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特表2024-500552水溶性カンナビノイド製剤及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】水溶性カンナビノイド製剤及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/05 20060101AFI20231226BHJP
   A61K 31/353 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 31/343 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20231226BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20231226BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20231226BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231226BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20231226BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20231226BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 9/72 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 47/69 20170101ALI20231226BHJP
   A61K 9/22 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
A61K31/05
A61K31/353
A61K31/343
A61K9/14
A61K36/185
A61K47/34
A61P25/04
A61P29/00
A61P35/00
A61P1/16
A61P25/00
A61K47/02
A61K47/22
A61K47/26
A61K47/18
A61K47/12
A61K9/06
A61K9/72
A61K9/20
A61K9/12
A61K9/48
A61K47/69
A61K9/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539846
(86)(22)【出願日】2021-01-11
(85)【翻訳文提出日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2021071115
(87)【国際公開番号】W WO2022141665
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011596414.7
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520055124
【氏名又は名称】漢義生物科技(北京)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】譚▲きん▼
(72)【発明者】
【氏名】王曙賓
(72)【発明者】
【氏名】範徳凱
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076AA26
4C076AA29
4C076AA36
4C076AA53
4C076AA67
4C076AA93
4C076AA94
4C076CC47
4C076DD22Z
4C076DD24Q
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4C076DD30Z
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4C076DD51Q
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4C076FF63
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4C086MA44
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4C206NA12
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4C206ZA08
4C206ZA21
4C206ZA75
4C206ZB11
4C206ZB26
(57)【要約】
本発明は水溶性カンナビノイド製剤及びその製造方法を開示する。該水溶性カンナビノイド製剤はカンナビノイド1~40重量%と、両親媒性高分子重合体1~90重量%と、シクロデキストリン1~90重量%と、を含み、製造方法は、カンナビノイド、両親媒性高分子重合体及びシクロデキストリンを用いて水溶性複合体溶液を製造するステップ(1)と、ステップ(1)で得られた水溶性複合体溶液を乾燥して、水溶性カンナビノイド固体粒子を得るステップ(2)と、ステップ(2)で得られたカンナビノイド固体粒子を用いて、水溶性カンナビノイド製剤を製造するステップ(3)と、を含む。該水溶性カンナビノイド製剤は、薬物担持量が高く、製造に使用される水の量が少なく、安定性が高く、プロセスが簡単であり、コストが低く、包接時間が短い。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性カンナビノイド固体粒子であって、
カンナビノイド1~40重量%と、両親媒性高分子重合体1~90重量%と、シクロデキストリン1~90重量%と、を含む水溶性カンナビノイド固体粒子。
【請求項2】
前記カンナビノイドは、CBD、CBDV、CBG、CBC、CBN、CBDB、CBE、CBL及びCBND純品から選択される1種又は2種以上の組み合わせであり、又は、
前記カンナビノイドは、大麻抽出物であり、CBD、CBDV、CBG、CBC、CBN、CBDB、CBE、CBL及びCBNDのうちの1種又は2種以上の組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の水溶性カンナビノイド固体粒子。
【請求項3】
前記両親媒性高分子重合体は、ポロキサマー、ポリエチレングリコール-ポリ(乳酸-co-グリコール酸)共重合体、ポリエチレングリコール-ポリカプロラクトンブロック共重合体、ポリエチレングリコール-ポリ乳酸ブロック共重合体及びポリエチレングリコール-ポリスチレンブロック共重合体から選択される1種又は2種以上の組み合わせであり、
好ましくは、前記ポロキサマーは、ポロキサマー188、338、407、124、215及び237から選択される1種又は2種以上の組み合わせであり、
