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特表2024-500583流体測定センサおよび質量流量コントローラ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】流体測定センサおよび質量流量コントローラ
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/684 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
G01F1/684 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563141
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 CN2021136005
(87)【国際公開番号】W WO2022135134
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】202011532748.8
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520001981
【氏名又は名称】ベイジン セブンスター フロー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Sevenstar Flow Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】スー、チエンイー
(72)【発明者】
【氏名】ホー、マンリー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ゾンリン
【テーマコード(参考)】
2F035
【Fターム(参考)】
2F035EA01
2F035EA06
(57)【要約】
流体測定センサおよび質量流量コントローラであって、流体測定センサは、センサベース(1)、カバープレート(4)、ハウジング(5)、センサチューブ(9)および保温層(6)を備え、ハウジング(5)はセンサベース(1)に接続され、カバープレート(4)はハウジング(5)の一方の側からハウジング(5)に接続され、ハウジング(5)の内壁には第1の半溝(52)が設けられ、カバープレート(4)の内壁には第2の半溝が設けられ、第1の半溝(52)と第2の半溝は取付溝を構成し、センサチューブ(9)はそれに巻き付けられた巻線(91、92)を有し、保温層(6)に包まれたセンサチューブ(6)は取付溝内に設けられ、センサチューブ(9)の両端はセンサベース(1)を貫通する。流体測定センサにおいて、保温層(6)は巻線(91、92)により発生した熱を遮断でき、カバープレート(4)とハウジング(5)の継ぎ目から熱が放散し、ゼロドリフトが発生するのを回避する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサベース、カバープレート、ハウジング、センサチューブおよび保温層を備え、
前記ハウジングは前記センサベースに接続され、前記カバープレートは前記ハウジングの一方の側から前記ハウジングに接続され、前記ハウジングの内壁には第1の半溝が設けられ、前記カバープレートの内壁には第2の半溝が設けられ、前記第1の半溝と前記第2の半溝は取付溝を構成し、
前記センサチューブはそれに巻き付けられた巻線を有し、前記保温層は前記巻線を包み、前記保温層に包まれた前記センサチューブは前記取付溝内に設けられ、前記センサチューブの両端は前記センサベースを貫通することを特徴とする、流体測定センサ。
【請求項2】
前記センサチューブは、閉鎖部と閉鎖部の両側に位置する2つの折り曲げ部とを含み、2つの前記折り曲げ部は、前記閉鎖部に対して前記センサベースに近い方向と同方向に折り曲げられ、前記取付溝の形状は、前記閉鎖部と2つの前記折り曲げ部とからなる全体的な形状に合致し、前記巻線は第1の巻線と第2の巻線とを含み、前記第1の巻線と前記第2の巻線は対称に前記閉鎖部に巻回され、前記保温層は前記閉鎖部を少なくとも包むことを特徴とする、請求項1に記載の流体測定センサ。
【請求項3】
前記保温層は、前記閉鎖部が位置する空間に充填されることを特徴とする、請求項2に記載の流体測定センサ。
【請求項4】
前記流体測定センサはブラケットをさらに含み、前記ブラケットは第1のプレートと第2のプレートとを含み、第1のプレートは角度をなす折り曲げ部と支持部とを含み、前記センサベースには前記折り曲げ部と形状が一致する第1の溝が設けられ、前記折り曲げ部は第1のねじによって前記第1の溝に接続され、前記支持部は前記折り曲げ部の前記センサベースから離れた側に位置し、前記第2のプレートに接続し、
前記第2のプレートの両端には取付アームがそれぞれ設けられ、2つの前記取付アームには第1の孔と第2の孔がそれぞれ設けられ、前記センサベースには2つの第3の孔が設けられ、2つの前記第3の孔はそれぞれ前記第1の孔と第2の孔に対応し、前記センサチューブのうちの1つの前記折り曲げ部は、前記第1の孔と一方の前記第3の孔を貫通して、前記センサベースの底面まで延在し、前記センサチューブの他の前記折り曲げ部は、前記第2の孔と他の前記第3の孔を貫通して、前記センサベースの底面まで延在することを特徴とする、請求項2に記載の流体測定センサ。
【請求項5】
前記折り曲げ部および前記第1の溝の形状は、前記折り曲げ部の回転自由度を規制できるように設けられることを特徴とする、請求項4に記載の流体測定センサ。
