット、およびアクティブ読み取り領域タイムフレームを示すポータルの概略図である。
【
図16】ポータルを組み込んだシステムの概略図である。
【
図17】物品によって運ばれるRFIDタグを読み取るための方法の例示的なブロックを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
先に述べたように、より短い長さのポータルの場合、RFIDタグの効果的で高品質の読み取りを達成することは、限定はしないが、リーダ電力、トリガタイミング、アンテナ感度、読み取りゾーン内にあるタグの数、および読み取りゾーンを通る移動速度を含む様々なリーダ機能により、大幅に低減され得る。読み取りゾーンは、RFIDタグに入射するRF電力密度および受信アンテナ感度が、既知のマルチ読み取りタグポーリング/応答プロセスにおいてRFIDタグ情報を識別するのに十分である、物理ポータルの部分である。適度な歩行ペースであっても、RFIDタグは、読み取り動作が読み取りゾーンに完全に関与する前に、トリガ点を1~2フィート過ぎてもよい。より短いポータルでは、これは、読み取り動作を停止する出口トリガが作動する前に、RFIDタグのグループの母集団全体を読み取るために、タグ集団をポータル内への遠すぎる位置に配置する可能性がある。
【0025】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、この問題に対抗する。本明細書で開示されるように、RFIDアンテナによって観測可能な領域(「RFID観測可能領域」)に存在するRFIDタグに連続的に呼び掛けるRFIDアンテナから受信したRFIDタグ情報を読み取り、システムの動作中にRFIDタグ情報がRFIDリーダによって読み取られるたびに関連する読み取りタイムスタンプを取り込むために、RFIDリーダは連続的に利用可能である。一実施形態では、システムの動作中、RFIDリーダは、RFIDリーダがRFID観測可能領域内に存在するRFIDタグのRFIDアンテナによる連続的な呼び掛けを引き起こす「アクティブ状態」のままである。RFID観測可能領域は、読み取りゾーンと、RFIDアンテナが既知のマルチ読み取りタグポーリング/応答プロセスにおいて、RFIDタグに呼び掛けてRFIDタグ情報を識別することができるままである読み取りゾーンの外側の任意の領域と、を含む。読み取りゾーンの外側のそのような領域は、読み取りゾーンに通じる(ポータル)入口通路(もしあれば)、および/または読み取りゾーンから通じる出口通路(もしあれば)、および/またはポータルの物理的境界の外側のブリード領域を含むことができる。「ブリーディング」または「ブリード」は、通常、ポータルの物理的境界の外側に位置するRFIDタグの呼び掛けおよび読み取りと呼ばれる。(
図15の符号134)「ブリード領域」は、ブリーディングが発生するポータルの外側の領域である。アクティブ状態では、呼び掛けられたすべてのRFIDタグがRFIDリーダによって読み取られ、読み取られた各RFIDタグに読み取りタイムスタンプが添付される(一例として、読み取りタイムスタンプは、読み取られた各RFIDタグのRFIDコードデータに関連付けられる)。さらに、物理的境界によって定義される従来の読み取りゾーンの代わりに、またはそれに加えて、仮想境界を有する仮想アクティブ読み取り領域が利用される。
【0026】
開始タイムスタンプ(以下、「開始トリガタイムスタンプ」と呼ぶ)は、RFIDタグのグループの開始がポータルの読み取りゾーンの入口で検出されたときに決定される。開始トリガタイムスタンプは、入口センサによって決定され、コントローラに提供されてもよい。一実施形態では、開始トリガタイムスタンプは、RFIDタグのキャリア、例えばカートまたは人が読み取りゾーンの入口で検出された場合に決定されてもよい。同様に、停止タイムスタンプは、RFIDタグのグループの終了(以下、「停止トリガタイムスタンプ」と呼ぶ)がポータルの読み取りゾーンへの出口で検出されたときに決定される。停止トリガタイムスタンプは、出口センサによって決定され、コントローラに提供されてもよい。一実施形態では、停止トリガタイムスタンプは、RFIDタグのキャリア、例えばカートまたは人が、読み取りゾーンへの出口で検出された場合に決定されてもよい。コントローラは、先読みオフセット(存在する場合)および/または後読みオフセット(存在する場合)によって調整されるように、開始トリガタイムスタンプおよび停止トリガタイムスタンプの範囲内にあるRFIDタグに基づいて、RFIDタグのグループを決定できる。
【0027】
例えば、開始トリガ点として、読み取りゾーンへの入口に配置された入口センサは、読み取りゾーンに入る物品の存在を検出できる。開始トリガタイムスタンプは、そのような検出に関連付けられる。あるいは、入口センサは、物品が読み取りゾーンに入るときに物品のキャリア(例えば、ショッピングカート)の存在を検出するために使用されてもよく、開始トリガタイムスタンプは、そのような検出に関連付けられる。出口センサは、ポータルの読み取りゾーンを出る物品の存在を検出するように構成され、停止トリガタイムスタンプは、そのような検出に関連付けられる。あるいは、出口センサは、物品のキャリア(例えば、ショッピングカート)が読み取りゾーンを出るときに物品のキャリアの存在を検出するために使用されてもよく、停止トリガタイムスタンプはそのような検出に関連付けられる。
【0028】
RFIDリーダは連続的にアクティブ状態にあり、タグは最低でもRFID観測可能領域に通過するとすぐに呼び掛けられて読み取られるため、最適な読み取り領域の時間が長くなるため、はるかに高い読み取り速度が達成される。先読みオフセット(もしあれば)および/または後読みオフセット(もしあれば)によって調整されるように、開始トリガタイムスタンプと停止トリガタイムスタンプとの間に発生するRFIDタグのみを含むように、RFIDリーダ出力をフィルタリングすることによって、RFIDタグのグループ間の区別が達成される。
【0029】
