(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】カテーテルロボット
(51)【国際特許分類】
A61M 25/082 20060101AFI20231226BHJP
A61B 34/30 20160101ALI20231226BHJP
【FI】
A61M25/082 500
A61B34/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539349
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 EP2021087251
(87)【国際公開番号】W WO2022144265
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517433614
【氏名又は名称】ロボカト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ・フルニエ
【テーマコード(参考)】
4C130
4C267
【Fターム(参考)】
4C130AA32
4C130AA43
4C130AC07
4C130AD02
4C267AA01
4C267AA28
4C267BB53
(57)【要約】
本発明は、基部(40)と、基部(40)に支持された3つのカテーテル並進モジュール(1,2,3)であって、各モジュール(1,2,3)が1つの可動パッド対(20,22,23,24,25)であって、同じ対のパッドが互いに向かい合い、対が、その後、縦方向に可撓性の細長い医療要素(11,12,13,14,15)を並進させるために、そのパッド間に医療要素をクランプする1つの可動パッド対(20,22,23,24,25)を含むモジュール(1,2,3)とを備え、モジュール(1,2,3)は、第1のモジュール(1)がカテーテルガイド(11)である第1の医療要素の縦方向並進を実行するパッド対(20)を有し、第2のモジュール(2)が第1のモジュール(1)に関して縦方向並進でき、そのパッド対(22,24)が第2の医療要素の縦方向並進を実行し、第3のモジュール(3)が第1のモジュール(1)に関して縦方向並進でき、そのパッド対(23,25)が第2または第3の医療要素の縦方向並進を実行するよう縦断的に配置されているカテーテルロボットに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルロボットであって、
基部(40)と、
前記基部(40)によって支持された少なくとも3つのカテーテル並進モジュール(1、2、3)であって、
各カテーテル並進モジュール(1、2、3)が、少なくとも1つの可動パッド対(20、22、23、24、25)であって、
同じ対の前記パッドが少なくとも部分的に互いに向かい合い、
前記対が、その後、可撓性の細長い医療要素(11、12、13、14、15)を縦方向に並進させるために、そのパッドの間に前記可撓性の細長い医療要素をクランプする、少なくとも1つの可動パッド対(20、22、23、24、25)、を含む、少なくとも3つのカテーテル並進モジュール(1、2、3)と、
を備え、
前記カテーテル並進モジュール(1、2、3)は、
第1のカテーテル並進モジュール(1)が、カテーテルガイド(11)である第1の可撓性の細長い医療要素の縦方向の並進を実行するパッド対(20)を有し、
第2のカテーテル並進モジュール(2)が、
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)に関して縦方向に並進でき、
そのパッド対(22、24)が、第2の可撓性の細長い医療要素の縦方向の並進を実行し、
第3のカテーテル並進モジュール(3)が、
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)に関して縦方向に並進でき、
そのパッド対(23、25)が、前記第2の可撓性の細長い医療要素または第3の可撓性の細長い医療要素の縦方向の並進を実行する、
ように縦断的に配置されている、
カテーテルロボット。
【請求項2】
前記カテーテルロボットが、前記第1の可撓性の細長い医療要素(11)の並進に続いて、前記第2のカテーテル並進モジュール(2)の並進を命令し、前記第2の可撓性の細長い医療要素(12)を前記基部(40)に関して静止状態に維持するために前記第2のカテーテル並進モジュール(2)の並進を補償することにより、前記第2の可撓性の細長い医療要素(12)の並進を制御するように構成されたコントロールユニットを備える、請求項1に記載のカテーテルロボット。
【請求項3】
前記カテーテル並進モジュール(1、2、3)がすべて構造的に同一である、請求項1または2に記載のカテーテルロボット。
【請求項4】
前記カテーテル並進モジュール(1、2、3)が相互に離れて縦断的に間隔があけられている、請求項1から3のいずれか一項に記載のカテーテルロボット。
【請求項5】
前記第3のカテーテル並進モジュール(3)が、前記第1のカテーテル並進モジュール(1)と前記第2のカテーテル並進モジュール(2)の両方に関して縦方向に並進できる、請求項1から4のいずれか一項に記載のカテーテルロボット。
【請求項6】
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)と前記第2のカテーテル並進モジュール(2)との間に第1のコネクタ(31)が配置され、
前記第2のカテーテル並進モジュール(2)と前記第3のカテーテル並進モジュール(3)との間に第2のコネクタ(32)が配置されている、
請求項5に記載のカテーテルロボット。
【請求項7】
前記第2のカテーテル並進モジュール(2)がカテーテル(12)を駆動し、前記第3のカテーテル並進モジュール(3)がガイド(13)を駆動し、前記カテーテルのガイド(13)が、少なくともそれぞれの長さの一部に関して、それ自体が前記カテーテルガイド(11)内で並進する前記カテーテル(12)内で並進する、請求項1から6のいずれか一項に記載のカテーテルロボット。
【請求項8】
前記カテーテルロボットが、前記第2の可撓性の細長い医療要素(12)の並進に続いて、前記第3のカテーテル並進モジュール(3)の並進を命令し、前記第3の可撓性の細長い医療要素(13)を前記基部(40)に関して静止状態に維持するために前記第3のカテーテル並進モジュール(3)の並進を補償することにより、前記第3の可撓性の細長い医療要素(13)の並進を制御するように構成されたコントロールユニットを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のカテーテルロボット。
【請求項9】
前記第2のカテーテル並進モジュール(2)および前記第3のカテーテル並進モジュール(3)が、前記第1のカテーテル並進モジュール(1)に関して共同でのみ縦方向に並進できるように一緒に固定されている、請求項1または2に記載のカテーテルロボット。
【請求項10】
前記第3のカテーテル並進モジュール(3)の前記パッド対(25)が、前記第2のカテーテル並進モジュール(2)の前記パッド対(24)から横方向にずれている、請求項9に記載のカテーテルロボット。
【請求項11】
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)が、前記基部(40)に関して固定されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のカテーテルロボット。
【請求項12】
前記基部(40)が、多関節ロボットアームのエンド部である、請求項1から11のいずれか一項に記載のカテーテルロボット。
【請求項13】
前記カテーテル並進モジュール(1、2、3)が、前記第1のカテーテル並進モジュール(1)、次いで前記第2のカテーテル並進モジュール(2)、次いで前記第3のカテーテル並進モジュール(3)の順序で、相互に縦断的に配置されている、請求項1から12のいずれか一項に記載のカテーテルロボット。
【請求項14】