【請求項6】
前記センサチューブの2つの前記折り曲げ部と前記センサベースとの間にシール材が設けられ、および/または、前記センサチューブの2つの前記折り曲げ部は、それぞれ前記第1の孔と前記第2の孔との間をフルはんだ付けまたはフル接着により固定接続することを特徴とする、請求項4に記載の流体測定センサ。
【請求項7】
前記流体測定センサは押さえブロックと引き出し線とをさらに備え、前記引き出し線の一端に4つの接続端子が設けられ、前記第1の巻線の両端と前記第2の巻線の両端が4つの前記接続端子にそれぞれ電気的に接続され、
前記押さえブロックは前記センサベースに接続され、前記カバープレートと前記センサベースとの間に位置し、前記押さえブロックの底部には第2の溝が設けられ、前記押さえブロックは前記引き出し線を前記第2の溝内に圧設し、前記引き出し線の他端は前記押さえブロックと前記センサベースとの間の隙間から前記第2の溝を介して前記カバープレートの外側に伸びることを特徴とする、請求項2に記載の流体測定センサ。
【請求項8】
前記センサベースには第3の溝が設けられ、前記第3の溝は前記押さえブロックと対向して配置され、前記引き出し線上の電子部品を収容するために使用されることを特徴とする、請求項7に記載の流体測定センサ。
【請求項9】
前記ハウジングの内面には第4の溝が設けられ、前記支持部、前記第2のプレートおよび2つの前記取付アームが前記第4の溝内に位置し、
前記ハウジングの底部には第5の溝が設けられ、前記第5の溝は前記第1の溝と隙間を形成し、前記第1のねじは前記隙間内に位置することを特徴とする、請求項4に記載の流体測定センサ。
【請求項10】
前記センサベースの底面には一対の第1の環状溝と一対の第2の環状溝が設けられ、各前記第1の環状溝と各前記第2の環状溝はいずれかの前記第3の孔と同心に設けられ、前記第1の環状溝は前記第2の環状溝の外側を囲み、第1の環状溝はシールリングを収容するために使用されることを特徴とする、請求項4に記載の流体測定センサ。
【請求項11】
前記ハウジングの内面には第6の溝が設けられ、前記カバープレートは前記第6の溝内に位置し、前記カバープレートが前記第6の溝内に取り付けられた後、折り返すことによって前記カバープレートを前記第6の溝内に固定するために、前記ハウジングの前記第6の溝の両側に位置する2つの側辺は折り返すことができることを特徴とする、請求項1に記載の流体測定センサ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の流体測定センサを備える、質量流量コントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセンサ技術分野に属し、より具体的には、流体測定センサおよび質量流量コントローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガス質量流量コントローラはガス流量を正確に測定し制御するための装置であり、様々な分野の科学研究と生産において重要な応用がある。流体測定センサはガス質量流量コントローラの重要な核心部品として、ガス質量流量コントローラ全体の性能指標に直接影響する。
【0003】
流体測定センサは熱式の流体測定センサである。これは毛細管伝熱温度差量熱法の原理を用いて流体の流量を測定し、流体測定センサを流れる流体がない(即ち、流量がゼロである)場合、流体測定センサ内部の温度分布曲線は左右対称であるはずである。しかしながら、流体測定センサの内部構造設計が合理的でなく、内部部品に緩みが発生するなどの原因により、流体測定センサ内部の熱分布が対称ではなくなり、流体測定センサ内部の温度分布曲線にずれが発生することがある。このようなずれは流体が流体測定センサを流れることによるものではなく、流体測定センサ内部の熱分布の不均一によるものであって、流体測定センサのゼロドリフトと言う。現在、ゼロドリフトは既存の流体測定センサの普遍的な問題である。流体測定センサのゼロドリフトは、ガス質量流量コントローラに、例えば、精度が極めて劣る、線形不良および重複度が劣るなどの問題を招く主な原因である。
【0004】
既存の流体測定センサは2つのハウジングを1つのチャンバとして結合し、センサチューブとブラケットおよびハウジングは接着によって固定されているが、このような構造の内部熱は2つのハウジングの継ぎ目から放散しやすく、流体測定センサ内部の熱分布の左右対称性を保証することができず、流体測定センサのゼロドリフトを招く。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は流体測定センサおよび質量流量コントローラを提供し、ゼロドリフトを効果的に抑制することである。
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は、センサベース、カバープレート、ハウジング、センサチューブおよび保温層を備え、
前記ハウジングは前記センサベースに接続され、前記カバープレートは前記ハウジングの一方の側から前記ハウジングに接続され、前記ハウジングの内壁には第1の半溝が設けられ、前記カバープレートの内壁には第2の半溝が設けられ、前記第1の半溝と前記第2の半溝は取付溝を構成し、
前記センサチューブはそれに巻き付けられた巻線を有し、前記保温層は前記巻線を包み、前記保温層に包まれた前記センサチューブは前記取付溝内に設けられ、前記センサチューブの両端は前記センサベースを貫通する、流体測定センサを提供する。
【0007】
