(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】振動流動床オリゴヌクレオチド合成装置
(51)【国際特許分類】
C12N 15/10 20060101AFI20231226BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20231226BHJP
C07H 1/00 20060101ALI20231226BHJP
C07H 21/04 20060101ALI20231226BHJP
A61K 31/7088 20060101ALN20231226BHJP
【FI】
C12N15/10 110Z
C12N15/10 120Z
C12M1/00 A
C07H1/00
C07H21/04 A
A61K31/7088
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537057
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 US2021063185
(87)【国際公開番号】W WO2022132681
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】ブレイデン,ティモシー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,マーティン デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】スン,ワイミン
(72)【発明者】
【氏名】ウェブスター,ルーク フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ワイ,ユーフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ゼリンスキー,ジェシカ アン
【テーマコード(参考)】
4B029
4C057
4C086
【Fターム(参考)】
4B029AA27
4B029BB20
4B029CC01
4B029DG10
4C057AA20
4C057BB04
4C057CC01
4C057DD03
4C057MM08
4C086AA04
4C086EA16
(57)【要約】
固相合成システムとして使用される、フィルター反応器内の固相樹脂上にオリゴヌクレオチドを構築するための方法及びデバイス。固相合成プロセスの一環として、保護基が固相樹脂に結合しているオリゴヌクレオチドの5’位から除去され、その後、活性化アミダイト(ホスホアミダイト)溶液が添加される。活性化アミダイト溶液は床反応器内を上下に流れるか、又は流動化して樹脂ビーズと混合し、オリゴヌクレオチドの5’位で反応し、アミダイト内で見つけられる亜リン酸結合が酸化状態IIIのP原子を含む。活性化アミダイト溶液が反応すると、P原子は酸化状態IIIから酸化状態Vに変換される。脱ブロッキング、カップリング、酸化、硫化、又はキャッピングを含む反応のうちのいずれかが流動化又は混合されて、試薬と樹脂との間の完全な接触をもたらすことができる。試薬は、洗浄前にフィルター底部から排出されて反応器から出る。洗浄前の流動化又は混合のため、樹脂床は平らであり、チャネルを有さず、洗浄のうちのいずれかの最中に再流動化され得る。スプレーコーン又は他の分布器により、試薬又は洗浄溶媒が樹脂の平らで均等な半径方向分布を妨害することなく樹脂床の上部に均等に分布される。任意の所与の反応後の洗浄をいくつかの別個の区分に分けることができる。あるサイクルにおける特定の反応後の洗浄のよりきれいな部分が保持容器に収集され、次のサイクルにおける反応後の第1の洗浄として使用することができる。インプロセス統合マルチパス洗浄を使用して、洗浄溶媒のより効率的な使用を可能にすることができる。脱ブロッキング反応に使用された過剰量の試薬溶液がホスホロアミダイトサイクル毎にリサイクルされて再利用され、脱ブロッキングの使用をより効率的にする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリゴヌクレオチドを床反応器内の固体支持体に添加する方法であって、
前記固体支持体に結合しているオリゴヌクレオチドの5’位から保護基を除去することと、
活性化アミダイト溶液を前記床反応器に添加することであって、前記活性化アミダイト溶液がアミダイトを含み、前記床反応器内で上下に流れるか、又は窒素バブリング若しくは他の撹拌により流動化し、前記オリゴヌクレオチドの5’位で反応し、前記アミダイト内で見られる亜リン酸結合が酸化状態IIIのP原子を含む、添加すること、次いで
前記P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換することを含む、方法。
【請求項2】
前記P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換する前又は変換した後に、キャッピング溶液を添加するステップを更に含み、カップリング部分が前記アミダイト溶液と反応しなかった場合、前記キャッピング溶液が前記カップリング部分をキャップし、これにより、更なるアミダイトが前記カップリング部分にカップリングすることができないようになり、前記キャッピング溶液が前記床反応器内を上下に流れるか、又は窒素バブリング若しくは他の撹拌により流動化するか、又は流動化/混合若しくは前記反応の流動化部分とそれに続くプラグフロー部分なしで樹脂床を通って下方に流れる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記床反応器の底部に位置するフィルターに前記アミダイト溶液を通すことによって前記活性化アミダイト溶液を前記床反応器から除去するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の洗浄溶液を前記床反応器に添加するステップを更に含み、前記第1の洗浄溶液の前記添加が前記保護基を除去した後に起こる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第2の洗浄溶液を前記床反応器に添加するステップを更に含み、前記第2の洗浄溶液の前記添加が、前記活性化アミダイト溶液が前記床反応器に添加された後に起こる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の洗浄溶液及び前記第2の洗浄溶液が前記床反応器内を上下に流れ、前記方法が、前記床反応器の底部に位置するフィルターに前記第1の洗浄溶液及び前記第2の洗浄溶液を通すことによって前記第1の洗浄溶液及び前記第2の洗浄溶液を前記床反応器から個別に除去するステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の洗浄溶液の前記添加が、前記P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換するステップの前に起こる、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
第3の洗浄溶液を前記床反応器に添加するステップを更に含み、前記第3の洗浄溶液の前記添加が、前記P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換した後に起こる、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記第3の洗浄溶液が前記床反応器内を上下に流れ、前記方法が、前記床反応器の底部に位置するフィルターに前記第3の洗浄溶液を通すことによって前記第3の洗浄溶液を前記床反応器から除去するステップを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記保護基がDMT基であり、前記保護基の前記除去が、オリゴヌクレオチドの5’位を、溶媒中に酸を含む活性化溶液と反応させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、前記床反応器の底部に位置するフィルターに前記活性化溶液を通すことによって前記活性化溶液床反応器を除去するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記床反応器内での前記上下の流れが、下方押圧中に前記反応器の上部に圧力を加え、その後、上方押圧中に前記反応器の上部から圧力を解放することによって達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記床反応器内での固体と液体の流動床混合が、窒素又は別のガスを前記反応器の底部に添加すること又は他の何らかのタイプの撹拌によって達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
床反応器及び活性化アミダイト溶液を備える、オリゴヌクレオチドを固体支持体に添加するためのシステムであって、前記活性化アミダイト溶液がアミダイトを含み、前記床反応器内を上下に流れるか、又は窒素バブリング若しくは他の撹拌により流動化する、システム。
【請求項15】
前記床反応器が、加圧ガスが前記床反応器に入るのを許可する入口を備え、前記加圧ガス又は他の何らかのタイプの撹拌により、前記アミダイト溶液が前記床反応器内で前記固体と混合するようになる、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記入口が前記床反応器の底部に配置されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記床反応器が前記床反応器の上部から加圧及び減圧され、前記圧力変動により、前記アミダイトが前記床反応器内を上下に流れるようになる、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の洗浄溶液と前記第2の洗浄溶液とが前記床反応器内で混合し、前記方法が、前記床反応器の底部に位置するフィルターに前記第1の洗浄溶液及び前記第2の洗浄溶液を通すことによって前記第1の洗浄溶液及び前記第2の洗浄溶液を前記床反応器から個別に除去するステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項19】
洗浄溶媒が次の試薬を充填する前にフィルター反応器の底部から排出され、前記試薬が次の洗浄溶媒を充填する前に前記フィルター反応器の底部から排出され、前記樹脂床が混合されて、各サイクルにおいて選択された反応及び/又は洗浄中に選択された時点で不活性ガスバブリング又は前記液体の上下の流れによって前記樹脂粒子を前記試薬及び/又は前記洗浄溶媒中に懸濁させる、請求項5に記載の方法。
【請求項20】
前記試薬の第1の分量が前記反応器に充填され、前記第1の分量が前記反応の開始時に目標時間にわたって流動化されて、完全な接触を達成し、かつ樹脂膨張を達成し、その後、前記第1の分量が前記樹脂床プラグフロー様式によりポンプ注入されると同時に前記試薬の第2の分量を前記反応器の上部に同時に充填し、これにより、残りの試薬がプラグフローによりポンプ注入されるようになる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
脱ブロッキング試薬溶液の最終区分がホスホロアミダイトサイクル毎に再利用され、これにより、前記脱ブロッキングの反応に必要な酸量が減少し、前記樹脂が膨張して脱ブロッキングの開始時に前記床がチャネルなしでリセットされ、未使用の脱ブロッキング試薬溶液とのプラグフロー反応前にACNが洗い流される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
各洗浄が、完全に排出される一連の複数のより小規模な洗浄部分に分割され、これにより、1回の大規模な連続洗浄と比較して逆混合を最小限に抑えることができる、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記溶媒洗浄のうちのいくつか又は全てが流動化されず、前記洗浄が流動化部分から始まりプラグフロー部分が続くか、又は前記洗浄がプラグフロー洗浄の最中のどこか若しくは最後に流動化部分を有し、試薬除去の効率を考慮し、かつ圧力降下を克服するために流動化がいつ必要とされるかに応じてカスタム設計されている、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
流入する前記試薬及び前記洗浄溶媒がスプレーコーン又は他の分布器で前記樹脂床の上部に半径方向に均等に分布して、前記樹脂床を平らに保ち、かつ効率的なプラグフロー反応及び洗浄を可能にする、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記洗浄溶媒のよりきれいな画分がホスホロアミダイトサイクル毎にリサイクルされて再利用される、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
本明細書に記載されるように、インプロセス統合マルチパス洗浄が反応後に使用される、請求項19に記載の方法溶媒部分が反応器に複数回通される。例えば、サイクル1での脱ブロッキング後の第6の溶媒洗浄部分がサイクル2での脱ブロッキング後の第5の洗浄部分になり、その後、これがサイクル3での脱ブロッキング後の第4の洗浄部分になるといった具合である。毎回の反応後に「最も汚れた」洗浄溶媒のみが本システムから出て廃棄され、新しいきれいな溶媒供給のみが最終洗浄区分に必要とされるため、インプロセス統合マルチパス洗浄により、洗浄溶媒のはるかにより効率的な使用が可能になる。
【請求項27】
前記反応器が、流動化を容易にするために、前記試薬又は前記洗浄溶媒が最初に前記反応器に入ったときにより大きい直径の上部セクションに拡張するより小さい直径の下部セクションを有する、請求項19に記載の方法。上向流不活性ガスが樹脂ビーズのうちのいくつか又は全てを押し上げてより大きい直径のセクションに入れ、ここで、壁効果をあまり受けることなく液体と固体が相互作用することができる。
【請求項28】
前記樹脂床が各サイクルにおいて前記他の反応ステップ中に流動化され/試薬液体と混合されて、完全な接触を達成し、かつ反応中に前記樹脂床を通って下方に流れるときにさもなければ高い圧力降下も緩和する、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記溶媒洗浄の初期部分が流動化されて、前記洗浄中に前記樹脂床を通って下方に流れるときにさもなければ高い圧力降下を緩和する、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記樹脂膨張が主に流動化中に起こることが許可され、これにより、液体がその後に前記床を通って下方に流れて前記反応器の底部から出るときに圧力降下が緩和される、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
キャッピングが前記サイクルのうちのいくつかから省略される、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
前記反応のうちのいくつかが前記反応におけるいずれの時点でも流動化されず、プラグフロー接触のみ、例えば、前記未使用のDCA溶液が充填されたときに流動化なしで脱ブロッキングが行われる、請求項19に記載の方法。
【請求項33】
不活性ガスが前記樹脂床を通って液体を押し下げ、前記反応器の出口にあるポンプ又は他の計量デバイスが前記床を通る液体の流量を制御する、請求項19に記載の方法。
【請求項34】
アミダイト及び活性化剤溶液が別個のゾーンに充填され、任意選択的に前記ゾーン内で不活性ガスバブリングにより混合され、その後、前記反応器に押し込まれる、請求項19に記載の方法。
【請求項35】
アミダイト及び活性化剤溶液が別個のゾーンに充填され、任意選択的に前記ゾーン内で不活性ガスバブリングにより混合され、その後、前記反応器に押し込まれる前に供給ゾーンに押し込まれる、請求項19に記載の方法。
【請求項36】
試薬が前記反応器に押し込まれる前に個々の供給ゾーンに充填される、請求項19に記載の方法。
【請求項37】
試薬が前記反応器に押し込まれる前に共通の供給ゾーンに充填される、請求項19に記載の方法。
【請求項38】
試薬が供給ゾーンではなく前記反応器に直接押し込まれる、請求項19に記載の方法。
【請求項39】
カップリング後の洗浄溶媒が酸化/チオール化後に前記洗浄溶媒中で再利用される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オリゴヌクレオチドを合成的に製造するための新たなシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、固相オリゴヌクレオチド合成(SPOS)の一環として振動流又はガスバブリングを使用して流動床を生成し、毎回の反応及び洗浄ステップ後に固体樹脂から液体を完全に排出するデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固相オリゴヌクレオチド合成(「SPOS」)は、オリゴヌクレオチドを合成するために最も一般的に使用されている方法及びシステムである。SPOSは、一般に制御細孔ガラス(CPG)又はマクロ多孔性ポリスチレン(MPPS)球で一般に作られている固体支持体である固相媒体上で実施される。SPOSは、様々なヌクレオシド誘導体である構成要素を使用したオリゴヌクレオチドの固相合成であり、それらの中で最も一般的なものはホスホロアミダイトである。具体的には、出発ホスホロアミダイト構成要素を固相に結合させ、その後、各ヌクレオシド(ホスホロアミダイト)を添加し、所望の分子が得られるまでホスホロアミダイト構成要素に順次カップリングさせる。言い換えれば、あるホスホロアミダイトを添加してカップリングさせ(通常5’末端OH位)、その後、次のホスホロアミダイトを添加するなどして、それにより、所望の配列が得られるまで鎖を成長させる。保護基がオリゴヌクレオチドの各アミン塩基及びリンに用いられるため、官能基はSPOSサイクルで利用される酸性条件及び中性条件に耐えることができる。オリゴヌクレオチド配列が得られると、分子が固体支持体から切断され、全体的に脱保護されて、所望のオリゴヌクレオチドが得られる。
【0003】
SPOSプロセスでは、単一のホスホロアミダイトを鎖に付加するために一般に4つの化学反応が生じる。第1のステップは、一般に脱トリチル化反応である「脱ブロッキング」ステップである。具体的には、ヌクレオチドの5’-ヒドロキシル基がDMT(4,4’-ジメトキシトリチル)などの酸に不安定な保護基で保護されている。この保護基は、酸溶液を連続して流している最中に、又は溶媒中に酸を添加することによって除去される。酸は、例えば、トリクロロ酢酸(TCA)、ジクロロ酢酸(DCA)、又はトルエン若しくはジクロロメタンなどの不活性溶媒又は他の溶媒中に担持される他の何らかの酸であってもよい。いくつかの実施形態では、2%TCA、3%DCA、又は10%DCAがトルエンとともに使用される。DMT保護基の場合、この「脱ブロッキング」反応中に、形成されたオレンジ色のDMTカチオンが洗浄溶液の添加によって洗い流される。したがって、このステップにより、遊離5’末端ヒドロキシル基を有する固体支持体に結合したオリゴヌクレオチド前駆体が得られる。
【0004】
脱ブロッキングステップが起こると、次に「カップリング」ステップが行われる。このカップリングは、活性化ホスホロアミダイトの溶媒溶液(例えば、ホスホロアミダイトの0.02~0.2Mアセトニトリル(ACN)(又は無水ACN)溶液など)を添加することを含む。この活性化ホスホロアミダイトは、事前に脱保護された遊離5’末端ヒドロキシル基と反応し、それにカップリングする。一般に、当該技術分野で知られているように、ホスホロアミダイト溶液は、カップリング反応を容易にする触媒の添加によって「活性化」され得る。様々なアゾール化合物又はイミダゾール化合物を含む様々な触媒がホスホロアミダイトを「活性化」することが知られている。触媒の酸性性質がカップリング時に生じるジイソプロピルアミン副生成物の中和に役立つため、多くの場合、1当量超の触媒が使用される。カップリングが完了すると、結合していない試薬及び副生成物は洗浄によって除去される。
【0005】
カップリングステップ後、SPOSの次のステップは、酸化、チオール化(硫化とも呼ばれる)、又は「キャッピング」のいずれかである。固体支持体に結合した5’-OH基のわずかな割合(0.1~1%以上)が未反応のままであり、一般に(n-1)、(n-2)、(n-3)などのショートマーと称される内部塩基欠失を伴うオリゴヌクレオチドの形成を防ぐために更なる鎖伸長からブロックされる必要があるため、キャッピングが行われる。未反応の5’-ヒドロキシ基は、キャッピング混合物によって大部分がアセチル化される。これらの未反応のOH基をキャップすることにより、これらの不純物を所望の生成物からクロマトグラフィーでより容易に分離することができる。同様に、カップリング反応によって他の望ましくない生成物(グアノシン塩基又は他の化学物質におけるOの反応など)が生成された場合、これらの望ましくない生成物も更に反応しないようにブロック(キャップ)され、これにより、後続の精製ステップでより容易に分離されるようになり得る。いくつかの実施形態では、キャッピングステップは、固体支持体に結合した物質を無水酢酸と1-メチルイミダゾールの混合物で処理することを含む。他のキャッピング試薬が使用される場合もある。
【0006】
酸化ステップにおいて、ホスホロアミダイトが5’末端OH基と反応してそれにカップリングすることにより、亜リン酸トリエステル結合が生じる(例えば、ここで、P原子が酸化状態+3である)。この亜リン酸トリエステル結合は天然ではなく、オリゴヌクレオチド合成の条件下では安定性が限られている。したがって、P原子は、弱塩基(ピリジン、ルチジン、又はコリジン)の存在下でヨウ素及び水などの酸化剤の添加により、より安定した酸化状態+5に酸化される。この反応は、亜リン酸トリエステルを、天然に存在するリン酸ジエステルヌクレオシド間結合の保護された前駆体である四配位リン酸トリエステルに酸化させる。酸化は、tert-ブチルヒドロペルオキシド又は(1S)-(+)-(10-カンファースルホニル)-オキサジリジン(CSO)を使用して無水条件下で実施され得る。他の実施形態では、酸化の代わりにホスホチオレートリンカーへの硫化が行われる。当業者であれば、SPOSのいくつかの実施形態が、この酸化ステップ又は硫化ステップの後にキャッピングステップが行われるか、又はその逆が行われるように最良に設計され得ることを理解するであろう。また、当業者であれば、高い変換率が期待される場合、SPOSのいくつかの実施形態が、キャッピングステップをサイクルのうちのいくつかから省略するように最良に設計され得ることを理解するであろう。
【0007】
これらの4つのステップ(脱ブロッキング、カップリング、酸化又は硫化のいずれか、及びキャッピング)が完了すると、ホスホロアミダイト構成要素が成長中の鎖に付加される。理解されるように、カップリングされたホスホロアミダイト構成要素は、5’末端OH基を保護する独自のDMT保護基を有する。したがって、このプロセスを繰り返し、鎖が所望の長さに達するまで別のホスホロアミダイト部分を付加することができる。
【0008】
鎖が所望の長さに達すると、オリゴヌクレオチド保護基を除去することができ、オリゴヌクレオチドを樹脂から切断して溶液中に放出することができる。いくつかの事例では、ヌクレオシドアミン由来のこれらの保護基及びリン酸2-シアノエチル保護基は、同じ塩基触媒加水分解切断反応で全体的に脱保護される。この切断/脱保護ステップには、アンモニア水溶液、アンモニアとメチルアミンの混合物などが一般に使用される。これらの条件により、3’リンカーが効率的に加水分解され、樹脂からオリゴヌクレオチドが切断されるようにもなる。
【0009】
しかしながら、2-シアノエチル保護基のアンモノリシス中に生成されるアクリロニトリル副生成物は、アミノ塩基部分をアルキル化し、潜在的に問題のある付加物を形成する可能性がある。この理由により、オリゴヌクレオチドがまだ樹脂に結合している間に無水二級アミン(例えば、ジエチルアミン)溶液で処理することによってリン酸塩を選択的に脱保護することが望ましい場合がある。アクリロニトリル副生成物が溶媒で洗い流されると、アクリロニトリル付加物の形成を恐れることなく、オリゴヌクレオチドをアンモニア水中で切断し、脱保護することができる。
【0010】
このSPOSプロセスが商業的に使用されており、依然としてオリゴヌクレオチド合成の標準になっている一方で、このSPOSプロセスには明らかに欠点があり、その最大の欠点は、高価であり、大量の廃棄物を生み出し、拡張性が限られていることである。複数のステップが必要とされるため、このプロセスは非常に高価であり、大量の溶媒が使用され、廃棄物が生み出される。更に困ったことに、これらの溶媒の多くは環境に優しくない。また、SPOS固体支持体の多くは、支持体上にロードされ得る材料の量が少なく、それにより、商業量を製造するには過剰な複数のバッチが必要になる。また、従来の充填床プラグフローSPOS反応器ではバッチサイズが制限され、これは、床を通って下方に流れる液体の圧力降下により樹脂床の高さが制限され、試薬の半径方向分布に関する問題及び断面全体にわたる均一な床高さの維持に関する問題により直径が制限されるためである。更に、各オリゴヌクレオチドが保護基を必要とし、これにより、全体の製造コストが増大する。
【0011】
恐らく、SPOSの最も明らかな弱点は、その非効率性である。単一のホスホロアミダイトを添加するのに4つの反応が必要であるため、1つの反応タイプでも各サイクルの変換率が低い場合、プロセス全体の収率が大幅に影響される。更に、4つの反応で使用される溶液は、通常、溶液を容器の上部に添加し、かつ溶液が下方にポンプ注入されて底部から排出される際にそれらを反応させることによって樹脂に添加される。かかるプロセスでは、一般に、特にチャネルが樹脂床に生じた場合、液相と固相の接触が不均一になり、反応効率が低下する。したがって、完全な反応、徹底的な洗浄、及び高い収率を達成するために、より大過剰量の試薬が必要とされる。試薬及び洗浄液を含めると、商業量のオリゴヌクレオチドを製造するのに必要な材料の量は非常に多くなる。この不均一な接触は、反応器容器全体、特に上部から底部までの不均一な純度の原因にもなる。充填床反応器規模の制限を考慮すると、当社のポートフォリオ資産の一部が年に何百個もの合成バッチを必要とすると予測される。加えて、樹脂床高さを変化させることにより、不均一な上部と底部の接触に起因して異なる収率及び不純物プロファイルがもたらされ得るため、従来の下向流充填床反応器を使用するSPOSは、同じ反応器では柔軟なバッチサイズに容易に対応することができない。更に、特に流動中に溶媒を移行させながらポリスチレン樹脂粒子が膨張と圧縮を同時に行う際に、樹脂床を通る圧力降下により、最大樹脂床高さも制限される。ポリスチレン樹脂の充填量は約300μmol/gに制限されており、これは、樹脂の膨張を制限し、それ故に樹脂床を通る圧力降下を制限する必要があるためである。
【0012】
したがって、これらの欠点のうちの1つ以上に対処するSPOSの新たな使用方法を見つけることが改善となるであろう。例えば年に何メートルトンといった大量の製品のオリゴヌクレオチドに商業規模で使用することができるSPOSシステムを見つけることが特別な改善となるであろう。かかるシステムがより環境に優しく、製造コストを削減し、全体的な効率を上げることができれば、更なる進歩となるであろう。本実施形態は、これらの欠点のうちの1つ以上を解決する。
【発明の概要】
【0013】
本実施形態は、ホスホロアミダイトを床反応器内の固相樹脂に添加する方法であって、保護基がオリゴヌクレオチドの5’位から除去され、活性化アミダイト溶液を非保護基にカップリングさせ、活性化アミダイト溶液がアミダイトを含み、反応器内の樹脂を流動化させる、方法を含む。流動化は、液体が床反応器内を上下に流れるよう強制するか、不活性ガスをバブリングするか、又は他のタイプの撹拌によって起こり、スラリーを生成することができる。アミダイトはオリゴヌクレオチドの5’位で反応する。
【0014】
カップリング反応に加えて、脱ブロッキング、酸化、チオール化、及びキャッピングのための試薬溶液が各々樹脂とともに流動して、完全な液体/固体接触をもたらし、チャネルのない樹脂床をリセットすることができる。流動化の後に、従来のSPOSの典型である試薬が樹脂床を通って下方向に流れるプラグフロー反応が続き得る。同じ流動化部分とそれに続くプラグフロー部分が毎回の反応後に溶媒洗浄に対して行われ得る。このようにして、樹脂の膨張及び収縮の大部分は、固体/液体接触の流動化部分中に起こり得、ここで、圧力降下を克服し、かつチャネリングを排除することが有利である。
【0015】
本開示の特徴及び利点は、添付の図面と併せて以下の発明を実施するための形態を考慮すると、当業者により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】オリゴヌクレオチドSPOSシステム内で行われる反応の概略図である。
【
図3-1】小規模振動流動床オリゴヌクレオチド合成装置セットアップの概略図である。
【
図3-2】小規模振動流動床オリゴヌクレオチド合成装置セットアップの概略図である。
【
図4】各ホスホロアミダイトサイクルにおける実施例2の樹脂床の高さを示すグラフである。
【
図5-1】パイロット規模流動床オリゴヌクレオチド合成装置セットアップの概略図である。
【
図5-2】パイロット規模流動床オリゴヌクレオチド合成装置セットアップの概略図である。
【
図6-1】本明細書で概説される技法を使用して作製することができる分子の概略図である。
【
図6-2】本明細書で概説される技法を使用して作製することができる分子の概略図である。
【
図6-3】本明細書で概説される技法を使用して作製することができる分子の概略図である。
【
図6-4】本明細書で概説される技法を使用して作製することができる分子の概略図である。
【
図7-1】代替の研究規模流動床オリゴヌクレオチド合成装置セットアップの概略図である。
【
図7-2】代替の研究規模流動床オリゴヌクレオチド合成装置セットアップの概略図である。
【
図8】代替の研究規模流動床オリゴヌクレオチド合成装置セットアップの概略図である。
【
図9】代替のパイロット規模流動床オリゴヌクレオチド合成装置セットアップの概略図である。
【
図10-1】本明細書で概説される技法を使用して作製することができる分子の概略図である。
【
図10-2】本明細書で概説される技法を使用して作製することができる分子の概略図である。
【
図10-3】本明細書で概説される技法を使用して作製することができる分子の概略図である。
【
図10-4】本明細書で概説される技法を使用して作製することができる分子の概略図である。
【
図11】代替のパイロット規模流動床オリゴヌクレオチド合成装置セットアップの概略図である。
【
図12】脱ブロッキング後のインプロセス統合マルチパス洗浄システムの概略図である。
【
図13】酸化/チオール化後のインプロセス統合マルチパス洗浄システムの概略図である。
【
図14】実施例の様々なUPLCクロマトグラムである。
【
図15】実施例の様々なUPLCクロマトグラムである。
【
図16】実施例の様々なUPLCクロマトグラムである。
【
図17】実施例の様々なUPLCクロマトグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
オリゴヌクレオチドを床反応器内の固相樹脂に添加する方法が開示される。本方法は、固相樹脂に結合しているオリゴヌクレオチドの5’位から保護基を除去することと、活性化アミダイト溶液を床反応器に添加することであって、活性化アミダイト溶液がアミダイトを含み、床反応器内を上下に流れるか、窒素バブリング若しくは他の撹拌により流動化し、オリゴヌクレオチドの5’位で反応し、アミダイト内で見つけられる亜リン酸結合が酸化状態IIIのP原子を含む、添加することと、P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換することとを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、本方法は、P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換する前又は変換した後にキャッピング溶液を添加するステップを更に含み、カップリング部分がアミダイト溶液と反応しなかった場合、キャッピング溶液がカップリング部分をキャップし、これにより、更なるアミダイトがカップリング部分にカップリングすることができないようになり、キャッピング溶液が床反応器内を上下に流れるか、又は窒素バブリング若しくは他の撹拌により流動化若しくは混合する。いくつかの実施形態では、キャッピングは、選択されたホスホロアミダイトサイクルに対してのみ行われる。
【0019】
追加の実施形態では、本方法は、床反応器の底部に位置するフィルターにアミダイト溶液を通すことによって活性化アミダイト溶液を床反応器から除去するステップを更に含む。
【0020】
第1の洗浄溶液を床反応器に添加する追加のステップを含む更なる実施形態が作製されてもよく、ここで、第1の洗浄溶液の添加は、保護基を除去した後に起こる。追加の実施形態では、本方法は、第2の洗浄溶液を床反応器に添加するステップを更に含み、第2の洗浄溶液の添加は、活性化アミダイト溶液が床反応器に添加された後に起こる。第1及び第2は、床反応器内を上下に流れるか、又はガスバブリング若しくは他の撹拌により混合してもよく、本方法は、床反応器の底部に位置するフィルターに第1の洗浄溶液及び第2の洗浄溶液を通すことによって第1の洗浄溶液及び第2の洗浄溶液を床反応器から個別に除去するステップを更に含む。より多くの洗浄区分が使用されてもよく、本明細書に記載されるように統合マルチパス様式で行われてもよい。
【0021】
更なる実施形態では、第2の洗浄溶液を添加するステップは、P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換するステップの前に起こる。他の実施形態では、第3の洗浄溶液を床反応器に添加するステップであって、第3の洗浄溶液を添加するステップは、P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換するステップの後に起こる。他の実施形態では、第3の洗浄溶液は、床反応器内を上下に流れるか、又は窒素バブリング若しくは他の撹拌により流動化若しくは混合し、本方法は、床反応器の底部に位置するフィルターに第3の洗浄溶液を通すことによって床反応器から第3の洗浄溶液を除去するステップを更に含む。より多くの洗浄区分が使用されてもよく、本明細書に記載されるように統合マルチパス様式で行われてもよい。他の実施形態では、保護基はDMT基であり、保護基の除去は、ヌクレオチドの5’位を、溶媒中に酸を含む活性化溶液と反応させることを含む。床反応器の底部に位置するフィルターに活性化溶液を通すことによって活性化溶液床反応器を除去するステップを更に含む追加の実施形態が作製されてもよい。いくつかの実施形態では、床反応器内での上下の流れは、反応器の上部に圧力を加えることによって達成される。更なる実施形態では、床反応器内での固体と液体の流動床混合が、窒素又は別のガスを反応器の底部に添加すること又は他の何らかのタイプの撹拌によって達成される。いくつかの実施形態では、脱ブロッキングステップ中に流動化又は混合は行われず、樹脂床を通るプラグフローのみが行われる。
【0022】
追加の実施形態では、洗浄溶媒のよりきれいな画分が、ホスホロアミダイトサイクル毎にリサイクルされて再利用される。脱ブロッキング反応に使用された試薬溶液のよりきれいな部分がホスホロアミダイトサイクル毎にリサイクルされて再利用される更なる実施形態が設計されている。本明細書に記載されるようにインプロセス統合マルチパス洗浄を含む追加の実施形態が作製される。
【0023】
オリゴヌクレオチドを固相樹脂に添加するためのシステムも開示される。本システムは、床反応器及び活性アミダイト溶液を含み、活性アミダイト溶液はアミダイトを含み、床反応器内を上下に流れるか、又は窒素バブリング若しくは他の撹拌により流動化する。本システムは、加圧ガスが床反応器に入るのを許可する入口を含む床反応器を有してもよく、加圧ガス又は他の何らかのタイプの撹拌により、アミダイト溶液が床反応器内で固体と混合するようになる。他の実施形態では、入口は、床反応器の底部に配置されている。床反応器は、床反応器の上部から加圧されてもよく、その圧力により、アミダイトが床反応器内を上下に流れるようになる。いくつかの実施形態では、液体は反応器内を上下に流れるのではなく、不活性ガスが底部からバブリングし、反応器内で液体と固体を混合する。
【0024】
本開示の原理の理解を促進するために、これから、図面に例証されている実施形態を参照し、特定の言語を使用してこれらの実施形態を説明する。しかしながら、これによって本発明の範囲を限定するようには意図されていないことが理解されるであろう。
【0025】
ここで
図1を参照すると、SPOSシステム内で起こる反応を表す概略図が示されている。具体的には、オリゴヌクレオチド102が樹脂104に結合している。
図1に示されるように、オリゴヌクレオチド102は、酸素(エーテル)結合を介して樹脂104に共有結合していてもよい。言うまでもなく、オリゴヌクレオチドを樹脂104に結合させることができる他のタイプ及び方法が使用されてもよい。(樹脂の領域は、本明細書で樹脂床とも称される)。オリゴヌクレオチド102は、一般にDNA又はRNAに結合する塩基などの塩基108を含む。塩基108は保護されていてもよい(例えば、当該技術分野で知られているように、塩基の1つ以上の官能基が保護されている)。
【0026】
オリゴヌクレオチドは、5’位116のO原子団を保護する保護基110を含んでもよい。反応115(矢印で表される)で示されるように、5’位116のO原子は、OH基117が5’位116に位置するように脱保護されてもよい。いくつかの実施形態では、保護基110はDMT基であり、保護基の除去は、オリゴヌクレオチドの5’位を、溶媒中に酸を含む活性化溶液と反応させることを含む。
【0027】
