(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】癌の治療のためのSMAC模倣物、その調製プロセスおよび医薬組成物
(51)【国際特許分類】
C07K 5/103 20060101AFI20231226BHJP
C07K 1/06 20060101ALI20231226BHJP
C07K 1/10 20060101ALI20231226BHJP
A61K 38/07 20060101ALI20231226BHJP
A61K 38/06 20060101ALI20231226BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20231226BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231226BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
C07K5/103
C07K1/06
C07K1/10
A61K38/07
A61K38/06
A61K45/00
A61P35/00
A61P35/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023536845
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 IN2021051182
(87)【国際公開番号】W WO2022130411
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202011055682
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596020691
【氏名又は名称】カウンスィル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ
【氏名又は名称原語表記】COUNCIL OF SCIENTIFIC & INDUSTRIAL RESEARCH
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハク、ワハジュル
(72)【発明者】
【氏名】アリ、ラファト
(72)【発明者】
【氏名】シン、アクヒレシュ
(72)【発明者】
【氏名】ネングルー、ムシュタク・アーマド
(72)【発明者】
【氏名】カテカル、ロシャン
(72)【発明者】
【氏名】シン、ガジェンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイシュナヴ、ジャヤンティ
(72)【発明者】
【氏名】アフサール、モハマド
(72)【発明者】
【氏名】シン、マノハール
(72)【発明者】
【氏名】ラス、スリカンタ・クマール
(72)【発明者】
【氏名】コレイ、ディパンカール
(72)【発明者】
【氏名】ミシュラ、ドゥルガ・プラサド
(72)【発明者】
【氏名】ラマチャンドラン、ラヴィシャンカール
(72)【発明者】
【氏名】アンパパシ、ラヴィ・サンカール
(72)【発明者】
【氏名】ガイエン、ジァウアー・ラハマン
(72)【発明者】
【氏名】ダッタ、ディパク
【テーマコード(参考)】
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA06
4C084AA07
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA15
4C084BA16
4C084BA23
4C084BA32
4C084CA59
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB26
4C084ZB27
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA13
4H045BA51
4H045CA40
4H045EA28
4H045FA10
4H045FA20
(57)【要約】
本発明は、哺乳動物における癌を含む増殖性疾患の治療に有用な新規SMAC模倣ペプチド模倣物に関する。新規SMAC模倣物は、(2S,5R)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボン酸、標的タンパク質結合に有利なトランスアミド結合ジオメトリを排他的に付与する新規非天然アミノ酸を組み込むことによって調製される。ここで、新規SMAC模倣分子は、様々な癌タイプにおいてその有効性を示すだけでなく、単剤として治療抵抗性癌に対するインビトロおよびインビボ有効性をも示す。本発明に開示される新規SMAC模倣物は、XIAPのBIR-2ドメインおよびBIR-3ドメインに結合し、化学療法およびTRAIL耐性細胞株を含むがこれらに限定されない多様な哺乳動物癌細胞株に対して高い抗増殖活性を示す。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式-IのSMAC模倣化合物、
【化1】
ここで、
R
1は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC
6-C
10アリールからなる群から選択され;
R
2、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、H、C
1-C
6アルキルおよびC
4-C
8シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C
1-C
6アルキルまたはC
6-C
10アリールから選択され;
Bは、C
6-C
10アリール、C(O)R
5およびC(O)N(R
6)(R
7)からなる群から選択され;
R
5は、OH、C
1-C
6アルコキシおよびC
6アルコキシアリールからなる群から選択され;
R
6およびR
7は、それぞれ独立して、水素、C
6-C
10アリールおよびC
6-C
10アリールアルキルからなる群から選択され;
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
L-アラニル-L-バリル-L-プロリル-L-イソロイシン(化合物1)、
ベンジル((2S,5R)-1-(L-アラニル-L-バリル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボニル)-L-イソロイシナート(化合物2)、
(2S,5R)-1-(L-アラニル-L-バリル)-N-ベンズヒドリル-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物3)、
(2S,3S)-ベンジル3-メチル-2-((2S,5R)-1-((S)-3-メチル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)ブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)ペンタノアート(化合物4)、
(2S,5R)-N-ベンズヒドリル-1-(メチル-L-アラニル-L-バリル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物5)、
(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-(メチル-L-アラニル-L-バリル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物6)、
(2S,3S)-ベンジル2-((2S,5R)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3-メチルペンタノアート(化合物7)、
(2S,5R)-N-ベンズヒドリル-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物8)、
(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物9);および
(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-(メチル-L-アラニル-L-アラニル)-5-フェニルピロリジン-2-カルボキサミド(化合物10)
からなる群から選択される、請求項1に記載のSMAC模倣化合物。
【請求項3】
式-IのSMAC模倣化合物を調製するためのプロセスであって、
【化2】
ここで、
R
1は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC
6-C
10アリールからなる群から選択され;
R
2、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、H、C
1-C
6アルキルおよびC
4-C
8シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C
1-C
6アルキルまたはC
6-C
10アリールから選択され;
Bは、C
6-C
10アリール、C(O)R
5およびC(O)N(R
6)(R
7)からなる群から選択され;
R
5は、OH、C
1-C
6アルコキシおよびC
6アルコキシアリールからなる群から選択され;
R
6およびR
7は、それぞれ独立して、水素、C
6-C
10アリールおよびC
6-C
10アリールアルキルからなる群から選択され;
i.TFAを使用する酸分解によって、2-ベンジル1-(tert-ブチル)(2S,5S)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラートの前記Boc基を除去し、続いてペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、得られたアミンをBocNHCH(R
2′)COOHとカップリングさせて、式P1の化合物を得るステップと;
【化3】
ii.TFAを使用する酸分解によって、前記式P1の化合物からBoc基を除去し、ペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、前記得られたアミンを式BocN(R
4′)CH(R
3′)COOHの化合物とカップリングさせて、式P2の化合物を得るステップと;
【化4】
iii.溶媒の存在下で、Pd触媒を使用して前記式P2の化合物を接触水素化して、式P3の遊離カルボン酸を得るステップと;
【化5】
iv.前記式P3の遊離カルボン酸を、ペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、NH
2CH(A)(B)とカップリングさせて、前記式Iの化合物を得るステップと、
を含む、プロセス。
【請求項4】
前記ペプチドカップリング試薬がHOBt、EDCIおよびHBTUからなる群から選択され、前記弱塩基がジエチルイソプロピルアミンであり、前記Pd触媒がPd/C、またはPd(OH)
2/Cから選択される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記溶媒が、ペプチドカップリングのためにDCM、またはDMFおよび接触水素化のためにMeOH、またはEtOAcから選択される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項6】
請求項2に記載のSMAC模倣化合物10を調製するプロセスであって、
(a)溶媒中、ペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、化合物XをH-Ile-ベンズヒドリルアミドとけん化およびカップリングさせて、化合物XIを得るステップと;
【化6】
(b)TFAを使用する酸分解によって、前記化合物XIから前記Boc基を除去し、続いてペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、前記得られたアミンをBoc-Val-COOHとカップリングさせて、式XIIの化合物を得るステップと;
【化7】
(c)TFAを使用する酸分解によって、前記化合物XIIから前記Boc基を除去し、続いてペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、前記得られたアミンをBoc-N-Me-Ala-OHとカップリングさせて、式XIIIの化合物を得るステップと;
【化8】
(d)酸分解によって前記式XIIIの化合物から前記Boc基を除去して、前記化合物10を得るステップと、
【化9】
を含む、プロセス。
【請求項7】
前記ペプチドカップリング試薬がHOBt、EDCIおよびHBTUからなる群から選択され、前記溶媒がDCM、またはDMFから選択され、前記弱塩基がジエチルイソプロピルアミンであり、酸分解のために前記試薬がTFAである、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
Smacタンパク質のアポトーシス阻害タンパク質(IAP)への結合を阻害し、癌を含む増殖性疾患の治療に有用である、請求項1に記載のSMAC模倣化合物。
【請求項9】
式-IのSMAC模倣化合物、
【化10】
ここで、
R
1は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC
6-C
10アリールからなる群から選択され;
R
2、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、H、C
1-C
6アルキルおよびC
4-C
8シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C
1-C
6アルキルまたはC
6-C
10アリールから選択され;
Bは、C
6-C
10アリール、C(O)R
5およびC(O)N(R
6)(R
7)からなる群から選択され;
R
5は、OH、C
1-C
6アルコキシおよびC
6アルコキシアリールからなる群から選択され;
R
6およびR
7は、それぞれ独立して、水素、C
6-C
10アリールおよびC
6-C
10アリールアルキルからなる群から選択され;
またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤
を含む、医薬組成物。
【請求項10】
式-IのSMAC模倣化合物を含む医薬組成物であって、
【化11】
ここで、
R
1は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC
6-C
10アリールからなる群から選択され;
R
2、R
3およびR
4は、それぞれ独立して、H、C
1-C
6アルキルおよびC
4-C
8シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C
1-C
6アルキルまたはC
6-C
10アリールから選択され;
Bは、C
6-C
10アリール、C(O)R
5およびC(O)N(R
6)(R
7)からなる群から選択され;
R
5は、OH、C
1-C
6アルコキシおよびC
6アルコキシアリールからなる群から選択され;
R
6およびR
7は、それぞれ独立して、水素、C
6-C
10アリールおよびC
6-C
10アリールアルキルからなる群から選択される、医薬組成物。
【請求項11】
結腸、乳房、腎臓、前立腺、脳、卵巣、膵臓、黒色腫、肝臓、白血病およびリンパ腫からなる群から選択される哺乳動物癌細胞株に対して強力な抗増殖活性を有する、請求項1に記載のSMAC模倣化合物。
【請求項12】
哺乳動物における治療抵抗性、難治性、および転移性の癌の治療に有用である、請求項1に記載のSMAC模倣化合物。
【請求項13】
TRAILアゴニスト/MAb、アロマターゼ阻害剤、エピジェネティックモジュレーター、キナーゼ阻害剤、アルキル化剤、微小管破壊剤、トポイソメラーゼ阻害剤、抗血管新生化合物、Hsp90阻害剤、mTOR阻害剤、エストロゲンおよびアンドロゲンアンタゴニスト、MMP阻害剤および生物学的応答修飾物質からなる群から選択される他の抗増殖剤との併用療法において有用である、請求項1に記載のSMAC模倣化合物。
【請求項14】
請求項1に記載のSMAC模倣化合物を使用して癌を治療するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、癌を含む増殖性障害の治療に有用なSMAC(第2のミトコンドリア由来カスパーゼ活性化因子)模倣化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
アポトーシスまたは「プログラム細胞死」の回避は、ヒト癌の顕著な特徴のうちの1つである。したがって、癌細胞におけるアポトーシスの回復または誘導は、魅力的な治療戦略である。細胞死と生存との間の複雑なバランスを調節する複数の内因性細胞対抗作用タンパク質が存在する。細胞内のそのような相互的な調節の古典的な例のうちの1つは、SMACとIAPとの間の相互作用である。SMACは、アポトーシス促進性タンパク質であり、IAPの活性に対抗することによって癌性細胞のアポトーシスに対して細胞を感作する。したがって、SMAC模倣物は、癌を治療するための新規かつ標的化された治療アプローチとして見出されている(Abraha et.al,World J Gastrointest Oncol.2016年8月15日;8(8):583-591)。現在、様々な癌タイプに対する異なるSMAC模倣物について複数の臨床試験が進行中であり、これは、癌治療におけるその多大な重要性を実証している(Fulda et.al.,Clinical Cancer Research.Volume21,Issue22,2015.5030-5036)。
【0003】
アポトーシス阻害タンパク質(IAP)は、カスパーゼ依存性アポトーシスを抑制する天然に存在する細胞内タンパク質である。IAPは、アポトーシス経路の開始および実行に重要な別個のカスパーゼを阻害する重要な負の調節因子である。哺乳動物IAPファミリーには8つのメンバーが存在する。これらの中でも、X染色体連鎖IAP(XIAP)は、おそらく、アポトーシスの調節において直接的な役割を果たすことが知られているIAPファミリーの最もよく特徴づけられたメンバーである。XIAPは、そのBIR2ドメインおよび前のリンカー領域を介してカスパーゼ-3およびカスパーゼ-7にそれぞれ結合する。加えて、XIAPはまた、そのBIR3ドメインを介してカスパーゼ-9に結合し、それにより、カスパーゼ-9の二量体化およびその後の活性化を阻止する。カスパーゼ-3およびカスパーゼ-7が外因性経路および内因性経路の両方においてアポトーシスの実行において主要な役割を果たし、カスパーゼ-9が内因性経路における重要な誘導型カスパーゼであるという事実を考慮すると、XIAPは、アポトーシスを復活させるための最も好ましい標的である。SMACは、IAPタンパク質の天然に利用可能なアンタゴニストである。SMACは、アポトーシスシグナル伝達に際してミトコンドリアからサイトゾルに放出され、および、成熟処理されたSMACタンパク質のアミノ末端で露出され、XIAPのカスパーゼとの相互作用を妨げる4つのアミノ酸残基(AVPI)を含有する保たれたIAP結合モチーフ(IBM)を介してXIAPのBIR3ドメインに結合する(Cong et.al.,J.Med.Chem.2019,62,5750-5772)。
