(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】飲料を調製するためのカプセル、方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
A47J 31/06 20060101AFI20231226BHJP
B65D 85/72 20060101ALI20231226BHJP
B65D 43/02 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
A47J31/06 320
B65D85/72
B65D43/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538056
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 EP2021086816
(87)【国際公開番号】W WO2022136284
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521391335
【氏名又は名称】デリカ・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】DELICA AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アフォルター,ローランド
(72)【発明者】
【氏名】ブレーニマン,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】クルツ,オリビア
(72)【発明者】
【氏名】ジエファルト,カロリーネ
(72)【発明者】
【氏名】シュタインブリュックナー,カトリーン
(72)【発明者】
【氏名】ティラ,ティム
(72)【発明者】
【氏名】チョップ,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ビュートリッヒ,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ツバイフェル,ミヒャ
【テーマコード(参考)】
3E035
3E084
4B104
【Fターム(参考)】
3E035AA03
3E035AB10
3E035BA10
3E035BC10
3E035DA10
3E084AA06
3E084AA39
3E084AB01
3E084LA30
3E084LD30
4B104AA19
4B104AA20
4B104BA35
4B104EA04
4B104EA06
(57)【要約】
飲料を調製するためのカプセル(1)であって、
成形体を含むコア材料(3)と、
コア材料(2)を封入するシェルと、を備え、
カプセル(1)が、破壊強度試験において、少なくとも15%の、押圧方向を横断する方向の最大膨張率を有する、カプセル(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料、特に高温飲料を調製するためのカプセル(1)であって、
成形体を含む飲料調製のためのコア材料(3)と、
前記コア材料を封止するシェル(2)と、を備え、
前記カプセル(1)が、特に水ですすがれた後、破壊強度試験において、少なくとも15%、特に少なくとも20%、好ましくは少なくとも25%、特に好ましくは少なくとも30%の、押圧方向を横断する方向の最大膨張率を有することを特徴とする、カプセル(1)。
【請求項2】
前記カプセル(1)は、特に水ですすがれた後、少なくとも25N、特に少なくとも50N、好ましくは少なくとも100Nの前記破壊強度試験における最大力を吸収する、請求項1に記載のカプセル(1)。
【請求項3】
前記カプセル(1)は、乾燥状態において、少なくとも10N、特に少なくとも15N、好ましくは少なくとも20Nの破壊強度試験における最大力を吸収する、請求項1または2に記載のカプセル(1)。
【請求項4】
前記シェル(2)が吸湿性であり、特に、その重量が、10秒間圧力なしで100℃の水浴に浸漬されたときに、少なくとも10%、特に少なくとも50%、好ましくは少なくとも100%、特に好ましくは150%増加する、先行する請求項のいずれか1項に記載のカプセル(1)。
【請求項5】
乾燥状態の前記シェル(2)の厚さは、0.01mm~3.5mm、特に0.01mm~1.5mm、好ましくは0.05mm~0.2mmである、先行する請求項のいずれか1項に記載のカプセル(1)。
【請求項6】
前記シェル(2)は、0.21bar当たり、1日当たり、m
2当たりのcm
3の単位において、50未満、好ましくは20未満、好ましくは10未満、より好ましくは5未満の表面調整酸素透過率(OTR)を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載のカプセル(1)。
【請求項7】
前記カプセル(1)全体が、NF T 51-800およびAS 5810認証プログラムに従って家庭用堆肥化可能である、先行する請求項のいずれか1項に記載のカプセル(1)。
【請求項8】
