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特表2024-500530シートベルト着用検出方法、装置、記憶媒体およびプロセッサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】シートベルト着用検出方法、装置、記憶媒体およびプロセッサ
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20231226BHJP
   B60R 22/48 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
G06T7/00 660Z
G06T7/00 650Z
B60R22/48
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539158
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(85)【翻訳文提出日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 CN2021141357
(87)【国際公開番号】W WO2022135589
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】202011570898.8
(32)【優先日】2020-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519262146
【氏名又は名称】アークソフト コーポレイション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ArcSoft Corporation Limited
【住所又は居所原語表記】19 Floor,No.392 Binxing Road (ArcSoft Building),Changhe Street,Binjiang District,Hangzhou,Zhejiang,310052,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チャオハン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ジン
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA04
5L096CA02
5L096DA02
5L096FA16
5L096FA69
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
本出願は、シートベルト着用検出方法、装置、記憶媒体及プロセッサを開示している。該方法は、交通機器から収集された目標画像を取得することと、目標画像における第1画像領域および/または第2画像領域を特定することであって、第1画像領域は目標画像における目標対象の頭部・体幹が位置する領域であり、第2画像領域は目標画像における目標対象の顔部が位置する領域であることと、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定することであって、第3画像領域は目標画像におけるシートベルト着用領域であることと、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断することと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通機器から収集された目標画像を取得することと、
前記目標画像における第1画像領域および/または第2画像領域を特定することであって、前記第1画像領域は前記目標画像における目標対象の頭部・体幹が位置する領域であり、前記第2画像領域は前記目標画像における目標対象の顔部が位置する領域であることと、
前記第1画像領域および/または前記第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定することであって、前記第3画像領域は前記目標画像におけるシートベルト着用領域であることと、
前記第3画像領域における画像情報に基づいて、前記目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断することと、を含む
シートベルト着用検出方法。
【請求項2】
前記目標対象の上半身領域が前記目標画像に現れた場合、前記目標対象の頭部・体幹が位置する領域は、顔部、首、肩および上胸を含む最小領域であり、前記目標対象の顔部が位置する領域は、顔部を含む最小領域である
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記交通機器から収集された前記目標画像を取得する前に、前記方法は、
前記交通機器から収集された画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対して頭部・体幹領域を含むか否かをマーキングし、かつ前記頭部・体幹領域を含む画像に対して前記頭部・体幹領域の位置をマーキングし、複数枚の第1マーキング画像を得ることと、
前記複数枚の第1マーキング画像を第1トレーニングセットデータとして特定するとともに、前記第1トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、前記頭部・体幹領域を検出するように構成される第1検出器を得ることと、および/または、
前記交通機器から収集された画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対して顔部領域を含むか否かをマーキングし、かつ前記顔部領域を含む画像に対して前記顔部領域の位置をマーキングし、複数枚の第2マーキング画像を得ることと、
前記複数枚の第2マーキング画像を第2トレーニングセットデータとして特定するとともに、前記第2トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、前記顔部領域を検出するように構成される第2検出器を得ることと、をさらに含む
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1検出器と前記第2検出器とを得た場合、前記目標画像における前記第1画像領域を特定することは、前記第1検出器により前記目標画像を検出し、前記第1画像領域を得ることを含み、前記目標画像における前記第2画像領域を特定することは、前記第2検出器により前記目標画像を検出し、前記第2画像領域を得ることを含み、
前記第1検出器を得た場合、前記目標画像における前記第1画像領域を特定することは、前記第1検出器により前記目標画像を検出し、前記第1画像領域を得ることを含み、前記目標画像における前記第2画像領域を特定することは、前記目標対象の所定の着座姿勢情報に基づいて、前記第1画像領域から前記第2画像領域を切り取ることを含み、
前記第2検出器を得た場合、前記目標画像における前記第2画像領域を特定することは、前記第2検出器により前記目標画像を検出し、前記第2画像領域を得ることを含み、前記目標画像における前記第1画像領域を特定することは、前記目標対象の所定の着座姿勢情報に基づいて、前記目標画像において前記第2画像領域を下方、左方および右方へ所定の領域だけ拡張させ、前記第1画像領域を得ることを含む
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1画像領域および/または前記第2画像領域に基づいて、前記第3画像領域を特定することは、
前記目標画像における前記第1画像領域を得たとともに、前記目標画像における前記第2画像領域を得た場合、前記シートベルトが正しく着用されているときの被覆領域の前記第1画像領域に対するオフセット距離に基づいて、前記目標画像において第1シートベルト着用領域を特定するとともに、前記シートベルトが正しく着用されているときの被覆領域の前記第2画像領域に対するオフセット距離に基づいて、前記目標画像において第2シートベルト着用領域を特定することと、
前記第1シートベルト着用領域と前記第2シートベルト着用領域とを前記目標画像の空間位置で平均化して、前記第3画像領域を得ることと、を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1画像領域および/または前記第2画像領域に基づいて、前記第3画像領域を特定する前に、前記方法は、
頭部・体幹領域画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対して前記シートベルト着用領域を含むか否かをマーキングし、かつ前記シートベルト着用領域を含む画像に対して顔部領域の位置をマーキングし、複数枚の第3マーキング画像を得ることと、
前記複数枚の第3マーキング画像を第3トレーニングセットデータとして特定するとともに、前記第3トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、前記シートベルト着用領域を検出するように構成される第3検出器を得ることと、をさらに含み、
前記目標画像における前記第1画像領域を得たとともに、前記目標画像における前記第2画像領域を得た場合、前記第1画像領域および/または前記第2画像領域に基づいて、前記第3画像領域を特定することは、
前記第1画像領域の前記目標画像における位置と、前記第2画像領域の前記目標画像における位置と、前記第1画像領域とを前記第3検出器に入力して、前記第3画像領域を検出することを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1画像領域および/または前記第2画像領域に基づいて、前記第3画像領域を特定する前に、前記方法は、
頭部・体幹領域画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対して前記シートベルト着用領域を含むか否かをマーキングし、かつ前記シートベルト着用領域を含む画像に対して前記シートベルト着用領域の位置をマーキングし、複数枚の第4マーキング画像を得ることと、
前記複数枚の第4マーキング画像を第4トレーニングセットデータとして特定するとともに、前記第4トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、前記シートベルト着用領域を検出するように構成される第4検出器を得ることと、をさらに含み、
