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特表2024-500565チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子、フォトレジスト、フォトレジストのパターニング方法及びプリント回路基板を生成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子、フォトレジスト、フォトレジストのパターニング方法及びプリント回路基板を生成する方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 57/04 20060101AFI20231226BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20231226BHJP
   G03F 7/32 20060101ALI20231226BHJP
   G03F 7/09 20060101ALI20231226BHJP
   G03F 7/40 20060101ALI20231226BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20231226BHJP
   C07F 7/00 20060101ALI20231226BHJP
   C07F 7/28 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
C07C57/04 CSP
G03F7/004
G03F7/004 503A
G03F7/004 501
G03F7/32
G03F7/09 501
G03F7/40 521
G03F7/20 501
C07F7/00 A
C07F7/28 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558927
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 CN2021136049
(87)【国際公開番号】W WO2022121888
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】202011428100.6
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506259634
【氏名又は名称】清華大学
【氏名又は名称原語表記】TSINGHUA UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】Qinghuayuan,Haidian District,Beijing 100084,China
(71)【出願人】
【識別番号】523222275
【氏名又は名称】北京華睿新能動力科技発展有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING VFORTUNE NEW ENERGY POWER TECHNOLOGY DEVELOPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】CG05-277, Floor 1, Building 8, Courtyard 1, Zhongguancun East Road, Haidian District Beijing 100084, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】徐 宏
(72)【発明者】
【氏名】何 向明
(72)【発明者】
【氏名】王 曉琳
【テーマコード(参考)】
2H196
2H197
2H225
4H006
4H049
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196BA13
2H196EA02
2H196EA03
2H196EA06
2H196EA07
2H196GA03
2H196HA17
2H196HA23
2H197CA03
2H197CA06
2H197CA09
2H197CA10
2H197CE01
2H197GA01
2H197HA02
2H225AB03
2H225AC31
2H225AF83P
2H225AN39P
2H225AN49P
2H225AN80P
2H225AP08P
2H225AP10P
2H225CA12
2H225CB05
2H225CB14
2H225CB18
2H225CC01
2H225CC13
2H225CD05
2H225DA11
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB82
4H006AB90
4H006BS10
4H049VN05
4H049VN06
4H049VP06
4H049VQ25
4H049VR40
4H049VU25
4H049VW01
4H049VW02
(57)【要約】
フォトレジスト、フォトレジスト組合せ製品、フォトレジストのパターニング方法、プリント回路基板の生成方法である。フォトレジストは、有機溶媒と、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子と、を含み、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の一般式は、TiZrであり、式中、x、y、zはそれぞれ独立して1~6から選ばれる任意の整数であり、nは5~30から選ばれる任意の整数であり、Lはラジカル重合開始可能な基を有する有機物配位子である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式がTiZrであり、式中、x、y、zはそれぞれ独立して1~6から選ばれる任意の整数であり、nは5~30から選ばれる任意の整数であり、Lはラジカル重合開始可能な基を有する有機物配位子である、ことを特徴とするチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子。
【請求項2】
前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の一般式は、TiZr20、TiZr16、TiZr14又はTiZr12である、ことを特徴とする請求項1に記載のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子。
【請求項3】
フォトレジストにおける前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の質量百分率は、1%~50%である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子。
【請求項4】
前記有機物配位子は、炭素-炭素二重結合を含有する前記有機物配位子である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子。
【請求項5】
前記有機物配位子は、アクリル酸、メタクリル酸及び3,3-ジメタクリル酸からなる群から選ばれるいずれか1種以上である、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子と、有機溶媒と、を含む、フォトレジスト。
【請求項7】
光酸発生剤をさらに含み、前記光酸発生剤が光の照射下で分解して光酸触媒を生成可能であり、前記光酸触媒は前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の凝集を触媒可能である、ことを特徴とする請求項6に記載のフォトレジスト。
【請求項8】
前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の凝集を開始可能な光開始剤をさらに含む、ことを特徴とする請求項6又は7に記載のフォトレジスト。
【請求項9】
前記有機溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム及びジクロロメタンからなる群から選ばれるいずれか1種以上である、ことを特徴とする請求項6~8のいずれか一項に記載のフォトレジスト。
