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特表2024-500418ユニットピクセルおよびそれを含むディスプレイ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】ユニットピクセルおよびそれを含むディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/58 20100101AFI20231226BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20231226BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231226BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20231226BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20231226BHJP
【FI】
H01L33/58
G09F9/33
G09F9/00 338
H01L33/62
H01L33/00 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537181
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 KR2021019256
(87)【国際公開番号】W WO2022131840
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】63/126,744
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/274,662
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/540,338
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ソンチャン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ナムグ・チャ
(72)【発明者】
【氏名】サン・ミン・キム
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA08
5C094BA25
5C094CA19
5C094EB02
5C094JA08
5F142AA12
5F142AA26
5F142CB13
5F142CB14
5F142CB22
5F142CG03
5F142DB17
5F142DB18
5F142DB54
5F142EA02
5F142EA18
5F142EA34
5F142FA30
5F142GA02
5F142HA03
5G435AA04
5G435BB04
5G435KK05
(57)【要約】
ユニットピクセルおよびユニットピクセルを含むディスプレイ装置を提供する。前記ユニットピクセルは、透明基板;および前記透明基板上に配列された複数の発光素子を含む。前記透明基板は、内部に前記の複数の発光素子のそれぞれに対応するように配置された少なくとも一つの光散乱ラインを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニットピクセルにおいて、
光入射面および光出射面を含む透明基板;
前記透明基板上に配列され、互いに異なる色の光を放出する複数の発光素子;および
前記透明基板内に前記複数の発光素子の一つ以上に対応して予め決められたパターンに配置された少なくとも一つの光散乱ライン;
を含み、
前記複数の発光素子から生成された光は、前記透明基板の光入射面を通じて前記透明基板に入射し、前記光出射面を通じて前記透明基板から出射する、ユニットピクセル。
【請求項2】
前記少なくとも一つの光散乱ラインは、連続的なボイドまたは互いに離隔されたボイドを含む、請求項1に記載のユニットピクセル。
【請求項3】
前記少なくとも一つの光散乱ラインは、前記透明基板の一側面からそれに対向する他側面まで延びる、請求項1に記載のユニットピクセル。
【請求項4】
前記少なくとも一つの光散乱ラインは、互いに直交するように位置する複数の光散乱ラインを含む、請求項3に記載のユニットピクセル。
【請求項5】
前記複数の光散乱ラインは、前記発光素子を囲むように配置される、請求項4に記載のユニットピクセル。
【請求項6】
前記複数の発光素子に対応し、前記複数の発光素子の一つ以上を露出する複数の窓をさらに含み、
前記複数の光散乱ラインは、前記複数の窓のうち一つ以上の窓を横切って延びることにより、前記発光素子の少なくとも一つと重なる、請求項4に記載のユニットピクセル。
【請求項7】
前記複数の光散乱ラインは、全ての前記発光素子を横切る第1ラインと、前記発光素子のそれぞれを横切る複数の第2ラインを含む、請求項6に記載のユニットピクセル。
【請求項8】
前記透明基板と同一面上に配置された前記複数の発光素子間に配置された光遮断層をさらに含むが、
前記光遮断層は、前記発光素子で生成された光を透過させるように構成された少なくとも一つの窓を有し、
前記少なくとも一つの光散乱ラインは、前記窓に対応するように配置される、請求項1に記載のユニットピクセル。
【請求項9】
前記光遮断層は、前記発光素子にそれぞれ対応する複数の窓を有し、
前記少なくとも一つの光散乱ラインは、前記複数の窓の周囲に、或いは複数の窓を横切って配置された複数の光散乱ラインを含む、請求項8に記載のユニットピクセル。
【請求項10】
前記少なくとも一つの光散乱ラインは、前記少なくとも一つの窓の上部を横切る、請求項8に記載のユニットピクセル。
【請求項11】
前記少なくとも一つの光散乱ラインは、高さが平均10um以下である、請求項1に記載のユニットピクセル。
【請求項12】
ユニットピクセルにおいて、
第1サブピクセルおよび第2サブピクセルを含む複数のサブピクセルを含み、
前記第1サブピクセルは、
第1透明基板;および
前記第1透明基板上に配置され、選択された色の光を放出する第1発光素子;
を含み、
前記第2サブピクセルは、
第2透明基板;および
前記第2透明基板上に配置され、前記第1発光素子と異なる色の光を放出する第2発光素子;
を含み、
少なくとも一つの光散乱ラインが第1透明基板、第2透明基板、または第1および第2透明基板の全てに配置されるが、少なくとも一つの予め決められたパターンで前記第1発光素子、第2発光素子、または前記第1および第2発光素子の周囲に、或いは前記第1発光素子、第2発光素子、または前記第1および第2発光素子を横切って位置する、ユニットピクセル。
【請求項13】
前記第1透明基板および前記第2透明基板は、光入射面および光出射面を含む共通の透明基板を形成し、
前記少なくとも一つの光散乱ラインは、前記共通の透明基板内に配列された連続的なボイドまたは互いに離隔されたボイドを含み、
前記光散乱ラインは、前記透明基板の一側面からそれに対向する他側面まで延びる、請求項12に記載のユニットピクセル。
【請求項14】
前記第1透明基板は前記第1発光素子上に整列され、前記第2透明基板は前記第2発光素子上に整列され、
前記少なくとも一つの光散乱ラインは、前記第1透明基板および第2透明基板内に整列され、互いに離隔されたボイドを含み、
前記第1透明基板、第2透明基板、または前記第1および第2透明基板の全ては、前記第1発光素子、前記第2発光素子、または前記第1および第2発光素子の全てを成長させるための成長基板、を含む、請求項12に記載のユニットピクセル。
【請求項15】
回路基板;および
前記回路基板上に配置された複数のユニットピクセル;
を含み、
前記複数のユニットピクセルのそれぞれは、
互いに異なる色の光を放出する複数の発光素子;および
前記複数の発光素子を覆い、光入射面および光出射面を含む透明基板;および
前記透明基板内に前記複数の発光素子の一つ以上に対応して予め決められたパターンで配置された少なくとも一つの光散乱ライン;
を含み、
前記複数の発光素子で生成された光は、前記光入射面を通じて前記透明基板に入射し、前記光出射面を通じて前記透明基板から出射する、ディスプレイ装置。
【請求項16】
前記少なくとも一つの光散乱ラインは、連続的なボイドまたは互いに離隔されたボイドを含む、請求項15に記載のディスプレイ装置。
【請求項17】
前記少なくとも一つの光散乱ラインは、前記透明基板の一側面からそれに対向する他側面まで延びる、請求項15に記載のディスプレイ装置。
【請求項18】
前記複数の発光素子は、互いに離隔されて前記透明基板上に整列され、それぞれのユニットピクセルは、前記透明基板と前記各発光素子間に配置された光遮断層をさらに含むが、
前記光遮断層は、前記発光素子で生成された光を前記透明基板の光入射面に透過させるように構成された少なくとも一つの窓を有し、