【0004】
加えて、Smacはまた、cIAP1およびcIAP2のBIR3ドメインに結合し、その結果、cIAP1およびcIAP2のauto-ubiquitinationおよびプロテアソーム分解を促進するそれらのE3リガーゼ活性を増強する。IAP阻害剤と呼ばれるAVPIのいくつかの小分子模倣物が、癌の治療のための臨床試験において進められている。LCL-161およびAT-406は、構造的に一価であるが、Birinapant/TL32711は二価であり、開発中の顕著なものの1つである。
【0005】
SMACを設計するために使用される主要なアプローチは、Xxx-Pro結合が好ましくはトランス配置である配座的に拘束された化合物の合成に焦点を当てている。さらに別の検討を行ったのは、C末端の親油性または二価分子のリンカーのバランスである。AVPI(1)ペプチドの各アミノ酸の役割および置換への耐性を体系的に調べることによって、バイオアベイラブルなSmac模倣物を開発するために、Smac AVPIテトラペプチドを進化させるためのいくつかの努力が過去になされている。
【0006】
SmacのN末端を使用するテトラペプチドのライブラリーを、プロリン残基の周りのトランスジオメトリを出発点として制御する新規な戦略を用いて調製する。それらは、4つのアミノ酸のそれぞれの位置を全ての天然アミノ酸で置き換えた。テトラペプチドの1位のアラニン残基は、活性にとって非常に重要であり、アラニンが任意の天然アミノ酸で置き換えられると結合が大幅に減少することが分かっている。
【0007】
したがって、当該技術分野では、癌の治療のために癌細胞においてアポトーシスを回復または誘導することができる新規化合物が必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Abraha et.al,World J Gastrointest Oncol.2016年8月15日;8(8):583-591
【非特許文献2】Fulda et.al.,Clinical Cancer Research.Volume21,Issue22,2015.5030-5036
【非特許文献3】Cong et.al.,J.Med.Chem.2019,62,5750-5772
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主な目的は、様々なタイプの癌に対する安全かつ有効な療法として、単独療法として、および利用可能な抗癌剤との併用において有用なペプチドSMAC模倣物を開発することである。
【0010】
本発明の別の目的は、SMAC模倣物を合成するためのプロセスを開発することである。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、ヒトへの適用に適したSMAC模倣物の製剤を開発することである。
【0012】
本発明のさらに別の目的は、SMAC模倣物を使用する癌の治療である。
【0013】
本発明の別の目的は、SMAC模倣物を使用することによって、治療抵抗性癌に対する標的療法を提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、XIAP/IAPのBIR-2ドメインおよびBIR-3ドメインの両方に強力に結合する能力を有し、治療抵抗性難治性癌に対してロバストなインビトロおよびインビボ有効性を有する有意なバイオアベイラビリティを有するSMAC模倣物またはIAPアンタゴニストまたはIAP阻害剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の態様は、式-IのSMAC模倣化合物、
【0016】
【0017】
ここで、
R1は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC6-C10アリールからなる群から選択され;
R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、H、C1-C6アルキルおよびC4-C8シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C1-C6アルキルまたはC6-C10アリールから選択され;
Bは、C6-C10アリール、C(O)R5およびC(O)N(R6)(R7)からなる群から選択され;
R5は、OH、C1-C6アルコキシおよびC6アルコキシアリールからなる群から選択され;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素、C6-C10アリールおよびC6-C10アリールアルキルからなる群から選択され;
またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0018】
本発明の別の態様は、以下からなる群から選択されるSMAC模倣化合物を提供する。
【0019】
【0020】
本発明のさらに別の態様は、式-IのSMAC模倣化合物を調製するためのプロセスであって、
【0021】
【0022】
ここで、
R1は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC6-C10アリールからなる群から選択され;
R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、H、C1-C6アルキルおよびC4-C8シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C1-C6アルキルまたはC6-C10アリールから選択され;
Bは、C6-C10アリール、C(O)R5およびC(O)N(R6)(R7)からなる群から選択され;
R5は、OH、C1-C6アルコキシまたはC6アルコキシアリールからなる群から選択され;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素、C6-C10アリールおよびC6-C10アリールアルキルからなる群から選択され;
a)TFAを使用する酸分解によって、2-ベンジル1-(tert-ブチル)(2S,5S)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラートのBoc基を除去し、続いてペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、得られたアミンをBocNHCH(R2′)COOHとカップリングさせて、式P1の化合物を得るステップと;
【0023】
【0024】
b)TFAを使用する酸分解によって、式P1の化合物からBoc基を除去し、ペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、得られたアミンを式BocN(R4′)CH(R3′)COOHの化合物とカップリングさせて、式P2の化合物を得るステップと;
【0025】
【0026】
c)溶媒の存在下で、Pd触媒を使用して式P2の化合物を接触水素化して、式P3の遊離カルボン酸を得るステップと;
【0027】
【0028】
d)式P3の遊離カルボン酸を、ペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、NH2CH(A)(B)とカップリングさせて、式Iの化合物を得るステップと、を含む、プロセスを提供する。
【0029】
本発明の別の態様は、Boc基2-ベンジル1-(tert-ブチル)(2S,5S)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラートを除去し、続いて得られたアミンをBoc-Val-OHとカップリングさせて、Boc基が脱保護された化合物IIを得、続いてBoc-Ala-OHとのそれのカップリングを行って、エステルがカルボン酸にけん化された化合物IIIを提供し、続いてH-Ile-OBnまたはベンズヒドリルアミンのいずれかとそれのカップリングを行って、続いてそれの酸分解を行って、化合物2および3をそれぞれ与えることを含むプロセスを提供する。
【0030】
【0031】
本発明の別の態様は、化合物IIからBoc基を除去し、続いてBoc-N-Me-Ala-OHとそれのカップリングを行って、エステルがカルボン酸にけん化された化合物Vを提供し、続いてH-Ile-OBnまたはベンズヒドリルアミンまたはH-Ile-ベンズヒドリルアミドのいずれかとのそれのカップリングを行って、続いてそれの酸分解を行って、化合物4、5および6をそれぞれ生じることを含むプロセスを提供する。
【0032】
【0033】
本発明の態様は、中間体IからBoc基を除去し、続いて得られたアミンをBoc-Chg-OHとカップリングさせて、Boc基が脱保護された化合物VIIを得、続いてBoc-N-Me-Ala-OHとカップリングさせて、エステルがカルボン酸に変換された化合物VIIIを得、続いてH-Ile-OBnまたはベンズヒドリルアミンのいずれかとのそれのカップリングを行って、続いてそれの酸分解を行って、化合物7、8および9をそれぞれ得ることを含むプロセスを提供する。
【0034】
【0035】
本発明の別の態様は、SMAC模倣化合物(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-((S)-3-メチル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)ブタノイル)-5-フェニルピロリジン-2-カルボキサミド(10)((2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(benzhydrylamino)-3-methyl-1-oxopentan-2-yl)-1-((S)-3-methyl-2-((S)-2-(methylamino)propanamido)butanoyl)-5-phenylpyrrolidine-2-carboxamide (10))を調製するためのプロセスであって、
a)溶媒中、ペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、化合物XをH-Ile-ベンズヒドリルアミドとけん化およびカップリングし、化合物XIを得るステップと;
【0036】
【0037】
b)TFAを使用する酸分解によって、化合物XIからBoc基を除去し、続いてペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、得られたアミンをBoc-Val-COOHとカップリングさせて、式XIIの化合物を得るステップと;
【0038】
【0039】
c)TFAを使用する酸分解によって、化合物XIIからBoc基を除去し、続いてペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、得られたアミンをBoc-N-Me-Ala-OHとカップリングさせて、式XIIIの化合物を得るステップと;
【0040】
【0041】
d)酸分解によって式XIIIの化合物からBoc基を除去して、化合物10を得るステップと、を含むプロセスを提供する。
【0042】
【0043】
本発明の別の態様は、SMACタンパク質のアポトーシス阻害タンパク質(IAP)への結合を阻害し、癌を含む増殖性疾患の治療に有用な式-Iの化合物を提供する。
【0044】
本発明のさらに別の態様は、式-IのSMAC模倣化合物、
【0045】
【0046】
ここで、
R1は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC6-C10アリールからなる群から選択され;
R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、H、C1-C6アルキルおよびC4-C8シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C1-C6アルキルまたはC6-C10アリールから選択され;
Bは、C6-C10アリール、C(O)R5およびC(O)N(R6)(R7)からなる群から選択され;
R5は、OH、C1-C6アルコキシおよびC6アルコキシアリールからなる群から選択され;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素、C6-C10アリールおよびC6-C10アリールアルキルからなる群から選択され;
またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0047】
本発明のさらに別の態様は、式-IのSMAC模倣化合物、
【0048】
【0049】
ここで、
R1は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC6-C10アリールからなる群から選択され;
R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、H、C1-C6アルキルおよびC4-C8シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C1-C6アルキルまたはC6-C10アリールから選択され;
Bは、C6-C10アリール、C(O)R5およびC(O)N(R6)(R7)からなる群から選択され;
R5は、OH、C1-C6アルコキシおよびC6アルコキシアリールからなる群から選択され;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素、C6-C10アリールおよびC6-C10アリールアルキルからなる群から選択され;
またはその薬学的に許容される塩、少なくとも1つの抗癌剤および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0050】
本発明の態様では、式IのSMAC模倣化合物は、結腸、乳房、腎臓、前立腺、脳、卵巣、膵臓、黒色腫、肝臓、白血病およびリンパ腫からなる群から選択される様々な哺乳動物癌細胞株に対して強力な抗増殖活性を有する。
【0051】
本発明の別の態様では、SMAC模倣化合物は、哺乳動物における治療抵抗性、難治性および転移性の癌の治療に有用である。
【0052】
本発明のさらに別の態様では、SMAC模倣化合物は、TRAILアゴニスト/MAb、アロマターゼ阻害剤、エピジェネティックモジュレーター、キナーゼ阻害剤、アルキル化剤、微小管破壊剤(microtubule disrupter)、トポイソメラーゼ阻害剤、抗血管新生化合物、Hsp90阻害剤、mTOR阻害剤、エストロゲンおよびアンドロゲンアンタゴニスト、MMP阻害剤および生物学的応答修飾物質からなる群から選択される他の抗増殖剤との併用療法において有用である。
【0053】
本発明の別の態様は、式IのSMAC模倣化合物を使用して癌を治療するための方法を提供する。
【0054】
本発明のさらに別の態様は、XIAP/IAPのBIR-2およびBIR-3ドメインの両方に結合する能力を有し、治療抵抗性難治性癌に対してロバストなインビトロおよびインビボ有効性を有する有意なバイオアベイラビリティを有する式-IのSMAC模倣化合物を使用して癌を治療するための方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】C6のインシリコ分子ドッキング分析を示す図である。
【
図2】C6の細胞傷害機能のモードを示す図である。
【
図3】C6のターゲットエンゲージメントを説明する図である。
【
図4】DR5リガンドTRAILとのC-6の相乗的細胞傷害機能を示す図である。
【
図5】ターゲットエンゲージメントの寄与をその細胞傷害機能について示す図である。
【
図7】シスプラチンがその効果を送達することができなかったC6のインビボ抗腫瘍効果を説明する図である。
【
図8】皮下および経口投与経路を通してロバストなインビボ有効性を提供するC6処理を示す図である。
【
図9】C6のインビボターゲットエンゲージメントおよび組織分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
略称
SMAC:第2のミトコンドリア由来カスパーゼ活性化因子(second mitochondrial-derived activator of caspase)
TRAIL:腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(tumor necrosis factor-related apoptosis inducing ligand)
【0057】
ここで、本発明を、その様々な態様がより完全に理解および認識され得るように、特定の好ましいおよび任意選択の実施形態に関連して詳細に説明する。
【0058】
便宜上、本開示のさらなる説明の前に、本明細書で用いられる特定の用語、および例をここで説明する。これらの定義は、本開示の残りの部分に照らして読まれ、当業者によって理解される。本明細書で使用される用語は、当業者に認識され公知の意味を有するが、便宜上および完全性のために、特定の用語およびそれらの意味を以下に記載する。
【0059】
冠詞「a」、「an」および「the」は、冠詞の文法的対象の1つまたは1を超えること(すなわち、少なくとも1まで)を指すために使用される。
【0060】
「含む(comprise)」および「含む(comprising)」という用語は、包括的、オープンな意味で使用され、追加の要素が含まれ得ることを意味する。「のみからなる」と解釈されることを意図しない。
【0061】
本明細書を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」という語、ならびに「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などの変形は、任意の他の要素もしくはステップまたは要素もしくはステップの群を除外することではなく、記載された要素もしくはステップまたは要素もしくはステップの群を含むことを意味すると理解されるであろう。