【請求項10】
有機溶媒と、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子と、を含み、前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の一般式は、TiZr20、TiZr16、TiZr14又はTiZr12であり、Lはラジカル重合開始可能な基を有する有機物配位子である、ことを特徴とするフォトレジスト。
【請求項11】
前記有機物配位子は、アクリル酸、メタクリル酸及び3,3-ジメタクリル酸からなる群から選ばれるいずれか1種以上である、ことを特徴とする請求項10に記載のフォトレジスト。
【請求項12】
請求項6~11のいずれか一項に記載のフォトレジストと、現像剤と、を含む、ことを特徴とするフォトレジスト組合せ製品。
【請求項13】
前記現像剤は、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、メシチレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、4-メチル-2-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノン、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、2-ブタノン、2-ヘプタノン、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、n-ヘキサン及びシクロヘキサンからなる群から選ばれるいずれか1種以上である、ことを特徴とする請求項12に記載のフォトレジスト組合せ製品。
【請求項14】
請求項6~11のいずれか一項に記載のフォトレジストを基材表面に塗布し、前記フォトレジスト中の有機溶媒を除去し、前記基材表面に予備成膜層を形成するステップと、
マスクを透過して前記基材の前記予備成膜層に光源を照射して露光操作を行うことにより、前記予備成膜層の露光領域に前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の凝集体を形成するステップと、
現像剤を露光後の前記予備成膜層に施すことにより、前記予備成膜層上のマスクで遮蔽された未露光領域が前記現像剤に溶解するのに対して、前記予備成膜層の前記露光領域が前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の形成により基材に残存するステップと、を含む、フォトレジストのパターニング方法。
【請求項15】
前記露光操作に用いられる光源は、紫外線、深紫外線又は極端紫外線光源であり、露光ドーズ量は、4mJ/cm~1000mJ/cmである、ことを特徴とする請求項14に記載のフォトレジストのパターニング方法。
【請求項16】
前記露光操作に用いられる光源は、電子ビーム源であり、ドーズ量は、10μC/cm~10mC/cmである、ことを特徴とする請求項14に記載のフォトレジストのパターニング方法。
【請求項17】
前記基材は、シリコン基板である、ことを特徴とする請求項14~16のいずれか一項に記載のフォトレジストのパターニング方法。
【請求項18】
請求項14~17のいずれか一項に記載のフォトレジストのパターニング方法に従ってシリコン基板にパターニングされたフォトレジスト層を有する予備パターニング板材を製造するステップと、
ドライ又はウェットエッチングを用いて前記予備パターニング板材をエッチングするステップと、を含む、ことを特徴とするプリント回路基板を生成する方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2020年12月9日に出願された、出願番号202011428100.6、名称「フォトレジスト、フォトレジストのパターニング方法及びプリント回路基板を生成する方法」の中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本願は、フォトレジストの技術分野に関し、特に、フォトレジスト、フォトレジストのパターニング方法及びプリント回路基板を生成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
大規模集積回路の集積度がますます高まるにつれて、その特徴サイズはますます小さくなり、加工サイズは既にナノメートルオーダーになっている。集積回路の発展には、フォトリソグラフィ技術のサポートが必要であり、フォトレジスト(感光性耐食剤とも呼ばれる)はフォトリソグラフィ技術の最も重要な基礎材料である。フォトレジストは、光又は放射線に敏感な混合材料の一種であり、通常、フォトレジスト主体材料、光増感剤、溶媒及び他の何らかの添加剤などから構成される。フォトレジスト主体材料には、主に成膜樹脂、分子状ガラス化合物、無機酸化物などの種類がある。フォトレジストは、紫外線、電子ビーム、イオンビーム、エキシマレーザー光、X線などの露光源の照射又は放射により、その溶解性、粘着性などの性質が著しく変化し、適当な溶媒中で現像してフォトリソグラフィパターンを形成することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに基づいて、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子、フォトレジスト、フォトレジストのパターニング方法及びプリント回路基板を生成する方法を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子であって、一般式がTiZrであり、式中、x、y、zはそれぞれ独立して1~6から選ばれる任意の整数であり、nは5~30から選ばれる任意の整数であり、Lはラジカル重合開始可能な基を有する有機物配位子である。
【0006】
一実施例において、前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の一般式は、TiZr20、TiZr16、TiZr14又はTiZr12である。
【0007】
一実施例において、フォトレジストにおける前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の質量百分率は、1%~50%である。
【0008】
一実施例において、前記有機物配位子は、炭素-炭素二重結合を含有する前記有機物配位子である。
【0009】
一実施例において、前記有機物配位子は、アクリル酸、メタクリル酸及び3,3-ジメタクリル酸からなる群から選ばれるいずれか1種以上である。
【0010】
フォトレジストであって、有機溶媒と、前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子と、を含む。
【0011】
一実施例において、前記フォトレジストは、光酸発生剤をさらに含み、前記光酸発生剤が光の照射下で分解して光酸触媒を生成可能であり、前記光酸触媒は前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の凝集を触媒可能であり、及び/又は、前記フォトレジストは、前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の凝集を開始可能な光開始剤をさらに含む。
【0012】
一実施例において、前記有機溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム及びジクロロメタンからなる群から選ばれるいずれか1種以上である。
【0013】
フォトレジストであって、有機溶媒と、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子と、を含み、前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の一般式は、TiZr20、TiZr16、TiZr14又はTiZr12であり、Lはラジカル重合開始可能な基を有する有機物配位子である。
【0014】
