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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】高強度、熱安定ニッケル基合金
(51)【国際特許分類】
   C22C 19/05 20060101AFI20231226BHJP
   C22F 1/10 20060101ALI20231226BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20231226BHJP
【FI】
C22C19/05 L
C22F1/10 H
C22F1/00 623
C22F1/00 630A
C22F1/00 630B
C22F1/00 630K
C22F1/00 640A
C22F1/00 640B
C22F1/00 641A
C22F1/00 650A
C22F1/00 681
C22F1/00 682
C22F1/00 684
C22F1/00 683
C22F1/00 691B
C22F1/00 691C
C22F1/00 692A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542585
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 US2022012323
(87)【国際公開番号】W WO2022155345
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】63/136,668
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594120489
【氏名又は名称】ハンチントン、アロイス、コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】HUNTINGTON ALLOYS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー、ブライアン・エー
(72)【発明者】
【氏名】デバーバディロ、ジョン・ジェイ
(57)【要約】
合金は、重量パーセントで、約1.3%から約1.8%のアルミニウム、約1.5%から約4.0%のコバルト、約18.0%から約22.0%のクロム、約4.0%から約10.0%の鉄、約1.0%から約3.0%のモリブデン、約1.0%から約2.5%のニオブ;約1.3%から約1.8%のチタン、約0.8%から約1.2%のタングステン、約0.01%から約0.08%の炭素;および残りニッケルと付随的不純物の組成を含む。合金は、700℃および393.7MPa(57.1ksi)で少なくとも300時間の応力破断寿命、および700℃で1,000時間時効後、少なくとも15%の室温伸び率を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量パーセントで、
約1.3%から約1.8%のアルミニウム;
約1.5%から約4.0%のコバルト;
約18.0%から約22.0%のクロム;
約4.0%から約10.0%の鉄;
約1.0%から約3.0%のモリブデン;
約1.0%から約2.5%のニオブ;
約1.3%から約1.8%のチタン;
約0.8%から約1.2%のタングステン;
約0.01%から約0.08%の炭素;および
残りニッケルと付随的不純物;
を含む組成を含み;
700℃および393.7MPa(57.1ksi)での応力破断寿命が少なくとも300時間;および
室温伸び率が700℃で1,000時間時効後、少なくとも15%である合金。
【請求項2】
前記コバルトが約2.0%から約3.0%である請求項1に記載の合金。
【請求項3】
前記モリブデンが約1.0%から約2.75%である請求項1に記載の合金。
【請求項4】
前記ニオブが約1.0%から約1.75%である請求項1に記載の合金。
【請求項5】
前記コバルトが約2.0%から約3.0%であり、前記モリブデンが約1.0%から約2.75%である請求項1に記載の合金。
【請求項6】
前記コバルトが約2.0%から3.0%であり、前記ニオブが約1.0%から約1.75%である請求項1に記載の合金。
【請求項7】
前記モリブデンが約1.0%から約2.75%であり、前記ニオブが約1.0%から約1.75%である請求項1に記載の合金。
【請求項8】
前記コバルトが約2.0%から約3.0%であり、前記モリブデンが約1.0%から約2.75%であり、前記ニオブが約1.0%から約1.75%である請求項1に記載の合金。
【請求項9】
700℃および393.7MPa(57.1ksi)での応力破断寿命は、少なくとも500時間である請求項1に記載の合金。
【請求項10】
前記室温伸び率は、700℃で1000時間時効後、少なくとも20%である請求項1に記載の合金。
【請求項11】
前記室温伸び率は、700℃で1000時間時効後、少なくとも22%である請求項1に記載の合金。
【請求項12】
700℃で5000時間時効後、少なくとも15%の室温伸び率をさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項13】
前記室温伸び率は、700℃で5000時間時効後、少なくとも20%である請求項1に記載の合金。
【請求項14】
700℃で1000時間時効時に少なくとも12ft-lbの室温衝撃エネルギーをさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項15】
前記室温衝撃エネルギーは、700℃で1000時間時効時に少なくとも15ft-lbである請求項14に記載の合金。
【請求項16】
前記室温衝撃エネルギーは、700℃で1000時間時効時に少なくとも20ft-lbである請求項15に記載の合金。
【請求項17】
700℃で5000時間時効時に少なくとも10ft-lbの室温衝撃エネルギーをさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項18】
前記合金の室温衝撃エネルギーは、700℃で5000時間時効時に少なくとも12ft-lbである請求項1に記載の合金。
【請求項19】
前記合金の室温衝撃エネルギーは、700℃で5000時間時効時に少なくとも15ft-lbである請求項1に記載の合金。
【請求項20】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷した後、約160ksi(1104MPa)と約175ksi(1207MPa)の間の室温(RT)極限引張強さ、約95ksi(655MPa)と115ksi(793MPa)の間のRT0.2%耐力、および約30%と45%の間のRT伸び率をさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項21】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷した後の前記RT極限引張強さが約160ksi(1104MPa)から約170ksi(1172MPa)の間であり、前記RT0.2%耐力が約95ksi(655MPa)から110ksi(758MPa)の間であり、前記RT伸び率が約35%から45%である請求項20に記載の合金。
【請求項22】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、前記合金を700℃(1292°F)で1000時間時効、その後空冷した後、約175ksi(1207MPa)と約195ksi(1344MPa)の間の室温(RT)極限引張強さ、約105ksi(724MPa)と約125ksi(861MPa)の間のRT0.2%耐力、および約15%と30%の間のRT伸び率をさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項23】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、前記合金を700℃(1292°F)で1000時間時効、その後空冷した後の前記RT極限引張強さが約175ksi(1207MPa)と約185ksi(1275MPa)の間であり、前記RT0.2%耐力が約105ksi(724MPa)と120ksi(827MPa)の間であり、前記RT伸び率が約22%と30%の間である請求項22に記載の合金。
