(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】磁気特性が向上したCoZrTa(X)スパッタリングターゲット
(51)【国際特許分類】
C23C 14/34 20060101AFI20231226BHJP
C22C 19/07 20060101ALI20231226BHJP
C22F 1/10 20060101ALI20231226BHJP
C22F 1/00 20060101ALN20231226BHJP
【FI】
C23C14/34 A
C22C19/07 C
C22F1/10 B
C23C14/34 P
C22F1/00 660Z
C22F1/00 683
C22F1/00 684
C22F1/00 691B
C22F1/00 691C
C22F1/00 692A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557489
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-08-03
(86)【国際出願番号】 EP2021083887
(87)【国際公開番号】W WO2022122525
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523211235
【氏名又は名称】マテリオン・アドバンスト・マテリアルズ・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Materion Advanced Materials Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【氏名又は名称】森住 憲一
(72)【発明者】
【氏名】コニエツカ,ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】シュロット,マルティン
【テーマコード(参考)】
4K029
【Fターム(参考)】
4K029CA05
4K029DC04
4K029DC08
4K029DC39
(57)【要約】
本発明は、Co、Zr、Ta、および場合により、Mo、Pd、Ni、Ti、V、W、およびBの群からの1つまたは複数のさらなる元素Xからなる合金からなるスパッタリングターゲットであって、最大透磁率μ
maxが60以下であることを特徴とする、および/または最大漏れ磁束密度(PTF)変動(F
Max-F
Min)/F
Averageが0.2以下、好ましくは0.15以下、最も好ましくは0.10以下であることを特徴とする、スパッタリングターゲットに関する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Co、Zr、Ta、および場合によりMo、Pd、Ni、Ti、V、WおよびBの群からの1つまたは複数のさらなる元素Xからなる合金からなるスパッタリングターゲットであって、ターゲットの最大透磁率(a maximum magnetic permeability)μ
maxが60以下であることを特徴とする、および/またはターゲットの最大漏れ磁束密度(a maximum pass through flux)(PTF)変動(F
Max-F
Min)/F
Averageが0.2以下、好ましくは0.15以下、最も好ましくは0.10以下であることを特徴とする、スパッタリングターゲット。
【請求項2】
Taが2~8at.%の量で合金中に存在する、請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項3】
Zrが2~8at.%の量で存在する、請求項1または2に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項4】
Mo、Pd、Ni、Ti、V、WおよびBの群からの1つまたは複数のさらなる元素Xが、総量で最大7at.%で合金中に存在する、請求項1~3のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
【請求項5】
前記ターゲットは50、好ましくは40以下の最大透磁率μ
maxを有する、請求項1~4のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
【請求項6】
厚さ8mmの試験片の中心においてASTM F2086-01に従って測定した、ターゲットの漏れ磁束密度(magnetic pass through flux)(PTF)は20%以上である、請求項1~5のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
【請求項7】