一実施例において、前記有機物配位子は、アクリル酸、メタクリル酸及び3,3-ジメタクリル酸からなる群から選ばれるいずれか1種以上である。
【0015】
フォトレジスト組合せ製品であって、前記フォトレジストと、現像剤と、を含む。
【0016】
一実施例において、前記現像剤は、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、メシチレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、4-メチル-2-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノン、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、2-ブタノン、2-ヘプタノン、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、n-ヘキサン及びシクロヘキサンからなる群から選ばれるいずれか1種以上である。
【0017】
前記フォトレジストのパターニング方法であって、前記フォトレジストを基材表面に塗布し、前記フォトレジスト中の有機溶媒を除去し、前記基材表面に予備成膜層を形成するステップと、マスクを透過して前記基材の前記予備成膜層に光源を照射して露光操作を行うことにより、前記予備成膜層の露光領域に前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の凝集体を形成するステップと、現像剤を露光後の前記予備成膜層に施すことにより、前記予備成膜層上のマスクで遮蔽された未露光領域が前記現像剤に溶解するのに対して、前記予備成膜層の前記露光領域が前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の形成により基材に残存するステップと、を含む。
【0018】
一実施例において、前記露光操作に用いられる光源は、紫外線、深紫外線又は極端紫外線光源であり、露光ドーズ量は、4mJ/cm~50mJ/cmである。
【0019】
一実施例において、前記露光操作に用いられる光源は、電子ビーム源であり、ドーズ量は、10μC/cm~10mC/cmである。
【0020】
一実施例において、前記基材は、シリコン基板である。
【0021】
プリント回路基板を生成する方法であって、前記フォトレジストのパターニング方法に従ってシリコン基板基材にパターニングされたフォトレジスト層を有する予備パターニング板材を製造するステップと、ドライ又はウェットエッチングを用いて前記予備パターニング板材をエッチングするステップと、を含む。
【発明の効果】
【0022】
従来のフォトレジストでは、一部の金属ナノ粒子は光の照射下で凝集する性質を有するが、光が照射されていない金属ナノ粒子は、空気中の水と接触して金属ナノ粒子が不安定になり、凝集も起こり得るため、露光領域と未露光領域の溶解度の差は大きくない。発明者らは、チタンとジルコニウムを複合してなる金属酸化物ナノ粒子は空気中での性質がより安定しており、空気の湿度の影響を受けて凝集することがほとんどないことを発見した。したがって、本願では、露光領域のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子は、光の照射下で凝集することにより、現像液に対する溶解度が低下するが、未露光領域のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子は、凝集しないことにより、現像液に溶解して除去され得る。チタンとジルコニウムとの複合は、金属ナノ粒子の空気中での安定性を高め、それによって非露光領域と露光領域との溶解度の差を高め、フォトリソグラフィパターンの解像度を高め、ラインエッジラフネスを下げ、特に精密度要求の比較的高いデバイスのフォトリソグラフィ品質を大きく向上させる。
【0023】
また、本願の実施例のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子は、ラジカル重合可能な有機物配位子を有し、一方ではチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の有機溶媒中での分散性を高め、他方では有機物配位子自体が光の照射下で重合でき、それによってフォトレジストの露光領域と非露光領域との溶解度の差を高めるのに有利であり、パターニングの品質を高めるのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に実施例の説明で使用する必要がある図面を簡単に紹介する。明らかなように、以下の説明における図面は本開示の一部の実施例に過ぎず、当業者にとって創造的な労力を払うことなく、これらの図面から他の図面を得ることができる。
図1】本願の実施例1のパターニングされたフォトレジスト層の光学顕微鏡写真である。
図2】本願の実施例1のパターニングされたフォトレジスト層の走査電子顕微鏡写真である。
図3】本願の実施例2のパターニングされたフォトレジスト層の走査電子顕微鏡写真である。
図4】本願の比較例1のパターニングされたフォトレジスト層の走査電子顕微鏡写真である。
図5】本願の比較例2のパターニングされたフォトレジスト層の走査電子顕微鏡写真である。
図6】本願の実施例6のパターニングされたフォトレジスト層の走査電子顕微鏡写真である。
図7】本願の実施例7のパターニングされたフォトレジスト層の走査電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本願の理解を容易にするために、以下では、関連する図面を参照して、本願をより完全に説明する。本願の好ましい実施例を添付図面に示す。しかしながら、本願は、本明細書に記載された実施例に限定されるものではなく、多くの異なる形態で実施することができる。むしろ、これらの実施例を提供する目的は、本願の開示内容の理解をより完全にすることである。
【0026】
特に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語及び科学用語は、本願が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同様の意味を有している。本明細書では、本願の明細書で用いられる用語は、特定の実施例を説明する目的のためだけのものであり、本願を限定することを意図するものではない。本明細書で用いられる用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連するリストされた項目の任意及び全ての組合せを含む。
【0027】
本願で用いられる「光」という用語の範囲は、紫外線、深紫外線及び極端紫外線光源を含むがこれらに限定されず、電子ビーム、X線なども広義に包含する。
【0028】
近年、フォトリソグラフィパターンの微細化が進み、フォトレジスト膜の厚さも薄くなってきており、フォトレジストには優れた耐エッチング性を有するだけでなく、露光前後での溶解性の差が大きいという特徴を有することが要求されている。フォトレジストの耐エッチング性を強化するために、金属酸化物を含む異なるフォトレジスト材料が開発されてきた。しかしながら、既存の金属酸化物は、空気中の水と反応しやすいため、露光領域と非露光領域との溶解性の差があまり変化せず、その結果、フォトリソグラフィパターンの解像度が高くなく、ラインエッジラフネスの程度が高くなる。したがって、従来のフォトレジストのフォトリソグラフィパターンの解像度が高くなく、ラインエッジラフネスの程度が高いという問題に対して、フォトレジスト、フォトレジストのパターニング方法及びプリント回路基板を生成する方法を提供する必要がある。本願の実施例は、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子を提供し、前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の一般式は、TiZrであり、式中、x、y、zはそれぞれ独立して1~6から選ばれる任意の整数であり、nは5~30から選ばれる任意の整数であり、Lはラジカル重合開始可能な基を有する有機物配位子である。本願の実施例は、前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子を含むフォトレジストをさらに提供し、前記フォトレジストは有機溶媒をさらに含む。
