(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】改善された口腔内X線システム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/51 20240101AFI20231227BHJP
【FI】
A61B6/14 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540913
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(85)【翻訳文提出日】2022-09-01
(86)【国際出願番号】 US2021039847
(87)【国際公開番号】W WO2022146487
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】PCT/US20/67244
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521154774
【氏名又は名称】ケアストリーム デンタル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イングレーゼ ジャン-マルク
(72)【発明者】
【氏名】ルデルグ デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】カプリ アルノー
(72)【発明者】
【氏名】ルストゥーヌウ ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】スブラマニアン クリシュナムルティ
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA30
4C093CA15
4C093DA05
4C093EC28
4C093EC29
4C093EC34
4C093EC57
4C093EE16
4C093FA53
4C093FA55
4C093FH06
(57)【要約】
本発明は口腔内X線システムを提供し、口腔内X線システムは、
環境内に位置するX線源と、
作動可能シザーアームを含むロボットアームであって、マウンティングに取り付けられるように構成された第1の端部及びX線源に取り付けられた第2の端部を有し、第1の端部及び第2の端部の少なくとも一方が回転可能な作動可能ジョイントを含むロボットアームと、
X線源に対する環境の位置及び/又は向きの変動、ならびにX線源に対する移動式X線センサの位置及び/又は向きの変動を決定するための位置センサと、
位置及び/又は向きの決定された変動の関数としてロボットアームを作動させて、X線源の位置及び/又は向きをX線源の所定の位置及び/又は向きに対して制御する駆動ユニットと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境内に位置するX線源と、
作動可能シザーアームを含むロボットアームであって、マウンティングに取り付けられるように構成された第1の端部及び前記X線源に取り付けられた第2の端部を有し、前記第1及び前記第2の端部の少なくとも一方が回転可能な作動可能ジョイントを含む、ロボットアームと、
前記X線源に対する前記環境の位置及び/又は向きの変動、ならびに前記X線源に対する移動式X線センサの位置及び/又は向きの変動を決定するための位置センサと、
位置及び/又は向きの決定された変動の関数として前記ロボットアームを作動させて、前記X線源の前記位置及び/又は向きを前記X線源の所定の位置及び/又は向きに対して制御する駆動ユニットと、を備える、
口腔内X線システム。
【請求項2】
前記X線源に対する前記環境の位置及び/又は向きの前記変動、ならびに前記X線源に対する前記移動式X線センサの位置及び/又は向きの前記変動は、前記X線源に関連付けられた同じ基準フレーム内で決定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記駆動ユニットは、前記作動可能シザーアーム及び/又は少なくとも1つの前記回転可能な作動可能ジョイントを制御するように構成される、請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記駆動ユニットは、前記作動可能シザーアーム及び/又は少なくとも1つの前記回転可能な作動可能ジョイントを所定の位置にロックするように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記位置センサは、前記X線源に対する前記環境の位置及び/又は向きの変動を決定するための第1の位置センサと、前記X線源に対する移動式X線センサの位置及び/又は向きの変動を決定するための第2の位置センサとを含み、前記第1及び前記第2の位置センサのそれぞれは、ジャイロスコープ、加速度計、及び所定の部材の位置を特定するローカライザのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