飲料調製のための飲料調製機において使用するための、特に先行する請求項のいずれか1項に記載のカプセル(1)であって、前記飲料調製機は、前記カプセルを受け入れるための型およびチャンバ容積(28)を有する抽出チャンバを備え、前記抽出チャンバは、穿刺して水を前記カプセル(1)に導入するための貫入手段(24)と、前記シェル(2)を穿刺するための穿孔手段(25)とを有し、前記カプセル(1)は、水を導入する前の形状および乾燥体積(4)、ならびに水の導入中の湿潤体積を有し、前記カプセル(1)の前記シェル(2)は、飲料調製中の前記カプセル(1)の最大湿潤体積(5)が前記抽出チャンバの前記チャンバ容積(28)に実質的に対応するように、前記カプセル(1)の形状が前記シェル(2)に損傷を与えることなく前記抽出チャンバの形状に適合可能であるように変形可能であることを特徴とする、カプセル(1)。
【請求項9】
前記最大湿潤体積(5)は、前記乾燥体積(4)よりも11%~75%、特に30%~70%、好ましくは35%~65%大きい、請求項8に記載のカプセル(1)。
【請求項10】
カプセル(1)、特に先行する請求項のいずれか1項に記載のカプセル(1)を用いて飲料を調製するための方法であって、前記カプセル(1)は、乾燥体積(4)を有し、前記方法は、
開いた抽出チャンバに前記カプセル(1)を挿入するステップと、
前記抽出チャンバが一定の形状およびチャンバ容積(28)を画定するように前記抽出チャンバを閉じることによって前記カプセル(1)を封止するステップと、
水を前記カプセル(1)に導入することによって前記カプセル(1)から飲料を抽出するステップであって、以て、前記乾燥体積(4)が湿潤体積になる、抽出するステップと、を含み、
飲料調製中に前記カプセル(1)が膨張し、前記カプセル(1)の前記形状および最大湿潤体積(5)は、前記抽出チャンバの前記形状およびチャンバ容積(28)に実質的に一致することを特徴とする、方法。
【請求項11】
前記最大湿潤体積(5)は、前記乾燥体積(4)よりも11%~75%、特に30%~70%、好ましくは35%~65%大きい、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記カプセル(1)が、前記抽出チャンバが閉じられたときに塑性変形および/または弾性変形する、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記抽出チャンバの前記形状は、前記カプセル(1)の最小外径よりも小さい最小内径を有し、前記カプセル(1)は、前記抽出チャンバが閉じられたときに既に変形している、請求項10~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記カプセル(1)の圧縮されたコア材料(3)が、前記抽出チャンバが閉じられたときに緩められて、前記シェル(2)内に封止された前記コア材料(3)の密度が低下する、請求項10~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
特に請求項1~9のいずれか1項に記載のカプセル(1)と、飲料調製機とを備えるシステムであって、前記飲料調製機は、前記カプセル(1)を受け入れるための型およびチャンバ容積(28)を有する抽出チャンバを備え、前記抽出チャンバは、穿刺して水を前記カプセル(1)に導入するための貫入手段(24)と、前記カプセル(1)のシェル(2)を穿刺するための穿孔手段(25)とを有し、前記カプセル(1)は、水を導入する前の形状および乾燥体積(4)、ならびに水の導入中の湿潤体積を有し、前記カプセル(1)の前記シェル(2)が、前記カプセル(1)の最大湿潤体積(5)が前記抽出チャンバの前記チャンバ容積(28)に実質的に対応するように、前記カプセル(1)の形状が前記抽出チャンバの形状に実質的に適合可能であるように膨張可能であることを特徴とする、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の一般概念の特徴を有する、飲料、特に高温飲料を調製するためのカプセル、方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カプセル形態のコーヒーなどの高級食品の提供が周知である。しかしながら、プラスチックまたはアルミニウム(例えば、欧州特許出願公開第0 468 079号明細書を参照されたい。)などのシェル材料として通常使用される材料は、通常は多大な努力を払ってしかリサイクルすることができず、通常は堆肥化可能でないという欠点を有する。
【0003】
堆肥化可能な材料から作成されたカプセル、またはシェルとして濾紙を有するカプセルも知られている。例えば、独国特許第10 2018 201 187号明細書は、バイオプラスチックを配合された木材から作成されたカプセルを開示している。堆肥化可能な材料から作成されたカプセルの問題は、それらの加工にある。これらのカプセルは、射出成形技術を用いて製造することができるが、使用する材料によっては、繊維含有量が高いために寸法精度を確保することが困難である。特に、高圧下で飲料の調製を可能にするシール輪郭は、低い公差で形成することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、従来技術の欠点を克服することである。特に、最適なシールがまた、堆肥化可能な材料並びに異なるカプセルサイズおよびカプセル形状によっても可能になる、カプセルおよび飲料を調製するための方法が提供されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、独立請求項に定義されたデバイス、方法、およびシステムによって解決される。さらなる実施形態は、従属請求項からもたらされる。
