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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】障害物克服用ホイールユニット
(51)【国際特許分類】
   B60B 19/00 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
B60B19/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537321
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 KR2022000537
(87)【国際公開番号】W WO2022154461
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2021-0004080
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0057861
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0067144
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0103214
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516149457
【氏名又は名称】韓国機械研究院
【氏名又は名称原語表記】KOREA INSTITUTE OF MACHINERY & MATERIALS
【住所又は居所原語表記】156, Gajeongbuk-ro Yuseong-gu Daejeon 34103 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】ソン スンヒュク
(72)【発明者】
【氏名】パク チャンフン
(72)【発明者】
【氏名】キム ビュンイン
(72)【発明者】
【氏名】パク チョンエ
(72)【発明者】
【氏名】パク ドンイル
(72)【発明者】
【氏名】パク ジョンウー
(72)【発明者】
【氏名】キム キスー
(72)【発明者】
【氏名】ソ ヒョンウク
(72)【発明者】
【氏名】イ ジェヨン
(72)【発明者】
【氏名】ソ ヨンシン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ヒュンモク
(57)【要約】
本発明は、水滴が表面張力により水滴の形状を維持する原理を用いて、平地の走行時には、ホイール形状の変化が最小化して維持され、ホイール側面に障害物が衝突する場合は、構造変更により、該当障害物の容易な克服を行い、特に、障害物克服の場合、隣接した単位ブロック間の相対的な回転及び移動により、効果的な障害物克服が可能であり、障害物の克服後、即時復元が可能な障害物克服用ホイールユニットを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動力を提供されて回転するハブ部と、
前記ハブ部から所定の間隔離隔し、ホイールユニットの外形を形成する複数の単位ブロックと、
前記ハブ部と前記複数の単位ブロックの間を連結するか、前記ハブ部と前記複数の単位ブロックの間に充填される支持体とを含み、
前記ホイールユニットが平地を通過する場合、前記複数の単位ブロックが互いに密着するように、前記支持体は、前記複数の単位ブロックに前記ハブ部方向への張力を与え、
前記ホイールユニットが障害物を克服する場合、前記複数の単位ブロックのうち、互いに隣接する単位ブロックは、相対的に回転又は移動可能であることを特徴とする、ホイールユニット。
【請求項2】
前記複数の単位ブロック間の密着力と前記支持体が与える張力により、水滴の表面張力が模写されることを特徴とする、請求項1に記載のホイールユニット。
【請求項3】
前記ホイールユニットが障害物を克服する場合、前記複数の単位ブロックのうち、前記障害物と接触する互いに隣接する単位ブロックは、相対的に半径方向外側に回転し、前記複数の単位ブロックのうち、前記障害物と接触しない互いに隣接する単位ブロックのうち、少なくとも一部は、相対的に半径方向内側に回転することを特徴とする、請求項1に記載のホイールユニット。
【請求項4】
前記ホイールユニットが障害物を克服する場合、前記複数の単位ブロックのうち、前記障害物と接触する互いに隣接する単位ブロックの外面は、前記障害物が形成する外面の角と同じ角を形成し、互いに近接することを特徴とする、請求項3に記載のホイールユニット。
【請求項5】
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向外側に回転するとき、前記隣接する単位ブロックは、互いに密着した状態が維持され、互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転するとき、前記隣接する単位ブロックは、互いに密着した状態が解除され、前記隣接する単位ブロック間の距離が遠くなることを特徴とする、請求項3に記載のホイールユニット。
【請求項6】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、
本体部と、
前記本体部の一側に設けられる回転部と、
前記本体部の他側に設けられ、隣接する単位ブロックの前記回転部と回転可能に結合される結合部と、
前記結合部と隣接する単位ブロックの前記回転部を回転及び所定の範囲内で移動可能となるように結合するピン部とを含むことを特徴とする、請求項5に記載のホイールユニット。
【請求項7】
前記回転部には、一方向に延在した中央開口部が形成され、前記結合部には、一方向に延在した結合開口部が形成され、
前記ピン部は、前記結合開口部と隣接する単位ブロックの前記中央開口部を同時に貫通することを特徴とする、請求項6に記載のホイールユニット。
【請求項8】
前記本体部は、
前記ハブ部に向かう内面と、
外部に向かう外面と、
前記内面と前記外面の間で凹入した形状に延在する接触面と、
前記外面から延在し、前記接触面の外部端に突設される端部と、
前記内面から他側に延在し、前記ハブ部に向かう方向に傾斜して突出する傾斜突出部とを含むことを特徴とする、請求項6に記載のホイールユニット。
【請求項9】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、前記結合部と前記本体部の外面の間に形成される溝部をさらに含み、
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向外側に回転する時、1つの単位ブロックの前記本体部の接触面に隣接する他の1つの単位ブロックの前記結合部が密着した状態で、1つの単位ブロックの前記本体部の端部が隣接する他の1つの単位ブロックの前記溝部に挿入されることを特徴とする、請求項8に記載のホイールユニット。
【請求項10】
前記回転部は、前記本体部の接触面に設けられる回転ブロックと、前記回転ブロックから半径方向内側に突出する突出部とを含み、
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転する時、前記隣接する単位ブロックのそれぞれの結合部の中心点間の距離は、増加し、1つの単位ブロックの前記回転部の突出部は、隣接する他の1つの単位ブロックの前記本体部の傾斜突出部により移動が制限されることを特徴とする、請求項8に記載のホイールユニット。
【請求項11】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、
丸めた外面を形成する本体部と、
前記本体部から延在し、隣接する単位ブロックの前記本体部が挿入される挿入空間を形成する連結部とを含むことを特徴とする、請求項5に記載のホイールユニット。
【請求項12】
前記連結部は、
前記本体部の一側から延在する第1の連結面と、
前記本体部の他側から延在し、前記第1の連結面と共に、前記挿入空間を形成する第2の連結面と、
前記第1の連結面と前記第2の連結面の間を連結し、隣接する単位ブロックの前記本体部の外面と接触するように凹んで丸めた形状を有する接触面とを含むことを特徴とする、請求項11に記載のホイールユニット。
【請求項13】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、前記本体部と前記連結部の第2の連結面の間に凹入して形成される溝部を更に含み、
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向外側に回転する時、1つの単位ブロックの前記連結部の接触面に隣接する他の1つの単位ブロックの前記本体部が密着した状態で、1つの単位ブロックの前記連結部の第2の連結面が隣接する他の1つの単位ブロックの前記溝部に挿入されることを特徴とする、請求項12に記載のホイールユニット。
【請求項14】
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転する時、1つの単位ブロックの前記本体部が隣接する他の1つの単位ブロックの前記連結部の接触面から離隔し回転して、前記隣接する単位ブロックのそれぞれの本体部の中心点間の距離は、増加することを特徴とする、請求項12に記載のホイールユニット。
【請求項15】
前記複数の単位ブロックのそれぞれの側面に形成される固定部により固定して延在し、前記複数の単位ブロック間に密着力を与える弾性ワイヤを更に含むことを特徴とする、請求項5に記載のホイールユニット。
【請求項16】
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向外側に回転する時、及び互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転する時、前記隣接する単位ブロックは、互いに密着した状態が解除され、前記隣接する単位ブロック間の距離が遠くなることを特徴とする、請求項3に記載のホイールユニット。
【請求項17】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、
突出した前面部と、隣接する単位ブロックの前記前面部と結合されるように凹入した後面部を有する本体部と、
前記本体部の上部で延在する固定部と、
前記本体部の下部で突出する支持部とを含むことを特徴とする、請求項16に記載のホイールユニット。
【請求項18】
前記支持部は、
前記本体部の下部に平行な方向に延在する支持フレームと、
前記支持フレームに垂直な方向に突出する支持突起とを含むことを特徴とする、請求項17に記載のホイールユニット。
【請求項19】
互いに隣接する単位ブロックのうち、1つの単位ブロックの前記支持突起は、前記支持フレームの中央から突出する第1の支持突起で形成され、他の1つの単位ブロックの前記支持突起は、前記第1の支持突起が挿入される挿入空間を形成するように、前記支持フレームの両側から突出する一対の第2の支持突起で形成されることを特徴とする、請求項18に記載のホイールユニット。
【請求項20】
前記ホイールユニットが障害物を克服する場合、前記複数の単位ブロックのうち、前記障害物と接触する互いに隣接する単位ブロックは、前記支持突起が前記障害物に接触するように、相対的に半径方向外側に回転し、
前記本体部は、離隔していることを特徴とする、請求項18に記載のホイールユニット。
【請求項21】
前記固定部は、隣接する単位ブロックの前記本体部の上面に沿って摺動する接触面と、前記接触面の端に形成される端部とを含み、
前記本体部の上面と前記固定部は、段差を形成し、
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転する時、1つの単位ブロックの前記固定部の端部は、隣接する他の1つの単位ブロックの前記段差により移動が制限されることを特徴とする、請求項17に記載のホイールユニット。
【請求項22】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、
前記本体部の前面部に所定長さに形成される溝部と、
前記本体部の後面部から突出する突出部とを更に含み、
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転する時、1つの単位ブロックの前記突出部は、隣接する他の1つの単位ブロックの前記溝部により移動が制限されることを特徴とする、請求項17に記載のホイールユニット。
【請求項23】
前記ハブ部は、軸方向に沿って互いに離隔して配置される第1のハブユニット及び第2のハブユニットからなり、
前記支持体は、前記複数の単位ブロックと、前記第1のハブユニット及び前記第2のハブユニットに連結される複数のワイヤからなり、
前記第1のハブユニット及び前記第2のハブユニットの間の間隔が調節されることにつれ、前記複数のワイヤが与える張力が調節されることを特徴とする、請求項1に記載のホイールユニット。
【請求項24】
回転駆動力を提供する回転駆動部と、
前記回転駆動部に連結されて回転する回転ユニットと、
前記軸方向への摺動駆動力を提供する張力調節部と、
前記摺動駆動力を、前記第1のハブユニットと前記第2のハブユニットの少なくとも1つに提供して、前記第1のハブユニットと前記第2のハブユニットの間の間隔を調節する間隔変更ユニットとを更に含み、
前記第1のハブユニット及び前記第2のハブユニットは、前記回転ユニットの外周面上に位置して一体に回転することを特徴とする、請求項23に記載のホイールユニット。
【請求項25】
前記第1のハブユニットは、前記回転ユニットの外周面上に設置される第1のハブ部と、前記第1のハブ部の一側円周面に沿って形成され、前記複数のワイヤが固定される第1の固定部とを含み、
前記第2のハブユニットは、前記回転ユニットの外周面上に設置される第2のハブ部と、前記第2のハブ部の他側円周面に沿って形成され、前記複数のワイヤが固定される第2の固定部とを含むことを特徴とする、請求項24に記載のホイールユニット。
【請求項26】
前記複数のワイヤのそれぞれは、前記複数の単位ブロックのうち、1つの単位ブロックから延在して、前記第1の固定部と前記第2の固定部を経た後、再度、前記複数の単位ブロックのうち、1つの単位ブロックに延在することを特徴とする、請求項25に記載のホイールユニット。
【請求項27】
前記回転ユニットは、
前記回転駆動部に連結されて回転する中央フレームと、
前記中央フレームの外部に固定されるメイン回転部と、
前記メイン回転部の外周面から突出して、前記メイン回転部と段差を形成する段差フレームとを含むことを特徴とする、請求項24に記載のホイールユニット。
【請求項28】
前記間隔変更ユニットが、前記摺動駆動力を前記第1のハブユニットに提供して、前記第1のハブユニットは、前記メイン回転部上で前記軸方向に沿って摺動移動可能であり、
前記第2のハブユニットは、前記段差フレームにより位置が固定されることを特徴とする、請求項27に記載のホイールユニット。
【請求項29】
前記間隔変更ユニットは、
前記張力調節部により、前記摺動駆動力を提供される間隔変更フレームと、
前記間隔変更フレームから前記軸方向に沿って延在し、前記第1のハブユニット又は前記第2のハブユニットに連結される少なくとも1つ以上の延長バーとを含むことを特徴とする、請求項24に記載のホイールユニット。
【請求項30】
前記少なくとも1つ以上の延長バーは、前記第2のハブユニットを貫通して延在し、前記第1のハブユニットに端が固定され、
前記摺動駆動力により、前記間隔変更フレーム、前記少なくとも1つ以上の延長バー、及び前記第1のハブユニットは、前記軸方向に沿って摺動移動されることを特徴とする、請求項29に記載のホイールユニット。
【請求項31】
前記張力調節部と前記間隔変更ユニットの間に介在し、前記回転駆動部と前記回転ユニットの間の間隔を維持する間隔維持ユニットを更に含むことを特徴とする、請求項29に記載のホイールユニット。
【請求項32】
前記間隔維持ユニットは、
前記張力調節部から前記摺動駆動力を提供されて、摺動移動される移送伝達フレームと、
前記移送伝達フレームと所定の間隔離隔して固定され、前記間隔変更フレームに連結される連結フレームとを含むことを特徴とする、請求項31に記載のホイールユニット。
【請求項33】
前記間隔変更ユニットは、前記連結フレームと前記間隔変更フレームが間に介在する回転軸受を更に含み、
前記回転軸受により前記間隔変更フレームは、前記連結フレームに対して相対的に回転されることを特徴とする、請求項32に記載のホイールユニット。
【請求項34】
前記回転軸受は、前記間隔変更フレームの内周面に沿って形成される内側溝上で回転し、前記間隔変更フレームは、前記連結フレームと前記軸方向に一体に移動されることを特徴とする、請求項33に記載のホイールユニット。
【請求項35】
前記張力調節部は、
回転駆動力又は直線駆動力を発生する張力調節モータと、
前記張力調節モータで発生した駆動力を減速させて、回転トルクを増加させる減速部と、
前記移送伝達フレームに連結されて、増加した回転トークを、前記軸方向への摺動移送力に切り換えて、前記移送伝達フレームに提供する摺動バーとを含むことを特徴とする、請求項32に記載のホイールユニット。
【請求項36】
前記張力調節部は、
前記減速部から半径方向外側に延在して、前記回転駆動部に連結される固定フレームと、
前記固定フレームに固定され、前記移送伝達フレームに向かって軸方向に延在する少なくとも1つ以上の摺動ピンとを更に含むことを特徴とする、請求項35に記載のホイールユニット。
【請求項37】
前記ホイールユニットが平地を通過する場合、前記第1のハブユニットと前記第2のハブユニットの間の間隔が増加して、前記複数のワイヤが与える張力が増加し、
前記ホイールユニットが障害物を克服する場合、前記第1のハブユニットと前記第2のハブユニットの間の間隔が減少して、前記複数のワイヤが与える張力が減少されることを特徴とする、請求項23に記載のホイールユニット。
【請求項38】
前記複数のワイヤが与える張力を制御する制御部を更に含み、
前記制御部は、前記ホイールユニットの前方に障害物が現れる場合、前記第1のハブユニットと前記第2のハブユニットの間の間隔を減少させて、前記複数のワイヤが与える張力を減少させることを特徴とする、請求項37に記載のホイールユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害物克服用ホイールユニットに関し、より詳しくは、水滴が有する表面張力メカニズムを用いた変形構造が適用されると共に、隣接した単位ブロック同士の相対的な回転及び移動が可能な複数の単位ブロックを含むことにより、平地走行はもちろん、階段などの障害物を容易に克服することができ、特に、障害物克服過程での安定した変形が具現される障害物克服用ホイールユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、障害物や階段を自由に通過して駆動するホイールに関する技術が多数開発されている。
【0003】
このような障害物克服用ホイールの場合、ホイールが有する剛性が変化して、障害物を克服する可変剛性構造、又は障害物に遭う場合、ホイールの構造が大きく可変して、障害物を克服する可変形状構造などが代表的である。もちろん、前記可変剛性構造と可変形状構造は、互いに複合的に関連して設計することができる。
【0004】
特に、後者の可変形状構造に関して、大韓民国登録特許第10-2174498号のように、障害物との接触時、ホイールを構成する一部構造の形状が変形又は圧縮されるなどの形状変形により、障害物を克服することが開示されている。
【0005】
さらには、大韓民国公開特許第10-2014-0125166号のように、地面を通過する場合、地面から受ける反力により、一部が圧縮又は形状変形により、地面を通過する構造も開発されている。
【0006】
