(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】LED駆動回路及びLED表示装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/00 20100101AFI20231226BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
H01L33/00 J
G09F9/33
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537205
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(85)【翻訳文提出日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 CN2021130740
(87)【国際公開番号】W WO2022127469
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202011502630.0
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517380215
【氏名又は名称】北京集創北方科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chipone Technology (Beijing) Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】Building 56,No.2 North Jing Yuan Street, Beijing Economic Technological Development Area,Daxing District,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マ、インジェ
【テーマコード(参考)】
5C094
5F241
【Fターム(参考)】
5C094AA25
5C094BA03
5C094BA23
5C094FA01
5C094JA20
5F241AA21
5F241BB02
5F241BB18
5F241BC02
5F241BC24
5F241BC47
5F241BD02
(57)【要約】
本出願の実施例は、LED駆動回路及びLED表示装置を提供し、前記LED駆動回路は、第1のコンポーネント領域であって、第1の駆動チャンネルグループと第2の駆動チャンネルグループとを含み、前記第1の駆動チャンネルグループと前記第2の駆動チャンネルグループとが対称分布を呈し、前記第1の駆動チャンネルグループと前記第2の駆動チャンネルグループがそれぞれ同じ数の駆動チャンネルを含む第1のコンポーネント領域と、金属線を介して前記駆動チャンネルの基板に接続されるアナロググランドパッドが設置される第2のコンポーネント領域とを含む。本出願は、チップの内部のノイズを効果的に減少させ、各チャンネル間の出力電流マッチング精度を高め、良好な電流一致性を得ることができ、LEDディスプレイの表示効果を良好に確保するのに寄与する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED駆動回路であって、
第1のコンポーネント領域であって、第1の駆動チャンネルグループと第2の駆動チャンネルグループとを含み、前記第1の駆動チャンネルグループと前記第2の駆動チャンネルグループとが対称分布を呈し、前記第1の駆動チャンネルグループと前記第2の駆動チャンネルグループがそれぞれ同じ数の駆動チャンネルを含む第1のコンポーネント領域と、
金属線を介して前記駆動チャンネルの基板に接続されるアナロググランドパッドが設置される第2のコンポーネント領域とを含む、ことを特徴とするLED駆動回路。
【請求項2】
前記駆動チャンネルは、
前記第1の駆動チャンネルグループと前記第2の駆動チャンネルグループの対称軸線に近接して設置される共通ソースデバイスモジュールと、
前記共通ソースデバイスモジュールに隣接する共通ゲートデバイスモジュールと、
前記共通ゲートデバイスモジュールに隣接する静電保護モジュールと、
前記静電保護モジュールに隣接するオペアンプモジュールと、
前記オペアンプモジュールに隣接し、駆動チップのエッジに設置されるブランキングモジュールとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のLED駆動回路。
