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特表2024-500447アルツハイマー病及び他の神経障害の診断方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】アルツハイマー病及び他の神経障害の診断方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/53 20060101AFI20231226BHJP
   G01N 33/542 20060101ALI20231226BHJP
   C12Q 1/6851 20180101ALI20231226BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20231226BHJP
   C12Q 1/28 20060101ALI20231226BHJP
   C12Q 1/25 20060101ALI20231226BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20231226BHJP
   C12N 15/115 20100101ALN20231226BHJP
   C12M 1/34 20060101ALN20231226BHJP
   C12M 1/00 20060101ALN20231226BHJP
【FI】
G01N33/53 D
G01N33/542 A
C12Q1/6851 Z
C12Q1/686 Z
C12Q1/28
C12Q1/25
C12N15/09 Z
C12N15/115 Z
C12M1/34 F
C12M1/34 Z
C12M1/34 E
C12M1/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537635
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 US2021063843
(87)【国際公開番号】W WO2022133107
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】63/126,411
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】523229090
【氏名又は名称】コグネクスト ダイアグノスティックス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】COGNEXT DIAGNOSTICS LLC
(71)【出願人】
【識別番号】398076227
【氏名又は名称】ザ・ジョンズ・ホプキンス・ユニバーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ウォーリー、ポール エフ.
(72)【発明者】
【氏名】シャオ、メイファン
(72)【発明者】
【氏名】シュー、デシェン
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029AA23
4B029BB16
4B029BB17
4B029BB20
4B029CC03
4B029FA12
4B063QA01
4B063QA05
4B063QA13
4B063QA19
4B063QQ03
4B063QQ22
4B063QQ28
4B063QQ40
4B063QQ42
4B063QQ79
4B063QR02
4B063QR20
4B063QR32
4B063QR48
4B063QR62
4B063QR72
4B063QS25
4B063QS32
4B063QS33
4B063QS34
4B063QS36
4B063QX02
(57)【要約】
本明細書では、対象の血液、脳脊髄液または他の体液試料から神経細胞ペントラキシンなどの2つ以上のシナプスタンパク質を含む複合体を検出できる近接ベースの検出アッセイを用いて、アルツハイマー病などの神経障害を有する前記対象を診断する方法を開示する。また、前述のアッセイを使用して、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクのある対象を評価及び監視する方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、神経細胞ペントラキシン2(NPTX2)、神経細胞ペントラキシン1(NPTX1)及び神経細胞ペントラキシン受容体(NPTXR)からなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量の増加により、前記対象が前記神経障害を有するか、または前記神経障害を発症するリスクがあると同定される、前記方法。
【請求項2】
対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量の減少により、前記対象が前記神経障害を有するか、または前記神経障害を発症するリスクがあると同定される、前記方法。
【請求項3】
対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成することであって、前記第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第1のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第1の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記第1の近接信号を検出することであって、前記第1の近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(v)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は第3の複合体中にあり、前記接触により、前記第3の親和性リガンド、前記第3のシナプスタンパク質、前記第4の親和性リガンド及び前記第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第4の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(vi)前記第4の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成することであって、前記第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第4の複合体を接触させることと、
(vii)前記第2のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第3のシナプスタンパク質が前記第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第2の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(viii)前記血液試料中の前記第2の近接信号を検出することであって、前記第2の近接信号は前記血液試料中の前記第3の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(ix)前記第1の複合体の量を前記第3の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率の減少により、前記対象が前記神経障害を有するか、または前記神経障害を発症するリスクがあると同定される、前記方法。
【請求項4】
対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量の増加により、前記対象が前記神経障害を有するか、または前記神経障害を発症するリスクがあると同定される、前記方法。
【請求項5】
対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量の減少により、前記対象が前記神経障害を有するか、または前記神経障害を発症するリスクがあると同定される、前記方法。
【請求項6】
対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を第1の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成することであって、前記第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記第1のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第1の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記第1の近接信号を検出することであって、前記第1の近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(vi)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させることであって、前記第4の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第3のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第4の複合体の一部であり、前記接触により、前記第4の親和性リガンド、前記第3のシナプスタンパク質及び前記第4のシナプスタンパク質を含む第5の複合体が生成され、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(vii)前記第5の複合体を、前記第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、前記第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第5の複合体、前記第5の親和性リガンド及び前記第6の親和性リガンドを含む第6の複合体が生成され、前記第5の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第6の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第5の複合体を接触させることと、
(viii)前記第5の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成することであって、前記第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第5の複合体を接触させることと、
(ix)前記第2のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第3のシナプスタンパク質が前記第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第2の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(x)前記血液試料中の前記第2の近接信号を検出することであって、前記第2の近接信号は前記血液試料中の前記第4の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(xi)前記第1の複合体の量を前記第4の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第4の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第4の複合体に対する比率の減少により、前記対象が前記神経障害を有するか、または前記神経障害を発症するリスクがあると同定される、前記方法。
【請求項7】
対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量の増加により、前記対象が前記神経障害を有するか、または前記神経障害を発症するリスクがあると同定される、前記方法。
【請求項8】
対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量の減少により、前記対象が前記神経障害を有するか、または前記神経障害を発症するリスクがあると同定される、前記方法。
【請求項9】
対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、
(iii)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は第2の複合体中にあり、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(iv)前記対象の前記血液試料中の前記第2の複合体の量を決定することと、
(v)前記第1の複合体の量を前記第2の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第2の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第2の複合体に対する比率の減少により、前記対象が前記神経障害を有するか、または前記神経障害を発症するリスクがあると同定される、前記方法。
【請求項10】
対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量の増加により、前記対象が前記神経障害を有するか、または前記神経障害を発症するリスクがあると同定される、前記方法。
【請求項11】
対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量の減少により、前記対象が前記神経障害を有するか、または前記神経障害を発症するリスクがあると同定される、前記方法。
【請求項12】
対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、
(iv)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させることであって、前記第4の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第3のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第3の複合体の一部であり、前記接触により、前記第4の親和性リガンド、前記第3のシナプスタンパク質及び前記第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(v)前記第4の複合体を、前記第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、前記第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させることと、
(vi)前記対象の前記血液試料中の前記第3の複合体の量を決定することと、
(vii)前記第1の複合体の量を前記第3の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率の減少により、前記対象が前記神経障害を有するか、または前記神経障害を発症するリスクがあると同定される、前記方法。
【請求項13】
治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して増加する場合、前記対象は前記治療薬による治療のために選択される、前記方法。
【請求項14】
治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して減少する場合、前記対象は前記治療薬による治療のために選択される、前記方法。
【請求項15】
治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成することであって、前記第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第1のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第1の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記第1の近接信号を検出することであって、前記第1の近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(v)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は第3の複合体中にあり、前記接触により、前記第3の親和性リガンド、前記第3のシナプスタンパク質、前記第4の親和性リガンド及び前記第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第4の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(vi)前記第4の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成することであって、前記第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第4の複合体を接触させることと、
(vii)前記第2のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第3のシナプスタンパク質が前記第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第2の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(viii)前記血液試料中の前記第2の近接信号を検出することであって、前記第2の近接信号は前記血液試料中の前記第3の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(ix)前記第1の複合体の量を前記第3の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率が参照血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率と比較して減少する場合、前記対象は前記治療薬による治療のために選択される、前記方法。
【請求項16】
治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して増加する場合、前記対象は前記治療薬による治療のために選択される、前記方法。
【請求項17】
治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して減少する場合、前記対象は前記治療薬による治療のために選択される、前記方法。
【請求項18】
治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を第1の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成することであって、前記第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記第1のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第1の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記第1の近接信号を検出することであって、前記第1の近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(vi)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させることであって、前記第4の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第3のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第4の複合体の一部であり、前記接触により、前記第4の親和性リガンド、前記第3のシナプスタンパク質及び前記第4のシナプスタンパク質を含む第5の複合体が生成され、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(vii)前記第5の複合体を、前記第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、前記第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第5の複合体、前記第5の親和性リガンド及び前記第6の親和性リガンドを含む第6の複合体が生成され、前記第5の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第6の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第5の複合体を接触させることと、
(viii)前記第5の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成することであって、前記第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第5の複合体を接触させることと、
(ix)前記第2のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第3のシナプスタンパク質が前記第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第2の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(x)前記血液試料中の前記第2の近接信号を検出することであって、前記第2の近接信号は前記血液試料中の前記第4の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(xi)前記第1の複合体の量を前記第4の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第4の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第4の複合体に対する比率が参照血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率と比較して減少する場合、前記対象は前記治療薬による治療のために選択される、前記方法。
【請求項19】
治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して増加する場合、前記対象は前記治療薬による治療のために選択される、前記方法。
【請求項20】
治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して減少する場合、前記対象は前記治療薬による治療のために選択される、前記方法。
【請求項21】
治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、
(iii)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は第2の複合体中にあり、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(iv)前記対象の前記血液試料中の前記第2の複合体の量を決定することと、
(v)前記第1の複合体の量を前記第2の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第2の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第2の複合体に対する比率が参照血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率と比較して減少する場合、前記対象は前記治療薬による治療のために選択される、前記方法。
【請求項22】
治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して増加する場合、前記対象は前記治療薬による治療のために選択される、前記方法。
【請求項23】
治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して減少する場合、前記対象は前記治療薬による治療のために選択される、前記方法。
【請求項24】
治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、
(iv)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させることであって、前記第4の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第3のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第3の複合体の一部であり、前記接触により、前記第4の親和性リガンド、前記第3のシナプスタンパク質及び前記第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(v)前記第4の複合体を、前記第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、前記第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させることと、
(vi)前記対象の前記血液試料中の前記第3の複合体の量を決定することと、
(vii)前記第1の複合体の量を前記第3の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率が参照血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率と比較して減少する場合、前記対象は前記治療薬による治療のために選択される、前記方法。
【請求項25】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して増加する場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力がないと判断され、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が、前記参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または減少している場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力があると判断される、前記方法。
【請求項26】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して減少する場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力がないと判断され、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が、前記参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または増加している場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力があると判断される、前記方法。
【請求項27】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成することであって、前記第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第1のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第1の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記第1の近接信号を検出することであって、前記第1の近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(v)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は第3の複合体中にあり、前記接触により、前記第3の親和性リガンド、前記第3のシナプスタンパク質、前記第4の親和性リガンド及び前記第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第4の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(vi)前記第4の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成することであって、前記第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第4の複合体を接触させることと、
(vii)前記第2のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第3のシナプスタンパク質が前記第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第2の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(viii)前記血液試料中の前記第2の近接信号を検出することであって、前記第2の近接信号は前記血液試料中の前記第3の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(ix)前記第1の複合体の量を前記第3の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率が、参照血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率と比較して減少する場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力がないと判断され、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率が、前記参照血液試料中の前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率と比較して変化していないか、または増加している場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力があると判断される、前記方法。
【請求項28】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して増加する場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力がないと判断され、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が、前記参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または減少している場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力があると判断される、前記方法。
【請求項29】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して減少する場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力がないと判断され、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が、前記参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または増加している場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力があると判断される、前記方法。
【請求項30】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を第1の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成することであって、前記第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記第1のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第1の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記第1の近接信号を検出することであって、前記第1の近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(vi)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させることであって、前記第4の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第3のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第4の複合体の一部であり、前記接触により、前記第4の親和性リガンド、前記第3のシナプスタンパク質及び前記第4のシナプスタンパク質を含む第5の複合体が生成され、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(vii)前記第5の複合体を、前記第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、前記第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第5の複合体、前記第5の親和性リガンド及び前記第6の親和性リガンドを含む第6の複合体が生成され、前記第5の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第6の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第5の複合体を接触させることと、
(viii)前記第5の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成することであって、前記第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第5の複合体を接触させることと、
(ix)前記第2のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第3のシナプスタンパク質が前記第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第2の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(x)前記血液試料中の前記第2の近接信号を検出することであって、前記第2の近接信号は前記血液試料中の前記第4の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(xi)前記第1の複合体の量を前記第4の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第4の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第4の複合体に対する比率が、参照血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率と比較して減少する場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力がないと判断され、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第4の複合体に対する比率が、前記参照血液試料中の前記第1の複合体の前記第4の複合体に対する比率と比較して変化していないか、または増加している場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力があると判断される、前記方法。
【請求項31】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して増加する場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力がないと判断され、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が、前記参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または減少している場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力があると判断される、前記方法。
【請求項32】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して減少する場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力がないと判断され、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が、前記参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または増加している場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力があると判断される、前記方法。
【請求項33】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、
(iii)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は第2の複合体中にあり、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(iv)前記対象の前記血液試料中の前記第2の複合体の量を決定することと、
(v)前記第1の複合体の量を前記第2の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第2の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第2の複合体に対する比率が、参照血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率と比較して減少する場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力がないと判断され、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第2の複合体に対する比率が、参照血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率と比較して変化していないか、または減少している場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力があると判断される、前記方法。