【0062】
本発明は、アポトーシス経路を介してインビトロおよびインビボで強力な抗癌潜在性を示す式-IのSMAC模倣物に関する。
【0063】
本発明は、式-IのSMAC模倣化合物、
【0064】
【0065】
ここで、
R1は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC6-C10アリールからなる群から選択され;
R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、H、C1-C6アルキルおよびC4-C8シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C1-C6アルキルまたはC6-C10アリールから選択され;
Bは、C6-C10アリール、C(O)R5およびC(O)N(R6)(R7)からなる群から選択され;
R5は、OH、C1-C6アルコキシおよびC6アルコキシアリールからなる群から選択され;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素、C6-C10アリールおよびC6-C10アリールアルキルからなる群から選択され;
またはその薬学的に許容される塩を対象とする。
【0066】
本発明の実施形態では、
L-アラニル-L-バリル-L-プロリル-L-イソロイシン(化合物1)、
ベンジル((2S,5R)-1-(L-アラニル-L-バリル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボニル)-L-イソロイシナート(化合物2)、
(2S,5R)-1-(L-アラニル-L-バリル)-N-ベンズヒドリル-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物3)、
(2S,3S)-ベンジル3-メチル-2-((2S,5R)-1-((S)-3-メチル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)ブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)ペンタノアート((2S,3S)-benzyl 3-methyl-2-((2S,5R)-1-((S)-3-methyl-2-((S)-2-(methylamino)propanamido)butanoyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamido)pentanoate)(化合物4)、
(2S,5R)-N-ベンズヒドリル-1-(メチル-L-アラニル-L-バリル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物5)、
(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-(メチル-L-アラニル-L-バリル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物6)、
(2S,3S)-ベンジル2-((2S,5R)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3-メチルペンタノアート((2S,3S)-benzyl 2-((2S,5R)-1-((S)-2-cyclohexyl-2-((S)-2-(methylamino)propanamido)acetyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamido)-3-methylpentanoate)(化合物7)、
(2S,5R)-N-ベンズヒドリル-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド((2S,5R)-N-benzhydryl-1-((S)-2-cyclohexyl-2-((S)-2-(methylamino)propanamido)acetyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamide)(化合物8)、
(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド((2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(benzhydrylamino)-3-methyl-1-oxopentan-2-yl)-1-((S)-2-cyclohexyl-2-((S)-2-(methylamino)propanamido)acetyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamide)(化合物9);および
(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-(メチル-L-アラニル-L-アラニル)-5-フェニルピロリジン-2-カルボキサミド(化合物10)
からなる群から選択される式IのSMAC模倣化合物が提供される。
【0067】
本発明の別の実施形態は、式-IのSMAC模倣化合物を調製するためのプロセスであって、
【0068】
【0069】
ここで、
R1は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC6-C10アリールからなる群から選択され;
R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、H、C1-C6アルキルおよびC4-C8シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C1-C6アルキルまたはC6-C10アリールから選択され;
Bは、C6-C10アリール、C(O)R5およびC(O)N(R6)(R7)からなる群から選択され;
R5は、OH、C1-C6アルコキシおよびC6アルコキシアリールからなる群から選択され;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素、C6-C10アリールおよびC6-C10アリールアルキルからなる群から選択され;
i.TFAを使用する酸分解によって、2-ベンジル1-(tert-ブチル)(2S,5S)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラートのBoc基を除去し、続いてペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、得られたアミンをBocNHCH(R2′)COOHとカップリングさせて、式P1の化合物を得るステップと;
【0070】
【0071】
ii.TFAを使用する酸分解によって、式P1の化合物からBoc基を除去し、ペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、得られたアミンを式BocN(R4′)CH(R3′)COOHの化合物とカップリングさせて、式P2の化合物を得るステップと;
【0072】
【0073】
iii.溶媒の存在下で、Pd触媒を使用して式P2の化合物を接触水素化して、式P3の遊離カルボン酸を得るステップと;
【0074】
【0075】
iv.式P3の遊離カルボン酸を、ペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、NH2CH(A)(B)とカップリングさせて、式Iの化合物を得るステップと、を含む、プロセスを提供する。
【0076】
本発明の実施形態では、ペプチドカップリング試薬がHOBt、EDCIおよびHBTUからなる群から選択される、式-IのSMAC模倣化合物を調製するためのプロセスが提供される。
【0077】
本発明の別の実施形態では、弱塩基がジエチルイソプロピルアミンである、式-IのSMAC模倣化合物を調製するためのプロセスが提供される。
【0078】
本発明のさらに別の実施形態では、Pd触媒がPd/CまたはPd(OH)2/Cから選択される、式-IのSMAC模倣化合物を調製するためのプロセスが提供される。
【0079】
本発明のさらに別の実施形態では、溶媒がペプチドカップリングのためにDCMまたはDMFから選択される、式-IのSMAC模倣化合物を調製するためのプロセスが提供される。
【0080】
本発明の実施形態では、溶媒が接触水素化のためにMeOHまたはEtOAcから選択される、式-IのSMAC模倣化合物を調製するためのプロセスが提供される。
【0081】
本発明の別の実施形態では、SMAC模倣化合物10を調製するプロセスであって、
(a)溶媒中、ペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、化合物XをH-Ile-ベンズヒドリルアミドとけん化及びカップリングさせて、化合物XIを得るステップと;
【0082】
【0083】
(b)TFAを使用する酸分解によって、化合物XIからBoc基を除去し、続いてペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、得られたアミンをBoc-Val-COOHとカップリングさせて、式XIIの化合物を得るステップと;
【0084】
【0085】
(c)TFAを使用する酸分解によって、化合物XIIからBoc基を除去し、続いてペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、得られたアミンをBoc-N-Me-Ala-OHとカップリングさせて、式XIIIの化合物を得るステップと;
【0086】
【0087】
(d)酸分解によって式XIIIの化合物からBoc基を除去して、化合物10を得るステップと、を含む、プロセスを提供する。
【0088】
【0089】
本発明のさらに別の実施形態では、ペプチドカップリング試薬がHOBt、EDCIおよびHBTUからなる群から選択される、SMAC模倣化合物10を調製するプロセスが提供される。
【0090】
本発明のさらに別の実施形態では、溶媒がDCMまたはDMFから選択される、SMAC模倣化合物10を調製するプロセスが提供される。
【0091】
本発明の別の実施形態では、弱塩基がジエチルイソプロピルアミンである、SMAC模倣化合物10を調製するプロセスが提供される。
【0092】
本発明のさらに別の実施形態では、酸分解のための試薬がTFAである、SMAC模倣化合物10を調製するプロセスが提供される。
【0093】
本発明の別の実施形態では、式IのSMAC模倣化合物であって、化合物がSmacタンパク質のアポトーシス阻害タンパク質(IAP)への結合を阻害し、癌を含む増殖性疾患の治療に有用である、式IのSMAC模倣化合物が提供される。
【0094】
本発明のさらに別の実施形態は、式-IのSMAC模倣化合物、
【0095】
【0096】
ここで、
R1は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC6-C10アリールからなる群から選択され;
R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、H、C1-C6アルキルおよびC4-C8シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C1-C6アルキルまたはC6-C10アリールから選択され;
Bは、C6-C10アリール、C(O)R5およびC(O)N(R6)(R7)からなる群から選択され;
R5は、OH、C1-C6アルコキシおよびC6アルコキシアリールからなる群から選択され;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素、C6-C10アリールおよびC6-C10アリールアルキルからなる群から選択され;
またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0097】
本発明のさらに別の実施形態は、式-IのSMAC模倣化合物を含む医薬組成物を提供し、
【0098】
【0099】
ここで、
R1は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC6-C10アリールからなる群から選択され;
R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、H、C1-C6アルキルおよびC4-C8シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C1-C6アルキルまたはC6-C10アリールから選択され;
Bは、C6-C10アリール、C(O)R5およびC(O)N(R6)(R7)からなる群から選択され;
R5は、OH、C1-C6アルコキシおよびC6アルコキシアリールからなる群から選択され;
R6およびR7は、それぞれ独立して、水素、C6-C10アリールおよびC6-C10アリールアルキルからなる群から選択される。
【0100】
本発明の別の実施形態では、結腸、乳房、腎臓、前立腺、脳、卵巣、膵臓、黒色腫、肝臓、白血病およびリンパ腫からなる群から選択される哺乳動物癌細胞株に対して強力な抗増殖活性を有する式IのSMAC模倣化合物が提供される。
【0101】
本発明のさらに別の実施形態では、哺乳動物における治療抵抗性、難治性および転移性の癌の治療に有用な式IのSMAC模倣化合物が提供される。
【0102】
本発明のさらに別の実施形態では、TRAILアゴニスト/MAb、アロマターゼ阻害剤、エピジェネティックモジュレーター、キナーゼ阻害剤、アルキル化剤、微小管破壊剤(microtubule disrupter)、トポイソメラーゼ阻害剤、抗血管新生化合物、Hsp90阻害剤、mTOR阻害剤、エストロゲンおよびアンドロゲンアンタゴニスト、MMP阻害剤および生物学的応答修飾物質からなる群から選択される他の抗増殖剤との併用療法において有用である、式IのSMAC模倣化合物が提供される。
【0103】
本発明のさらに別の実施形態は、SMAC模倣化合物を使用して癌を治療するための方法を提供する。
【0104】
したがって、本発明は、化学療法がその効果をもたらすことができない単独療法および併用療法として癌の治療に有用な式-IのSMAC模倣ペプチド模倣化合物に関する。それぞれ、SMAC模倣ペプチド模倣化合物2~9は、(2S,5R)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボン酸を組み込むことによって調製され、化合物10は、(2S,5R)-5-フェニルピロリジン-2-カルボン酸残基を組み込むことによって調製される。
【0105】
本発明は、スキームAおよびスキームBに記載の式-IのSMAC模倣化合物を調製するためのプロセスを提供する。
【0106】
【0107】
(試薬および条件:(a)20%のTFA/DCM;(b)BocNHCH(R2′)-OH、EDCI.HCl、HOBt、DIPEA、DCM/DMF(1:1);(c)BocN(R4′)CH(R3′)-OH、EDCI.HCl、HOBt、DIPEA、DCM/DMF(1:1);(d)10mol%のPd-C、バルーンによるH2、MeOH;(e)NH2-Ile-OBn、EDCI.HCl、HOBt、DIPEA、DCM/DMF(1:1);(f)ベンズヒドリルアミン、IBCF、NMM、THF、-15℃);(g)NH2-Ile-ベンズヒドリルアミド、HBTU、DIPEA、DMF)
【0108】
【0109】
(試薬および条件:(a)20%のTFA/DCM;(b)Boc-Val-OH、EDCI.HCl、HOBt、DIPEA、DCM/DMF(1:1);(c)Boc-N-Me-Ala-OH EDCI.HCl、HOBt、DIPEA、DCM/DMF(1:1);(g)H-Ile-ベンズヒドリルアミド、HBTU、DIPEA、DMF h)LiOH、THF、MeOH、水;)
【0110】
スキームAに記載のプロセスに基づいて、化合物2~9を;およびスキームBに記載のプロセスに基づいて、化合物10を以下の方法で調製する;
【0111】
(i)主要な中間体IからBoc基を除去し、続いて得られたアミンをBoc-Val-OHとカップリングさせて化合物IIを得る(スキーム1);化合物-IIのBoc基を除去し、得られたアミンをBoc-Ala-OHとカップリングさせて化合物IIIを得(スキーム1)、化合物-IIIの接触水素化により遊離カルボン酸IVを得て、これをH-Ile-OBnまたはベンズヒドリルアミンのいずれかとカップリングさせ、続いて酸分解して、それぞれ化合物2または3を生じる(スキーム1)。
【0112】
【0113】
(試薬および条件:(a)20%のTFA/DCM;(b)Boc-Val-OH、EDCI.HCl、HOBt、DIPEA、DCM/DMF(1:1);(c)Boc-Ala-OH、EDCI.HCl、HOBt、DIPEA、DCM/DMF(1:1);(d)10mol%のPd-C、バルーンによるH2;(e)H-Ile-OBn、EDCI.HCl、HOBt、DIPEA、DCM/DMF(1:1);(f)ベンズヒドリルアミン、IBCF、NMM、THF、-15℃)
【0114】
(ii)化合物-IIのBoc基を除去し、得られたアミンをBoc-N-Me-Ala-OHとカップリングさせて化合物Vを得る;化合物Vの接触水素化により遊離カルボン酸を有する化合物VIを得て、これをH-Ile-OBn、ベンズヒドリルアミンまたはH-Ile-ベンズヒドリルアミドのいずれかとカップリングさせ、続いて酸分解して、化合物4、5または6をそれぞれ生じる(スキーム2)。
【0115】
【0116】
(試薬および条件:(a)20%のTFA/DCM;(b)Boc-Val-OH、HBTU、DIPEA、DMF;(c)Boc-N-Me-Ala-OH、HBTU、DIPEA、DMF;(d)10mol%のPd-C、バルーンによるH2、MeOH;(e)H-Ile-OBn、HBTU、DIPEA、DMF;(f)ベンズヒドリルアミン、IBCF、NMM、THF、-15℃;(g)NH2-Ile-ベンズヒドリルアミド、HBTU、DIPEA、DMF)
【0117】
(iii)化合物-IのBoc基を除去し、得られたアミンをBoc-Chg-OHとカップリングさせて、化合物VIIを得る;化合物VIIのBoc-基の酸分解的切断、続いてBoc-N-Me-Ala-OHとカップリングさせ、化合物VIIIを形成し、および化合物VIIIの接触水素化により化合物IXを得て、これをH-Ile-OBn、ベンズヒドリルアミンまたはIle-ベンズヒドリルアミドのいずれかとカップリングさせ、続いて酸分解して、化合物7、8または9をそれぞれ生じる(スキーム3)。