【0006】
飲料、特に高温飲料を調製するための本発明によるカプセルは、成形体またはバルク材料を含む、飲料を調製するためのコア材料と、コア材料を封止するシェルとを有する。コア材料は、コーヒー粉末、茶、ココア、飲用チョコレート、粉乳、インスタントコーヒー、および乾燥スープ、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。本発明によれば、カプセルは、特に湿潤した後またはすすいだ後、破壊強度試験において、元の状態に対して押圧方向を横断する方向の最大膨張率が少なくとも15%、特に少なくとも20%、好ましくは少なくとも25%、特に好ましくは少なくとも30%である。
【0007】
破壊強度試験のために、カプセルを引張圧縮試験機(例えば、Zwick/Roell製のXforce Pロードセルを備えた)の2つの平行なプレートの間に位置付ける。カプセルは、取出し方向に、または例えば球形または立方体形状を有する回転対称の成形体の場合には圧縮方向に下側プレートの中心に位置整合される。プレートは、最大カプセル直径よりも少なくとも50%大きい直径を有する。平行板をゆっくりと一緒に動かし、力変位図を記録する。負荷は、シェルが損傷するまで増加する。この引き裂きまたは断裂と同時に、力の低下が認められる。測定された力が最大力の40%の力低下閾値を下回ったとき、破壊強度試験は終了する。シェルに損傷を与えずに測定した最大の力を破壊強度として出力する。多層シェルの場合、シェルを貫通してコア材料に至る損傷または裂け目は、シェルへの損傷として理解される。同時に、カプセルの膨張は、押圧方向を横断する方向、すなわちプレートに平行な方向に記録される。横方向の膨張の記録は、視覚的に記録される。カプセルシェルのいかなるフランジも、膨張を記録するときに考慮されない。膨張は、互いに垂直な2つの方向に記録される。2つの測定値から平均値を形成する。押圧方向を横断する最大膨張は、損傷のない最大力、すなわち破壊強度で決定される。カプセルが600Nの力によって損傷していない場合、最大膨張は600Nの力において決定される。
【0008】
シェルの設計に応じて、その変形能は、水による湿潤またはすすぎによって影響され得る。例えば、破壊強度試験を行う前に、カプセルを75℃の温度の水浴に5秒間浸漬し、水中に保つことができる。水は、このプロセス中に減圧される。カプセルは、このような湿潤またはすすぎの後、湿潤状態にある。
【0009】
このような変形能により、抽出チャンバが閉じられたとき、または抽出液、典型的には温水が導入されたときに、カプセルが抽出チャンバの形状に適合することができることが保証される。カプセルが抽出チャンバの壁に緊密に嵌合し、抽出液の全量がカプセルを通過できることを確実にすることができる。カプセルの外側に沿った漏れに起因する調製飲料の品質不良を防止することができる。
【0010】
コア材料は、例えば、緩いバルク材料として存在することができる。バルク材料は、上流プロセスによって圧縮、凝集または圧迫されて成形体になることも考えられる。コア材料は、いくつかの部分から構成することができる。
【0011】
シェルはまた、単一または複数の部分であってもよい。例えば、シェルを別個に製造し、次いでコア材料で充填し、シールすることができる。しかしながら、シェルはまた、例えば噴霧、浸漬、または同様の既知のプロセスによって、液体形態でコア材料に適用することもできる。
【0012】
カプセルは、特に水で湿潤した後またはすすいだ後に、上述のように、少なくとも25N、特に少なくとも50N、好ましくは少なくとも100Nの破壊強度試験における最大力を吸収することができる。
【0013】
25N以上の最大力が、カプセルを損傷することなく抽出チャンバ内で緊密に封止して変形させることを確実にすることができる。カプセルが抽出チャンバに対して、例えば一方向に大きすぎる場合でも、カプセルは、シェルに損傷を与えることなく、2つの抽出チャンバ半体の間に緊密に封止することができ、結果、飲料を調製することができる。したがって、コア材料が成形体の形態である場合、シェルを損傷することなく、コア材料を変形させ、破断して開くことができる。最適な抽出が保証される。
【0014】
カプセルは、上述のような破壊強度試験においてシェルに損傷を与えることなく、乾燥状態において少なくとも10N、特に少なくとも15N、好ましくは少なくとも20Nの最大力を吸収することができる。
【0015】
乾燥」または「乾燥条件において」は、カプセルがまだ水または他の液体と接触していないことを意味する。この状態において、カプセルは送達され、好ましくはユーザによって飲料調製機に挿入される。
【0016】
乾燥状態のカプセルに対して少なくとも10Nの最大力は、カプセルが特別な予防措置なしにユーザによって把持され、カプセルが破損することなく飲料調製機に供給され得ることを保証する。
【0017】
カプセルは、湿潤時に5バール未満の破裂圧力を有することができる。
