(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】流動性組成物を保管及び分注する装置
(51)【国際特許分類】
B65D 81/32 20060101AFI20231226BHJP
A61C 5/60 20170101ALI20231226BHJP
A61C 19/06 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
B65D81/32 C
A61C5/60
A61C19/06 A
A61C19/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537219
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 IB2021062045
(87)【国際公開番号】W WO2022137093
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ポイカー,マルク
(72)【発明者】
【氏名】ベーム,アンドレアス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ポッシュマン,ディーター
(72)【発明者】
【氏名】ニー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】プライニンガー,マルティン
【テーマコード(参考)】
3E013
4C052
【Fターム(参考)】
3E013AA05
3E013AB05
3E013AC16
3E013AD36
3E013AE12
3E013AF02
3E013AF17
3E013AF29
3E013AF36
4C052AA06
4C052HH10
4C052JJ10
4C052MM05
(57)【要約】
流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置であって、この装置が、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバが、第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、この装置が非作動状態及び作動状態を含む、装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置であって、前記装置が、
第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成する、第1の層及び第2の層と、
前記第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、
前記第1のチャンバが、前記第1の層に形成された第1の凹面と、前記第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、
前記装置が非作動状態及び作動状態を含み、前記非作動状態にあるときは前記第1のチャンバ内に物質が保持され、前記作動状態にあるときは前記第1のチャンバに加えられた圧力に対応して前記第2の表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、それによって前記物質が前記移行区域を通って前記第2のチャンバ内に分注される、装置。
【請求項2】
前記第1の凹面及び前記第2の凹面が冷間成形される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
光遮断部分を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の層及び前記第2の層が、第1の透明層、第2の金属箔の層、及び第3の封止層を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記光遮断部分が、前記第1の層及び前記第2の層の一部を通る切り欠き部分を備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第3の封止層のうちの1つがカーボンブラックを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記装置が非作動状態にあるときは前記第1の冷間成形された表面は凹状で、前記第2の冷間成形された表面は凹状であり、前記装置が作動状態にあるときは前記第1の冷間成形された表面は凹状を維持し、前記第2の冷間成形された表面は凸状に変形しており、それによって前記流動性歯科用組成物が前記移行区域を通って前記第1のチャンバから分注される、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記第1のチャンバに加えられた圧力に対応して前記第2の冷間成形された表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、前記第1の凹面と整合する平滑な表面を形成する、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記装置が作動状態にあるときは、前記第1の冷間成形された表面は実質的なしわを伴わずに凹状を維持し、前記第2の冷間成形された表面は実質的なしわを伴わずに凸面に変形している、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記第1のチャンバが全周に沿って気密封止されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第2のチャンバに分注区域が接続されており、前記分注区域が前記アプリケータのシャフトを保持する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の層及び前記第2の層が熱融着によって互いに接着されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の層及び前記第2の層が、前記非作動状態では、前記移行区域で、並びに、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの周囲で互いに接着されている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記移行区域が、前記第1の層と前記第2の層との間に、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの周囲の他の領域と比較して低減された接着性を有する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記アプリケータのブラシヘッドが前記第2のチャンバ内にある、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記作動状態中に、前記アプリケータのブラシヘッドが前記移行区域に入る、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記歯科用組成物が、セメント、接着剤、又はフッ化物塗布剤である、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置であって、前記装置が、
第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容する第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成する、第1の層及び第2の層と、
前記第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、
前記第1のチャンバが、前記第1の層に形成された第1の凹面と、前記第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、
前記第1のチャンバに加えられた圧力によって前記移行区域が選択的に開かれ、それによって、前記第1のチャンバと前記移行区域と前記第2のチャンバとの間の流体連通を可能にし得る、装置。
【請求項19】
前記第1の凹面及び前記第2の凹面が冷間成形される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
光遮断部分を更に含む、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の層及び前記第2の層が、第1の透明層、第2の金属箔の層、及び第3の封止層を備える、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記光遮断部分が、前記第1の層及び前記第2の層の一部を通る切り欠き部分を備える、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記第3の封止層がカーボンブラックを含む、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記装置が非作動状態にあるときは前記第1の冷間成形された表面は凹状で、前記第2の冷間成形された表面は凹状であり、前記装置が作動状態にあるときは前記第1の冷間成形された表面は凹状を維持し、前記第2の冷間成形された表面は凸状に変形しており、それによって前記流動性歯科用組成物が前記移行区域を通って前記第1のチャンバから分注される、請求項19に記載の装置。
【請求項25】
前記第1のチャンバに加えられた圧力に対応して前記第2の冷間成形された表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、前記第1の凹面と整合する平滑な表面を形成する、請求項19に記載の装置。
【請求項26】
前記装置が作動状態にあるときは、前記第1の冷間成形された表面は実質的なしわを伴わずに凹状を維持し、前記第2の冷間成形された表面は実質的なしわを伴わずに凸面に変形している、請求項19に記載の装置。
【請求項27】
前記第1のチャンバが全周に沿って気密封止されている、請求項18に記載の装置。
【請求項28】
前記第2のチャンバに分注区域が接続されており、前記分注区域が前記アプリケータのシャフトを保持する、請求項18に記載の装置。
【請求項29】
前記第1の層及び前記第2の層が熱融着によって互いに接着されている、請求項18に記載の装置。
【請求項30】
前記第1の層及び前記第2の層が、前記非作動状態では、前記移行区域で、並びに、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの周囲で互いに接着されている、請求項18に記載の装置。
【請求項31】
前記移行区域が、前記第1の層と前記第2の層との間に、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの周囲の他の領域と比較して低減された接着性を有する、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記アプリケータのブラシヘッドが前記第2のチャンバ内にある、請求項18に記載の装置。
【請求項33】
前記作動状態中に、前記アプリケータのブラシヘッドが前記移行区域に入る、請求項18に記載の装置。
【請求項34】
前記歯科用組成物が、セメント、接着剤、又はフッ化物塗布剤である、請求項18に記載の装置。
【請求項35】
流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置であって、前記装置が、
第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容する第1のチャンバ、第2のチャンバ、及び移行区域を形成する、第1の層及び第2の層と、
前記第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、