前記基部(40)によって支持され、縦断的に配置された少なくとも4つのカテーテル並進モジュール、または、好ましくは、前記基部(40)によって支持され、縦断的に配置された少なくとも5つのカテーテル並進モジュール、より好ましくは5つのカテーテル並進モジュールのみ、を備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のカテーテルロボット。
【請求項15】
第2および第3のカテーテル並進モジュールが迅速交換カテーテル並進モジュールとして構成されており、第4および第5のカテーテル並進モジュールがオーバーザワイヤカテーテル並進モジュールとして構成されている、または、第2から第5のすべてのカテーテル並進モジュールがオーバーザワイヤカテーテル並進モジュールとして構成されている、請求項14に記載のカテーテルロボット。
【請求項16】
各カテーテル並進モジュール(1、2、3)が、代わりにカテーテル回転モジュールでもあり、各対が、可撓性の細長い医療要素(11、12、13、14、15)を、その向かい合うパッド(20、22、23、24、25)の間で回転させることによって、その後、縦方向の軸を中心に前記可撓性の細長い医療要素を回転させるために、その向かい合うパッドの間に前記可撓可撓性の細長い医療要素をクランプする、請求項1から15のいずれか一項に記載のカテーテルロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルロボットの技術分野、特にいくつかの可撓性の細長い医療要素を含むカテーテルロボットの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルロボットは、いくつかの可撓性の細長い医療要素の並進を実行する必要がある。これらの可撓性の細長い医療要素は、カテーテルのガイドを部分的に囲むカテーテル自体を部分的に囲むカテーテルガイドを含み得る。これらの並進は、これらの可撓性の細長い医療要素が少なくとも時々相互に独立して移動する必要があるため、相互に独立している必要がある。ただし、他の場合には、これらの可撓性の細長い医療要素の少なくとも一部が相互に同期して移動しなければならない場合がある。
【0003】
従来技術によると、各々の可撓性の細長い医療要素は、並進装置、ほとんどの場合一対または複数対のローラ、時にはその間にこの可撓性の細長い医療要素をクランプする互いに向き合った一対のパッドによって並進される。
【0004】
したがって、これらの可撓性の細長い医療要素が相互に独立して移動する必要がある場合、各並進装置は、他の並進装置からは相互に独立して、関連する可撓性の細長い医療要素の並進動作を実行する。
【0005】
ただし、これらの可撓性の細長い医療要素が相互に同期して移動する必要がある場合(これは、必ずしも同じ並進の動きではないが、互いに同期すべき並進の動きどうしの差ができるだけ小さいことを意味する)、各並進装置は、それに関連する可撓性の細長い医療要素の並進動作を、この並進動作が他の可撓性の細長い医療要素のために他の並進装置によって実行された他の並進動作と同期するよう試みながら、実行する。
【0006】
この従来技術は、2つまたは3つ、またはそれより多くの並進装置の2つまたは3つ、またはそれより多くの並進動作をそれぞれ同期する必要があり、それはむしろ複雑さをもたらすものであり、これらの並進動作のいくつかが速度や方向の変化などユーザの特定の変数入力によってトリガされる場合に、特にそうである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】仏国特許発明第3022147号明細書
【特許文献2】欧州特許第15733825号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2018193603号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記の欠点を少なくとも部分的に緩和することである。
【0009】
より詳細には、本発明は、1つまたは複数の可撓性の細長い医療要素が互いにまたは相互に独立して並進する必要がある場合だけでなく、1つまたは複数の可撓性の細長い医療要素が互いにまたは相互に同期して並進する必要がある場合にも、単純さと効率性との間に良好な妥協点を持つことができるグローバルな並進システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、この問題は、相互に同期して移動する必要がある可撓性の細長い医療要素の場合、並進動作を2つの部分、すなわち、
同期を、同期が行われる別の可撓性の細長い医療機器の別の並進動作と一致させるために、1つまたは複数の並進装置が完全な装置として、つまり摺動支持部として自分自身を並進させる「同期された」並進動作の第1の部分と、
並進装置間の必要な同期に加えて、特定の追加のユーザ入力が、少なくとも可撓性の細長い医療要素ごとに、おそらくまだ異なることを考慮するために、1つまたは複数の可撓性の細長い医療要素の対応する相対並進をそれらの1つまたは複数の並進装置に関して実行することにより、特定のユーザ入力と一致する、並進動作の第2の部分と、
に分割することで解決される。
【0011】
本発明によると、場合によっては、少なくとも可撓性の細長い医療要素のいくつかの並進動作は、2つの異なる手法、すなわち、
並進装置とそれに関連する可撓性の細長い医療要素との間に相対的な並進がない状態で並進装置自体を並進させることにより、
・この第1の並進動作は、別の並進装置の別の関連する可撓性の細長い医療要素の並進動作と同期する必要性に対応している
および/または、この関連する可撓性の細長い医療要素を関連する並進装置に相対的に並進させることにより、
・この第2の並進動作は、ユーザが必要とする特定の並進に対応する特定の様々なユーザ入力に対応している
のいずれかによって実行され得る。
【0012】
本発明によると、これらの個別の独立した並進装置は、少なくともそれらの一部については、互いに相対的に並進できるようにすることができるため、それらすべてについて並進モジュールと呼ばれる。これらの個別の独立した並進装置はまた、基部、つまりカテーテルロボットの本体に固定的なままそれぞれ自分自身を並進させることなく、それぞれ関連する可撓性の細長い医療要素を並進できる内部並進機構も有する。
【0013】
この目的は、カテーテルロボットであって、基部と、前記基部によって支持された少なくとも3つのカテーテル並進モジュールであって、各カテーテル並進モジュールが少なくとも1つの可動パッド対を含み、同じ対の前記パッドが少なくとも部分的に互いに向かい合い、前記対が、その後、可撓性の細長い医療要素を縦方向に並進させるために、そのパッドの間に前記可撓性の細長い医療要素をクランプする、少なくとも3つのカテーテル並進モジュールと、を備え、前記カテーテル並進モジュールは、第1のカテーテル並進モジュールが、カテーテルガイドである第1の可撓性の細長い医療要素の縦方向の並進を実行するパッド対を有し、第2のカテーテル並進モジュールが、前記第1のカテーテル並進モジュールに関して縦方向に並進でき、そのパッド対が、カテーテル、好ましくはカテーテルバルーン、カテーテルステント、またはマイクロカテーテルであり得る第2の可撓性の細長い医療要素の縦方向の並進を実行し、第3のカテーテル並進モジュールが、前記第1のカテーテル並進モジュールに関して縦方向に並進でき、そのパッド対が、第2の可撓性の細長い医療要素または前記カテーテルのガイドであり得る第3の可撓性の細長い医療要素の縦方向の並進を実行する、ように縦断的に配置されている、カテーテルロボットによって達成される。
【0014】