【0029】
従来のフォトレジストでは、一部の金属ナノ粒子は光の照射下で凝集する性質を有するが、光が照射されていない金属ナノ粒子は、空気中の水と接触して金属ナノ粒子が不安定になり、凝集も起こり得るため、露光領域と未露光領域との溶解度の差は大きくない。発明者らは、チタンとジルコニウムを複合してなる金属酸化物ナノ粒子は空気中での性質がより安定しており、空気の湿度の影響を受けて凝集することがほとんどないことを発見した。したがって、本願では、露光領域のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子は、光の照射下で凝集することにより、現像液に対する溶解度が低下するが、未露光領域のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子は、凝集しないことにより、現像液に溶解して除去され得る。チタンとジルコニウムとの複合は、金属ナノ粒子の空気中での安定性を高め、それによって非露光領域と露光領域との溶解度の差を高め、フォトリソグラフィパターンの解像度を高め、ラインエッジラフネスを下げ、特に精密度要求の比較的高いデバイスのフォトリソグラフィ品質を大きく向上させる。
【0030】
また、本願の実施例に係るチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子は、ラジカル重合可能な有機物配位子を有し、一方ではチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の有機溶媒中での分散性を高め、他方では有機物配位子自体が光の照射下で重合でき、それによってフォトレジストの露光領域と非露光領域との溶解度の差を高めるのに有利であり、パターニングの品質を高めるのに有利である。
【0031】
チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子において、有機物配位子は、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の表面にコーティングされてもよいし、金属イオンと共にチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子に混合されてもよい。
【0032】
チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の一般式は、TiZrである。xは、1、2、3、4、5又は6から選ばれ得る。yは、1、2、3、4、5又は6から選ばれ得る。zは、1、2、3、4、5又は6から選ばれ得る。x、y、zは、同一でも異なっていてもよく、x、y、zは、以上の任意の選択に従ってランダムに組み合わせることができる。
【0033】
いくつかの実施例において、x=1であり、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子は、以下の化学式:TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr、TiZr、TiZrのうちの1つで表されてもよい。
【0034】
いくつかの実施例において、x=2であり、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子は、以下の化学式:TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr、TiZr、TiZrのうちの1つで表されてもよい。
【0035】
いくつかの実施例において、x=3であり、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子は、以下の化学式:TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr;TiZrのうちの1つで表されてもよい。
【0036】
いくつかの実施例において、x=4であり、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子は、以下の化学式:TiZr、TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr;TiZrのうちの1つで表されてもよい。
【0037】
いくつかの実施例において、x=5であり、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子は、以下の化学式:TiZr、TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr;TiZr、TiZrのうちの1つで表されてもよい。
【0038】
いくつかの実施例において、x=6であり、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子は、以下の化学式:TiZr、TiZr、TiZr;TiZr、TiZr、TiZr、TiZr;TiZrのうちの1つで表されてもよい。
【0039】
前記各化学式において、nは5~30のいずれかの整数である。いくつかの実施例において、n=6、8、10、12、16、18、20、22、24、26又は28である。いくつかのさらなる実施例において、n=12、14、16又は20である。
【0040】
いくつかの実施例において、フォトレジストにおけるチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の化学組成は、1種のみであってもよいし、複数の異なるTi、Zr、O、Lの割合のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子を含有してもよい。
【0041】
いくつかの実施例において、前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の一般式は、TiZr20、TiZr16、TiZr14又はTiZr12であってもよい。フォトレジストには、前記一般式のいずれかで表されるチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子のみが含まれてもよいし、又は前記一般式のうちの複数種でそれぞれ表される複数種のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子が含まれてもよい。
【0042】
いくつかの実施例において、前記フォトレジストにおける前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の質量百分率は、1%~50%である。具体的には、フォトレジストにおけるチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の質量百分率は、1%~5%、5%~10%、10%~15%、15%~20%、20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、40%~45%又は45%~50%であってもよい。
【0043】