前記第1のチャンバが、前記第1の層に形成された第1の凹面と、前記第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、
前記装置が非作動状態及び作動状態を含み、前記非作動状態にあるときは前記歯科用組成物の第1の体積が前記第1のチャンバ内に保持され、前記作動状態にあるときは前記第1のチャンバ内の前記歯科用組成物の第2の体積が前記第1の体積より小さい、装置。
【請求項36】
前記第2の体積が、前記チャンバ内の前記歯科用組成物の前記第1の体積よりも10%小さい、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記第1の凹面及び前記第2の凹面が冷間成形される、請求項35に記載の装置。
【請求項38】
光遮断部分を更に含む、請求項35に記載の装置。
【請求項39】
前記第1の層及び前記第2の層が、第1の透明層、第2の金属箔の層、及び第3の封止層を備える、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記光遮断部分が、前記第1の層及び前記第2の層の一部を通る切り欠き部分を備える、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記第3の封止層のうちの1つがカーボンブラックを含む、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記装置が非作動状態にあるときは前記第1の冷間成形された表面は凹状で、前記第2の冷間成形された表面は凹状であり、前記装置が作動状態にあるときは前記第1の冷間成形された表面は凹状を維持し、前記第2の冷間成形された表面は凸状に変形しており、それによって前記流動性歯科用組成物が前記移行区域を通って前記第1のチャンバから分注される、請求項37に記載の装置。
【請求項43】
前記第1のチャンバに加えられた圧力に対応して前記第2の冷間成形された表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、前記第1の凹面と整合する平滑な表面を形成する、請求項37に記載の装置。
【請求項44】
前記装置が作動状態にあるときは、前記第1の冷間成形された表面は実質的なしわを伴わずに凹状を維持し、前記第2の冷間成形された表面は実質的なしわを伴わずに凸面に変形している、請求項37に記載の装置。
【請求項45】
前記第1のチャンバが全周に沿って気密封止されている、請求項35に記載の装置。
【請求項46】
前記第2のチャンバに分注区域が接続されており、前記分注区域が前記アプリケータのシャフトを保持する、請求項35に記載の装置。
【請求項47】
前記第1の層及び前記第2の層が熱融着によって互いに接着されている、請求項35に記載の装置。
【請求項48】
前記第1の層及び前記第2の層が、前記非作動状態では、前記移行区域で、並びに、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの周囲で互いに接着されている、請求項35に記載の装置。
【請求項49】
前記移行区域が、前記第1の層と前記第2の層との間に、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの周囲の他の領域と比較して低減された接着性を有する、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記アプリケータのブラシヘッドが前記第2のチャンバ内にある、請求項35に記載の装置。
【請求項51】
前記作動状態中に、前記アプリケータのブラシヘッドが前記移行区域に入る、請求項35に記載の装置。
【請求項52】
前記歯科用組成物が、セメント、接着剤、又はフッ化物塗布剤である、請求項35に記載の装置。
【請求項53】
流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置であって、前記装置が、
第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成し、前記第1のチャンバが、前記第1の層に形成された第1の凹面と、前記第2の層に形成された第2の凹面と、を有する、第1の層及び第2の層と、
前記第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、
前記流動性歯科用組成物を早期硬化から保護するための光遮断部分と、
を備える、装置。
【請求項54】
光遮断部分を更に含む、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記第1の層及び前記第2の層が、第1の透明層、第2のアルミニウムの層、及び第3の封止層を備える、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記光遮断部分が、前記第1の層及び前記第2の層の一部を通る切り欠き部分を備える、請求項55に記載の装置。
【請求項57】
前記第3の封止層がカーボンブラックを含む、請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記第1の層及び前記第2の層が金属を含み、前記金属は高熱で互いに融合され、前記光遮断部分として機能する、請求項53に記載の装置。
【請求項59】
前記第1のチャンバが第1の凹面及び第2の凹面を有する、請求項53に記載の装置。
【請求項60】
前記第1の凹面及び前記第2の凹面が冷間成形される、請求項53に記載の装置。
【請求項61】
前記装置が非作動状態及び作動状態を含み、前記非作動状態にあるときは前記チャンバ内に物質が保持され、前記作動状態にあるときは前記第1のチャンバに加えられた圧力に対応して前記第2の凸面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、それによって前記物質が前記移行区域を通って前記第2のチャンバ内に分注される、請求項53に記載の装置。
【請求項62】
前記装置が非作動状態にあるときは、前記装置が作動状態にあるときは前記第1の凸面は凹状を維持し、前記第2の冷間成形された表面は凹状から凸状に変形しており、それによって前記流動性歯科用組成物が前記第1のチャンバから前記移行区域を通って分注される、請求項55に記載の装置。
【請求項63】
前記第1のチャンバに加えられた圧力に対応して前記第2の表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、前記第1の凹面と整合する平滑な表面を形成する、請求項55に記載の装置。
【請求項64】
前記装置が作動状態にあるときは、前記第1の表面は実質的なしわを伴わずに凹状を維持し、前記第2の表面は実質的なしわを伴わずに凸面に変形している、請求項55に記載の装置。
【請求項65】
前記第1のチャンバが全周に沿って気密封止されている、請求項55に記載の装置。
【請求項66】
前記第2のチャンバに分注区域が接続されており、前記分注区域が前記アプリケータのシャフトを保持する、請求項55に記載の装置。
【請求項67】
前記第1の層及び前記第2の層が熱融着によって互いに接着されている、請求項55に記載の装置。
【請求項68】
前記第1の層及び前記第2の層が、前記非作動状態では、前記移行区域で、並びに、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの周囲で互いに接着されている、請求項55に記載の装置。
【請求項69】
前記移行区域が、前記第1の層と前記第2の層との間に、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの周囲の他の領域と比較して低減された接着性を有する、請求項68に記載の装置。
【請求項70】
前記アプリケータのブラシヘッドが前記第2のチャンバ内にある、請求項66に記載の装置。
【請求項71】
前記作動状態中に、前記アプリケータのブラシヘッドが前記移行区域に入る、請求項66に記載の装置。
【請求項72】
前記歯科用組成物が、セメント、接着剤、又はフッ化物塗布剤である、請求項66に記載の装置。
【請求項73】
流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置であって、前記装置が、
第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成し、前記第1のチャンバが、前記第1の層に形成された第1の凹面と、前記第2の層に形成された第2の凹面と、を有する、第1の層及び第2の層と、
前記第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、
前記第1のチャンバに加えられた圧力に対応して前記第2の凹面が実質的に不可逆的に変形し、前記第1の凹面と整合する平滑な凸面を形成する、装置。
【請求項74】
前記装置が非作動状態及び作動状態を含み、前記非作動状態にあるときは前記チャンバ内に物質が保持され、前記作動状態にあるときは前記第1のチャンバに加えられた圧力に対応して前記第2の凹面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、それによって前記物質が前記移行区域を通って前記第2のチャンバ内に分注される、請求項73に記載の装置。
【請求項75】
前記第1の凹面及び前記第2の凹面が冷間成形される、請求項73に記載の装置。
【請求項76】
光遮断部分を更に含む、請求項73に記載の装置。
【請求項77】
前記第1の層及び前記第2の層が、第1の透明層、第2のアルミニウムの層、及び第3の封止層を備える、請求項76に記載の装置。
【請求項78】
前記光遮断部分が、前記第1の層及び前記第2の層の一部を通る切り欠き部分を備える、請求項66に記載の装置。
【請求項79】
前記第3の封止層のうちの1つがカーボンブラックを含む、請求項78に記載の装置。
【請求項80】
前記装置が非作動状態にあるときは前記第1の冷間成形された表面は凹状で、前記第2の冷間成形された表面は凹状であり、前記装置が作動状態にあるときは前記第1の冷間成形された表面は凹状を維持し、前記第2の冷間成形された表面は凸状に変形しており、それによって前記流動性歯科用組成物が前記移行区域を通って前記第1のチャンバから分注される、請求項75に記載の装置。
【請求項81】
前記第1のチャンバに加えられた圧力に対応して前記第2の冷間成形された表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、前記第1の凹面と整合する平滑な表面を形成する、請求項75に記載の装置。
【請求項82】
前記装置が作動状態にあるときは、前記第1の冷間成形された表面は実質的なしわを伴わずに凹状を維持し、前記第2の冷間成形された表面は実質的なしわを伴わずに凸面に変形している、請求項75に記載の装置。
【請求項83】
前記第1のチャンバが全周に沿って気密封止されている、請求項73に記載の装置。
【請求項84】
前記第2のチャンバに分注区域が接続されており、前記分注区域が前記アプリケータのシャフトを保持する、請求項73に記載の装置。
【請求項85】
前記第1の層及び前記第2の層が熱融着によって互いに接着されている、請求項73に記載の装置。
【請求項86】
前記第1の層及び前記第2の層が、前記非作動状態では、前記移行区域で、並びに、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの周囲で互いに接着されている、請求項73に記載の装置。
【請求項87】
前記移行区域が、前記第1の層と前記第2の層との間に、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの周囲の他の領域と比較して低減された接着性を有する、請求項86に記載の装置。
【請求項88】
前記アプリケータのブラシヘッドが前記第2のチャンバ内にある、請求項73に記載の装置。