前記目標画像において前記第1画像領域が検出された場合、前記第1画像領域および/または前記第2画像領域に基づいて、前記第3画像領域を特定することは、
前記第4検出器により前記第1画像領域を検出し、前記第3画像領域を得ることを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1画像領域および/または前記第2画像領域に基づいて、前記第3画像領域を特定する前に、前記方法は、
顔部領域を含む画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対して前記シートベルト着用領域を含むか否かをマーキングし、かつ前記シートベルト着用領域を含む画像に対して前記シートベルト着用領域の位置をマーキングし、複数枚の第5マーキング画像を得ることと、
前記複数枚の第5マーキング画像を第5トレーニングセットデータとして特定するとともに、前記第5トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、前記シートベルト着用領域を検出するように構成される第5検出器を得ることと、をさらに含み、
前記目標画像において前記第2画像領域が検出された場合、前記第1画像領域および/または前記第2画像領域に基づいて、前記第3画像領域を特定することは、
前記第5検出器により前記第2画像領域を検出し、前記第3画像領域を得ることを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第3画像領域における画像情報に基づいて、前記目標画像における前記シートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断する前に、前記方法は、
シートベルト着用領域画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対して前記シートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かをマーキングし、複数枚の第6マーキング画像を得ることと、
前記複数枚の第6マーキング画像を第6トレーニングセットデータとして特定するとともに、前記第6トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、前記目標画像における前記シートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断するように構成される判別器を得ることと、をさらに含み、
前記第3画像領域における画像情報に基づいて、前記目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断することは、
前記判別器により前記第3画像領域を検出し、前記シートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かの結論を得ることを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第3画像領域における画像情報に基づいて、前記目標画像における前記シートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断した後、前記方法は、
前記シートベルトの着用が所定の着用要求を満たさない場合、乗客に前記シートベルトを正しく着用するように提示するように構成される提示情報を発することをさらに含む
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
交通機器から収集された目標画像を取得するように構成される第1取得ユニットと、
前記目標画像における第1画像領域および/または第2画像領域を特定するように構成される第1特定ユニットであって、前記第1画像領域は前記目標画像における目標対象の頭部・体幹が位置する領域であり、前記第2画像領域は前記目標画像における目標対象の顔部が位置する領域である第1特定ユニットと、
前記第1画像領域および/または前記第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定するように構成される第2特定ユニットであって、前記第3画像領域は前記目標画像におけるシートベルト着用領域である第2特定ユニットと、
前記第3画像領域における画像情報に基づいて、前記目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断するように構成される判断ユニットと、を含む
シートベルト着用検出装置。
【請求項12】
記憶されたプログラムを含む不揮発性記憶媒体であって、
前記プログラムが実行されると、請求項1から10のいずれか1項に記載のシートベルト着用検出方法を実行させるように前記不揮発性記憶媒体が配置される機器を制御する
不揮発性記憶媒体。
【請求項13】
プロセッサとメモリとを含み、前記メモリにコンピュータ読み取り可能な命令が記憶され、前記プロセッサは、前記コンピュータ読み取り可能な命令を実行するように構成される電子装置であって、
前記コンピュータ読み取り可能な命令が実行されると、請求項1から10のいずれか1項に記載のシートベルト着用検出方法が実行される
電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年12月26日に中国特許庁へ提出された、出願番号が202011570898.8であり、出願名称が「シートベルト着用検出方法、装置、記憶媒体およびプロセッサ」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は、援用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は、画像認識の技術分野に関し、具体的には、シートベルト着用検出方法、装置、記憶媒体およびプロセッサに関する。
【背景技術】
【0003】
都市の発展と住民生活水準の向上に伴い、様々な車両に対する要求がますます増加しており、それに伴って、乗車中の車内の人員の安全を如何に保障するかを中心として技術革新や産業アップグレードしつつある。
【0004】
シートベルトは、車内の人員が走行中に緊急事態に遭遇するときの身近な保護手段として、いくつかの都市において、営業車両における助手席の乗客に対してもシートベルトを強制的に着用する要求が出されている。したがって、ユーザがシートベルトを着用しているか否かを正確に判断する方法もより多く注目されている。
【0005】
関連技術において、シートベルト判別の方案は、乗客または運転者のシートベルト先端のバックルが検出溝に掛けられているか否かを主な判断根拠としており、具体的には、シートベルト先端と検出溝とを接続した後で、車両内部に検出回路が形成され、システムは、シートベルト着用済みというフィードバックを得る。しかし、該判断メカニズムは、車内の物理デバイスとシステムの複雑さを増加させ、コストを上げるだけでなく、検出メカニズムに脆弱性があり、シートベルトの着用を回避する人によって利用されやすく、関係者が意図的に着用しないために採用される欺瞞的な手段を避けることができない(例えば、シートベルト先端に類似する係止バックルを検出溝に差し込むことによって、システムに該位置にいる乗客がシートベルトを既に着用していると誤認識させる)。また、例えば、乗員がシートベルトを正しく着用しているか否か等の状態をより深く判断することができない。
【0006】
関連技術において乗客がシートベルトを正しく着用しているか否かを正確に判断することが困難であるという課題に対して、現在、有効な解決技術手段は、まだ提案されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の少なくとも一部の実施例は、関連技術において乗客がシートベルトを正しく着用しているか否かを正確に判断することが困難であるという課題を解決するために、シートベルト着用検出方法、装置、記憶媒体およびプロセッサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例により、シートベルト着用検出方法が提供される。該方法は、交通機器から収集された目標画像を取得することと、目標画像における第1画像領域および/または第2画像領域を特定することであって、第1画像領域は目標画像における目標対象の頭部・体幹が位置する領域であり、第2画像領域は目標画像における目標対象の顔部が位置する領域であることと、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定することであって、第3画像領域は目標画像におけるシートベルト着用領域であることと、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断することと、を含む。
【0009】
好ましくは、目標対象の上半身領域が目標画像に現れた場合、目標対象の頭部・体幹が位置する領域は、顔部、首、肩および上胸を含む最小領域であり、目標対象の顔部が位置する領域は、顔部を含む最小領域である。
【0010】
好ましくは、該方法は、交通機器から収集された目標画像を取得する前に、交通機器から収集された画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対して頭部・体幹領域を含むか否かをマーキングし、かつ頭部・体幹領域を含む画像に対して頭部・体幹領域の位置をマーキングし、複数枚の第1マーキング画像を得ることと、複数枚の第1マーキング画像を第1トレーニングセットデータとして特定するとともに、第1トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、頭部・体幹領域を検出するように構成される第1検出器を得ることと、および/または、交通機器から収集された画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対して顔部領域を含むか否かをマーキングし、かつ顔部領域を含む画像に対して顔部領域の位置をマーキングし、複数枚の第2マーキング画像を得ることと、複数枚の第2マーキング画像を第2トレーニングセットデータとして特定するとともに、第2トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、顔部領域を検出するように構成される第2検出器を得ることと、をさらに含む。
【0011】
