IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルパインスターズ リサーチ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータの特許一覧

<>
  • 特表-着用可能な保護装置 図1
  • 特表-着用可能な保護装置 図2
  • 特表-着用可能な保護装置 図3
  • 特表-着用可能な保護装置 図4
  • 特表-着用可能な保護装置 図5
  • 特表-着用可能な保護装置 図6
  • 特表-着用可能な保護装置 図7
  • 特表-着用可能な保護装置 図8
  • 特表-着用可能な保護装置 図9
  • 特表-着用可能な保護装置 図10
  • 特表-着用可能な保護装置 図11
  • 特表-着用可能な保護装置 図12
  • 特表-着用可能な保護装置 図13
  • 特表-着用可能な保護装置 図14
  • 特表-着用可能な保護装置 図15
  • 特表-着用可能な保護装置 図16
  • 特表-着用可能な保護装置 図17
  • 特表-着用可能な保護装置 図18
  • 特表-着用可能な保護装置 図19
  • 特表-着用可能な保護装置 図20
  • 特表-着用可能な保護装置 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】着用可能な保護装置
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/018 20060101AFI20231226BHJP
   A41D 31/28 20190101ALI20231226BHJP
   A41D 31/18 20190101ALI20231226BHJP
   A41D 27/26 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
A41D13/018
A41D31/28
A41D31/18
A41D27/26 A
A41D27/26 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537233
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 EP2021086496
(87)【国際公開番号】W WO2022129528
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】102020000031358
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502016471
【氏名又は名称】アルパインスターズ リサーチ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョバンニ マッツァローロ
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツォ ナルド
(72)【発明者】
【氏名】フィリッポ ガラッシーニ
【テーマコード(参考)】
3B035
3B211
【Fターム(参考)】
3B035AA01
3B035AA07
3B035AB18
3B035AC06
3B211AA01
3B211AA05
3B211AB01
3B211AB11
3B211AC04
3B211AC18
(57)【要約】
本発明は、着用可能な保護装置(10)のケーシング(30)内に留まり、収縮状態と膨張状態との間を移動するように設計された少なくとも1つの膨張可能部材(20)を備える着用可能な保護装置(10)に関する。
本発明によれば、収縮状態では、少なくとも1つの膨張可能部材(20)は、ケーシング(30)内の利用可能な空間の寸法に対応する外形寸法を有する。さらに、収縮状態では、少なくとも1つの膨張可能部材(20)は、アコーディオン形状で折り畳まれた少なくとも1つの部分(22)を有し、それによって、そのようなアコーディオン形状の部分(22)は、少なくとも1つの膨張可能部材(20)が収縮状態から膨張状態に移動するときに拡張し、そのようなアコーディオン形状の部分(22)は、少なくとも1つの膨張可能部材(20)が膨張状態から収縮状態に移動するときに収縮する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用可能な保護装置(10)のケーシング(30)内に留まり、収縮状態と膨張状態との間を移動するように設計された少なくとも1つの膨張可能部材(20)を備えた着用可能な保護装置(10)であって、
前記収縮状態において前記少なくとも1つの膨張可能部材(20)は、
i)前記ケーシング(30)内の利用可能な空間の寸法に対応する外形寸法と、
ii)アコーディオン形状に折り畳まれた少なくとも1つの部分(22)であって、それにより、少なくとも1つの膨張可能部材(20)が収縮状態から膨張状態に移動するときに、そのようなアコーディオン形状部分(22)が拡張し、少なくとも1つの膨張可能部材(20)が膨張状態から収縮状態に移動するときに、そのようなアコーディオン形状部分(22)が収縮する、少なくとも1つの部分(22)と、を有することを特徴とする、着用可能な保護装置(10)。
【請求項2】
前記ケーシング(30)は、少なくとも1つのアコーディオン形状部分(32)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の着用可能な保護装置(10)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの膨張可能部材(20)の前記アコーディオン形状部分(22)および前記ケーシング(30)の前記アコーディオン形状部分(32)は、前記少なくとも1つの膨張可能部材(20)の前記アコーディオン形状部分(22)が前記ケーシング(30)の前記アコーディオン形状部分(32)に収容されるように、形成されおよびサイズが決められていることを特徴とする、請求項2に記載の着用可能な保護装置(10)。