【請求項89】
前記作動状態中に、前記アプリケータのブラシヘッドが前記移行区域に入る、請求項73に記載の装置。
【請求項90】
前記歯科用組成物が、セメント、接着剤、又はフッ化物塗布剤である、請求項73に記載の装置。
【請求項91】
流動性歯科矯正組成物を保管及び分注するための装置であって、
第1の層及び第2の層であって、流動性歯科組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成する、第1の層及び第2の層と、
前記第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、
前記第1のチャンバが、前記第1の層に形成された第1の凹面と、前記第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、
前記装置が非作動状態及び作動状態を含み、前記非作動状態にあるときは前記第1のチャンバ内に前記物質が保持され、前記作動状態にあるときは前記第1のチャンバに加えられた圧力に対応して前記第2の表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、それによって前記物質が前記移行区域を通って前記第2のチャンバ内に分注される、装置。
【請求項92】
流動性歯科矯正組成物を保管及び分注するための装置であって、
第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容する第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成する、第1の層及び第2の層と、
前記第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、
前記第1のチャンバが、前記第1の層に形成された第1の凹面と、前記第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、
前記第1のチャンバに加えられた圧力によって前記移行区域が選択的に開かれ、それによって、前記第1のチャンバと前記移行区域と前記第2のチャンバとの間の流体連通を可能にし得る、装置。
【請求項93】
流動性歯科矯正組成物を保管及び分注するための装置であって、
第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容する第1のチャンバ、第2のチャンバ、及び移行区域を形成する、第1の層及び第2の層と、
前記第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、
前記第1のチャンバが、前記第1の層に形成された第1の凹面と、前記第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、
前記装置が非作動状態及び作動状態を含み、前記非作動状態にあるときは前記歯科用組成物の第1の体積が前記第1のチャンバ内に保持され、前記作動状態にあるときは前記第1のチャンバ内の前記歯科用組成物の第2の体積が前記第1の体積より小さい、装置。
【請求項94】
流動性歯科矯正組成物を保管及び分注するための装置であって、
第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成し、前記第1のチャンバが、前記第1の層に形成された第1の凹面と、前記第2の層に形成された第2の凹面と、を有する、第1の層及び第2の層と、
前記第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、
前記流動性歯科用組成物を早期硬化から保護するための光遮断部分と、
を備える、装置。
【請求項95】
流動性歯科矯正組成物を保管及び分注するための装置であって、
第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成し、前記第1のチャンバが、前記第1の層に形成された第1の凹面と、前記第2の層に形成された第2の凹面と、を有する、第1の層及び第2の層と、
前記第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、
前記第1のチャンバに加えられた圧力に対応して前記第2の凹面が実質的に不可逆的に変形し、前記第1の凹面と整合する平滑な凸面を形成する、装置。
【請求項96】
流動性歯科用組成物又は歯列矯正用組成物を保管及び分注する装置を作製する方法であって、
第1の層を提供することと、
前記第1の層を冷間成形し、それによって第1のチャンバ及び第2のチャンバを部分的に形成することと、
前記第1のチャンバに前記流動性歯科用組成物又は前記歯列矯正用組成物を充填することと、
第2の層を提供することと、
前記第2の層を冷間成形し、それによって前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバを部分的に形成することと、
前記第1の層に前記第2の層を表面領域接触させて封止し、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバを開いたまま残し、分注区域を形成し、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間及び前記分注区域内で選択的に開くことのできる移行区域を形成することと、
前記装置の所望の形状をダイカットすることと、
光遮断部分のための切り欠きで前記第1の層及び前記第2の層を部分的にカットすることと、
を含む、方法。
【請求項97】
前記第1の層と前記第2の層との間に形成された分注区域を更に備え、前記分注区域は第1のフローバリア及び第2のフローバリアを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項98】
前記第1のフローバリア及び前記第2のフローバリアが波の形状に構成されている、請求項97に記載の装置。
【請求項99】
分注区域を更に備え、前記作動状態にあるときは、前記第2のチャンバに加えられた圧力に対応して前記第2の表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、それによって前記物質が前記第2のチャンバから前記分注区域を通して分注される、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
歯科及び歯科矯正の分野では、多くの場合、多くの手動操作を連続して協調的に行う必要がある。多くの場合、個々の患者に使用するために様々な量の歯科用組成物が必要であり得る。少量の液体をブリスターパックの形態の容器に保管し、分注することができる。除去可能なフィルムによって封鎖された、パックの熱成形部分に、例えば互いに離間した2つの凹部が形成されている。第1の凹部に少量の液体が収容されていることがあり、他方の凹部にブラシが設置されていることがある。ある特定の従来技術のパッケージングの例として、以下が挙げられる。
【0002】
国際特許出願公開第96/03326号に、薬剤及びアプリケータを保管する窪みを有する使い捨て容器が開示されている。両方の窪みは、剥離可能なカバーフィルムによって汚染から保護されている。一実施形態では、薬剤を収容した窪みを押圧することによって、アプリケータを湿潤させるために、アプリケータを収容した窪みの中に当該薬剤が移送される。
【0003】
米国特許第3,835,834号に、本体に2つの窪みを有する処置キットが開示されており、これらの窪みは、一方に治療物質を含み、他方にスワブを収容する。治療物質及びスワブを収容した本体は、封止フィルムによって汚染から保護されている。
【0004】
欧州特許出願第0895943号に、流動性物質を保管及び分注する装置が開示されており、この装置は、物質を受容する2つのチャンバを形成するように互いに接続された2つのフィルムと、チャンバから離間され、2つの物質の混合物を取り出すために使用されるポケットとから作られた容器を有し、1つのチャンバとポケットとの間の離間部は、選択的に開くことのできる移行区域を有する。装置を作動させるために、まず、1つのチャンバに圧力を加え、それによって、その中に位置する物質を、移行区域を介して第2のチャンバに移送する。その結果、第2のチャンバ内で正圧が高まり、チャンバを形成するフィルムのうちの1つが膨張する。第1のチャンバに混合物が逆流するのを防止するために、装置は2つのチャンバの間の区域で屈曲している必要がある。
【0005】
米国特許第7,320,398号に、特に歯科材料を保管及び分注するように設計された装置が開示されている。この装置は第1及び第2のフィルムを備える容器を備え、それらのフィルムは、第1の物質を収容する少なくとも1つの第1のチャンバと、チャンバから離間した、第1の物質を取り出す働きをする凹部とを形成する。凹部と第1のチャンバとの間の離間領域には、選択的に開くことができる通路領域が備わる。
【0006】
欧州特許第1240087号に、易流動性物質を保管及び分注する装置が開示されている。
【0007】
St.Paul,Minnesotaに拠点を置く3M Companyから市販されている、ある特定の歯科用製品又は歯科矯正用製品の例として、3M(商標)Adper(商標)Prompt(商標)L-Pop Adhesive、3M(商標)Transbond(商標)L-Pop Adhesive、3M(商標)Clinpro L-pop Blister、3M(商標)Unitek(商標)Transbond(商標)及びTransbond(商標)Plus Self Etching Primer、3M(商標)L-Pop Prime及びBond Adhesive、3M(商標)Adper(商標)L-Pop Easy Bond Self-Etch Adhesive、3M(商標)L-Pop Single Bond Universal Adhesive、3M(商標)L-Pop Scotchbond(商標)Universal及びUniversal(商標)Plus Adhesive Unit Dosesが挙げられる。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、流動性組成物を保管及び分注する装置、並びにその製造方法に関する。
【0009】
一例では、本開示は、流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置を対象としており、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバは第1の層内に形成された第1の凹面と、第2の層内に形成された第2の凹面と、を有し、この装置が非作動状態及び作動状態を含み、非作動状態にあるときは第1のチャンバ内に物質が保持され、作動状態にあるときは第1のチャンバに加えられた圧力に対応して第2の表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、それによって物質が移行区域を通って第2のチャンバ内に分注される。
【0010】
別の例では、本開示は、流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置を対象としており、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容する第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバは、第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、第1のチャンバに加えられた圧力によって移行区域が選択的に開かれ、それによって、第1のチャンバと移行区域と第2のチャンバとの間の流体連通を可能にし得る。
【0011】