好ましくは、第1検出器と第2検出器とを得た場合、目標画像における第1画像領域を特定することは、第1検出器により目標画像を検出し、第1画像領域を得ることを含み、目標画像における第2画像領域を特定することは、第2検出器により目標画像を検出し、第2画像領域を得ることを含み、第1検出器を得た場合、目標画像における第1画像領域を特定することは、第1検出器により目標画像を検出し、第1画像領域を得ることを含み、目標画像における第2画像領域を特定することは、目標対象の所定の着座姿勢情報に基づいて、第1画像領域から第2画像領域を切り取ることを含み、第2検出器を得た場合、目標画像における第2画像領域を特定することは、第2検出器により目標画像を検出し、第2画像領域を得ることを含み、目標画像における第1画像領域を特定することは、目標対象の所定の着座姿勢情報に基づいて、目標画像において第2画像領域を下方、左方および右方へ所定の領域だけ拡張させ、第1画像領域を得ることを含む。
【0012】
好ましくは、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定することは、目標画像における第1画像領域を得たとともに、目標画像における第2画像領域を得た場合、シートベルトが正しく着用されているときの被覆領域の第1画像領域に対するオフセット距離に基づいて、目標画像において第1シートベルト着用領域を特定するとともに、シートベルトが正しく着用されているときの被覆領域の第2画像領域に対するオフセット距離に基づいて、目標画像において第2シートベルト着用領域を特定することと、第1シートベルト着用領域と第2シートベルト着用領域とを目標画像の空間位置で平均化して、第3画像領域を得ることと、を含む。
【0013】
好ましくは、該方法は、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定する前に、頭部・体幹領域画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対してシートベルト着用領域を含むか否かをマーキングし、かつシートベルト着用領域を含む画像に対して顔部領域の位置をマーキングし、複数枚の第3マーキング画像を得ることと、複数枚の第3マーキング画像を第3トレーニングセットデータとして特定するとともに、第3トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、シートベルト着用領域を検出するように構成される第3検出器を得ることと、をさらに含み、目標画像における第1画像領域を得たとともに、目標画像における第2画像領域を得た場合、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定することは、第1画像領域の目標画像における位置と、第2画像領域の目標画像における位置と、第1画像領域とを第3検出器に入力して、第3画像領域を検出することを含む。
【0014】
好ましくは、該方法は、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定する前に、頭部・体幹領域画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対してシートベルト着用領域を含むか否かをマーキングし、かつシートベルト着用領域を含む画像に対してシートベルト着用領域の位置をマーキングし、複数枚の第4マーキング画像を得ることと、複数枚の第4マーキング画像を第4トレーニングセットデータとして特定するとともに、第4トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、シートベルト着用領域を検出するように構成される第4検出器を得ることと、をさらに含み、目標画像において第1画像領域が検出された場合、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定することは、第4検出器により第1画像領域を検出し、第3画像領域を得ることを含む。
【0015】
好ましくは、該方法は、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定する前に、顔部領域を含む画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対してシートベルト着用領域を含むか否かをマーキングし、かつシートベルト着用領域を含む画像に対してシートベルト着用領域の位置をマーキングし、複数枚の第5マーキング画像を得ることと、複数枚の第5マーキング画像を第5トレーニングセットデータとして特定するとともに、第5トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、シートベルト着用領域を検出するように構成される第5検出器を得ることと、をさらに含み、目標画像において第2画像領域が検出された場合、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定することは、第5検出器により第2画像領域を検出し、第3画像領域を得ることを含む。
【0016】
好ましくは、該方法は、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断する前に、シートベルト着用領域画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対してシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かをマーキングし、複数枚の第6マーキング画像を得ることと、複数枚の第6マーキング画像を第6トレーニングセットデータとして特定するとともに、第6トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断するように構成される判別器を得ることと、をさらに含み、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断することは、判別器により第3画像領域を検出し、シートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かの結論を得ることを含む。
【0017】
好ましくは、該方法は、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断した後、シートベルトの着用が所定の着用要求を満たさない場合、乗客にシートベルトを正しく着用するように提示するように構成される提示情報を発することをさらに含む。
【0018】
本発明の別の実施例は、シートベルト着用検出装置をさらに提供する。該装置は、交通機器から収集された目標画像を取得するように構成される第1取得ユニットと、目標画像における第1画像領域および/または第2画像領域を特定するように構成される第1特定ユニットであって、第1画像領域は目標画像における目標対象の頭部・体幹が位置する領域であり、第2画像領域は目標画像における目標対象の顔部が位置する領域である第1特定ユニットと、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定するように構成される第2特定ユニットであって、第3画像領域は目標画像におけるシートベルト着用領域である第2特定ユニットと、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断するように構成される判断ユニットと、を含む。
【0019】
本発明の他の実施例は、記憶されたプログラムを含む不揮発性記憶媒体であって、プログラムが実行されると、シートベルト着用検出方法を実行させるように不揮発性記憶媒体が配置される機器を制御する不揮発性記憶媒体をさらに提供する。
【0020】
本発明の他の実施例は、プロセッサとメモリとを含み、メモリにコンピュータ読み取り可能な命令が記憶され、プロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行するように構成される電子装置であって、コンピュータ読み取り可能な命令が実行されると、シートベルト着用検出方法が実行される電子装置をさらに提供する。
【0021】
本出願により、交通機器から収集された目標画像を取得することと、目標画像における第1画像領域および/または第2画像領域を特定するステップであって、第1画像領域は目標画像における目標対象の頭部・体幹が位置する領域であり、第2画像領域は目標画像における目標対象の顔部が位置する領域であるステップと、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定するステップであって、第3画像領域は目標画像におけるシートベルト着用領域であるステップと、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断するステップとを採用することによって、関連技術において乗客がシートベルトを正しく着用しているか否かを正確に判断することが困難であるという課題を解決した。目標画像における目標対象の頭部・体幹が位置する領域および/または顔部が位置する領域によりシートベルト着用領域を特定することによって、シートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断し、さらに乗客がシートベルトを正しく着用しているか否かを判断する精度を向上させるという効果を達成している。
【0022】
本出願の一部を構成する図面は、本出願をさらに理解するために提供されるものであり、本出願の例示的な実施例およびその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不当に限定するものではない。各図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本出願の実施例1により提供されるシートベルト着用検出方法のフローチャートである。
図2】本出願の実施例1により提供されるシートベルト着用検出方法における第1画像領域の検出概略図である。
図3】本出願の実施例1により提供されるシートベルト着用検出方法においてシートベルトの着用が正しいか否かを検出する概略図である。
図4】関連技術における画像認識方法に基づいてシートベルトの着用が正しいか否かを検出する概略図である。
図5】本出願の実施例1により提供される選択可能なシートベルト着用検出方法のフローチャートである。