【請求項34】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して増加する場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力がないと判断され、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が、前記参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または減少している場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力があると判断される、前記方法。
【請求項35】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して減少する場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力がないと判断され、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が、前記参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または増加している場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力があると判断される、前記方法。
【請求項36】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、
(iv)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させることであって、前記第4の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第3のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第3の複合体の一部であり、前記接触により、前記第4の親和性リガンド、前記第3のシナプスタンパク質及び前記第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(v)前記第4の複合体を、前記第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、前記第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させることと、
(vi)前記対象の前記血液試料中の前記第3の複合体の量を決定することと、
(vii)前記第1の複合体の量を前記第3の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率が、参照血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率と比較して減少する場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力がないと判断され、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率が、参照血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率と比較して変化していないか、または減少している場合、前記対象は、前記神経障害に対して回復力があると判断される、前記方法。
【請求項37】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または減少する場合、前記薬剤は、前記対象において治療効果があると判定される、前記方法。
【請求項38】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または増加する場合、前記薬剤は、前記対象において治療効果があると判定される、前記方法。
【請求項39】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成することであって、前記第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第1のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第1の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記第1の近接信号を検出することであって、前記第1の近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(v)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は第3の複合体中にあり、前記接触により、前記第3の親和性リガンド、前記第3のシナプスタンパク質、前記第4の親和性リガンド及び前記第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第4の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(v)前記第4の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成することであって、前記第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第4の複合体を接触させることと、
(vii)前記第2のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第3のシナプスタンパク質が前記第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第2の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(viii)前記血液試料中の前記第2の近接信号を検出することであって、前記第2の近接信号は前記血液試料中の前記第3の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(ix)前記第1の複合体の量を前記第3の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率が参照血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率と比較して変化していないか、または増加する場合、前記薬剤は、前記対象において治療効果があると判定される、前記方法。
【請求項40】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または減少する場合、前記薬剤は、前記対象において治療効果があると判定される、前記方法。
【請求項41】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または増加する場合、前記薬剤は、前記対象において治療効果があると判定される、前記方法。
【請求項42】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を第1の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成することであって、前記第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記第1のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第1の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記第1の近接信号を検出することであって、前記第1の近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(vi)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させることであって、前記第4の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第3のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第4の複合体の一部であり、前記接触により、前記第4の親和性リガンド、前記第3のシナプスタンパク質及び前記第4のシナプスタンパク質を含む第5の複合体が生成され、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(vii)前記第5の複合体を、前記第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、前記第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第5の複合体、前記第5の親和性リガンド及び前記第6の親和性リガンドを含む第6の複合体が生成され、前記第5の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第6の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第5の複合体を接触させることと、
(viii)前記第5の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成することであって、前記第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第5の複合体を接触させることと、
(ix)前記第2のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第3のシナプスタンパク質が前記第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第2の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(x)前記血液試料中の前記第2の近接信号を検出することであって、前記第2の近接信号は前記血液試料中の前記第4の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(xi)前記第1の複合体の量を前記第4の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第4の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第4の複合体に対する比率が参照血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率と比較して変化していないか、または増加する場合、前記薬剤は、前記対象において治療効果があると判定される、前記方法。
【請求項43】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または減少する場合、前記薬剤は、前記対象において治療効果があると判定される、前記方法。
【請求項44】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または増加する場合、前記薬剤は、前記対象において治療効果があると判定される、前記方法。
【請求項45】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、
(iii)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は第2の複合体中にあり、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(iv)前記対象の前記血液試料中の前記第2の複合体の量を決定することと、
(v)前記第1の複合体の量を前記第2の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第2の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第2の複合体に対する比率が参照血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率と比較して変化していないか、または増加する場合、前記薬剤は、前記対象において治療効果があると判定される、前記方法。
【請求項46】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または減少する場合、前記薬剤は、前記対象において治療効果があると判定される、前記方法。
【請求項47】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または増加する場合、前記薬剤は、前記対象において治療効果があると判定される、前記方法。
【請求項48】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、
(iv)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させることであって、前記第4の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第3のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第3の複合体の一部であり、前記接触により、前記第4の親和性リガンド、前記第3のシナプスタンパク質及び前記第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(v)前記第4の複合体を、前記第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、前記第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させることと、
(vi)前記対象の前記血液試料中の前記第3の複合体の量を決定することと、
(vii)前記第1の複合体の量を前記第3の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率が参照血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率と比較して変化していないか、または増加する場合、前記薬剤は、前記対象において治療効果があると判定される、前記方法。
【請求項49】
神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象の学習及び記憶を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量の増加は、前記対象の学習及び記憶の低下を示す、前記方法。
【請求項50】
神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象の学習及び記憶を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量の減少は、前記対象の学習及び記憶の低下を示す、前記方法。
【請求項51】
神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象の学習及び記憶を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成することであって、前記第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第1のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第1の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記第1の近接信号を検出することであって、前記第1の近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(v)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は第3の複合体中にあり、前記接触により、前記第3の親和性リガンド、前記第3のシナプスタンパク質、前記第4の親和性リガンド及び前記第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第4の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(vi)前記第4の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成することであって、前記第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第4の複合体を接触させることと、
(vii)前記第2のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第3のシナプスタンパク質が前記第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第2の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(viii)前記血液試料中の前記第2の近接信号を検出することであって、前記第2の近接信号は前記血液試料中の前記第3の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(ix)前記第1の複合体の量を前記第3の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第2の複合体に対する比率の減少は、前記対象の学習及び記憶の低下を示す、前記方法。
【請求項52】
神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象の学習及び記憶を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量の増加は、前記対象の学習及び記憶の低下を示す、前記方法。
【請求項53】
神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象の学習及び記憶を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量の減少は、前記対象の学習及び記憶の低下を示す、前記方法。
【請求項54】
神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象の学習及び記憶を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を第1の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記第1のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第1の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記第1の近接信号を検出することであって、前記第1の近接信号は前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(vi)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させることであって、前記第4の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第3のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第4の複合体の一部であり、前記接触により、前記第4の親和性リガンド、前記第3のシナプスタンパク質及び前記第4のシナプスタンパク質を含む第5の複合体が生成され、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(vii)前記第5の複合体を、前記第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、前記第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第5の複合体、前記第5の親和性リガンド及び前記第6の親和性リガンドを含む第6の複合体が生成され、前記第5の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第6の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第5の複合体を接触させることと、
(viii)前記第5の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成することであって、前記第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第5の複合体を接触させることと、
(ix)前記第2のLPMOS上で増幅を実行することであって、前記第3のシナプスタンパク質が前記第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は第2の近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(x)前記血液試料中の前記第2の近接信号を検出することであって、前記第2の近接信号は前記血液試料中の前記第4の複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、
(xi)前記第1の複合体の量を前記第4の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第4の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第4の複合体に対する比率の減少は、前記対象の学習及び記憶の低下を示す、前記方法。
【請求項55】
神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象の学習及び記憶を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量の増加は、前記対象の学習及び記憶の低下を示す、前記方法。
【請求項56】
神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象の学習及び記憶を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量の減少は、前記対象の学習及び記憶の低下を示す、前記方法。
【請求項57】
神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象の学習及び記憶を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、
(iii)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は第2の複合体中にあり、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(iv)前記対象の前記血液試料中の前記第2の複合体の量を決定することと、
(v)前記第1の複合体の量を前記第2の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第2の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第2の複合体に対する比率の減少は、前記対象の学習及び記憶の低下を示す、前記方法。
【請求項58】
神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象の学習及び記憶を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量の増加は、前記対象の学習及び記憶の低下を示す、前記方法。
【請求項59】
神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象の学習及び記憶を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量の減少は、前記対象の学習及び記憶の低下を示す、前記方法。
【請求項60】
神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象の学習及び記憶を評価する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、
(iv)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させることであって、前記第4の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第3のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第3の複合体の一部であり、前記接触により、前記第4の親和性リガンド、前記第3のシナプスタンパク質及び前記第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、前記第3及び前記第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(v)前記第4の複合体を、前記第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、前記第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させることと、
(vi)前記対象の前記血液試料中の前記第3の複合体の量を決定することと、
(vii)前記第1の複合体の量を前記第3の複合体の量で割ることにより、前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率を定量化することと、を含み、
参照血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率と比較した、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の前記第3の複合体に対する比率の減少は、前記対象の学習及び記憶の低下を示す、前記方法。
【請求項61】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含むシナプスタンパク質複合体の量を定量化する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中のシナプスタンパク質の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含む、前記方法。
【請求項62】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含むシナプスタンパク質複合体の量を定量化する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質、前記第2の親和性リガンド及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、前記第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(iv)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中のシナプスタンパク質の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含む、前記方法。
【請求項63】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含むシナプスタンパク質複合体の量を定量化する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記シナプスタンパク質複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含む、前記方法。
【請求項64】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含むシナプスタンパク質複合体の量を定量化する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることであって、前記接触により、前記第2の複合体、前記第2の親和性リガンド及び前記第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、前記第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ前記第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合する、前記第2の複合体を接触させることと、
(iii)前記第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成することであって、前記LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、前記第3の複合体を接触させることと、
(iv)前記LPMOS上で増幅を実行することであって、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、前記増幅は近接信号を生成する、前記増幅を実行することと、
(v)前記血液試料中の前記近接信号を検出することであって、前記近接信号は前記血液試料中の前記シナプスタンパク質複合体の量を示す、前記近接信号を検出することと、を含む、前記方法。
【請求項65】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含むシナプスタンパク質複合体の量を定量化する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
前記第1の複合体の量は、前記対象の血液試料中の前記シナプスタンパク質複合体の量を示す、前記方法。
【請求項66】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含むシナプスタンパク質複合体の量を定量化する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させることであって、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
前記第1の複合体の量は、前記対象の血液試料中の前記シナプスタンパク質複合体の量を示す、前記方法。
【請求項67】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含むシナプスタンパク質複合体の量を定量化する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
前記第1の複合体の量は、前記対象の血液試料中の前記シナプスタンパク質複合体の量を示す、前記方法。
【請求項68】
神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含むシナプスタンパク質複合体の量を定量化する方法であって、前記方法は、
(i)前記対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させることであって、前記第1の親和性リガンドは表面上に固定化され、前記第1のシナプスタンパク質は第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、前記接触により、前記第1の親和性リガンド、前記第1のシナプスタンパク質及び前記第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、前記第1及び前記第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、前記血液試料を接触させることと、
(ii)前記第2の複合体を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、前記第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させることと、
(iii)前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を決定することと、を含み、
前記第1の複合体の量は、前記対象の血液試料中の前記シナプスタンパク質複合体の量を示す、前記方法。
【請求項69】
前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2であり、及び前記第2のシナプスタンパク質はNPTXRであるか、または前記第1のシナプスタンパク質はNPTXRであり、及び前記第2のシナプスタンパク質はNPTX2である、請求項1、4、7、10、13、16、19、22、25、28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、63、65または67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記第1のシナプスタンパク質はNPTX1であり、及び前記第2のシナプスタンパク質はNPTXRであるか、または前記第1のシナプスタンパク質はNPTXRであり、及び前記第2のシナプスタンパク質がNPTX1である、請求項1、4、7、10、13、16、19、22、25、28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、63、65または67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2であり、及び前記第2のシナプスタンパク質はNPTX1であるか、または前記第1のシナプスタンパク質はNPTX1であり、及び前記第2のシナプスタンパク質がNPTX2である、請求項1、4、7、10、13、16、19、22、25、28、31、34、37、40、43、46、49、52、55、58、61、63、65または67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記第3のシナプスタンパク質はNPTX2であり、及び前記第4のシナプスタンパク質はNPTXRであるか、または前記第3のシナプスタンパク質はNPTXRであり、及び前記第4のシナプスタンパク質がNPTX2である、請求項3、6、9、12、15、18、21、24、27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57または60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記第3のシナプスタンパク質はNPTX1であり、及び前記第4のシナプスタンパク質はNPTXRであるか、または前記第3のシナプスタンパク質はNPTXRであり、及び前記第4のシナプスタンパク質がNPTX1である、請求項3、6、9、12、15、18、21、24、27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57または60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2であり、及び前記第2のシナプスタンパク質はNPTX1であるか、または前記第3のシナプスタンパク質はNPTX1であり、及び前記第4のシナプスタンパク質がNPTX2である、請求項3、6、9、12、15、18、21、24、27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57または60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2であり、前記第2のシナプスタンパク質はグルタミン酸イオンチャネル型受容体AMPA型サブユニット4(GluA4)である、請求項2、3、5、6、8、9、11、12、14、15、17、18、20、21、23、24、26、27、29、30、32または34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記第1のシナプスタンパク質はNPTX1であり、前記第2のシナプスタンパク質はGluA4である、請求項2、3、5、6、8、9、11、12、14、15、17、18、20、21、23、24、26、27、29、30、32、33、35、36、38、39、41、42、44、45、47、48、50、51、53、54、56、57、59、60、62、64、66または68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記第1のシナプスタンパク質はNPTXRであり、前記第2のシナプスタンパク質はGluA4である、請求項2、3、5、6、8、9、11、12、14、15、17、18、20、21、23、24、26、27、29、30、32、33、35、36、38、39、41、42、44、45、47、48、50、51、53、54、56、57、59、60、62、64、66または68、30、32または34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記第1のシナプスタンパク質はNPTX2であり、前記第2のシナプスタンパク質はグルタミン酸イオンチャネル型受容体AMPA型サブユニット1(GluA1)である、請求項2、3、5、6、8、9、11、12、14、15、17、18、20、21、23、24、26、27、29、30、32、33、35、36、38、39、41、42、44、45、47、48、50、51、53、54、56、57、59、60、62、64、66または68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記第1のシナプスタンパク質はNPTX1であり、前記第2のシナプスタンパク質はGluA1である、請求項2、3、5、6、8、9、11、12、14、15、17、18、20、21、23、24、26、27、29、30、32、33、35、36、38、39、41、42、44、45、47、48、50、51、53、54、56、57、59、60、62、64、66または68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記第1のシナプスタンパク質はNPTXRであり、前記第2のシナプスタンパク質はGluA1である、請求項2、3、5、6、8、9、11、12、14、15、17、18、20、21、23、24、26、27、29、30、32、33、35、36、38、39、41、42、44、45、47、48、50、51、53、54、56、57、59、60、62、64、66または68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記方法は、前記血液試料を、前記第1のシナプスタンパク質に特異的な固定化された親和性リガンドと接触させることを更に含む、請求項1~3、7~9、13~15、19~21、25~27、31~33、37~39、43~45、49~51、55~57、61、62、65または66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記方法は、前記血液試料を、前記第3のシナプスタンパク質に特異的な固定化された親和性リガンドと接触させることを更に含む、請求項3、9、15、21、27、33、39、45、51または57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記第1の親和性リガンドは第1の近接検出器を含み、前記第2の親和性リガンドは第2の近接検出器を含む、請求項7~9、19~21、31~33、43~45、55~57、65または66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記第2の親和性リガンドは第1の近接検出器を含み、前記第3の親和性リガンドは第2の近接検出器を含む、請求項10~12、22~24、34~36、46~48、58~60、67または68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記第1及び前記第2の近接検出器は、前記第1のシナプスタンパク質が前記第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合に、第1の近接信号を生成し、前記第1の近接信号は、前記対象の前記血液試料中の前記第1の複合体の量を示す、請求項83または請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記第3の親和性リガンドは第3の近接検出器を含み、前記第4の親和性リガンドは第4の近接検出器を含む、請求項3、9、12、15、21、24、33、36、45、48、57または60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記第3及び前記第4の近接検出器は、前記第3のシナプスタンパク質が前記第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合に、第2の近接信号を生成し、前記第2の近接信号は、前記対象の前記血液試料中の前記第3の複合体の量を示す、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記第1、前記第2、前記第3及び/または前記第4の近接検出器は、オリゴヌクレオチド、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)発色団または生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)発色団、生体分子蛍光相補(BiFC)タンパク質またはその断片、及び反応性ビオチン種を生成できる酵素からなる群から選択される、請求項83~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記第1、前記第2、前記第3及び/または前記第4の近接検出器はオリゴヌクレオチドである、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記第1及び前記第3の近接検出器は、オリゴヌクレオチドプラス鎖を含み、前記第2及び前記第4の近接検出器は、オリゴヌクレオチドマイナス鎖を含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記オリゴヌクレオチドプラス鎖及び前記オリゴヌクレオチドマイナス鎖は、コネクターオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするように構成される、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記オリゴヌクレオチドプラス鎖は順方向プライマーにハイブリダイズするように構成され、前記オリゴヌクレオチドマイナス鎖は逆方向プライマーにハイブリダイズするように構成される、請求項90または請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記第1、前記第2、前記第3及び/または前記第4の近接検出器は、FRETまたはBRET発色団である、請求項88に記載の方法。