開始トリガタイムスタンプを先読みオフセットで調整すること、および/または停止トリガタイムスタンプを後読みオフセットで調整することによって、ポータルの認識される長さを操作することは、有利である。例えば、開始トリガタイムスタンプから500ミリ秒(ms)を減算することは、RFIDタグのグループの開始が物理的に検出される前の時間500msに戻る効果を有し、それによってポータルの読み取りゾーンの長さを実質的に増加させる。同様に、停止トリガタイムスタンプに時間を追加することも、ポータルの読み取りゾーンの長さを実質的に増加させる効果を有する。一実施形態では、長さは、ポータルを通るRFIDタグの平均速度を選ばれたオフセットで除算することによって決定されてもよく、この長さは、物理ポータルを超えて読み取りゾーンを効果的に延長することができるブリードがある開始トリガ点の前の領域と一致するように選ばれてもよい。例えば、この時間拡張により、(RFIDタグを有するアイテムを内部に有するカートを押すかまたはバスケットなどを運ぶ買い物客の通常の1m/sの歩行ペースを想定して)500msのオフセットごとにポータルに約0.5メートルの仮想長さを追加することができ、物理的にコンパクトなポータルは、より長い長さのポータルと一致する読み取り結果を有する能力を保持することができる。
【0030】
オフセットのこの長期化効果は、物理的なポータル境界を超えるRFIDタグの読み取り(通常、本明細書ではブリードと呼ばれる)をもたらし得るが、望ましくないブリードと高速応答との合理的なトレードオフが達成可能である。先読みオフセットおよび後読みオフセットは、ポータルの外側でどれだけ許容可能なRFブリードが望まれるか((例えば、買い物客のバスケットに入っていないグループに含まれていない近くのRFIDタグの誤った読み取りを取得せずに)、およびポータルを通って歩いている買い物客の推定平均速度および動き、などの環境要因に基づいてもよい。一実施形態では、所望のブリード(および関連するブリード領域)の量は、(時間)オフセットと同じまたは実質的に同等であり得、これは正確な結果を最大化するのに役立ち得る。実際には、RFIDタグは、RFIDタグの物理的制限、アンテナ幾何学形状、RFIDタグの向き、および多数の他の要因のために様々な距離で読み取られる傾向があり、所望のブリードは、これらの要因に基づいて経験的に決定されてもよい。
【0031】
ポータルが配置される環境に応じて、読み取りゾーンの物理的に外側にあるタグが読み取られる、最も長い合理的に可能性のある長さ/領域よりも大きいアクティブな読み取り領域を得るために、先読みオフセットおよび後読みオフセットを決定および設定することは、所与のグループ内のすべてのRFIDタグが読み取られ、グループに関連付けられることを保証する1つの方法である。しかしながら、いくつかのシナリオでは、これが他の問題を引き起こす可能性がある。アクティブな読み取り領域が長くなるにつれて、後のグループにあり、観察中のRFIDタグの一部ではないRFIDタグの不注意な読み取りを引き起こす可能性がある。RFIDリーダを設定してRFIDタグを連続的に再読み取りすること、そして、次いで重複を除外することを利用して、先読みオフセットによって調整された開始トリガタイムスタンプの前にRFIDタグが読み取られた場合に、RFIDタグがアクティブ期間中に依然として再読み取りされることを保証することができる。さらに、ポータル組成および構造を有する物理的に限定的なブリードも利用できる。
【0032】
いくつかの実施形態では、メモリ(データ)バッファを使用して、RFIDタグのグループの識別の処理速度を高めることができる。大量のRFIDコードデータおよび関連する読み取りタイムスタンプがバッファされることを排除するために、いくつかの実施形態では、グループのRFIDコードデータおよび関連する読み取りタイムスタンプは、各グループが識別され処理された後、または1つまたは複数の読み取りサイクルの後に、バッファから除去されてもよい。データのバッファフィルタリング/除去の直後に開始トリガタイムスタンプが発生した場合にRFIDコードデータが失われないように、先読みオフセットを差し引いた開始トリガタイムスタンプに等しい時間値よりも短い(早い)タイムスタンプを読み取ったRFIDタグのRFIDコードデータを、除去が保持すべきである。バッファ内のRFIDコードデータの定期的な除去(好ましくはアイドル時間中)は、RFID観測可能領域内にあったが開始トリガタイムスタンプが受信されなかった、したがって、バッファ内のRFIDコードデータおよび関連する読み取りタイムスタンプの蓄積を引き起こす、RFIDタグからのコードデータを排除するための是正措置として利用できる。
【0033】
いくつかの実施形態では、距離センサを使用してRFIDタグ集団の位置を監視することができ、例えば、RFIDタグのグループの物理的キャリア、RFIDタグを移動させる動力のある物体、または2つの組み合わせのいずれかを見ることができ、ポータル内の実際のRFIDタグの位置を推定することができ、その結果を使用して、当技術分野で知られているように、多重化中により良好なアンテナ順序付けを可能にする。RFIDタグ集団のこの追加の位置情報は、ポータルを通過したRFIDタグとポータルの外側にあるRFIDタグとの識別を確認するために、開始トリガタイムスタンプおよび停止トリガタイムスタンプからのデータと組み合わされてもよく、その結果、散在するRFIDタグを含む環境の精度が向上する。
【0034】
ポータルは、一対の対向する側壁を含む。いくつかの実施形態はまた、上部および基部を含むことができる。開示されたポータルは、例えばオープンエンド(ポータル)構造などの構造の範囲内に密に配置された多数のUHF RFIDタグ(例えば、数百)を効率的かつ正確に読み取るのに十分に高いレベルのRF電力を含むように構成され動作する。ポータル構造は、電磁的に遮蔽され、容器を運ぶ人、またはタグ付き商品を積載したカートを押す人の通過を可能にするのに十分なサイズにできる。
【0035】
ポータルの実施形態を
図1~
図16に示す。1~2、4~5、8~12および13~15に示す実施形態は、必要なRFIDタグ付き物品を、ポータルを通って移動させる人に加えて、容器内に収容するように、寸法決めされている。