記ローカライザは、無線レシーバと、少なくとも1つの無線エミッタの位置を特定するコンピューティングユニットとを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記回転可能な作動可能ジョイントのそれぞれは、1軸、2軸、又は3軸の周りの回転を可能にする、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記駆動ユニットは、前記X線源の動きを、前記X線センサに対して所定の経路に従って制御するように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記X線源は、前記ロボットアームの前記第2の端部から取り外し可能である、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記X線源は、前記ロボットアームに属する第1の部分と前記X線源に属する第2の部分とを含むコネクタを介して制御及び給電され、前記コネクタの前記第2の部分は、外部電源モジュールを前記X線源に接続して、前記X線源に給電することを可能にする、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記X線源はディスプレイを含む、請求項9又は請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記X線センサを更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記X線センサによって担持される少なくとも1つの無線エミッタを更に備える、請求項6に従属する請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ローカライザは、少なくとも2台のカメラと、視覚マーカの空間的配置の位置を特定するように構成されたコンピューティングユニットとを含み、ここで前記視覚マーカは前記X線センサ上に配置され、前記カメラの前記視野内にある、請求項5に従属する請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記駆動ユニットは、前記ロボットアームを作動させて、前記X線センサに対する前記X線源の前記位置及び/又は向きを、取得前の接近段階、取得段階、又は更なる取得への保管段階の1つの間に制御するように構成される、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記システムは、障害物検出器を備え、前記駆動ユニットは、前記X線源の軌道上の障害物の検出により、前記X線源の動きを停止するように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記X線源が配置される前記環境の前記X線源に対する位置及び/又は向きの変動、ならびに前記X線源に対する前記X線センサの位置及び/又は向きの変動を取得することと、
前記X線源の動きをリアルタイムで決定して、前記得られた位置及び/又は向きの変動を補償することと、
前記ロボットアームを作動させて、前記決定された動きの関数として前記X線源を動かすことと、を含む、
請求項1~16のいずれか一項に記載のX線システムを制御するための方法。
【請求項18】
前記X線源の前記動きをリアルタイムで決定することは、前記X線源の補償運動をリアルタイムで決定して、前記X線源及び/又は前記X線センサの前記得られた位置及び/又は向きの変動を補償することと、前記X線センサに対して前記X線源が辿る所定の経路に沿って到達する位置を得ることとを含み、前記X線源の前記決定された動きは前記補償運動と前記得られた位置との組み合わせから生じる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
プログラム可能装置用のコンピュータプログラム製品であって、前記プログラム可能装置にロードされて実行される時に、請求項17又は請求項18に記載の方法の前記ステップのそれぞれを実施するための一連の命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項20】
請求項17又は請求項18に記載の方法の前記ステップのそれぞれを実施するためのコンピュータプログラムの命令を記憶する、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルスケア産業用のX線システムの分野に関する。特に、限定するものではないが、本発明は、歯科産業で使用される口腔内X線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
口腔内X線システムは、一般に、患者の歯の2次元(2D)画像を提供するために使用される。開業医が口腔内X線システムを患者に使用する場合、口腔内センサは、患者の口内で、撮像される1本又は複数の歯の後方に配置され、システムの外部X線源は、撮像されるエリアの近くで患者の顔に近接される。