破裂圧力は、カプセルシェルが支持されていない場合にカプセルシェルを破裂させるのに必要な内圧である。破裂圧力を決定するために、カプセルを75℃の初期温度の水に180分間浸漬する。浸漬期間中、水は室温まで低下する。カプセルが水で完全に覆われていることを確実にしなければならない。必要に応じて、それを水中に保持しなければならない。
【0018】
カプセルのコア材料が成形体である場合、それを緩めなければならない。この目的のために、カプセルは、水に浸漬した後に転倒処理を受ける。カプセルを、50mm/分の速度で各々5mmだけ3つすべての次元において転倒させる。カプセルを45°回転させ、再び3つすべての次元において5mmだけ転倒させる。次いで、カプセルを室温で水にさらに120分間浸漬する。シェルは、転倒処理中に損傷してはならない。成形体が破断しない場合、成形体内の圧力をシェルに伝えることができないため、破裂圧力を正確に決定することができないリスクがある。
【0019】
破裂圧力を測定するために、上述のように調製されたカプセルを、2つの水平な平行プレートの間に挿入し、上側プレートは注射針を備える。プレートはカプセルにいかなる圧力も加えず、注射針のみがカプセルのシェルを貫通する。カプセルは、2つの水平プレートから離れて支持されない。針先または針の注入口は、上側プレートから湿潤カプセルシェルの厚さよりも少なくとも0.5mm突出する。注射針を通じてカプセル内に室温の水を導入し、水圧を連続的に上昇させて監視する。カプセルシェルが断裂または破裂するまで、水圧を上昇させる。断裂または破裂に必要な圧力が破裂圧力である。
【0020】
シェルを損傷することなく、記載のようにカプセルを水で満たすときのカプセル体積の最大増加は、初期体積に基づいて少なくとも15%、特に少なくとも20%、好ましくは少なくとも25%、特に好ましくは少なくとも30%であり得る。カプセルが空間的に制約されている場合、例えば抽出チャンバに封止されている場合、カプセルシェルを損傷することなく、充填中に18バールの最大圧力を発生させることができる。
【0021】
シェルは、表面全体にわたっておよび/またはポジティブ嵌合によってコア材料を封入ことができる。全面を覆うシェルは、シェルが完全に閉じていることを確実にすることができる。したがって、コア材料は、環境の影響から保護される。シェルが形状嵌合する場合、不活性ガスによるガス処理を省くことができる。貯蔵寿命は、追加の労力なしに延長され、持続可能性は、最小充填寸法によって改善され、より小さい充填容積を可能にする。製造者から消費者までの物流全体を最適化することができる。コア材料は、その支持効果によって必要な機械的安定性をシェルに与える。これにより、取り扱いが単純になる。さらに、形状嵌合シェルは、カプセルが対応する飲料調製機において使用されるときに穿刺手段によるシェルの貫通を単純化する。
【0022】
コア材料を圧縮することができる。圧縮することにより、体積が同じままでコア材料の量を増加させることができる。カプセルを包装するためのコスト、したがって輸送コストも低減することができる。特に、カプセルが成形体に圧縮されると、結果として、カプセルの形状が常にほぼ同じになるため、製造からエンドユーザまでの取り扱い全体が単純化される。エンドユーザが、ソフトな形態よりも高い品質を成形体に関連付けることが示されている。コア材料が成形体の形態である場合、飲料が調製される前に成形体が緩むことが保証されるべきである。これにより、例えば、コーヒーでは「チャネリング」が発生せず、コーヒーベッド全体に水が均一に浸透することを確実にすることができる。任意のプレスコーヒーの弛緩は、ユーザによって実行することができる。弛緩が、飲料調製機において実行され得ることも考えられる。
【0023】
カプセルのシェルは、100℃の水浴に圧力なしで10秒間浸漬したときに、特にその重量が少なくとも10%、特に少なくとも50%、好ましくは少なくとも100%、特に好ましくは少なくとも150%増加し得るように吸湿性であり得る。吸水量を決定するために、1cm2のカプセルシェルを切り出し、コア材料を除去した後、10秒間にわたってサンプルを100℃の水に10秒間浸漬する。次いで、吸水率を決定する。シェルに付着した水を除去するために、サンプルをキッチンペーパー片上で5回反転させる。シェルの吸湿性により、それは、湿潤またはすすぎ時に短時間で水を吸収する。これは、堆肥化されるときにカプセルがより容易に溶解することを可能にするので有利である。加えて、例えば、ケーシングの変形能等に影響を与える可能性がある。次いで、シェルは、例えば抽出チャンバなどの外形により容易に適合することができる。
【0024】
乾燥状態のシェルの厚さは、0.01mm~3.5mm、特に0.02mm~1.5mm、好ましくは0.05mm~0.2mmであり得る。この厚さを有するシェルは最適な特性を有することが示されている。薄いシェルは、より容易に破断または破裂する。より厚いシェルは、穿刺することがより困難であり、したがって、より厚いシェルを有するカプセルは、抽出することがより困難である。
【0025】
シェルは、0.21bar当たり、1日当たり、m2当たりのcm3の単位において、50未満、好ましくは20未満、より好ましくは10未満、最も好ましくは5未満の表面調整酸素透過率(OTR)を有し得る。OTRは、単位面積および単位時間当たりにシェルを通って拡散した酸素の量を示す。そのようなOTR値は、カプセルの鮮度がパッケージ開封後少なくとも3ヶ月間保証され得ることを確実にすることができる。したがって、消費者は、品質を失うことなくパッケージを開けた状態においてカプセルを一定期間保管することができる。