図3に示すような代替の実施形態では、ポータルは、コンベヤ上に配置された収容箱またはバッグなど、より小さくすることができる。これらの実施形態では、ポータルは、一般に、反転チャネルによって画定されたトンネルとして成形される。いくつかの実施形態では、ポータルは、任意選択で基部要素を含むことができる。さらなる実施形態では、アイテムのための容器は、RFIDタグ付きアイテムが配置されたショッピングカートに似たサイズにすることができ、ポータルは、カートがポータルの直立側壁によって画定されたチャネルを通過できるサイズにする。
【0036】
図面に示されている実施形態では、RFIDタグ付き物品は、ローリングカート内に密に配置されるかもしくはバッグ内に運ばれてもよく、より速いもしくはより遅い移動速度で移動可能であってもよく、および/または、より長いもしくはより遅い滞留時間にわたってポータルの読み取りゾーン内に留まるようにされてもよい。
【0037】
図示の実施形態では、側壁、および任意選択でポータル構造の上部(図示せず)および底部(図示せず)、および、進入および出口ホール通路の少なくとも一部は、ソールズベリースクリーン型の吸収領域を組み込むことができる。ソールズベリースクリーンの代わりに、またはそれに加えて、適切な周波数範囲でアクティブな他のRF吸収材料を提供して、ポータルの専有面積から出る直接および反射RF波を吸収できる。適切な損失の大きい炭素充填の可撓性発泡シート素材は、広い周波数範囲の誘電損失を提供すると考えられるカミング社(Cuming Microwave)製品「C-RAM MT、」である。(See http://stores.cumingmicrowave-online-store.com/11-c-ram-mt-30-5-x-24-x-24-/.)
【0038】
上述したように、ソールズベリー構成は、導電性裏面から周波数依存距離だけ離れた、ホール壁の内側の表面に面する導電層を含むことができる。内面および裏面に適した導電性フィルムは、Safe Living Technologies Inc.製品SLT-1053である。(See http://www.slt.co/products/RFShieldingWindowFilm/RFWindowFilm-SignalProte-ct-Clear.aspx).この製品も光学的にクリアであり、開示された実施形態の開放感に寄与することが望ましい。
【0039】
ポータルの読み取りゾーンは、直接波および反射波の両方を使用して複数の方向から、タグ付き物品を読み取るための周囲のRFIDアンテナを含む。このセクションは、パッシブ型UHF RFIDタグに電力を供給するのに必要な高いRF電力密度を維持する。隙間取り付けおよび相補的なセットにおける動作を含むアンテナ配置の例は、例えば、参照により組み込まれている米国特許第9760826号明細書に開示されている。図示の構成は、読み取りゾーンの内側に方向づけられるように、5つのアンテナセグメントが取り付けられる(読み取りゾーンの両側を含む10個)(クロスセクションで台形の)導電材料のクラムシェル構造を有する。具体的に示されていないが、クラムシェル形状は、信号強度を集中させるために放物線状とすることができる。クラムシェル構造はまた、フレネル放物面セグメント、メタマテリアル導波路などの、アンテナへおよびアンテナからの電磁エネルギーを方向づけるための追加の構造を含むことができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、読み取りゾーンに通じるポータルの入口ホール壁2は、電磁吸収性であり得る。例えば、入口ホール壁2の内側が、ソールズベリー帯域阻止減衰構造で裏打ちされてもよく、かつ/あるいは、壁が、抵抗損失のための炭素充填発泡体もしくはグラファイト充填ゴムもしくはプラスチックシート材料、または代替的にフェライト充填ポリマーなどの広帯域吸収層を含む。導電性フィルムシートは、以下でさらに説明するように、伝播に対する接地面または外側バリアとして、壁2の外側に適用できる。壁2は、中央読み取りゾーンに少なくとも内向き反射壁3を含む。反射壁3は、読み取りゾーンの周囲(例えば、側壁、任意選択で上部および/または底部の隙間)に設けられるアンテナ4によって生成および受信されるような、内側読み取りゾーンをカバーするRFエネルギーを閉じ込めて強める。アンテナの主要なカバー領域は、領域5であり、ポータルの読み取りゾーン内およびその周囲である。
【0041】
ポータルを通って進むと、吸収領域6も出口端部に設けられる。
図2に最もよく示されているように、カートなどのポータルの外側にあるタグ付きアイテムは、ポータル壁によって遮蔽されるだけでなく、カートがポータルの内側からの伝播経路に沿っている限り、点線8に沿って示されている入射RFエネルギーの大部分は、ポータル壁の間で反射され、ソールズベリー減衰材料に遭遇し、減衰エネルギー9として現れるので、その結果、アンテナは、外部カート7内の品物との相互作用がある場合、アクティブに読み取られているカート10とのアンテナの相互作用よりも少なくとも実質的に非常に小さいものに制限している。
【0042】
図7では、ソールズベリースクリーンの接地面として必要な電磁反射面は、ポータル構造の金属外板によって設けられている。
図4および
図5では、領域12は吸収性であり得る。領域13は反射性である(1つまたは複数の底部の取り付けアンテナを含み得る反射床14も参照されたい)領域15は、ソールズベリースクリーンの後側およびポータルの外側の外板を形成している金属反射壁である。
【0043】
空気間隔16(
図7)は、好ましくは、ソールズベリースクリーンの(λ/4)間隔に対応する寸法であり、λは使用される中心周波数の波長である。米国におけるRFIDマルチ読み取りのために構成された非限定的な例として、3.226インチの間隔16は、公称米国動作周波数である915MHzの中心周波数を有する4分の1波長に対応する。約377Ωの表面抵抗を有する損失の大きい誘電体17は、自由空間インピーダンスと一致する。低損失誘電体プラスチック18は、薄く損失の大きい層17を構造的にサポートし、損傷を防止する。RF波の方向は、
図7に示される。
【0044】