【請求項24】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、前記合金を700℃(1292°F)で5000時間時効、その後空冷した後、約170ksi(1172MPa)と約200ksi(1379MPa)の間の室温(RT)極限引張強さ、約100ksi(689MPa)と約120ksi(827MPa)の間のRT0.2%耐力、および約16%と30%の間のRT伸び率をさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項25】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、前記合金を700℃(1292°F)で5000時間時効、その後空冷した後の前記RT極限引張強さが約175ksi(1207MPa)と約190ksi(1310MPa)の間であり、前記RT0.2%耐力が約105ksi(724MPa)と約115ksi(793MPa)の間であり、前記RT伸び率が約20%と30%の間である請求項24に記載の合金。
【請求項26】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷した後、約130ksi(896MPa)と約155ksi(1069MPa)の間の700℃極限引張強さ、約90ksi(620MPa)と約105ksi(724MPa)の間の700℃0.2%耐力、および約9%と25%の間の700℃伸び率をさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項27】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷した後の前記700℃極限引張強さが約125ksi(861MPa)と約140ksi(965MPa)の間であり、前記700℃0.2%耐力が約90ksi(620MPa)と100ksi(689MPa)の間であり、前記700℃伸び率が約14%と20%の間である請求項26に記載の合金。
【請求項28】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、前記合金を700℃(1292°F)で1000時間時効、その後空冷した後、約135ksi(931MPa)と約155ksi(1069MPa)の間の700℃極限引張強さ、約95ksi(655MPa)と約110ksi(758MPa)の間の700℃0.2%耐力、および約12%と30%の間の700℃伸び率をさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項29】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、前記合金を700℃(1292°F)で1000時間時効、その後空冷した後の前記700℃極限引張強さが約135ksi(931MPa)と約150ksi(1034MPa)の間であり、前記700℃0.2%耐力が約95ksi(655MPa)と105ksi(724MPa)の間であり、前記700℃伸び率が約15%と3%の間である請求項28に記載の合金。
【請求項30】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、前記合金を700℃(1292°F)で5000時間時効、その後空冷した後、約130ksi(896MPa)と約150ksi(1034MPa)の間の700℃極限引張強さ、約90ksi(620MPa)と約110ksi(758MPa)の間の700℃0.2%耐力、および約15%と28%の間の700℃伸び率をさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項31】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、前記合金を700℃(1292°F)で5000時間時効、その後空冷した後の前記700℃極限引張強さが約130ksi(896MPa)と約145ksi(1000MPa)の間であり、前記700℃0.2%耐力が約90ksi(620MPa)と102ksi(703MPa)の間であり、前記700℃伸び率が約15%と25%の間である請求項30に記載の合金。
【請求項32】
約0.02%から約0.3%のマンガン;
約0.05%から約0.3%のケイ素;
約0.005%から約0.2%のバナジウム;
約0.005%から約0.2%のジルコニウム;
約0.001%から約0.025%のホウ素;および
約0.001%から約0.02%の窒素
をさらに含む請求項1に記載の合金。
【発明の詳細な説明】
【関連適用への相互参照】
【0001】
本出願は、2021年1月13日に出願された米国特許出願第63/136,668号の優先権および利益を主張する。上記出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ニッケル基合金に関し、特に、高温で使用するための高強度で熱的に安定なニッケル基合金に関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションの記述は、本開示に関連する背景情報を提供するだけであり、先行技術を構成し得るものではない。
【0004】
高度な超々臨界(A-USC)ボイラーなどの過酷な環境で使用される合金は、加工性のために室温での延性と、使用中の815℃(1500°F)に近い温度での強度および耐酸化性の組み合わせを必要とする。したがって、従来の合金では、高温耐酸化性のためにニッケルとクロム、析出硬化による高温強度のためにチタン、アルミニウムおよびニオブ、室温および高温での合金使用後の延性のためにニッケルとコバルトの組み合わせが使用され、そして高温で合金を使用した後、合金の製造と修理が行われる。
【0005】
本開示は、A-USCボイラーに使用するための所望の強度および延性を有する合金の問題、および高温腐食環境で使用するニッケル基析出硬化性合金に関連する他の問題に取り組む。
【発明の概要】
【0006】
このセクションは、開示の一般的な概要を提供するものであり、その全範囲またはその特徴のすべてを包括的に開示するものではない。
【0007】
本開示の一形態において、合金は重量パーセントで(別段の記載がない限り、全体を通じて重量パーセントが使用される)、約1.3%から約1.8%のアルミニウム、約1.5%から約4.0%のコバルト、約18.0%から約22.0%のクロム、約4.0%から約10.0%の鉄、約1.0%から約3.0%のモリブデン、約1.0%から約2.5%のニオブ、約1.3%から約1.8%のチタン、約0.8%から約1.2%のタングステン、約0.01%から約0.08%の炭素、および残りニッケルと付随的不純物の組成を含む。いくつかの変形例において、合金は少なくとも300時間の700℃および393.7MPa(57.1ksi)での応力破断寿命、および700℃で1,000時間時効後、少なくとも15%の室温伸び率を有する。
【0008】
いくつかの変形例において、合金中のコバルト含有量は約2.0%から約3.0%である。少なくとも1つの変形例において、合金中のモリブデン含有量は約1.0%から約2.75%である。いくつかの変形例において、合金中のニオブ含有量は約1.0%から約1.75%である。
【0009】
少なくとも1つの変形例において、合金中のコバルト含有量は約2.0%から約3.0%であり、合金中のモリブデン含有量は約1.0%から約2.75%である。いくつかの変形例において、合金中のコバルト含有量は約2.0%から約3.0%であり、合金中のニオブ含有量は約1.0%から約1.75%である。
【0010】
少なくとも1つの変形例において、合金中のモリブデン含有量は約1.0%から約2.75%であり、合金中のニオブ含有量は約1.0%から約1.75%である。
【0011】
いくつかの変形例において、合金中のコバルト含有量は約2.0%から約3.0%、合金中のモリブデン含有量は約1.0%から約2.75%、合金中のニオブ含有量は約1.0%から約1.75である。
【0012】
少なくとも1つの変形例において、700℃で393.7MPa(57.1ksi)の合金の応力破断寿命は、少なくとも500時間である。
【0013】
いくつかの変形例において、合金の室温伸び率は、700℃で1000時間時効後、少なくとも20%である。少なくとも1つの変形例において、合金の室温伸び率は、700℃で1000時間時効後、少なくとも22%である。
【0014】
少なくとも1つの変形例において、合金は700℃で5000時間時効後、少なくとも15%の室温伸び率を有する。いくつかの変形例において、合金は700℃で5000時間時効後、少なくとも20%の室温伸び率を有する。