【請求項4】
前記ケーシング(30)の外層(30a)および/または内層(30b)が、前記少なくとも1つの膨張可能部材(20)の対向するアコーディオン形状部分(22)と一致するのに適したアコーディオン形状部分(32)で少なくとも部分的に構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の着用可能な保護装置(10)。
【請求項5】
前記ケーシング(30)が、前記膨張可能部材(20)の前記アコーディオン形状部分(22)に近接してアコーディオン形状部分(32)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の着用可能な保護装置(10)。
【請求項6】
前記ケーシング(30)は、前記着用可能な保護装置(10)の内面と外面との間に画定されているか、または、前記ケーシング(30)は、前記着用可能な保護装置(10)に対して内側または外側に設けられた別個のハウジングから構成されているか、または、前記ケーシング(30)は、前記着用可能な保護装置(10)の内面または外面に設けられたポケットから構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の着用可能な保護装置(10)。
【請求項7】
前記ケーシング(30)が、前記着用可能な保護装置(10)の支持層(50)上に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の着用可能な保護装置(10)。
【請求項8】
前記ケーシング(30)の前記アコーディオン形状部分(32)は、前記着用可能な保護装置(10)の肩部領域、および/または、胸部領域、および/または、背部領域に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の着用可能な保護装置(10)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの膨張可能部材(20)の前記アコーディオン形状部分(22)の少なくとも一端が、固定手段(54)によって前記ケーシング(30)の対応する端部に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の着用可能な保護装置(10)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの膨張可能部材(20)の前記アコーディオン形状部分(22)の側端部が、前記ケーシング(30)の前記アコーディオン形状部分(32)の対応する端部に固定されていることを特徴とする、請求項2および9に記載の着用可能な保護装置(10)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの膨張可能部材(20)の前記アコーディオン形状部分(22)、および/または、前記ケーシング(30)の前記アコーディオン形状部分(32)が、膨張可能部材(20)、および/または、ケーシング(30)の少なくとも一部の熱成形プロセスによって得られることを特徴とする、請求項2に記載の着用可能な保護装置(10)。
【請求項12】
前記ケーシング(30)が、前記ケーシング(30)の下側外面(30a)にアコーディオン形状部分(32)を形成するように、前記ケーシング(30)の外面(30a)に設けられた選択された点を接続する1つ以上の弾性インサート(56)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の着用可能な保護装置(10)。
【請求項13】
1つまたは複数の弾性インサート(58)であって、前記膨張可能部材(20)の前記アコーディオン形状部分(22)および前記ケーシング(30)の前記アコーディオン形状部分(32)を、前記1つまたは複数の弾性インサート(58)によって横切られた前記膨張可能部材(20)および前記ケーシング(30)の部分において形成するように、前記膨張可能部材(20)の側面および前記ケーシング(30)の上面の選択された箇所に設けられた孔を通過する1つまたは複数の弾性インサート(58)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の着用可能な保護装置(10)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの膨張可能部材(20)が、前記膨張可能部材(20)に前記アコーディオン形状部分(22)を形成するように、前記膨張可能部材(20)の第1の側面(27)または第2の側面(28)に設けられた選択された点を接続する少なくとも1つの弾性インサート(60)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の着用可能な保護装置(10)。
【請求項15】