好ましくは、前記ポリエチレングリコール-ポリ(乳酸-co-グリコール酸)ブロック共重合体、ポリエチレングリコール-ポリカプロラクトンブロック共重合体、ポリエチレングリコール-ポリ乳酸ブロック共重合体、ポリエチレングリコール-ポリスチレンブロック共重合体の数平均分子量が500~50000であり、ポリエチレングリコールはポリエチレングリコールモノメチルエーテルであり、ポリエチレングリコール部分の数平均分子量が200~12000であることを特徴とする請求項1に記載の水溶性カンナビノイド固体粒子。
【請求項4】
前記シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、α-シクロデキストリン誘導体、β-シクロデキストリン誘導体、γ-シクロデキストリン誘導体から選択されることを特徴とする請求項1に記載の水溶性カンナビノイド固体粒子。
【請求項5】
前記シクロデキストリンは、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、プロピレンオキシド-β-シクロデキストリンから選択される1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項4に記載の水溶性カンナビノイド固体粒子。
【請求項6】
水溶性カンナビノイド製剤であって、請求項1~5のいずれか1項に記載の水溶性カンナビノイド固体粒子を用いて製造されたものであり、前記製剤の製造方法は、
材料と水との質量比が1:(1~6)となるように、カンナビノイド、両親媒性高分子重合体及びシクロデキストリンを水に加えて、水溶性複合体溶液を製造するステップ(1)と、
ステップ(1)で得られた水溶性複合体溶液を乾燥して、水溶性カンナビノイド固体粒子を得るステップ(2)と、
ステップ(2)で得られたカンナビノイド固体粒子を用いて、水溶性カンナビノイド製剤を製造するステップ(3)と、を含む水溶性カンナビノイド製剤。
【請求項7】
薬学的に許容される凍結乾燥保護剤0~20重量%をさらに含み、前記凍結乾燥保護剤は、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ビタミンC、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、EDTA-2Na、トレハロース、グルコース、キシリトール、マルトースから選択される1種又は複数種であることを特徴とする請求項6に記載の水溶性カンナビノイド製剤。
【請求項8】
pH調整剤0~40重量%をさらに含み、前記pH調整剤は、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、塩酸、乳酸及び水酸化ナトリウムから選択される1種又は複数種であることを特徴とする請求項6に記載の水溶性カンナビノイド製剤。
【請求項9】
ステップ(2)では、前記乾燥は凍結乾燥又は減圧乾燥であることを特徴とする請求項6に記載の水溶性カンナビノイド製剤。
【請求項10】
固形製剤又は半固形製剤であり、
好ましくは、経口製剤、吸入製剤又は腸溶性製剤であり、
好ましくは、発泡錠、徐放錠、崩壊錠、ドロップから選択される経口製剤であり、又は、
吸入製剤であり、好ましくは粉末吸入剤であり、又は、
腸溶性製剤であり、好ましくは腸溶性カプセルであることを特徴とする請求項6に記載の水溶性カンナビノイド製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬製剤の技術分野に関し、具体的には、水溶性カンナビノイド製剤及びその製造方法、特に水溶性カンナビノイド固形製剤及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サイクロデキストリン(Cyclodextrin、CDと略称)は、バチルス菌が産生するサイクロデキストリングルコシルトランスフェラーゼの作用でアミロースが生成する一連の環状オリゴ糖の総称である。包接物とは、ある(薬物)分子が別の物質分子(構成)の空洞構造に包埋されて形成された包接体のことで、「分子カプセル」とも呼ばれる。空洞構造を持つ包接分子をホスト分子、包埋された分子をゲスト分子と呼ばれる。異なる種類のホスト分子は、管状、層状、籠状、単分子包接物、モレキュラーシーブ包接物や高分子包接物など、さまざまな構造の包接物を形成することができる。シクロデキストリン包接物は、シクロデキストリン分子の空洞構造に(薬物)分子が包埋されて形成された包接体である。
【0003】
シクロデキストリン包接物は、薬物の溶解度と溶出度を増加する、液体薬物を粉末化して揮発を防ぐことができる、薬物の不快な臭いを隠し、刺激を低減させる、薬剤の安定性を向上させる、徐放・制御放出製剤を製造する、といった特徴を有する。
【0004】
シクロデキストリン包接物の製造技術には、飽和水溶液法、溶液-撹拌法、粉砕法、超音波法、凍結乾燥法、噴霧乾燥法、液-液又は気-液法が含まれている。
【0005】
重合体ミセルは、両親媒性ブロック共重合体が水に溶解した後、自発的にコアシェル構造を形成した高分子ミセルである。その両親媒性は親水性ブロックと疎水性ブロックによって達成される。親水性ブロックにはポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシエチレン(PEO)及びポリビニルピロリドン(PVP)が含まれており、疎水性ブロックにはポリプロピレン、ポリアミノ酸及びポリ乳酸などが含まれている。疎水性薬物は、疎水性コアに包埋されてもよく、親水性セグメントからなるシェルは、ミセル安定性を提供するための水和層バリアを形成する。重合体ミセル中の単一の線状共重合体分子には構造の異なる2種以上のセグメントが存在し、これらは、必要に応じて特定の化学構造や分子量を有する共重合体を合成することができ、溶液中で特定の超分子秩序集合体に自己組織化することもできる。
【0006】
重合体ミセルは難溶性薬物の水への溶解度を増加させることができ、また、その極めて小さい粒子径を有する特性を利用して腫瘍組織の血管壁への薬物の浸透を増強し、腫瘍に対する受動的な標的放出を実現し、生体内での循環時間を延長することができる。重合体ミセルの担体の多くは人工的に合成されたもので、生分解性で、水性媒体中で熱力学的に安定である。
【0007】
重合体ミセルの製造技術には、直接溶解法、透析法、水中油型乳化法、溶媒揮発法が含まれる。
【0008】
カンナビノイドは脂溶性物質であり、ほとんど水に溶けず、製剤化分野でのその適用が大きく制限されている。大麻製剤は油性溶液が多く、服用に不便で安定性が悪く、吸収バイオアベイラビリティが低い。
【0009】
特許文献CN 109953951 Aには、難溶性薬物であるカンナビジオールのバイオアベイラビリティを向上させることができる水中油型ナノエマルジョン及びその製造方法が開示されている。
【0010】
特許文献CN 110177543 Aには、ビタミンEサクシネートをポリエチレングリコール1000でエステル化(ビタミンE TPGS)した後、ビタミンE TPGSのミセル内にカンナビノイドを含有させることにより、カンナビノイドの水溶性製剤を得ることが開示されている。
【0011】
特許文献CN 109476625 A及び特許文献CN 101998855 Aのいずれにも、シクロデキストリンがカンナビノイドを含有することによりカンナビノイドの水溶性製剤が得られることが開示されている。