5’位116が脱保護されると、オリゴヌクレオチド102はアミダイト102aと反応することができる。このアミダイト102aは、P結合を介して脱保護されたOH基117と反応する。より具体的には、P原子120はOH基117と反応して、オリゴヌクレオチド120とホスホロアミダイト120aとの間に結合を形成する。この反応はカップリング反応121(矢印で示される)として知られている。P原子120は、酸化状態3(「III」とも表される)である。カップリング反応121の結果として、オリゴヌクレオチド120とホスホロアミダイト120aが互いに結合され、オリゴヌクレオチドのうちの1つが樹脂104にカップリングされたままになる。
【0028】
その後、酸化ステップ128(矢印で示される)が起こり、これにより、P原子120が酸化状態IIIから酸化状態「V」(5(five)又は5)に変換される。当業者であれば、この酸化を達成するために使用される条件を理解するであろう。
図1には示されていないが、酸化反応128の前又は後のいずれかにキャッピングステップが行われる場合もある。
【0029】
酸化反応128の後、添加されたアミダイト120aも保護基110を有する。したがって、反応の新たな「サイクル」又は「一連の」反応が起こり得る。これには、単に上記の反応を繰り返して次のアミダイトを鎖に付加することが含まれてもよい。具体的には、アミダイト120aの保護基110が除去(脱保護)され、その後、必要に応じてカップリング反応121及び酸化反応128(及び/又はキャッピング反応)が行われてもよい。この反復プロセスは、所望の長さのオリゴヌクレオチド鎖を作製するのに必要な回数繰り返されてもよい。あるいは、128は、P原子120を酸化状態IIIから酸化状態「V」(5(five)又は5)に変換する硫化(チオール化とも呼ばれる)反応であってもよく、ここで、P原子はP=S二重結合を介して硫黄(S)原子に結合する。
【0030】
ここで
図2を参照すると、SPOS反応器システム200の概略図が例証されている。システム200は、樹脂204を収容する反応器202(別名、反応器床)を含む。樹脂204は、上述の樹脂104と同じである。したがって、上述のように、樹脂204は、(SPOS合成で知られているように)所望の長さに成長することができるオリゴヌクレオチド鎖を含む。反応器202は、反応器202の底部に配置され得るフィルター206を含む。
図2の実施形態では、ガスチャンバ210は、出口ポート212と同様にフィルター206の下に配置されている。出口ポート212は、液体及び/又は気体が反応器202から出ることを可能にする。他の実施形態では、出口ポート212及びガスチャンバ210は同じ開口部であってもよい。
図2の実施形態では、出口ポート212は反応器内に示されている。更に好ましい実施形態では、出口ポートはフィルター206から生じてもよい。ガスチャンバは、単にフィルターの下の反応器の底部から出るプロセスチューブ又はプロセスパイプであってもよい。
【0031】
反応器202は、もう1つの入口ポート220も含む。
図2の具体的な実施形態では、複数の入口ポート220a、220b、220c、220d、220eが存在する。ポート220a、220b、220c、220d、220eを有する反応器の上部分と、206、210、及び212を有する反応器の底部分は、第1の供給ゾーン容器と第2のフィルター反応器ゾーン容器との間にチューブ及び任意選択的な弁を備えた別個の容器であってもよい。言うまでもなく、当業者であれば、より多くの又はより少ないポート220が使用されてもよいことを理解するであろう。実際には、いくつかの実施形態では、単一のポートが使用されてもよい。ポート220aは、洗浄溶液240(ボックスで図示されている)を反応器202に導入するために使用されてもよい。ポート220bは、活性化アミダイト溶液242(ボックスで図示されている)を反応器202に導入するために使用されてもよい。ポート220cは、キャッピング溶液244(ボックスで図示されている)を反応器202に導入するために使用されてもよい。ポート220dは、酸化溶液246(ボックスで図示されている酸化又はチオール化用のもの)を反応器202に導入するために使用されてもよい。ポート220eは、脱保護溶液248(ボックスで図示されている)を反応器202に導入するために使用されてもよい。ポート220が1つのみ存在し、全ての溶液が単一の入口ポート220を介して反応器202に入る他の実施形態が設計されてもよい。
【0032】
ここで
図1及び
図2を集合的に参照すると、反応器200(別名、床反応器)がどのように組み立てられて操作されるかを示すために、SPOSシステム200の使用について説明される。上述のたように、固体支持体204は、ホスホロアミダイト102を成長中のオリゴヌクレオチドに結合させるための固体支持体である。ポート220eを使用することにより、脱保護溶液248を使用して、固体支持体204に結合しているオリゴヌクレオチド102の5’位116から保護基110を除去する。脱保護溶液248は固体支持体204を通って、その後、フィルター206を通って下方に流れる。
【0033】
最初は、フィルター206の上下の圧力差は低く、例えば、およそ0psig(ポンド毎平方インチゲージ圧)である。その後、反応器200の上部に(加圧ポート252を介して)圧力が加えられる。通常、この圧力は約15psigであるが、他の圧力が使用されてもよい。かかる加圧により、液体脱保護溶液248のある分量が固体支持体204及びフィルター206に下方に押し通される(矢印265で示されるように)。溶液248がフィルター206に下方に押し通された後、フィルター206の下のガスチャンバ又はプロセスパイプ210は15psigに近づく。その後、システム200は、フィルター206の上部を(例えば、圧力ポート252(又は他の何らかの同様の機構/ポート)を介して)ベントし、フィルター206の下に捕捉されたおよそ15psigの圧力により、上下の圧力が再びおよそ0psigでほぼ等しくなるまで、溶液248がフィルター206及び固体支持体204に上方に押し戻される(矢印270で示されるように)。
【0034】
かかる加圧を使用することにより、溶液248が、所望の回数(及び流れに使用される速度で)、反応器200を通って上下に流れるようにすることができる。(かかる圧力差を使用して、反応器202に添加される全ての溶液を同じように流してもよい)。いくつかの実施形態では、溶液248は、10~15秒毎に1回上下に流れてもよい。他の実施形態では、システム200は、溶液248が1回以上上下に流れて反応器202を流動化させ、その後、下方向にゆっくりと流れて従来のプラグフロー様式で反応を継続するように設計されている。溶液248を上下に流すことにより、溶液248が固体支持体204と複数回接触し、それ故に、固相と液相の完全な接触及び徹底的な分布による反応が促進される。また、これにより、膨張と収縮の多くが流動化中に起こるため、液体の下降流が起こったときの圧力降下も軽減される。他の実施形態では、ごく少量の液体のみが反応器の底部のフィルタースクリーンに下方に押し通されるが、窒素が底部からフィルタースクリーンを通って上方に吹き込み、バブリングにより反応器内で固体支持体床を流動化させ、液体と混合する。反応器の底部からの液体試薬又は不活性ガスの上昇流による流動化の後、脱保護反応の次の部分は、従来の充填床SPOSと同様に、固体支持体床を通る試薬溶液の制御された速度の下降流を利用することができる。しかしながら、この実施形態は、反応器内での溶液248の混合を全く引き起こさず、単に固体支持体プラグフローを通って流れて反応器206のフィルターから出てもよい。
【0035】
脱保護溶液248は、ポート212を介して反応器202から除去されてもよい。圧力ポート252を介した圧力の使用は、脱保護溶液248の除去を容易にすることができ、液体は制御された速度で212を通って反応器202の底部からポンプ排出されてもよい。第1の洗浄溶液240aは、ポート220aを介して添加されてもよい。この洗浄溶液240aは、上で概説した圧力差を使用して反応器202を通って上下に流れてもよく、又は反応器の底部を通ってガスをバブリングすることによって若しくは他の何らかの混合方法によって固体支持体と混合してもよく、又は上下に流れることも混合することもなく、単に固体支持体プラグフローを通ってもよい。洗浄溶液を上下に流すか、又はガスバブリング若しくは他の撹拌によって流動化させることにより、同じ溶液が固体支持体204と1回又は複数回接触する(かつそれを「洗浄」する)。洗浄溶媒の添加前に試薬溶液が反応器から完全に空にされ、次の液体の添加前に洗浄溶媒が反応器から完全に空にされる。これにより、移行中に固体支持体床の上部の液体層内で逆混合が生じる可能性がある従来の充填床SPOSプロセスと比較して、必要とされる洗浄溶液240aの量が少なくなり得る(それにより、洗浄溶液の入手、使用、及び廃棄に関連するコストが削減され得る)。分布器を使用して、固体支持体床の平坦性を妨げない方法で洗浄溶媒240aを固体支持体表面全体に均一に充填することができる。反応器202を通って洗浄溶液を上下に流す反復回数は、特定の反応及び特定のサイクルに依存する。更に、流動化洗浄に続いてプラグフロー洗浄が行われてもよく、その後、流動化洗浄は、固体支持体床を脱膨張(de-swell)し、上部が水平でチャネリングのない固体支持体床にリセットする役割を果たす。あるいは、特定のステップで圧力降下又はチャネリングの問題がない場合、全ての洗浄が流動化なしのプラグフローで行われてもよい。完了すると、洗浄溶液240aは出口212を介して反応器202から出てもよい。当業者であれば、所望に応じて、第1の洗浄溶液240aのより多くの分量を導入することによって、1回以上の追加の洗浄「サイクル」又は「ラウンド」が行われてもよいことを理解するであろう。更に、洗浄溶液は、本明細書に記載されるように、先のサイクルからの洗浄溶液の統合マルチパス再利用であってもよい。
【0036】
第1の洗浄ステップ(又は複数のステップ)が起こり、第1の洗浄溶液240aが反応器202から除去されると(圧力、ポンプ排出、又は液体をフィルターから流出させる他の駆動力を使用して)、活性化アミダイト溶液242が入口220bを介して添加されてもよい。活性化アミダイト溶液242はアミダイト120aを含み、所望の回数反応器202を通って上下に流れるか、又は反応器の底部を通ってガスをバブリングすることによって若しくは他の何らかの混合方法によって固体支持体と混合する。上下に流すか、又は混合することにより、活性化アミダイト溶液242は固体支持体204上のオリゴヌクレオチド102と複数回接触し、それにより、カップリング反応の可能性及び/又はカップリング反応の効率が増大する。上で詳細に説明したように、カップリング反応には、アミダイトがオリゴヌクレオチドの5’位で反応してP原子120のリン結合を形成することが含まれる。他の実施形態では、流動化は、固相と液相の混合を達成するために反応器の底部を通って窒素ガスをバブリングすることによって達成される。液相と固相を混合するための反応器の底部からの窒素のバブリングに関する同じ記述が、この物語の以下の流動化の説明の各々に適用される。
【0037】
カップリング反応が完了した後、活性化アミダイト溶液242が出口212を介して(圧力の有無にかかわらず)反応器202から除去されてもよく、第2の洗浄溶液240bが(ポート220a又は別様のものを介して)添加されてもよい。第2の洗浄溶液240bは、第1の洗浄溶液240aと同じ溶液であってもよく、又は他の実施形態では、異なる洗浄混合物であってもよい。この第2の洗浄溶液240bは、本明細書に記載の方法で反応器202を通って上下に流れてもよい。あるいは、第2の洗浄溶液240bは、反応器の底部を通ってガスをバブリングすることによって若しくは他の何らかの混合方法によって固体支持体と混合してもよく、又は全く混合若しくは流動化することなく固体支持体床プラグフロー様式により流れてもよい。第1の洗浄溶液240aと同様に、第2の洗浄溶液240bが出口212を介して反応器202から出てもよく、かつ1つ以上の追加の洗浄の「サイクル」又は「ラウンド」又は「部分」が所望に応じて、第2の洗浄溶液240bの新たな(きれいな)バッチを導入することによって行われてもよい実施形態が設計されてもよい。第2の洗浄溶液240bの単一バッチが使用される他の実施形態が設計されてもよい。
【0038】
最終洗浄溶液240bを(圧力の有無にかかわらず)除去した後、入口220dを介して酸化又はチオール化溶液246を導入することによって酸化反応が起こってもよい。上述のように、酸化反応は、P原子120を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換する。この場合もやはり、酸化溶液246が、本明細書で概説した方法で反応器202を通って上下に流れるようにしてもよく、それにより、反応効率が向上し、必要な酸化溶液246の量が少なくなる可能性があり、又は反応器の底部を通ってガスをバブリングすることによって若しくは他の何らかの混合方法によって固体支持体と混合してもよく、又は全く混合若しくは流動化することなく固体支持体床プラグフロー様式により流れてもよい。上下の流れの反復回数及び各サイクルの時間は、他の解決策と同様に、条件に応じて変化し、当業者によって修正され得る。反応器の底部からの液体試薬又は不活性ガスの上昇流による流動化の後、酸化反応の次の部分は、従来の充填床SPOSと同様に、固体支持体床を通る酸化試薬溶液の制御された速度の下降流を利用することができる。酸化反応が終了すると、酸化溶液246はポート212を介して(圧力の補助の有無にかかわらず)反応器202から出てもよい。
【0039】
酸化反応の後、第3の洗浄溶液240cが入口220aを介して(ポート220a又は別様のものを介して)導入されてもよい。第3の洗浄溶液240cは、第1の洗浄溶液240a又は第2の洗浄溶液240bと同じ溶液であってもよく、又は他の実施形態では、異なる洗浄混合物であってもよい。この第3の洗浄溶液240cは、本明細書に記載の方法で反応器202を通って上下に流れてもよく、又は反応器の底部を通ってガスをバブリングすることによって若しくは他の何らかの混合方法によって固体支持体と混合してもよく、又は全く混合若しくは流動化することなく固体支持体床プラグフロー様式により流れてもよい。この場合もやはり、かかる上下の流れ及び各液体部分の完全な空化、これに続くプラグフロー洗浄は、チャネリングリングを排除することにより、より効率的な洗浄を可能にするか、又は固体支持体が流動化又は懸濁中に膨張又は脱膨張することを可能にすることにより圧力降下の問題を軽減する可能性があり、必要な洗浄液の総量を減少させることができる。第1の洗浄溶液240a及び第2の洗浄溶液240bと同様に、第3の洗浄溶液240cが出口212を介して反応器202から出てもよく、かつ1つ以上の追加の洗浄の「サイクル」又は「ラウンド」又は「部分」が所望に応じて、第3の洗浄溶液240cの追加部分を導入することによって行われてもよい実施形態が設計されてもよい。更に、洗浄溶液は、本明細書に記載されるように、先のサイクルからの洗浄溶液の統合マルチパス再利用であってもよい。第3の洗浄溶液240cの単一のバッチが使用される他の実施形態が設計されてもよい。反応器への全ての洗浄装填又は試薬装填と同様に、分布器を使用して、固体支持体床の平坦性を妨げない方法で洗浄溶媒を固体支持体表面全体に均一に装填することができる。
【0040】
キャッピング反応も反応器202内で起こってもよい。このキャッピング反応は、酸化反応(すなわち、P原子が酸化状態IIIから酸化状態Vに変換されるステップ)の前又は後のいずれかに起こってもよい。このキャッピング反応を容易にするために、キャッピング溶液244が入口220cを介して添加されてもよい。このキャッピング溶液244が、本明細書で概説した方法で反応器202を通って上下に流れるようにしてもよく、それにより、反応効率が向上し、必要な溶液244の量が少なくなる可能性がある。上下の流れの反復回数及び各サイクルの時間は、他の解決策と同様に、条件に応じて変化し、当業者によって修正され得る。あるいは、キャッピング試薬溶液は、反応器の底部を通ってガスをバブリングすることによって若しくは他の何らかの混合方法によって固体支持体と混合してもよく、又は全く混合若しくは流動化することなく固体支持体床プラグフロー様式により流れてもよい。反応器の底部からの液体試薬又は不活性ガスの上昇流による流動化の後、キャッピング反応の次の部分は、従来の充填床SPOSと同様に、固体支持体床を通る試薬溶液の制御された速度の下降流を利用することができる。キャッピング反応が終了すると、キャッピング溶液244はポート212を介して(圧力の補助の有無にかかわらず)反応器202から出てもよい。キャッピング溶液244を除去した後、洗浄ステップが起こってもよい。キャッピング反応が酸化反応の前に起こった場合、これは3回目の洗浄になるが、キャッピング反応が酸化ステップの後に起こった場合、これは4回目の洗浄ステップになる。この洗浄は、本明細書で概説した方法と同じ方法で起こってもよい。
【0041】
酸化反応又はキャッピング反応(及び洗浄)の後、新たなポスホロアミダイトを成長中の鎖に付加するために、サイクルが「再開」してもよい。これには、脱保護反応(例えば、脱保護溶液の添加)から始まり、その後、所望の生成物を得るのに必要な回数サイクルを完了することが含まれる。
【0042】
いくつかの実施形態では、溶液(洗浄溶液、活性アミダイト溶液、キャッピング溶液、酸化溶液、及び/又は脱保護溶液など)は、反応器の底部のフィルターを通ることによって反応器から出てもよい。言うまでもなく、これらの溶液を除去する他の方法を使用することもできる。
【0043】
図2に示される実施形態では、反応器床を通る「上下」の流れは圧力によって達成され、流体を垂直方向に移動させる。しかしながら、本明細書で使用される場合、「上下」には、流体を水平方向(例えば、反応器の一方の側から床を通って他方の側へ)又は反応器を通って斜めに移動させることも含まれる。反応器を通る流体のあらゆるタイプの「振動」が「上下」の流れの意味に含まれる。かかる動きは圧力差によって達成することもでき、これは当業者の知識の範囲内である。混合は、内部ガスを反応器の底部からバブリングすることによって引き起こされてもよい。気体のバブリングは断続的であってもよく、これにより、液体が固体支持体に下方に押し通されることと固体支持体とともに流動化することが交互に生じるようになるか、又は全反応時間にわたって一定のバブリングであってもよい。断続的な流動化は、固体支持体全体との完全な液体接触を迅速に達成するために細くて高い反応器にとってより重要であり得るが、より大きい直径の反応器にはそれほど重要ではない可能性がある。
【0044】
実施例1~4及び6~10では、洗浄溶媒は、試薬が充填される前にフィルター反応器の底部から排出される。同様に、反応溶液は、次の洗浄溶媒が充填される前にフィルター反応器の底部から排出される。これにより、逆混合が軽減し、サイクルの途中で排出しない充填床反応器と比較してプロセスがより効率的になる。
【0045】
実施例1-液体上昇流流動化を使用したHPRT Div22アンチセンス鎖の調製
HPRT Div22アンチセンス鎖は、以下の配列:5’[Phos]mA*fU*mA mA mA fA mU mC mU mA mC mA mG fU mC fA mU mA mG mG mA*mA*mUを有し、ここで、*がP=S結合を表し、全ての他のアミダイトがP=O結合及びRNA1{p.m(A)[sp].[fl2r](U)[sp].m(A)p.m(A)p.m(A)p.[fl2r](A)p.m(U)p.m(C)p.m(U)p.m(A)p.m(C)p.m(A)p.m(G)p.[fl2r](U)p.m(C)p.[fl2r](A)p.m(U)p.m(A)p.m(G)p.m(G)p.m(A)[sp].m(A)[sp].m(U)]$$$$V2.0を有する。(構造を
図6に示す)。
【0046】
本発明の流動床法を使用したこの分子の合成を本明細書に記載しており、これは、残りのホスホロアミダイトをHPRT Div22アンチセンス鎖の3’から5’に順次導入するための脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを含む。実施例1の目標は、研究規模流動床反応器において高純度かつ高収率で初めて化学反応を機能させることであった。この目標は、ACN洗浄溶媒を最小限に抑えることでも、DCA試薬溶液を最小限に抑えることでも、アミダイト当量を最小限に抑えることでも、高い固体支持体床の高さを実証することでもなかった。ACN溶媒の使用を最小限に抑える実施例については、研究規模での実施例6並びにパイロット規模での実施例8及び実施例9を参照されたい。DCA溶液の量を最小限に抑える実施例については、実施例7を参照されたい。更に、実施例1では、各サイクルで4当量のアミダイトを使用した。対照的に、実施例2~9では、全て又はほとんどのサイクルで2当量のアミダイトを使用した。実施例1の固体支持体床の高さは最大わずか2cmであったが、実施例2~4及び実施例6~10の固体支持体床の高さはより高かった。高さ30cmの樹脂床については、実施例2を参照されたい。全ての実施例のガイドを表31に列記している。
【0047】
既知の方法を使用してmU(本明細書では「mU樹脂」と称する)をNittoPhase HL 2’OMeU(bz)300樹脂(ロット番号E05005、299umol/g)にカップリングさせることから開始し、合成装置のセットアップについては
図3を参照されたい。
【0048】
【0049】
表2に示す0.1Mアミダイト溶液を以下のように調製する:アミダイト固体を秤量してボトルに入れ、ドライパッドを挿入し、その後、ACNを添加して0.1Mの濃度を達成する。言うまでもなく、当業者であれば、固体を秤量し、ACNで溶解し、その後、篩を添加して乾燥させることもできる。
【表2】
【0050】
振動流動床オリゴヌクレオチド合成装置のセットアップについては、
図3を参照されたい。
図3中、「ACN」はアセトニトリルを指す。全てのポンプ及び供給ラインに呼び水を差す。ドライパックをACNボトル及び全てのシリンジに入れる。アミダイト溶液(
図3のアミダイトポンプ101~108)、リン酸化溶液(
図3のアミダイトポンプ109)、及び活性化剤溶液(活性化剤ポンプ110)にはシリンジポンプを使用し、全ての他の試薬及び溶媒供給には蠕動ポンプ及び供給容器を使用する。直径1cm、高さ20cmの反応器の底部にフィルター及び自動ブロック弁(
図3の弁24)を備え付け、その後、約2.5mLの流出液量を収容するのに十分な内径1.59mmのチューブを反応器から1つ以上の出口弁(
図3の弁9及び弁10)まで備え付ける。反応器に0.1040gのmU樹脂を充填する。乾燥樹脂の開始時の床の高さは約0.3~0.4cmであった。合成時にホスホロアミダイトを添加するたびに、以下に説明するように、脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は配列内にP=S結合がある場合は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを順次行う。
【0051】
各ステップで、樹脂床流動化を2つの異なる時点で行い、1回目は、試薬混合物を反応器に充填し、樹脂をそれに曝した時点であり、2回目は、洗浄溶媒を反応器に充填した時点である。しかしながら、カップリング反応中、10分間の全カップリング時間にわたって流動化を続ける。この実施例では、試薬充填中及び溶媒洗浄中のいずれでも、試薬混合物又は洗浄溶媒(又はその一部)を供給ゾーンに添加し、窒素圧を加え、液体が反応器に入るよう強制する。
図3を参照すると、これは、弁9及び弁10を閉じ、弁24を開き、適切な入口(弁41、42、43、44、又は45)から窒素圧を加えることによって達成される。これにより、反応器の上部と、反応器の底部と弁9及び弁10との間のチューブとの間の圧力勾配が等しくなるため、反応器内の液体が樹脂床を通って反応器と弁9及び弁10との間のチューブに入るよう強制される。その後、適切なベント(弁51、弁52、弁53、弁54、又は弁55)を開くことによって反応器の上部の圧力を解放し、液体が反応器の底部から上方に流れるときに大気圧と等しくなる圧力勾配を作り出し、樹脂床を撹拌し、流動化させる。窒素加圧及び排気プロセスを、少なくとも毎回樹脂床を流動化させるのに十分な持続時間にわたって指定した回数繰り返す。試薬混合物又は洗浄溶媒の一部のみを床の流動化に使用する場合、残りの試薬混合物又は洗浄溶媒は「プラグフロー」様式で樹脂を通り、ここで、弁9が閉じられ、弁10が開かれており、窒素圧が反応器の上部に加えられ、液体(試薬混合物又は洗浄溶媒)が反応器の上部に添加されると、ポンプ9が作動して液体を反応器の底部から計量排出する。
【0052】
この第1の実施例が初期のプロトタイプの初期のデモンストレーションであったため、アミダイト+活性化剤当量、DCA当量、及び溶媒洗浄量は、全ての後続の実施例と比較して、この最初の実施例では非常に多かった。読者は、実施例及び実施形態が進むにつれてプロセスが改善され、洗浄溶媒が減少することを確認するであろう。実施形態の概要については、表31を参照されたい。
【0053】
脱ブロッキング:弁8をAに回し、弁7をBに回し、弁24を閉じる。8mLの脱ブロッキング溶液(表1)を供給ゾーンに充填し、窒素圧で8秒間にわたって反応器に押し込む。弁24を開く。廃棄用の出口弁(
図3の弁9及び弁10)は閉じている。窒素圧を反応器に5秒間加え、これにより、約1.5mLの試薬溶液が樹脂床に下方に押し通され、反応器の底部のフィルターからプロセスチューブに流れ込み、チューブ内のガスポケットが圧縮される。反応器の上部から圧力を5秒間ベントし、試薬液体を逆流させて反応器の底部に戻し入れ、樹脂床を撹拌して流動化させる。流動化プロセスを繰り返す(窒素で5秒間加圧し、5秒間ベントする)。廃棄用の弁(弁10)を開き、脱ブロッキング溶液をポンプ9で樹脂床に通して330秒あたり16mLの速度で330秒間ポンプ注入する。ポンプ9でのポンプ注入と並行して、弁14を開き、8mLの脱ブロッキング溶液がポンプ注入されるまで脱ブロッキング溶液のポンプ1供給を10mL/分で開始する(ポンプ1がポンプ9の前に終了する)。ポンプ1から酸供給ゾーンにポンプ注入される液体が反応器に同時に流れ込み、樹脂床上の液位を維持し、流れを330秒間持続させる。次のACN洗浄ステップまでに樹脂が脱ブロッキング溶液と接触する合計時間は6.9分である。弁10を閉じ、ACN洗浄手順Aを1回行い、その後、ACN洗浄手順Bを2回行う。
【0054】
ACN洗浄手順A:廃棄弁9を開き、ACN(4mL)を供給ゾーンに充填し、その後、弁9を閉じ、窒素圧で反応器に8秒間押し込む。上記のように樹脂床を5回流動化させ、反応器を窒素で5秒間加圧し、5秒間ベントする。廃棄用の弁9を開き、窒素圧で8秒間押し出して廃棄する。
【0055】
ACN洗浄手順B:弁9を開き(廃棄用)、ACN(12mL)を供給ゾーンに充填し、その後、弁9を閉じ、窒素圧で反応器に8秒間押し込む。上記のように樹脂床を3回流動化させ、反応器を窒素で5秒間加圧し、5秒間ベントする。弁10を開き、ポンプ9を用いて110秒あたり20mLの速度で110秒間ポンプ注入する。ポンプ9でのポンプ注入と並行して、弁34を開き、8mLのACNがポンプ注入されるまでポンプ2供給を40mL/分で開始する(ポンプ2がポンプ9の前に終了する)。ポンプ2から供給ゾーンにポンプ注入される液体が反応器に同時に流れ込み、樹脂床上の液位を維持し、流れを110秒間持続させる。終了時に弁10を閉じる。
【0056】
カップリング反応:脱ブロッキング洗浄後、次の連続ホスホロアミダイトをカップリングさせ、3’から5’に連続ステップで導入する。配列内でカップリングした各ホスホロアミダイトについて、配列内のホスホロアミダイトに対応するアミダイト溶液(表2に列記したもの)を使用して、本質的に以下に記載したようにカップリング反応手順を行う。弁8をBに回す。毎回、弁9を閉じた状態で4mLのACNをアミダイト供給ゾーンにポンプ注入することにより、アミダイトゾーン及び反応器への流路を2回予洗浄し、その後、弁9を開き、窒素圧で8秒間押し出して廃棄する。最初に活性化剤溶液(1.2mL、20当量、表1)、その後、表2の適切なアミダイト溶液(1.2mL、4.0当量)を供給ゾーンにポンプ注入する。弁9及び弁24を閉じ、供給ゾーン内の混合物を窒素圧で反応器に5秒間押し込み、その後、弁24を開き、窒素圧を8秒間継続する。
【0057】
アミダイト溶液及び活性化剤溶液を樹脂と混合し、弁24が開いており、かつ弁9が閉じた状態で、以下のように床を繰り返し流動化させる:反応器の上部に窒素圧を5秒間加え、その後、反応器の上部から圧力を5秒間ベントする。このプロセスを10分間繰り返し、その後、弁9を開き、窒素圧を反応器の上部に8秒間加え、反応器の底部から液体を排出して廃棄する。ACN(10mL)をアミダイト供給ゾーンにポンプ注入し、窒素圧で反応器に30秒間押し通し、このACN洗浄をもう1回繰り返す。
【0058】
酸化反応(硫化の代わりに必要な場合):カップリング反応洗浄後、本質的に以下に記載したように酸化反応を行う。弁6、7、及び8をAに回し、弁9を開く。酸化溶液(表1、4.5mL)を供給ゾーンにポンプ注入し、弁9を閉じ、窒素圧で反応器に8秒間押し込む。反応器床を以下のように2回流動化させる:反応器の上部を窒素圧で5秒間加圧し、その後、5秒間ベントすることによって窒素圧を解放する。弁10を開き、ポンプ9で4.5mLの液量を40秒間かけてポンプ注入し、その後、弁10を閉じる。弁9を開き、ACN(4mL)を供給ゾーンにポンプ注入し、その後、弁9を閉じ、ACNを窒素圧で反応器に8秒間押し込む。反応器床を以下のように5回流動化させる:反応器の上部を窒素圧で5秒間加圧し、その後、5秒間ベントすることによって窒素圧を解放する。弁9を開き、窒素圧を反応器の上部に8秒間加えた状態で反応器内の液体を押し出して廃棄する。
【0059】
酸化反応後に以下の「プラグフロー」ACN洗浄を2回行う。弁9を開き、ACNを供給ゾーン(8mL)にポンプ注入する。弁9を閉じ、窒素圧を使用して液体を反応器に8秒間押し込む。反応器床を以下のように2回流動化させる:反応器の上部を窒素圧で5秒間加圧し、その後、5秒間ベントすることによって窒素圧を解放する。弁10を開き、ポンプ9で12mLの液量を95秒間かけてポンプ注入する。ポンプ9でのポンプ注入と並行して、弁33を開き、4mLのACNがポンプ注入されるまでポンプ2供給を30mL/分で開始する(ポンプ2はポンプ9の前に終了する)。ポンプ2から供給ゾーンにポンプ注入される液体が反応器に同時に流れ込み、樹脂床上の液位を維持し、流れを95秒間持続させる。終了時に弁10を閉じる。
【0060】
硫化(チオール化)反応(酸化の代わりに必要な場合):カップリング反応洗浄後、本質的に以下に記載したようにチオール化反応を行う。弁6をBに回し、弁5、7、及び8をAに回し、弁9を開く。硫化溶液(表1、4.5mL)を供給ゾーンにポンプ注入し、弁9を閉じ、窒素圧で反応器に8秒間押し込む。反応器床を以下のように2回流動化させる:反応器の上部を窒素圧で5秒間加圧し、その後、5秒間ベントすることによって窒素圧を解放する。弁9を開き、窒素圧を反応器の上部に8秒間加えた状態で反応器内の液体を押し出して廃棄する。洗浄が「XH供給ゾーン」を通ることを除き、酸化反応手順に記載した洗浄と同じ「プラグフロー」ACN洗浄を2回行う(
図3)。
【0061】
キャッピング反応:酸化(又は硫化)反応洗浄後、本質的に以下に記載したようにキャッピング反応を行う。弁5及び6をBに回し、弁7及び8をAに回す。弁9を開く。キャッピング溶液A(表1、2.1mL)とキャッピング溶液B(表1、2.1mL)を供給ゾーンに同時にポンプ注入し、その後、弁9を閉じる。液体を窒素圧で反応器に8秒間押し込む。反応器床を以下のように2回流動化させる:反応器の上部を窒素圧で5秒間加圧し、その後、5秒間ベントすることによって窒素圧を解放する。弁10を開き、4.2mLの液量を100秒間かけてポンプ注入する。弁10を閉じ、洗浄が「キャップ供給ゾーン」を通ることを除き、酸化反応手順に記載した洗浄と同じ「プラグフロー」ACN洗浄を2回行う(
図3)。
【0062】
最後のホスホロアミダイトサイクルが完了した後、アミダイトの代わりにリン酸化溶液(表1)を使用してサイクルを繰り返す。リン酸化試薬がカップリングして酸化した後、脱ブロッキングステップ、その後、溶媒洗浄を繰り返す。樹脂をDEA溶液(表1)で10分間洗浄する。ACNで洗浄し、窒素を樹脂床に通して下方に吹き込んで乾燥させて、380mgの乾燥樹脂を得る。出発樹脂質量は104mgであった。これは276mgの重量増加に相当し、8.88g/mmolであり、それ故に、保護されたオリゴヌクレオチド生成物の粗質量収率は質量増加に基づいて96%である。
【0063】
濃縮NH4OH溶液を用いて切断及び脱保護反応を50℃で4時間行う。UPLCは、実施例1~5のUPLC結果の表(表13)に示すように、切断されて脱保護されたオリゴヌクレオチド生成物がピーク面積パーセントで純度82%であることを示している。LCMS分析により、主生成物のピークが正しいHPRT div22 AS鎖を表すことが確認される。
【0064】
図3を参照し、実施例1を考察して、ポンプ及び弁操作順序の詳細な自動化手順を以下のように記述する。
【0065】
ポンプ及び弁操作順序の詳細な自動化手順の例を以下に示す(
図3の実施形態と併せて実施例1を考察して説明する)。
【0066】
実施例1のポンプ及び弁操作順序の詳細な自動化手順。キー:「O」は「開く」を意味し、「C」は「閉じる」を意味し、「P」は「ポンプ」を意味し、例えば、
図3の「P9」は「ポンプ9」を指す。
【0067】
脱ブロッキング
弁8をAに回す。
弁7をBに回す。
【0068】
酸溶液を酸供給ゾーンに押し込む。
9を開く(O9)
54を開く(O54)
14を開く(O14)
酸(8mL)を酸供給ゾーンにポンプ注入する。
14を閉じる(C14)
54を閉じる(C54)
9を閉じる(C9)
【0069】
酸溶液を反応器に押し込み、2回流動化させて完全な液体と固体の接触を達成し、チャネルのない平らな床にリセットする。
44を開く(O44)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を2回行う。
44を開く(O44)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
44を閉じる(C44)
54を開く(O54)
「流動床をベントするまでの時間」(5秒間)待つ。
54を閉じる(C54)
【0070】
反応のために樹脂プラグフローを通って酸溶液をポンプ注入する。
44を開く(O44)
10を開く(O10)
次の330秒間にわたって330秒あたり16mLの速度でポンプP9を始動させる。
P9でのポンプ注入と並行して、14を開き、8mLがポンプ注入されるまでP1供給を10mL/分で開始する。P1がP9の前に終了する。P1から酸供給ゾーンにポンプ注入される液体が反応器に同時に流れ込み、樹脂床上の液位を維持し、プラグフローを330秒間継続させる。
14を閉じる(C14)
44を閉じる(C44)
10を閉じる(C10)
【0071】
ACNを酸供給ゾーンにポンプ注入する。
9を開く(O9)
34を開く(O34)
54を開く(O54)
「流動床洗浄脱ブロッキング用のACN量」(4mL)をポンプ注入する。
34を閉じる(C34)
54を閉じる(C54)
9を閉じる(C9)
【0072】
脱ブロッキング後の小規模流動床ACN洗浄。
44を開く(O44)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を5回繰り返す。
44を開く(O44)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
44を閉じる(C44)
54を開く(O54)
「流動床をベントするまでの時間」(5秒間)待つ。
54を閉じる(C54)
44を開く(O44)
9を開く(O9)
「流動化後に押し出して廃棄するまでの時間」(8秒間)待つ。
44を閉じる(C44)
【0073】
脱ブロッキング後のプラグフロー洗浄(これを2回行う)。プラグフロー洗浄を開始して流動化を3回行い、床を平らにセットし、チャネリングを排除する。
9を開く(O9)
34を開く(O34)
54を開く(O54)
ACN(12mL)を供給ゾーンにポンプ注入する。
34を閉じる(C34)
54を閉じる(C54)
9を閉じる(C9)
44を開く(O44)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を3回繰り返す。
44を開く(O44)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
44を閉じる(C44)
54を開く(O54)
「流動床をベントするまでの時間」(5秒間)待つ。
54を閉じる(C54)
44を開く(O44)
10を開く(O10)
次の110秒間にわたって110秒あたり20mLの速度でポンプP9を始動させる。
P9でのポンプ注入と並行して、34を開き、8mLのACNがポンプ注入されるまでP2供給を40mL/分で開始する。P2がP9の前に終了する。P2から酸供給ゾーンにポンプ注入される液体が反応器に同時に流れ込み、樹脂床上の液位を維持し、プラグフローを110秒間継続させる。
34を閉じる(C34)
44を閉じる(C44)
10を閉じる(C10)
【0074】
カップリング反応
弁8をBに回す。
【0075】
カップリング前にアミダイトゾーン及び反応器への流路を予洗浄する(これを2回行う)。
35を開く(O35)
55を開く(O55)
P2で4mLのACNをアミダイト供給ゾーンにポンプ注入する。
35を閉じる(C35)
55を閉じる(C55)
9を開く(O9)
45を開く(O45)
押し出して廃棄するまでの時間(8秒間)待つ。
45を閉じる(C45)
【0076】
アミダイト及び活性化剤を秤量してアミダイト供給ゾーンに入れる。
弁110Aを開く。
指定量の活性化剤(1.2mL)をポンプ注入する。
弁110Aを閉じる。
弁110Bを開く。
5秒間待って活性化剤溶液をアミダイト混合ゾーンに押し込む。
弁110Bを閉じる。
弁101Aを開く。注記:弁101をmAに使用した。アミダイトは各々、独自の弁及び活性化ゾーンへの独自の供給ラインを有した。
指定量のアミダイト(1.2mL)をポンプ注入する。