タグを充電しタグから応答を受信するために使用される特定のRFID動作周波数に応じて、前述の寸法を変えることができる。現在、世界中のUHF動作周波数は、典型的には約860から960MHzである。同様に、2つ以上の異なる動作周波数を収容することを可能にすることが、好ましくは、読み取りゾーンと、2つ以上の異なる周波数を減衰させるように構成された部分を含むように配置された読み取りゾーンの外側領域との間のホール通路のセクションを有することが、本発明の範囲内である。
【0045】
図8~
図10は、自動化または半自動化された小売の精算ラインに典型的であり得るように、輪郭付けられた読み取りゾーン内に人によって押し出されるショッピングカート内の物品のマルチ読み取りスキャンのためのポータルの例示的な実施形態を示す。他の態様の中でも、ポータルの構成は、RFIDタグ付き物品が配置されているゾーン5に送受信される電磁信号を集中させ、ゾーン5の外側にあるRFIDタグ付き物品、特に小売店の近くに棚に置かれているか、または他の顧客によって運ばれるかもしくはカートで運ばれる、様々な在庫アイテム(図示せず)との潜在的な通信を最小限に抑える。
【0046】
図8~
図10の実施形態は、ホール壁2の内側の仕上げ側にソールズベリーRF減衰構造を含むことができ、または壁2自体を、ソールズベリー暫定減衰器として構造化できる。その実施形態では、内側は、エアギャップ、または使用される動作RFID充電および読み取り周波数を減衰させるように構成された他の誘電体空間によって、導電性裏面から間隔を空ける導電性シートに面している。あるいは、ホール壁2の本体は、粒状の炭素、グラファイト、フェライトなどの充填を含むことができ、壁2を損失の大きいものにする。好ましくは、導電性シートは、電磁エネルギーを反射によって内側に方向づけ直すために、損失の大きいホール壁の外側に適用される。
【0047】
カートおよび付随する人のための通路は、中央読み取りゾーン5内に、および、中央読み取りゾーン5を超えてつながる壁2の間の延長されたホールとして定義される。壁2は、上述のように電磁相互作用をそこに集中させるために、読み取りゾーン内および読み取りゾーンにすぐ隣で電磁反射を利用するクラムシェル形状の導電壁部3を有する。同様に、1つまたは好ましくはいくつかの吸収構造体は、1つまたは複数の動作可能なRFIDスキャン周波数で伝播する反射を減衰させるために、領域6に沿って設けられ、読み取りゾーン5から外向きに配置されている。吸収性構造体は、スキャン可能なアイテムがカート内に位置づけられ得る最高点を幾分上回る高さまで、2つの対向するホールの側壁2に沿って、延在することができる。異なる可能な実施形態によれば、読み取りゾーン内の信号振幅を集中させるための反射部分、および反射によって伝播する信号の振幅を低減する減衰部分は、通路の1つまたは2つの対向する側で、任意選択で通路の上下で、任意選択で可動ドアを介した、または見通し信号経路を排除する曲がりくねった経路レイアウトを通る、進入および出口経路をわたって、配置することができる。
【0048】
壁2の反射部分は、アンテナ4の影響下にある読み取りゾーン5に信号強度を集中させるために重点的に配置される。減衰部分は、読み取りゾーン5の外側で信号伝播(送信および受信の両方)を低減するように配置される。これらの配置は、読み取りゾーンにおける信号強度の伝播を部分的に閉じ込めるように、かつ読み取りゾーンの外側のRFIDタグ付きストックにつながる信号伝播ラインを部分的に減衰させるように選択される。ホール壁2間の経路を囲む1~6個の側面の電磁減衰面を有する筐体は、これらの効果を提供し、通路と外側のRFIDタグ付きストックとの間の構造および距離などの建物の外部属性を補完するように配置される場合に有用である。図示の実施形態では、壁2は、主に対向する横方向の側面に沿っており、読み取りゾーン内でスキャンされる物品よりも少し上の高さまである。
【0049】
それぞれの側壁は、(任意選択で、上部、底部、および端部もまた)、追加の機能を果たすように配置できる。例えば、通路の底部は、計量器の受け皿として構成することができ、それによって、測定されたカート重量は、RFIDコードを相互参照した記憶された重量データに基づいて予想重量を合計した後、RFIDコードスキャンの結果として、予想重量と比較されてもよい。壁は、検出されたRFIDタグコードに対するバーコード値の比較によってデータ入力を補完するために、スチルもしくはビデオカメラ、またはレーザUPCバーコードスキャナなどの光学データ入力デバイスを保持できる。別の例として、側壁(複数可)は、販売促進メッセージを提示するため、割引の提供または適用を知らせるため、無料アイテムを顧客に提供するためなどに使用され得る。
【0050】
図9は、読み取りゾーンのほぼ反対側からの斜視図であり、任意選択のエンドドアの図を含む。エンドドアも同様に、信号反射閉じ込め、または同様に反射減衰機能を果たすことができる。特定の実施形態では、エンドドアは、読み取り動作中に閉じられ、読み取り動作が正常に完了したときに開き、それによって、出口への経路を通って続くように、人に信号を送るように制御可能である。
【0051】
図10は、一般に
図8および
図9に対応し、さらなる詳細を示す斜視図である。
図11および
図12は、比較平面図であり、
図12は、アンテナ(一方のみが示されている)の周囲にクラムシェル反射構造を含む。クラムシェル反射構造は、信号強度を読み取りゾーンに集中させるだけでなく、読み取りゾーンの間で横方向に、最終的に斜め方向に反射される信号の伝播経路を伸ばす。この場合、アンテナは、中心線から20°離れて3dB低下する例示的な電力分布を有し、それによって、半分の電力(-3dB)を超える信号強度での直接見通し線の伝播は、ホールの内壁上で実質的に衝突し、上述のようにソールズベリーまたは他の損失の大きい手段によって減衰させることができる。
【0052】
図13~
図16は、ポータルの別の実施形態を示す。ポータル100構造は、一対の対向する側壁102と、読み取りゾーン105とを含む。読み取りゾーン105は、流入口103(入口)および流出口106(出口)を有する。本明細書で説明する他の実施形態のように、読み取りゾーン105は、RFIDタグに入射するRF電力密度および受信アンテナ104の感度が、既知のマルチ読み取りタグポーリング/応答プロセスでRFIDタグ情報を識別するのに十分である、物理ポータル100の部分である。