【0012】
カンナビノイドがナノエマルジョン、ナノカプセル、ナノミクロスフェア又はシクロデキストリンに含まれると、カンナビノイドのバイオアベイラビリティを向上させることができるが、これらの既知の方法は一般的に薬物担持量が低く、安定性が悪く、プロセスが複雑で、コストが高いなどの欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来技術の欠点を解決するために、本発明は、カンナビノイド1~40重量%と、両親媒性高分子重合体1~90重量%と、シクロデキストリン1~90%重量と、を含む水溶性カンナビノイド固体粒子を提供する。
【0014】
具体的には、前記カンナビノイドは、CBD、CBDV、CBG、CBC、CBN、CBDB、CBE、CBL及びCBND純品から選択される1種又は2種以上の組み合わせであり、又は、
具体的には、前記カンナビノイドは、大麻抽出物であり、CBD、CBDV、CBG、CBC、CBN、CBDB、CBE、CBL及びCBNDのうちの1種又は2種以上の組み合わせを含む。
【0015】
具体的には、前記両親媒性高分子重合体は、ポロキサマー、ポリエチレングリコール-ポリ(乳酸-co-グリコール酸)共重合体、ポリエチレングリコール-ポリカプロラクトンブロック共重合体、ポリエチレングリコール-ポリ乳酸ブロック共重合体及びポリエチレングリコール-ポリスチレンブロック共重合体から選択される1種又は2種以上の組み合わせであり、
好ましくは、前記ポロキサマーは、ポロキサマー188、338、407、124、215及び237から選択される1種又は2種以上の組み合わせであり、
好ましくは、前記ポリエチレングリコール-ポリ(乳酸-co-グリコール酸)ブロック共重合体、ポリエチレングリコール-ポリカプロラクトンブロック共重合体、ポリエチレングリコール-ポリ乳酸ブロック共重合体、ポリエチレングリコール-ポリスチレンブロック共重合体の数平均分子量が500~50000であり、ポリエチレングリコールはポリエチレングリコールモノメチルエーテルであり、ポリエチレングリコール部分の数平均分子量が200~12000である。
【0016】
具体的には、前記シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、α-シクロデキストリン誘導体、β-シクロデキストリン誘導体、γ-シクロデキストリン誘導体から選択される。
【0017】
具体的には、前記シクロデキストリンは、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、プロピレンオキシド-β-シクロデキストリンから選択される。
【0018】
本発明は、水溶性カンナビノイド製剤及びその製造方法をさらに提供する。
【0019】
具体的には、上記の水溶性カンナビノイド製剤は、カンナビノイドと、両親媒性高分子重合体と、シクロデキストリンと、任意選択には、薬学的に許容される凍結乾燥保護剤、pH調整剤と、を含み、
材料と水との質量比が1:(1~6)となるように、カンナビノイド、両親媒性高分子重合体及びシクロデキストリンを水に加えて、水溶性複合体溶液を製造するステップ(1)と、
ステップ(1)で得られた水溶性複合体溶液を乾燥して、水溶性カンナビノイド固体粒子を得るステップ(2)と、
ステップ(2)で得られたカンナビノイド固体粒子を用いて、水溶性カンナビノイド製剤を製造するステップ(3)と、を含む方法で製造される。
【0020】
具体的には、上記の水溶性カンナビノイド製剤において、カンナビノイドは1~40重量%(具体的には、例えば、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%)である。
【0021】
具体的には、上記の水溶性カンナビノイド製剤において、両親媒性高分子重合体は1~90重量%(具体的には、例えば、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%)である。
【0022】
具体的には、上記の水溶性カンナビノイド製剤において、シクロデキストリンは1~90重量%(具体的には、例えば、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%)である。
【0023】
本発明の一実施形態では、上記のカンナビノイドは、CBD、CBDV、CBG、CBC、CBN、CBDB、CBE、CBL及びCBND純品から選択される1種又は2種以上の組み合わせであり、植物抽出類カンナビノイド又は合成類カンナビノイドであってもよく、好ましくは植物抽出類カンナビノイドである。
【0024】
本発明の別の実施形態では、上記のカンナビノイドは、大麻抽出物であり、CBD、CBDV、CBG、CBC、CBN、CBDB、CBE、CBL及びCBNDのうちの1種又は2種以上の組み合わせを含む。
【0025】
本発明の一実施形態では、上記の両親媒性高分子重合体は両親媒性高分子重合体ブロック共重合体であり、2種以上の重合体からなるブロック重合体であり、その親水性部分はポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン、ポビドンなどであってもよく、その疎水性部分はポリオキシプロピレン、ポリ乳酸、ポリスチレン、ポリカプロラクトン、ポリアミノ酸、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリアクリル酸などであってもよく、例えば、ポロキサマー(PEO-PPO-PEO、Poloxamer)、ポリ乳酸-ポリエチレングリコール-ポリ乳酸トリブロック共重合体(PLA-PEG-PLA)、ポリエチレングリコール-ポリアクリル酸ブロック共重合体(PEG-PAA)、ポリエチレングリコール-ポリアスパラギン酸ブロック共重合体(PEG-PASP)、ポリエチレングリコール-ポリ(乳酸-co-グリコール酸)ブロック共重合体(PEG-PLAG)、ポリエチレングリコール-ポリカプロラクトンブロック共重合体(PEG-PCL)、ポリエチレングリコール-ポリ乳酸ブロック共重合体(PEG-PLA/PTX)、ポリエチレングリコール-ポリスチレンブロック共重合体(PEG-b-PS)などのうちの1種又は2種以上の組み合わせである。
【0026】
具体的には、上記のポロキサマーは、ポロキサマー188、338、407、124、215、237などから選択される1種又は2種以上の組み合わせである。
【0027】
具体的には、上記のポリエチレングリコール-ポリ(乳酸-co-グリコール酸)ブロック共重合体、ポリエチレングリコール-ポリカプロラクトンブロック共重合体、ポリエチレングリコール-ポリ乳酸ブロック共重合体、ポリエチレングリコール-ポリスチレンブロック共重合体の数平均分子量が500~50000(具体的には、例えば、500、1000、2000、3000、4000、5000、6000、8000、10000、12000、14000、16000、18000、20000、22000、24000、26000、28000、30000、32000、34000、36000、38000、40000、42000、44000、46000、48000、50000)であり、ポリエチレングリコールはポリエチレングリコールモノメチルエーテルであり、ポリエチレングリコール部分の数平均分子量が200~12000(具体的には、例えば、200、400、500、600、750、1000、2000、4000、5000、6000、8000、10000、12000)であってもよい。