いくつかの実施例において、前記有機物配位子は、炭素-炭素二重結合を含有する有機物配位子である。炭素-炭素二重結合を含有する有機物配位子は、光の照射下で炭素-炭素二重結合ラジカル付加反応を起こし、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子を重合させることができる。1種のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子には、1種、2種、3種以上の有機物配位子が含まれ得る。一実施例において、1種のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子には、2種の有機物配位子が含まれることがあり、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子は、TiZrL1n1L2n2で表されてもよく、n1及びn2はそれぞれ0以上の整数であり、且つn1+n2=nである。一実施例において、1種のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子には、3種の有機物配位子が含まれることがあり、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子は、TiZrL1n1L2n2L3n3で表されてもよく、n1、n2及びn3はそれぞれ0以上の整数であり、且つn1+n2+n3=nである。L1、L2、L3はそれぞれ異なる種類の有機物配位子を表す。いくつかの実施例において、前記有機物配位子は、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)及び3,3-ジメタクリル酸(DMAA)からなる群から選ばれるいずれか1種以上であり得る。
【0044】
いくつかの実施例において、前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子を構成するように、有機物配位子Lとチタンジルコニウム酸化物とは、配位結合によって接続される。有機物配位子Lは、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の一般式において隣接する2つのTi及び/又はZr原子にそれぞれ接続された以下の化1の構造を含み、且つ炭素-炭素二重結合を含み、例えばLはアルケニル基を有する。
【化1】
Lは、脂肪族化合物又は芳香族化合物に由来する。Lの炭素数は、例えばそれぞれ3~30個であり、選択可能に3~20個であり、さらに選択可能に3~12個である。Lの炭素-炭素二重結合の数は、1~3個であってもよく、例えば1個である。Lは、直鎖基、分岐基又は脂環基を含んでもよく、且つさらに1~4個の芳香環、例えばベンゼン環を含んでもよい。
【0045】
いくつかの実施例において、Lは、独立して、以下の化2の構造から選ばれるいずれか1つである。
【化2】
【0046】
例示的な実施例において、Lは、アクリル酸配位基、メタクリル酸配位基及び3,3-ジメタクリル酸配位基からなる群から選ばれるいずれか1つであってもよい。
【0047】
いくつかの実施例において、前記フォトレジストは、光酸発生剤を含み、前記光酸発生剤が光の照射下で分解して光酸触媒を生成し、前記光酸触媒は前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の凝集を触媒できる。いくつかの実施例において、前記フォトレジストは、前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の凝集を開始できる光開始剤を含む。いくつかの実施例において、フォトレジストには前記光酸発生剤及び前記光開始剤のいずれか一方又は両方の組み合わせが含まれる。いくつかの実施例において、前記フォトレジストにおける光酸発生剤及び前記光開始剤の質量百分率は、0~10%であってもよく、且つ0に等しくなく、具体的には、0.01%~0.1%、0.1%~0.5%、0.5%~1%、1%~2%、2%~3%、3%~4%又は4%~5%であってもよい。いくつかの実施例において、光酸発生剤は、N-ヒドロキシナフタレンイミドトリフルオロメタンスルホン酸、N-ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸及びN-ヒドロキシフタルイミド-p-トルエンスルホン酸からなる群から選ばれる1種以上であり得る。いくつかの実施例において、光開始剤は、クマリン類(例えば7-ジエチルアミノ-3-(2′-ベンズイミダゾリル)クマリンなど)、ベンゾイン類(例えばベンゾインビスメチルエーテルなど)、アルキルフェノン類(例えばα,α-ジエトキシアセトフェノンなど)からなる群から選ばれる1種以上であり得る。電子ビームフォトリソグラフィや極端紫外線フォトリソグラフィにおいて、前記フォトレジストに光酸発生剤が含まなくてもよい。
【0048】
フォトレジストにおける有機溶媒は、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子に対して良好な溶解性を有する溶媒から選ばれることにより、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子を有機溶媒に完全に溶解させ、十分に分散させることができ、フォトレジスト中のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の分散が不均一になって露光領域の位置によって重合度が異なることを回避し、それによって露光領域の重合度が十分でない領域が現像剤に溶解することを回避する。いくつかの実施例において、前記有機溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム及びジクロロメタンからなる群から選ばれるいずれか1種以上である。
【0049】
いくつかの実施例において、前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子は、以下の例示的な実施例の方法によって製造されてもよいが、これらに限定されない。当該方法は、チタンイオン源、ジルコニウムイオン源及び有機配位子源を提供するステップと、前記チタンイオン源、ジルコニウムイオン源及び有機配位子源を溶媒中で化学量論比に従って混合し、且つ-25℃から200℃で反応させて前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子を得るステップと、を含む。
【0050】
チタンイオン源中のTiは、+4価であってもよく、例えば+4価チタンのカルボン酸塩、カルボン酸水和物、有機スルホン酸塩、有機スルホン酸水和物、アルコキシド、ハロゲン塩、硝酸塩、硫酸塩からなる群から選ばれる1種以上であってもよい。
【0051】
ジルコニウムイオン源中のZrは、+4価であってもよく、例えば+4価ジルコニウムのカルボン酸塩、カルボン酸水和物、有機スルホン酸塩、有機スルホン酸水和物、アルコキシド、ハロゲン塩、硝酸塩、硫酸塩からなる群から選ばれる1種以上であってもよい。
【0052】
有機配位子源は、有機物配位子Lの由来であり、脂肪族化合物又は芳香族化合物であってもよい。有機配位子源は、チタンイオン源及びジルコニウムイオン源と反応して配位基を生成できる基、例えばカルボキシル基又は酸無水物基を有し、且つ有機配位子源は、ラジカル重合開始可能な基、例えばアルケニル基をさらに有する。
【0053】
有機配位子源の炭素数は、例えば、3~30個であってもよく、選択可能に3~20個であり、さらに選択可能に3~12個であり、アルケニル基の数は、例えば1~3個であってもよく、選択可能に1個である。いくつかの実施例において、有機配位子源は、直鎖基、分岐基又は脂環基を含んでもよい。いくつかの実施例において、有機配位子源は、1~4個の芳香環、例えばベンゼン環を含んでもよい。
【0054】
いくつかの実施例において、前記有機物配位子源は、アクリル酸、メタクリル酸、3-メチルブタ-2-エン酸、4-ビニル安息香酸、4-(プロパン-1-エン-2-イル)安息香酸、4-(2-メチルプロパン-1-エン-1-イル)安息香酸、2-(4-(2-メチルプロパン-1-エン-1-イル)フェニル)酢酸、2-(4-ビニルフェニル)酢酸、2-(4-(プロパン-1-エン-2-イル)フェニル)酢酸からなる群から選ばれる1種以上である。
【0055】
前記溶媒は、水、脂質、アルコール、エーテル、環状エーテル、ベンゼン、カルボン酸及び/又はアルカンなどの有機溶媒から選ばれる1種以上であってもよく、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ベンゼン、トルエン、p-キシレン、o-キシレン、m-キシレン、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミドの1種以上の混合を含むが、これらに限定されない。