好ましくは、前記センサチューブは、閉鎖部と閉鎖部の両側に位置する2つの折り曲げ部とを含み、2つの前記折り曲げ部は、前記閉鎖部に対して前記センサベースに近い方向と同方向に折り曲げられ、前記取付溝の形状は、前記閉鎖部と2つの前記折り曲げ部とからなる全体的な形状に合致し、前記巻線は第1の巻線と第2の巻線とを含み、前記第1の巻線と前記第2の巻線は対称に前記閉鎖部に巻回され、前記保温層は前記閉鎖部を少なくとも包む。
【0008】
好ましくは、前記保温層は、前記閉鎖部が位置する空間に充填される。
【0009】
好ましくは、前記流体測定センサはブラケットをさらに含み、前記ブラケットは第1のプレートと第2のプレートとを含み、第1のプレートは角度をなす折り曲げ部と支持部とを含み、前記センサベースには前記折り曲げ部と形状が一致する第1の溝が設けられ、前記折り曲げ部は第1のねじによって前記第1の溝に接続され、前記支持部は前記折り曲げ部の前記センサベースから離れた側に位置し、前記第2のプレートに接続し、
前記第2のプレートの両端には取付アームがそれぞれ設けられ、2つの前記取付アームには第1の孔と第2の孔がそれぞれ設けられ、前記センサベースには2つの第3の孔が設けられ、2つの前記第3の孔はそれぞれ前記第1の孔と第2の孔に対応し、前記センサチューブのうちの1つの前記折り曲げ部は、前記第1の孔と一方の前記第3の孔を貫通して、前記センサベースの底面まで延在し、前記センサチューブの他の前記折り曲げ部は、前記第2の孔と他の前記第3の孔を貫通して、前記センサベースの底面まで延在する。
【0010】
好ましくは、前記折り曲げ部および前記第1の溝の形状は、前記折り曲げ部の回転自由度を規制できるように設けられる。
【0011】
好ましくは、前記センサチューブの2つの前記折り曲げ部と前記センサベースとの間にシール材が設けられ、および/または、前記センサチューブの2つの前記折り曲げ部は、それぞれ前記第1の孔と前記第2の孔との間をフルはんだ付けまたはフル接着により固定接続する。
【0012】
好ましくは、前記流体測定センサは押さえブロックと引き出し線とをさらに備え、前記引き出し線の一端に4つの接続端子が設けられ、前記第1の巻線の両端と前記第2の巻線の両端が4つの前記接続端子にそれぞれ電気的に接続され、
前記押さえブロックは前記センサベースに接続され、前記カバープレートと前記センサベースとの間に位置し、前記押さえブロックの底部には第2の溝が設けられ、前記押さえブロックは前記引き出し線を前記第2の溝内に圧設し、前記引き出し線の他端は前記押さえブロックと前記センサベースとの間の隙間から前記第2の溝を介して前記カバープレートの外側に伸びる。
【0013】
好ましくは、前記センサベースには第3の溝が設けられ、前記第3の溝は前記押さえブロックと対向して配置され、前記引き出し線上の電子部品を収容するために使用される。
【0014】
好ましくは、前記ハウジングの内面には第4の溝が設けられ、前記支持部、前記第2のプレートおよび2つの前記取付アームが前記第4の溝内に位置し、
前記ハウジングの底部には第5の溝が設けられ、前記第5の溝は前記第1の溝と隙間を形成し、前記第1のねじは前記隙間内に位置する。
【0015】
好ましくは、前記センサベースの底面には一対の第1の環状溝と一対の第2の環状溝が設けられ、各前記第1の環状溝と各前記第2の環状溝はいずれかの前記第3の孔と同心に設けられ、前記第1の環状溝は前記第2の環状溝の外側を囲み、第1の環状溝はシールリングを収容するために使用される。
【0016】
好ましくは、前記ハウジングの内面には第6の溝が設けられ、前記カバープレートは前記第6の溝内に位置し、前記カバープレートが前記第6の溝内に取り付けられた後、折り返すことによって前記カバープレートを前記第6の溝内に固定するために、前記ハウジングの前記第6の溝の両側に位置する2つの側辺は折り返すことができる。
【0017】
本発明は上記の流体測定センサを備える、質量流量コントローラをさらに提供する。
【0018】
本発明の有益な効果は次の通りである。
【0019】
本発明が提供する測定センサは、カバープレートがハウジングの一方の側からハウジングに接続され、当該ハウジングの内壁には第1の半溝が設けられ、カバープレートの内壁には第2の半溝が設けられ、当該第1の半溝と第2の半溝は取付溝を構成し、保温層に巻線が包まれたセンサチューブは当該取付溝内に設けられる。センサチューブの巻線が保温層に包まれているため、保温層は巻線により発生した熱を遮断でき、カバープレートとハウジングの継ぎ目から熱が放散し、ゼロドリフトが発生するのを回避する。
【0020】
本発明が提供する質量流量コントローラは、本発明が提供する前記測定センサを採用することにより、ゼロドリフトを効果的に抑制することができる。
【0021】
本発明の他の特徴および利点は、以下の具体的な実施形態の部分で詳細に説明する。
【0022】
図面を組み合わせて本発明の例示的な実施形態をより詳細に説明することにより、本発明の上記および他の目的、特徴、および利点がより明らかになるであろう。本発明の例示的な実施形態において、同じ参照符号は通常、同じ構成要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は本発明の一実施例による流体測定センサの構造概略図である。
図2a図2aは本発明の一実施例による流体測定センサの底面図。
図2b図2b図2aにおけるA-A方向断面概略図。
図2c図2c図2bにおけるB-B方向断面概略図である。
図3図3は本発明の例示的な実施例による流体測定センサにおけるブラケットとセンサチューブの取り付け構造の概略図である。