【0026】
カプセル全体を、NF T 51-800およびAS 5810認証プログラムに従って家庭用堆肥にすることができる。家庭用堆肥化可能」とは、認証プログラムNF T 51-800:2015-11-14(プラスチック-家庭用堆肥化に適したプラスチックの仕様)およびAS 5810:2010(生分解性プラスチック-家庭用堆肥化に適した生分解性プラスチック)に従って、材料が少なくとも家庭用堆肥化可能であることを意味する。これは、25±5℃の温度で12ヶ月以内でCO2を放出することによる材料の少なくとも90%の分解(生分解)、および、25±5℃の温度で6ヶ月以内で材料の少なくとも90%の断片化(崩壊)を意味する。したがって、カプセルは、使用後に堆肥化に引き渡すことができる。別途廃棄する必要はない。
【0027】
カプセルのシェルは、以下の材料、すなわち、PE、PP、天然ゴム、シリコーン、多糖類またはそれらの誘導体、植物デンプンおよび脂肪酸の化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、不織布、タンパク質、アルミニウム、ラミネート、生分解性プラスチックのうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0028】
カプセルは、円形、特に球形の形状を有してもよい。しかしながら、カプセルの形状が、立方体、直方体、角柱、角錐、円柱、円錐台、円錐、トーラス、楕円体などのような他の幾何学体に本質的に対応することも考えられる。任意の角部および縁部は、好ましくは鋭利ではなく丸みを帯びていることに留意されたい。
【0029】
本発明の別の態様は、特に上述したように、飲料を調製するための飲料調製機において使用するためのカプセルに関する。飲料調製機は、カプセルを受け入れるための型およびチャンバ容積を有する抽出チャンバを含む。抽出チャンバは、穿刺して水をカプセルに導入するための貫入手段と、カプセルから出口を形成するための穿孔手段とを有する。カプセルは、カプセルに水を導入する前の形状および乾燥体積、ならびに水の導入中の湿潤体積を有する。水の導入中、カプセルの湿潤体積は増加する。カプセルのシェルは、飲料調製中のカプセルの最大湿潤体積が抽出チャンバのチャンバ容積に実質的に等しくなるように、カプセルの形状がシェルに損傷を与えることなく抽出チャンバの形状に適合可能であるように変形可能であるように構成される。
【0030】
最大湿潤体積は、カプセルに水を導入する間にカプセルが吸収する、抽出チャンバ内に封止されたカプセルの最大体積であると理解される。最大湿潤体積を決定するために、200mlの水を200ml/分の流量で6バールの圧力下でカプセルに導入する。
【0031】
シェルの変形可能な設計およびカプセルへの水の導入中のカプセルの容積と抽出チャンバのチャンバ容積との一致は、カプセルと抽出チャンバとが最適に一致することを確実にすることができる。例えば、カプセルが使用される前であっても、カプセルの体積が抽出チャンバの体積と一致する必要はない。抽出チャンバの最小直径よりも大きい最小直径を有するカプセルを使用することさえ考えられる。同様に、異なるサイズのカプセルを同じ抽出チャンバとともに使用することができる。したがって、例えば、カプセルは、厳しい公差を順守することなく、品質を犠牲にすることなく製造することができる。製造コストを低減することができる。
【0032】
カプセルの湿潤体積は、シェルを損傷することなく抽出チャンバのチャンバ容積に適合される。したがって、飲料調製後、コア材料が抽出チャンバを汚染することなく、カプセル全体を抽出チャンバから取り出すことができる。
【0033】
湿潤体積は、一定量の水が導入された後にのみ、抽出チャンバのチャンバ容積に適合させることができる。通常、リストレットは、カプセルから作成される最小基準単位の飲料である。リストレットは、通常、15~25mlの水を用いて調製される。10mlの水で既に最大湿潤体積に達しており、場合によりその後の5秒間の蒸らし休止を伴う。圧力は約5バールである。
【0034】
最大湿潤体積、すなわちカプセルがカプセルへの水の導入中に占める、抽出チャンバに封止されたカプセルの最大体積は、乾燥体積よりも11%~75%、特に30%~70%、好ましくは35%~65%大きくすることができる。最大湿潤体積を決定するために、カプセルの体積は、カプセルに貫入した貫入手段を考慮せずに、および出口を確保する穿孔手段なしで決定される。圧縮されたコア材料の場合、特にこれが成形体の形態である場合、成形体がカプセル内で緩められるときに体積の初期増加が既に起こることが示されている。体積のさらなる増加は、それが水と接触したときのコア材料の膨潤に基づく。この膨潤に基づいて、乾燥体積と比較して既に約15%の体積増加がある。その結果、所望の成分をより効果的に抽出することができる。加えて、上述の最大湿潤体積までの体積増加はまた、例えば、コーヒーでは「チャネリング」が発生せず、コーヒーベッド全体に水が均一に浸透することを確実にすることができる。
【0035】