【0056】
前記チタンイオン源、ジルコニウムイオン源及び有機配位子源の溶媒中での反応温度は、10℃から100℃であってもよく、例えば25℃である。
【0057】
一実施例において、前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子を得た後、前記方法は、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子を分離精製するステップをさらに含み、例えば再結晶、貧溶媒(例えば水)を加えて沈殿させること、抽出、洗浄、遠心分離、常圧蒸留、減圧蒸留、回転蒸発又は真空乾燥などのステップのうちの1種以上を行う。
【0058】
本願の実施例は、前記いずれかの実施例のフォトレジスト及び現像剤を含むフォトレジスト組合せ製品をさらに提供する。フォトレジスト組合せ製品は、パターニングされたフォトレジスト層を形成するために用いられる。
【0059】
現像剤とフォトレジストは、互いに適合しており、露光されていないフォトレジストを溶解するために用いられる。いくつかの実施例において、前記現像剤は、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、メシチレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、4-メチル-2-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノン、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、2-ブタノン、2-ヘプタノン、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、n-ヘキサン及びシクロヘキサンからなる群から選ばれるいずれか1種以上である。
【0060】
本願の実施例は、フォトレジストのパターニング方法をさらに提供する。当該方法は、前記フォトレジストを基材表面に塗布し、前記フォトレジスト中の有機溶媒を除去し、前記基材表面に予備成膜層を形成するステップと、マスクを透過して前記基材の予備成膜層に光源を照射して露光操作を行うことにより、予備成膜層の露光領域にチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の凝集体を形成するステップと、現像剤を露光後の予備成膜層に施すことにより、予備成膜層上のマスクで遮蔽された未露光領域が現像剤に溶解するのに対して、予備成膜層の露光領域がチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の形成により基材に残存し、それによってパターニングされたフォトレジスト層を形成するステップと、を含む。
【0061】
前記露光操作に用いられる光源は、紫外線、深紫外線、極端紫外線又は電子ビーム光源であってもよい。極端紫外線光源とは、波長が10nm~14nmの光源を指す。紫外線の波長は、例えば254nm又は365nmであってもよい。いくつかの実施例において、前記露光操作に用いられる光源は、紫外線、深紫外線又は極端紫外線光源であり、露光ドーズ量は、4mJ/cm~1000mJ/cmであり、例えば4mJ/cm~50mJ/cmである。別の実施例において、前記露光操作に用いられる光源は、電子ビーム光源であり、露光ドーズ量は、10μC/cm~10mC/cmである。露光ドーズ量は、適切な範囲内に制御すべきであり、露光ドーズ量が小さすぎるとエネルギーが低すぎて露光領域のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の重合に不利であり、露光領域と非露光領域との溶解度の差を形成するのに不利であり、現像効果が低い。露光ドーズ量が大きすぎると反応を引き起こす活性物質が非露光領域に拡散し、非露光領域のフォトレジストを反応させ、それによってパターン精度を低下させる可能性がある。
【0062】
いくつかの実施例において、現像剤は、主として、未重合のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子を溶解するために用いられる。露光領域のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の有機物配位子は炭素-炭素二重結合ラジカル重合により凝集体を形成し、又は有機物配位子が脱落したチタンジルコニウム酸化物はラジカル開始により凝集体と重合する。露光領域の凝集体は現像剤中で現像剤に溶解しないか、又は露光領域の凝集体の現像剤に対する溶解度が小さいので、部分的に溶解しても露光領域を凝集体で覆ったままにすることができる。現像剤とフォトレジスト中の有機溶媒とは同一でも異なっていてもよい。いくつかの実施例において、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の現像剤に対する溶解性はフォトレジストの有機溶媒に対する溶解性よりも小さいことにより、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の露光後の重合度が不十分で現像液に溶解し、露光領域が溶解又は部分的に溶解し、露光パターンの精度を低下させることを回避する。いくつかの実施例において、現像剤は、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、n-ヘキサン及びシクロヘキサンからなる群から選ばれるいずれか1種以上であり得る。いくつかの実施例において、現像の温度は、室温であってもよく、例えば20℃~30℃である。
【0063】
一実施例において、有機溶媒を除去した後の予備成膜層の厚さは、10nm~500nmであってもよい。具体的には、予備成膜層の厚さは、10nm~50nm、50nm~100nm、100nm~150nm、150nm~200nm、200nm~250nm、250nm~300nm、300nm~350nm、350nm~400nm、400nm~450nm又は450nm~500nmであってもよい。
【0064】
いくつかの実施例において、前記基材は、シリコン基板から選ばれ、集積回路基板の製造に用いることができる。また、実際のニーズに応じて、現像剤に不溶な他の基材を選択することもできる。
【0065】
いくつかの実施例において、マスクに関しては、深紫外線及びより長い波長の光源の場合には、透過マスクであり、極端紫外線の場合には、反射マスクであり、電子ビームの場合には、ソフトウェアによって設定されたパターンに従って露光される。
【0066】
本願の実施例は、プリント回路基板を生成する方法をさらに提供する。当該方法は、上述したフォトレジストのパターニング方法に従ってシリコン基板にパターニングされたフォトレジスト層を有する予備パターニング板材を製造するステップと、前記シリコン基板のフォトレジスト層を有する領域がエッチングされず、フォトレジスト層を有しない領域がエッチングされるように、ドライ又はウェットエッチングを用いて前記予備パターニング板材をエッチングするステップと、を含む。
【0067】
実施例1~5及び比較例1~2はいずれも下記ステップでパターニングされたフォトレジスト層を製造し、且つ現像が完了するまで全工程を遮光する必要がある。
1.適量のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子TiZr、光酸発生剤及び有機溶媒を秤量してフォトレジスト溶液に調製し、振とう溶解し、ストレーナーで濾過した後に使用に備える。
2.ホモジナイザーの回転数、時間(塗布膜の厚さに関連)を設定し、少量のフォトレジスト溶液をシリコンウエハの表面にスピン塗布し、溶媒を除去して予備成膜層を得る。
3.予備成膜層を露光光源下に置き、露光ドーズ量=光強度*時間と設定し、露光光源が紫外線、深紫外線又は極端紫外線光源である場合、露光ドーズ量は4mJ/cm~1000mJ/cmであってもよく、露光光源が電子ビーム光源である場合、露光ドーズ量は10μC/cm~10mC/cmであってもよい。予め設定されたパターンを有するマスクを透過して露光操作を行う。