前記少なくとも一つの光散乱ラインは、前記窓に対応するように配置される、請求項15に記載のディスプレイ装置。
【請求項19】
前記透明基板は、互いに離隔され、互いに分離された複数の不連続領域を含むが、前記複数の不連続領域は、前記発光素子に対応し、前記対応する発光素子上にそれぞれ配置され、
前記少なくとも一つの光散乱ラインは、前記透明基板の各領域に配置される、請求項15に記載のディスプレイ装置。
【請求項20】
前記回路基板は複数のパッドを含み、
前記ユニットピクセルはそれぞれボンディング材を通じて前記複数のパッドにボンディングされる、請求項15に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユニットピクセルおよびそれを有するディスプレイ装置に関するものであり、特に、発光素子を含むユニットピクセルおよびそれを有するディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子は、無機光源である発光ダイオードを用いた半導体素子として、ディスプレイ装置、車両用ランプ、一般照明のような様々な分野に多様に用いられており、このような発光ダイオードは、寿命が長く、且つ消費電力が低く、応答速度が速いという長所があるため、既存の光源を速い速度で置き換えている。
【0003】
一方、従来の発光ダイオードは、ディスプレイ装置においてバックライト光源として主に使用されていたが、近年、発光ダイオードを用いて直接イメージを具現するディスプレイ装置が開発されている。このようなディスプレイ装置は、マイクロLEDディスプレイともよばれている。
【0004】
このようなディスプレイ装置は、一般に、青色、緑色および赤色の混合色を用いて多様な色を具現し、多様なイメージを具現するために複数のピクセルを含む。各ピクセルは、青色、緑色および赤色のサブピクセルを備える。これらサブピクセルの色を通じて特定ピクセルの色が決められ、これらピクセルの組合せによってイメージが具現される。
【0005】
マイクロLEDディスプレイの場合、各サブピクセルに対応してマイクロLEDが平面上に配列され、一つの基板上に非常に多くの個数のマイクロLEDが実装される。ところが、マイクロLEDは、200μm以下、さらには100μm以下と非常に小さく、このようにサイズが小さいことによって特定の制限が存在する。例えば、小さいマイクロLEDをハンドリングするため、ディスプレイパネル上に発光ダイオードを直接実装することが困難である。さらに、サブピクセルから放出される光の指向角が相互異なり、光の混合が均一にならなくなり得、よって、使用者が見る角度によって色が異なり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示が解決しようとする課題は、発光素子の光パターンを制御して指向角による色の違いを緩和できるユニットピクセルおよびそれを有するディスプレイ装置を提供するものである。例示的な実施例において、指向角によるマイクロLEDの光パターンは、そのサイズが小さくなっても悪化しない。よって、より小さいマイクロLEDを使用してディスプレイ装置を具現するために、前記の例示的な実施例はマイクロLEDの指向角による光パターンを改善する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例にかかるユニットピクセルは、透明基板;および前記透明基板上に配列された複数の発光素子を含み、前記透明基板は、内部に前記の複数の発光素子のそれぞれに対応するように配置された少なくとも一つの光散乱ラインを含む。
【0008】
前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、連続的あるいは互いに離隔されたボイドを含むことができる。
【0009】
前記光散乱ラインは、前記透明基板の一側面からそれに対向する他側面まで延ばすことができる。
【0010】
前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、互いに直交する複数の光散乱ラインを含むことができる。
【0011】
前記の複数の光散乱ラインは、前記発光素子の上部領域を囲むように配置することができる。
【0012】
前記の複数の光散乱ラインは、前記発光素子の少なくとも一つと部分的に重なり得る。
【0013】
前記の複数の光散乱ラインは、前記発光素子の上部領域を横切るラインと、前記発光素子のそれぞれの上部領域を横切るラインを含むことができる。
【0014】
前記透明基板と前記発光素子間に配置された光遮断層をさらに含むことができる。前記光遮断層は、前記発光素子で生成された光を透過させるように構成された少なくとも一つの窓を有することができ、前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、前記窓に対応するように配置することができる。
【0015】
前記光遮断層は、前記発光素子にそれぞれ対応する複数の窓を有することができ、前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、前記の複数の窓を囲むように配置された複数の光散乱ラインを含むことができる。
【0016】
前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、前記の少なくとも一つの窓の上部領域を横切ることができる。
【0017】
前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、高さが平均10um以下になり得る。
【0018】
一実施例によると、ユニットピクセルを構成するサブピクセルが提供される。前記サブピクセルは、透明基板;および前記透明基板上に配置された発光素子を含み、前記透明基板は少なくとも一つの光散乱ラインを含む。
【0019】
前記少なくとも一つの光散乱ラインは、連続的なボイドまたは互いに離隔されたボイドを含むことができる。
【0020】
前記光散乱ラインは、前記透明基板の一側面からそれに対向する他側面まで延ばすことができる。
【0021】
一実施例にかかるディスプレイ装置は、回路基板;および前記回路基板上に配置された複数のユニットピクセルを含む。前記の複数のユニットピクセルのそれぞれは、複数の発光素子;および前記の複数の発光素子を覆う透明基板を含み、前記透明基板は、内部に前記の複数の発光素子のそれぞれに対応するように配置された少なくとも一つの光散乱ラインを含む。
【0022】
前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、連続的なボイドまたは互いに離隔されたボイドを含むことができる。
【0023】
前記光散乱ラインは、前記透明基板の一側面からそれに対向する他側面まで延ばすことができる。
【0024】
前記ユニットピクセルは、前記透明基板と前記発光素子間に配置された光遮断層をさらに含むことができ、前記光遮断層は、前記発光素子で生成された光を透過させるように構成された少なくとも一つの窓を有することができ、前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、前記窓に対応するように配置することができる。
【0025】
前記透明基板は、互いに離隔されて前記発光素子上にそれぞれ配置された複数の領域を含むことができ、前記光散乱ラインは、前記透明基板の各領域に配置することができる。
【0026】
前記回路基板は、パッドを有し、前記ユニットピクセルはそれぞれボンディング材によって前記パッドにボンディングすることができる。
【0027】
本開示の一実施例にかかるユニットピクセルは、光入射面および光出射面を含む透明基板;前記透明基板上に配列され、互いに異なる色の光を放出する複数の発光素子;および前記透明基板内に前記の複数の発光素子の一つ以上に対応して予め決められたパターンに配置された少なくとも一つの光散乱ラインを含み、前記の複数の発光素子から生成された光は、前記透明基板の光入射面を通じて前記透明基板に入射し、前記光出射面を通じて前記透明基板から出射する。
【0028】
前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、連続的なボイドまたは互いに離隔されたボイドを含むことができる。
【0029】
前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、前記透明基板の一側面からそれに対向する他側面まで延ばすことができる。
【0030】
前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、互いに直交するように位置する複数の光散乱ラインを含むことができる。
【0031】
前記の複数の光散乱ラインは、前記の発光素子を囲むように配置することができる。
【0032】