【請求項3】
前記第1の駆動チャンネルグループの共通ソースデバイスモジュールは前記第2の駆動チャンネルグループの共通ソースデバイスモジュールに隣接する、ことを特徴とする請求項2に記載のLED駆動回路。
【請求項4】
前記第1の駆動チャンネルグループにおける共通ソースデバイスモジュール、共通ゲートデバイスモジュール、静電保護モジュール、オペアンプモジュール及びブランキングモジュールは右から左へ順に配置され、前記第2の駆動チャンネルグループにおける共通ソースデバイスモジュール、共通ゲートデバイスモジュール、静電保護モジュール、オペアンプモジュール及びブランキングモジュールは左から右へ順に配置される、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のLED駆動回路。
【請求項5】
前記第1のコンポーネント領域は、
それぞれ各前記駆動チャンネルに対応し、前記共通ゲートデバイスモジュールと前記静電保護モジュールとの隣接箇所に設置される複数の出力端子パッドをさらに含む、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載のLED駆動回路。
【請求項6】
前記出力端子パッドの数は16個である、ことを特徴とする請求項5に記載のLED駆動回路。
【請求項7】
前記第1のコンポーネント領域は、
それぞれ4つの前記駆動チャンネルに対応し、前記第1の駆動チャンネルグループと前記第2の駆動チャンネルグループの対称軸線上に設置される複数のパワーグランドパッドをさらに含む、ことを特徴とする請求項5又は6に記載のLED駆動回路。
【請求項8】
前記パワーグランドパッドの数は4つである、ことを特徴とする請求項7に記載のLED駆動回路。
【請求項9】
前記金属線の数が偶数であり、前記金属線は、対称分布を呈する、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のLED駆動回路。
【請求項10】
前記金属線は、
前記第1の駆動チャンネルグループの前記出力端子パッドの左側に分布し、前記第1の駆動チャンネルグループの基板に接続される第1の金属線と、
前記第1の駆動チャンネルグループの前記出力端子パッドと前記パワーグランドパッドとの間に分布し、前記第1の駆動チャンネルグループの基板に接続される第2の金属線と、
前記第2の駆動チャンネルグループの前記出力端子パッドと前記パワーグランドパッドとの間に分布し、前記第2の駆動チャンネルグループの基板に接続される第3の金属線と、
前記第2の駆動チャンネルグループの前記出力端子パッドの右側に分布し、前記第2の駆動チャンネルグループの基板に接続される第4の金属線とを含む、ことを特徴とする請求項7に記載のLED駆動回路。
【請求項11】
前記共通ソースデバイスモジュールは、第1の電界効果トランジスタを含み、前記共通ゲートデバイスモジュールは、第2の電界効果トランジスタを含み、前記オペアンプモジュールは、増幅器を含む、ことを特徴とする請求項2に記載のLED駆動回路。
【請求項12】
前記第1の電界効果トランジスタのソースが接地され、前記第1の電界効果トランジスタのゲートが第1の電圧入力端子に接続され、前記第1の電界効果トランジスタのドレインが前記第2の電界効果トランジスタのソースに接続され、前記第2の電界効果トランジスタのドレインが回路の出力端子に接続され、前記第2の電界効果トランジスタのゲートが前記増幅器の出力端子に接続され、前記増幅器の第1の入力端子が第2の電圧入力端子に接続され、前記増幅器の第2の入力端子が前記第2の電界効果トランジスタのソースに接続される、ことを特徴とする請求項11に記載のLED駆動回路。
【請求項13】
前記第1の電界効果トランジスタと前記第2の電界効果トランジスタは、いずれもNMOSトランジスタである、ことを特徴とする請求項11又は12に記載のLED駆動回路。
【請求項14】
前記第1の駆動チャンネルグループと前記第2の駆動チャンネルグループは、それぞれ8つの前記駆動チャンネルを含む、ことを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載のLED駆動回路。
【請求項15】