しかし、従来のこのような可変形状構造の障害物克服用ホイールは、可変形状を具現するためのホイールの構造が非常に複雑に設計される問題があり、実際に様々な障害物を効果的に克服しないか、克服過程でホイール構造の変形及び復帰に相当な時間を要するなどの問題がある。
【0007】
特に、連続した障害物克服が行われることにつれ、ホイール構造の安定した変形及び構造回復が非常に重要であるが、従来のような一体化した構造において、ホイール構造の一部が変形する形態では、このような安定した変形及び構造回復を具現することができない限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の技術的課題は、このようなことから着眼したものであって、本発明の目的は、水滴が表面張力により水滴の形状を維持する原理を用いて、平地の走行時には、ホイール形状の変化が最小化して維持され、ホイール側面に障害物が衝突する場合は、構造変更により、該当障害物の容易な克服を行い、特に、障害物克服の場合、隣接した単位ブロック間の相対的な回転及び移動により、効果的な障害物克服が可能であり、障害物の克服後、即時復元が可能な障害物克服用ホイールユニットに関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した本発明の目的を実現するための一実施形態による障害物克服用ホイールユニットは、回転駆動力を提供されて回転するハブ部と、前記ハブ部から所定の間隔離隔し、ホイールユニットの外形を形成する複数の単位ブロックと、前記ハブ部と前記複数の単位ブロックの間を連結するか、前記ハブ部と前記複数の単位ブロックの間に充填される支持体とを含み、前記ホイールユニットが平地を通過する場合、前記複数の単位ブロックが互いに密着するように、前記支持体は、前記複数の単位ブロックに前記ハブ部方向への張力を与え、前記ホイールユニットが障害物を克服する場合、前記複数の単位ブロックのうち、互いに隣接する単位ブロックは、相対的に回転又は移動可能であることを特徴とする。
【0010】
前記複数の単位ブロック間の密着力と前記支持体が与える張力により、水滴の表面張力が模写される。
【0011】
前記ホイールユニットが障害物を克服する場合、前記複数の単位ブロックのうち、前記障害物と接触する互いに隣接する単位ブロックは、相対的に半径方向外側に回転し、前記複数の単位ブロックのうち、前記障害物と接触しない互いに隣接する単位ブロックのうち、少なくとも一部は、相対的に半径方向内側に回転する。
【0012】
前記ホイールユニットが障害物を克服する場合、前記複数の単位ブロックのうち、前記障害物と接触する互いに隣接する単位ブロックの外面は、前記障害物が形成する外面の角と同一の角を形成し、互いに近接する。
【0013】
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向外側に回転するとき、前記隣接する単位ブロックは、互いに密着した状態が維持され、互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転するとき、前記隣接する単位ブロックは、互いに密着した状態が解除され、前記隣接する単位ブロック間の距離が遠くなる。
【0014】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、本体部と、前記本体部の一側に設けられる回転部と、前記本体部の他側に設けられ、隣接する単位ブロックの前記回転部と回転可能に結合される結合部と、前記結合部と隣接する単位ブロックの前記回転部を回転及び所定の範囲内で移動可能となるように結合するピン部とを含む。
【0015】
前記回転部には、一方向に延在した中央開口部が形成され、前記結合部には、一方向に延在した結合開口部が形成され、前記ピン部は、前記結合開口部と隣接する単位ブロックの前記中央開口部を同時に貫通する。
【0016】
前記本体部は、前記ハブ部に向かう内面と、外部に向かう外面と、前記内面と前記外面の間で凹入した形状に延在する接触面と、前記外面から延在し、前記接触面の外部端に突設される端部と、
前記内面から他側に延在し、前記ハブ部に向かう方向に傾斜して突出する傾斜突出部とを含む。
【0017】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、前記結合部と前記本体部の外面の間に形成される溝部を更に含み、互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向外側に回転する時、1つの単位ブロックの前記本体部の接触面に隣接する他の1つの単位ブロックの前記結合部が密着した状態で、1つの単位ブロックの前記本体部の端部が、隣接する他の1つの単位ブロックの前記溝部に挿入される。
【0018】
前記回転部は、前記本体部の接触面に設けられる回転ブロックと、前記回転ブロックから半径方向内側に突出する突出部とを含み、互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転する時、前記隣接する単位ブロックのそれぞれの結合部の中心点間の距離は、増加し、1つの単位ブロックの前記回転部の突出部は、隣接する他の1つの単位ブロックの前記本体部の傾斜突出部により移動が制限される。
【0019】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、丸めた外面を形成する本体部と、前記本体部から延在し、隣接する単位ブロックの前記本体部が挿入される挿入空間を形成する連結部とを含む。
【0020】
前記連結部は、前記本体部の一側から延在する第1の連結面と、前記本体部の他側から延在し、前記第1の連結面と共に、前記挿入空間を形成する第2の連結面と、前記第1の連結面と前記第2の連結面の間を連結し、隣接する単位ブロックの前記本体部の外面と接触するように凹んで丸めた形状を有する接触面とを含む。
【0021】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、前記本体部と前記連結部の第2の連結面の間に凹入して形成される溝部を更に含み、互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向外側に回転する時、1つの単位ブロックの前記連結部の接触面に隣接する他の1つの単位ブロックの前記本体部が密着した状態で、1つの単位ブロックの前記連結部の第2の連結面が隣接する他の1つの単位ブロックの前記溝部に挿入される。
【0022】
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転する時、1つの単位ブロックの前記本体部が隣接する他の1つの単位ブロックの前記連結部の接触面から離隔して回転し、前記隣接する単位ブロックのそれぞれの本体部の中心点間の距離は、増加する。
【0023】
前記複数の単位ブロックのそれぞれの側面に形成される固定部により固定して延在し、前記複数の単位ブロック間に密着力を与える弾性ワイヤを更に含む。
【0024】
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向外側に回転する時、及び互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転する時、前記隣接する単位ブロックは、互いに密着した状態が解除され、前記隣接する単位ブロック間の距離が遠くなる。
【0025】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、突出した前面部と、隣接する単位ブロックの前記前面部と結合されるように凹入した後面部を有する本体部と、前記本体部の上部で延在する固定部と、前記本体部の下部で突出する支持部とを含む。
【0026】
前記支持部は、前記本体部の下部に平行な方向に延在する支持フレームと、前記支持フレームに垂直な方向に突出する支持突起とを含む。
【0027】
互いに隣接する単位ブロックのうち、1つの単位ブロックの前記支持突起は、前記支持フレームの中央から突出する第1の支持突起で形成され、他の1つの単位ブロックの前記支持突起は、前記第1の支持突起が挿入される挿入空間を形成するように、前記支持フレームの両側から突出する一対の第2の支持突起で形成される。
【0028】
前記ホイールユニットが障害物を克服する場合、前記複数の単位ブロックのうち、前記障害物と接触する互いに隣接する単位ブロックは、前記支持突起が前記障害物に接触するように、相対的に半径方向外側に回転し、前記本体部は、離隔している。
【0029】
前記固定部は、隣接する単位ブロックの前記本体部の上面に沿って摺動する接触面と、前記接触面の端に形成される端部とを含み、前記本体部の上面と前記固定部は、段差を形成し、互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転する時、1つの単位ブロックの前記固定部の端部は、隣接する他の1つの単位ブロックの前記段差により移動が制限される。
【0030】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、前記本体部の前面部に所定の長さで形成される溝部と、前記本体部の後面部から突出する突出部とを更に含み、互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転する時、1つの単位ブロックの前記突出部は、隣接する他の1つの単位ブロックの前記溝部により移動が制限される。
【0031】
前記ハブ部は、軸方向に沿って互いに離隔して配置される第1のハブユニット及び第2のハブユニットからなり、前記支持体は、前記複数の単位ブロックと、前記第1のハブユニット及び前記第2のハブユニットに連結される複数のワイヤからなり、前記第1のハブユニット及び前記第2のハブユニットの間の間隔が調節されることにつれ、前記複数のワイヤが与える張力が調節される。
【0032】
回転駆動力を提供する回転駆動部と、前記回転駆動部に連結されて回転する回転ユニットと、前記軸方向への摺動駆動力を提供する張力調節部と、前記摺動駆動力を前記第1のハブユニットと前記第2のハブユニットの少なくとも1つに提供して、前記第1のハブユニットと前記第2のハブユニットの間の間隔を調節する間隔変更ユニットとを更に含み、前記第1のハブユニット及び前記第2のハブユニットは、前記回転ユニットの外周面上に位置して一体に回転する。
【0033】
前記第1のハブユニットは、前記回転ユニットの外周面上に設置される第1のハブ部と、前記第1のハブ部の一側円周面に沿って形成され、前記複数のワイヤが固定される第1の固定部とを含み、前記第2のハブユニットは、前記回転ユニットの外周面上に設置される第2のハブ部と、前記第2のハブ部の他側円周面に沿って形成され、前記複数のワイヤが固定される第2の固定部とを含む。
【0034】
前記複数のワイヤのそれぞれは、前記複数の単位ブロックのうち、1つの単位ブロックから延在して、前記第1の固定部と前記第2の固定部を経た後、再度、前記複数の単位ブロックのうち、1つの単位ブロックに延在する。
【0035】
前記回転ユニットは、前記回転駆動部に連結されて回転する中央フレームと、前記中央フレームの外部に固定されるメイン回転部と、前記メイン回転部の外周面から突出して、前記メイン回転部と段差を形成する段差フレームとを含む。
【0036】
前記間隔変更ユニットが前記摺動駆動力を前記第1のハブユニットに提供して、前記第1のハブユニットは、前記メイン回転部上で前記軸方向に沿って摺動移動可能であり、前記第2のハブユニットは、前記段差フレームにより位置が固定される。
【0037】
前記間隔変更ユニットは、前記張力調節部により、前記摺動駆動力を提供される間隔変更フレームと、前記間隔変更フレームから前記軸方向に沿って延在して、前記第1のハブユニット又は前記第2のハブユニットに連結される少なくとも1つ以上の延長バーとを含む。
【0038】
前記少なくとも1つ以上の延長バーは、前記第2のハブユニットを貫通して延在し、前記第1のハブユニットに端が固定され、前記摺動駆動力により、前記間隔変更フレーム、前記少なくとも1つ以上の延長バー、及び前記第1のハブユニットは、前記軸方向に沿って摺動移動される。
【0039】
前記張力調節部と前記間隔変更ユニットの間に介在し、前記回転駆動部と前記回転ユニットの間の間隔を維持する間隔維持ユニットを更に含む。
【0040】
前記間隔維持ユニットは、前記張力調節部から前記摺動駆動力を提供されて、摺動移動される移送伝達フレームと、前記移送伝達フレームと所定の間隔離隔して固定され、前記間隔変更フレームに連結される連結フレームとを含む。
【0041】
前記間隔変更ユニットは、前記連結フレームと前記間隔変更フレームが間に介在する回転軸受を更に含み、前記回転軸受により前記間隔変更フレームは、前記連結フレームに対して相対的に回転される。
【0042】
前記回転軸受は、前記間隔変更フレームの内周面に沿って形成される内側溝上で回転し、前記間隔変更フレームは、前記連結フレームと前記軸方向に一体に移動される。
【0043】
前記張力調節部は、回転駆動力又は直線駆動力を発生する張力調節モータと、前記張力調節モータで発生した駆動力を減速させて、回転トルクを増加させる減速部と、前記移送伝達フレームに連結されて、増加した回転トークを、前記軸方向への摺動移送力に切り換えて、前記移送伝達フレームに提供する摺動バーとを含む。
【0044】
前記張力調節部は、前記減速部から半径方向外側に延在して、前記回転駆動部に連結される固定フレームと、前記固定フレームに固定され、前記移送伝達フレームに向かって軸方向に延在する少なくとも1つ以上の摺動ピンとを更に含む。
【0045】
前記ホイールユニットが平地を通過する場合、前記第1のハブユニットと前記第2のハブユニットの間の間隔が増加して、前記複数のワイヤが与える張力が増加し、前記ホイールユニットが障害物を克服する場合、前記第1のハブユニットと前記第2のハブユニットの間の間隔が減少して、前記複数のワイヤが与える張力が減少される。
【0046】
前記複数のワイヤが与える張力を制御する制御部を更に含み、前記制御部は、前記ホイールユニットの前方に障害物が現れる場合、前記第1のハブユニットと前記第2のハブユニットの間の間隔を減少させて、前記複数のワイヤが与える張力を減少させる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によると、水滴が表面張力により外形を維持する原理を基に、支持体が与える張力及び単位ブロック間の密着力により、水滴の表面張力と類似した力を模写して、ホイールユニットが全体的に形状を維持し、地面を効果的に通過することができる。
【0048】
一方、水滴に変形臨界角を超える力が作用する場合、外形が崩れる原理を適用して、ホイールユニットが障害物と接触する場合、隣接した単位ブロック間の相対的な回転及び移動により、障害物の効果的な克服が可能となる。
【0049】
この場合、ホイールユニットの崩れ部分は、障害物の通過後、支持体が与える張力及び単位ブロックの構造により、容易に復元され、ホイールユニットの原形を再度維持することができ、これにより、障害物の克服及び地面走行を円滑に行うことができる。
【0050】
一方、単位ブロックに与える張力を調節することで、ホイールユニットの全体的な変形程度を制御することができ、これにより、ホイールユニットが、平地を通過するか、障害物を通過するかによって、ホイールユニットの変形程度を制御して、効果的な地面走行が可能となる。すなわち、様々な走行環境に対して、ホイールユニットの最適化した走行を具現することができる。
【0051】
特に、第1のハブユニットと第2のハブユニットの間の間隔を調節することで、単位ブロックに与える張力を調節することができるので、張力制御のためのホイールユニットの構造的変形を省略して、走行速度をそのまま維持しつつ、迅速で且つ容易に張力を調節することができる。
【0052】
本発明の効果は、これらに限定されるものではなく、本発明の詳細な説明又は特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能な全ての効果を含むことと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】本発明の第1の実施形態に係る障害物克服用ホイールユニットを示す正面図である。
図2】水滴の表面張力の印加状態を示す模式図である。
図3】表面張力のサイズによる水滴の接触角の変化状態を例示した模式図である。
図4図1におけるホイールユニットが地面を通過する状態を示す正面図である。
図5図4における地面を通過する状態を水滴の状態と比較した模式図である。
図6図1におけるホイールユニットが障害物を克服する状態を示す正面図である。
図7図6における障害物を克服する状態を水滴の状態と比較した模式図である。
図8図1におけるホイールユニットの単位ブロックを示す斜視図である。
図9図1におけるホイールユニットの単位ブロックを示す斜視図である。
図10図8における一対の単位ブロックが互いに結合した状態を示す斜視図である。
図11図6におけるホイールユニットが障害物を克服する状態における接触部(A)での前記単位ブロックの変形する状態を示す正面図である。
図12図6におけるホイールユニットが障害物を克服する状態における接触部(A)での前記単位ブロックの変形する状態を示す正面図である。
図13図6におけるホイールユニットが障害物を克服する状態における接触部(A)での前記単位ブロックの変形する状態を示す正面図である。
図14図6におけるホイールユニットが障害物を克服する状態における接触部(A)での単位ブロックの最終的な変形状態を示す斜視図である。
図15図6におけるホイールユニットが障害物を克服する状態における隣接部(B)での単位ブロックの最終的な変形状態を示す正面図である。
図16】本発明の第1の実施形態に係る張力調節装置と第1及び第2のハブユニットを示す斜視図である。
図17図16の側面図である。
図18図16から第2のハブユニットが除去された状態を示す斜視図である。
図19図16における張力調節装置と第1及び第2のハブユニットの連結状態を拡大して示す斜視図である。
図20図16における張力調節装置において、間隔変更ユニットと間隔ユニットの連結状態を示す斜視図である。
図21】複数のワイヤが設置された第1及び第2のハブユニットを拡大して示す斜視図である。
図22図16における張力調節装置による第1及び第2のハブユニットの離隔状態を示す斜視図である。
図23図16における張力調節装置による第1及び第2のハブユニットの近接状態を示す斜視図である。
図24】本発明の第2の実施形態に係る障害物克服用ホイールユニットが地面を通過する状態を示す正面図である。
図25図24におけるホイールユニットが障害物を克服する状態を示す正面図である。
図26図24におけるホイールユニットの単位ブロックを示す斜視図である。
図27図26における一対の単位ブロックが互いに結合した状態を示す斜視図である。
図28図25におけるホイールユニットが障害物を克服する状態における接触部(A)での単位ブロックの変形状態を示す正面図である。
図29図25におけるホイールユニットが障害物を克服する状態における隣接部(B)での単位ブロックの変形状態を示す正面図である。
図30】本発明の第3の実施形態に係る障害物克服用ホイールユニットが地面を通過する状態を示す正面図である。
図31図30におけるホイールユニットが障害物を克服する状態を示す正面図である。
図32】従来技術によるホイールユニットにより障害物を克服する状態での力の伝達状態を示す模式図である。
図33図30におけるホイールユニットにより障害物を克服する状態での力の伝達状態を示す模式図である。
図34図31におけるホイールユニットが障害物を克服する状態における接触部(A)での単位ブロックの変形状態を示す正面図である。