弁101Aを閉じる。
弁101Bを開く。
5秒間待ってアミダイト溶液をアミダイト混合ゾーンに押し込む。
弁101Bを閉じる。
【0077】
アミダイト反応溶液を反応器に押し込み、樹脂と10分間混合する。
55を閉じる(C55)
9を閉じる(C9)
24を閉じる(C24)
45を開く(O45)
5秒間待つ。
24を開く(O24)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の7行の「流動床カップリング時間」(10分間)を繰り返す。
45を開く(O45)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
45を閉じる(C45)
55を開く(O55)
「流動床をベントするまでの時間」(5秒間)待つ。
55を閉じる(C55)
「カップリング中の流動化と流動化との間の時間」(2秒間)待つ。
「流動床カップリング時間」が終了した後
45を開く(O45)
9を開く(O9)
「流動化後に押し出して廃棄するまでの時間」(8秒間)待つ。
45を閉じる(C45)
【0078】
カップリング後にACNでの溶媒洗浄(これを2回行う)。
35を開く(O35)
55を開く(O55)
「シングルパス洗浄カップリング用のACN量」(10mL)をポンプ注入する。
35を閉じる(C35)
55を閉じる(C55)
9を開く(O9)
101B、102B、103B、104B、105B、106B、107B、108B、109B、110Bを同時に開く(O101B、102B、103B、104B、105B、106B、107B、108B、109B、110B(同時に))
「シングルパスカップリング洗浄を押し出して廃棄するまでの時間」(30秒間)待つ
101B、102B、103B、104B、105B、106B、107B、108B、109B、110Bを同時に閉じる(C101B、102B、103B、104B、105B、106B、107B、108B、109B、110B(同時に))
9を閉じる(C9)
【0079】
酸化(硫化の代わりに必要な場合)
9を開く(O9)
弁8をAに回す。
弁7をAに回す。
弁6をAに回す。
【0080】
ヨウ素溶液を酸化供給ゾーンにポンプ注入する。
13を開く(O13)
53を開く(O53)
4.5mLのヨウ素をポンプ注入する。
13を閉じる(C13)
53を閉じる(C53)
9を閉じる(C9)
【0081】
ヨウ素溶液を反応器に押し込み、2回流動化させて、チャネルのない平らな床にリセットする。
43を開く(O43)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を2回行う。
43を開く(O43)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
43を閉じる(C43)
53を開く(O53)
「流動床をベントするまでの時間」(5秒間)待つ。
53を閉じる(C53)
【0082】
反応のために樹脂プラグフローを通ってヨウ素溶液をポンプ注入する。
43を開く(O43)
10を開く(O10)
次の40秒間にわたって40秒あたり4.5mLの速度でポンプP9を始動させる。
43を閉じる(C43)
10を閉じる(C10)
【0083】
酸化後の小規模流動床ACN洗浄。
9を開く(O9)
33を開く(O33)
53を開く(O53)
4mLのACNを酸化供給ゾーンにポンプ注入する。
33を閉じる(C33)
53を閉じる(C53)
9を閉じる(C9)
43を開く(O43)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を5回行う。
43を開く(O43)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
43を閉じる(C43)
53を開く(O53)
「流動床をベントするまでの時間」(5秒間)待つ。
53を閉じる(C53)
43を開く(O43)
9を開く(O9)
「流動化後に押し出して廃棄するまでの時間」(8秒間)待つ。
43を閉じる(C43)
【0084】
酸化後のプラグフロー洗浄(これを2回行う)。プラグフロー洗浄を開始して流動化を3回行い、床を平らにセットし、チャネリングを排除する。
9を開く(O9)
33を開く(O33)
53を開く(O53)
ACN(8mL)を供給ゾーンにポンプ注入する。
33を閉じる(C33)
53を閉じる(C53)
9を閉じる(C9)
43を開く(O43)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を3回行う。
43を開く(O43)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
43を閉じる(C43)
53を開く(O53)
「流動床をベントするまでの時間」(5秒間)待つ。
53を閉じる(C53)
43を開く(O43)
10を開く(O10)
次の95秒間にわたって95秒あたり12mLの速度でポンプP9を始動させる。
P9でのポンプ注入と並行して、33を開き、4mLのACNがポンプ注入されるまでP2供給を30mL/分で開始する。P2がP9の前に終了する。P2から酸化供給ゾーンにポンプ注入される液体が反応器に同時に流れ込み、樹脂床上の液位を維持し、プラグフローを95秒間継続させる。
33を閉じる(C33)
43を閉じる(C43)
10を閉じる(C10)
【0085】
硫化(酸化の代わりに必要な場合)
9を開く(O9)
弁8をAに回す。
弁7をAに回す。
弁6をBに回す。
弁5をAに回す。
【0086】
硫化溶液を硫化供給ゾーンにポンプ注入する。
12を開く(O12)
52を開く(O52)
硫化溶液(4.5mL)をポンプ注入する。
12を閉じる(C12)
52を閉じる(C52)
9を閉じる(C9)
【0087】
硫化溶液を反応器に押し込み、2回流動化させて、チャネルのない平らな床にリセットする。
42を開く(O42)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を2回行う。
42を開く(O42)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
42を閉じる(C42)
52を開く(O52)
「流動床をベントするまでの時間」(5秒間)待つ。
52を閉じる(C52)
【0088】
反応のために樹脂プラグフローを通って硫化溶液をポンプ注入する。
42を開く(O42)
10を開く(O10)
次の90秒間にわたって90秒あたり4.5mLの速度でポンプP9を始動させる。
42を閉じる(C42)
10を閉じる(C10)
【0089】
硫化後の小規模流動床ACN洗浄。
9を開く(O9)
32を開く(O32)
52を開く(O52)
4mLのACNを硫化供給ゾーンにポンプ注入する。
32を閉じる(C32)
52を閉じる(C52)
9を閉じる(C9)
42を開く(O42)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を5回行う。
42を開く(O42)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
42を閉じる(C42)
52を開く(O52)
「流動床をベントするまでの時間」(5秒間)待つ。
52を閉じる(C52)
42を開く(O42)
9を開く(O9)
「流動化後に押し出して廃棄するまでの時間」(8秒間)待つ。
42を閉じる(C42)
【0090】
硫化後のプラグフロー洗浄(これを2回行う)。プラグフロー洗浄を開始して流動化を2回行い、床を平らにセットし、チャネリングを排除する。
9を開く(O9)
32を開く(O32)
52を開く(O52)
ACN(8mL)を供給ゾーンにポンプ注入する。
32を閉じる(C32)
52を閉じる(C52)
9を閉じる(C9)
42を開く(O42)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を2回行う。
42を開く(O42)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
42を閉じる(C42)
52を開く(O52)
「流動床をベントするまでの時間」(5秒間)待つ。
52を閉じる(C52)
42を開く(O42)
10を開く(O10)
次の95秒間にわたって95秒あたり12mLの速度でポンプP9を始動させる。
P9でのポンプ注入と並行して、32を開き、4mLのACNがポンプ注入されるまでP2供給を30mL/分で開始する。P2がP9の前に終了する。P2から硫化供給ゾーンにポンプ注入される液体が反応器に同時に流れ込み、樹脂床上の液位を維持し、プラグフローを95秒間継続させる。
32を閉じる(C32)
42を閉じる(C42)
10を閉じる(C10)
【0091】
キャッピング
弁8をAに回す。
弁7をAに回す。
弁6をBに回す。
弁5をBに回す。
【0092】
キャッピング溶液をキャッピング供給ゾーンにポンプ注入する。
11Aを開く(O11A)
11Bを開く(O11B)
51を開く(O51)
キャッピング溶液A「キャッピング溶液A量」(2.1mL)とキャッピング溶液B「キャッピング溶液B量」(2.1mL)を同時にポンプ注入する。
11Aを閉じる(C11A)
11Bを閉じる(C11B)
51を閉じる(C51)
9を閉じる(C9)
【0093】
キャッピング溶液を反応器に押し込み、2回流動化させて、チャネルのない平らな床にリセットする。
41を開く(O41)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を2回行う。
41を開く(O41)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
41を閉じる(C41)
51を開く(O51)
「流動床をベントするまでの時間」(5秒間)待つ。
51を閉じる(C51)
【0094】
反応のために樹脂プラグフローを通ってキャッピング溶液をポンプ注入する。
41を開く(O41)
10を開く(O10)
次の100秒間にわたって100秒あたり4.2mLの流量でポンプP9を始動させる。
41を閉じる(C41)
10を閉じる(C10)
【0095】
キャッピング後のプラグフロー洗浄(これを2回行う)。プラグフロー洗浄を開始して流動化を2回行い、床を平らにセットし、チャネリングを排除する。
9を開く(O9)
31を開く(O31)
51を開く(O51)
ACN(8mL)をキャッピング供給ゾーンにポンプ注入する。
31を閉じる(C31)
51を閉じる(C51)
9を閉じる(C9)
41を開く(O41)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を2回行う。
41を開く(O41)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
41を閉じる(C41)
51を開く(O51)
「流動床をベントするまでの時間」(5秒間)待つ。
51を閉じる(C51)
41を開く(O41)
10を開く(O10)
次の95秒間にわたって95秒あたり12mLの速度でポンプP9を始動させる。
P9でのポンプ注入と並行して、31を開き、4mLのACNがポンプ注入されるまでP2供給を30mL/分で開始する。P2がP9の前に終了する。P2からキャッピング供給ゾーンにポンプ注入される液体が反応器に同時に流れ込み、樹脂床上の液位を維持し、プラグフローを95秒間継続させる。
31を閉じる(C31)
41を閉じる(C41)
10を閉じる(C10)
【0096】
実施例2-樹脂床高さ最大30cmのHPRT Div22アンチセンス鎖の調製
同じHPRT Div22アンチセンス鎖を実施例1と同様に調製する。本発明の流動床法を使用したこの分子の合成を本明細書に記載しており、これは、残りのホスホロアミダイトを順次導入するための脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを含む。主な違いは、樹脂床の高さをはるかに高くすることができるように反応器の形状及び流動化方法が変更されることである。この実施例のプロセスを180μmol規模で実行し、実験の終了時までにACN溶媒が湿った状態で樹脂床の高さが25cmに達する。最終脱ブロッキングステップの下降流部分中に、樹脂床の最大高さが30cmに達する。実験中の樹脂床にわたる最大圧力降下は20psigである。反応器は、高さ32cm、内径0.63cmの底部セクションと、高さ10.5cm、直径4.7cmの円錐形底部の上部セクションとを有する。反応器には、直径0.63cmのセクションの底部にステンレス鋼フィルタースクリーンが備え付けられている。
【0097】
樹脂床が流動化するたびに、窒素が液体及び固体を内径0.63cmのセクションから円錐形底部の上部セクションに押し上げ、ここで、窒素バブリングにより、固体が完全に混合されて流動化する。その後、少量の液体がフィルタースクリーンを通って反応器の底部から出ている間に、毎回の流動化後に流動化されたスラリーを内径0.63cmのセクションに下方に押し通して樹脂床を再形成する。壁に向かって角度を付け、その後、半径方向に角度を付けた外径1/8インチのステンレス鋼管を通って供給ゾーンから流入する液体が内径4.7cmのセクションの上部に押し込まれ、これにより、流入する液体が内壁の周りをボルテックスして跳ね返りを防ぐようになる。実施例1では4当量のアミダイトを使用したが、実施例2では2当量のアミダイトをカップリングに使用した。
【0098】
既知の方法を使用してmU(本明細書では「mU樹脂」と称する)をNittoPhase HL 2’OMeU(bz)250樹脂にカップリングさせることから開始し、合成装置のセットアップについては
図3を参照されたい。樹脂バッチはG07010であり、ロード量は246umol/gであった。反応器内に入れた乾燥樹脂の初期重量は0.7322gであった。したがって、実験の規模は180.1umolであった。
【0099】
【0100】
以下の表4に示す0.1Mアミダイト溶液を調製する。アミダイト固体を秤量してボトルに入れ、ドライパッドを挿入し、その後、ACNを添加して0.1Mの濃度を達成する。
【表4】
【0101】
全てのポンプ及び供給ラインに呼び水を差す。ドライパックをACNボトル及び全てのシリンジに入れる。アミダイト及び活性化剤にはシリンジポンプを使用し、全ての他の試薬及び溶媒の供給には蠕動ポンプ及び供給容器を使用する。Phos試薬にはアミダイトシリンジポンプ(アミダイト9ポンプ)のうちの1つを使用した。上記の内径0.63cmの反応器にフィルターを備え付ける。反応器の底部に自動ブロック弁(
図3の弁24)の上部を取り付け、その後、約3~4mLの流出液量を収容するのに十分なチューブを反応器から1つ以上の出口弁(
図3の弁9及び弁10)まで取り付ける。
【0102】
【0103】
合成時にホスホロアミダイトを添加するたびに、以下に説明するように、脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は配列内にP=S結合がある場合は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを順次行う。
【0104】
図3を参照し、実施例2を考察して、ポンプ及び弁操作順序の詳細な自動化手順を本明細書に記述する。この手順で液体が樹脂床を通って下方にポンプ注入されると記載されている場合、これは、窒素圧が樹脂床の上部を押して液体を下方に押し通している間、反応器の底部の出口にある廃棄ポンプが目標設定値で動作することを意味する。蠕動ポンプ(ポンプ9)の目的は、制御された速度で床を通って流れる液体を計量することである。
【0105】
脱ブロッキング:弁8をAに回し、弁7をBに回し、弁24を閉じる。30mLの脱ブロッキング溶液(3体積%ジクロロ酢酸(DCA)/トルエン溶液)を供給ゾーンに充填し、窒素圧で8秒間にわたって反応器に押し込む。弁24を開く。廃棄用の出口弁(
図3の弁9及び弁10)は閉じている。窒素圧を反応器に3秒間加える。反応器の上部から圧力を10秒間ベントすると同時に弁38を開き、窒素バブリングさせて、樹脂床を試薬溶液で撹拌し、流動化させる。弁38と直列の計量弁を、固体と液体を上部ゾーンに上昇させて一緒に混合するのに十分な高さになるようにするが、固体が上部セクションの上部に飛び散らないように過度に高くならないように、かつ取り除く溶媒の量を最小限に抑えるように調整する。流動化プロセスを更に4回繰り返す。樹脂の膨張の大半は流動化中に起こる。廃棄用の弁(弁10)を開き、脱ブロッキング溶液をポンプ9で樹脂床に通して12mL/分の速度でユーザーが指定した時間(サイクル7~12の場合は330秒間、サイクル13~24の場合は410秒間)送り込む。総脱ブロッキング溶液接触時間は以下のとおりである:サイクル1及び2は14分間であり、サイクル3は12分間であり、サイクル4及び5は9間であり、サイクル6は7分間であり、サイクル7~24は5.5分間であった。ポンプ9注入と並行して、弁14を開き、ユーザーが定義した量がポンプ注入されるまで(サイクル1~12の場合は40mL、サイクル13~24の場合は57mL)、脱ブロッキング溶液のポンプ1供給を15mL/分で開始する。ポンプ1はポンプ9の前に終了する。ポンプ1から酸供給ゾーンにポンプ注入される液体が反応器に同時に流れ込み、樹脂床上の液位を維持し、流れを指定した持続時間にわたって維持する。ACN洗浄手順Aを10mLの溶媒で2回行い、洗浄毎に4回流動化させ、その後、ACN洗浄手順Bを10mLの溶媒で1回行い、その後、ACN洗浄手順Aを40mLの溶媒で1回行い、洗浄毎に2回流動化させ、その後、ACN洗浄手順Bを10mLの溶媒で1回行う。全ての洗浄溶媒が酸供給ゾーンを通って反応器に入る(
図3)。樹脂の収縮の大半は最初の2回の流動化洗浄中に起こり、これにより、高い床内での圧力降下の問題が軽減される。最初の6つのホスホロアミダイトでは、流れに対する抵抗のため、かつ反応床の上部の圧力が意図的に20psigに制限されているため、脱ブロッキング溶液の流速は遅くなり、総接触時間は長くなる。塩基1~7では、液体流束が徐々に増加し、脱ブロッキング溶液の総接触時間が徐々に短くなる。
【0106】
ACN洗浄手順A(流動化洗浄):廃棄弁9を開き、ACNを酸供給ゾーンに充填し、その後、弁9を閉じ、窒素圧で反応器に8秒間押し込む。上記のように樹脂床を所望の回数流動化させ、反応器を窒素で3秒間加圧し、窒素を反応器に通して上方に10秒間ベント及び吹き込む。弁10を開き、廃棄ポンプ9を始動させて、30mL/分の速度で20秒間ポンプ注入して廃棄する。
【0107】
ACN洗浄手順B(プラグフロー洗浄、流動化なし):弁9を開き(廃棄用)、ACNを酸供給ゾーンに充填し、その後、弁9を閉じ、窒素圧で反応器に8秒間押し込む。弁10を開き、ポンプ9を用いて30mL/分の速度で20秒間ポンプ注入する。
【0108】
カップリング反応:脱ブロッキング洗浄後、次の連続ホスホロアミダイトをカップリングさせ、3’から5’に連続ステップで導入する。配列内でカップリングした各ホスホロアミダイトについて、配列内のホスホロアミダイトに対応するアミダイト溶液(表2に列記したもの)を使用して、本質的に以下に記載したようにカップリング反応手順を行う。弁8をBに回す。毎回、弁9を閉じた状態で8mLのACNをアミダイト供給ゾーンにポンプ注入することにより、アミダイトゾーン及び反応器への流路を2回予洗浄し、その後、弁9を開き、窒素圧で30秒間押し出して廃棄する。最初に活性化剤溶液(3.6mL、10当量)、その後、表2の適切なアミダイト溶液(3.6mL、2.0当量)を供給ゾーンにポンプ注入する。弁9及び弁24を閉じ、供給ゾーン内の混合物を窒素圧で反応器に5秒間押し込む。
【0109】
アミダイト溶液及び活性化剤溶液を樹脂と混合し、弁24が開いており、かつ弁9が閉じた状態で、以下のように床を繰り返し流動化させる:反応器の上部に窒素圧を3秒間加え、その後、反応器の上部から圧力をベントし、弁38を開き、窒素を反応器に通して上方に6秒間吹き込む。樹脂を、液体を通って下方に8秒間流れさせる。このプロセスを10分間繰り返し、その後、弁9を開き、窒素圧を反応器の上部に30秒間加え、反応器の底部から液体を排出して廃棄する。ACN(10mL)を供給ゾーンにポンプ注入し、窒素圧で反応器に30秒間押し通し、このACN洗浄をもう1回繰り返す。
【0110】
酸化反応(硫化の代わりに必要な場合):カップリング反応洗浄後、本質的に以下に記載したように酸化反応を行う。弁6、7、及び8をAに回し、弁9を開く。酸化溶液(9mL、2.5当量)を供給ゾーンにポンプ注入し、弁9を閉じ、窒素圧で反応器に8秒間押し込む。反応器床を以下のように5回流動化させる:反応器の上部を窒素圧で3秒間加圧し、その後、ベントすることによって窒素圧を解放し、弁38を開き、窒素を反応器に通して上方に10秒間吹き込む。弁10を開き、ポンプ9で9mLの液量を60秒間かけてポンプ注入する。ACN洗浄手順A(流動化洗浄)を10mLの溶媒で2回行い、1回目の洗浄で4回流動化させ、2回目の洗浄で2回流動化させる。その後、ACN洗浄手順B(プラグフロー洗浄)を10mLの溶媒で1回行い、その後、ACN洗浄手順Aを30mLの溶媒で1回行い、3回流動化させ、その後、ACN洗浄手順Bを10mLの溶媒で1回行う。全ての洗浄溶媒が酸化供給ゾーンを通って反応器に入る。樹脂の収縮の大半は最初の2回の流動化洗浄中に起こり、これにより、高い床内での圧力降下の問題が軽減される。
【0111】
硫化(チオール化)反応(酸化の代わりに必要な場合):カップリング反応洗浄後、本質的に以下に記載したようにチオール化反応を行う。弁6をBに回し、弁5、7、及び8をAに回し、弁9を開く。硫化溶液(12mL)を供給ゾーンにポンプ注入し、弁9を閉じ、窒素圧で反応器に8秒間押し込む。反応器床を以下のように22回流動化させる:反応器の上部を窒素圧で3秒間加圧し、その後、ベントすることによって窒素圧を解放し、弁38を開き、窒素を反応器に通して上方に10秒間吹き込む。樹脂の膨張の大半は流動化中に起こる。22回の流動化の合計時間は約8分間である。廃棄用の弁(弁10)を開き、硫化溶液をポンプ9で樹脂床に通して30秒あたり12mLの速度でポンプ注入する。ACN洗浄手順A(流動化洗浄)を10mLの溶媒で2回行い、1回目の洗浄で4回流動化させ、2回目の洗浄で2回流動化させる。その後、ACN洗浄手順B(プラグフロー洗浄)を10mLの溶媒で1回行い、その後、ACN洗浄手順Aを30mLの溶媒で1回行い、3回流動化させ、その後、ACN洗浄手順Bを10mLの溶媒で1回行う。全ての洗浄溶媒がXH供給ゾーンを通って反応器に入る(
図3)。樹脂の収縮の大半は最初の2回の流動化洗浄中に起こり、これにより、高い床内での圧力降下の問題が軽減される。
【0112】
キャッピング反応:酸化(又は硫化)反応洗浄後、本質的に以下に記載したようにキャッピング反応を行う。弁5及び6をBに回し、弁7及び8をAに回す。弁9を開く。キャッピング溶液A(6.3mL)とキャッピング溶液B(6.3mL)を供給ゾーンに同時にポンプ注入し、その後、弁9を閉じる。液体を窒素圧で反応器に8秒間押し込む。反応器床を以下のように3回流動化させる:反応器の上部を窒素圧で3秒間加圧し、その後、ベントすることによって窒素圧を解放し、弁38を開き、窒素を反応器に通して上方に10秒間吹き込む。樹脂の膨張の大半は流動化中に起こる。弁10を開き、12.6mLの液量を70秒間かけてポンプ注入する。ACN洗浄手順A(流動化洗浄)を10mLの溶媒で2回行い、1回目の洗浄で3回流動化させ、2回目の洗浄で2回流動化させる。その後、ACN洗浄手順B(プラグフロー洗浄)を10mLの溶媒で1回行い、その後、ACN洗浄手順Aを30mLの溶媒で1回行い、3回流動化させ、その後、ACN洗浄手順Bを10mLの溶媒で1回行う。全ての洗浄溶媒がキャッピング供給ゾーンを通って反応器に入る(
図3)。樹脂の収縮の大半は最初の2回の流動化洗浄中に起こり、これにより、高い床内での圧力降下の問題が軽減される。
【0113】
最後のアミダイトカップリングサイクルが完了した後、アミダイトの代わりにリン酸化溶液を使用してサイクルを繰り返す。リン酸化試薬がカップリングして酸化した後、脱ブロッキングステップを繰り返す。以下のように樹脂をDEA溶液で洗浄する。9.3mLのDEA溶液を反応器に充填し、4回流動化させ、その後、8mL/分で反応器の底部からポンプ排出する。この9.3mLのDEAでの洗浄を更に3回繰り返す。その後、以下のようにACNで洗浄する。ACN洗浄手順A(流動化洗浄)を10mLの溶媒で2回行い、1回目の洗浄で4回流動化させ、2回目の洗浄で2回流動化させる。その後、ACN洗浄手順B(プラグフロー洗浄)を10mLの溶媒で1回行い、その後、ACN洗浄手順Aを30mLの溶媒で1回行い、2回流動化させ、その後、ACN洗浄手順Bを10mLの溶媒で1回行う。
【0114】
窒素を樹脂床に通して下方に吹き込んで乾燥させて、2.2319グラムの乾燥樹脂を得る。これは1.4997グラムの重量増加に相当する。これは8.83g/mmolの重量増加に相当し、それ故に、保護されたオリゴヌクレオチド生成物の粗質量収率は質量増加に基づいて96%である。
【0115】
少量の試料に濃縮NH4OH溶液を用いて切断及び脱保護反応を50℃で4時間行う。UPLCは、実施例1~5のUPLC結果の表(表13)に示すように、切断されて脱保護されたオリゴヌクレオチド生成物がピーク面積パーセントで純度80.85%であることを示している。LCMS分析により、主生成物のピークが正しいHPRT div22 AS鎖を表すことが確認される。
【0116】
23merオリゴヌクレオチド構築全体にわたる樹脂床の膨張、収縮、及び成長のデータを
図4に示す。実験中の樹脂床にわたる最大圧力降下は、その圧力が液体を樹脂床に押し通すために使用した供給窒素の圧力であったため、20psigであった。
【0117】
図4で「detrit」とラベル付けしたトレンドは、洗浄前の脱ブロッキング反応溶液が全て樹脂床を通って排水された後の樹脂床の高さである。
図4で「ACN_detrit」とラベル付けしたトレンドは、脱ブロッキング後の最後のACN溶媒洗浄後の床の高さである。同様に、「硫化/酸化」とラベル付けしたトレンドは、洗浄前の硫化又は酸化反応溶液が全て樹脂床を通って排水された後の樹脂床の高さであるといった具合である。樹脂床の高さは、アミダイトサイクル1からサイクル24までほぼ直線的に増加した。樹脂床の高さは、各サイクル内で最小値から最大値まで約5cm変化した。例えば、樹脂ビーズが脱ブロッキング反応中に膨張し、充填した樹脂床の高さを約4cm増加させる。その後、樹脂ビーズが洗浄中に収縮し、樹脂床の高さを約5cm収縮させる。カップリング後、樹脂ビーズが酸化又は硫化反応中に膨張し、床の高さを約4cm増加させる。その後、樹脂ビーズが後続の洗浄中に収縮し、樹脂床の高さを約4cm減少させる。かかる極端な膨張事象及び収縮事象が24サイクルでサイクル毎に3回起こることを考慮すると、圧力降下が法外に大きくなるため、ダウンフローのみの充填床反応器でかかる高い床高さを実行することは不可能であろう。圧力降下が流動床反応器内で軽減されるのは、樹脂粒子の膨張及び収縮が主に床の流動化中に起こるためである。樹脂床が各々の新たな床高さで再び沈殿したとしても、ケーキを通る流動抵抗は依然として低く、最大圧力降下はわずか20psigである。更に、毎回の溶媒交換後に樹脂床が再沈殿するたびにチャネリングが起こることはない。
【0118】
図3を参照し、実施例2を考察して、ポンプ及び弁操作順序の詳細な自動化手順を以下のように記述する。
【0119】
手順は実施例1に記載した手順と同様であるが、窒素を底部から反応器に通して上方に吹き込むことによって流動化を行う。また、毎回の反応後に洗浄を異なる方法で行った。最初の2回の洗浄を流動化させ、これは、高さの高い樹脂床の後続の液体流束に役立つためであった。樹脂の膨張の大半は試薬を用いて反応の開始時に流動化させている間に起こり、樹脂の脱膨張の大半は溶媒を用いて洗浄の開始時に流動化させている間に起こった。
【0120】
各アミダイトに対してこのシーケンスを繰り返す。この記載の手順では、脱ブロッキング中のポンプ速度及び時間はサイクル7~12を表す。最初の12サイクル後に大量の脱ブロッキング溶液を使用しため、サイクル13~24ではポンプ時間は330秒ではなく410秒であった。最初の6サイクルでは樹脂床を通る流れに対する抵抗が大きくなるため、最初に脱ブロッキング中のポンプ速度をより遅く開始させた。最初の6サイクルでは、脱ブロッキング流量が徐々に増加し、時間が徐々に減少した。例えば、最初の2サイクルでは、脱ブロッキングプラグフロー反応時間は840秒間であり、ポンプ速度を5mL/分に設定したが、7回目のサイクルまでに、脱ブロッキングプラグフロー反応時間は330秒間であり、ポンプ速度を12mLに設定し、これは、オリゴが樹脂上でより長く成長するにつれて床を通る流れに対する抵抗が低下したためである。
【0121】
脱ブロッキング
弁8をAに回す。
弁7をBに回す。
【0122】
酸溶液を酸供給ゾーンにポンプ注入する。
O9(これにより、樹脂床を通って反応器が減圧され、酸が測定されている間に液体が反応器の底部から出るようになる)。
54を開く(O54)
14を開く(O14)
酸(30mL)を酸供給ゾーンにポンプ注入する。
14を閉じる(C14)
54を閉じる(C54)
9を閉じる(C9)
【0123】
酸溶液を反応器に押し込み、3回流動化させて反応させ、チャネルのない平らな床にリセットする。
44を開く(O44)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を3回行う。
44を開く(O44)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
44を閉じる(C44)
54を開き(O54)、38を開く(O38)
「N2バブリングにより流動床をベントするまでの時間」(10秒間)待つ。
54を閉じ(C54)、38を閉じる(C38)
【0124】
反応のために樹脂プラグフローを通って酸溶液をポンプ注入する。
44を開く(O44)
10を開く(O10)
330秒間にわたって12mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
P9でのポンプ注入と並行して、14を開き、40mLがポンプ注入されるまで酸供給を15mL/分で開始する。酸供給ゾーンにポンプ注入される液体が反応器に同時に流れ込み、樹脂床上の液位を維持し、プラグフローを330秒間継続させる。
14を閉じる(C14)
44を閉じる(C44)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値まで降下する(約20psigから10psigまで降下する)まで待つ。
【0125】
流動化洗浄。これを2回行うが、初回に4回流動化させ、2回目に2回流動化させる。
9を開く(O9)
34を開く(O34)
54を開く(O54)
ACN(10mL)を供給ゾーンにポンプ注入する。
34を閉じる(C34)
54を閉じる(C54)
9を閉じる(C9)
44を開く(O44)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を1回目の洗浄で4回、2回目の洗浄で2回行う。
44を開く(O44)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
44を閉じる(C44)
54を開き(O54)、38を開く(O38)
「N2バブリングにより流動床をベントするまでの時間」(10秒間)待つ。
54を閉じ(C54)、58を閉じる(C58)
44を開く(O44)
10を開く(O10)
30秒間にわたって20mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
44を閉じる(C44)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値まで降下する(約20psigから10psigまで降下する)まで待つ。
【0126】
プラグフロー洗浄。
9を開く(O9)
34を開く(O34)
54を開く(O54)
ACN(10mL)を供給ゾーンにポンプ注入する。
34を閉じる(C34)
54を閉じる(C54)
9を閉じる(C9)
44を開く(O44)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
10を開く(O10)
20秒間にわたって30mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
44を閉じる(C44)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値まで降下するまで待つ。
【0127】
反応器の上壁を高い位置から洗い流すためのより大規模な流動化洗浄(これは後に不必要であると決定されたことに留意されたい)。
9を開く(O9)
34を開く(O34)
54を開く(O54)
ACN(40mL)を供給ゾーンにポンプ注入する。
34を閉じる(C34)
54を閉じる(C54)
9を閉じる(C9)
44を開く(O44)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を3回行う。
44を開く(O44)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
44を閉じる(C44)
54を開き(O54)、38を開く(O38)
「N2バブリングにより流動床をベントするまでの時間」(10秒間)待つ。
54を閉じ(C54)、58を閉じる(C58)
44を開く(O44)
10を開く(O10)
80秒間にわたって30mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
44を閉じる(C44)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値まで降下する(約20psigから10psigまで降下する)まで待つ。
【0128】
プラグフロー洗浄。
9を開く(O9)
34を開く(O34)
54を開く(O54)
ACN(10mL)を供給ゾーンにポンプ注入する。
34を閉じる(C34)
54を閉じる(C54)
9を閉じる(C9)
44を開く(O44)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
10を開く(O10)
20秒間にわたって30mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
44を閉じる(C44)
10を閉じる(C10)
【0129】
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値まで降下する(約20psigから10psigまで降下する)まで待つ。
【0130】
カップリング反応
弁8をBに回す。
【0131】
カップリング前にアミダイトゾーン及び反応器への流路を予洗浄する(これを2回行う)。
35を開く(O35)
55を開く(O55)
P2で8mLのACNをアミダイトゾーンにポンプ注入する。
35を閉じる(C35)
55を閉じる(C55)
9を開く(O9)
45を開く(O45)
反応器内の樹脂床に下方に押し通して廃棄するまでの時間(30秒間)待つ
45を閉じる(C45)
【0132】
アミダイト及び活性化剤を秤量してアミダイト+活性化剤供給ゾーンに入れる。
弁110Aを開く。
指定量の活性化剤(3.6mL)をポンプ注入する。
弁110Aを閉じる。
弁110Bを開く。
5秒間待って活性化剤溶液をアミダイト+活性化剤供給ゾーンに押し込む。
弁110Bを閉じる。
弁101Aを開く。注記:弁101をmAに使用した。アミダイトは各々、独自の弁及び活性化ゾーンへの独自の供給ラインを有した(
図3)。
指定量のアミダイト(3.6mL)をポンプ注入する。
弁101Aを閉じる。
弁101Bを開く。
5秒間待ってアミダイト溶液をアミダイト+活性化剤供給ゾーンに押し込む。
弁101Bを閉じる。
【0133】
アミダイト反応溶液を反応器に押し込み、樹脂と10分間混合する。
55を閉じる(C55)
9を閉じる(C9)
24を閉じる(C24)
45を開く(O45)
5秒間待つ。
24を開く(O24)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の7行の「流動床カップリング時間」(10分間)を繰り返す。
45を開く(O45)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(3秒間)待つ。
45を閉じる(C45)
55を開き(O55)、38を開く(O38)
「N2バブリングにより流動床をベントするまでの時間」(6秒間)待つ。
55を閉じる(C55)
「カップリング中の流動化と流動化との間の時間」(8秒間)待つ。
「流動床カップリング時間」が終了した後
45を開く(O45)
9を開く(O9)
「流動化後に押し出して廃棄するまでの時間」(30秒間)待つ。
45を閉じる(C45)
反応器圧力がユーザー設定値(10psig)まで下がり、カップリング溶液が全て押し出されて廃棄されたことを示すまで待つ。
【0134】
カップリング後にACNでの溶媒洗浄(これを2回行う)。
35を開く(O35)
55を開く(O55)
「シングルパス洗浄カップリング用のACN量」(10mL)をポンプ注入する。
35を閉じる(C35)
55を閉じる(C55)
9を開く(O9)
101B、102B、103B、104B、105B、106B、107B、108B、109B、110Bを同時に開く(O101B、102B、103B、104B、105B、106B、107B、108B、109B、110B(同時に))
「シングルパスカップリング洗浄を押し出して廃棄するまでの時間」(30秒間)待つ
101B、102B、103B、104B、105B、106B、107B、108B、109B、110Bを同時に閉じる(C101B、102B、103B、104B、105B、106B、107B、108B、109B、110B(同時に))
9を閉じる(C9)
【0135】
酸化(硫化の代わりに必要な場合)
9を開く(O9)
弁8をAに回す。
弁7をAに回す。
弁6をAに回す。
【0136】
ヨウ素溶液を酸化供給ゾーンにポンプ注入する。