前記ユニットピクセルは、前記の複数の発光素子に対応し、前記の複数の発光素子の一つ以上を露出する複数の窓を含むことができ、前記の複数の光散乱ラインは、前記の複数の窓のうち一つ以上の窓を横切って延ばすことにより、前記発光素子の少なくとも一つと重なり得る。
【0033】
前記の複数の光散乱ラインは、前記の全発光素子を横切る第1ラインと、前記発光素子のそれぞれを横切る複数の第2ラインを含むことができる。
【0034】
前記ユニットピクセルは、前記透明基板と同一面上に配置された前記の複数の発光素子間に配置された光遮断層をさらに含むことができ、前記光遮断層は、前記発光素子で生成された光を透過させるように構成された少なくとも一つの窓を有し、前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、前記窓に対応するように配置され得る。
【0035】
前記光遮断層は、前記発光素子にそれぞれ対応する複数の窓を有することができ、前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、前記の複数の窓の周囲に、或いは複数の窓を横切って配置された複数の光散乱ラインを含むことができる。
【0036】
前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、前記の少なくとも一つの窓の上部を横切ることができる。
【0037】
前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、高さが平均10um以下になり得る。
【0038】
本開示の一実施例にかかるユニットピクセルは、第1サブピクセルおよび第2サブピクセルを含む複数のサブピクセルを含むが、前記第1サブピクセルは、第1透明基板;および前記第1透明基板上に配置され、選択された色の光を放出する第1発光素子を含み、前記第2サブピクセルは、第2透明基板;および前記第2透明基板上に配置され、前記第1発光素子と異なる色の光を放出する第2発光素子を含み、少なくとも一つの光散乱ラインが第1透明基板、第2透明基板、または第1および第2透明基板の全てに配置されるが、少なくとも一つの予め決められたパターンで前記の第1発光素子、第2発光素子、または前記の第1および第2発光素子の周囲に、或いは前記の第1発光素子、第2発光素子、または前記の第1および第2発光素子を横切って位置する。
【0039】
一実施例において、前記第1透明基板および前記第2透明基板は、光入射面および光出射面を含む共通の透明基板を形成することができ、前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、前記の共通の透明基板内に配列された連続的なボイドまたは互いに離隔されたボイドを含み、前記光散乱ラインは、前記透明基板の一側面からそれに対向する他側面まで延びる。
【0040】
前記第1透明基板は前記第1発光素子上に整列され、前記第2透明基板は前記第2発光素子上に整列され、前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、前記第1透明基板および第2透明基板内に整列され、互いに離隔されたボイドを含み、前記の第1透明基板、第2透明基板、または前記の第1および第2透明基板の全ては、前記の第1発光素子、前記第2発光素子、または前記の第1および第2発光素子の全てを成長させるための成長基板を含む。
【0041】
一実施例にかかるディスプレイ装置は、回路基板;および前記回路基板上に配置された複数のユニットピクセルを含み、前記の複数のユニットピクセルのそれぞれは、互いに異なる色の光を放出する複数の発光素子;前記の複数の発光素子を覆い、光入射面および光出射面を含む透明基板;および前記透明基板内に前記の複数の発光素子の一つ以上に対応して予め決められたパターンで配置された少なくとも一つの光散乱ラインを含み、前記の複数の発光素子で生成された光は、前記光入射面を通じて前記透明基板に入射し、前記光出射面を通じて前記透明基板から出射する。
【0042】
前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、連続的なボイドまたは互いに離隔されたボイドを含むことができる。
【0043】
前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、前記透明基板の一側面からそれに対向する他側面まで延ばすことができる。
【0044】
前記の複数の発光素子は、互いに離隔されて前記透明基板上に整列され、それぞれのユニットピクセルは、前記透明基板と前記各発光素子間に配置された光遮断層をさらに含むことができ、前記光遮断層は、前記発光素子で生成された光を前記透明基板の光入射面に透過させるように構成された少なくとも一つの窓を有することができ、前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、前記窓に対応するように配置され得る。
【0045】
前記透明基板は、互いに離隔され、互いに分離された複数の不連続領域を含むことができ、前記の複数の不連続領域は、前記発光素子に対応し、前記の対応する発光素子上にそれぞれ配置され、前記の少なくとも一つの光散乱ラインは、前記透明基板の各領域に配置され得る。
【0046】
前記回路基板は複数のパッドを含むことができ、前記ユニットピクセルはそれぞれボンディング材を通じて前記の複数のパッドにボンディングされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本開示の一実施例にかかるディスプレイ装置を説明するための概略的な平面図である。
図2a】本開示の一実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な平面図である。
図2b図2aの切り取り線A-A’に沿って切り取った概略的な断面図である。
図3a】本開示の一実施例にかかるユニットピクセルを説明するための概略的な平面図である。
図3b】本開示の一実施例にかかるユニットピクセルの光散乱ラインを説明するための概略的な背面図である。
図3c図3aの切り取り線B-B’に沿って切り取った概略的な断面図である。
図4】本開示の一実施例にかかるディスプレイ装置を説明するための概略的な断面図である。
図5】本開示のまた別の実施例にかかるユニットピクセルの光散乱ラインを説明するための概略的な背面図である。
図6】は、本開示のまた別の実施例にかかるユニットピクセルを説明するための概略的な断面図である。
図7】本開示のまた別の実施例にかかるユニットピクセルを説明するための概略的な断面図である。
図8】本開示の一実施例にかかるユニットピクセルの製造方法を説明するための概略的な図面である。
図9】は、本開示のまた別の実施例にかかるディスプレイ装置を説明するための概略的な断面図である。
図10a】従来技術に従ったユニットピクセル内の発光素子の光指向パターンを表すグラフであり、図3bに示したx方向にスキャンしたグラフを例示する。
図10b】従来技術に従ったユニットピクセル内の発光素子の光指向パターンを表すグラフであり、図3bに示したy方向にスキャンしたグラフを例示する。
【0048】
図11a】本開示の一実施例にかかるユニットピクセル内の発光素子の光指向パターンを表すグラフであり、図3bに示したx方向にスキャンしたグラフを例示。
図11b】本開示の一実施例にかかるユニットピクセル内の発光素子の光指向パターンを表すグラフであり、図3bに示したy方向にスキャンしたグラフを例示する。
【0049】
図12a】本開示のまた別の実施例にかかるユニットピクセル内の発光素子の光指向パターンを表すグラフであり、図3bに示したx方向にスキャンしたグラフである。
図12b】本開示のまた別の実施例にかかるユニットピクセル内の発光素子の光指向パターンを表すグラフであり、図3bに示したy方向にスキャンしたグラフである。
【0050】
図13a】本開示の多様な実施例にかかる光散乱ラインまたはパターンを例示する概略的な平面図を表し、発光素子と同じ面積を定義するために長方形状に配置された光散乱ラインを例示。
図13b】本開示の多様な実施例にかかる光散乱ラインまたはパターンを例示する概略的な平面図を表し、発光素子よりも小さい面積を定義するために長方形状に配置された光散乱ラインを例示する。
図13c】本開示の多様な実施例にかかる光散乱ラインまたはパターンを例示する概略的な平面図を表し、垂直方向に発光素子のそれぞれを横切るように配置された光散乱ラインを例示する。
図13d】本開示の多様な実施例にかかる光散乱ラインまたはパターンを例示する概略的な平面図を表し、各発光素子を対角方向に横切るように配置された光散乱ラインを例示する。
図13e】本開示の多様な実施例にかかる光散乱ラインまたはパターンを例示する概略的な平面図を表し、発光素子よりもさらに大きい面積を定義するために配置された光散乱ラインを例示する。