Co、Zr、Ta、および場合によりMo、Pd、Ni、Ti、V、WおよびBの群からの1つまたは複数のさらなる元素Xからなる合金からなるスパッタリングターゲットを製造する方法であって、前記方法は合金を700~1000℃、好ましくは800~900℃の範囲の温度に加熱することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記合金を10~60時間、好ましくは12~48時間加熱する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1~6のいずれかに記載のスパッタリングターゲット、または請求項7もしくは8に従って製造されたスパッタリングターゲットを使用する、マグネトロンスパッタリングプロセス。
【請求項10】
請求項1~6のいずれかに記載のスパッタリングターゲット、または請求項7もしくは8に従って製造されたスパッタリングターゲットの、マグネトロンスパッタリングのための使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネトロンカソードを用いたスパッタリング用のターゲットに関するものであり、前記ターゲットは、Zr、Ta、および場合によりPt、Pd、Ni、Ti、V、WおよびBの元素のうちの少なくとも1つを含む添加剤を含むCo合金をベースとする。
【背景技術】
【0002】
マグネトロンカソードスパッタリングのプロセスでは、スパッタリングプロセスを最適化するためにターゲット(カソード)の後ろに永久磁石が設置される。これらの磁石は、ターゲットの前方、つまり放電空間内に磁場が形成されるように配置される。この磁場は、放電プラズマを局在化する効果がある。プラズマが局在しているターゲット表面の領域は、より活発なスパッタリングを受け、その結果、そこに浸食溝(またはレーストラック)が形成される。
【0003】
CoZrTa(X)合金などの強磁性ターゲットの場合、この状況で発生する主な問題が2つある。
【0004】
第一に、永久磁石の磁束がターゲット内に集中するため、放電空間には少量の磁束しか侵入できない。したがって、この問題には、非常に薄い強磁性ターゲット、または非常に強力な磁石セットの使用が必要である。
【0005】
第二に、強磁性ターゲットを使用してカソードスパッタリングを実行するときに生じるターゲット(浸食溝)の断面における局所的な減少は、浸食溝の真上の磁束を増加させる効果がある。その結果、スパッタリングガスのイオン化が局所的に増加し、スパッタリング速度も局所的に増加する。したがって、スパッタリングが進行するにつれて浸食溝はますます狭くなり、これはターゲット材料の利用率が非常に低くなることに関連している。
【0006】
さらに、ターゲット材料の利用ができるだけ均質になり、堆積膜の厚さができるだけ均一になるように、ターゲットの異なる点で測定される漏れ磁束密度(magnetic pass through flux)の変動はできる限り低くすべきである。
【0007】
複雑なターゲット設計により、改善された磁場形状とより高い磁場侵入を実現できる。磁場の方向に対して垂直なスロットをターゲットに設けることにより、ターゲット内の磁気抵抗が増加し、放電空間により大きな磁場が生まれる(K. Nakamura et al: IEEE Transactions on Magnetics, Vol. MAG-18, pp. 1,080-1,082, 1982)。
【0008】
Kukla et al.(IEEE Transactions on Magnetics, Vol. MAG-23, pp. 137-139, 1987)は、より強力な磁場を得るために、上下2つの平面に配置されたいくつかの個々のターゲットからなる強磁性材料用のカソードについて記載している。しかし、これらの設計はより高価であり、マグネトロンカソードスパッタリングの操作がより困難になる。
【0009】
欧州特許出願公開第535314号明細書は、10~55重量%の白金;1~15重量%の、ニッケルおよびタンタルからなる群から選択される第1の添加元素;1.5重量%以下の、ホウ素、チタン、ランタン、セリウム、ネオジム、ベリリウム、カルシウム、ジルコニウムおよびケイ素からなる群から選択される第2の添加元素;20重量%以下のクロム;および残部がコバルトから本質的になる白金-コバルト合金のスパッタリングターゲットに関する。ターゲットの透磁率は30以下である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許出願公開第535314号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】K. Nakamura et al., IEEE Transactions on Magnetics, Vol. MAG-18, pp. 1,080-1,082, 1982
【非特許文献2】Kukla et al., IEEE Transactions on Magnetics, Vol. MAG-23, pp. 137-139, 1987