カプセルの形状は、飲料調製後の抽出チャンバの形状に本質的に対応することができる。飲料調製中のカプセルの最大湿潤体積は、抽出チャンバの体積に本質的に対応するため、形状もそれに応じて適合する。飲料調製後、カプセルは抽出チャンバから取り出される。コア材料が溶解せず、水との接触によって膨潤するだけである場合、形状は本質的にプロセスにおいて変化しない。しかしながら、コア材料が少なくとも部分的に可溶性物質である場合、カプセルの形状は、コア材料によって提供される支持体の欠如のために飲料調製後の抽出チャンバの形状にもはや適合しない可能性があり、部分的に崩壊する可能性がある。シェルの特性、特にその弾性に応じて、カプセルは、入ってくる水の水圧が低下するとすぐにその容積を減少させることができる。しかしながら、特にコア材料が溶解するとき、シェルも完全に溶解することも同様に考えられる。これは、抽出チャンバ内に残留物が残っていないことを意味する。
【0036】
本発明の別の態様は、カプセル、特に上記のようなカプセルを使用して飲料を調製する方法に関する。これに関して、カプセルは、その使用前に乾燥体積を有する。本方法は、
開いた抽出チャンバにカプセルを挿入するステップと、
抽出チャンバが一定の形状および容積を画定するように抽出チャンバを閉じることによってカプセルを封止するステップと、
水をカプセルに導入することによってカプセルから飲料を調製するステップであって、以て、乾燥体積が湿潤体積になる、調製するステップと、を含む。
【0037】
この過程において、飲料調製中にカプセルが膨張する。カプセルの形状および最大湿潤体積は、抽出チャンバの形状および体積に本質的に一致する。
【0038】
最大湿潤体積は、乾燥体積よりも11%~75%、特に30%~70%、好ましくは35%~65%大きくなり得る。圧縮されたコア材料の場合、特にこれが成形体の形態である場合、成形体が緩められるときに体積の初期増加が既に起こることが示されている。この緩みは、カプセルが封止されているとき、例えばカプセルの最小直径が抽出チャンバの最小内径よりも大きいときのカプセルの塑性変形および/または弾性変形に部分的に基づく。さらなる体積増加は、それが水と接触したときのコア材料の膨潤に基づく。カプセルに水を注入し、圧力を増加させる結果として、体積のさらなる増加、したがってシェルのさらなる膨張が起こる。カプセルの体積は、シェルが抽出チャンバの外壁とほぼ同一平面になるまで増加する。
【0039】
抽出チャンバおよびカプセルの設計に応じて、カプセルは、抽出チャンバが閉じられたときに塑性変形および/または弾性変形することができる。例えば、緩いコア材料は、チャネルを形成することなくコア材料を通る均一な抽出が行われるように圧縮することができる。
【0040】
抽出チャンバの形状は、カプセルの最小外径よりも小さい最小内径を有することができる。したがって、カプセルは、抽出チャンバが閉じられたときに既に変形している。コア材料が圧縮されているかまたは成形体を含む場合、これは抽出チャンバが閉じられたときに既に緩められている。シェルに封止されたコア材料の密度は低下する。導入されるときに水がコア材料を通過できることを確実にすることができる。したがって、過剰抽出または過少抽出を回避することができ、コア材料が水と均一に接触することが保証される。
【0041】
水をカプセルに導入する前に、カプセルを水で湿潤し又はすすぐことができる。シェルの設計に応じて、その変形能は、水による湿潤またはすすぎによって影響され得る。例えば、チャンバは、80~100℃の温度で1~10秒間、5~15mlの水で満たされ得る。次いで、水を圧力なしでチャンバ内に流す。この目的のために、水は圧力なしでチャンバに導入され、次いで出口を介して再び排出される。しかしながら、カプセルはまた、抽出チャンバに挿入される前、または抽出チャンバが閉じられる前に水で湿潤しまたはすすぐこともできる。湿潤またはすすぎに必要なすすぎ水は、機械の飲料出口に送ることができず、それとは別に排出されるべきであることは言うまでもない。
【0042】
本発明の別の態様は、特に前述のカプセルと、飲料調製機とを備えるシステムに関する。飲料調製機は、カプセルを受け入れるための形状および容積を有する抽出チャンバを有する。抽出チャンバは、穿刺して水をカプセルに導入するための貫入手段と、カプセルから出口を形成するための穿孔手段とを有する。カプセルは、水を導入する前の形状および乾燥体積、ならびに水の導入中の湿潤体積を有する。これに関連して、カプセルのシェルは、カプセルの最大湿潤体積が抽出チャンバの容積に実質的に等しくなるように、カプセルの形状が抽出チャンバの形状に実質的に整合可能であるように膨張可能であるように構成される。
【0043】
水の導入中にカプセルがその形状および体積を抽出チャンバに適合させることができるという事実は、カプセルおよび抽出チャンバが製造側で正確に一致する必要がないことを意味する。これは、比較的大きい公差で製造することができる。それにもかかわらず、抽出チャンバ内のカプセルの最適なシールは、水が抽出チャンバの入口から出口までカプセルの外側を流れないように行うことができる。
【0044】
カプセルの湿潤体積を抽出チャンバの体積に対して調整することは、シェルを損傷することなく行うことができる。したがって、飲料調製後、コア材料が抽出チャンバを汚染することなく、カプセル全体を抽出チャンバから取り出すことができる。
【0045】