13を開く(O13)
53を開く(O53)
9mLのヨウ素供給溶液をポンプ注入する。
13を閉じる(C13)
53を閉じる(C53)
9を閉じる(C9)
【0137】
ヨウ素溶液を反応器に押し込み、約4分かけて11回流動化させる。これは反応のバッチ部分である。
43を開く(O43)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を11回行う。
43を開く(O43)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(3秒間)待つ。
43を閉じる(C43)
53を開き(O53)、38を開く(O38)
「N2バブリングにより流動床をベントするまでの時間」(10秒間)待つ。
53を閉じ(C53)、38を閉じる(C38)
【0138】
反応のプラグフロー部分のために樹脂を通してヨウ素溶液をポンプ注入する。
43を開く(O43)
10を開く(O10)
60秒間にわたって9mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
43を閉じる(C43)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値まで(20psigから10psigまで)降下するまで待つ。
【0139】
流動化洗浄。これを2回行うが、初回に4回流動化させ、2回目に2回流動化させる。
9を開く(O9)
33を開く(O33)
53を開く(O53)
ACN(10mL)をI2供給ゾーンにポンプ注入する。
33を閉じる(C33)
53を閉じる(C53)
9を閉じる(C9)
43を開く(O43)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を1回目の流動化洗浄中に4回、2回目の流動化洗浄中に2回行う。
43を開く(O43)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
43を閉じる(C43)
53を開き(O53)、38を開く(O38)
「N2バブリングにより流動床をベントするまでの時間」(10秒間)待つ。
53を閉じ(C53)、58を閉じる(C58)
43を開く(O43)
10を開く(O10)
30秒間にわたって20mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
43を閉じる(C43)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値まで(20psigから10psigまで)降下するまで待つ。
【0140】
プラグフロー洗浄。
9を開く(O9)
33を開く(O33)
53を開く(O53)
ACN(10mL)をI2供給ゾーンにポンプ注入する。
33を閉じる(C33)
53を閉じる(C53)
9を閉じる(C9)
43を開く(O43)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
10を開く(O10)
20秒間にわたって30mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
43を閉じる(C43)
10を閉じる(C10)
9を開く(O9)、圧力がユーザー設定値まで降下する(20psigから10psigまで降下する)まで待つ。
【0141】
反応器の上壁を高い位置から洗い流すためのより大規模な流動化洗浄(これは後に不必要であると決定されたことに留意されたい)。
9を開く(O9)
33を開く(O33)
53を開く(O53)
ACN(30mL)をI2供給ゾーンにポンプ注入する。
33を閉じる(C33)
53を閉じる(C53)
9を閉じる(C9)
43を開く(O43)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を3回行う。
43を開く(O43)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
43を閉じる(C43)
53を開き(O53)、38を開く(O38)
「N2バブリングにより流動床をベントするまでの時間」(10秒間)待つ。
53を閉じ(C53)、58を閉じる(C58)
43を開く(O43)
10を開く(O10)
60秒間にわたって30mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
43を閉じる(C43)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値まで(20psigから10psigまで)降下するまで待つ。
【0142】
プラグフロー洗浄。
9を開く(O9)
33を開く(O33)
53を開く(O53)
ACN(10mL)をI2供給ゾーンにポンプ注入する。
33を閉じる(C33)
53を閉じる(C53)
9を閉じる(C9)
43を開く(O43)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
10を開く(O10)
20秒間にわたって30mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
43を閉じる(C43)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値(10psig)まで降下するまで待つ。
【0143】
硫化(酸化の代わりに必要な場合)
9を開く(O9)
弁8をAに回す。
弁7をAに回す。
弁6をBに回す。
弁5をAに回す。
【0144】
硫化溶液をXH供給ゾーンにポンプ注入する。
12を開く(O12)
52を開く(O52)
硫化溶液(12mL)をポンプ注入する。
12を閉じる(C12)
52を閉じる(C52)
9を閉じる(C9)
【0145】
硫化溶液を反応器に押し込み、22回流動化させる。
42を開く(O42)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を22回行う。これには約8分かかる。
42を開く(O42)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(3秒間)待つ。
42を閉じる(C42)
52を開き(O52)、38を開く(O38)
「N2バブリングにより流動床をベントするまでの時間」(10秒間)待つ。
52を閉じ(C52)、38を閉じる(C38)
【0146】
反応のプラグフロー部分のために樹脂を通して硫化溶液をポンプ注入する。
42を開く(O42)
10を開く(O10)
約30秒後に反応器が空になる速度でポンプP9を始動させる。
42を閉じる(C42)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値まで(20psigから10psigまで)降下するまで待つ。
【0147】
流動化洗浄。これを2回行うが、初回に4回流動化させ、2回目に2回流動化させる。
9を開く(O9)
32を開く(O32)
52を開く(O52)
ACN(10mL)をXH供給ゾーンにポンプ注入する。
32を閉じる(C32)
52を閉じる(C52)
9を閉じる(C9)
42を開く(O42)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を1回目の流動化洗浄で4回、2回目の流動化洗浄で2回行う。
42を開く(O42)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
42を閉じる(C42)
52を開き(O52)、38を開く(O38)
「N2バブリングにより流動床をベントするまでの時間」(10秒間)待つ。
52を閉じ(C52)、58を閉じる(C58)
42を開く(O42)
10を開く(O10)
20秒間にわたって30mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
42を閉じる(C42)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値(10psig)まで降下するまで待つ。
【0148】
プラグフロー洗浄。
9を開く(O9)
32を開く(O32)
52を開く(O52)
ACN(10mL)をXH供給ゾーンにポンプ注入する。
32を閉じる(C32)
52を閉じる(C52)
9を閉じる(C9)
42を開く(O42)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
10を開く(O10)
15秒間にわたって40mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
42を閉じる(C42)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値(10psig)まで降下するまで待つ。
【0149】
反応器の上壁を高い位置から洗い流すためのより大規模な流動化洗浄(これは後に不必要であると決定されたことに留意されたい)。
9を開く(O9)
32を開く(O32)
52を開く(O52)
ACN(30mL)を供給ゾーンにポンプ注入する。
32を閉じる(C32)
52を閉じる(C52)
9を閉じる(C9)
42を開く(O42)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を3回行う。
42を開く(O42)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
42を閉じる(C42)
52を開き(O52)、38を開く(O38)
「N2バブリングにより流動床をベントするまでの時間」(10秒間)待つ。
52を閉じ(C52)、58を閉じる(C58)
42を開く(O42)
10を開く(O10)
45秒間にわたって40mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
42を閉じる(C42)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値まで降下するまで待つ。
【0150】
プラグフロー洗浄。
9を開く(O9)
32を開く(O32)
52を開く(O52)
ACN(10mL)をXH供給ゾーンにポンプ注入する。
32を閉じる(C32)
52を閉じる(C52)
9を閉じる(C9)
42を開く(O42)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
10を開く(O10)
14秒間にわたって40mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
42を閉じる(C42)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値(10psig)まで降下するまで待つ。
【0151】
キャッピング
弁8をAに回す。
弁7をAに回す。
弁6をBに回す。
弁5をBに回す。
【0152】
キャッピング溶液をキャッピング供給ゾーンにポンプ注入する。
11Aを開く(O11A)
11Bを開く(O11B)
51を開く(O51)
キャッピング溶液A「キャッピング溶液A量」(6.3mL)とキャッピング溶液B「キャッピング溶液B量」(6.3mL)を同時にポンプ注入する。
11Aを閉じる(C11A)
11Bを閉じる(C11B)
51を閉じる(C51)
9を閉じる(C9)
【0153】
キャッピング溶液を反応器に押し込み、3回流動化させて反応させ、チャネルのない平らな床にリセットする。
41を開く(O41)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を3回行う。
41を開く(O41)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(3秒間)待つ。
41を閉じる(C41)
51を開き(O51)、38を開く(O38)
「N2バブリングにより流動床をベントするまでの時間」(10秒間)待つ。
51を閉じ(C51)、38を閉じる(C38)
【0154】
反応のプラグフロー部分のために樹脂を通してキャッピング溶液をポンプ注入する。
41を開く(O41)
10を開く(O10)
約70秒後に反応器が空になる速度でポンプP9を始動させる。
41を閉じる(C41)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値まで降下するまで待つ。
【0155】
流動化洗浄。これを2回行うが、初回に3回流動化させ、2回目に2回流動化させる。
9を開く(O9)
31を開く(O31)
51を開く(O51)
ACN(10mL)をキャッピング供給ゾーンにポンプ注入する。
31を閉じる(C31)
51を閉じる(C51)
9を閉じる(C9)
41を開く(O41)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を1回目の流動化洗浄で3回、1回目の流動化洗浄で2回行う。
41を開く(O41)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
41を閉じる(C41)
51を開き(O51)、38を開く(O38)
「N2バブリングにより流動床をベントするまでの時間」(10秒間)待つ。
51を閉じ(C51)、58を閉じる(C58)
41を開く(O41)
10を開く(O10)
20秒間にわたって30mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
41を閉じる(C41)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値(10psig)まで降下するまで待つ。
【0156】
プラグフロー洗浄。
9を開く(O9)
31を開く(O31)
51を開く(O51)
ACN(10mL)をキャッピング供給ゾーンにポンプ注入する。
31を閉じる(C31)
51を閉じる(C51)
9を閉じる(C9)
41を開く(O41)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
10を開く(O10)
15秒間にわたって40mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
41を閉じる(C41)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値(10psig)まで降下するまで待つ。
【0157】
反応器の上壁を高い位置から洗い流すためのより大規模な流動化洗浄(これは後に不必要であると決定されたことに留意されたい)。
9を開く(O9)
31を開く(O31)
51を開く(O51)
ACN(30mL)をキャッピング供給ゾーンにポンプ注入する。
31を閉じる(C31)
51を閉じる(C51)
9を閉じる(C9)
41を開く(O41)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
次の6行を3回行う。
41を開く(O41)
「N2で床を押し下げるまでの時間」(5秒間)待つ。
41を閉じる(C41)
51を開き(O51)、38を開く(O38)
「N2バブリングにより流動床をベントするまでの時間」(10秒間)待つ。
51を閉じ(C51)、58を閉じる(C58)
41を開く(O41)
10を開く(O10)
45秒間にわたって40mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
41を閉じる(C41)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値(10psig)まで降下するまで待つ。
【0158】
プラグフロー洗浄。
9を開く(O9)
31を開く(O31)
51を開く(O51)
ACN(10mL)をキャッピング供給ゾーンにポンプ注入する。
31を閉じる(C31)
51を閉じる(C51)
9を閉じる(C9)
41を開く(O41)
「反応器に押し込むまでの時間」(8秒間)待つ。
10を開く(O10)
15秒間にわたって40mL/分の速度でポンプP9を始動させる。
41を閉じる(C41)
10を閉じる(C10)
9を開き(O9)、圧力がユーザー設定値まで降下するまで待つ。
【0159】
実施例3-HPRT Div22アンチセンス鎖の調製
同じHPRT Div22アンチセンス鎖を実施例1及び実施例2と同様に調製する。本発明の流動床法を使用したこの分子の合成を本明細書に記載しており、これは、残りのホスホロアミダイトを順次導入するための脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを含む。主な違いは、以下のとおりである:実施例3を、より大規模(1mmol)で、底部から上部まで同じ直径、内径2.2cm、高さ1mのより大きい流動床反応器内で行う。このより直径の大きい反応器では、上部に広い漏斗ゾーンがなくても流動化が十分に行われる。反応器の直径が大きいほど、壁の影響が少なくなるため、上部の広い直径セクションなしで固体及び液体を完全に流動化させ、再分布することが容易になる。各反応ステップの開始時の流動化は、典型的には反応器内約0.3mの高さに達した。また、実施例3では、カップリング以外の各反応(脱ブロッキング、酸化、硫化、及びキャッピング)を、試薬の第1の分量を反応物に充填し、この第1の分量を目標時間にわたって流動化させ、その後、この第1の分量を樹脂床プラグフロー様式によりポンプ注入すると同時に試薬の第2の分量を反応器の上部に充填することによって行い、これにより、全ての試薬がプラグフロー様式によりポンプ注入されるようになる。実施例1及び実施例2と同様に、大過剰量の洗浄溶媒及びDCA試薬溶液を実施例3に使用した。DCA試薬量を減少させた実施例については実施例7を参照されたく、ACN洗浄量を減少させた実施例については実施例6、8、及び9を参照されたい。表31は、流動床反応器実施例における様々な実施形態のガイドである。
【0160】
排出後のACN溶媒洗浄の終了時に樹脂床の高さが9cmに達し、実験終了までに乾燥した状態で7cmになった。排水後の最終脱ブロッキングステップ及び酸化ステップの終了時に、樹脂床の最大高さが11cmに達した。実験中のいずれの時点でも樹脂床にわたる最大圧力降下は、その圧力が液体を樹脂床に押し通すために使用した供給窒素の圧力であるため、20psigであった。実施例2と同様に、2当量のアミダイトをカップリングに使用した。全合成条件を表6に示す。
【表6】
【0161】
既知の方法を使用してmU(本明細書では「mU樹脂」と称する)をNittoPhase HL 2’OMeU(bz)300樹脂(299μmol/g)にカップリングさせることから開始し、合成装置のセットアップについては
図5を参照されたい。3.344g(1.00mmol)のmU樹脂を、底部にフィルターフリットを備えた内径2.2cmの反応器に入れる。初期乾燥樹脂深さは高さ約3cmである。
【0162】
試薬及びアミダイト溶液を実施例1及び実施例2と同じように調製する。全てのポンプ及び供給ラインに呼び水を差す。不活性化供給缶(inerted feed can)に入る途中でACNを分子篩の床に通過させた。全ての供給には蠕動ポンプ及び供給容器を使用する。アミダイト溶液は、「AM.1L」とラベル付けし、かつ
図5の弁V1A~V8Aに取り付けられた蠕動ポンプに接続した供給容器に別個に収容されている。リン酸化試薬は、「AM.1L」とラベル付けし、かつ
図5の弁V9Aに取り付けられた蠕動ポンプに接続した供給容器に収容されている。活性化剤溶液及びDEA溶液は、それぞれ、
図5で「活性化剤 5gal」及び「DEA」とラベル付けした供給容器に収容されている。
図3と同様に、
図5ではアセトニトリルを「ACN」と省略している。
【0163】
合成時にホスホロアミダイトを添加するたびに、以下に説明するように、脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は配列内にP=S結合がある場合は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを順次行う。
【0164】
各ステップで、樹脂床流動化を2つの異なる時点で行い、1回目は、試薬混合物を反応器に充填し、樹脂をそれに曝した時点であり、2回目は、洗浄溶媒ステップのうちのいくつかを反応器に充填した時点である。しかしながら、カップリング反応中、10分間の全カップリング時間にわたって流動化を繰り返し続ける。実施例2と同様に、ベント弁V52が開くと同時に弁58、弁54、及び弁53(
図5のV58、V54、V53)を開くことにより窒素ガスを底部フィルタースクリーンに通して上方に吹き込むことによって流動化を行う。この手順で液体が樹脂床を通って下方にポンプ注入されると記載されている場合、これは、窒素圧が樹脂床の上部を押して液体を下方に押し通している間、反応器の底部の出口にある廃棄ポンプが目標設定値で動作することを意味する。蠕動ポンプの目的は、制御された速度で床を通って流れる液体を計量することである。
【0165】
脱ブロッキング反応:脱ブロッキング溶液(100mL)を供給ゾーンに充填する。窒素で脱ブロッキング溶液を供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。脱ブロッキング溶液を反応器に押し込む。樹脂床を2回流動化させて液体と固体を完全に接触させ、樹脂床をリセットする。両方の流動化の合計時間は約1分間である。脱ブロッキング溶液を110mL/分のポンプ設定値で315秒間にわたって樹脂床に通して下方にポンプ注入し始める。追加の脱ブロッキング溶液(428mL)を反応器に同時にポンプ注入し、これにより、ポンプ排出とほぼ同じ速度で反応器の上部に入るようになる。315秒間に合計528mLが樹脂床を通ってポンプ注入される。窒素で脱ブロッキング溶液を反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。残留している脱ブロッキング溶液をフィルター底部から押し出して廃棄する。
【0166】
洗浄1(このステップを2回行う):ACN溶媒(50mL)を、酸供給ラインを通して反応器に充填する。窒素で洗浄溶媒を反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床に押し通して廃棄する。
【0167】
洗浄2:ACN溶媒(90mL)を、溶媒供給ラインを通して反応器に充填する。窒素で洗浄溶媒を反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。窒素で反応器に下方に押し通し、流動化押し込みゾーンの底部(V54とV57との間)に押し込む。樹脂床を流動化させて液体と固体を完全に接触させ、樹脂床を2回リセットする。ACN溶媒を110mL/分のポンプ設定値で120秒間にわたって樹脂床に通してポンプ注入し始める。追加のACN溶媒(110mL)を反応器に同時にポンプ注入し、これにより、ポンプ排出とほぼ同じ速度で反応器の上部に入るようになる。合計200mLが樹脂床を通ってポンプ注入される。残留しているACN溶媒をフィルター底部から押し出して廃棄する。
【0168】
洗浄3(このステップを2回行う):ACN溶媒(40mL)を、溶媒供給ラインを通して反応器に充填する。窒素で洗浄溶媒を反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。弁54と弁57との間の流動化押し込みゾーン及び廃棄チューブを洗浄するために、弁57を介して溶媒を樹脂床に押し通し、反応器から押し出して廃棄する。
【0169】
カップリング反応:交差汚染の可能性を最小限に抑えるために、6つのアミダイトは各々、
図5に示すように、独自の個々のポンプ、弁、及び活性化ゾーン(「2L」とラベル付けした活性化ゾーン)への独自の供給ライン有する。この構築体は6つのアミダイトのみを使用するが、合計9つのアミダイト(mA、mC、mG、mU、fA、fC、fG、fU、phos)があり、アミダイトゾーンに10個のポートがある(活性化剤を含む)。
【0170】
予洗浄(このステップを2回行う):ACN溶媒をアミダイト活性化ゾーン(80mL)に充填し、反応器に下方に押し通して廃棄し、弁54と弁57との間の流動化押し込みゾーンも洗浄する。
【0171】
反応:指定量のアミダイト(20mL)をアミダイト活性化ゾーンにポンプ注入し、窒素で追い込む。活性化剤溶液(20mL)をアミダイト活性化ゾーンにポンプ注入し、窒素で追い込む。この混合物を供給ゾーンに押し込み、その後、反応器に押し込んで、樹脂上でのカップリング反応を開始する。10分間のカップリング時間中、樹脂反応器を30秒毎に1回流動化させて内容物を混合する。(言い換えれば、30秒毎に15秒間流動化させる。)反応時間が経過した後、カップリング溶液をフィルター底部から押し出して廃棄する。
【0172】
洗浄1(このステップを2回行う):ACN溶媒(100mL)をアミダイト活性化ゾーンに充填し、反応器に下方に押し通して廃棄し、弁54と弁57との間の流動化押し込みゾーンも洗浄する。
【0173】
洗浄2(このステップを2回行う):ACN(40mL)を、溶媒供給ラインを通して反応器に充填する。窒素で洗浄溶媒を反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床に押し通し、反応器から押し出して廃棄し、それと同時に溶媒を使用して流動化押し込みゾーン(V54とV57との間)及び廃棄ポンプチューブを洗浄する。
【0174】
酸化反応(硫化の代わりに必要な場合):ACN(100mL)をアミダイト活性化剤混合ゾーンに充填し、これにより、酸化反応の終了直後に樹脂を洗浄することができるようになる。酸化溶液(59mL)を供給ゾーンに充填し、窒素で追い込んで供給チューブを一掃する。溶液を反応器に押し込み、樹脂床を2回流動化させて液体と固体を完全に接触させ、樹脂床をリセットする。両方の流動化の合計時間は約1.2分間である。酸化溶液を130mL/分のポンプ設定値で30秒間にわたって樹脂床に通してポンプ注入し始める。追加のヨウ素溶液(1mL)を反応器に同時にポンプ注入し、これにより、ポンプ排出とほぼ同じ速度で反応器の上部に入るようになる。窒素でヨウ素溶液を反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。30秒間に合計60mLの酸化溶液が樹脂床を通って送り込まれる。残留している酸化溶液をフィルターの底部から押し出して廃棄する。100mLのACN洗浄溶媒を(アミダイト活性化剤混合ゾーンから)反応器に押し通し、樹脂を洗浄する。
【0175】
洗浄1(このステップを2回行う):ACN(50mL)を、酸化溶液供給ラインを通して反応器に充填し、窒素で追い込んで供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床に押し通して廃棄する。
【0176】
洗浄2:ACN(40mL)溶媒を、溶媒供給ラインを通して供給ゾーンに充填する。窒素で洗浄溶媒を反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床に押し通し、反応器から押し出して廃棄し、それと同時に溶媒を使用して流動化押し込みゾーン(V54とV57との間)及び廃棄ポンプチューブを洗浄する。
【0177】
洗浄3:ACN(90mL)を、溶媒供給ラインを通して供給ゾーンに充填する。窒素で洗浄溶媒を反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を反応器に下方に押し通し、流動化押し込みゾーンの底部(V54とV57との間)に押し込む。樹脂床を流動化させて液体と固体を完全に接触させ、樹脂床を2回リセットする。ACN溶媒を110mL/分のポンプ設定値で130秒間にわたって樹脂床に通してポンプ注入し始める。追加のACN(110mL)を反応器に同時にポンプ注入し、これにより、ポンプ排出とほぼ同じ速度で反応器の上部に入るようになる。合計200mLが樹脂床を通ってポンプ注入される。残留しているACN溶媒をフィルター底部から押し出して廃棄する。
【0178】
洗浄4(このステップを2回行う):ACN(40mL)を、溶媒供給ラインを通して供給ゾーンに充填する。洗浄溶媒を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床に押し通し、反応器から押し出して廃棄し、それと同時に溶媒を使用して流動化押し込みゾーン(V54とV57との間)及び廃棄ポンプチューブを洗浄する。
【0179】
硫化(チオール化)反応(酸化の代わりに必要な場合):水素化キサンタン溶液(90mL)を供給ゾーン及び反応器に充填する。窒素で溶液を反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。樹脂床を2回流動化させて液体と固体を完全に接触させ、樹脂床をリセットする。両方の流動化の合計時間は約1分間である。水素化キサンタン溶液を130mL/分のポンプ設定値で80秒間にわたって樹脂床に通してポンプ注入し始める。追加の水素化キサンタン溶液(60mL)を反応器に同時にポンプ注入し、これにより、ポンプ排出とほぼ同じ速度で反応器の上部に入るようになる。窒素で水素化キサンタン溶液を反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。80秒間に合計150mLが樹脂床を通ってポンプ注入される。残留している水素化キサンタン溶液をフィルターの底部から押し出して廃棄する。
【0180】
洗浄1(このステップを2回行う):ACN(50mL)を、水素化キサンタン溶液供給ラインを通して反応器に充填する。窒素で洗浄溶媒を反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床に押し通して廃棄する。
【0181】
洗浄2:ACN(40mL)を、溶媒供給ラインを通して反応器に充填する。窒素で洗浄溶媒を反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床に押し通し、反応器から押し出して廃棄し、それと同時に溶媒を使用して流動化押し込みゾーン(V54とV57との間)及び廃棄ポンプチューブを洗浄する。
【0182】
洗浄3:ACN(90mL)を、溶媒供給ラインを通して反応器に充填し、窒素で追い込んで供給チューブを一掃する。溶媒を反応器に下方に押し通し、流動化押し込みゾーンの底部(V54とV57との間)に押し込む。樹脂床を流動化させて液体と固体を完全に接触させ、樹脂床を2回リセットする。ACN溶媒を110mL/分のポンプ設定値で130秒間にわたって樹脂床に通してポンプ注入し始める。追加のACN(110mL)を反応器に同時にポンプ注入し、これにより、ポンプ排出とほぼ同じ速度で反応器の上部に入るようになる。合計200mLのACNが樹脂床を通ってポンプ注入される。残留している溶媒をフィルターの底部から押し出して廃棄する。
【0183】
洗浄4(このステップを2回行う):ACN(40mL)を、溶媒供給ラインを通して反応器に充填する。窒素で洗浄溶媒を反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床に押し通し、反応器から押し出して廃棄し、それと同時に溶媒を使用して流動化押し込みゾーン(V54とV57との間)及び廃棄ポンプチューブを洗浄する。
【0184】
キャッピング反応:キャッピング溶液A及びキャッピング溶液Bの溶液(各々45mL)を反応器に充填し、窒素で各溶液を反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。樹脂床を2回流動化させて液体と固体を完全に接触させ、樹脂床をリセットする。両方の流動化の合計時間は約1分間である。キャッピング溶液Aとキャッピング溶液Bの混合物を130mL/分のポンプ設定値で70秒間にわたって樹脂床に通してポンプ注入し始める。追加のキャッピング溶液Aとキャッピング溶液B(各々25mL)を反応器に同時にポンプ注入し、これにより、ポンプ排出とほぼ同じ速度で反応器の上部に入るようになる。窒素でキャッピング溶液A及びキャッピング溶液Bを反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。70秒間で合計140mLが樹脂床を通ってポンプ注入される。残留しているキャッピング溶液A及びキャッピング溶液Bをフィルター底部から押し出して廃棄する。
【0185】
洗浄1(このステップを2回行う):ACN(各々50mL)を、キャッピング溶液A及びキャッピング溶液B供給ラインを通して反応器に充填し、窒素で反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床に押し通して廃棄する。
【0186】
洗浄2(このステップを2回行う):ACN(40mL)を、溶媒供給ラインを通して反応器に充填する。窒素で洗浄溶媒を反応器に追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床に押し通し、反応器から押し出して廃棄し、それと同時に溶媒を使用して流動化押し込みゾーン(V54とV57との間)及び廃棄ポンプチューブを洗浄する。
【0187】
最後のカップリングサイクルが完了した後、アミダイトの代わりにリン酸化溶液を使用してサイクルを繰り返す。リン酸化試薬がカップリングして酸化した後、脱ブロッキングステップを繰り返す。樹脂を500mLのDEA溶液と10分間反応させる。ACNで洗浄し、窒素を樹脂床に通して下方に吹き込んで30分間乾燥させて、樹脂上に11.96gの乾燥生成物を得る。20mgの生成物+樹脂を試料として採取し、最初に3.344gの樹脂を使用し、8.636g(粗質量収率94%)の保護オリゴヌクレオチド生成物が残る。
【0188】
少量の試料に濃縮NH4OH溶液を用いて切断及び脱保護反応を50℃で4時間行う。UPLCは、実施例1~5のUPLC結果の表(表13)に示すように、切断されて脱保護されたオリゴヌクレオチド生成物がピーク面積パーセントで純度77.8%であることを示している。LCMS分析により、主生成物のピークが正しいHPRT div22 AS鎖を表すことが確認される。
【0189】
実施例4-HPRT Div22アンチセンス鎖の調製
実施例1、実施例2、及び実施例3と同様に、この実施例でも同じHPRT Div22アンチセンス鎖を作製した。実施例1、実施例2、及び実施例3と同様に、本発明の流動床法を使用したこの分子の合成を本明細書に記載しており、これは、残りのホスホロアミダイトを順次導入するための脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを含む。この実験では、実施例2と同じ反応器及び手順を使用した。主な違いは、実施例4では規模が小さく(0.18mmol規模に対して0.1mmol規模)、樹脂ロード量が高く(246umol/gに対して299umol/g)、それ故に、樹脂床の高さが実施例2ほど高くなく、短い樹脂床では脱ブロッキング及び脱ブロッキング後の洗浄の時間調整が短いことであった。この実験では、0.3346gのNittophase HL 2’OMeU300樹脂(ロット番号EO5005、ロード量299umol/g)を使用した。mU17、fA18、及びfU22カップリングでは2.5当量のアミダイト(サイクル17、18、及び21)及び12.5当量の活性化剤を使用したが、残りのアミダイトカップリングステップでは全て、実施例2と同様に、2.0当量のアミダイト及び10当量の活性化剤を使用した。実施例1、実施例2、及び実施例3と同様に、大過剰量の洗浄溶媒及びDCA試薬溶液を実施例4に使用した。DCA試薬量を減少させた実施例については実施例7を参照されたく、ACN洗浄量を減少させた実施例については実施例6、8、及び9を参照されたい。表31は、流動床反応器実施例における様々な実施形態のガイドである。
【0190】
【0191】
以下の表8に示す0.1Mアミダイト溶液を調製する。アミダイト固体を秤量してボトルに入れ、ドライパッドを挿入し、その後、ACNを添加して0.1Mの濃度を達成する。実施例4の合成条件を表9に列記している。合成手順は実施例2に記載のものと同じであり、
図3も参照されたい。
【表8】
【表9】
【0192】
最終脱ブロッキングステップでの下降流部分中の樹脂床の高さは12.7cmであり、したがって、樹脂床の高さは実施例2と比較して半分未満であった。実験中の樹脂床にわたる最大圧力降下は、その圧力が液体を樹脂床に押し通すために使用した供給窒素の圧力であるため、15psigである。合成の開始から終了までの樹脂床の高さを表10に示す。
【表10】
【0193】
最終DEA処理後、ACNで洗浄し、窒素を樹脂床に通して下方に吹き込んで乾燥させて、1.1458グラムの乾燥樹脂を得る。これは0.811グラムの重量増加に相当するが、これには全材料の約6%であった試料質量の補正は含まれていない。粗質量増加は8.60g/mmolであり、これは約93%の粗質量収率である。21.9mgの試料に対して0.5mLの濃縮NH4OH溶液を用いて切断及び脱保護反応を55℃で4時間行う。UPLCは、実施例1~5のUPLC結果の表(表13)に示すように、切断されて脱保護されたオリゴヌクレオチド生成物がピーク面積パーセントで純度84.5%であることを示している。LCMS分析により、主生成物のピークが正しいHPRT div22 AS鎖を表すことが確認される。
【0194】
実施例5-Cytiva AKTAオリゴヌクレオチド合成装置との比較
実施例1~4由来の同じHPRT Div22アンチセンス鎖も、NittoPhase HL 2’OMeU250樹脂(246μmol/g、0.603g、148.4μmol)から開始してCytiva AKTA自動オリゴヌクレオチド合成装置で調製し、同じ脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は配列内にP=S結合がある場合は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを順次行う。実施例5の合成条件を表11に列記する。
【表11-1】
【表11-2】
【0195】