【請求項94】
前記FRETまたは前記BRET発色団は、シアン蛍光タンパク質(CFP)-黄色蛍光タンパク質(YFP)対及びルシフェラーゼ-YFPからなる群から選択される一対の蛍光タンパク質を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記一対の蛍光タンパク質中の前記タンパク質のそれぞれは、独立して、別個の近接検出器に融合または結合される、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記第1、前記第2、前記第3及び前記第4の近接検出器は、反応性ビオチン種を生成できる酵素を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項97】
反応性ビオチン種を生成できる前記酵素は、E.coliビオチンリガーゼ、A.aeolicusビオチンリガーゼ、B.subtilisビオチンリガーゼ、及びアスコルビン酸ペルオキシダーゼからなる群から選択される、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
反応性ビオチン種を生成できる前記酵素は、前記酵素の2つの相補的な半分を含み、前記2つの相補的な半分のそれぞれは、独立して、別個の近接検出器に融合または結合される、請求項96または請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記第1及び前記第2及び/または前記第3及び前記第4の近接検出器は、それぞれ独立して、二分子BiFCタンパク質の相補的な半分である、請求項88に記載の方法。
【請求項100】
前記BiFCタンパク質は、高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)、YFP、高感度CFP(ECFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、高感度青色蛍光タンパク質(EBFP)、mCherry、mHoneydew、mBanana、mOrange、tdTomato、mTangerine、mStrawberry、mCherry、mGrape1、mRaspberry、mGrape2、mPlum、dsRed、またはルシフェラーゼである、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記第1、前記第2、前記第3、前記第4、前記第5及び/または前記第6の親和性リガンドのそれぞれは、抗体もしくはその抗原結合断片、一本鎖ポリペプチドもしくはオリゴペプチド、またはアプタマーを含む、請求項1~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記第1、前記第2、前記第3、前記第4、前記第5及び/または前記第6の親和性リガンドは、抗体またはその抗原結合断片である、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記第1、前記第2、前記第3、前記第4、前記第5及び/または前記第6の親和性リガンドは、一本鎖ポリペプチドまたはオリゴペプチドである、請求項101に記載の方法。
【請求項104】
前記一本鎖ポリペプチドまたはオリゴペプチドはヘビ毒毒素である、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記ヘビ毒毒素はタイポキシンである、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記第1、前記第2、前記第3、前記第4、前記第5及び/または前記第6の親和性リガンドはアプタマーである、請求項101に記載の方法。
【請求項107】
前記神経障害は、神経変性障害、神経発達障害、及び精神神経障害からなる群から選択される、請求項1~106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記神経変性障害は、加齢性認知機能低下、アルツハイマー病(AD)、ダウン症候群、正常圧水頭症、アルツハイマー病関連認知症(ADRD)、パーキンソン病、ハンチントン病、運動ニューロン疾患、脊髄小脳失調症、脊髄性筋萎縮症、フリードライヒ運動失調症、プリオン病、またはリソソーム蓄積障害である、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記ADは孤発性ADまたは家族性ADである、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記ADRDは、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知障害及び認知症、または混合病因認知症である、請求項108に記載の方法。
【請求項111】
前記神経発達障害は、知的障害、X連鎖知的障害、学習障害、自閉症スペクトラム症、発達性運動障害、チック症、脳性麻痺、コミュニケーション及び言語障害、脆弱X症候群、ダウン症候群、注意欠陥多動障害、または神経毒物質による神経発達障害である、請求項107に記載の方法。
【請求項112】
前記精神神経障害は、大うつ病、双極性障害、強迫性障害、摂食障害、または統合失調症である、請求項107に記載の方法。
【請求項113】
前記血液試料は、血清試料または血漿試料である、請求項1~112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記近接距離閾値は、40nm、35nm、25nm、20nm、15nm、10nm、5nmまたは1nm以下である、請求項1~113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記第1、前記第2、前記第3及び/または前記第4のシナプスタンパク質のうちの1つ以上は、前記対象の前記試料のエキソソームから単離される、請求項1~114のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記増幅は、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を使用して行われる、請求項1~115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記対象はヒトである、請求項1~116のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2021年11月29日に作成された前記ASCIIコピーは、「51556-002WO2_Sequence_Listing_11_29_21_ST25」という名称であり、サイズは1,354バイトである。
【0002】
連邦政府支援の研究に関する声明文
本発明は、国立衛生研究所により付与されたR35NS097966の下、政府の支援を受けて行われた。政府は、本発明において特定の権利を有する。
【0003】
本開示は、アルツハイマー病及び他の神経障害を診断するための方法に関する。
【背景技術】
【0004】
神経変性は、アルツハイマー病(AD)などの進行性認知症に関連する多くの疾患で観察される、病態生理学的プロセスである。このプロセスの重要な特徴は、脳組織の全体的な破壊と、とりわけ、それに伴う認知機能の低下、言語障害及び記憶喪失を含むあらゆる認知及び行動の欠陥とを引き起こす、神経変性及び神経細胞死である。
【0005】
ADは、高齢者の認知症症例の大部分の原因となる遅発性神経変性疾患である。AD患者は、短期及び長期記憶の潜行性喪失、注意欠陥、言語特有の問題、見当識障害、衝動制御、引きこもり、快感消失、及び他の症状を含む症状によって特徴付けられる進行性の認知機能低下を患っている。ADの目立った神経病理学的特徴は、アミロイドβプラークの細胞外凝集体と、過剰リン酸化した微小管関連タウタンパク質からなる神経原線維変化である。これらの凝集体の蓄積は、大脳皮質の前頭葉、側頭葉及び頭頂葉、ならびに前脳基底部コリン作動系及び脳幹内の青斑核などの皮質下構造を含む、多くの脳領域における神経細胞の喪失及び萎縮と関連している。これらの目立った診断上の特徴は、疾病負荷を強く示すものではあるが、多くの場合、症状の発症後しばらく経ってから、または死後に発見される。したがって、対象を、AD及び他の神経障害を有するか、または発症するリスクがあると診断する改良された方法の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、神経細胞ペントラキシン2(NPTX2)、神経細胞ペントラキシン1(NPTX1)及び神経細胞ペントラキシン受容体(NPTXR)からなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、対象の血液試料中の第1の複合体の量の増加により、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定される。
【0007】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、対象の血液試料中の第1の複合体の量の減少により、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定される。
【0008】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成する工程であって、第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第1のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第1の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の第1の近接信号を検出する工程であって、第1の近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、(v)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第3及び第4のシナプスタンパク質は第3の複合体中にあり、接触により第3の親和性リガンド、第3のシナプスタンパク質、第4の親和性リガンド及び第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第4の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(vi)第4の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成する工程であって、第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる、第4の複合体を接触させる工程と、(vii) 第2のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第3のシナプスタンパク質が第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第2の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(viii)血液試料中の第2の近接信号を検出する工程であって、第2の近接信号は、血液試料中の第3の複合体の量を示す、第2の近接信号を検出する工程と、(ix)第1の複合体の量を第3の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第3の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率の減少により、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する。いくつかの実施形態では、方法は、血液試料を、第3のシナプスタンパク質に特異的な固定化した親和性リガンドと接触させることを更に含む。
【0009】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、対象の血液試料中の第1の複合体の量の増加により、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定される。いくつかの実施形態では、第1の親和性リガンドは第1の近接検出器に結合し、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器に結合する。
【0010】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、対象の血液試料中の第1の複合体の量の減少により、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定される。いくつかの実施形態では、第1の親和性リガンドは第1の近接検出器に結合し、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器に結合する。
【0011】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を決定する工程と、(iii)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第3及び第4のシナプスタンパク質は第2の複合体中にあり、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(iv)対象の血液試料中の第2の複合体の量を測定する工程と、(v)第1の複合体の量を第2の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第2の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率の減少により、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定される。いくつかの実施形態では、方法は、血液試料を、第3のシナプスタンパク質に特異的な固定化した親和性リガンドと接触させることを更に含む。いくつかの実施形態では、第1の親和性リガンドは第1の近接検出器を含み(例えば、それに結合し)、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器を含む。いくつかの実施形態では、第3の親和性リガンドは第3の近接検出器を含み、第4の親和性リガンドは第4の近接検出器を含む。
【0012】
別の態様では、本開示は、治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、対象の血液試料中の第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して増加している場合、対象は、治療薬による治療のために選択される。
【0013】
別の態様では、本開示は、治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、対象の血液試料中の第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して減少している場合、対象は、治療薬による治療のために選択される。
【0014】
別の態様では、本開示は、治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成する工程であって、第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第1のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第1の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の第1の近接信号を検出する工程であって、第1の近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、(v)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第3及び第4のシナプスタンパク質は第3の複合体中にあり、接触により第3の親和性リガンド、第3のシナプスタンパク質、第4の親和性リガンド及び第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第4の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(vi)第4の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成する工程であって、第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる、第4の複合体を接触させる工程と、(vii)第2のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第3のシナプスタンパク質が第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第2の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(viii)血液試料中の第2の近接信号を検出する工程であって、第2の近接信号は、血液試料中の第3の複合体の量を示す、第2の近接信号を検出する工程と、(ix)第1の複合体の量を第3の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第3の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率が減少している場合、対象は、治療薬による治療のために選択される。いくつかの実施形態では、方法は、血液試料を、第3のシナプスタンパク質に特異的な固定化した親和性リガンドと接触させることを更に含む。
【0015】
別の態様では、本開示は、治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量が増加している場合、対象は、治療薬による治療のために選択される。いくつかの実施形態では、第1の親和性リガンドは第1の近接検出器に結合し、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器に結合する。
【0016】
別の態様では、本開示は、治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量が増加している場合、対象は、治療薬による治療のために選択される。いくつかの実施形態では、第1の親和性リガンドは第1の近接検出器に結合し、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器に結合する。
【0017】
別の態様では、本開示は、治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を決定する工程と、(iii)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第3及び第4のシナプスタンパク質は第2の複合体中にあり、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(iv)対象の血液試料中の第2の複合体の量を測定する工程と、(v)第1の複合体の量を第2の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第2の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率が減少している場合、対象は、治療薬による治療のために選択される。いくつかの実施形態では、第1の親和性は第1の近接検出器を含み、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器を含む。いくつかの実施形態では、第3の親和性リガンドは第3の近接検出器を含み、第4の親和性リガンドは第4の近接検出器を含む。いくつかの実施形態では、方法は、血液試料を、第3のシナプスタンパク質に特異的な固定化した親和性リガンドと接触させることを更に含む。
【0018】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量が増加している場合、対象は、神経障害に対する回復力がないと判断され、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量が変化していないか、または減少している場合、対象は、神経障害に対する回復力があると判断される。
【0019】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量が減少している場合、対象は、神経障害に対する回復力がないと判断され、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量が変化していないか、または増加している場合、対象は、神経障害に対する回復力があると判断される。
【0020】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成する工程であって、第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第1のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第1の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の第1の近接信号を検出する工程であって、第1の近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、(v)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第3及び第4のシナプスタンパク質は第3の複合体中にあり、接触により第3の親和性リガンド、第3のシナプスタンパク質、第4の親和性リガンド及び第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第4の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(vi)第4の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成する工程であって、第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる、第4の複合体を接触させる工程と、(vii)第2のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第3のシナプスタンパク質が第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第2の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(viii)血液試料中の第2の近接信号を検出する工程であって、第2の近接信号は、血液試料中の第3の複合体の量を示す、第2の近接信号を検出する工程と、(ix)第1の複合体の量を第3の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第3の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率が減少している場合、対象は、神経障害に対する回復力がないと判断され、参照血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率が変化していないか、または増加している場合、対象は、神経障害に対する回復力があると判断される。いくつかの実施形態では、方法は、血液試料を、第3のシナプスタンパク質に特異的な固定化した親和性リガンドと接触させることを更に含む。
【0021】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量が増加している場合、対象は、神経障害に対する回復力がないと判断され、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量が変化していないか、または減少している場合、対象は、神経障害に対する回復力があると判断される。いくつかの実施形態では、第1の親和性リガンドは第1の近接検出器に結合し、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器に結合する。
【0022】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量が減少している場合、対象は、神経障害に対する回復力がないと判断され、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量が変化していないか、または増加している場合、対象は、神経障害に対する回復力があると判断される。いくつかの実施形態では、第1の親和性リガンドは第1の近接検出器に結合し、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器に結合する。
【0023】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を決定する工程と、(iii)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第3及び第4のシナプスタンパク質は第2の複合体中にあり、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(iv)対象の血液試料中の第2の複合体の量を測定する工程と、(v)第1の複合体の量を第2の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第2の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率が減少している場合、対象は、神経障害に対する回復力がないと判断され、参照血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率が変化していないか、または減少している場合、対象は、神経障害に対する回復力があると判断される。いくつかの実施形態では、第1の親和性リガンドは第1の近接検出器を含み、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器を含む。いくつかの実施形態では、第3の親和性リガンドは第3の近接検出器を含み、第4の親和性リガンドは第4の近接検出器を含む。いくつかの実施形態では、方法は、血液試料を、第3のシナプスタンパク質に特異的な固定化した親和性リガンドと接触させることを更に含む。
【0024】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量が変化してしないか、または減少している場合、薬剤は、対象に治療上有効であると決定される。
【0025】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量が変化してしないか、または増加している場合、薬剤は、対象に治療上有効であると決定される。
【0026】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成する工程であって、第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第1のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第1の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の第1の近接信号を検出する工程であって、第1の近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、(v)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第3及び第4のシナプスタンパク質は第3の複合体中にあり、接触により第3の親和性リガンド、第3のシナプスタンパク質、第4の親和性リガンド及び第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第4の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(v)第4の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成する工程であって、第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる、第4の複合体を接触させる工程と、(vii)第2のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第3のシナプスタンパク質が第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第2の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(viii)血液試料中の第2の近接信号を検出する工程であって、第2の近接信号は、血液試料中の第3の複合体の量を示す、第2の近接信号を検出する工程と、(ix)第1の複合体の量を第3の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第3の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率が変化していないか、または増加している場合、薬剤は、対象に治療上有効であると決定される。いくつかの実施形態では、方法は、血液試料を、第3のシナプスタンパク質に特異的な固定化した親和性リガンドと接触させることを更に含む。
【0027】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量が変化していないか、または減少している場合、薬剤は、対象に治療上有効であると決定される。いくつかの実施形態では、第1の親和性リガンドは第1の近接検出器に結合し、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器に結合する。
【0028】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量が変化していないか、または増加している場合、薬剤は、対象に治療上有効であると決定される。いくつかの実施形態では、第1の親和性リガンドは第1の近接検出器に結合し、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器に結合する。
【0029】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を決定する工程と、(iii)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第3及び第4のシナプスタンパク質は第2の複合体中にあり、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(iv)対象の血液試料中の第2の複合体の量を測定する工程と、(v)第1の複合体の量を第2の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第2の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率が変化していないか、または増加している場合、薬剤は、対象に治療上有効であると決定される。いくつかの実施形態では、方法は、血液試料を、第3のシナプスタンパク質に特異的な固定化した親和性リガンドと接触させることを更に含む。いくつかの実施形態では、第1の親和性リガンドは第1の近接検出器を含み、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器を含む。いくつかの実施形態では、第3の親和性リガンドは第3の近接検出器を含み、第4の親和性リガンドは第4の近接検出器を含む。
【0030】
別の態様では、本開示は、神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象における学習及び記憶を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量の増加は、対象の学習及び記憶の低下を示す。
【0031】
別の態様では、本開示は、神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象における学習及び記憶を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量の減少は、対象の学習及び記憶の低下を示す。
【0032】
別の態様では、本開示は、神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象における学習及び記憶を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成する工程であって、第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第1のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第1の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の第1の近接信号を検出する工程であって、第1の近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、(v)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第3及び第4のシナプスタンパク質は第3の複合体中にあり、接触により第3の親和性リガンド、第3のシナプスタンパク質、第4の親和性リガンド及び第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第4の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(vi)第4の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成する工程であって、第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる、第4の複合体を接触させる工程と、(vii)第2のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第3のシナプスタンパク質が第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第2の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(viii)血液試料中の第2の近接信号を検出する工程であって、第2の近接信号は、血液試料中の第3の複合体の量を示す、第2の近接信号を検出する工程と、(ix)第1の複合体の量を第3の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第3の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率の減少は、対象の学習及び記憶の低下を示す。いくつかの実施形態では、方法は、血液試料を、第3のシナプスタンパク質に特異的な固定化した親和性リガンドと接触させることを更に含む。
【0033】