前記第2のコンポーネント領域にはアナログ電源パッドがさらに設置される、ことを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載のLED駆動回路。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載のLED駆動回路を含む、ことを特徴とするLED表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年12月17日に中国特許庁に提出された、出願番号が2020115026300であり、名称が「LED駆動回路」である中国特許出願の優先権を主張し、その全内容は引用によって本開示に組み込まれている。
【0002】
本出願は、集積回路の技術分野に関し、具体的には、LED駆動回路及びLED表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
科学技術と環境への関心が高まるにつれて、LED(light emitting diode、発光ダイオード)は、効率が高く、安全で、寿命が長いなどの利点により情報表示分野で広く応用され、LEDディスプレイも急速に発展するとともに、LEDディスプレイの表示品質に対してもより高い要求を提出し、LEDディスプレイ駆動チップの良し悪しは、LEDディスプレイの表示品質に重要かつ決定的な役割を果たしている。現在、市場で主流のLEDディスプレイ駆動チップは、ほとんど、マルチチャンネルの定電流出力アーキテクチャを用いることで、大量のLEDドットの駆動要求を満たす。マルチチャンネルの出力に加え、カスケード接続の応用条件により、各LEDドットの行と列の電流一致性が低く、ディスプレイの表示効果に顕著に影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の実施例の目的は、LED駆動回路及びLED表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施例は、LED駆動回路を提供し、このLED駆動回路は、第1のコンポーネント領域であって、第1の駆動チャンネルグループと第2の駆動チャンネルグループとを含み、前記第1の駆動チャンネルグループと前記第2の駆動チャンネルグループとが対称分布を呈し、前記第1の駆動チャンネルグループと前記第2の駆動チャンネルグループがそれぞれ同じ数の駆動チャンネルを含む第1のコンポーネント領域と、金属線を介して前記駆動チャンネルの基板に接続されるアナロググランドパッドが設置される第2のコンポーネント領域とを含む。
【0006】
選択的に、前記駆動チャンネルは、前記第1の駆動チャンネルグループと前記第2の駆動チャンネルグループの対称軸線に近接して設置される共通ソースデバイスモジュールと、前記共通ソースデバイスモジュールに隣接する共通ゲートデバイスモジュールと、前記共通ゲートデバイスモジュールに隣接する静電保護モジュールと、前記静電保護モジュールに隣接するオペアンプモジュールと、前記オペアンプモジュールに隣接し、前記駆動チップのエッジに設置されるブランキングモジュールとを含む。
【0007】
選択的に、前記第1の駆動チャンネルグループの共通ソースデバイスモジュールは前記第2の駆動チャンネルグループの共通ソースデバイスモジュールに隣接する。
【0008】
選択的に、前記第1の駆動チャンネルグループにおける共通ソースデバイスモジュール、共通ゲートデバイスモジュール、静電保護モジュール、オペアンプモジュール及びブランキングモジュールは右から左へ順に配置され、前記第2の駆動チャンネルグループにおける共通ソースデバイスモジュール、共通ゲートデバイスモジュール、静電保護モジュール、オペアンプモジュール及びブランキングモジュールは左から右へ順に配置される。
【0009】
選択的に、前記第1のコンポーネント領域は、それぞれ各前記駆動チャンネルに対応し、前記共通ゲートデバイスモジュールと前記静電保護モジュールとの隣接箇所に設置される複数の出力端子パッドをさらに含む。
【0010】
選択的に、前記出力端子パッドの数は16個である。
【0011】
選択的に、前記第1のコンポーネント領域は、それぞれ4つの前記駆動チャンネルに対応し、前記第1の駆動チャンネルグループと前記第2の駆動チャンネルグループの対称軸線上に設置される複数のパワーグランドパッドをさらに含む。
【0012】
選択的に、前記パワーグランドパッドの数は4つである。
【0013】
選択的に、前記金属線の数が偶数であり、前記金属線は、対称分布を呈する。
【0014】