この目的は、カテーテルロボットであって、基部と、前記基部によって支持された少なくとも3つのカテーテル並進モジュールであって、各カテーテル並進モジュールが、縦方向に可撓性の細長い医療要素を並進させるように構成および配置された内部並進機構を含む、少なくとも3つのカテーテル並進モジュールと、を備え、前記カテーテル並進モジュールは、第1のカテーテル並進モジュールが、カテーテルガイドである第1の可撓性の細長い医療要素の縦方向の並進を実行する内部並進機構を有し、第2のカテーテル並進モジュールが、前記第1のカテーテル並進モジュールに関して縦方向に並進でき、その内部並進機構が、カテーテル、好ましくはカテーテルバルーン、カテーテルステント、またはマイクロカテーテルであり得る第2の可撓性の細長い医療要素の縦方向の並進を実行し、第3のカテーテル並進モジュールが、前記第1のカテーテル並進モジュールに関して縦方向に並進でき、その内部並進機構が、第2の可撓性の細長い医療要素またはカテーテルのガイドであり得る第3の可撓性の細長い医療要素の縦方向の並進を実行する、ように縦断的に配置されている、カテーテルロボットによっても達成され得る。
【0015】
好ましくは、並進動作がすべての可撓性の細長い医療要素に自由かつ独立して伝えることができるだけでなく、回転運動も、並進モジュールの特定の内部並進構造以上のものであり、関連する可撓性の細長い医療要素の回転動きを伝えることもできる。
【0016】
好ましい実施形態は、部分的な組み合わせまたは完全な組み合わせのいずれかで、別々にまたは一緒に採用できる、次の機能の1つまたは複数を含む。
【0017】
好ましくは、カテーテルロボットが、第1の可撓性の細長い医療要素の並進に続いて、第2のカテーテル並進モジュールの並進を命令し、第2の可撓性の細長い医療要素を前記基部に関して静止状態に維持するために第2のカテーテル並進モジュールの並進を補償することにより、第2の可撓性の細長い医療要素の並進を制御するように構成されたコントロールユニットを備える。
【0018】
したがって、可撓性の細長い医療要素が並進モジュールによって並進される場合、そして、別の可撓性の細長い医療要素の並進モジュールが、この前者の並進モジュールと常に一定の距離を保持し、並進モジュール間の衝突を避けるために、この並進に続く場合、そして同時に、この別の可撓性の細長い医療要素を並進する必要がない場合、このもう1つの可撓性の細長い医療要素は、お互いを正確に補う2つの反対の並進動作、すなわち、関連する並進モジュールの第1の方向にある並進動作と、この別の可撓性の細長い医療要素の、第1の方向と平行で反対であり、関連する並進モジュールに関する第2の方向への相対的な並進動作であり、どちらの並進動作も同等の強度を持っている2つの反対の並進動作を伝えることによって、同じ場所に保持できる。
【0019】
好ましくは、前記カテーテル並進モジュールがすべて構造的に同一である。
【0020】
したがって、このシステムを完全にモジュール化することにより、すべての可撓性の細長い医療要素の並進動作を独立して実行できるだけでなく、この独立性をかなり単純で安価なシステムで得ることもできる。
【0021】
好ましくは、前記カテーテル並進モジュールが相互に離れて縦断的に間隔があけられている。
【0022】
したがって、これは、それにより、これらの可撓性の細長い医療要素が、オーバーザワイヤ構成であっても、並進線の反対方向の両方の方向の独立した並進の動きをより簡単に、そして、拡張された並進行程で実行できるため、可撓性の細長い医療要素間の補足的自由度の改善につながる。
【0023】
好ましくは、前記第3のカテーテル並進モジュールが、前記第1のカテーテル並進モジュールと前記第2のカテーテル並進モジュールの両方に関して縦方向に並進できる。
【0024】
したがって、これは、それにより、これらの可撓性の細長い医療要素が、オーバーザワイヤ構成であっても、独立した並進の動きを実行できるため、第2および第3の可撓性の細長い医療要素の間の補足的自由度につながる。
【0025】
好ましくは、前記第1のカテーテル並進モジュールと前記第2のカテーテル並進モジュールとの間に第1のYコネクタが配置され、Y分岐とYの出力の一方が縦方向に配置され、前記第2のカテーテル並進モジュールと前記第3のカテーテル並進モジュールとの間に第2のYコネクタが配置され、Y分岐とYの出力の一方が縦方向に配置されている。
【0026】
したがって、その後、すでに並んでいる他の可撓性の細長い医療要素と並行して並進させるために、他の可撓性の細長い医療要素または材料を横向きに追加できる。
【0027】
好ましくは、前記カテーテルのガイドが、少なくともそれぞれの長さの一部に関して、それ自体が前記カテーテルガイド内で並進する前記カテーテル内で並進する。
【0028】
したがって、この並進モジュラーシステムは、オーバーザワイヤ構成でも動作し得る。
【0029】
好ましくは、カテーテルロボットが、第2の可撓性の細長い医療要素の並進に続いて、第3のカテーテル並進モジュールの並進を命令し、第3の可撓性の細長い医療要素を前記基部に関して静止状態に維持するために第3のカテーテル並進モジュールの並進を補償することにより、第3の可撓性の細長い医療要素の並進を制御するように構成されたコントロールユニットを備える。
【0030】
したがって、可撓性の細長い医療要素が並進モジュールによって並進される場合、そして、別の可撓性の細長い医療要素の並進モジュールが、この前者の並進モジュールと常に一定の距離を保持し、並進モジュール間の衝突を避けるために、この並進に続く場合、そして同時に、この別の可撓性の細長い医療要素を並進する必要がない場合、このもう1つの可撓性の細長い医療要素は、これに対して、お互いを正確に補う2つの互いに反対の並進動作を伝えることによって、同じ場所に保持できるのであり、それら2つの反対の並進動作とは、関連する並進モジュールの第1の方向にある並進動作と、この別の可撓性の細長い医療要素の、関連する並進モジュールに関する第2の方向(第1の方向と平行でかつ反対向きである)への相対的な並進動作とであり、これら2つの互いに反対の並進動作はどちらも同等の強度を持っている。
【0031】
好ましくは、前記第2のカテーテル並進モジュールおよび前記第3のカテーテル並進モジュールが、前記第1のカテーテル並進モジュールに関して共同でのみ縦方向に並進できるように一緒に固定されている。
【0032】
したがって、2つの並進モジュールが単一の並進モジュールであるかのように並進するために2つの並進モジュールが一緒にリンクされているため、グローバル並進システムがより単純になる。
【0033】
好ましくは、前記第3のカテーテル並進モジュールの前記パッド対が、前記第2のカテーテル並進モジュールの前記パッド対から横方向にずれている。
【0034】
したがって、この並進モジュラーシステムは、迅速交換構成でも動作し得る。
【0035】
好ましくは、前記第3のカテーテル並進モジュールの前記パッド対は、前記カテーテルのガイドと前記カテーテルが前記3つのカテーテル並進モジュールに沿って伸びる長さで互いに平行に、それらのそれぞれの長さの少なくとも一部について、上記のカテーテルガイド内で、上記のカテーテルの長さのほとんどについて互いに並んで並進でき、前記カテーテルのガイドが、それぞれの長さの遠位部分のみについて前記カテーテル内で並進できる、ように、前記第2のカテーテル並進モジュールの前記パッド対から横方向にずれている。
【0036】
したがって、このずれは、2つの並進モジュールが単一の並進モジュールであるかのように並進するようにリンクされているため、グローバル並進システムのより単純な構造を備えた迅速交換構成を可能にするための単純で効率的な方法である。
【0037】
好ましくは、前記第1のカテーテル並進モジュールが前記基部に関して固定されている。
【0038】
したがって、この第1のカテーテル並進モジュールは、「マスター」並進モジュールと見なすことができ、他の並進モジュールは、この第1の並進モジュールに関連する第1の可撓性の細長い医療要素の並進の動きと同期し続けるように、自分自身を並進するときに「奴隷」並進モジュールである。これにより、すべての可撓性の細長い医療要素の独立性を維持できるだけでなく、この第1の並進モジュールをカテーテルロボット全体の基部に関して固定して不動に保持できるため、グローバル並進システムがより単純になる。
【0039】
好ましくは、前記基部が多関節ロボットアームのエンド部である。
【0040】