図13f】本開示の多様な実施例にかかる光散乱ラインまたはパターンを例示する概略的な平面図を表し、長方形状に配置された光散乱ラインと対角方向に発光素子を横切る光散乱ラインが互いに重なって配置されたことを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、添付の図面を参照して本開示の実施例を詳しく説明する。次に紹介する実施例は、本開示の属する技術分野の通常の技術者に本開示の思想が十分に伝わるようにするために例として提供するものである。よって、本開示は以下で説明する実施例に限定されるのではなく、他の形態に具体化することもできる。そして、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さ等は、便宜のために誇張して表現する場合もある。また、一つの構成要素が他の構成要素の「上部に」又は「上に」あると記載されている場合は、各部分が他の部分の「真上部」又は「真上に」ある場合だけでなく、各構成要素と他の構成要素間にまた別の構成要素が介在する場合も含む。明細書全体に亘って、同じ参照番号は同じ構成要素を表す。
【0052】
図1は、本開示事項の一実施例にかかるディスプレイ装置10000を説明するための平面図である。
【0053】
図1を参照すると、ディスプレイ装置10000は、パネル基板1000および複数のユニットピクセル100を含み得る。
【0054】
前記ディスプレイ装置10000は、特に限定されるのではないが、マイクロLED TV、スマートウォッチ、VRヘッドセットのようなVRディスプレイ装置、又は拡張現実眼鏡のようなARディスプレイ装置を含むことができる。
【0055】
前記パネル基板1000は、PI(Polyimide)、FR4(FR-4 glass epoxy)、ガラス(glass)等の材質で形成することができ、受動マトリックス駆動または能動マトリックス駆動のための回路を含むことができる。一実施例において、前記パネル基板1000は、内部に配線および抵抗を含み得、別の実施例において、前記パネル基板1000は、配線、トランジスタおよびキャパシタを含み得る。また、前記パネル基板1000は、内部回路に電気的に接続できるパッドを上面に有することができる。
【0056】
前記の複数のユニットピクセル100は、前記パネル基板1000上に配列され得る。前記の複数のユニットピクセル100は、図1に示したように、6x6で配列できるが、これに限定されるのではなく、2x2、3x3、5x5等の多様な行列(nxm,n=1,2,3,4....,;m=1,2,3,4....)で配列することができる。
【0057】
各ユニットピクセル100は、複数の発光素子10a,10b,10cを含む。発光素子10a,10b,10cは、互いに異なる色の光を放出することができる。各ユニットピクセル100内の発光素子10a,10b,10cは、図1に示したように、予め決められたパターンで配列され得る。一実施例において、発光素子10a,10b,10cは、イメージが具現されるディスプレイ画面に対して垂直方向に配列できる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、発光素子10a,10b,10cは、イメージが具現されるディスプレイ画面に対して水平方向に配列されてもよい。
【0058】
以下で、前記ディスプレイ装置10000内に配置された発光素子10a,10b,10cおよびユニットピクセル100の順に前記ディスプレイ装置10000の各構成要素を詳しく説明する。
【0059】
図2aおよび図2bは、本開示事項の一実施例にかかる発光素子10aを説明するための平面図および断面図である。
【0060】
図2aおよび図2bを参照すると、前記発光素子10aは、第1導電型半導体層21、活性層23、第2導電型半導体層25を含む発光構造体を含む。また、前記発光素子10は、オーミック接触層27、絶縁層29、第1コンタクトパッド31、第2コンタクトパッド33、第1電極パッド41および第2電極パッド43を含み得る。
【0061】
前記第1導電型半導体層21、活性層23および第2導電型半導体層25は、成長基板(図示せず)上に成長し得る。前記成長基板は、窒化ガリウム基板、GaAs基板、Si基板、サファイア基板、特に、パターニングされたサファイア基板等の半導体成長用として使用できる多様な基板になり得る。前記成長基板は、半導体層の成長が完了した後、半導体層から、機械的研磨、レーザーリフトオフ、ケミカルリフトオフ等の技術を用いて分離できる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、前記基板の一部が残留して第1導電型半導体層21の少なくとも一部を構成してもよい。
【0062】
本実施例において、前記の複数の発光素子10a,10b,10cは、それぞれ赤色光、緑色光および青色光を放出することができる。本実施例において、赤色発光素子10a、緑色発光素子10b、および青色発光素子10cの順に配列されたことを図示しているが、本開示が必ずしもこれに限定されるのではない。
【0063】
一方、赤色光を放出する発光素子10aの場合、前記半導体層は、ヒ化アルミニウムガリウム(aluminum gallium arsenide,AlGaAs)、ガリウムヒ素リン化物(gallium arsenide phosphide,GaAsP)、アルミニウムガリウムインジウムリン化物(aluminum gallium indium phosphide,AlGaInP)、およびガリウムリン化物(gallium phosphide,GaP)を含むことができる。
【0064】
緑色光を放出する発光素子10bの場合、前記半導体層は、インジウムガリウム窒化物(InGaN)、ガリウム窒化物(GaN)、ガリウムリン化物(GaP)、アルミニウムガリウムインジウムリン化物(AlGaInP)、またはアルミニウムガリウムリン化物(AlGaP)を含むことができる。
【0065】
青色光を放出する発光素子10cの場合、前記半導体層は、ガリウム窒化物(GaN)、インジウムガリウム窒化物(InGaN)、または亜鉛セレン化物(Zinc selenide,ZnSe)を含むことができる。
【0066】
前記第1導電型半導体層21、活性層23および第2導電型半導体層25は、有機金属化学気相成長法(MOCVD)のような方法を用いてチャンバー内で基板上に成長し得る。また、前記第1導電型半導体層21は、Si,GeおよびSnのようなn型不純物を含み、前記第2導電型半導体層25はMg、Sr,およびBaのようなp型不純物を含み得る。一例として、第1導電型半導体層21はドーパントとしてSiを含むGaNまたはAlGaNを含むことができ、前記第2導電型半導体層25は、ドーパントとしてMgを含むGaNまたはAlGaNを含むことができる。
【0067】
前記図2bを再度参照すると、前記第1導電型半導体層21および第2導電型半導体層25がそれぞれ単一層であることを図示しているが、これらの層は多重層でもよく、また、超格子層を含んでもよい。前記活性層23は、単一量子井戸構造または多重量子井戸構造を含むことができ、目的とする波長を放出するために窒化物系半導体の組成比を調節することができる。例えば、活性層23は層を成す半導体材料およびその組成比によって、赤色光、緑色光、青色光、または紫外線を放出することができる。
【0068】
前記第2導電型半導体層25および活性層23は、メサM構造を有し、前記第1導電型半導体層21上に配置され得る。前記メサMは、前記活性層23および第2導電型半導体層25を含むことができる。また、前記第1導電型半導体層21の少なくとも一部を含むことができる。前記メサMは、前記第1導電型半導体層21の一部領域上に位置し、メサM周囲に前記第1導電型半導体層21の上面が露出し得る。
【0069】
本開示事項の実施例において、前記発光素子10は成長基板を分離して形成されるため、前記第1導電型半導体層21が前記発光素子10の下面に露出し得る。前記第1導電型半導体層21は、図2bに示したように、表面テクスチャリングによる凹凸パターンを有することができるが、本開示事項がこれに限定されるのではなく、平らな表面を有することができる。前記凹凸パターンは、乾式または湿式エッチング工程を利用した表面テクスチャリングによって形成され得る。
【0070】
前記オーミック接触層27は、前記第2導電型半導体層25にオーミックコンタクトし、前記第2導電型半導体層25上に配置され得る。前記オーミック接触層27は、単一層または多重層で形成され得る。前記オーミック接触層27は、透明導電性酸化膜または金属膜で形成され得る。例えば、前記透明導電性酸化膜は、ITOまたはZnO等を含むことができ、前記金属膜は、Al,Ti,Cr,NiおよびAu等の金属およびこれらの合金を含み得る。
【0071】