選択的に、前記金属線は、前記第1の駆動チャンネルグループの前記出力端子パッドの左側に分布し、前記第1の駆動チャンネルグループの基板に接続される第1の金属線と、前記第1の駆動チャンネルグループの前記出力端子パッドと前記パワーグランドパッドとの間に分布し、前記第1の駆動チャンネルグループの基板に接続される第2の金属線と、前記第2の駆動チャンネルグループの前記出力端子パッドと前記パワーグランドパッドとの間に分布し、前記第2の駆動チャンネルグループの基板に接続される第3の金属線と、前記第2の駆動チャンネルグループの前記出力端子パッドの右側に分布し、前記第2の駆動チャンネルグループの基板に接続される第4の金属線とを含む。
【0015】
選択的に、前記共通ソースデバイスモジュールは、第1の電界効果トランジスタを含み、前記共通ゲートデバイスモジュールは、第2の電界効果トランジスタを含み、前記オペアンプモジュールは、増幅器を含む。
【0016】
選択的に、前記第1の電界効果トランジスタのソースが接地され、前記第1の電界効果トランジスタのゲートが第1の電圧入力端子に接続され、前記第1の電界効果トランジスタのドレインが前記第2の電界効果トランジスタのソースに接続され、前記第2の電界効果トランジスタのドレインが回路の出力端子に接続され、前記第2の電界効果トランジスタのゲートが前記増幅器の出力端子に接続され、前記増幅器の第1の入力端子が第2の電圧入力端子に接続され、前記増幅器の第2の入力端子が前記第2の電界効果トランジスタのソースに接続される。
【0017】
選択的に、前記第1の電界効果トランジスタと前記第2の電界効果トランジスタは、いずれもNMOSトランジスタである。
【0018】
選択的に、前記第1の駆動チャンネルグループと前記第2の駆動チャンネルグループは、それぞれ8つの前記駆動チャンネルを含む。
【0019】
選択的に、前記第2のコンポーネント領域にはアナログ電源パッドがさらに設置される。
【0020】
本出願の実施例は、以上のいずれかのLED駆動回路を含むLED表示装置をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下に本出願の実施例で使用する必要がある図面を簡単に紹介する。以下の図面は、本出願のいくつかの実施例のみを示しているので、範囲の限定とみなすべきではなく、当業者にとっては、創造的な労働を払わずに、これらの図面に基づいて他の関連図面を得ることができることを理解すべきである。
【0022】
【
図1】本出願の実施例のLED駆動回路の概略図である。
【
図2】本出願の実施例のLED駆動回路の概略図である。
【
図3】本出願の実施例の駆動チャンネルにおける定電流源回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本出願の実施例における図面を併せて、本出願の実施例における技術案を記述する。
【0024】
本出願の実施例の記述において、用語の「第1」、「第2」などは、記述を区別するためのものに過ぎず、配列番号を示すものではなく、相対的な重要性を示すものや示唆するものとして理解してはいけない。
【0025】
本出願の実施例の記述において、用語の「含む」、「包含する」などは、説明された特徴、全体、ステップ、操作、要素および/又はコンポーネントの存在を意味するが、1つ又は複数の他の特徴、ステップ、操作、要素、コンポーネント、および/又はそれらのセットの存在又は追加を排除するものではない。
【0026】
本出願の実施例の記述において、用語の「水平」、「垂直」、「懸垂」などの用語は、部品の絶対水平又は懸垂を要求することを表すものではなく、やや傾斜していてもよい。例えば「水平」とは、その方向が「垂直」に対してより水平であることを意味するものに過ぎず、構造が必ず完全に水平であることを表すものではなく、やや傾斜してもよい。
【0027】
本出願の実施例の記述において、用語の「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「内」、「外」などが指示する方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係、又は該出願の製品が使用時に通常配置される方位又は位置関係であり、単に本願を説明しやすくするためのものに過ぎず、指定された装置又は要素が特定の方位を有していなければならなかったり、特定の方位で構築され操作されたりすることを示したり暗示したりするのではないため、本出願の実施例を制限するものとして理解できない。