合成が完了し、樹脂を乾燥させた後、質量増加を8.64g/mmolと測定し、これは94%の粗質量増加である。粗収率も169OD/umolと測定した。切断及び脱保護時、オリゴヌクレオチド生成物はUPLCにより純度80.28%である。LCMS分析により、主生成物のピークが正しいHPRT div22 AS鎖を表すことが確認される。表13に示すように、オリゴヌクレオチド生成物の粗収率及び純度は、実施例1~4で得た生成物と同等である。しかしながら、Cytiva AKTAシステムでは、樹脂床は静的であり、全ての試薬及び溶媒は「プラグフロー」様式で樹脂床を通る。このシステムの制限は、樹脂床の高さが10cmを超えると、樹脂床全体にわたる圧力降下の増大及び樹脂床内のチャネリングなどの悪影響が生じるような制限である。実施例5では、樹脂床の高さは最大2cmであった。対照的に、本発明は、樹脂床の高さをより高くすることができ(実施例2に記載の実験中の最大床高さは、反応の下方への押し込み部分中、30cmであった)、所与の反応器直径に対してバッチサイズ容量を増加させ、所与の反応器に対して柔軟なバッチサイズを容易にすることができる。
【0196】
HPRT div22アンチセンス鎖の純度分析のためのイオンペアリングUPLC法条件の概要を表12に示す。
【表12】
【表13-1】
【表13-2】
【表13-3】
【0197】
実施例6.51.5umol規模のANGPTL3アンチセンス鎖、サイクル毎に洗浄溶媒を統合
ANGPTL3アンチセンス鎖を、ホスホロアミダイトを順次導入するための脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを含む本発明の流動床法を使用して調製する。サイクル21 MeMOPホスホロアミダイトを添加した後のキャッピングは必要ではない。この実施例では、代替の研究規模合成装置設計を使用する。この新たな設計には、アミダイト及び活性化剤以外の試薬の供給ゾーンはない。複数のヘッドを並列して使用することによりポンプの数が減り、ホスホロアミダイトサイクル毎に溶媒再利用が統合されているため、溶媒洗浄量が削減される。この実験は、51.5umol規模での22merの一本鎖RNA(ANGPTL3アンチセンス鎖)のベースライン合成である。このRNA鎖の配列を
図10に示し、以下のように省略することができ、ここで、*は酸化の代わりにチオール化を示す。
5’MeMOP*fG*fU*fAfUmA fAmCmC fUmUmC mCfAmUmUmUmUmGmA*mG*mG3
【0198】
内径0.63cm、高さ10cmのPFAチューブを反応器として使用した。合成条件の概要を表14に列記する。0.2087gのNittoPhase HL 250 2’OMeG(IBU)樹脂を使用し、0.6287gの最終樹脂質量を得た。したがって、粗質量増加量は0.4200gであった。1mmol規模への正規化により、8.16g/mmolになった。UPLC結果は82.7%のFLPを示した。UPLC及び収率結果を表17に示す。合成規模で正規化した全ODは171OD/umolであった。Cytiva AKTA OP100合成装置による典型的な合成と比較した溶媒の使用量を表15に列記する。実施例1~4と比較して、実施例6では、1mmolあたりのACN洗浄溶媒使用量が著しく少なかった。表31は、流動床反応器実施例における様々な実施形態のガイドである。カート314流動床反応器による合成とAKTA合成装置による合成間の純度、収率、及び不純物プロファイルの比較を表17に示す。合成装置の概略図を
図7に示す。合成装置の自動化手順を表18に記載している。実験中の樹脂床にわたる最大圧力降下は、その圧力が液体を樹脂床に押し通すために使用した供給窒素の圧力であるため、15psigである。
【表14】
【表15】
【0199】
4つの実験を比較のためにAKTA OP100合成装置で実行した。これらを表17に提示する。
【0200】
AKTA OP100で実行した4つの実験に使用した材料及び合成条件を表16に列記する。
【0201】
表16の4つの実験は全て以下を使用した。
●Cytiva AKTA OP100
●Kinnovate NittoPhase HL-2’-OMeG(iBu)250樹脂、ロットG08004、ロード量247umol/g
●脱ブロッキング、ジクロロ酢酸(DCA)のトルエン溶液
●カップリング、酸化、チオール化、キャッピング後の2CV ACN押し込み
●アミダイト当量=2当量
●活性化剤試薬、0.5M 5-(エチルチオ)-1H-テトラゾールのACN溶液
●カップリング時間=10分
●酸化試薬、0.05Mヨウ素のピリジン/水溶液(90/10(v/v))
●酸化当量=4当量
●酸化接触時間=3分
●硫化試薬、0.2M水素化キサンタンのACN/ピリジン溶液(70/30(v/v))
●水素化キサンタン使用量、2CV
●水素化キサンタン=13当量
●硫化接触時間=5.5分
●キャッピング溶液A、1-メチルイミダゾール/ACN(20/80(v/v))
●キャッピング溶液B、B1とB2の1:1混合物
●キャッピング溶液B1、40体積%無水酢酸のACN溶液
●キャッピング溶液B2、60体積%2,6-ルチジンのACN溶液
●50/50(v/v)混合物中のキャッピング溶液Aとキャッピング溶液Bの合計量=2CV
●キャッピング接触時間=0.5分
●DEA、20%ジエチルアミン/ACN溶液(20/80(v/v))
●DEA接触時間=10分
●DEA量=10mL
【表16】
【0202】
表16に列記した各実験において、樹脂結合オリゴヌクレオチドを乾燥させた後、約20mgの樹脂を0.50mLのNH4OH中に懸濁させ、55℃で4時間又は38℃で18時間振盪した。樹脂を濾過し、濾液をUPLCにより分析した(50μLの濾液を1.5mLの水で希釈した)。UPLC純度を表17に示す。
【表17-1】
【表17-2】
【表17-3】
【表17-4】
【表17-5】
【表17-6】
【0203】
表の0.979~0.984RRT領域及び1.006~1.016RRT領域で面積パーセントピークが特定されているため、合成装置間に違いがあると考えられ得るが、クロマトグラムを見ると、実際にはこれらの領域にはっきりと異なるピークはないことがわかる。例えば、流動床反応器実施例には存在しないピークがAKTA実施例では0.979RRTで特定されている。同様に、AKTA実施例には存在しないピークが流動床反応器実施例では0.984RRTで特定されている。しかしながら、
図17のクロマトグラムを調べてみると、これらが主ピーク上の同様の左端のショルーダーであり、特定されたピーク時間が単に自動積分によって線が描かれた場所に依存することがわかる。同様に、1.006RRTと1.016RRTとの間にはベースラインを超える上昇した領域があり、これは自動積分線が描かれる場所に応じて割り当てが異なるが、これは全ての試料において同様の上昇したベースライン領域である。この表から、流動床反応器試料には存在しないピークがAKTA試料では1.006RRTで存在し、AKTA試料には存在しないピークが流動床反応器試料では1.01RRTで存在すると考えられ得るが、
図17のクロマトグラムを見ると、これらのRRT領域では実際には異なる合成装置からの試料間に有意差がないことがわかる。
【表18-1】
【表18-2】
【表18-3】
【表18-4】
【表18-5】
【表18-6】
【表18-7】
【0204】
実施例7.100umol規模のANGPTL3アンチセンス鎖、サイクル毎にDCA試薬を統合
図10に示す同じANGPTL3アンチセンス鎖を、ホスホロアミダイトを順次導入するための脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを含む本発明の流動床法を使用して調製する。実施例7は、全ての実施例の中で最も少ないDCA試薬を実証した。サイクル21 MeMOPホスホロアミダイトを添加した後のキャッピングは必要ではない。この実施例は、実施例1、2、3、4、及び6と比較してより少ない当量のDCAを使用した。表31は、流動床反応器実施例における様々な実施形態のガイドである。DCAの減少に寄与する要因の1つは、各ホスホロアミダイトサイクルで前のホスホロアミダイトサイクルからの酸流出物のきれいな部分が再利用されることである。再利用酸が脱ブロッキングの一部を達成する。加えて、かつ恐らくより重要なことに、再利用酸が前のサイクルの終わりから濡れたビーズ内/上の残留ACNを洗い流し、流動化中に樹脂ビーズを膨張させることである。ACNはDCA脱ブロッキングを妨げることが知られている。前の実施形態は、新鮮なDCA溶液による初期樹脂流動化及びACN排出を達成した。この概念は、この操作段階で新鮮な酸を使用する必要性を避けるために、代わりに再利用酸を使用することである。再利用酸が前のホスホロアミダイトサイクルからの酸流出物のよりきれいな部分であるため、再利用酸にはACNが含まれていない。初期流動化中に樹脂ビーズを膨張させることにより、流動化中に樹脂床が膨張して拡張することが可能になるため、その後に続く脱ブロッキングの下降流部分中のその後の圧力降下が減少する。実験中の樹脂床にわたる最大圧力降下は、その圧力が液体を樹脂床に押し通すために使用した供給窒素の圧力であるため、15psigである。前の実施例と比較した別の違いは、キャッピング溶液量の減少であり、キャッピング溶液A及びキャッピング溶液Bが各々50%減少して1.75mLになり、3つ目の違いは、反応間での大規模な流動化洗浄の除去である。この実施例でのプロセスでは、Cytiva AKTAで典型的に使用される標準量の酸(mL酸/mmol出発樹脂)の29.2%を使用する。酸再利用のための合成装置のセットアップについては、
図8を参照されたい。
【0205】
酸の再利用を、別個の酸再利用供給ボトル及びポンプを使用して達成する。ホスホロアミダイトを導入するための各合成サイクルには、2つの酸脱ブロッキングステップがある。各サイクルの第1の酸ステップでは、酸を酸再利用供給ボトルから反応器に充填する。これを使用する主な理由が、流動中に床を膨張させ、その後、ACNを床から排出することであるため、樹脂床に通してより迅速にポンプ注入する。反応器から出るとき、第1の酸ステップからの酸をポンプ排出して廃棄する。第2の酸ステップでは、新鮮な酸供給ボトルから新鮮な酸を充填する。反応器から出るとき、第2の酸ステップからの酸を次のサイクルで再利用するために酸再利用供給ボトルにポンプで送り返す。このシーケンスの第1のサイクルでは、再利用酸供給ボトルに、第1の酸ステップで使用するのに十分な量の新鮮な酸を充填する。全ての後続のステップでは、再利用酸供給ボトル内の前のサイクルからの酸を再利用する。前のサイクルからの全ての再利用酸が反応器に充填されるようにポンプパラメータを設定する。再利用ボトルを毎回空にすることにより、キャリーオーバーが1サイクルのみに制限され、再利用酸供給ボトル内での蓄積が防止される。
【0206】
この実施例のプロセスを100μmol規模で実行し、最終サイクルの開始時にACN溶媒が湿った状態で樹脂床の高さが11cmに達する。最終脱ブロッキングステップ下降流部分中に、樹脂床の最大高さが12cmに達する。実験中の樹脂床にわたる最大圧力降下は15psigである。反応器は、高さ23cm、直径0.63cmの底部セクションと、高さ25cm、直径4.7cmの円錐形底部の上部セクションとを有する。試薬溶液を実施例6と同じように調製する(水素化キサンタン濃度は0.2Mであった)。全てのポンプ及び供給ラインに呼び水を差す。ドライパックをACNボトル及び全てのシリンジに入れる。アミダイト及び活性化剤にはシリンジポンプを使用し、全ての他の試薬及び溶媒の供給には蠕動ポンプ及び供給容器を使用する。
【0207】
既知の方法を使用してmG(本明細書では「mG樹脂」と称する)をNittoPhase HL 2’OMeG(ibu)250樹脂(ロット番号H08023)にカップリングさせることから開始する。全合成条件を表19に示す。
【表19-1】
【表19-2】
【0208】
最終樹脂結合オリゴヌクレオチド質量は、乾燥した状態で1.220グラムであった。これは、0.817グラムの重量増加又は8.13g/mmolの質量増加に相当する。濃縮NH4OH溶液を用いて切断及び脱保護反応を55℃で5時間行う。UPLCは、実施例6~9のUPLC結果の表に示すように、切断されて脱保護されたオリゴヌクレオチド生成物がピーク面積パーセントで純度79.92%であることを示している。
【0209】
これから
図8の装置を使用するプロセスについて説明する。合成時にホスホロアミダイトを添加するたびに、以下に説明するように、脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は配列内にP=S結合がある場合は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを順次行う。この手順で液体が樹脂床を通って下方にポンプ注入されると記載されている場合、これは、窒素圧が樹脂床の上部を押して液体を下方に押し通している間、反応器の底部の出口にある廃棄ポンプが目標設定値で動作することを意味する。蠕動ポンプの目的は、制御された速度で床を通って流れる液体を計量することである。
【0210】
脱ブロッキング反応:脱ブロッキングプロセスには、再利用脱ブロッキングステップ及び新鮮な脱ブロッキングステップが含まれる。オリゴヌクレオチドの長さの関数として増加した体積と時間を表20に列記する。
【表20】
【0211】
再利用脱ブロッキング:弁808をAに回し、弁807をBに回し、弁824を閉じる。再利用脱ブロッキング溶液の初期量(サイクル1~3では5mL、サイクル4~9では6mL、サイクル10~21では7mL)を酸供給ゾーンに充填し、その後、窒素圧で反応器に6秒間押し込む。各サイクルでの再利用脱ブロッキング溶液量は、前のサイクルでの新鮮な脱ブロッキング溶液量と一致する。弁824を開く。廃棄用の出口弁(
図8の弁809及び弁810)は閉じている。反応器の上部から圧力を15秒間ベントすると同時に弁38を開き、窒素バブリングさせて、樹脂床を試薬溶液で撹拌し、流動化させる。弁854ベント及び弁838を閉じ、弁844を開いて窒素で3秒間押し下げる。弁844を閉じ、これらの流動化ステップを更に4回繰り返す。樹脂の膨張の大半は流動化中に起こる。廃棄用の弁(弁810)を開き、脱ブロッキング溶液をポンプ9で樹脂床に通して10mL/分の速度でポンプ注入する。ポンプ9が出口速度を設定するための計量デバイスとしての役割を果たす一方で、反応器の上部の窒素圧は、液体が下方に流れて反応器の底部から出るための駆動力を供給する。ポンプ9でのポンプ注入と並行して、弁837を開き、ポンプ10を始動させ、2~11mL(サイクルに応じて)の第2の量がポンプ注入されるまで再利用脱ブロッキング溶液を30mL/分で供給する(ポンプ10はポンプ9の前に終了する)。ポンプ10から酸供給ゾーンにポンプ注入される液体が反応器に同時に流れ込み、樹脂床上の液位を維持し、流れをポンプ9の作動時間の全持続時間にわたって維持する。ポンプ9を110~160秒間(実験を通して増加する)連続して作動させて、確実に反応器と弁839との間のチューブ内に再利用酸が残らないようにする。これにより、新鮮な酸がカラムを通って流れ、後続の新鮮な酸の脱ブロッキングステップで再利用酸ボトルにポンプで送り返される前に、廃棄チューブが一掃される。
【0212】
新鮮な脱ブロッキング:弁808をAに回し、弁807をBに回し、弁824を閉じる。5~7mLの新鮮な脱ブロッキング溶液を酸供給ゾーンに充填し、窒素圧で6秒間にわたって反応器に押し込む。弁824を開く。廃棄用の出口弁(弁809及び弁810)は閉じている。廃棄用の弁(弁810)を開き、脱ブロッキング溶液をポンプ9で樹脂床を通って4mL/分でポンプ注入する。ポンプ9注入と並行して、弁814を開き、ポンプ1を塩生させ、2~11mLがポンプ注入されるされるまで脱ブロッキング溶液を30mL/分で供給する(ポンプ1はポンプ9の前に終了する)。ポンプ1から酸供給ゾーンにポンプ注入される液体が反応器に同時に流れ込み、樹脂床上の液位を維持し、流れをポンプ9の作動時間の全持続時間にわたって維持する。追加のポンプ時間を使用して、反応器から再利用酸供給ボトルまでの全てのラインを一掃し、これにより、次のサイクルのその後に続く再利用酸ステップで全量の新鮮な酸を使用することができるようになる。
【0213】
以下のACN洗浄手順を4回行う。廃棄用弁809を開き、ACN(4mL)を供給ゾーンに充填し、その後、弁809を閉じ、窒素圧で反応器に2秒間押し込む。廃棄用の弁(弁810)を開き、洗浄液が樹脂を通過するまでポンプ9で樹脂床に通して10mL/分の速度でACN洗浄液をポンプ注入する。これは、同じ合成装置を使用する実施例1、2、及び4と比較して、ACN洗浄溶媒の大幅な減少である。最初のサイクル中のみ、プラグフロー洗浄ステップ間に追加の流動化洗浄を組み込む。
【0214】
カップリング反応:脱ブロッキング洗浄後、次の連続ホスホロアミダイトをカップリングさせ、3’から5’に連続ステップで導入する。配列内でカップリングした各ホスホロアミダイトについて、配列内のヌクレオチドに対応するアミダイト溶液を使用して、本質的に以下に記載したようにカップリング反応手順を行う。弁808をBに回す。毎回、弁809を閉じた状態で4mLのACNをアミダイト供給ゾーンにポンプ注入することにより、アミダイトゾーン及び反応器への流路を2回予洗浄し、その後、弁810を開き、10mL/分の速度で15秒間ポンピングして廃棄する。最初に活性化剤溶液(2mL、10当量、表1)、その後、適切なアミダイト溶液(2mL、2.0当量)を供給ゾーンにポンプ注入する。弁809を閉じ、弁855、弁824、及び弁838を3秒間開いて、アミダイト溶液及び活性化剤溶液をバブリング窒素と混合する。弁855、弁824、及び弁838を閉じる。弁845を開いて供給ゾーン内の混合物を窒素圧で反応器に6秒間押し込み、その後、弁824を開き、窒素圧を8秒間継続する。アミダイト溶液及び活性化剤溶液を樹脂と混合し、弁824が開いており、かつ弁809が閉じた状態で、以下のように床を連続して流動化させる:反応器の上部に窒素圧を3秒間加える。反応器の上部から圧力を15秒間ベントすると同時に弁838を開き、窒素バブリングさせて、樹脂床を試薬溶液で撹拌し、流動化させる。このプロセスを10分間連続して繰り返し(サイクル16のフルオロアミダイト及びmAの場合、15分間)、その後、弁809を開き、反応器の上部に窒素圧を8秒間加え、反応器の底部から液体を排出して廃棄する。ACN(4mL)をアミダイト供給ゾーンにポンプ注入し、窒素圧で反応器に15秒間押し通す。この洗浄を1回繰り返す。これは、同じ合成装置を使用する実施例1、2、及び4と比較して、ACN洗浄溶媒の大幅な減少である。更に、より大きいバージョンの反応器(実施例8、9、及び10)はスプレーボールを使用し、ACN(mL/mmol)は更に少ない。
【0215】
酸化反応(硫化の代わりに必要な場合):カップリング反応洗浄後、本質的に以下に記載したように酸化反応を行う。弁806、弁807、及び弁808をAに回し、弁824、弁809、及び弁853を開く。酸化溶液(表19、サイクル3及び4では4.2mL、サイクル5~18では5.3mL)を供給ゾーンにポンプ注入し、弁809を閉じ、ヨウ素溶液を窒素圧で反応器に10秒間押し込む。反応器床を以下のように11回流動化させる:反応器の上部を窒素圧で5秒間加圧する。反応器の上部から圧力を15秒間ベントすると同時に弁838を開き、窒素バブリングさせて、樹脂床を試薬溶液で撹拌し、流動化させる。弁810を開き、ポンプ9で5.3mLの液量を30秒間かけてポンプ注入し、その後、弁810を閉じる。弁843及び弁809を開いて、残っている試薬を反応器から押し出す。弁843を閉じ、弁853を開く。
【0216】
以下のACN洗浄手順を4回行う。これは、同じ合成装置を使用する実施例1、2、及び4と比較して、ACN洗浄溶媒の大幅な減少である。廃棄用弁809を開き、ACN(4mL)をヨウ素供給ゾーンに充填し、その後、弁809を閉じ、窒素圧で反応器に2秒間押し込む。廃棄用の弁(弁810)を開き、洗浄液が樹脂を通過するまでポンプ9で樹脂床に通して10mL/分の速度でACN洗浄液をポンプ注入する。
【0217】
硫化(チオール化)反応(酸化の代わりに必要な場合):カップリング反応洗浄後、本質的に以下に記載したようにチオール化反応を行う。弁806をBに回し、弁805、弁807、及び弁808をAに回し、弁824及び弁809を開く。硫化溶液(表19、6.5mL)を供給ゾーンにポンプ注入し、弁809を閉じ、窒素圧で反応器に6秒間押し込む。反応器床を以下のように22回流動化させる:反応器の上部を窒素圧で3秒間加圧する。反応器の上部から圧力を15秒間ベントすると同時に弁838を開き、窒素バブリングさせて、樹脂床を試薬溶液で撹拌し、流動化させる。弁810を開き、ポンプ9で6.5mLの液量を30秒間かけてポンプ注入し、その後、弁810を閉じる。酸化反応について上述のように洗浄するが、ACNは硫化供給ゾーンを通って反応器に入る。
【0218】
キャッピング反応:酸化(又は硫化)反応洗浄後、本質的に以下に記載したようにキャッピング反応を行う。弁805及び弁806をBに回し、弁807及び弁808をAに回す。弁824及び弁809を開く。キャッピング溶液Aとキャッピング溶液B(各々1.75mL)を供給ゾーンに同時にポンプ注入し、その後、弁809を閉じる。液体を窒素圧で反応器に6秒間押し込む。反応器床を以下のように3回流動化させる:反応器の上部を窒素圧で5秒間加圧する。反応器の上部から圧力を15秒間ベントすると同時に弁838を開き、窒素バブリングさせて、樹脂床を試薬溶液で撹拌し、流動化させる。弁810を開き、ポンプ9で3.5mLの液量を35秒間かけてポンプ注入し、その後、弁810を閉じる。酸化反応について上述のように洗浄するが、ACNはキャッピング供給ゾーンを通って反応器に入る。
【0219】
以下のACN洗浄手順を1回行う。廃棄用弁809を開き、ACN(4mL)をキャッピング供給ゾーンに充填し、その後、弁809を閉じ、窒素圧で反応器に2秒間押し込む。廃棄用の弁(弁810)を開き、洗浄液が樹脂を通過するまでポンプ9で樹脂床に通して3mL/分の速度でACN洗浄液をポンプ注入する。
【0220】
まさに最後のサイクルでは硫化ステップを使用し、その後、ACN洗浄を使用する。その後、樹脂をDEA溶液(20%(V/V)ACN溶液)で10分間洗浄する。弁808を開位置(B)に設定し、弁815及び弁824を開く。ポンプ4を使用して9.3mLのDEAを供給ゾーンに充填する。4回流動化させ、その後、弁810を開き、ポンプ9を60秒間オンにし、DEAを8mL/分の速度でポンプ排出して廃棄する。これらのステップを更に3回繰り返し、合計4回のDEA洗浄を行う。アミダイト供給ゾーンを通して4mLのACNで3回洗浄し、続いて12mLのACNで2回流動化洗浄する。
【0221】
本実験にわたる樹脂床の高さは表21に示したとおりである。
【表21】
【0222】
窒素を樹脂床に通して下方に吹き込んで120分間乾燥させる。最終質量は、乾燥樹脂1.220グラムであった。これは、0.817グラムの重量増加又は8.13g/mmolに相当する。OD/umolを表17に列記する。切断及び脱保護を、オリゴヌクレオチドが結合した乾燥樹脂試料22.8mgに行った。これを行うために、樹脂を0.5mLの水酸化アンモニウムとともにUPLCバイアルに添加した。切断及び脱保護のためにバイアルを振盪機上に置いた(55℃で5時間)。割り当てられた時間が経過した後、バイアルを取り除き、室温まで冷却させた。試料をフィルターバスケットの入った1.5mLの遠心分離管に入れ、30秒~1分間遠心分離した。1.5mLのMilli Q水を別のUPLCバイアルに添加し、50uLの試料液体(オリゴヌクレオチドを含む)を添加した。使用済みの樹脂を廃棄した。UPLC管を繰り返し反転させて試料を混合し、その後、UPLCに供した。UPLCは、実施例6~10のUPLC結果及びCytiva AKTAとの比較(表17)に示すように、切断されて脱保護されたオリゴヌクレオチド生成物がピーク面積パーセントで純度79.92%であることを示している。LCMS分析により、主生成物のピークが正しい鎖を表すことが確認された。顕著な切断(面積1%超)が1つのみ観察され、2.02%面積のピークは最終アミダイトMeMOPの不完全なカップリングに対応する。純度及び収率が高いため、これらの結果は、ACN洗浄とそれに続く酸の再利用がキャッピング後の許容される洗浄方法であり、かつ流動化洗浄の除去が実施例2及び実施例4と比較して有害ではないことを示している。使用した新鮮な酸の合計は、前後の供給ボトル質量から計算して263mL、ひいては約2630mL/mmolであった。これは、Cytiva AKTAの典型的な量(典型的には約9000mL/mmol)の29.2%である。
【0223】
実施例8-内径4インチの反応器における10mmol規模でのAngPTL3アンチセンス鎖の調製
AngPTL3の単一アンチセンス鎖をパイロット規模で、流動床反応器内で合成した。(これは
図10に示す配列と同じである)。
5’MeMOP*fG*fU*fAfUmA fAmCmC fUmUmC mCfAmUmUmUmUmGmA*mG*mG3’
【0224】
本発明の流動床法を使用したこの分子の合成を本明細書に記載しており、これは、残りのホスホロアミダイトを順次導入するための脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを含む。この実施例での主な違いの1つは、より大規模(10mmol)で、底部から上部まで同じ直径、内径10.16cm、高さ61cmのより大きい流動床反応器で行われることである。反応器はフィルターフリット平底を有する。このより直径の大きい反応器では、上部に広い漏斗ゾーンがなくても流動化が十分に行われる。反応器の直径が大きいほど、壁の影響が少なくなるため、上部の広い直径セクションなしで固体及び液体を完全に流動化させ、再分布することが容易になる。各反応ステップの開始時の流動化は、典型的には反応器内のスラリーの高さを約2~4cm拡張するのみである。この合成のための装置を
図9に示す。この実施例の別の違いは、脱ブロッキング前の洗浄にトルエンを使用することである。また、実施例6と同様に、実施例8では、ホスホロアミダイトサイクル毎に溶媒再利用が統合されているため、溶媒洗浄量が減少する。脱ブロッキング後のよりきれいな洗浄液を再利用ACN容器にポンプ注入し、次のホスホロアミダイトサイクルで脱ブロッキング後の洗浄の第1の部分に使用する。表31は、流動床反応器実施例における様々な実施形態のガイドである。
【0225】
実験終了までに樹脂床の高さがACN溶媒湿潤状態で5cmに達し、乾燥した状態で4cmに達する。最終脱ブロッキングステップの下降流部分中に、樹脂床の最大高さが6cmに達する。実験中の樹脂床にわたる最大圧力降下は、その圧力が液体を樹脂床に押し通すために使用した供給窒素の圧力であるため、15psigである。実施例6及び実施例7と同様に、2当量のアミダイトをカップリングに使用する。全合成条件を表22に示す。
【表22】
【0226】
既知の方法を使用してmG(本明細書では「mG樹脂」と称する)をNittoPhase HL 2’OMeG(iBu)250樹脂(247μmol/g)にカップリングさせることから開始し、合成装置のセットアップについては
図9を参照されたい。ACNを使用して40.50g(10.0mmol)のmG樹脂をスラリー化し、底部に40ミクロンの焼結メッシュフィルターフリットを備えた内径10.16cmの反応器に入れる。初期樹脂深さは高さ約1cmである。
【0227】
以下のように試薬溶液を調製する。
【0228】
全てのアミダイト溶液をFisherロット番号212215のACNで調製した。以下のようにアミダイトをACN溶媒中に溶解させる。溶解するまで混合する。分子篩ドライパックを密封ボトルに添加する。
【表23】
Cap B1:
無水酢酸:Macron Fine Chemicalsロット番号0000239131
アセトニトリル:Fisherロット番号206496
1657mLの無水酢酸及び2486mLのACNを供給容器に充填した。
Cap B2:
2,6-ルチジン:Acrosロット番号A0428332
アセトニトリル:Fisherロット番号206496
2486mLのルチジン及び1657mLのACNを供給容器に充填した。
Cap A:
1-メチルイミダゾール:Acrosロット番号A0425789
ACN:Fisherロット番号206496
1657mLのイミダゾールを充填した。6628mLのACNを充填した。
0.2M水素化キサンタン硫化溶液:
水素化キサンタン:TCIロット番号QLXKC-RI
ピリジン:Fishersロット番号208059
3775mLのピリジンを充填した。114gのXHをピリジンボトルに充填した。溶解するまで混合する。
酸化溶液:
ヨウ素溶液(0.05M)
Honeywellロット番号EA702-US
10Kgの樽ストックを供給缶に充填した。
活性化剤溶液:
Honeywellロット番号EA952-US
5Kgの樽ストック溶液を供給缶に充填した。
3%DCAのトルエン溶液:
DCA:Supelcoロット番号61069116
トルエン:Superiorロット番号FH11313266
ロット番号1
1.18,201mLのトルエンをカーボイに充填した。
2.563mLのDCAをカーボイに充填した。
3.カーボイを供給缶に充填した。
ロット番号2
1.18,428mLのトルエンをカーボイに充填した。
2.570mLのDCAをカーボイに充填した。
3.カーボイを供給缶に充填した。
ロット番号3
1.18,483mLのトルエンをカーボイに充填した。
2.572mLのDCAをカーボイに充填した。
3.カーボイを供給缶に充填した。
ロット番号4
1.18,575mLのトルエンをカーボイに充填した。
2.575mLのDCAをカーボイに充填した。
3.カーボイを供給缶に充填した。
【0229】
全てのポンプ及び供給ラインに呼び水を差す。不活性化供給缶に入る途中でACNを分子篩の床に通過させた。ACN、トルエン、及びDCAのトルエン溶液を押圧により供給缶から供給し、自動流量制御弁で制御する。全ての他の供給には蠕動ポンプ及び供給容器を使用する。アミダイト溶液は、「AM.1L」とラベル付けし、かつ
図9の弁V901A~V908Aに取り付けられた蠕動ポンプに接続した供給容器に別個に収容されている。MeMOPホスホロアミダイトはAM供給容器のうちの1つを使用した。活性化剤溶液及びDEA溶液は、それぞれ、
図9で「活性化剤 5gal」及び「DEA」とラベル付けした供給容器に収容されている。
【0230】
合成時にホスホロアミダイトを添加するたびに、以下に説明するように、脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は配列内にP=S結合がある場合は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを順次行う。サイクル21 MeMOPホスホロアミダイトを添加した後のキャッピングは必要ではない。
【0231】
カップリング、酸化、硫化、及びキャッピング反応中、指定した反応時間の大半にわたって流動化をオン/オフサイクルで継続させた。流動化をオン/オフサイクルで行う必要はないことに留意されたい。流動化は、押し上げ及び押し下げなしに常にバブリングであり得る。この手順は研究規模の実験からの持ち越しである。研究規模で、小径の反応器では、最初に全ての樹脂ビーズを濡らして流動化させるのに役立つため、流動化中の押し上げ及び押し下げにはいくらかの利点があるが、その後の押し上げ及び押し下げにはそれ以上の利点はない。より大きい直径、例えば、この直径4インチの反応器では、オン/オフサイクルによる押し上げ及び押し下げは必要ではない。
【0232】
脱保護反応中、最初に樹脂床を200~250mLのDCA溶液で流動化させ、その後、流動化することなくプラグフロー反応様式の最後まで脱保護反応を継続させる。供給ゾーンベント弁(V952)が開くと同時に弁956又は弁958(V956、V958)のいずれか及び弁953を開くことにより窒素ガスを底部フィルタースクリーンに通して上方に吹き込むことによって流動化を行う。この手順で液体が樹脂床を通って下方にポンプ注入されると記載されている場合、これは、窒素圧が樹脂床の上部を押して液体を下方に押し通している間、反応器の底部の出口にある廃棄ポンプが目標設定値で動作することを意味する。蠕動ポンプの目的は、制御された速度で床を通って流れる液体を計量することである。
【0233】
トルエン洗浄:トルエン(300mL)を供給ゾーンに充填する。窒素でトルエンを供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。トルエンを反応器に押し込む。樹脂床を2秒間ずつ4回流動化させて液体と固体を完全に接触させ、樹脂ビーズを膨張させ、樹脂床をリセットする。廃棄ポンプを始動させ、弁951で供給ゾーンの上部に窒素圧を加え、これにより、トルエンが樹脂床を通って下方に流れ始め、反応器の底部から出るようになる。更に200mLのトルエンを供給ゾーンに充填し、トルエンが底部からポンプ排出されると同時に反応器の上部に流入する。500mLのトルエンをポンプ排出するのに2分かかるように出口ポンプ速度を設定する。あらゆる残留している洗浄溶媒をフィルター底部から押し出して廃棄する。
【0234】
脱ブロッキング反応:脱ブロッキング溶液(表22、200mL)を供給ゾーンに充填する。窒素で脱ブロッキング溶液を供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。脱ブロッキング溶液を反応器に押し込む。樹脂床を7秒間流動化させて液体と固体を完全に接触させ、樹脂床をリセットする。廃棄ポンプを始動させ、弁951で供給ゾーンの上部に窒素圧を加え、これにより、DCA溶液が樹脂床を通って下方に流れ始め、反応器の底部から出るようになる。同時に追加のDCA溶液を供給ゾーンに充填し、DCA溶液が底部からポンプ排出されると同時に反応器の上部に流入する。脱ブロッキング溶液のポンプ排出は2回目の供給開始の5~30秒前に始まる。この時間は調整可能である。目標は、新鮮な脱ブロッキング溶液が反応器に流入し始めたときに、樹脂床の上での逆混合を少なくするように脱ブロッキング溶液の液面が樹脂床の上部の少し上になるまでポンプ排出することである。出口ポンプ速度を、表22に記載の所望の反応時間内に総ポンプ排出が達成されるように設定する。脱ブロッキング溶液を、供給制御弁が開いているパーセントを設定することによってポンプ排出するのとほぼ同じ速度で反応器に添加する。あらゆる残留している溶液をフィルター底部から押し出して廃棄する。
【0235】
洗浄1:ACN溶媒(200mL)を、酸供給ラインを通して供給ゾーンに充填する。洗浄溶媒を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床反応器に押し込む。溶媒が反応器に入ると、溶媒が反応器の壁に噴霧する。5秒間にわたって1回流動化させる。反応器から押し出して廃棄する。
【0236】
洗浄2、洗浄3、洗浄4、洗浄5:ACN溶媒(200mL)を、ACN再利用缶から溶媒供給ラインを通して供給ゾーンに充填する。洗浄溶媒を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。スプレーコーンを介して溶媒を反応器に押し込むことにより、樹脂床を破壊することなく溶媒を均一に分布させることが可能になる。ACN溶媒を樹脂床に通して300mL/分でポンプ注入する。残留しているACN溶媒を押し出してフィルター底部から廃棄する。同じ洗浄を更に3回繰り返す。
【0237】
洗浄6、洗浄7、洗浄8:新鮮なACN溶媒(200mL)を供給ゾーンに充填する。洗浄溶媒を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。スプレーコーンを介して溶媒を反応器に押し込むことにより、樹脂床を破壊することなく溶媒を均一に分布させることが可能になる。ACN溶媒を樹脂床に通して300mL/分でポンプ注入する。残留しているACN溶媒をフィルター底部から押し出して再利用ACN缶に入れる。同じ洗浄を更に2回繰り返す。
【0238】
洗浄9:ACN溶媒(200mL)を供給ゾーンに充填する。洗浄溶媒を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床反応器に押し込む。溶媒が反応器に入ると、溶媒が反応器の壁に噴霧する。5秒間にわたって1回流動化させる。ACN溶媒をフィルター底部から押し出して再利用ACN缶に入れる。
【0239】
カップリング反応:指定量のアミダイト(200mL)をアミダイト活性化ゾーンにポンプ注入し、窒素で追い込む。活性化剤溶液(200mL)をアミダイト活性化ゾーンにポンプ注入し、窒素で追い込む。窒素をアミダイトゾーンの底部に約2秒間バブリングすることによってこれらの2つを一緒に混合する。この混合物を供給ゾーンに押し込み、その後、反応器に押し込んで、樹脂上でのカップリング反応を開始する。カップリング時間(10分間又は15分間)にわたって約45秒毎に1回、樹脂反応器を断続的に流動化させ、毎回15秒間にわたって樹脂反応器の底部に窒素をバブリングする。全反応時間にわたって断続的ではなく持続的な流動化も許容される。反応時間が経過した後、カップリング溶液をフィルターの底部から押し出して廃棄する。
【0240】
溶媒洗浄:ACN溶媒(200mL)をアミダイト供給チューブに通してアミダイト活性化ゾーンに充填して、あらゆる残留している液滴を入口チューブから追い出し、その後、供給ゾーンに押し込み、その後、樹脂反応器に押し込む。反応器に入るときに溶媒が壁に噴霧する。流動化させることなく反応器に押し通して廃棄する。
【0241】
酸化反応(硫化の代わりに必要な場合):ACN(200mL)をアミダイト活性化剤混合ゾーンに充填し、これにより、酸化反応の終了直後に樹脂を洗浄することができるようになる。溶媒がスプレーボールを通ってアミダイト活性化剤混合ゾーンに入り、全ての壁を洗浄する。0.05Mヨウ素溶液(530mL)を供給ゾーンに充填し、窒素で追い込んで供給チューブを一掃する。溶液を反応器に押し込んで、樹脂上での酸化反応を開始する。酸化時間(約4分間)にわたって約30秒毎に1回、樹脂反応器を断続的に流動化させ、毎回12秒間にわたって樹脂反応器の底部に窒素をバブリングする。全反応時間にわたって断続的ではなく持続的な流動化も許容される。酸化溶液を540mL/分で65秒間にわたって樹脂床に通してポンプ注入し始める。残留している酸化溶液をフィルターの底部から押し出して廃棄する。