したがって、この3つの並進モジュールのグループは、患者に関して任意の所望の位置に設定できる。
【0041】
好ましくは、前記カテーテル並進モジュールが、第1、次いで第2、次いで第3のカテーテル並進モジュールの順序で、相互に縦断的に配置されている。
【0042】
したがって、このことは、それらのうち最大のものを最短距離としつつ、すべての可撓性の細長い医療要素を独立して移動させるためにより実用的である。
【0043】
好ましくは、カテーテルロボットは、前記基部によって支持され、縦断的に配置された少なくとも4つのカテーテル並進モジュールを備える。
【0044】
したがって、本発明のカテーテルロボットで使用できる構成の数とタイプは、より豊かで広い。
【0045】
このようなカテーテルロボットの例は、
前記第1の並進モジュールがカテーテルガイドを並進させ、
前記第2の並進モジュールがカテーテルを並進させ、
前記第3の並進モジュールがマイクロカテーテルを並進させ、
前記第4の並進モジュールがカテーテルのガイドを並進させる、
カテーテルロボットである。
【0046】
好ましくは、カテーテルロボットは、前記基部によって支持され、縦断的に配置された少なくとも5つのカテーテル並進モジュール、好ましくは5つのカテーテル並進モジュールのみを備える。
【0047】
したがって、本発明のカテーテルロボットで使用できる構成の数とタイプは、より豊かで広い。
【0048】
このようなカテーテルロボットのもう1つの例は、
前記第1の並進モジュールがカテーテルガイドを並進させ、
前記第2の並進モジュールが第1のバルーンまたはステントを並進させ、
前記第3の並進モジュールがカテーテルの第1のガイドを並進させ、
前記第4の並進モジュールが第2のバルーンまたはステントを並進させ、
前記第5の並進モジュールがカテーテルの第2のガイドを並進させる、
カテーテルロボットである。
【0049】
好ましくは、第2および第3のカテーテル並進モジュールが迅速交換カテーテル並進モジュールとして構成されており、第4および第5のカテーテル並進モジュールがオーバーザワイヤカテーテル並進モジュールとして構成されている。
【0050】
したがって、本発明のカテーテルロボットで使用できる構成の数とタイプは、より豊かで広い。
【0051】
このタイプのカテーテルロボットの用途は、両方のタイプのカテーテル、迅速交換タイプ、およびオーバーザワイヤタイプの両方が、同じかつ単一のカテーテルロボット内で混合される、CTO(Chronical Total Occlusion:慢性トータルオクルージョン)であってもよい。
【0052】
好ましくは、第2から第5のすべてのカテーテル並進モジュールがオーバーザワイヤカテーテル並進モジュールとして構成されている。
【0053】
したがって、本発明のカテーテルロボットで使用できる構成の数とタイプは、より豊かで広い。
【0054】
好ましくは、各カテーテル並進モジュールが、代わりにカテーテル回転モジュールでもあり、各対が、可撓性の細長い医療要素を、その向かい合うパッドの間で回転させることによって、その後、縦方向の軸を中心に前記可撓性の細長い医療要素を回転させるために、その向かい合うパッドの間に可撓性の細長い医療要素をクランプする。
【0055】
したがって、並進動作がすべての可撓性の細長い医療要素に自由かつ独立して伝えることができるだけでなく、回転運動も、並進モジュールの特定の構造以外のものに伝えることもでき、パッド対が互いに向き合っており、それに関連する可撓性の細長い医療要素をクランプすることで、関連する可撓性の細長い医療要素の回転動きを与えることもできるのである。
【0056】
本発明のさらなる特徴と利点は、本発明の実施形態の以下の説明から、非限定的な例として与えられ、添付の図面を参照して、本書に記載されている。
【0057】
本発明の実施形態によると、カテーテルロボットは、基部と、前記基部によって支持された少なくとも3つのカテーテル並進モジュールであって、各カテーテル並進モジュールが、2つの可動パッド対であって、同じ対の前記パッドが少なくとも部分的に互いに向かい合い、代替的に、前記2つの対がそれぞれ、その後、可撓性の細長い医療要素を縦方向に並進させるために、そのパッドの間に前記可撓性の細長い医療要素をクランプする、2つの可動パッド対、を含む、少なくとも3つのカテーテル並進モジュールと、を備え、前記カテーテル並進モジュールは、第1のカテーテル並進モジュールが、カテーテルガイドである第1の可撓性の細長い医療要素の縦方向の並進を実行するパッド対を有し、第2のカテーテル並進モジュールが、前記第1のカテーテル並進モジュールに関して縦方向に並進でき、そのパッド対が、カテーテル、好ましくはカテーテルバルーン、またはカテーテルステントである第2の可撓性の細長い医療要素の縦方向の並進を実行し、第3のカテーテル並進モジュールが、前記第1のカテーテル並進モジュールに関して縦方向に並進でき、そのパッド対が、前記カテーテルのガイドである第3の可撓性の細長い医療要素の縦方向の並進を実行する、ように縦断的に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】手動制御を伴う可撓性の細長い医療要素のオーバーザワイヤ構成を概略的に示す図である。
【
図2】手動制御を伴う可撓性の細長い医療要素の迅速交換構成を概略的に示す図である。
【
図3】手動制御を伴う可撓性の細長い医療要素のオーバーザワイヤ構成で発生する特定の問題を概略的に示す図である。
【
図4】可撓性の細長い医療要素のオーバーザワイヤ構成への適用を伴う、本発明によるカテーテルロボットの第1の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図5】可撓性の細長い医療要素の迅速交換構成への適用を伴う、本発明によるカテーテルロボットの第2の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図6】カテーテル並進モジュールが一対の可動パッドを含む可撓性の細長い医療要素のオーバーザワイヤ構成への適用を伴う、本発明によるカテーテルロボットの第3の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図7】カテーテル並進モジュールが一対の可動パッドを含む可撓性の細長い医療要素の迅速交換構成への適用を伴う、本発明によるカテーテルロボットの第4の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図8】第2および第3の並進モジュールが同じ可撓性の細長い医療要素を駆動する、本発明によるカテーテルロボットの第5の実施形態の例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
血管の分野では、1つ目がオーバーザワイヤ(over the wire:OTW)カテーテル構成であり、2つ目が迅速交換(rapid exchange:REX)カテーテル構成である、主に2種類のカテーテル構成がある。
【0060】
図1は、手動制御を伴う可撓性の細長い医療要素のオーバーザワイヤ構成を概略的に示している。
【0061】
実務者の第1の手51がカテーテル12を操作し、特に独自の軸に沿ってカテーテル12を並進させている。実務者の第2の手52がカテーテルのガイド13を操作し、特に独自の軸に沿ってカテーテルのガイド13を並進させている。カテーテル12は、その長さの一部でカテーテルのガイド13を囲み、カテーテル12はカテーテルのガイド13よりも短い。カテーテルのガイド13はカテーテル12内で摺動できる。カテーテルとカテーテル12のガイド13は同軸である。第1の手51はカテーテル12を前後に並進できる。第2の手52は、カテーテルのガイド13を前後に並進できる。第1の手51は、カテーテルのガイド13を並進させる第2の手52から独立してカテーテル12を並進させることができる。カテーテル12とカテーテルのガイド13は、両方とも患者内に、より正確には患者の静脈50または動脈50内に挿入される。
【0062】