別の例では、本開示は、流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置に対象としており、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容する第1のチャンバ、第2のチャンバ、及び移行区域を形成する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバは、第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、この装置が非作動状態及び作動状態を含み、非作動状態にあるときは歯科用組成物の第1の体積が第1のチャンバ内に保持され、作動状態にあるときは第1のチャンバ内の歯科用組成物の第2の体積が第1の体積より小さい。
【0012】
更に別の例では、本開示は、流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置に対象としており、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成し、第1のチャンバが第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、流動性歯科用組成物を早期硬化から保護するための光遮断部分と、を備える。
【0013】
別の例では、本開示は、流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置に対象としており、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成し、第1のチャンバが、第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバに加えられた圧力に対応して第2の凹面が実質的に不可逆的に変形し、第1の凹面と整合する平滑な凸面を形成する。
【0014】
別の例では、本開示は、流動性歯科矯正組成物を保管及び分注するための装置に対象としており、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバは、第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、この装置が非作動状態及び作動状態を含み、非作動状態にあるときは第1のチャンバ内に物質が保持され、作動状態にあるときは第1のチャンバに加えられた圧力に対応して第2の表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、それによって物質が移行区域を通って第2のチャンバ内に分注される。
【0015】
更に別の例では、本開示は、流動性歯科矯正組成物を保管及び分注するための装置に対象としており、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容する第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバは、第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、第1のチャンバに加えられた圧力によって移行区域が選択的に開かれ、それによって、第1のチャンバと移行区域と第2のチャンバとの間の流体連通を可能にし得る。
【0016】
別の例では、本開示は、流動性歯科矯正組成物を保管及び分注するための装置に対象としており、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科組成物を収容する第1のチャンバ、第2のチャンバ、及び移行区域を形成する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバは、第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、この装置が非作動状態及び作動状態を含み、非作動状態にあるときは歯科用組成物の第1の体積が第1のチャンバ内に保持され、作動状態にあるときは第1のチャンバ内の歯科用組成物の第2の体積が第1の体積より小さい。
【0017】
別の例では、本開示は、流動性歯科矯正組成物を保管及び分注するための装置に対象としており、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成し、第1のチャンバが第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、流動性歯科用組成物を早期硬化から保護するための光遮断部分と、を備える。
【0018】
別の例では、本開示は、流動性歯科矯正組成物を保管及び分注するための装置に対象としており、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成し、第1のチャンバが第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバに加えられた圧力に対応して第2の凹面が実質的に不可逆的に変形し、第1の凹面と整合する平滑な凸面を形成する。
【0019】
更に別の例では、本開示は、流動性歯科用組成物又は歯科矯正用組成物を保管及び分注する装置を作製する方法を対象としている。この方法は、第1の層を提供することと、第1の層を冷間成形し、それによって第1のチャンバ及び第2のチャンバを部分的に形成することと、第1のチャンバに流動性歯科用組成物又は歯列矯正用組成物を充填することと、第2の層を提供することと、第2の層を冷間成形し、それによって第1のチャンバ及び第2のチャンバを部分的に形成することと、第1の層に第2の層を表面領域接触させて封止し、第1のチャンバ及び第2のチャンバを開いたまま残し、分注区域を形成し、第1のチャンバと第2のチャンバとの間及び分注区域内に選択的に開くことのできる移行区域を形成することと、装置の所望の形状をダイカットすることと、光遮断部分のための切り欠きで第1の層及び第2の層を部分的にカットすることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】例示的な、流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置の概略上面図である。
【
図2】
図1の装置の線A-Aに沿った概略断面図である。
【
図3A】流動性組成物を装置の第1のチャンバから第2のチャンバに分注するステップを示す、
図1の装置の線A-Aに沿った概略断面図である。
【
図3B】流動性組成物を装置の第1のチャンバから第2のチャンバに分注するステップを示す、
図1の装置の線A-Aに沿った概略断面図である。
【
図3C】流動性組成物を装置の第1のチャンバから第2のチャンバに分注するステップを示す、
図1の装置の線A-Aに沿った概略断面図である。
【
図4】装置の第1の層及び第2の層の概略拡大断面図である。
【
図5】例示的な光遮断部分を含む第1の層及び第2の層の概略拡大断面図である。
【
図7】本発明の装置10の中間製造ステップの上面図である。
【
図8】従来技術の装置と本発明の装置との間の差異を示す写真である。
【
図9A】更なる例示的な、流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置の概略上面図である。
【
図9B】更なる例示的な、流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置の概略上面図である。
【
図9C】更なる例示的な、流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置の概略上面図である。
【
図10】流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置の概略断面図である。
【
図11】更に別の例示的な、流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置の断面図である。
【
図12A】流動性組成物を装置の第1のチャンバから第2のチャンバ内に分注するステップを示す、
図11の装置の概略断面図である。
【
図12B】流動性組成物を装置の第1のチャンバから第2のチャンバ内に分注するステップを示す、
図11の装置の概略断面図である。
【
図12C】流動性組成物を装置の第1のチャンバから第2のチャンバ内に分注するステップを示す、
図11の装置の概略断面図である。
【
図12D】流動性組成物を装置の第1のチャンバから第2のチャンバ内に分注するステップを示す、
図11の装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
3M Companyの普及品L-Pop(商標)Adhesiveラインでは、歯科及び歯科矯正の両方の用途に単一ステップのユニットドースの接着剤又はプライマーを提供してきた。その独自のパッケージングは、歯科医療従事者が内容物を一緒に混合することによってエッチング、プライミング、及びボンディングを単一ステップで行う準備ができるまで、内容物を保管中に2つの区画に分けて保持するものであった。
【0022】
本発明は、類似したL-pop設計の持続可能又は環境的な態様を重点的に取り扱う。新たに再設計された実施形態では、層又はラミネート箔の材料は、従来のL-pop製品と比較して最大50%低減される。例えば、本発明は、装置を製造するために必要なラミネート箔の量を0.24gから0.12gに低減する。
図8は、左の2つの品目として示された、3Mによる従来技術のL-pop設計の製品と、以下で更に説明する右の2つの実施形態として示された、本発明の新しい設計との間のサイズの差を示す。加えて、同じ量に近い材料を使用するだけで、製造生産量がほぼ倍増し得る。
図7は、この態様を示すのに役立ち、これについても以下でより詳細に説明する。また、本発明のパッケージングの幾何学的形状は、液体保管チャンバ内で生じるラミネート又は層のしわの可能性を低下させるように再設計され、それより、保管され、次いでチャンバ又は区画から分注される流動性歯科用組成物又は歯列矯正用組成物の量が最大化される。
図3Cに示すように、層のしわが存在しないことにより、チャンバ内に残される未使用の内容物も最小化される。最後に、本発明は、保管された歯科用物質の早期経時劣化(化学分解)又は早期硬化を回避する、独自の光遮断特徴を含む。
【0023】
本発明の例示的な装置10を
図1及び
図2に示す。これらの図において、装置は非作動状態にある。例えば、これは使用前に装置が保管され得る様子である。
図3A~
図3Cは、作動状態にある本発明の装置10を示す。例えば、使用中の装置10を示す。
【0024】
装置10は、第1の層12及び第2の層14を含む。それぞれの層12、14は、好ましくは、プラスチック層と金属箔の両方から作られるラミネート箔である。2つの層12、14は、剥離可能な様式で互いに封止され、第1のチャンバ16及び第2のチャンバ32を形成する。第1のチャンバは、第1の凹面25を有する第1の層12の一部分と、第1の凹面25に対向する第2の凹面24を有する第2の層14の一部分とによって形成される。それぞれの凹面は、装置10の長さに沿って延びる水平軸A-Aの側面から見た、あるいはチャンバ内に充填された組成物30の観点によるものである。ただし、層12、14の形態を「凹」又は「凸」とする説明は、層が、特に縁部区域で曲率特性を変化させる可能性を排除するものではない。
【0025】
装置の非作動状態中、第1のチャンバ16内に流動性組成物30、好ましくは流動性の歯科用又は歯科矯正用組成物30が収容されている。流動性歯科用組成物30の例には、接着剤、流動性複合材、セメント、ライナー、シーラント、う蝕インジケータ、脱感作剤、う蝕停止液が含まれ得る。流動性歯科矯正組成物の例には、接着剤も含まれる。層12、14は、第1のチャンバ16内の組成物30の体積を収容するように形成される。いくつかの実施形態では、組成物30は、層12と層14の間の光路を介して第1のチャンバ16に入る周囲光に曝露されることがある。いくつかの実施形態では、チャンバ16への周囲光の進入は、層12及び層14が透明又は半透明の封止層を更に含むときに生じることがあり、そのような封止層(単数又は複数)は、一種の光導波路又は光経路を形成することがある。換言すれば、光は、チャンバ16及びその中に収容された組成物30に到達するまで、光導波路内の内部全反射によって伝播する。歯科用組成物30の早期硬化の可能性があるため、装置10が保管されている間、装置は好ましくは、光遮断部分17を含む。光遮断部分17は、多くの形態となり得る。1つの例示的な形態は、