図4図4は本発明の例示的な実施例による流体測定センサにおけるセンサチューブの概略図である。
図5a図5aは本発明の例示的な実施例による流体測定センサにおけるセンサベースの平面図。
図5b図5b図5bにおけるA-A方向断面概略図。
図5c図5cはセンサベースの底面図である。
図6a図6aは本発明の例示的な実施例による流体測定センサにおける押さえブロックの平面図。
図6b図6bは押さえブロックの正面図である。
図7a図7aは本発明の例示的な実施例による流体測定センサにおけるブラケットの正面図。
図7b図7bはブラケットの平面図。
図7c図7cはブラケットの側面図である。
図8a図8aは本発明の例示的な実施例による流体測定センサにおけるハウジングの内面構造概略図。
図8b図8b図8aにおけるハウジングのA-A方向断面概略図である。
図9a図9aは本発明の例示的な実施例による流体測定センサにおける引き出し線の正面図。
図9b図9bは引き出し線の側面図である。
図10a図10aは本発明の例示的な実施例による流体測定センサにおけるカバープレートの正面図。
図10b図10bはカバープレートの側面図である。
図11a図11aは本発明の例示的な実施例による流体測定センサにおける押さえブロックとセンサベースとの接続の平面図。
図11b図11b図11aにおけるB-B方向断面概略図。
図11c図11c図11bにおけるA-A方向断面概略図である。
【図面の符号の説明】
【0024】
1、センサベース、11、第1の環状溝、12、第2の環状溝、13、第3の孔、14取付孔、15、第3の溝、16、第1の溝、17、第2のねじ孔、18、19、第1の取付孔、2、押さえブロック、21、第2の溝、3、引き出し線、31、接続端子、4、カバープレート、5、ハウジング、51、第6の溝、52、第1の半溝、53、第4の溝、54、第5の溝、55、開口、56、側辺、6、保温層、7、ブラケット、71、第1の孔、72、第2の孔、73、第1のプレート、731、折り曲げ部、732、支持部、74、第2のプレート、75、取付アーム、8、第1のねじ、9、センサチューブ、9a、閉鎖部、9b、9c、折り曲げ部、91、第1の巻線、92、第2の巻線、93、配線、10、第2のねじ。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に本発明の好適な実施形態についてより詳細に説明する。以下に本発明の好ましい実施形態について説明するが、本明細書で説明する実施形態に限定されることなく、様々な形態で本発明を実現することができるということを理解すべきである。むしろ、これらの実施形態を提供することは、本発明をより詳らかにかつ完全にし、本発明の範囲を完全に当業者に伝えることができるようにするためである。
【0026】
従来技術に存在する不備を解消するために、本発明は、センサベース、カバープレート、ハウジング、センサチューブおよび保温層を備え、
ハウジングはセンサベースに接続され、カバープレートはハウジングの一方の側からハウジングに接続され、ハウジングの内壁には第1の半溝が設けられ、カバープレートの内壁には第2の半溝が設けられ、第1の半溝と第2の半溝は取付溝を構成し、
センサチューブはそれに巻き付けられた巻線を有し、保温層は当該巻線を包み、保温層に包まれたセンサチューブは取付溝内に設けられ、センサチューブの両端はセンサベースを貫通する、流体測定センサを提供する。
【0027】
本発明に係る流体測定センサは、カバープレートがハウジングの一方の側からハウジングに接続され、当該ハウジングの内壁には第1の半溝が設けられ、カバープレートの内壁には第2の半溝が設けられ、当該第1の半溝と第2の半溝は取付溝を構成し、保温層に巻線が包まれたセンサチューブは当該取付溝内に設けられる。センサチューブの巻線が保温層に包まれているため、保温層は巻線により発生した熱を遮断でき、カバープレートとハウジングの継ぎ目から熱が放散し、ゼロドリフトが発生するのを回避する。
【0028】
好ましくは、保温層は保温綿である。センサチューブは取付溝の中間に設置され、保温綿が巻線を包み、カバープレートとハウジングの継ぎ目から熱が放散することでセンサのゼロドリフトが発生するのを回避することができる。
【0029】
好ましくは、センサチューブは、閉鎖部と閉鎖部の両側に位置する2つの折り曲げ部とを含み、2つの折り曲げ部は、閉鎖部に対してセンサベースに近い方向と同方向に折り曲げられ、当該閉鎖部と2つの折り曲げ部は、近似的に「n」形溝を構成する。そして、取付溝の形状は、閉鎖部と2つの折り曲げ部とからなる全体的な形状に合致しており、即ち、略「n」形溝である。巻線は第1の巻線と第2の巻線とを含み、第1の巻線と第2の巻線は対称に閉鎖部に巻回され、保温層は少なくとも当該閉鎖部を包む。
【0030】
取付溝の閉鎖部に対応する径方向断面形状は、矩形または他の周方向の寸法が完全には一致していない形状であってもよいため、取付溝内に配置された保温層の回転自由度を規制し、保温層の取付位置ずれを防止して、保温層に包まれたセンサチューブを効果的に固定することができる。
【0031】
好ましくは、保温層は、閉鎖部が位置する空間に充填される。即ち、保温層は取付溝において閉鎖部がある空間を埋めることで、閉鎖部が取付溝の中で固定されて動かないよう保証することができ、これによってセンサチューブの取付精度を高め、巻線がセンサチューブ上に対称に設置されることを保証し、ひいては熱を対称にすることができ、ゼロドリフトの低減に有利である。具体的に、取付溝に配置されたセンサチューブは、当該取付溝の中間位置に位置するため、センサチューブの異なる位置における熱放散の均一性を保証できることから、ゼロドリフトの低減に有利である。