【0053】
図13~
図16に開示されたポータル100は、より短い全長であることを除いて、本明細書で前述したものと同様である。側壁102は、読み取りゾーン105の直前に配置された入口通路108を画定できる。
図13~
図16の実施形態では、入口通路108は、ポータルの前述の実施形態の長さよりも短くてもよい。側壁102はまた、読み取りゾーン105の直後に配置された出口通路110を画定することができる。
図13~
図16に示す実施形態では、出口通路110は、従来の実施形態に示すものよりも長さが短くてもよい。
【0054】
ここで
図16を参照すると、本明細書で説明するポータルを組み込んだRFIDタグを読み取るためのシステム130が示されている。システム130は、ポータル100と、入口センサ112と、出口センサ114と、RFIDリーダ116と、RFIDリーダ116と動作可能に通信する1つまたは複数のRFIDアンテナ104と、コントローラ118と、を含む。システム130は、出力インターフェース120をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、システム130はまた、1つまたは複数の距離センサ128を含むことができる。
【0055】
入口センサ112は、物品のグループの開始トリガを検出するように構成される。開始トリガは、読み取りゾーン105の流入口103(入口)に配置されたRFIDタグ付き物品を含むキャリア(例えば、カートなど)の存在であってもよく、または開始トリガは、読み取りゾーン105の流入口103(入口)に配置された第一の物品(グループの)の存在であってもよい。入口センサ112は、コントローラ118と動作可能に通信しており、入口センサ112による開始トリガの検出に関連するタイムスタンプである開始トリガタイムスタンプを、コントローラ118に送信または提供するように構成される。いくつかの実施形態では、入口センサ112は、検出されたキャリアまたは物品に関連するデータを、コントローラ118に提供するようにさらに構成されてもよい。
【0056】
出口センサ114は、物品のグループの停止トリガを検出するように構成される。停止トリガは、読み取りゾーン105の流出口106(出口)に配置されたRFIDタグ付き物品を含むキャリア(例えば、カートなど)の存在であってもよく、または停止トリガは、読み取りゾーン105の流出口106(出口)に配置された(グループの)最後の物品の存在であってもよい。出口センサ114は、コントローラ118と動作可能に通信しており、出口センサ114による停止トリガの検出に関連するタイムスタンプである停止トリガタイムスタンプを、コントローラ118に送信または提供するように構成される。
【0057】
一実施形態では、入口センサ112は、読み取りゾーン105の流入口103に配置された1つまたは複数のフォトセルであってもよく、出口センサは、読み取りゾーン105の流出口106に配置された1つまたは複数のフォトセルであってもよい。他の実施形態は、レーザベースのセンサ(レーザビームの中断)、動き検出器、または入口センサ112および/または出口センサ114のための当技術分野で知られている他の視覚センサを利用してもよい。
【0058】
1つまたは複数のRFIDアンテナ104は、各々がRFIDリーダ116と動作可能に通信する。図示の実施形態では、RFIDアンテナ104は、ポータル100の側壁2に配置されてもよい。例示的な実施形態では、RFIDアンテナ104からの放射電力は、そうでなければ受動デバイスであるRFID観測可能領域内のマルチ読み取りRFIDタグを、効率的に充電するのに十分な電力密度を保証する。ポータル100の読み取りゾーン105に隣接するポータル100の導電性ホール壁がある実施形態では、そのような導電性壁は、充電および応答信号伝播のための直接および反射RFエネルギーを集中させる。ポータル100上のRFIDアンテナの設計および配置の選択は、好ましくは、信号電力を読み取りゾーン105に集中させるように機能し、例えば、タグ付きアイテムが通過するように制約される読み取りゾーンの窓または体積に、信号電力を集中させる。本明細書で前述したように、ポータル100の読み取りゾーン105は、周囲のRFIDアンテナ104を含み、直接波および反射波の両方を使用して複数の方向からRFIDタグ付き物品を読み取る。このセクションは、パッシブ型UHF RFIDタグに電力を供給するのに必要な高いRF電力密度を維持する。隙間取り付けおよび相補的なセットにおける動作を含むRFIDアンテナ104の配置の例は、例えば、参照により組み込まれている米国特許第9760826号明細書に開示されている。
【0059】
様々な実施形態では、直接および反射RFエネルギーは、精査中のタグのグループの外側にあるRFIDタグの意図しない読み取りを制限するために、ポータル100の専有面積内で合理的に実現可能であるように、RFIDアンテナ104の方向性、反射面の幾何学形状および/または電磁遮蔽によって閉じ込められてもよい。他の態様の中でも、RFエネルギーを閉じ込めること、読み取り/応答RFIDアンテナ104を、ポータル100の側壁102、導電性材料によって少なくとも部分的に画定され得る側壁102内に窪んだ遮蔽隙間内に配置すること、および、RF減衰、または、例えば、ソールズベリー1/4波RF減衰配置のような反射防止表面処理、を含んでもよい。
【0060】
RFIDタグ読み取りは、既知のポーリング方式で迅速に行うことができ、それにより、数百のRFIDタグは、RFID観測可能領域を通過する時間内、例えば、人間が通常の歩行ペースでRFID観測可能領域を通過し、RFIDタグ付き物品をバッグ、スリング、容器もしくはカートに入れて運ぶか、または人の上もしくは周りに運ばれるにかかる時間内、に確実に読み取られる。代替の実施形態では、RFIDタグは、コンベヤ上のRFID観測可能領域を通って移動されてもよい。各RFIDアンテナ104は、そのようなタグを起動して呼び掛けるためにRFIDタグに電力を送信するように構成される。各RFIDアンテナ104は、RFIDタグからRFIDタグ情報を受信し、その情報をRFIDリーダ116に送信するように構成される。RFIDタグ情報は、電波の形態であってもよい。