【0003】
このような口腔内X線システムのX線源は、通常、多関節アームに装着され、X線源が多関節アームの第1の端部に取り付けられている状態となる。多関節アームの第2の端部は、壁、歯科用チェアサイド、又はスタンドアロン型ベースに取り付けられ得る。多関節アームの第2の端部が壁に取り付けられている場合、壁は安定し、平らで、開業医のオフィスの床に対して垂直である必要がある。すべての壁が安定し、平らで、床に対して垂直であるわけではないため、多関節アームの壁への設置は、困難であり、時間がかかる場合がある。多関節アームが歯科用チェアサイド又はスタンドアロン型ベースに取り付けられている場合、更なる場所が歯科用チェアの周囲に必要とされ、これは、多くの開業医のオフィスでは利用可能でないことが多い。
【0004】
多関節アームが固着されている場所にかかわらず、X線源は重いことが多く、したがって、多関節アームは、スプリング及びケーブルを含んで、X線源を安定に保つ一方で、X線画像を患者の1本又は複数の歯に対して撮影する。残念ながら、スプリング及びケーブルを用いていても、不安定なドリフトがX線撮像中に生じ、像ぶれ、及び画質に影響を与える可能性のあるその他の問題を引き起こす場合がある。また、壁が十分に平らでなく、安定しておらず、床に対して垂直でない場合、不安定性が悪化する可能性がある。
【0005】
加えて、多関節アームが壁、歯科用チェアサイド、又はスタンドアロン型ベースに固着されているため、X線源は一般に、特定の検査室でのみ使用されるように制限され、開業医が自分のオフィスを、複数のX線源が別々の検査室にあるように装備する必要があり、又は患者がX線撮像の目的でオフィス内を検査室間で移動する必要がある。口腔内X線撮像システムへの開業医の出資は、X線源が移動式であれば削減され得る。また、移動式X線源では、トモシンセシス検査が、様々な検査室で開業医に対して最小限のコストで実施され得る。
【0006】
加えて、前述のように、開業医は、X線源を患者の顔の近くに移動させて、X線撮像を実行するが、開業医にとって患者が動いている場合にそうすることは困難な場合がある。更に、患者がX線撮像の前又は最中に僅かに動く場合、画質に悪影響が及ぶ可能性がある。満足のいくX線画像が得られない場合、開業医はもう一度、X線画像を撮影する必要があり、それによって患者へのX線線量が増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0060145号明細書
【特許文献2】国際公開第2012/166262号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、業界では、設置と使用がより簡単であり、患者の顔の近くのX線源の位置決めを改善し、高品質のX線画像を生成し、現在のシステムのこれらとその他の問題、困難、及び欠点を解決する口腔内X線システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
広範に説明すると、本発明は、口腔内X線システムを含み、それは歯科用X線画像を生成するための装置及び方法を含んでいる。有利なことに、本発明の口腔内X線システムは、開業医のオフィスの壁への設置をより簡単にするものであり、なぜなら口腔内X線システムの可動構成要素が、壁の平坦性の欠陥又は床に対して十分に垂直でない壁を補償するために移動され得るためである。また、少なくとも部分的にはそのモニタリング及び補償機能により、口腔内X線システムはX線撮像の前及び最中のX線源の位置のドリフトを補償し得て、それによって追加のX線画像を撮影すること、及び患者を不必要に過剰なX線線量に曝すことの必要性を回避している。口腔内X線システムはまた、本明細書で説明されるように、X線撮像の前及び最中の患者の動きを自動的に補償し得る。また、X線源はデータ/信号処理ユニットの制御下で所定の軌道に沿って精度よく動かされ得るため、口腔内X線システムを使用して患者のコンピュータトモシンセシス検査を実行し得る。更に、X線源及びロボットアームは、X線源がロボットアーム及び口腔内X線システムの残りの部分に取り付け可能/取り外し可能であるように設計され得るため、X線源がロボットアームとの接続から取り外されて除去される際に、激しく、不安定な反応が生じない。代わりに、データ/信号処理ユニットは、X線源の除去によるロボットアームの第2の端部での重量の変動を検出し、ロボットアーム及び口腔内X線システムの他の可動構成要素を操作して、重量の変動を安全で予測可能な方法で自動的に補償し得る。
【0010】
本開示の特定の態様によると、口腔内X線システムが提供され、口腔内X線システムは、
環境内に位置するX線源と、
作動可能シザーアームを含むロボットアームであって、マウンティングに取り付けられるように構成された第1の端部及びX線源に取り付けられた第2の端部を有し、第1の端部及び第2の端部の少なくとも一方が回転可能な作動可能ジョイントを含んでいるロボットアームと、