【0032】
好ましくは、前記流体測定センサはブラケットをさらに含み、当該ブラケットは第1のプレートと第2のプレートとを含み、第1のプレートは折り曲げ部と支持部とを有し、センサベースには折り曲げ部と形状が一致する第1の溝が設けられ、折り曲げ部は第1のねじによって第1の溝に接続され、具体的に、前記第1の溝の中央に第1のねじ穴が設けられ、前記第1のねじは当該第1のねじ穴にねじ接続され、第1のプレートの折り曲げ部をセンサベースに固定する。支持部は折り曲げ部のセンサベースから離れた側に位置し、第2のプレートに接続されている。
【0033】
第2のプレートの両端には取付アームがそれぞれ設けられ、2つの取付アームには第1の孔と第2の孔がそれぞれ設けられ、センサベースには2つの第3の孔が設けられ、2つの第3の孔はそれぞれ第1の孔と第2の孔に対応している。センサチューブの折り曲げ部の1つは、第1の孔と一方の第3の孔を貫通して、センサベースの底面まで延在し、センサチューブの他の折り曲げ部は、第2の孔と他の第3の孔を通過して、センサベースの底面まで延在する。前記2つの取付アームにより、センサチューブの2つの折り曲げ部を効果的に固定することができ、2つの折り曲げ部の取付位置のずれを防止することができる。
【0034】
好ましくは、折り曲げ部および第1の溝の形状は、折り曲げ部の回転自由度を規制できるように設けられる。これにより、折り曲げ部が第1の溝内に配置されたときに回転しないことを保証することができるため、取り付けの堅牢性を高めることができ、流体測定センサの動作信頼性を高めることができる。例えば、第1のプレートの折り曲げ部は矩形であってもよく、第1の溝の形状は当該折り曲げ部の形状と合致する。
【0035】
センサチューブを取り付ける際に、センサチューブの2つの折り曲げ部を下にして、上から下に取り付ける。具体的に、2つの折り曲げ部はまずブラケットの第1の孔と第2の孔をそれぞれ貫通して、さらにセンサベースの2つの第3の孔をそれぞれ貫通して、最後にセンサチューブの2つの折り曲げ部の端面とセンサベースの底面を平らに揃え、センサチューブの取り付けと位置決めを実現する。
【0036】
好ましくは、センサチューブの2つの折り曲げ部とセンサベースとの間にシール材が設けられ、および/または、センサチューブの2つの折り曲げ部は、それぞれ第1の孔と第2の孔との間をフルはんだ付けまたはフル接着によって固定接続する。センサチューブの2つの折り曲げ部とセンサベースとの間ははんだ付けや接着などによってシールすることができ、シール材は例えば接着剤やはんだなどであり、センサチューブの2つの折り曲げ部と第1の孔および第2の孔それぞれとの間ははんだ付けや接着剤などによって固定することができ、はんだ付けや接着を行う際には、はんだや接着剤などの充填材で第1の孔と第2の孔を満たすことで、センサチューブの2つの折り曲げ部とブラケットとの間の接続を強固にすることができる一方で、第1の孔と第2の孔に充填されるはんだや接着剤の使用量を制御することにより、第1の孔と第2の孔のはんだや接着剤の使用量をほぼ等しくすることができ、これにより流体測定センサの左右対称性を保証し、ゼロドリフトの低減に有利である。
【0037】
好ましくは、前記流体測定センサは、押さえブロックと引き出し線とをさらに備え、引き出し線の一端に4つの接続端子が設けられ、第1の巻線の両端と第2の巻線の両端が4つの接続端子にそれぞれ電気的に接続され、
押さえブロックはセンサベースに接続され、カバープレートとセンサベースとの間に位置し、例えば、押さえブロックとセンサベースは2つの第2のネジによって締結することができる。押さえブロックの底部には第2の溝が設けられ、押さえブロックは引き出し線を第2の溝内に圧設し、引き出し線の他端は押さえブロックとセンサベースとの間の隙間から第2の溝を介してカバープレートの外側に伸びる。よって、引き出し線を強固に固定し、引き出し線の位置決めを正確にすることができるとともに、第2の溝の存在は引き出し線が押しつぶされることも回避できるほか、引き出し線の位置ずれを防止することもできることから、流体測定センサの動作信頼性の強化とゼロドリフトの低減に有利である。
【0038】
好ましくは、前記第2の溝の深さは0.1mm以上0.3mm未満である。前記第2の溝の深さを当該数値範囲内に設定することにより、押さえブロックによる引き出し線への圧力が大きすぎて引き出し線が破損するということを回避できるほか、引き出し線を固定するという役割を果たすことができる。
【0039】
第1の巻線と第2の巻線はいずれもセンシングワイヤを巻いて構成してもよく、第1の巻線の両端と第2の巻線の両端はそれぞれ引き出し線の4つの接続端子に対応して接続され、電気的導通が良好である。
【0040】
好ましくは、センサベースには第3の溝が設けられ、当該第3の溝は押さえブロックと対向して配置され、引き出し線上の電子部品を収納するために使用される。第3の溝により、電子部品が押しつぶされるのを回避することができる。当該第3の溝は矩形溝であってもよい。
【0041】
好ましくは、ハウジングの内面には第4の溝が設けられ、前記支持部、第2のプレートおよび2つの取付アームが第4の溝内に位置する。当該第4の溝は、前記支持部、第2のプレートおよび2つの取付アームを収容するためのものであり、ブラケットに十分な取付空間を確保するとともに、ハウジングがブラケットの取付に干渉しないよう確保している。さらに好ましくは、第4の溝内に位置する前記支持部、第2のプレートおよび2つの取付アームはハウジングと接触しないので、ハウジングの温度変化がブラケットに影響を与えるのを回避できることから、ゼロドリフトを効果的に抑制することができる。