【0061】
RFIDリーダ116は、RFIDアンテナ104と動作可能に通信し、RFIDアンテナ104を制御するように構成される。このように、RFIDリーダ116は、当該技術分野で知られているように、RFIDアンテナ104がRFIDタグに呼び掛けるために、開始させるかまたは引き起こすように構成される。RFIDリーダ116は、当該技術分野で知られているように、各RFIDアンテナ104からRFIDタグ情報を受信し、RFIDタグ情報を「読み取り」、RFIDタグ情報に基づいてRFIDコードデータを生成するようにさらに構成される。RFIDリーダ116は、コントローラ118と動作可能に通信する。RFIDリーダ116は、RFIDコードデータと、RFIDリーダ116によってRFIDタグ情報が読み取られた時間を示すタイムスタンプ(以下、「読み取りタイムスタンプ」という)とをコントローラ118に送信または提供するように構成され、RFIDコードデータは、そのRFIDタグ情報に基づいて生成された。
【0062】
距離センサ128は、RFIDタグ付き物品のキャリア(例えば、人、カートなど)またはRFIDタグ付き物品を移動させる動力のある物体を監視することによって、RFIDタグの位置を検出および監視するように構成される。1つまたは複数の距離センサ128を利用する実施形態では、そのような距離センサ128は、光センサ、レーダセンサ、点センサ、またはキャリアのポータル100への出入りを検出するための当技術分野で知られている任意の他のセンサ、であってもよい。距離センサ128は、キャリアの位置に関する情報をコントローラ118に提供するように構成される。
【0063】
コントローラ118は、入口センサ112、出口センサ114、RFIDリーダ116、および1つまたは複数の出力インターフェース120と動作可能に通信する。距離センサ128を含む実施形態では、コントローラは、1つまたは複数の距離センサ128と動作可能に通信する。コントローラ118は、プロセッサ122と、バッファ126を含むメモリコンポーネント124とを含むことができる。コントローラ118は、RFIDリーダ116からRFIDコードデータ、および読み取りタイムスタンプを受信するように構成される。一実施形態では、コントローラ118は、RFIDコードデータおよび関連する読み取りタイムスタンプを、メモリ124に配置できる。いくつかの実施形態では、コントローラ118がRFIDコードデータおよび関連する読み取りタイムスタンプを配置できるメモリ124は、(データ)バッファ126などであってもよい。コントローラ118は、入口センサ108から開始トリガタイムスタンプと、出口センサ110から停止トリガタイムスタンプと、を受信するようにさらに構成される。
【0064】
プロセッサ122は、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、電子制御モジュール(ECM)、電子制御ユニット(ECU)、マイクロプロセッサ、または当技術分野で知られている他の任意の適切なプロセッサ122であってもよい。
【0065】
プロセッサ122は、開始トリガタイムスタンプから停止トリガタイムスタンプまでの読み取り領域時間範囲を決定し、先読みオフセットおよび後読みオフセットによって調整された読み取り領域時間範囲に基づいて、アクティブ読み取り領域タイムフレームを決定するように構成されてもよい。
【0066】
プロセッサ122は、命令を実行し、読み取り領域時間範囲を決定するための制御信号を生成することができる。読み取り領域時間範囲は、終了点を含む、開始トリガタイムスタンプから停止トリガタイムスタンプまでの時間である。言い換えれば、読み取り領域時間範囲の開始点は開始トリガタイムスタンプであり、読み取り領域時間範囲の終了点は停止トリガタイムスタンプである。例えば、開始トリガタイムスタンプが10:00:00.000(hh:mm:ss.000)であり、停止トリガタイムスタンプが10:00:01.000(1秒後)である場合、読み取り領域時間範囲は10:00:00.000から10:00:01.000である。読み取り領域時間範囲は、グループ内の物品がポータル100の読み取りゾーン105内に存在した時間期間を表す。
【0067】
プロセッサ122は、メモリ124から先読みオフセットおよび後読みオフセットを取り出すことができる。先読みオフセットは、読み取り領域時間範囲の開始点が調整される時間量(例えば、500ミリ秒)である。先読みオフセットが正の数である場合、調整は、RFIDコードデータがグループ化される範囲を長くする効果を有する。先読みオフセットが負の数である場合、調整は、RFIDコードデータがグループ化される範囲を短くする効果を有する。後読みオフセットは、読み取り領域時間範囲の終了点が調整される時間量(例えば、500ミリ秒)である。プロセッサ122は、命令を実行し、アクティブ読み取り領域タイムフレームを決定するための制御信号を生成できる。アクティブ読み取り領域タイムフレームは、先読みオフセット、読み取り領域時間範囲、および後読みオフセットの組み合わせを表す。より具体的には、先読みオフセットは、読み取り領域時間範囲の開始点(開始トリガタイムスタンプ)が調整される時間量(例えば、500ミリ秒)である。同様に、後読みオフセットは、読み取り領域時間範囲の停止点(停止トリガタイムスタンプ)が調整される時間量(例えば、500ミリ秒)である。先読みオフセットの値が正の数であり、後読みオフセットの値が正の数である場合、アクティブ読み取り領域タイムフレームは読み取り領域時間範囲よりも長くなり、実際には物理ポータル100の読み取りゾーン105を「仮想的に」長くする。言い換えれば、先読みオフセットが500ミリ秒である場合、アクティブ読み取り領域タイムフレームは、開始トリガタイムスタンプよりも500ミリ秒早く開始する。同様に、後読みオフセットが500ミリ秒である場合、アクティブ読み取り領域タイムフレームは、停止トリガタイムスタンプよりも500ミリ秒後に終了する。先読みオフセットと後読みオフセットの両方がそれぞれ負の値である場合、アクティブ読み取り領域タイムフレームは読み取り領域時間範囲よりも短くなり、実際には物理ポータル100によって定義された読み取りゾーン105を「仮想的に」短くする。先読みオフセットが負の値である場合、アクティブ読み取り領域タイムフレームの開始点は、読み取り領域時間範囲の開始点よりも遅くなる。同様に、後読みオフセットが負の値である場合、アクティブ読み取り領域タイムフレームの停止点は、読み取り領域時間範囲の停止点よりも早く発生する。