【0015】
いくつかの変形例において、合金は700℃で1000時間時効後、少なくとも12ft-lbの室温衝撃エネルギーを有する。少なくとも1つの変形例において、合金は700℃で1000時間時効後、少なくとも15ft-lbの室温衝撃エネルギーを有し、およびいくつかの変形例において、合金は700℃で1000時間時効後、少なくとも20ft-lbの室温衝撃エネルギーを有する。
【0016】
少なくとも1つの変形例において、合金は700℃で5000時間時効後、少なくとも10ft-lbの室温衝撃エネルギーを有する。いくつかの変形例において、合金は700℃で5000時間時効後、少なくとも12ft-lbの室温衝撃エネルギーを有し、および少なくとも1つの変形例において、合金は700℃で5000時間時効後、少なくとも15ft-lbの室温衝撃エネルギーを有する。
【0017】
いくつかの変形例において、合金は、合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷した後、約160ksi(1104MPa)と約175ksi(1207MPa)の間の室温(RT)極限引張強さ、約95ksi(655MPa)と115ksi(793MPa)の間のRT0.2%耐力、および約30%と45%の間のRT伸び率を有する。そして、少なくとも1つの変形例において、合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷した後のRT極限引張強さは約160ksi(1104MPa)と約170ksi(1172MPa)の間であり、RT0.2%耐力は約95ksi(655MPa)と110ksi(758MPa)の間であり、およびRT伸び率は約35%と45%の間である。
【0018】
いくつかの変形例において、合金は、合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、合金を700℃(1292°F)で1000時間時効、その後空冷した後、約175ksi(1207MPa)と約195ksi(1344MPa)の間の室温(RT)極限引張強さ、約105ksi(724MPa)と125ksi(861MPa)の間のRT0.2%耐力、および約15%と30%の間のRT伸び率を有する。そして、少なくとも1つの変形例において、合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、合金を700℃(1292°F)で1000時間時効、その後空冷した後のRT極限引張強さは約175ksi(1207MPa)と約185ksi(1275MPa)の間であり、RT0.2%耐力は約105ksi(724MPa)と120ksi(827MPa)の間であり、およびRT伸び率は約22%と30%の間である。
【0019】
いくつかの変形例において、合金は、合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、合金を700℃(1292°F)で5000時間時効、その後空冷した後、約170ksi(1172MPa)と約200ksi(1379MPa)の間のRT極限引張強さ、約100ksi(689MPa)と約120ksi(827MPa)の間のRT0.2%耐力、および約16%と30%の間のRT伸び率を有する。そして、少なくとも1つの変形例において、合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、合金を700℃(1292°F)で5000時間時効、その後空冷した後のRT極限引張強さは約175ksi(1207MPa)と約190ksi(1310MPa)の間であり、RT0.2%耐力は約105ksi(724MPa)と約115ksi(793MPa)の間であり、およびRT伸び率は約20%と30%の間である。
【0020】
いくつかの変形例において、合金は、合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷した後、約130ksi(896MPa)と約155ksi(1069MPa)の間の700℃極限引張強さ、約90ksi(620MPa)と約105ksi(724MPa)の間の700℃0.2%耐力、および約9%と25%の間の700℃伸び率を有する。そして、少なくとも1つの変形例において、合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷した後の700℃極限引張強さは約125ksi(861MPa)と約140ksi(965MPa)の間であり、700℃0.2%耐力は約90ksi(620MPa)と100ksi(689MPa)の間であり、および700℃伸び率は約14%と20%の間である。
【0021】
いくつかの変形例において、合金は、合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、合金を700℃(1292°F)で1000時間時効、その後空冷した後、約135ksi(931MPa)と約155ksi(1069MPa)の間の700℃極限引張強さ、約95ksi(655MPa)と約110ksi(758MPa)の間の700℃0.2%耐力、および約12%と30%の間の700℃伸び率を有する。そして、少なくとも1つの変形例において、合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、合金を700℃(1292°F)で1000時間時効、その後空冷した後の700℃極限引張強さは約135ksi(931MPa)と約150ksi(1034MPa)の間であり、700℃0.2%耐力は約95ksi(655MPa)と105ksi(724MPa)の間であり、および700℃伸び率は約15%と30%の間である。
【0022】
いくつかの変形例において、合金は、合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、合金を700℃(1292°F)で5000時間時効、その後空冷した後、約130ksi(896MPa)と約150ksi(1034MPa)の間の700℃極限引張強さ、約90ksi(620MPa)と約110ksi(758MPa)の間の700℃0.2%耐力、および約15%と28%の間の700℃伸び率を有する。そして、少なくとも1つの変形例において、合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、合金を700℃(1292°F)で5000時間時効、その後空冷した後の700℃極限引張強さは約130ksi(896MPa)と約145ksi(1034MPa)の間であり、700℃0.2%耐力は約90ksi(620MPa)と102ksi(703MPa)の間であり、および700℃伸び率は約15%と25%の間である。
【0023】
いくつかの変形例において、合金は重量パーセントで、約0.02%から約0.3%のマンガン、約0.05%から約0.3%のケイ素、約0.005%から約0.2%のバナジウム、約0.005%から約0.2%のジルコニウム、約0.001%から約0.025%のホウ素、および約0.001%から約0.02%の窒素を含む組成を有する。
【0024】
本開示の別の形態では、合金は、重量パーセントで、約1.3%から約1.8%のアルミニウム、約0.001%から約0.025%のホウ素、約0.01%から約0.05%の炭素、約2.0%から約3.0%のコバルト、約18.0%から約22.0%のクロム、約4.0%から約10.0%の鉄、約0.02%から約0.3%のマンガン、約1.0%から約3.0%のモリブデン、約1.0%から約2.5%のニオブ、約0.001%から約0.02%の窒素、約0.05%から約0.3%のケイ素、約1.3%から約1.8%のチタン、約0.8%から約1.2%のタングステン、約0.005%から約0.2%のバナジウム、約0.005%から約0.2%のジルコニウム、残りのニッケルと付随的不純物から本質的になる組成を有する。いくつかの変形例において、合金は、700℃で1,000時間時効後、700℃および393.7MPa(57.1ksi)で少なくとも300時間の応力破断寿命、少なくとも15%の室温伸び率を有する。
【0025】
さらなる応用分野は、本明細書に提供される説明から明らかになるであろう。説明および特定の例は、説明のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図していないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示を十分に理解できるように、添付の図面を参照しながら、例としてその様々な形態を説明する。