【0028】
本発明の一実施形態では、上記のシクロデキストリンはシクロデキストリン及びその誘導体を含む。
【0029】
具体的には、上記のシクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、α-シクロデキストリン誘導体、β-シクロデキストリン誘導体、γ-シクロデキストリン誘導体から選択される。
【0030】
具体的には、上記のシクロデキストリンは、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、プロピレンオキシド-β-シクロデキストリンから選択される1種又は2種以上の組み合わせである。
【0031】
本発明の一実施形態では、上記の水溶性カンナビノイド製剤は薬学的に許容される凍結乾燥保護剤をさらに含む。
【0032】
具体的には、上記の水溶性カンナビノイド製剤において、凍結乾燥保護剤は0~20重量%(具体的には、例えば1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%)である。
【0033】
具体的には、上記の凍結乾燥保護剤は、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ビタミンC、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、EDTA-2Na、トレハロース、グルコース、キシリトール、マルトースから選択される1種又は複数種である。
【0034】
本発明の一実施形態では、上記の水溶性カンナビノイド製剤はpH調整剤をさらに含む。
【0035】
具体的には、上記の水溶性カンナビノイド製剤において、pH調整剤は0~40重量%(具体的には、例えば0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%)である。
【0036】
具体的には、上記のpH調整剤は、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、塩酸、乳酸、水酸化ナトリウムから選択される1種又は複数種である。
【0037】
本発明の一実施形態では、上記のステップ(1)は、
両親媒性高分子重合体、シクロデキストリン、凍結乾燥保護剤、pH調整剤を溶媒に加えて溶解させるステップ(1-1)と、
カンナビノイドの単一成分又は抽出物をステップ(1-1)で得られた混合液に溶解させ、澄明な水溶性複合体溶液とするステップ(1-2)と、を含む。
【0038】
本発明の一実施例では、ステップ(1-1)における溶媒は水、例えば注射用水である。
【0039】
具体的には、ステップ(1-1)における溶媒の使用量は原料成分の1~6倍(質量比、具体的には、例えば、1、2、3、4、5、6倍)である。
【0040】
具体的には、ステップ(1-2)における撹拌時間は1~24時間(具体的には、例えば、1、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24時間)である。
【0041】
具体的には、ステップ(1-2)では、撹拌温度は15~85℃(具体的には、例えば、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85℃)である。
【0042】
具体的には、上記の水溶性複合体溶液の粒子径が1~500nm(具体的には、例えば、1、10、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500nm)である。
【0043】
具体的には、ステップ(2)における乾燥は凍結乾燥又は減圧乾燥である。
【0044】
具体的には、上記の凍結乾燥は、予備凍結、昇華乾燥及び脱着乾燥のステップを含み、予備凍結温度は-30~-50℃(具体的には、例えば-30、-35、-40、-45、-50℃)であり、予備凍結時間は0.5~3h(具体的には、例えば0.5、1、2、3h)であり、予備凍結ステップにおける真空度は1~100Pa(1、10、20、30、40、50、60、80、100Pa)に制御され、昇華乾燥温度は-20~10℃(具体的には、例えば-20、-10、-5、0、5、10℃)であり、昇華乾燥時間は1~36h(具体的には、例えば1、6、12、18、24、30、36h)であり、脱着乾燥温度は10℃~30℃(具体的には、例えば10、15、20、25、30℃)であり、脱着乾燥時間は1~24h(具体的には、例えば1、6、12、18、24h)である。
【0045】
具体的には、上記の減圧乾燥は、減圧ステップと乾燥ステップを含み、減圧ステップでは、真空度は0.08Mpa以下(具体的には、例えば0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08Mpa)であり、乾燥ステップでは、乾燥温度は10-50℃(具体的には、例えば10、15、20、25、30、35、40、45、50℃)であり、乾燥時間は1~48h(具体的には、例えば1、6、12、18、24、30、36、42、48h)である。
【0046】
具体的には、上記の水溶性カンナビノイド製剤は固形製剤又は半固形製剤である。
【0047】
本発明の一実施形態では、上記の水溶性カンナビノイド製剤は経口製剤、例えば発泡錠、徐放錠、崩壊錠、ドロップなどである。
【0048】
本発明の別の実施形態では、上記の水溶性カンナビノイド製剤は吸入製剤、例えば粉末吸入剤などである。
【0049】
本発明の別の実施形態では、上記の水溶性カンナビノイド製剤は腸溶性製剤、例えば腸溶性カプセルなどである。
【0050】
本発明の一実施例では、上記の水溶性カンナビノイド製剤は、粒子径1~2μm(具体的には、例えば1、1.5、2μm)の吸入剤であり、上記のステップ(2)では、乾燥は凍結乾燥又は減圧乾燥である。
【0051】
本発明の別の実施例では、上記の水溶性カンナビノイド製剤は発泡錠、崩壊錠であり、上記のステップ(2)では、乾燥は凍結乾燥又は減圧乾燥である。
【0052】
本発明の別の実施例では、上記の水溶性カンナビノイド製剤は腸溶性カプセルであり、上記のステップ(2)では、乾燥は凍結乾燥又は減圧乾燥である。
【0053】
本発明に係る水溶性カンナビノイド製剤の製造方法は、
材料と水との質量比が1:(1~6)となるように、カンナビノイド、両親媒性高分子重合体及びシクロデキストリンを水に加えて、水溶性複合体溶液を製造するステップ(1)と、
ステップ(1)で得られた水溶性複合体溶液を乾燥して、水溶性カンナビノイド固体粒子を得るステップ(2)と、
ステップ(2)で得られたカンナビノイド固体粒子を用いて、水溶性カンナビノイド製剤を製造するステップ(3)と、を含む。