図6】本出願の実施例1により提供される選択可能なシートベルト着用検出方法のフローチャートである。
図7】本出願の実施例1により提供される選択可能なシートベルト着用検出方法においてシートベルトの着用が正しいか否かを検出する概略図である。
図8】関連技術における画像認識方法に基づいてシートベルトの着用が正しいか否かを検出する概略図である。
図9】本出願の実施例2により提供されるシートベルト着用検出装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
なお、矛盾しない限り、本出願における実施例および実施例における特徴は、互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照しながら実施例を挙げて本出願を詳しく説明する。
【0025】
本出願の解決手段を当業者によりよく理解されるために、本出願の実施例における技術的解決手段を、本出願の実施例における図面を参照して以下で明確かつ完全に説明し、説明される実施例が本出願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づいて、当業者が進歩的な労働をせずに得た他の全ての実施例は、本出願の保護範囲に属する。
【0026】
なお、本出願の明細書、特許請求の範囲および上記図面における「第1」、「第2」等の用語は、類似する対象を区別するためのものであり、特定の順序または前後の順序を説明するためのものではない。このように使用されるデータは、ここで本出願の実施例を容易に説明するためのものであり、適切な状況で交換され得ることを理解されたい。また、「含む」および「有する」という用語並びにそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、例えば、一連のステップまたはユニットを含むプロセス、方法、システム、製品または機器は、必ずしも明確に列挙されたそれらのステップまたはユニットに限定されず、明確に列挙されていないか、またはそれらのプロセス、方法、製品または機器に固有の、他のステップまたはユニットを含むことができる。
【0027】
実施例1
本出願の実施例1により、シートベルト着用検出方法を提供する。
【0028】
図1は、本出願の実施例1に係るシートベルト着用検出方法のフローチャートである。図1に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0029】
ステップS102であって、交通機器から収集された目標画像を取得する。
【0030】
具体的には、交通機器から収集された目標画像は、交通機器の運転室または乗員室内のシーン画像であってもよく、ここに、交通機器は、車両であってもよく、さらにキャビン、フェリーなどの乗員がシートベルトを着用する必要がある機器であってもよく、本出願の実施例1は、交通機器のタイプを限定しない。
【0031】
ステップS104であって、目標画像における第1画像領域および/または第2画像領域を特定し、第1画像領域は目標画像における目標対象の頭部・体幹が位置する領域であり、第2画像領域は目標画像における目標対象の顔部が位置する領域である。
【0032】
具体的には、目標対象は、人体であってもよく、第1画像領域とは、人体の頭部・体幹を検出するときに特定された頭部・体幹の関心領域(ROI、Region of Interest)を指し、頭部・体幹検出の英語がHuman Torso Detectionであり、HTDと略称されるため、第1画像領域は、HTROI領域と略称されることができ、第2画像領域とは、人の顔を検出するときに特定された人の顔の関心領域を指し、顔部検出の英語がFace Detectionであり、FTDと略称されるため、第2画像領域は、FTROIと略称されることができる。
【0033】
ここに、関心領域とは、完全な画像におけるある領域の矩形サブ画像を指し、HTROI領域を例とし、完全な目標画像の解像度が1280×800であると仮定し、回帰されたHTROI領域の左上隅の座標が(100、100)であり、右下隅の座標が(350、780)である場合、目標画像におけるHTROI領域とは、完全な画像における(100、100)から(350、780)までの領域内の内容のみを含み、目標画像において(100、100)から解像度250×680の領域を切り取ったことに相当する。
【0034】
好ましくは、本出願の実施例1により提供されるシートベルト着用検出方法において、目標画像が目標対象の上半身領域を含む場合、目標対象の頭部・体幹が位置する領域は、顔部、首、肩および上胸を含む最小領域であり、目標対象の顔部が位置する領域は、顔部を含む最小領域である。
【0035】
例えば、目標対象が運転席の位置にいる運転者である場合、画像全体が運転席の位置にいる運転者の上半身を含むことを前提として、第1画像領域は、具体的に、人の顔、首、肩および上胸を完全に含む最小領域として定義され、図2に示すように、四角枠で囲まれた領域が第1画像領域である。第2画像領域は、具体的には、運転席の位置にいる運転者の上半身がすべて画像全体に現れる前提で、人の顔を完全に含む最小領域として定義される。
【0036】
ステップS106であって、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定し、第3画像領域は目標画像におけるシートベルト着用領域である。
【0037】
具体的には、第3画像領域は、シートベルト着用領域を検出するときに特定されたシートベルト着用関心領域を指し、シートベルトの英語がSafety Beltであるため、第3画像領域は、SROIと略称されることができる。
【0038】
本出願の実施例1は、実際のシーンにおけるシートベルトのサイズに基づいて、顔部検出と頭部・体幹検出とにより、シートベルトの検出領域を縮小し、シートベルト自体の特徴を目立たせ、シートベルト着用領域の認識可能な程度を向上させることができる。
【0039】
ステップS108であって、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断する。
【0040】
具体的には、第3画像領域を取得した後で、第3画像領域におけるシートベルトの実際の着用位置等の情報と、シートベルトが正しく着用される位置等の情報とを比べて、シートベルトが正しく着用されているか否かの結論を得ることができる。さらに、シートベルト着用領域を含む複数枚の画像に基づいて、シートベルトが正しく着用されているか否かを判断するように構成される判別器をトレーニングすることによって、判別器によりシートベルトが正しく着用されているか否かを判断することができる。
【0041】
本出願の実施例1により、視覚に基づく人員のシートベルト着用状態の非接触式の認識を実現し、機器の生産コストを節約すると同時に、人員のシートベルト着用状態を判断する結果がより正確となる。
【0042】
本出願の実施例1により提供されるシートベルト着用検出方法は、交通機器から収集された目標画像を取得することと、目標画像における第1画像領域および/または第2画像領域を特定することであって、第1画像領域は目標画像における目標対象の頭部・体幹が位置する領域であり、第2画像領域は目標画像における目標対象の顔部が位置する領域であることと、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定することであって、第3画像領域は目標画像におけるシートベルト着用領域であることと、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断することにより、関連技術において乗客がシートベルトを正しく着用しているか否かを正確に判断することが困難であるという課題を解決した。目標画像における目標対象の頭部・体幹が位置する領域および/または顔部が位置する領域によりシートベルト着用領域を特定することによって、シートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断し、さらに乗客がシートベルトを正しく着用しているか否かを判断する精度を向上させるという効果を達成している。
【0043】
好ましくは、本出願の実施例1により提供されるシートベルト着用検出方法において、交通機器から収集された目標画像を取得する前に、該方法は、交通機器から収集された画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対して頭部・体幹領域を含むか否かをマーキングし、かつ頭部・体幹領域を含む画像に対して頭部・体幹領域の位置をマーキングし、複数枚の第1マーキング画像を得ることと、複数枚の第1マーキング画像を第1トレーニングセットデータとして特定するとともに、第1トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、頭部・体幹領域を検出するように構成される第1検出器を得ることと、および/または、交通機器から収集された画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対して顔部領域を含むか否かをマーキングし、かつ顔部領域を含む画像に対して顔部領域の位置をマーキングし、複数枚の第2マーキング画像を得ることと、複数枚の第2マーキング画像を第2トレーニングセットデータとして特定するとともに、第2トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、顔部領域を検出するように構成される第2検出器を得ることと、をさらに含む。
【0044】
なお、本出願の実施例1の畳み込みニューラルネットワーク(CNN、Convolutional Neural Network)に基づく検出器のトレーニングセットは、以下の方式で取得することができる。目標対象が車内の運転席の位置にいる運転者である場合、まず一般的なデータ取得方式(例えば、実際のサンプリング)により車内の運転席の位置のシーンの完全な画像を複数枚得ることができ、具体的には、画像データ量は、少なくとも10000枚を含む。次に、目標内容を含むか否かの定性的なマーキングを1枚ずつ行うとともに、内容を含む画像に対して引き続き目標内容ROI位置に対する定量的なマーキングを行い、ROI位置の定量的なマーキングごとに、完全な画像における該目標内容の左上、右下の2次元座標ペアおよび目標の包含の有無を含み、全ての画像および関連した定性、定量的なマーキング内容は、検出器のトレーニングセットを構成する。
【0045】