主な違いは取り扱いにある。OTWアセンブリの場合、実務者がカテーテル12を戻したい場合、ガイドワイヤ13で利用可能なグリップ領域が、カテーテル12の収縮長により削減されたため、その後、ガイドワイヤ13を取り扱う第2の手52も戻る必要がある。実務者が、患者の静脈50または動脈50のガイドワイヤ13の位置を変更せずにカテーテル12を除去したい場合、これは実際に介入においてかなり頻繁なケースであり、ガイドワイヤ13を保持し、患者の静脈50または動脈50で動くのを防ぐために、いつでもガイドワイヤ13の部分に、カテーテル12の上流または下流の実務者の手にアクセスできるように、カテーテル12の少なくとも2倍のガイドワイヤ13を持つ必要がある。
【0063】
図2は、手動制御を伴う可撓性の細長い医療要素の迅速交換構成を概略的に示している。迅速交換構成は、カテーテル14の同軸部分16とカテーテルのガイド15の同軸部分16が非常に短く、実際にはカテーテル14の遠位端での数センチメートルにしばしば制限されているという事実によって、主にオーバーザワイヤ構成とは異なる。したがって、その長さの残りの長さを通して、カテーテル14のガイド15であるガイドワイヤ15は、カテーテル14に平行な外側にある。
【0064】
実務者の第1の手51がカテーテル14を操作し、特に独自の軸に沿ってカテーテル14を並進させている。実務者の第2の手52がカテーテルのガイド15を操作し、特に独自の軸に沿ってカテーテルのガイド15を並進させている。カテーテル14は、その長さの非常に短い部分16でカテーテルのガイド15を囲んでおり、この非常に短い部分16は、カテーテル14の遠位端にある。それぞれの長さのほとんどで、カテーテル14とカテーテルのガイド15は互いに外にあり、互いに平行である。カテーテルのガイド15は、カテーテル14の非常に短い部分16内で摺動できる。カテーテルのガイド15とカテーテル14は、非常に短い部分16内でのみ同軸である。第1の手51はカテーテル14を前後に並進できる。第2の手52は、カテーテルのガイド15を前後に並進できる。第1の手51は、カテーテルのガイド15を並進させる第2の手52から独立してカテーテル14を並進できる。カテーテル14およびカテーテルのガイド15は両方とも患者内に、より正確には患者の静脈50または動脈50内に挿入される。
【0065】
対照的に、迅速交換構成(クイックエクスチェンジ構成とも呼ばれる)により、ガイドワイヤ15およびカテーテル14を互いに干渉することなく操作でき、そして、手51と52は、小さな繰り返しの手順を使用して並進が実行されると仮定して、同じ場所にとどまることができる。例えば、可撓性の細長い医療要素、ガイドワイヤ15またはカテーテル14のいずれかを、短距離ずつ、例えば1cmずつ、近位位置から遠位位置まで、すなわち
図2の配置を考慮して右から左に押し込み、それを解放し、元の位置で手51および52の指を交換し、ガイドワイヤ15またはカテーテル14の可撓性の細長い医療要素を握り、再びこのサイクルの同じステップを数回繰り返す。このように、1cmの前後の動きを無視すると、手51、52の平均位置はほとんど変化しない。この操作原理は、本特許出願と同じ譲受人による特許出願FR3022147(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているロボットモジュールで使用されている。
【0066】
図3は、手動制御による可撓性の細長い医療要素のオーバーザワイヤ構成で発生する特定の問題を概略的に示している。
【0067】
たとえガイドワイヤ13を操作する第2の手52がカテーテル12の近位端(慣例:近位=医師に近い/遠位=患者に近い)から遠くに配置できたとしても、その距離からガイドワイヤ13を押すと、ガイドワイヤ13はカテーテル12内で並進するのではなく曲がるであろう。これは、ガイドワイヤ13の屈曲部130が示されている
図3に見られる。
【0068】
それぞれの長所と短所があるため、これら2つの解決策はそれぞれ特定の用途に特化している。心臓介入学では、使用されるカテーテル14は主にREXである。逆に、介入性の放射線学、例えば下肢および上肢、神経学などでは、OTWカテーテル12が一般に好まれる。
【0069】
OTWカテーテルとREXカテーテルの両方を取り扱うロボットを構築できるようにするには、次の機能が興味深い。
・検討中の並進モジュールは、可撓性の細長い医療要素(ガイドワイヤ、バルーン、ステントなど)を並進および/または回転させることができ、
図1および
図2の両方に示すように、手51または52の機能を再現できなければならない。
・検討中の並進モジュールは、操作される可撓性の細長い医療要素の数に応じて複製される必要がある。例えば、
図1または
図2で実行される操作をロボット化するには、そのような並進モジュールが2つ必要になる。
・
図3に示す悪影響を避けるために、検討中の並進モジュールは可能な限り遠位の位置に配置する必要がある。
【0070】
2つの迅速交換の可撓性の細長い医療要素の場合、2つの対応する並進モジュールは、患者に対して、およびカテーテルロボットの基部に対して固定される必要がある。
【0071】
2つのオーバーザワイヤの可撓性の細長い医療要素の場合、カテーテル並進モジュールは患者およびカテーテルロボットの基部に対して固定される必要があるが、ガイドワイヤ並進モジュールはカテーテルの並進動作に追従するために前後に移動する必要がある。
【0072】
したがって、REXの可撓性の細長い医療要素を操作するためのカテーテルロボットの設計は、一見すると、OTWの可撓性の細長い医療要素用のロボットと同じアーキテクチャにつながるように見えるべきではない。
【0073】
本発明の実施形態の1つの目的は、独自のアーキテクチャではないにしても、OTWまたはREXのいずれかの可撓性の細長い医療要素を収容できる、少なくとも非常に知覚非常に類似したアーキテクチャを提供しようとすることである。2つの実施形態ファミリーが存在することができ、その中で同じロボットが両方のタイプの可撓性の細長い医療要素を操作できるか、または同じ技術が2つのわずかに異なるカテーテルロボットに実装されるかのいずれかである。
【0074】
図4は、可撓性の細長い医療要素のオーバーザワイヤ構成に適用された、本発明によるカテーテルロボットの第1の実施形態の例を概略的に示す。
【0075】
それぞれの長さの一部にわたって、カテーテルガイド11はカテーテル12を取り囲み、カテーテル12自体がカテーテルのガイド13を取り囲んでいる。カテーテル13のガイドはカテーテル12内で摺動することができ、カテーテル12自体はカテーテルガイド11内で摺動することができる。
【0076】
3つの並進モジュール1、2、3が相互に間隔をあけて連続して配置されている。
【0077】
第1の並進モジュール1は、それぞれ互いに対向する2つの可動パッド20の2対によって、また、カテーテルガイド11を並進させるために交互にクランプすることによって、カテーテルガイド11をそれ自体の軸に沿って前後に並進させることができる。それぞれ互いに対向し、カテーテルガイド11を並進させるために交互にクランプし、またこのカテーテルガイド11を回転させることもできる、これら2つの可動パッド20の2対の協働は、本特許出願と同じ譲受人に属する特許出願EP15733825(参照により本明細書に組み込まれる)にさらに詳細に記載されている。第1の並進モジュールはカテーテルロボットの基部40に対して固定されており、動かない。
【0078】
第2の並進モジュール2は、それぞれ互いに対向する2つの可動パッド22の2対によって、また並進させるためにカテーテル12を交互にクランプすることによって、カテーテル12をそれ自体の軸に沿って前後に並進させることができる。それぞれ互いに対向し、カテーテル12を並進させるために交互にクランプし、またこのカテーテル12を回転させることもできる、これら2つの可動パッド22の2対の協働は、本特許出願と同じ譲受人に属する特許出願EP15733825(参照により本明細書に組み込まれる)にさらに詳細に記載されている。
【0079】