【0242】
洗浄1:200mLのACN洗浄溶媒を(アミダイト活性化剤混合ゾーンから)供給ゾーンに押し込み、その後、反応器に押し込んで樹脂を洗浄する。溶媒がコーンスプレーを通って反応器に入り樹脂と接触し、樹脂床の上部に均一に噴霧し、樹脂床を平らに保ち、これにより、プラグフロー洗浄がより効率的になる。ACN溶媒を樹脂床に通して300mL/分でポンプ注入する。残留しているACN溶媒を押し出してフィルター底部から廃棄する。
【0243】
洗浄2:ACN(200mL)を、酸化溶液供給ラインを通して供給ゾーンに充填し、窒素で追い込んで供給チューブを一掃する。溶媒を反応器に押し込む。反応器に入るときに溶媒が壁に噴霧する。ACN溶媒を樹脂床に通して300mL/分でポンプ注入する。残留しているACN溶媒を押し出してフィルター底部から廃棄する。
【0244】
洗浄3、洗浄4、洗浄5:ACN溶媒(200mL)を供給ゾーンに充填する。洗浄溶媒を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。スプレーコーンを介して溶媒を反応器に押し込むことにより、樹脂床を破壊することなく溶媒を均一に分布させることが可能になる。ACN溶媒を樹脂床に通して300mL/分でポンプ注入する。残留しているACN溶媒を押し出してフィルター底部から廃棄する。同じ洗浄を更に2回繰り返す。
【0245】
洗浄6:ACN溶媒(200mL)を供給ゾーンに充填する。洗浄溶媒を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床反応器に押し込む。溶媒が反応器に入ると、溶媒が反応器の壁に噴霧する。5秒間にわたって1回流動化させる。ACN溶媒をフィルターの底部から押し出して廃棄する。
【0246】
硫化(チオール化)反応(酸化の代わりに必要な場合):ACN(200mL)をアミダイト活性化剤混合ゾーンに充填し、これにより、硫化反応の終了直後に樹脂を洗浄することができるようになる。0.2M水素化キサンタン溶液(650mL)を供給ゾーンに充填し、窒素で追い込んで供給チューブを一掃する。溶液を反応器に押し込んで、樹脂上での硫化反応を開始する。酸化時間(約8分間)にわたって約30秒毎に1回、樹脂反応器を断続的に流動化させ、毎回12秒間にわたって樹脂反応器の底部に窒素をバブリングする。全反応時間にわたって断続的ではなく持続的な流動化も許容される。水素化キサンタン溶液を700mL/分のポンプ設定値で60秒間にわたって樹脂床に通してポンプ注入し始める。残留している水素化キサンタン溶液をフィルターの底部から押し出して廃棄する。
【0247】
洗浄1:200mLのACN洗浄溶媒を(アミダイト活性化剤混合ゾーンから)反応器に押し込んで樹脂を洗浄する。溶媒がコーンスプレーを通って反応器に入り樹脂と接触する。ACN溶媒を樹脂床に通して300mL/分でポンプ注入する。残留しているACN溶媒を押し出してフィルター底部から廃棄する。
【0248】
洗浄2:ACN(200mL)を、水素化キサンタン溶液供給ラインを通して供給ゾーンに充填し、窒素で追い込んで供給チューブを一掃する。溶媒を反応器に押し込む。反応器に入るときに溶媒が壁に噴霧する。ACN溶媒を樹脂床に通して300mL/分でポンプ注入する。残留しているACN溶媒を押し出してフィルター底部から廃棄する。
【0249】
洗浄3、洗浄4、洗浄5:ACN溶媒(200mL)を供給ゾーンに充填する。洗浄溶媒を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。スプレーコーンを介して溶媒を反応器に押し込むことにより、樹脂床を破壊することなく溶媒を均一に分布させることが可能になる。ACN溶媒を樹脂床に通して300mL/分でポンプ注入する。残留しているACN溶媒を押し出してフィルター底部から廃棄する。同じ洗浄を更に2回繰り返す。
【0250】
洗浄6:ACN溶媒(200mL)を供給ゾーンに充填する。洗浄溶媒を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床反応器に押し込む。溶媒が反応器に入ると、溶媒が反応器の壁に噴霧する。5秒間にわたって1回流動化させる。ACN溶媒をフィルターの底部から押し出して廃棄する。
【0251】
キャッピング反応:キャッピング溶液A及びキャッピング溶液B(各々350mL)を供給ゾーンに充填し、窒素で追い込んで供給チューブを一掃する。溶液を反応器に押し込んで、樹脂上でのキャッピング反応を開始する。樹脂反応器を2回流動化させ、毎回12秒間にわたって樹脂反応器の底部に窒素をバブリングする。両方の流動化の合計時間は約1分間である。反応溶液を400mL/分で70秒間にわたって樹脂床に通してポンプ注入し始める。残留している反応溶液をフィルターの底部から押し出して廃棄する。
【0252】
洗浄1、洗浄2:ACN(100mL)を、キャッピングA溶液供給ラインを通して供給ゾーンに充填し、窒素で追い込んで供給チューブを一掃し、ACN(100mL)をキャッピングB溶液供給ラインを通して供給ゾーンに充填し、窒素で追い込んで供給チューブを一掃する。溶媒を反応器に押し込む。反応器に入るときに溶媒が壁に噴霧する。ACN溶媒を樹脂床に通して300mL/分でポンプ注入する。残留しているACN溶媒を押し出してフィルター底部から廃棄する。同じ洗浄をもう1回繰り返す。
【0253】
洗浄3、洗浄4:ACN溶媒(200mL)を供給ゾーンに充填する。洗浄溶媒を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。スプレーコーンを介して溶媒を反応器に押し込むことにより、樹脂床を破壊することなく溶媒を均一に分布させることが可能になる。ACN溶媒を樹脂床に通して300mL/分でポンプ注入する。残留しているACN溶媒を押し出してフィルター底部から廃棄する。同じ洗浄をもう1回繰り返す。
【0254】
洗浄5:ACN溶媒(200mL)を供給ゾーンに充填する。洗浄溶媒を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床反応器に押し込む。溶媒が反応器に入ると、溶媒が反応器の壁に噴霧する。5秒間にわたって1回流動化させる。ACN溶媒をフィルターの底部から押し出して廃棄する。
【0255】
タイミング:午前9時22分に開始した典型的な完全なアミダイトサイクルの全タイミングは以下のとおりであった:
午前9時22分 トルエン洗浄流動化を4回行う。
午前9時28分 酸試薬溶液を注入し、1回流動化させる。
午前9時35分 酸試薬溶液を排出する。
午前9時37分 流動化洗浄を行い、溶媒が反応器に入ると壁に噴霧する。
午前9時39分 再利用ACNでプラグフロー洗浄を行い、溶媒がコーンスプレーを通って反応器に入り樹脂と接触する。
午前9時41分 再利用ACNでプラグフロー洗浄を行い、溶媒がコーンスプレーを通って反応器に入り樹脂と接触する。
午前9時43分 再利用ACNでプラグフロー洗浄を行い、溶媒がコーンスプレーを通って反応器に入り樹脂と接触する。
午前9時44分 再利用ACNでプラグフロー洗浄を行い、溶媒がコーンスプレーを通って反応器に入り樹脂と接触する。
午前9時46分 プラグフロー洗浄を行い、溶媒がコーンスプレーを通って反応器に入り樹脂と接触する。
午前9時48分 プラグフロー洗浄を行い、溶媒がコーンスプレーを通って反応器に入り樹脂と接触する。
午前9時50分 プラグフロー洗浄を行い、溶媒がコーンスプレーを通って反応器に入り樹脂と接触する。
午前9時52分 流動化洗浄を行い、溶媒が反応器に入ると壁に噴霧する。
午前9時57分 カップリング試薬溶液を注入する。
午前10時14分 カップリング試薬溶液を排出する。
午前10時16分 プラグフロー洗浄を行い、溶媒が反応器に入ると壁に噴霧する。
午前10時21分 XH試薬溶液を注入する。
午前10時30分 XH試薬溶液を排出する。
午前10時32分 プラグフロー洗浄を行い、溶媒がコーンスプレーを通って反応器に入り樹脂と接触する。
午前10時35分 プラグフロー洗浄を行い、溶媒が反応器に入ると壁に噴霧する。
午前10時37分 プラグフロー洗浄を行い、溶媒がコーンスプレーを通って反応器に入り樹脂と接触する。
午前10時39分 プラグフロー洗浄を行い、溶媒がコーンスプレーを通って反応器に入り樹脂と接触する。
午前10時41分 プラグフロー洗浄を行い、溶媒がコーンスプレーを通って反応器に入り樹脂と接触する。
午前10時43分 流動化洗浄を行い、溶媒が反応器に入ると壁に噴霧する。
午前10時48分 キャッピング試薬溶液を注入する。
午前10時52分 キャッピング試薬溶液を排出する。
午前10時54分 流動化洗浄を行い、溶媒が反応器に入ると壁に噴霧する。
午前10時56分 流動化洗浄を行い、溶媒が反応器に入ると壁に噴霧する。
午前10時59分 プラグフロー洗浄を行い、溶媒がコーンスプレーを通って反応器に入り樹脂と接触する。
午前11時1分 プラグフロー洗浄を行い、溶媒がコーンスプレーを通って反応器に入り樹脂と接触する。
午前11時3分 流動化洗浄を行い、溶媒が反応器に入ると壁に噴霧する。
【0256】
このプロセスを、1日あたり5回、5回、6回、及び5回のアミダイトサイクルで4日間連続して実行した。樹脂を反応器内に一晩保持し、ACN中に浸漬し、毎晩窒素下に置いた。
【0257】
最終サイクル:最終アミダイト(MeMOP)が5’位にDMT保護基を有しないため、最終脱ブロッキングは必要ではない。最終MeMOPカップリング、洗浄、硫化、洗浄が完了した後、DEA溶液で洗浄する。DEA溶液(500mL)を供給ゾーンに充填する。DEA溶液を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。溶液を反応器に押し込む。樹脂床を2回流動化させて液体と固体を完全に接触させ、樹脂床をリセットする。両方の流動化の合計時間は約1分間である。DEA溶液を100mL/分で600秒間にわたって樹脂床に通してポンプ注入し始める。同時に追加のDEA溶液(500mL)を並行して供給ゾーンにポンプ注入し、これにより、ポンプ排出とほぼ同じ速度で反応器の上部に入るようになる。DEA溶液を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。600秒間に合計1Lが樹脂床を通ってポンプ注入される。残留しているDEA溶液をフィルターの底部から押し出して廃棄する。このDEA処理をもう1回繰り返す。
【0258】
洗浄1、洗浄2:ACN溶媒(200mL)を供給ゾーンに充填する。洗浄溶媒を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。スプレーコーンを介して溶媒を反応器に押し込むことにより、樹脂床を破壊することなく溶媒を均一に分布させることが可能になる。ACN溶媒を樹脂床に通して300mL/分でポンプ注入する。残留しているACN溶媒を押し出してフィルター底部から廃棄する。同じ洗浄をもう1回繰り返す。
【0259】
洗浄3:ACN溶媒(200mL)を供給ゾーンに充填する。洗浄溶媒を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床反応器に押し込む。溶媒が反応器に入ると、溶媒が反応器の壁に噴霧する。5秒間にわたって1回流動化させる。ACN溶媒をフィルターの底部から押し出して廃棄する。
【0260】
洗浄4、洗浄5:ACN溶媒(200mL)を供給ゾーンに充填する。洗浄溶媒を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。スプレーコーンを介して溶媒を反応器に押し込むことにより、樹脂床を破壊することなく溶媒を均一に分布させることが可能になる。ACN溶媒を樹脂床に通して300mL/分でポンプ注入する。残留しているACN溶媒を押し出してフィルター底部から廃棄する。同じ洗浄をもう1回繰り返す。
【0261】
洗浄6:ACN溶媒(200mL)を供給ゾーンに充填する。洗浄溶媒を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。溶媒を樹脂床反応器に押し込む。溶媒が反応器に入ると、溶媒が反応器の壁に噴霧する。5秒間にわたって1回流動化させる。ACN溶媒をフィルターの底部から押し出して廃棄する。
【0262】
乾燥:樹脂をスラリー化して反応器から出す。これを実験室用フィルターで濾過する。窒素を樹脂床に通して下方に吹き込んで5~6時間乾燥させる。2.5gの樹脂結合物質を試料として取り出し、これには、反応器から洗浄した2gと、乾燥後のバルクからの0.5gが含まれている。試料を含む粗質量増加は7.99g/mmolであった。
【0263】
樹脂結合粗生成物の約半分に対してバルク切断及び脱保護(C/D)を一度に行う。C/Dを、樹脂を28%水酸化アンモニウム水溶液(30mL/g樹脂)と混合し、かつ密封容器内で38℃まで18~20時間加熱することによって達成した。圧力計、25psig圧力解放安全弁、熱電対、加熱マントル、及び磁気撹拌子を備えた1.85LのAce-thread圧力容器に、保護されたANGPTL3 AS(56.1g、6.798mmol)及び水酸化アンモニウム(28質量%)の水溶液(1.68L、2000g、10000mmol)を充填した。薄いスラリーを密封し、38℃まで加熱しながら一晩撹拌した。
【0264】
38℃で18時間後、火を止め、氷水浴を添加して反応器を室温未満まで冷却した。樹脂を沈降させ、秤量した上清液のアリコートを秤量した量のmill-Q水で希釈した。
アリコートの質量=0.1754g
milli-Q水の質量=20.2768g
【0265】
C/Dが完了したら、バルク反応混合物の後処理に進む。
【0266】
バルク溶液を濾過して、使用済みの樹脂を除去する。使用済みの樹脂を150mLのEtOH:H2O(1:1)で3回洗浄する。濾液と洗浄液を合わせ、ロータリーエバポレーター(40℃浴)で濃縮して、アンモニアの大半を除去する。残り半分の樹脂結合物質にも同じ手順を繰り返す。UPLC結果は、最初の半分の試料で75.3%のFLPを示し、最初の半分の試料で78.9%のFLPを示した。詳細を、表17、実施例6~10のUPLC結果及びCytiva AKTAとの比較で見ることができる。表23に記録したように、OD/umolを決定した。純度補正後の粗収率は、物質の最初の半分で約58%であり、残りの半分で62%であった。比較すると、先の1kg cGMPキャンペーンでは純度補正後の粗収率は57%であった。
【表24】
【0267】
この物質をクロマトグラフィー精製により前処理したが、これは本明細書の範囲を超えたものである。
【0268】
実施例9:インプロセス統合マルチパス洗浄を備えたパイロット規模流動床合成装置。
AngPTL3の同じアンチセンス鎖(
図10)を、実施例8の流動床反応器システムの修正バージョンで合成した。
5’MeMOP*fG*fU*fAfUmA fAmCmC fUmUmC mCfAmUmUmUmUmGmA*mG*mG3’
【0269】
本発明の流動床法を使用したこの分子の合成を本明細書に記載しており、これは、残りのホスホロアミダイトを順次導入するための脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを含む。実施例8と実施例9の主な違いは、このシステムを、インプロセス統合マルチパス洗浄を含むように修正し、かつサイクル2~9(ホスホロアミダイト3~10)にキャッピングがなかったことである。サイクル21 MeMOPホスホロアミダイトを添加した後のキャッピングは必要ではない。
【0270】
実験終了までに樹脂床の高さがアセトニトリル溶媒湿潤状態で5cm、乾燥した状態で4cmに達する。最終脱ブロッキングステップの下降流部分中に、樹脂床の最大高さが6cmに達する。実験中の樹脂床にわたる最大圧力降下は、その圧力が液体を樹脂床に押し通すために使用した供給窒素の圧力であるため、15psigである。実施例6、実施例7、及び実施例8と同様に、2当量のアミダイトをカップリングに使用する。全合成条件を表24に示す。合成の開始から終了までの脱ブロッキング時間及び新鮮なDCA溶液量を表25に示す。
【表25】
【0271】
アミダイト溶液調製に使用したACNのKF:56ppm水
【表26】
【0272】
実施例9で使用した試薬及びロット番号を表26に示す。
【表27】
【0273】
全てのアミダイト溶液をFisherロット番号212215のACNで調製した。以下のようにアミダイトをACN溶媒中に溶解させる。溶解するまで混合する。分子篩ドライパックを密封ボトルに添加する。
使用したACNロット:EMDロット番号52261、EMDロット番号52261、Fisherロット番号214141
【表28】
【0274】
アミダイト分子量は以下のとおりであった。
mA DMT-2’-O-MeA(bz)ホスホロアミダイト、分子量887.97
mC DMT-2’-O-MeC(Ac)ホスホロアミダイト、分子量801.87
mG DMT-2’-O-MeG(iBu)ホスホロアミダイト、分子量869.95
mU DMT-2’-O-MeU-CEホスホロアミダイト、分子量760.82
fA DMT-2’-F-dA(bz)ホスホロアミダイト、分子量875.93
fC DMT-2’-F-dC(Ac)ホスホロアミダイト、分子量789.84
fG DMT-2’-F-dG(iBu)ホスホロアミダイト、分子量857.9
fU DMT-2’-F-dU-CEホスホロアミダイト、分子量748.8
MeMOP、分子量556.5
【0275】
以下のように試薬溶液を調製する。
Cap B1:
無水酢酸:Macron Fine Chemicalsロット番号0000239131
アセトニトリル:Fisherロット番号214141
481mLの無水酢酸及び722mLのACNをボトルに充填する。
Cap B2:
2,6-ルチジン:Acrosロット番号A0428332
アセトニトリル:EMDロット番号52261
722mLのルチジン及び481mLのACNをボトルに充填する。
Cap A:
1-メチルイミダゾール:Alfa Aesarロット番号5009J24W
アセトニトリル:Fisherロット番号214141
481mLのイミダゾールを充填する。1924mLのACNを充填する。
0.2M水素化キサンタン硫化溶液:
水素化キサンタン:TCIロット番号QLXKC-LI
ピリジン:Fishersロット番号208059
3775mLのピリジンを充填する。114gのXHをピリジンボトルに充填する。溶解するまで混合する。
酸化溶液:
ヨウ素溶液(0.05M)
Honeywellロット番号EA702-US
約9kgの樽ストックを供給缶に充填した。
活性化剤溶液:
Honeywellロット番号EA713-US
約5kgの樽崇徳溶液を供給缶に充填する。
20%DEAのアセトニトリル溶液:
DEA:Sigma-Aldrichロット番号STBJ5069
アセトニトリル:Fisherロット番号214141
400mLのDEAをボトルに充填する。1600mLのACNをボトルに充填する。
3%DCAのトルエン溶液:
DCA:Sigma Aldritchロット番号MKCQ92
トルエン:Superiorロット番号HX11315122
ロット番号1
1.19,240mLのトルエンをカーボイに充填した。
2.595mLのDCAをカーボイに充填した。
3.カーボイを供給缶に充填した。
ロット番号2
1.20,311mLのトルエンをカーボイに充填した。
2.628mLのDCAをカーボイに充填した。
3.カーボイを供給缶に充填した。
ロット番号3
1.12,272mLのトルエンをカーボイに充填した。
2.380mLのDCAをカーボイに充填した。
3.カーボイを供給缶に充填した。
【0276】
既知の方法を使用してmG(本明細書では「mG樹脂」と称する)をNittoPhase HL 2’OMeG(iBu)250樹脂(249μmol/g)にカップリングさせることから開始し、合成装置のセットアップについては
図11を参照されたい。ACNを使用して40.40g(10.06mmol)のmG樹脂をスラリー化し、底部に40ミクロンの焼結メッシュフィルターフリットを備えた内径10.16cmの反応器に入れる。初期樹脂深さは高さ約1cmである。
【0277】
全てのポンプ及び供給ラインに呼び水を差す。ACNを不活性化供給缶に入る途中で分子篩の床に通過させる。ACN及びDCAのトルエン溶液を押圧により供給缶から供給し、自動流量制御弁で制御する。全ての他の供給には蠕動ポンプ及び供給容器を使用する。アミダイト溶液は、「AM.1L」とラベル付けし、かつ
図11の弁V1101A~V1108Aに取り付けられた蠕動ポンプに接続した供給容器に別個に収容されている。MeMOPホスホロアミダイトはAM供給容器のうちの1つを使用した。活性化剤溶液及びDEA溶液は、それぞれ、
図11で「活性化剤 5gal」及び「DEA 1L」とラベル付けした供給容器に収容されている。
【0278】
合成時にホスホロアミダイトを添加するたびに、以下に説明するように、脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は配列内にP=S結合がある場合は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを順次行う。サイクル2~9(ヌクレオシド3~10)にはキャッピングはない。サイクル21 MeMOPを添加した後のキャッピングは必要ではない。
【0279】
カップリング、酸化、硫化、及びキャッピング反応中、指定した反応時間の大半にわたって流動化をオン/オフサイクルで継続させた。流動化をオン/オフサイクルで行う必要はないことに留意されたい。流動化は、押し上げ及び押し下げなしに常にバブリングであり得る。この手順は研究規模の実験からの持ち越しである。研究規模で、小径の反応器では、最初に全ての樹脂ビーズを濡らして流動化させるのに役立つため、流動化中の押し上げ及び押し下げにはいくらかの利点があるが、その後の押し上げ及び押し下げにはそれ以上の利点はない。より大きい直径、例えば、この直径4インチの反応器では、オン/オフサイクルによる押し上げ及び押し下げは必要ではない。
【0280】
先の実施例と同様に、供給ゾーンのベント弁(
図11のV1152)が開くと同時に弁1156又は弁1158(
図11のV1156、V1158)を開くことにより窒素ガスを底部フィルタースクリーンに通して上方に吹き込むことによって流動化を行う。
【0281】
この手順を通して、
図11、
図12、及び
図13を参照されたい。最初に、A~Fの6つ全ての再利用ボトル及びA2~C2の3つ全ての再利用ボトルに約400mLのACNを手動で充填する。
【0282】
この手順で液体が樹脂床を通って下方にポンプ注入されると記載されている場合、これは、窒素圧が樹脂床の上部を押して液体を下方に押し通している間、反応器の底部の出口にある廃棄ポンプが目標設定値で動作することを意味する。蠕動ポンプの目的は、制御された速度で床を通って流れる液体を計量することである。
【0283】
脱ブロッキング:
最初に、前のステップからの再利用酸を使用して樹脂を流動化させ、樹脂床を膨張させ、ACN溶媒を洗い流す。このステップを最初のアミダイトサイクルで新鮮なDCA/トルエン溶液を使用して行ったが、その後、残りのアミダイトでは再利用DCA/トルエン溶液を使用して行った。弁1125Aを再利用酸に向けて設定し、弁1125Fを開き、ベント弁1152を開き、FCV1を開いて、再利用酸の第1の分量(250mL)を充填する。コントローラーは供給缶のバランスウェイトを使用して正しい質量を測定する。FCV1を閉じ、窒素弁1125Bを開いて、窒素で供給ラインを供給ゾーンに追い込み、窒素弁1125Bを閉じる。ベント弁1152を閉じ、窒素弁1151を開き、スプレーコーンを通して酸溶液を反応器に押し込む。窒素弁1151を閉じ、ベント弁1152を開き、弁1153を開き、計量窒素弁1156を開く。これにより、反応器の底部に窒素が吹き込まれて、酸溶液でユーザー設定時間(20秒間)にわたって樹脂が流動化する。計量窒素弁1156、弁1153、ベント弁1152を閉じ、窒素弁1151を開いて押し下げる。流動化が完了した後、弁1159を開き、ポンプ1159を始動させ、弁1154を弁1160に向け、弁1160を弁1157に向け、弁1157を廃棄に向ける。弁1125Fを開き、FCV1を開く。これにより、再利用酸が底部からポンプ排出されると同時に供給ゾーンを通って反応器内に押し出される。再利用酸缶の中身を完全に空にする。量は、サイクル1の約1150mLからサイクル21の2600mLの範囲であった。表25を参照されたい。サイクル1の新鮮な酸の量は、サイクル2の再利用酸の量になったといった具合である。したがって、サイクル2の第2の充填再利用酸の量は、最初の流動化部分に250mLを使用したため、1400mLから250mLを引いた量であった。このステップでは、全てのACN溶媒を樹脂から完全に洗い流して廃棄する。全ての再利用酸が容器から空になったら、FCV1を閉じる。窒素弁1125Bを開くことにより窒素で供給ラインを供給ゾーンに追い込む。全ての再利用酸をポンプ排出して廃棄する。廃棄までの総ポンプ排出時間は、サイクル1の約3分からサイク21の4分の範囲であり、体積がサイクル毎に徐々に増加したため、徐々に増加した。
【0284】
弁1125Aを新鮮な酸源に向け、弁1125Fを開き、ベント弁1152を開き、FCV1を開いて、指定した質量の新鮮な酸を充填することにより、新鮮な酸の第1の分量(150mL)を供給ゾーンに充填する。コントローラーは供給缶のバランスウェイトを使用して正しい質量を送達する。ベント弁1152を閉じ、窒素弁1151を開き、スプレーコーンを通して酸を反応器内に押し込んで、樹脂床の上部に均一に噴霧し、樹脂床を平らに保つ。弁1159を開き、弁1154を弁1160に向けて開き、弁1160を弁1157に向けて開き、弁1157を再利用酸缶に向けて開き、ポンプ1159を始動させる。脱ブロッキング溶液のポンプ排出は2回目の供給開始の5~30秒前に始まる。この時間は調整可能である。目標は、新鮮な脱ブロッキング溶液が反応器に流入し始めたときに、樹脂床の上での逆混合を最小限に抑えるように脱ブロッキング溶液の液面が樹脂床の上部の少し上になるまでポンプ排出することである。出口ポンプ速度を、表25に記載の所望の反応時間内に総ポンプ排出が達成されるように設定する。脱ブロッキング溶液を、供給制御弁1が開いているパーセントを設定することによってポンプ排出するのとほぼ同じ速度で反応器に添加する。弁1125Fを開き、窒素弁1125Bを開き、FCV1をポンプ1159の流れとバランスのとれた値に開くことにより、酸溶液を反応器の底部からポンプ排出すると同時に酸溶液を反応器の上部に供給し、これにより、酸が樹脂プラグフローを流れている間、樹脂床の上部の酸の液面が維持されるようになる。FCV1は、ユーザー指定の総酸質量に達すると閉じる。最初の充填に使用した150mLを含む充填した酸の総量を表25にサイクル別に列記する。例えば、サイクル1の総酸量は1400mLであり、最初の充填での150mLと2回目の充填での1250mLからなった。量は各サイクルで直線的に増加し、サイクル21までに2830mLに達した。ポンプ排出時間の終了時に、弁1153及び弁1155を開き、供給ゾーンへの窒素供給を閉じる。これにより、供給ゾーン内の圧力がユーザー設定値未満に降下する(例えば、圧力が15psigから9psigに降下する)まで残留している酸が再利用酸缶に押し出され、このシーケンスにおいて自動化が次のステップに進む前に反応器が空になったことを確認する。
【0285】
脱ブロッキング後のインプロセス統合マルチパス洗浄
酸供給後のインプロセス統合マルチパス洗浄の第1のステップは、ボトルAの溶媒を使用して樹脂を洗浄し、押し出して廃棄することある。次のステップでは、ボトルBの溶媒を使用して樹脂に通してポンプ注入し、ポンプで送り返してボトルAを再充填する。その後、ボトルCの溶媒で反応器内の樹脂を洗浄し、ポンプ排出してボトルBを再充填するといった具合である。
図11及び
図12を参照されたい。全体として、実験の洗浄スケジュールを表27に詳述する。表中の「w2」は、脱ブロッキング後の第2の洗浄部分である。これが樹脂床を通って洗浄し、反応器の底部からポンプ排出されてボトルAに入る。表に示すように、「w2」はサイクル2の脱ブロッキング後の第1の洗浄部分になる。表に列記したように、「w3」はサイクル1の脱ブロッキング後の第3の洗浄部分であり、これがサイクル2の脱ブロッキング後の第2の洗浄部分になり、その後、これがサイクル3の脱ブロッキング後の第1の洗浄部分になるといった具合である。第7の洗浄部分は3つの部分、例えば、表のサイクル1のw7a、w7b、及びw7cに分割される。3つ全てが反応器を通ってポンプ注入され、個別にボトルFに戻され、これにより、一緒にプールした混合した溶媒がサイクル2の第6の洗浄部分になるといった具合である。
【表29】
【0286】
弁12201A(供給ゾーンへの)、並びに窒素供給弁12201B及び窒素供給弁12201C(
図12)は、同じアクチュエーター空気ラインを共有し、それ故に、弁12201が開くと、ボトルから供給ゾーンに押し込まれる。同様に、弁12200A(反応器からの戻り)及びベント弁番号12200Bは、同じアクチュエーター空気ラインを共有し、それ故に、弁12200が開くと、指定したボトルが反応器から使用済み洗浄溶媒を受け取る。
【0287】
最初にベント弁1152を開き、弁11201を開き、弁11202を開く。窒素がボトルAの内容物を供給ゾーンに押し込む。ボトルAが完全に空になる。自動化システムは、ベント弁1152を閉じ、かつ供給ゾーン内の圧力がユーザー指定値まで上昇するまで待つことにより、ボトルAが完全に空になったことを認識し、これは、全ての溶媒がボトルAから供給ゾーンに移送され、窒素で供給ゾーンに追い込まれることを意味する。窒素弁1151を開き、弁1145をスプレーコーンに向けることにより溶媒を供給ゾーンからスプレーコーンを通して反応器に押し込んで、樹脂床の上部に均一に噴霧し、樹脂床を平らに保ち、これにより、洗浄がより効率的になる。弁1159を開き、弁1154を1160に向けて開き、弁1160を1157に向けて開き、弁1157を廃棄に向けて開く。ポンプ1159をオンにし、洗浄液を樹脂床に通してポンプ排出して廃棄する。ポンプ排出時間の終了時に、弁1151を閉じ、弁1153を開き、弁1155を開いて、ゾーン内の圧力がユーザー指定値未満になる(例えば、圧力が15psigから9psigに降下する)まで残留している洗浄液を押し出して廃棄する。これにより、確実に全ての液体が反応器から押し出されて廃棄されるようになる。同様に、同時にポンプ1159を作動させ、これにより、全ての液体がポンプから除去されて廃棄されるようになる。廃棄されるのはボトルA~ボトルFの洗浄のみである。これにより、トルエン及び酸の大部分が樹脂から除去され、押し出されて廃棄される。残りの洗浄はボトルA~ボトルEに戻される。この記載の手順では、ボトルBから溶媒を取り出し、その溶媒を反応器に通して押し込み、その後、ボトルAに戻す手順を説明し、残りは同様である。ベント弁1152、弁11201、弁11203を開き、ボトルが空になるまで洗浄溶媒をボトルBから供給ゾーンに押し込む。これは、ベント弁1152を閉じ、供給ゾーン内の圧力がユーザー設定値(9psig)超まで上昇するまで待つことによって自動システムにより確認され、これは、全ての液体が移送され、窒素で追い込まれることを示す。弁11201及び弁11203を閉じ、窒素弁1151を開き、弁1145をスプレーコーンに向け、洗浄溶媒を供給ゾーンからスプレーコーンに通して反応器に押し込んで樹脂の上部に押し出し、樹脂の上部に均一に噴霧し、樹脂床を平らに保つ。弁1159を開き、弁1154を弁11200に向け、弁11200を開き、弁11202を開く。ポンプ1159をオンにし、これにより、溶媒が樹脂床を洗浄してボトルAに戻るようになる。ユーザー指定のポンプ時間の終了時に、弁1153及び弁1155を開き、窒素弁1151を閉じ、供給ゾーン内の圧力がユーザー設定値未満になる(15psigから9psigに降下する)まで待つ。これにより、全ての溶媒が反応器を通ってボトルAに移送されるようになる。この手順を繰り返して、ボトルC内の溶媒を使用して樹脂床を洗浄し、この溶媒をボトルBに戻し、その後、ボトルDからボトルCに戻すといった具合である。ユーザーは、洗浄のうちのいずれかを流動化させるかを指定する選択肢を有する。ユーザーが洗浄のうちの1つを流動化させることを選択した場合、洗浄液を反応器に移送した後であり、かつポンプ1159を始動させる前に、弁1152を開いた状態で反応器の底部から窒素が上方に吹き込まれる。この実験では、インプロセス統合マルチパス洗浄のいずれも流動化させなかった。ユーザーは、本システムのこれらの洗浄のうちのどの洗浄が酸供給ラインへの自動追い込みを行うかを指定する選択肢と、本システムのこれらの洗浄のうちのどの洗浄が供給ゾーン壁及び反応器壁の自動洗浄を行うかを指定する選択肢を有する。例えば、ユーザーが第2の洗浄中に供給ラインへの追い込み洗浄を行うことを選択したとする。この場合、ボトルBからの洗浄溶媒が供給ゾーンから反応器に押し込まれた後、本システムが供給ラインに追い込むことができるように反応器にポンプ注入される前にそこに留まって待機する。これは、弁1125Cを開き、ポンプ番号1130を使用して、指定量のACN(50mL)溶媒を酸供給ラインに通して供給ゾーンにポンプ注入することによって行われる。弁1125Cを閉じ、窒素弁1125Bを開くことにより、溶媒が前方に追い込まれる。その後、窒素弁1151を開くことによって、追い込まれた溶媒が供給ゾーンから反応器に押し込まれる。その後、上述のように、反応器内で混合した溶媒が樹脂を通ってポンプ排出され、送り先ボトルAに入る。また、例えば、ユーザーがボトルFからのACN溶媒洗浄中に反応器壁の洗浄を行うように指定したとする。この場合、ボトルFからの溶媒が反応器に押し込まれた後、溶媒は、樹脂を通って押し込まれる前にそこに留まり、反応器壁の洗浄が行われるまで待機する。反応器壁の洗浄を以下のように行う。指定した質量(50mL)が壁を洗浄するスプレーボールを通って供給ゾーンに押し込まれるまで、ベント弁1152を開き、弁1130Bを開き、FCV2を開く。充填中に弁1130Bを開き、これは、スプレーボールがこの規模でより効果的に機能するのに役立ち、弁1130Bを通る窒素も溶媒を供給ゾーンに追い込むためである。その後、FCV2を閉じ、弁1130Bを閉じ、ベント弁1152を閉じ、窒素弁1151を開き、弁1145を反応器内への壁噴霧デバイスに向ける。この手順をもう1回繰り返して、供給ゾーンの壁にもう1回噴霧し、反応器の壁にもう1回噴霧する。ここで、ボトルF及び両方の反応器壁洗浄からの混合洗浄溶媒は、上述のように、ポンプ1159を介して反応器内の樹脂を通ってボトル番号Eにポンプで送り返される。これらの向流洗浄の終了時に、ボトルFは空になる。
【0288】
脱ブロッキング後のプラグフロー洗浄:
次のステップでは、反応器内の樹脂を新鮮なACN溶媒で洗浄し、反応器からボトルFにポンプ注入する。これは、プラグフロー洗浄プログラムを使用し、かつ送り先をボトルFとして指定することによって行われる。プラグフロー洗浄プログラムでユーザーが選択することができる送り先は3つあり、ボトルF、ボトルC2、又は廃棄である。プラグフロー洗浄は以下のように達成される。指定したACN溶媒質量(150mL)が壁を洗浄するスプレーボールを通って供給ゾーンに押し込まれるまで、ベント弁1152を開き、弁1130Bを開き、FCV2を開く。充填中に弁1130Bを開き、これは、スプレーボールがこの規模でより効果的に機能するのに役立ち、弁1130Bを通る窒素が溶媒を供給ゾーンに追い込むためである。その後、FCV2を閉じ、弁1130Bを閉じ、ベント弁1152を閉じ、窒素弁1151を開き、弁1145を反応器内へのスプレーコーンに向けて、樹脂床の上部に均一に噴霧し、樹脂床を平らに保つ。その後、弁1159を開いてポンプ1159を始動させ、かつ送り先(ボトルF、ボトルC2、又は廃棄)に応じて下流弁V1154、V1160、V1157、V11200、V11300を適所に設定することによって、洗浄溶媒が樹脂床を通ってポンプ注入される。この場合、送り先はボトルFである。このステップを更に2回実行し、合計3回の150mLプラグフロー洗浄液を反応器からボトルFに流し込む。
【0289】
サイクル番号7までに、ボトルAからの向流洗浄には約600mLが含まれていた(3つのプラグフロー洗浄ステップで450mLの新鮮なACN、反応器壁洗浄で100mL、供給ライン追い込み洗浄で50mL)。ボトルBからの2回目の洗浄と50mLの追い込み洗浄には600mLが含まれていた。ボトルC、ボトルD、ボトルE、ボトルFからの3回目から6回目の洗浄液は550mLであった(反応器壁洗浄100mLとボトルFからの450mLとの合計)。脱ブロッキング後の全ての洗浄で樹脂を通って流れる洗浄溶媒の総量は約4Lであった。しかしながら、600mLの新鮮なACNのみ本システムに充填した。残りはボトルA~Fの再利用ACNであった。このインプロセス統合マルチパス洗浄戦略(表27)により、洗浄がより効率的になる。サイクル1からサイクル21までこの実行を通して試料を最終洗浄から採取し、NMRで測定した全ての試料は99.9%超ACNであった。Cytiva AKTA合成装置も洗浄終了時に99.9%ACN溶媒を達成するが、同じ洗浄終点を達成するには1mmolあたり7倍多くの洗浄溶媒が必要である。反応器をその流体で洗浄することにより効率が向上し、これにより、充填床反応器内での溶媒洗浄よりも優れたものになる理由がいくつか存在する。(1)洗浄開始前に試薬が排出されるため、排出後に樹脂が保持する液体に加えて、前の液体との大量の液体逆混合が排除される。(2)樹脂床が反応中に流動化され、これにより、洗浄開始時に平らになり、チャネルがない状態になる。(3)反応器が完全に液体で満たされていないため、重力により溶媒が樹脂床の上部に完全に半径方向に分布するようになる。(4)洗浄が複数のより小規模な洗浄充填に分割され、これにより、逆混合の少ないより多くのプラグフローが可能になる。(5)インプロセス統合マルチパス洗浄により、洗浄溶媒をはるかにより効率的に使用することができるようになる。毎回の反応後に「最も汚れた」洗浄溶媒のみが本システムから出て廃棄され、新しいきれいな溶媒供給のみが最終洗浄区分に必要とされる。