別の態様では、本開示は、神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象における学習及び記憶を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量の増加は、対象の学習及び記憶の低下を示す。いくつかの実施形態では、第1の親和性リガンドは第1の近接検出器に結合し、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器に結合する。
【0034】
別の態様では、本開示は、神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象における学習及び記憶を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量の減少は、対象の学習及び記憶の低下を示す。いくつかの実施形態では、第1の親和性リガンドは第1の近接検出器に結合し、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器に結合する。
【0035】
別の態様では、本開示は、神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象における学習及び記憶を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を決定する工程と、(iii)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第3及び第4のシナプスタンパク質は第2の複合体中にあり、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(iv)対象の血液試料中の第2の複合体の量を測定する工程と、(v)第1の複合体の量を第2の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第2の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第2の複合体に対する比率の減少は、対象の学習及び記憶の低下を示す。いくつかの実施形態では、方法は、血液試料を、第3のシナプスタンパク質に特異的な固定化した親和性リガンドと接触させることを更に含む。いくつかの実施形態では、第1の親和性リガンドは第1の近接検出器を含み、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器を含む。いくつかの実施形態では、第3の親和性リガンドは第3の近接検出器を含み、第4の親和性リガンドは第4の近接検出器を含む。
【0036】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含む、シナプスタンパク質複合体の量を定量化する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中のシナプスタンパク質の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含む。
【0037】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含む、シナプスタンパク質複合体の量を定量化する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中にあり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質、第2の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質であり、第1の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(iv)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中のシナプスタンパク質の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含む。
【0038】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含む、シナプスタンパク質複合体の量を定量化する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、第1の複合体の量は、対象の血液試料中のシナプスタンパク質複合体の量を示す。いくつかの実施形態では、第1の親和性リガンドは第1の近接検出器に結合し、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器に結合する。
【0039】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含む、シナプスタンパク質複合体の量を定量化する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、接触させる工程であって、第1及び第2のシナプスタンパク質は第1の複合体中に存在し、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、第1の複合体の量は、対象の血液試料中のシナプスタンパク質複合体の量を示す。いくつかの実施形態では、第1の親和性リガンドは第1の近接検出器に結合し、第2の親和性リガンドは第2の近接検出器に結合する。
【0040】
前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、血液試料を第1のシナプスタンパク質に特異的な固定化された親和性リガンドと接触させ、それによって、リガンドを表面(例えば、プレート、樹脂、粒子(例えば、ビーズ)などの固体支持体)に捕捉することを更に含む。前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、血液試料を第3のシナプスタンパク質に特異的な固定化された親和性リガンドと接触させ、それによって、リガンドを表面に捕捉することを更に含む。
【0041】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖(例えば、配列番号1)に結合し、かつ第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖(例えば、配列番号2)に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド(例えば、スプリントオリゴヌクレオチド、例えば、配列番号3)及びリガーゼ酵素(例えば、T4 DNAリガーゼ)と接触させ、それによって、LPMOSを生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド(例えば、配列番号4)及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチド(例えば、配列番号5)とハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させる工程と、(iv)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、対象の血液試料中の第1の複合体の量の増加により、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定される。
【0042】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させる工程と、(iv)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、対象の血液試料中の第1の複合体の量の減少により、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定される。
【0043】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を第1の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成する工程であって、第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させることと、(iv)第1のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第1の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の第1の近接信号を検出する工程であって、第1の近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、(vi)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させる工程であって、第4の親和性リガンドは表面に固定化され、第3のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第4の複合体の一部であり、接触により第4の親和性リガンド、第3のシナプスタンパク質及び第4のシナプスタンパク質を含む第5の複合体が生成され、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(vii)第5の複合体を、第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第5の複合体、第5の親和性リガンド及び第6の親和性リガンドを含む第6の複合体が生成され、第5の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第6の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第5の複合体を接触させる工程と、(viii)第5の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成する工程であって、第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる、第5の複合体を接触させる工程と、(ix)第2のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第3のシナプスタンパク質が第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第2の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(x)血液試料中の第2の近接信号を検出する工程であって、第2の近接信号は、血液試料中の第4の複合体の量を示す、第2の近接信号を検出する工程と、(xi)第1の複合体の量を第4の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第4の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率の減少により、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する。
【0044】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、対象の血液試料中の第1の複合体の量の増加により、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定される。
【0045】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、対象の血液試料中の第1の複合体の量の減少により、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定される。
【0046】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、(iv)対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させる工程であって、第4の親和性リガンドは表面に固定化され、第3のシナプスタンパク質タンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第3の複合体の一部であり、接触により、第4の親和性リガンド、第3のシナプスタンパク質及び第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(v)第4の複合体を、第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させる工程と、(vi)対象の血液試料中の第3の複合体の量を測定する工程と、(vii)第1の複合体の量を第3の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第3の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率と比較した、対象の血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率の減少により、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定される。
【0047】
別の態様では、本開示は、治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させる工程と、(iv)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、対象の血液試料中の第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して増加している場合、対象は、治療薬による治療のために選択される。
【0048】
別の態様では、本開示は、治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させる工程と、(iv)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、対象の血液試料中の第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して減少している場合、対象は、治療薬による治療のために選択される。
【0049】
別の態様では、本開示は、治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を第1の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成する工程であって、第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させる工程と、(iv)第1のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第1の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の第1の近接信号を検出する工程であって、第1の近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、(vi)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させる工程であって、第4の親和性リガンドは表面に固定化され、第3のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第4の複合体の一部であり、接触により、第4の親和性リガンド、第3のシナプスタンパク質及び第4のシナプスタンパク質を含む第5の複合体が生成され、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(vii)第5の複合体を、第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第5の複合体、第5の親和性リガンド及び第6の親和性リガンドを含む第6の複合体が生成され、第5の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第6の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第5の複合体を接触させる工程と、(viii)第5の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成する工程であって、第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる、第5の複合体を接触させる工程と、(ix)第2のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第3のシナプスタンパク質が第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第2の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(x)血液試料中の第2の近接信号を検出する工程であって、第2の近接信号は、血液試料中の第4の複合体の量を示す、第2の近接信号を検出する工程と、(xi)第1の複合体の量を第4の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第4の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、対象の血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率が、参照血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率と比較して減少している場合、対象は、治療薬による治療のために選択される。
【0050】
別の態様では、本開示は、治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量が増加している場合、対象は、治療薬による治療のために選択される。
【0051】
別の態様では、本開示は、治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量が減少している場合、対象は、治療薬による治療のために選択される。
【0052】
別の態様では、本開示は、治療薬による治療のために、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象を選択する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、(iv)対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させる工程であって、第4の親和性リガンドは表面に固定化され、第3のシナプスタンパク質タンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第3の複合体の一部であり、接触により、第4の親和性リガンド、第3のシナプスタンパク質及び第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(v)第4の複合体を、第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させる工程と、(vi)対象の血液試料中の第3の複合体の量を測定する工程と、(vii)第1の複合体の量を第3の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第3の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率が減少している場合、対象は、治療薬による治療のために選択される。
【0053】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させる工程と、(iv)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、対象の血液試料中の第1の複合体の量が参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して増加する場合、対象は、神経障害に対して回復力がないと判断され、対象の血液試料中の第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または減少している場合、対象は、神経障害に対して回復力があると判断される。
【0054】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させる工程と、(iv)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、対象の血液試料中の第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して減少している場合、対象は、神経障害に対する回復力がないと判断され、対象の血液試料中の第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または増加している場合、対象は、神経障害に対する回復力があると判断される。
【0055】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を第1の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成する工程であって、第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させる工程と、(iv)第1のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第1の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の第1の近接信号を検出する工程であって、第1の近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、(vi)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させる工程であって、第4の親和性リガンドは表面に固定化され、第3のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第4の複合体の一部であり、接触により、第4の親和性リガンド、第3のシナプスタンパク質及び第4のシナプスタンパク質を含む第5の複合体が生成され、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(vii)第5の複合体を、第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第5の複合体、第5の親和性リガンド及び第6の親和性リガンドを含む第6の複合体が生成され、第5の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第6の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第5の複合体を接触させる工程と、(viii)第5の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成する工程であって、第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる、第5の複合体を接触させる工程と、(ix)第2のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第3のシナプスタンパク質が第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第2の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(x)血液試料中の第2の近接信号を検出する工程であって、第2の近接信号は、血液試料中の第4の複合体の量を示す、第2の近接信号を検出する工程と、(xi)第1の複合体の量を第4の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第4の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、対象の血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率が、参照血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率と比較して減少している場合、対象は、神経障害に対する回復力がないと判断され、対象の血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率が、参照血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率と比較して変化していないか、または増加している場合、対象は、神経障害に対する回復力があると判断される。
【0056】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、対象の血液試料中の第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して増加している場合、対象は、神経障害に対する回復力がないと判断され、対象の血液試料中の第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または減少している場合、対象は、神経障害に対する回復力があると判断される。
【0057】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、対象の血液試料中の第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して減少している場合、対象は、神経障害に対する回復力がないと判断され、対象の血液試料中の第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または増加している場合、対象は、神経障害に対する回復力があると判断される。
【0058】
別の態様では、本開示は、対象を神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、(iv)対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させる工程であって、第4の親和性リガンドは表面に固定化され、第3のシナプスタンパク質タンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第3の複合体の一部であり、接触により、第4の親和性リガンド、第3のシナプスタンパク質及び第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(v)第4の複合体を、第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させる工程と、(vi)対象の血液試料中の第3の複合体の量を測定する工程と、(vii)第1の複合体の量を第3の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第3の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率が減少している場合、対象は、神経障害に対する回復力がないと判断され、参照血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率が変化していないか、または減少している場合、対象は、神経障害に対する回復力があると判断される。
【0059】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させる工程と、(iv)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、対象の血液試料中の第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または減少している場合、薬剤は、対象に治療上有効であると判断される。
【0060】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させる工程と、(iv)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、対象の血液試料中の第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または増加している場合、薬剤は、対象に治療上有効であると判断される。
【0061】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を第1の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第1のLPMOSを生成する工程であって、第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させる工程と、(iv)第1のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第1の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の第1の近接信号を検出する工程であって、第1の近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、(vi)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させる工程であって、第4の親和性リガンドは表面に固定化され、第3のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第4の複合体の一部であり、接触により、第4の親和性リガンド、第3のシナプスタンパク質及び第4のシナプスタンパク質を含む第5の複合体が生成され、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(vii)第5の複合体を、第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第5の複合体、第5の親和性リガンド及び第6の親和性リガンドを含む第6の複合体が生成され、第5の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第6の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第5の複合体を接触させる工程と、(viii)第5の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成する工程であって、第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる、第5の複合体を接触させる工程と、(ix)第2のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第3のシナプスタンパク質が第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第2の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(x)血液試料中の第2の近接信号を検出する工程であって、第2の近接信号は、血液試料中の第4の複合体の量を示す、第2の近接信号を検出する工程と、(xi)第1の複合体の量を第4の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第4の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、対象の血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率が、参照血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率と比較して変化していないか、または増加している場合、薬剤は、対象に治療上有効であると判断される。
【0062】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、対象の血液試料中の第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または減少している場合、薬剤は、対象に治療上有効であると判断される。
【0063】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、対象の血液試料中の第1の複合体の量が、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して変化していないか、または増加している場合、薬剤は、対象に治療上有効であると判断される。
【0064】
別の態様では、本開示は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における薬剤の治療効果を判定する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、(iv)対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させる工程であって、第4の親和性リガンドは表面に固定化され、第3のシナプスタンパク質タンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第3の複合体の一部であり、接触により、第4の親和性リガンド、第3のシナプスタンパク質及び第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(v)第4の複合体を、第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させる工程と、(vi)対象の血液試料中の第3の複合体の量を測定する工程と、(vii)第1の複合体の量を第3の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第3の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、対象の血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率が、参照血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率と比較して変化していないか、または増加している場合、薬剤は、対象に治療上有効であると判断される。
【0065】
別の態様では、本開示は、神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象における学習及び記憶を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させる工程と、(iv)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量の増加は、対象の学習及び記憶の低下を示す。
【0066】
別の態様では、本開示は、神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象における学習及び記憶を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させる工程と、(iv)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、対象の血液試料中の第1の複合体の量の減少は、対象の学習及び記憶の低下を示す。
【0067】
別の態様では、本開示は、神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象における学習及び記憶を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドは第1のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第3の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を第1の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成する工程であって、第1のLPMOSは、第1の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第1の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させる工程と、(iv)第1のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第1の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の第1の近接信号を検出する工程であって、第1の近接信号は、血液試料中の第1の複合体の量を示す、近接信号を検出する工程と、(vi)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させる工程であって、第4の親和性リガンドは表面に固定化され、第3のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第4の複合体の一部であり、接触により、第4の親和性リガンド、第3のシナプスタンパク質及び第4のシナプスタンパク質を含む第5の複合体が生成され、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(vii)第5の複合体を、第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第5の複合体、第5の親和性リガンド及び第6の親和性リガンドを含む第6の複合体が生成され、第5の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第6の親和性リガンドは第2のオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第5の複合体を接触させる工程と、(viii)第5の複合体を第2の一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、第2のLPMOSを生成する工程であって、第2のLPMOSは、第2の順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び第2の逆方向プライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる、第5の複合体を接触させる工程と、(ix)第2のLPMOS上で増幅を実行する工程であって、第3のシナプスタンパク質が第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は第2の近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(x)血液試料中の第2の近接信号を検出する工程であって、第2の近接信号は、血液試料中の第4の複合体の量を示す、第2の近接信号を検出する工程と、(xi)第1の複合体の量を第4の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第4の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率と比較した、対象の血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率の減少は、対象の学習及び記憶の低下を示す。