X線源に対する環境の位置及び/又は向きの変動、ならびにX線源に対する移動式X線センサの位置及び/又は向きの変動を決定するための位置センサと、
位置及び/又は向きの決定された変動の関数としてロボットアームを作動させて、X線源の位置及び/又は向きをX線源の所定の位置及び/又は向きに対して制御する駆動ユニットと、を含む。
【0011】
本発明による口腔内X線システムは、単純化された設置、操作、及び保守を提供する。特に、本発明による口腔内X線システムは、それが取り付けられるマウンティングの特定の特性を、その堅牢性以外に必要としない。
【0012】
一実施形態では、X線源に対する環境の位置及び/又は向きの変動、ならびにX線源に対する移動式X線センサの位置及び/又は向きの変動は、X線源に関連付けられた同じ基準フレーム内で決定され、処理を簡素化及び高速化する。
【0013】
一実施形態では、駆動ユニットは、作動可能シザーアーム及び/又は少なくとも1つの回転可能な作動可能ジョイントを制御するように構成される。
【0014】
一実施形態では、駆動ユニットは、作動可能シザーアーム及び/又は少なくとも1つの回転可能な作動可能ジョイントを所定の位置にロックし、そうしてX線源の組み立て及び分解を容易にして保管を改善するように構成される。したがって、開業医は、ロボットアームをロックされた構成に切り替えることができ、それはロボットアーム及び口腔内X線システムの他の可動構成要素のために容易に実現される。次に、ロボットアームはX線センサの位置に関係なく固定される。
【0015】
一実施形態では、位置センサは、X線源に対する環境の位置及び/又は向きの変動を決定するための第1の位置センサと、X線源に対する移動式X線センサの位置及び/又は向きの変動を決定するための第2の位置センサとを含み、第1及び第2の位置センサのそれぞれは、ジャイロスコープ、加速度計、及び所定の部材の位置を特定するローカライザのうちの少なくとも1つを含む。
【0016】
一実施形態では、ローカライザは、無線レシーバと、少なくとも1つの無線エミッタの位置を特定するコンピューティングユニットとを含む。
【0017】
一実施形態では、回転可能な作動可能ジョイントのそれぞれは、1軸、2軸、又は3軸の周りの回転を可能にする。
【0018】
一実施形態では、駆動ユニットは、X線源の動きを、X線センサに対して所定の経路に従って制御するように構成される。
【0019】
一実施形態では、X線源は、ロボットアームの第2の端部から取り外し可能である。
【0020】
一実施形態では、X線源は、ロボットアームに属する第1の部分とX線源に属する第2の部分とを含むコネクタを介して制御及び給電され、コネクタの第2の部分は、外部電源モジュールをX線源に接続して、X線源に給電することを可能にする。
【0021】
一実施形態では、X線源はディスプレイを含む。
【0022】
一実施形態では、システムは、X線センサを更に含む。
【0023】
一実施形態では、システムは、X線センサによって担持される少なくとも1つの無線エミッタを更に含む。
【0024】
一実施形態では、ローカライザは、少なくとも2台のカメラと、視覚マーカの空間的配置の位置を特定するように構成されたコンピューティングユニットとを含み、ここで視覚マーカは、X線センサ上に位置し、カメラの視野内にある。
【0025】
一実施形態では、駆動ユニットは、ロボットアームを作動させて、X線センサに対するX線源の位置及び/又は向きを、取得前の接近段階、取得段階、又は更なる取得への保管段階の1つの間に制御するように構成される。
【0026】
一実施形態では、システムは、障害物検出器を含み、駆動ユニットは、X線源の軌道上の障害物の検出により、X線源の動きを停止するように構成される。
【0027】
本開示の別の特定の態様によると、上記のX線システムを制御するための方法が提供され、この方法は、
X線源が配置される環境のX線源に対する位置及び/又は向きの変動、及びX線源に対するX線センサの位置及び/又は向きの変動を取得することと、
X線源の動きをリアルタイムで決定して、得られた位置及び/又は向きの変動を補償することと、
ロボットアームを作動させて、決定された動きの関数としてX線源を動かすことと、を含む。
【0028】
本発明による方法は、口腔内X線システムの単純化された設置、操作、及び保守を提供する。
【0029】
特定の実施形態によると、X線源の動きをリアルタイムで決定することは、X線源の補償運動をリアルタイムで決定して、X線源及び/又はX線センサの得られた位置及び/又は向きの変動を補償することと、X線センサに対してX線源が辿る所定の経路に沿って到達する位置を得ることとを含み、X線源の決定された動きは補償運動と得られた位置との組み合わせから生じる。本発明による方法の少なくとも一部は、コンピュータで実施され得る。したがって、本発明は、完全にハードウェアの実施形態、又はソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形をとることができ、これらはすべて、本明細書では一般に「回路」、「モジュール」又は「システム」と呼ばれ得る。更に、本発明の一部は、コンピュータプログラム製品の形態をとってもよく、それはコンピュータが使用可能なプログラムコードを媒体内に具現化する任意の有形の表現媒体で具現化される。