【0118】
【0119】
(試薬および条件:(a)20%のTFA/DCM;(b)Boc-Chg-OH、HBTU、DIPEA、DMF;(c)Boc-N(Me)-Ala-OH、HBTU、DIPEA、DMF;(d)10mol%のPd-C、バルーンによるH2、MeOH;(e)NH2-Ile-OBn、HBTU、DIPEA、DMF;(f)ベンズヒドリルアミン、IBCF、NMM、THF、-15℃;(g)NH2-Ile-ベンズヒドリルアミド、HBTU、DIPEA、DMF)
【0120】
(iv)化合物Xをけん化し、続いてH-Ile-ベンズヒドリルアミドとカップリングさせて、化合物XIを得る;化合物XIのBoc脱保護、続いてBoc-Val-OHとカップリングさせて、化合物XIIを得る;化合物XIIのBoc脱保護、続いてBoc-N-Me-Ala-OHとカップリングさせて、化合物XIIIを得る;化合物XIIIをBoc脱保護して、化合物10を得る(スキーム4)。
【0121】
【0122】
(試薬および条件:(h)LiOH、THF、MeOH、水;(g)H-Ile-ベンズヒドリルアミド、EDCI、HOBt、DIPEA、DCM;(a)30%のTFA/DCM;(b)Boc-Val-OH、EDCI、HOBt、DIPEA、DCM;(c)Boc-N-Me-Ala-OH、EDCI、HOBt、DIPEA、DCM;
【0123】
本発明の式-IのSMAC模倣ペプチド模倣物は、XIAPのBIR-2ドメインおよびBIR-3ドメインに対して強い結合親和性を示す。結合親和性は、インシリコ実験(
図1)によって、および表1に示す蛍光偏光アッセイを使用するタンパク質結合アッセイによって測定される。結合確認後、SMAC模倣化合物の細胞傷害能を、非ヒトサル腎臓(VERO)細胞株に対する癌細胞株に対して評価した。全ての化合物は、全ての癌細胞に対して細胞傷害活性を示した。最も重要なことには、一連のSmac模倣化合物のうち、化合物6は、全ての癌細胞に対して強力な細胞傷害活性を示すが、その腫瘍細胞選択性を証明する非ヒトVERO細胞に対しては限定的または最小の毒性を有する(表1)。その腫瘍細胞選択的な細胞傷害の性質および潜在的な結合特性のために、化合物6(C6)をさらなる実験分析のための強力な分子として選択した。
【0124】
【0125】
さらに、多様な癌細胞株に対するC6のIC50濃度を決定し、式-IのSMAC模倣ペプチド模倣物は、結腸、乳房、腎臓、前立腺、脳、卵巣、膵臓、肝臓、黒色腫、白血病およびリンパ腫を含むがこれらに限定されない様々な癌細胞株に対して強力な活性を示すことが観察された(表2)。
【0126】
【0127】
SMAC模倣物C6は、
図2および
図3に示すように、カスパーゼの切断およびcIAP1の分解のような顕著なSMAC駆動アポトーシス特徴をオンにすることによって、癌細胞における細胞死を促進する。さらに、そのアポトーシス機能は、ターゲットエンゲージメントに高度に依存し、それは、
図4および
図5に示されるように、TRAIL耐性細胞においてアポトーシスを促進する。C6の安定性および薬物動態分析は、それがSIF、SGF、ミクロソームで非常に安定であり(
図6)、表3に示すように皮下および経口投与経路を介して有意なバイオアベイラビリティを有することを示し、本発明に開示されるSMAC模倣物のドラッガブルな可能性を示唆している。
【0128】
【0129】
C6は、
図7および
図8に示すように、腹腔内、皮下および経口投与経路によるロバストなインビボ抗腫瘍活性を示している。それはまた、シスプラチン耐性結腸癌に対してインビボ活性である。C6は、
図7および
図8に示すように、治療の経過中に動物において重量減少が観察されなかった用量で、忍容性が良好で非毒性であることが分かっている。さらに、C6は、経口投与経路を通して腫瘍部位に到達し、XIAP/IAP分解およびカスパーゼの切断のようなそのターゲットに関与している(
図9)。
【0130】
(例)
以下の実施例は、本発明をサポートするために与えられるが、これに限定されない。
【0131】
例1
スキーム1で言及されるベンジル((2S,5R)-1-(L-アラニル-L-バリル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボニル)-L-イソロイシナート(化合物2)の合成
【0132】
(2S,5S)-2-ベンジル1-tert-ブチル5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(850mg、2.2mmol)を20%のTFA/DCM中で1時間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥した。次いで、このアミンを無水DMF(2mL)に溶解し、Boc-Val-OH(956mg、4.4mmol)およびHBTU(1.7gm、4.4mmol)の乾燥DMF(3mL)中で予備撹拌した溶液に、窒素雰囲気下、0℃で添加し、続いてDIPEA(1.2mL、6.6mmol)を添加した。反応混合物を室温にて追加で4~6時間さらに撹拌した。反応の完了後、水(30~40mL)を添加した。水溶液を酢酸エチル(3×60mL)で抽出した。合わせた有機層を10%のクエン酸(水溶液)、10%のNaHCO3(水溶液)、最後にブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、これを溶離液として18%の酢酸エチル/ヘキサンを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体化合物(2S,5R)-ベンジル1-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキシラート(II)を茶色がかったゴム状の油として収率56.8%で与えた(605.6mg、1.25mmol HRMS(ESI)(M+H)+ Calculated for C27H37N2O6
+=485.2646、found 485.2645。
【0133】
中間体化合物II(484.6mg、1mmol)を20%のTFA/DCM中で1時間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥した。次いで、このアミンを無水DMF(2mL)に溶解し、Boc-Ala-OH(378.4mg、2mmol)およびHBTU(758.5mg、2mmol)の乾燥DMF(3mL)中で予備撹拌した溶液に、窒素雰囲気下、0℃で添加し、続いてDIPEA(0.56mL、3mmol)を添加した。反応混合物を室温にて追加で4~6時間さらに撹拌した。反応および通常の後処理の完了後、中間体化合物(2S,5R)-ベンジル1-((S)-2-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパンアミド)-3-メチルブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキシラート(III)((2S,5R)-benzyl 1-((S)-2-((S)-2-(tert-butoxycarbonylamino)propanamido)-3-methylbutanoyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxylate (III))を黄色がかったゴム状の油として収率65%で得た(361mg、0.65mmol)。HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C30H42N3O7
+=556.3017、found 556.3022。
【0134】
化合物III(1mmol)のメタノール(5mL)中で撹拌した溶液に10mol%のPd-C(0.1mmol)を添加し、水素ガスをバルーンによって30分間パージすることによって水素化に供した。その後、Pdをセライトパッドを使用して濾過し、濾液を真空中で濃縮し、遊離酸(2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパンアミド)-3-メチルブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボン酸(IV)((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-butoxycarbonylamino)propanamido)-3-methylbutanoyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxylic acid (IV))を与え、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。その後、イソロイシンベンジルエステル(13.3mg、0.06mmol)を無水DMF(1mL)に溶解し、化合物IV(28mg、0.06mmol)およびHBTU(22.7mg、0.06mmol)の乾燥DMF(1mL)中で予備撹拌した溶液に、窒素雰囲気下、0℃で添加し、続いてDIPEA(0.034mL、.18mmol)を添加した。反応混合物を室温にて追加で4~6時間さらに撹拌した。反応および通常の後処理の完了後、保護されたテトラペプチド(2S,3S)-ベンジル2-((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパンアミド)-3-メチルブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3-メチルペンタノアート((2S,3S)-benzyl 2-((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-butoxycarbonylamino)propanamido)-3-methylbutanoyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamido)-3-methylpentanoate)を黄色がかったゴム状の油として収率86%で得た(34.8mg、0.05mmol)。HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C36H53N4O8
+=669.3858、found 669.3865。
【0135】
保護されたペプチド(2S,3S)-ベンジル2-((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパンアミド)-3-メチルブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3-メチルペンタノアート((2S,3S)-benzyl 2-((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-butoxycarbonylamino)propanamido)-3-methylbutanoyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamido)-3-methylpentanoate)(67mg、0.1mmol)を20%のTFA/DCM中で30分間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥した。粗ペプチドをC-18カラムを使用する逆相HPLC(RP-HPLC)によって精製し、次いで、試料を凍結乾燥させて、所望のペプチド化合物(2S,3S)-ベンジル2-((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-アミノプロパンアミド)-3-メチルブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3-メチルペンタノアート(2)((2S,3S)-benzyl 2-((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-aminopropanamido)-3-methylbutanoyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamido)-3-methylpentanoate(2))を白色粉末として収率65%で与えた(37mg、0.065mmol)。化合物2は、分析RP-HPLCで220nmで97%純粋であることが分かった。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δ/ppm=8.67(d,1H,J=8.2Hz),8.08(br,2H),7.93(d,1H,J=8.2Hz),7.38-7.31(m,5H),6.53(br,1H,J=3.1Hz),6.04(brdd,1H,J=1.0,3.1Hz),5.41(m,1H),5.13(m,2H),4.41-4.22(m,3H),3.88(br,1H),2.24(s,3H),2.12-1.76(m,6H),1.42-1.34(m,1H),1.31(d,3H,J=7.0Hz),1.23-1.12(m,1H),0.86-0.77(m,9H),0.61(d,3H,J=6.7Hz);HRMS(ESI)(M+H)+ Calculated for C31H45N4O6
+=569.3334、found 569.3335。
【0136】
例2
スキーム1で言及された(2S,5R)-1-(L-アラニル-L-バリル)-N-ベンズヒドリル-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物3)の合成
【0137】
-15℃の化合物IV(50mg、0.12mmol)のテトラヒドロフラン(1mL)の溶液に、N-メチルモルホリン(17.5μL、0.16mmol、1.5当量)を添加した。5分後、イソブチルクロロホルマート(17.5μL、0.144mmol、1.2当量)を反応混合物に添加した。次いで、5分後、ベンズヒドリルアミン(19μL、0.144mmol、1.2当量)を添加し、反応混合物を-15℃でさらに1時間撹拌した。反応および通常の後処理の完了後、化合物保護されたペプチドtert-ブチル(S)-1-((S)-1-((2S,5R)-2-(ベンズヒドリルカルバモイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イルカルバマート(Boc-Ala-Val-Fro-ベンズヒドリルアミド)を収率71%で得た(53mg、0.085mmolHRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C36H47N4O6
+=631.3490、found 631.3485。
【0138】
化合物tert-ブチル(S)-1-((S)-1-((2S,5R)-2-(ベンズヒドリルカルバモイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イルカルバマート(Boc-Ala-Val-Fro-ベンズヒドリルアミド)(53mg、0.085mmol)を20%のTFA/DCM中で30分間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥した。粗ペプチドをC-18カラムを使用する逆相HPLC(RP-HPLC)によって精製し、次いで、試料を凍結乾燥させて、所望のペプチド(2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-アミノプロパンアミド)-3-メチルブタノイル)-N-ベンズヒドリル-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(3)((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-aminopropanamido)-3-methylbutanoyl)-N-benzhydryl-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamide (3))を白色粉末として収率70%で与えた(32mg、0.06mmol)。化合物3は、分析RP-HPLCで220nmで96%純粋であることが分かった。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δ/ppm=8.69(d,1H,J=8.2Hz),8.42(d,1H,J=8.3Hz),8.08(br d,2H,J=3.7Hz),7.35-7.21(m,10H),6.52(d,1H,J=2.9Hz),6.09(d,1H,J=8.2Hz),6.0(br d,1H,J=2.9Hz),5.44(br d,1H,J=7.4Hz),4.45(m,1H),4.22(m,1H),3.87(m,1H),2.20-2.14(m,1H),2.15(s,3H),2.10-1.98(m,2H),1.96-1.89(m,1H),1.88-1.80(m,1H),1.30(d,3H,J=6.9Hz),0.77(d,3H,J=6.7Hz),0.55(d,3H,J=6.7Hz);HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C31H39N4O4
+=531.2966、found 531.2958。
【0139】
例3
スキーム2で言及された(2S,3S)-ベンジル3-メチル-2-((2S,5R)-1-((S)-3-メチル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)ブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)ペンタノアート((2S,3S)-benzyl 3-methyl-2-((2S,5R)-1-((S)-3-methyl-2-((S)-2-(methylamino)propanamido)butanoyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamido)pentanoate)(化合物4)の合成
【0140】