【0027】
図1図1は、本開示の教示による高強度、熱安定性ニッケル基合金の微細構造を示すSEM顕微鏡写真である。
【0028】
図2図2は、エネルギー分散分光法(EDS)によって分析された複数の位置を有する図1の顕微鏡写真の一部を高倍率で示す図である。
【0029】
図3図3は、図1および図2の微細構造の一部のEDS分析の結果を示す図である。
【0030】
本明細書に記載される図面は、例示のみを目的としており、いかなる形でも本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
発明の詳細な説明
【0031】
以下の説明は本質的に単なる例示であり、本開示、応用、または使用を限定することを意図するものではない。図面全体を通して対応する参照番号は、同様のまたは対応する部分および特徴を示すことを理解されたい。本出願における組成値は、特に明記しない限り、重量パーセント(以下「重量%」または単に「%」)で表されることを理解すべきである。
【0032】
表1を参照すると、市販の合金の18の実験ヒート(ヒート1-18)および1つのヒート(ヒート19)の組成が示されている。市販の合金ヒートは、インコネル(登録商標)のニッケルクロムブランド合金、より具体的には740H(登録商標)(以下「合金740H」と称す)である。表2を参照すると、3つの追加の実験ヒート(ヒート20-22)が示されている。
【0033】
実験合金には、様々な範囲の炭素(C)、鉄(Fe)、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、およびタングステン(W)を含む。さらに、少量(すなわち、約0.10重量%未満)のマンガン(Mn)、硫黄(S)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、リン(P)、ホウ素(B)、バナジウム(V))およびジルコニウム(Zr)は、以下でより詳細に説明するように、不純物、微量元素、脱酸元素、および/または粒界強化添加物として含まれる。さらに、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、およびセシウム、ランタン、イットリウムのような希土類金属が、脱硫および脱酸特性を有する微量元素として存在してもよい。
【表1】

【表2】
【0034】
炭素(C)は、加工中の粒成長を制御し、クリープ強度を高めるために添加される。過剰量の粒界炭化物は、本開示における合金の延性を損なう可能性がある。また、ニオブおよびチタンとともに形成される一次MC型の炭化物は、多量のストリンガーを形成する可能性があり、形成される可能性があるガンマプライム強化相の量にも影響を与える。したがって、Cの量は約0.005%と約0.1%の間である。いくつかの変形例において、合金中のCの量は約0.0075%と約0.075%の間、例えば約0.01%と約0.075%の間である。少なくとも1つの変形例において、合金中のCの量は約0.01%と約0.05%との間である。
【0035】
マンガン(Mn)は、脱酸剤として添加される。しかしながら、過剰量のMnは、本開示の合金の熱安定性および延性を損なう可能性がある。したがって、Mnの量は約0.05%と約0.3%の間である。いくつかの変形例において、合金中のMnの量は約0.075%と約0.25%の間、例えば約0.075%と約0.2%の間である。少なくとも1つの変形例において、合金中のMnの量は約0.09%と約0.15%の間である。
【0036】
鉄(Fe)は、合金の製造コストを削減するために添加される。しかしながら、過剰なFeの添加は、本開示の合金の熱安定性および延性を損なう可能性がある。したがって、Feの量は約3.0%から約15.0%の間である。いくつかの変形例において、合金中のFeの量は約4.0%と約12.5%の間、例えば約4.0%と約10.0%の間である。少なくとも1つの変形例において、合金中のFeの量は約4.0と約9.0%の間、例えば約5.0と約10.0%の間である。
【0037】
ケイ素(Si)は、Mnと同様に脱酸剤として添加される。しかしながら、過剰量のSiは、本開示の合金の溶接性、熱安定性および延性を損なう可能性がある。したがって、Siの量は約0.05%から約0.3%の間である。いくつかの変形例において、合金中のSiの量は約0.075%と約0.25%の間、例えば約0.1%と約0.2%の間である。少なくとも1つの変形例において、合金中のSiの量は約0.11%と約0.18%との間である。
【0038】
ニッケル(Ni)は、冶金的安定性、高温耐食性および溶接性を改善する。また、ニッケルは、ガンマプライム強化相の形成のために提供される。
【0039】
クロム(Cr)は、高温耐食性を強化すために添加される。しかしながら、過剰なCrの添加は、高温強度を損ない、本開示の合金における有害なシグマ相の形成を促進する可能性がある。したがって、Crの量は約17.0%と約23.0%との間である。いくつかの変形例において、合金中のCrの量は約18.0%と約22.0%の間、例えば約19.0%と約21.0%の間である。
【0040】
アルミニウム(Al)は、NiAlガンマプライム相を形成するために添加される。しかしながら、過剰なAl添加は本開示の合金の熱間成形性を損なう可能性がある。したがって、Alの量は約1.0%から約2.5%の間である。いくつかの変形例において、合金中のAlの量は約1.1%と約2.0%の間、例えば約1.3%と約1.9%の間である。少なくとも1つの変形例において、合金中のAlの量は約1.2%と約1.8%の間、例えば約1.3%と約1.9%の間である。
【0041】
チタン(Ti)もガンマプライム相を形成するために添加され、Alの代替となり得る。 しかしながら、過剰なTiの添加は本開示の合金の熱間成形性を損なう可能性がある。したがって、Tiの量は約1.0%と約2.5%の間である。いくつかの変形例において、合金中のTiの量は約1.1%と約2.0%の間、例えば約1.3%と約1.9%の間である。少なくとも1つの変形例において、合金中のTiの量は約1.2と約1.8%の間、例えば約1.3と約1.9%の間である。
【0042】
コバルト(Co)は、高温強度を増進し、破断延性の向上と相関する。しかしながら、過剰なCoの添加は、本開示の合金のコストを増加させる。したがって、Coの量は約1.0%と約3.0%の間である。いくつかの変形例において、合金中のCoの量は約1.5%と約3.0%の間、例えば約1.6%と約3.0%の間である。少なくとも1つの変形例において、合金中のCoの量は約1.7%と約3.0%の間、例えば約1.8%と約3.0%の間である。
【0043】
モリブデン(Mo)は固溶体強化効果をもたらし、それにより高温での破断強度を増進する。しかしながら、過剰なMo添加は、高温に長期間さらされた後、本開示の合金の延性を損なう可能性があるトポロジー的最密充填(TCP)相の形成をもたらす可能性がある。したがって、Moの量は約0.8%と約3.5%の間である。いくつかの変形例において、合金中のMoの量は約1.0%と約3.0%の間、例えば約1.0%と約2.9%の間である。少なくとも1つの変形例において、合金中のMoの量は約1.0%と約2.8%の間、例えば約1.0%と約2.7%の間である。
【0044】
ニオブ(Nb)は、固溶体強化のために添加され、ガンマプライム相においてAlを置換することができる。しかしながら、過剰なNb添加は、高温に長期間さらされた後の本開示の合金の熱間成形性、延性および衝撃強度を損なう可能性がある。したがって、Nbの量は約1.0%から約3.0%の間である。いくつかの変形例において、合金中のNbの量は約1.0%から約2.8%の間、例えば約1.0%から約2.7%の間である。少なくとも1つの変形例において、合金中のNbの量は約1.0%と約2.6%の間、例えば約1.2%と約2.7%の間である。本開示のいくつかの変形例において、タンタル(Ta)がNbの一部またはすべてを置き換えられることを理解すべきである。例えば、少なくとも1つの変形例において、Nbは1.0%未満であり、Taは1.0%まで添加される。
【0045】