【0054】
本発明の一実施形態では、上記のステップ(1)は、
両親媒性高分子重合体、シクロデキストリン、凍結乾燥保護剤、pH調整剤を溶媒に加えて溶解させるステップ(1-1)と、
カンナビノイドの単一成分又は抽出物をステップ(1-1)で得られた混合液に溶解させ、澄明な水溶性複合体溶液とするステップ(1-2)と、を含む。
【0055】
本発明の一実施例では、ステップ(1-1)における溶媒は水、例えば注射用水である。
【0056】
具体的には、ステップ(1-1)における溶媒の使用量は原料成分の1~6倍(質量比、具体的には、例えば、1、2、3、4、5、6倍)である。
【0057】
具体的には、ステップ(1-2)における撹拌時間は1~24時間(具体的には、例えば、1、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24時間)である。
【0058】
具体的には、ステップ(1-2)では、撹拌温度は15~85℃(具体的には、例えば、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85℃)である。
【0059】
具体的には、上記の水溶性複合体溶液の粒子径が1~500nm(具体的には、例えば、1、10、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500nm)である。
【0060】
具体的には、ステップ(2)における乾燥は凍結乾燥又は減圧乾燥である。
【0061】
具体的には、上記の凍結乾燥は、予備凍結、昇華乾燥及び脱着乾燥のステップを含み、予備凍結温度は-30~-50℃(具体的には、例えば-30、-35、-40、-45、-50℃)であり、予備凍結時間は0.5~3h(具体的には、例えば0.5、1、2、3h)であり、予備凍結のステップでは、真空度は1~100Pa(1、10、20、30、40、50、60、80、100Pa)に制御され、昇華乾燥温度は-20~10℃(具体的には、例えば-20、-10、-5、0、5、10℃)であり、昇華乾燥時間は1~36h(具体的には、例えば1、6、12、18、24、30、36h)であり、脱着乾燥温度は10℃~30℃(具体的には、例えば10、15、20、25、30℃)であり、脱着乾燥時間は1~24h(具体的には、例えば1、6、12、18、24h)である。
【0062】
具体的には、上記の減圧乾燥は、減圧ステップと乾燥ステップを含み、減圧ステップでは、真空度は0.08Mpa以下(具体的には、例えば0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08Mpa)であり、乾燥ステップでは、乾燥温度は10~50℃(具体的には、例えば10、15、20、25、30、35、40、45、50℃)であり、乾燥時間は1~48h(具体的には、例えば1、6、12、18、24、30、36、42、48h)である。
【0063】
本発明の一実施形態では、水溶性複合体溶液の製造方法は、β-シクロデキストリン(0~3重量%)、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(1~40重量%)、メチル-β-シクロデキストリン(1~40重量%)、プロピレンオキシド-β-シクロデキストリン(1~40重量%)、ポロキサマー(1~40重量%)、PEG-PLAG(1~3重量%)、PEG-PCL(1~2重量%)、PEG-PLA/PTX(1~2重量%)、PEG-b-PS(1~2重量%)、EDTA-2Na(0~1重量%)、チオ硫酸ナトリウム(0~1重量%)、マンニトール(0~1重量%)、クエン酸(0~2重量%)のうちの1種又は複数種をこれらに対して1~6倍の水に加えて溶解させるステップと、
次に、混合液にカンナビノイドの単一成分又は抽出物(1~20重量%)を加え、45℃~85℃で0~2h撹拌して、粒子径500nm未満の澄明な水溶性複合体溶液とするステップとを含む。
【0064】
本発明の一実施形態では、水溶性複合体溶液の製造方法は、β-シクロデキストリン(0~3重量%)、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(1~40重量%)、メチル-β-シクロデキストリン(1~40重量%)、プロピレンオキシド-β-シクロデキストリン(1~40重量%)、ポロキサマー(1~40重量%)、PEG-PLAG(1~3重量%)、PEG-PCL(1~2重量%)、PEG-PLA/PTX(1~2重量%)、PEG-b-PS(1~2重量%)、EDTA-2Na(0~1重量%)、チオ硫酸ナトリウム(0~1重量%)、マンニトール(0~1重量%)、クエン酸(0~2重量%)のうちの1種又は複数種をこれらに対して1~6倍の水に加えて溶解させるステップと、
次に、混合液にCBD(1~20重量%)を加え、45℃~85℃で0~2h撹拌して、粒子径500nm未満の澄明な水溶性複合体溶液とするステップと、を含む。
【0065】
本発明の一実施形態では、水溶性複合体溶液の製造方法は、β-シクロデキストリン(0~3重量%)、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(1~40重量%)、メチル-β-シクロデキストリン(1~40重量%)、プロピレンオキシド-β-シクロデキストリン(1~40重量%)、ポロキサマー(1~40重量%)、PEG-PLAG(1~3重量%)、PEG-PCL(1~2重量%)、PEG-PLA/PTX(1~2重量%)、PEG-b-PS(1~2重量%)、EDTA-2Na(0~1重量%)、チオ硫酸ナトリウム(0~1重量%)、マンニトール(0~1重量%)、クエン酸(0~2重量%)のうちの1種又は複数種をこれらに対して1~6倍の水に加えて溶解させるステップと、
次に、混合液にカンナビノイドの単一成分又は抽出物エタノール溶液(1~20重量%)を加え、常温で1~24h撹拌して、粒子径500nm未満の澄明な水溶性複合体溶液とするステップと、を含む。
【0066】
本発明の一実施形態では、水溶性複合体溶液の製造方法は、β-シクロデキストリン(0~3重量%)、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(1~40重量%)、メチル-β-シクロデキストリン(1~40重量%)、プロピレンオキシド-β-シクロデキストリン(1~40重量%)、ポロキサマー(1~40重量%)、PEG-PLAG(1~3重量%)、PEG-PCL(1~2重量%)、PEG-PLA/PTX(1~2重量%)、PEG-b-PS(1~2重量%)、EDTA-2Na(0~1重量%)、チオ硫酸ナトリウム(0~1重量%)、マンニトール(0~1重量%)、クエン酸(0~2重量%)のうちの1種又は複数種をこれらに対して1~6倍の水に加えて溶解させるステップと、
次に、混合液にCBDエタノール溶液(1~20重量%)を加え、常温で1~24h撹拌して、粒子径500nm未満の澄明な水溶性複合体溶液とするステップと、を含む。
【0067】