4.露光完了後、シリコンウエハを取り出し、室温下で現像剤を用いて現像する。現像剤は、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、n-ヘキサン又はシクロヘキサンから選ばれるいずれか1種以上であり得る。この強溶解性極性変換により、現像後、未露光領域が溶解し、露光領域が残存し、シリコンウエハの表面にマスクパターンを転写するのに成功する。
5.現像完了後、シリコンウエハを窒素ガンで乾かし、使用に備える。
6.結像パターンを光学顕微鏡又は走査電子顕微鏡で観察する。
(実施例1)
【0068】
TiZr(OMc)16結晶の合成:
チタン酸テトラブチル1.901g、80%n-ブタノールジルコニウムのn-ブタノール溶液2.681g及びメタクリル酸4.095gを混合し、室温で密閉保管し、一定時間後に結晶TiZr(OBu)(OMc)16を得た。TiZr(OBu)(OMc)160.5gをジクロロメタンに溶解し、アセチルアセトン0.088gを加え、30分間撹拌し、易揮発性物質を除去し、粗生成物はTiZr(OMc)16とTi(OBu)(acac)との混合物であり、粗生成物をジクロロメタンに溶解し、結晶分離してTiZr(OMc)16を得た。ここで、Mc=methacrylateである。
パターニングされたフォトレジスト層の製造:
金属酸化物ナノ粒子TiZr(OMc)160.5g及び光酸発生剤N-ヒドロキシナフタレンイミドトリフルオロメタンスルホン酸0.05gを溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.45gに溶解し、孔径0.22μmのフィルターヘッドで濾過した。濾過後のフォトレジスト溶液をシリコンウエハの表面に適量滴下し、2000r/minの回転数で1分間レベリングした。100℃で溶媒を1分間乾燥させた。波長254nmの低圧水銀ランプで露光し、露光ドーズ量は50mJ/cmであり、トルエンで現像し、シリコンウエハの表面を窒素ガスで乾かし、シリコンウエハの表面のフォトリソグラフィパターンをそれぞれ光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡で観察した。その結果を、図1及び図2に示す。
(実施例2)
【0069】
実施例1と同じ方法でTiZr(OMc)16を合成し、相違点は、粗生成物を精製しないことだけであり、直接金属酸化物ナノ粒子TiZr(OMc)16とTi(OBu)(acac)との混合物0.5g、光酸発生剤N-ヒドロキシナフタレンイミドトリフルオロメタンスルホン酸0.05gを溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.45gに溶解し、孔径0.22μmのフィルターヘッドで濾過した。濾過後のフォトレジスト溶液をシリコンウエハの表面に適量滴下し、2000r/minの回転数で1分間レベリングした。100℃で溶媒を1分間乾燥させた。波長254nmの低圧水銀ランプで露光し、露光ドーズ量は20mJ/cmであり、トルエンで現像し、シリコンウエハの表面を窒素ガスで乾かし、シリコンウエハの表面のフォトリソグラフィパターンを走査電子顕微鏡で観察した。その結果を、図3に示す。
(実施例3)
【0070】
実施例1とほぼ同じであり、相違点は、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子TiZr(DMAA)225g、光酸発生剤N-ヒドロキシナフタレンイミドトリフルオロメタンスルホン酸0.05g、溶媒であるジクロロメタン4.45gというフォトレジストの組成だけである。現像剤は、p-トルエン、o-キシレン及びm-キシレンの混合物である。
(実施例4)
【0071】
実施例1とほぼ同じであり、相違点は、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子TiZr(AA)10(MAA)101g、光酸発生剤N-ヒドロキシフタルイミド-p-トルエンスルホン酸0.1g、溶媒であるクロロホルム8.9gというフォトレジストの組成だけである。現像剤は、p-キシレンである。
(実施例5)
【0072】
実施例1とほぼ同じであり、相違点は、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子TiZr(AA)10(DMAA)102.5g、光酸発生剤N-ヒドロキシナフタレンイミドトリフルオロメタンスルホン酸0.08g、溶媒であるジクロロメタン7.42gというフォトレジストの組成だけである。現像剤は、p-キシレンである。
(実施例6)
【0073】
TiZr(OMc)16結晶の合成は実施例1と同じである。
パターニングされたフォトレジスト層の製造:
電子ビームフォトリソグラフィ:金属酸化物ナノ粒子TiZr(OMc)160.5g及び光酸発生剤N-ヒドロキシナフタレンイミドトリフルオロメタンスルホン酸0.05gを溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.45gに溶解し、孔径0.22μmのフィルターヘッドで濾過した。濾過後のフォトレジスト溶液をシリコンウエハの表面に適量滴下し、2000r/minの回転数で1分間レベリングし、80℃で溶媒を1分間乾燥させた。そして、電子ビーム描画装置で露光し、ドーズ量は1.8mC/cmであり、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで現像し、シリコンウエハの表面を窒素ガスで乾かし、シリコンウエハの表面のフォトリソグラフィパターンを走査電子顕微鏡で観察した。その結果を、図6に示す。
(実施例7)
【0074】
TiZr(OMc)16結晶の合成は実施例1と同じである。
パターニングされたフォトレジスト層の製造:
極端紫外線フォトリソグラフィ:金属酸化物ナノ粒子TiZr(OMc)160.5g及び光酸発生剤N-ヒドロキシナフタレンイミドトリフルオロメタンスルホン酸0.05gを溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.45gに溶解し、孔径0.22μmのフィルターヘッドで濾過した。濾過後のフォトレジスト溶液をシリコンウエハの表面に適量滴下し、2000r/minの回転数で1分間レベリングし、80℃で溶媒を1分間乾燥させた。そして、極端紫外線干渉フォトリソグラフィにより露光し、ドーズ量は77mJ/cmであり、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで現像し、シリコンウエハの表面を窒素ガスで乾かし、シリコンウエハの表面のフォトリソグラフィパターンを走査電子顕微鏡で観察した。その結果を、図7に示す。
(比較例1)
【0075】
チタン酸イソプロピル1gとメタクリル酸2.37gを混合し、5分間撹拌し、n-プロパノール2mLを加え、10分間撹拌し、水1.23g及びn-プロパノール2mLを加え、30分間撹拌し、溶媒を除去した後にTi含有ナノ粒子TiOCを得た。
金属酸化物ナノ粒子TiOC0.5gと光酸発生剤N-ヒドロキシナフタレンイミドトリフルオロメタンスルホン酸0.05gを溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.45gに溶解し、孔径0.22μmのフィルターヘッドで濾過した。濾過後のフォトレジスト溶液をシリコンウエハの表面に適量滴下し、2000r/minの回転数で1分間レベリングし、100℃で溶媒を1分間乾燥させた。そして、波長254nmの低圧水銀ランプで露光し、露光ドーズ量は50mJ/cmであり、トルエンで現像し、シリコンウエハの表面を窒素ガスで乾かし、シリコンウエハの表面のフォトリソグラフィパターンを走査電子顕微鏡で観察した。その結果を、図4に示す。
(比較例2)
【0076】
比較例1とほぼ同じであり、相違点は、露光ドーズ量が120mJ/cmであることだけである。シリコンウエハの表面のフォトリソグラフィパターンを走査電子顕微鏡で観察した。その結果を、図5に示す。
【0077】