【0028】
本出願の実施例の記述において、明確な規定と限定がない限り、用語の「取り付け」、「設置」、「設け」、「接続」、「構成」は、広義に理解されるべきである。例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、あるいは一体的な構造であってもよい。機械的接続でもよいし、電気的接続でもよい。直接接続されていてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよいし、又は2つの装置、要素、又は構成要素間の内部の連通であってもよい。当業者にとっては、具体的な状況に応じて上記用語の本出願の実施例における具体的な意味を理解することができる。
【0029】
図1を参照して、本出願の一実施例のLED駆動回路の概略図である。駆動チップ1は、第1のコンポーネント領域100と第2のコンポーネント領域200とを含み、第1のコンポーネント領域100と第2のコンポーネント領域200は、いずれも矩形であり、第1のコンポーネント領域100の下辺が駆動チップ1の下辺と揃えられ、第1のコンポーネント領域100の左辺が駆動チップ1の左辺と揃えられ、第1のコンポーネント領域100の右辺が駆動チップ1の右辺と揃えられ、第2のコンポーネント領域200は、第1のコンポーネント領域100の上方に位置し、第2のコンポーネント領域200の上辺が駆動チップ1の上辺と揃えられ、第2のコンポーネント領域200の左辺が駆動チップ1の左辺と揃えられ、第2のコンポーネント領域200の右辺が駆動チップ1の右辺に揃う。
【0030】
第1のコンポーネント領域100は、第1の駆動チャンネルグループ110と第2の駆動チャンネルグループ120とを含み、第1の駆動チャンネルグループ110と第2の駆動チャンネルグループ120とは、対称分布を呈し、第1の駆動チャンネルグループ110と第2の駆動チャンネルグループ120は、それぞれ同じ数の駆動チャンネル300を含む。選択的に、第1の駆動チャンネルグループ110は、8つの駆動チャンネル300を含み、第2の駆動チャンネルグループ120も、8つの駆動チャンネル300を含み、第1の駆動チャンネルグループ110における駆動チャンネル300と第2の駆動チャンネルグループ120における駆動チャンネル300とは、左右対称分布を呈する。理解できるように、実際の応用では、第1の駆動チャンネルグループ及び第2の駆動チャンネルグループは、より多く、又はより少ない駆動チャンネルを含んでもよく、上記8つは1つの具体的な例に過ぎず、制限するものとみなすべきではない。
【0031】
第2のコンポーネント領域200にアナロググランドパッド210(AVSS PAD)が設置され、アナロググランドパッド210は、金属線400を介して第1のコンポーネント領域100における駆動チャンネル300の基板150に接続される。選択的に、基板150は、P基板である。第2のコンポーネント領域200にさらにアナログ電源パッド220(AVDD PAD)が設置され、選択的に、アナロググランドパッド210とアナログ電源パッド220は、いずれも第2のコンポーネント領域200の上辺に近接して設置され、第1の駆動チャンネルグループ110と第2の駆動チャンネルグループ120の対称軸線の近くに位置する。選択的に、金属線400の数が偶数であり、金属線400は、対称分布を呈する。
【0032】
図2に示すように、本出願の一実施例のLED駆動回路の概略図である。駆動チップ1は、第1のコンポーネント領域100と第2のコンポーネント領域200とを含み、第1のコンポーネント領域100は、対称的に設置される第1の駆動チャンネルグループ110と第2の駆動チャンネルグループ120とを含み、第1の駆動チャンネルグループ110と第2の駆動チャンネルグループ120は、それぞれ同じ数の駆動チャンネル300を含む。
【0033】
駆動チャンネル300は、共通ソースデバイスモジュール310と、共通ゲートデバイスモジュール320と、静電保護モジュール330と、オペアンプモジュール340と、ブランキングモジュール350とを含み、共通ソースデバイスモジュール310は、駆動チップ1に設置され、第1の駆動チャンネルグループ110と第2の駆動チャンネルグループ120の対称軸線に近接し、共通ゲートデバイスモジュール320は、共通ソースデバイスモジュール310に隣接し、静電保護モジュール330は、共通ゲートデバイスモジュール320に隣接し、オペアンプモジュール340は、静電保護モジュール330に隣接し、ブランキングモジュール350は、オペアンプモジュール340に隣接し、ブランキングモジュール350は、駆動チップ1のエッジに設置される。