本発明の一実施形態では、カンナビノイド固体粒子の製造方法は、前記の水溶性複合体溶液を凍結乾燥箱に入れて、-40℃で0.5~3h凍結し、真空度を1~100Paに制御し、一次乾燥温度を-20~10℃にして1~36h乾燥し、二次乾燥温度を10℃~30℃にして1~24h乾燥し、乾燥後の材料を1-5#ふるいにかけて整粒するステップを含む。
【0068】
本発明の一実施形態では、カンナビノイド固体粒子の製造方法は、前記の水溶性複合体溶液を減圧乾燥箱に入れて、温度20~50℃、真空度≦0.08Mpa以下で1~48h乾燥し、乾燥後の材料を1-5#ふるいにかけて整粒するステップを含む。
【0069】
本発明の一実施形態では、カンナビノイド粉末吸入剤の製造方法は、前記のカンナビノイド固体粒子をボールミルで10um以下に直接粉砕し、カンナビノイド霧化吸入粉末を製造するステップと、カンナビノイド霧化吸入粉末を2#~00#カプセルやベシクルに詰め、タンクに保管して、粉末吸入投与に直接用いるステップと、を含む。
【0070】
本発明の一実施形態では、カンナビノイド口腔内崩壊錠の製造方法は、前記のカンナビノイド霧化吸入粉末(1~90重量%)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(1~80重量%)、マンニトール(0~80重量%)、微結晶性セルロース(0~80重量%)、アルファー化デンプン(0~80重量%)、アエロジル(0~10重量%)、ステアリン酸マグネシウム(0~10重量%)を均一に混合した後に直接打錠し、1錠重量0.5gの崩壊錠を得るステップを含む。
【0071】
本発明の一実施形態では、カンナビノイド口腔内崩壊錠の製造方法は、前記のカンナビノイド霧化吸入粉末(1~90重量%)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(1~80重量%)、マンニトール(0~80重量%)、微結晶性セルロース(0~80重量%)、アルファー化デンプン(0~80重量%)、アエロジル(0~10重量%)、ステアリン酸マグネシウム(0~10重量%)を湿法造粒して粒子にし、プレスして1錠重量0.5gの崩壊錠を得るステップを含む。
【0072】
本発明の一実施形態では、カンナビノイド発泡錠の製造方法は、DL酒石酸(0~20重量%)、クエン酸(0~35重量%)、マンニトール(0~3重量%)、ラクトース(0~1重量%)、塩化ナトリウム(0~2重量%)、スクロース(0~1重量%)、ポリエチレングリコール(0~15重量%)を流動床又は湿法造粒により粒子1にするステップと、重炭酸ナトリウム(0~1重量%)、アスパルテーム(0~1重量%)、ラクトース(0~1重量%)、キシリトール(0~3重量%)、エッセンス(0~3重量%)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(0~1重量%)、ポリエチレングリコール(0~15重量%)を流動床又は湿法造粒により粒子2にし、粒子1、粒子2、前記のカンナビノイド固体粒子(1~15重量%)、ロイシン(0~1重量%)、エッセンス(0~2重量%)、カロチン(0~2重量%)、ビタミンC(0~10重量%)を均一に混合した後、1錠重量が0.1~10gに制御された発泡錠にプレスするステップを含む。
【0073】
本発明の一実施形態では、カンナビノイド発泡錠の製造方法は、DL酒石酸(0~20重量%)、クエン酸(0~35重量%)、マンニトール(0~3重量%)、ラクトース(0~1重量%)、塩化ナトリウム(0~2重量%)、スクロース(0~1重量%)、重炭酸ナトリウム(0~1重量%)、アスパルテーム(0~1重量%)、キシリトール(0~3重量%)、エッセンス(0~3重量%)、ポリエチレングリコール(0~15重量%)、前記のカンナビノイド固体粒子(1~15重量%)、ロイシン(0~1重量%)、カロチン(0~2重量%)、ビタミンC(0~10重量%)を均一に混合した後、1錠重量が0.1~10gに制御された発泡錠にプレスするステップを含む。
【0074】
本発明の一実施形態では、カンナビノイド腸溶性カプセルの製造方法は、空白素粒子をコーティングパン内に入れて、前記のカンナビノイド固体粒子(1~20重量%)、ヒプロメロース(1~25重量%)、架橋ポリビニルピロリドン(1~25重量%)を溶解させ、溶液を空白素粒子にスプレーし、35℃~55℃で0~12h乾燥するステップと、ヒプロメロース(0~25重量%)、マンニトール(0~12重量%)に水を加えて均一に撹拌し、溶液を薬物含有素粒子にスプレーし、35℃~55℃で0~12h乾燥するステップと、ヒプロメロース(0~25重量%)、ジアセチル化モノグリセリド(0~5重量%)、タルカムパウダ(0~1重量%)に水を加えて均一に撹拌し、溶液を薬物含有素粒子にスプレーし、35℃~55℃で0~12h乾燥するステップと、アクリル酸樹脂(0~15重量%)に水を加えて均一に撹拌し、溶液を薬物含有素粒子にスプレーし、35℃~55℃で0~12h乾燥するステップと、タルカムパウダ(0~1重量%)を加えて、カプセルに詰めるステップと、を含む。
【0075】
本発明はこれを必要とする受検者に本発明の上記の水溶性カンナビノイド製剤の有効量を投与するステップを含む疾患の予防及び/又は治療方法をさらに提供する。
【0076】
具体的には、上記の方法において、水溶性カンナビノイド製剤は本発明の上記の定義を有する。
【0077】
具体的には、上記の方法において、前記疾患は上記の水溶性カンナビノイド製剤中のカンナビノイドの適応症、例えば、疼痛(例えば、慢性疼痛)、炎症(例えば、皮膚炎)、腫瘍(例えば、神経膠腫、白血病、前立腺癌など)、肝損傷(例えば、虚血型肝損傷、慢性アルコール中毒による肝損傷)、神経系疾患(例えば、てんかん、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病など)などである(例えば、「郭蓉、陳▲せん▼、郭鴻彦.テトラヒドロカンナビノールとカンナビジオールの薬理研究の進展.天然産物の研究と開発、2017、29:449-1453.」を参照)。
【0078】
具体的には、上記の受検者は哺乳動物、特にヒトである。
【0079】
具体的には、上記の水溶性カンナビノイド製剤の有効量は、患者の年齢、体重、性別、自然健康状況、栄養状況、服用時間、代謝速度、病症の重症度及び診療医師の主観的判断などを含む多くの要素に依存する。
【0080】
本発明は、本発明の上記の水溶性カンナビノイド製剤を含むサプリメントをさらに提供する。
【0081】
本発明は、これを必要とする受検者に上記のサプリメントの有効量を投与するステップを含む、免疫力を高め、酸化を防止する方法をさらに提供する。
【0082】
本発明に係る水溶性カンナビノイド製剤は、有効成分の包含率及び移動率が高く、薬物担持量が高く、安定性が高く、新しい常温自己組織化技術を用いることにより活性成分であるカンナビノイドの高温により分解や変色を避け、活性成分のバイオアベイラビリティが高く、1回の服用量を減少させることができる。特に粉末吸入剤は、薬物担持量が高く(10%以上)、安定性が高く(有効期間:2~3年間)、生体外沈着率が高く(排出速度は95%、有効沈着率は45%)、吸入すると効き目が早く、長続きして安定的な血中濃度を確保できる。
【発明を実施するための形態】