【0030】
本発明の一部はソフトウェアで実施され得るため、本発明の一部は、任意の適切な搬送媒体上のプログラム可能な装置に提供するためのコンピュータ可読コードとして具現化され得る。有形の搬送媒体は、記憶媒体、例えばフロッピーディスク、CD-ROM、ハードディスクドライブ、磁気テープデバイス、又は固体メモリデバイスなどを含み得る。過渡搬送媒体は、電気信号、電子信号、光信号、音響信号、磁気信号、又は電磁信号、例えばマイクロ波若しくはRF信号を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
ここで、本発明の実施形態は、例としてのみ、以下の図面を参照して説明される。
【
図1】口腔内X線システムの第1の例を、折り畳まれた状態で示す図であり、本発明のいくつかの実施形態が実施され得る。
【
図2】
図1の口腔内X線システムを、展開状態で示す図である。
【
図3】口腔内X線システムの第2の例を示す図であり、本発明のいくつかの実施形態が実施され得る。
【
図4】
図1及び
図2又は
図3に示されているような口腔内X線システムの一部分の概略ブロック図であり、本発明のいくつかの実施形態によるX線源の位置及び/又は向きを制御することを可能にし、その結果、X線センサに対してほぼ静止したままである。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態によるX線源の位置及び/又は向きを制御するためのプロセスのステップの一例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の少なくとも1つの実施形態を実施するように構成された処理デバイスを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明のいくつかの実施形態によると、口腔内X線システムは、位置センサを含み、X線センサに対する口腔内X線システムのX線源の相対位置及び/又は向きを決定し、口腔内X線システムのX線源の変位を決定する。加えて、X線システムは、位置センサの出力の関数として、駆動ユニットによって少なくとも部分的に制御されるロボットアームを含む。更に本発明のいくつかの実施形態によると、X線源はロボットアームに取り付けられ、その結果、X線源の位置及び/又は向きは、X線センサに対してほぼ静止したままである。
【0033】
図1は、口腔内X線システムの第1の例を折り畳まれた状態で示し、本発明のいくつかの実施形態が実施され得る。
【0034】
この例によると、100で参照されるX線システムは、X線システムの電子機器の一部、例えば、制御タイマユニットとX線露光ボタン(表示せず)とを含み得る壁フレームワーク105によって壁に装着される。110で参照されるX線源は、壁フレームワーク105にロボットアームを介して取り付けられ、ロボットアームはいくつかの移動式部材、例えば、115で参照されるオプションの延長アーム、一般的に120で参照される部材120-1及び120-2を含む作動可能シザーアーム、ならびにオプションのアダプタ125を含んでいる。図示の例によると、延長アーム115は、水平面において、壁フレームワーク105から延びる垂直軸の周りを移動可能である。例えば、延長アーム115は、壁フレームワーク105に、回転可能で操作可能なリンケージ部材を介して接続され得る。更にこの例によると、シザーアーム120は、壁フレームワーク105に取り付けられている端部とは反対側の端部で、延長アーム115から延びる垂直軸の周りを移動可能である。この場合も、シザーアーム120は、延長アーム115に、回転可能で操作可能なリンケージ部材を介して接続され得る。更に、シザーアーム120の端部は、水平方向に互いに対して移動可能であり、それらを接近させ、又は離隔させる。更にこの例によると、X線源110は、シザーアームの反対の端部に、アダプタ125の補助を用いて取り付けられ、アダプタ125は、シザーアームの端部から延びる垂直軸の周り、及び水平軸の周りの回転運動を可能にする。
【0035】
もちろん、別の構成が可能である。
【0036】
いくつかの実施形態によると、口腔内X線システム100の部材のそれぞれの動き又は一部の動きは電動化され、その結果、X線源110の位置及び向きはコンピュータなどの処理ユニットによって制御され得る。説明のために、これらの部材を動かすために使用されるアクチュエータは、1つ以上のステッパモータと1つ以上の油圧シリンダを含んでもよい。
【0037】
図2は、
図1の口腔内X線システムを展開状態で示す。見て分かるように、そのような展開状態は、X線源110をX線センサ、例えば、患者205の口内に配置されるX線センサ200の前方に配置することを可能にする。
【0038】