前記ケーシング(30)が少なくとも部分的に弾性材料で作られているか、または、前記ケーシング(30)が弾性部分を備えているか、または、前記ケーシング(30)が少なくとも部分的に伸縮可能な材料で作られていることを特徴とする、請求項1に記載の着用可能な保護装置(10)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの膨張可能部材(20)を膨張させるために、前記少なくとも1つの膨張可能部材(20)に結合されるように設計された少なくとも1つのインフレータ装置(40)を備え、前記インフレータ装置(40)は、1つ以上の膨張チャージを含むことを特徴とする、請求項1に記載の着用可能な保護装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用可能な保護装置に関する。特に、本発明は、膨張可能部材を備える着用可能な保護装置に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、衝撃、および/または、落下に対する効果的な保護を得る必要があるすべての分野で使用されるのに適した、膨張可能な部材を有する着用可能な保護装置に関する。例えば、着用可能な保護装置は、オートバイ乗り、自転車乗り、またはスキーヤーが着用して追加の保護を提供するのに適している。
【0003】
明確にするために、本説明では、限定されない方法で、オートバイ乗りによって着用されるのに適した着用可能な保護装置に言及する。
【背景技術】
【0004】
「エアバッグ」とも呼ばれる1つ以上の膨張可能部材を備えた着用可能な保護装置は、当該技術分野において周知である。
【0005】
典型的には、通常の使用中、膨張可能部材は、着用可能な保護装置の内部に設けられたシートに、収縮状態または休止構成で配置される。
【0006】
着用可能な保護装置は、皮革のような耐摩耗性材料で作られた保護衣からなることができる。
【0007】
あるいは、着用可能な保護装置は、外側の互換性のある保護衣と組み合わせて使用するのに適した下着からなることができる。
【0008】
膨脹可能部材は緊急事態の場合に活動化させるように設計されている。一般に、膨張可能部材は、膨張可能部材を膨張させ、したがって膨張可能部材を膨張させるために、例えば圧縮ガスのような所定量の膨張流体を膨張可能部材に導入するように適合された膨張装置と流体連通している。
【0009】
膨張流体の放出は、機械的または電子システムによって制御することができる。
【0010】
通常、膨張可能部材は、膨張中に膨張流体によって及ぼされる圧力を維持することができるように、低弾性の織布または膜から作られる。その低い弾力性のために、膨張可能な部材は、休止構成において、一度膨張したときに覆わなければならない/保護しなければならない身体の部分のそれと非常に類似した形状を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許第3498117号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/003449号明細書
【発明の概要】
【0012】
膨張可能部材を有する既知の着用可能な保護装置は、主に膨張可能部材に関連するいくつかの欠点を有する。
【0013】
実際、上述したように、膨張可能部材は、低弾性の織物または膜で作られており、したがって、保護されなければならない全身部分を覆う形状を有することを余儀なくされる。したがって、膨張可能部材の追加は、衣服をより硬く、より重くする。
【0014】
このような欠点は、膨張可能部材が膨張されると、膨張可能部材によって保護される面積を減少させる側面収縮を受けるという事実によっても強調される。このシナリオを回避するために、膨張可能部材は、横方向の収縮が発生した場合でも、ユーザの完全な保護を保証することができるようにオーバーサイズである。
【0015】
しかしながら、その寸法のために、膨張可能部材は、特にユーザの本体の関節屈曲の領域において、ユーザの移動の自由を制限する可能性がある。したがって、膨張可能部材は、例えば、背部の曲げまたは腕の上昇などのいくつかの動きを妨げ得る。
【0016】
さらに、着用可能な保護装置が通気性のある布地で作られていても、膨張可能部材は必然的に障壁として機能し、空気が通過することを許さず、使用者の体の発汗が減少し、過熱する可能性がある。
【0017】
休止状態では、衣服の中のスペースを節約するために折り畳まれる膨脹可能部材が付いている保護衣は知られている。そのようなタイプの衣服は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0018】
特許文献1に開示される衣服は、膨張可能部材を含むように構成された領域を含み、膨張可能部材は、収縮状態では、それ自体で折り畳まれ、ユーザの胸部領域を保護するのに適している。膨張可能部材が収縮状態にあるとき、上記領域は、膨張可能部材によって完全に占有されていない。実際のところ、膨張可能部材は、膨張状態を取るときにこの領域を完全に占有する。
【0019】
ただし、休止状態では、膨張可能部材は完全に折りたたまれているか、巻き上げられている。その結果、膨張可能なエアバッグは、折り畳まれた状態で、着用者の快適さに影響を与える可能性のある厚い管状または包まれた形状を想定している。
【0020】
さらに、衣服の通常の使用中、膨張可能部材が挿入される領域を画定する表面は、膨張可能部材の迅速かつ完全な展開を可能にしないように互いに固着し、それによってユーザに提供される保護に影響を与える可能性がある。
【0021】
さらに、場合によっては、必要に応じてエアバッグを2回連続して展開できるように、衣服が最初の構成に戻ることを保証する必要がある。このような必要性は、たとえば、転倒しても、負傷がない場合にレースを再開することを目指しているプロのライダーが衣服を使用するレース中に発生する。
【0022】
この可能性は、膨張可能部材が自律的にその初期構成に戻ることができないという事実によって、特許文献1に開示された衣服によって妨げられる。
【0023】
特許文献2には、ベストの前部及び後部に沿ってV字形に折り畳まれた空気室を備えたベストに関する別の解決策が開示される。空気室は、解放可能なファスナーによって衣服に固定される拡張可能なセクション内に収容される。空気室内に導入されたインフレーション流体によってもたらされる圧力は、ドライバーの全身を保護するために、ユーザの胸部および背中に広がる拡張可能なセクションの解放を引き起こす。