【0068】
コントローラ118は、アクティブ読み取り領域タイムフレーム中に物品の読み取りタイムスタンプが発生した場合、複数の中の1つまたは複数の物品を第1のグループに関連付けるようにさらに構成されている。コントローラ118は、グループから重複するRFIDコードデータを除去するようにさらに構成されてもよい。コントローラ118は、グループのRFIDコードデータを処理し、処理の結果を出力インターフェース120、例えばディスプレイ124、または販売時点で取引を登録および計算するための支払システム(キャッシュレジスタ122など)、または在庫もしくはプロセスに物品を登録するための在庫システムに送信するようにさらに構成することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、コントローラ118は、キャリアの位置を示す情報を距離センサ128から受信するようにさらに構成されてもよく、開始トリガタイムスタンプまたは停止トリガタイムスタンプと情報を比較して、グループに含まれていた可能性がある散在するRFIDタグからRFIDコードデータを識別および除去するように構成されてもよい。
【0070】
そのような命令は、メモリコンポーネント124などのコンピュータ可読媒体に読み込まれ、もしくは組み込まれてもよく、またはプロセッサ122の外部に提供されてもよい。代替の実施形態では、制御方法を実施するために、ソフトウェア命令の代わりに、またはソフトウェア命令と組み合わせて、ハードワイヤード回路を使用してもよい。
【0071】
本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ122に命令を提供することに関与する任意の非一時的媒体または媒体の組み合わせを指す。そのような媒体は、一時的な伝播信号を除くすべてのコンピュータ可読媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意の他の磁気媒体、CD-ROM、任意の他の光学媒体、または任意の他のコンピュータ可読媒体を含む。
【0072】
コントローラ118は、単一のプロセッサ122およびメモリコンポーネント124に限定されない。コントローラ118は、いくつかのプロセッサ122およびメモリコンポーネント124を含んでもよい。一実施形態では、プロセッサ122は、共有メモリコンポーネント124にアクセスすることができる並列プロセッサであってもよい。別の実施形態では、プロセッサ122は、プロセッサ122(およびその関連するメモリコンポーネント124)が分散コンピューティングシステムの一部である1つまたは複数の他のプロセッサ122(および関連するメモリコンポーネント124)から遠隔に配置され得る分散コンピューティングシステムの一部であり得る。
【0073】
コントローラ118はまた、メモリコンポーネント124および数式から、本明細書で説明する計算に必要な他のデータを取り出すように構成されてもよい。
【0074】
本発明は、限定ではなく例示であることを意図した特定の実施形態および実施例に関連して開示されている。本発明は、例として使用される構造および特徴に限定されない。特許請求される排他的権利の範囲を評価するために、前述の例ではなく添付の特許請求の範囲を参照すべきである。
【0075】
前述の態様および実施形態に加えて、ポータル装置は、有利には、バッグまたは容器内のアイテムの複数回読み取りRFIDタグのIDコードを識別するように構造化および構成される。一例は、単にポータルを通って歩いている間に人間によって押されるカート内の衣類または他の繊維物品上のRFIDタグである。洗濯設備などでは、カート内のタグの数は数千にもなり得るが、多くの場合500個以下である。
【0076】
いくつかの実施形態では、可変速コンベヤ制御装置をコントローラ118に連結して、RFID観測可能領域内の滞留時間を選択的に制御できる。いくつかの実施形態では、RF電力レベルは、ある範囲または複数の任意選択の電力レベルのセットで選択可能である。電力レベルは、有利には、予測された所要時間に基づいて、または読み取り動作のまさに最初にタグのサブセットを読み取るときに経験する成功率などの検出された属性に基づいて、タグのサイズ(小さいタグは大きいタグよりも識別が困難である)、タグの量および密度を補完するために変更される。
【0077】
(タグ付き物品のバッグを運ぶ、または車輪付きカートを押すなどの)ウォークスルーによる人間の歩行を伴ういくつかの実施形態では、滞留時間は、やはり必要とされる予測時間に基づいて、またはサブセットを読み取るのにかかる時間によって経験的に、停止/開始/加速または減速するように人間に通知することによって、変化させることができる。
【0078】
開示された構成は、周期的に処理された洗濯物などのRFIDタグ付き織物アイテムに特に効果的である。洗濯物タグは小さく、非常に小さいアンテナを有し、洗濯アイテムはバッグ、スリングまたはカート内に密集して配置される。手動で移動されたグループの場合、可視または音声シグナリング(特にLEDライト)は、ペースを設定または変更するために人が歩いていることをシグナリングできる。したがって、タグの数または密度が時々変化する場合、シグナリングは、減速(黄色)、進むかまたは加速(緑色)、または一時停止/停止(赤色)を指示できる。
【0079】