図3は、口腔内X線システムの第2の例を示し、本発明のいくつかの実施形態が実施され得る。この例によると、口腔内X線システム100’は移動式であり、作動可能シザーアーム120’が取り付けられた移動式ベースを含む。図示の例によると、シザーアーム120’は、移動式ベース300から延びる垂直軸の周りを移動可能である。シザーアーム120’は、移動式ベース300に、回転可能で操作可能なリンケージ部材を介して接続され得る。シザーアーム120の端部と同様に、シザーアーム120’の端部は、水平方向に互いに対して移動可能であり、それらを接近させ、又は離隔させ、X線源110’は、シザーアームの反対の端部に、アダプタ125’の補助を用いて取り付けられ、アダプタ125’は、シザーアームの端部から延びる垂直軸に従って、及び水平軸に従って回転運動を可能にする。
【0039】
この場合も、別の構成が可能である。
【0040】
同様に、口腔内X線システム100’の部材のそれぞれの動き又は一部の動きは電動化され、その結果、X線源110’の位置及び向きはコンピュータなどの処理ユニットによって制御され得る。この場合も、これらの部材を動かすために使用されるアクチュエータは、1つ以上のステッパモータと1つ以上の油圧シリンダを含んでもよい。
【0041】
X線源110又は110’は、従来の熱電子X線管源、又は冷陰極X線源、例えばその重量を減らし、ロボットアームの設計を単純化するカーボンナノチューブを含むものなどを含み得る。X線源は、ロボットアームに属する第1の部分とX線源に属する第2の部分とを含むコネクタを介して制御され給電され得て、X線源がロボットアームに取り付け可能/ロボットアームから取り外し可能にされる場合、コネクタの第2の部分は、パワーモジュール、例えばバッテリ又はスーパーキャパシタを含むものなどの取り付けを支持し得る。このようなパワーモジュールは、持ち手に含まれてもよく、持ち手には、X線源がロボットアームから取り外された後に取り付けられてもよい。任意選択で、X線源は、露光パラメータ及び/又はパワーモジュール内の残りの電力を表示するのに適したディスプレイを含み得る。
【0042】
本発明の特定の実施形態によると、ロボットアームは、X線コンピュータ断層撮影中に操作及び移動されて、X線源を所望の経路、すなわち、X線センサに対する所望の軌道及び向きに沿って移動させ得る。
【0043】
本発明の特定の実施形態によると、ロボットアームは、X線センサを照射する前に操作されて、X線センサに対して所望の位置にX線源を配置し得る。同様に、ロボットアームはX線センサを照射した後に(又は任意の時に)操作されて、X線源を保管位置に配置し得る。
【0044】
更に本発明の特定の実施形態によると、駆動ユニットは、作動可能シザーアーム及び/又は少なくとも1つの回転可能な作動可能ジョイントを所定の位置にロックし、X線源をロボットアームから取り外すことを可能にするように構成される。X線源をロボットアームから取り外すことを可能にするそのような位置は、保管位置と同じ位置であってもよく、又は異なる位置であってもよい。
【0045】
更に特定の実施形態によると、X線源及び/又はロボットアームは、障害物検出器、例えば光学的近接検出器を含み、X線源が動かされたときにX線源が物体と衝突するのを回避する。
【0046】
図4は、
図1及び
図2又は
図3に示されているような口腔内X線システムの一部分の概略ブロック図であり、本発明のいくつかの実施形態によるX線源の位置及び/又は向きを制御することを可能にし、その結果、X線センサに対してほぼ静止したままとなる。
【0047】
明確にするために、
図1及び
図2のみを参照する。しかし、
図4の説明は、
図3のX線システム及び任意の同様のX線システムにも適用されることを理解する必要がある。
【0048】
図示のように、X線源110は、X線源110が水平軸の周りを回転することを可能にする回転可能で操作可能なリンケージ部材を介して、アダプタ125に取り付けられる。次に、アダプタ125は、アダプタが垂直軸の周りを回転することを可能にする回転可能で操作可能なリンケージ部材を介して、シザーアーム部材120-2に取り付けられる。ロボットアームは、回転可能な作動可能ジョイントなどの他の作動可能な部材を含んでもよい。
【0049】
図示の例によると、X線源110は、400で参照される第1の位置センサ(又は位置センサの第1の部分)を含み(又は担持し)、X線源110に対するX線センサ200の相対位置及び/又は向きを決定する。したがって、X線源110に対するX線センサ200の位置及び/又は向きの変化を決定することによって、図示の例では、シザーアーム120及びアダプタ125を含むロボットアームを制御して、X線センサ200に対するX線源110の位置及び/又は向きを修正して、光線源110をX線センサ200に対してほぼ静止したままにすることが可能である。
【0050】