湿潤体積は、乾燥体積よりも11%~75%、特に30%~70%、好ましくは35%~65%大きくなり得る。体積の増加は、例えばコーヒーの膨潤を可能にするために、コーヒーにとって有用である。均一な抽出を行うことができるように、圧縮されたコーヒー粉末を緩めることができることも有利である。
【0046】
抽出チャンバの形状は、カプセルの最小外径よりも小さい最小内径を有することができる。この構成は、特にプレス製品、例えばコーヒー粉末プレス製品の場合、最適な抽出を行うことができるように緩めるのに有利である。
【0047】
実施例
コーヒー調製のための球状成形体を、6gの焙煎粉砕コーヒー粉末を圧縮することによって調製した。続いて、脱塩水、セルロース(VITACELセルロース、JRS、ドイツ)およびアルギン酸ナトリウム(VIVAPURアルギン酸ナトリウム、中粘度、JRS、ドイツ)の水溶液を調製した。水溶液の総重量に基づいて1.0%のセルロースおよび1.7%w/wのアルギン酸ナトリウムの濃度を有する水溶液の形態で系を調製した。その後、系の総重量に基づいて、3.5%w/wソルビトールを溶液に添加した。並行して、脱塩水および5.0%w/w塩化カルシウム(塩化カルシウム二水和物、C.Roth、ドイツ)の水溶液を調製した。成形体を最初にセルロース含有アルギン酸ナトリウム水溶液に10秒間浸漬し、次いで塩化カルシウム水溶液に30秒間浸漬し、空気流中に50℃で約8分間乾燥させた。続いて、成形体をセルロース含有アルギン酸ナトリウム水溶液に2回目に10秒間浸漬し、次いで塩化カルシウム水溶液に30秒間浸漬し、空気流中に50℃で少なくとも8分間乾燥させた。
【0048】
このようにして調製した10個のカプセルを、温度75℃の水浴に5秒間浸漬し、水中に保持した。このプロセス中に水を減圧した。続いて、破壊強度試験においてカプセルの最大膨張を決定した。少なくとも53%の最大膨張が測定された。
【0049】
別に10個のサンプルを抽出チャンバ内で抽出し、抽出チャンバの体積はカプセルの乾燥体積よりも45%大きかった。カプセルは、抽出後に全体として抽出チャンバから取り出すことができる。シェルは損傷せず、したがって抽出チャンバは汚染されなかった。
【0050】
本発明は、単に実施形態の例である図を参照して下記により詳細に説明される。図面は以下を示す:
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1a】破壊強度試験のためのデバイスにおける本発明による球状カプセルの概略図である。
【
図1b】カプセルに作用する力を伴う、
図1aからの図である。
【
図2a】破裂圧力を決定するためのデバイスにおける本発明による球状カプセルの概略図である。
【
図2b】水が或る圧力でカプセルに導入される、
図2aの図である。
【
図3】飲料調製の前の、本発明のカプセルが既に挿入された開いた抽出ユニットの概略図である。
【
図4】本発明のカプセルが挿入された第1の閉位置にある
図3の抽出ユニットの概略図である。
【
図5】本発明のカプセルが挿入された第2の閉位置にある
図3の抽出ユニットの概略図である。
【
図6】飲料調製中の
図5の抽出ユニットの概略図である。
【
図7】飲料調製後の、本発明によるカプセルを有する開いた抽出ユニットの概略図である。
【
図8】飲料調製後の、カプセル吐出中の開いた抽出ユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1aは、破壊強度試験デバイスにおける本発明による球状カプセル1の概略表現を示す。破壊強度試験デバイスは、下側プレート11またはキャリアプレートと、上側プレート10とを有する。2つのプレートは、水平方向に互いに平行に位値整合され、図示されていない引張圧縮試験装置の一部である。カプセル1は、シェル2と、シェル2によって封止されたコア材料3とを有する。カプセル1は、プレート10、11に平行な力なしで外形寸法d
0を有する。カプセル1は、下側プレート11の略中央に配置される。上側プレート10は、カプセル1のシェル2に力なしで載置する。
【0053】
破壊強度試験におけるカプセル1の最大力を決定するために、上側プレート10を引張圧縮試験装置によってゆっくりと下げ、力-変位線図を記録する。
図1bは、上側プレート10がカプセル1に力Fでどのように作用するかを示す。作用力Fによって、カプセル1は、作用力Fを横切る方向に膨張することによって変形する。力Fが大きくなるほど、外形寸法d
1は大きくなる。作用力Fに対する横断方向の膨張は、視覚的に連続的に記録される。作用力Fを横切る方向におけるカプセル1の最大膨張は、カプセル1のシェル2が損傷したときに達成される。図示のカプセル1は、その元の外側寸法d
0と比較して、加えられた力Fを横切る方向に30%だけ膨張することができ、すなわち、外側寸法d
1は、元の外側寸法d
0よりも30%大きい。この外側寸法d
1を超えるときにのみ、カプセル1のシェル2が裂開する。これに必要な力Fは120Nである。
【0054】
図2aは、破裂圧力を決定するためのデバイスにおける本発明による球状カプセル1の概略表現を示す。破裂圧力を再び決定するためのデバイスは、ここでも、下側プレート11またはキャリアプレートと、上側プレート10とを有する。2つのプレートは、水平方向に、互いに平行に位値整合している。上側プレート10はまた、室温の水をカプセルに導入することができる注射針12を有する。2つのプレート10、11の間にカプセル1がある。ここでも、カプセル1は、シェル2と、シェルによって封止されたコア材料3とを有する。カプセル1のシェル2は、上側プレートから2mm突出する注射針12によって穿刺される。プレート10、11は、カプセル1に圧力を一切加えない。