図5及び
図6に関連して以下でより詳細に説明する、切り欠き部分80である。
【0026】
2つの層12、14はまた、第1のチャンバ16と第2のチャンバ32との間に位置する、2つの層12、14の間に形成された所定の分離区域に剥離能力を有することによって、選択的に開くことのできる移行区域を形成する。2つの層12、14はまた、アプリケータ19を保持する分注区域34を形成する。アプリケータは、ハンドル22の端部に取り付けられたアプリケータヘッド20を含む。ハンドル22は、任意選択の把持補助部分33を含んでもよい。ヘッド20は、第2のチャンバ32内に保持される。第2のチャンバ32は、比較的平坦な基部と、ヘッド20を覆う凸状のカバー部分とを有するように成形される。
【0027】
図3A~
図3Cに示すように、装置10は、第1のチャンバ16に外圧を加えることによって作動する。ユーザは、ユーザの人差し指50及び親指52により外圧を加えることによって装置を作動させて、非作動状態から作動状態にしてもよい。この点に関して、第1のチャンバ16にかかる圧力によって装置が作動し、それによって、流体圧力によって選択的に開かれている移行区域18と、そのような区域内の第1の層12と第2の層14との間の組成物30の流れとを介して、第1のチャンバ16内に位置する組成物30が第2のチャンバ32内へと移送される。したがって、選択的に開くことのできる移行区域18は、いわば、第1のチャンバ16が開き、組成物30が移行区域18を通って第2のチャンバ32内へと流れる、一種の所定の分離点を表す。移行区域18は、保管状態又は非作動状態において、2つのチャンバ16、32の間、及び、組成物30がそこを通して分注される区域34に対しての両方に封止閉鎖を形成するように設計される。
【0028】
チャンバ16、32は、好ましくは丸く(円形又は楕円形など)形成されるが、適切な場合は角張っていてもよい(丸められた縁部又は尖った縁部を有する正方形、長方形又は三角形など)。好ましくは、第1のチャンバ16は全周に沿って気密封止される。装置10が作動したことは、第1のチャンバ16に圧力を加えることによって視覚的に見ることができる。
【0029】
分注区域34は、好ましくは、片側に向かって開いており、すなわちポケット状であり、非作動状態又は保管状態で分注器具又はアプリケータ19を導入できるように形成される。アプリケータ19は、好ましくはブラシ又はスワブ様に設計される。あるいは、適用器具又は適用装置として、分注区域34内へと封止されたピペット、綿棒、スポンジ、スパチュラ、又はスプレーヘッドを使用することもできる。
【0030】
装置10が作動状態にあり、歯科用組成物が第2のチャンバ32に流入するとき、分注区域34に位置するアプリケータ19は湿潤され、その後、放出された歯科用組成物30を適用するために使用できる。また、アプリケータ19を第1のチャンバ16の方向に移動させて、選択的に開くことのできる移行区域18を解放することも可能である。この結果、同様に、アプリケータ19のヘッド20が湿潤される。放出された物質を繰り返し適用する必要があれば、ポケット分注区域34にアプリケータ19を再挿入することができる。分注区域34又はアプリケータ19は、好ましくは、再挿入されるときにアプリケータ19のハンドル22の大部分が湿潤されることにならないように設計される。このことは、例えば、分注区域34のチャネル形状の形成と、アプリケータハンドル22のそれに一致する形成とによって起こり得る。また、第2の層14は、分注区域では皿形状又は井戸形状に構成されてもよく、ハンドル22を湿潤させることなくアプリケータ19を繰り返し湿潤させるために、チューブの場合と同様に第2のチャンバを圧搾することによって分注区域に物質が搬送される。
【0031】
分注区域34はまた、外側に向いた開口部の直径が相応に小さい、例えばカニューレの形態であれば、適用装置そのものとして機能してもよい。
【0032】
好ましくは、2つの層12、14は、先述のとおりの設計を提供するために冷間成形される。例えば、冷間成形は、金属箔を含有する層12、14をダイ内に設置し、ダイ内の金属が室温である又は金属箔の再結晶温度よりも低い間に2つの層を一緒に圧搾してダイによって形成された1つのものにして、層内に所望の形態又は構成を形成することに関与し得る。
【0033】
層12、14は、好ましくは、チャンバ16、32を形成する領域を除いて、表面対表面の領域接触で互いに接続する。あるいは、第2の層14への第1の層12の接続は、例えば、熱封止、接着結合、及び/又はソノトロードによる超音波溶接によって行われてもよい。第1の層12及び第2の層14は、非作動状態では、移行区域18で、並びに、第1のチャンバ16及び第2のチャンバ26の周囲で互いに接着されている。この状態では、移行区域18は、第1の層12と第2の層14との間に、第1のチャンバ16及び第2のチャンバ32の周囲の他の領域と比較して低減された接着性を有する。
【0034】
装置10が非作動状態にあるときは、第1のチャンバ16の第1の冷間成形された内表面24は凹状であり、第1のチャンバ16の第2の冷間成形された内表面25は凹状である。装置10が作動状態にあるときは、第1のチャンバ16の第1の冷間成形された内表面24は、内側から見て凹状を維持しており、第2の冷間成形された表面25は凸状に変形している。あるいは、両方の層12、14は、丸い、又は部分的に凸状と部分的に凹状との間などのなんらかの状態であるが、常に互いにほぼ完全に表面接触している)。いずれにしても、それによって、流動性歯科用組成物30は第1のチャンバ16から移行区域18を通って分注される。表面24と表面25とが合致する表面領域を有することにより、表面25が凸状に変形し、凹状構成を維持した表面24に合致して嵌合したときに、チャンバ16からの組成物30の完全な排出が容易に促進される。これが可能であるのは、両方の表面24、25が予め冷間成形されているからである。この現象の一例を、
図3Cに示す。
【0035】
図4及び
図5は、多層の層12、14を有する例示的な装置10を示す。第1の層12及び第2の層14は両方とも、3つの層を有する。第2の層14は最上層56を有し、第1の層12は最下層66を有する。層56、66は両方とも、透明材料で作られていてもよい。層56、66の透明材料に好適な材料の例として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンビニルアルコール(EVA)、及びPVF(ポリフッ化ビニル)が挙げられる。第2の層14は、最上層56に隣接する箔層58を含む。第1の層12は、箔層64を含む。中間の箔層58、64は金属箔であり、好ましくはアルミニウムである。第1の層12はまた、フィルム又は封止層62を含む。好適なフィルム又は封止層60及び62の例として、ポリマーフィルム及び/又は接着フィルムが挙げられる。いくつかの実施形態では、ポリマー封止層60及び62は、透明又は半透明である。封止層60及び62の一方又は両方が透明又は半透明である実施形態では、アルミニウムである場合のように、層58及び64が少なくとも部分的に反射性であるときは、箔層58、64の間に光導波路の現象が生じ得る。
【0036】
第1の層はまた、フィルム又は封止層60を含む。第2の層14はまた、フィルム又は封止層62を含む。好適なフィルム又は封止層60及び62の例として、ポリマー層及び/又は接着剤層が挙げられる。いくつかの実施形態では、ポリマー封止層60及び62は、透明又は半透明である。封止層60及び62の一方又は両方が透明又は半透明である実施形態では、アルミニウムなどの金属箔である場合のように、層58及び64が少なくとも部分的に反射性であるときは、箔層58と64との間で光導波路の現象が生じ得る。好適な封止層の例として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンビニルアルコール(EVA)、及びPVF(ポリフッ化ビニル)が挙げられる。
【0037】
上述したように、装置は、好ましくは光遮断部分17を含む。
図5は、そのような光遮断部分17の一例を示す(図示するように、光遮断部分17は、切り欠き部分80を含む。あるいは、切り欠き80は反対側から、層12で始まっていてもよい)。切り欠き部分80は、装置10の外側にある任意の周囲光又は直接光の潜在的な光導波路を遮断するものとして機能する。光はフィルム層60、62を通って向けられ、金属箔層58と金属箔層64との間で内部反射する。
図1に示す好ましい実施形態では、切り欠き部分80は、第1のチャンバ16を部分的に取り囲むように成形されてもよい。この光遮断部分17は、第1のチャンバ16に保管された歯科用組成物、特に、光硬化される、例えばUV硬化光によって硬化されるような組成物の早期の硬化又は経時劣化を防止するのに役立つ。加えて、層12、14は、適切な拡散不透過性を有する層を含んでもよい。光遮断部分17の他の実施形態は、層60及び/又は層62内にカーボンブラック材料を含む。いくつかの他の実施形態では、光遮断部分17は、アルミニウム層(単数又は複数)58及び/又は64をカーボンブラックでコーティングすることを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光遮断部分17は、箔層58と箔層64との間の光の内部反射を遮断するために、カーボンブラック又は他の添加物を有するドーピング層60及び62を含んでもよい。
【0038】
図6は、光源202と共に使用されている例示的な光遮断部分17の概略断面図を示す。光源202によって概略的に示される周囲光は、光源によって放射された光が層12、14に入り、内部全反射によって装置内で伝送されるように、装置10に対して位置決めされる。光は、光を装置から外向きに反射する、アルミニウムなどの金属箔又は別様の不透明層58、64により、装置10の最上部又は最下部を通って進入することはない。光源によって放射された周囲光は、外部では複数の光線によって表され、次いで、内部全反射によって伝送される単一光線206、207、208によって表される。この事例では切り欠き部分80である光遮断部分17は、光線208の内部反射の伝播を止めるように機能する。加えて、切り欠き部分80を作成するではまた、層58及び64の一方又は両方に変形(図示せず)を生じてもよく、わずかな屈曲及びしわの形態をした、そのような変形は、それ自体が光遮断部分17の主要な機能を提供し得る。その結果、組成物30はそのような光線から保護される。
図1に示すように、切り欠き部分80は、このような保護を提供するために、組成物30を収容する第1のチャンバ16を取り囲む。
【0039】
第1の層12及び第2の層14の多層構造は、ラミネート、カレンダリング、単一の層を有する様々な層のラミネートによって、また適切な場合には、例えばアルミニウムなどの金属を蒸着することによっても実現することができる。また、適用領域及び所望の変形性に応じて、層12、14は引き伸ばされており、又は装置10の作動前には引き伸ばされていない状態にある。層は、プラスチック層、金属箔及びセラミックシートから選択されてもよい。好適なプラスチック層は、例えば、PE、PP、PTFE、PET、PA、PBT、PVC、EVA、PVF(ポリフッ化ビニル)である。好適な金属箔は、例えば、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、金(Au)、銀(Ag)、鋼などの鉄(Fe)ベースのもの、及び鉛(Pb)である。好適なセラミックシートとは、例えばSiOxを含有する層を有する層を意味するものと理解される。