(スキーム1で得られた)中間体化合物II(484.6mg、1mmol)を20%のTFA/DCM中で1時間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥した。次いで、このアミンを無水DMF(2mL)に溶解し、Boc-N-Me-Ala-OH(406mg、2mmol)およびHBTU(758.5mg、2mmol)の乾燥DMF(3mL)中で予備撹拌された溶液に、窒素雰囲気下、0℃で添加し、続いてDIPEA(0.56mL、3mmol)を添加した。反応混合物を室温にて追加で4~6時間さらに撹拌した。反応および通常の後処理の完了後、化合物(2S,5R)-ベンジル1-((S)-2-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)プロパンアミド)-3-メチルブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキシラート(V)((2S,5R)-benzyl 1-((S)-2-((S)-2-(tert-butoxycarbonyl(methyl)amino)propanamido)-3-methylbutanoyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxylate (V))を茶色がかったゴム状の油として収率62%で得た(353mg、0.62mmol)。HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C31H44N3O7
+=570.3174、found 570.3407。
【0141】
化合物V(570mg、1mmol)のメタノール/テトラヒドロフラン(5mL、1:1)中で撹拌された溶液に10mol%のPd-C(0.1mmol)を添加し、水素ガスをバルーンによって30分間パージすることによって水素化に供した。その後、Pdをセライトパッドを使用して濾過し、濾液を真空中で濃縮し、遊離酸(2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)プロパンアミド)-3-メチルブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボン酸(VI)((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-butoxycarbonyl(methyl)amino)propanamido)-3-methylbutanoyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxylic acid (VI))を与え、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
【0142】
イソロイシンベンジルエステル(55.5mg、0.25mmol)を無水DMF(1mL)に溶解し、化合物VI(120mg、0.25mmol)およびHBTU(95mg、0.25mmol)の乾燥DMF(2mL)中で予備撹拌された溶液に、窒素雰囲気下、0℃で添加し、続いてDIPEA(0.13mL、0.75mmol)を添加した。反応および粗生成物の通常の後処理の完了後、これを、溶離液として5%のメタノール/ジクロロメタンを使用するカラムクロマトグラフィーによって精製すると、化合物Boc保護されたテトラペプチド(2S,3S)-ベンジル2-((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)プロパンアミド)-3-メチルブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3-メチルペンタノアート((2S,3S)-benzyl 2-((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-butoxycarbonyl(methyl)amino)propanamido)-3-methylbutanoyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamido)-3-methylpentanoate)(Boc-N(Me)-Ala-Val-Fro-Ile-OBn)を茶色がかったゴム状の油として収率80%で与えた(136mg、0.2mmol)。HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C37H55N4O8
+=683.4014、found 683.4011。
【0143】
化合物(2S,3S)-ベンジル2-((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)プロパンアミド)-3-メチルブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3-メチルペンタノアート((2S,3S)-benzyl 2-((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-butoxycarbonyl(methyl)amino)propanamido)-3-methylbutanoyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamido)-3-methylpentanoate)(53.5mg、0.08mmol)を20%のTFA/DCM中で30分間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥した。粗ペプチドを、C-18カラムを使用する逆相HPLC(RP-HPLC)によって精製し、次いで、試料を凍結乾燥させて、所望の化合物(2S,3S)-ベンジル3-メチル-2-((2S,5R)-1-((S)-3-メチル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)ブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)ペンタノアート(4)((2S,3S)-benzyl 3-methyl-2-((2S,5R)-1-((S)-3-methyl-2-((S)-2-(methylamino)propanamido)butanoyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamido)pentanoate (4))を白色粉末として与えた。収率(28mg、62%)。化合物4は、分析RP-HPLCで220nmで99%純粋であることが分かった。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δ/ppm=8.96(br,1H),8.85(d,1H,J=8.7Hz),7.93(d,1H,J=8.5Hz),7.38-7.30(m,5H),6.54(br d,1H,J=3.2Hz),6.03(brdd,1H,J=1.0,3.2Hz),5.36(br d,1H,J=7.7Hz),5.16-5.08(m,2H),4.42-4.24(m,3H),3.82(br,1H),2.51(s,3H),2.23(s,3H),2.11-1.94(m,3H),1.92-1.75(m,3H),1.43-1.34(m,1H),1.33(d,3H,J=7.1Hz),1.22-1.13(m,1H),0.86-0.76(m,9H),0.62(d,3H,J=6.9Hz);HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C32H47N4O6
+=583.3490、found 583.3482。
【0144】
例4
スキーム2で言及された(2S,5R)-N-ベンズヒドリル-1-(メチル-L-アラニル-L-バリル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物5)の合成
【0145】
-15℃の中間体化合物VI(58mg、0.12mmol)のテトラヒドロフラン(1mL)中の溶液に、N-メチルモルホリン(17.5μL、0.16mmol、1.5当量)を添加した。5分後、イソブチルクロロホルマート(17.5μL、0.144mmol、1.2当量)を反応混合物に添加した。次いで、5分後、ベンズヒドリルアミン(19μL、0.144mmol、1.2当量)を添加し、反応混合物を-15℃でさらに1時間撹拌した。反応および通常の後処理の完了後、粗生成物を得て、これを4%のメタノール/ジクロロメタンによって精製して、化合物Boc保護されたペプチドtert-ブチル(S)-1-((S)-1-((2S,5R)-2-(ベンズヒドリルカルバモイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル(メチル)カルバマート(Boc-N(Me)-Ala-Val-Fro-ベンズヒドリルアミド)を収率75%で与えた(57mg、0.09mmol)。HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C37H49N4O6
+=645.3647、found 645.3646。
【0146】
化合物tert-ブチル(S)-1-((S)-1-((2S,5R)-2-(ベンズヒドリルカルバモイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル(メチル)カルバマート(Boc-N(Me)-Ala-Val-Fro-ベンズヒドリルアミド)(57mg、0.08mmol)を20%のTFA/DCM中で30分間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥した。粗ペプチドを、C-18カラムを使用する逆相HPLC(RP-HPLC)によって精製し、次いで、試料を凍結乾燥させて、所望の化合物(2S,5R)-N-ベンズヒドリル-1-((S)-3-メチル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)ブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(5)((2S,5R)-N-benzhydryl-1-((S)-3-methyl-2-((S)-2-(methylamino)propanamido)butanoyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamide(5))を白色粉末として収率68%で与えた(30mg、0.055mmol)。
【0147】
化合物5は、分析RP-HPLCで220nmで99%を超えて純粋であることが分かった。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δ/ppm=8.87(br,1H),8.85(d,1H,J=8.9Hz),8.41(d,1H,J=8.2Hz),7.35-7.21(m,10H),6.54(br d,1H,J=3.0Hz),6.10(d,1H,J=8.5Hz),5.99(brdd,1H,J=1.0,3.0Hz),5.40(br d,1H,J=6.1Hz),4.47-4.43(m,1H),4.27(t,1H,J=8.7Hz),3.83(m,1H),2.51(s,3H),2.21-2.13(m,1H),2.15(s,3H),2.12-1.81(m,4H),1.34(d,3H,J=6.9Hz),0.77(d,3H,J=6.7Hz),0.57(d,3H,J=6.7Hz);HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C32H41N4O4
+=545.3122、found 545.3116。
【0148】
例5
スキーム2で言及された(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-(メチル-L-アラニル-L-バリル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物6)の合成
【0149】
イソロイシンベンズヒドリルアミド(isoleucine benzhdrylamide)(178mg、0.6mmol)を無水DMF(1mL)に溶解し、化合物VI(288mg、0.6mmol)およびHBTU(227.5mg、0.6mmol)の乾燥DMF(3mL)中で予備撹拌された溶液に、窒素雰囲気下、0℃で添加し、続いてDIPEA(0.34mL、1.8mmol)を添加した。反応混合物を室温にて追加で4~6時間さらに撹拌した。反応および通常の後処理の完了後、このようにして得られた粗生成物を、溶離液として5%のメタノール/ジクロロメタンを使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物Boc保護されたtert-ブチル(S)-1-((S)-1-((2S,5R)-2-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル(メチル)カルバマートを茶色がかったゴム状の油として収率83%で与え(379mg、0.5mmol)。HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C43H60N5O7
+=758.4487、found 758.4483。
【0150】
化合物tert-ブチル(S)-1-((S)-1-((2S,5R)-2-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル(メチル)カルバマート(250mg、0.32mmol)を20%のTFA/DCM中で30分間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥した。粗ペプチドを、C-18カラムを使用する逆相HPLC(RP-HPLC)によって精製し、次いで、試料を凍結乾燥させて、所望の化合物(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-((S)-3-メチル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)ブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(6)((2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(benzhydrylamino)-3-methyl-1-oxopentan-2-yl)-1-((S)-3-methyl-2-((S)-2-(methylamino)propanamido)butanoyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamide (6))を白色粉末として収率56%で与えた(119mg、0.18mmol)。化合物6は、分析RP-HPLCで220nmで99%純粋であることが分かった。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δ/ppm=8.93(d,1H,J=8.8Hz),8.86(br,1H),8.83(d,1H,J=8.4Hz),7.56(d,1H,J=8.9Hz),7.33-7.21(m,10H),6.52(br d,1H,J=3.0Hz),6.11(d,1H,J=8.7Hz),6.03(br d,1H,J=2.5Hz),5.35(m,1H),4.40-4.30(m,3H),3.8(br,1H),2.50(s,3H),2.25(s,3H),2.13-1.68(m,6H),1.45-1.37(m,1H),1.33(d,3H,J=6.9Hz),1.09-0.98(m,1H),0.80-0.74(m,9H),0.59(d,3H,J=6.7Hz);HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C38H52N5O5
+=658.3963、found 658.3953。
【0151】
例6
スキーム3で言及される(2S,3S)-ベンジル2-((2S,5R)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3-メチルペンタノアート((2S,3S)-benzyl 2-((2S,5R)-1-((S)-2-cyclohexyl-2-((S)-2-(methylamino)propanamido)acetyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamido)-3-methylpentanoate)(化合物7)の合成
【0152】
2-ベンジル1-(tert-ブチル)(2S,5S)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(850mg、2.2mmol)を20%のTFA/DCM中で1時間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥した。次いで、このアミンを無水DMF(2mL)に溶解し、Boc-Chg-OH(1.13gm、4.4mmol)およびHBTU(1.7gm、4.4mmol)の乾燥DMF(3mL)中で予備撹拌された溶液に、窒素雰囲気下、0℃で添加し、続いてDIPEA(1.2mL、6.6mmol)を添加した。反応混合物を室温にて追加で4~6時間さらに撹拌した。反応ならびに通常の後処理および精製の完了後、収率54.5%で黄色がかったゴム状の油としての中間体化合物(2S,5R)-ベンジル1-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-シクロヘキシルアセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキシラート(VII)(629mg、1.2mmol)。HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C30H41N2O6
+=525.2959、found 525.2952。
【0153】