ホウ素(B)およびジルコニウム(Zr)の添加は、粒界強化をもたらし、高温延性を改善する。しかしながら、過剰なBおよび/またはZrの添加は、本開示における合金の熱間成形性および溶接性を損なう可能性がある。したがって、Bの量は約0.001%と約0.025%の間である。いくつかの変形例において、合金中のBの量は約0.002%と約0.02%の間、例えば約0.003%と約0.015%の間である。少なくとも1つの変形例において、Bの量は約0.003%と約0.01%との間である。また、Zrの量は約0.001%から約0.05%の間である。いくつかの変形例において、合金中のZrの量は約0.005%と約0.04%の間、例えば約0.0075%と約0.03%の間である。少なくとも1つの変形例において、Zrの量は約0.01%と約0.02%との間である。
【0046】
Moと同様に、タングステン(W)は固溶強化効果をもたらし、それによって高温破断強度を増進する。しかしながら、過剰なWの添加は、高温に長期間さらされた後に本開示の合金を損なう可能性があるTCP(トポロジー的最密充填)相の形成をもたらす可能性がある。したがって、Wの量は約0.75%と約2.0%の間である。いくつかの変形例において、合金中のWの量は約0.8%と約1.5%の間、例えば約0.9%と約1.3%の間である。少なくとも1つの変形例において、合金中のWの量は約0.9%と約1.2%の間、例えば約0.8%と約1.2%の間である。
【0047】
本明細書で論じられる元素範囲には、最小合金元素組成値と最大合金元素組成値との間のすべての増分値を含むことも理解されるべきである。すなわち、最小合金元素組成値は、最小値から最大値までの範囲となり得る。同様に、最大合金元素組成値は、示された最大値から議論された最小値までの範囲となり得る。例えば、最小Ti含有量は1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、およびこれらの増分値の間の任意の値にすることができ、および最大Ti含有量は、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2.0、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.0、およびこれらの増分値の間の任意の値にすることができます。
【0048】
さらに表1および表2を参照すると、ヒート2、5、6、7、10、12、および20-22は、本開示の教示による組成物の例である。特に、ヒート2、5、6、7、10、12、および20-22は、本開示の教示の範囲内の化学組成を有する。さらに、ヒート2、5、6、7、10、12、および20-22は、コスト、機械的強度、延性、熱安定性、および/または高温腐食に関して少なくとも1つの望ましい特性を有する。
【0049】
本開示のいくつかの変形例において、本開示の教示による合金は、以下でより詳細に説明するように、コスト、機械的強度、延性、および/または高温腐食に関して所望の特性の組み合わせを有する。
【0050】
実験合金のヒートは、真空誘導溶解(VIM)炉で溶解し、直径4インチ(10.2cm)の鋳型に鋳造して50ポンド(22.7kg)のインゴットを形成した。インゴットは、2200°F(1204℃)で16時間加熱され、その後初期熱間圧延のために温度が2100°F(1149℃)に下げられ、厚さ0.5インチ(1.27cm)の熱間圧延板が製造されるまで追加の熱間圧延を行うために2075°F(1135℃)で再加熱された。厚さ0.5インチ(1.27cm)の熱間圧延プレートを2000°F(1093℃)で1時間「溶体化焼きなまし(solution annealed)」し、その後水冷し、それから1450°F(788℃)で4時間「時効」した。この「溶体化焼きなまし+時効」の条件で検査したすべての実験ヒ-ト試料は、ASTM♯2-4の粒径を有していた。
【0051】
市販の合金ヒート(すなわち、ヒート19)は、最初に1.5インチ(3.8cm)の市販プレートから2100°F(1149℃)で熱間圧延され、材料を0.5インチ(1.27cm)厚さの熱間圧延プレートに加工する際に2075°F(1135℃)で再加熱された。ヒート19の厚さ0.5インチ(1.27cm)の熱間圧延プレートを2025°F(1107℃)で1時間溶体化焼きなまし、その後水冷し、1472°F(800℃)で4時間時効し、その後空冷した。この溶体化焼きなまし+時効の条件で検査したすべての市販合金ヒート試料も、ASTM♯2-4の粒径を有していた。
【0052】
前記溶体化焼きなまし+時効条件で提供された(および試験された)表1および表2に示すヒート試料に加えて、いくつかの溶体化焼きなまし+時効試料は、700℃(1292°F)で1,000時間の追加時効(「700℃/1,000時間/AC」)にさらされ、その後空冷または700℃(1292°F)で5.0時間の追加時効に供された。したがって、試料は、溶体化焼きなまし+時効条件、溶体化焼きなまし+時効+700℃/1,000時間/AC条件(本明細書では単に「700℃/1,000時間/AC条件」または「700℃/1,000時間/AC試料」とも呼ばれる)、および溶体化焼きなまし+時効+700℃/5,000時間/AC条件(本明細書では単に「700℃/5,000時間/AC条件」または「700℃/5,000時間/AC試料」とも呼ばれる)。
【0053】
表3および表4を参照すると、溶体化焼きなまし+時効条件で試験した試料の室温(RT)引張データが示されている。
【表3】

【表4】
【0054】
表3および表4に示すように、本開示の教示内の組成を有するヒート(すなわち、ヒート2、5、6、7、10、12、および20-21)は、1108.7メガパスカル(MPa)(160.8キロポンド/平方インチ(ksi))の最小RT極限引張強さ(UTS)、680.5MPa(98.7ksi)の最小RT0.2%耐力(YS)、35%の最小RT伸び率、および37%の最小RT断面減少(ROA)率を有する。すなわち、いくつかの変形例において、溶体化焼きなまし+時効条件における本開示の教示内の組成を有する合金は、1108.7MPa(160.8ksi)の最小RT UTS、680.5MPa(98.7ksi)の最小RT YS、35%の最小RT伸び率、および37%の最小RT ROAを有する。これに対し、溶体化焼きなまし+時効条件におけるヒート9は、31%のRT伸び率、28%のRT ROAを有し、溶体化焼きなまし+時効条件におけるヒート11は、33%のRT伸び率を有し、溶体化焼きなまし+時効条件におけるヒート13は、34%のRT伸び率を有し、および溶体化焼きなまし+時効条件におけるヒート17は、33%のRT伸び率を有する。
【0055】
さらに、市販合金ヒート19は、1154.9MPa(167.5ksi)のRT UTS、714.3MPa(103.6ksi)のRT0.2%YS、37%のRT伸び率、および45%のRT ROA率を有する。したがって、溶体化焼きなまし+時効条件における本開示の教示範囲内の組成を有する合金は、合金740HのRT UTSの約0.96に等しいRT UTS、合金740HのRT YSの約0.95に等しいRT YS、合金740HのRT伸び率の約0.95に等しいRT伸び率、および合金740HのRT ROAの約0.82に等しいRT ROAを有する。また、本開示の教示の範囲内の組成を有する合金は、合金740HのCo含有量のわずか約0.125であるCo含有量を有する。
【0056】
以下の表5および表6を参照すると、700℃/1,000時間/AC条件で試験された試料のRT引張データが示されている。
【表5】

【表6】
【0057】
表5および6に示すように、ヒート2、5、6、7、10、12、および20-21は、1211.5MPa(175.7ksi)の最小RT UTS、746MPa(108.2ksi)の最小RT YS、19%の最小RT伸び率、および20%の最小RT ROAを有する。すなわち、いくつかの変形例において、700℃/1,000時間/AC条件における本開示の教示内の組成を有する合金は、1211.5MPa(175.7ksi)の最小RT UTS、746MPa(108.2ksi)の最小RT YS、19%の最小RT伸び率、および19%の最小RT ROAを有する。これに対し、700℃/1,000時間/AC条件におけるヒート16および18は、19%未満のRT伸び率を有し、700℃/1,000時間/AC条件におけるヒート16,17および18は20%未満のRT ROAを有する。さらに、700℃/1,000時間/AC条件における市販合金ヒート19は、1249.4MPa(181.2ksi)のRT UTS、810.9MPa(117.6ksi)のRT0.2%YS、26%のRT伸び率、および29%のRT ROA率を有する。したがって、700℃/1,000時間/AC条件における本開示の教示内の組成を有する合金は、合金740HのRT UTSの約0.97に等しいRT UTS、合金740HのRT YSの約0.92に等しいRT YS、合金740HのRT伸び率の約0.73に等しいRT伸び率、および合金740HのRT ROAの約0.69に等しいRT ROAを有する。