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、マグネトロンカソードスパッタリングに使用した場合に磁気特性が改善した、すなわち、マグネトロンカソードと併用した場合にターゲット材料を通る磁場侵入を向上させることができる、および/または磁気均一性が向上した、すなわち、ターゲットの異なる点での漏れ磁束密度の変動が減少した、CoZrTa(X)合金をベースとするターゲット材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、合金の透磁率を低下させ、また磁束の変動も低下させるために、CoZrTa(X)合金を高温で熱処理するとこのようなスパッタリングターゲットを提供できるという発見に基づいている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
したがって、本発明は、Co、Zr、Ta、および場合によりMo、Pd、Ni、Ti、V、W、およびBの群からの1つまたは複数のさらなる元素Xからなる合金からなるスパッタリングターゲットに関し、ここで、ターゲットの最大透磁率μmaxは60以下、および/またはターゲットの最大漏れ磁束密度(PTF)変動(FMax-FMin)/FAverageは0.2以下、好ましくは0.15以下、最も好ましくは0.10以下であり、ここで
FMaxは、ターゲット上の測定点で測定された最大磁束密度であり、
FMinは、ターゲット上の測定点で測定された最小磁束密度であり
FAverageは平均磁束密度、すなわちすべての測定点で測定された磁束密度の合計を測定点の数で割ったものであり、
測定は、以下に説明するように、ターゲットの等間隔に配置された7つの異なる測定点で実行される。
【0015】
本発明のスパッタリングターゲットは、透磁率が低いため、ターゲットを通る磁束の増加が可能となり、また、ターゲットの異なる点における磁束の変動が少ないため、マグネトロンスパッタリングにおける上述の主な問題を回避できるか少なくとも軽減でき、本発明の目的を達成できる。
【0016】
本発明のターゲットは、ユーザーにおけるより長いターゲット寿命、より良好な膜均一性、およびターゲット寿命にわたってより一定したスパッタリング速度を提供する、厚みを増加して製造できる。
【0017】
好ましくは、元素Xの総量(at.%)は、TaまたはZrの2つの添加物(at.%)のうち大きい方よりも小さく、
Zrは、好ましくは2~8at.%、より好ましくは3~7at.%の量で合金中に存在する。
【0018】
Taは、好ましくは2~8at.%、より好ましくは3~7at.%の量で合金中に存在する。
【0019】
合金中に、Mo、Pd、Ni、Ti、V、W、およびBの群からの1つまたは複数のさらなる任意の元素Xが存在する場合、元素Xの合計量は、好ましくは7at.%まで、より好ましくは3at.%までである。
【0020】
好ましくは、Mo、Pd、Ni、Ti、V、W、およびBの群からのさらなる元素Xが合金中に存在する場合、それはこれらの元素のうちの1つだけである。
【0021】
好ましくは、本発明のスパッタリングターゲットにおいて、Coは、CoZrTa(X)合金中に少なくとも75at.%、より好ましくは少なくとも90at.%の量で存在する。
【0022】
前記CoZrTa(X)合金は、Zr、Ta、場合によりMo、Pd、Ni、Ti、V、W、およびBの群からの1つまたは複数のさらなる元素X、およびCoからなり、すなわち、Coが合金中で原子の残りを構成する。
【0023】
本発明のスパッタリングターゲットは、最大透磁率μmaxが好ましくは50、より好ましくは40以下である。
【0024】
最大透磁率μmaxは、通常10または20以上である。
【0025】
さらに好ましくは、本発明のスパッタリングターゲットは、Js=J(H=60kA/m)として測定される飽和磁化Jsが0.8T以下である。
【0026】
飽和磁化Jsは通常0.5T以上である。
【0027】
好ましくは、厚さ8mmの試験片の中心におけるASTM F2086-01に従って測定されるターゲットの漏れ磁束密度(PTF)(the magnetic pass through flux)は20%以上、より好ましくは25%以上である。
【0028】
本発明はさらに、Co、Zr、Ta、および場合により、Mo、Pd、Ni、Ti、V、W、およびBの群からの1つのさらなる元素Xからなる合金からなるスパッタリングターゲット材料を製造する方法に関し、ここで、この方法は、合金を少なくとも700℃、より好ましくは少なくとも750℃、さらに好ましくは少なくとも800℃の温度に加熱することを含む。
【0029】
加熱は、好ましくは最大1000℃、より好ましくは最大900℃の温度で行う。
【0030】
通常、加熱は所望の温度に予熱したオーブンに合金を導入することによって行われる。