【0024】
特許文献2の解決策は、たとえそれが収縮状態における衣服の通気性を改善したとしても、拡張可能なセクションの存在により衣服をかさばらせる。
【0025】
さらに、特許文献2の衣服は、この配置が拡張可能なセクションの解放を妨げるため、さらなる保護衣服の下着として使用することはできない。
【0026】
最後に、同様に、特許文献は1、活性化されると、特許文献2に開示される拡張可能なセクションは、自律的にその初期構成に戻ることができない。実際のところ、衣服の初期構成を復元するには、ライダーがファスナーを手動で固定する必要がある。さらに、起動後の拡張可能なセクションは自由に浮遊しており、ライダーの動きを妨げる可能性がある。
【0027】
したがって、本発明の主な目的は、既知の着用可能な保護装置に関して上記の欠点を克服するか、または少なくとも軽減するように構成された着用可能なエアバッグ装置を提供することである。
【0028】
より具体的には、本発明の主な目的は、膨張可能な部材を備え、そこを通る空気流を可能にするように構成された着用可能な保護装置を提供することであり、それによって、着用者に提供される安全レベルに影響を与えることなく、通気性および快適性を向上させる。
【0029】
本発明の別の目的は、軽量化された膨張可能部材を備えた着用可能な保護装置を提供することである。
【0030】
本発明のさらなる目的は、ユーザにより高い移動の自由度を提供するのに適した膨張可能な部材を備えた着用可能な保護装置を提供することである。
【0031】
本発明の別の目的は、複数回使用するのに適した膨張可能な部材を備えた着用可能な保護装置を提供することであり、任意の後続の活性化において同じ快適性および同じ安全レベルを提供する。
【0032】
最後に、本発明の目的は、膨張後にユーザまたはカスタマーサービスによる最小限の介入を必要とする膨張可能な部材を備えた着用可能な保護装置を提供することである。
【0033】
これらの目的、および本説明の以下により現れるだろう他の目的は、請求項1に記載の着用可能な保護装置によって達成される。
【0034】
本発明の利点および特徴は、添付の図面を参照する着用可能保護装置の好ましいが排他的ではない実施形態の以下の説明からより明確に現れるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、概略形態で、本発明による着用可能な保護装置の第1の実施形態の部分的な背面図を示し、膨張可能部材は、収縮状態にある。
図2図2は、膨張可能部材が膨張状態にある図1と同様の図である。
図3図3は、概略形態で、文字Aによって識別される図1の特定の拡大図を示す。
図4図4は、概略形態で、文字Bによって識別される図2の特定の拡大図を示す。
図5図5は、概略形態で、本発明による着用可能な保護装置の第2の実施形態の正面図を示し、膨張可能部材は、収縮状態にある。
図6図6は、膨張可能部材が膨張状態にある図5と同様の図を示す。
図7図7は、概略形態で、本発明による着用可能な保護装置のさらなる実施形態の正面図を示し、ここで、膨張可能部材は、収縮状態である。
図8図8は、膨張可能部材が膨張状態にある図7と同様の図を示す。
図9図9は、概略形態で、図7の着用可能な保護装置の背面図を示し、ここで、膨張可能部材は、収縮状態である。
図10図10は、膨張可能部材が膨張状態にある、図9と同様の図を示す。
図11図11は、図7および9の着用可能な保護装置におけるケーシングと膨張可能部材との間の相互配置の詳細を示す。
図12図12は、膨張可能部材が膨張状態にある図11と同様の図を示す。
図13図13は、図11のものに類似するが、異なる実施形態に関する図を示す。
図14図14は、図12のものに類似するが、異なる実施形態に関する図を示す。
図15図15は、図13および14に示されるケーシングの概略斜視図を示す。
図16図16は、図11のものに類似するが、さらなる実施形態に関する図を示す。
図17図17は、図12のものに類似するが、さらなる実施形態に関する図を示す。
図18図18は、図15に類似するが、図16および17の実施形態に関連する図を示す。
図19図19は、図11のものに類似するが、さらなる実施形態に関する図を示す。
図20図20は、図12のものに類似するが、さらなる実施形態に関する図を示す。
図21図21は、図19に類似するが、異なる実施形態に関する図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明による着用可能な保護装置の以下の説明では、「内側」として、通常の使用中にユーザの身体に比較的近い着用可能な保護装置の異なる構成要素の部分が示され、異なる構成要素の部分が比較的遠い「外側」として示される。
【0037】
同封の図面を参照すると、本発明による着用可能な保護装置は、参照番号10によってその全体が示される。
【0038】
着用可能な保護装置10は、例えば、ベスト、ジャケットまたはスーツのような衣服であってもよく、代替的に、外側保護服と組み合わせて使用するのに適した下着であってもよい。
【0039】
さらなる実施形態では、着用可能な保護装置10は、さらなる衣服の上または下に着用されるように設計されたハーネスであり得る。
【0040】
着用可能な保護装置10は、好ましくは、スポーツおよび/または作業活動中の衝撃および/または落下からユーザの体を保護するように設計される。
【0041】
さらに、着用可能な保護装置10は、偶発的な転倒から生じる怪我から高齢者を保護するように設計することができる。
【0042】
有利には、着用可能な保護装置10は、例えば、オートバイに乗ること、サイクリング、スキー、または乗馬のような動的活動に関与するユーザによって使用され得る。