【0058】
表7および8を参照すると、700℃/5000時間/AC条件における試料のRT引張データが示されている。
【表7】

【表8】
【0059】
表7および表8に示すように、ヒート2、5、6、10、12、および20-22(ヒート7は試験されていない)は、1235.6MPa(179.2ksi)の最小RT UTS、730.9MPa(106.0ksi)の最小RT YS、17%の最小RT伸び率、および18%の最小RT ROAを有する。すなわち、いくつかの変形例において、700℃/5,000時間/AC条件における本開示の教示内の組成を有する合金は、1235.6MPa(179.2ksi)の最小RT UTS、730.9MPa(106ksi)の最小RT YS、17%の最小RT伸び率、および18%の最小RT ROAを有する。さらに、700℃/5,000時間/AC条件における市販合金ヒート19は、1266.6MPa(183.7ksi)のRT UTS、759.1MPa(110.1ksi)のRT0.2%YS、26%のRT伸び率、および30%のRT ROA率を有する。したがって、700℃/5,000時間/AC条件における本開示の教示内の組成を有する合金は、合金740HのRT UTSの約0.98に等しいRT UTS、合金740HのRT YSの約0.96に等しいRT YS、合金740HのRT伸び率の約0.65に等しいRT伸び率、および合金740HのRT ROAの約0.60に等しいRT ROAを有する。
【0060】
表9および表10を参照すると、溶体化焼きなまし+時効条件の試料の700℃(1292°F)引張データが示されている。
【表9】

【表10】
【0061】
表9および表10に示すように、溶体化焼きなまし+時効条件における本開示の教示の範囲内の組成を持つヒート(すなわち、ヒート2、5、6、7、10、12、および20-21)は、909.5MPa(131.9ksi)の最小700℃UTS、651.6MPa(94.5ksi)の最小700℃YS、16.7%の最小700℃伸び率、および19.5%の最小700℃面積減少 (ROA) 率を有する。すなわち、本開示のいくつかの変形例において、溶体化焼きなまし+時効条件における本開示の教示の範囲内の組成を持つ合金は、909.5MPa(131.9ksi)の最小700℃UTS、651.6MPa(94.5ksi)の最小700℃YS、16.7%の最小700℃伸び率、および19.5%の最小700℃ROAを有する。これに対し、溶体化焼きなまし+時効条件におけるヒート1は、11.3%の700℃伸び率および15.3%の700℃ROAを有し、溶体化焼きなまし+時効条件におけるヒート3は、15.2%の700℃伸び率および16.4%の700℃ROAを有し、溶体化焼きなまし+時効条件におけるヒート11は、9.5%の700℃伸び率および700℃ROAを有し、溶体化焼きなまし+時効条件におけるヒート13は、15.0%の700℃伸び率および16.5%の700℃ROAを有し、溶体化焼きなまし+時効条件におけるヒート17は、平均14.7%(2つの試料)の700℃伸び率および19.0%の700℃ROAを有し、溶体化焼きなまし+時効条件におけるヒート18は、平均15.0%(2つの試料)の700℃伸び率および18.3%の700℃ROAを有する。
【0062】
さらに、溶体化焼きなまし+時効条件における市販合金ヒート19は、960.5MPa(139.3ksi)の700℃UTS、630.2MPa(91.4ksi)の700℃0.2%YS、29.5%の700℃伸び率、および30%の700℃ROA率を有する。したがって、溶体化焼きなまし+時効条件における本開示の教示範囲内の組成を有する合金は、合金740Hの700℃UTSの約0.95に等しい700℃UTS、合金740Hの700℃YSの約1.0に等しい700℃YS、合金740Hの700℃伸び率の約0.57に等しい700℃伸び率、および合金740Hの700℃ROAの約0.65に等しい700℃ROAを有する。
【0063】
表11および表12を参照すると、700℃/1,000時間/AC条件における試料の700℃(1292°F)引張データが示されている。
【表11】

【表12】
【0064】
表11および表12に示すように、700℃/1,000時間/AC条件におけるヒート2、5、6、10、12、および20-21(ヒート7は試験せず)は、983.9MPa(142.7ksi)の最小700℃UTS、681.2MPa(98.8ksi)の最小700℃YS)、20.5%の最小700℃伸び率、および22.0%の最小700℃ROAを有する。すなわち、本開示のいくつかの変形例において、700℃/1,000時間/AC条件における本開示の教示内の組成を有する合金は、983.9MPa(142.7ksi)の最小700℃UTS、681.2MPa(98.8ksi)の最小700℃YS、20.5%の最小700℃伸び率、および22.0%の最小700℃ROAを有する。これに対し、700℃/1,000時間/AC条件におけるヒート11は、15.0%の700℃伸び率および16.5%の700℃ROAを有する。さらに、700℃/1,000時間/AC条件における市販合金ヒート19は、987.4MPa(143.2ksi)の700℃UTS、686.7MPa(99.6ksi)の700℃0.2%YS、25.5%の700℃伸び率、および31%の700℃ROA率を有する。したがって、700℃/1,000時間/AC条件における本開示の教示内の組成を有する合金は、合金740Hの700℃UTSの約1.0に等しい700℃UTS、合金740Hの700℃YSの約1.0に等しい700℃YS、合金740Hの700℃伸び率の約0.80に等しい700℃伸び率、および合金740Hの700℃ROAの約0.71に等しい700℃ROAを有する。
【0065】
表13および14を参照すると、700℃/5,000時間/AC条件における試料の700℃(1292°F)引張データが示されている。
【表13】

【表14】
【0066】
表13および14に示すように、700℃/5,000時間/AC条件におけるヒート2、5、6、10、12、および20-22(ヒート7は試験せず)は、940.5MPa(136.4ksi)の最小700℃UTS、667.4MPa(96.8ksi)の最小700℃YS、20.0%の最小700℃伸び率、および26.0%の最小700℃ROAを有する。すなわち、本開示のいくつかの変形例において、700℃/5,000時間/AC条件における本開示の教示内の組成を持つ合金は、940.5MPa(136.4ksi)の最小700℃UTS、667.4MPa(96.8ksi)の最小700℃YS、20.0%の最小700℃伸び率、および26.0%の最小700℃のROAを有する。これに対し、700℃/5,000時間/AC条件におけるヒート11は、18.0%の700℃伸び率、および22.5%の700℃ROAを有する。
【0067】
さらに、700℃/5,000時間/AC条件における市販合金ヒート19は、948.8MPa(137.6ksi)の700℃UTS、686.1MPa(99.5ksi)の700℃0.2%YS、26.5%の700℃伸び率、および37.5%の700℃ROA率を有する。したがって、700℃/5,000時間/AC条件における本開示の教示内の組成を持つ合金は、合金740Hの700℃UTSの約0.99に等しい700℃UTS、合金740Hの700℃YSの約0.97に等しい700℃YS、合金740Hの700℃伸び率の約0.76に等しい700℃伸び率、合金740Hの700℃ROAの約0.69に等しい700℃ROAを有する。
【0068】
表15を参照すると、溶体化焼きなまし+時効条件における試料のRT衝撃試験データが示されている。
【表15】
【0069】
表15に示すように、溶体化焼きなまし+時効条件における本開示の教示内の組成を持つヒート(すなわち、ヒート2、5、6、7、10、および12)は、87.0J/cm(51.3Ft.lb)の最小RT衝撃エネルギーを有する。すなわち、本開示のいくつかの変形例において、溶体化焼きなまし+時効条件における本開示の教示内の組成を持つ合金は、87.0J/cm(51.3Ft.lb)の最小RT衝撃エネルギーを有する。これに対し、溶体化焼きなまし+時効条件におけるヒート1は、80.9J/cm(47.7ft.lb)のRT衝撃エネルギーを有し、溶体化焼きなまし+時効条件におけるヒート8は、77.6J/cm(45.8ft.lb)のRT衝撃エネルギーを有し、および溶体化焼きなまし+時効条件におけるヒート9は、76.8J/cm(45.3ft.lb)のRT衝撃エネルギーを有する。さらに、溶体化焼きなまし+時効条件における市販合金ヒート19は、114.7J/cm(67.7ft.lb)のRT衝撃エネルギーを有する。したがって、溶体化焼きなまし+時効条件における本開示の教示内の組成を持つ合金は、合金740HのRT衝撃エネルギーの約0.76に等しいRT衝撃エネルギーを有する。