【0034】
共通ソースデバイスモジュール310は、第1の駆動チャンネルグループ110と第2の駆動チャンネルグループ120の対称軸線の近くに設置され、第1の駆動チャンネルグループ110の共通ソースデバイスモジュール310は、第2の駆動チャンネルグループ120の共通ソースデバイスモジュール310に隣接する。
【0035】
選択的に、共通ソースデバイスモジュール310は、駆動チップ1の中間位置に設置されてもよく、第1の駆動チャンネルグループ110において、駆動チャンネル300の共通ソースデバイスモジュール310と、共通ゲートデバイスモジュール320と、静電保護モジュール330と、オペアンプモジュール340と、ブランキングモジュール350とは、右から左へ順に並べられ、第2の駆動チャンネルグループ120において、駆動チャンネル300の共通ソースデバイスモジュール310と、共通ゲートデバイスモジュール320と、静電保護モジュール330と、オペアンプモジュール340と、ブランキングモジュール350とは、左から右へ順に並べられる。
【0036】
第1のコンポーネント領域100において、すべての駆動チャンネル300を同じ箇所に配置し、駆動チャンネル300におけるミスマッチへの影響が最も大きい共通ソースデバイスモジュール310をいずれも駆動チップ1の中間位置に配置することによって、デバイスミスマッチを効果的に減少させ、各駆動チャンネル300間の出力電流マッチング精度を高め、良好な電流一致性を得ることができる。
【0037】
第1のコンポーネント領域100は、複数の出力端子パッド130(OUT PAD)をさらに含み、各出力端子パッド130は、各駆動チャンネル300に対応し、出力端子パッド130は、対応する駆動チャンネル300の共通ゲートデバイスモジュール320と静電保護モジュール330との隣接箇所に設置され、選択的に、第1の駆動チャンネルグループ110と第2の駆動チャンネルグループ120は、それぞれ8つの駆動チャンネル300を含み、第1のコンポーネント領域100は、16個の出力端子パッド130を含む。
【0038】
第1のコンポーネント領域100は、複数のパワーグランドパッド140(OVSS PAD)をさらに含み、各パワーグランドパッド140は、4つの駆動チャンネル300に対応し、パワーグランドパッド140は、第1の駆動チャンネルグループ110と第2の駆動チャンネルグループ120の対称軸線上に設置される。選択的に、第1の駆動チャンネルグループ110と第2の駆動チャンネルグループ120は、それぞれ8つの駆動チャンネル300を含み、第1のコンポーネント領域100は、4つのパワーグランドパッド140を含む。
【0039】
第2のコンポーネント領域200のアナロググランドパッド210は、金属線400を介して第1のコンポーネント領域100における駆動チャンネル300の基板150に接続される。金属線400は、第1の金属線410と、第2の金属線420と、第3の金属線430と、第4の金属線440とを含み、そのうち、第1の金属線410は、第1の駆動チャンネルグループ110の出力端子パッド130の左側に分布し、第2の金属線420は、パワーグランドパッド140と第1の駆動チャンネルグループ110の出力端子パッド130との間に分布し、第1の金属線410と第2の金属線420は、第1の駆動チャンネルグループ110の基板150に接続されるために用いられ、第3の金属線430は、パワーグランドパッド140と第2の駆動チャンネルグループ120の出力端子パッド130との間に分布し、第4の金属線440は、第2の駆動チャンネルグループ120の出力端子パッド130の右側に分布し、第3の金属線430と第4の金属線440は、第2の駆動チャンネルグループ120の基板150を接続するために用いられる。
【0040】
第1のコンポーネント領域100において、各駆動チャンネル300の作動電流は、通常、数ミリアンペアから数十ミリアンペアであり、関連技術において、駆動チャンネル300の基板150をパワーグランドパッド140に接続し、駆動チャンネル300における電流源は、表示データの制御下で、絶えずスイッチ状態を切り替え、パワーグランドパッド140に大きなノイズを引き起こし、駆動チップ1全体の基板電位に大きなノイズをもたらし、さらに第2のコンポーネント領域200のアナログ共用部分の性能に影響を与えるとともに、内部ノイズは、デバイスミスマッチを引き起こす原因の1つである。