【0031】
合金を上記の温度に加熱する時間は、好ましくは10~60時間、より好ましくは12~48時間である。
【0032】
さらに、本発明は、本明細書に記載される実施形態のいずれか1つのスパッタリングターゲットが使用されるマグネトロンスパッタリングプロセス、および本明細書に記載される実施形態のいずれか1つのスパッタリングターゲットの、マグネトロンスパッタリングのための使用に関する。
【0033】
本発明は、図を参照して以下の実施例に基づいてさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明によらないCoZrTa合金の磁気ヒステリシス曲線である。
【
図2】本発明によるCoZrTa合金の磁気ヒステリシス曲線である。
【0035】
定義/測定方法
a)磁気特性の測定
漏れ磁束密度(PTF)は、ASTM F2086-01の方法2に従って、サイズ653×133mm、厚さ8mmの試験片の中心で測定した。
【0036】
本発明のターゲット上の漏れ磁束密度の変動を決定するために、650×130mm、厚さ4mm±0.1である厚さ4mmの仕上げ機械加工ターゲットプレートをPTF測定台に配置することにより、ASTM F2086-01の方法2に従ってPTFを測定した。測定は、ターゲットの長さに沿って等間隔に配置された7つの異なる位置で行われた。したがって、測定点は全てターゲットの横幅(130mm)に沿った中央位置(65mm)、ターゲットの長さ(650mm)に沿って左端(0mm)から見て以下の位置となる。
ポイント1:50mm
ポイント2:142mm
ポイント3:234mm
ポイント4:325mm
ポイント5:415mm
ポイント6:508mm
ポイント7:600mm
【0037】
DIN EN 60404-4に従って、Magnet-PhysikのRemagraph Cを使用して、圧延したままの材料と熱処理した材料とを比較するために磁化曲線を測定した。
【実施例】
【0038】
例1:
91.5at.%のCo、4at.%のZr、および4.5at%のTaを含むCoZrTa合金を、従来の真空誘導溶解および鋳造によって製造し、続いて1200℃で熱間圧延して、寸法653×133×8mmのプレートを得た。
【0039】
次にプレートを860℃で26時間熱処理し、その後空冷したところ、漏れ磁束密度(PTF)が大幅に増加した:熱処理前のPTFは10.7%であったが、熱処理後のPTFは30.2%であった。
【0040】
図1からわかるように、未処理の材料は、960mTの飽和磁化とともに、~3kA/mの磁場で~100の最大透磁率を示す。結果として、標準的なカソードでは最大4mmの厚さのターゲットのみが点火できる(can be ignited)。
【0041】
対照的に、
図2からわかるように、本発明による熱処理合金は、721mTの低い飽和磁化とともに、15kA/mのかなり高い磁場で3倍低い~30の最大透磁率を示した。同じカソード上で6mmのターゲットを点火することに問題はなかった。
【0042】
例2:
それぞれ91.5at.%のCo、4at.%のZr、および4.5at.%のTaの組成の4つのCoZrTa合金サンプルを従来の真空誘導溶解および鋳造によって製造し、続いて1200℃で熱間圧延して寸法653×133×8mmの4つのプレートを得た。
【0043】
次に、プレートを860℃で26時間熱処理し、その後空冷した。
【0044】
熱処理後のプレートのPTFは30.2%であった。
【0045】
プレートの磁化曲線を測定すると、15kA/mの磁場で最大透磁率が~30、飽和磁化が721mTであることがわかった。
【0046】
寸法650×130×4mmのターゲットA、B、CおよびDを4枚のCoZrTa合金プレートから機械加工した。
【0047】
ターゲットのさまざまな位置でのPTF測定の結果を表1に示す。
【0048】
【0049】
表1からわかるように、(FMax-Fmin)/FAverageの低い値で表されるように、テストしたターゲットはターゲット全体でPTFの変動が小さいことを示した。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Co、Zr、Ta、および場合によりMo、Pd、Ni、Ti、V、WおよびBの群からの1つまたは複数のさらなる元素Xからなる合金からなるスパッタリングターゲットであって
、ターゲットの最大漏れ磁束密度(a maximum pass through flux)(PTF)変動(F
Max-F
Min)/F
Averageは0.2以下、好ましくは0.15以下、最も好ましくは0.10以下であることを特徴とする、スパッタリングターゲット。
【請求項2】
Taは2~8at.%の量で合金中に存在する、請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項3】