前記第1コンタクトパッド31は、メサMが形成されない露出された前記第1導電型半導体層21上に配置され得る。前記第1コンタクトパッド31は、前記第1導電型半導体層21にオーミックコンタクトすることができる。前記第1コンタクトパッド31は、前記第1導電型半導体層21にオーミックコンタクトするオーミック金属層で形成することができる。前記第1コンタクトパッド31の前記オーミック金属層は、前記第1導電型半導体層21の半導体材料によって適するものを選定することができる。
【0072】
前記第2コンタクトパッド33は、前記オーミック接触層27上に配置することができる。前記第2コンタクトパッド33は、オーミック接触層27に電気的に接続することができる。
【0073】
前記絶縁層29は、前記第1導電型半導体層21、活性層23、第2導電型半導体層25、第1コンタクトパッド31および第2コンタクトパッド33の少なくとも一部分を覆うことができる。本開示事項の実施例では、前記絶縁層29は前記第2コンタクトパッド33の一部の領域、および前記第1コンタクトパッド31の一部を除いたほぼ全面をカバーするように形成することができる。つまり、前記絶縁層29は、前記第1コンタクトパッド31および前記第2コンタクトパッド33を露出させる第1開口部29aおよび第2開口部29bを有することができる。前記絶縁層29は、屈折率が互いに異なる絶縁層を積層した分布ブラッグ反射器で形成することができ、前記分布ブラッグ反射器は、SiO,TiO,Nb,Si,SiON,Ta等から選択した少なくとも2種類の絶縁層が互いに交互に積層されて形成することができる。
【0074】
前記分布ブラッグ反射器は、前記活性層23から放出される光を反射することができ、このとき、前記活性層23から放出される光のピーク波長を含んで相対的に広い波長範囲に亘って高い反射率を表すように分布ブラッグ反射器を形成することができる。さらに、必要に応じて光の入射角を考慮して設計することができる。これにより、前記分布ブラッグ反射器は、前記活性層23で生成された光を反射して成長基板が除去されて露出された前記第1導電型半導体層21を通じて出射させることができる。
【0075】
青色光を放出する発光素子10cは、赤色光および緑色光を放出する発光素子10a,10bに比べて高い内部量子効率を有することができる。これにより、前記青色光を放出する発光素子10cは、赤色光および緑色光を放出する発光素子10a,10bに比べて高い光抽出効率を表すことができる。これにより、赤色光、緑色光および青色光の色混合割合を適正に保つことが困難となり得る。
【0076】
前記の赤色光、緑色光、および青色光の色の混合割合を調節するために、前記発光素子10a,10b,10cは、適用される分布ブラッグ反射器が、互いに異なる反射率を有するように形成することができる。具体的には、青色光を放出する発光素子10cは、赤色光および緑色光を放出する発光素子10a,10bに比べて相対的に低い反射率を有する分布ブラッグ反射器を有することができる。
【0077】
本開示事項の実施例において、前記赤色光、緑色光および青色光の発光素子10a,10b,10cに適用される分布ブラッグ反射器は、大体類似する厚さを有することができる。前記分布ブラッグ反射器の厚さを類似させることにより、赤色光、緑色光および青色光を放出するそれぞれの発光素子10a,10b,10cに適用される工程条件を類似するように設定することができる。具体的には、前記絶縁層29をパターニングする工程を類似するように設定し、前記分布ブラッグ反射器が類似する積層数を有することができる。しかし、本開示がこれに限定されるのではない。
【0078】
前記第1電極パッド41および前記第2電極パッド43は、前記絶縁層29上に配置され得る。前記第1電極パッド41は、前記第1コンタクトパッド31の上部から前記絶縁層29を介して前記オーミック接触層27の上部に延びることができる。前記第2電極パッド43は、前記オーミック接触層27上部領域内に配置され得る。より詳しくは、前記第2電極パッド43は、前記第2コンタクトパッド33の上部から前記絶縁層29を介して前記オーミック接触層27の上部に延びることができる。前記第1電極パッド41は、前記絶縁層29の前記第1開口部29aを通じて前記第1コンタクトパッド31に電気的に接続することができ、必要に応じて、直接前記第1導電型半導体層21にコンタクトしてもよい。この場合、前記第1コンタクトパッド31は、省略することができる。前記第2電極パッド43は、前記絶縁層29の前記第2開口部29bを通じて前記第2コンタクトパッド33に電気的に接続することができ、前記第2電極パッド43は、直接前記オーミック接触層27にコンタクトすることができ、前記第2コンタクトパッド33は省略することができる。
【0079】
本開示事項の一実施例にかかる発光素子10a,10b,10cを簡略に説明したが、前記発光素子10a,10b,10cは、説明した層以外にも付加的な機能を有する層をさらに含むことができる。例えば、光を反射する反射層、特定構成要素を絶縁するための追加絶縁層、ソルダーの拡散を防止するソルダー防止層等、多様な層が前記発光素子10a,10b,10cに含まれ得る。
【0080】
図3aは、本開示事項の一実施例にかかるユニットピクセルを説明するための概略的な平面図で、図3bは、本開示事項の一実施例にかかるユニットピクセルを説明するための概略的な背面図で、図3cは図3aの切り取り線B-B’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【0081】
図3a、図3bおよび図3cを参照すると、前記ユニットピクセル100は透明基板121、発光素子10a,10b,10c、および光遮断層123を含み得る。前記ユニットピクセル100はまた、接着層125、段差調節層127、接続層129a,129b,129c,129d、および絶縁物質層131を含み得、表面層122をさらに含み得る。
【0082】
前記ユニットピクセル100は少なくとも3個の発光素子10a,10b,10cを含み得る。前記の複数の発光素子10a,10b,10cは、互いに異なる色の光を放出することができる。前記の複数の発光素子10a,10b,10cは、それぞれ赤色光、緑色光および青色光を放出することができる。例えば、前記の赤色光のピーク波長は600nm~670nmになり得る。前記の緑色光のピーク波長は500nm~590nmになり得る。前記の青色光のピーク波長は430nm~490nmになり得る。発光素子10a,10b,10cについては、図2aおよび図2bを参照して説明した通りのため、詳しい説明は省略する。前記発光素子10a,10b,10cは、前記透明基板121上に配置される。
【0083】
前記透明基板121は、PET、ガラス基板、クォーツ、サファイア基板等の光透過性基板になり得る。前記透明基板121は、前記ディスプレイ装置10000の光出射面に配置され得、前記発光素子10a,10b,10cで発生した光は、前記透明基板121を通じて外部に放出し得る。前記透明基板121は、光出射面および前記発光素子10a,10b,10cに隣接した光入射面を有し得る。前記発光素子10a,10b,10cに向かい合う前記透明基板121の光入射面は平らな面になり得るが、これに限定されるのではなく、図3cに示したように、前記透明基板121は、前記発光素子10a,10b,10cに向かい合う光入射面に凹凸パターン121pを有し得る。
【0084】
前記透明基板121は、光出射面上に反射防止コーティングを含むことができ、またはグレア防止層を含み得る。前記透明基板121は、例えば30um~300umの厚さを有することができる。透明基板の厚さは例示であり、本開示事項はこれに局限されるのではない。
【0085】
本開示事項の実施例において、前記透明基板121を通じて光が放出されるため、前記透明基板121は回路を含まない。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、透明基板121が回路を含んでもよい。
【0086】
一方、透明基板121は、内部に光散乱ライン121sを含むことができる。本開示の実施例において、前記光散乱ライン121sを説明し、図3bに示した。追加的、或いは択一的に、本開示は光散乱パターン、光散乱ラインパターン、光散乱形態、光散乱配列体、光散乱構成等を含む。
【0087】
光散乱ライン121sは、図3cに示したように、ボイドを含むことができる。ボイドは、連続的に、或いは互いに離隔されて光散乱ラインを形成することができる。図3bに示したように、光散乱ライン121sは互いに直交し得、発光素子10a,10b,10cと重ならないように発光素子10a,10b,10cを囲むことができる。光散乱ライン121sは、発光素子10a,10b,10cのそれぞれに対応するように配置することができ、発光素子10a,10b,10cの光指向パターンを調節することができる。一実施例において、各発光素子10a,10b,10cの周囲に同じ形態の光散乱ライン121sが配置され得るが、本開示がこれに限定されるのでなく、発光素子10a,10b,10cの特性によって互いに異なる形態の光散乱ライン121sが配置されてもよい。