【0068】
別の態様では、本開示は、神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象における学習及び記憶を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較した、対象の血液試料中の第1の複合体の量の増加は、対象の学習及び記憶の低下を示す。
【0069】
別の態様では、本開示は、神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象における学習及び記憶を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の量と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の量の減少は、対象の学習及び記憶の低下を示す。
【0070】
別の態様では、本開示は、神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象における学習及び記憶を評価する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、(iv)対象から得た血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第3のシナプスタンパク質に特異的な第4の親和性リガンドと接触させる工程であって、第4の親和性リガンドは表面に固定化され、第3のシナプスタンパク質タンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第4のシナプスタンパク質との第3の複合体の一部であり、接触により、第4の親和性リガンド、第3のシナプスタンパク質及び第4のシナプスタンパク質を含む第4の複合体が生成され、第3及び第4のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(v)第4の複合体を、第3のシナプスタンパク質に特異的な第5の親和性リガンドと、第4のシナプスタンパク質に特異的な第6の親和性リガンドと、接触させる工程と、(vi)対象の血液試料中の第3の複合体の量を測定する工程と、(vii)第1の複合体の量を第3の複合体の量で割ることにより、第1の複合体の第3の複合体に対する比率を定量化する工程と、を含み、参照血液試料中の第1の複合体の第4の複合体に対する比率と比較して、対象の血液試料中の第1の複合体の第3の複合体に対する比率の減少は、対象の学習及び記憶の低下を示す。
【0071】
別の態様では、本開示は、神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含む、シナプスタンパク質複合体の量を定量化する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させる工程と、(iv)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中のシナプスタンパク質の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含む。
【0072】
別の態様では、本開示は、神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含む、シナプスタンパク質複合体の量を定量化する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程であって、接触により、第2の複合体、第2の親和性リガンド及び第3の親和性リガンドを含む第3の複合体が生成され、第2の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドプラス鎖に結合し、かつ第3の親和性リガンドはオリゴヌクレオチドマイナス鎖に結合している、第2の複合体を接触させる工程と、(iii)第3の複合体を一本鎖コネクターオリゴヌクレオチド及びリガーゼ酵素と接触させ、それによって、LPMOSを生成する工程であって、LPMOSは、順方向プライマーオリゴヌクレオチド及び逆方向プライマーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる、第3の複合体を接触させる工程と、(iv)LPMOS上で増幅を実行する工程であって、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合、増幅は近接信号を生成する、増幅を実行する工程と、(v)血液試料中の近接信号を検出する工程であって、近接信号は、血液試料中のシナプスタンパク質の量を示す、近接信号を検出する工程と、を含む。
【0073】
別の態様では、本開示は、神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含む、シナプスタンパク質複合体の量を定量化する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、第1の複合体の量は、対象の血液試料中のシナプスタンパク質複合体の量を示す。
【0074】
別の態様では、本開示は、神経疾患もしくは障害を有するか、または神経疾患もしくは障害を発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含む、シナプスタンパク質複合体の量を定量化する方法を提供し、前記方法は、(i)対象から得られた血液試料を、NPTX2、NPTX1及びNPTXRからなる群から選択される第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドと接触させる工程であって、第1の親和性リガンドは表面に固定化され、第1のシナプスタンパク質は、第2のシナプスタンパク質との第1の複合体の一部であり、接触により、第1の親和性リガンド、第1のシナプスタンパク質(例えば、表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)及び第2のシナプスタンパク質を含む第2の複合体が生成され、第1及び第2のシナプスタンパク質は異なるタンパク質である、血液試料を接触させる工程と、(ii)第2の複合体を、第1のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドと、第2のシナプスタンパク質に特異的な第3の親和性リガンドと、接触させる工程と、(iii)対象の血液試料中の第1の複合体の量を測定する工程と、を含み、第1の複合体の量は、対象の血液試料中のシナプスタンパク質複合体の量を示す。
【0075】
前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、第1のシナプスタンパク質はNPTX2であり、かつ第2のシナプスタンパク質はNPTXRであり、または第1のシナプスタンパク質はNPTXRであり、かつ第2のシナプスタンパク質はNPTX2である。前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、第1のシナプスタンパク質はNPTX1であり、かつ第2のシナプスタンパク質はNPTXRであり、または第1のシナプスタンパク質はNPTXRであり、かつ第2のシナプスタンパク質はNPTX1である。前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、第1のシナプスタンパク質はNPTX2であり、かつ第2のシナプスタンパク質はNPTX1であり、または第1のシナプスタンパク質はNPTX1であり、かつ第2のシナプスタンパク質はNPTX2である。前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、第3のシナプスタンパク質はNPTX2であり、かつ第4のシナプスタンパク質はNPTXRであり、または第3のシナプスタンパク質はNPTXRであり、かつ第4のシナプスタンパク質はNPTX2である。前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、第3のシナプスタンパク質はNPTX1であり、かつ第4のシナプスタンパク質はNPTXRであり、または第3のシナプスタンパク質はNPTXRであり、かつ第4のシナプスタンパク質はNPTXである。前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、第1のシナプスタンパク質はNPTX2であり、かつ第2のシナプスタンパク質はNPTX1であり、または第3のシナプスタンパク質はNPTX1であり、かつ第4のシナプスタンパク質はNPTX2である。
【0076】
前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、第1のシナプスタンパク質はNPTX2であり、第2のシナプスタンパク質は、グルタミン酸イオンチャネル型受容体AMPA型サブユニット4(GluA4)である。前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、第1のシナプスタンパク質はNPTX1であり、第2のシナプスタンパク質はGluA4である。前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、第1のシナプスタンパク質はNPTXRであり、第2のシナプスタンパク質はGluA4である。前述の態様のいずれか1つのいずれかのいくつかの実施形態では、第1のシナプスタンパク質はNPTX2であり、第2のシナプスタンパク質は、グルタミン酸イオンチャネル型受容体AMPA型サブユニット1(GluA1)である。前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、第1のシナプスタンパク質はNPTX1であり、第2のシナプスタンパク質はGluA1である。前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、第1のシナプスタンパク質はNPTXRであり、第2のシナプスタンパク質はGluA1である。
【0077】
前述の態様及び実施形態のいくつかの実施形態では、第2の親和性リガンドは第1の近接検出器を含み、第3の親和性リガンドは第2の近接検出器を含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2の近接検出器は、第1のシナプスタンパク質が第2のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合に、第1の近接信号を生成し、第1の近接信号は、対象の血液試料中の第1の複合体の量を示す。いくつかの実施形態では、第5の親和性リガンドは第3の近接検出器を含み、第3の親和性リガンドは第4の近接検出器を含む。いくつかの実施形態では、第3及び第4の近接検出器は、第3のシナプスタンパク質が第4のシナプスタンパク質に対して近接距離閾値内にある場合に、第2の近接信号を生成し、第2の近接信号は、対象の血液試料中の第3の複合体の量を示す。
【0078】
前述の態様及び実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、第1、第2、第3及び/または第4の近接検出器は、オリゴヌクレオチド、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)発色団または生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)発色団、生体分子蛍光相補(BiFC)タンパク質またはその断片、及び反応性ビオチン種を生成できる酵素からなる群から選択される。
【0079】
前述の態様及び実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、第1、第2、第3及び/または第4の近接検出器は、オリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、第1及び第3の近接検出器は、オリゴヌクレオチドプラス鎖(例えば、配列番号1)を含み、第2及び第4の近接検出器は、オリゴヌクレオチドマイナス鎖(例えば、配列番号2)を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドプラス鎖及びマイナス鎖は、コネクターオリゴヌクレオチド(例えば、配列番号3)にハイブリダイズするように構成される。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドプラス鎖は、順方向プライマー(例えば、配列番号4)にハイブリダイズするように構成され、オリゴヌクレオチドマイナス鎖は、逆方向プライマー(例えば、配列番号5)にハイブリダイズするように構成される。
【0080】
前述の態様及び実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、第1、第2、第3及び/または第4の近接検出器は、FRETまたはBRET発色団である。いくつかの実施形態では、FRETまたはBRET発色団は、シアン蛍光タンパク質(CFP)-黄色蛍光タンパク質(YFP)対及びルシフェラーゼ-YFPからなる群から選択される一対の蛍光タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、一対の蛍光タンパク質中のタンパク質のそれぞれは、独立して、別個の近接検出器に融合または結合される。
【0081】
前述の態様及び実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、第1、第2、第3及び第4の近接検出器は、反応性ビオチン種を生成できる酵素を含む。いくつかの実施形態では、反応性ビオチン種を生成できる酵素は、E.coliビオチンリガーゼ、A.aeolicusビオチンリガーゼ、B.subtilisビオチンリガーゼ、及びアスコルビン酸ペルオキシダーゼからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、反応性ビオチン種を生成できる酵素は、酵素の2つの相補的な半分を含み、2つの相補的な半分のそれぞれは、独立して、別個の近接検出器に融合または結合される。
【0082】
前述の態様及び実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、第1及び第2及び/または第3及び第4の近接検出器は、それぞれ独立して、二分子BiFCタンパク質の相補的な半分である。いくつかの実施形態では、BiFCタンパク質は、高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)、YFP、高感度CFP(ECFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、高感度青色蛍光タンパク質(EBFP)、mCherry、mHoneydew、mBanana、mOrange、tdTomato、mTangerine、mStrawberry、mCherry、mGrape1、mRaspberry、mGrape2、mPlum、dsRed、またはルシフェラーゼ(例えば、ウミシイタケルシフェラーゼ、ホタルルシフェラーゼ、コメツキムシルシフェラーゼ、カイアシルシフェラーゼ、細菌ルシフェラーゼ、または渦鞭毛藻ルシフェラーゼ)である。
【0083】
前述の態様及び実施形態のいくつかの実施形態では、第1、第2、第3、第4、第5及び/または第6の親和性リガンドのそれぞれは、抗体もしくはその抗原結合断片、一本鎖ポリペプチドもしくはオリゴペプチド、またはアプタマー(例えば、核酸アプタマー)を含む。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、第4、第5及び/または第6の親和性リガンドは、抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、第4、第5及び/または第6の親和性リガンドは、一本鎖ポリペプチドまたはオリゴペプチドである。いくつかの実施形態では、一本鎖ポリペプチドまたはオリゴペプチドはヘビ毒毒素である。いくつかの実施形態では、ヘビ毒毒素はタイポキシンである。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、第4、第5及び/または第6の親和性リガンドはアプタマーである。
【0084】
前述の態様及び実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、神経障害は、神経変性障害、神経発達障害、及び精神神経障害からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、神経変性障害は、加齢性認知機能低下、アルツハイマー病(AD、例えば、遅発性(孤発性)または家族性AD)、ダウン症候群、正常圧水頭症、アルツハイマー病関連認知症(ADRD)、パーキンソン病、ハンチントン病、運動ニューロン疾患、脊髄小脳失調症、脊髄性筋萎縮症、フリードライヒ運動失調症、プリオン病、またはリソソーム蓄積障害である。いくつかの実施形態では、ADは、孤発性ADまたは家族性ADである。いくつかの実施形態では、ADRDは、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知障害及び認知症、または混合病因認知症である。いくつかの実施形態では、神経発達障害は、知的障害、X連鎖知的障害、学習障害、自閉症スペクトラム症、発達性運動障害、チック症、脳性麻痺、コミュニケーション及び言語障害、脆弱X症候群、ダウン症候群、注意欠陥多動障害、または神経毒物質による神経発達障害である。いくつかの実施形態では、精神神経障害は、大うつ病、双極性障害、強迫性障害、摂食障害、または統合失調症である。
【0085】
前述の態様及び実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、血液試料は、血清試料または血漿試料である。
前述の態様及び実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、近接距離閾値は、40nm、35nm、25nm、20nm、15nm、10nm、5nmまたは1nm以下である。
【0086】
前述の態様及び実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、第1、第2、第3及び/または第4のシナプスタンパク質のうちの1つ以上は、対象の試料のエキソソームから単離される。
【0087】
前述の態様及び実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、増幅は、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を使用して実行される。
前述の態様及び実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【図面の簡単な説明】
【0088】
図1】本開示の例示的な近接ライゲーションアッセイ(PLA)の概略図を示す。対象(例えば、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象)からの血液試料(例えば、血液、血清または血漿)を、抗神経細胞ペントラキシン2(NPTX2)及び神経細胞ペントラキシン受容体(NPTXR)を含むシナプスタンパク質複合体を捕捉するために、表面(例えば、固体支持体、例えば、プレート、樹脂、粒子、容器)上に固定化された第1のNPTX2抗体と反応容器(例えば、プレート)内で接触させる。固定化された抗NPTX2抗体は、反応容器の表面上のNPTX2-NPTXR複合体を捕捉する。オリゴヌクレオチドプラス鎖(例えば、配列番号1)の5’末端に結合した第2の抗NPTX2抗体、及びオリゴヌクレオチドマイナス鎖(例えば、配列番号2)の3’末端に結合した抗PTXR抗体を、反応混合物に添加する。オリゴヌクレオチドプラス鎖の3’末端またはその近く、及びオリゴヌクレオチドマイナス鎖の5’末端またはその近くに結合することができるコネクター(例えば、スプリント)オリゴヌクレオチド(配列番号3)を含むライゲーション混合物、ならびにリガーゼ(例えば、T4 DNAリガーゼ)を、次に反応容器に添加する。プラス鎖とマイナス鎖の間が物理的に十分に近接していると、コネクターオリゴヌクレオチドはプラス鎖及びマイナス鎖の両方にハイブリダイズし、プラス鎖の3’末端とマイナス鎖の5’末端の黒い矢印で示した連結部位でのライゲーションを容易にするように両方を十分に近づける。続いて、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)は、連結部位の上流の順方向プライマー(例えば、配列番号4)とライゲーション部位の下流の逆方向プライマー(配列番号5)をアニールすることにより定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qRT-PCR)を用いて増幅される。増幅されたLPMOSを定量化し、対象の血液試料中の標的シナプスタンパク質、この場合はNPTX2とNPTXRの複合体のレベルを評価する。
図2】ELISAにより測定された脳脊髄液(CSF)由来のNPTX2レベルと、本開示のPLA法により独立して測定されたNPTX2-NPTXR複合体のレベルとの散布図を示す。ピアソン相関分析は、PLA測定値がELISA測定値と強い相関があることを示している(n=12)。
図3A】リン酸緩衝食塩水(PBS)+1%ウシ血清アルブミン(BSA)で連続希釈した血漿中のPLAによって測定された定量化されたNPTX2-NPTXRタンパク質複合体の散布図を示す。実線は、希釈曲線に対して実行された4パラメーターのロジスティック回帰を表す。
図3B】NPTX2除去血漿で連続希釈した血漿中のPLAによって測定された定量化されたNPTX2-NPTXRタンパク質複合体の散布図を示す。実線は、希釈曲線に対して実行された4パラメーターのロジスティック回帰を表す。
図4】臨床的に診断されたアルツハイマー病(AD)患者及び対応する健康な対照(Ctrl)からの血漿試料中のPLAによって測定された、定量化されたNPTX2-NPTXRタンパク質複合体の散布図を示す。NPTX2-NPTXRは、AD群で上昇する傾向があった(対照:n=34、AD:n=33、p=0.109、両側t検定)。平均値±平均値の標準誤差(SEM)は、データ点の上に実線として重ねて表示される。
図5A】ヒト血漿試料中のNPTX2及びグルタミン酸イオンチャネル型受容体AMPA型サブユニット4(GluA4)タンパク質の複合体の存在をアッセイするPLA実験から得られた希釈プロットを示す。この場合、抗NPTX2抗体を固体支持体上に固定化し、オリゴヌクレオチド結合抗NPTX2抗体及びGluA4抗体を使用した。血漿試料を、PBSまたはNPTX2除去血漿で2倍に連続希釈した。実線は、希釈曲線に対して適用された4パラメーターのロジスティック回帰を表す。
図5B】ヒト血漿試料中のNPTX2及びグルタミン酸イオンチャネル型受容体AMPA型サブユニット4(GluA4)タンパク質の複合体の存在をアッセイするPLA実験から得られた希釈プロットを示す。この場合、抗NPTX2抗体を固体支持体上に固定化し、オリゴヌクレオチド結合抗NPTX2抗体及びGluA4抗体を使用した。血漿試料を、PBSまたはNPTX2除去血漿で2倍に連続希釈した。実線は、希釈曲線に対して適用された4パラメーターのロジスティック回帰を表す。
図6A】臨床的に診断されたAD患者及び健康な対照(Ctrl)からの血漿試料のPLAによって測定された、シナプスタンパク質複合体の散布図を示す。NPTX2-GLuA4複合体のレベルを検出するためにPLAアッセイを実施したが、対照患者とAD患者との間に有意差は示されなかった。平均値±SEMは、データ点の上に実線として重ねて表示される。
図6B】臨床的に診断されたAD患者及び健康な対照(Ctrl)からの血漿試料のPLAによって測定された、シナプスタンパク質複合体の散布図を示す。試料中のNPTX2-NPTXR複合体のレベルによって正規化すると、NPTX2-GluA4レベルは、対照患者と比較してAD患者において有意に減少する(対照:n=34、AD:n=33、p=0.039、両側t検定)。平均値±SEMは、データ点の上に実線として重ねて表示される。
図7A】ヒト血漿試料中の神経細胞ペントラキシン1(NPTX1)-NPTXRタンパク質複合体の存在をアッセイするPLA実験から得られた希釈プロットを示す。血漿試料をPBS中で2倍に連続希釈した。実線は、希釈曲線に対して適用された4パラメーターのロジスティック回帰を表す。
図7B】ヒト血漿試料中の神経細胞ペントラキシン1(NPTX1)-NPTXRタンパク質複合体の存在をアッセイするPLA実験から得られた希釈プロットを示す。血漿試料をNPTX1除去血漿中で2倍に連続希釈した。実線は、希釈曲線に対して適用された4パラメーターのロジスティック回帰を表す。
図8A】臨床的に診断されたAD患者及び対応する健康な対照患者からの血漿試料中のPLAによって測定された定量化されたNPTX1-NPTXRならびにNPTX2-GluA4タンパク質複合体の散布図を示す。NPTX1-NPTXRレベルはAD群で上昇する傾向があった(対照:n=34、AD:n=33)。平均値±SEMは、データ点の上に実線として重ねて表示される。
図8B】臨床的に診断されたAD患者及び対応する健康な対照患者からの血漿試料中のPLAによって測定された定量化されたNPTX1-NPTXRならびにNPTX2-GluA4タンパク質複合体の散布図を示す。NPTX1-NPTXR複合体に対するNPTX2-GluA4複合体のレベルの比率を取ると、AD群は、対照群と比較して比率の低下を示す傾向があった(対照:n=34、AD:n=33、p=0.154、両側t検定)。平均値±SEMは、データ点の上に実線として重ねて表示される。
図9】臨床的に診断されたAD患者及び対照からの血漿試料中のPLAによって測定された定量化されたNPTX2-GluA4タンパク質複合体の散布図を示す(対照:n=50、AD:n=40、p=0.69、両側t検定)。平均値±SEMは、データ点の上に実線として重ねて表示される。
図10】臨床的に診断されたAD患者及び対照からの血漿試料中のPLAによって測定された定量化されたNPTX2-NPTXRタンパク質複合体の散布図を示す。NPTX2-NPTXRレベルは、AD群で有意に上昇した(対照:n=50、AD:n=40、p=0.015、両側t検定)。平均値±SEMは、データ点の上に実線として重ねて表示される。
図11】臨床的に診断されたAD患者及び対照からの血漿試料中のPLAによって測定された定量化されたNPTX2-GluA4ならびにNPTX2-NPTXRタンパク質複合体の散布図を示す。NPTX2-NPTXR複合体(図10)に対するNPTX2-GluA4複合体(図9)のレベルの比率を取ると、AD群は、対照群と比較して比率の有意な減少を示した(対照:n=50、AD:n=40、p=0.010、両側t検定)。平均値±SEMは、データ点の上に実線として重ねて表示される。
図12】前述の図を概略的にまとめたものを示す。NPTX2-NPTXR及びNPTX1-NPTXR複合体は、臨床的に診断されたAD患者でレベルの上昇を示す傾向があるのに対し、NPTX2-GluA4複合体、またはNPTX2-GluA4対NPTX2-NPTXRもしくはNPTX2-GluA4対NPTX1-NPTXR複合体の比率は、臨床的に診断されたAD患者で低下する傾向がある。これらの発見は、本開示のPLA法を使用してヒト血液中で試料ペントラキシンタンパク質が検出可能であること、及びNPTX2-GluA4対NPTX2-NPTXRの比率が対照患者とAD患者の間を統計的に区別できることを実証している。
【発明を実施するための形態】
【0089】
定義
便宜上、明細書、実施例及び添付の特許請求の範囲で使用されるいくつかの用語ならびに語句の意味を以下に示す。特に明記しない限り、または文脈から暗黙的に示されている場合を除き、以下の用語及び語句には、以下に示す意味が含まれる。定義は、特定の実施形態の説明を助けるために提供されるものであり、特許請求される技術を限定することを意図するものではない。別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本技術が属する当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。当技術分野における用語の使用と本明細書で提供されるその定義との間に明らかな矛盾がある場合、本明細書で提供される定義が優先するものとする。
【0090】
本明細書で使用する場合、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、特に明記しない限り、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味する。更に、文脈上明らかに別段に示されている場合を除き、「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」という単数形には、複数の言及物が含まれる。
【0091】
本明細書で使用する場合、「アスコルビン酸ペルオキシダーゼ」及び「APX」という用語は、様々な生物学的基質の過酸化物依存性酸化を触媒するヘム含有ペルオキシダーゼのファミリーに属するタンパク質を指す。APXは、基質分子(例えば、タンパク質または核酸)をビオチンで標識するために、近接標識アッセイ(例えば、本明細書に開示される近接標識アッセイなど)で使用され得る。APXは、活性部位から拡散して近接するタンパク質を標識する反応性ビオチン誘導体を生成することによってビオチン化を実行する。したがって、本明細書で使用する場合、APXは、物理的に近接したタンパク質をビオチンで標識することによってタンパク質の検出を容易にする近接検出分子を指し得、続いて、それは、生化学的方法(すなわち、ストレプトアビジンに基づく検出、例えば、ストレプトアビジン親和性マトリックス)を使用して検出され得る。
【0092】
本明細書で使用する場合、「アルツハイマー病」及び「AD」とは、認知機能低下、短期及び長期記憶の潜行性喪失、注意欠陥、言語特有の問題、見当識障害、衝動制御、引きこもり、快感消失、及び他の症状として現れる遅発性神経変性障害を指す。AD患者の脳組織は、アミロイドβタンパク質の細胞外凝集体と、過剰リン酸化した微小管関連タウタンパク質の神経原線維変化などの神経病理学的特徴を示す。これらの凝集体の蓄積は、大脳皮質の前頭葉、側頭葉及び頭頂葉、ならびに前脳基底部コリン作動系及び脳幹内の青斑核などの皮質下構造を含む、多くの脳領域における神経細胞の喪失ならびに萎縮と関連している。
【0093】
本明細書で使用する場合、「アルツハイマー病関連認知症」及び「ADRD」という用語は、一般に、顕著な症状として認知症を特徴とする関連する神経学的疾患(例えば、神経変性障害)を指す。ADRDの非限定的な例には、前頭側頭型変性症、レビー小体型認知症、血管性認知障害及び認知症、ならびに混合病因認知症が含まれる。
【0094】
本明細書で使用する場合、「抗体」という用語は、特定の抗原に特異的に結合するか、または免疫学的に反応性である分子を指し、少なくとも重鎖の可変ドメインを含み、通常は少なくとも免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖の可変ドメインを含む。抗体及びその抗原結合断片、変異体または誘導体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、多重特異性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、霊長類化抗体、またはキメラ抗体、ヘテロ複合抗体(例えば、二重、三重及び四重特異性抗体、ダイアボディ、トリアボディ及びテトラボディ)、単一ドメイン抗体(sdAb)、エピトープ結合断片、例えば、Fab、Fab’及びF(ab’)、Fd、Fvs、一本鎖Fv(scFv)、rIgG、一本鎖抗体、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、VまたはVドメインのいずれかを含む断片、Fab発現ライブラリーによって生成される断片、ならびに抗イディオタイプ(抗Id)抗体が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の抗体分子は、免疫グロブリン分子の任意の種類(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)、またはサブクラスのものであり得る。更に、特に明記しない限り、「モノクローナル抗体」(mAb)という用語は、標的タンパク質に特異的に結合できる完全型分子及び抗体断片(例えば、Fab及びF(ab’)断片など)の両方を含むことを意味する。Fab及びF(ab’)断片には、完全型抗体のFc断片が欠如している。
【0095】
本明細書で使用する場合、「抗原結合断片」という用語は、標的抗原に特異的に結合する能力を保持する免疫グロブリンの1つ以上の断片を指す。免疫グロブリンの抗原結合機能は、完全長抗体の断片によって行われ得る。抗体断片は、Fab、F(ab’)、scFv、SMIP、ダイアボディ、トリアボディ、アフィボディ、ナノボディ、アプタマー、またはドメイン抗体であり得る。抗体の「抗原結合断片」という用語に包含される結合断片の例には、(i)Fab断片、V、V、C及びC1ドメインからなる一価の断片、(ii)F(ab’)断片、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結される2つのFab断片を含む二価の断片、(iii)V及びC1ドメインからなるFd断片、(iv)抗体の単一アームのV及びVドメインからなるFv断片、(v)V及びVドメインを含むdAb(Ward et al.,Nature341:544-546,1989)、(vi)VドメインからなるdAb断片、(vii)VまたはVドメインからなるdAb、(viii)単離された相補性決定領域(CDR)、ならびに(ix)合成リンカーによって任意選択で接合され得る2つ以上の単離されたCDRの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。更に、Fv断片の2つのドメインV及びVは、別個の遺伝子によってコードされるが、それらは、組換え法を使用して、それらが単一のタンパク質鎖として作製されることを可能にするリンカーによって接合することができ、そのV及びV領域は対となって、一価の分子(単鎖Fv(scFv)として知られる)を形成する。これらの抗体断片は、当業者に公知の従来の技術を使用して得ることができ、断片は、完全型抗体と同じ様式で有用性についてスクリーニングされ得る。抗原結合断片は、組換えDNA技術、完全型免疫グロブリンの酵素的もしくは化学的切断によって、または特定の場合には当技術分野で公知の化学ペプチド合成手順によって生成することができる。
【0096】
本明細書で使用する場合、「アプタマー」という用語は、特定の三次元立体構造をとり得、タンパク質などの特定の分子に結合してその生物学的活性を調節することができる合成非コード化ポリヌクレオチドを指す。アプタマーは通常、オリゴヌクレオチドの短鎖からなる。本明細書に記載されるように、アプタマーは、タンパク質またはタンパク質複合体の検出及び定量化を容易にするために、タンパク質またはタンパク質複合体に結合するためのリガンドとして使用され得る。前記アプタマーは、本明細書に開示される1つ以上の近接検出器(例えば、オリゴヌクレオチド、FRET/BRET蛍光団、またはAPX/BioID)に更に結合され得る。
【0097】
本明細書で使用する場合、「生物発光共鳴エネルギー移動」及び「BRET」という用語は、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET、以下を参照)と同様の方法を指し、ただし、検出可能なシグナルを発するために外部からの照明を必要としない生物発光発色団の使用を除く。
【0098】
本明細書で使用する場合、「BirAビオチン-タンパク質リガーゼ」という用語は、物理的近接性に基づいてタンパク質を無差別にビオチン化することによってタンパク質間相互作用のスクリーニングを容易にするBioID法の一部として一般的に使用されるタンパク質を指す。BirAリガーゼまたはその機能的断片は、対象の生体分子(例えば、タンパク質または核酸)に融合または結合され得、その後、対象の試料(例えば、血液試料)と接触され得る。完全型リガーゼに物理的に近接するタンパク質はビオチン部分で標識されており、続いて、標準的な検出プロトコル(例えば、ストレプトアビジンに基づく検出)を使用して検出され得る。
【0099】
本明細書で使用する場合、「血液試料」という用語は、対象から単離された標本(例えば、血液または血液成分(例えば、血清または血漿))を指す。
本明細書で使用する場合かつ特に明記しない限り、「相補的」という用語は、第2のヌクレオチドまたはヌクレオシド配列に対して第1のヌクレオチドまたはヌクレオシド配列を記述するために使用される場合、第1のヌクレオチドまたはヌクレオシド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが、当業者には理解されるように、特定の条件下で、第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとハイブリダイズし、二重鎖構造を形成する能力を指す。生物体内で遭遇し得る生理学的に関連した状態が適用され得る。当業者であれば、ハイブリダイズしたヌクレオチドまたはヌクレオシドの最終的な用途に応じて、2つの配列の相補性の試験に最も適した条件のセットを決定することができるであろう。
【0100】
本明細書で使用する場合、「複合体」という用語は、2つ以上のポリペプチドの群を指し、タンパク質の四次構造の形態を構成する。複合体中のタンパク質は一般に、非共有結合性のタンパク質間相互作用によって結合されており、複合体化タンパク質の協調した活性を必要とする生物学的機能に関与し得る。タンパク質複合体の種類には、1つ以上の追加のタンパク質と複合体を形成することによってタンパク質の構造の安定性を高めることができる偏性複合体が含まれ得る。非偏性タンパク質複合体には、熱力学的安定性を向上させるために追加のタンパク質を必要としないほどフォールディングが十分に安定しているタンパク質が含まれる。タンパク質複合体は時間的に一過性であり得るか、または長い半減期を有し得る。例えば、偏性タンパク質複合体は、非偏性複合体と比較して、より長い半減期を有し得る。
【0101】
本明細書で使用する場合、「コネクターオリゴヌクレオチド」及び「スプリントオリゴヌクレオチド」という用語は、相補的な塩基対形成によって1つ以上の核酸分子(例えば、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド)にハイブリダイズすることができる短い核酸配列を指す。コネクターオリゴヌクレオチドは、例えば、2つのオリゴヌクレオチド鎖(例えば、プラス鎖及びマイナス鎖)のライゲーション(例えば、リガーゼによる)及びその後の連結オリゴヌクレオチド生成物の増幅を容易にするために、2つのオリゴヌクレオチド鎖(例えば、プラス鎖及びマイナス鎖)を十分に物理的に近接させ得る。