化合物VII(524.6mg、1mmol)を20%のTFA/DCM中で1時間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥した。次いで、このアミンを無水DMF(2mL)に溶解し、N-Boc-N-メチルアラニン(406mg、2mmol)およびHBTU(758.5mg、2mmol)の乾燥DMF(3mL)中で予備撹拌された溶液に、窒素雰囲気下、0℃で添加し、続いてDIPEA(0.56mL、3mmol)を添加した。反応混合物を室温にて追加で4~6時間さらに撹拌した。反応の完了後、水(10~20mL)を添加した。水溶液を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を10%のクエン酸(水溶液)、10%のNaHCO3(水溶液)、最後にブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、これを溶離液として32%の酢酸エチル/ヘキサンを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体化合物(2S,5R)-ベンジル1-((S)-2-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)プロパンアミド)-2-シクロヘキシルアセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキシラート(VIII)((2S,5R)-benzyl 1-((S)-2-((S)-2-(tert-butoxycarbonyl(methyl)amino)propanamido)-2-cyclohexylacetyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxylate (VIII))を茶色がかったゴム状の油として収率62%で与えた(378mg、0.62mmol)。HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C34H48N3O7
+=610.3487、found 610.3378。
【0154】
化合物VIII(378mg、0.62mmol)のメタノール/テトラヒドロフラン(5mL、1:1)中で撹拌された溶液に10mol%のPd-C(0.06mmol)を添加し、水素ガスをバルーンによって30分間パージすることによって水素化に供した。その後、Pdをセライトパッドを使用して濾過し、濾液を真空中で濃縮し、遊離酸(2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)プロパンアミド)-2-シクロヘキシルアセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボン酸(IX)((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-butoxycarbonyl(methyl)amino)propanamido)-2-cyclohexylacetyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxylic acid (IX))を与え、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。イソロイシンベンジルエステル(55.5mg、0.25mmol)を無水DMF(1mL)に溶解し、Boc-N(Me)-Ala-Chg-Fro-OH(130mg、0.25mmol)およびHBTU(95mg、0.25mmol)の乾燥DMF(2mL)中で予備撹拌された溶液に、窒素雰囲気下、0℃で添加し、続いてDIPEA(0.13mL、0.75mmol)を添加した。反応混合物を室温にて追加で4~6時間さらに撹拌した。反応および通常の後処理の完了後、化合物Boc保護されたテトラペプチド(2S,3S)-ベンジル2-((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)プロパンアミド)-2-シクロヘキシルアセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3-メチルペンタノアート((2S,3S)-benzyl 2-((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-butoxycarbonyl(methyl)amino)propanamido)-2-cyclohexylacetyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamido)-3-methylpentanoate)(Boc-N(Me)-Ala-Chg-Fro-Ile-OBn)を黄色がかったゴム状の油として収率80%で得た(144mg、0.2mmol)。HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C40H59N4O8
+=723.4327、found 723.4325。
【0155】
化合物(2S,3S)-ベンジル2-((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)プロパンアミド)-2-シクロヘキシルアセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3-メチルペンタノアート((2S,3S)-benzyl 2-((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-butoxycarbonyl(methyl)amino)propanamido)-2-cyclohexylacetyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamido)-3-methylpentanoate)(Boc-N(Me)-Ala-Chg-Fro-Ile-OBn)(58mg、0.08mmol)を20%のTFA/DCM中で30分間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥した。粗ペプチドを、C-18カラムを使用する逆相HPLC(RP-HPLC)によって精製し、次いで、試料を凍結乾燥させて、所望の化合物(2S,3S)-ベンジル2-((2S,5R)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3-メチルペンタノアート7((2S,3S)-benzyl 2-((2S,5R)-1-((S)-2-cyclohexyl-2-((S)-2-(methylamino)propanamido)acetyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamido)-3-methylpentanoate 7)を白色粉末として収率62%で与えた(28mg、0.05mmol)。化合物7は、分析RP-HPLCで220nmで98%純粋であることが分かった。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δ/ppm=8.88(br,1H),8.79(d,1H,J=8.3Hz),7.86(d,1H,J=8.3Hz),7.37-7.32(m,5H),6.51(br d,1H,J=3.0Hz),6.05(brdd,1H,J=1.0,3.0Hz),5.34(m,1H),5.17-5.08(m,2H),4.42-4.32(m,3H),3.83-3.79(m,1H),2.50(s,3H),2.24(s,3H),2.09-1.86(m,4H),1.83-1.76(m,1H),1.70-1.41(m,7H),1.33(d,3H,J=6.9Hz),1.20-1.12(m,1H),1.06-0.92(m,3H),0.86-0.77(m,7H),0.55-0.46(m,1H);HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C35H51N4O6
+=623.3803、found 623.3800。
【0156】
例7
スキーム3で言及された(2S,5R)-N-ベンズヒドリル-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド((2S,5R)-N-benzhydryl-1-((S)-2-cyclohexyl-2-((S)-2-(methylamino)propanamido)acetyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamide)(化合物8)の合成
【0157】
-15℃の中間体化合物IX(62.4mg、0.12mmol)のテトラヒドロフラン(1mL)中溶液に、N-メチルモルホリン(17.5μL、0.16mmol、1.5当量)を添加した。5分後、イソブチルクロロホルマート(17.5μL、0.144mmol、1.2当量)を反応混合物に添加した。次いで、5分後、ベンズヒドリルアミン(19μL、0.144mmol、1.2当量)を添加し、反応混合物を-15℃でさらに1時間撹拌した。反応および通常の後処理の完了後、化合物Boc保護されたテトラペプチドtert-ブチル(S)-1-((S)-2-((2S,5R)-2-(ベンズヒドリルカルバモイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1-イル)-1-シクロヘキシル-2-オキソエチルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル(メチル)カルバマートを収率67%で得た(55mg、0.08mmol)。HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C40H53N4O6
+=685.3960、found 685.3939。
【0158】
化合物tert-ブチル(S)-1-((S)-2-((2S,5R)-2-(ベンズヒドリルカルバモイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1-イル)-1-シクロヘキシル-2-オキソエチルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル(メチル)カルバマート(55mg、0.08mmol)を20%のTFA/DCM中で30分間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥した。粗ペプチドを、C-18カラムを使用する逆相HPLC(RP-HPLC)によって精製し、次いで、試料を凍結乾燥させて、所望の化合物(2S,5R)-N-ベンズヒドリル-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(8)((2S,5R)-N-benzhydryl-1-((S)-2-cyclohexyl-2-((S)-2-(methylamino)propanamido)acetyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamide (8))を白色粉末として収率62.5%で与えた(29mg、0.05mmol)。化合物8は、分析RP-HPLCで220nmで99%純粋であることが分かった。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δ/ppm=8.88(br,1H),8.81(d,1H,J=8.0Hz),8.30(d,1H,J=8.4Hz),7.36-7.21(m,10H),6.51(br d,1H,J=3.1Hz),6.10(d,1H,J=8.1Hz),6.01(brdd,1H,J=1.0,3.1Hz),5.38(m,1H),4.46(m,1H),4.36(t,1H,J=8.5Hz),3.82(m,1H),2.50(s,3H),2.21-1.89(m,4H),2.14(s,3H),1.70-1.39(m,5H),1.33(d,3H,J=7.0Hz),1.13-0.89(m,4H),0.79-0.69(m,1H),0.51-0.42(m,1H);HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C35H45N4O4
+=585.3435、found 585.3427。
【0159】
例8
(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド((2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(benzhydrylamino)-3-methyl-1-oxopentan-2-yl)-1-((S)-2-cyclohexyl-2-((S)-2-(methylamino)propanamido)acetyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamide)(化合物9)の合成
【0160】
(2S,3S)-2-アミノ-N-ベンズヒドリル-3-メチルペンタンアミド(60mg、0.2mmol)を無水DMF(1mL)に溶解し、(2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)プロパンアミド)-2-シクロヘキシルアセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボン酸((2S,5R)-1-((S)-2-((S)-2-(tert-butoxycarbonyl(methyl)amino)propanamido)-2-cyclohexylacetyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxylic acid)(104mg、0.2mmol)およびHBTU(75.8mg、0.2mmol)の乾燥DMF(1mL)中で予備撹拌された溶液に、窒素雰囲気下、0℃で添加し、続いてDIPEA(0.11mL、0.6mmol)を添加した。反応混合物を室温にて追加で4~6時間さらに撹拌した。反応および通常の後処理の完了後、化合物Boc保護されたペプチドtert-ブチル(S)-1-((S)-2-((2S,5R)-2-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1-イル)-1-シクロヘキシル-2-オキソエチルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル(メチル)カルバマートを茶色がかったゴム状の油として収率85%で得た(135mg、0.17mmol)。HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C46H64N5O7
+=798.4800、found 798.4817。
【0161】
化合物tert-ブチル(S)-1-((S)-2-((2S,5R)-2-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1-イル)-1-シクロヘキシル-2-オキソエチルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル(メチル)カルバマート(80mg、0.1mmol)を20%のTFA/DCM中で30分間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥した。粗ペプチドを、C-18カラムを使用する逆相HPLC(RP-HPLC)によって精製し、次いで、試料を凍結乾燥させて、所望の化合物(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(9)((2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(benzhydrylamino)-3-methyl-1-oxopentan-2-yl)-1-((S)-2-cyclohexyl-2-((S)-2-(methylamino)propanamido)acetyl)-5-(5-methylfuran-2-yl)pyrrolidine-2-carboxamide (9))を白色粉末として収率60%で与えた(41mg、0.06mmol)。化合物9は、分析RP-HPLCで220nmで98%純粋であることが分かった。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δ/ppm=8.92(d,1H,J=8.6Hz),8.80(br,1H),8.75(d,1H,J=8.0Hz),7.52(br d,1H,J=9.1Hz),7.33-7.22(m,10H),6.48(br d,1H,J=3.0Hz),6.10(d,1H,J=8.4Hz),6.04(brdd,1H,J=1.0,3.0Hz),5.33(m,1H),4.43-4.38(m,3H),3.82(br m,1H),2.50(s,3H),2.26(s,3H),2.14-1.96(m,4H),1.76-1.37(m,8H),1.33(d,3H,J=6.8Hz),1.09-0.98(m,2H),0.97-0.86(m,2H),0.79-0.72(m,7H),0.54-0.44(m,1H);HRMS(ESI)(M+H)+ calculated for C41H56N5O5
+=698.4276、found 698.4245。
【0162】
例9
スキーム4で言及された(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-(メチル-L-アラニル-L-アラニル)-5-フェニルピロリジン-2-カルボキサミド(化合物10)の合成
【0163】
丸底フラッシュ中で、化合物1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,5R)-5-フェニルピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(3.089gm、10.127mmol)をメタノール/水(10:1)の50mlの混合物に入れた。その後、反応混合物中にLiOH(890mg、20.255mmol)を0℃で添加した。反応混合物をTLCで監視した。反応の完了後、50mlの水を反応物に添加し、反応混合物から有機溶媒を蒸発させた。その後、酢酸エチルおよび水を添加し、不純物を含有する有機層を分離した。水層をクエン酸で酸性化し、酢酸エチルをその層に添加した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。有機層を減圧下で蒸発させて、遊離酸を白色固体として得た。粗酸をさらに精製することなく次のステップに直接使用した。NH2-Ile-ベンズヒドリルアミド(4.42gm、14.948mmol)を乾燥DCM(15mL)に溶解し、粗酸(2.9gm、9.96mmol)、EDC.HCl(5.71g、29.896mmol)およびHOBt(4.035g、29.896mmol)の乾燥DCM(35mL)中で予備撹拌された溶液に、0℃および窒素雰囲気下で添加し、続いてDIPEA(5.17mL、29.896mmol)を添加した。反応混合物を室温にて追加で4~6時間さらに撹拌した。反応および通常の後処理の完了後、粗生成物をシリカゲル(40%の酢酸エチル/ヘキサン)を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製し、標記化合物(2S,5R)-tert-ブチル2-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-5-フェニルピロリジン-1-カルボキシラート(XI)を白色固体として与えた(4.657gm、8.184mmol、収率82%)。