【0088】
本開示事項の実施例において、光散乱ライン121sは図3bによる説明のためのものであり、多様な光散乱パターンを含む。図3bでは点線で示してあり、直線で図示されているが本開示事項はこれに局限されるのではない。光散乱ラインは直線ではない形態でもよく、三次元的な形態やパターンで表してもよい。
【0089】
また、図3bに示したように、それぞれの光散乱ライン121sは、透明基板121の一側面からそれに対向する他側面まで延びることができる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、光散乱ライン121sは透明基板121の幅よりも短い長さで透明基板121の一部領域内に配置されてもよい。また、本実施例において、それぞれの光散乱ライン121sが直線であることを図示するが、必ずしもこれに限定されるのではなく、曲線でもよい。
【0090】
図3cに示したように、透明基板121の側面にスクライビングライン121Lによって形成された改質領域が残留し得る。スクライビングライン121Lは、ステルスレーザーを用いて形成することができ、スクライビングライン121Lは光散乱ライン121sよりも発光素子10a,10b,10cのより近くに配置することができる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、スクライビングライン121Lは、光散乱ライン121sよりも発光素子10a,10b,10cからさらに遠く離れてもよい。
【0091】
また、本実施例において、一つの透明基板121上に一つのユニットピクセル100が形成されたことを図示および説明するが、本開示がこれに限定されるのではなく、一つの透明基板121上に複数のユニットピクセル100が形成されてもよい。
【0092】
表面層122は、透明基板121と光遮断層123間に配置することができる。表面層122は、光遮断層123と透明基板121の接着力を向上させるために形成できる。前記表面層122は、例えば、シリコン酸化膜SiOで形成され得る。前記表面層122は、透明基板121および光遮断層123の種類によって省略することもできる。
【0093】
光遮断層123は、前記透明基板121と前記発光素子10a,10b,10c間に配置される。前記光遮断層123は、無機物または有機物を含み得、カーボン等のような染料を追加して黒色に形成することができる。例えば、ブラックマトリックス(black matrix)等のように光を吸収する物質を含むことができる。前記光吸収物質は、前記の複数の発光素子10a,10b,10cで生成された光が所望しない領域に放出されることを防止して、ディスプレイ装置10000のコントラストを改善させることができる。
【0094】
前記光遮断層123は、発光素子10a,10b,10cで生成された光が前記透明基板121に入射されるように光の進行経路上に複数の窓123aを有することができる。一実施例において、前記窓123aは、前記光遮断層123の一部がオープンしている領域に定義することができる。前記窓123aは、発光素子10a,10b,10cと垂直方向に少なくとも一部重なり得る。さらに、前記窓123aの幅は、対応する発光素子10a,10b,10cの幅よりも広くなり得るが、本開示がこれに限定されるのではない。択一的に、前記窓123aの幅は、対応する発光素子10a,10b,10cの幅よりも狭い、または同じでもよい。
【0095】
前記窓123aが発光素子10a,10b,10cと垂直方向に重なる場合、前記窓123aは図3bに示したように、発光素子10a,10b,10cの位置を定義することができる。発光素子10a,10b,10cに対応して複数個の窓123aが形成され得る。窓123aによって発光素子10a,10b,10cの位置が定義されるため、発光素子10a,10b,10cを整列するための別途の整列マーカーは省略することができる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、前記発光素子10a,10b,10cを透明基板121上に整列するために整列マーカーを提供することができる。整列マーカーは、例えば、透明基板121、光遮断層123、または接着層125で形成することができ、または整列マーカーを生成するための別途の層が透明基板121、光遮断層123、または接着層125上に形成され得る。
【0096】
本実施例において、発光素子10a,10b,10cに対応して複数の窓123aが形成されたことを図示および説明するが、本開示がこれに限定されるのではない。例えば、光遮断層123に単一の窓123aが備えられ、複数の発光素子10a,10b,10cが前記の一つの窓123aに垂直方向に重なるように配置されてもよい。
【0097】
前記光遮断層123の厚さは、例えば、約0.5um~約2umの厚さを有し得、さらに約0.5um~約1.5umの厚さを有し得、さらには、約0.5um~約1umの厚さを有し得る。前記光遮断層123の厚さが0.5um以下で薄いと、光を遮断するための目的を達成し難く、厚さが2um以上で厚いと、ユニットピクセル100が厚くなるだけでなく、使用される材料の増加によって生産コストの増加を招き得る。
【0098】
前記光散乱ライン121sは、前記窓123aに対応して配置され得る。例えば、前記光散乱ライン121sは、窓123aの周囲を通ることができ、複数の光散乱ライン121sによってそれぞれの窓123aが囲まれ得る。
【0099】
前記接着層125は、前記発光素子10a,10b,10cを透明基板121上に付着するために使用できる。前記接着層125は、前記透明基板121上に配置され、少なくとも前記光遮断層123の一部を覆うことができる。前記接着層125は、前記透明基板121の前面上に形成され得るが、これに限定されるのではなく、前記透明基板121の端部近くの領域を露出するように一部の領域に形成されてもよい。前記接着層125は、前記光遮断層123によって形成された前記窓123aを埋めることができる。
【0100】
前記接着層125は、光透過性物質で形成され得、前記発光素子10a,10b,10cから放出された光を透過させることができる。前記接着層125は、有機接着剤を用いて形成され得、例えば、前記接着層125は透明エポキシおよびPDMS等を用いて形成され得る。また、前記接着層125は、光を拡散させるために、SiO、TiO、ZnO等の拡散物質を含み得る。前記発光素子10a,10b,10cは、透明基板110を通じて観察されることを防止することができる。
【0101】
本実施例において、発光素子10a,10b,10cが前記接着層125によって前記透明基板121に付着されるが、これに限定されるのではなく、接着層125の代わりに別の結合部材を利用して前記発光素子10a,10b,10cを前記透明基板121に結合することができる。例えば、前記発光素子10a,10b,10cを、スペーサー(spacer)を用いて前記透明基板121に結合させることができる。前記スペーサー(spacer)は、有機樹脂が塗布され、予め決められた形状、一般に柱(pillar)または円柱(colunmnar)形状になり得る。これにより、前記発光素子10a,10b,10cと前記透明基板121間の領域に気体または液体が満たされ得る。これら気体または液体によって、前記発光素子10a,10b,10cから放出された光を透過させる光学層が形成され得る。
【0102】
前記段差調節層127は、図3cに示したように、前記発光素子10a,10b,10cの少なくとも一部を覆うことができる。前記段差調節層127は、前記発光素子10a,10b,10cの第1および第2電極パッド41,43を露出させる第1および第2開口部127a,127bを有する。前記段差調節層127は、前記接続層129a,129b,129c,129dが形成される面の高さを一定に調節して、前記接続層129a,129b,129c,129dが安全に形成できるように助けることができる。前記段差調節層127は、例えば、感光性ポリイミドで形成することができる。
【0103】
第1、第2、第3、および第4接続層129a,129b,129c,129dは、図3aに示したように、複数の発光素子10a,10b,10cに電気的に連結される。前記の第1、第2、および第3接続層129a,129b,129cは、それぞれ発光素子10a,10b,10cの第2導電型半導体層25に電気的に接続することができる。前記第4接続層129dは、複数の発光素子10a,10b,10cの第1導電型半導体層21に電気的に共通接続することができる。具体的には、前記の第1、第2、および第3接続層129a,129b,129cは、前記段差調節層127の第2開口部127bを通じて前記の複数の発光素子10a,10b,10cの第2電極パッド43に接続できる。また、前記第4接続層129dは、図3cに示したように、前記段差調節層127の第1開口部127aを通じて、前記の複数の発光素子10a,10b,10cの第1電極パッド41に接続できる。