【0102】
本明細書で使用する場合、「接触する」という用語は、2つ以上の生物学的試料及び/または分子(例えば、対象の血液試料、及び例えば抗体などの親和性リガンド)を、物理的な相互作用を容易に行うことができるように十分に物理的に近接させることを指す。接触は、任意の可能な手段で行うことができる。例えば、血液試料を抗体と接触させることには、血液試料をin vitroで抗体と接触させることが含まれる。接触は、直接的または間接的に行われてもよい。したがって、例えば、抗体は、本方法を実施する個人によって血液試料と物理的に接触させられてもよいし、あるいは、抗体は、その後血液試料と接触することを可能にする、または接触させる状況に置かれてもよい。in vitroでの血液試料の接触は、例えば、血液試料を抗体とインキュベートすることによって行うことができる。
【0103】
本明細書で使用する場合、「エキソソーム」という用語は、真核細胞のエンドソームによって産生され、典型的には直径約30~150nmの膜テザー細胞外小胞を指す。エキソソームは、細胞表面と融合してエキソソームとして放出される多胞体の管腔内小胞から生成される。エキソソームは、一般に、元の細胞のマーカーを保持し、細胞の老廃物の管理、及び近くの細胞への積荷(タンパク質及び/またはRNAなど)の輸送に関与している。
【0104】
本明細書で使用する場合、「蛍光共鳴エネルギー移動」(フェルスター共鳴エネルギー移動としても知られる)及び「FRET」という用語は、2つの感光性分子(発色団)間のエネルギー移動を促進することによって検出可能な光信号を生成する方法を指す。FRETの基本原理は、非放射性双極子結合を介して、励起電子状態にあるドナー発色団からアクセプター発色団へのエネルギーの移動である。FRET信号の強度を使用し、2つの発蛍光団または前記発蛍光団に結合したリガンドの物理的近接性を確認することができる。
【0105】
本明細書で使用する場合、「フルオロフォア」という用語は、同じまたは異なる波長の光で励起する際、特定の波長の光を放射する蛍光剤(例えば、化合物またはタンパク質)を指す。開示された方法によれば、蛍光団(例えば、FRETまたは生体分子蛍光相補(BiFC)蛍光団)は、複合体中の2つ以上のタンパク質間の物理的近接性を合図する近接検出器として機能し得る。
【0106】
本明細書で使用する場合、「グルタミン酸イオンチャネル型受容体AMPA型サブユニット1」及び「GluA1」(GluR1としても知られる)という用語は、GRIA1遺伝子によってコードされ、シナプス後神経細胞膜に局在する、α-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソオキサゾールプロピオン酸(AMPA)受容体のサブユニットを指す。GluA1サブユニットは、通常、AMPA受容体内に二量体として存在し、シナプス後密度の成分と相互作用し得る。GluA1は、4つのリン酸化部位のうちの1つ以上でのリン酸化によるAMPA受容体の局在化、コンダクタンス、及び開確率の制御に重要である。GluA1はまた、シナプス可塑性も媒介し、そのため、学習及び記憶にとって重要であり得る。GluA1は、興奮性神経細胞または抑制性神経細胞で発現し得るが、パルブアルブミン陽性(PV+)介在神経細胞の興奮を媒介すること、したがって神経細胞の抑制の制御とその後の神経細胞集合体を介した活動の伝達において特に重要であると考えられている。
【0107】
本明細書で使用する場合、「グルタミン酸イオンチャネル型受容体AMPA型サブユニット4」及び「GluA4」(GluRA-D2とも称される)という用語は、GRIA4遺伝子によってコードされ、シナプス後神経細胞膜に局在する、AMPA受容体のサブユニットを指す。GluA1と同様に、GluA4 AMPA受容体サブユニットは二量体として存在し、シナプス後密度の成分と相互作用し得る。チャネル動態の増加は、通常、GluA4サブユニットがAMPA受容体に取り込まれることで生じ、それによって、シナプス興奮のタイミングと持続時間におけるこの受容体の重要な役割が確立される。NPTX2/NPTXRタンパク質が欠失したマウスでは、特にPV+介在神経細胞におけるGluA4発現が減少し、その後、神経細胞ネットワーク活動が変化することが示されている。
【0108】
本明細書で使用する場合、「増加する」及び「減少する」という用語は、参照と比較して、それぞれ、より多いかまたはより少ない量の機能、発現または活性の計量をもたらす調節を指す。例えば、本明細書に記載の方法において、血液試料を親和性リガンド(例えば、抗体もしくはその抗原結合断片、一本鎖ポリペプチドもしくはオリゴペプチド、またはアプタマー)と接触させた後、本明細書に記載される計量のマーカー(例えば、近接信号)の量は、対照参照試料に対して、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%もしくは98%以上増加または減少し得る。一般に、計量はリガンドとの接触後に測定される。
【0109】
本明細書で使用する場合、「親和性リガンド」という用語は、例えば、シナプスタンパク質(例えば、NPTX2、NPTX1、NPTXR、または表1に列挙されるシナプスタンパク質のいずれか1つ)に非共有結合することができるタンパク質(例えば、一本鎖ポリペプチド、オリゴペプチド、抗体またはその抗原結合断片)または核酸(例えば、アプタマー)などの生体分子を指す。
【0110】
本明細書で使用する場合、「連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖」及び「LPMOS」という用語は、それぞれ共通のコネクターオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされる、オリゴヌクレオチドプラス鎖(例えば、配列番号1)とオリゴヌクレオチドマイナス鎖(例えば、配列番号2)の連結(例えば、T4 DNAリガーゼなどのリガーゼによる)から得られるポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド産物を指す。
【0111】
本明細書で使用する場合、「学習及び記憶」という語句は、スキルまたは知識の獲得、及び獲得したスキルまたは知識の表現(例えば、それぞれ、新しい単語を言うことを学ぶこと及び新しい単語を発声すること)を含む認知能力を指す。「学習及び記憶」とは、1)新しいスキルまたは知識を獲得する(つまり、学習)、2)学習したスキルまたは知識(つまり、記憶)の処理、保存及び想起、という2つの独立したプロセスを指し、これは、時間尺度(一般に、学習は、記憶を思い出したり学習したスキルを実行したりするよりも遅く、労力がかかる)及び神経生物学的根拠によって異なり得る。神経障害(例えば、本明細書に記載の神経変性障害、神経発達障害または精神神経障害)と診断された患者は、健康な参照患者または患者集団と比較して、損なわれた学習及び記憶を有している可能性がある。
【0112】
本明細書で使用する場合、「神経細胞ペントラキシン1」及び「NPTX1」という用語は、神経系でのみ発現される、NPTX1遺伝子によってコードされるタンパク質を指す。NPTX1遺伝子は、環状多量体構造を特徴とする保存タンパク質のファミリーに属する。NPTX1は、シナプス前細胞または隣接するグリアへのシナプス残骸の再取り込みに関与する分泌糖タンパク質である。
【0113】
本明細書で使用する場合、「神経細胞ペントラキシン2」及び「NPTX2」という用語は、神経系、肝臓、腎臓及び精巣で発現される、NPTX2前初期遺伝子によってコードされるタンパク質を指す。NPTX2遺伝子は、環状多量体構造を特徴とする保存タンパク質のファミリーに属する。NPTX2は、カルシウム依存的にリガンドに結合できるカルシウム依存性レクチンである。個々のNPTX2ユニットは、環状五量体構造を形成できる。シナプス後神経細胞AMPA受容体は、興奮性シナプスでNPTX2と結合することが示されている。NPTX2はまた、GluA1、GluA2及びGluA3を含む様々なAMPA受容体サブユニットのクラスター化にも関与していることが示されており、興奮性シナプスの発達、成熟及び安定化に関与しているとみなされている。前初期遺伝子として、NPTX2の発現はシナプス活動によって上方制御されており、CNS内でのシナプスの興奮と抑制のバランスを取る上で特に重要であり得る。
【0114】
本明細書で使用する場合、「神経細胞ペントラキシン受容体」及び「NPTXR」という用語は、神経細胞ペントラキシンタンパク質、NPTX1及びNPTX2の受容体として機能する、NPTXR遺伝子によってコードされる膜貫通タンパク質を指す。NPTXRは、ペントラキシンドメインを介してGluA1及びGluA4タンパク質と相互作用することが知られており、その除去は、興奮性シナプス後特殊化の減少と関連している。
【0115】
本明細書で使用する場合、数学的量に関して「正規化する」という用語は、数値量(例えば、第1のタンパク質または第1のタンパク質複合体の量)を別の数値量(例えば、第2のタンパク質または第2のタンパク質複合体の量)で割り、2つの数値間の比率を生成する方法を指す。
【0116】
本明細書で使用する場合、「オリゴヌクレオチド」という用語は、2つ以上の共有結合したヌクレオシドを含む分子として、当業者によって一般に理解されるように定義される。このような共有結合したヌクレオシドはまた、核酸分子またはオリゴマーと称される得る。オリゴヌクレオチドは、通常、固相化学合成とそれに続く精製によって研究室で製造される。オリゴヌクレオチドの配列に言及する場合、共有結合したヌクレオチドまたはヌクレオシドの核酸塩基部分の配列または順序を指す。本発明のオリゴヌクレオチドは人造であってもよく、化学合成され、典型的には精製または単離される。「オリゴヌクレオチド」という用語は、短いポリヌクレオチド(例えば、100個以下のヌクレオシドが結合したもの)を指し得る。
【0117】
オリゴヌクレオチドは、本明細書に開示される1つ以上のシナプスタンパク質の検出を可能にする任意の長さであり得、長さ約10~50塩基対、例えば、長さ約15~50塩基対または長さ約18~50塩基対、例えば、長さ約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50塩基対、例えば、長さ約15~30、15~29、15~28、15~27、15~26、15~25、15~24、15~23、15~22、15~21、15~20、15~19、15~18、15~17、18~30、18~29、18~28、18~27、18~26、18~25、18~24、18~23、18~22、18~21、18~20、19~30、19~29、19~28、19~27、19~26、19~25、19~24、19~23、19~22、19~21、19~20、20~30、20~29、20~28、20~27、20~26、20~25、20~24、20~23、20~22、20~21、21~30、21~29、21~28、21~27、21~26、21~25、21~24、21~23または21~22塩基対の範囲であり得る。上に列挙される範囲及び長さに対して中間の範囲及び長さもまた、本発明の一部であるように想到される。
【0118】
本明細書で使用する場合、「オリゴヌクレオチドマイナス鎖」という用語は、その3’末端がリガンド(例えば、一本鎖ポリペプチド、オリゴペプチド、抗体、その抗原結合断片またはアプタマー)に結合している短い(例えば、長さ約60ヌクレオチド)オリゴヌクレオチドを指す。抗体またはその抗原結合断片などのタンパク質に結合する場合、オリゴヌクレオチドマイナス鎖は、タンパク質のカルボキシ末端とのペプチド結合の形成を促進するために、その3’末端のアミノ基を特徴とし得る。マイナス鎖の5’末端は、5’一リン酸部分と、相補的な塩基対形成によってコネクターオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、一般に6と15ヌクレオチドの間のコネクターオリゴヌクレオチド結合領域と、を含む。
【0119】
本明細書で使用する場合、「オリゴヌクレオチドプラス鎖」という用語は、その5’末端がリガンド(例えば、一本鎖ポリペプチド、オリゴペプチド、抗体、その抗原結合断片またはアプタマー)に結合している短い(例えば、長さ約60ヌクレオチド)オリゴヌクレオチドを指す。抗体またはその抗原結合断片などのタンパク質に結合する場合、オリゴヌクレオチドプラス鎖は、タンパク質のカルボキシ末端とのペプチド結合の形成を促進するために、その5’末端のアミノ基を特徴とし得る。プラス鎖の3’末端は、-OH基と、相補的な塩基対形成によってコネクターオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる、一般に6と15ヌクレオチドの間のコネクターオリゴヌクレオチド結合領域と、を含む。
【0120】
参照ポリヌクレオチド配列または参照一本鎖ポリペプチド配列に対する「配列同一性割合(%)」とは、必要であれば、配列をアラインメントし、ギャップを導入して、最大の配列同一性の割合を達成した後、参照ポリヌクレオチド配列または参照一本鎖ポリペプチド配列内の核酸またはアミノ酸と同一である候補配列内の核酸またはアミノ酸の割合と定義される。核酸またはアミノ酸配列同一性割合を測定する目的のアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、またはMegalignソフトウェアなどの、一般に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当業者の能力の範囲内の様々な方法で達成することができる。当業者は、比較されている配列の完全長にわたる最大のアライメントを得るために必要とされる任意のアルゴリズムを含む、配列をアライメントするために適切なパラメーターを決定することができる。例えば、配列同一性割合値は、配列比較コンピュータプログラムBLASTを使用して生成することができる。実例として、所与の核酸またはアミノ酸配列Aの、所与の核酸またはアミノ酸配列Bに対する配列同一性割合(これはあるいは、所与の核酸またはアミノ酸配列Bに、より、または対して特定の配列同一性割合を有する、所与の核酸またはアミノ酸配列Aと呼ぶことができる。)は、以下のとおりの計算される:
100×(分数X/Y)
[式中、Xは、AとBとのプログラムのアラインメントにおいて、配列アラインメントプログラム(例えば、BLAST)によって同一の一致としてスコアリングされたヌクレオチドまたはアミノ酸の数であり、Yは、Bの核酸の総数である。]。核酸またはアミノ酸配列Aの長さが核酸またはアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、Bに対するAの配列同一性割合は、Aに対するBの配列同一性割合と等しくないと考えられる。
【0121】
本明細書で使用する場合、「ポリペプチド」という用語は、本発明に記載されるすべてのペプチドを包含するものと解釈され、そのサイズにかかわらず、本質的にアミノ酸からなり、それが由来する未修飾のポリペプチの交差反応性と同程度のレベルの交差反応性を維持する任意のポリマーを指す。「タンパク質」は比較的大きなポリペプチドに関して使用されることが多く、「ペプチド」は小さなポリペプチドに関して使用されることが多いが、当技術分野におけるこれらの用語の使用は重複しており、様々である。したがって、本明細書で使用する場合、「ポリペプチド」という用語は、特に明記しない限り、ペプチド及びポリペプチドを互換可能に指す。更に、「ポリペプチド」という用語は、その任意の誘導体を包含することを意味する。誘導体とは、天然または元のポリペプチドの修飾または改変された形態を指す。本明細書で使用する場合、誘導体は、それが由来する未修飾ポリペプチドの交差反応性と同程度のレベルの交差反応性を有するであろう。このような修飾には、これらに限定されないが、アミノ酸の置換、修飾、付加または欠失;脂質化、グリコシル化またはリン酸化のパターンの変化;ポリペプチドのアミノ酸残基に存在する遊離アミノ、カルボキシルまたはヒドロキシル側基の他の有機及び無機分子との反応;ならびに他の修飾が含まれ、そのいずれも一次、二次または三次構造の変化を引き起こす可能性がある。
【0122】
本明細書で使用する場合、「近接検出器」という用語は、対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質の物理的近接を検出するために使用され得る分子(例えば、核酸またはタンパク質)を指す。近接検出器は、親和性リガンド分子(例えば、一本鎖ポリペプチド、オリゴペプチド、アプタマー、または抗体もしくはその抗原結合断片)に結合または融合することができ、それぞれが異なる親和性リガンドに結合している2つの近接検出器が、2つの近接検出器間の直接的または間接的な(例えば、中間分子(複数可)を介した)物理的接触を可能にするように十分に接近している場合、近接信号を生成することができる。例えば、オリゴヌクレオチドである2つの近接検出器(例えば、プラス鎖(例えば、配列番号1)及びマイナス鎖(例えば、配列番号2))は、それぞれ、独立して、2つの別個の抗体に結合され得、抗体の一部は、独立して、異なるシナプスタンパク質に結合する。プラス鎖とマイナス鎖の両方にハイブリダイズできるコネクターオリゴヌクレオチドが存在し、2つのシナプスタンパク質間に十分な物理的近接性がある場合、近接検出器オリゴヌクレオチドは、コネクターオリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、プラス鎖及びマイナス鎖のそれぞれとコネクター鎖の間に二重鎖を形成できる。コネクターとのハイブリダイゼーションの際、リガーゼ酵素(例えば、T4 DNAリガーゼ)を使用してプラス鎖とマイナス鎖を連結し、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)を生成することができる。LPMOSの形成に続いて、プライマーオリゴヌクレオチドは、プラス鎖とマイナス鎖のコネクター結合領域の下流と上流の領域にそれぞれアニーリングされ、qRT-PCRが実行され、LPMOS産物が増幅される。増幅産物の強度は、オリゴヌクレオチド結合リガンドで結合した2つのシナプスタンパク質間の物理的近接性(例えば、近接信号)の直接の代用である。
【0123】
本明細書で使用する場合、「近接距離閾値」という用語は、2つのシナプスタンパク質間の物理的なタンパク質間相互作用の検出を可能にするために必要な2つのシナプスタンパク質間の最小距離を指す。本開示によれば、近接距離閾値は、40nm以下(例えば、35nm、30nm、25nm、20nm、15nm、10nm、5nm、4nm、3nm、2nm、1nm以下)であってもよい。
【0124】
本明細書で使用する場合、「近接信号」という用語は、本明細書に開示されるアッセイで検出できる信号を指す。一般に、近接信号は、対象(例えば、ヒト)から得た対象中の複合体(例えば、血液、血清または血漿などの血液試料)中に存在する2つ以上のシナプスタンパク質間の物理的近接性の代用である。このような近接信号は、2つの近接検出器(例えば、オリゴヌクレオチドベースの近接検出器、FRET/BRETベースの近接検出器、BiFCベースの近接検出器、またはAPX/BirAベースの近接検出器)が、2つの近接検知器間の直接的または間接的な物理的相互作用を可能にするように、互いに十分な物理的近接距離(例えば、近接距離閾値以内)内にある場合に生成される。
【0125】
本明細書で使用する場合、「量(quantity)」または「量(amount)」という用語は、タンパク質(例えば、シナプスタンパク質)またはタンパク質の複合体のレベルを指す。タンパク質またはタンパク質の複合体の「減少した量」または「増加した量」とは、参照と比較して、タンパク質または複合体レベルの減少または増加を意味する(例えば、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約150%、約200%、約300%、約400%、約500%、もしくはそれ以上の減少または増加;参照と比較して、約10%を超える、約15%、約20%、約50%、約75%、約100%、または約200%の減少または増加;約0.01倍未満、約0.02倍、約0.1倍、約0.3倍、約0.5倍、約0.8倍、またはそれ以下の減少または増加;約1.2倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.8倍、約2.0倍、約3.0倍、約3.5倍、約4.5倍、約5.0倍、約10倍、約15倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約100倍、約1000倍、またはそれ以上を超える増加)。タンパク質のレベルは、質量/容量(例えば、g/dL、mg/mL、μg/mL、ng/mLなど)または試料中の総タンパク質に対するパーセンテージで表すことができる。
【0126】
本明細書で使用する場合、「参照血液試料」という用語は、神経障害(例えば、神経変性障害、神経発達障害または精神神経障害)を有していない、またはそれを有するもしくは発症している疑いがない、参照対象または対象集団から得られた血液試料(例えば、血液、血清または血漿)を指す。
【0127】
本明細書で使用する場合、「回復力」という用語は、神経障害(例えば、ADなどの神経変性障害)の症状を示さずに老後まで生きるが、死後に、CNSに高負荷の病態(例えば、アミロイドβ斑及び高リン酸化タウタンパク質のもつれ)を有することが判明した対象における現象を指す。回復力のある対象は、同様の負荷を有するアルツハイマー病患者に特徴的な認知機能の低下を示さない。
【0128】
本明細書中で使用する場合、「対象」及び「患者」という用語は、動物(例えば、ヒトなどの哺乳動物)を指す。本明細書に記載の方法に従って診断される対象は、神経障害を有すると同定された対象、またはこの病態を発症するリスクを有する対象であり得る。神経障害の非限定的な例には、神経変性疾患(例えば、AD(例えば、孤発性または家族性AD)、ダウン症候群、加齢性認知機能低下、パーキンソン病、ハンチントン病、前頭側頭葉変性症、運動ニューロン疾患、脊髄小脳失調症、脊髄性筋萎縮症、フリードライヒ運動失調症、既往症、及びリソソーム蓄積障害)、神経発達障害(例えば、知的障害(例えば、X連鎖知的障害)、学習障害、自閉症スペクトラム症、発達性運動障害、チック症、脳性麻痺、コミュニケーション及び言語障害、脆弱X症候群、ダウン症候群、注意欠陥多動(ADHD)障害、または神経毒物質による神経発達障害)、及び精神神経障害(例えば、大うつ病、双極性障害、強迫性障害、摂食障害及び統合失調症)が含まれる。診断は、本開示の方法を使用して及び/または当技術分野で公知の任意の方法もしくは技術によって実施してもよい。当業者であれば、本開示の方法に従ってスクリーニングされた対象が、標準的な検査を受けている可能性があるか、または検査を受けていないが障害に関連する1つ以上のリスク因子の存在に起因するリスクを有する対象として同定されている可能性があることを理解するであろう。
【0129】
本明細書で使用する場合、「シナプスタンパク質」という用語は、神経細胞シナプスに局在し、とりわけ、足場、神経伝達及び可塑性などのシナプス機能に関与し得るタンパク質を指す。シナプスタンパク質には、シナプス前タンパク質及びシナプス後タンパク質が含まれ得る。シナプス後タンパク質の非限定的な例には、神経細胞ペントラキシン(例えば、NPTX2、NPTX1及びNPTXR)、または表1に列挙されるシナプスタンパク質のいずれか1つが含まれる。
【0130】
本明細書で使用する場合、「血管性認知障害及び認知症」ならびに「VCID」という用語は、脳に栄養を供給する血管の損傷に起因する高齢者における一般的な形態の認知症を指す。VCIDは、1回以上の脳卒中後に発生し得る。VCIDの症状はADの症状に似ており、同時に発生する可能性がある。
【0131】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の発明を実施するための形態、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
対象から得られた血液試料(例えば、血液、血漿または血清)に対して近接ベースのタンパク質検出アッセイ(例えば、近接ライゲーションアッセイ(PLA))を実施することによって、対象(例えば、ヒトなどの哺乳動物)が神経疾患(例えば、神経変性疾患、神経発達疾患または神経精神疾患)を有するか、または発症するリスクがあると診断する方法が、特徴である。このような方法は、タンパク質複合体中の2つ以上のシナプスタンパク質の存在を検出するのに適しており、複合体中の1つ以上のシナプスタンパク質の発現レベルは、健康な対照対象または対象集団と比較して、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクのある対象において増加または減少し得る。
【0132】
開示された方法は、対象を神経疾患状態を有するかもしくは発症するリスクがあると診断するため、治療薬による治療のために神経疾患を有するかもしくは発症するリスクがあると同定された対象を選択するため、神経障害を有するかもしくは発症するリスクがあると同定された対象の回復力を評価するため、神経障害を有するかもしくは発症するリスクがあると同定された対象における治療薬の治療効果を判定するため、または神経障害を有するかもしくは発症するリスクがあると同定された対象における学習及び記憶を評価するために使用され得る。更に、開示された方法は、神経障害を有するか、または発症するリスクがあると同定された対象の血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質を含む複合体の存在を検出するために使用され得る。
【0133】
本開示は、部分的に、特定のシナプスタンパク質、すなわち神経細胞ペントラキシン(例えば、神経細胞ペントラキシン1(NPTX1)、神経細胞ペントラキシン2(NPTX2)及び神経細胞ペントラキシン受容体(NPTXR))を、開示されたアッセイを用いて検出及び定量することにより、神経疾患(すなわち、アルツハイマー病(AD))を有する患者間の前記シナプスタンパク質の発現レベルの違いを確実に同定することができ、それによってAD患者の診断及び予後が容易になるという、本発明者らの発見に基づく。開示された方法は、一般に、神経変性障害、神経発達障害、及び精神神経障害を含む広範囲の神経障害を診断するのに適している。
【0134】
シナプスタンパク質
本明細書に開示される方法は、対象が神経障害(例えば、神経変性障害、神経発達障害または精神神経障害)を有するか、または発症するリスクがあると診断する目的のために、対象(例えば、ヒト)から得られた血液試料(例えば、血液、血清または血漿)中のシナプスタンパク質(例えば、NPTX2、NPTX1、NPTXR、または表1に列挙されるシナプスタンパク質のいずれか1つ)のレベルを検出するための強力なアプローチを提供する。いくつかの実施形態では、検出されるシナプスタンパク質には、神経細胞ペントラキシン(例えば、NPTX2、NPTX1及び/またはNPTX1)、または表1に列挙されるシナプスタンパク質のいずれか1つが含まれる。血液中のシナプスタンパク質の循環レベルは低いため、個々のシナプスタンパク質の検出は、通常、信号対ノイズ比の低さによって妨げられる。本開示は、一部のシナプスタンパク質が他のシナプスタンパク質と一時的または慢性的な複合体を形成して存在するという現象を活用し、したがって、近接ベースの検出アッセイによる2つ以上のシナプスタンパク質のタンデム検出を使用する弱い信号の増幅を可能にする。
【0135】
神経細胞ペントラキシンタンパク質
神経細胞ペントラキシンタンパク質は、中枢神経系(CNS)で唯一ではないにしても顕著な発現を示す、進化的に保存されたタンパク質ファミリーのメンバーである。ペントラキシンはファミリーとして、環状多量体構造及び「ペントラキシン」シグネチャー配列(His-X-Cys-X-Ser/Thy-Trp-X-Ser/Thy、xは任意のアミノ酸)を特徴とする。神経細胞による発現ペントラキシンには、NPTX1(UniProt ID:Q15818)、NPTX2(UniProt ID:P47972)及びNPTXR(UniProt ID:O95502)が含まれ、それぞれは、互いに様々な程度の相同性を示す。NPTX1及びNPTX2は分泌型糖タンパク質であるが、NPTXRは、分泌型神経細胞ペントラキシンの受容体として機能する膜貫通タンパク質である。機能的には、NPTX1は、シナプス前再取り込み機構を介してシナプス残骸の除去に関与していることが示されている。活動依存性神経細胞ペントラキシンとしても知られるNPTX2は、持続した神経細胞活動の後に発現が増加する前初期遺伝子である。NPTX1及びNPTXRとは異なり、NPTX2の発現はCNSに限定されず、膵臓、肝臓、腎臓及び精巣でも見出され得る。シナプスの機能と発達におけるNPTX2の役割は、神経細胞における主要な興奮性シナプス後イオンチャネル型受容体の1つであり、シナプスの活動、発達、維持及び可塑性の調節において重要な役割を果たす、α-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチルイソオキサゾール-4-プロピオン酸(AMPA)受容体との既知の相互作用により確立されている。特に、NPTX2は、AMPA受容体媒介シナプス形成と、GluA1、GluA2及びGluA3を含むAMPA受容体サブユニットタンパク質のクラスター化に関連しており、それによって、シナプス成熟におけるその役割が実証されている。NPTX1及びNPTXRはまた、神経細胞培養物中でGluA4サブユニットと共局在することも判明しており、これらのペントラキシンがGluA4をシナプスに動員する役割を果たし得ることが示唆される。
【0136】
NPTX2発現の変異とその後のAMPA受容体機能の変化は、神経変性疾患の動物モデルと関連している。例えば、アミロイドーシスを患うNPTX2ノックアウトラットは、特にパルブアルブミン陽性(PV+)介在神経細胞上でGluR4発現の減少を示し(Xiao et al.,Elife6:e23798,2017)、GluA4発現の低下、神経細胞ネットワーク活動の破壊、及び興奮性神経細胞の増加につながる。NPTX2及びGluA4レベルの低下はまた、ヒトAD患者の死後皮質組織でも示されており、脳脊髄液(CSF)中のNPTX2レベルはAD対象で低下しており、認知機能及び海馬体積の両方に相関している。したがって、これらの研究は、CNSのPV+介在神経細胞上のAMPA受容体サブユニットのNPTX2媒介減少に起因する神経細胞抑制の減少が、AD患者の認知機能の変化の原因となる可能性があることを示唆している。興味深いことに、診断されたAD患者と同等のADプラーク負荷を示すと死後判定されたが、ADで観察される急速な認知機能低下を示さないヒト対象(「回復力のある」対象としても知られる)は、症候性AD患者ではみられるNPTX2の減少がみられなかった。
【0137】
したがって、NPTX2発現レベルを、とりわけ、ADなどの神経障害の診断及び予後のための予測バイオマーカーとして利用することができる。更に、NPTX2レベルは、回復力のある患者を同定し、症候性患者の治療戦略を選択するための有用な代用として機能し得る。残念なことに、CNSにおけるタンパク質の発現を測定する従来の方法は侵襲性が高く、一般に、対象からの脳組織生検または脳脊髄液(CSF)の試料が必要である。このような方法には、組織試料中のタンパク質または核酸を測定するための周知のプロトコルが含まれるが、発現レベルの低いタンパク質を検出することも困難である可能性がある。したがって、脳組織またはCSF生検よりも侵襲性の低い方法で得られた試料、例えば、対象からの血液試料などに対して実行できる、神経疾患で発現が変化しているシナプスタンパク質(例えば、神経細胞ペントラキシン及び関連タンパク質)を検出するための堅牢なアッセイの必要性が存在する。
【0138】
他の実施形態では、検出されるシナプスタンパク質は、表1に列挙されるシナプスタンパク質のいずれか1つである。
【0139】
【表1-1】
【0140】
【表1-2】
【0141】
【表1-3】
【0142】
【表1-4】
【0143】
【表1-5】
【0144】
【表1-6】
【0145】
【表1-7】
【0146】
【表1-8】
【0147】
【表1-9】
【0148】
いくつかの実施形態では、対象の血液試料は、異なる種類の1つ以上の神経細胞ペントラキシンタンパク質と複合体を形成した(例えば、NPTX2-NPTX1、NPTX2-NPTXRまたはNPTX1-NPTXR)1つ以上の神経細胞ペントラキシンタンパク質(例えば、NPTX2、NPTX1またはNPTXR)を含む。いくつかの実施形態では、対象の血液試料は、表1に列挙される1つ以上のシナプスタンパク質と複合体を形成した1つ以上の神経細胞ペントラキシンタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、神経細胞ペントラキシンタンパク質は、GluA1と複合体を形成している(例えば、NPTX2-GluA1、NPTX1-GluA1またはNPTXR-GluA1)。いくつかの実施形態では、神経細胞ペントラキシンタンパク質は、GluA4と複合体を形成している(例えば、NPTX2-GluA4、NPTX1-GluA4またはNPTXR-GluA4)。いくつかの実施形態では、シナプスタンパク質の複合体は、少なくとも2つ(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20またはそれ以上)のシナプスタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質複合体中のシナプスタンパク質の少なくとも1つは神経細胞ペントラキシンである。いくつかの実施形態では、タンパク質複合体中のシナプスタンパク質の少なくとも1つはNPTX2である。いくつかの実施形態では、タンパク質複合体中のシナプスタンパク質の少なくとも1つはNPTX1である。いくつかの実施形態では、タンパク質複合体中のシナプスタンパク質の少なくとも1つはNPTXRである。いくつかの実施形態では、タンパク質複合体中のシナプスタンパク質の少なくとも1つは、AMPA受容体サブユニットである。いくつかの実施形態では、タンパク質複合体中のシナプスタンパク質の少なくとも1つはGluA1である。いくつかの実施形態では、タンパク質複合体中のシナプスタンパク質の少なくとも1つはGluA4である。いくつかの実施形態では、AMPA受容体サブユニットタンパク質(例えば、GluA1またはGluA2)は、抑制性CNSニューロン(例えば、パルブアルブミン陽性介在ニューロン)の興奮性シナプスに固有のものである。
【0149】
いくつかの実施形態では、対象の血液試料中のシナプスタンパク質は、血液試料中のエキソソームに由来する。
アッセイ
本明細書では、神経障害(例えば、神経変性障害、神経発達障害または精神神経障害)を有するか、または発症するリスクがあると診断された対象(例えば、ヒトなどの哺乳動物)の血液試料(例えば、血液、血清または血漿)からの、神経細胞ペントラキシン(例えば、NPTX1、NPTX2及び/またはNPTXR)または表1に列挙されるシナプスタンパク質のいずれか1つなどの1つ以上のシナプスタンパク質のレベルを測定ならびに定量化するための方法が提供される。開示された方法は、対象から試料を得るための比較的非侵襲的なプロセス(すなわち、静脈切開による)を必要とし、通常、血液中に低レベルで検出されるシナプスタンパク質の定量化に使用できるため、CNSにおけるタンパク質レベルをアッセイする従来の方法よりも利点がある。一般に、開示されたアッセイは、対象の血液試料中のタンパク質複合体中の2つ以上のシナプスタンパク質の近接検出に基づいている。個々のシナプスタンパク質の検出は血液中の前記シナプスタンパク質のレベルが低いことによって妨げられるため、複合体中の少なくとも2つのシナプスタンパク質の検出は、個々のシナプスタンパク質の検出と比較して有利である。更に、開示されたアッセイは、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクのある対象と健康な個人として、対照を確実に層別化するのに特に有利である。本方法は、1つ以上の追加のシナプスタンパク質との複合体として一時的または慢性的に存在するシナプスタンパク質を検出することができる。
【0150】
近接ライゲーションアッセイ
対象から得られた血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質の存在を検出するための本明細書に開示される第1の近接ベースの方法は、試料中の2つ以上のタンパク質間の物理的に近接したタンパク質間相互作用を検出できるスクリーニングアッセイである、近接ライゲーションアッセイ(PLA)に基づく方法である。PLAの背後にある基本原理は、2つの親和性リガンド(例えば、抗体またはその抗原結合断片、一本鎖ポリペプチドまたはアプタマー)が、それぞれ独立して、固有の合成オリゴヌクレオチド(近接検出器)に結合されることである。従来のPLA法は、一般に、リガンド結合近接検出器オリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、ライゲーション(例えば、リガーゼ酵素による)によって環状オリゴヌクレオチドに変換される、配列一致オリゴヌクレオチド(例えば、バックボーンオリゴヌクレオチド及びスプリントオリゴヌクレオチド)の使用を組み込んでいる。続いて、ローリングサークル増幅を使用し、リガンド結合オリゴヌクレオチドを増幅する。本開示は、標的シナプスタンパク質(例えば、NPTX1、NPTX2もしくはNPTXRまたは表1に列挙されるシナプスタンパク質のいずれか1つ)に特異的な第1の親和性リガンド(例えば、一本鎖ポリペプチド、オリゴペプチド、抗体もしくはその抗原結合断片、またはアプタマー)が、表面(例えば、固体支持体、例えば、プレート、樹脂、粒子、容器、膜またはビーズ)上に固定化されているか、または溶液(例えば、PLA反応混合物)中で浮遊しているかのいずれかである、改変PLA法を提供する。第1の親和性リガンドが表面に固定化されている前者のタイプのPLAは一般に固相PLAと称される、後者は均質PLAと称される。均質PLAの利点は、標的タンパク質を固定化するために固体支持体が必要ないことである。いくつかの実施形態では、PLAは固相PLAである。いくつかの実施形態では、PLAは均質PLAである。対象から得られ、1つ以上のシナプスタンパク質を含む血液試料(例えば、血液、血清または血漿)を、第1の親和性リガンド(例えば、固定化または浮遊親和性リガンド)と接触させる。続いて、近接検出器オリゴヌクレオチドに結合し、標的シナプスタンパク質及び標的シナプスタンパク質と複合体を形成した別のシナプスタンパク質に特異的な2つの異なる親和性リガンドは、反応混合物に添加される。次いで、結合オリゴヌクレオチドのそれぞれの領域と相補的な配列を有するコネクターオリゴヌクレオチドを、リガーゼ酵素(例えば、T4 DNAリガーゼ)と共に添加し、リガンド結合オリゴヌクレオチドを連結する。続いて、リガンド結合オリゴヌクレオチドのそれぞれに特異的なプライマーは、アニーリングされ、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qRT-PCR)が実行され、連結されたリガンド結合オリゴヌクレオチドが増幅される。このアッセイの中心的な要件は、リガンド結合オリゴヌクレオチドとコネクターオリゴヌクレオチド間の物理的相互作用を可能にするために、2つのオリゴヌクレオチド結合親和性リガンドが試料内で十分に近接していることである。したがって、増幅された信号の強度は、2つの親和性リガンドの物理的近接性、したがって、それらが結合するタンパク質の物理的近接性と(例えば、線形、超線形、乗算的または指数関数的に)相関する。特定の標的タンパク質のレベルを独立して測定する従来のアッセイよりも、開示されたPLAアッセイを使用することの利点は、PLA法により、体液(例えば、血液のCSF)及び脳組織内に存在する天然タンパク質複合体の検出が可能になることである。したがって、PLAアッセイは、単に標的タンパク質の発現だけでなく、他のタンパク質と連携した標的タンパク質の機能の評価を提供する。