第2の並進モジュール2はまた、カテーテルガイド11の並進に従うため、例えば車輪上のキャリアまたはレール内のスライダである摺動装置42上でそれ自体、すなわち第2の並進モジュール2全体を並進させることによって、カテーテル12をそれ自体の軸に沿って前後に並進させることもできる。その場合、カテーテル12を第1の並進モジュール1およびカテーテルロボットの基部40に対して静止状態に維持するため、2つの可動パッド22の2対は、第1の並進モジュール1に対してカテーテル12の別の並進を追加するか、または摺動装置42上の第2の並進モジュール2全体の並進から生じるカテーテル12の並進を補償することができる。
【0080】
第3の並進モジュール3は、それぞれ互いに対向する2つの可動パッド23の2対によって、また、並進させるためにカテーテル13のガイドを交互にクランプすることによって、カテーテル13のガイドをそれ自体の軸に沿って前後に並進させることができる。それぞれ互いに対向し、カテーテル13のガイドを並進させるために交互にクランプし、また、カテーテル13のこのガイドを回転させることもできる、これら2つの可動パッド23の2対の協働は、本特許出願と同じ譲受人に属する特許出願EP15733825(参照により本明細書に組み込まれる)にさらに詳細に記載されている。
【0081】
第3の並進モジュール3は、カテーテル12の並進に追従するために、それ自体、すなわち第3の並進モジュール3全体を、例えば車輪上のキャリアまたはレール内のスライダである摺動装置43上で並進させることによって、カテーテル13のガイドを自身の軸に沿って前後に並進させることもできる。その場合、2つの可動パッド23の2対は、第2の並進モジュール2および基部40に対してカテーテル13のガイドの別の並進を加えることができ、または、カテーテル13のガイドを第2の並進モジュール2およびカテーテルロボットの基部40に対して静止状態に維持するために、その摺動装置43上の第3の並進モジュール3全体の並進から生じるカテーテル13のガイドの並進を補償する。
【0082】
2つの可動パッド20の2対は、2つの可動パッド22の2対と位置合わせされ、次に2つの可動パッド22の2対は2つの可動パッド23の2対と位置合わせされる。
【0083】
第1のYコネクタまたはバルブ31は、第1の並進モジュール1と第2の並進モジュール2との間に挿入される。第1のYコネクタ31は、カテーテルガイド11の近位端に固定され、第2の並進モジュール2の遠位端に固定される。カテーテルのガイド13を取り囲むカテーテル12は、第1のYコネクタ31の第1の入力312内に挿入され、第1のYコネクタ31の出力311から出る。第1のYコネクタ31の出力311および第1の入力312は、カテーテル12およびカテーテルのガイド13の共通軸と位置合わせされる。第1のYコネクタ31の第2の入力313は、カテーテル12とカテーテルのガイド13のこの共通軸の角度、例えば30°または45°で配置される。
【0084】
第2のYコネクタまたはバルブ32は、第2の並進モジュール2と第3の並進モジュール3の間に挿入される。第2のYコネクタ32は、カテーテル12の近位端に固定され、第3の並進モジュール3の遠位端に固定される。カテーテルのガイド13は、第2のYコネクタ32の第1の入力322内に挿入され、第2のYコネクタ32の出力321から出る。第2のYコネクタ32の出力321および第1の入力322は、カテーテルのガイド13の軸と位置合わせされる。第2のYコネクタ32の第2の入力323は、カテーテルのガイド13のこの軸の角度、例えば30°または45°で配置される。
【0085】
実際の実施形態では、第1の並進モジュール1のパッド20がカテーテルガイド11を並進させるために移動する場合、第2の並進モジュール2と第3の並進モジュール3は、カテーテル12とカテーテルのガイド13の共通軸に沿って同じ量だけ並進しなければならない。カテーテル12を並進させるために第2の並進モジュール2のパッド22が移動するとき、第3の並進モジュール3は、カテーテル12とカテーテルのガイド13の共通軸に沿って同じ量だけ並進しなければならない。これにより、すべての可動並進モジュール、すなわち、第2の並進モジュール2と第3の並進モジュール3が、それぞれの可能な限り遠位の位置に常に配置されることが保証され、したがって、
図3に示されるカテーテルのガイド13の負の曲げ効果を回避することが可能になる。
【0086】
カテーテルのガイド13または(ここでは)ガイドワイヤ13のこの負の曲げ効果を回避するための別の解決策が考えられる。それは、検討中の並進モジュールが可能な限り遠位の位置にないことを許容し、この並進モジュールと最も近いより遠位の装置との間にガイドチャネルを提供することからなるであろう(例えば、ガイドワイヤ13に最も近い、より遠位の装置はYバルブ32であり、次にカテーテル12である)。このような装置は、例えば米国特許出願公開第2018193603号に詳細に記載されているように、例えば可撓性トラックを含む他のカテーテルロボットで使用することができる。この場合、ガイドワイヤ13はカテーテルロボットによってその近位端から押され、この可撓性の軌道により、カテーテルロボットとイントロデューサ入(この場合、最も近いより遠位の装置である)との間に位置する部分におけるガイドワイヤ13の曲がりが回避される。この可撓性トラックは、長さが可変の「ガイドトンネル」の王様の役割を担う。この可変長は、操作される可撓性の細長い医療要素の操作位置、すなわちそれを操作する並進モジュールの位置と、操作される可撓性の細長い医療要素が別の可撓性の細長い医療要素に同軸に挿入される位置との間の可変距離に適応するために必要となる。
【0087】
図6から
図8は、カテーテル並進モジュール1、2、3が一対の可動パッド20を備える実施形態を示す。第1の並進モジュール1は、カテーテルガイド11を並進および回転させるための一対のパッド20のみを備える。第1の並進モジュール1は、例えばカテーテルガイド11が一対のパッド20によって解放されるときに、カテーテルガイド11をクランプするためのクランプ29を備えることもできる。第2の並進モジュール2は、第2の細長い医療要素を並進および回転させるための一対のパッド20と、前記第2の細長い医療要素をクランプするためのクランプ29とを備える。第3の並進モジュール3は、第2の細長い医療要素または第3の細長い医療要素を並進および回転させるための一対のパッド20と、前記第2または第3の細長い医療要素をクランプするためのクランプ29とを備える。一対のパッド20は、前の実施形態で説明した一対のパッドと同様である。一対のパッド20のみを使用することにより、カテーテルロボットはよりコンパクトになる。
【0088】
図6は、カテーテルロボットが「オーバーザワイヤ」(または同軸)構成にある実施形態を示す。この構成では、第1の並進モジュール1はカテーテルガイド11を駆動し、第2の並進モジュール2はカテーテルガイド11と同軸のマイクロカテーテル121を駆動し、第3の並進モジュール3はマイクロカテーテル121およびカテーテルガイド11と同軸のガイドワイヤ13を駆動する。
図6の構成では、第2の並進モジュール2と第3の並進モジュール3は分離されており、互いに対して移動可能である。
【0089】
図7は、カテーテルロボットが「迅速交換」構成にある実施形態を示す。この構成では、第1の並進モジュール1はカテーテルガイド11を駆動し、第2の並進モジュール2は、バルーンカテーテルまたはステントカテーテルであり得るカテーテルガイド11の内部に挿入されたカテーテル12を駆動し、第3の並進モジュール3は、カテーテル12の内部に挿入されたガイドワイヤ13を駆動する。
図7の構成では、第2の並進モジュール2と第3の並進モジュール3が接続されており、共に第1の並進モジュール1に対して相対的に移動する。
【0090】
図8は、第2の並進モジュール2と第3の並進モジュール3が同じ細長い医療要素、例えばガイドワイヤ13を駆動する実施形態を示す。このような実施形態は、スムーズで高速な駆動が必要な場合に有利である。