【0042】
ハウジングの底部には第5の溝が設けられ、当該第5の溝は第1の溝と隙間を形成し、第1のねじは当該隙間内に位置する。第5の溝は、第1のねじを避け、第1のねじの正常な取り付けを保証するために使用される。
【0043】
好ましくは、センサベースの底面には一対の第1の環状溝と一対の第2の環状溝が設けられ、各第1の環状溝と各第2の環状溝はいずれかの第3の孔と同心に設けられ、第1の環状溝は第2の環状溝の外側を囲み、第1の環状溝はシールリングを収容するために使用される。
【0044】
センサチューブの2つの折り曲げ部とセンサベースとの間をはんだ付けによりシールする際に、第2の環状溝は応力を解放し、はんだ付けによるシールの信頼性を確保するという役割を果たすことができる。第1の環状溝はシールリングを収容するために使用され、流量測定センサがガス質量流量コントローラに適用される際にシール作用を実現する。
【0045】
好ましくは、ハウジングの内面には第6の溝が設けられ、カバープレートは当該第6の溝内に位置し、カバープレートが第6の溝内に取り付けられた後、折り返すことによってカバープレートを第6の溝内に固定するために、カバープレートの第6の溝の両側に位置する2つの側辺は折り返すことができる。このような固定方式は簡単で、固定が確実であることに加えて、流体流量センサの体積を大幅に減らすことができる。もちろん、実際の用途では、他の方法を採用してカバープレートを固定することもでき、例えばカバープレートをテープで巻き付けることにより、または接着によりハウジングに固定することもできる。
【0046】
好ましくは、センサベースには2つの第1の取付孔が設けられ、ハウジングの底面には2つの第1の取付孔にそれぞれ対応する2つの第2のねじ孔が設けられ、流体測定センサは2つの第2のねじをさらに含み、一方の第2のねじは、一方の第1の取付孔を貫通して対応する一方の第2のねじ孔にねじ接続され、他方の第の2ねじは、他方の第1の取付孔を貫通して他方の第2のねじ孔にねじ接続され、これにより、ハウジングをセンサベースに固定することができる。
【0047】
また、センサベースには、ガス質量流量コントローラなどの取付部材と接続するための第2の取付孔が複数設けられていてもよい。
【0048】
以上のことから分かるように、本発明が提供する流体測定センサは、カバープレートとハウジングの間で構成された取付溝構造が対称であり、センサチューブとセンサチューブの巻線が対称に設置され、センサチューブを通過する熱も対称になるため、ゼロドリフトの低減に有利である。また、本発明に係る流体測定センサは、ゼロドリフトを効果的に低減することができ、ガス質量流量コントローラに適用する際に、ガス質量流量コントローラのゼロドリフト、精度、重複度などの指標を大幅に改善するとともに、ガス質量流量コントローラの生産効率を大幅に向上させることができる。
【0049】
本発明は、上述の流体測定センサを含む質量流量コントローラをさらに提供する。
【0050】
実施例1
図1から図11cに示すように、本発明はセンサベース1、カバープレート4、ハウジング5、センサチューブ9および保温層6を含む流体測定センサを提供し、
ハウジング5はセンサベース1に接続され、カバープレート4はハウジング5の一方の側からハウジング5に接続され、例えば図2cに示すように、カバープレート4はハウジング5の一方の側からハウジング5に埋め込まれる。ハウジング5の内壁には第1の半溝52が設けられ、カバープレート4の内壁には第2の半溝が設けられ、第1の半溝52と第2の半溝は取付溝を構成し、
センサチューブ9はこれに巻き付けられた巻線を有し、図2bに示すように、保温層6は当該巻線を包み、保温層6に包まれたセンサチューブ9は前記取付溝内に設けられ、センサチューブ9の両端はセンサベース1を貫通する。
【0051】
本実施例において、保温層6は保温綿である。保温層6に包まれたセンサチューブ9が前記取付溝内に配置された後、保温綿の規制作用の下で、センサチューブ9は取付溝の中間に位置することができ、これはセンサチューブの異なる位置における熱放散の均一性を保証するのに役立つことから、ゼロドリフトの低減に有利である。
【0052】
図4に示すように、センサチューブ9は、閉鎖部9aと閉鎖部9aの両側に位置する2つの折り曲げ部(9b、9c)とを含み、2つの折り曲げ部(9b、9c)は、閉鎖部9aに対してセンサベースに近い方向と同方向に折り曲げられ(例えば、図4の下方に折り曲げられる)、当該閉鎖部9aと2つの折り曲げ部(9b、9c)は、近似的に「n」形管を構成する。そして、取付溝の形状は、閉鎖部9aと2つの折り曲げ部(9b、9c)とからなる全体的な形状に合致しており、ほぼ「n」形の溝である。巻線は第1の巻線91と第2の巻線92を含み、第1の巻線91と第2の巻線92は対称に閉鎖部9aに巻回され、図2bに示すように、保温層6は少なくとも閉鎖部9aを包み、具体的に、保温層6は閉鎖部9aを包む以外に、閉鎖部9aと2つの折り曲げ部(9b、9c)との接続部分も包むことができ、もちろん、実際の用途において、保温層6は閉鎖部9aのみを包むこともできる。
【0053】