【0151】
対象から得られた血液試料中の2つ以上のシナプスタンパク質の存在を検出するために本開示によって想到される別の近接ベースの方法は、近接検出器として蛍光分子(例えば、蛍光タンパク質などの発色団)を使用する。蛍光近接検出器の非限定的な例には、FRET、BRET及びBiFCタンパク質が含まれる。このような方法の背後にある基本原理は、タンパク質対の2つの蛍光タンパク質もしくは発光タンパク質、または蛍光タンパク質の2つの相補的な半分が十分近い場合、近接信号(例えば、タンパク質複合体中の2つの物理的に近接したタンパク質の存在を示す信号)を生成することである。このような蛍光もしくは発光タンパク質、またはそれらの相補的断片は、前記シナプスタンパク質の検出を容易にするために、日常的な方法を使用してシナプスタンパク質に特異的な親和性リガンドに融合または結合され得る。
【0152】
したがって、本開示は、標的シナプスタンパク質(例えば、NPTX1、NPTX2、NPTXR、または表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)に特異的な第1の親和性リガンド(例えば、抗体もしくはその抗原結合断片、一本鎖ポリペプチドもしくはオリゴペプチド、またはアプタマー)を、表面に固定化するか、または溶液(例えば、PLA反応混合物)中に浮遊させる、近接ベースの蛍光検出方法を提供する。対象から得られ、2つ以上のシナプスタンパク質を含む血液試料(例えば、血液、血清または血漿)を、第1の親和性リガンド(例えば、固定化または浮遊親和性リガンド)と接触させる。続いて、それぞれ近接検出器オリゴヌクレオチドに結合され、標的シナプスタンパク質に特異的な、2つの異なる親和性リガンド(例えば、抗体もしくはその抗原結合断片、一本鎖ポリペプチド、オリゴペプチド、またはアプタマー)は反応混合物に添加される。FRETまたはBRETベースの検出の場合、親和性リガンドのそれぞれは、本明細書に記載の蛍光タンパク質対の単一メンバーに融合または結合される。BiFCベースの検出では、2つの親和性リガンドのそれぞれは、BiFCタンパク質の相補的な半分に融合または結合される。従来の蛍光イメージング法は、2つの蛍光タンパク質(FRETまたはBRET)または蛍光タンパク質の相補的な半分(BiFC)間の近接した配置によって生成される近接信号を検出するために実行される。蛍光または発光シグナルの強度は、2つの親和性リガンドの物理的近接性、したがって、それらが結合するシナプスタンパク質の物理的近接性と(例えば、線形、超線形、乗算的または指数関数的に)相関する。
【0153】
開示された方法での使用に適した更に別の近接ベースの検出アッセイは、例えば、アスコルビン酸ペルオキシダーゼ(APX)及びBirAビオチンタンパク質リガーゼ(BirA)などのビオチン化が可能な酵素を使用する、反応性ビオチン種の近接ライゲーションに基づく。このアプローチは、シナプスタンパク質に十分に物理的に近接した位置内のビオチン化酵素が、従来の方法(例えば、ストレプトアビジンベースの検出方法、例えば、ストレプトアビジン親和性マトリックスなど)を使用して検出できるビオチン部分でタンパク質を標識するという原理に基づいている。したがって、ビオチン化酵素またはその機能的断片は、シナプスタンパク質に特異的な親和性リガンド(例えば、一本鎖ポリペプチド、オリゴペプチド、抗体もしくはその抗原結合断片、またはアプタマー)に結合または融合され得る。2つの親和性リガンドとそれらに対応するシナプスタンパク質が十分に近い場合(例えば、近接距離閾値以内)、ビオチン化酵素は、シナプスタンパク質をビオチン化することにより近接検出器として機能する。続いて、ビオチン部分は、例えば、ストレプトアビジン親和性マトリックスを使用して検出され、2つ以上のシナプスタンパク質が複合体中で相互作用していることを示す検出可能な近接信号を生成する。
【0154】
親和性リガンド
開示された方法での使用に適した親和性リガンドには、シナプスタンパク質(例えば、NPTX1、NPTX2、NPTXR、または表1に列挙されるシナプスタンパク質のいずれか1つ)の1つ以上の結合部位に結合するリガンドが含まれる。抗体またはその抗原結合断片、一本鎖ポリペプチドもしくはオリゴペプチド、またはアプタマーを含む、シナプスタンパク質に結合する任意のリガンドを本明細書に記載の方法で使用することができる。いくつかの実施形態では、親和性リガンドは、抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、シナプスタンパク質に特異的である(すなわち、それに優先的に結合する)。いくつかの実施形態では、親和性リガンドは、一本鎖ポリペプチドまたはオリゴペプチドである。いくつかの実施形態では、一本鎖ポリペプチドまたはオリゴペプチドは、シナプスタンパク質に特異的である。いくつかの実施形態では、親和性リガンドは、アプタマー(例えば、核酸アプタマー)である。いくつかの実施形態では、アプタマーは、シナプスタンパク質に特異的である。いくつかの実施形態では、親和性リガンド(例えば、第1の親和性リガンド)は、表面(例えば、固体支持体、例えば、プレート、樹脂、粒子、容器、膜またはビーズ)上に固定化される。いくつかの実施形態では、親和性リガンド(例えば、第1の親和性リガンド)は、表面上に固定化されない(例えば、親和性リガンドは、例えば、PLA反応混合物のような溶液中で浮遊している)。
【0155】
i.抗体
本開示は、対象(例えば、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると診断された対象)の血液試料から得られるシナプスタンパク質(例えば、NPTX1、NPTX2、NPTXR、または表1に列挙されるシナプスタンパク質のいずれか1つ)に優先的に結合する、親和性リガンドとしての抗体またはその抗原結合断片の使用を想到する。シナプスタンパク質に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、特定のシナプスタンパク質以外のいかなるタンパク質にも特異的に結合しない抗体またはその抗原結合断片である(例えば、標的シナプスタンパク質特異的抗体またはその抗原結合フラグメントと非標的シナプスタンパク質との相互作用により、バックグラウンドと区別できない信号が得られる)。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、本明細書に開示される近接検出器(例えば、オリゴヌクレオチド、FRETもしくはBRETタンパク質、BiFCタンパク質もしくはその機能的断片、またはビオチン化できるタンパク質もしくはその機能的断片)に結合または融合される。
【0156】
抗体は、ヒトのシナプスタンパク質に対して、または別の動物(例えば、非ヒト霊長類、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、イヌ、ラット、マウス、ウサギ、モルモット、または標的シナプスタンパク質を発現する他の任意の非ヒト哺乳動物)由来のシナプスタンパク質に対して産生され得る。標的シナプスタンパク質に特異的に結合する抗体は、ヒトシナプスタンパク質のみに結合することができるか、またはヒト及び他の哺乳動物由来のシナプスタンパク質に結合することができることもある。抗体は、シナプスタンパク質による動物(例えば、ウサギ、モルモット、ラット、マウス、ヒツジ、ロバ、ヤギ、ハムスター、またはニワトリ)の免疫化によって産生され得る。
【0157】
更に、開示された方法での使用に適した抗体またはその抗原結合断片は、とりわけ、モノクローナル抗体またはその抗原結合断片、ポリクローナル抗体またはその抗原結合断片、ヒト化抗体またはその抗原結合断片、霊長類化抗体またはその抗原結合断片、二重特異性抗体またはその抗原結合断片、多重特異性抗体またはその抗原結合断片、二重可変免疫グロブリンドメイン、一価抗体またはその抗原結合断片、キメラ抗体またはその抗原結合断片、単鎖Fv分子(scFv)、ダイアボディ、トリアボディ、ナノボディ、抗体様タンパク質足場、ドメイン抗体、Fv断片、Fab断片、F(ab’)分子及びタンデムscFv(taFv)などの様々な形態で使用され得る。
【0158】
本明細書に記載される抗体またはその抗原結合断片には、100nM未満(例えば、95nM、90nM、85nM、80nM、75nM、70nM、65nM、60nM、55nM、50nM、45nM、40nM、35nM、30nM、25nM、20nM、15nM、10nM、5nM、4nM、3nM、2nMまたは1nM)のK値でシナプスタンパク質に特異的に結合するものが含まれる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片は、1nM未満(例えば、990pM、980pM、970pM、960pM、950pM、940pM、930pM、920pM、910pM、900pM、890pM、880pM、870pM、860pM、850pM、840pM、830pM、820pM、810pM、800pM、790pM、780pM、770pM、760pM、750pM、740pM、730pM、720pM、710pM、700pM、690pM、680pM、670pM、660pM、650pM、640pM、630pM、620pM、610pM、600pM、590pM、580pM、570pM、560pM、550pM、540pM、530pM、520pM、510pM、500pM、490pM、480pM、470pM、460pM、450pM、440pM、430pM、420pM、410pM、400pM、390pM、380pM、370pM、360pM、350pM、340pM、330pM、320pM、310pM、300pM、290pM、280pM、270pM、260pM、250pM、240pM、230pM、220pM、210pM、200pM、190pM、180pM、170pM、160pM、150pM、140pM、130pM、120pM、110pM、100pM、90pM、80pM、70pM、60pM、50pM、40pM、30pM、20pM、10pM、5pMまたは1pM)のK値でシナプスタンパク質に特異的に結合する。
【0159】
シナプスタンパク質特異的抗体もしくはその抗原結合断片のKまたはEC50を決定するために使用できる実験の例には、例えば、とりわけ、表面プラズモン共鳴、等温滴定熱量測定、蛍光偏光測定、ELISAベースアッセイ、遺伝子発現アッセイ、タンパク質発現アッセイが含まれる。ELISAは、通常、最小限の濃度の抗体を必要とするアッセイであるため、抗体活性を分析するのに特に有用な方法である。典型的なELISAアッセイで分析される一般的な信号は発光であり、これは、通常、一次抗体に特異的に結合する二次抗体に結合したペルオキシダーゼの活性の結果である。本明細書に記載の抗体及びその抗原結合断片は、シナプスタンパク質及びその中のエピトープに結合することができる。本明細書に記載される抗体及びその抗原結合断片は、更に、天然タンパク質における上記のエピトープの立体構造をシミュレートする方法で様々な残基を構造的に事前に組織化する、シナプスタンパク質に由来する単離されたペプチドに結合し得る。直接ELISA実験では、この結合は、例えば、HRP基質(例えば、2,2’-アジノ-ジ-3-エチルベンズチアゾリンスルホネート)とHRP結合二次抗体へ結合した抗原抗体複合体とのインキュベーションの際に生じる、発光を分析することによって定量化することができる。
【0160】
本明細書に記載の方法を哺乳動物対象(例えば、ヒト)に実施する前に、例えば、シナプスタンパク質複合体のシナプスタンパク質の検出を容易にするために、抗体またはその断片を第2の分子(例えば、近接検出器)に結合させることが望ましい場合がある。抗体及びその断片は、当技術分野で周知の様々な確立された結合戦略のいずれかを使用して、抗体の軽鎖もしくは重鎖のN末端またはC末端のいずれかで他の分子に結合させることができる。抗体またはその断片を別の分子に共有結合させるために使用できる反応性官能基の対の例としては、チオール対、カルボン酸とアミノ基、ケトンとアミノ基、アルデヒドとアミノ基、チオールとα,β-不飽和部分(マレイミドまたはデヒドロアラニンなど)、チオールとα-ハロアミド、カルボン酸とヒドラジド、アルデヒドとヒドラジド及びケトンとヒドラジドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0161】
本明細書に開示される抗体またはその抗原結合断片は、記載されているように、化学結合によって別の分子に直接共有結合することができる。あるいは、抗体またはその抗原結合断片を含む融合タンパク質は、細胞(例えば、真核細胞または原核細胞)から組換え的に発現させることができる。これは、例えば、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを細胞の核ゲノムに組み込むことによって(例えば、本明細書に記載の技術または当技術分野で公知の技術を使用して)達成することができる。任意選択で、本明細書に記載の抗体及びその断片は、抗体とリンカーとの間に共有結合を形成することによって第2の分子に結合され得る。次いで、このリンカーを別の分子に結合させることができるか、またはリンカーを、抗体またはその断片にライゲーションする前に別の分子に結合させることができる。コンジュゲートの形成に使用できるリンカーの例には、天然に存在するアミノ酸または非天然に存在するアミノ酸を含むものなどのポリペプチドリンカーが含まれる。いくつかの実施形態では、これらの残基は天然のタンパク質には存在せず、したがって内在性プロテアーゼによる分解に対してより耐性があるため、リンカーにD-アミノ酸を含めることが望ましい場合がある。ポリペプチドリンカーを含む融合タンパク質は、従来の化学合成技術を使用して、または細胞(例えば、原核細胞または真核細胞)内での融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの組換え発現によって作製することができる。リンカーは、当技術分野で周知の様々な戦略を使用して調製でき、リンカーの反応性成分に応じて、酵素的加水分解、光分解、酸性条件下での加水分解、塩基性条件下での加水分解、酸化、ジスルフィド還元、求核切断、または有機金属切断(Leriche et al.,Bioorg Med Chem20:571-582,2012)によって切断できる。
【0162】
いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合断片は、表面(例えば、固体支持体、例えば、プレート、樹脂、粒子、容器、膜またはビーズ)上に固定化される。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合断片は表面に固定化されていない(例えば、抗体またはその抗原結合断片は溶液中で浮遊している)。
【0163】
ii.ポリペプチド
本明細書に開示される方法によれば、構造化された(例えば、二次構造または三次構造を有する)または非構造化(すなわち、直鎖状)の一本鎖ポリペプチドもしくはオリゴペプチドを、タンパク質複合体中の2つ以上のシナプスタンパク質を検出するためのシナプスタンパク質に特異的に結合する親和性リガンドとして使用することができる。本開示の文脈内において、ポリペプチドまたはオリゴペプチド親和性リガンドは、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30個またはそれ以上)のシナプスタンパク質のアミノ酸残基に対するものであり得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドまたはオリゴペプチドは、例えば、アミド結合、チオエーテル結合、炭素-炭素結合またはジスルフィド架橋によって互いに共有結合した1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6またはそれ以上)のCDRを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドまたはオリゴペプチドは、組換えタンパク質である。いくつかの実施形態では、ポリペプチドまたはオリゴペプチドは、in situでシナプスタンパク質に結合するタンパク質の部分または断片を含む。いくつかの実施形態では、シナプスタンパク質に結合するタンパク質の部分または断片は、例えば、とりわけ、親和性、溶解度、半減期及び安定性などの望ましい特性を達成するために修飾(例えば、変異)され得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドまたはオリゴペプチドは、シナプスタンパク質に対して望ましい親和性を有する操作された合成アミノ酸ポリマーである。いくつかの実施形態では、一本鎖ポリペプチドまたはオリゴペプチドはヘビ毒毒素である。いくつかの実施形態では、ヘビ毒毒素はタイポキシンである。いくつかの実施形態では、ポリペプチドまたはオリゴペプチド親和性リガンドは、本明細書に開示される近接検出器(例えば、オリゴヌクレオチド、FRETタンパク質、またはビオチン化可能なタンパク質)に結合または融合される。いくつかの実施形態では、ポリペプチドまたはオリゴペプチドは、表面(例えば、固体支持体、例えば、プレート、樹脂、粒子、容器、膜またはビーズ)上に固定化される。いくつかの実施形態では、ポリペプチドまたはオリゴペプチドは、表面に固定化されていない(例えば、ポリペプチドまたはオリゴペプチドは溶液中で浮遊している)。
【0164】
iii.アプタマー
本開示はまた、タンパク質複合体中の2つ以上のシナプスタンパク質の検出のためにシナプスタンパク質に特異的に結合する親和性リガンドとして使用するためのアプタマー(例えば、一本鎖または二本鎖のDNA、RNAまたはXNAアプタマーなどの核酸アプタマー)を想到する。アプタマーは、非共有結合相互作用(例えば、静電相互作用または疎水性相互作用)によって標的タンパク質に優先的に結合するオリゴヌクレオチド(例えば、DNA、RNAまたはXNA)またはペプチド分子である。いくつかの実施形態では、アプタマー親和性リガンドは、シナプスタンパク質(例えば、NPTX1、NPTX2、NPTXR、または表1に列挙されるシナプスタンパク質のいずれか1つ)に特異的である。
【0165】
核酸アプタマーは、周知の方法を使用して合成することができ、これには、例えば、最終配列を制御するための合成反応の各段階でのヌクレオチドの導入が含まれ得る。特定の修飾されたアプタマーは、記載されている任意の方法、デバイス及びキットで使用できる。修飾塩基を含むヌクレオチドを含むアプタマーは、例えば、改善された半減期、ヌクレアーゼ耐性及び熱安定性など、天然に存在するヌクレオチド(すなわち、未修飾ヌクレオチド)のみを含む標準的なアプタマーとは異なるいくつかの特性を有する。修飾ヌクレオチドは、塩基配列の所望の位置に合成プロセス中に導入することができる。他の官能基は、ヌクレオチドの既知の化学修飾を使用して、所望により導入することができる。
【0166】
ペプチドアプタマーも、開示された方法と組み合わせて使用され得る。ペプチドアプタマーは、一般に、標的分子に特異的に結合するように設計された、小さく、秩序のある、可溶性の、操作されたタンパク質である。ペプチドアプタマーの一般的な構造には、タンパク質の足場に結合した可変アミノ酸配列の1つ以上のペプチドループが含まれる。
【0167】
いくつかの実施形態では、アプタマー親和性リガンドは、本明細書に開示される近接検出器(例えば、オリゴヌクレオチド、FRETタンパク質、またはビオチン化可能なタンパク質)に含まれる(に結合または融合される)。オリゴヌクレオチド近接検出器と組み合わされた核酸アプタマーの場合、アプタマーは、オリゴヌクレオチド近接検出器(例えば、オリゴヌクレオチドプラス鎖またはマイナス鎖)がアプタマー配列の一部となるように、オリゴヌクレオチドのアプタマー配列への結合を必要とせずに合成され得る。いくつかの実施形態では、アプタマーは、表面(例えば、固体支持体、例えば、プレート、樹脂、粒子、容器、膜またはビーズ)上に固定化される。いくつかの実施形態では、アプタマーは、表面上に固定化されていない(例えば、アプタマーは溶液中で浮遊している)。
【0168】
近接検出器
開示された方法は、部分的に、感度がタンパク質複合体中のシナプスタンパク質の物理的近接性に依存する近接ベースの検出アッセイ(例えば、本明細書に記載の近接ライゲーションアッセイ)を使用した、対象の血液試料中の複合体シナプスタンパク質の検出に基づいている。このような近接検出は、本明細書に開示される親和性リガンドに近接検出器を結合させることによって支援され得、その結果、2つ以上の近接検出器結合親和性リガンドが十分に隣接している場合、近接検出器は物理的に相互作用し、タンパク質複合体中の標的シナプスタンパク質の量に大きさが比例する(例えば、線形、超線形、乗算または指数関数的に比例する)近接信号を生成することができる。したがって、本開示は、本明細書に開示される方法と併せて使用され得る複数の近接検出器を提供する。
【0169】
i.オリゴヌクレオチド
いくつかの実施形態では、タンパク質複合体中のシナプスタンパク質の近接検出は、近接検出器として一本鎖オリゴヌクレオチドを使用する。オリゴヌクレオチドは、本明細書に記載の改変PLAプロトコルに従って使用することができる。具体的には、オリゴヌクレオチドベースの近接検出器は、第1のシナプスタンパク質(例えば、NPTX2、NPTX1またはNPTXR)に特異的な親和性リガンド(例えば非固定化親和性リガンド)に結合したオリゴヌクレオチドプラス鎖(例えば、配列番号1)と、第1のタンパク質との複合体中に存在する第2のシナプスタンパク質(例えば、NPTX2、NPTX1もしくはNPTXR、または表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ、ただし、第2のシナプスタンパク質は、第1のシナプスタンパク質とは異なる種類である)に特異的な異なる親和性リガンドに結合したオリゴヌクレオチドマイナス鎖(例えば、配列番号2)と、を含み得る。オリゴヌクレオチドプラス鎖はその5’末端でその対応する親和性リガンドに結合し得るが、オリゴヌクレオチドマイナス鎖はその3’末端でその対応する親和性リガンドに結合し得る。プラス鎖及びマイナス鎖は、本明細書に記載のqRT-PCR反応において使用され得る順方向プライマー(例えば、配列番号4)及び逆方向プライマー(例えば、配列番号5)の結合部位を含み得る。プラス鎖とマイナス鎖の間の物理的近接性を検出するために、コネクターオリゴヌクレオチド(例えば、配列番号3などのスプリントオリゴヌクレオチド)を使用し、プラス鎖の3’末端及びマイナス鎖の5’末端にまたはその近くにハイブリダイズし、プラス鎖とマイナス鎖を緊密に並置する二重鎖構造を生成することができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドプラス鎖は、コネクターオリゴヌクレオチドに相補的塩基対形成(例えば、完全または部分的相補性)によってハイブリダイズすることができる、その3’末端にまたはその近くに6と15個の間のヌクレオチド(例えば、3’末端から20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1または0ヌクレオチド)を有する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドマイナス鎖は、コネクターオリゴヌクレオチドに相補的塩基対形成(例えば、完全または部分的相補性)をハイブリダイズすることができる、その5’末端にまたはその近くに6と15個の間のヌクレオチド(例えば、5’末端から20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1または0ヌクレオチド)を有する。コネクトオリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションによって並置されたプラス鎖とマイナス鎖は、2つの隣接するヌクレオチド間のホスホジエステル結合の形成を触媒するリガーゼ酵素(例えば、T4 DNAリガーゼ、E.coli DNAリガーゼ、または哺乳動物DNAリガーゼ)を使用して連結できる。このようなプラス及びマイナスのオリゴヌクレオチド鎖の連結により、連結プラスマイナスオリゴヌクレオチド鎖(LPMOS)が生成され、その後、公知の核酸増幅方法(例えば、qRT-PCR)を使用して増幅され得る。したがって、LPMOSアンプリコンからの増幅された信号の大きさは、第1及び第2のシナプスタンパク質を含むタンパク質複合体の量を示す。いくつかの実施形態では、LPMOSアンプリコンは、60~100(例えば、65~95、70~90または75~85)ヌクレオチドの長さを有する。
【0170】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドプラス鎖は、配列番号1の核酸配列を有するか、または配列番号1の核酸配列に対して少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上)の配列同一性を有するその変異体である。
【0171】
5’CGCATCGCCCTTGGACTACGACTGACGAACCGCTTTGCCTGACTGATCGCTAAATCGTG3’
(配列番号1)
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドプラス鎖の5’末端はアミノ基を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドプラス鎖には、DNAまたはRNAが含まれる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドプラス鎖は、30~100(例えば、35~95、40~90、45~85、50~80、55~75または60~70)のヌクレオチドまたはヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドプラス鎖は、順方向プライマーにハイブリダイズすることができる。いくつかの実施形態では、順方向プライマーは、配列番号4(5’CATCGCCCTTGGACTACGA3’)の核酸配列を有するか、または配列番号4の核酸配列に対して少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上)の配列同一性を有するその変異体である。
【0172】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドマイナス鎖は、配列番号2の核酸配列を有するか、または配列番号2の核酸配列に対して少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上)の配列同一性を有するその変異体である。
【0173】
5’TCGTGTCTAAAGTCCGTTACCTTGATTCCCCTAACCCTCTTGAAAAATTCGGCATCGGTGA3’
(配列番号2)。
【0174】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドマイナス鎖の3’末端はアミノ基を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドマイナス鎖の5’末端は、5’一リン酸部分を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドマイナス鎖には、DNAまたはRNAが含まれる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドマイナス鎖は、30~100(例えば、35~95、40~90、45~85、50~80、55~75または60~70)のヌクレオチドまたはヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドマイナス鎖は、逆方向プライマーにハイブリダイズすることができる。いくつかの実施形態では、逆方向プライマーは、配列番号5(5’GGGAATCAAGGTAACGGACTTTAG3’)の核酸配列を有するか、または配列番号5の核酸配列に対して少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上)の配列同一性を有するその変異体である。
【0175】
いくつかの実施形態では、コネクターオリゴヌクレオチドは、配列番号3の核酸配列を有するか、または配列番号3の核酸配列に対して少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上)の配列同一性を有するその変異体である。
【0176】
5’TACTTAGACACGACACGATTTAGTTT3’
(配列番号3)
いくつかの実施形態では、コネクターオリゴヌクレオチドには、DNAまたはRNAが含まれる。いくつかの実施形態では、コネクターオリゴヌクレオチドは、10~30(例えば、12~28、14~26、16~24または18~22)のヌクレオチドまたはヌクレオシドを含む。
【0177】
ii.蛍光共鳴エネルギー移動
本開示はまた、タンパク質複合体中の2つ以上のシナプスタンパク質の存在を検出するための近接検出器として使用するための、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET、フェルスター共鳴エネルギー移動としても知られる)分子(例えば、タンパク質)の使用も想到する。FRET技術の基礎となる基本原理は、非放射性双極子結合による2つの感光性分子(発色団)、ドナー発色団とアクセプター発色団の間のエネルギーの移動である。このエネルギー移動の効率はドナー発色団とアクセプター発色団間の物理的距離の6乗に反比例するため、FRET法は、発色団間の距離を高感度で測定するのに特に適している。エネルギーの移動は、励起された(アクセプター)発色団が仮想的な(つまり、検出不可能な)光子を放出し、それがドナー発色団によって瞬時に吸収されるときに始まる。その有利な特性を考慮すると、FRET技術は、例えば、タンパク質複合体中のシナプスタンパク質(例えば、NPTX1、NPTX2、NPTXR、または表1に列挙されるシナプスタンパク質のいずれか1つ)間の物理的相互作用など、タンパク質間相互作用を評価するのに有用である。FRET蛍光信号は、通例の蛍光イメージング法に適している。多くの周知の発色団は、FRETで使用するために開発されている。FRET近接検出器としての使用に適した発色団の非限定的な例には、シアン蛍光タンパク質(CFP)-黄色蛍光タンパク質(YFP)対、または任意の他の緑色蛍光タンパク質(GFP)誘導体が含まれる。これらのタンパク質は、例えば、本明細書に記載の方法などの周知の方法を使用して、タンパク質親和性リガンドに融合させることができるか、または本開示の核酸親和性リガンドに結合させることができる。
【0178】
生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)と呼ばれるFRETの変形も、開示された方法で使用するための近接検出器として使用され得る。FRETと比較したBRETの利点は、蛍光移動を開始するために外部照明を必要としないため、信号対雑音比が向上し、光退色が軽減されることである。BRETは、R.reniformisルシフェラーゼもしくはO.gracilirostrisルシフェラーゼ、またはその変異体などの生物発光タンパク質の使用に依存している。
【0179】
iii.二分子蛍光相補
本開示によれば、生体分子蛍光相補(BiFC)も、本明細書に記載の近接検出方法に使用することができる。BiFCは、蛍光レポータータンパク質の相補的断片(例えば、高感度GFP、高感度CFP、YFP、RFP、高感度BFP、mCherry、mHoneydew、mBanana、mOrange、tdTomato、mTangerine、mStrawberry、mCherry、mGrape1、mRaspberry、mGrape2、mPlumまたはdsRed)を(例えば、タンパク質複合体において)相互作用すると考えられる2つの標的タンパク質に融合することによる蛍光信号の生成を前提としている。2つの標的タンパク質間の物理的相互作用または近接により、相補的な蛍光タンパク質断片の相互作用が可能になり、それによってタンパク質が本来の構造に戻り、蛍光信号が生成される。したがって、蛍光レポーターの一方の相補的断片は、第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンドに融合され得、他方の断片は、第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドに融合され得、ここで、2つのシナプスタンパク質は、タンパク質複合体中で互いに相互作用すると考えられている。したがって、蛍光レポータータンパク質の各半分は、その相補的な半分に十分に近づくと、複合体中の2つのシナプスタンパク質間の相互作用を示す近接信号を生成する近接検出器として機能する。FRETと同様に、標準的な蛍光イメージング法を使用して、BiFC基質タンパク質によって生成される蛍光信号を検出できる。
【0180】
iv.ビオチンリガーゼまたはアスコルビン酸ペルオキシダーゼ
更に、開示された方法は、ビオチンベースの近接検出法、例えば、アスコルビン酸ペルオキシダーゼ(APX)またはbirAビオチンタンパク質リガーゼ(BirA)などのビオチン化タンパク質を使用する方法を使用し得る。APXは、様々な分子の酸化を触媒するヘム含有ペルオキシダーゼである。APXはビオチンを酸化し、活性部位から拡散し、近くのタンパク質をチロシン、トリプトファン、システイン及びヒスチジン残基で無差別にビオチン化する、反応性ビオチン種を生成することができる。APX酵素によるビオチン化を使用してタンパク質間相互作用を評価する確立された方法は、APEX(エンドウAPX)及びAPEX2(大豆APX)技術である。APEX(及びAPEX2)は、数分の時間規模で起こる高速のビオチン化を特徴としており、それによって、標識分子の効率的な検出が容易になる。APEX技術に類似した近接ビオチン化法には、E.coli BirA酵素を使用するBioID、TurboID及びMiniTurbo法、A.aeolicusビオチンリガーゼを使用するBioID2、ならびにB.subtilisビオチンリガーゼを使用するBASUを含む。
【0181】
本開示の文脈において、APX酵素または他の前述のビオチン化酵素のいずれか1つは、第1のシナプスタンパク質もしくは第2のシナプスタンパク質、またはその両方に特異的な親和性リガンドに融合または結合され得る。2つのシナプスタンパク質間に十分な物理的近接性があると、APX酵素は、反応性ビオチン部分を第1及び/または第2のシナプスタンパク質に移動させ、それによって、通例の方法(例えば、ストレプトアビジンベースの検出方法、例えば、ストレプトアビジン親和性マトリックス)を使用して検出され得る近接信号を生成する。あるいは、APX酵素または他の前述のビオチン化酵素のいずれか1つを2つの相補的断片に分離することができ、それぞれを、第1のシナプスタンパク質に特異的な第1の親和性リガンド及び第2のシナプスタンパク質に特異的な第2の親和性リガンドタンパク質にそれぞれ融合または結合させることができる。2つのシナプスタンパク質が、ビオチン化酵素の2つの相補的な半分が結合できるほど十分に接近している場合、酵素は機能的になり、それによって、シナプスタンパク質の一方または両方をビオチン化する反応性ビオチン種の生成が可能になる。したがって、移動されたビオチン部分は、通例の方法を使用して検出できる近接信号として機能する。ビオチン化の量は、第1のシナプスタンパク質と第2のシナプスタンパク質との間の物理的距離に比例(例えば、線形的、超線形的、乗算的または指数関数的)し得る。
【0182】
試料
開示された方法は、対象(例えば、神経障害を発症するリスクのあるヒトなどのヒト)からの試料を使用して実施することができる。特に、試料は、対象(例えば、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると診断されたヒト対象)から得られた血液試料(例えば、血液、血清または血漿)である。アッセイで使用される試料の量は、実行されるアッセイの種類及び使用される支持体(例えば、固体支持体、例えば、プレート、樹脂、粒子、容器、膜またはビーズ)に応じて変化する。使用される試料の量は、約1μL~約500μL(例えば、マルチウェルプレートを使用するアッセイの場合、約50μL~約200μL)であり得る。いくつかの実施形態では、試料の量は50μLである。試料は、アッセイで使用する前に、結合剤または検出剤への結合を妨げない緩衝液(例えば、水、PBS、またはアッセイ方法で使用される緩衝液)で希釈することができ、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:15、1:20、1:100またはそれ以上に希釈できる。
【0183】
シナプスタンパク質の定量化
対象(例えば、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定されたヒト対象などのヒト)から得られた血液試料中のシナプスタンパク質(例えば、NPTX2、NPTX1、NPTXR、または表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)の量は、例えば、本明細書に開示される検出方法などの通例の検出方法に従って定量化され得る。本明細書に記載されるように、シナプスタンパク質の量は、開示された近接ベースのアッセイを使用して、第2のシナプスタンパク質(例えば、NPTX2、NPTX1、NPTXR、または表1に列挙されたシナプスタンパク質のうちのいずれか1つ、ただし、第1及び第2のシナプスタンパク質が異なる種類であることを条件とする)との複合体中の第1のシナプスタンパク質の量を測定することにより、確認され得る。本明細書に開示される核酸ベースの近接検出器の場合、1つ以上のシナプスタンパク質の定量化は、従来の核酸増幅及び検出方法(例えば、とりわけ、qRT-PCRなどのPCR、マイクロアレイ及び配列決定)を使用して実行され得る。
【0184】
いくつかの実施形態では、1つ以上のシナプスタンパク質の量は、qRT-PCRを使用して定量化される。qRT-PCRでは、一般的に、少なくとも1つのプライマー、多くの場合、2つのプライマー(例えば、順方向プライマーと逆方向プライマー)が使用される。本開示と併せて使用するのに有用なプライマーには、オリゴヌクレオチド配列内またはオリゴヌクレオチド配列に隣接する核酸合成の開始点として作用することができる、オリゴヌクレオチドプライマーが含まれる。プライマーは、従来の方法(例えば、合成)を使用して生成され得る。このようなプライマーは、通常、増幅効率を向上させるために一本鎖で作製される。プライマーは、DNAプライマーであってもRNAプライマーであってもよい。一般に、qRT-PCR実行の結果は、試料の蛍光強度がバックグラウンドの強度と交差する点であるサイクル閾値(C(T))値の形式で表される。C(T)値が低いほど、形成された増幅産物の数が多いことを反映する。qRT-PCRは、相対定量または絶対定量を使用して量を測定するために使用できる。絶対定量により、検量線と比較することで標的核酸分子の正確な量を測定できる。相対定量は、内部参照遺伝子に依存し、標的核酸の発現の倍率差を定量化する。相対定量では、測定された量は内部参照遺伝子と相対的である。対象の血液試料中のシナプスタンパク質の量の測定はまた、複数のqRT-PCR実行の平均を取ることによっても実行され得る。