物品によって運ばれるRFIDタグをマルチ読み取りするための方法も開示される。本方法は、ポータルによって複数の物品を受け取るステップであって、各物品はRFIDタグを含む、ステップと、コントローラによって、物品ごとにRFIDコードデータおよび関連する読み取りタイムスタンプを受信するステップと、開始トリガタイムスタンプおよび停止トリガタイムスタンプを受信するステップと、開始トリガタイムスタンプおよび停止トリガタイムスタンプに基づいて読み取り領域時間範囲を決定するステップと、先読みオフセットおよび後読みオフセットによって調整された読み取り領域時間範囲に基づいてアクティブ読み取り領域タイムフレームを決定するステップと、RFIDコードデータに関連付けられた読み取りタイムスタンプがアクティブ読み取り領域タイムフレーム中に発生した場合、RFIDコードデータを複数の物品の第1のグループに関連付けるステップと、第1のグループでRFIDコードデータを処理するステップと、第1のグループの処理の結果を出力インターフェースに送信するステップと、を含む。
【産業上の利用可能性】
【0080】
図17は、物品によって運ばれるRFIDコードをマルチ読み取りするための方法200のブロックを示す例示的なフローチャートである。複数の物品は、ポータル100の読み取りゾーン105への流入口103の前でキューに入れられたキャリア(例えば、カート、箱など)内にあってもよい。あるいは、物品、例えば大きすぎてキャリアに収まらない大きなアイテムは、流入口103の前で個別にキューに入れられてもよい。いくつかの実施形態では、物品の少なくとも一部は、RFID観測可能領域内にあるか、またはそのような領域の前でキューに入れられてもよい。
【0081】
ブロック205は、ポータル100によって複数の物品を受け取るステップを含み、各物品は、RFIDタグ情報を有するRFIDタグを含む。
【0082】
ブロック210において、RFIDリーダ116は、(RFIDアンテナ104から)受信し、(RFID観測可能領域132内に存在する)複数の物品によって運ばれたRFIDタグ情報を読み取り、RFIDタグ情報に基づいてRFIDコードデータを生成し、読み取りタイムスタンプをRFIDコードデータと関連付ける。読み取りタイムスタンプは、RFIDリーダ116がRFIDタグ情報を読み取った時間である。次いで、RFIDリーダ116は、RFIDタグ情報に基づくRFIDコードデータ、および読み取りタイムスタンプをコントローラ118に送信または提供する。
【0083】
ブロック215において、コントローラ118は、RFIDコードデータおよび読み取りタイムスタンプを受信し、RFIDコードデータおよび読み取りタイムスタンプをバッファ126に配置する。ブロック205および210は、RFID観測可能領域132内にRFIDタグが存在する限り連続的に繰り返される(RFIDタグ情報が読み取られることになる)。
【0084】
ブロック220において、入口センサ112は、開始トリガ、すなわち、(例えば、グループのキャリアの検出を介して)物品のグループの存在、または読み取りゾーン105の流入口103(入口)におけるグループの最初の物品の存在を検出する。入口センサ112は、読み取りゾーン105の流入口103における開始トリガの検出を示すデータおよび開始トリガタイムスタンプをコントローラ118に送信または提供する。
【0085】
ブロック225において、コントローラ118は、入口センサ112から開始トリガタイムスタンプを受信する。
【0086】
ブロック230において、出口センサ114は、停止トリガ、すなわち、物品のグループ(例えば、グループのキャリアの検出を介して)の読み取りゾーン105からの出口(または読み取りゾーンの流出口106における存在)、またはグループ内の最後の物品の存在を検出する。出口センサ114は、読み取りゾーン105の流出口106における停止トリガの検出を示すデータ、および停止トリガタイムスタンプをコントローラ118に送信または提供する。
【0087】
ブロック235において、コントローラ118は、停止トリガタイムスタンプを受信し、開始トリガタイムスタンプおよび停止トリガタイムスタンプに基づいて読み取り領域時間範囲を決定する。
【0088】
ブロック240において、コントローラ118は、物品のグループのためのアクティブ読み取り領域タイムフレームを決定する。アクティブ読み取り領域タイムフレームは、先読みオフセットおよび後読みオフセットによって調整され得る読み取り領域時間範囲である。一実施形態では、先読みオフセットは、コントローラ118によってメモリ124から取り出すことができる。一実施形態では、後読みオフセットは、コントローラ118によってメモリ124から取り出すことができる。
【0089】
ブロック245において、コントローラ118は、RFIDコードデータに関連付けられた読み取りタイムスタンプがグループのアクティブ読み取り領域タイムフレーム中に発生した場合、RFIDコードデータを(物品の)グループに関連付ける。いくつかの実施形態では、コントローラ118は、1つまたは複数の距離センサ128によって提供される情報を使用して、散在するRFIDタグのRFIDコードデータを識別および除去することができる。
【0090】
ブロック250において、コントローラ118は、グループ内に重複するRFIDコードデータがあるかどうかを決定する。そうである場合、重複するRFIDコードデータは、コントローラ118によってグループから除去される。
【0091】
ブロック255において、コントローラ118は、グループに関連付けられた各物品のRFIDコードデータを処理する。
【0092】
ブロック260において、コントローラ118は、グループに関連付けられた各物品のRFIDコードデータの処理の結果を出力インターフェース120に送信する。
【0093】
ブロック265において、コントローラ118は、RFIDコードデータに関連付けられた読み取りタイムスタンプが先読みタイムフレームよりも早く発生した場合、メモリバッファ126からRFIDコードデータを除去する。
【0094】
上記から、例示の目的で特定の実施形態のみが記載されているが、代替および変更は、上記の説明から当業者には明らかであることが理解されよう。これらおよび他の代替形態は、同等物と見なされ、本開示および添付の特許請求の範囲の精神および範囲内にある。
【国際調査報告】