【0290】
カップリング:
カップリングステップでは、ホスホロアミダイト及び活性化剤をアミダイトゾーンにポンプ注入し、それらをゾーン内で混合し、カップリング溶液を供給ゾーンに押し込み、その後、反応器に押し込み、ユーザー指定時間、例えば、10分間にわたって反応器内でカップリング溶液を流動化させ、その後、反応溶液を反応器から押し出し、これにより、完全に排出されて廃棄されるようになる。より具体的には、指定したアミダイト(200mL)をアミダイト活性化ゾーンにポンプ注入し、窒素で追い込む。活性化剤溶液(200mL)をアミダイト活性化ゾーンにポンプ注入し、窒素で追い込む。混合し、この混合物を供給ゾーンに押し込み、その後、反応器に押し込んで、樹脂上でのカップリング反応を開始する。カップリング時間(10分間又は15分間)にわたって約45秒毎に1回、樹脂反応器を断続的に流動化させ、毎回15秒間にわたって樹脂反応器の底部に窒素をバブリングする。例えば、アミダイト番号4を使用している場合、自動化により以下が行われる。ベント弁1142を開き、弁1104Aを開き、ポンプ番号1104をオンにする。ユーザー指定の質量(200mL)をポンプ注入する。本制御システムは、正しい量を測定するために、供給容器計量器上で質量の変化を監視している。ポンプ送り込みの終了時に、弁1104A閉じ、弁1104Bを開いて、アミダイト供給溶液を窒素でアミダイトゾーンに追い込む。活性化剤の場合も同じことを行う。ベント弁1142を開き、弁1120Aを開き、ポンプ1120をオンにして、ユーザー指定質量(200mL)を充填し、その後、弁1120Aを閉じ、弁1120Bを開いて、窒素でアミダイトゾーンに前方に追い込む。弁1143を開いて窒素を供給ゾーンからアミダイトゾーンに後方に吹き込み、アミダイト中に活性化剤を混合する。弁1141を開き、弁1143を開き、ベント弁1142を閉じ、ベント弁1152を開くことにより、カップリング溶液を供給ゾーンに押し込む。ベント弁1152を閉じ、弁1143を閉じ、窒素弁1151を開くことにより、カップリング溶液を供給ゾーンから反応器に押し込む。弁1145をスプレーコーンに向ける。ベント弁1152を開き、弁1153を開き、弁1158を開き、窒素を反応器の底部にバブリングして供給ゾーンのベントから出すことにより、バッチ反応を完全に混合する。交互に押し下げて液体を樹脂に押し込み、その後、ユーザー指定の周波数で窒素を上方に吹き込んでその流体を樹脂から出す。全反応時間にわたって断続的ではなく持続的な流動化も許容される。押し下げたときに、ベント弁1152が閉じ、窒素弁1151が開き、弁1153が閉じる。押し上げたときに、弁は反対の位置にあり、これにより、窒素が反応器の底部に流れ、ベントから排出されるようになる。カップリングの終了時に、押し出されて廃棄される。これは、本システムが弁1152を閉じ、窒素弁1151を開き、弁1153を開き、弁1155を開くことを意味する。弁1154を弁1160に向け、弁1160を弁1157に向け、弁1157を廃棄に向ける。その後、弁1104Aを開き、蠕動ポンプ番号1104を約1mL分だけ逆方向に起動させてデッドレグから試薬溶液を除去し、異なるサイクル中にアミダイト4がアミダイトゾーンに滴下する可能性を最小限に抑える。
【0291】
カップリング後の追い込み供給ライン洗浄:
これは、アミダイト弁1104を使用した実施例の続きである。弁1104Cを開き、ベント弁1142を開き、ポンプ1130を用いてユーザー指定量のACN溶媒(100mL)をポンプ注入する。その後、弁1104Cを閉じ、弁1104Bを開いて、溶媒を窒素でアミダイトゾーンに追い込む。ベント弁1142を閉じ、弁1141を開き、弁1143を開き、ベント弁1152を開き、追い込んだ洗浄溶媒を供給ゾーンに押し込む。その後、追い込んだ洗浄液を、スプレーコーンを通して反応器に押し込み、弁1143及び弁1152を閉じ、弁1151を開き、かつ洗浄溶媒を反応器の底部からポンプ排出して廃棄することによって反応器を加圧する。
【0292】
酸化:(硫化の代わりに必要な場合):
0.05Mヨウ素溶液(530mL)を供給ゾーンに充填し、窒素で追い込んで供給チューブを一掃する。溶液を反応器に押し込んで、樹脂上での酸化反応を開始する。酸化時間(約4分間)にわたって約30秒毎に1回、樹脂反応器を断続的に流動化させ、毎回12秒間にわたって樹脂反応器の底部に窒素をバブリングする。全反応時間にわたって断続的ではなく持続的な流動化も許容される。酸化溶液を540mL/分で65秒間にわたって樹脂床に通してポンプ注入し始める。残留している酸化溶液をフィルターの底部から押し出して廃棄する。より具体的には、ベント弁1152を開き、弁1123Aを開き、かつユーザー指定のヨウ素溶液質量に達するまでポンプ1123で注入することによってヨウ素溶液を供給ゾーンに充填する。本制御システムは、ヨウ素供給容器のバランスウェイトを使用して、正しい量を送達する。正しいヨウ素送達質量に達した後、弁1123Aを閉じ、弁1123Bを開き、これにより、窒素がヨウ素を供給ラインから供給ゾーンに追い込むようになる。ベント弁1152を閉じ、窒素弁1151を開き、弁1145をスプレーコーンに向け、ユーザー指定時間(約10秒間)待機してヨウ素を供給ゾーンから樹脂の上部の反応器に押し込む。弁1159を開き、ヨウ素が樹脂を通して押し下げられたときに反応器の底部から押し出された約20mLのACNをポンプ排出するのに十分な時間にわたってポンプ1159をオンにする。カップリング反応で行ったのと同様に、ヨウ素溶液中で樹脂床を繰り返し流動化させることにより、酸化反応バッチ様式の実行に進む。ただし、流動化中に弁1158に加えて計量窒素弁1156を開くことにより、より活発な窒素バブリングを使用する。計量弁の設定及びCVにより、弁1156がより高い流量の窒素であり、弁1158がより低い流量の窒素であることに留意されたい。樹脂を通してヨウ素を押し下げることと、ユーザー指定時間にわたって指定の周波数を使用して流動化のために樹脂を通して窒素をバブリングすることを、酸化反応の所望の持続時間(例えば、4分間)にわたって交互に行う。全反応時間にわたって断続的ではなく持続的な流動化も許容される。流動化酸化時間の終了時に、ヨウ素溶液をポンプ排出して廃棄する。これを行うために、窒素弁1151を開き、弁1159を開き、弁1154を弁1160に向け、弁1160を弁1157に向け、弁1157を廃棄に向ける。ポンプ1159をオンにしてポンプ排出して廃棄する。指定のポンプ排出時間が経過した後、窒素弁1151を閉じ、弁1153を開き、弁1155を開き、供給ゾーン内の圧力がユーザー指定値未満になる(15psigから9psigに降下する)まで待ち、これにより、確実に全ての液体が押し出されて廃棄され、窒素で追い込まれるようになる。弁1123Aを開き、ポンプ番号1123を約1mL分だけ逆方向に作動させる。これにより、デッドレグから試薬を除去し、供給ラインのその後のきれいな追い込みを確実にする助けとなり、これにより、供給ラインにヨウ素が残らず、他のステップ中にヨウ素が供給ゾーンに滴下する可能性がなくなる。
【0293】
酸化後のインプロセス統合マルチパス洗浄:
酸化後のインプロセス統合マルチパス洗浄は、A2、B2、及びC2の3つのボトルのみを使用することを除いて、酸脱ブロッキング後のインプロセス統合マルチパス洗浄と非常に似ている。機器の詳細を
図13に示す。ボトルA2が最初に使用され、その洗浄溶媒が反応器の樹脂床に押し通されて廃棄される。その後、ボトルB2からの溶媒を使用して反応器を洗浄し、その溶媒が樹脂床を通ってボトルA2に押し込まれる。といった具合である。インプロセス統合マルチパス洗浄の終了時に、ボトルA2及びボトルB2は満たされているが、ボトルC2は空である。ボトルC2は、次に説明するように、反応器壁洗浄、追い込み洗浄、及びアミダイトゾーン洗浄によって再充填される。
【0294】
サイクル番号9までに、ボトルA2、ボトルB2、ボトルC2からの向流洗浄には約450mLが含まれていた(450mLの新鮮なACNが、カップリング後の追い込み100mL、反応器壁洗浄100mL、供給ライン追い込み洗浄50mL、アミダイトゾーン洗浄100mL、プラグフロー洗浄100mLからボトルC2に入る)。酸化後の全ての洗浄で樹脂を通って流れる洗浄溶媒の総量は約1800mLであった。しかしながら、450mLの新鮮なACNのみ本システムに充填した。残りはボトルA2、ボトルB2、ボトルC2からの再利用ACNであった。このインプロセス統合マルチパス洗浄戦略により、洗浄がより効率的になる。サイクル1からサイクル21までこの実行を通して試料を最終洗浄から採取し、NMRで測定した全ての試料は99.9%超ACNであり、これは、Cytiva合成装置が洗浄終了時に取得する値とほぼ同じであるが、Cytivaは、カップリング後と酸化後に使用した合計のCytiva洗浄液と比較して、1mmolあたり7倍多くの洗浄溶媒を使用する。硫化後の最終洗浄でもNMRにより99.9%超ACNであると測定された。
【0295】
酸化後の反応器壁洗浄:
所望の質量の溶媒(50mL)が供給ゾーンに入るまで、ベント弁1152を開き、弁1130Bを開き、FCV2を開く。溶媒がスプレーボールを通って供給ゾーンに入り、これにより、供給ゾーンの壁がスプレーされるようになる。弁1130Bを閉じ、窒素弁1151を開き、弁1145を壁スプレーに向け、これにより、反応器の壁にスプレーされるようになる。窒素弁1151を閉じ、ベント弁1152を開き、これらのステップを繰り返して、供給ゾーンの壁及び反応器の壁に噴霧しながら追加の洗浄溶媒(50mL)を充填する。反応器内の溶媒及び樹脂の流動化はユーザーによって選択されるようにこのステップでは任意選択的であり、この実験では流動化は行われなかった。窒素弁1151を開き、弁1159を開く。弁1154を弁1160に向け、弁1160を弁11300に向ける。弁11304を開き、ポンプ1159をオンにし、洗浄溶媒を反応器に通してボトルC2にポンプ注入する。ポンプ送り込み時間の終了時に、窒素弁1153を開き、弁1155を開き、弁1151を閉じる。供給ゾーン内のユーザー定義の圧力になる(15psigから9psigに降下する)まで押し込み、溶媒が全て反応器から除去されてボトルC2に入るようにする。
【0296】
酸化後の追い込み供給ライン洗浄:
ベント弁1152を開き、弁1123Cを開き、ポンプ1130を始動させ、指定の質量の溶媒(50mL)を供給ゾーンにポンプ注入する。弁1123Cを閉じ、弁1130Bを開いて、溶媒を供給ゾーンに前方に吹き込む。弁1145をスプレーコーンに向けて、樹脂床の上部に均一に噴霧し、樹脂床を平らに保つ。窒素弁1151を開いて、洗浄溶媒を反応器に押し込む。弁1159、弁11300、及び弁11304を開く。弁1154を1160に向け、弁1160を弁11300に向ける。洗浄溶媒を反応器に通してボトルC2にポンプ注入する。ポンプ時間の終了時に、窒素弁1151を閉じ、弁1153を開き、弁1155を開き、供給ゾーン内の圧力がユーザー設定値未満になる(15psigから9psigに降下する)まで残留している溶媒を反応器からボトルC2に押し出させる。
【0297】
アミダイトゾーン洗浄。
アミダイトゾーン洗浄により、少量の残留している液滴がアミダイトゾーンの壁から洗浄され、次のホスホロアミダイトサイクルのためにより多くのヨウ素もピリジンも水も含まない洗浄溶媒がボトルC2に保管されるため、洗浄溶媒から2倍の価値を得るために酸化(又は硫化)後にアミダイトゾーン洗浄が行われる。弁1130Eを開き、ポンプ1130を始動させてACN(100mL)を洗浄ボトルに送り込む。ポンプ1130を停止し、弁1130Eを閉じる。ベント弁1142を開き、弁1130Fを開き、スプレーボールを通して溶媒をアミダイトゾーンに押し込んで、ゾーン内の全ての表面に完全に噴霧し、前のアミダイト液滴を洗い流す。ソレノイドから弁1130Fへの空気が、洗浄容器の上部の窒素供給弁のアクチュエーターにも供給され、これにより、弁1130Fが開くと同時に窒素が洗浄容器を加圧するようになる。弁1130Fは、フェールオープンしてベントする三方弁である。ベント弁1142を閉じ、弁1130Fを閉じ(弁1130Fを閉じることにより、洗浄容器の上部のN2供給弁がベントに戻されるようにもなる)、弁1141を開き、弁1143を開き、ベント弁1152を開く。これにより、ユーザー指定時間(例えば、5秒間)にわたって全ての洗浄溶媒が供給ゾーンに押し込まれる。弁1141、弁1143、弁1152を閉じ、窒素弁1151を開く。弁1159を開き、弁1154を弁1160に向けて設定し、弁1160を弁11300に向けて設定し、弁11300を開き、弁11304を開く。ポンプ1159を始動させ、ユーザー指定時間にわたって洗浄溶媒を樹脂床に通してボトルC2にポンプ注入する。ポンプ送り込みの終了時に、弁1153及び弁1155を開き、窒素弁1151を閉じ、窒素圧により残留している溶媒を反応器からボトルC2に押し出させる。供給ゾーン内の圧力がユーザー指定値を下回るまで待ち、これにより、全ての溶媒が反応器からボトルC2に押し出されたことが確認される。
【0298】
酸化後のプラグフロー洗浄:
前述のようにプラグフロー洗浄を行うが、洗浄溶媒(100mL)をボトルC2に押し込む。
【0299】
カップリング反応:
キャッピング溶液A及びキャッピング溶液B(各々100mL)を供給ゾーンに充填し、それらを窒素で追い込んで供給チューブを一掃する。溶液を反応器に押し込んで、樹脂上でのキャッピング反応を開始する。樹脂反応器を2回流動化させ、毎回12秒間にわたって樹脂反応器の底部に窒素をバブリングする。両方の流動化の合計時間は約1分間である。1分間にわたって断続的ではなく持続的な流動化も許容される。反応溶液を200mL/分で約1分間にわたって樹脂床に通してポンプ注入し始める。残留している反応溶液をフィルターの底部から押し出して廃棄する。キャッピングステップの特定の自動化シーケンスは、酸化ステップで説明したように、窒素追い込み及び溶媒追い込みに弁1121B、弁1122B、弁1121C、弁1122Cを使用してキャッピング試薬が弁1121A及び弁1122Aを通って流れ込むことを除いて、酸化ステップの自動化と同様である。
【0300】
合成装置の別の実施形態は、キャッピング後の洗浄にも3つのインプロセス統合マルチパス洗浄ボトルA、ボトルB、及びボトルCを使用する。ただし、この実験では、キャッピング後の洗浄液は廃棄に直接送られた。
【0301】
硫化(チオール化)反応(酸化の代わりに必要な場合):
0.2M水素化キサンタン溶液(650mL)を供給ゾーンに充填し、窒素で追い込んで供給チューブを一掃する。溶液を反応器に押し込んで、樹脂上での硫化反応を開始する。硫化流動化時間(約8分間)にわたって約30秒毎に1回、樹脂反応器を断続的に流動化させ、毎回12秒間にわたって樹脂反応器の底部に窒素をバブリングする。全反応時間にわたって断続的ではなく持続的な流動化も許容される。水素化キサンタン溶液を700mL/分で60秒間にわたって樹脂床に通してポンプ注入し始める。残留している水素化キサンタン溶液をフィルターの底部から押し出して廃棄する。硫化ステップの詳細な自動化シーケンスは、弁1124A、弁1124B、及び弁1124Cを使用して水素化キサンタン溶液がポンプ番号1124で送り込まれることを除いて、酸化ステップの自動化と同様である。最初の2サイクル及び最後の3サイクルで硫化を使用した。最初の2サイクルの後に、ボトルA2、ボトルB2、及びボトルC2を取り除き、各々約400mLの新鮮なACNが充填された新たなボトルA2、ボトルB2、及びボトルC2と交換した。その後、最後の3サイクルの前に、ボトルA2、ボトルB2、及びボトルC2を取り除き、最初の2サイクルからの水素化キサンタン含有ACN洗浄溶媒がまだ充填されている古いボトルA2、ボトルB2、及びボトルC2と交換した。これは、この実験では酸化後の洗浄に水素化キサンタン含有ACN洗浄溶媒を使用しないことを選択したためであり、その逆も同様であった。
【0302】
酸化後の洗浄と同様に、硫化後の全ての洗浄で樹脂を通って流れる洗浄溶媒の総量は約1800mLであった。しかしながら、450mLの新鮮なACNのみ本システムに充填した。残りはボトルA2、ボトルB2、ボトルC2からの再利用ACNであった。この場合もやはり、このインプロセス統合マルチパス洗浄戦略により、洗浄がより効率的になる。
【0303】
最終サイクル:
最終アミダイト(MeMOP)が5’位にDMT保護基を有しないため、最終脱ブロッキングは必要ではない。最終MeMOPカップリング、洗浄、硫化、洗浄が完了した後、DEA溶液で洗浄する。DEA溶液(500mL)を供給ゾーンに充填する。DEA溶液を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。溶液を反応器に押し込む。樹脂床を2回流動化させて液体と固体を完全に接触させ、樹脂床をリセットする。両方の流動化の合計時間は約1分間である。1分間にわたって断続的ではなく持続的な流動化も許容される。DEA溶液を100mL/分で600秒間にわたって樹脂床に通してポンプ注入し始める。同時に追加のDEA溶液(500mL)を並行して供給ゾーンにポンプ注入し、これにより、ポンプ排出とほぼ同じ速度で反応器の上部に入るようになる。DEA溶液を窒素で供給ゾーンに追い込み、供給チューブを一掃する。600秒間に合計1Lが樹脂床を通ってポンプ注入される。残留しているDEA溶液をフィルターの底部から押し出して廃棄する。このDEA処理をもう1回繰り返す。
【0304】
以下のようにACNで十分に洗浄する。DEA後のこれらのACNは全て、供給缶からの新鮮なACNを使用し、反応器から押し出して廃棄した。この手順で前述した他の追い込み洗浄と同様に、200mLのACNを使用してDEA供給ラインに追い込み、樹脂床のプラグフロー洗浄を行う。前述のプラグフロー洗浄と同じ手順を使用して、プラグフロー洗浄を各々150mLのACNで3回行う。前述のように反応器の壁を50mLのACNで洗浄する(「反応器壁洗浄」)。前述のプラグフロー洗浄と同じ手順を使用して、プラグフロー洗浄を各々150mLのACNで2回行う。
【0305】
乾燥:樹脂をスラリー化して反応器から出す。単一プレートフィルターに移す。窒素を樹脂床に通して下方に吹き込んで5~6時間乾燥させる。約3gの試料を除去した後に回収した乾燥樹脂の総重量は115.7gであった。
【0306】
切断、脱保護、及びUPLCのために少量の試料を採取した。結果は、表17、実施例6~10のUPLC結果及びCytiva AKTAとの比較に含まれている。純度は77.89%のFLPであった。これは表中の他の流動床反応器実施例よりもわずかに低いが、これには特別な理由がある。サイクル19でカップリング供給ラインに誤って少量の酸が入ってしまった。これにより、表に示すように、19merで通常よりも大きな切断が起こった。このミスによりFLPが約1.5%低下した。さもなければ、実行時のFLPは79~80%であったと推測する。この実験の収率及び純度のデータを表17に列記する。
【0307】
バルク切断及び脱保護(C/D)を、各ロットに樹脂結合粗生成物の約半分の2つのロットで行う。2つのロットの各々について、C/Dを、樹脂を28%水酸化アンモニウム水溶液(30mL/g樹脂)と混合し、かつ密封容器内で38℃まで18~20時間加熱することによって達成した。圧力計、25psig圧力解放安全弁、熱電対、加熱マントル、及び磁気撹拌子を備えた1850mLのAce-thread圧力容器に、保護されたANGPTL3 AS及び水酸化アンモニウム(28質量%)の水溶液(1.68L、2000g、10000mmol)を充填した。薄いスラリーを密封し、38℃まで加熱しながら一晩撹拌した。58.43gの樹脂結合生成物を第1のロットに充填し、56.91gの樹脂結合生成物を第2のロットに充填した。
【0308】
38℃で18時間後、火を止め、氷水浴を添加して反応器を室温未満まで冷却した。樹脂を沈降させ、秤量した上清液のアリコートを秤量した量のmill-Q水で希釈した。各ロットをUPLCで分析した。ロット1のFLPは77.6%であり、ロット2のFLPは78.4%であった。前述したように、19merの切断は両方のロットで2%であった。バルク溶液を濾過して、使用済みの樹脂を除去する。各ロットからの使用済み樹脂を150mLのEtOH:H2O(1:1)で3回洗浄する。今回は、アンモニアをロータリーエバポレーターで除去せず、代わりにTFFによってC/D副生成物とともに除去した。得られた粗質量は、ロット1から27.52gであり、ロット2から28.07gであった。この物質をクロマトグラフィー精製により前処理したが、これは本明細書の範囲を超えたものである。
【0309】
実施例10:インプロセス統合マルチパス洗浄を備えたパイロット規模流動床合成装置。
実施例10は実施例9と非常に似ていた。しかしながら、実施例10では、インプロセス統合マルチパス洗浄をキャッピング後にも行った。実施例10は、全ての実施例の中で最も少ないACN溶媒洗浄量(mL/mmol)を実証した。
【0310】
AngPTL3の同じアンチセンス鎖(
図10)を、実施例10の流動床反応器システムの修正バージョンで合成した。
5’MeMOP*fG*fU*fAfUmA fAmCmC fUmUmC mCfAmUmUmUmUmGmA*mG*mG3’
【0311】
本発明の流動床法を使用したこの分子の合成を本明細書に記載しており、これは、残りのホスホロアミダイトを順次導入するための脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを含む。
【0312】
実験終了までに樹脂床の高さがアセトニトリル溶媒湿潤状態で5cm、乾燥した状態で4cmに達する。最終脱ブロッキングステップの下降流部分中に、樹脂床の最大高さが6cmに達する。実験中の樹脂床にわたる最大圧力降下は、その圧力が液体を樹脂床に押し通すために使用した供給窒素の圧力であるため、15psigである。最終サイクルを除いて、2当量のアミダイトをカップリングに使用する。2.1当量をMeMOPアミダイトカップリングに使用した。全合成条件を表28に示す。合成の開始から終了までの脱ブロッキング時間及び新鮮なDCA溶液量を表29に示す。
【表30】
【表31】
【0313】
実施例9で使用した試薬及びロット番号を表30に示す。
【表32】
【0314】
全てのアミダイト溶液をFisherロット番号212215のACNで調製した。以下のようにアミダイトをACN溶媒中に溶解させる。溶解するまで混合する。分子篩ドライパックを密封ボトルに添加する。
【0315】
使用したACNロット:EMDロット番号52261、EMDロット番号52261、Fisherロット番号214141
【表33】
【0316】
アミダイト分子量は以下のとおりであった。
mA DMT-2’-O-MeA(bz)ホスホロアミダイト、分子量887.97
mC DMT-2’-O-MeC(Ac)ホスホロアミダイト、分子量801.87
mG DMT-2’-O-MeG(iBu)ホスホロアミダイト、分子量869.95
mU DMT-2’-O-MeU-CEホスホロアミダイト、分子量760.82
fA DMT-2’-F-dA(bz)ホスホロアミダイト、分子量875.93
fC DMT-2’-F-dC(Ac)ホスホロアミダイト、分子量789.84
fG DMT-2’-F-dG(iBu)ホスホロアミダイト、分子量857.9
fU DMT-2’-F-dU-CEホスホロアミダイト、分子量748.8
MeMOP、分子量556.5
【0317】
以下のように試薬溶液を調製する。
Cap B1:
無水酢酸:Macron Fine Chemicalsロット番号0000239131
アセトニトリル:Fisherロット番号214141
481mLの無水酢酸及び722mLのACNをボトルに充填する。
Cap B2:
2,6-ルチジン:Acrosロット番号A0428332
アセトニトリル:EMDロット番号52261
722mLのルチジン及び481mLのACNをボトルに充填する。
Cap A:
1-メチルイミダゾール:Alfa Aesarロット番号5009J24W
アセトニトリル:Fisherロット番号214141
481mLのイミダゾールを充填する。1924mLのACNを充填する。
0.2M水素化キサンタン硫化溶液:
水素化キサンタン:TCIロット番号QLXKC-LI
ピリジン:Fishersロット番号212147
3775mLのピリジンを充填する。114gのXHをピリジンボトルに充填する。溶解するまで混合する。
酸化溶液:
ヨウ素溶液(0.05M)
Honeywellロット番号EA702-US
約8kgの樽ストックを供給缶に充填した。
活性化剤溶液:
Honeywellロット番号EA713-US
約4.3Kgの樽ストック溶液を供給缶に充填した。
20%DEAのアセトニトリル溶液:
DEA:Sigma-Aldrichロット番号STBJ5069
DEA:Sigma-Aldrichロット番号SHBK7197
アセトニトリル:Fisherロット番号214141
400mLのDEAをボトルに充填する。1600mLのACNをボトルに充填する。
3%DCAのトルエン溶液:
DCA:Sigma Aldritchロット番号MKCQ92
トルエン:Superiorロット番号HX11315122
ロット番号1
1.18,664mLのトルエンをカーボイに充填した。
2.577mLのDCAをカーボイに充填した。
3.カーボイを供給缶に充填した。
ロット番号2
1.19,516mLのトルエンをカーボイに充填した。
2.604mLのDCAをカーボイに充填した。
3.カーボイを供給缶に充填した。
【0318】
既知の方法を使用してmG(本明細書では「mG樹脂」と称する)をNittoPhase HL 2’OMeG(iBu)250樹脂(249μmol/g)にカップリングさせることから開始し、合成装置のセットアップについては
図11を参照されたい。ACNを使用して40.18g(10.00mmol)のmG樹脂をスラリー化し、底部に40ミクロンの焼結メッシュフィルターフリットを備えた内径10.16cmの反応器に入れる。初期樹脂深さは高さ約1cmである。
【0319】
全てのポンプ及び供給ラインに呼び水を差す。ACNを不活性化供給缶に入る途中で分子篩の床に通過させる。ACN及びDCAのトルエン溶液を押圧により供給缶から供給し、自動流量制御弁で制御する。全ての他の供給には蠕動ポンプ及び供給容器を使用する。アミダイト溶液は、「AM.1L」とラベル付けし、かつ
図11の弁V1101A~V1108Aに取り付けられた蠕動ポンプに接続した供給容器に別個に収容されている。MeMOPホスホロアミダイトはAM供給容器のうちの1つを使用した。活性化剤溶液及びDEA溶液は、それぞれ、
図11で「活性化剤 5gal」及び「DEA 1L」とラベル付けした供給容器に収容されている。
【0320】
サイクル2~9(ヌクレオシド3~10)にはキャッピングはない。サイクル21 MeMOPを添加した後のキャッピングは必要ではない。合成時にホスホロアミダイトを添加するたびに、以下の違いを除いて、実施例9で説明するように、脱ブロッキングステップ、カップリングステップ、酸化ステップ(又は配列内にP=S結合がある場合は硫化ステップ)、及びキャッピングステップを順次行う。
【0321】
追加の3つの1Lボトル、ボトルA3、ボトルB3、及びボトルC3をシーケンス自動ブロック弁とともに使用して、キャッピング後のインプロセス統合マルチパス洗浄も達成した。これらを
図11には示していないが、ボトルA2、ボトルB2、及びボトルC2を含む
図11のセクション及びA2、B2、及びC2の
図13の説明と同様である。ボトルA3、ボトルB3、及びボトルC3の弁は全て、
図13に示す弁と同じであるが、これらを、400シリーズ、すなわち、弁400A、弁400B、弁400C、弁401A、弁401B、弁401C、弁402、弁403、弁404としてラベル付けした。マルチパス洗浄手順は、実施例9の酸化/チオール化後の洗浄について記載した手順と同様であった。ボトルA3洗浄液からの全ての溶媒を樹脂床に通してポンプ注入して廃棄し、その後、ボトルB3洗浄液を樹脂床に通してボトルA3にポンプ注入し、ボトルC3洗浄液を樹脂床に通してボトルB3にポンプ注入した。その後、150mLの未使用のACN洗浄を2回行い、各々、樹脂床に通してポンプ注入し、ボトルC3にポンプで送り返した。最初の150mLが供給ゾーンへの試薬供給チューブを洗浄し、その後、樹脂床プラグフローを洗浄した。2回目の150mLの洗浄液が供給ゾーンの壁に噴霧し、その後、反応器の壁に噴霧し、その後、樹脂床プラグフローを洗浄した。全体として、マルチパス洗浄ボトルに各々300mLを事前に充填した後、合計1.3Lの新鮮なACNを各サイクルの洗浄に使用した。これには、脱ブロッキング後550mL、カップリング後100mL、酸化後350mL、キャッピング後300mLが含まれる。比較すると、10mmol規模で、充填床合成装置は、典型的には、各サイクル中の溶媒押し出し及び溶媒洗浄に約8~10Lの新鮮なACNを使用する。試料により、洗浄エンドポイントが各々、典型的に充填床合成装置を使用して達成されるものと同じである、すなわち、洗浄溶媒の最終分量中約99.9%のACNが反応器から出ることが証明された。充填床反応器と比較してACN洗浄溶媒の溶媒が約85%削減される理由は以下のとおりである:試薬が洗浄前に反応器から排出されるため、樹脂床が反応中の流動化により平らにされ、チャネルがなくなるため、洗浄溶媒がコーンスプレー分布器によって樹脂上に効果的に分布するため、洗浄が複数のプラグフロー区分に分割されるため、かつ最も重要なことに、インプロセス統合マルチパス洗浄により洗浄溶媒の使用がはるかに効率的になるためである。例えば、脱ブロッキング後の洗浄には550mLの未使用のACNのみが使用されるが、脱ブロッキング後の洗浄中に反応器を通る洗浄溶媒の総量は3500mLになる。同様に、酸化/チオール化後の洗浄には350mLの未使用のACNのみが使用されるが、カップリング後の100mLの洗浄液がボトルC2にポンプ注入されると仮定して、酸化/チオール化後の洗浄中に反応器を通る洗浄溶媒の総量は1700mLになる。同様に、キャッピング後の洗浄には300mLの未使用のACNのみが使用されるが、キャッピング後の洗浄中に反応器を通る洗浄溶媒の総量は1200mLになる。最も重要なことに、洗浄を減らしても洗浄エンドポイントは変化しない。1サイクルあたり800~1000mL/mmolの総ACN洗浄溶媒を使用する充填床合成装置実験における洗浄エンドポイントは99.9%ACNであり、1サイクルあたり130mL/mmolの総ACN洗浄溶媒を使用する流動床合成装置における洗浄エンドポイントは99.9%ACNである。違いは、洗浄溶媒がインプロセス統合マルチパス洗浄を備えた流動床反応器でより効率的に使用されることである。
【0322】
実施例9と比較した別の違いは、実施例10ではカップリング後の洗浄溶媒が酸化/チオール化後の洗浄溶媒に再利用されることである。カップリング後の追い込み洗浄の手順を以下のように実行する。
【0323】
カップリング後の追い込み供給ライン洗浄:
これは、アミダイト弁1104を使用した実施例の続きである(
図11)。弁1104Cを開き、ベント弁1142を開き、ポンプ1130を用いてユーザー指定量のACN溶媒(100mL)をポンプ注入する。その後、弁1104Cを閉じ、弁1104Bを開いて、溶媒を窒素でアミダイトゾーンに追い込む。ベント弁1142を閉じ、弁1141を開き、弁1143を開き、ベント弁1152を開き、追い込んだ洗浄溶媒を供給ゾーンに押し込む。その後、溶媒を、スプレーコーンを通して樹脂の上部の反応器に押し込み、樹脂を通して反応器の底部からポンプ排出し、ボトルC2にポンプ注入する。これを行うために、ベント弁1152を閉じ、弁1143を閉じ、窒素弁1151を開き、弁1145をスプレーコーンに向け、弁1159を開き、弁1154を弁1160に向け、弁1160を弁11300に向け、弁11300を開き、弁11304を開き、ポンプ1159で送り込む。ユーザー指定のポンプ時間の終了時に、弁1159を閉じ、弁1153を開き、弁1155を開き、供給ゾーン内の圧力がユーザー指定値未満まで降下する(15psigから9psigに降下する)まで残留している溶媒を窒素でボトルC2に押し出させる。
【0324】
この手順の他の全ての部分は、キャッピング後に複数パス洗浄も行うことを除いて、実施例9に記載した手順と同じである。
【0325】
乾燥:最終サイクル、DEA処理、及び洗浄の後、樹脂をスラリー化して反応器から出す。単一プレートフィルターに移す。窒素を樹脂床に通して下方に吹き込んで6時間乾燥させる。少量の試料を含む回収した乾燥樹脂の総重量は116.24gであった。
【0326】
切断、脱保護、及びUPLCのために少量の試料を採取した。結果は、表17(実施例6~10のUPLC結果及びCytiva AKTAとの比較)に含まれている。
【0327】
実施例6~9は全て同じ鎖を合成した。上述したように、実施例6は、代替の研究規模合成装置設計を実証する。この新たな設計には、アミダイト及び活性化剤以外の試薬の供給ゾーンはない。複数のヘッドを並列して使用することによりポンプの数が減り、ホスホロアミダイトサイクル毎に溶媒再利用が統合されているため、溶媒洗浄量が削減される。
【0328】
実施例7は、ホスホロアミダイトサイクル毎に過剰な脱ブロッキング試薬溶液の再利用が統合された代替の研究規模合成装置設計を実証しており、これは、脱ブロッキング反応に必要な酸量の減少に役立つ。この実施例では、1mmolあたり典型的にCytiva充填床合成装置で使用されるDCA溶液の29%を使用した。
【0329】
実施例8は、規模拡大のための新たな反応器設計を実証する。新たな10mmol規模の反応器設計では、より多くの小規模な洗浄を行う異なる洗浄戦略を使用する。洗浄はプラグフローと流動化の組み合わせであり、試薬除去の効率を考慮して設計されている。コーンスプレー分布器を使用して樹脂床を平らに保ち、効率的なプラグフロー洗浄を可能にする。この実施例は、1mmolあたりCytiva AKTA合成装置と比較して40%少ない洗浄溶媒を実証している。トルエンを脱ブロッキング反応前に洗浄溶媒として使用して、樹脂を事前に膨張させてACNを除去し、これにより、脱ブロッキング反応がより効率的になる。
【0330】
実施例9では、脱ブロッキング前にトルエン洗浄を行わなかった。トルエンを再利用酸に置き換えた。あるサイクルで得た酸脱ブロッキング溶液の最もきれいな部分を使用して樹脂を事前に膨張させ、次のサイクルの開始時に樹脂からのACNで洗浄する。実施例9では、サイクル2から9までキャッピングを行わなかった。実施例9では、脱ブロッキング、酸化、及びチオール化の後にインプロセス統合マルチパス洗浄を行った。
【0331】
実施例10は実施例9と同様であるが、キャッピング後のインプロセス統合マルチパス洗浄も有しており、カップリング後の洗浄液は酸化/チオール化後の洗浄に再利用されている。実施例10は、本明細書の全ての他の実施例と比較して最も少ないACN洗浄溶媒を有し、これは、1mmolあたりCytiva AKTA合成装置と比較して85%少ない洗浄溶媒であった。
【0332】
全ての流動床反応器実施形態のガイドを表31に示す。
【表34】
【0333】
実施例1~5のUPLCクロマトグラムオーバーレイを
図14及び
図15に示し、実施例6~10及び「AKTA比較1~4」実施例のUPLCクロマトグラムオーバーレイを
図16及び
図17に示す。これらは、流動床合成装置実験からの不純物プロファイルがCytiva AKTA OP100実験からの不純物プロファイルと類似していることを示している。Cytiva AKTA OP100実験に存在しない新たな不純物は流動床合成装置の実験にも存在しない。しかしながら、高純度実験では、AKTA合成装置の樹脂床高さが最大2cmであった一方で、流動床反応器の樹脂床高さは最大30cmであった。また、純度の考慮に加えて、流動床合成装置は、AKTAと比較して、より高い収率、約85%少ない溶媒洗浄量、及びより低いDCA当量を達成した。
【0334】
実施例1~9におけるアンチセンス鎖の純度分析のためのイオンペアリングUPLC法条件の概要。
機器:バイナリポンプ付きWaters I-Class Acquity UPLC
カラム:50×2.1mm Waters BEH C18、1.7mm、130A(製品番号186003949)
カラム温度:55℃
移動相A:10mM DIPEA、100mM HFIP水溶液
移動相B:アセトニトリル
勾配
●初期条件:99%A/1%B
●25分かけてBを1%から24.3%に増加させる
●0.1分かけてBを24.3から100%に増加させる
●Bを100%で1.9分保持する
●0.1分かけてBを100%から1%に減少させる
●Bを1%で2.9分間保持する
●合計ランタイム30分
流量:0.6mL/分
波長:260nm
【0335】
例示的な実施形態
実施形態1.オリゴヌクレオチドを床反応器内の固相樹脂に添加する方法であって、
固相樹脂に結合しているオリゴヌクレオチドの5’位から保護基を除去することと、
活性化アミダイト溶液を床反応器に添加することであって、活性化アミダイト溶液がアミダイトを含み、床反応器内を上下に流れるか、又は窒素バブリング若しくは他の撹拌により流動化し、オリゴヌクレオチドの5’位で反応し、アミダイト内で見つけられる亜リン酸結合が酸化状態IIIのP原子を含む、添加することと、
P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換することと、を含む、方法。
【0336】
実施形態2.P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換する前又は変換した後に、キャッピング溶液を添加するステップを更に含み、カップリング部分がアミダイト溶液と反応しなかった場合、キャッピング溶液がカップリング部分をキャップし、これにより、更なるアミダイトがカップリング部分にカップリングすることができないようになり、キャッピング溶液が床反応器内を上下に流れるか、又は不活性ガスバブリング若しくは他の撹拌を使用して樹脂を流動化させるか、又は流動化/混合若しくは反応の流動化部分とそれに続くプラグフロー部分なしで樹脂床を通って下方に流れる、実施形態1に記載の方法。
【0337】
実施形態3.床反応器の底部に位置するフィルターにアミダイト溶液を通すことによって活性化アミダイト溶液を床反応器から除去するステップを更に含む、実施形態1に記載の方法。
【0338】