【0185】
タンパク質(例えば、FRET、BRETまたはBiFCタンパク質)によって発せられる蛍光または発光信号の検出による対象の血液試料中のシナプスタンパク質の定量化が必要な場合、従来の蛍光イメージング技術(例:全反射蛍光顕微鏡法、ライトシート蛍光顕微鏡法、蛍光寿命イメージング顕微鏡法、または蛍光共焦点レーザー走査顕微鏡法)を、試料中のシナプスタンパク質(複数可)の量を定量化するために使用することができる。蛍光信号の様々なパラメーター(例えば、振幅、継続時間、減衰時定数または波形)を使用し、試料中の1つ以上のシナプスタンパク質の量を分析することができる。
【0186】
対象の血液試料中の1つ以上のシナプスタンパク質の定量化は、近接検出器(例えば、本明細書に記載の近接検出器)が反応性ビオチン種を生成できる酵素である場合にも実施され得る。このような場合、シナプスタンパク質(複数可)に付着したビオチン部分が検出の基質となる。従来の技術を使用して、試料中のビオチン化シナプスタンパク質を検出することができる。例えば、ストレプトアビジンとの強い結合により、タンパク質上のビオチン部分の存在は、ストレプトアビジンベースの検出アッセイ(例えば、ストレプトアビジン親和性マトリックス)を使用して検出され得る。ビオチン化シナプスタンパク質の正体が先験的にわかっている場合、シナプスタンパク質に特異的な抗体またはその抗原結合断片による同時標識を使用し、ビオチン化タンパク質の正体を確認することができる。
【0187】
神経障害
本開示は、対象における神経変性障害、神経発達障害または精神神経障害を含む様々な神経障害の診断及び予後のための方法を想到する。
【0188】
神経変性障害
神経変性は、遅発性(孤発性)または家族性AD及びアルツハイマー病関連認知症(ADRD、例えば、前頭側頭変性症(FTD)、レビー小体型認知症(LBD)、血管性認知障害及び認知症(VCID)ならびに混合病因認知症(MED))、パーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、リソソーム蓄積障害(例えば、神経セロイドリポフスチン症)、ならびにプリオン病など、進行性認知症に関連する多くの疾患で観察される病態生理学的プロセスである。このプロセスの重要な特徴は、脳組織の全体的な破壊と、とりわけ、認知機能の低下、言語障害及び運動障害を含む、それに伴う様々な行動上の欠陥を引き起こす、神経変性ならびに神経細胞死である。本開示は、本明細書に記載される1つ以上の神経変性障害に罹患している対象のための診断及び予後方法を特徴とする。
【0189】
i.アルツハイマー病
ADは、大脳皮質の前頭葉、側頭葉及び頭頂葉、ならびに前脳基底部コリン作動系及び脳幹内の青斑核などの皮質下構造における進行性神経細胞喪失を特徴とする神経変性疾患である。ADの臨床症状は、短期及び長期の記憶、空間ナビゲーション、言語の流暢さ、衝動制御、快感消失及び引きこもりを含む、多くの認知機能の進行性の低下である。AD患者の脳における神経萎縮は、細胞外及び細胞内のタンパク質封入の蓄積と関連している。不溶性アミロイド-β(Aβ)タンパク質の凝集体は細胞外空間で多く見られるが、過剰リン酸化タウタンパク質の神経原線維変化(NFT)は通常、罹患した神経細胞の細胞内区画で見られる。これらの神経病理は、ADの病因において重要であると考えられている。
【0190】
これまでの研究は、神経細胞ペントラキシンタンパク質をADの病因に関連付けている(Xiao et al.,Elife6:e23798,2017)。特に、Xiaoらは、アミロイドーシスを患うNPTX2欠損ラットでは、特にCNSのパルブアルブミン陽性(PV+)介在ニューロン上でGluR4 AMPA受容体サブユニット発現の減少を示すことを発見した。この研究ではまた、AD患者の死後試料におけるNPTX2レベルの低下、ならびに脳脊髄液(CSF)中のNPTX2レベルとAD患者の認知能力及び海馬体積との間の有意な相関関係も実証された。PV+介在神経細胞は変性に対して特に感受性が高く、AD患者の脳では最大60%減少することが実証されている(Chapman et al.,Front Cell Neurosci13:575,2019)。
【0191】
ii.認知症を伴うまたは伴わないパーキンソン病
PDは運動に影響を及ぼす進行性疾患であり、ADに次いで2番目に多い神経変性疾患として認識されている。PDの一般的な症状には、静止時振戦、固縮及び動作緩慢が含まれ、うつ、便秘、痛み、睡眠障害、泌尿器系の問題、認知機能低下及び嗅覚障害などの非運動症状もこの障害に関連することが増えている。PDの重要な特徴は、黒質緻密部におけるドーパミン作動性神経細胞の死滅であり、そのため、PDの現在の治療法のほとんどはドーパミンを増やすことに重点を置いている。PDの別の周知の神経病理学的特徴は、影響を受けた脳領域にα-シヌクレインを含むレビー小体が存在することであり、これがこの疾患に寄与していると考えられている。
【0192】
PDは、遺伝的危険因子と環境的危険因子の組み合わせによって生じると考えられている。すべてのPD症例の原因となる単一の遺伝子は存在せず、大多数の症例は孤発的であり、直接遺伝するものではないように思われる。パーキン、PTEN誘導性推定キナーゼ1(PINK1)、ロイシンリッチリピートキナーゼ2(LRRK2)、及びパーキンソン病関連デグリカーゼ(DJ-1)をコードする遺伝子の変異が、PDに関連していることが判明しているが、それらは、症例総数のごく一部にすぎない。一部の農薬及び除草剤への職業的曝露も、PDの危険因子として提唱されている。
【0193】
これまでの研究では、孤発性PD、特に、黒質の皮質神経細胞及びグリア細胞のレビー小体においてヒトNPTX2 mRNAの上方制御が実証されており、PDで観察される神経変性へのNPTX2の潜在的な関与が示唆されている(Chapman et al.,Front Cell Neurosci13:575,2019)。更に、認知症及びレビー小体病(DLB)患者の脳脊髄液(CSF)では、NPTX2レベルが低下する(van Steenovet et al.,Mol.Neurodegen.15:36,2020)。
【0194】
iii.前頭側頭変性症
FTDは、大脳皮質の前頭葉及び側頭葉における進行性神経変性を特徴とする臨床症候群である。FTDの症状は複雑かつ不均一であり、1)行動及び性格の変化、感情鈍麻、引きこもり、固執性行動、注意欠陥、脱抑制、及び前頭葉の明白な変性によって特徴付けられる、行動変異型前頭側頭型認知症(BVFTD)と、2)流暢性失語症、単語、物体及び概念の意味性知識の進行性喪失、ならびに前部側頭葉の明白な変性によって特徴付けられる意味性認知症(SD)と、を含む、臨床的に異なる3つの変異型のうちの1つとして現れ得る。更に、FTDのSD変異体は、感情の平板化、社会性欠失、固執性行動及び脱抑制、または3)発話における運動障害、言語表現の低下、及びペリシルビ皮質の明白な変性によって特徴付けられる進行性非流暢性失語症を示す。FTD患者の脳における神経細胞の喪失は、次の3つの異なる神経病理:1)タウ陽性神経細胞及びグリア封入の存在、2)ユビキチン(ub)陽性及びTAR DNA結合タンパク質43(TDP43)陽性だが、タウ陰性の封入、または3)ub及び融合肉腫(FUS)陽性だが、タウ及びTDP-43陰性の封入、のうちの1つと関連している。これらの神経病理は、FTDの病因において重要であると考えられている。
【0195】
FTD患者のほぼ半数には、認知症、ALSまたはPDを患う一親等家族がおり、この病気の原因と強い遺伝的関連が示唆されている。染色体17q21の多数の変異が、FTDの発現に関連している。
【0196】
以前の研究では、症候性HD変異保因者ではCSFのNPTX1、NPTX2及びNPTXRのレベルが低いことが実証されている(van der Ende et al.,J Neurol Neurosurg Psychiatry91:612-21,2020)。注目すべきことに、CSF中のNPTX2レベルは、疾患重症度の臨床測定値及び複数の脳領域の灰白質体積と相関し、音韻言語流暢性の低下及び認知症の臨床測定値の低下を予測した。
【0197】
iv.ハンチントン病
HDは、常染色体優性の神経性アミロイド形成性疾患です。100,000人あたり5~10人が、この常染色体疾患に罹患している。しかし、米国での有病率ははるかに高く、20万人未満の米国人のうち50%がHDを発症するリスクがあることが研究で示されており、特に米国では3万人の患者が登録されているのに対し、全世界で登録されている患者はわずか10万人にすぎない。
【0198】
HDは、ハンチンチン(HTT)遺伝子、特に染色体4に位置するHTT遺伝子のエキソン1におけるトリヌクレオチドCAG反復増殖によって生じ(MacDonald et al.,Cell72,(1993),971-983)、それは、HTTタンパク質のポリグルタミン(polyQ)ストレッチに変換される。HDは、polyQトラクトの長さが35~40グルタミン残基を超えると発生し、反復長と発症年齢の間には強い逆相関がある。このpolyQストレッチは、CNSの神経細胞及びグリア細胞におけるHTTのミスフォールディングならびに凝集を引き起こす。加齢に伴い、HTT凝集体の蓄積により、線条体GABA作動性神経細胞及び皮質錐体神経細胞の変性が引き起こされる。HDの症状には、不随意運動、運動調整の欠如、うつ、ならびに、例えば、記憶喪失及び/または認知症などの認知機能の低下が含まれる。
【0199】
神経発達障害
神経発達障害は、神経系の典型的な発達の障害によって特徴付けられる一連の状態であり、これらに限定されないが、学習、記憶、感情制御、衝動制御、コミュニケーション欠陥、及び運動欠陥を含む、神経分岐及び脳機能の障害を引き起こす。神経発達障害は、遺伝的障害、社会的剥奪、代謝疾患、免疫障害、感染症、栄養的要因、物理的外傷、または毒性もしくは環境的要因によって引き起こされる神経系の異常な発達に起因する可能性がある。開示された方法を用いたスクリーニングに適し得る神経発達障害の非限定的な例としては、知的障害、学習障害(例えば、失読症または計算障害)、自閉症スペクトラム症(例えば、自閉症またはアスペルガー症候群)、運動障害(例えば、発達性協調運動症または常同運動症)、チック障害(例えば、トゥレット症候群)、外傷性脳損傷(例えば、先天性損傷)、コミュニケーション及び言語障害、遺伝性疾患(例えば、脆弱X症候群、ダウン症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD)、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症候群)、及び神経毒性物質による障害(例えば、胎児性アルコールスペクトラム障害、水銀による水俣病、鉛、クロム及び白金などの重金属による行動障害、炭化水素、PBDE、PCB、薬物、または違法薬物)が挙げられる。したがって、本開示は、とりわけ、前述の神経発達障害のうちの1つ以上を患う対象のための診断及び予後方法を特徴とする。
【0200】
精神神経障害
精神神経障害は、異常感情、認知及び/または行動を特徴とする、様々な状態の群である。多くの場合、これらの障害は大脳皮質への器質的損傷の結果として生じるが、CNSの大脳外領域も影響を受ける可能性がある。精神神経障害は、通常、これらに限定されないが、不安、神経質、感情鈍麻、気分障害、幻覚、妄想、行動及び性格の変化、せん妄、ならびに認知症を含む、様々な精神症状を示す。開示された方法を用いたスクリーニングに適した精神神経障害の非限定的な例としては、大うつ病、双極性障害、強迫性障害、摂食障害、及び統合失調症が挙げられる。
【0201】
診断及び予後の方法
診断及び予後
本明細書に記載される近接ベースの検出アッセイは、対象(例えば、ヒト)に、神経障害(例えば、神経変性障害、神経発達障害、または精神神経障害)の存在を示す診断または予後、医学的処置の有り無しでの臨床転帰、治療薬に対する反応性、神経障害に対する患者の回復力、または対象の特定の認知領域(例えば、学習及び記憶)内の症状の重症度を提供するために使用することができる。特に、開示された方法は、対象からの血液試料(例えば、血液、血清または血漿)中の1つ以上のシナプスタンパク質(例えば、NPTX2、NPTX1、NPTXRまたは表1に列挙されているシナプスタンパク質のいずれか1つ)の検出に基づいて、神経障害を有するか、もしくは有すると疑われる対象に診断または予後を提供するために使用され得る。診断または予後の方法は、前駆の対象、または神経障害を有するかもしくは神経障害を発症するリスクのある症候性の対象において実施することができる。危険因子には、とりわけ、遺伝子変異、環境因子(例えば、神経毒への曝露)、感染症、外傷、年齢、性別、民族、体重、社会経済的地位、食事、個人のライフスタイル、または既往症が含まれ得る。
【0202】
本明細書に記載のアッセイは、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクのある対象の血液試料中の1つ以上のシナプスタンパク質のレベルを測定するために使用することができる。血液試料から測定された複合体シナプスタンパク質(複数可)のレベルを使用し、対象からの血液試料中の前記レベルを参照血液試料と比較することによって、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあるかを判定することができる。参照血液試料は、同様の年齢、性別、地理的位置、ライフスタイルなどの1人以上の健康な対象からのものであり得る。例えば、血液試料中の別のシナプスタンパク質(例えば、NPTX2、NPTX1、NPTXR、または表1に列挙されているシナプスタンパク質のいずれか1つ、ただし、2つのシナプスタンパク質が異なる種類であることを条件とする)と複合体を形成している神経細胞ペントラキシン(例えば、NPTX2、NPTX1、またはNPTXR)のレベルは、血液試料が採取された対象の疾患状態を示し得る。特に、参照血液試料と比較して、神経障害を有するか、または神経障害を有する疑いのある対象の血液試料中のNPTX2及びNPTXRの両方を含むタンパク質複合体のレベルの増加は、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあるとの陽性診断を示す可能性がある。別の例では、参照血液試料と比較して、神経障害を有するか、または神経障害を有する疑いのある対象の血液試料中のNPTX1及びNPTXRの両方を含むタンパク質複合体のレベルの増加は、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあるとの陽性診断を示す可能性がある。別の例では、参照血液試料と比較して、神経障害を有するか、または神経障害を有する疑いのある対象の血液試料中のNPTX2及びGluA4の両方を含むタンパク質複合体のレベルの減少は、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあるとの陽性診断を示す可能性がある。更に、対象の血液試料中で測定されたシナプスタンパク質レベルの比率は、疾患の状態を示す可能性がある。例えば、対象の血液試料中のNPTX2-GluA4シナプスタンパク質複合体のNPTX2-NPTXRシナプスタンパク質複合体に対する比率の減少は、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあることを示している可能性がある。同様に、対象の血液試料中のNPTX2-GluA4シナプスタンパク質複合体のNPTX1-NPTXRシナプスタンパク質複合体に対する比率の減少は、対象が神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあることを示している可能性がある。シナプスタンパク質(または、シナプスタンパク質複合体)のレベル、またはシナプスタンパク質複合体の比率の減少は、参照血液試料中のシナプスタンパク質のレベルまたはシナプスタンパク質複合体の比率と比較して、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上の低下であり得る。シナプスタンパク質(または、シナプスタンパク質複合体)のレベル、またはシナプスタンパク質複合体の比率の増加は、参照血液試料中のシナプスタンパク質のレベルまたはシナプスタンパク質複合体の比率と比較して、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%またはそれ以上の低下であり得る。
【0203】
本明細書に開示されるアッセイは、例えば、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,Fifth Edition and the International Classification of Diseases,11th Revisionに記載されている方法など、神経障害を診断する他の従来の方法と組み合わせた診断方法として使用することができる。
【0204】
例えば、対象における神経障害の診断は、対象における認知障害の程度を評価するための神経心理学的検査によって導かれる場合がある。対象の認知機能は、これらに限定されないが、複雑性注意、実行機能、学習及び記憶、言語、知覚運動機能、ならびに社会的認知を含む、1つ以上の認知領域にわたるパフォーマンスを評価する認知検査を実行することによって評価され得る。対象の認知機能を、対象の年齢、病歴、教育、社会経済的状態及びライフスタイルに適した標準値(例えば、一般集団などの参照集団)と比較して、対象の神経障害に関する診断を決定することができる。認知検査の非限定的な例には、Eight-item Informant Interview to Differentiate Aging and Dementia(AD8)、Annual Wellness Visit(AWV)、General Practitioner Assessment of Cognition(GPCOG)、Health Risk Assessment(HRA)、Memory Impairment Screen(MIS)、Mini Mental Status Exam(MMSE)、Montreal Cognitive Assessment(MoCA)、St. Louis University Mental Status Exam(SLUMS)及びShort Informant Questionnaire on Cognitive Decline in the Elderly(Short IQCODE)が挙げられる。あるいはまたは加えて、F18-フルオロデオキシグルコースPETスキャンまたはMRIスキャンの使用を使用し、神経障害(例えば、神経変性障害)を有する対象における神経変性の存在を判定することができる。
【0205】
更に、対象は、目的となる特定の神経障害に特異的なバイオマーカーの存在について検査されてもよい。例えば、対象の前脳におけるAβ斑または過剰リン酸化タウタンパク質のNFTの存在、対象におけるAPP、PSEN1、PSEN2及び/またはTREM2遺伝子の変異ならびにAPOEのε4対立遺伝子の変異体の存在など対象がADを有することを示すバイオマーカーの存在について、対象は検査され得る。
【0206】
対象の認知機能は、これらに限定されないが、学習及び記憶、複雑性注意、実行機能、言語、知覚運動機能、ならびに社会的認知を含む、1つ以上の認知領域にわたるパフォーマンスを評価する認知検査を実行することによって評価され得る。対象の認知機能を、対象の年齢、病歴、教育、社会経済的状態及びライフスタイルに適した標準値(例えば、一般集団などの参照集団)と比較して、対象の神経障害に関する診断を決定するまたは確認することができる。
【0207】
疾患重症度
本明細書に記載の方法は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における疾患の重症度を評価するために使用することもできる。例えば、神経障害を有するか、または神経障害を有する疑いのある対象の血液試料において、参照血液試料と比較して、NPTX2とNPTXR、またはNPTX1とNPTXRの両方を含むタンパク質複合体のレベルが増加している対象は、対象における疾患の重症度が正常よりも高い(例えば、参照患者または患者集団に対して)ことを示し得る。別の例では、対象の血液試料中のNPTX2とGluA4の両方を含むタンパク質複合体のレベルの低下、またはNPTX2-GluA4シナプスタンパク質複合体のNPTX2-NPTXR複合体に対する比率の低下は、対象における疾患の重症度が正常よりも高いことを示し得る。シナプスタンパク質(または、シナプスタンパク質複合体)のレベル、またはシナプスタンパク質複合体の比率の減少は、参照血液試料中のシナプスタンパク質のレベルまたはシナプスタンパク質複合体の比率と比較して、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上の低下であり得る。シナプスタンパク質(または、シナプスタンパク質複合体)のレベル、またはシナプスタンパク質複合体の比率の増加は、参照血液試料中のシナプスタンパク質のレベルまたはシナプスタンパク質複合体の比率と比較して、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%またはそれ以上の低下であり得る。神経障害の重症度が評価されると、対応する治療コースが推奨され得る。例えば、高い疾患重症度を有すると同定された対象には、正常または低い疾患重症度を有すると同定された対象よりも、より頻繁及び/またはより積極的な治療レジメンが投与され得る。したがって、ここで開示されるアッセイは、潜在的に衰弱させるか、または生命を脅かす状態を検出し、適切な治療反応の必要性を評価するために使用することができる。
【0208】
監視
本明細書に記載の神経障害を有するか、または発症するリスクのある対象は、本明細書に開示の方法を使用して監視することができる。監視は、現在の疾患状態が、開示された方法を使用して決定されたか、当技術分野で周知の方法を使用して決定されたかにかかわらず、疾患症状の悪化の可能性を示す対象にとって適切なアプローチであり得る。あるいは、監視は、開示された方法または当技術分野で周知の方法を使用して神経障害を有すると診断されたが、評価時には無症候性である対象において実施され得る。監視は、開示された方法を使用して、一定の間隔(例えば、年に1回、年に2回、3か月に1回、月に1回、隔月に1回または週に1回)で実行され、シナプスタンパク質のレベルまたはそれらの比率が安定しているか、または変動しているかを決定することができる。対象の血液試料中のNPTX2-NPTXR複合体及び/またはNPTX1-NPTXR複合体のレベルの低下は、疾患状態の改善を示している可能性がある。更に、対象の血液試料中のNPTX2-GluA4のレベル、またはNPTX2-GluA4対NPTX2-NPTXRの比率、もしくはNPTX2-GluA4対NPTX1-NPTXRの比率の増加は、疾患状態の改善を示し得る。逆に、対象の血液試料中のNPTX2-NPTXR複合体及び/またはNPTX1-NPTXR複合体のレベルの増加は、疾患状態の悪化を示している可能性がある。同様に、対象の血液試料中のNPTX2-GluA4のレベル、またはNPTX2-GluA4対NPTX2-NPTXRの比率、もしくはNPTX2-GluA4対NPTX1-NPTXRの比率の低下は、疾患状態の悪化を示し得る。シナプスタンパク質(または、シナプスタンパク質複合体)のレベル、またはシナプスタンパク質複合体の比率の減少は、参照血液試料中のシナプスタンパク質のレベルまたはシナプスタンパク質複合体の比率と比較して、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上の低下であり得る。シナプスタンパク質(または、シナプスタンパク質複合体)のレベル、またはシナプスタンパク質複合体の比率の増加は、参照血液試料中のシナプスタンパク質のレベルまたはシナプスタンパク質複合体の比率と比較して、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%またはそれ以上の低下であり得る。
【0209】
治療効果
開示された方法は、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると同定された対象における治療薬の治療効果を評価または予測するために使用することもできる。例えば、対象の血液試料中の本明細書に開示されるシナプスタンパク質のレベルは、治療の開始前または後に測定することができ、その後、治療中に継続的に測定することができる(例えば、1日1回、週1回、隔週、月に1回、隔月、3か月に1回、または年に2回)。治療過程中の対象の血液試料中のNPTX2-NPTXR複合体及び/またはNPTX1-NPTXR複合体のレベルの低下は、改善を示し、治療の有効性を実証し得る。更に、対象の血液試料中のNPTX2-GluA4のレベル、またはNPTX2-GluA4対NPTX2-NPTXRの比率、もしくはNPTX2-GluA4対NPTX1-NPTXRの比率の増加はまた、治療効果を示し得る。逆に、対象の血液試料中のNPTX2-NPTXR複合体及び/またはNPTX1-NPTXR複合体のレベルの増加は、治療効果の欠如を示している可能性がある。同様に、対象の血液試料中のNPTX2-GluA4のレベル、またはNPTX2-GluA4対NPTX2-NPTXRの比率、もしくはNPTX2-GluA4対NPTX1-NPTXRの比率の低下は、治療効果の欠如を示し得る。シナプスタンパク質(または、シナプスタンパク質複合体)のレベル、またはシナプスタンパク質複合体の比率の低下は、参照血液試料中のシナプスタンパク質のレベルまたはシナプスタンパク質複合体の比率と比較して、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上の低下であり得る。シナプスタンパク質(または、シナプスタンパク質複合体)のレベル、またはシナプスタンパク質複合体の比率の増加は、参照血液試料中のシナプスタンパク質のレベルまたはシナプスタンパク質複合体の比率と比較して、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%またはそれ以上の低下であり得る。
【0210】
回復力
神経変性疾患の文脈において、回復力とは、生涯を通じて無症状だった一部の対象が、神経変性疾患の負担を示す神経病理学的特徴を示すことが死後に判明する可能性がある現象を指す。例えば、ADに対して回復力のある患者は、生涯を通じて認知機能低下の症状を示さないが、死後、アミロイドβプラーク及び/または過剰リン酸化タウタンパク質変化の高い負荷を有していることが判明する。このような場合、対象が神経変性疾患の症状を発症するか(すなわち、対象は回復力がない)か否か(例えば、対象は回復力がある)を判定するために、例えば、家族性神経変性疾患の病歴を有する対象、または神経変性疾患を誘発する可能性のある環境毒素に曝露された対象などの対象からの血液試料に対して開示のアッセイを実施することが有利であり得る。したがって、本明細書に記載のアッセイは、対象から得た血液試料(例えば、血液、血清または血漿)中の1つ以上のシナプスタンパク質(例えば、NPTX2、NPTX1、NPTXR、または表1に列挙されたシナプスタンパク質のいずれか1つ)のレベルを測定することによって、神経障害(例えば、神経変性障害)を有する対象の回復力を評価するために使用できる。
【0211】
例えば、治療過程中の対象の血液試料中のNPTX2-NPTXR複合体及び/またはNPTX1-NPTXR複合体のレベルの低下は、対象が神経障害に対して回復力があることを示し得る。更に、対象の血液試料中のNPTX2-GluA4のレベル、またはNPTX2-GluA4対NPTX2-NPTXRの比率、もしくはNPTX2-GluA4対NPTX1-NPTXRの比率の増加はまた、回復力を示し得る。逆に、対象の血液試料中のNPTX2-NPTXR複合体及び/またはNPTX1-NPTXR複合体のレベルの増加は、対象が神経障害に対して回復力がないことを示している可能性がある。同様に、対象の血液試料中のNPTX2-GluA4のレベル、またはNPTX2-GluA4対NPTX2-NPTXRの比率、もしくはNPTX2-GluA4対NPTX1-NPTXRの比率の低下はまた、神経障害に対する回復力の欠如を示し得る。シナプスタンパク質(または、シナプスタンパク質複合体)のレベル、またはシナプスタンパク質複合体の比率の低下は、参照血液試料中のシナプスタンパク質のレベルまたはシナプスタンパク質複合体の比率と比較して、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上の低下であり得る。シナプスタンパク質(または、シナプスタンパク質複合体)のレベル、またはシナプスタンパク質複合体の比率の増加は、参照血液試料中のシナプスタンパク質のレベルまたはシナプスタンパク質複合体の比率と比較して、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%またはそれ以上の低下であり得る。
【0212】
キット
本開示はまた、対象(例えば、神経障害を有するか、または神経障害を発症するリスクがあると診断されたヒト対象などのヒト対象)からの血液試料中のシナプスタンパク質のレベルを測定する際に使用するためのキットを特徴とする。キットは、以下:支持体(例えば、プレート(例えば、マルチウェルプレート));支持体に固定化されたリガンド(例えば、本明細書に開示されるシナプスタンパク質に特異的な抗体);それぞれが、それに結合した近接検出器(例えば、オリゴヌクレオチドプラス鎖(例えば、配列番号1)及びオリゴヌクレオチドマイナス鎖(例えば、配列番号2)、コネクターオリゴヌクレオチド(例えば、配列番号3)ならびにDNAリガーゼ酵素(例えば、T4 DNAリガーゼ)を有する、2つ以上の非固定化リガンド(例えば、本明細書中に開示される2つ以上のシナプスタンパク質に特異的な抗体);定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応アッセイのための試薬(例えば、プライマー及び緩衝液);ならびに検出アッセイを実行するための説明書、のうちの1つ以上を含み得る。
【実施例
【0213】
以下の実施例は、本明細書に記載する組成物及び方法をどのように使用し、製造し、評価し得るかについての説明を当業者に提供するために提示し、純粋に本開示を例示することを意図するものであり、発明者らが自身の開示とみなすものの範囲を限定することを意図しない。
【0214】
実施例1:ヒト脳脊髄液中の神経細胞ペントラキシン2及び神経細胞ペントラキシン受容体を含むシナプスタンパク質複合体を検出するための近接ライゲーションアッセイの使用
近接ライゲーションアッセイ(PLA)をヒト脳脊髄液(CSF)試料に対して実行し、このアッセイを使用して、CSF中のシナプスタンパク質複合体を検出できるかどうかを確認した。図1は、本開示のPLAアッセイを要約する概略図を示す。最初の工程として、ELISAプレートをウサギ抗NPTX2抗体(5μg/mL)でコーティングした。続いて、反応混合物を0.1mg/mLのサケ精子DNAでブロックし、室温で1時間インキュベートした。50μLのCSF試料をプレートに添加し、4℃で一晩インキュベートした。反応混合物を、0.1%Tween界面活性剤(TBST)含有トリス緩衝生理食塩水で洗浄し、50μLのPLAプローブ(0.1mg/mLのサケ精子DNA及び1%のウシ血清アルブミン(BSA)を含むTBS中の、ウサギ抗NPTX2抗体と結合したオリゴヌクレオチドプラス鎖(配列番号1)1μg/mL及びヒツジ抗NPTXR抗体と結合したオリゴヌクレオチドマイナス鎖(配列番号2)1μg/mL)を、反応混合物に添加し、1時間インキュベートした。TBSTで洗浄した後、1μLのT4 DNAリガーゼ、20μMの濃度の0.5μLのコネクター(スプリント)オリゴヌクレオチド(配列番号3)、5μLの10×T4リガーゼ緩衝液及び43.5μLの水を含む50μLのライゲーション反応混合物を、反応プレートに加え、1時間インキュベートした。リン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄した後、50μLのジチオスレイトール(DTT、20mM)を反応混合物に添加し、1時間インキュベートした。続いて、放出されたライゲーション産物をエッペンドルフ管に回収し、順方向プライマー(配列番号4)及び逆方向プライマー(配列番号5)を使用して、384ウェルプレート内のライゲーション産物に対して定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施した。
【0215】
ヒトCSF中のNPTX2レベルは、上記のNPTX2-NPTXR PLA手順を使用して測定され、ELISAを使用してヒトCSF試料に対して実行されたNPTX2の定量と比較した。ピアソン相関分析は、NPTX2-NPTXRのPLA測定値とNPTX2のELISA測定値との間の強い相関を実証した(図2、n=12、ピアソン相関係数r=0.968)。
【0216】
実施例2:ヒト血液中の神経細胞ペントラキシン2及び神経細胞ペントラキシン受容体を含むシナプスタンパク質複合体を検出するための近接ライゲーションアッセイの使用
PLAをヒト血液試料に対して実行し、このアッセイを使用して、血液中のシナプスタンパク質複合体を検出できるかどうかを確認した。上記の実施例1に記載のNPTX2-NPTXR PLAアッセイを、50μLのヒト血漿試料に対して実施した。血漿試料を、PBS及び1%BSAまたはNPTX2除去血漿で2倍に連続希釈した。続いて、PBSで希釈した血漿試料(図3A)及びNPTX2除去血漿で希釈した血漿試料(図3B)について希釈曲線を作成した。
【0217】
続いて、臨床的に診断されたアルツハイマー病(AD)患者(n=33)及び対応する健康な対照(Ctrl、n=34)から採取した50μLの血漿試料に対して、上記のNPTX2-NPTX4 PLAアッセイを実施した。NPTX2-NPTXRは、AD群において上昇する傾向があったが(図4)、統計的有意性は得られなかった(p=0.109、両側t検定)。
【0218】
実施例3:ヒト血液中の神経細胞ペントラキシン2及びグルタミン酸イオンチャネル型受容体AMPA型サブユニット4を含むシナプスタンパク質複合体を検出するための近接ライゲーションアッセイの使用
上記のPLAアッセイをヒト血漿試料に対して実行し、血液中のNPTX2及びグルタミン酸イオンチャネル型受容体AMPA型サブユニット4(GluA4)を含むシナプスタンパク質複合体の存在(NPTX2-GluA4)を測定した。PLAアッセイは、ヒツジ抗NPTXR抗体に結合した1μg/mLのオリゴヌクレオチドマイナス鎖(配列番号2)を使用する代わりに、ウサギ抗GluA4抗体に結合した1μg/mLのオリゴヌクレオチドマイナス鎖を使用したことを除き、上記と同様に実施した。希釈曲線は、PBS(図5A)またはNPTX2除去血漿(図5B)で連続希釈したヒト血漿試料について生成した。
【0219】
続いて、臨床的に診断されたAD患者(n=33)及び対応する健康な対照(Ctrl、n=34)から採取した50μLの血漿試料に対して、上記のNPTX2-GluA4 PLAアッセイを実施した。NPTX2-GluA4の血漿レベルは、対照患者とAD患者との間で有意差を示さなかった(図6A)。しかし、血漿NPTX2-GluA4レベルのNPTX2-NPTXRレベルに対する比率は、対照患者と比較してAD患者において有意な減少を示した(図6B、p=0.039、両側t検定)。これらの発見は、ヒト血液試料中のNPTX2-GluA4レベルのNPTX2-NPTXRレベルに対する比率を使用し、AD患者を健康な対照患者から層別化できることを示している。
【0220】
実施例4:ヒト血液中の神経細胞ペントラキシン1及び神経細胞ペントラキシン受容体を含むシナプスタンパク質複合体を検出するための近接ライゲーションアッセイの使用
上記のPLAアッセイをヒト血漿試料に対して実行し、血液中の神経細胞ペントラキシン1(NPTX1)及びNPTXRを含むシナプスタンパク質複合体(NPTX1-NPTXR)の存在を測定した。PLAアッセイは、固定化抗体がウサギ抗NPTX1抗体であり、ヒツジ抗NPTXR抗体に結合した1μg/mLのオリゴヌクレオチドマイナス鎖(配列番号2)を使用したことを除いて、上記と同様に実施した。希釈曲線は、PBS(図7A)またはNPTX2除去血漿(図7B)で連続希釈したヒト血漿試料について生成した。
【0221】
続いて、臨床的に診断されたAD患者(n=33)及び対応する健康な対照(Ctrl、n=34)から採取した50μLの血漿試料に対して、上記のNPTX1-NPTXR PLAアッセイを実施した。NPTX1-NPTXRの血漿レベルは、対照患者とAD患者との間で有意差を示さなかった(図8A)。しかし、血漿NPTX2-GluA4レベルのNPTX2-NPTXRレベルに対する比率は、対照患者と比較してAD患者において減少する傾向を示した(図8B、p=0.154、両側t検定)。
【0222】
結論
結論として、上記の実施例は、開示されたPLA法を使用してヒト血液中で神経細胞ペントラキシンが検出可能であることを実証している。特に価値があるのは、血中NPTX2-GluA4複合体とNPTX2-NPTXR複合体との比率を使用し、AD患者を健康な対照患者から区別することができ(図12)、それによって、開示された方法を、例えば、とりわけ、ADなどの神経障害の診断または予後ツールとして使用する道を提供するという発見である。
【0223】
実施例5:ヒト血液中の神経細胞ペントラキシン2、グルタミン酸イオンチャネル型受容体AMPA型サブユニット4及び神経細胞ペントラキシン受容体を含むシナプスタンパク質複合体を検出するための近接ライゲーションアッセイの使用
臨床的に診断されたAD患者のより大規模な試料では、上記のPLAアッセイをヒト血漿試料に対して実行し、血液中のNPTX2及びGluA4を含むシナプスタンパク質複合体(NPTX2-GluA4)の存在を測定した。NPTX2-GluA4 PLAアッセイは、ウサギ抗GluA4抗体に結合した1μg/mLのオリゴヌクレオチドマイナス鎖を使用して実行された。更に、上記のNPTX2-GluA4 PLAアッセイを、臨床的に診断されたAD患者及び対応する健康な対照の同じ集団から得た50μLの血漿試料に対して更に実行した。
【0224】
このより大きな対象集団では、NPTX2-GluA4の血漿レベルは、対照患者とAD患者との間で有意差を示さなかった(図9)。しかし、NPTX2-NPTXRの血漿レベルは、対照患者とAD患者の間で有意な差を示した(図10)。そのうえ、血漿NPTX2-GluA4レベルのNPTX2-NPTXRレベルに対する比率は、対照患者と比較してAD患者において有意な減少を示した(図11、p=0.010、両側t検定)。これらの発見は、ヒト血液試料中のNPTX2-GluA4レベルのNPTX2-NPTXRレベルに対する比率を使用し、AD患者を健康な対照患者から層別化できることを更に例証する。
【0225】
他の実施形態
記載される開示の様々な改変及び変更は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかとなるであろう。本開示を特定の実施形態に関連して記載したが、特許請求される本開示は、そのような特定の実施形態に必要以上に限定されるべきではないことを理解すべきである。実際に、当業者には明らかである本開示を実施するために記載する様式の様々な改変は、本開示の範囲内であることが意図される。
【0226】
他の実施形態は、特許請求の範囲に見出される。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
【配列表】
2024500447000001.app
【国際調査報告】