図1図2及び図6図7から、実施例1のTiZr(OMc)16結晶で調製したフォトレジストは適切なドーズ量の254nm水銀ランプ、電子ビーム、極端紫外線光源でそれぞれ露光された後、いずれも高コントラスト、低ラインエッジラフネス及び低ラインワイズラフネスのラインパターンを得ることができることが確認された。電子ビーム又は極端紫外線フォトリソグラフィによりラインワイズが数十ナノメートルのラインパターンを得ることができた。図3から、実施例2のTiZr(OMc)12とTi(OBu)(acac)との混合物で調製したフォトレジストは依然として解像度が良好なラインパターンを得ることができ、且つより高い感度を有することが確認された。一方、図4及び図5から、比較例のTi含有ナノ粒子TiOCで調製したフォトレジストは、紫外線により露光された後に得られたラインパターンのコントラストが低く(図4)、且つラインパターン薄膜の膨潤によるライン変形欠陥(ライン上の白スジ)が存在し、ドーズ量が増加した後に顕著な膨潤現象がないが、ラインエッジラフネスの問題がある(図5)ことが確認された。
【0078】
上述した実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、上述した実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせについて説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、全て本明細書に記載された範囲であると見なすべきである。
【0079】
上述した実施例は、本願のいくつかの実施形態を表現しただけであり、その説明はより具体的かつ詳細であるが、それによって特許出願の範囲を限定するものと理解することはできない。当業者にとっては、本願の構想から逸脱しないことを前提として、若干の変形及び改良を加えることができ、これらはいずれも本願の保護範囲に属することに留意されたい。したがって、本願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式がTiZrであり、式中、x、y、zはそれぞれ独立して1~6から選ばれる任意の整数であり、nは5~30から選ばれる任意の整数であり、Lはラジカル重合開始可能な基を有する有機物配位子である、ことを特徴とするチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子。
【請求項2】
前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の一般式は、TiZr20、TiZr16、TiZr14又はTiZr12である、ことを特徴とする請求項1に記載のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子。
【請求項3】
フォトレジストにおける前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の質量百分率は、1%~50%である、ことを特徴とする請求項1記載のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子。
【請求項4】
前記有機物配位子は、炭素-炭素二重結合を含有する前記有機物配位子である、ことを特徴とする請求項1記載のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子。
【請求項5】
前記有機物配位子は、アクリル酸、メタクリル酸及び3,3-ジメタクリル酸からなる群から選ばれるいずれか1種以上である、ことを特徴とする請求項1記載のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子。
【請求項6】
請求項1記載のチタンジルコニウム酸化物ナノ粒子と、有機溶媒と、を含む、フォトレジスト。
【請求項7】
光酸発生剤をさらに含み、前記光酸発生剤が光の照射下で分解して光酸触媒を生成可能であり、前記光酸触媒前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の凝集を触媒可能である、ことを特徴とする請求項6に記載のフォトレジスト。
【請求項8】
前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の凝集を開始可能な光開始剤をさらに含む、ことを特徴とする請求項6記載のフォトレジスト。
【請求項9】
前記有機溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム及びジクロロメタンからなる群から選ばれるいずれか1種以上である、ことを特徴とする請求項6記載のフォトレジスト。
【請求項10】
有機溶媒と、チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子と、を含み、前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の一般式は、TiZr20、TiZr16、TiZr14又はTiZr12であり、Lはラジカル重合開始可能な基を有する有機物配位子である、ことを特徴とするフォトレジスト。
【請求項11】
前記有機物配位子は、アクリル酸、メタクリル酸及び3,3-ジメタクリル酸からなる群から選ばれるいずれか1種以上である、ことを特徴とする請求項10に記載のフォトレジスト。
【請求項12】
請求項6~11のいずれか一項に記載のフォトレジストと、現像剤と、を含む、ことを特徴とするフォトレジスト組合せ製品。
【請求項13】
前記現像剤は、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、メシチレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、4-メチル-2-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノン、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、2-ブタノン、2-ヘプタノン、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、n-ヘキサン及びシクロヘキサンからなる群から選ばれるいずれか1種以上である、ことを特徴とする請求項12に記載のフォトレジスト組合せ製品。
【請求項14】
請求項6~11のいずれか一項に記載のフォトレジストを基材表面に塗布し、前記フォトレジスト中の有機溶媒を除去し、前記基材表面に予備成膜層を形成するステップと、
マスクを透過して前記基材の前記予備成膜層に光源を照射して露光操作を行うことにより、前記予備成膜層の露光領域に前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の凝集体を形成するステップと、
現像剤を露光後の前記予備成膜層に施すことにより、前記予備成膜層上のマスクで遮蔽された未露光領域が前記現像剤に溶解するのに対して、前記予備成膜層の前記露光領域が前記チタンジルコニウム酸化物ナノ粒子の形成により基材に残存するステップと、を含む、フォトレジストのパターニング方法。
【請求項15】
前記露光操作に用いられる光源は、紫外線、深紫外線又は極端紫外線光源であり、露光ドーズ量は、4mJ/cm~1000mJ/cmである、ことを特徴とする請求項14に記載のフォトレジストのパターニング方法。
【請求項16】
前記露光操作に用いられる光源は、電子ビーム源であり、ドーズ量は、10μC/cm~10mC/cmである、ことを特徴とする請求項14に記載のフォトレジストのパターニング方法。
【請求項17】
前記基材は、シリコン基板である、ことを特徴とする請求項14に記載のフォトレジストのパターニング方法。
【請求項18】
請求項14記載のフォトレジストのパターニング方法に従ってシリコン基板にパターニングされたフォトレジスト層を有する予備パターニング板材を製造するステップと、
ドライ又はウェットエッチングを用いて前記予備パターニング板材をエッチングするステップと、を含む、ことを特徴とするプリント回路基板を生成する方法。
【国際調査報告】