【0040】
第1のチャンバ16の容積は、通常5~500μlの範囲、好ましくは10~250μlの範囲にある。第2のチャンバ32の容積は、好ましくは、少なくとも装置の作動前には第1のチャンバの容積以下であり、3~500μlの範囲内、好ましくは5~250μlの範囲内にある。第1のチャンバ16は、例えば1~25mm、好ましくは5~15mmの範囲の直径を有する。第2のチャンバ32は、例えば1~25mm、好ましくは5~15mmの範囲の直径を有する。
【0041】
装置10は、例えば、以下の方法、すなわち、a)第1の層12を提供することと、b)第1の層12を冷間成形し、それによって第1のチャンバ16及び第2のチャンバ32を部分的に形成することと、c)第1のチャンバ16に流動性歯科用組成物30を充填することと、d)第2の層14を提供することと、e)第2の層14を冷間成形し、それによって第1のチャンバ16及び第2のチャンバ32を部分的に形成することと、f)第1の層12に第2の層14をかなりの程度まで面領域接触させて封止し、チャンバ16、32を封止せずに残し、2つのチャンバ16とチャンバ32との間及び分注区域34で選択的に開くことのできる移行区域18を形成することと、g)装置の外側輪郭又は所望の形状をダイカットすることと、h)光遮断部分17のための切り欠き80で層をカットすること、によって製造することができる。封止ステップについては、これは2段階で行われてもよい。第1段階は、2つの層12、14を合わせて封止するが、それらは剥離可能なままである。第2段階は、2つの層12、14を合わせて封止し、移行区域18及び開いたチャンバ16、32を除く全ての領域で、それらを剥離不可能にする。
【0042】
図7は、先述の製造工程の中間ステップを示す。
図7では、ステップa)~f)は完了している。より持続可能で環境にやさしい装置を作製する目的を達成するために、装置10a~10dは、図示するように、材料の使用を最適化するように配置される。この配置は、製造生産量を増加させるのに役立つ。
【0043】
図8は、従来技術のL-Pop設計、具体的には3M(商標)Scotchbond(商標)Universal L-Pop接着剤(左の2つの画像、前面及び背面)を、本発明の装置10(右の2つの画像、前面及び背面)と比較して並べて比較した写真である。
図8は、従来技術の装置(左側の両方が従来技術)と、光遮断部分17のない本発明の装置との間の差異を示す写真である。
【0044】
装置10は、第1のチャンバ16に関して様々な形状で例示されている。この事例では、第1のチャンバ16は楕円形又は円形である。ただし、第1のチャンバ16は、任意の所望の形状であってもよい。
【0045】
本発明の他の例示的な装置100を、
図9A~
図9C、
図10及び
図11に示す。これらの図では、装置100は非作動状態にある。例えば、これは使用前に装置100が保管され得る様子である。
図12A~
図12Dは、作動状態にある、本発明の装置100eのうちの1つを示す。例えば、使用中の装置100eを示す。
【0046】
装置100a、100b、100c、100d、及び100eは、それぞれの装置が分注区域34内に任意選択のフローバリア36を含むことを除いて、先の図に示された装置10と非常に類似している。フローバリア36は、装置100の作動中、又はブラシヘッド20がアプリケータ22によって第2のチャンバ32から引き出される間に、過剰な流動性歯科用組成物30が分注区域34から偶発的に飛散することを回避するのに役立つ。飛散させる代わりに、フローバリアによって過剰な組成物30の一部を飽和状態のブラシヘッド20から拭い去ることができるようになり、したがって、ユーザは、より調整された様式で組成物30を塗布し、不必要な組成物30を装置100内に残せるようになる。フローバリア36はまた、分注区域34及び第2のチャンバ30内におけるブラシヘッド20及びハンドル22の適合を改善して、アプリケータ19が装置100から偶発的に落下するのを防止するのを助けることができる。
【0047】
先述の装置10と同様に、装置100a~eは、第1の層12及び第2の層14を含む。それぞれの層12、14は、好ましくは、プラスチック層と金属箔の両方から作られるラミネート箔である。2つの層12、14は、剥離可能な様式で互いに封止され、第1のチャンバ16及び第2のチャンバ32を形成する。第1のチャンバは、第1の凹面25を有する第1の層12の一部分と、第1の凹面25に対向する第2の凹面24を有する第2の層14の一部分とによって形成される。それぞれの凹面は、装置10の長さに沿って延びる水平軸A-Aの側面から見た、あるいはチャンバ内に充填された組成物30の観点によるものである。ただし、層12、14の形態を「凹」又は「凸」とする説明は、層が、特に縁部区域で曲率特性を変化させる可能性を排除するものではない。
【0048】
層12、14は、第1のチャンバ16内の組成物30の体積を収容するように形成される。2つの層12、14はまた、第1のチャンバ16と第2のチャンバ32との間に位置する、2つの層12、14の間に形成された所定の分離区域に剥離能力を有することによって、選択的に開くことのできる移行区域18を形成する。2つの層12、14はまた、分注区域34を形成する。分注区域34は、2つの層12、14が封止されて、それらの間にアプリケータ22のシャフト32を保持するためのポケットを形成する領域である、フローバリア36によって形成される。
【0049】
図9A~
図9Cに示す実施形態では、分注区域34は多くの形態をとり得る。
図9Aでは、装置100a内の分注区域34は、第1のフローバリア36a及び第2のフローバリア36bを含む。この実施形態では、フローバリア36a、36bは、向かい合う正弦波構成である。
図9Bでは、装置100b内の分注区域は、整合した正弦波構成のフローバリア36c、36dを有する。
図9Cは、より小さな山及び谷を有するように引き伸ばされた、向かい合う正弦波構成のフローバリア36e、36fを有する分注区域34を有する装置100cを示す。
【0050】
図10は、分注区域34の更に別の実施形態を示す。先の図に示すように第1のフィルム12のために比較的平坦な基部を有するのではなく、
図10では、分注区域34に湾曲した第1のフィルム12及び湾曲した第2のフィルム14が含まれる。湾曲したフローバリアは、アプリケータ19の軸に対して垂直に整合される。
【0051】
図11は、前述の装置に非常に類似する代替装置100を示すが、この装置100eの第1のフィルム12は、
図3に示すように完全に平坦ではない。代わりに、装置100e内の第1のフィルムは、より緩んでいて凹状であり、したがって、より対称的な第2のチャンバ30を形成する。
【0052】
図12A~
図12Dに示すように、装置100eは、第1のチャンバ16に外圧を加えることによって作動する。ユーザは、ユーザの人差し指50及び親指52により外圧を加えることによって装置を作動させて、非作動状態から作動状態にしてもよい。この点に関して、第1のチャンバ16にかかる圧力によって装置が作動し、それによって、流体圧力によって選択的に開かれている移行区域18と、そのような区域内の第1の層12と第2の層14との間の組成物30の流れとを介して、第1のチャンバ16内に位置する組成物30が第2のチャンバ32内へと移送される。したがって、選択的に開くことのできる移行区域18は、いわば、第1のチャンバ16が開き、組成物30が移行区域18を通って第2のチャンバ32内へと流れる、一種の所定の分離点を表す。移行区域18は、保管状態又は非作動状態において、2つのチャンバ16、32の間、及び、組成物30がそこを通して分注される区域34に対しての両方に封止閉鎖を形成するように設計される。
【0053】
チャンバ16、32は、好ましくは丸く(円形又は楕円形など)形成されるが、適切な場合は角張っていてもよい(丸められた縁部又は尖った縁部を有する正方形、長方形又は三角形など)。好ましくは、第1のチャンバ16は全周に沿って気密封止される。装置10が作動したことは、第1のチャンバ16に圧力を加えることによって視覚的に見ることができる。
【0054】
分注区域34は、好ましくは、片側に向かって開いており、すなわちポケット状であり、非作動状態又は保管状態で分注器具又はアプリケータ19を導入できるように形成される。アプリケータ19は、好ましくはブラシ又はスワブ様に設計される。あるいは、適用器具又は適用装置として、分注区域34内へと封止されたピペット、綿棒、スポンジ、スパチュラ、又はスプレーヘッドを使用することもできる。
【0055】
装置10が作動状態にあり、歯科用組成物が第2のチャンバ32に流入するとき、分注区域34に位置するアプリケータ19は湿潤され、その後、放出された歯科用組成物30を適用するために使用できる。また、アプリケータ19を第1のチャンバ16の方向に移動させて、選択的に開くことのできる移行区域18を解放することも可能である。この結果、同様に、アプリケータ19のヘッド20が湿潤される。放出された物質を繰り返し適用する必要があれば、ポケット分注区域34にアプリケータ19を再挿入することができる。分注区域34又はアプリケータ19は、好ましくは、再挿入されるときにアプリケータ19のハンドル22の大部分が湿潤されることにならないように設計される。このことは、例えば、分注区域34のチャネル形状の形成と、アプリケータハンドル22のそれに一致する形成とによって起こり得る。また、第2の層14は、分注区域では皿形状又は井戸形状に構成されてもよく、ハンドル22を湿潤させることなくアプリケータ19を繰り返し湿潤させるために、チューブの場合と同様に第2のチャンバを圧搾することによって分注区域に物質が搬送される。
【0056】
好ましくは、2つの層12、14は、先述のとおりの設計を提供するために冷間成形される。例えば、冷間成形は、金属箔を含有する層12、14をダイ内に設置し、ダイ内の金属が室温である又は金属箔の再結晶温度よりも低い間に2つの層を一緒に圧搾してダイによって形成された1つのものにして、層内に所望の形態又は構成を形成することに関与し得る。
【0057】
装置10が非作動状態にあるときは、第1のチャンバ16の第1の冷間成形された内表面24は凹状であり、第1のチャンバ16の第2の冷間成形された内表面25は凹状である。同様に、非作動状態では、第2のチャンバ30の内表面24及び内表面25は両方とも凹状である。装置10が作動状態にあるときは、第1のチャンバ16の第1の冷間成形された内表面24は、内側から見て凹状を維持しており、第2の冷間成形された表面25は凸状に変形している。あるいは、両方の層12、14は、丸い、又は部分的に凸状と部分的に凹状との間などのなんらかの状態であるが、常に互いにほぼ完全に表面接触している。いずれにしても、それによって、流動性歯科用組成物30は第1のチャンバ16から移行区域18を通って分注される。表面24と表面25とが合致する表面領域を有することにより、表面25が凸状に変形し、凹状構成を維持した表面24に合致して嵌合したときに、チャンバ16からの組成物30の完全な排出が容易に促進される。これが可能であるのは、両方の表面24、25が予め冷間成形されているからである。この現象の一例を、
図12Cに示す。
【0058】
続いて、第2のチャンバ30から組成物が移行区域34を通して完全に排出され、装置100eからアプリケータ19が引き抜かれた後、第2のチャンバ30の第1の冷間成形された内表面24は、内側から見て凹状を維持しており、第2のチャンバ30の第2の冷間成形された表面25は凸状に変形している。あるいは、両方の層12、14は、丸い、又は部分的に凸状と部分的に凹状との間などのなんらかの状態であるが、常に互いにほぼ完全に表面接触している。表面24と表面25とが合致する表面領域を有することにより、表面25が凸状に変形し、凹状構成を維持した表面24に合致して嵌合したときに、チャンバ30からの組成物30の完全な排出が容易に促進される。これが可能であるのは、両方の表面24、25が予め冷間成形されているからである。この現象の一例を、