【0083】
特に断らない限り、本発明に使用される全ての科学的用語及び技術的用語は本発明の当業者が通常理解するものと同じ意味を有し、本発明に記載の以下の縮合に対応する物質は以下のとおりである。
CBDV カンナビジバロール
CBD カンナビジオール
CBG カンナビゲロール
CBN カンナビノール
CBC カンナビクロメン
CBDB 4-butyl-5′-methyl-2′-(prop-1-en-2-yl)-1′,2′, 3′,4′-tetrahydro-(1,1′-biphenyl)-2,6-diol, Cannabidibutol
CBE 大カンナビエルソイン(cannabielsoin)
CBL カンナビジシクロール
CBND デヒドロカンナビジオール
TPGS ビタミンEポリエチレングリコールサクシネート
Poloxamer ポロキサマー
PEG-PAA ポリエチレングリコール-ポリアクリル酸ブロック共重合体
PEG-PASP ポリエチレングリコール-ポリアスパラギン酸ブロック共重合体
PEG-PLAG ポリエチレングリコール-ポリ(乳酸-co-グリコール酸)ブロック共重合体
PEG-PCL ポリエチレングリコール-ポリカプロラクトンブロック共重合体
PEG-PLA/PTX ポリエチレングリコール-ポリ乳酸ブロック共重合体
PEG-b-PS ポリエチレングリコール-ポリスチレンブロック共重合体
SFD 噴霧凍結乾燥
CD シクロデキストリン
β-CD β-シクロデキストリン
HP-β-CD ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン
Methyl-β-CD メチル-β-シクロデキストリン
Propylene oxide-β-CD プロピレンオキシド-β-シクロデキストリン
EDTA-2Na エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
【0084】
本発明では、「カンナビノイド」という用語とは、大麻植物に特有の、アルキル基とモノテルペン基分子構造を含有する二次代謝産物で、例えば、CBD、CBDV、CBG、CBC、CBN、CBDB、CBE、CBL、CBNDなど(例えば、「陳▲せん▼、楊明、郭鴻彦.大麻植物中のカンナビノイド成分の研究の発展、植物学報、2011、46(2):197-205」に記載)である。
【0085】
本発明では、CBD、CBDV、CBG、CBC、CBN、CBDB、CBE、CBL及びCBNDの純品とは、上記の化合物の純物質製品、特に対応する市販品であり、ここでは、化合物の純度は少なくとも99.5%以上、特に99.9%以上(残量は不純物)である。
【0086】
本発明では、前記大麻は産業用大麻であり、前記産業用大麻とは、テトラヒドロカンナビノールの含有量が0.3%未満である大麻である。本発明では、産業用大麻の入手、加工や研究は法律により承認された。
【0087】
以下、本発明の実施例を参照して、本発明の技術的手段を明確かつ完全に説明するが、明らかに、説明された実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではない。当業者であれば、本発明の実施例を基にして創造的な努力をせずに得た他の全ての実施例は本発明の特許範囲に属する。
実施例1:水溶性複合体溶液の製造
【0088】
1、水溶性複合体溶液の具体的な処方を表1に示す。
表1 水溶性複合体溶液の処方表
2、製造プロセス
(1)第1製造プロセス(プロセス1)
処方1~6の配合比で材料を投入して、水溶性複合体溶液を具体的に以下のように製造した。
a、溶解:β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、プロピレンオキシド-β-シクロデキストリン、ポロキサマー、PEG-PLAG、PEG-PCL、PEG-PLA/PTX、PEG-b-PS、EDTA-2Na、チオ硫酸ナトリウム、マンニトール、クエン酸のうちの1種又は複数種をこれらに対して3倍の水に加えて溶解させた。
b、混合溶解:カンナビジオール(CBD)を加え、85℃で2h撹拌して、粒子径500nm未満の澄明な水溶性複合体溶液とした。
上記の製造プロセスで得られた水溶性複合体溶液の品質比較を表2に示す。
表2 水溶性複合体溶液の品質比較
(注:有効成分の包接率とは、CBDの精製水中の検出量とメタノール中の検出量との百分率を指し、有効成分の移動率とは、CBDの実際検出量と添加量との百分率を指す。)
(2)第2製造プロセス(プロセス2)
処方1~6の配合比で材料を投入して、水溶性複合体溶液を具体的に以下のように製造した。
a、溶解:β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、プロピレンオキシド-β-シクロデキストリン、ポロキサマー、PEG-PLAG、PEG-PCL、PEG-PLA/PTX、PEG-b-PS、EDTA-2Na、チオ硫酸ナトリウム、マンニトール、クエン酸のうちの1種又は複数種をこれらに対して3倍の水に加えて溶解させた。
b、混合溶解:カンナビジオール(CBD)エタノール溶液を加え、常温で24h撹拌して、粒子径500nm未満の澄明な水溶性複合体溶液とした。
上記の製造プロセスで得られた水溶性複合体溶液の品質比較を表3に示す。
表3 水溶性複合体溶液の品質比較
表2及び表3の結果から分かるように、処方が同じである場合、第2プロセスと比べて、第1プロセスでは、有効成分の包接率及び移動率はほぼ同じが、加熱条件では包接時間が短縮された。
実施例2:カンナビノイド固体粒子の製造
【0089】
実施例1で得られた水溶性複合体溶液を乾燥して、水溶性カンナビノイド固体粒子を得た。前記の乾燥は凍結乾燥又は減圧乾燥である。
1、凍結乾燥プロセス:実施例1における水溶性複合体溶液を凍結乾燥箱内に入れて、-40℃で3h凍結し、真空度100Pa、一次乾燥温度10℃で36h乾燥し、二次乾燥温度30℃で24h乾燥し、乾燥後の材料を5#ふるいにかけて整粒した。
2、減圧乾燥プロセス:実施例1における水溶性複合体溶液を減圧乾燥箱内に入れて、温度50℃、真空度0.04Mpaで48h乾燥し、乾燥後の材料を5#ふるいにかけて整粒した。
凍結乾燥プロセスと減圧乾燥プロセスの比較を表4に示す。
表4 凍結乾燥プロセスと減圧乾燥プロセスの比較
表4の結果から分かるように、減圧乾燥プロセスと凍結乾燥プロセスで製造された粒子は性状や溶解度が一致し、減圧乾燥の場合は、コストが低い。
実施例3:カンナビノイド粉末吸入剤の製造
【0090】
1、微粉化
実施例2において減圧乾燥法により製造された水溶性カンナビノイド固体粒子をボールミルで10um以下に直接粉砕し、霧化吸入粉末を製造した。
2、詰め
霧化吸入粉末を2#~00#カプセルやベシクルに詰めて、タンクに保管して、粉末吸入投与に直接用いた。
カンナビノイド粉末吸入剤の品質検討を表5に示す。
表5 カンナビノイド粉末吸入剤の品質検討
カンナビノイド固体粒子を直接微粉化して吸入粉末を製造する場合、プロセスが簡単であり、制御可能であり、コストが低い。製造されたカンナビノイド吸入粉末はてんかん、うつ、慢性疼痛などの疾患に有用であり、効き目が早く、肝初回通過効果がなく、胃腸刺激や分解作用がない。