【0070】
表16および17を参照すると、700℃/1000時間/AC条件における試料のRT衝撃試験データが示されている。
【表16】

【表17】
【0071】
表16および表17に示すように、700℃/1,000時間/AC条件における本開示の教示内の組成を持つヒート(すなわち、ヒート2、5、6、7、10、12、および20-22)は、23.7J/cm(14.0Ft.lb)の最小RT衝撃エネルギーを有する。すなわち、本開示のいくつかの変形例において、700℃/1,000時間/AC条件における本開示の教示内の組成を持つる合金は、23.7J/cm(14.0Ft.lb)の最小RT衝撃エネルギーを有する。これに対し、700℃/1,000時間/AC条件におけるヒート4は、23.2J/cm(13.7ft.lb)のRT衝撃エネルギーを有し、700℃/1,000時間/AC条件におけるヒート15は、17.3J/cm(10.2ft.lb)のRT衝撃エネルギーを有し、700℃/1,000時間/AC条件におけるヒート16は、15.7J/cm(9.3ft.lb)のRT衝撃エネルギーを有し、700℃/1,000時間/AC条件におけるヒート17は、13.4J/cm(7.9ft.lb)のRT衝撃エネルギーを有し、700℃/1,000時間/AC条件におけるヒート18は、12.3J/cm(7.2ft.lb)のRT衝撃エネルギーを有する。さらに、700℃/1,000時間/AC条件における市販合金ヒート19は、24.3J/cm(14.3ft.lb)のRT衝撃エネルギーを有する。したがって、溶体化焼きなまし+時効条件における本開示の教示範囲内の組成を持つ合金は、合金740Hの700℃のRT衝撃エネルギーの約0.98に等しいRT衝撃エネルギーを有する。
【0072】
表18を参照すると、700℃(1292°F)での応力破断データは、溶体化焼きなまし+時効条件における試料に対して示されている。表18に示すように、溶体化焼きなまし+時効条件におけるヒート2,5,6,10(ヒート7は試験せず)は、393.7MPa(57.1ksi)の応力下、700℃(1292°F)で1,396時間(h)の最小応力破断寿命を有する。これに対し、393.7MPa(57.1ksi)の荷重下、700℃(1292°F)で、溶体化焼きなまし+時効条件におけるヒート1,3,8,9,11,13および14は、それぞれ1197.5時間、1055時間、1124.5時間、1079時間、464時間、678時間、および692時間の応力破壊寿命を有する。
【表18】
【0073】
さらに、溶体化焼きなまし+時効条件における本開示の教示範囲内の組成を有する合金は、393.7MPa(57.1ksi)の応力下、合金740Hの700℃(1292°F)での最小応力破断寿命の約0.99(合金740Hに対する既知データの合成からの推定として)に等しい700℃(1292°F)での最小応力破断寿命を有する。
【0074】
表1-18に関して上で論じたように、本開示の教示は機械的特性と低Co含有量との所望の組み合わせを有するNi基合金を提供する。言い換えれば、本開示の教示は、合金740Hと同様の機械的特性を有するが、Coが大幅に少なく、従ってコストが削減されたNi基合金を提供する。特に、本開示の教示の範囲内の組成を持つ合金は、合金740HのRT UTSの少なくとも0.96のRT UTS、合金740HのRT YSの少なくとも0.92のRT YS、合金740HのRT伸び率の少なくとも0.65のRT伸び率、および合金740HのRT ROAの少なくとも0.60のRT ROAを有する。また、本開示の教示の範囲内の組成を持つ合金は、合金740Hの700℃UTSの少なくとも0.95の700℃UTS、合金740Hの700℃YSの少なくとも0.97の700℃YS、合金740Hの700℃の伸び率の少なくとも0.57の700℃の伸び率、および合金740Hの700℃ROAの少なくとも0.65の700℃ROAを有する。そして、本開示の教示の範囲内の組成を持つ合金は、合金740HのRT衝撃エネルギーの少なくとも0.76に等しいRT衝撃エネルギー、および合金740Hの700℃(1292°F)および393.7MPa(57.1ksi)での応力破断寿命の少なくとも0.99の700℃(1292°F)および393.7MPa(57.1ksi)での応力破断寿命を有する。したがって、USCおよびA-USCボイラー、および熱伝達媒体として超臨界CO(sCO)を使用する電力システムなどの環境または産業で使用するための、合金740Hと比較して低コスト、高温機械的特性および耐食性特性を備えた合金が提供され、この合金は、高温ファスナー、スプリングおよびバルブに使用することができる。さらに、高ニッケル含有量は良好な溶接性と加工性を有する合金を提供する。
【0075】
図1図2を参照すると、1つのヒートによる応力破壊試料のSEM(走査型電子顕微鏡)画像が示され、エネルギー分散分光法(EDS)の結果が図3に示されている。EDS分析に基づいて、2種類の析出物が同定された。第1に、Nb、Tiおよび炭化物の析出物が確認され、第2に、Cr、Moの析出物が確認された。示されるように、本開示による合金の粒界は明確に定義されており、本開示のいくつかの形態では、粒径はASTM#2-4であり、平均粒径は約100μmである。SEMよびX線回折分析により、主に粒内にあるMC型炭窒化物(Nb、Tiに富んだ)を伴う粒界上の主にクロムに富んだ炭化物(M23C6)を示した。
【0076】
本明細書で明示的に示されていない限り、機械的/熱的特性、組成百分率、寸法および/または公差、または他の特性を示すすべての数値は、本開示の範囲を説明する際に「約」または「およそ」という言葉によって修飾されるものとして理解されるべきである。この変更は、工業慣行、材料、製造、組立の許容誤差、試験能力を含むさまざまな理由から望まれている。
【0077】
本明細書で使用される場合、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」という語句は、非排他的論理和を使用した論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0078】
本開示の説明は本質的に単に例示的なものであり、したがって、本開示の要旨から逸脱しない変形は本開示の範囲内にあることが意図される。そのような変形は、本開示の精神および範囲から逸脱するとみなされるべきではない。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-11-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量パーセントで、
約1.3%から約1.8%のアルミニウム;
約1.5%から約4.0%のコバルト;
約18.0%から約22.0%のクロム;
約4.0%から約10.0%の鉄;
約1.0%から約3.0%のモリブデン;
約1.0%から約2.5%のニオブ;
約1.3%から約1.8%のチタン;
約0.8%から約1.2%のタングステン;
約0.01%から約0.08%の炭素;および
残りニッケルと付随的不純物;
を含む組成を含み;
700℃および393.7MPa(57.1ksi)での応力破断寿命が少なくとも300時間;および
室温伸び率が700℃で1,000時間時効後、少なくとも19%である合金。
【請求項2】
前記コバルトが約2.0%から約3.0%である請求項1に記載の合金。
【請求項3】
前記モリブデンが約1.0%から約2.75%である請求項1に記載の合金。
【請求項4】
前記ニオブが約1.0%から約1.75%である請求項1に記載の合金。
【請求項5】
前記コバルトが約2.0%から約3.0%であり、前記モリブデンが約1.0%から約2.75%である請求項1に記載の合金。
【請求項6】
前記コバルトが約2.0%から3.0%であり、前記ニオブが約1.0%から約1.75%である請求項1に記載の合金。
【請求項7】
前記モリブデンが約1.0%から約2.75%であり、前記ニオブが約1.0%から約1.75%である請求項1に記載の合金。
【請求項8】