図12Dに示す。冷間成形された箔の構成は、本発明の装置の持続可能性の態様を更に支援し、全体的な製造コストの低減を支援する。
【0059】
上記では装置10における使用のために歯科用組成物及び歯科矯正用組成物の両方について考察したが、他の流動性組成物(例えば、香料、ローション、潤滑剤、オイル、塗料、及び永久接着剤)もまた考え得る。
【0060】
当業者には、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することのない、本開示に対する様々な改変及び変更が明らかとなるであろう。本開示は、本明細書に記載した例示的な実施形態、態様、及び実施例によって不当に制限されることは意図していないこと、並びにそのような実施例、形態、及び実施形態は、以下のような本明細書に記載の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図した本開示の範囲内の例としてのみ提示されることを理解されたい。
【0061】
例示的な態様
態様1は、流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置であり、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバが、第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、この装置が非作動状態及び作動状態を含み、非作動状態にあるときは第1のチャンバ内に物質が保持され、作動状態にあるときは第1のチャンバに加えられた圧力に対応して第2の表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、それによって物質が移行区域を通って第2のチャンバ内に分注される。
【0062】
態様2は、第1の凹面及び第2の凹面が冷間成形される、態様1の装置である。
【0063】
態様3は、光遮断部分を更に含む、態様1~3の装置である。
【0064】
態様4は、第1の層及び第2の層が、第1の透明層、第2の金属箔の層、及び第3の封止層を備える、態様3の装置である。
【0065】
態様5は、光遮断部分が、第1の層及び第2の層の一部を通る切り欠き部分を備える、態様4の装置である。
【0066】
態様6は、第3の封止層のうちの1つがカーボンブラックを含む、態様5の装置である。
【0067】
態様7は、装置が非作動状態にあるときは第1の冷間成形された表面は凹状で、第2の冷間成形された表面は凹状であり、装置が作動状態にあるときは第1の冷間成形された表面は凹状を維持し、第2の冷間成形された表面は凸状に変形しており、それによって流動性歯科用組成物が第1のチャンバから移行区域を通って分注される、態様2~6の装置である。
【0068】
態様8は、第1のチャンバに加えられた圧力に対応して第2の冷間成形された表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、第1の凹面と整合する平滑な表面を形成する、態様2~7の装置である。
【0069】
態様9は、装置が作動状態にあるときは、第1の冷間成形された表面は実質的なしわを伴わずに凹状を維持し、第2の冷間成形された表面は実質的なしわを伴わずに凸面に変形している、態様2~8の装置である。
【0070】
態様10は、第1のチャンバが全周に沿って気密封止されている、態様1~9の装置である。
【0071】
態様11は、第2のチャンバに分注区域が接続されており、分注区域がアプリケータのシャフトを保持する、態様1~10の装置である。
【0072】
態様12は、第1の層及び第2の層が熱融着によって互いに接着されている、態様1~11の装置である。
【0073】
態様13は、第1の層及び第2の層が、非作動状態では、移行区域で、並びに、第1のチャンバ及び第2のチャンバの周囲で互いに接着されている、態様1~12の装置である。
【0074】
態様14は、移行区域が、第1の層と第2の層との間に、第1のチャンバ及び第2のチャンバの周囲の他の領域と比較して低減された接着性を有する、態様13の装置である。
【0075】
態様15は、アプリケータのブラシヘッドが第2のチャンバ内にある、態様1~14の装置である。
【0076】
態様16は、作動状態中、アプリケータのブラシヘッドが移行区域に入る、態様1~15の装置である。
【0077】
態様17は、歯科用組成物が、セメント、接着剤、又はフッ化物塗布剤である、態様1~16の装置である。
【0078】
態様18は、流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置であり、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容する第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバが、第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、第1のチャンバに加えられた圧力によって移行区域が選択的に開かれ、それによって、第1のチャンバと移行区域と第2のチャンバとの間の流体連通を可能にし得る。
【0079】
態様19は、第1の凹面及び第2の凹面が冷間成形される、態様18の装置である。
【0080】
態様20は、光遮断部分を更に含む、態様18~19の装置である。
【0081】
態様21は、第1の層及び第2の層が、第1の透明層、第2の金属箔の層、及び第3の封止層を備える、態様20に記載の装置である。
【0082】
態様22は、光遮断部分が、第1の層及び第2の層の一部を通る切り欠き部分を備える、態様21の装置である。
【0083】
態様23は、第3の封止層がカーボンブラックを含む、態様22の装置である。
【0084】
態様24は、装置が非作動状態にあるときは第1の冷間成形された表面は凹状で、第2の冷間成形された表面は凹状であり、装置が作動状態にあるときは第1の冷間成形された表面は凹状を維持し、第2の冷間成形された表面は凸状に変形しており、それによって流動性歯科用組成物が第1のチャンバから移行区域を通って分注される、態様19~23の装置である。
【0085】
態様25は、第1のチャンバに加えられた圧力に対応して第2の冷間成形された表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、第1の凹面と整合する平滑な表面を形成する、態様19~24の装置である。
【0086】
態様26は、装置が作動状態にあるときは、第1の冷間成形された表面は実質的なしわを伴わずに凹状を維持し、第2の冷間成形された表面は実質的なしわを伴わずに凸面に変形している、態様19~25の装置である。
【0087】
態様27は、第1のチャンバが全周に沿って気密封止されている、態様18~26の装置である。
【0088】
態様28は、第2のチャンバに分注区域が接続されており、分注区域がアプリケータのシャフトを保持する、態様18~27の装置である。
【0089】
態様29は、第1の層及び第2の層が熱融着によって互いに接着されている、態様18~28の装置である。
【0090】
態様30は、第1の層及び第2の層が、非作動状態では、移行区域で、並びに、第1のチャンバ及び第2のチャンバの周囲で互いに接着されている、態様18~29の装置である。
【0091】
態様31は、移行区域が、第1の層と第2の層との間に、第1のチャンバ及び第2のチャンバの周囲の他の領域と比較して低減された接着性を有する、態様30の装置である。
【0092】
態様32は、アプリケータのブラシヘッドが第2のチャンバ内にある、態様18~31の装置である。
【0093】
態様33は、作動状態中、アプリケータのブラシヘッドが移行区域に入る、態様18~32の装置である。
【0094】
態様34は、歯科用組成物が、セメント、接着剤、又はフッ化物塗布剤である、態様18~33の装置である。
【0095】
態様35は、流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置であり、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容する第1のチャンバ、第2のチャンバ、及び移行区域を形成する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバが、第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、この装置が非作動状態及び作動状態を含み、非作動状態にあるときは歯科用組成物の第1の体積が第1のチャンバ内に保持され、作動状態にあるときは第1のチャンバ内の歯科用組成物の第2の体積が第1の体積より小さい。
【0096】
態様36は、第2の体積が、チャンバ内の歯科用組成物の第1の体積よりも10%小さい、態様35の装置である。
【0097】
態様37は、第1の凹面及び第2の凹面が冷間成形される、態様35~36の装置である。
【0098】
態様38は、光遮断部分を更に含む、態様35~37の装置である。
【0099】
態様39は、第1の層及び第2の層が、第1の透明層、第2の金属箔の層、及び第3の封止層を備える、態様38の装置である。
【0100】
態様40は、光遮断部分が、第1の層及び第2の層の一部を通る切り欠き部分を備える、態様39の装置である。
【0101】
態様41は、第3の封止層のうちの1つがカーボンブラックを含む、態様40の装置である。
【0102】
態様42は、装置が非作動状態にあるときは第1の冷間成形された表面は凹状で、第2の冷間成形された表面は凹状であり、装置が作動状態にあるときは第1の冷間成形された表面は凹状を維持し、第2の冷間成形された表面は凸状に変形しており、それによって流動性歯科用組成物が第1のチャンバから移行区域を通って分注される、態様37~41の装置である。
【0103】
態様43は、第1のチャンバに加えられた圧力に対応して第2の冷間成形された表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、第1の凹面と整合する平滑な表面を形成する、態様37~42の装置である。
【0104】
態様44は、装置が作動状態にあるときは、第1の冷間成形された表面は実質的なしわを伴わずに凹状を維持し、第2の冷間成形された表面は実質的なしわを伴わずに凸面に変形している、態様37~43の装置である。
【0105】
態様45は、第1のチャンバが全周に沿って気密封止されている、態様35~44の装置である。
【0106】
態様46は、第2のチャンバに分注区域が接続されており、分注区域がアプリケータのシャフトを保持する、態様35~45の装置である。
【0107】
態様47は、第1の層及び第2の層が熱融着によって互いに接着されている、態様35~46の装置である。
【0108】
態様48は、第1の層及び第2の層が、非作動状態では、移行区域で、並びに、第1のチャンバ及び第2のチャンバの周囲で互いに接着されている、態様35~47の装置である。
【0109】
態様49は、移行区域が、第1の層と第2の層との間に、第1のチャンバ及び第2のチャンバの周囲の他の領域と比較して低減された接着性を有する、態様48の装置である。
【0110】
態様50は、アプリケータのブラシヘッドが第2のチャンバ内にある、態様35~49の装置である。
【0111】
態様51は、作動状態中、アプリケータのブラシヘッドが移行区域に入る、態様35~50の装置である。
【0112】
態様52は、歯科用組成物が、セメント、接着剤、又はフッ化物塗布剤である、態様35~51の装置である。
【0113】