【0043】
好ましくは、着用可能な保護装置10は、オートバイ乗りのための衣服である。
【0044】
着用可能な保護装置10は、着用可能な保護装置10のケーシング30内に留まり、収縮状態と膨張状態との間を移動するように設計された膨張可能部材20を備える。
【0045】
本発明によれば、収縮状態では、膨張可能部材20は、ケーシング30内の利用可能な空間の寸法に対応する外寸法を有する。
【0046】
さらに、収縮状態では、膨張可能部材20は、アコーディオン形状で折り畳まれた少なくとも1つの部分22を有し、これにより、少なくとも1つの膨張可能部材20が収縮状態から膨張状態に移行すると、そのようなアコーディオン形状部分22が拡大し、少なくとも1つの膨張可能部材20が膨張状態から収縮状態に移行すると、そのようなアコーディオン形状部分22が収縮する(図5および6を参照)。
【0047】
本明細書の文脈では、第1の寸法は、第1および第2の寸法が実質的に同じ延長を有するときの第2の寸法に対応する。具体的には、収縮状態では、膨張可能部材20が、ケーシング30内の利用可能な空間の寸法に対応する外寸を有するという事実は、収縮状態では、膨張可能部材20が、ケーシング30によって囲まれた空洞全体を実質的に占有することを意味する。言い換えれば、膨張可能部材20は、ケーシング30内で利用可能なすべての体積を占有する。
【0048】
さらに、本明細書の文脈では、「アコーディオン形状部分」として、要素の一部、特に、互いに平行であり、拡張および収縮に適した複数の折り目を画定する一連の交互になるピーク(peak)および谷によって形成される膨張可能部材および/またはケーシングが示される。
【0049】
図6を最初に参照すると、膨張可能部材20は、好ましくは、膨張可能チャンバ29を画定するために、膨張可能部材20の周囲端部31に沿って互いに連結された第1の側面27および第2の側面28を含む。
【0050】
当技術分野でよく知られているように、膨張可能部材20の第1の側面27および第2の側面28は、それらの周囲端部31に沿って一緒に縫い付けることができる。あるいは、第1および第2の側面27、28は、接着膜または層によってその周囲端部31で密封されてもよい。
【0051】
さらなる実施形態では、膨張可能部材20は、例えば、ジャカード織機を使用した単一の織り操作によって製造され、接続部分によって周囲に接合された2つの布地層27、28によって形成されるいわゆるワンピース織り(OPW)エアバッグを得ることができる。
【0052】
さらなる実施形態では、膨張可能部材20は、編まれた閉鎖構造を得るために、単一の編み物操作によって作ることができる。
【0053】
膨張可能部材20は、後者が膨張されると、膨張可能部材20の側面27、28間の距離を制限するために、第1の側面27および第2の側面28を接続する1つまたは複数の内部テザー(同封された図には示されていない)を含むことができる。
【0054】
別の実施形態では、膨張可能部材20は、膨張可能部材20の第1の側面27および第2の側面28を接続して、膨張可能部材20の内部に膨張可能ではないゾーンを作成する内部シーム(同封された図には示されていない)を設けることができる。
【0055】
図1~2、5~10に示されるように、好ましくは、膨張可能部材20は、ユーザの肩および/または胸および/または背中を保護するように設計された着用可能な保護装置10の部分に配置される。
【0056】
代替的または追加的に、膨張可能部材20は、ユーザの腰および/または脚を保護するように設計された着用可能な保護装置10の部分に配置され得る。
【0057】
着用可能な保護装置10は、ユーザの異なる体の部分を保護するようにそれぞれ設計された単一の膨張可能部材または複数の膨張可能部材を備えることができる。複数の膨張可能部材20の場合、膨張可能部材は、分離されていてもよく、または互いに流体連通していてもよい。
【0058】
着用可能な保護装置10はまた、インフレータ装置40がトリガされるときに後者を膨張させるために、膨張可能部材20に結合されるように設計された少なくとも1つのインフレータ装置40を備える。着用可能な保護装置10に別個の膨張可能部材20が設けられている場合、複数のインフレータ装置40を着用可能な保護装置10上に配置することができる。
【0059】
当技術分野で周知であるように、インフレータ装置40は、好ましくは、発火性インフレータ、圧縮ガスインフレータ、及びハイブリッドインフレータを含む群から選択される。
【0060】
インフレータ装置40は、膨張可能部材20の膨張が時間の異なる瞬間、すなわち時系列で行われるように、膨張可能部材20を2回以上膨張させるための複数の膨張チャージを含むことができる。
【0061】
インフレータ装置40の作動は、保護装置を装着しているユーザの転倒を引き起こす事故の発生を感知するユーザの動きおよび/または他のパラメータを常に監視する制御ユニット42によって電気的に制御することができる。
【0062】
有利には、図9~10に示されるように、インフレータ装置40および制御ユニット42は、着用可能な保護装置10に直接的または間接的に固定された背部プロテクタ44に収容され得る。
【0063】
あるいは、インフレータ装置40は、例えば、起動ケーブルによって機械的に制御することができる。
【0064】
一度膨張すると、膨張可能部材20は、収縮状態(図1を参照)から膨張状態(図2を参照)に移動するときに、ケーシング30、すなわち膨張可能部材20の内側に留まるように設計され、ケーシング30によって画定された制限内に留まる着用可能な保護装置10の外側に出現しない。
【0065】