図35図31におけるホイールユニットが障害物を克服する状態における接触部(A)での単位ブロックの変形状態を示す正面図である。
図36図31におけるホイールユニットが障害物を克服する状態における隣接部(B)での単位ブロックの変形状態を示す正面図である。
図37図36における単位ブロックを他の方向で示す斜視図である。
図38】本発明の第4の実施形態に係る障害物克服用ホイールユニットを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができ、特定の実施形態を本文に詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態について限定しようとすることではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むことと理解されるべきである。添付の図面において、同一又は類似した図面符号は、同一又は類似した構成要素を示す。第1、第2のなどの用語は、様々な構成要素を説明することに用いられるが、前記構成要素は、前記用語により限定されることではない。
【0055】
前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。本出願で使用した用語は、単に、特定の実施形態を説明するために使われており、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。
【0056】
本出願において、「含む」又は「からなる」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又はこれらを組み合わせるものが存在することを指定しようとすることであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解すべきである。
【0057】
異なって定義しない限り、技術的や科学的な用語を含めて、ここで使われる全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって、一般に理解されることと同様な意味を有している。 一般に使われる辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解析されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解析されない。
【0058】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係るホイールユニットをより詳しく説明する。
【0059】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る障害物克服用ホイールユニットを示す正面図である。図1に示しているように、本実施形態による障害物克服用ホイールユニット10(以下、ホイールユニットという)は、複数の単位ブロック100と、支持体200と、ハブ部300と、弾性ワイヤ400とを含む。
【0060】
ハブ部300は、ホイールユニット10の中央に位置し、後述する回転駆動部から回転駆動力を提供されて、中心軸を中心に回転する。この場合、ハブ部300は、円筒形状である。
【0061】
複数の単位ブロック100は、ハブ部300から所定間隔離隔して、円周方向に沿って配列され、円形をなすように、それぞれの個別単位ブロック100が互いに密着して連結されて、全体としてホイールユニット10の外形をなす。複数の単位ブロック100は、互いに隣接する単位ブロック100同士相対的に回転及び移動可能に結合されて互いに密着するか、密着した状態が解除される。
【0062】
単位ブロック100のそれぞれは、所定の厚さ(T)と、図1の深さ方向に所定の幅を有するように形成される。この場合、単位ブロック100のそれぞれの厚さと幅は、様々に変形設計される。但し、単位ブロック100のそれぞれの厚さ(T)は、ホイールユニット10の外形を、後述する水分子の表面張力メカニズムにより維持可能な程度の最小の厚さを有すると十分である。単位ブロック100のそれぞれはいずれも、同一の形状を有し、具体的な形状については、後述する。
【0063】
一方、本実施形態の場合、弾性ワイヤ400が複数の単位ブロック100の外部に沿って延在し、複数の単位ブロック100間が互いに密着するように密着力を提供する。この場合、弾性ワイヤ400は、所定の張力を有する弾性体であり、弾性ワイヤ400が有する弾性力を様々に変更できることは自明である。但し、弾性ワイヤ400は、必須的ではなく、実施形態によって省略可能である。
【0064】
また、詳細に後述するが、弾性ワイヤ400は、単位ブロック100の側面114、115に沿って延在して、全体として円形状を有し連結される。すなわち、弾性ワイヤ400が全体として円形状を有し、単位ブロック100を互いに固定するので、全体として複数の単位ブロック100は、ハブ部300に向かう力を提供されることになり、これにより、複数の単位ブロック100は、互いに密着する密着力を提供される。
【0065】
弾性ワイヤ400は、全体として円形状を維持するように所定の弾性力を提供するが、単位ブロック100間の相対的な結合状態が可変することにつれ、可変状態にその形状が変わる。すなわち、弾性ワイヤ400が所定の弾性力を提供するが、単位ブロック100の全体的な密着力を必ず維持する程度の弾性力を提供することではなく、障害物克服のために、単位ブロック100間の結合状態が可変すると、弾性ワイヤ400の延長状態も可変する。
【0066】
支持体200は、ハブ部300と複数の単位ブロック100の間を連結し、本実施形態では、所定の張力を有する複数のワイヤからなる。但し、支持体は、ワイヤに限定されるものではなく、ハブ部300と複数の単位ブロック100の間を連結し、張力を与えるものであれば、十分である。
【0067】
支持体200は、複数の単位ブロック100のそれぞれに1つずつ連結され、これにより、複数の単位ブロック100のそれぞれに所定の張力を与えることができる。しかし、これに限定されるものではなく、隣接する単位ブロック100が互いに結合される状態であることを考えると、支持体200が複数の単位ブロック100のうち、一定間隔で離隔される単位ブロック100にのみ連結されることもできる。
【0068】
支持体200は、所定の張力を有し、これにより、ハブ部300と複数の単位ブロック100の間で引く力である張力を与え、複数の単位ブロック100の位置を維持し、単位ブロック100が外側にずれることを防止することができる。
【0069】
本発明において、支持体200は、後述するホイールユニット10が障害物を通過する場合を除き、単位ブロック100のいずれにも全体として一定の張力を与えることになるので、水滴が外形を維持する場合、水滴内での水分子の間の引力を模写して、ホイールユニット10内での引力を形成することになる。
【0070】
これにより、支持体200から提供される張力を様々に調節することで、ホイールユニット10の外形を維持する状態を変えることができる。すなわち、支持体200により相対的に大きい張力が提供されると、複数の単位ブロック100間では、水分子が有する表面張力が高い状態が模写されて、ホイールユニット10が全体として円形を維持しようとする状態が強くなる。これとは異なり、張力が相対的に減少すると、表面張力が減少する状態が模写されて、ホイールユニット10が全体として地面や障害物の形状によって、表面が変わる状態に具現される。
【0071】
以下、図2及び図3を参考して、ホイールユニット10が水滴の表面張力を如何に模写するかについて詳しく説明する。図2は、水滴の表面張力の印加状態を示す模式図であり、図3は、表面張力のサイズによる水滴の接触角の変化状態を例示した模式図である。
【0072】
水滴が表面と接触して、表面張力で球形の状態を維持する場合、水滴の内部では、水分子は、周囲の分子から同一の力を受けるが、表面の水分子は、特定の方向にのみ力を受けることになる。このような水分子の内部及び表面での力の均衡状態は、図2に示している通りであり、特に、水分子間の引力が増加する場合、内側に引く力は、増加することになり、このような表面張力の増加により、さらに安定した球形の水分子形状を維持することになる。
【0073】
すなわち、図3に示しているように、水分子間の引力が減少することにつれ、表面との表面張力は減少し、これにより、水滴の接触角(θ)は、減少することになる。換言すると、水滴の水分子の間の引力を増やすことで表面張力を増加させ、これにより、水滴の接触角が増加し、より球形に水滴を形成することになることを意味する。
【0074】
このように、本発明のホイールユニット10の場合、このような水分子間の引力の印加による表面張力の発生を模写しており、支持体200が提供する張力と、さらに弾性ワイヤ400による複数の単位ブロック100間の密着力により、水滴が外形を維持する場合の表面張力を効果的に模写することができる。
【0075】
結果として、ホイールユニット10は、水滴の外面が非圧縮又は一定の以上圧縮が難しい分子を位置させることで、表面張力メカニズムが適用されて、水分子の外形が維持されることを模写して、複数の単位ブロック100及び支持体200の前述した連結構造により、このような表面張力メカニズムを適用することができる。
【0076】
以下、図4及び図5を参考して、水滴の表面張力による形状維持状態が、本実施形態のホイールユニット10に如何に適用されるかについて説明する。図4は、図1におけるホイールユニットが地面を通過する状態を示す正面図であり、図5は、図4における地面を通過する状態を、水滴の状態と比較した模式図である。
【0077】
図4に示しているように、ホイールユニット10が平地の地面1を通過する場合、複数の単位ブロック100は、後述する構造により互いに密着するように結合し、これと同時に、支持体200は、複数の単位ブロック100にハブ部300方向への張力を与える。更に、弾性ワイヤ400も、複数の単位ブロック100にハブ部300方向への張力を与えることは、前述した通りである。
【0078】
このような状態で、ホイールユニット10が地面1を通過するようになると、図4に示しているように、地面1に接触するホイールユニット10の下部側は、多少圧縮される形状に変わることもが、全体として、ホイールユニット10が有する外形が維持される。この場合、前記圧縮程度は、図3で説明したように、支持体200により与えられる張力の大きさによって調節される。
【0079】
このようなホイールユニット10の地面1の通過状態は、図5に示しているように、水滴が地面に接触する場合に模写される。この場合、ホイールユニット10全体を水滴に模写すると、ホイールユニット10は、地面1と所定の接触角(θ)を有して接触状態を維持し、地面を通過することと解析される。この時、接触角(θ)は、鈍角を維持しなければならず、接触角が増えるほど、より円形又は球形に近い形状を有することになる。
【0080】
ついで、図6及び図7を参考して、水滴の表面張力が崩れて、水滴がその形状を失う状態が、本実施形態のホイールユニット10に如何に適用されるかを説明する。図6は、図1におけるホイールユニットが障害物を克服する状態を示す正面図であり、図7は、図6における障害物を克服する状態を、水滴の状態と比較した模式図である。
【0081】
図6に示しているように、ホイールユニット10の一側が、地面1に位置する階段などのような障害物6に衝突する場合、ホイールユニット10は、前記衝突位置で変わり始める。すなわち、このような衝突状況を図7でのように、水滴の衝突状態に模写したことを参照すると、ホイールユニット10が障害物6に衝突する場合、障害物6との接触部(A)において、ホイールユニット10の外形の接触角(θ)は、いわゆる変形臨界角(例えば、180度)を急激に超えることになる。
【0082】
このように変形臨界角を超える瞬間、水滴に急激に大変形が発生して、水滴の形状が崩れることと同様に、ホイールユニット10も、接触部(A)で障害物6の形状を反映しながら、その形状が崩れる。すなわち、隣接する単位ブロック100間の相対的な回転及び移動により、結合状態が変わる。但し、この場合、ホイールユニット10は、ハブ部300が連続して回転するため、単位ブロック100の形状が崩れ状態となっても、接触部(A)を中心にハブ部300が回転しつつ、ホイールユニット10は、障害物6を克服することになる。
【0083】
以上のように、本実施形態におけるホイールユニット10は、単に平たい地面1を通過する場合であると、水滴が表面張力により水滴の形状を維持することと同様に、全体として円形又は球形の形状を維持しつつ、地面1を通過するが、障害物6と衝突する場合は、該当衝突位置を中心に障害物6の外形が反映されて、局所部位で単位ブロック100の結合状態が変形し、これにより、障害物6を克服することになる。
【0084】
この時、接触部(A)で互いに隣接する単位ブロック100は、その外面が障害物6の外面に接触した状態を維持して、障害物を克服することになるので、隣接する単位ブロック100は、障害物6に向かう方向、すなわち、半径方向外側に相対的に回転し折れる状態に変形する。
【0085】
これとは異なり、接触部(A)から所定距離前方又は後方に位置した隣接部(B)では、接触部(A)での隣接する単位ブロック100の外面の位置が大きく変形することを補償するため、相対的に隣接する単位ブロック100の外面間の間隔は増加し、内面間の間隔は、減少することになる。これにより、隣接部(B)では、接触部(A)とは異なり、隣接する単位ブロック100がハブ部300に向かう方向、すなわち、半径方向内側に相対的に回転し折れる状態に変形する。
【0086】
すなわち、接触部(A)と隣接部(B)で隣接する単位ブロック100間の相対的な変形状態は、他のパターンに具現され、これについては、以下で個別単位ブロック100の詳細構造について説明した後、更に詳述する。
【0087】
以下、図8及び図9を参考して、複数の単位ブロック100のそれぞれの詳細構造、及び隣接する単位ブロック100間の連結状態について説明する。図8及び図9は、図1におけるホイールユニットの単位ブロックを示す斜視図である。
【0088】
複数の単位ブロック100のそれぞれは、本体部110と、結合部120と、溝部130と、回転部140と、ピン部150を含む。
【0089】
本体部110は、単位ブロック100の本体を形成し、全体としては、四角ブロック形状を有する。本体部110の前端(説明の便宜上、図面において、本体部110の右方向を前端、左方向を後端というが、これに限定されない)には、回転部140が結合し、本体部110の後端には、一対の結合部120が結合される。本体部110は、所定の幅(y軸方向への長さ)を有し、本体部110が有する幅は、様々に設計される。
【0090】
具体的に、本体部110は、ハブ部300に向かう面である内面111と、内面111と反対方向に障害物6や地面などに向かう面である外面117と、外面117と内面111を互いに連結する一対の側面114、115とを含む。
【0091】
また、本体部110は、傾斜突部112と、接触面113と、端部116とを含む。傾斜突部112は、内面111から後端に延在し、ハブ部300に向かう方向に傾斜するように突出する面を形成する。すなわち、内面111と比べて、傾斜突部112は、ハブ部300に向かう方向にさらに突設し、突出する状態は、内面111から遠くなるほど、傾斜する形状に逐次突出する。接触面113は、内面111と外面117の間に延在する面であり、シリンダ形状を有する後述する回転部140の外周面に対応するように凹入される凹んだ曲面形状を有する。端部116は、接触面113の外部端、すなわち、接触面113と外面117が互いに連結される部分に形成され、端部116は、図示しているように、尖って突出する形状を有する。
【0092】
結合部120は、本体部110の後端で両側面からそれぞれ延在して、一対で形成される。一対の結合部120は、互いに対称である形状に形成されるので、図8及び図9で示している一側の結合部120についてのみ、説明する。
【0093】
一側の結合部120は、全体として、本体部110の側面114から後端に向かって延在し、本体部110とは一体に形成される。この場合、結合部120は、全体として、所定の幅(W1)を有し、結合部120の幅(W1)は、傾斜突部112の幅(W2)よりも小さく形成される。更に、一対の結合部120の幅の合計(2*W1)も、傾斜突部112の幅(W2)よりも小さく形成される。
【0094】
結合部120は、幅(W1)を有するシリンダ形状に本体部110の一側から延在する結合ブロック121と、上部及び下部固定部123、124とを含む。結合ブロック121の中央には、後述するピン部150が挿入される結合開口部122が貫設される。結合開口部122の場合、高さ方向(Z方向)への開口した長さは、ピン部150の径と実質的に同一であるが(この場合、ピン部150が結合開口部122に挿入した状態で、ピン部150が相対的に回転可能となるように、ピン部150の径よりは、所定量大きく形成されるべきである)、長さ方向(X方向)への開口した長さ(図10のL1)は、ピン部150の径よりも大きく形成されるべきである。これにより、ピン部150が結合開口部122に挿入した状態で、ピン部150は、高さ方向には、位置が拘束されるが、長さ方向には、所定範囲内で自由に移動可能である。
【0095】
上部及び下部固定部123、124は、結合ブロック121の側面から突出し、上部固定部123は、結合開口部122の上側に位置して、ブロック形状に突出し、下部固定部124は、結合開口部122の下側に位置して、ブロック形状に突出する。上部及び下部固定部123、124の間には、固定空間125が形成され、固定空間125により、弾性ワイヤ400が延長して固定される。固定空間125の間隔は、弾性ワイヤ400の太さなどを考えて、様々に設計される。すなわち、弾性ワイヤ400が固定空間125に沿って固定され、複数の単位ブロック100の全体に亘って延在することで、弾性ワイヤ400の弾性力が、ハブ部300に向かって、複数の単位ブロック100に提供され、また、複数の単位ブロック100間の密着力も提供することになる。
【0096】
溝部130は、結合部120と本体部110が連結される下側に形成され、具体的には、結合ブロック121の外面と本体部110の外面117が互いに連結される部分に該当する。この場合、説明の便宜上、図面を基準に「下側」と説明するが、単位ブロックが全体として上下が切り換えられた状態に位置して結合されることもできるので、場合によって、「下側」は、「上側」に該当することもできる。但し、以下では、説明の便宜上、図面を基準に「下側」と説明する。更に、前記「下側」は、実質的に障害物や地面に向かう「外側」と同一である。
【0097】
具体的に、溝部130は、結合ブロック121の外周面(シリンダの外周面であるので、円周面)から結合ブロック121の外周面曲率と同一の曲率で延在する延長曲面131と、本体部110の外面117の隅から平たい平面を形成し延在する延長垂直面132とを含む。この場合、延長垂直面132は、外面117と互いに交差して延在し、交差する角は、可変又は互いに垂直である。このように、延長曲面131と延長垂直面132が互いに異なる曲率を有して延在することにつれ、その間には、支持溝133が形成され、支持溝133の凹入した形状は、尖る形状を有する。
【0098】
回転部140は、本体部110の前端に一体に形成され、具体的には、回転ブロック141と、突出部144とを含む。
【0099】
回転ブロック141は、全体としてシリンダ形状を有し、回転ブロック141の幅は、全体として、傾斜突部112の幅(W2)と実質的に同一である。回転ブロック141は、接触面113の曲率と実質的に同一の曲率を有する回転外面143を有し、これにより、回転ブロック141の回転外面143は、接触面113上に一部が密着する。
【0100】