【0164】
化合物XI(4.45gm、7.82mmol)に、30%のTFA/DCM(25mL)[3ml/mM、すなわち1mlのTFAおよび2mlのDCM/mM]を0℃で添加し、反応物を室温でさらに1時間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥し、これにDCM(150mL)を添加し、これを10%のNa2CO3(水溶液)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去し、粗アミンを白色固体として与えた(3.36gm、7.036mmol、収率90%)。この粗アミン(600mg、1.27mmol)を乾燥DCM(10mL)に溶解し、Boc-NH-バリン(692mg、3.195mmol)、EDC.HCl(1.342g、7.034mmol)およびHOBt(950mg、7.034mmol)の乾燥DCM(25mL)中で予備撹拌された溶液に、窒素雰囲気下、0℃で添加し、続いてDIPEA(1.22mL、7.034mmol)を添加した。反応混合物を室温にて追加で4~6時間さらに撹拌した。反応および通常の後処理の完了後、粗生成物をシリカゲル(40%EA/ヘキサン)を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製し、標記化合物tert-ブチル(S)-1-((2S,5R)-2-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-5-フェニルピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イルカルバマート(XII)を白色固体(723gm、1.082mmol、収率85%)として与えた。
【0165】
化合物XII(700mg、1.047mmol)に、30%のTFA/DCM(6mL)[3ml/mM、すなわち1mlのTFAおよび2mlのDCM/mM]を0℃で添加し、反応物を室温でさらに1時間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥し、これにDCM(30mL)を添加し、これを10%のNa2CO3(水溶液)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去し、粗アミンを白色固体として与えた(740mg、0.827mmol、収率80%)。この粗アミン(430mg、0.757mmol)を乾燥DCM(2mL)に溶解し、Boc-val-OH(385mg、1.892mmol)、EDC.HCl(1.05g、4.163mmol)およびHOBt(563mg、4.163mmol)の乾燥DCM(8mL)中で予備撹拌された溶液に、窒素雰囲気下、0℃で添加し、続いてDIPEA(0.97mL、4.163mmol)を添加した。反応混合物を室温にて追加で4~6時間さらに撹拌した。反応および通常の後処理の完了後、粗生成物をシリカゲル(40%EA/ヘキサン)を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製し、標記化合物tert-ブチル(S)-1-((S)-1-((2S,5R)-2-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-5-フェニルピロリジン-1-イル)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル(メチル)カルバマート(XIII)を白色固体として与えた(477gm、0.633mmol、収率84%)。
【0166】
化合物XIII(430mg、0.571mmol)に、30%のTFA/DCM(6mL)[3ml/mM、すなわち1mlのTFAおよび2mlのDCM/mM]を0℃で添加し、反応物を室温でさらに1時間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥し、これにDCM(30mL)を添加し、これを10%のNa2CO3(水溶液)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をシリカゲル(8%MeOH/DCM)を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製し、標記化合物(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-((S)-3-メチル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)ブタノイル)-5-フェニルピロリジン-2-カルボキサミド(10)((2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(benzhydrylamino)-3-methyl-1-oxopentan-2-yl)-1-((S)-3-methyl-2-((S)-2-(methylamino)propanamido)butanoyl)-5-phenylpyrrolidine-2-carboxamide (10))を白色固体として与えた(326mg、0.499mmol、収率87%)。ESIMS(M+H)+ calculated for C39H52N5O4=654.4、found 654.6
【0167】
生物学的活性
例10:結合アッセイ
SMAC模倣物1~9を、蛍光標識ペプチドAVPIAQK(FAM)-OHをXIAP BIR2またはXIAP BIR3タンパク質から置き換えるそれらの能力について試験した。次いで、一定濃度の蛍光標識ペプチドおよびXIAP BIR2またはXIAP BIR3タンパク質でSMAC模倣化合物の濃度を順次増加させることによって、用量依存的結合実験を行った。IC50値を、非線形最小二乗分析を使用してprismソフトウェアによるプロット描画から決定した。http://sw16.im.med.umich.edu/software/calc_ki/.In-silico.で自由にアクセスできるウェブベースのプログラムを使用して、測定されたIC50値、トレーサーAVPIAQK(FAM)-OHとXIAP BIR2またはXIAP BIR3複合体との間のKd値、ならびに競合アッセイにおけるタンパク質およびトレーサーの濃度に基づくSMAC模倣物のKi値を計算した。
【0168】
SMAC模倣物は、FPAによって決定されるようにXIAPのBIR2およびBIR3ドメインに結合する。結合等温線を、FP読み取り値とnMでのタンパク質濃度のlog値との間でプロットした。GraphPad prismを使用してデータを分析し、ボルツマン-シグモイド非線形回帰曲線フィッティングを使用してKd値を決定した。最初に、蛍光標識ペプチドのXIAP BIR2およびXIAP BIR3との結合についてのKd値を決定して、BIR2/3ドメインに対する各分子結合についての正確なKi値を評価し、表1に示す。
【0169】
【0170】
例11:細胞傷害性アッセイ(SRBアッセイ)
異なる化合物のインビトロ細胞傷害活性を、異なる細胞における標準的なSRBアッセイを使用することによって評価した。処理細胞および未処理細胞の吸光度を、マルチウェルスキャン分光光度計(Epoch Microplate Reader、Biotek、米国)で510nmの波長で測定した。成長阻害率は、式[100-(化合物処理細胞の吸光度/未処理細胞の吸光度)]×100を使用することによって計算した。
【0171】
SMAC模倣物は、腫瘍細胞選択的細胞傷害効果を促進する。SW620、HT29、HCT116およびVERO細胞を10μM用量の一連のSmac模倣物で48時間処理し、細胞傷害性をSRBアッセイによって測定した。成長阻害率を上記の表1にまとめた。C6は、腫瘍細胞に対してロバストなインビトロ細胞傷害効果を示したが、VERO細胞に対しては示さなかったので、本発明者らは、異なるタイプの癌細胞株に対するC6のIC
50値を決定した。IC
50値を表2に示す。本発明者らはまた、C6のインシリコ分子ドッキング分析(
図1)を評価し、BIR2上のC-6の安定化に関与する寄与残基が水素結合を介してS162、E163およびR166の能動的役割を示し、Y161およびF229が塩基スタッキング相互作用を形成することを観察した。さらに、BIR3の結合ポケットの分析は、Y324、R299およびG306が水素結合を形成しており、W323残基がC6化合物の安定化における塩基スタッキング相互作用を示すことを示す。
【0172】
【0173】
例12:アポトーシス抗体アレイ分析
R&D Systems製のProteome Profiler Human Apoptosis Array Kit(ARY009)を製造者の指示書に従って使用することによって、アポトーシスアレイを実行した。詳細なアッセイ手順に従った。画像をgel documentation system(Bio-Rad chemidoc XRS plus)によってキャプチャーし、ImageJソフトウェア(NIH)を分析および定量化に使用した。Plotlyソフトウェアをヒートマップ生成に使用した(モントリオール、カナダ)。
【0174】
アネキシン-V陽性細胞を示すヒストグラムオーバーレイの右シフトによって観察されるように、化合物C6がsmac駆動アポトーシス特徴を促進することが観察された。(
図2、左)。さらに、C6処理は、対照と比較して、処理細胞におけるPARPおよびカスパーゼ-3の切断ならびにcIAP-1の分解によって観察されるように、SMAC媒介ホールマークアポトーシス特徴を駆動する(
図2、右および
図3)。さらに、C6は、インビトロでTRAIL媒介腫瘍細胞細胞傷害応答を堅固に感作する(
図4)。アポトーシスもしくはカスパーゼの阻害、またはXIAPのようなその標的の過剰発現、またはDR5のノックダウンは、C6媒介細胞死をレスキューする。
【0175】
例13:コロニー形成アッセイ
クローン原性コロニー形成アッセイを単一細胞懸濁液で行った。簡単に説明すると、細胞を完全McCoy培地に12ウェルプレートに播種し、24時間後、単独または組み合わせてのいずれかで、異なる用量の異なる薬剤で処理した。細胞を、3日ごとにメディア(media)を取り換えながら2週間培養した。プレートをPBSで洗浄し、氷冷メタノールで固定し、続いてメタノール中の0.5%のクリスタルバイオレットで30分間染色した。水で十分に洗浄することによって過剰な染色を除去し、プレートを乾燥させた。代表的な画像をgel documentation system(Bio-Rad chemidoc XRS plus)でキャプチャーし、ImageJソフトウェア(NIH)を分析および定量化に使用して、異なる処理の組み合わせ下での単一細胞コロニー形成効率を監視した。
【0176】
Panカスパーゼ阻害剤Z-VAD-FMKによるアポトーシスの阻害は、コロニー形成アッセイによって観察されるC6の細胞傷害表現型を著しくレスキューし、C6が癌細胞においてアポトーシス細胞死を誘導することを確認した(
図5、中央上パネル)。同様に、XIAP過剰発現細胞およびDR5ノックダウン細胞におけるコロニー形成アッセイは、C6媒介アポトーシス細胞死の有意な耐性を示し、これは全アポトーシスプロセスにおけるXIAPおよびDR5の重大な関与を示唆していた(
図5の下の左パネルおよび右パネル)。
【0177】
例14:異種移植腫瘍モデルにおけるインビボ試験
全ての動物を病原体のない設備で昼-夜周期下で維持した。本発明者らの十分に確立された結腸癌異種移植モデルに従って、100μlのPBS中の2×106細胞(SW620およびHCT116)または0.5×106細胞(HCT116)を、各4~6週齢のヌードCrl:CD1-Foxn1nuマウスの左/および右後肢の側面に皮下接種した。盲検の独立した調査者によって、マウスを群に無作為に割り当てた。試験を通して、一定の間隔で腫瘍を電子デジタルキャリパで測定し、標準式V=Π/6×a2×bを使用して腫瘍体積を計算し、式中、「a」は短い腫瘍軸であり、「b」は長い腫瘍軸である。実験の最後に、マウスを屠殺し、皮下腫瘍をさらなる試験のために解剖した。採取した腫瘍の一部を滅菌鉗子およびハサミで小片に刻み、ライセート調製のためにホモジナイズした。
【0178】
シスプラチン耐性SW-620異種移植モデルを利用して、本発明者らは、C6のインビボ有効性を決定し、それが同じモデルに対して強力な抗腫瘍有効性を有することを観察した(
図7)。同様に、C6の皮下および経口投与は、それぞれの対照と比較して、HCT-116異種移植腫瘍体積および重量を著しく減少させたことが観察された。(
図8)。腫瘍組織からのイムノブロットは、C6処理腫瘍がインビボでのビヒクル処理腫瘍と比較して、低下したXIAPおよびcIAP1タンパク質発現を示すことを明らかにし、これは、C6がこれらのタンパク質を標的とし、腫瘍体積を減少させることを確認する(
図9、左パネル)。さらに、本発明者らの臓器分布分析では、腫瘍組織中のC6の存在が有意な量で観察され、腫瘍部位への分子の送達が確認された(
図9、右パネル)。
【0179】
例15:C6の安定性および薬物動態試験
SIF、SGFおよび他の安定性試験を以下の標準プロトコルによって実行した。LC-MS/MS法をC6:静脈内群(C6、4mg/kg)、皮下群(C6、30mg/kg)、経口群(C6、30mg/kg)について開発した。マウスに、体重に応じたそれぞれの用量を静脈内(lateral vein)、皮下経路および経口によってそれぞれ投与した。血液試料を0.083、0.25、0.5、0.75、1、2、4、8、12、24および48時間で収集した。血漿を分離し、分析のために処理した。薬物動態分析のために、血漿濃度対時間データをプロットし、WinNonlin(Pharsight、マウンテンビュー、CA)ソフトウェアを使用するノンコンパートメント分析法によって分析した。
【0180】
図6に示すように、C6は、SIF、SGF、血漿、MLM、HLMにおいて非常に安定である。C6のIV、SCおよび経口経路による薬物動態プロファイルを図で与え、薬物動態パラメータを表3に示す。皮下経路および経口経路によるC6の絶対バイオアベイラビリティは、表3に示すように、それぞれ56.61±7.21%および55.93±11.15%であることがわかった。
【0181】
【手続補正書】
【提出日】2023-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式-IのSMAC模倣化合物、
【化1】
ここで、
R
1は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC
6-C
10アリールからなる群から選択され;
R
2
は、H、C
1
-C
6
アルキルおよびC
4
-C
8
シクロアルキルからなる群から選択され;
R
3およびR
4は、それぞれ独立して、H
およびC
1-C
6アルキ
ルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C
1-C
6アルキルまたはC
6-C
10アリールから選択され;
Bは、C
6-C
10アリール、C(O)R
5およびC(O)N(R
6)(R
7)からなる群から選択され;
R
5は、OH、C
1-C
6アルコキシおよびC
6アルコキシアリールからなる群から選択され;
R
6およびR
7は、それぞれ独立して、水素、C
6-C
10アリールおよびC
6-C
10アリールアルキルからなる群から選択され;
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
L-アラニル-L-バリル-L-プロリル-L-イソロイシン(化合物1)、
ベンジル((2S,5R)-1-(L-アラニル-L-バリル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボニル)-L-イソロイシナート(化合物2)、
(2S,5R)-1-(L-アラニル-L-バリル)-N-ベンズヒドリル-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物3)、
(2S,3S)-ベンジル3-メチル-2-((2S,5R)-1-((S)-3-メチル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)ブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)ペンタノアート(化合物4)、
(2S,5R)-N-ベンズヒドリル-1-(メチル-L-アラニル-L-バリル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物5)、
(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-(メチル-L-アラニル-L-バリル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物6)、
(2S,3S)-ベンジル2-((2S,5R)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3-メチルペンタノアート(化合物7)、
(2S,5R)-N-ベンズヒドリル-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物8)、
(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物9);および
(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-(メチル-L-アラニル-L-アラニル)-5-フェニルピロリジン-2-カルボキサミド(化合物10)
からなる群から選択される、請求項1に記載のSMAC模倣化合物。