ケーシング30は、着用可能な保護装置10の内面と外面との間で区切ることができ、内面がユーザの身体に近い表面を示す。例えば、ケーシング30は、ジャケットの外面とその内部ライニングとの間に画定することができる。
【0066】
さらなる実施形態では、ケーシング30は、着用可能な保護装置の外面上または内面上に設けられたポケットから構成され得る。
【0067】
あるいは、ケーシング30は、着用可能な保護装置10に対して内側または外側に設けられた別個のハウジングから構成されてもよく、そのようなハウジングは、好ましくは、着用可能な保護装置に取り外し可能な方法で固定されてもよい。
【0068】
有利には、ケーシング30は、着用可能な保護装置10の支持層50(図7~9を照)上に設けることができる。好ましくは、ケーシング30は、固定手段52によって支持層50に取り外し可能に固定される(図8~10を参照)。
【0069】
背部プロテクタ44はまた、支持層50に固定することができる。
【0070】
同封された図、例えば図1~4に示されるように、同様に、膨張可能部材20、ケーシング30は、好ましくは、少なくとも1つのアコーディオン形状部分32を含む。
【0071】
有利には、図1~2に示されるように、ケーシング30のアコーディオン形状部分32は、着用可能な保護装置10の肩部領域に配置される。
【0072】
さらなる実施形態では、図7および8に示されるように、ケーシング30のアコーディオン形状部分32は、着用可能な保護装置10の肩部領域および胸部領域に配置することができる。
【0073】
さらに、図9および10に明確に示されるように、ケーシング30のアコーディオン形状部分32は、着用可能な保護装置10の背部領域に配置することができる。
しかしながら、他の特定のニーズを満たすために、アコーディオン形状部分32の異なる配置が可能である。
【0074】
好ましくは、図5、11、13および16に概略的に示されるように、膨張可能部材20のアコーディオン形状部分22およびケーシング30のアコーディオン形状部分32は、膨張可能部材20のアコーディオン形状部分22がケーシング30のアコーディオン形状部分32内に収容されるように成形され、サイズが決定される。言い換えれば、膨張可能部材20のアコーディオン形状部分22のピーク24および谷26は、ケーシング30のアコーディオン形状部分32のピーク34および谷36に対応するように配置される。
【0075】
別の実施形態では、例えば図19を参照すると、ケーシング30の外層30aまたは内層30bのみが、膨張可能部材20の対向するアコーディオン形状部分22に適合するのに適したアコーディオン形状部分32から少なくとも部分的に構成される。
【0076】
あるいは、例えば図21を参照すると、ケーシング30は、膨張可能部材20のアコーディオン形状部分22に近接してアコーディオン形状部分32を備えている。
【0077】
有利には、ケーシング30は、通気性材料で作ることができる。さらに、ケーシング30は、弾性材料で少なくとも部分的に作ることができる。あるいは、ケーシング30は、弾性インサートまたは部分を備えることができる。さらに、ケーシング30は、伸縮可能な材料で少なくとも部分的に作ることができ、例えば、メッシュ構造を有する布地で作ることができる。
【0078】
以下の説明から明らかなように、ケーシング30および膨張可能部材20は、膨張可能部材20が収縮状態にあるときに、着用可能な保護装置10の通常の使用中に部分的なアコーディオン形状を維持するために製造される。
【0079】
有利には、膨張可能部材20の膨張は、そのアコーディオン形状部分22の膨張を引き起こし、したがって、ケーシング30の対応するアコーディオン形状部分32の膨張を引き起こし、使用者の身体のより大きな領域が覆われる。
【0080】
膨張可能部材20およびケーシング30のアコーディオン形状部分22、32が着用可能な保護装置10の肩部領域および/または胸部領域に配置されるとき、アコーディオン形状部分22、32の拡張は、着用可能な保護装置10の周辺部分に向かって中央ゾーンから向かうことができる。図8及び10におけるそのような拡張は、文字Fによって概略的に示される。
【0081】
膨張可能部材20およびケーシング30のアコーディオン形状部分22、32が着用可能な保護装置10の背部領域に配置されるとき、アコーディオン形状部分22、32の膨張は、頂部ゾーンから着用可能な保護装置10の底部ゾーンに向かって向かうことができる。図10におけるそのような拡張は、文字Tによって概略的に示される。
【0082】
有利には、図11~14、16~17、及び1 ~21に概略的に示されるように、膨張可能部材20のアコーディオン形状部分22の少なくとも1つの端部は、ケーシング30の対応する端部に固定手段54を用いて固定することができる。好ましくは、膨張可能部材20のアコーディオン形状部分22の側端部は、ケーシング30のアコーディオン形状部分32の対応する端部に固定される(例えば、図11を参照)。
【0083】
固定手段54は、膨張可能部材20のアコーディオン形状部分22の端部をケーシング30の対応する端部に取り外し可能または恒久的に固定することができる。取り外し可能な接続フックアンドループ(hook-and-loop)固定手段54を得るために使用することができ、恒久的な接続ステッチまたは接着剤層を得るために使用することができる。
【0084】
有利には、膨張可能部材20と膨張可能部材20のアコーディオン形状部分22のケーシング30との間の固定手段54の提供は、膨張可能部材20がその膨張状態に移動するときに、膨張可能部材20と共にケーシング30が共同して拡張することを可能にする。同様に、固定手段54の提供のおかげで、膨張可能部材20およびケーシング30は、膨張可能部材20のアコーディオン形状部分22が膨張可能部材20の収縮に続いて収縮するときに、それらの初期構成に共同で戻ることができる。