この場合、回転ブロック141の幅(W2)は、本体部110の全体幅(W1+W1+W2)よりも小さく形成され、結局、本体部110の全幅から、結合部120の幅だけ両側で省略された幅を有する。それにより、回転ブロック141の両側には、接触面113が外部に露出する側部空間151が形成され、側部空間151上には、隣接する単位ブロックの結合部120が位置することになる。
【0101】
一方、回転ブロック141の中央にも、後述するピン部150が貫挿される中央開口部142が貫設される。この場合、中央開口部142の形状は、前述した結合開口部122と実質的に同一である。すなわち、中央開口部142の場合、高さ方向(Z方向)への開口した長さは、ピン部150の径と実質的に同一であるが(同様に、ピン部150が中央開口部142に挿入した状態で、ピン部150が相対的に回転可能となるように、ピン部150の径よりは、所定量大きく形成されるべきである)、長さ方向(X方向)への開口した長さ(図10のL2)は、ピン部150の径よりも大きく形成されなければならない。これにより、ピン部150が中央開口部142に挿入した状態で、ピン部150は、高さ方向には位置が拘束されるが、長さ方向には、所定範囲内で自由に移動可能である。
【0102】
突出部144は、回転ブロック141から半径方向内側に、すなわち、ハブ部300に向かう方向に突出し、突出部144は、本体部110の内面111から延設される。この場合、突出部144は、全体として、回転ブロック141の幅と同一の幅を有し、半径方向内側に行くほど、幅が減少する断面を有する。すなわち、突出部144の断面形状(XZ平面に沿った断面形状)は、全体として、三角形状を有する。
【0103】
但し、突出部144が形成する面の場合、内面111から延在する面は、平面形状を有するが、反対側面、すなわち、回転外面143に連結される面として、支持面145は、内側に凹入される曲面である。すなわち、支持面145は、所定の曲率を有し、且つ凹んで凹入して延在する曲面である。
【0104】
ピン部150は、所定の径を有し、y軸方向に延在するピン形状を有し、後述するように、中央開口部142と隣接する単位ブロックの一対の結合部120の結合開口部122を同時に貫通する。これにより、ピン部150により、互いに隣接する一対の単位ブロック100は、互いに結合される。
【0105】
以上のような形状及び構造を有する1つの単位ブロック100は、隣接する他の1つの単位ブロック100と互いに結合され、以下、図10を参考して、隣接する一対の単位ブロック100の結合状態について説明する。図10は、図8における単位ブロックの一対が互いに結合した状態を示す斜視図である。
【0106】
図10に示しているように、互いに隣接する単位ブロック100は、x軸方向に沿って延在し、互いに結合される。すなわち、本実施形態の場合、互いに隣接する単位ブロック100は、基本的に、図示しているような結合状態を維持し、相対的に回転及び移動し、障害物を克服することになるので、障害物克服過程によっても、安定した結合状態を維持することができる。
【0107】
具体的に、第1の単位ブロック100a(説明の便宜上、一対の単位ブロックを第1及び第2の単位ブロックに区別して説明する)の中央開口部142を貫通して延在するピン部150は、隣接する第2の単位ブロック100bの一対の結合部120にそれぞれ形成される結合開口部122を同時に貫通し延在する。また、第2の単位ブロック100bの一対の結合部120は、第1の単位ブロック100aで形成される一対の側部空間151上に位置することになる。それにより、互いに隣接する一対の単位ブロック100a、100bは、ピン部150により、中央には、回転部140が位置し、両側には、一対の結合部120が位置した状態で互いに結合される。
【0108】
さらには、図示してはいないが、第1の単位ブロック100aの更に他の側にも同一の結合状態で単位ブロックが結合され、第2の単位ブロック100bの更に他の側にも、同一の結合状態で単位ブロックが結合されて、複数の単位ブロックが全体として結合した状態で連結される。
【0109】
一方、図10に示しているように、第1及び第2の単位ブロック100a、100bがx軸方向に沿って水平に結合した場合であると、前述した中央開口部142の形状及び結合開口部122の形状により、ピン部150は、x軸方向に沿って、所定距離内で移動自在となる。そこで、第1及び第2の単位ブロック100a、100bも、ピン部150が移動する範囲内で、互いの間隔が自由に変更し、これは後述するように、障害物6を克服する場合に効果的な動作を行うことになる。
【0110】
図11乃至図13は、図6におけるホイールユニットが障害物を克服する状態における接触部(A)での単位ブロックの変形する状態を示す正面図である。この場合、図示してはいないが、障害物6は、図面上において、第1及び第2の単位ブロック100a、100bの下側に接触して位置する。
【0111】
図11乃至図13に示しているように、本実施形態によるホイールユニット10が障害物6を克服する場合、接触部(A)では、互いに隣接する単位ブロック100が半径方向外側に、すなわち、外面117が互いに近接する方向に折れて結合するように、その結合状態が可変する。特に、接触部(A)において、障害物6と接触する互いに隣接する単位ブロック100の外面117は、障害物6が形成する外面の角と同一の角を形成し、互いに近接する。
【0112】
このような結合状態の可変により、第1の単位ブロック100aの接触面113上に、第2の単位ブロック100bの結合ブロック121の外面が接触した状態で、第1の単位ブロック100aの端部116は、第2の単位ブロック100bの延長曲面131に沿って移動して、結局、支持溝133内に挿入される。ここで、延長曲面131が有する曲率は、結合ブロック121及び接触面113が有する曲率と実質的に同一であるので、支持溝133上には、接触面113の外部端である端部116が自然に挿入することになる。
【0113】
この時、ピン部150が所定の範囲内で自由に位置が可変するので、隣接する第1及び第2の単位ブロック100a、100bも相対的に位置が可変し、このような相対的な位置可変により、障害物6の形状による最適の相手位置を確保することになる。但し、隣接する第1及び第2の単位ブロック100a、100bが水平に延在した状態で、互いに延在する角が減少(すなわち、180度から90度まで減少)することにつれ、中央開口部142の長さ方向と結合開口部122の長さ方向が形成する角度も減少し、これにより、相対的にピン部150が移動可能な範囲は、減少することになる。それによって、隣接する第1及び第2の単位ブロック100a、100bが直角を形成することになると、ピン部150は、移動が制限され、中央開口部142と結合開口部122上に位置移動が不可な状態で固定される。このような状態は、図14に示している。
【0114】
以下、図14を参照して、最終的にホイールユニット10が障害物6を克服する状態における接触部(A)での互いに隣接する単位ブロック100の状態について説明する。図14は、図6におけるホイールユニットが障害物を克服する状態における接触部(A)での単位ブロックの最終的な変形状態を示す斜視図である。
【0115】
一般に、障害物6を通過するためには、障害物6と接触する接触点(図14におけるP)で単位ブロック100が固定され、接触点を中心に回転されるべきであり、このような回転により、障害物6を容易に克服することができる。
【0116】
このような側面で、前記図11乃至図13で説明したように、互いに隣接する第1及び第2の単位ブロック100a、100bは、障害物6と接触することになると、半径方向外側に折れる方向に相対的に回転することになり、最終的には、図14に示しているように位置することになる。すなわち、第1の単位ブロック100aの端部116が、第2の単位ブロック100bの延長曲面131に沿って移動して、最終的に支持溝133に挿入される。それによって、第1の単位ブロック100aの外面117と第2の単位ブロック100bの外面117は、互いに垂直な状態に位置し、このような外面117は、結局、障害物6の外面に接触した状態となる。例えば、障害物6が階段のように垂直を形成する面を含むと、隣接する第1及び第2の単位ブロック100a、100bの外面117がそれぞれ、障害物6の垂直を形成する面上に位置して固定され、ホイールユニット10が回転できるように接触点を提供する。
【0117】
但し、必ずしも、隣接する単位ブロックの外面117が垂直な障害物6の垂直な2つの面にすべて接触する状態を維持する必要はなく、障害物6の垂直な2つの面の状態などを考えて、順次接触するなど、可変的に接触状態を変えることができる。さらには、障害物6が形成する2つの面が垂直でなければ、隣接する単位ブロックの外面117も、垂直を形成せず、この場合、第1の単位ブロック100aの端部116が、第2の単位ブロック100bの支持溝133の内側に適切な範囲まで挿入された状態で位置することができる。
【0118】
但し、いずれの状況でも、障害物6との接触点(P)に互いに隣接する単位ブロック100の外面117が接触した状態が維持されるので、全体として、ホイールユニット10に一方向に回転駆動力が提供されると、接触点(P)を中心に、前記隣接する単位ブロック100は回転し、障害物6を克服することができる。
【0119】
一方、以上のように、障害物6を接触点(P)を中心に克服するためには、障害物6と接触する単位ブロック100の内側は、自由な変形が可能でなければならない。本実施形態の場合、図示しているように、第1の単位ブロック100aの端部116が、第2の単位ブロック100bの支持溝133により更なる移動が制限される場合まで隣接する第1及び第2の単位ブロック100a、100bは、内面111が互いに遠くなる方向に自由な相対的な回転が可能であるので、障害物6と接触する単位ブロック100の内側の自由な変形が具現される。
【0120】
特に、互いに隣接する第1及び第2の単位ブロック100a、100bが互いに密着した状態では、第1の単位ブロック100aの結合部120の中心(C)と、第2の単位ブロック100bの結合部120の中心(C')の間の距離は、一定に維持され、距離変化は生じない。これは、前述したように、結合開口部122と中央開口部142が互いに交差する方向に延在することにつれ、内部に位置するピン部150の移動範囲を制限するためである。そこで、障害物6に接触する単位ブロック100が相対的に安定した姿勢を維持することになり、障害物6の接触過程で発生する外力を安定的に吸収し、障害物の克服を行うことができる。
【0121】
この場合、固定空間125を貫通し隣接する単位ブロック100を連結する弾性ワイヤ400により、単位ブロック間の密着力が維持され、安定した障害物克服が可能となる。
【0122】
以上のように、互いに結合した状態の単位ブロックが障害物と接触する場合、内側は、自由な回転が誘導されるが、外側は、接触点(P)を中心に回転可能に固定されるので、ホイールユニット10が障害物と接触されて跳ね返るなどの問題が発生せず、障害物との接触による外力を十分吸収し、障害物の効果的な克服が可能となる。
【0123】
ついで、図15は、図6におけるホイールユニットが障害物を克服する状態における隣接部(B)での単位ブロックの最終的な変形状態を示す正面図である。ホイールユニット10が障害物6を克服する状態において、接触部(A)での隣接する単位ブロック100の密着及び相対的な回転状態とは異なり、隣接部(B)では、別の様相で隣接する単位ブロック100の相対的が位置が変更される。
【0124】
図15に示しているように、隣接部(B)で互いに隣接する第3及び第4の単位ブロック100c、100dは、外側部分は、引張力により距離が遠くなるように変形するが、内側部分は、圧縮力により互いに距離が近接するように変形する。これにより、互いに密着した状態の隣接する第3及び第4の単位ブロック100c、100dは、接触部(A)での相対的な回転と反対方向に相対的に回転することになる。
【0125】
すなわち、隣接する第3及び第4の単位ブロック100c、100dは、半径方向内側、すなわち、ハブ部300に向かう方向に相対的に回転し、これにより、第3の単位ブロック100cの端部116は、隣接する第4の単位ブロック100dの支持溝133から遠くなる方向に、結合ブロック121の円周面に沿って移動する。また、第3の単位ブロック100cの支持面145は、第4の単位ブロック100dの傾斜突部112に向かう方向に移動する。
【0126】
この時、隣接する第3及び第4の単位ブロック100c、100dは、互いに密着した状態が解除され、第3の単位ブロック100cの結合部120の中心と、第4の単位ブロック100dの結合部120の中心の間の距離は、増加する。すなわち、隣接する第3及び第4の単位ブロック100c、100dの回転部140と、結合部120間の間隔も最大に増加する。但し、ピン部150により隣接する第3及び第4の単位ブロック100c、100dの回転部140と結合部120は、結合状態が維持されるので、第3の単位ブロック100cの中央開口部142は、右端にピン部150が位置し、第4の単位ブロック100dの結合開口部122は、左端にピン部150が位置して、隣接する第3及び第4の単位ブロック100c、100d間の距離が増加することが制限される。
【0127】
また、隣接する第3及び第4の単位ブロック100c、100dが半径方向内側に回転しても、第3の単位ブロック100cの支持面145は、第4の単位ブロック100dの傾斜突部112により更なる移動が制限されるので、隣接する第3及び第4の単位ブロック100c、100dの回転量も制限される。これにより、過度な分割及び回転で単位ブロック間の不均衡又は不安定な結合解除が発生しない。
【0128】
そこで、隣接する第3及び第4の単位ブロック100c、100dの外面117が互いに離隔して分割されても、相互間の接触状態が完全に離隔する状態への分割は、遮断することができる。特に、本実施形態の場合、弾性ワイヤ400が互いに隣接する単位ブロック間の密着力を維持するので、隣接する第3及び第4の単位ブロック100c、100dの外面117間が完全に離隔して、全体としてホイールユニット10の外形が崩れる状態は、発生しない。
【0129】
以上のように、隣接部(B)では、単位ブロック100の外側部分に作用する引張力は、弾性ワイヤ400により吸収され、単位ブロック100の内側部分に作用する圧縮力は、支持面145と傾斜突部112により吸収される。また、その過程で、ピン部150により単位ブロック100の結合状態を安定して維持することができる。そこで、単位ブロック100は、その位置がずれるか、相対的な位置が不規則に変更せず、全体としてホイールユニット10の形状を一定に維持することができる。
【0130】
このように、ホイールユニット10が障害物6を克服する場合、接触部(A)と隣接部(B)のそれぞれで互いに隣接する単位ブロックは、互いに異なる結合関係を維持し、相対的な位置が変形するが、全体として、ホイールユニット10の形状が崩れなく、安定した障害物の克服を行うことができる。
【0131】
特に、本実施形態において、単位ブロック100が有する特徴的な構造により、障害物6を克服する過程で、単位ブロック100が接触部(A)又は隣接部(B)のどの位置に位置するかに関係なく、安定した結合関係を維持しながらも、隣接する単位ブロック100が互いに密着するか、自由に分割され、さらには、相対的な位置変更を制限することができ、これにより、効果的な障害物克服が可能となる。
【0132】
前記のような本発明の実施形態によると、水滴が表面張力により外形を維持する原理を基に、支持体が与える張力及び弾性ワイヤにより与えられる単位ブロック間の密着力により、水滴の表面張力と類似した力を模写して、ホイールユニットが全体的な形状を維持し、地面を効果的に通過することができる。
【0133】
一方、水滴に変形臨界角を超える力が作用する場合、外形が崩れる原理を適用して、ホイールユニットが障害物と接触する場合、接触部では、単位ブロック間が密着して、隔離距離が固定した状態となるが、接触部に隣接した隣接部では、単位ブロック間の密着が解除されて、隔離距離が増えることで、障害物の効果的な克服が可能となる。
【0134】
この場合、隣接部で単位ブロック間の密着が解除され崩壊しても、互いに隣接する単位ブロック間がピン部により互いに結合した状態を維持することで、障害物の克服を行いながらも、単位ブロック間の安定した結合状態を維持して、全体的なホイールユニットの形状を安定して維持することができる。
【0135】
これにより、隣接部における単位ブロックの密着状態が解除されても、互いの安定した結合状態が維持され、さらには、弾性ワイヤにより提供される弾性力によって、密着状態が解除された単位ブロックの状態が容易に復元されて、ホイールの円形を再度維持することができ、これにより、障害物の克服及び地面走行を円滑に行うことができる。
【0136】
即ち、単位ブロックのそれぞれは、ピン部により互いに隣接した単位ブロックが互いに安定して結合されるように、中央開口部が形成された回転部と、結合開口部が形成された結合部とを含み、これにより、障害物の克服状態又は地面走行状態で安定的で且つ効果的な走行を維持することができる。
【0137】
さらには、全体として、弾性ワイヤが互いに隣接した単位ブロック間を所定の弾性力で互いに固定するので、特定の単位ブロックに力が集中しても、これを全体的に分散することができ、互いに分割される単位ブロック間の分割程度を一定の範囲内に制限して、安定したホイール構造を維持しながらも、障害物を効果的に克服することができる。
【0138】
本実施形態において、ホイールユニット10は、支持体200が与える張力を調節するための張力調節装置を更に含む。
【0139】
図16は、本発明の第1の実施形態に係る張力調節装置と、第1及び第2のハブユニットを示す斜視図であり、図17は、図16の側面図である。
【0140】
図16及び図17に示しているように、本実施形態によるホイールユニット10は、張力調節装置であって、回転駆動部1100と、張力調節部1200と、間隔維持ユニット1300と、間隔変更ユニット1400と、回転ユニット1500とを含む。この時、ハブ部300は、軸方向、すなわち、y軸方向に沿って互いに離隔して配置される第1のハブユニット1600と、第2のハブユニット1700とからなる。これにより、第1のハブユニット1600及び第2のハブユニット1700の間の間隔が調節されることにつれ、支持体200が与える張力が調節される。
【0141】
まず、回転駆動部1100は、回転駆動力を発生及び提供し、回転モータハウジング1110と、回転モータ空間1120と、回転軸1130と、回転軸ハウジング1140とを含む。
【0142】
回転モータハウジング1110は、内部に回転モータ空間1120を形成し、回転モータ空間1120には、図示してはいないが、回転駆動力を発生する回転モータが位置する。この場合、回転モータは、y軸方向を回転中心軸に回転駆動力を生成し、このように生成された回転駆動力は、回転軸1130に提供される。これにより、回転軸1130は、y軸方向を回転中心軸に回転し、回転駆動力を、後述する回転ユニット1500に提供する。
【0143】
一方、回転軸ハウジング1140は、回転軸1130の外部に位置して、内側に回転軸1130を位置させる。回転モータハウジング1110及び回転軸ハウジング1140はそれぞれ、回転モータと回転軸1130を内部に位置すると十分であり、その形状や構造は、図示したものに限定しない。
【0144】
回転軸1130は、後述する固定フレーム1230、間隔維持ユニット1300、及び間隔変更ユニット1400を貫通して、回転ユニット1500に連結され、固定フレーム1230、間隔維持ユニット1300、及び間隔変更ユニット1400は、回転軸1130の回転を拘束するか制限しないように、内部に回転軸1130が貫通する開口部が形成される。
【0145】