図8の構成では、第2の並進モジュール2と第3の並進モジュール3が接続されており、共に第1の並進モジュール1に対して相対的に移動する。
【0091】
カテーテルロボットは、第2の並進モジュール2と第3の並進モジュール3を接続または分離することによって、
図6から
図8の構成に切り替えることができる。さらに、第2の並進モジュールおよび/または第3の並進モジュール3の一対のパッド20およびクランプ29は、第1の並進モジュール1の一対のパッド20と同軸となるように、または第1の並進モジュール1の前記一対のパッド20から軸方向にずれるように移動することができる。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態の利点は、この可撓性トラックは必然的に消耗品の一部であり、そのため、消耗品に複雑さを加えるため、とりわけ、この可撓性トラック、または他の同等の煩わしい解決策を回避することである。これは、例えば、操作ミスのリスク、信頼性の低下のリスク、コストの上昇...など、ユーザビリティの低下につながる可能性がある。
【0093】
本明細書で説明される本発明の実施形態は、押す動き、すなわち、近位位置から遠位位置への並進が、(上で説明したように)可撓性の細長い医療要素が別の可撓性の細長い医療要素に入る場所で行われるため、この問題を解決し、前記他の可撓性の細長い医療要素がガイドチャネルとして機能するため、この面倒な可撓性トラックまたはその他の同等の負担のかかる追加機構の必要性が抑制される。これは、並進が並進モジュールの内部機構を使用して取得されるため可能になった(例えば、参照により本明細書に組み込まれる特許出願FR3022147に記載されているように、小さな繰り返しステップを使用する)。これは、可撓性の細長い医療要素(この場合、例えばガイドワイヤ)の近位端が並進モジュールに取り付けられ、その後、並進モジュールによって実行される並進動作全体が、可撓性の細長い医療要素の同じ移動を生成するために使用される特許出願の米国特許出願公開第2018193603号で使用されている原理とは異なる。
【0094】
実際、本発明の実施形態は、以下の両方の組み合わせのおかげで、面倒な可撓性トラック(または同等の面倒なガイド原理)の使用を回避することができる。
まず、並進モジュールの遠位端から出る可撓性の細長い医療要素が、別の可撓性の細長い医療要素(より大きな直径のカテーテル、Yバルブ、イントロデューサなど)に同軸で直接入るように、並進モジュールを可能な限り最も遠位の位置に配置し、この別の可撓性の細長い医療要素は、ガイドチャネルとして機能する。
第2に、並進モジュールの内部機構を使用して可撓性の細長い医療要素の動きを確保する。この場合、可撓性の細長い医療要素は、並進モジュールの全体的な動きを実行するのではなく、並進モジュールに対して相対的に移動し、可撓性の細長い医療要素および並進モジュールは相互にリンクされるため、まったく同じ速度で一緒に移動することになる。
【0095】
図4に示すアーキテクチャには、合計3つの並進モジュール1、2、3が含まれており、3つの可撓性の細長い医療要素11、12、13をロボットで並進させる。ただし、場合によっては、さらに可撓性の細長い医療要素を使用することが望ましい場合もある。
図4で開示されているアーキテクチャは、4つの並進モジュールアーキテクチャ、またはそれ以上のアーキテクチャに推定できる。最遠位モジュールは患者に対して、より正確には患者ベッドに対して固定されているが、他のすべてのモジュールは可撓性の細長い医療要素の軸に沿って並進できる。
【0096】
図5は、可撓性の細長い医療要素の迅速交換構成に適用した、本発明によるカテーテルロボットの第2の実施形態の一例を概略的に示す。
【0097】
カテーテル14の長さの非常に短い部分16にわたって、カテーテルガイド11がカテーテル14を取り囲み、カテーテルガイド11自体がカテーテルのガイド15を取り囲んでいる。カテーテル15のガイドは、カテーテル14内で摺動することができ、カテーテル14自体は、カテーテル14のこの非常に短い部分16上でカテーテルガイド11内で摺動することができる。
【0098】
3つの並進モジュール1、2、3が相互に間隔をあけて連続して配置されている。
【0099】
第1の並進モジュール1は、それぞれ互いに対向する2つの可動パッド20の2対によって、また、カテーテルガイド11を並進させるために交互にクランプすることによって、カテーテルガイド11をそれ自体の軸に沿って前後に並進させることができる。それぞれ互いに対向し、カテーテルガイド11を並進させるために交互にクランプし、またこのカテーテルガイド11を回転させることもできる、これら2つの可動パッド20の2対の協働は、本特許出願と同じ譲受人に属する特許出願EP15733825(参照により本明細書に組み込まれる)にさらに詳細に記載されている。第1の並進モジュールはカテーテルロボットの基部40に対して固定されており、動かない。
【0100】
第2の並進モジュール2は、それぞれ互いに対向する2つの可動パッド24の2対によって、また並進させるためにカテーテル14を交互にクランプすることによって、カテーテル14をそれ自体の軸に沿って前後に並進させることができる。それぞれ互いに対向し、カテーテル14を並進させるために交互にクランプし、このカテーテル14を回転させることもできる、これら2つの可動パッド24の2対の協働は、本特許出願と同じ譲受人に属する特許出願EP15733825(参照により本明細書に組み込まれる)にさらに詳細に記載されている。
【0101】
第3の並進モジュール3は、それぞれ互いに対向する2つの可動パッド25の2対によって、また、並進させるためにカテーテル15のガイドを交互にクランプすることによって、カテーテル15のガイドをそれ自身の軸に沿って前後に並進させることができる。それぞれ互いに対向し、カテーテル15のガイドを並進させるために交互にクランプし、またカテーテル15のこのガイドを回転させることもできる、これら2つの可動パッド25の2対の協働は、本特許出願と同じ譲受人に属する特許出願EP15733825(参照により本明細書に組み込まれる)にさらに詳細に記載されている。カテーテル14とカテーテルのガイド15が互いに同軸である非常に短い部分16を除いて、カテーテル14とカテーテルのガイド15は互いに外側にあり、互いに平行である。したがって、2つの可動パッド24の2対は、2つの可動パッド25の2対に対して横方向にずれている。
【0102】
第2の並進モジュール2と第3の並進モジュール3は互いに連帯しており、互いに完全に同期した状態でのみ一緒に並進することができる。実際、第2の並進モジュール2と第3の並進モジュール3は、カテーテルガイド11の並進に追従するために、例えば車輪上のキャリアまたはレール内のスライダである共通の摺動装置44上で一緒に並進することができる。第2の並進モジュール2および第3の並進モジュール3は、それら自身を一緒に並進させることによって、それぞれ、カテーテル14およびカテーテルのガイド15を、それぞれの軸に沿って前後に並進させることもできる。
【0103】
その場合、2つの可動パッド24の2対は、カテーテル14を第1の並進モジュール1およびカテーテルロボットの基部40に対して静止状態に維持するため、第1の並進モジュール1に対してカテーテル14の別の並進を加えることができ、または、第2の並進モジュール2と第3の並進モジュールの両方の共通の摺動装置44上の並進から生じるカテーテル14の並進を補償する。
【0104】
その場合、2つの可動パッド25の2対は、カテーテルのガイド15を第1の並進モジュール1およびカテーテルロボットの基部40に対して静止状態に維持するため、第1の並進モジュール1に対してカテーテルのガイド15の別の並進を加えることができ、または、第2の並進モジュール2と第3の並進モジュール3の共通の摺動装置44上の両方の並進から生じるカテーテルのガイド15の並進を補償する。
【0105】