さらに、ニューラルネットワークを構築した後で、トレーニングセットにおける画像データを異なるバッチに応じてランダムに選択してからニューラルネットワークに入力し、ネットワークにおける異なる重みを利用して重み付け操作を行い、ニューラルネットワークの出力結果に含まれる様々な定性的、定量的な結論および対応するマーキングデータを入力データと照合するとともに、照合誤差に基づいてニューラルネットワークにおける重み値を調整するようにCNNに基づく検出器をトレーニングすることができ、全体のプロセスは、1回のトレーニングとされる。複数回のトレーニングを経た後で、ニューラルネットワークの出力結論は、重みの調整に伴って徐々にキャリブレーションの実際の結論に合致しつつあり、両者の差異がある程度よりも小さいか、またはトレーニング回数が十分な回数に達すると、トレーニングを停止し、トレーニングにより得られたニューラルネットワークにおける重みに基づいて検出器のパラメータを特定する。
【0046】
具体的には、目標対象が運転席の位置にいる運転者である場合、頭部・体幹領域を検出するように構成される第1検出器(HTROI領域検出器)をトレーニングするとき、トレーニングセットの目標内容は、HTROI領域であり、入力データは、車内シーン全体の画像であり、定量的なマーキング内容は、HTROI領域の左上、右下の座標ペアであり、定性的なマーキング内容は、HTROI領域の包含の有無である。顔部領域を検出するように構成される第2検出器(FROI領域検出器)をトレーニングするとき、トレーニングセットの目標内容は、FROI領域であり、入力データは、車内シーン全体の画像であり、定量的なマーキング内容は、FROI領域の左上、右下の座標ペアであり、定性的なマーキング内容は、FROI領域の包含の有無である。
【0047】
本出願の実施例1により、HTROI領域検出器とFROI領域検出器とは、いずれもCNN前向き推論の方式で実現され、従来の画像認識方法に比べて、認識効果がより良く、人工知能ハードウェアの最適化方式に効果的に適応でき、検出性能がより良い。
【0048】
第1検出器および/または第2検出器を得た場合、第1画像領域を特定する方法は、複数あり、好ましくは、本出願の実施例1により提供されるシートベルト着用検出方法において、第1検出器と第2検出器とを得た場合、目標画像における第1画像領域を特定することは、第1検出器により目標画像を検出し、第1画像領域を得ることを含み、目標画像における第2画像領域を特定することは、第2検出器により目標画像を検出し、第2画像領域を得ることを含む。
【0049】
第1検出器を得た場合、目標画像における第1画像領域を特定することは、第1検出器により目標画像を検出し、第1画像領域を得ることを含み、目標画像における第2画像領域を特定することは、目標対象の所定の着座姿勢情報に基づいて、第1画像領域から第2画像領域を切り取ることを含む。
【0050】
第2検出器を得た場合、目標画像における第2画像領域を特定することは、第2検出器により目標画像を検出し、第2画像領域を得ることを含み、目標画像における第1画像領域を特定することは、目標対象の所定の着座姿勢情報に基づいて、目標画像において第2画像領域を下方、左方および右方へ所定の領域だけ拡張させ、第1画像領域を得ることを含む。
【0051】
なお、1つの選択可能な実施形態において、CNNに基づく方法によりHTROI領域検出器とFROI領域検出器とをそれぞれ得ることによって、画像全体の入力に基づいてHTROI領域とFROI領域との目標画像における2次元位置を直接回帰することができる。
【0052】
1つの選択可能な実施形態において、まずCNNの方法によりHTROI領域検出器を得て、HTROI領域検出器によりHTROI領域を検出してから、人体が運転席の位置に着席している時の大体の予知姿勢に基づいて、HTROI領域の上半部分の中央でFROI領域を得ることもできる。
【0053】
1つの選択可能な実施形態において、さらに、まずCNNの方法によりFROI領域検出器を得て、FROI領域検出器によりFROI領域を検出してから、人体が運転席の位置に着席している時の大体の予知姿勢に基づいて、FROI領域を下方および両側に拡張させてHTROI領域を得ることもできる。
【0054】
第1画像領域および/または第2画像領域を得た場合、第3画像領域を特定する方法は、複数あり、好ましくは、本出願の実施例1により提供されるシートベルト着用検出方法において、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定することは、目標画像における第1画像領域を得たとともに、目標画像における第2画像領域を得た場合、シートベルトが正しく着用されているときの被覆領域の第1画像領域に対するオフセット距離に基づいて、目標画像において第1シートベルト着用領域を特定するとともに、シートベルトが正しく着用されているときの被覆領域の第2画像領域に対するオフセット距離に基づいて、目標画像において第2シートベルト着用領域を特定することと、第1シートベルト着用領域と第2シートベルト着用領域とを目標画像の空間位置で平均化して、第3画像領域を得ることと、を含む。
【0055】
具体的には、目標画像においてHTROI領域もFROI領域も検出された場合、シートベルトが正しく着用されている場合、HTROI領域およびFROI領域に対する被覆領域のオフセットのそれぞれに基づいて、画像全体において人体がシートベルトを着用しているか否かを検出するSROI領域を2つ設定し、この2つのSROI領域を空間位置で平均化した後で、最終的なSROI領域を得ることができ、シートベルトが正しく着用されているか否かの検出のためにデータ基礎を築く。
【0056】
好ましくは、本出願の実施例1により提供されるシートベルト着用検出方法において、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定する前に、該方法は、頭部・体幹領域画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対してシートベルト着用領域を含むか否かをマーキングし、かつシートベルト着用領域を含む画像に対して顔部領域の位置をマーキングし、複数枚の第3マーキング画像を得ることと、複数枚の第3マーキング画像を第3トレーニングセットデータとして特定するとともに、第3トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、シートベルト着用領域を検出するように構成される第3検出器を得ることと、をさらに含み、目標画像における第1画像領域および/または第2画像領域を得た場合、第3画像領域を特定することは、目標画像における第1画像領域の位置および/または目標画像における第2画像領域の位置、および第1画像領域を第3検出器に入力し、第3画像領域を検出することを含む。
【0057】
具体的には、目標対象が運転席の位置にいる運転者である場合、シートベルト着用領域を検出するように構成される第3検出器をトレーニングするとき、そのトレーニングセットの目標内容は、SROIであり、入力データは、HTROI領域によって限定された画像範囲であり、定量的なマーキング内容は、HTROI領域によって限定された画像範囲座標系におけるFROI領域の左上、右下の座標ペアである。
【0058】
さらに、第3検出器を得た後で、画像におけるHTROI領域とFROI領域との位置座標(HTROI領域の左上、右下の2つの点の2次元座標値、FDROIの左上、右下の2つの点の2次元座標値、合計で4つの点の2次元座標値)および画像全体におけるHTROI領域の画像を予めトレーニングされた第3検出器に直接入力することによって、最終的なSROI領域を回帰することができる。
【0059】
第3画像領域を特定する方法は、複数あり、好ましくは、本出願の実施例1により提供されるシートベルト着用検出方法において、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定する前に、該方法は、頭部・体幹領域画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対してシートベルト着用領域を含むか否かをマーキングし、かつシートベルト着用領域を含む画像に対してシートベルト着用領域の位置をマーキングし、複数枚の第4マーキング画像を得ることと、複数枚の第4マーキング画像を第4トレーニングセットデータとして特定するとともに、第4トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、シートベルト着用領域を検出するように構成される第4検出器を得ることと、をさらに含み、目標画像において第1画像領域が検出された場合、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定することは、第4検出器により第1画像領域を検出し、第3画像領域を得ることを含む。
【0060】
具体的には、複数枚の頭部・体幹領域画像により、シートベルト着用領域を検出するように構成される第4検出器をトレーニングすることができ、トレーニングセットの目標内容は、STROI領域であり、入力データは、HTROI領域画像であり、定量的なマーキング内容は、SROI領域の左上、右下の座標ペアであり、定性的なマーキング内容は、SROI領域の包含の有無である。さらに、トレーニングして第4検出器を得た後で、第4検出器によりHTROI領域を検出し、STROI領域を得る。
【0061】
好ましくは、本出願の実施例1により提供されるシートベルト着用検出方法において、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定する前に、該方法は、顔部領域を含む画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対してシートベルト着用領域を含むか否かをマーキングし、かつシートベルト着用領域を含む画像に対してシートベルト着用領域の位置をマーキングし、複数枚の第5マーキング画像を得ることと、複数枚の第5マーキング画像を第5トレーニングセットデータとして特定するとともに、第5トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、シートベルト着用領域を検出するように構成される第5検出器を得ることと、をさらに含み、目標画像において第2画像領域が検出された場合、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定することは、第5検出器により第2画像領域を検出し、第3画像領域を得ることを含む。