張力調節部1200は、y軸方向に沿う摺動駆動力又は摺動移送力を提供し、張力調節モータ1210と、減速部1220と、固定フレーム1230と、摺動バー1240と、摺動ピン1250とを含む。
【0146】
張力調節モータ1210は、y軸方向に沿う摺動駆動力を提供するための駆動力を発生し、回転駆動力を発生する回転モータである。これに、張力調節モータ1210により発生した回転駆動力は、駆動伝達軸1211を介して、減速部1220に提供される。
【0147】
これとは異なり、張力調節モータ1210は、y軸方向への直線駆動力を発生させるリニアモータである。張力調節モータ1210がリニアモータである場合、駆動伝達軸1211は、y軸方向への駆動力を減速部1220に提供する。
【0148】
減速部1220は、減速ギア1221が内部に設けられ、駆動伝達軸1211を介して提供された回転駆動力又は直線駆動力を減速させ、回転トルクを増加させる。減速ギア1221により増加された回転トークは、減速ギア1221とギア結合により連結される摺動バー1240に提供される。この場合、摺動バー1240の上面上には、ギア歯1241が形成され、減速ギア1221がギア歯1241と噛み合って、ウォームギア(worm gear)のようなギア結合を行うことになる。これにより、減速ギア1221の高いトルクを有する回転駆動力は、摺動バー1240のy軸方向への摺動移送力に切り換えられる。
【0149】
以上のように、張力調節部1200により、張力調節モータ1210で発生した回転駆動力又は直線移送駆動力は、減速部1220により高いトルクに切り換えられて、摺動バー1240がy軸方向に直線移送されるように具現される。
【0150】
一方、減速部1220の端には、減速部1220と回転軸ハウジング1140を連結する固定フレーム1230が設けられる。この場合、固定フレーム1230は、内部に中央開口部が形成され、中央開口部を貫通して、回転軸1130が延在する。但し、固定フレーム1230の内周面は、回転軸1130と干渉又は接触することなく、これに回転軸1130の回転により、固定フレーム1230は、回転することなく、その位置が固定される。
【0151】
摺動ピン1250は、固定フレーム1230上に固定され、y軸方向に複数個が延在する。摺動ピン1250の他端は、後述する間隔維持ユニット1300の移送伝達フレーム1310上に連結され、移送伝達フレーム1310は、摺動ピン1250上でy軸方向に沿って摺動する。すなわち、摺動ピン1250は、移送伝達フレーム1310が固定フレーム1230に対して、y軸方向に移送することを可能にするが、移送伝達フレーム1310が固定フレーム1230に対して、y軸方向を回転中心軸に回転することは制限する。そこで、全体として、間隔維持ユニット1300は、張力調節部1200に対して、y軸方向に沿う摺動移送又は直線移送駆動だけを行うことになる。この場合、摺動ピン1250の数や位置は、様々に可変され、図示したことに制限されない。
【0152】
一方、摺動バー1240は、移送伝達フレーム1310の一側、例えば、図示しているような上側に固定される。この場合、摺動バー1240と移送伝達フレーム1310の間は、相対的な回転や摺動移送が不可となるように固定される。これにより、摺動バー1240がy軸方向に沿って移動すると、移送伝達フレーム1310も同じ大きさだけ、y軸方向に沿って移動することになる。
【0153】
以上のように、減速部1220、固定フレーム1230、及び摺動ピン1250は、固定した状態で、張力調節モータ1210で発生する駆動力が変換して、摺動バー1240をy軸方向に摺動移動することにつれ、摺動バー1240と移送伝達フレーム1310が同時にy軸方向に摺動移動、すなわち、直線移動することになる。
【0154】
間隔維持ユニット1300は、前述した移送伝達フレーム1310と、連結フレーム1320と、間隔維持フレーム1330とを含み、全体として、回転駆動部1100と回転ユニット1500の間の間隔を一定に維持する。
【0155】
移送伝達フレーム1310は、前述したように、摺動バー1240に連結されて、摺動バー1240のy軸方向への摺動移送力を提供される。それにより、移送伝達フレーム1310は、摺動ピン1250上で、摺動ピン1250を移送ガイドでy軸方向に直線移動する。
【0156】
連結フレーム1320は、移送伝達フレーム1310とy軸方向に所定の間隔離隔して位置する。この場合、間隔維持フレーム1330が、連結フレーム1320と移送伝達フレーム1310の間の離隔間隔を維持することになり、間隔維持フレーム1330のy軸方向への延在長さにより、連結フレーム1320と移送伝達フレーム1310の間の間隔は、様々に可変される。
【0157】
連結フレーム1320、間隔維持フレーム1330、及び移送伝達フレーム1310はいずれも、一体に形成され、移送伝達フレーム1310がy軸方向に直線移動することにつれ、連結フレーム1320及び間隔維持フレーム1330も一体に、y軸方向に直線移動することになる。一方、移送伝達フレーム1310、連結フレーム1320、及び間隔維持フレーム1330の内側中央には、中央開口部が共通して形成され、中央開口部を介して、回転軸1130が貫通延在する。
【0158】
この時、移送伝達フレーム1310、連結フレーム1320、及び間隔維持フレーム1330の内周面は、回転軸1130の外周面と接触しないように形成され、これにより、回転軸1130の回転駆動力は、移送伝達フレーム1310、連結フレーム1320、及び間隔維持フレーム1330には伝達されない。すなわち、間隔維持ユニット1300は、回転軸1130の回転駆動力により回転駆動しない。
【0159】
以下、図20を更に参考して、間隔変更ユニット1400を説明する。図20は、図16における張力調節装置で、間隔変更ユニットと間隔ユニットの連結状態を示す斜視図である。
【0160】
間隔変更ユニット1400は、一側は、間隔維持ユニット1300に連結され、他側は、後述する第1及び第2のハブユニット1600、1700の少なくとも1つに連結される。それにより、間隔維持ユニット1300から提供されるy軸方向への摺動移送力を、第1及び第2のハブユニット1600、1700の少なくとも1つに伝達することになる。
【0161】
具体的に、間隔変更ユニット1400は、間隔変更フレーム1410と、回転軸受1420と、延長バー1430とを含む。
【0162】
間隔変更フレーム1410は、ドーナツ形状を有し、内部には、中央開口部1411が形成され、間隔維持ユニット1300の連結フレーム1320と、第1及び第2のハブユニット1600、1700の少なくとも1つを連結する。すなわち、間隔変更フレーム1410は、連結フレーム1320と連結されるので、y軸方向に摺動移動される。また、間隔変更フレーム1410は、第1及び第2のハブユニット1600、1700び少なくとも1つとも連結されるので、y軸方向を回転中心軸として、回転駆動されなければならない。これに、図20に示しているように、連結フレーム1320と間隔変更フレーム1410の間には、回転軸受1420が介在して、間隔変更フレーム1410の回転駆動及び摺動移動をいずれも具現することになる。
【0163】
具体的に、回転軸受1420は、一側は、連結フレーム1320上に固定され、他側は、間隔変更フレーム1410の内周面に沿って位置する。回転軸受1420は、回転自在であり、複数個が設けられる。例えば、図示しているように、3つの回転軸受1420が120度間隔で互いに離隔して設けられる。
【0164】
一方、間隔変更フレーム1410の中央には、中央開口部1411が形成されて開口し、間隔変更フレーム1410の内周面には、内側溝1415が形成される。それによって、回転軸受1420の他側の外周面は、内側溝1415上に位置することになる。このように、複数の回転軸受1420のそれぞれの外周面が内側溝1415上に位置して、間隔変更フレーム1410の内周面が回転軸受1420の外周面と互いに接触するので、間隔変更フレーム1410は、回転軸受1420に対して、y軸方向を回転中心軸に回転駆動が可能となる。そこで、間隔変更フレーム1410は、第1及び第2のハブユニット1600、1700と連結された状態で、y軸方向を回転中心軸とする回転駆動が可能となる。
【0165】
また、間隔変更フレーム1410に形成される内側溝1415は、内部に凹んで形成される溝であり、内側溝1415上に、回転軸受1420の他側が安着することになる。すなわち、回転軸受1420の外周面の一部が、内側溝1415上に挿入した状態で位置する。このように、回転軸受1420が内側溝1415上に位置することになると、内側溝1415は、回転軸受1420のy軸方向への直線運動を制限、すなわち、拘束することになる。回転軸受1420が内側溝1415に対して相対的にy軸方向に沿う直線運動を行えないので、結局、回転軸受1420、及び回転軸受1420の一側が固定される連結フレーム1320と間隔変更フレーム1410は、y軸方向に沿っては一体に移動することになる。結果として、間隔変更フレーム1410は、連結フレーム1320に連結され、y軸方向への摺動移動が可能となる。
【0166】
以上のように、間隔変更フレーム1410及びこれを含む間隔変更ユニット1400は、回転駆動部1100の回転駆動力により、y軸方向を回転中心軸とする回転駆動が可能であることはもちろん、張力調節部1200により伝達される摺動駆動力により、y軸方向に沿う直線駆動も可能となる。
【0167】
一方、延長バー1430は、間隔変更ユニット1410からy軸方向に沿って延在して、第1及び第2のハブユニット1600、1700まで延在するが、これは、図19を更に参照して詳述する。図19は、図16における張力調節装置と第1及び第2のハブユニットの連結状態を拡大して示す斜視図である。
【0168】
延長バー1430の一端は、間隔変更ユニット1410上に固定されるので、間隔変更ユニット1410がy軸方向に沿って直線駆動するとき、延長バー1430も同じくy軸方向に沿って直線駆動される。延長バー1430は複数個が、例えば、図示しているように、3つが120度の間隔をもって設けられるが、その数は制限されない。
【0169】
延長バー1430は、間隔変更ユニット1410に隣接して位置する第2のハブユニット1700の第2のハブ部1710を貫通して延在し、最終的に第1のハブユニット1600の第1のハブ部1610上に固定される。このため、第1のハブユニット1600は、延長バー1430の他端を内側に固定するための固定部1630を更に備える。すなわち、間隔変更ユニット1410から延在する延長バー1430は、第2のハブ部1710は貫通し、第1のハブ部1610に固定される。ここで、延長バー1430のy軸方向への移動が第2のハブ部1710により拘束又は干渉されず、従って、第2のハブ部1710は、延長バー1430の直線駆動によらず、その位置が固定される。一方、間隔変更ユニット1410のy軸方向への直線運動により、第1のハブ部1610は、y軸方向に共に直線運動することになる。
【0170】
このような第1のハブ部1610のy軸方向への直線運動により、第1のハブ部1610と第2のハブ部1710の間の間隔は、相対的に狭くなるか、相対的に遠くなる。
【0171】
一方、図18を更に参照して、回転ユニット1500、第1及び第2のハブユニット1600、1700について説明する。図18は、図16から第2のハブユニットが除去された状態を示す斜視図である。
【0172】
回転ユニット1500は、メイン回転部1510と、段差フレーム1520と、中央フレーム1530とを含む。
【0173】
メイン回転部1510は、中央に中央開口部1501が形成される中空シリンダ形状を有し、中央開口部1501上には、中央フレーム1530が挿入して固定される。中央フレーム1530は、回転軸1130の端に連結され、回転軸1130により提供される回転駆動力を伝達されて、y軸方向を回転中心軸に回転する。このように、中央フレーム1530がy軸方向を回転中心軸に回転するので、メイン回転部1510も、y軸方向を回転中心軸に回転することになる。
【0174】
メイン回転部1510の外周面上には、第1及び第2のハブユニット1600、1700が固定され、前述したように、延長バー1430が連結された状態で固定される。この場合、第1及び第2のハブユニット1600、1700は、メイン回転部1510上に固定されて、メイン回転部1510と共に回転されなければならず、これと同時に、第1のハブユニット1600は、メイン回転部1510の外周面上で、y軸方向に沿って摺動駆動も行われるべきである。
【0175】
そこで、第1のハブユニット1600の場合、メイン回転部1510がy軸方向を回転中心軸に回転する場合は、摺動することなく、一定の接触力を維持しなければならず、y軸方向には、摺動が可能となるように接触されなければならない。もちろん、y軸方向への摺動の場合、前述したように、延長バー1430により伝達される摺動移送力により具現され、所定の力がy軸方向に伝達されることで具現される。結局、第1のハブユニット1600は、メイン回転部1510の外周面上に所定の摩擦力を維持し結合した状態を維持し、これにより、メイン回転部1510の回転と同時に、前記摩擦力により回転駆動される。また、延長バー1430により、第1のハブユニット1600に伝達される摺動移送力は、第1のハブユニット1600とメイン回転部1510の間の摩擦力よりも大きい力でなければならず、これにより、第1のハブユニット1600は、y軸方向に沿って摺動直線移動が可能となる。
【0176】
これとは異なり、第2のハブユニット1700は、メイン回転部1510の外周面上で摺動駆動することなく、固定した状態に維持される。具体的に、第2のハブユニット1700は、段差フレーム1520により、メイン回転部1510上に安定して固定される。すなわち、図18に示しているように、段差フレーム1520は、メイン回転部1510の一側端で、メイン回転部1510の外周面から所定長さだけ突設する。この場合、段差フレーム1520が突出高さは、第2のハブユニット1700の厚さよりは小さな厚さで形成しなければならない。すなわち、段差フレーム1520は、第2のハブユニット1700で、第2のハブ部1710の下端部を固定するように位置することになる。
【0177】
また、段差フレーム1520には、複数の締結孔1521が形成され、図示してはいないが、締結孔1521と整列されるように、第2のハブ部1710上にも、複数の締結孔が形成される。それにより、段差フレーム1520の締結孔1521と第2のハブ部1710の締結孔の間に別の結合部材、例えば、ピンが締め付けられることで、第2のハブユニット1700は、段差フレーム1520上に結合されて、その位置が固定される。
【0178】
そこで、第2のハブユニット1700は、延長バー1430により、y軸方向への摺動駆動力が提供されても、段差フレーム1520に固定した状態で摺動しない。
【0179】
また、延長バー1430がメイン回転部1510の外側で複数個が延在するので、段差フレーム1520がメイン回転部1510から突出することにつれ、延長バー1430の延長状態が、段差フレーム1520により干渉される。これに、本実施形態では、延長バー1430が延在する位置に、段差フレーム1520上に溝部1522を形成して、延長バー1430が延在することにつれ、段差フレーム1520との干渉を防止し、延長バー1430のy軸方向への摺動駆動が円滑に行われるようにする。
【0180】
第1のハブユニット1600は、第1のハブ部1610及び第1の固定部1620を含む。第1のハブ部1610は、内周面がメイン回転部1510の外周面に接するように、メイン回転部1510上に位置し、第1の固定部1620は、第1のハブ部1610の一側端の外周面上に、一定の間隔で形成される。
【0181】
第1の固定部1620は、第1のハブ部1610の一側円周面に沿って、複数個が一定の間隔で形成され、第1の固定部1620のそれぞれは、所定深さの溝で形成され、その数は、様々に可変される。第1の固定部1620のそれぞれには、支持体200に該当する複数のワイヤが固定され、以下で詳細に後述する。
【0182】
これと同様に、第2のハブユニット1700は、第2のハブ部1710と、第2の固定部1720とを含む。第2のハブ部1710は、内周面がメイン回転部1510の外周面に接するように、メイン回転部1510上に位置し、第2の固定部1720は、第2のハブ部1710の他側端の外周面上に一定の間隔で形成される。
【0183】
第2の固定部1720は、第2のハブ部1710の他側円周面に沿って、複数個が一定の間隔で形成され、第2の固定部1720のそれぞれは、所定深さの溝に形成され、その数は、様々に可変される。この時、第2の固定部1720が形成される第2のハブ部1710の他側円周面は、第1のハブ部1610に向かう円周面の反対側円周面であり、結果として、第1の固定部1620と第2の固定部1720は、一対のハブユニット1600、1700上に互いに反対側端にそれぞれ形成される。第2の固定部1720のそれぞれにも、支持体200に該当する複数のワイヤが固定される。
【0184】
以下では、図21を参考して、複数のワイヤが、第1及び第2のハブユニット1600、1700に設置された状態を説明する。図21は、複数のワイヤが設置された第1及び第2のハブユニットを拡大して示す斜視図である。図21では、説明の便宜上、張力調節装置を省略して示している。
【0185】
複数のワイヤのそれぞれは、複数の単位ブロック100のうち、1つの単位ブロックと第1及び第2のハブユニット1600、1700に連結される。すなわち、複数のワイヤのそれぞれは、複数の単位ブロック100のうち、1つの単位ブロックから延在して、第1の固定部1620と第2の固定部1720を経た後、再度1つの単位ブロックに延在する。
【0186】
具体的に、ワイヤは、1つの単位ブロックから、第1及び第2のハブユニット1600、1700に向かって半径方向に延在して、溝に形成される第1の固定部1620内に固定された後、y軸方向に方向が切り換えられる。以後、ワイヤは、y軸方向に沿って延在して、第1のハブ部1610の内周面と第2のハブ部1710の内周面を通過した後、再度1つの単位ブロックに向かって半径方向に方向が切り換えられて、溝に形成される第2の固定部1720に固定されて、1つの単位ブロックまで延在する。ここで、ワイヤは、y軸方向に互いに一列に位置する第1の固定部1620と第2の固定部1720上に固定される。この場合、1つのワイヤは、1つの単位ブロックと第1及び第2の固定部1620、1720に沿って、閉ループを形成し、断続することなく、1つで延在する。
【0187】
図22は、図16における張力調節装置による第1及び第2のハブユニットの離隔状態を示す斜視図であり、図23は、図16における張力調節装置による第1及び第2のハブユニットの近接状態を示す斜視図である。
【0188】
前述したように、複数のワイヤが、第1及び第2のハブユニット1600、1700に固定した状態で延在するので、第1のハブユニット1600と第2のハブユニット1700の間の間隔が可変すると、複数のワイヤに与えられる張力は、変化することになる。
【0189】
図22に示しているように、第1のハブユニット1600と第2のハブユニット1700の間の間隔が増えると、単位ブロック100と第1及び第2のハブユニット1600、1700の間で閉ループで連結される複数のワイヤに与えられる張力が増加することになる。
【0190】
これとは異なり、図23に示しているように、第1のハブユニット1600と第2のハブユニット1700の間の間隔が減少すると、複数のワイヤに与えられる張力が減少することになる。すなわち、第1及び第2のハブユニット1600、1700が互いに接触するように近接すると、複数のワイヤに与えられる張力は、最小となる。
【0191】
以上のように、第1のハブユニット1600と第2のハブユニット1700の間の間隔を調節することで、ホイールユニット10のスポークに該当する支持体200に与えられる張力を調節することができ、これにより、様々な走行環境に適した張力を提供することができる。