実施形態4.第1の洗浄溶液を床反応器に添加するステップを更に含み、第1の洗浄溶液の添加が保護基を除去した後に起こる、実施形態1に記載の方法。
【0339】
実施形態5.第2の洗浄溶液を床反応器に添加するステップを更に含み、第2の洗浄溶液の添加が、活性化アミダイト溶液が床反応器に添加された後に起こる、実施形態4に記載の方法。
【0340】
実施形態6.第1の洗浄溶液及び第2の洗浄溶液が床反応器内を上下に流れ、方法が、床反応器の底部に位置するフィルターに第1の洗浄溶液及び第2の洗浄溶液を通すことによって第1の洗浄溶液及び第2の洗浄溶液を床反応器から個別に除去するステップを更に含む、実施形態5に記載の方法。
【0341】
実施形態7.第2の洗浄溶液の添加が、P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換するステップの前に起こる、実施形態5に記載の方法。
【0342】
実施形態8.第3の洗浄溶液を床反応器に添加するステップを更に含み、第3の洗浄溶液の添加が、P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換した後に起こる、実施形態5に記載の方法。
【0343】
実施形態9.第3の洗浄溶液が床反応器内を上下に流れ、方法が、床反応器の底部に位置するフィルターに第3の洗浄溶液を通すことによって第3の洗浄溶液を床反応器から除去するステップを更に含む、実施形態8に記載の方法。
【0344】
実施形態10.保護基がDMT基であり、保護基の除去が、オリゴヌクレオチドの5’位を、溶媒中に酸を含む活性化溶液と反応させることを含む、実施形態1に記載の方法。
【0345】
実施形態11.方法が、床反応器の底部に位置するフィルターに活性化溶液を通すことによって活性化溶液を床反応器から除去するステップを更に含む、実施形態10に記載の方法。
【0346】
実施形態12.床反応器内での上下の流れが、下方押圧中に反応器の上部に圧力を加え、その後、上方押圧中に反応器の上部から圧力を解放することによって達成される、実施形態1に記載の方法。
【0347】
実施形態13.床反応器内での固体と液体の流動床混合が、窒素又は別のガスを反応器の底部に添加すること又は他の何らかのタイプの撹拌によって達成される、実施形態1に記載の方法。
【0348】
実施形態14.床反応器及び活性化アミダイト溶液を備える、オリゴヌクレオチドを固相樹脂に添加するためのシステムであって、活性化アミダイト溶液がアミダイトを含み、床反応器内を上下に流れるか、又は不活性ガスバブリング若しくは他の撹拌により流動化する、システム。
【0349】
実施形態15.床反応器が、加圧ガスが床反応器に入るのを許可する入口を備え、加圧ガス又は他の何らかのタイプの撹拌により、アミダイト溶液が床反応器内で固体と混合するようになる、実施形態14に記載のシステム。
【0350】
実施形態16.入口が床反応器の底部に配置されている、実施形態15に記載のシステム。
【0351】
実施形態17.床反応器が床反応器の上部から加圧され、圧力により、アミダイトが床反応器内を上下に流れるようになる、実施形態14に記載のシステム。
【0352】
実施形態18.第1の洗浄溶液と第2の洗浄溶液とが床反応器内で混合し、方法が、床反応器の底部に位置するフィルターに第1の洗浄溶液及び第2の洗浄溶液を通すことによって第1の洗浄溶液及び第2の洗浄溶液を床反応器から個別に除去するステップを更に含む、実施形態5に記載の方法。
【0353】
実施形態19.洗浄溶媒が次の試薬を充填する前にフィルター反応器の底部から排出され、試薬が次の洗浄溶媒を充填する前にフィルター反応器の底部から排出され、樹脂床が混合されて、各サイクルにおいて選択された反応及び/又は洗浄中に選択された時点で不活性ガスバブリング又は液体の上下の流れによって樹脂粒子を試薬及び/又は洗浄溶媒中に懸濁させる、実施形態5に記載の方法。
【0354】
実施形態20.試薬の第1の分量が反応器に充填され、第1の分量が反応の開始時に目標時間にわたって流動化されて、完全な接触を達成し、かつ樹脂膨張を達成し、その後、第1の分量が樹脂床プラグフロー様式によりポンプ注入されると同時に試薬の第2の分量を反応器の上部に同時に充填し、これにより、残りの試薬がプラグフローによりポンプ注入されるようになる、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例1、2、3、4、7、8、9、10で実証した。
【0355】
実施形態21.脱ブロッキング試薬溶液の最終区分がホスホロアミダイトサイクル毎に再利用され、これにより、脱ブロッキングの反応に必要な酸量が減少し、樹脂が膨張して脱ブロッキングの開始時に床がチャネルなしでリセットされ、未使用の脱ブロッキング試薬溶液とのプラグフロー反応前にACNが洗い流される、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例7、9、及び10で実証した。
【0356】
実施形態22.各洗浄が、完全に排出される一連の複数のより小規模な洗浄部分に分割され、これにより、1回の大規模な連続洗浄と比較して逆混合を最小限に抑えることができる、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例1、2、3、4、6、7、8、9、10で実証した。
【0357】
実施形態23.溶媒洗浄のうちのいくつか又は全てが流動化されず、洗浄が流動化部分から始まりプラグフロー部分が続くか、又は洗浄がプラグフロー洗浄の最中のどこか若しくは最後に流動化部分を有し、試薬除去の効率を考慮し、かつ圧力降下を克服するために流動化がいつ必要とされるかに応じてカスタム設計されている、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例1、2、3、4、6、7、8、9、10で実証した。
【0358】
実施形態24.流入する試薬及び洗浄溶媒がスプレーコーン又は他の分布器で樹脂床の上部に半径方向に均等に分布して、樹脂床を平らに保ち、かつ効率的なプラグフロー反応及び洗浄を可能にする、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例8、9、及び10で実証した。
【0359】
実施形態25.洗浄溶媒のよりきれいな画分がホスホロアミダイトサイクル毎にリサイクルされて再利用される、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例6、8、9、10で実証した。
【0360】
実施形態26.本明細書に記載されるように、インプロセス統合マルチパス洗浄が反応後に使用される、実施形態19に記載の方法。溶媒部分が反応器に複数回通される。例えば、サイクル1での脱ブロッキング後の第6の溶媒洗浄部分がサイクル2での脱ブロッキング後の第5の洗浄部分になり、その後、これがサイクル3での脱ブロッキング後の第4の洗浄部分になるといった具合である。毎回の反応後に洗浄溶媒の「最も汚れた」区分のみが本システムから出て廃棄され、未使用の溶媒供給のみが最終洗浄区分に必要とされるため、インプロセス統合マルチパス洗浄により、洗浄溶媒のはるかにより効率的な使用が可能になる。この実施形態を、実施例9、10で実証した。
【0361】
実施形態27.反応器が、流動化を容易にするために、試薬又は洗浄溶媒が最初に反応器に入ったときにより大きい直径の上部セクションに拡張するより小さい直径の下部セクションを有する、実施形態19に記載の方法。上向流不活性ガスが樹脂ビーズのうちのいくつか又は全てを押し上げてより大きい直径のセクションに入れ、ここで、壁効果をあまり受けることなく液体と固体が相互作用することができる。この実施形態を、実施例2、4、6、7で実証した。
【0362】
実施形態28.樹脂床が各サイクルにおいて脱ブロッキング、カップリング、酸化、硫化、及びキャッピング反応ステップ中に流動化され/試薬液体と混合されて、完全な接触を達成し、かつ反応中に樹脂床を通って下方に流れるときにさもなければ高い圧力降下も緩和する、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例1、2、3、4、6、7、8、9、10で実証した。
【0363】
実施形態29.溶媒洗浄の初期部分が流動化されて、洗浄中に樹脂床を通って下方に流れるときにさもなければ高い圧力降下を緩和する、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例2、3、及び4で実証した。
【0364】
実施形態30.樹脂膨張が主に流動化中に起こることが許可され、これにより、液体がその後に床を通って下方に流れて反応器の底部から出るときに圧力降下が緩和される、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例1、2、3、4、6、7、8、9、10で実証した。
【0365】
実施形態31.キャッピングがサイクルのうちのいくつかから省略される、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例9、10で実証した。
【0366】
実施形態32.反応のうちのいくつかが反応におけるいずれの時点でも流動化されず、プラグフロー接触のみ、例えば、未使用のDCA溶液が充填されたときに流動化なしで脱ブロッキングが行われる、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例7、9、10で実証した。
【0367】
実施形態33.不活性ガスが樹脂床を通って液体を押し下げ、反応器の出口にあるポンプ又は他の計量デバイスが床を通る液体の流量を制御する、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例1、2、3、4、6、7、8、9、10で実証した。
【0368】
実施形態34.アミダイト及び活性化剤溶液が別個のゾーンに充填され、任意選択的にゾーン内で不活性ガスバブリングにより混合され、その後、反応器に押し込まれる、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例1、2、4、6、7で実証した。
【0369】
実施形態35.アミダイト及び活性化剤溶液が別個のゾーンに充填され、任意選択的にゾーン内で不活性ガスバブリングにより混合され、その後、反応器に押し込まれる前に供給ゾーンに押し込まれる、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例3、8、9、10で実証した。
【0370】
実施形態36.試薬が反応器に押し込まれる前に個々の供給ゾーンに充填される、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例1、2、4、7で実証した。
【0371】
実施形態37.試薬が反応器に押し込まれる前に共通の供給ゾーンに充填される、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例3、8、9、10で実証した。
【0372】
実施形態38.試薬が供給ゾーンではなく反応器に直接押し込まれる、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例6で実証した。
【0373】
実施形態39.カップリング後の洗浄溶媒が酸化/チオール化後に洗浄溶媒中で再利用される、実施形態19に記載の方法。この実施形態を、実施例10で実証した。
【0374】
本明細書で概説した方法及び/又はプロセス及び/又は実施形態のうちのいずれかにより生成物(オリゴヌクレオチドを含む)が作製される様々な実施形態が存在する。例えば、以下の方法を使用して生成物を作製することができる。
【0375】
オリゴヌクレオチドを床反応器内の固相樹脂に添加する方法であって、
固相樹脂に結合しているオリゴヌクレオチドの5’位から保護基を除去することと、
活性化アミダイト溶液を床反応器に添加することであって、活性化アミダイト溶液がアミダイトを含み、床反応器内を上下に流れるか、又は窒素バブリング若しくは他の撹拌により流動化し、オリゴヌクレオチドの5’位で反応し、アミダイト内で見つけられる亜リン酸結合が酸化状態IIIのP原子を含む、添加することと、
P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換することと、を含む、方法。
【0376】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換する前又は変換した後に、キャッピング溶液を添加するステップを更に含み、カップリング部分がアミダイト溶液と反応しなかった場合、キャッピング溶液がカップリング部分をキャップし、これにより、更なるアミダイトがカップリング部分にカップリングすることができないようになり、キャッピング溶液が床反応器内を上下に流れるか、又は不活性ガスバブリング若しくは他の撹拌を使用して樹脂を流動化させるか、又は流動化/混合若しくは反応の流動化部分とそれに続くプラグフロー部分なしで樹脂床を通って下方に流れる、プロセスを用いて作製することができる。
【0377】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、床反応器の底部に位置するフィルターにアミダイト溶液を通すことによって活性化アミダイト溶液を床反応器から除去するステップを更に含む、プロセスを用いて作製することができる。
【0378】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、第1の洗浄溶液を床反応器に添加するステップを更に含み、第1の洗浄溶液の添加が保護基を除去した後に起こる、プロセスを用いて作製することができる。
【0379】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、第2の洗浄溶液を床反応器に添加するステップを更に含み、第2の洗浄溶液の添加が、活性化アミダイト溶液が床反応器に添加された後に起こる、プロセスを用いて作製することができる。
【0380】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、第1の洗浄溶液及び第2の洗浄溶液が床反応器内を上下に流れ、かつ方法が、床反応器の底部に位置するフィルターに第1の洗浄溶液及び第2の洗浄溶液を通すことによって第1の洗浄溶液及び第2の洗浄溶液を床反応器から個別に除去するステップを更に含む、プロセスを用いて作製することができる。
【0381】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、第2の洗浄溶液の添加が、P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換するステップの前に起こる、プロセスを用いて作製することができる。
【0382】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、第3の洗浄溶液を床反応器に添加するステップを更に含み、第3の洗浄溶液の添加が、P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換した後に起こる、プロセスを用いて作製することができる。
【0383】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、第3の洗浄溶液が床反応器内を上下に流れ、方法が、床反応器の底部に位置するフィルターに第3の洗浄溶液を通すことによって第3の洗浄溶液を床反応器から除去するステップを更に含む、プロセスを用いて作製することができる。
【0384】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、保護基がDMT基であり、保護基の除去が、オリゴヌクレオチドの5’位を、溶媒中に酸を含む活性化溶液と反応させることを含む、プロセスを用いて作製することができる。
【0385】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、方法が、床反応器の底部に位置するフィルターに活性化溶液を通すことによって活性化溶液を床反応器から除去するステップを更に含む、プロセスを用いて作製することができる。
【0386】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、床反応器内での上下の流れが、下方押圧中に反応器の上部に圧力を加え、その後、上方押圧中に反応器の上部から圧力を解放することによって達成される、プロセスを用いて作製することができる。
【0387】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、床反応器内での固体と液体の流動床混合が、窒素又は別のガスを反応器の底部に添加すること又は他の何らかのタイプの撹拌によって達成される、プロセスを用いて作製することができる。
【0388】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、第1の洗浄溶液と第2の洗浄溶液とが床反応器内で混合し、方法が、床反応器の底部に位置するフィルターに第1の洗浄溶液及び第2の洗浄溶液を通すことによって第1の洗浄溶液及び第2の洗浄溶液を床反応器から個別に除去するステップを更に含む、プロセスを用いて作製することができる。
【0389】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、洗浄溶媒が次の試薬を充填する前にフィルター反応器の底部から排出され、試薬が次の洗浄溶媒を充填する前にフィルター反応器の底部から排出され、樹脂床が混合されて、各サイクルにおいて選択された反応及び/又は洗浄中に選択された時点で不活性ガスバブリング又は液体の上下の流れによって樹脂粒子を試薬及び/又は洗浄溶媒中に懸濁させる、プロセスを用いて作製することができる。
【0390】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、試薬の第1の分量が反応器に充填され、第1の分量が反応の開始時に目標時間にわたって流動化されて、完全な接触を達成し、かつ樹脂膨張を達成し、その後、第1の分量が樹脂床プラグフロー様式によりポンプ注入されると同時に試薬の第2の分量を反応器の上部に同時に充填し、これにより、残りの試薬がプラグフローによりポンプ注入されるようになる、プロセスを用いて作製することができる。
【0391】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、脱ブロッキング試薬溶液の最終区分がホスホロアミダイトサイクル毎に再利用され、これにより、脱ブロッキングの反応に必要な酸量が減少し、樹脂が膨張して脱ブロッキングの開始時に床がチャネルなしでリセットされ、未使用の脱ブロッキング試薬溶液とのプラグフロー反応前にACNが洗い流される、プロセスを用いて作製することができる。
【0392】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、各洗浄が、完全に排出される一連の複数のより小規模な洗浄部分に分割され、これにより、1回の大規模な連続洗浄と比較して逆混合を最小限に抑えることができる、プロセスを用いて作製することができる。
【0393】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、溶媒洗浄のうちのいくつか又は全てが流動化されず、洗浄が流動化部分から始まりプラグフロー部分が続くか、又は洗浄がプラグフロー洗浄の最中のどこか若しくは最後に流動化部分を有し、試薬除去の効率を考慮し、かつ圧力降下を克服するために流動化がいつ必要とされるかに応じてカスタム設計されている、プロセスを用いて作製することができる。
【0394】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、流入する試薬及び洗浄溶媒がスプレーコーン又は他の分布器で樹脂床の上部に半径方向に均等に分布して、樹脂床を平らに保ち、かつ効率的なプラグフロー反応及び洗浄を可能にする、プロセスを用いて作製することができる。
【0395】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、洗浄溶媒のよりきれいな画分がホスホロアミダイトサイクル毎にリサイクルされて再利用される、プロセスを用いて作製することができる。
【0396】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、本明細書に記載されるように、インプロセス統合マルチパス洗浄が反応後に使用される、プロセスを用いて作製することができる。溶媒部分が反応器に複数回通される。例えば、サイクル1での脱ブロッキング後の第6の溶媒洗浄部分がサイクル2での脱ブロッキング後の第5の洗浄部分になり、その後、これがサイクル3での脱ブロッキング後の第4の洗浄部分になるといった具合である。毎回の反応後に洗浄溶媒の「最も汚れた」区分のみが本システムから出て廃棄され、未使用の溶媒供給のみが最終洗浄区分に必要とされるため、インプロセス統合マルチパス洗浄により、洗浄溶媒のはるかにより効率的な使用が可能になる。
【0397】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、反応器が、流動化を容易にするために、試薬又は洗浄溶媒が最初に反応器に入ったときにより大きい直径の上部セクションに拡張するより小さい直径の下部セクションを有する、プロセスを用いて作製することができる。上向流不活性ガスが樹脂ビーズのうちのいくつか又は全てを押し上げてより大きい直径のセクションに入れ、ここで、壁効果をあまり受けることなく液体と固体が相互作用することができる。
【0398】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、樹脂床が各サイクルにおいて脱ブロッキング、カップリング、酸化、硫化、及びキャッピング反応ステップ中に流動化され/試薬液体と混合されて、完全な接触を達成し、かつ反応中に樹脂床を通って下方に流れるときにさもなければ高い圧力降下も緩和する、プロセスを用いて作製することができる。
【0399】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、溶媒洗浄の初期部分が流動化されて、洗浄中に樹脂床を通って下方に流れるときにさもなければ高い圧力降下を緩和する、プロセスを用いて作製することができる。
【0400】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、樹脂膨張が主に流動化中に起こることが許可され、これにより、液体がその後に床を通って下方に流れて反応器の底部から出るときに圧力降下が緩和される、プロセスを用いて作製することができる。
【0401】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、キャッピングがサイクルのうちのいくつかから省略される、プロセスを用いて作製することができる。
【0402】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、反応のうちのいくつかが反応におけるいずれの時点でも流動化されず、プラグフロー接触のみ、例えば、未使用のDCA溶液が充填されたときに流動化なしで脱ブロッキングが行われる、プロセスを用いて作製することができる。
【0403】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、不活性ガスが樹脂床を通って液体を押し下げ、反応器の出口にあるポンプ又は他の計量デバイスが床を通る液体の流量を制御する、プロセスを用いて作製することができる。
【0404】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、アミダイト及び活性化剤溶液が別個のゾーンに充填され、任意選択的にゾーン内で不活性ガスバブリングにより混合され、その後、反応器に押し込まれる、プロセスを用いて作製することができる。
【0405】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、アミダイト及び活性化剤溶液が別個のゾーンに充填され、任意選択的にゾーン内で不活性ガスバブリングにより混合され、その後、反応器に押し込まれる前に供給ゾーンに押し込まれる、プロセスを用いて作製することができる。
【0406】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、試薬が反応器に押し込まれる前に個々の供給ゾーンに充填される、プロセスを用いて作製することができる。
【0407】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、試薬が反応器に押し込まれる前に共通の供給ゾーンに充填される、プロセスを用いて作製することができる。
【0408】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、試薬が供給ゾーンではなく反応器に直接押し込まれる、プロセスを用いて作製することができる。
【0409】
上記の方法で作製される生成物を、プロセスであって、カップリング後の洗浄溶媒が酸化/チオール化後に洗浄溶媒中で再利用される、プロセスを用いて作製することができる。
【0410】
あるいは、他の生成物を他の方法を使用して作製することもできる。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリゴヌクレオチドを床反応器内の固体支持体に添加する方法であって、
前記固体支持体に結合しているオリゴヌクレオチドの5’位から保護基を除去することと、
活性化アミダイト溶液を前記床反応器に添加することであって、前記活性化アミダイト溶液がアミダイトを含み、前記床反応器内で上下に流れるか、又は窒素バブリング若しくは他の撹拌により流動化し、前記オリゴヌクレオチドの5’位で反応し、前記アミダイト内で見られる亜リン酸結合が酸化状態IIIのP原子を含む、添加すること、次いで
前記P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換することを含む、方法。
【請求項2】
前記P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換する前又は変換した後に、キャッピング溶液を添加するステップを更に含み、カップリング部分が前記アミダイト溶液と反応しなかった場合、前記キャッピング溶液が前記カップリング部分をキャップし、これにより、更なるアミダイトが前記カップリング部分にカップリングすることができないようになり、前記キャッピング溶液が前記床反応器内を上下に流れるか、又は窒素バブリング若しくは他の撹拌により流動化するか、又は流動化/混合若しくは前記反応の流動化部分とそれに続くプラグフロー部分なしで樹脂床を通って下方に流れる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記床反応器の底部に位置するフィルターに前記アミダイト溶液を通すことによって前記活性化アミダイト溶液を前記床反応器から除去するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の洗浄溶液を前記床反応器に添加するステップを更に含み、前記第1の洗浄溶液の前記添加が前記保護基を除去した後に起こる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第2の洗浄溶液を前記床反応器に添加するステップを更に含み、前記第2の洗浄溶液の前記添加が、前記活性化アミダイト溶液が前記床反応器に添加された後に起こる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の洗浄溶液及び前記第2の洗浄溶液が前記床反応器内を上下に流れ、前記方法が、前記床反応器の底部に位置するフィルターに前記第1の洗浄溶液及び前記第2の洗浄溶液を通すことによって前記第1の洗浄溶液及び前記第2の洗浄溶液を前記床反応器から個別に除去するステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の洗浄溶液の前記添加が、前記P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換するステップの前に起こる、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
第3の洗浄溶液を前記床反応器に添加するステップを更に含み、前記第3の洗浄溶液の前記添加が、前記P原子を酸化状態IIIから酸化状態Vに変換した後に起こる、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記第3の洗浄溶液が前記床反応器内を上下に流れ、前記方法が、前記床反応器の底部に位置するフィルターに前記第3の洗浄溶液を通すことによって前記第3の洗浄溶液を前記床反応器から除去するステップを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記保護基がDMT基であり、前記保護基の前記除去が、オリゴヌクレオチドの5’位を、溶媒中に酸を含む活性化溶液と反応させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、前記床反応器の底部に位置するフィルターに前記活性化溶液を通すことによって前記活性化溶液床反応器を除去するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記床反応器内での前記上下の流れが、下方押圧中に前記反応器の上部に圧力を加え、その後、上方押圧中に前記反応器の上部から圧力を解放することによって達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記床反応器内での固体と液体の流動床混合が、窒素又は別のガスを前記反応器の底部に添加すること又は他の何らかのタイプの撹拌によって達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
床反応器及び活性化アミダイト溶液を備える、オリゴヌクレオチドを固体支持体に添加するためのシステムであって、前記活性化アミダイト溶液がアミダイトを含み、前記床反応器内を上下に流れるか、又は窒素バブリング若しくは他の撹拌により流動化する、システム。
【請求項15】
前記床反応器が、加圧ガスが前記床反応器に入るのを許可する入口を備え、前記加圧ガス又は他の何らかのタイプの撹拌により、前記アミダイト溶液が前記床反応器内で前記固体と混合するようになる、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記入口が前記床反応器の底部に配置されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記床反応器が前記床反応器の上部から加圧及び減圧され、前記圧力変動により、前記アミダイトが前記床反応器内を上下に流れるようになる、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の洗浄溶液と前記第2の洗浄溶液とが前記床反応器内で混合し、前記方法が、前記床反応器の底部に位置するフィルターに前記第1の洗浄溶液及び前記第2の洗浄溶液を通すことによって前記第1の洗浄溶液及び前記第2の洗浄溶液を前記床反応器から個別に除去するステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項19】
洗浄溶媒が次の試薬を充填する前にフィルター反応器の底部から排出され、前記試薬が次の洗浄溶媒を充填する前に前記フィルター反応器の底部から排出され、前記樹脂床が混合されて、各サイクルにおいて選択された反応及び/又は洗浄中に選択された時点で不活性ガスバブリング又は前記液体の上下の流れによって前記樹脂粒子を前記試薬及び/又は前記洗浄溶媒中に懸濁させる、請求項5に記載の方法。
【請求項20】
前記試薬の第1の分量が前記反応器に充填され、前記第1の分量が前記反応の開始時に目標時間にわたって流動化されて、完全な接触を達成し、かつ樹脂膨張を達成し、その後、前記第1の分量が前記樹脂床プラグフロー様式によりポンプ注入されると同時に前記試薬の第2の分量を前記反応器の上部に同時に充填し、これにより、残りの試薬がプラグフローによりポンプ注入されるようになる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
脱ブロッキング試薬溶液の最終区分がホスホロアミダイトサイクル毎に再利用され、これにより、前記脱ブロッキングの反応に必要な酸量が減少し、前記樹脂が膨張して脱ブロッキングの開始時に前記床がチャネルなしでリセットされ、未使用の脱ブロッキング試薬溶液とのプラグフロー反応前にACNが洗い流される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
各洗浄が、完全に排出される一連の複数のより小規模な洗浄部分に分割され、これにより、1回の大規模な連続洗浄と比較して逆混合を最小限に抑えることができる、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記溶媒洗浄のうちのいくつか又は全てが流動化されず、前記洗浄が流動化部分から始まりプラグフロー部分が続くか、又は前記洗浄がプラグフロー洗浄の最中のどこか若しくは最後に流動化部分を有し、試薬除去の効率を考慮し、かつ圧力降下を克服するために流動化がいつ必要とされるかに応じてカスタム設計されている、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
流入する前記試薬及び前記洗浄溶媒がスプレーコーン又は他の分布器で前記樹脂床の上部に半径方向に均等に分布して、前記樹脂床を平らに保ち、かつ効率的なプラグフロー反応及び洗浄を可能にする、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記洗浄溶媒のよりきれいな画分がホスホロアミダイトサイクル毎にリサイクルされて再利用される、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
インプロセス統合マルチパス洗浄をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記反応器が、より大きい直径の上部セクションに拡張するより小さい直径の下部セクションを有する、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
前記樹脂床が各サイクルにおいて前記他の反応ステップ中に流動化され/試薬液体と混合されて、完全な接触を達成し、かつ反応中に前記樹脂床を通って下方に流れるときにさもなければ高い圧力降下も緩和する、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記溶媒洗浄の初期部分が流動化されて、前記洗浄中に前記樹脂床を通って下方に流れるときにさもなければ高い圧力降下を緩和する、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記樹脂膨張が主に流動化中に起こることが許可され、これにより、液体がその後に前記床を通って下方に流れて前記反応器の底部から出るときに圧力降下が緩和される、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
キャッピングが前記サイクルのうちのいくつかから省略される、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
前記反応のうちのいくつかが前記反応におけるいずれの時点でも流動化されず、プラグフロー接触のみ、例えば、前記未使用のDCA溶液が充填されたときに流動化なしで脱ブロッキングが行われる、請求項19に記載の方法。
【請求項33】
不活性ガスが前記樹脂床を通って液体を押し下げ、前記反応器の出口にあるポンプ又は他の計量デバイスが前記床を通る液体の流量を制御する、請求項19に記載の方法。
【請求項34】
アミダイト及び活性化剤溶液が別個のゾーンに充填され、任意選択的に前記ゾーン内で不活性ガスバブリングにより混合され、その後、前記反応器に押し込まれる、請求項19に記載の方法。
【請求項35】
アミダイト及び活性化剤溶液が別個のゾーンに充填され、任意選択的に前記ゾーン内で不活性ガスバブリングにより混合され、その後、前記反応器に押し込まれる前に供給ゾーンに押し込まれる、請求項19に記載の方法。
【請求項36】
試薬が前記反応器に押し込まれる前に個々の供給ゾーンに充填される、請求項19に記載の方法。
【請求項37】
試薬が前記反応器に押し込まれる前に共通の供給ゾーンに充填される、請求項19に記載の方法。
【請求項38】
試薬が供給ゾーンではなく前記反応器に直接押し込まれる、請求項19に記載の方法。
【請求項39】
カップリング後の洗浄溶媒が酸化/チオール化後に前記洗浄溶媒中で再利用される、請求項19に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0108】
カップリング反応:脱ブロッキング洗浄後、次の連続ホスホロアミダイトをカップリングさせ、3’から5’に連続ステップで導入する。配列内でカップリングした各ホスホロアミダイトについて、配列内のホスホロアミダイトに対応するアミダイト溶液(表4に列記したもの)を使用して、本質的に以下に記載したようにカップリング反応手順を行う。弁8をBに回す。毎回、弁9を閉じた状態で8mLのACNをアミダイト供給ゾーンにポンプ注入することにより、アミダイトゾーン及び反応器への流路を2回予洗浄し、その後、弁9を開き、窒素圧で30秒間押し出して廃棄する。最初に活性化剤溶液(3.6mL、10当量)、その後、表4の適切なアミダイト溶液(3.6mL、2.0当量)を供給ゾーンにポンプ注入する。弁9及び弁24を閉じ、供給ゾーン内の混合物を窒素圧で反応器に5秒間押し込む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】