【0062】
具体的には、顔部領域を含む複数枚の画像によりシートベルト着用領域を検出するように構成される第5検出器をトレーニングすることができ、トレーニングセットの目標内容は、STROI領域であり、入力データは、FROI領域画像であり、定量的なマーキング内容は、SROI領域の左上、右下の座標ペアであり、定性的なマーキング内容は、SROI領域の包含の有無である。さらに、トレーニングして第5検出器を得た後で、第5検出器によりFROI領域を検出し、STROI領域を得る。
【0063】
また、目標画像においてHTROI領域もFROI領域も検出されなかった場合、その時点で車内に乗員がいないと考えられ、その時点で(人がいないため)シートベルト未着用という判断を直接与える。
【0064】
第3領域画像を得た後で、第3領域画像に基づいてシートベルトの着用状態を判断し、好ましくは、本出願の実施例1により提供されるシートベルト着用検出方法において、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断する前に、該方法は、シートベルト着用領域画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対してシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かをマーキングし、複数枚の第6マーキング画像を得ることと、複数枚の第6マーキング画像を第6トレーニングセットデータとして特定するとともに、第6トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断するように構成される判別器を得ることと、をさらに含み、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断することは、判別器により第3画像領域を検出し、シートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かの結論を得ることを含む。
【0065】
具体的には、CNNに基づいて、シートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断するように構成される判別器をトレーニングすることができ、そのトレーニングセットの目標内容は、シートベルトが正しく着用されているか否かの定性的な結論であり、入力データは、SROIによって限定された画像範囲であり、定性的なマーキング内容は、シートベルトが正しく着用されているか否かである。
【0066】
さらに、判別器を得た後で、シーン全体の画像データにおけるSROI部分の画像データを予めトレーニングされたCNNに基づく判別器に入力し、乗員がシートベルトを着用しているか否かを判断する。
【0067】
例えば、図3に示すように、黒色枠で囲まれた領域は、検出されたHTROI領域であり、白色枠で囲まれた領域は、検出されたFROI領域であり、灰色枠で囲まれた領域は、FROI領域とHTROI領域により得られたSROI領域であり、SROI領域のデータをシートベルト判別器に入力した後で、「With Safety Belt」という正確な結論を得ることができる。
【0068】
本出願の実施形態に係る解決手段を採用しない場合、例えば、目標画像全体をシートベルト判別器に入力すると、図4に示すように、シートベルト特徴が人の顔または人体の特徴と比べて画像全体において弱く、シートベルト判別器によって認識されにくいため、同じシーンでは、SROI領域を判断することが困難であり、「Without Safety Belt」という誤った結論が得られたこととなる。
【0069】
好ましくは、本出願の実施例1により提供されるシートベルト着用検出方法において、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断した後で、該方法は、シートベルトの着用が所定の着用要求を満たさない場合、乗客にシートベルトを正しく着用するように提示するための提示情報を発することをさらに含む。
【0070】
具体的には、シートベルト着用が誤っていると、乗員がシートベルトを正しく着用していない、またはシートベルトを着用していないという情報が発せられることによって、乗員にシートベルトを正しく着用するように提示する。
【0071】
図5は、本出願の実施例1に係る選択可能なシートベルト着用検出方法のフローチャートである。
【0072】
本出願の実施例1に係る方法は、PC、携帯電話および現在主流の車載組込み型プラットフォーム上で実行することができ、車載組込み型プラットフォームは、ARMアーキテクチャ、DSPアーキテクチャおよびARM+DSPアーキテクチャを含むが、これらに限定されない。
【0073】
図5に示すように、該方法において、車内シーン画像データを取得し、車内シーン画像データ全体において人体の頭部・体幹検出(Human Torso Detection、HTD)を行い、人体の頭部・体幹関心領域(Human Torso ROI、HTROI)を取得する。同時に、車内シーン画像データ全体において人の顔検出(Face Detection、FD)を行い、人の顔の関心領域(Face ROI、FROI)を取得する。
【0074】
さらに、HTROI領域とFROI領域との位置関係に基づいて、シートベルト着用関心領域(Seatbelt ROI、SROI)を推定し、画像におけるHTROI領域とFROI領域の位置座標およびシーン全体での画像データにおけるHTROI領域部分のデータを、予めトレーニングされた畳み込みニューラルネットワークCNNに基づく回帰器に直接入力し、SROI領域を回帰してもよい。
【0075】
なお、HTDとFDのうちの1つのみでは、ROI領域を検出した場合、該ROIのみを利用して位置関係によりSROI領域を推定してもよく、HTROI領域とFROI領域がいずれも検出されなかった場合、この時点で車内に乗員がいないと考えられ、その時点で(人がいないため)シートベルト未着用という判断を直接与える。
【0076】
最後に、シーン画像データ全体におけるSROI領域の画像データを予めトレーニングされた畳み込みニューラルネットワークCNNに基づくシートベルト判別器に入力し、乗員がシートベルトを着用しているか否かを判断し、シートベルトの着用が誤っている場合も、乗員がシートベルトを着用していないことを提示する。
【0077】
本出願の実施例1により、視覚に基づく人員のシートベルト着用状態の非接触式の認識を実現し、機器の生産コストを節約すると同時に、人員のシートベルト着用状態を判断する結果がより正確になる。一方、実際のシーンにおけるシートベルトのサイズに基づいて、顔部検出と頭部・体幹検出とにより、シートベルトの検出領域を縮小し、シートベルト自体の特徴を目立たせ、シートベルト着用領域の認識可能な程度を向上させた。
【0078】
図6は、本出願の実施例1に係る選択可能なシートベルト着用検出方法の概略図である。
【0079】
本出願の実施例1に係る方法は、PC、携帯電話および現在主流の車載組込み型プラットフォーム上で実行することができ、車載組込み型プラットフォームは、ARMアーキテクチャ、DSPアーキテクチャおよびARM+DSPアーキテクチャを含むが、これらに限定されない。
【0080】
図6に示すように、該方法において、乗員が正常な姿勢で座席に着席し、顔部が前方を正視する場合、取得された車内シーンデータ全体で複数フレームの画像を収集し、人の顔の関心領域(Face ROI、FROI)を取得する。乗員の姿勢が正常であるため、各フレームの画像から対応するFROI領域を必ず得ることができる。
【0081】
さらに、複数フレームの画像のFROI領域の位置に基づいて平均化を行い、平均化されたFROI領域を得て、さらに平均化されたFROI領域に基づいて、予知のFROI領域とSROIとの位置関係に基づいて拡張させてシートベルト着用関心領域(Seatbelt ROI(Region of Interest)、SROI)を得る。
【0082】
さらに、その後のフレームごとに入力された車内シーン画像全体について、そのSROI部分の画像データを予めトレーニングされたCNNに基づくシートベルト判別器に入力し、乗員がシートベルトを着用しているか否かを判断し、シートベルトの着用が誤っている場合も、乗員がシートベルトを着用していないことを提示する。
具体的には、図7に示すように、白色枠で囲まれた領域は、検出されたFROI領域であり、灰色枠で囲まれた領域は、FROI領域により予め定められたSROIであり、SROI領域のデータをCNNに基づくシートベルト判別器に入力し、「With Safety Belt」という正しい結論を得た。
【0083】
本出願の実施形態に係る解決手段を採用しない場合、例えば、目標画像全体をシートベルト判別器に入力すると、図8に示すように、シートベルト特徴が人の顔の特徴と比べて画像全体において弱く、シートベルト判別器により認識されにくいため、同じシーンでは、SROI領域を判断することが困難であり、「Without Safety Belt」という誤った結論が得られたこととなる。
【0084】
本出願の実施例1により、視覚に基づく人員のシートベルト着用状態の非接触式の認識を実現し、機器の生産コストを節約すると同時に、人員のシートベルト着用状態を判断する結果がより正確となる。一方、実際のシーンにおけるシートベルトのサイズに基づいて、顔部検出により、シートベルトの検出領域を縮小し、シートベルト自体の特徴を目立たせ、シートベルト着用領域の認識可能な程度を向上させた。
【0085】
なお、図面のフローチャートに示されたステップは、1組のコンピュータ実行可能な命令などのコンピュータシステムにおいて実行されることができ、且つ、フローチャートに論理順序が示されているが、場合によって、示されたり説明されたりするステップをここの順序と異なる順序で実行してもよい。
【0086】
本出願の実施例1は、シートベルト着用検出装置をさらに提供し、なお、本出願の実施例1に係るシートベルト着用検出装置は、本出願の実施例1により提供されるシートベルト着用検出方法を実行するために用いられることができる。以下、本出願の実施例1により提供されるシートベルト着用検出装置を説明する。
【0087】
実施例2
図9は、本出願の実施例2に係るシートベルト着用検出装置の概略図である。図9に示すように、該装置は、第1取得ユニット10と、第1特定ユニット20と、第2特定ユニット30と、判断ユニット40と、を含む。