第1のYコネクタまたはバルブ31は、第1の並進モジュール1と、第3の並進モジュール3にリンクされた第2の並進モジュール2との間に挿入される。第1のYコネクタ31は、カテーテルガイド11の近位端に固定され、第2の並進モジュール2の遠位端に固定される。カテーテル14とカテーテルのガイド13は互いに平行であり、第1のYコネクタ31の第1の入力312内に挿入され、第1のYコネクタ31の出力311から出る。第1のYコネクタ31の出力311および第1の入力312は、カテーテル14およびカテーテルのガイド15の共通軸と位置合わせされる。第1のYコネクタ31の第2の入力313は、カテーテル14およびカテーテルのガイド15のそれぞれの2つの平行軸の角度、例えば30°または45°で配置される。
【0106】
本発明は、好ましい実施形態を参照して記載された。ただし、本発明の範囲内で多くの変形例が可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 第1の並進モジュール
2 第2の並進モジュール
3 第3の並進モジュール
12、14 カテーテル
13、15 カテーテルのガイド
16 同軸部分
20、22、23、24、25 可動パッド
29 クランプ
44 摺動装置
50 患者の静脈または動脈
51 実務者の第1の手
52 実務者の第2の手
130 屈曲部
【手続補正書】
【提出日】2023-08-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルロボットであって、
基部(40)と、
前記基部(40)によって支持された少なくとも3つのカテーテル並進モジュール(1、2、3)であって、
各カテーテル並進モジュール(1、2、3)が、少なくとも1つの可動パッド対(20、22、23、24、25)であって、
同じ対の前記パッドが少なくとも部分的に互いに向かい合い、
前記対が、その後、可撓性の細長い医療要素(11、12、13、14、15)を縦方向に並進させるために、そのパッドの間に前記可撓性の細長い医療要素をクランプする、少なくとも1つの可動パッド対(20、22、23、24、25)、を含む、少なくとも3つのカテーテル並進モジュール(1、2、3)と、
を備え、
前記カテーテル並進モジュール(1、2、3)は、
第1のカテーテル並進モジュール(1)が、カテーテルガイド(11)である第1の可撓性の細長い医療要素の縦方向の並進を実行するパッド対(20)を有し、
第2のカテーテル並進モジュール(2)が、
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)に関して縦方向に並進でき、
そのパッド対(22、24)が、第2の可撓性の細長い医療要素の縦方向の並進を実行し、
第3のカテーテル並進モジュール(3)が、
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)に関して縦方向に並進でき、
そのパッド対(23、25)が、前記第2の可撓性の細長い医療要素または第3の可撓性の細長い医療要素の縦方向の並進を実行する、
ように縦断的に配置されている、
カテーテルロボット。
【請求項2】
前記カテーテルロボットが、前記第1の可撓性の細長い医療要素(11)の並進に続いて、前記第2のカテーテル並進モジュール(2)の並進を命令し、前記第2の可撓性の細長い医療要素(12)を前記基部(40)に関して静止状態に維持するために前記第2のカテーテル並進モジュール(2)の並進を補償することにより、前記第2の可撓性の細長い医療要素(12)の並進を制御するように構成されたコントロールユニットを備える、請求項1に記載のカテーテルロボット。
【請求項3】
前記カテーテル並進モジュール(1、2、3)がすべて構造的に同一である、
請求項1に記載のカテーテルロボット。
【請求項4】
前記カテーテル並進モジュール(1、2、3)が相互に離れて縦断的に間隔があけられている、
請求項1に記載のカテーテルロボット。
【請求項5】
前記第3のカテーテル並進モジュール(3)が、前記第1のカテーテル並進モジュール(1)と前記第2のカテーテル並進モジュール(2)の両方に関して縦方向に並進できる、
請求項1に記載のカテーテルロボット。
【請求項6】
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)と前記第2のカテーテル並進モジュール(2)との間に第1のコネクタ(31)が配置され、
前記第2のカテーテル並進モジュール(2)と前記第3のカテーテル並進モジュール(3)との間に第2のコネクタ(32)が配置されている、
請求項5に記載のカテーテルロボット。
【請求項7】
前記第2のカテーテル並進モジュール(2)がカテーテル(12)を駆動し、前記第3のカテーテル並進モジュール(3)がガイド(13)を駆動し、前記カテーテルのガイド(13)が、少なくともそれぞれの長さの一部に関して、それ自体が前記カテーテルガイド(11)内で並進する前記カテーテル(12)内で並進する、
請求項1に記載のカテーテルロボット。
【請求項8】
前記カテーテルロボットが、前記第2の可撓性の細長い医療要素(12)の並進に続いて、前記第3のカテーテル並進モジュール(3)の並進を命令し、前記第3の可撓性の細長い医療要素(13)を前記基部(40)に関して静止状態に維持するために前記第3のカテーテル並進モジュール(3)の並進を補償することにより、前記第3の可撓性の細長い医療要素(13)の並進を制御するように構成されたコントロールユニットを備える、
請求項1に記載のカテーテルロボット。
【請求項9】
前記第2のカテーテル並進モジュール(2)および前記第3のカテーテル並進モジュール(3)が、前記第1のカテーテル並進モジュール(1)に関して共同でのみ縦方向に並進できるように一緒に固定されている、
請求項1に記載のカテーテルロボット。
【請求項10】
前記第3のカテーテル並進モジュール(3)の前記パッド対(25)が、前記第2のカテーテル並進モジュール(2)の前記パッド対(24)から横方向にずれている、請求項9に記載のカテーテルロボット。
【請求項11】
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)が、前記基部(40)に関して固定されている、
請求項1に記載のカテーテルロボット。
【請求項12】
前記基部(40)が、多関節ロボットアームのエンド部である、
請求項1に記載のカテーテルロボット。
【請求項13】
前記カテーテル並進モジュール(1、2、3)が、前記第1のカテーテル並進モジュール(1)、次いで前記第2のカテーテル並進モジュール(2)、次いで前記第3のカテーテル並進モジュール(3)の順序で、相互に縦断的に配置されている、
請求項1に記載のカテーテルロボット。
【請求項14】
前記基部(40)によって支持され、縦断的に配置された少なくとも4つのカテーテル並進モジュール、または、好ましくは、前記基部(40)によって支持され、縦断的に配置された少なくとも5つのカテーテル並進モジュール、より好ましくは5つのカテーテル並進モジュールのみ、を備える、請求項1に記載のカテーテルロボット。
【請求項15】
第2および第3のカテーテル並進モジュールが迅速交換カテーテル並進モジュールとして構成されており、第4および第5のカテーテル並進モジュールがオーバーザワイヤカテーテル並進モジュールとして構成されている、または、第2から第5のすべてのカテーテル並進モジュールがオーバーザワイヤカテーテル並進モジュールとして構成されている、請求項14に記載のカテーテルロボット。
【請求項16】
各カテーテル並進モジュール(1、2、3)が、代わりにカテーテル回転モジュールでもあり、各対が、可撓性の細長い医療要素(11、12、13、14、15)を、その向かい合うパッド(20、22、23、24、25)の間で回転させることによって、その後、縦方向の軸を中心に前記可撓性の細長い医療要素を回転させるために、その向かい合うパッドの間に前記可撓可撓性の細長い医療要素をクランプする、請求項1から15のいずれか一項に記載のカテーテルロボット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】