Zrは2~8at.%の量で存在する、請求項1または2に記載のスパッタリングターゲット。
【請求項4】
Mo、Pd、Ni、Ti、V、WおよびBの群からの1つまたは複数のさらなる元素Xは、総量で最大7at.%で合金中に存在する、請求項1~3のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
【請求項5】
前記ターゲットの最大透磁率μ
maxは
60以下、
好ましくは50
以下、
より好ましくは40以下である、請求項1~4のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
【請求項6】
厚さ8mmの試験片の中心においてASTM F2086-01に従って測定した、ターゲットの漏れ磁束密度(magnetic pass through flux)(PTF)は20%以上である、請求項1~5のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
【請求項7】
Co、Zr、Ta、および場合によりMo、Pd、Ni、Ti、V、WおよびBの群からの1つまたは複数のさらなる元素Xからなる合金からなるスパッタリングターゲットを製造する方法であって、前記方法は
形成された合金を700~1000℃、好ましくは800~900℃の範囲の温度
で、10~60時間、好ましくは12~48時間熱処理することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれかに記載のスパッタリングターゲット、または請求項
7に記載の方法に従って製造されたスパッタリングターゲットを使用する、マグネトロンスパッタリングプロセス。
【請求項9】
請求項1~6のいずれかに記載のスパッタリングターゲット、または請求項
7に記載の方法に従って製造されたスパッタリングターゲットの、マグネトロンスパッタリングのための使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
表1からわかるように、(FMax-Fmin)/FAverageの低い値で表されるように、テストしたターゲットはターゲット全体でPTFの変動が小さいことを示した。
本発明の好ましい態様は、以下を包含する。
[1] Co、Zr、Ta、および場合によりMo、Pd、Ni、Ti、V、WおよびBの群からの1つまたは複数のさらなる元素Xからなる合金からなるスパッタリングターゲットであって、ターゲットの最大透磁率(a maximum magnetic permeability)μ
max
が60以下であることを特徴とする、および/またはターゲットの最大漏れ磁束密度(a maximum pass through flux)(PTF)変動(F
Max
-F
Min
)/F
Average
が0.2以下、好ましくは0.15以下、最も好ましくは0.10以下であることを特徴とする、スパッタリングターゲット。
[2] Taは2~8at.%の量で合金中に存在する、[1]に記載のスパッタリングターゲット。
[3] Zrは2~8at.%の量で存在する、[1]または[2]に記載のスパッタリングターゲット。
[4] Mo、Pd、Ni、Ti、V、WおよびBの群からの1つまたは複数のさらなる元素Xは、総量で最大7at.%で合金中に存在する、[1]~[3]のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
[5] 前記ターゲットの最大透磁率μ
max
は50、好ましくは40以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
[6] 厚さ8mmの試験片の中心においてASTM F2086-01に従って測定した、ターゲットの漏れ磁束密度(magnetic pass through flux)(PTF)は20%以上である、[1]~[5]のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
[7] Co、Zr、Ta、および場合によりMo、Pd、Ni、Ti、V、WおよびBの群からの1つまたは複数のさらなる元素Xからなる合金からなるスパッタリングターゲットを製造する方法であって、前記方法は合金を700~1000℃、好ましくは800~900℃の範囲の温度に加熱することを含むことを特徴とする、方法。
[8] 前記合金を10~60時間、好ましくは12~48時間加熱する、[7]に記載の方法。
[9] [1]~[6]のいずれかに記載のスパッタリングターゲット、または[7]もしくは[8]に従って製造されたスパッタリングターゲットを使用する、マグネトロンスパッタリングプロセス。
[10] [1]~[6]のいずれかに記載のスパッタリングターゲット、または[7]もしくは[8]に従って製造されたスパッタリングターゲットの、マグネトロンスパッタリングのための使用。
【国際調査報告】