【0088】
具体的には、第1取得ユニット10は、交通機器から収集された目標画像を取得するように構成される。
【0089】
第1特定ユニット20は、目標画像における第1画像領域および/または第2画像領域を特定するように構成され、第1画像領域は目標画像における目標対象の頭部・体幹が位置する領域であり、第2画像領域は目標画像における目標対象の顔部が位置する領域である。
【0090】
第2特定ユニット30は、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定するように構成され、第3画像領域は目標画像におけるシートベルト着用領域である。
【0091】
判断ユニット40は、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断するように構成される。
【0092】
本出願の実施例2により提供されるシートベルト着用検出装置は、交通機器から収集された目標画像を取得するように構成される第1取得ユニット10と、目標画像における第1画像領域および/または第2画像領域を特定するように構成される第1特定ユニット20であって、第1画像領域は目標画像における目標対象の頭部・体幹が位置する領域であり、第2画像領域は目標画像における目標対象の顔部が位置する領域である第1特定ユニット20と、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定するように構成される第2特定ユニット30であって、第3画像領域は目標画像におけるシートベルト着用領域である第2特定ユニット30と、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断するように構成される判断ユニット40とにより、関連技術において乗客がシートベルトを正しく着用しているか否かを正確に判断することが困難であるという課題を解決した。目標画像における目標対象の頭部・体幹が位置する領域および/または顔部が位置する領域によりシートベルト着用領域を特定することによって、シートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断し、さらに乗客がシートベルトを正しく着用しているか否かを判断する精度を向上させるという効果を達成している。
【0093】
好ましくは、本出願の実施例2により提供されるシートベルト着用検出装置において、目標画像が目標対象の上半身領域を含む場合、目標対象の頭部・体幹が位置する領域は、顔部、首、肩および上胸を含む最小領域であり、目標対象の顔部が位置する領域は、顔部を含む最小領域である。
【0094】
好ましくは、本出願の実施例2により提供されるシートベルト着用検出装置において、該装置は、交通機器から収集された目標画像を取得する前に、交通機器から収集された画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対して頭部・体幹領域を含むか否かをマーキングし、かつ頭部・体幹領域を含む画像に対して頭部・体幹領域の位置をマーキングし、複数枚の第1マーキング画像を得るように構成される第2取得ユニットと、複数枚の第1マーキング画像を第1トレーニングセットデータとして特定するとともに、第1トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、頭部・体幹領域を検出する第1検出器を得るように構成される第1トレーニングユニットと、および/または交通機器から収集された画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対して顔部領域を含むか否かをマーキングし、かつ顔部領域を含む画像に対して顔部領域の位置をマーキングし、複数枚の第2マーキング画像を得るように構成される第3取得ユニットと、複数枚の第2マーキング画像を第2トレーニングセットデータとして特定するとともに、第2トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、顔部領域を検出する第2検出器を得るように構成される第2トレーニングユニットと、をさらに含む。
【0095】
好ましくは、本出願の実施例2により提供されるシートベルト着用検出装置において、第1特定ユニット20は、第1特定モジュールおよび/または第2特定モジュールを含み、第1特定モジュールは、第1検出器と第2検出器とを得た場合、第1検出器により目標画像を検出し、第1画像領域を得るように構成され、第2特定モジュールは、第2検出器により目標画像を検出し、第2画像領域を得るように構成され、第1特定モジュールは、第1検出器を得た場合、第1検出器により目標画像を検出し、第1画像領域を得るように構成され、第2特定モジュールは、目標対象の所定の着座姿勢情報に基づいて、第1画像領域から第2画像領域を切り取るように構成され、第2特定モジュールは、第2検出器を得た場合、第2検出器により目標画像を検出し、第2画像領域を得るように構成され、第1特定モジュールは、目標対象の所定の着座姿勢情報に基づいて、目標画像において第2画像領域を下方、左方および右方に所定の領域だけ拡張させ、第1画像領域を得るように構成される。
【0096】
好ましくは、本出願の実施例2により提供されるシートベルト着用検出装置において、第2特定ユニット30は、目標画像における第1画像領域を得たとともに、目標画像における第2画像領域を得た場合、シートベルトが正しく着用されているときの被覆領域の第1画像領域に対するオフセット距離に基づいて、目標画像において第1シートベルト着用領域を特定するとともに、シートベルトが正しく着用されているときの被覆領域の第2画像領域に対するオフセット距離に基づいて、目標画像において第2シートベルト着用領域を特定するように構成される第3特定モジュールと、第1シートベルト着用領域と第2シートベルト着用領域とを目標画像の空間位置で平均化して、第3画像領域を得るように構成される第4特定モジュールと、を含む。
【0097】
好ましくは、本出願の実施例2により提供されるシートベルト着用検出装置において、該装置は、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定する前に、頭部・体幹領域画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対してシートベルト着用領域を含むか否かをマーキングし、かつシートベルト着用領域を含む画像に対して顔部領域の位置をマーキングし、複数枚の第3マーキング画像を得るように構成される第4取得ユニットと、複数枚の第3マーキング画像を第3トレーニングセットデータとして特定するとともに、第3トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、シートベルト着用区域を検出する第3検出器を得るように構成される第3トレーニングユニットと、をさらに含み、第2特定ユニットは、第1画像領域の目標画像における位置と、第2画像領域の目標画像における位置と、第1画像領域とを第3検出器に入力して、第3画像領域を検出するようにさらに構成される。
【0098】
好ましくは、本出願の実施例2により提供されるシートベルト着用検出装置において、該装置は、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定する前に、頭部・体幹領域画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対してシートベルト着用領域を含むか否かをマーキングし、かつシートベルト着用領域を含む画像に対してシートベルト着用領域の位置をマーキングし、複数枚の第4マーキング画像を得るように構成される第5取得ユニットと、複数枚の第4マーキング画像を第4トレーニングセットデータとして特定するとともに、第4トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、シートベルト着用区域を検出する第4検出器を得るように構成される第4トレーニングユニットと、をさらに含み、第2特定ユニットは、第4検出器により第1画像領域を検出し、第3画像領域を得るようにさらに構成される。
【0099】
好ましくは、本出願の実施例2により提供されるシートベルト着用検出装置において、該装置は、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定する前に、顔部領域を含む画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対してシートベルト着用領域を含むか否かをマーキングし、かつシートベルト着用領域を含む画像に対してシートベルト着用領域の位置をマーキングし、複数枚の第5マーキング画像を得るように構成される第6取得ユニットと、複数枚の第5マーキング画像を第5トレーニングセットデータとして特定するとともに、第5トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、シートベルト着用区域を検出する第5検出器を得るように構成される第5トレーニングユニットと、をさらに含み、第2特定ユニットは、第5検出器により第2画像領域を検出し、第3画像領域を得るようにさらに構成される。
【0100】
好ましくは、本出願の実施例2により提供されるシートベルト着用検出装置において、該装置は、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断する前に、シートベルト着用領域画像を複数枚取得するとともに、取得された画像に対してシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かをマーキングし、複数枚の第6マーキング画像を得るように構成される第7取得ユニットと、複数枚の第6マーキング画像を第6トレーニングセットデータとして特定するとともに、第6トレーニングセットデータによりニューラルネットワークモデルをトレーニングし、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断する判別器を得るように構成される第6トレーニングユニットと、をさらに含み、判断ユニット40は、判別器により第3画像領域を検出し、シートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かの結論を得るようにさらに構成される。