【0192】
例えば、相対的に屈曲のない平たく延長する地面では、支持体200の張力を増やした状態で、ホイールユニット10が走行するようにすることで、円形を維持し、相対的に速い速度で地面を走行することができる。更に、地面で張力の調節により、地面との接触角が調節されることを用いて、ホイールユニット10の高さも便利に調節することができる(図3参考)。
【0193】
これとは異なり、相対的に屈曲の大きい地面では、支持体200の張力を減少した状態で、ホイールユニット10が走行するようにすることで、屈曲による衝撃を吸収し、様々な屈曲での安定性と方向性を維持して、地面を走行することができる。さらには、階段のような障害物を通過する場合でも、屈曲の大きい地面と同様に、支持体200の張力を減少した状態で、ホイールユニット10が走行するようにすることで、障害物克服過程で生じる衝撃をより効果的に吸収し、安定した障害物克服を誘導することができる。
【0194】
図16に示しているように、本実施形態において、ホイールユニット10は、支持体200が与える張力を制御する制御部1800を更に含む。
【0195】
制御部1800は、ホイールユニット10が相対的に屈曲のない平たく円筒する地面を通過する場合は、支持体200の張力を相対的に増やすことができる。これは、相対的に屈曲のない平たく延長する地面では、ホイールユニット10に与えられる反力が一定となるので、ホイールユニット10の相対的な変形が最小化しても、安定した通過が可能であるからである。
【0196】
これとは異なり、制御部1800は、ホイールユニット10が相対的に屈曲の大きい地面を通過するか、ホイールユニット10の前方に障害物が現れる場合は、支持体200の張力を相対的に減少することができる。すなわち、第1のハブユニット1600と第2のハブユニット1700の間の間隔を減少して、支持体200が与える張力を減少させることができる。これは、ホイールユニット10に与えられる反力が不規則になるので、ホイールユニット10が少し変形して、衝撃を効果的に吸収し通過することが有利であるからである。
【0197】
このために、制御部1800は、張力調節装置に連結されて、第1のハブユニット1600と第2のハブユニット1700の間の間隔を調節する。さらには、制御部1800は、弾性ワイヤ400の張力も制御することもできる。
【0198】
これに、様々な走行環境で回転駆動による走行速度をそのまま維持しながらも、ハブユニットの間隔調節でホイールユニットの支持体の張力制御が可能であるので、張力制御のためのホイールユニットの構造的変形を省略しながらも、迅速で且つ容易な張力制御を具現することができる。
【0199】
特に、前記のような回転駆動力の伝達を維持しながらも、摺動移動の具現が可能であるように、張力調節装置を構成するそれぞれの構成要素を最適化して設計されているので、相対的に容易な製作及び駆動の具現が可能である。
【0200】
このような支持体の張力制御により、ホイールユニットは、様々な走行環境、すなわち、屈曲が一定又は屈曲が大きな地面に適するように、最適の張力調節が可能であり、さらには、障害物の克服で克服状況に符合するように、張力を最適に制御することができる。
【0201】
ついでは、図24及び25を参考して、本発明の第2の実施形態に係る障害物克服用ホイールユニット10’を説明する。図24は、本発明の第2の実施形態に係る障害物克服用ホイールユニットが地面を通過する状態を示す正面図であり、図25は、図24におけるホイールユニットが障害物を克服する状態を示す正面図である。
【0202】
図24及び図25に示しているように、本実施形態によるホイールユニット10’は、複数の単位ブロック2100と、支持体2200と、ハブ部2300と、弾性ワイヤ2400とを含む。第2の実施形態に係るホイールユニット10’は、前述した第1の実施形態に係るホイールユニット10と比べて、単位ブロックの形状及び結合構造だけが相違し、支持体、ハブ部、及び弾性ワイヤは、同様に形成されるところ、単位ブロックの形状及び結合構造を中心に説明する。
【0203】
複数の単位ブロック2100は、ハブ部2300から所定間隔離隔して、円周方向に沿って配列され、円形をなすように、それぞれの個別単位ブロック2100が互いに密着して連結されて、全体としてホイールユニット10’の外形を形成する。複数の単位ブロック2100は、互いに隣接する単位ブロック2100同士相対的に回転及び移動可能に結合されて、互いに密着するか、密着した状態が解除される。
【0204】
図24に示しているように、ホイールユニット10’が平地である地面1を通過する場合、複数の単位ブロック2100は、後述する構造により、互いに密着して結合され、これと同時に、支持体2200は、複数の単位ブロック2100にハブ部2300方向への張力を与える。更に、弾性ワイヤ2400も、複数の単位ブロック2100にハブ部2300方向への張力を与えることは、前述した通りである。
【0205】
図25に示しているように、ホイールユニット10’の一側が、地面1に位置する階段などのような障害物6に衝突する場合、ホイールユニット10’は、前記衝突位置で変形し始める。すなわち、接触部(A)で障害物6の形状を反映して、ホイールユニット10’の形状が崩れ、隣接する単位ブロック2100間の相対的な回転及び移動により、結合状態が変化する。但し、この場合、ホイールユニット10’は、ハブ部2300が連続的に回転するため、単位ブロック2100の形状が崩れ状態となっても、接触部(A)を中心にハブ部2300が回転しつつ、ホイールユニット10’は、障害物6を克服することになる。
【0206】
図26及び図27に示しているように、単位ブロック2100のそれぞれの詳細構造、及び隣接する単位ブロック2100間の連結状態について説明する。図26は、図24におけるホイールユニットの単位ブロックを示す斜視図であり、図27は、図26における一対の単位ブロックが互いに結合した状態を示す斜視図である。
【0207】
単位ブロック2100のそれぞれは、本体部2110と、連結部2120と、溝部2130と、固定部2140とを含む。
【0208】
本体部2110は、単位ブロック2100の本体を形成し、図示しているように、全体として円筒形状を有し、一側には、連結部2120が延設される構造を有する。本体部2110は、所定の幅を有し、本体部2110が有する幅は、様々に設計される。
【0209】
具体的に、本体部2110は、外周面が丸めた曲面形状を有する回転本体2111と、回転本体2111の両側面を形成する第1及び第2の側面2112、2113と、回転本体2111の一側から延在して、後述する連結部2120に連結される拡張面2114とを含む。
【0210】
回転本体2111は、全体として円筒形状を有し、一側には、連結部2120が連結して延在する。特に、回転本体2111の上側は、上部方向に延在し、外面が曲面を形成する拡張面2114に延在する。ここで、説明の便宜上、図26を基準に「上側」と説明するが、実質的に「下側」でも構わず、これは後述する「下側」も同様に「上側」であっても構わない。この場合、回転本体2111の外面は、突出する形状の円筒形の外面形状を有するが、拡張面2114は、これとは反対に、凹形状の曲面を有して延在する。
【0211】
固定部2140は、第1及び第2の側面2112、2113のそれぞれから一対が突設される。すなわち、上部固定部2141及び下部固定部2142が、第1の側面2112から突設され、上部及び下部固定部2141、2142は、互いに離隔し、その間には、所定の固定空間2143が形成される。同様に、図示してはいないが、第2の側面2113からも、上部及び下部固定部がその間に所定の固定空間を形成するように突出している。
【0212】
固定空間2143によっては、前述した弾性ワイヤ2400が延在して固定され、固定空間2143の間隔は、弾性ワイヤ2400の太さなどを考えて、様々に設計される。すなわち、弾性ワイヤ2400が固定空間2143に沿って固定され、複数の単位ブロック2100の全体に亘って延在することで、弾性ワイヤ2400の弾性力が、ハブ部2300に向かって複数の単位ブロック2100に提供され、また、複数の単位ブロック2100間の密着力も提供することができる。
【0213】
連結部2120は、本体部2110の一側から延在し、隣接する単位ブロックの本体部に密着するように、隣接する単位ブロックの本体部が挿入される挿入空間を形成する。具体的に、連結部2120は、第1の連結面2121と、第2の連結面2122と、接触面2123と、第1の側面2125と、第2の側面2126とを含む。
【0214】
第1の連結面2121は、拡張面2114から延在し、外面は、平たく延在する平面を形成し、本体部2110から遠くなるほど、尖って突出する。第2の連結面2122は、拡張面2114の反対側から延在し、第2の連結面2122の外面も、平たく延在する平面を形成し、本体部2110から遠くなるほど、尖って突出する。この場合、第2の連結面2122が延在する回転本体2111の下側には、後述する溝部2130が形成されるので、第2の連結面2122は、回転本体2111の下側から所定の溝が形成された後、平たく延在する形状を有する。第2の連結面2122は、第1の連結面2121と同様に、平たい外面を有するように延在するが、第1の連結面2121と第2の連結面2122の外面が互いに平行に設計される必要はない。
【0215】
第1及び第2の連結面2121、2122が端に行くほど尖られるように延在することによって、第1の連結面2121と第2の連結面2122の間を連結する接触面2123は、凹んだ曲面形状を有するように形成される。すなわち、接触面2123は、第1の連結面2121の端から第2の連結面2122の端まで延在し、全体として、円筒形状の外周面に対応するように、凹入した形状の曲面に延在する。この時、接触面2123の凹入した形状が有する曲率は、回転本体2111の突出する形状が有する曲率と実質的に同一に形成され、これにより、図27に示しているように、第2の単位ブロック2100bの回転本体2111の外面が、隣接する第1の単位ブロック2100aの接触面2123に密着する。
【0216】
言い換えると、第1の連結面2121、第2の連結面2122、及び接触面2123が、内部に挿入空間2124を形成し、挿入空間2124上には、隣接する単位ブロックの本体部2110が挿入し密着される。それにより、複数の単位ブロック2100は、互いに密着した状態で結合状態を維持することができる。
【0217】
連結部2120の第1の側面2125及び第2の側面2126はそれぞれ、本体部2110の第1の側面2112及び第2の側面2113から延在し、単位ブロック2100の両側面を形成する。
【0218】
溝部2130は、回転本体2111の下側から延在し、回転本体2111と連結部2120の第2の連結面2122の間に形成される。具体的に、溝部2130は、回転本体2111の下側から回転本体2111の曲率と同一の曲率で延在する延長曲面2131と、延長曲面2131の端から平たい平面を形成し、下部方向に延在する延長垂直面2132とを含む。この場合、溝部2130が回転本体2111の上側に形成されると、延長垂直面2132は、延長曲面2131から上部方向に延在できることは、自明である。このように、延長曲面2131と延長垂直面2132が互いに異なる曲率を有して延在することにつれ、その間には、支持溝2133が形成され、支持溝2133の凹入した形状は、尖る形状を有することができる。
【0219】
以下では、図28及び図29を参考して、障害物克服時の単位ブロック2100の相対的な結合関係について説明する。図28は、図25におけるホイールユニットが障害物を克服する状態における接触部(A)での単位ブロックの変形状態を示す正面図であり、図29は、図25におけるホイールユニットが障害物を克服する状態における隣接部(B)での単位ブロックの変形状態を示す正面図である。
【0220】
図28に示しているように、本実施形態によるホイールユニット10’が障害物6を克服することにおいて、接触部(A)では、互いに隣接する単位ブロック2100が半径方向外側に折れて結合されるように、その結合状態が可変する。一般に、障害物6を通過するためには、障害物6と接触する接触点で単位ブロック2100が固定され、接触点を中心に回転されなければならず、このような回転のためには、単位ブロック2100の内側は、相対的に自由に変形しなければならない。それにより、単位ブロック2100が接触点を中心に回転して、障害物6を容易に克服することができる。
【0221】
このような側面において、接触部(A)での隣接する単位ブロック2100間の結合関係を、図28を参照して検討すると、下記の通りである。図27でのように、互いに隣接する第1及び第2の単位ブロック2100a、2100bが密着した状態で、障害物6と接触することになると、隣接する第1及び第2の単位ブロック2100a、2100bは、半径方向外側に折れる方向に相対的に回転することになる。
【0222】
これにより、第1の単位ブロック2100aの第2の連結面2122は、第2の単位ブロック2100bの回転本体2111の外面に沿って移動し、第2の単位ブロック2100bの支持溝2133に挿入して位置することになる。この時、延長曲面2131が有する曲率は、回転本体2111が有する曲率、及び接触面2123が有する曲率と同一であるので、第2の単位ブロック2100bの支持溝2133上には、第1の単位ブロック2100aの第2の連結面2122の端が自然に挿入される。
【0223】
この時、溝部2130の延長垂直面2132は、平面形状に延在するので、第1の単位ブロック2100aの第2の連結面2122の端が、第2の単位ブロック2100bの支持溝2133の内側に挿入される場合、延長垂直面2132により更なる移動が制限される。そこで、互いに隣接する単位ブロック2100間では、相対的な回転程度が制限される。
【0224】
結果として、第1の単位ブロック2100aの第2の連結面2122の外面である平面は、障害物6の垂直面と接触し、これと同時に、第2の単位ブロック2100bの第2の連結面2122の外面である平面は、障害物6の平面に接触するように位置する。この場合、必ずしも、2つの隣接する第2の連結面2122が、垂直な障害物6の垂直な2つの面にいずれも接触される状態を維持する必要はなく、障害物6の垂直な2つの面の状態などを考えて、順次接触するなど、可変的に接触状態が変わることはできる。但し、支持溝2133及びこれに挿入した第2の連結面2122の端が、障害物6との接触点7と実質的に一致した状態となり、全体として、ホイールユニット10’は、時計方向に回転駆動力が提供されるので、接触点7を中心に隣接する第1及び第2の単位ブロック2100a、2100bは回転し、障害物6を克服することになる。
【0225】
一方、障害物6を、接触点7を中心に克服するためには、障害物6と接触する単位ブロック2100の内側は、自由な変形が可能でなければならないが、本実施形態の場合、第1の単位ブロック2100aの挿入空間2124に第2の単位ブロック2100bの回転本体2111が挿入して、互いに密着した状態で自由な相対的な回転が可能であるので、このような単位ブロック2100の内側の自由な変形が具現される。
【0226】
特に、隣接する第1及び第2の単位ブロック2100a、2100bが互いに密着した状態で回転することになると、第1の単位ブロック2100aの本体部2110の中心(C)と、第2の単位ブロック2100bの本体部2110の中心(C')の間の距離は、一定に維持され、距離変化は、発生しない。そこで、障害物6に接触する単位ブロック2100が相対的に安定した姿勢を維持することになり、障害物6の接触過程で発生する外力を安定的に吸収して、障害物の克服を行うことができる。
【0227】
この場合、固定空間2143を貫通し、隣接する単位ブロック2100を連結する弾性ワイヤ2400により、単位ブロック間の密着力が維持され、安定した障害物克服が可能となる。
【0228】
以上のように、互いに結合した状態の単位ブロックが障害物と接触する場合、内側は、自由な回転が誘導されるが、外側は、接触点7を中心に回転自在に固定されるので、ホイールユニット10’が障害物と接触して跳ね返るなどの問題が発生せず、障害物との接触による外力を十分吸収し、障害物の効果的な克服が可能となる。
【0229】
一方、ホイールユニット10’が障害物6を克服する状態で、接触部(A)での単位ブロック2100の密着及び相対的な回転状態と異なり、隣接部(B)では、別の様相で単位ブロック2100の相対的な位置が変わる。
【0230】
図29に示しているように、隣接部(B)で互いに隣接する第3及び第4の単位ブロック2100c、2100dは、外側部分は、引張力により距離が遠くなるように変形するが、内側部分は、圧縮力により、互いに距離が近接するように変形する。これにより、隣接する第3及び第4の単位ブロック2100c、2100dは、互いに密着した状態が解除され、内側を中心に分割状態となる。
【0231】
すなわち、第3の単位ブロック2100cに対して隣接する第4の単位ブロック2100dは、半径方向内側、すなわち、ハブ部2300に向かう方向に全体として回転することになり、これにより、第4の単位ブロック2100dの本体部2110は、第3の単位ブロック2100cの挿入空間2124から離脱することになる。この時、第3の単位ブロック2100cの第1の連結面2121は、第4の単位ブロック2100dの拡張面2114に沿って移動することになる。
【0232】
結果として、第3の単位ブロック2100cの本体部2110の中心(C)と、第4の単位ブロック2100dの本体部2110の中心(C')の間の距離は、前記離脱により増加する。しかし、この場合、拡張面2114は、凹入した形状の曲率を有するので、第3の単位ブロック2100cの第1の連結面2121は、第4の単位ブロック2100dの拡張面2114に沿って移動する場合でも、所定の距離を超えて移動することは制限され、これにより、図29に示している程度まで互いに隣接する第3及び第4の単位ブロック2100c、2100dが分割される状態を維持することになる。
【0233】
すなわち、互いに隣接する単位ブロック2100が分割されても、相互間の接触状態が完全に離隔される状態への分割は、遮断される。特に、本実施形態の場合、弾性ワイヤ2400が互いに隣接する単位ブロック2100間の密着力を維持するので、単位ブロック2100間が完全に離隔して、全体として、ホイールユニット10’の外形が崩れる状態は発生しない。
【0234】
このように、隣接部(B)で単位ブロック2100の外側部分に作用される引張力は、弾性ワイヤ2400により吸収され、単位ブロック2100の内側部分に作用される圧縮力は、拡張面2114と、これに固定される第1の連結面2121により吸収される。そこで、隣接する単位ブロック2100は、その位置が離脱されるか、相対的な位置が不規則に変更せず、全体として、ホイールユニット10’の形状を一定に維持することができる。
【0235】
すなわち、図28及び図29により検討されたように、ホイールユニット10’が障害物6を克服する場合、接触部(A)と隣接部(B)のそれぞれで互いに隣接する単位ブロックは、互いに異なる結合関係を維持し、相対的な位置が変形するが、全体として、ホイールユニット10’の形状が崩れることなく、安定した障害物の克服を行うことができる。
【0236】
特に、本実施形態において、単位ブロック2100が有する特徴的な構造により、障害物6を克服する過程で、単位ブロック2100が接触部(A)又は隣接部(B)のどの位置に位置するかに関係なく、隣接する単位ブロックと互いに密着するか、自由に分割され、さらには、相対的な位置変更を制限することができて、これにより、効果的な障害物克服が可能になる。
【0237】