いくつかの代替的な実施例において、取付溝の閉鎖部9aに対応する径方向断面形状は、矩形または他の周方向の寸法が完全には一致していない形状であってもよく、これにより、取付溝内に配置された保温層6の回転自由度を規制し、保温層取付位置ずれを防止するため、保温層6に包まれたセンサチューブ9を効果的に固定することができる。
【0054】
好ましくは、図2bに示すように、保温層6は閉鎖部9aが位置する空間に充填される。即ち、保温層6は取付溝において閉鎖部9aがある空間を埋めることで、閉鎖部9aが取付溝の中で固定されて動かないよう保証することができ、これによってセンサチューブ9の取付精度を高め、巻線がセンサチューブ9上に対称に設置されることを保証し、ひいては熱を対称にすることができ、ゼロドリフトの低減に有利である。
【0055】
本実施例において、流体測定センサはブラケット7をさらに含み、図7aから図7cを併せて参照すると、ブラケット7は第1のプレート73と第2のプレート74とを含み、第1のプレート73は折り曲げ部731と支持部732とを含み、図3および図5aに示すように、センサベース1には折り曲げ部と形状が一致する第1の溝16が設けられ、折り曲げ部731は第1のねじ8によって第1の溝16に接続され、具体的に、前記第1の溝16の中央部には第1のねじ孔19が設けられ、第1のプレート73の折り曲げ部731をセンサベース1に固定するために、前記第1のねじ8は当該第1のねじ孔19にねじ接続されている。支持部732は折り曲げ部731のセンサベース1から離れた側に位置し、第2のプレート74に接続されている。代替的なものとして、第2のプレート74の支持安定性、およびブラケット7の構造対称性を保証するために、前記支持部732は第2のプレート74の中央部に接続される。
【0056】
第2のプレート74の両端には取付アーム75がそれぞれ設けられ、2つの取付アーム75には第1の孔71と第2の孔72がそれぞれ設けられている。また、図5bに示すように、センサベース1には2つの第3の孔13が設けられ、2つの第3の孔13はそれぞれ第1の孔71と第2の孔72に対応している。センサチューブ9の一方の折り曲げ部9bは、第1の孔71および一方の第3の孔13を貫通して、センサベース1の底面まで延在し、センサチューブ9の他方の折り曲げ部9cは、第2の孔72および他方の第3の孔13を貫通して、センサベース1の底面まで延在する。前記2つの取付アーム75により、センサチューブ9の2つの折り曲げ部(9b、9c)を効果的に固定し、2つの折り曲げ部(9b、9c)の取付位置のずれを防止することができる。
【0057】
好ましくは、折り曲げ部731および第1の溝16の形状は、折り曲げ部の回転自由度を規制できるように設けられる。これにより、折り曲げ部731が第1の溝16内に配置されたときに回転しないことを保証することができるため、取り付けの堅牢性を高めることができ、流体測定センサの動作信頼性を高めることができる。例えば、第1のプレート73の折り曲げ部731は矩形であってもよく、第1の溝16の形状は当該折り曲げ部731の形状に合致している。
【0058】
センサチューブ9を取り付ける際に、センサチューブの2つの折り曲げ部(9b、9c)を下にして、上から下に取り付け、具体的に、2つの折り曲げ部(9b、9c)は、まず第1の孔71と第2の孔72をそれぞれ貫通して、さらにセンサベース1の2つの第3の孔13をそれぞれ貫通して、最後にセンサチューブ9の2つの折り曲げ部(9b、9c)の端面とセンサベース1の底面を平らに揃え、センサチューブ9の取り付けと位置決めを実現する。
【0059】
センサチューブ9の2つの折り曲げ部(9b、9c)とセンサベース1との間にはシール材が設けられており、センサチューブ9の2つの折り曲げ部(9b、9c)と第1の孔71および第2の孔72との間は、フル接着で固定接続されている。センサチューブ9の2つの折り曲げ部(9b、9c)とセンサベース1との間ははんだ付けによりシールされ、シール材ははんだであり、接着時には第1の孔71と第2の孔72に接着剤を充填する。よって、センサチューブ9の2つの折り曲げ部(9b、9c)とブラケット7との間の接続を強固にすることができる一方、第1の孔71と第2の孔72に充填される接着剤の使用量を制御することにより、第1の孔71と第2の孔72における接着剤の使用量をほぼ等しくすることができることから、流体測定センサの左右対称性を保証し、ゼロドリフトの低減に有利である。
【0060】
本実施例では、図2および図3に示すように、流体測定センサは押さえブロック2と引き出し線3とをさらに含み、図9aおよび図9bに示すように、引き出し線3の一端に4つの接続端子31が設けられ、第1の巻線9の両端と第2の巻線92の両端(例えば、図4に示すように、4つの配線93を有する)が4つの接続端子31にそれぞれ電気的に接続され、
図2cに示すように、押さえブロック2はセンサベース1に接続され、カバープレート4とセンサベース1との間に位置し、例えば、図3に示すように、押さえブロック2とセンサベース1は2つの第2のネジ10によって締結することができる。図6aおよび図6bに示すように、押さえブロック2の底部には第2の溝21が設けられており、図11cに示すように、押さえブロック2は引き出し線3を第2の溝21内に圧設し、引き出し線3の他端は押さえブロック2とセンサベース1との間の隙間から第2の溝21を介してカバープレート4の外側に伸びる。これにより、引き出し線3を強固に固定し、引き出し線3の位置決めを正確にすることができるとともに、第2の溝21の存在により引き出し線3が押しつぶされることを回避することができ、引き出し線3の位置ずれを防止することもできることから、流体測定センサの動作信頼性の向上とゼロドリフトの低減に有利である。第2の溝21の深さは、例えば0.2mmである。