態様53は、流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置であり、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成し、第1のチャンバが、第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、流動性歯科用組成物を早期硬化から保護するための光遮断部分と、を備える。
【0114】
態様54は、光遮断部分を更に含む、態様53の装置である。
【0115】
態様55は、第1の層及び第2の層が、第1の透明層、第2のアルミニウムの層、及び第3の封止層を備える、態様54の装置である。
【0116】
態様56は、光遮断部分が、第1の層及び第2の層の一部を通る切り欠き部分を備える、態様55の装置である。
【0117】
態様57は、第3の封止層がカーボンブラックを含む、態様56に記載の装置である。
【0118】
態様58は、第1の層及び第2の層が金属を含み、金属が高熱で互いに融合され、光遮断部分として機能する、態様53~57の装置である。
【0119】
態様59は、第1のチャンバが第1の凹面及び第2の凹面を有する、態様53~57の装置である。
【0120】
態様60は、第1の凹面及び第2の凹面が冷間成形される、態様53~59の装置である。
【0121】
態様61は、装置が非作動状態及び作動状態を含み、非作動状態にあるときはチャンバ内に物質が保持され、作動状態にあるときは第1のチャンバに加えられた圧力に対応して第2の凸面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、それによって物質が移行区域を通って第2のチャンバ内に分注される、態様53~60の装置である。
【0122】
態様62は、装置が非作動状態にあるときは、装置が作動状態にあるときは第1の凸面は凹状を維持し、第2の冷間成形された表面は凹状から凸状に変形しており、それによって流動性歯科用組成物が第1のチャンバから移行区域を通って分注される、態様55~61の装置である。
【0123】
態様63は、第1のチャンバに加えられた圧力に対応して第2の表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、第1の凹面と整合する平滑な表面を形成する、態様55~62の装置である。
【0124】
態様64は、装置が作動状態にあるときは、第1の表面は実質的なしわを伴わずに凹状を維持し、第2の表面は実質的なしわを伴わずに凸面に変形している、態様55~63の装置である。
【0125】
態様65は、第1のチャンバが全周に沿って気密封止されている、態様55~64の装置である。
【0126】
態様66は、第2のチャンバに分注区域が接続されており、分注区域がアプリケータのシャフトを保持する、態様55~65の装置である。
【0127】
態様67は、第1の層及び第2の層が熱融着によって互いに接着されている、態様55~66の装置である。
【0128】
態様68は、第1の層及び第2の層が、非作動状態では、移行区域で、並びに、第1のチャンバ及び第2のチャンバの周囲で互いに接着されている、態様55~67の装置である。
【0129】
態様69は、移行区域が、第1の層と第2の層との間に、第1のチャンバ及び第2のチャンバの周囲の他の領域と比較して低減された接着性を有する、態様68の装置である。
【0130】
態様70は、アプリケータのブラシヘッドが第2のチャンバ内にある、態様66~69の装置である。
【0131】
態様71は、作動状態中、アプリケータのブラシヘッドが移行区域に入る、態様66~70の装置である。
【0132】
態様72は、歯科用組成物が、セメント、接着剤、又はフッ化物塗布剤である、態様66~71の装置である。
【0133】
態様73は、流動性歯科用組成物を保管及び分注する装置であり、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成し、第1のチャンバが、第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバに加えられた圧力に対応して第2の凹面が実質的に不可逆的に変形し、第1の凹面と整合する平滑な凸面を形成する。
【0134】
態様74は、装置が非作動状態及び作動状態を含み、非作動状態にあるときはチャンバ内に物質が保持され、作動状態にあるときは第1のチャンバに加えられた圧力に対応して第2の凹面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、それによって物質が移行区域を通って第2のチャンバ内に分注される、態様73の装置である。
【0135】
態様75は、第1の凹面及び第2の凹面が冷間成形される、態様73~74の装置である。
【0136】
態様76は、光遮断部分を更に含む、態様73~75の装置である。
【0137】
態様77は、第1の層及び第2の層が、第1の透明層、第2のアルミニウムの層、及び第3の封止層を備える、態様76の装置である。
【0138】
態様78は、光遮断部分が、第1の層及び第2の層の一部を通る切り欠き部分を備える、態様66~77の装置である。
【0139】
態様79は、第3の封止層のうちの1つがカーボンブラックを含む、態様78に記載の装置である。
【0140】
態様80は、装置が非作動状態にあるときは第1の冷間成形された表面は凹状で、第2の冷間成形された表面は凹状であり、装置が作動状態にあるときは第1の冷間成形された表面は凹状を維持し、第2の冷間成形された表面は凸状に変形しており、それによって流動性歯科用組成物が第1のチャンバから移行区域を通って分注される、態様75~79の装置である。
【0141】
態様81は、第1のチャンバに加えられた圧力に対応して第2の冷間成形された表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、第1の凹面と整合する平滑な表面を形成する、態様75~80の装置である。
【0142】
態様82は、装置が作動状態にあるときは、第1の冷間成形された表面は実質的なしわを伴わずに凹状を維持し、第2の冷間成形された表面は実質的なしわを伴わずに凸面に変形している、態様75~81の装置である。
【0143】
態様83は、第1のチャンバが全周に沿って気密封止されている、態様73~82の装置である。
【0144】
態様84は、第2のチャンバに分注区域が接続されており、分注区域がアプリケータのシャフトを保持する、態様73~83の装置である。
【0145】
態様85は、第1の層及び第2の層が熱融着によって互いに接着されている、態様73~84の装置である。
【0146】
態様86は、第1の層及び第2の層が、非作動状態では、移行区域で、並びに、第1のチャンバ及び第2のチャンバの周囲で互いに接着されている、態様73~85の装置である。
【0147】
態様87は、移行区域が、第1の層と第2の層との間に、第1のチャンバ及び第2のチャンバの周囲の他の領域と比較して低減された接着性を有する、態様86の装置である。
【0148】
態様88は、アプリケータのブラシヘッドが第2のチャンバ内にある、態様73~87の装置である。
【0149】
態様89は、作動状態中、アプリケータのブラシヘッドが移行区域に入る、態様73~88の装置である。
【0150】
態様90は、歯科用組成物が、セメント、接着剤、又はフッ化物塗布剤である、態様73~89の装置である。
【0151】
態様91は、流動性歯科矯正組成物を保管及び分注するための装置であり、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバは、第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、この装置が非作動状態及び作動状態を含み、非作動状態にあるときは第1のチャンバ内に物質が保持され、作動状態にあるときは第1のチャンバに加えられた圧力に対応して第2の表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、それによって物質が移行区域を通って第2のチャンバ内に分注される。
【0152】
態様92は、流動性歯科矯正組成物を保管及び分注するための装置であり、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容する第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバは、第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、第1のチャンバに加えられた圧力によって移行区域が選択的に開かれ、それによって、第1のチャンバと移行区域と第2のチャンバとの間の流体連通を可能にし得る。
【0153】
態様93は、流動性歯科矯正組成物を保管及び分注するための装置であり、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容する第1のチャンバ、第2のチャンバ、及び移行区域を形成する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバは、第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有し、この装置が非作動状態及び作動状態を含み、非作動状態にあるときは歯科用組成物の第1の体積が第1のチャンバ内に保持され、作動状態にあるときは第1のチャンバ内の歯科用組成物の第2の体積が第1の体積より小さい。
【0154】
態様94は、流動性歯科矯正組成物を保管及び分注するための装置であり、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成し、第1のチャンバが、第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、流動性歯科用組成物を早期硬化から保護するための光遮断部分と、を備える。
【0155】
態様95は、流動性歯科矯正組成物を保管及び分注するための装置であり、この装置は、第1の層及び第2の層であって、流動性歯科用組成物を収容するための第1のチャンバ、移行区域、及び第2のチャンバを形成し、第1のチャンバが第1の層に形成された第1の凹面と、第2の層に形成された第2の凹面と、を有する、第1の層及び第2の層と、第2のチャンバ内に保持されたアプリケータと、を備え、第1のチャンバに加えられた圧力に対応して第2の凹面が実質的に不可逆的に変形し、第1の凹面と整合する平滑な凸面を形成する。
【0156】
態様96は、流動性歯科用組成物又は歯列矯正用組成物を保管及び分注する装置を作製する方法であり、この方法は、第1の層を提供することと、第1の層を冷間成形し、それによって第1のチャンバ及び第2のチャンバを部分的に形成することと、第1のチャンバに流動性歯科用組成物又は歯列矯正用組成物を充填することと、第2の層を提供することと、第2の層を冷間成形し、それによって第1のチャンバ及び第2のチャンバを部分的に形成することと、第1の層に第2の層を表面領域接触させて封止し、第1のチャンバ及び第2のチャンバを開いたまま残し、分注区域を形成し、第1のチャンバと第2のチャンバとの間及び分注区域内で選択的に開くことのできる移行区域を形成することと、装置の所望の形状をダイカットすることと、光遮断部分のための切り欠きで第1の層及び第2の層を部分的にカットすることと、を含む。
【0157】
態様97は、第1の層と第2の層との間に形成された分注区域を更に備え、分注区域は第1のフローバリア及び第2のフローバリアを備える、態様1~95の装置である。
【0158】
態様98は、第1のフローバリア及び第2のフローバリアが波の形状に構成されている、態様97の装置である。
【0159】
態様99は、分注区域を更に備え、作動状態にあるときは、第2のチャンバに加えられた圧力に対応して第2の表面の一部分が実質的に不可逆的に変形し、それによって物質が分注区域を通して第2のチャンバ内に分注される、態様1~95の装置である。
【国際調査報告】