【0085】
このようにして、着用可能な保護装置10全体は、その初期構成に戻ることができ、インフレータ装置40が2つ以上の膨張チャージ(inflation charge)を含む場合、メンテナンスを必要とせずに再び使用することができる。
【0086】
膨張可能部材20および/またはケーシング30は、本発明による異なる方法でアコーディオン形状に少なくとも部分的に折り畳まれ得る。
【0087】
まず図11~12を参照すると、膨張可能部材20および/またはケーシング30のアコーディオン形状部分22、32は、膨張可能部材20および/またはケーシング30の少なくとも一部の熱成形プロセスによって得ることができる。特に、熱成形プロセスは、適切な形状の金型を使用することによって、膨張可能部材20および/またはケーシング30上で実施することができ、金型のベースおよびカバーは、Vまたは正弦波形状を有する部分を有する空洞を画定する。
【0088】
熱成形プロセスは、機械的特性の観点から膨張可能部材およびケーシングを損傷しない温度で実施する必要がある。さらに、熱成形プロセスが膨張可能部材の気密性に影響を与えないようにすることが重要である。
【0089】
膨張可能部材がポリエステルまたはポリアミド織物で作られている場合、熱成形プロセスは、好ましくは、60℃~220℃の間の温度で行われる。
【0090】
膨張可能部材20の側面27、28が、例えばシリコン層のように、より高い温度に抵抗するのに適した保護層でコーティングされている場合、より高い熱成形温度を使用することができる。この場合、熱成形プロセスは、300℃に達する温度で実施することができる。
【0091】
熱成形プロセスは、膨張可能部材20にのみ適用することができる。この場合、膨張可能部材20をケーシング30内に挿入することによって、膨張可能部材20のアコーディオン形状部分22に対応するケーシング30の部分は、対応するアコーディオン形状を強制的に取る。
【0092】
あるいは、熱成形プロセスは、ケーシング30にのみ適用することができる。また、この場合、膨張可能部材20をケーシング30内に挿入することによって、ケーシング30のアコーディオン形状部分32に対応する膨張可能部材20の部分は、対応するアコーディオン形状を強制的にとる。
【0093】
さらなる可能性は、膨張可能部材20およびケーシング30の両方が、少なくとも1つの部分の熱成形プロセスを受けることを想定している。
【0094】
この場合、膨張可能部材20のアコーディオン形状部分22とケーシング30の対応するアコーディオン形状部分とを一致させるように、ケーシング30内への膨張可能部材20の挿入が行われる。
【0095】
図13~15を参照すると、ケーシング30のアコーディオン形状部分32は、ケーシング30の選択された点、好ましくはケーシング30の外面30aに弾性インサート56を接続することによって得ることができる。言い換えれば、ケーシング30は、ケーシング30の外面30a上に設けられた選択された点を接続して、ケーシング30の下側外面30a上にアコーディオン形状部分32を作成する弾性インサート56を備える。
【0096】
好ましくは、弾性インサート56の端部は、ケーシング30上の選択された点に固定される。
【0097】
弾性インサート56は、ステッチ、接着剤、または例えばスナップファスナーまたはボタンのような取り外し可能なファスナーを介してケーシング30に接続することができる。
【0098】
弾性インサート56は、ケーシング30に固定される前に、接線延伸を受け、次にケーシング30に適用される。締結動作が終了すると、弾性インサート56は、元の形状を再現することができ、したがって、ケーシング30の下側面分にアコーディオン形状を提供する。
【0099】
上述したように、またこの場合、膨張可能部材20をケーシング30内に挿入することによって、弾性インサート56によって作成されたケーシング30のアコーディオン形状部分32に対応する膨張可能部材20の部分は、対応するアコーディオン形状を強制的にとる。
【0100】
同時に、膨張可能部材20が、膨張後にその収縮状態を再開し始めると、弾性インサート56は、その結果、膨張可能部材20のアコーディオン形状部分22の復元を可能にすることによって、それが適用されるケーシング30の表面を収縮させることができる。
【0101】
図15に示されるように、1つ以上の弾性インサート56をケーシング30に適用して、アコーディオン形状部分32を作成することができる。
【0102】
図16~18に示されるように、膨張可能部材20およびケーシング30内のアコーディオン形状の部分は、膨張可能部材20の側面およびケーシング30の上にある表面の選択された点に設けられた弾性インサート58を通過することによっても作成することができる。言い換えれば、着用可能な保護装置は、膨張可能部材20の側面の選択された点およびケーシング30の上にある表面に設けられた貫通孔を通過する少なくとも1つの弾性インサート58を備える。
【0103】
弾性インサート58は、以前に開示された弾性インサート56と同様に、膨張可能部材20およびケーシング30に適用することができる。
【0104】
膨張可能部材20をケーシング30内に挿入した後、弾性インサート58は接線延伸を受け、次いで、ケーシングおよび膨張可能部材に設けられた孔を通って走ることによって、ケーシング30および膨張可能部材20に適用される。孔は同じ締結操作の間にまた作成することができる。締結動作が終了すると、弾性インサート58は、膨張可能部材20の部分および弾性インサート58によって交差するケーシング30の部分にアコーディオン形状を作成することによって、元の形状を取り戻すことができるように、弾性インサート58が解放される。
【0105】