前記のような本発明の実施形態によると、水滴が表面張力により外形を維持する原理を基に、支持体が与える張力及び弾性ワイヤにより与えられる単位ブロック間の密着力により、水滴の表面張力と類似した力を模写して、ホイールユニットが全体として形状を維持し、地面を効果的に通過することができる。
【0238】
一方、水滴に変形臨界角を超える力が作用する場合、外形が崩れる原理を適用して、ホイールユニットが障害物と接触する場合、接触部では、単位ブロック間が密着して、隔離距離が固定した状態となるが、接触部に隣接した隣接部では、単位ブロック間の密着が解除されて、隔離距離が増加することで、障害物の効果的な克服が可能となる。
【0239】
この場合、崩れた部分は、障害物の通過後、張力、単位ブロックの構造、及び弾性ワイヤの弾性力により容易に復元され、ホイールの円形を再度維持することができ、これにより、障害物の克服及び地面走行を円滑に行うことができる。
【0240】
特に、単位ブロックのそれぞれは、丸めて、突出する外面形状を有する本体部と、丸めた凹入形状を有する連結部とを含み、本体部が隣接する単位ブロックの連結部の内部に挿入して位置した状態で、相対的に回転可能に形成されることで、障害物の克服状態又は地面走行状態で、安定的で且つ効果的な走行を維持することができる。
【0241】
すなわち、障害物克服状態の場合、接触部では、互いに隣接する単位ブロック間で、本体部と連結部が相対的に回転し、互いに密着した構造を有し、特に、溝部により相対的な回転量が制限されるので、安定した支持具条を具現することができる。これとは異なり、隣接部では、互いに隣接する単位ブロック間で、本体部と連結部が互いに分割され、所定範囲で相対的な位置が自由に変わることができるので、与えられる力が分散して、全体的なホイールユニットの構造を維持することができる。
【0242】
この場合、全体として、弾性ワイヤが互いに隣接した単位ブロック間を、所定の弾性力で互いに固定するので、特定の単位ブロックに力が集中しても、これを全体的に分散することができ、互いに分割される単位ブロック間の分割程度を一定の範囲内に制限して、安定したホイール構造を維持しながらも、障害物を効果的に克服することができる。
【0243】
前述したように、第2の実施形態に係るホイールユニット10’も、支持体2200が与える張力を調節するための張力調節装置を更に含むことは、言うまでもない。すなわち、ホイールユニット10’が張力調節装置として、回転駆動部、張力調節部、間隔維持ユニット、間隔変更ユニット、回転ユニット、及び制御部を更に含み、この時、ハブ部2300は、軸方向に沿って互いに離隔して配置される第1及び第2のハブユニットからなる。これにより、第1のハブユニット及び第2のハブユニットの間の間隔が調節されることにつれ、支持体2200が与える張力が調節される。
【0244】
ついでは、図30及び図31を参考して、本発明の第3の実施形態に係る障害物克服用ホイールユニット10"を説明する。図30は、本発明の第3の実施形態に係る障害物克服用ホイールユニットが、地面を通過する状態を示す正面図であり、図31は、図30におけるホイールユニットが障害物を克服する状態を示す正面図である。
【0245】
図30及び図31に示しているように、本実施形態によるホイールユニット10”は、複数の単位ブロック3100と、支持体3200と、ハブ部3300とを含む。第3の実施形態に係るホイールユニット10”は、前述した第1の実施形態に係るホイールユニット10と比べて、単位ブロックの形状及び結合構造だけが相違し、支持体及びハブ部は、同様に形成されるところ、単位ブロックの形状及び結合構造を中心に説明する。
【0246】
複数の単位ブロック3100は、ハブ部3300から所定間隔離隔して、円周方向に沿って配列され、円形を成すように、それぞれの個別単位ブロック3100が互いに密着して連結され、全体として、ホイールユニット10”の外形を形成する。複数の単位ブロック3100は、互いに隣接する単位ブロック3100同士相対的に回転及び移動可能に結合されて、互いに密着するか、密着した状態が解除される。
【0247】
図30に示しているように、ホイールユニット10”が平地の地面1を通過する場合、複数の単位ブロック3100は、後述する構造により、互いに密着して結合され、これと同時に、支持体3200は、複数の単位ブロック3100にハブ部3300方向への張力を与える。更に、図示してはいないが、弾性ワイヤが複数の単位ブロック3100を取り囲むように設けられて、複数の単位ブロック3100にハブ部3300方向への張力を与え、複数の単位ブロック3100間の密着力を提供する。
【0248】
図31に示しているように、ホイールユニット10”の一側が、地面1に位置する階段などのような障害物6に衝突する場合、ホイールユニット10”は、前記衝突位置で変形し始める。すなわち、接触部(A)で障害物6の形状を反映して、ホイールユニット10”の形状が崩れ、隣接する単位ブロック3100間の相対的な回転及び移動により、結合状態が変わる。但し、この場合、ホイールユニット10”は、ハブ部3300が連続的に回転するから、接触部(A)が崩れた状態になっても、接触部(A)を中心にハブ部3300が回転して、ホイールユニット10”は、障害物6を克服することになる。
【0249】
一方、第3の実施例では、第1及び第2の実施形態と異なり、隣接部(B)のみならず、接触部(A)でも、隣接する単位ブロック3100は、互いに密着した状態が解除される。但し、単位ブロック3100が接触部(A)で密着状態が解除されても、単位ブロック3100の外周面は、互いに密着するように設計されて、所定の密着力を提供することができるので、これにより、単位ブロック3100の密着状態は、再度復元される。
【0250】
図32は、従来技術によるホイールユニットにより、障害物を克服する状態での力の伝達状態を示す模式図であり、図33は、図30におけるホイールユニットにより、障害物を克服する状態での力の伝達状態を示す模式図である。本実施形態によるホイールユニット10”が階段などの障害物を克服する場合の細部的な構造変形について説明する前に、ホイールユニット10”が階段を克服する場合の力伝達状態について説明する。
【0251】
この場合、本実施形態のホイールユニット10”が有するメリットを説明するために、従来のホイールユニット11は、外郭を形成する単位ブロック101が互いに密着して固定され、互いに脱着しない構造を有することと仮定する。すなわち、図32でのように、従来のホイールユニット11では、単位ブロック101の外側面はもちろん、内側面も別の分割構造が形成されず、連続的に延在する曲面構造で形成された。
【0252】
このような従来のホイールユニット11が階段と接触し、階段を克服する過程では、階段から外力(External Force)が単位ブロック101の外側面に与えられると、外側面のうち、階段と接触される部分では、圧縮力(Compression)が発生し、これにより、前記外側面に対向する内側面では、引張力(Tension)が発生することになる。ところが、従来の単位ブロック101の場合、外側面はもちろん、内側面も互いに結合が解除されない、すなわち、分割されない連続して延在する曲面構造であるため、圧縮力と引張力は、互いに類似した水準に維持され、これにより、単位ブロック101上で中立面(neutral surface)は、単位ブロック101の中央に沿って形成される。さらには、単位ブロック101の内側面の場合、分割することなく、連続的に延在する面であるので、内側面の材質などによって、一定範囲内の引張変形率(Tensile strain)だけ具現され、前記範囲を外れる引張変形率に対しては、単位ブロック101で具現できなくなる。
【0253】
そこで、図32でのような従来のホイールユニット11によっては、階段などのような障害物を通過する場合、前記引張変形率の範囲を外れる場合であれば、ホイールユニット11は、階段にぶつかって跳ね返るように、階段を克服できない問題が発生することになる。
【0254】
それに対して、図33に示している本実施形態によるホイールユニット10”でのように、単位ブロック3100が互いに着脱可能で、単位ブロック3100の内側面が互いに分割可能な分割構造を含むようになると、階段から外力(External Force)が与えられる場合、内側面は、分割により引張変形率が制限されないので、引張変形率が無限に増加(Max. Tensile strain可能)する。
【0255】
このように、内側面に与えられる引張変形率が特定の範囲に制限されないので、単位ブロック3100上で中立面(neutral surface)は、外側面に近づけるように形成され、これと同時に、内側面の引張変形率は、具現が可能となることにつれ、ホイールユニット10”は、階段を非常に容易に克服することができる。
【0256】
すなわち、ホイールユニット10”が階段に接触する場合、階段に接触する単位ブロック3100の外側面を中心に、単位ブロック3100は、内側面を含めて自由に変形するので、ホイールユニット10”の回転駆動力により、ホイールユニット10”は、階段に接触する単位ブロック3100の外側面を中心に回転し、階段の外形形状と一致するように変形可能であり、そこで、階段を容易に克服することができる。このように、階段などのような障害物に接触される場合、単位ブロック3100は、分割により自由な変形が可能となり、引張変形率に対する制限が発生しないので、容易な障害物克服が可能となる。
【0257】
図34及び図35は、図31のホイールユニットが障害物を克服する状態における接触部(A)での単位ブロックの変形状態を示す正面図である。まず、図34及び図35を参照して、接触部(A)での単位ブロックの変形状態を説明する前に、単位ブロック3100のそれぞれの細部構造及び隣接する単位ブロック3100間の連結及び分割状態について説明する。
【0258】
複数の単位ブロック3100のそれぞれは、本体部3110と、溝部3120と、突出部3130と、固定部3140と、支持部3150とを含む。
【0259】
本体部3110は、単位ブロック3100の本体を形成し、図34に対する垂直方向に所定の幅を有し、本体部3110が有する幅は、様々に設計される。
【0260】
本体部3110は、上側の面を形成する上面3111と、下側の面を形成する下面3112とを含む。この場合、下面3112は、平面形状に延在するが、上面3111は、下面3112と同じ方向に延在した後、前端では、下部に向かって曲がった曲面に延在する。
【0261】
本体部3110は、上面3111で延在し、本体部3110の前方を形成する前面部3115と、前面部3115の後側で本体部3110の後方を形成する後面部3116とを更に含む。前面部3115は、上面3111から延在し突設され、後面部3116は、前面部3115と異なり、凹入して形成される。この場合、図34に示しているように、互いに隣接する単位ブロックにおいて、第1の単位ブロック3100aの前面部3115は、第2の単位ブロック3100bの後面部3116に密着して挿入される。すなわち、第1の単位ブロック3100aの前面部3115が、第2の単位ブロック3100bの後面部3116により形成される後面凹入部3117に位置して、後面部3116と密着可能となる。この時、前面部3115の突出形状は、後面部3116の凹入される部分に密着して挿入できるように、後面部3116と互いに同じ曲率を有するように延在する面にその形状が設計されなければならない。
【0262】
一方、本体部3110は、下面3112の前端から延在する前面凹入部3113と、下面3112の後端から延在する後面突起3118とを更に含む。前面凹入部3113は、下面3112の前端から前面部3115まで延在する延長面で凹んで丸めた形状に凹入して延在する。すなわち、下面3112の前端から前面部3115までは、全体として突出した曲面を形成するが、前面凹入部3113の場合、凹入して延在する。また、後面突起3118は、下面3112の後端から後面部3116まで延在する延長面で膨らんで丸めた形状に突出して延在する。すなわち、下面3112の後端から後面部3116までは、全体として凹入される曲面を形成するが、後面突起3118の場合、突出して延在する。この時、前面凹入部3113の凹入される形状は、隣接する単位ブロックの後面突起3118の膨らんで突出する形状と互いに密着可能となるように同一の曲率で形成される。すなわち、図34に示しているように、互いに隣接する単位ブロックが互いに密着する場合、第2の単位ブロック3100bの後面突起3118は、第1の単位ブロック3100aの前面凹入部3113と密着することになる。
【0263】
一方、溝部3120は、前面部3115から前面凹入部3113の間に所定の長さ形成され、図34に垂直な方向に所定距離ほど凹入される溝で形成されて、前面部3115を形成する側面と所定の段差を形成する。また、突出部3130は、後面3114から所定の長さ突設され、隣接する単位ブロックの溝部3120上に位置する。
【0264】
図34に示しているように、互いに隣接する単位ブロックが互いに密着する場合、第2の単位ブロック3100bの突出部3130は、第1の単位ブロック3100aの溝部3120上に位置する。具体的に、隣接する第1及び第2の単位ブロック3100a、3100bが互いに密着した状態では、第2の単位ブロック3100bの突出部3130が、第1の単位ブロック3100aの溝部3120の下端に位置することになる。また、隣接する単位ブロックの相対位置が互いに変わることにつれ、突出部3130は、所定の長さ延在する溝部3120内でその位置が変更する。すなわち、突出部3130は、溝部3120上で摺動して移動可能である。
【0265】
以上のように、突出部3130が溝部3120上に位置するように形成されることにつれ、単位ブロックが互いに密着した状態での密着力が向上し、単位ブロックの相対位置が変更する場合でも、一定の範囲内では、突出部3130が溝部3120上に位置することができ、互いの密着性が維持、又は相対的な位置移動を制限することができる。
【0266】
固定部3140は、本体部3110の上側から延在し、固定突起3141と、接触面3142と、端部3143とを含む。固定突起3141は、本体部3110の上面3111の後側と後面部3116から延在し、上面3111に対して、所定の段差3119を形成するように、本体部3110の後端上側方向に延在する。接触面3142は、固定部3140の下面を形成し、後面部3116から連続的に延在する面に該当する。また、端部3143は、接触面3142の最後端に形成され、固定部3140の後端を形成し、突設される。
【0267】
図34に示しているように、互いに隣接する単位ブロックが密着する場合、第2の単位ブロック3100bの固定部3140の接触面3142は、第1の単位ブロック3100aの上面3111上に密着する。これにより、接触面3142が形成する曲面の曲率は、上面3111が形成する曲率と同一である。
【0268】
一方、第2の単位ブロック3100bの端部3143は、第1の単位ブロック3100aで、上面3111と固定部3140の連結部に形成される段差3119に位置する。このように、端部3143が段差3119に位置することにつれ、互いに隣接する単位ブロックの相対的な位置変化を制限することができ、これに対しては、後述する。
【0269】
支持部3150は、下面3112に結合され、支持フレーム3151と、第1の支持突起3152又は第2の支持突起3153とを含む。この場合、複数の単位ブロック3100において、第1の支持突起3152と第2の支持突起3153は、交互に形成される。すなわち、第2の単位ブロック3100bが第1の支持突起3152を含むと、第1の単位ブロック3100aは、第2の支持突起3153を含むことになる。
【0270】
具体的に、支持フレーム3151は、下面3112上に固定され、下面3112が平面に延在するので、支持フレーム3151も平行な方向に平面に延在する。第1の支持突起3152又は第2の支持突起3153は、支持フレーム3151の下面から垂直な方向に所定の長さ突出する。それにより、支持フレーム3151と第1の支持突起3152、又は支持フレーム3151と第2の支持突起3153は、側面からみると、全体として「コ」字状を有する。このように、支持部3150が側面からみると、「コ」字状を有するので、垂直な断面を有する階段のような障害物6を通過する場合、障害物6とのより効果的な支持又は固定が可能であり、より容易な障害物克服を行うことができる。
【0271】
一方、後述する図37を参照すると、例えば、第4の単位ブロック3100dの支持部3150が、第2の支持突起3153を含み、第3の単位ブロック3100cの支持部3150が、第1の支持突起3152を含む場合であると、第2の支持突起3153は、中央に挿入空間3154を形成するように、互いに離隔する一対の突起を含み、第1の支持突起3152は、挿入空間3154が形成される位置である中央に、1つの突起を含む。
【0272】
これにより、図35でのように、互いに隣接する単位ブロックが障害物6を克服することにつれ、互いに隣接する支持部3150が互いに重なる場合、第1の支持突起3152が隣接する挿入空間3154内に位置し、互いに隣接する支持部3150の重畳により、互いに隣接する単位ブロックの相対的な位置が制限される問題を防止することができる。すなわち、互いに隣接する単位ブロック間の位置が支持部3150により制限されないので、様々な形状の障害物6を克服する場合、支持部3150の位置重畳によらず、効果的な障害物6の克服が可能である。
【0273】
以下では、図34及び図35を再度参照して、ホイールユニット10”が障害物6を通過する場合、互いに隣接する単位ブロック間の位置変化について説明する。
【0274】
図34に示しているように、ホイールユニット10”が障害物6に接触する場合、任意の単位ブロック3100aの支持突起3153が障害物6の上面上に先に接触することになる。但し、接触されるまでは、隣接する単位ブロックが、前述したように互いに密着した状態を維持する。この場合、第2の単位ブロック3100bの固定部3140の端部3143は、第1の単位ブロック3100aの段差3119とは、所定距離離隔した状態である。
【0275】
図34でのように、障害物6の上面上に接触した支持突起3153を支持点として、ホイールユニット10”が回転することになると、支持突起3153が結合した該当単位ブロック3100aに回転トルクが発生する。これにより、隣接した単位ブロック3100bに対して、相対的に回転変形が発生することになり、このように発生する回転変形は、前述した表面張力を崩れるように誘導する役割を果たす。
【0276】
一方、一般に、ホイールユニットのハブ部方向に外力が与えられ、その力が表面張力を崩れるような臨界点を超える場合、ホイールユニットが障害物の形状の通り変形するが、前記臨界点を越える外力の大きさをホイールユニットに印加し難きという問題がある。このような問題を解決するために、本実施形態の場合、支持突起を用いて、単位ブロックにトルクを与える方法を用いて、ハブ部3300に向かう方向の外力の大きさに比べて、少ない力でも表面張力崩れを具現できるようにしている。このような過程で表面張力が崩れるようになると、図35のように障害物6の表面形状と一致するように、ホイールユニット10”の形状が変わる。
【0277】
すなわち、ホイールユニット10”の回転に伴い、障害物6に接触した単位ブロックは、支持部3150の「コ」字形が障害物6の隅に固定されるように位置が変更され、前記接触した単位ブロックの前端に位置した単位ブロックは、ホイールユニット10”の回転に伴い、前方に位置が移動することになる。かくして、前端の単位ブロックと後端の単位ブロックは、支持部3150間の間隔は、互いに狭くなり、固定部3140の間の間隔は、互いに増加することになる。
【0278】