【0101】
好ましくは、本出願の実施例2により提供されるシートベルト着用検出装置において、該装置は、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断した後で、シートベルトの着用が所定の着用要求を満たさない場合、乗客にシートベルトを正しく着用するように提示する提示情報を発するように構成される情報発出ユニットをさらに含む。
【0102】
前記シートベルト着用検出装置は、プロセッサとメモリとを含み、上記第1取得ユニット10、第1特定ユニット20、第2特定ユニット30および判断ユニット40等は、いずれもプログラムユニットとしてメモリに記憶され、プロセッサによりメモリに記憶された上記プログラムユニットを実行することにより、対応する機能を実現する。
【0103】
プロセッサは、カーネルを含み、カーネルによりメモリから対応するプログラムユニットを呼び出す。カーネルは、1つ以上設けられてもよく、カーネルパラメータを調整することによって、関連技術に係る乗客がシートベルトを正しく着用しているか否かを正確に判断することが困難であるという課題を解決する。
【0104】
メモリは、コンピュータ読み取り可能な媒体における揮発性メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/または不揮発性メモリなどの形式を含んでもよく、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)またはフラッシュメモリ(flash RAM)であり、メモリは、少なくとも1つの記憶チップを含む。
【0105】
本出願の実施例は、不揮発性記憶媒体をさらに提供し、不揮発性記憶媒体は、記憶されたプログラムを含み、ここに、プログラムが実行されると、シートベルト着用検出方法を実行させるように不揮発性記憶媒体が配置される機器を制御する。
【0106】
本出願の実施例は、プロセッサとメモリとを含み、メモリにコンピュータ読み取り可能な命令が記憶され、プロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行するように配置され、コンピュータ読み取り可能な命令が実行されると、シートベルト着用検出方法が実行される電子装置をさらに提供する。本明細書における電子装置は、サーバ、PC、PAD、携帯電話などであってもよい。
【0107】
本出願の実施例が、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として提供され得ることは、当業者にとって明らかである。したがって、本出願は、完全なハードウェア実施例、完全なソフトウェア実施例、またはソフトウェアとハードウェアとを組み合わせた実施例の形態を採用し得る。そして、本出願は、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含む1つまたは複数のコンピュータ利用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むが、これらに限定されない)上で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を採用し得る。
【0108】
本出願は、本出願の実施例による方法、機器(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して説明される。フローチャートおよび/またはブロック図における各フローおよび/またはブロック、ならびにフローチャートおよび/またはブロック図におけるフローおよび/またはブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実現され得ることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサまたは他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサに提供して機械を生成することによって、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサにより実行される命令がフローチャートの1つまたは複数のフローおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能を実現するための装置を生成する。
【0109】
これらのコンピュータプログラム命令は、特定の方式で動作させるようにコンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理機器を案内することができるコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶されてもよく、これにより、該コンピュータ読み取り可能なメモリに記憶された命令が、フローチャートの1つまたは複数のフローおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能を実現する命令装置を含む製造品を生成する。
【0110】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理機器にロードされてもよく、これにより、コンピュータまたは他のプログラマブル機器で一連の操作ステップを実行してコンピュータにより実現される処理を生成し、これにより、コンピュータまたは他のプログラマブル機器で実行される命令は、フローチャートの1つまたは複数のプロセスおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0111】
典型的な配置において、計算機器は、1つ以上のプロセッサ(CPU)と、入出力インタフェースと、ネットワークインタフェースと、メモリとを含む。
【0112】
メモリは、コンピュータ読み取り可能な媒体における揮発性メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/または不揮発性メモリなどの形式を含んでもよく、例えばリードオンリーメモリ(ROM)またはフラッシュメモリ(flash RAM)である。メモリは、コンピュータ読み取り可能な媒体の例である。
【0113】
コンピュータ読み取り可能な媒体は、揮発性および不揮発性、リムーバブルおよび非リムーバブルメディアを含み、任意の方法または技術により情報記憶を実現することができる。情報は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムのモジュール、または他のデータであってもよい。コンピュータの記憶媒体の例は、相変化メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、リードオンリーコンパクトディスクメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学記憶装置、カセット磁気テープ、磁気テープ磁気ディスク記憶または他の磁気記憶機器または任意の他の非伝送媒体を含むが、これらに限定されず、計算機器によってアクセス可能な情報を記憶するために用いられることができる。本明細書における定義により、コンピュータ読み取り可能な媒体は、変調されたデータ信号およびキャリアなどの一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体(transitory media)を含まない。
【0114】
なお、「含む」、「包含」という用語またはそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、これにより、一連の要素を含むプロセス、方法、商品または機器は、それらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されていない他の要素またはそれらのプロセス、方法、商品または機器に固有の要素をさらに含む。より多くの制限がない場合、「1つの……を含む」という語句によって限定された要素は、要素を含むプロセス、方法、商品または機器に他の同じ要素が存在することを排除しない。
【0115】
本出願の実施例が、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として提供され得ることは、当業者にとって明らかである。したがって、本出願は、完全なハードウェア実施例、完全なソフトウェア実施例、またはソフトウェアとハードウェアとを組み合わせた実施例の形態を採用し得る。そして、本出願は、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含む1つまたは複数のコンピュータ利用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むが、これらに限定されない)上で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を採用し得る。
【0116】
以上は、本出願の実施例に過ぎず、本出願を制限するものではない。当業者にとって、本出願は、様々な変更および変形が可能である。本出願の趣旨および原理内で行われるいかなる補正、同等置換、改良などは、いずれも本出願の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明の実施例により提供される解決手段は、画像認識の技術分野に適用されることができる。本発明の実施例において、交通機器から収集された目標画像を取得することと、目標画像における第1画像領域および/または第2画像領域を特定するステップであって、第1画像領域は目標画像における目標対象の頭部・体幹が位置する領域であり、第2画像領域は目標画像における目標対象の顔部が位置する領域であることと、第1画像領域および/または第2画像領域に基づいて、第3画像領域を特定するステップであって、第3画像領域は目標画像におけるシートベルト着用領域であることと、第3画像領域における画像情報に基づいて、目標画像におけるシートベルトの着用が所定の着用要求を満たすか否かを判断することと、を含み、本発明の実施例に係るシートベルト着用検出により、関連技術において乗客がシートベルトを正しく着用しているか否かを正確に判断することが困難であるという課題を解決した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】