したがって、弾性インサート58は、ケーシング30と膨張可能部材20とを一緒に接合する。したがって、ケーシング30は、膨張可能部材20が収縮状態と膨張状態との間を移動するときに、膨張可能部材20と共に拡張および収縮することができる。
【0106】
また、この場合、複数の弾性インサート58は、ケーシング30の表面および膨張可能部材20の下側面を通過することができる。
【0107】
膨張可能部材20に設けられた弾性インサート58の締結を可能にする孔は、膨張可能部材20の膨張を損なわず、したがって、着用可能な保護装置10によって提供される衝撃保護を損なわないような寸法を有する。
【0108】
本発明による着用可能な保護装置10のさらなる実施形態は、図19~21に示される。
【0109】
この実施形態では、膨張可能部材20のアコーディオン形状部分22は、膨張可能部材20の側面の選択された点で弾性インサート60を接続することによって得られる。言い換えれば、膨張可能部材20は、膨張可能部材20の第1の側面27または第2の側面28に設けられた選択された点を接続する弾性インサート60を備える。好ましくは、弾性インサート60の端部は、膨張可能部材20の第1の側面27に設けられた選択された点に固定される。
【0110】
弾性インサート60は、ステッチ、接着剤、または例えばスナップファスナーまたはボタンのような取り外し可能なファスナーを介して膨張可能部材20に接続することができる。また、この場合、膨張可能部材20の空気保持特性に影響を与えないように、弾性インサート60の膨張可能部材20への接続が行われる。
【0111】
弾性インサート60は、膨張可能部材20に固定される前に、接線延伸を受け、次いで、膨張可能部材20に適用される。同時に、ケーシング30の外側端部と膨張可能部材20の外側端部とは、固定手段54によって互いに固定される。
【0112】
締結動作が完了すると、弾性インサート60は、膨張可能部材20の下部にアコーディオン形状を作成することによって、元の形状に戻ることができる。同時に、ケーシングは膨張可能部材20に周辺的に固定されているため、ケーシングはまた、少なくとも部分的にアコーディオン形状をとることができる。
【0113】
好ましくは、この場合、ケーシング30は、膨張のために、膨張可能部材20のアコーディオン形状部分32が拡張するときに拡張することができるように、少なくとも部分的に弾性材料で作られているか、または弾性インサートを備えている。このようにして、ケーシングに破損が発生する危険はない。
【0114】
同時に、膨張可能部材20が、膨張後にその収縮状態を再開し始めると、弾性インサート60は、それが適用される膨張可能部材20の表面を収縮させることができる。
【0115】
同様に、周囲固定手段54の提供のために、および任意選択で、その弾性特性のために、ケーシング30は、その初期構成に戻ることが許される。
【0116】
また、この場合、膨張可能部材20は、複数の弾性インサート60を含み得る。
【0117】
この時点で、本発明による着用可能な保護装置によって、所定の目的がどのように達成され得るかは明らかである。
【0118】
ケーシング30および膨張可能部材20内の対応するアコーディオン形状部分の提供は、着用可能な保護装置10の通常の使用中に膨張可能部材20によって覆われるユーザの体の面積を減少させ、ユーザの体により高い換気を提供することを可能にする。
【0119】
同時に、ケーシング30と膨張可能部材20との間の相互配置は、後者が膨張されるときに膨張可能部材20の展開を妨げず、膨張可能部材20の展開後に、ユーザに改善された保護を提供するために、ユーザの身体のより大きな領域が保護されることを可能にする。
【0120】
さらに、膨張可能部材20および/またはケーシング30内のアコーディオン形状部分の提供は、ユーザの移動の自由を妨げないように、後者が作動されていないときに、着用可能な保護装置10によってカバーされるユーザの身体の領域を減少させることを可能にする。例えば、図1および2に明確に示されるように、腕の動きを容易にするために、露出した肩部領域を残すことが可能である。同時に、図9および図10に見られるように、背部の曲げを妨げないように、ユーザの背部を部分的に露出させたままにすることが可能である。
【0121】
さらに、ケーシングと膨張可能部材との特定の相互配置は、着用可能な保護装置の重量を軽減することを可能にする。実際のところ、ケーシングは、ケーシング内に余分な材料を提供することなく、膨張可能部材に対応するサイズにすることができる。
【0122】
さらに、ケーシングは、着用可能な保護装置によって提供される空気力学を改善するために、ユーザの体に容易に接着し続けるようにサイズおよび形作ることができる。さらに、着用可能な保護装置の空気力学も、ケーシング上のアコーディオン形状部分の提供のおかげで改善される。実際には、オートバイの乗車位置を想定してオートバイの上に跨っているとき、気流がケーシングのアコーディオン形状部分のピークと谷を通過することができるため、空気抵抗が軽減される。
【0123】
最後に、インフレータ装置40が2つ以上の膨張チャージを備えている場合、ケーシングおよび膨張可能部材内のアコーディオン形状の部分の提供は、危険が発生した場合に再使用できるように、膨張可能部材が収縮されると、着用可能な保護装置10がその初期構成を再開することを可能にする。この場合、着用可能な保護装置10は、ユーザに同じレベルの安全性を提供することができる。
【0124】
上記の着用可能な保護装置10の実施形態に関して、当業者は、特定の要件を満たすために、付随する請求の範囲から逸脱することなく、記載された要素を同等の要素に変更および/または置き換えることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【国際調査報告】