【請求項3】
式-IのSMAC模倣化合物を調製するためのプロセスであって、
【化2】
ここで、
R
1は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC
6-C
10アリールからなる群から選択され;
R
2
は、H、C
1
-C
6
アルキルおよびC
4
-C
8
シクロアルキルからなる群から選択され;
R
3およびR
4は、それぞれ独立して、H
およびC
1-C
6アルキ
ルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C
1-C
6アルキルまたはC
6-C
10アリールから選択され;
Bは、C
6-C
10アリール、C(O)R
5およびC(O)N(R
6)(R
7)からなる群から選択され;
R
5は、OH、C
1-C
6アルコキシおよびC
6アルコキシアリールからなる群から選択され;
R
6およびR
7は、それぞれ独立して、水素、C
6-C
10アリールおよびC
6-C
10アリールアルキルからなる群から選択され;
i.TFAを使用する酸分解によって、2-ベンジル1-(tert-ブチル)(2S,5S)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラートの前記Boc基を除去し、続いてペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、得られたアミンをBocNHCH(R
2′)COOHとカップリングさせて、式P1の化合物を得るステップと;
【化3】
ii.TFAを使用する酸分解によって、前記式P1の化合物からBoc基を除去し、ペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、前記得られたアミンを式BocN(R
4′)CH(R
3′)COOHの化合物とカップリングさせて、式P2の化合物を得るステップと;
【化4】
iii.溶媒の存在下で、Pd触媒を使用して前記式P2の化合物を接触水素化して、式P3の遊離カルボン酸を得るステップと;
【化5】
iv.前記式P3の遊離カルボン酸を、ペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、NH
2CH(A)(B)とカップリングさせて、前記式Iの化合物を得るステップと、
を含む、プロセス。
【請求項4】
前記ペプチドカップリング試薬がHOBt、EDCIおよびHBTUからなる群から選択され、前記弱塩基がジエチルイソプロピルアミンであり、前記Pd触媒がPd/C、またはPd(OH)
2/Cから選択される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記溶媒が、ペプチドカップリングのためにDCM、またはDMFおよび接触水素化のためにMeOH、またはEtOAcから選択される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項6】
請求項2に記載のSMAC模倣化合物10を調製するプロセスであって、
(a)溶媒中、ペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、化合物XをH-Ile-ベンズヒドリルアミドとけん化およびカップリングさせて、化合物XIを得るステップと;
【化6】
(b)TFAを使用する酸分解によって、前記化合物XIから前記Boc基を除去し、続いてペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、前記得られたアミンをBoc-Val-COOHとカップリングさせて、式XIIの化合物を得るステップと;
【化7】
(c)TFAを使用する酸分解によって、前記化合物XIIから前記Boc基を除去し、続いてペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、前記得られたアミンをBoc-N-Me-Ala-OHとカップリングさせて、式XIIIの化合物を得るステップと;
【化8】
(d)酸分解によって前記式XIIIの化合物から前記Boc基を除去して、前記化合物10を得るステップと、
【化9】
を含む、プロセス。
【請求項7】
前記ペプチドカップリング試薬がHOBt、EDCIおよびHBTUからなる群から選択され、前記溶媒がDCM、またはDMFから選択され、前記弱塩基がジエチルイソプロピルアミンであり、酸分解のために前記試薬がTFAである、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
Smacタンパク質のアポトーシス阻害タンパク質(IAP)への結合を阻害し、癌を含む増殖性疾患の治療に有用である、請求項1に記載のSMAC模倣化合物。
【請求項9】
式-IのSMAC模倣化合物、
【化10】
ここで、
R
1は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC
6-C
10アリールからなる群から選択され;
R
2
は、H、C
1
-C
6
アルキルおよびC
4
-C
8
シクロアルキルからなる群から選択され;
R
3およびR
4は、それぞれ独立して、H
およびC
1-C
6アルキ
ルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C
1-C
6アルキルまたはC
6-C
10アリールから選択され;
Bは、C
6-C
10アリール、C(O)R
5およびC(O)N(R
6)(R
7)からなる群から選択され;
R
5は、OH、C
1-C
6アルコキシおよびC
6アルコキシアリールからなる群から選択され;
R
6およびR
7は、それぞれ独立して、水素、C
6-C
10アリールおよびC
6-C
10アリールアルキルからなる群から選択され;
またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤
を含む、医薬組成物。
【請求項10】
結腸、乳房、腎臓、前立腺、脳、卵巣、膵臓、黒色腫、肝臓、白血病およびリンパ腫からなる群から選択される哺乳動物癌細胞株に対して強力な抗増殖活性を有する、請求項1に記載のSMAC模倣化合物。
【請求項11】
哺乳動物における治療抵抗性、難治性、および転移性の癌の治療に有用である、請求項1に記載のSMAC模倣化合物。
【請求項12】
TRAILアゴニスト/MAb、アロマターゼ阻害剤、エピジェネティックモジュレーター、キナーゼ阻害剤、アルキル化剤、微小管破壊剤、トポイソメラーゼ阻害剤、抗血管新生化合物、Hsp90阻害剤、mTOR阻害剤、エストロゲンおよびアンドロゲンアンタゴニスト、MMP阻害剤および生物学的応答修飾物質からなる群から選択される他の抗増殖剤との併用療法において有用である、請求項1に記載のSMAC模倣化合物。
【請求項13】
請求項1に記載のSMAC模倣化合物を使用して癌を治療するための方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0180
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0180】
図6に示すように、C6は、SIF、SGF、血漿、MLM、HLMにおいて非常に安定である。C6のIV、SCおよび経口経路による薬物動態プロファイルを図で与え、薬物動態パラメータを表3に示す。皮下経路および経口経路によるC6の絶対バイオアベイラビリティは、表3に示すように、それぞれ56.61±7.21%および55.93±11.15%であることがわかった。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
式-IのSMAC模倣化合物、
【化1】
ここで、
R
1
は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC
6
-C
10
アリールからなる群から選択され;
R
2
、R
3
およびR
4
は、それぞれ独立して、H、C
1
-C
6
アルキルおよびC
4
-C
8
シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C
1
-C
6
アルキルまたはC
6
-C
10
アリールから選択され;
Bは、C
6
-C
10
アリール、C(O)R
5
およびC(O)N(R
6
)(R
7
)からなる群から選択され;
R
5
は、OH、C
1
-C
6
アルコキシおよびC
6
アルコキシアリールからなる群から選択され;
R
6
およびR
7
は、それぞれ独立して、水素、C
6
-C
10
アリールおよびC
6
-C
10
アリールアルキルからなる群から選択され;
またはその薬学的に許容される塩。
[2]
L-アラニル-L-バリル-L-プロリル-L-イソロイシン(化合物1)、
ベンジル((2S,5R)-1-(L-アラニル-L-バリル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボニル)-L-イソロイシナート(化合物2)、
(2S,5R)-1-(L-アラニル-L-バリル)-N-ベンズヒドリル-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物3)、
(2S,3S)-ベンジル3-メチル-2-((2S,5R)-1-((S)-3-メチル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)ブタノイル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)ペンタノアート(化合物4)、
(2S,5R)-N-ベンズヒドリル-1-(メチル-L-アラニル-L-バリル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物5)、
(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-(メチル-L-アラニル-L-バリル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物6)、
(2S,3S)-ベンジル2-((2S,5R)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-3-メチルペンタノアート(化合物7)、
(2S,5R)-N-ベンズヒドリル-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物8)、
(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)アセチル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物9);および
(2S,5R)-N-((2S,3S)-1-(ベンズヒドリルアミノ)-3-メチル-1-オキソペンタン-2-イル)-1-(メチル-L-アラニル-L-アラニル)-5-フェニルピロリジン-2-カルボキサミド(化合物10)
からなる群から選択される、[1]に記載のSMAC模倣化合物。
[3]
式-IのSMAC模倣化合物を調製するためのプロセスであって、
【化2】
ここで、
R
1
は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC
6
-C
10
アリールからなる群から選択され;
R
2
、R
3
およびR
4
は、それぞれ独立して、H、C
1
-C
6
アルキルおよびC
4
-C
8
シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C
1
-C
6
アルキルまたはC
6
-C
10
アリールから選択され;
Bは、C
6
-C
10
アリール、C(O)R
5
およびC(O)N(R
6
)(R
7
)からなる群から選択され;
R
5
は、OH、C
1
-C
6
アルコキシおよびC
6
アルコキシアリールからなる群から選択され;
R
6
およびR
7
は、それぞれ独立して、水素、C
6
-C
10
アリールおよびC
6
-C
10
アリールアルキルからなる群から選択され;
i.TFAを使用する酸分解によって、2-ベンジル1-(tert-ブチル)(2S,5S)-5-(5-メチルフラン-2-イル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラートの前記Boc基を除去し、続いてペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、得られたアミンをBocNHCH(R
2
′)COOHとカップリングさせて、式P1の化合物を得るステップと;
【化3】
ii.TFAを使用する酸分解によって、前記式P1の化合物からBoc基を除去し、ペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、前記得られたアミンを式BocN(R
4
′)CH(R
3
′)COOHの化合物とカップリングさせて、式P2の化合物を得るステップと;
【化4】
iii.溶媒の存在下で、Pd触媒を使用して前記式P2の化合物を接触水素化して、式P3の遊離カルボン酸を得るステップと;
【化5】
iv.前記式P3の遊離カルボン酸を、ペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、NH
2
CH(A)(B)とカップリングさせて、前記式Iの化合物を得るステップと、
を含む、プロセス。
[4]
前記ペプチドカップリング試薬がHOBt、EDCIおよびHBTUからなる群から選択され、前記弱塩基がジエチルイソプロピルアミンであり、前記Pd触媒がPd/C、またはPd(OH)
2
/Cから選択される、[3]に記載のプロセス。
[5]
前記溶媒が、ペプチドカップリングのためにDCM、またはDMFおよび接触水素化のためにMeOH、またはEtOAcから選択される、[3]に記載のプロセス。
[6]
請求項2に記載のSMAC模倣化合物10を調製するプロセスであって、
(a)溶媒中、ペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、化合物XをH-Ile-ベンズヒドリルアミドとけん化およびカップリングさせて、化合物XIを得るステップと;
【化6】
(b)TFAを使用する酸分解によって、前記化合物XIから前記Boc基を除去し、続いてペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、前記得られたアミンをBoc-Val-COOHとカップリングさせて、式XIIの化合物を得るステップと;
【化7】
(c)TFAを使用する酸分解によって、前記化合物XIIから前記Boc基を除去し、続いてペプチドカップリング試薬および弱塩基の存在下で、前記得られたアミンをBoc-N-Me-Ala-OHとカップリングさせて、式XIIIの化合物を得るステップと;
【化8】
(d)酸分解によって前記式XIIIの化合物から前記Boc基を除去して、前記化合物10を得るステップと、
【化9】
を含む、プロセス。
[7]
前記ペプチドカップリング試薬がHOBt、EDCIおよびHBTUからなる群から選択され、前記溶媒がDCM、またはDMFから選択され、前記弱塩基がジエチルイソプロピルアミンであり、酸分解のために前記試薬がTFAである、[6]に記載のプロセス。
[8]
Smacタンパク質のアポトーシス阻害タンパク質(IAP)への結合を阻害し、癌を含む増殖性疾患の治療に有用である、[1]に記載のSMAC模倣化合物。
[9]
式-IのSMAC模倣化合物、
【化10】
ここで、
R
1
は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC
6
-C
10
アリールからなる群から選択され;
R
2
、R
3
およびR
4
は、それぞれ独立して、H、C
1
-C
6
アルキルおよびC
4
-C
8
シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C
1
-C
6
アルキルまたはC
6
-C
10
アリールから選択され;
Bは、C
6
-C
10
アリール、C(O)R
5
およびC(O)N(R
6
)(R
7
)からなる群から選択され;
R
5
は、OH、C
1
-C
6
アルコキシおよびC
6
アルコキシアリールからなる群から選択され;
R
6
およびR
7
は、それぞれ独立して、水素、C
6
-C
10
アリールおよびC
6
-C
10
アリールアルキルからなる群から選択され;
またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤
を含む、医薬組成物。
[10]
式-IのSMAC模倣化合物を含む医薬組成物であって、
【化11】
ここで、
R
1
は、水素、および非置換または置換ヘテロアリールまたはC
6
-C
10
アリールからなる群から選択され;
R
2
、R
3
およびR
4
は、それぞれ独立して、H、C
1
-C
6
アルキルおよびC
4
-C
8
シクロアルキルからなる群から選択され;
Aは、非置換または置換C
1
-C
6
アルキルまたはC
6
-C
10
アリールから選択され;
Bは、C
6
-C
10
アリール、C(O)R
5
およびC(O)N(R
6
)(R
7
)からなる群から選択され;
R
5
は、OH、C
1
-C
6
アルコキシおよびC
6
アルコキシアリールからなる群から選択され;
R
6
およびR
7
は、それぞれ独立して、水素、C
6
-C
10
アリールおよびC
6
-C
10
アリールアルキルからなる群から選択される、医薬組成物。
[11]
結腸、乳房、腎臓、前立腺、脳、卵巣、膵臓、黒色腫、肝臓、白血病およびリンパ腫からなる群から選択される哺乳動物癌細胞株に対して強力な抗増殖活性を有する、[1]に記載のSMAC模倣化合物。
[12]
哺乳動物における治療抵抗性、難治性、および転移性の癌の治療に有用である、[1]に記載のSMAC模倣化合物。
[13]
TRAILアゴニスト/MAb、アロマターゼ阻害剤、エピジェネティックモジュレーター、キナーゼ阻害剤、アルキル化剤、微小管破壊剤、トポイソメラーゼ阻害剤、抗血管新生化合物、Hsp90阻害剤、mTOR阻害剤、エストロゲンおよびアンドロゲンアンタゴニスト、MMP阻害剤および生物学的応答修飾物質からなる群から選択される他の抗増殖剤との併用療法において有用である、[1]に記載のSMAC模倣化合物。
[14]
[1]に記載のSMAC模倣化合物を使用して癌を治療するための方法。
【国際調査報告】