【0055】
図2bは、室温の水が注射針12を通ってカプセル1にどのように導入されるかを示す。この目的のために、注射針12はポンプ(図示せず)に接続されている。さらに、注入される水の圧力Pが、圧力計(図示せず)によって連続的に測定される。カプセル1のシェル2が裂けるかまたは破裂するまで、水圧を上昇させる。シェル2の断裂または破裂に必要な圧力Pが、破裂圧力である。
【0056】
図3~
図8は、本発明によるカプセル1および飲料調製機を用いた飲料の調製における個々のステップを概略的に示す。同じ構成要素は、各事例において異なる位置に示されている。
【0057】
図3は、本発明によるカプセル1が飲料調製物の前に既に挿入されている、飲料調製機の開いた抽出ユニット20を示す。抽出ユニット20は、互いに分離された第1の抽出チャンバ半体21および第2の抽出チャンバ半体22の2つの部分によって形成される。抽出ユニット20は、3つ以上の部品から組み立てることもできることは言うまでもない。カプセル1を挿入するための入口開口部は、2つの抽出チャンバ半体21、22の間に形成される。
【0058】
カプセル1は、第1の抽出チャンバ半体21の受容位置23に配置される。この第1の抽出チャンバ半体21内には、貫入手段24が第1の抽出チャンバ半体21の壁から突出するように配置されているが、カプセル1が受容位置23に挿入されるとき、カプセル1のシェル2は損傷しない。
【0059】
第2の抽出チャンバ半体22は、カプセル1のシェル2を穿刺することができる、側壁内の穿孔手段25を有する。しかしながら、抽出ユニット20が開いているとき、それらはカプセル1と接触していない。穿孔手段25を有する側壁は、調製された飲料を排出することを可能にするいくつかの出口開口部26を有する。これらの出口開口部26は、飲料調製または水すすぎ後の残留水を排出するために使用することもできる。この残留水またはすすぎ水は、機械の飲料出口に向けられない。
【0060】
図4は、第1の閉位置にある
図3の抽出ユニット20の概略表現を再び示す。この第1の閉位置では、カプセル1は、2つの抽出チャンバ半体21、22の間に形成されたフラッシングチャンバ29内に封止される。この位置では、水が貫入手段24によってフラッシングチャンバ29に導入され、フラッシングチャンバ29が浸水される。例えば、80~100℃の温度の5~15mlの水をこの目的のために使用することができる。出口開口部26は、しばらくの間閉じられている。カプセル1に水を流す。カプセル2が吸湿性である場合、それは、水を吸収することによってその特性を変化させることができる。1~10秒の暴露時間の後、出口開口部26を開き、すすぎチャンバ29を空にすることができる。言うまでもなく、このすすぎ水は別個に排出されるべきであり、機械の飲料出口に向けられるべきではない。出口開口部26を、特定的にすすぎ水出口として使用することも可能である。
【0061】
図5では、抽出ユニット20は、第2の閉位置に示されている。2つの抽出チャンバ半体21、22はさらにともに移動しており、閉じたチャンバ容積28を形成している。貫入手段24および穿孔手段25は、カプセル1のシェル2に貫入している。ここで、貫入手段24は、飲料調製に必要な量の水をカプセル1に導入することができる。
【0062】
図6は、飲料調製中の
図5の抽出ユニット20の概略表現を示す。水圧およびカプセル1のコア材料3の膨張により、これは膨張しており、抽出チャンバ28全体を満たす(
図5参照)。言うまでもなく、鋭利な角部または穿孔手段間の空間はカプセル1によって完全には充填されない。しかしながら、これは、調製された飲料の機能および品質に影響を及ぼさない。ここで、水は、貫入手段24から始まってコア材料を通って穿孔手段25によって形成された開口部まで、カプセル1を通じて押圧される。コア材料3の性質に応じて、それは抽出または溶解されて飲料を形成する。調製された飲料は、穿孔手段25によって形成された開口部を通ってカプセル1を出ることができ、出口開口部26を通って抽出チャンバから放出される。別のすすぎ水出口は、存在する場合、飲料調製中に閉じられてもよく、または開いたままであってもよい。
【0063】
図7は、飲料の調製後の本発明によるカプセル1を備えた、開いた抽出ユニット20の概略図を示す。2つの抽出チャンバ半体21、22は、カプセル1が弛緩できるように離れて移動されている。
【0064】
図8は、抽出ユニット20からのカプセル1の吐出を示す。この目的のために、抽出ユニット20は、
図7よりもさらに開くことができる。カプセル1が確実に吐出されるようにするために、例えば、抽出ユニット20が開かれた後にカプセル1を第1の抽出チャンバ半体21または最大で第2の抽出チャンバ半体から押し出すエジェクタ(図示せず)を既知の方法で使用することができる。無論、カプセル1を吐出するための他の機構も考えられる。エジェクタが戻された後、抽出ユニットは、
図3に示す位置に戻ることができる。別のカプセルを挿入することができる。
【国際調査報告】