【0061】
図5aおよび図11cに示すように、センサベース1には第3の溝15が設けられ、第3の溝15は押さえブロック2と対向して配置され、引き出し線上の電子部品(図示せず)を収容するために使用される。第3の溝15により、電子部品が押しつぶされるのを回避することができる。第3の溝15は、例えば矩形溝である。
【0062】
本実施例では、図2cおよび図8aに示すように、ハウジング5の内面には第4の溝53が設けられ、前記支持部732、第2のプレート74および2つの取付アーム75が第4の溝53内に位置する。当該第4の溝53は、前記支持部732、第2のプレート74および2つの取付アーム75を収容するためのものであり、ブラケット7に十分な取付空間を確保するとともに、ハウジング5がブラケット7の取付に干渉しないよう確保している。さらに好ましくは、第4の溝53内に位置する前記支持部732、第2のプレート74および2つの取付アーム75はハウジング5と接触しないので、ハウジング5の温度変化がブラケット7に影響を与えるのを回避できることから、ゼロドリフトを効果的に抑制することができる。
【0063】
図2cおよび図8bに示すように、ハウジング5の底部には第5の溝54が設けられ、当該第5の溝54は第1の溝16と隙間を形成し、第1のねじ8は当該隙間内に位置する。第5の溝54は、第1のねじ8を避け、第1のねじ8の正常な取り付けを保証するために使用される。
【0064】
図5bに示すように、センサベース1の底面には一対の第1の環状溝11と一対の第2の環状溝12が設けられ、各第1の環状溝11と各第2の環状溝12はいずれかの第3の孔13と同心に設けられ、第1の環状溝11は第2の環状溝12の外側を囲む。第1の環状溝11は、シールリングを収容するために使用される。センサチューブ9の2つの折り曲げ部(9b、9c)とセンサベース1との間をはんだ付けによりシールする際に、第2の環状溝12は応力を解放し、はんだ付けによるシールの信頼性を確保するという役割を果たすことができる。第1の環状溝11はシールリングを収容するために使用され、流量測定センサがガス質量流量コントローラに適用される際にシール作用を実現する。
【0065】
本実施例において、図2cおよび図8aに示すように、ハウジング5の内面には第6の溝51が設けられ、カバープレート4は当該第6の溝51内に位置し、ハウジング5の第6の溝51の両側に位置する2つの側辺56は、カバープレート4が第6の溝51内に取り付けられた後、2つの側辺56を折り返すことにより、カバープレート4を第6の溝51内に固定することができるように折り返すことができる。このような固定方式は簡単で、固定が確実であることに加えて、流体流量センサの体積を大幅に減らすことができる。もちろん、実際の用途では、他の方法を採用してカバープレート4を固定することもでき、例えばカバープレート4をテープで巻き付けることにより、または接着によりハウジング5に固定することもできる。
【0066】
具体的に、ハウジング5の外枠全体かつ第6の溝51の両側に位置する箇所に2つの開口55をそれぞれ開設することができ、当該外枠は同じ側の2つの開口55の間の部分に前記側辺56を形成し、当該側辺56は、カバープレート4を第6の溝51内に係合させるために、外枠のその他の部分を内側に折り返すことに相当してよい。
【0067】
図5cに示すように、センサベース1には2つの第1の取付孔(17、18)が設けられ、ハウジング5の底面にはそれぞれ2つの第1の取付孔(17、18)に対応する2つの第2のねじ孔が設けられ、一方の第2のねじ10は、一方の第1の取付孔17を貫通して対応する一方の第2のねじ孔にねじ接続され、他方の第2のねじ10は、他方の第1の取付孔18を貫通して他方の第2のねじ孔にねじ接続され、これにより、ハウジング5をセンサベース1に固定することができる。
【0068】
また、図5aに示すように、センサベース1には、ガス質量流量コントローラなどの取付部材と接続するための第2の取付孔14が複数設けられていてもよい。
【0069】
以上のことから、本実施例が提供する流体測定センサは、カバープレートとハウジングとの間で構成された取付溝構造が対称であり、センサチューブとセンサチューブ上の巻線が対称に設置され、センサチューブを通過する熱も対称になるため、ゼロドリフトの低減に有利である。また、本発明に係る流体測定センサは、ゼロドリフトを効果的に低減することができ、ガス質量流量コントローラに適用する際に、ガス質量流量コントローラのゼロドリフト、精度、重複度などの指標を大幅に改善するとともに、ガス質量流量コントローラの生産効率を大幅に向上させることができる。
【0070】
実施例2
本発明は、実施例1に係る流体測定センサを含む質量流量コントローラを提供する。
【0071】
本発明が提供する質量流量コントローラは、本発明が提供する前記測定センサを採用することにより、ゼロドリフトを効果的に抑制することができる。
【0072】
以上において、本発明の各実施例について説明したが、上記の説明は例示的であり、網羅的なものではなく、開示された各実施例にも限定されない。説明した各実施例の範囲および精神から逸脱することのない状況下において、多くの修正および変更は当業者にとって明らかである。
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図9a
図9b
図10a
図10b
図11a
図11b
図11c
【国際調査報告】