【0104】
前記の第1、第2、第3、および第4接続層129a,129b,129c,129dは、前記段差調節層127上に一緒に形成され得、例えば、Auを含むことができる。本実施例において、発光素子10a,10b,10cの第1導電型半導体層21が共通して電気的に連結されることを説明するが、本開示がこれに限定されるのではない。発光素子10a,10b,10cの第2導電型半導体層25が共通して電気的に連結され、第1導電型半導体層21は互いに電気的に離隔され得る。
【0105】
前記絶縁物質層131は、前記段差調節層127を少なくとも部分的に覆うことができる。前記絶縁物質層131は、前記段差調節層127よりも薄く形成され得る。前記絶縁物質層131と前記段差調節層127の厚さの合計は、例えば約1um~約50umになり得るが、これに限定されるのではない。
【0106】
前記絶縁物質層131は、図3aに示したように、前記段差調節層127の側面および前記接続層129a,129b,129c,129dの少なくとも一部を覆うことができる。絶縁物質層131は、図3aに示したように、接続層129a,129b,129c,129dを露出させる開口部131a,131b,131c,131dを有する。開口部131a,131b,131c,131dは、接続層129a,129b,129c,129d上に部分的に形成できるが、これに限定されるのではない。図3aに示したように、開口部131a,131b,131c,131dは、透明基板121の各角に隣接した領域から外部に開放された形状を有し得る。つまり、絶縁物質層131は、透明基板121の角近くの段差調節層127および接続層129a,129b,129c,129dの側面を露出するように形成することができる。図3aに示したように、絶縁物質層131は、透明基板121の角近くに配置された各接続層129a,129b,129c,129dの2つの側面を部分的に覆い、残りの2つの側面を全て覆うことができる。
【0107】
また、前記接着層125が段差調節層127の外部に露出された場合、前記絶縁物質層131は、露出された前記接着層125を少なくとも部分的に覆うことができる。前記接続層129a,129b,129c,129dを露出させる絶縁物質層131の開口部131a,131b,131c,131dによって前記ユニットピクセル100のパッド領域が定義され得る。
【0108】
前記絶縁物質層131は、半透明物質でもよく、有機または無機物質で形成されてもよく、例えば、エポキシ、ポリイミド、SiO、SiNx等の多様な物質で形成されることができる。前記段差調節層127と一緒に前記絶縁物質層131がポリイミドで形成された場合、前記接続層129a,129b,129c,129dは、パッド領域を除外し、下部面、側面、および少なくとも一部の上部面が全てポリイミドで囲まれ得る。
【0109】
前記絶縁物質層131は、前記ユニットピクセル100を転写する間、前記ユニットピクセル100に欠陥が発生することを防止できる。
【0110】
一方、前記ユニットピクセル100は、ソルダー等のボンディング材を用いて回路基板に実装され得、前記ボンディング材は前記絶縁物質層131の開口部131a,131b,131c,131dに露出された前記接続層129a,129b,129c,129dと回路基板上のパッドをボンディングすることができる。
【0111】
図4は、前記ユニットピクセル100を実装したディスプレイ装置を説明するための概略的な断面図である。
【0112】
図4を参照すると、パネル基板1000上にボンディング材150を用いてユニットピクセル100が実装される。前記パネル基板1000は、回路基板で代替することもできる。
【0113】
前記絶縁物質層131の開口部131a,131b,131c,131dを通じて露出された前記接続層129a,129b,129c,129dが前記ボンディング材150を通じて前記パネル基板1000上のパッド130にボンディングされ得る。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、共晶ボンディング、エポキシボンディング等を利用することもできる。
【0114】
前記ボンディング材150は、例えばソルダーになり得、ソルダーペーストを前記パッド130上にスクリーンプリンティング等の技術を用いて配置した後、リフロー工程を通じて前記ユニットピクセル100と前記回路基板をボンディングすることができる。
【0115】
前記パネル基板1000は、図1を参照して説明したように、PI(Polyimide)、FR4(FR-4 glass epoxy)、ガラス(glass)等の材質で形成され得、受動マトリックス駆動または能動マトリックス駆動のための回路を含み得る。本開示事項の実施例において、前記パネル基板1000は、内部に配線および抵抗を含むことができ、別の実施例において、前記パネル基板1000は、配線、トランジスタ、およびキャパシタを含むことができる。また、前記パネル基板1000は、配置された回路に電気的に接続できるパッドを上面に有し得る。前記パッドは、前記パッド上に実装される前記ユニットピクセル100内の接続層129a,129b,129c,129dに対応して配列できる。また、明暗比を改善するために、複数個のユニットピクセル100が実装されたパネル基板1000上にモールディング部が形成され得る。
【0116】
図5は、本開示のまた別の実施例にかかるユニットピクセルを説明するための概略的な背面図である。
【0117】
図5を参照すると、本実施例にかかるユニットピクセルは、図3a、図3b、および図3cを参照して説明したユニットピクセル100と大体類似するが、光散乱ライン121sが発光素子10a,10b,10cと重なるように配置されたことに違いがある。光散乱ライン121sは、複数の発光素子10a,10b,10cを横切る光散乱ラインおよび発光素子10a,10b,10cをそれぞれ横切る光散乱ラインを含み得る。図5に示したように、これら光散乱ライン121sは互いに直交することができる。
【0118】
本実施例において、それぞれの発光素子10a,10b,10c上に2つの光散乱ライン121sが互いに直交するように配置されることを図示および説明するが、本開示がこれに限定されるのではない。より多数の光散乱ライン121sのそれぞれの発光素子10a,10b,10cと重なるように配置されてもよい。また、各発光素子10a,10b,10c上で2つの光散乱ライン121sが直交せず交差してもよい。
【0119】
図6は、また別の実施例にかかるユニットピクセルを説明するための概略的な断面図である。
【0120】
図6を参照すると、本実施例にかかるユニットピクセルは、図3a、図3b、および図3cを参照して説明したユニットピクセル100と大体類似するが、光散乱ライン121sが垂直方向にも互いに重なるように配置されていることに違いがある。つまり、ボイドを含む光散乱ライン121sが透明基板121の厚さ方向に重なり得、これにより、発光素子10a,10b,10cの光指向パターンをより均等にすることができる。図6において、透明基板121はステルスレーザーを用いて形成されたスクライビングライン121Lによって透明基板121の側面に形成された改質領域を含むことができる。図6において、スクライビングライン121Lによって形成された改質領域の一例を断面図に投影して一緒に図示した。スクライビングライン121Lは、光散乱ライン121sより発光素子10a,10b,10cのより近くに配置できるが、本開示がこれに制限されるのではない。
【0121】
図7は、また別の実施例にかかるユニットピクセルを説明するための概略的な断面図である。
【0122】
図7を参照すると、本実施例にかかるユニットピクセルは、図6を参照して説明したユニットピクセルと大体類似するが、光散乱ライン121sが二重に配置されたことに違いがある。光散乱ライン121sを二重に配置することにより、より多くの光を散乱させることができ、これによって、発光素子10a,10b,10cの光指向パターンをさらに調節することができる。一方、図7において、透明基板121はステルスレーザーを用いて形成されたスクライビングライン121Lによって透明基板121の側面に形成された改質領域を含むことができる。図7において、スクライビングライン121Lによって形成された改質領域の一例を断面図に投影して一緒に図示した。スクライビングライン121Lは、光散乱ライン121sよりも発光素子10a,10b,10cからより遠く離れて配置することができるが、本開示がこれに制限されるのではない。
【0123】
図8は、本開示の一実施例にかかるユニットピクセルの製造方法を説明するための概略的な図面である。
【0124】