【0041】
本出願の実施例において、第2のコンポーネント領域200のアナロググランドパッド210は、金属線400を介してそれぞれ各駆動チャンネル300の基板150に接続され、金属線400は、ググランド電位を第1のコンポーネント領域100の基板150の接触部分に直接導入し、駆動チップ1の内部ノイズを効果的に減少させる。
【0042】
選択的に、駆動チップ1のレイアウト構造は、LED表示駆動の共通陽極製品に適することができ、LED表示駆動の共通陰極製品に適することもできる。
【0043】
選択的に、共通ソースデバイスモジュール310は、第1の電界効果トランジスタ311を含み、共通ゲートデバイスモジュール320は、第2の電界効果トランジスタ321を含み、オペアンプモジュール340は、増幅器341を含む。静電保護モジュール330は、ESDデバイス(Electro-Static Discharge、静電抵抗器)を含む。
【0044】
図3に示すように、本出願の一実施例の駆動チャンネル300における定電流源回路の概略図であり、該回路は、第1の電界効果トランジスタ311と、第2の電界効果トランジスタ321と、増幅器341とを含む。第1の電界効果トランジスタ311と第2の電界効果トランジスタ321は、いずれもNMOSトランジスタ(N-Metal-Oxide-Semiconductor、N型金属酸化物半導体)である。
【0045】
第1の電界効果トランジスタ311のソースが接地され、第1の電界効果トランジスタ311のゲートが第1の電圧入力端子に接続され、第1の電界効果トランジスタ311のドレインが第2の電界効果トランジスタ321のソースに接続され、第2の電界効果トランジスタ321のドレインが回路の出力端子に接続され、第2の電界効果トランジスタ321のゲートが増幅器341の出力端子に接続され、増幅器341の第1の入力端子が第2の電圧入力端子に接続され、増幅器341の第2の入力端子が第2の電界効果トランジスタ321のソースに接続される。
【0046】
LEDディスプレイなどのLED表示装置において、PWM(Pulse Width Modulation、パルス幅変調)定電流源駆動チップは、一定の駆動電流を提供し、LED表示装置の表示階調がPWM信号に含まれる階調クロックGCLKの数に等しいため、各駆動チャンネルの駆動電流の精度が最終的な表示効果に影響を与える。上記定電流源回路において、電流の精度は、主に第1の電界効果トランジスタ311のオフセット電圧、及び増幅器341のオフセット電圧に依存する。
【0047】
上記LED駆動回路に基づき、本出願の実施例はLED表示装置をさらに提供し、該LED表示装置は上記LED駆動回路を含み、該LED表示装置は、例えばLEDディスプレイであってもよく、LEDディスプレイを必要とする任意の電子機器にも適用できる。
【0048】
以上は本出願で提出された実施例に過ぎず、本出願の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、本出願を限定するものではない。本技術分野の当業者にとって、本出願の精神及び原則内で、行われたいかなる修正、同等置換、改善などは、本出願の保護範囲に含まれるべきである。
【0049】
[産業上利用性]
本出願で提出された技術的解決手段は、チップの内部のノイズを減少させ、各チャンネル間の出力電流マッチング精度を高め、それにより良好な電流一致性を得ることができ、LEDディスプレイの表示効果を良好に確保することができる。
【符号の説明】
【0050】
1-駆動チップ、100-第1のコンポーネント領域、110-第1の駆動チャンネルグループ、120-第2の駆動チャンネルグループ、130-出力端子パッド、140-パワーグランドパッド、150-基板、200-第2のコンポーネント領域、210-アナロググランドパッド、220-アナログ電源パッド、300-駆動チャンネル、310-共通ソースデバイスモジュール、311-第1の電界効果トランジスタ、320-共通ゲートデバイスモジュール、321-第2の電界効果トランジスタ、330-静電保護モジュール、340-オペアンプモジュール、341-増幅器、350-ブランキングモジュール、400-金属線、410-第1の金属線、420-第2の金属線、430-第3の金属線、440-第4の金属線。
【国際調査報告】