前記コバルトが約2.0%から約3.0%であり、前記モリブデンが約1.0%から約2.75%であり、前記ニオブが約1.0%から約1.75%である請求項1に記載の合金。
【請求項9】
700℃および393.7MPa(57.1ksi)での応力破断寿命は、少なくとも500時間である請求項1に記載の合金。
【請求項10】
前記室温伸び率は、700℃で1000時間時効後、少なくとも20%である請求項1に記載の合金。
【請求項11】
前記室温伸び率は、700℃で1000時間時効後、少なくとも22%である請求項1に記載の合金。
【請求項12】
700℃で5000時間時効後、少なくとも17%の室温伸び率をさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項13】
前記室温伸び率は、700℃で5000時間時効後、少なくとも20%である請求項1に記載の合金。
【請求項14】
700℃で1000時間時効時に少なくとも12ft-lbの室温衝撃エネルギーをさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項15】
前記室温衝撃エネルギーは、700℃で1000時間時効時に少なくとも15ft-lbである請求項14に記載の合金。
【請求項16】
前記室温衝撃エネルギーは、700℃で1000時間時効時に少なくとも20ft-lbである請求項15に記載の合金。
【請求項17】
700℃で5000時間時効時に少なくとも10ft-lbの室温衝撃エネルギーをさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項18】
前記合金の室温衝撃エネルギーは、700℃で5000時間時効時に少なくとも12ft-lbである請求項1に記載の合金。
【請求項19】
前記合金の室温衝撃エネルギーは、700℃で5000時間時効時に少なくとも15ft-lbである請求項1に記載の合金。
【請求項20】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷した後、約160ksi(1104MPa)と約175ksi(1207MPa)の間の室温(RT)極限引張強さ、約95ksi(655MPa)と115ksi(793MPa)の間のRT0.2%耐力、および約30%と45%の間のRT伸び率をさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項21】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷した後の前記RT極限引張強さが約160ksi(1104MPa)から約170ksi(1172MPa)の間であり、前記RT0.2%耐力が約95ksi(655MPa)から110ksi(758MPa)の間であり、前記RT伸び率が約35%から45%である請求項20に記載の合金。
【請求項22】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、前記合金を700℃(1292°F)で1000時間時効、その後空冷した後、約175ksi(1207MPa)と約195ksi(1344MPa)の間の室温(RT)極限引張強さ、約105ksi(724MPa)と約125ksi(861MPa)の間のRT0.2%耐力、および約15%と30%の間のRT伸び率をさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項23】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、前記合金を700℃(1292°F)で1000時間時効、その後空冷した後の前記RT極限引張強さが約175ksi(1207MPa)と約185ksi(1275MPa)の間であり、前記RT0.2%耐力が約105ksi(724MPa)と120ksi(827MPa)の間であり、前記RT伸び率が約22%と30%の間である請求項22に記載の合金。
【請求項24】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、前記合金を700℃(1292°F)で5000時間時効、その後空冷した後、約170ksi(1172MPa)と約200ksi(1379MPa)の間の室温(RT)極限引張強さ、約100ksi(689MPa)と約120ksi(827MPa)の間のRT0.2%耐力、および約16%と30%の間のRT伸び率をさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項25】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、前記合金を700℃(1292°F)で5000時間時効、その後空冷した後の前記RT極限引張強さが約175ksi(1207MPa)と約190ksi(1310MPa)の間であり、前記RT0.2%耐力が約105ksi(724MPa)と約115ksi(793MPa)の間であり、前記RT伸び率が約20%と30%の間である請求項24に記載の合金。
【請求項26】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷した後、約130ksi(896MPa)と約155ksi(1069MPa)の間の700℃極限引張強さ、約90ksi(620MPa)と約105ksi(724MPa)の間の700℃0.2%耐力、および約9%と25%の間の700℃伸び率をさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項27】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷した後の前記700℃極限引張強さが約125ksi(861MPa)と約140ksi(965MPa)の間であり、前記700℃0.2%耐力が約90ksi(620MPa)と100ksi(689MPa)の間であり、前記700℃伸び率が約14%と20%の間である請求項26に記載の合金。
【請求項28】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、前記合金を700℃(1292°F)で1000時間時効、その後空冷した後、約135ksi(931MPa)と約155ksi(1069MPa)の間の700℃極限引張強さ、約95ksi(655MPa)と約110ksi(758MPa)の間の700℃0.2%耐力、および約12%と30%の間の700℃伸び率をさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項29】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、前記合金を700℃(1292°F)で1000時間時効、その後空冷した後の前記700℃極限引張強さが約135ksi(931MPa)と約150ksi(1034MPa)の間であり、前記700℃0.2%耐力が約95ksi(655MPa)と105ksi(724MPa)の間であり、前記700℃伸び率が約15%と3%の間である請求項28に記載の合金。
【請求項30】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、前記合金を700℃(1292°F)で5000時間時効、その後空冷した後、約130ksi(896MPa)と約150ksi(1034MPa)の間の700℃極限引張強さ、約90ksi(620MPa)と約110ksi(758MPa)の間の700℃0.2%耐力、および約15%と28%の間の700℃伸び率をさらに含む請求項1に記載の合金。
【請求項31】
前記合金を788℃(1450°F)で4時間焼きなまし、その後空冷し、前記合金を700℃(1292°F)で5000時間時効、その後空冷した後の前記700℃極限引張強さが約130ksi(896MPa)と約145ksi(1000MPa)の間であり、前記700℃0.2%耐力が約90ksi(620MPa)と102ksi(703MPa)の間であり、前記700℃伸び率が約15%と25%の間である請求項30に記載の合金。
【請求項32】
約0.02%から約0.3%のマンガン;
約0.05%から約0.3%のケイ素;
約0.005%から約0.2%のバナジウム;
約0.005%から約0.2%のジルコニウム;
約0.001%から約0.025%のホウ素;および
約0.001%から約0.02%の窒素
をさらに含む請求項1に記載の合金。
【国際調査報告】