これは、前記図33を参照して説明したように、単位ブロックが、内側面が互いに分割可能な構造を含むようになると、外側面に圧縮力が与えられ、内側面に引張力が与えられると、引張変形率は、分割構造により制限されず、無限な増加が可能な状態が適用されることと同様である。すなわち、互いに隣接する単位ブロックの場合、外側面に該当する支持部3150には、圧縮力が与えられて、互いに隣接した支持部3150の間隔が細くなるが、内側面に該当する固定部3140は、分割が可能で引張変形率が制限されず、これにより、図35でのような単位ブロックの分割状態が誘導され、これに障害物6の外形形状と一致する程度に大きな変形が具現される。
【0279】
これにより、互いに隣接した単位ブロックにおいて、第2の単位ブロック3100bの固定部3140は、第1の単位ブロック3100aの上面3111から離隔し、第2の単位ブロック3100bの後面部3116も、第1の単位ブロック3100aの前面部3115から離隔し、第2の単位ブロック3100bの突出部3130も、第1の単位ブロック3100aの溝部3120から離隔する。この場合、離隔する程度は、支持部3150から遠くなるほど、大きくなり、第2の単位ブロック3100bにおける固定部3140の第1の単位ブロック3100aの上面3111からの離隔程度が最も大きい。
【0280】
以上のように、接触部(A)では、ホイールユニット10”の内側面が互いに分割可能な構造を含むので、このような分割により引張変形率が制限されず、いわゆる表面張力が崩れる効果を誘導することができる。この場合、このような表面張力が接触部(A)で崩れた状態で、全体としてホイールユニット10”は回転して前進することになるので、ホイールユニット10”は、効果的に障害物6に対する克服が可能となる。
【0281】
特に、本実施形態では、支持部3150の形状により、障害物6の隅に対する支持力が高く維持されるので、障害物6との接触部(A)での支持力が向上して、接触部(A)を中心にホイールユニット10”が回転して前進するので、障害物6に対するより効果的な克服が可能となる。
【0282】
一方、接触部(A)で互いに密着した単位ブロック3100の離脱の他に、接触部(A)を基準に所定距離前方に離隔された前方の隣接部(B)、及び所定距離後方に離隔された後方の隣接部(B)に位置する単位ブロック3100において、内側部、すなわち、ハブ部3300に向かう面は、互いに圧縮して変形される。この場合、隣接部(B)において、単位ブロック3100の内側部が圧縮される場合、単位ブロック3100の形状や構造的特徴により、単位ブロック3100の離脱や不規則な位置変更が最小化される。
【0283】
以下では、図36及び図37を参照して、このような隣接部(B)での単位ブロックの変形状態を説明する。図36は、図31におけるホイールユニットが障害物を克服する状態における隣接部(B)での単位ブロックの変形状態を示す正面図であり、図37は、図36における単位ブロックを他の方向で示す斜視図である。
【0284】
図36及び37に示しているように、隣接部(B)で互いに隣接する単位ブロックは、外側に位置する支持部3150は、引張力により距離が遠くなるように変形し、それに対して、内側に位置する固定部3140は、圧縮力により互いに距離が近接するように変形する。
【0285】
しかし、本実施形態の場合、固定部3140は、上面3111から所定の段差3119を形成し延在し、これにより、第4の単位ブロック3100dの固定部3140の端部3143が。第3の単位ブロック3100cの段差3119に位置することで、第4の単位ブロック3100dの端部3143の更なる移動が制限される。それにより、隣接部(B)で互いに隣接する第3及び第4の単位ブロック3100c、3100dの内側部が、互いに圧縮力により近接する場合でも、第4の単位ブロック3100dの端部3143が、第3の単位ブロック3100cの段差3119により移動が制限されるので、一定の水準以上で互いに密着せず、与えられる圧縮力を吸収できるようになる。
【0286】
特に、図34に示しているように、通常は、隣接する単位ブロックの端部3143と段差3119が所定の距離離隔した状態を維持するので、隣接部(B)での圧縮力により圧縮される所定の移動距離を確保することができ、移動距離以上の圧縮力が与えられても、端部3143の凸形状が隣接する段差部3119の凹形状に密着した状態を維持することができ、一定の部分圧縮力を効果的に吸収することができる。そこで、単位ブロック3100は、その位置が離脱するか、相対的な位置が不規則に変更されず、全体としてホイールユニット10”の形状を一定に維持することができる。
【0287】
以上のように、単位ブロック3100は、互いに密着するか、自由に分割され、さらには、相対的な位置変更を制限する構造に設計されることで、全体としてホイールユニット10”の形状が崩れなく、且つ、階段のような障害物6を非常に効果的に克服することができる。
【0288】
前記のような本発明の実施形態によると、水滴が表面張力により外形を維持する原理を共に、支持体が与える張力及び単位ブロック間の密着力により水滴の表面張力と類似した力を模写して、ホイールユニットが全体として形状を維持し、地面を効果的に通過することができる。
【0289】
一方、水滴に変形臨界角を超える力が作用する場合、外形が崩れる原理を適用して、ホイールユニットが障害物と接触する場合、接触部の内側では、単位ブロック間の密着が解除されて互いに分割されることで、障害物の効果的な克服が可能となる。
【0290】
この場合、崩れ部分は、障害物の通過後、張力及び単位ブロックの構造により容易に復元され、ホイールの円形を再度維持することができ、これにより、障害物の克服及び地面走行を円滑に行うことができる。
【0291】
特に、単位ブロックのそれぞれは、支持部を含み、障害物の隅に単位ブロックが支持された状態を維持することができ、単位ブロックの内側での分割を効果的に誘導し、互いに隣接した支持部が障害物の克服過程で互いに重なることを防止するように、第1の支持突起と第2の支持突起が交互に形成されて、構造を維持しつつ安定した障害物克服が可能となる。
【0292】
また、障害物と接触する接触部と隣接した隣接部では、隣接した単位ブロックの支持部が互いに遠くなるように引張変形が発生するが、この場合、固定部が接する段差により移動が制限され、突出部も隣接する溝部により移動が制限される。それにより、引張変形が発生する場合、単位ブロック間で所定の距離以上の間隔が発生せず、安定した相対的な位置関係を維持することができ、障害物の克服時にも隣接部では、ホイールユニットの構造を維持することになる。
【0293】
すなわち、障害物を克服する接触部で隣接する単位ブロックは、内側で自由に分割され、隣接部では、所定の引張変形が発生しても、固定部及び突出部により隣接する単位ブロックの内側の相対的な位置が制限されるので、全体として自然な単位ブロック間の相対位置が形成され、ホイールユニットの安定した変形を具現することができる。
【0294】
前述したように、第3の実施形態に係るホイールユニット10”も、支持体3200が与える張力を調節するための張力調節装置をさらに含むことは、言うまでもない。すなわち、ホイールユニット10”が張力調節装置として、回転駆動部、張力調節部、間隔維持ユニット、間隔変更ユニット、回転ユニット、及び制御部を更に含み、ここで、ハブ部3300は、軸方向に沿って互いに離隔して配置される第1及び第2のハブユニットからなる。これにより、第1のハブユニット及び第2のハブユニットの間の間隔が調節されることにつれ、支持体3200が与える張力が調節可能である。
【0295】
図38は、本発明の第4の実施形態に係る障害物克服用ホイールユニットを示す正面図である。 第4の実施形態に係るホイールユニットは、支持体を除き、第3の実施形態に係るホイールユニット10”と実質的に同様であるので、同一の構成要素に対しては、同一の符号を付し、重複する説明は、省略する。
【0296】
図38に示しているように、本実施形態によるホイールユニットでは、支持体3201が、ハブ部3300と複数の単位ブロック3100間に充填されることを特徴とする。この場合、支持体3201は、所定の弾性を有する材質からなり、ハブ部3300と複数の単位ブロック3100の間に充填され、支持体3201の材質は、制限されない。
【0297】
ホイールユニットの形状は、障害物を克服するか、様々な地面状況によって変形可能であり、このような変形により、支持体3201に様々な大きさの圧縮力や引張力のような外力が与えられる。これにより、支持体3201は、このように与えられる外力を吸収して変形し、前記外力が消滅する場合、元の状態に復帰する。
【0298】
支持体3201が、ハブ部3300と複数の単位ブロック3100の間を連結して、張力を与えることは、前述した支持体3200と同様であり、本実施形態の場合、支持体3201は、ワイヤの形状ではなく、充填材で形成される。前述したように、張力調節装置により、支持体3201が与える張力も調節できることは、言うまでもない。
【0299】
さらには、図示してはいないが、実施形態により、支持体3201が、ハブ部3300と複数の単位ブロック3100の間に充填されると共に、前述した支持体3200として、ワイヤが更に連結されることもできる。
【0300】
また、図示していないが、実施形態により、ホイールユニットを保護するために、ホイールユニットを全体として取り囲む覆体が設けられることもできる。
【0301】
前記では、本発明の好適な実施形態を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更できることを理解するだろう。
【産業上利用可能性】
【0302】
本発明は、障害物克服用ホイールユニットに関し、より詳しくは、水滴が有する表面張力メカニズムを用いた変形構造が適用されると共に、隣接した単位ブロック同士相対的な回転及び移動が可能な複数の単位ブロックを含めて、平地走行はもちろん、階段などの障害物を容易に克服することができ、特に、障害物克服過程での安定した変形が具現される障害物克服用ホイールユニットに関する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
【手続補正書】
【提出日】2023-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動力を提供されて回転するハブ部と、
前記ハブ部から所定の間隔離隔し、ホイールユニットの外形を形成する複数の単位ブロックと、
前記ハブ部と前記複数の単位ブロックの間を連結するか、前記ハブ部と前記複数の単位ブロックの間に充填される支持体とを含み、
前記ホイールユニットが平地を通過する場合、前記複数の単位ブロックが互いに密着するように、前記支持体は、前記複数の単位ブロックに前記ハブ部方向への張力を与え、
前記ホイールユニットが障害物を克服する場合、前記複数の単位ブロックのうち、互いに隣接する単位ブロックは、相対的に回転又は移動可能であることを特徴とする、ホイールユニット。
【請求項2】
前記ホイールユニットが障害物を克服する場合、前記複数の単位ブロックのうち、前記障害物と接触する互いに隣接する単位ブロックは、相対的に半径方向外側に回転し、前記複数の単位ブロックのうち、前記障害物と接触しない互いに隣接する単位ブロックのうち、少なくとも一部は、相対的に半径方向内側に回転することを特徴とする、請求項1に記載のホイールユニット。
【請求項3】
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向外側に回転するとき、前記隣接する単位ブロックは、互いに密着した状態が維持され、互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転するとき、前記隣接する単位ブロックは、互いに密着した状態が解除され、前記隣接する単位ブロック間の距離が遠くなることを特徴とする、請求項に記載のホイールユニット。
【請求項4】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、
本体部と、
前記本体部の一側に設けられる回転部と、
前記本体部の他側に設けられ、隣接する単位ブロックの前記回転部と回転可能に結合される結合部と、
前記結合部と隣接する単位ブロックの前記回転部を回転及び所定の範囲内で移動可能となるように結合するピン部とを含むことを特徴とする、請求項に記載のホイールユニット。
【請求項5】
前記本体部は、
前記ハブ部に向かう内面と、
外部に向かう外面と、
前記内面と前記外面の間で凹入した形状に延在する接触面と、
前記外面から延在し、前記接触面の外部端に突設される端部と、
前記内面から他側に延在し、前記ハブ部に向かう方向に傾斜して突出する傾斜突出部とを含むことを特徴とする、請求項に記載のホイールユニット。
【請求項6】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、前記結合部と前記本体部の外面の間に形成される溝部をさらに含み、
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向外側に回転する時、1つの単位ブロックの前記本体部の接触面に隣接する他の1つの単位ブロックの前記結合部が密着した状態で、1つの単位ブロックの前記本体部の端部が隣接する他の1つの単位ブロックの前記溝部に挿入されることを特徴とする、請求項に記載のホイールユニット。
【請求項7】
前記回転部は、前記本体部の接触面に設けられる回転ブロックと、前記回転ブロックから半径方向内側に突出する突出部とを含み、
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転する時、前記隣接する単位ブロックのそれぞれの結合部の中心点間の距離は、増加し、1つの単位ブロックの前記回転部の突出部は、隣接する他の1つの単位ブロックの前記本体部の傾斜突出部により移動が制限されることを特徴とする、請求項に記載のホイールユニット。
【請求項8】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、
丸めた外面を形成する本体部と、
前記本体部から延在し、隣接する単位ブロックの前記本体部が挿入される挿入空間を形成する連結部とを含
前記連結部は、
前記本体部の一側から延在する第1の連結面と、
前記本体部の他側から延在し、前記第1の連結面と共に、前記挿入空間を形成する第2の連結面と、
前記第1の連結面と前記第2の連結面の間を連結し、隣接する単位ブロックの前記本体部の外面と接触するように凹んで丸めた形状を有する接触面とを含むことを特徴とする、請求項に記載のホイールユニット。
【請求項9】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、前記本体部と前記連結部の第2の連結面の間に凹入して形成される溝部を更に含み、
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向外側に回転する時、1つの単位ブロックの前記連結部の接触面に隣接する他の1つの単位ブロックの前記本体部が密着した状態で、1つの単位ブロックの前記連結部の第2の連結面が隣接する他の1つの単位ブロックの前記溝部に挿入されることを特徴とする、請求項に記載のホイールユニット。
【請求項10】
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転する時、1つの単位ブロックの前記本体部が隣接する他の1つの単位ブロックの前記連結部の接触面から離隔し回転して、前記隣接する単位ブロックのそれぞれの本体部の中心点間の距離は、増加することを特徴とする、請求項に記載のホイールユニット。
【請求項11】
前記複数の単位ブロックのそれぞれの側面に形成される固定部により固定して延在し、前記複数の単位ブロック間に密着力を与える弾性ワイヤを更に含むことを特徴とする、請求項に記載のホイールユニット。
【請求項12】
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向外側に回転する時、及び互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転する時、前記隣接する単位ブロックは、互いに密着した状態が解除され、前記隣接する単位ブロック間の距離が遠くなることを特徴とする、請求項に記載のホイールユニット。
【請求項13】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、
突出した前面部と、隣接する単位ブロックの前記前面部と結合されるように凹入した後面部を有する本体部と、
前記本体部の上部で延在する固定部と、
前記本体部の下部で突出する支持部とを含
前記支持部は、
前記本体部の下部に平行な方向に延在する支持フレームと、
前記支持フレームに垂直な方向に突出する支持突起とを含むことを特徴とする、請求項12に記載のホイールユニット。
【請求項14】
互いに隣接する単位ブロックのうち、1つの単位ブロックの前記支持突起は、前記支持フレームの中央から突出する第1の支持突起で形成され、他の1つの単位ブロックの前記支持突起は、前記第1の支持突起が挿入される挿入空間を形成するように、前記支持フレームの両側から突出する一対の第2の支持突起で形成されることを特徴とする、請求項13に記載のホイールユニット。
【請求項15】
前記ホイールユニットが障害物を克服する場合、前記複数の単位ブロックのうち、前記障害物と接触する互いに隣接する単位ブロックは、前記支持突起が前記障害物に接触するように、相対的に半径方向外側に回転し、
前記本体部は、離隔していることを特徴とする、請求項13に記載のホイールユニット。
【請求項16】
前記固定部は、隣接する単位ブロックの前記本体部の上面に沿って摺動する接触面と、前記接触面の端に形成される端部とを含み、
前記本体部の上面と前記固定部は、段差を形成し、
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転する時、1つの単位ブロックの前記固定部の端部は、隣接する他の1つの単位ブロックの前記段差により移動が制限されることを特徴とする、請求項13に記載のホイールユニット。
【請求項17】
前記複数の単位ブロックのそれぞれは、
前記本体部の前面部に所定長さに形成される溝部と、
前記本体部の後面部から突出する突出部とを更に含み、
互いに隣接する単位ブロックが相対的に半径方向内側に回転する時、1つの単位ブロックの前記突出部は、隣接する他の1つの単位ブロックの前記溝部により移動が制限されることを特徴とする、請求項13に記載のホイールユニット。
【請求項18】
前記ハブ部は、軸方向に沿って互いに離隔して配置される第1のハブユニット及び第2のハブユニットからなり、
前記支持体は、前記複数の単位ブロックと、前記第1のハブユニット及び前記第2のハブユニットに連結される複数のワイヤからなり、
前記第1のハブユニット及び前記第2のハブユニットの間の間隔が調節されることにつれ、前記複数のワイヤが与える張力が調節されることを特徴とする、請求項1に記載のホイールユニット。
【請求項19】
回転駆動力を提供する回転駆動部と、
前記回転駆動部に連結されて回転する回転ユニットと、
前記軸方向への摺動駆動力を提供する張力調節部と、
前記摺動駆動力を、前記第1のハブユニットと前記第2のハブユニットの少なくとも1つに提供して、前記第1のハブユニットと前記第2のハブユニットの間の間隔を調節する間隔変更ユニットとを更に含み、
前記第1のハブユニット及び前記第2のハブユニットは、前記回転ユニットの外周面上に位置して一体に回転することを特徴とする、請求項18に記載のホイールユニット。
【請求項20】
前記ホイールユニットが平地を通過する場合、前記第1のハブユニットと前記第2のハブユニットの間の間隔が増加して、前記複数のワイヤが与える張力が増加し、
前記ホイールユニットが障害物を克服する場合、前記第1のハブユニットと前記第2のハブユニットの間の間隔が減少して、前記複数のワイヤが与える張力が減少されることを特徴とする、請求項18に記載のホイールユニット。
【国際調査報告】