ユニットピクセルは、複数のピクセル領域を有する透明基板121を個別ピクセル領域で切断することによって製造する。透明基板121を切断する前に、各ピクセル領域に図3A図3b、および図3cを参照して説明したような光遮断層123、および接着層125が形成され、前記接着層125を用いて発光素子10a,10b,10cが透明基板121上に実装され、段差調節層127、第1、第2、第3、および第4接続層129a,129b,129c,129d、および絶縁物質層131が形成される。
【0125】
一方、透明基板121の内部にステルスレーザーを用いてスクライビングライン121Lが形成される。その後、スクライビングライン121Lに沿って透明基板121をクラッキングすることにより、ユニットピクセルが互いに分離される。分離されたユニットピクセルの透明基板121側面には、スクライビングライン121Lによって形成された領域が残留し得る。
【0126】
一方、本実施例において、透明基板121をクラッキングする前に光散乱ライン121sが透明基板121内部に形成され得る。光散乱ライン121sは、スクライビングライン121Lを形成するために使用されたステルスレーザーを用いて形成され得る。光散乱ライン121sは、例えば、約1000nm~1200nm波長のステルスレーザーを用いて形成することができ、透明基板121内部においてスクライビングライン121Lが形成された位置よりも低く、或いはより深く形成することができる(図6参照)。一方、光散乱ライン121sの端部分は、スクライビングライン121Lによって残留する改質領域と一緒に観察することができる。スクライビングライン121Lは、スクライビングライン121Lによってクラッキングされた透明基板121の側面に形成される(図3c参照)。スクライビングライン121Lおよび光散乱ライン121sは、透明基板121が置かれたステージを移動しながら形成され得、よって、直線状に形成され得る。光散乱ライン121s内に形成されるボイドは、ステージを移動しながら形成されるため、透明基板121の垂直方向に対して傾斜した方向に形成され得、長い形状を有することができる。光散乱ライン121sは、連続的、或いは不連続的なボイドに形成することができ、光散乱ライン121sのボイドは大体スクライビングライン121Lに形成されたボイドの垂直方向長さよりも短い垂直方向長さを有することができる。また、光散乱ライン121sを形成する際のステージの移動速度がスクライビングライン121Lを形成する際のステージの移動速度よりも速くなり得、よって、光散乱ライン121sのボイド間の間隔がスクライビングライン121Lのボイド間の間隔よりも大きくなり得る。そして、ステージの速度だけでなく、レーザーの照射条件が異なり、光散乱ライン121sとスクライビングライン121Lに残留するボイドと改質領域の形態が異なり得る。一方、本実施例において、光散乱ライン121sが直線状に形成されることを図示および説明するが、本開示がこれに限定されるのではなく、光散乱ライン121sは曲線で形成されてもよい。
【0127】
光散乱ライン121sを先に形成し、スクライビングライン121Lを形成することもできる。択一的に、スクライビングライン121Lを先に形成し、光散乱ライン121sを形成することもできる。また別の方案として、スクライビングライン121Lと光散乱ライン121sを交互に形成することもできる。
【0128】
図9は、本開示のまた別の実施例にかかるディスプレイ装置20000を説明するための概略的な断面図である。
【0129】
上で説明したディスプレイ装置10000は、複数の発光素子10a,10b,10cが実装されたユニットピクセル100を含むが、本実施例にかかるディスプレイ装置において、サブピクセルがそれぞれ回路基板2000上に配置され、複数のサブピクセルがグルーピングされてユニットピクセルを構成する。
【0130】
回路基板2000は、図1を参照して説明した回路基板1000と同じであり、詳しい説明は省略する。
【0131】
一方、サブピクセルは、発光素子10a,10b,10cおよび透明基板221a,221b,221cを含む。透明基板221a,221b,221cは、それぞれ発光素子10a,10b,10c上に配置され得る。
【0132】
発光素子10a,10b,10cは、図2aおよび図2bを参照して説明したものと類似するため、詳しい説明は省略する。一方、透明基板221a,221b,221cは、それぞれ発光素子10a,10b,10cを成長させるための成長基板になり得るが、これに限定されるのではない。
【0133】
透明基板221a,221b,221c内に光散乱ライン221sが形成され得る。光散乱ライン221sは、多様な形態で透明基板221a,221b,221c内に形成され得る。
【0134】
図10aおよび図10bは、従来技術によるユニットピクセル内の発光素子の光指向パターンを表すグラフである。図10aは図3bのx方向にスキャンしたものであり、図10bは図3bのy方向にスキャンしたものである。
【0135】
図10aおよび図10bを参照すると、x方向およびy方向共に、発光素子の光指向パターンR,G,Bが互いに大きな差が出ることが確認できるが、図11aおよび図11bと、図12aおよび図12bについては以下で詳しく説明する。
【0136】
図11aおよび図11bは、本開示の一実施例にかかるユニットピクセル内の発光素子の光指向パターンを表すグラフである。本実施例にかかるユニットピクセルは、図3bを参照して説明したような光散乱ライン121sを透明基板121内に形成したことを除いては、従来技術によるユニットピクセルと同一である。図11aは、図3bのx方向にスキャンしたものであり、図11bは図3bのy方向にスキャンしたものである。
【0137】
図11aおよび図11bを参照すると、x方向およびy方向共に、発光素子の光指向パターンR,G,Bが図10aおよび図10bの光指向パターンに比べて相対的により一致することが分かる。
【0138】
図12aおよび図12bは、本開示のまた別の実施例にかかるユニットピクセル内の発光素子の光指向パターンを表すグラフである。本実施例にかかるユニットピクセルは、図5を参照して説明したような光散乱ライン121sを透明基板121内に形成したことを除いては、従来技術によるユニットピクセルと同一である。
【0139】
図12aおよび図12bを参照すると、x方向およびy方向共に、発光素子の光指向パターンR,G,Bが図10aおよび図10bの光指向パターンに比べて相対的により一致することがわかる。
【0140】
図13a~図13fは、本開示の多様な実施例を説明するための概略的な平面図を示す。
【0141】
図13a~図13fを参照すると、光散乱ラインは発光素子10a,10b,10cの周囲の多様な位置に、そして多様な形状で配置され得る。例えば、図13aに示したように、光散乱ラインは、発光素子10a,10b,10cの端部に沿って発光素子10a,10b,10cと同じ面積を定義するために長方形状に配置することもできる。図13bに示したように、光散乱ラインは、発光素子10a,10b,10cよりも小さい面積に定義するために長方形状に配置され得る。また、光散乱ラインは、発光素子10a,10b,10cよりもさらに広い面積を定義するために配置することもできる。
【0142】
追加的に或いは択一的に、光散乱ラインは図13cに示したように、各発光素子10a,10b,10cを垂直方向に横切るように配置することができ、または図13dに示したように、対角方向に横切るように配置してもよい。図13eは、発光素子よりもさらに大きい面積を定義するように配置された光散乱ラインを例示する。さらに、光散乱ラインによって定義された長方形は、図13eに示したように、互いに接するように配置することもできる。さらに、図13fに示したように、長方形状に配置された光散乱ラインと対角方向に横切る光散乱ラインが重なって配置されてもよい。
【0143】
以上で、本開示事項の多様な実施例について説明したが、本開示事項は、前記実施例だけに限定されるのではない。また、一つの実施例について説明した事項や構成要素は、本開示事項の技術的思想から外れない限り、別の実施例にも適用できる。
【符号の説明】
【0144】
10 発光素子
21 第1導電型半導体層
23 活性層
25 第2導電型半導体層
27 オーミック接触層
29 絶縁層
31 第1コンタクトパッド
33 第2コンタクトパッド
41 第1電極パッド
43 第2電極パッド
100 ユニットピクセル
110 透明基板
121 透明基板
122 表面層
123 光遮断層
125 接着層
127 段差調節層
129 接続層
130 パッド
131 絶縁物質層
150 ボンディング材
221 透明基板
1000 回路基板
1000 パネル基板
2000 回路基板
10000 ディスプレイ装置
20000 ディスプレイ装置
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11a
図11b
図12a
図12b
図13a
図13b
図13c
図13d
図13e
図13f
【国際調査報告】