実施例4:カンナビノイド発泡錠の製造
【0091】
1、処方:カンナビノイド固体粒子(実施例2で製造された)、DL酒石酸、クエン酸、重炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトース、アスパルテーム、キシリトール、ポリエチレングリコール、ロイシン、エッセンス、塩化ナトリウム、スクロース。
表6 カンナビノイド発泡錠の処方表
規格:1錠重量1g
2、製造プロセス
(1)第1製造プロセス(プロセス1)
表6の処方に従って、DL酒石酸、クエン酸、マンニトール、ラクトース、塩化ナトリウム、スクロース、ポリエチレングリコールを流動床又は湿法造粒により粒子1にした。重炭酸ナトリウム、アスパルテーム、ラクトース、キシリトール、エッセンス、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコールを流動床又は湿法造粒により粒子2にし、粒子1、粒子2、カンナビノイド固体粒子、ロイシン、エッセンス、カロチン、ビタミンCを均一に混合した後、1錠重量が1gに制御された発泡錠にプレスした。
(2)第2製造プロセス(プロセス2)
表6の処方に従って、カンナビノイド固体粒子、DL酒石酸、クエン酸、マンニトール、ラクトース、塩化ナトリウム、スクロース、重炭酸ナトリウム、アスパルテーム、ラクトース、キシリトール、エッセンス、ポリエチレングリコール、ロイシン、エッセンス、カロチン、ビタミンCを直接均一に混合し、1錠重量が1gに制御された発泡錠にプレスした。
各処方の発泡錠の品質の比較検討を表7に示す。
表7 各処方の発泡錠の品質の比較検討
表7の結果から分かるように、複数種の薬物担持処方による発泡錠は、すべて発泡錠品質基準を満たし、水に速く溶解し、使用や持ち運びが容易であり、カンナビノイド固体粒子の溶解速度を速め、発泡後のカンナビノイド溶液をそのまま服用することができ、バイオアベイラビリティが高く、臨床治療の効果を高めることができる。
カンナビノイド発泡錠は、発泡錠が水に速く溶解し、使用や持ち運びが容易であり、カンナビノイド固体粉末の溶解速度を速めるという利点がある。
実施例5:カンナビノイド腸溶性カプセルの製造
【0092】
1、処方
カンナビノイド固体粒子(実施例2で製造された)、マンニトール、ヒプロメロース、架橋ポリビニルピロリドン、アクリル酸樹脂、ジアセチル化モノグリセリド、タルカムパウダ。具体的な処方を表8に示す。
表8 カンナビノイド腸溶性カプセルの処方表
2、プロセス(表8の処方)
a、主薬担持:空白素粒子をコーティングパン内に入れて、カンナビノイド固体粒子、ヒプロメロースを溶解し、溶液を空白素粒子にスプレーし、55℃で12h乾燥させた。
b、保護性コーティング:ヒプロメロース、マンニトールに水を加えて均一に撹拌し、溶液を薬物含有素粒子にスプレーし、55℃で12h乾燥させた。
c、凝集コーティング:ヒプロメロース、ジアセチル化モノグリセリド、タルカムパウダに水を加えて均一に撹拌し、溶液を薬物含有素粒子にスプレーし、55℃で12h乾燥させた。
d、腸溶性コーティング:アクリル酸樹脂に水を加えて均一に撹拌し、溶液を薬物含有素粒子にスプレーし、55℃で12h乾燥させた。
e、詰め:タルカムパウダを加えて、カプセルに詰めた。
各カンナビノイド腸溶性カプセルの品質の比較検討を表9に示す。
表9 カンナビノイド腸溶性カプセルの品質の比較
表9の結果から分かるように、カンナビノイド徐放カプセルについて、処方を比較した結果、詰め量の差、溶出度、安定性のいずれも要件を満たす。カンナビノイドは腸内で緩やかに放出され、血液に入った後、ミセル及びシクロデキストリンに包接されたカンナビノイド水溶性複合体はカンナビノイドを緩やかに放出し、これにより、生体内でカンナビノイドの血中濃度が持続的かつ安定的に維持され、慢性疼痛に対して効果が長続きする。
カンナビノイド腸溶性カプセルは、標的に放出することができ、胃粘膜を保護するとともに、カンナビノイドを腸内で緩やかに放出し、カンナビノイドが血液に入った後、ミセル及びシクロデキストリン複合体としてのカンナビノイドはカンナビノイドを緩やかに放出し、これにより、生体内でカンナビノイドの血中濃度が持続的かつ安定的に維持され、慢性疼痛に対して効果が長続きする。
実施例6:カンナビノイド口腔内崩壊錠の製造
【0093】
1、処方
カンナビノイド吸入粉末(実施例3で製造された)(1~90%)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(1~80%)、マンニトール(0~80%)、微結晶性セルロース(0~80%)、アルファー化デンプン(0~80%)、アエロジル(0~10%)、ステアリン酸マグネシウム(0~10%)
具体的な処方を表10に示す。
表10 カンナビノイド口腔内崩壊錠の処方表
2、製造プロセス(表10の処方)
(1)第1製造プロセス(プロセス1)
カンナビノイド吸入粉末(実施例3で製造された)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、微結晶性セルロース、アルファー化デンプン、アエロジル、ステアリン酸マグネシウムを処方の割合で均一に混合した後に直接打錠し、1錠重量0.5gの崩壊錠を得た。
(2)第2製造プロセス(プロセス2)
カンナビノイド吸入粉末(実施例3で製造された)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、微結晶性セルロース、アルファー化デンプン、アエロジル、ステアリン酸マグネシウムを必要に応じてさらに湿法造粒して粒子にし、1錠重量0.5gの崩壊錠にプレスした。
各処方の速放錠の品質の比較検討を表11に示す。
表11 カンナビノイド口腔内崩壊錠の品質比較
表11の結果から分かるように、処方による口腔内崩壊錠の性状については、1錠重量の差、崩壊時間制限、1錠重量の差、安定性はすべて要件を満たす。口腔内崩壊錠は唾液に速く溶解したり、口腔内で速く崩壊したりすることができ、腫瘍患者、子供、高齢者、寝たきりや重度の障害者に最適である。
カンナビノイド口腔内崩壊錠は唾液に速く溶解したり、口腔内で速く崩壊したりすることができ、腫瘍患者、子供、高齢者、寝たきりや重度の障害者に最適である。
実施例7:実験の結果
【0094】
実施例に係る水溶性カンナビノイド製剤は、有効成分の包含率及び移動率が高く、薬物担持量が高く、安定性が高く、新しい常温自己組織化技術を用いることにより活性成分であるカンナビノイドの高温により分解や変色を避け、活性成分のバイオアベイラビリティが高く、1回の服用量を減少させることができる。特に粉末吸入剤は、薬物担持量が高く(10%以上)、安定性が高く(有効期間:2~3年間)、生体外沈着率が高く(排出速度は95%、有効沈着率は45%)、吸入すると効き目が早く、長続きして安定的な血中濃度を確保できる。
【0095】
以上は本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨及び原則を逸脱せずに行われるすべての修正及び同等置換などは本発明の特許範囲に属する。
【国際調査報告】