説明のために、第1の位置センサは、1つ以上の無線レシーバ、例えば無線レシーバ400を含み、X線センサに関連付けられた1つ以上の無線エミッタ、例えば、X線センサ200に取り付けられた無線エミッタ405-1及び405-2の位置を特定し得る。無線エミッタによって放出された無線信号を測定することにより、無線レシーバに関連付けられた処理ユニットは、無線エミッタの相対位置、したがってこれらの無線エミッタに関連付けられたX線センサの相対位置を決定することができる。そのような第1の位置センサの例は、米国特許出願公開第2009/0060145号明細書及び国際公開第2012/166262号に開示されている。
【0051】
別のタイプの位置センサ、例えばバーチャルリアリティシステムで使用される位置トラッカが使用されてもよい。説明のために、そのような位置トラッカは、光学的位置追跡システムであり得て、X線源上に配置された2台のビデオカメラに関連付けられた固定視覚マーカの配置を含む。この実施形態では、固定視覚マーカは、X線センサに取り付けられ、X線センサが患者の口の中に配置されたときに、2台のビデオカメラのそれぞれの視野内に置かれる。視覚マーカの空間構成と2台のカメラの空間構成が既知であると、X線センサの位置と向きが決定され得る。これらの視覚マーカの代替として、回転式不変パターンを含むQRコード(登録商標)などのタグが使用され得る。加えて、位置及び/又は向きを測定する代わりに、動きを測定することが可能である。
【0052】
更に図示の例によると、X線源110は、410で参照される第2の位置センサ(又は位置センサの第2の部分)を更に含み(又は担持し)、X線システムを配置する環境に関連付けられた基準フレーム(例えば、X線源が配置されている部屋の壁に関連付けられた基準フレーム)に対するX線源の変位を決定する。いくつかの特定の実施形態によると、更なる計算を単純化するために(すなわち、基準フレームの変化を回避するために)、X線源は固定されていると見なされ、X線源が配置されている環境は移動可能であると見なされる。このような場合、第2の位置センサはX線源に対する環境の変位を提供する。
【0053】
したがって、X線システムが配置される環境に関連付けられた基準フレームに対するX線源の変位、又はX線源110に対する環境の動きを決定することによって、図示の例では、シザーアーム120及びアダプタ125を含むロボットアームを制御して、環境に対するX線源110の位置及び/又は向きを修正し、X線源110が環境に対してほぼ静止したままであるように、すなわち、X線源の位置のドリフトを検出し、リアルタイムでドリフトを自動的に補償することが可能である。
【0054】
説明のために、第2の位置センサは、1つ以上の加速度計及び/又は1つ以上のジャイロスコープ、例えば、多数のスマートフォンに提供されるような集積回路内に埋め込まれた加速度計及びジャイロスコープを含み得る。他のタイプの位置センサが使用されてもよい。加えて、動きを測定する代わりに、位置及び/又は向きを測定することが可能である。
【0055】
第1の位置センサの出力によって決定されてX線源110に適用される補償運動と、第2の位置の出力によって決定されてX線源110に適用される補償運動とを組み合わせることで、X線センサによって発行されたデータから取得される画像の品質を向上させることを可能にする。これらの補償運動の組み合わせを容易にするために、同じ基準フレーム(例えば、基準フレーム415)を使用して、X線源に対するX線センサの相対運動を決定し、X線源に関する環境の相対運動を決定することが好ましい。
【0056】
第1及び第2の位置センサ(集合的に1つの「位置センサ」と呼ばれてもよい)の出力を組み合わせて、ロボットアームを制御すること、すなわち、X線源のドリフト及びX線センサの動きを補償するために、ロボットアームのアクチュエータに送信する制御コマンドを決定することは、処理ユニット、例えば、X線源内に埋め込まれた駆動ユニット420において行われ得る。特定の実施形態によると、駆動ユニット420は、上記のように1つ以上の無線エミッタの位置を特定するために使用される処理ユニットを含む。
【0057】
別の実施形態によると、駆動ユニットは、X線源の外部にある。このような場合、第1及び第2の位置センサから発行されたデータと、ロボットアームのアクチュエータに送信された制御コマンドは、標準のワイヤレスプロトコル(例えば、Bluetooth又はWiFiプロトコルを使用して、Bluetooth及びWiFiは商標である)に従って、あるいは有線で送信され得る。
【0058】
図5は、本発明のいくつかの実施形態による、X線源の位置及び/又は向きを制御するためのプロセスのステップの例を示すフローチャートである。これらのステップは、上記の駆動ユニットで実行され得る。
【0059】
図示のように、第1の任意のステップは、X線源が辿る軌道を取得すること(ステップ500)に関し、X線源がX線センサに対して所定の経路に従って移動する必要がある場合、例えばコンピュータ断層撮影の場合である。このようなステップは、初期化ステップの一部であり得る。
【0060】
次に、X線源に関連付けられた所定の基準フレームに従い、X線源が配置されている環境のX線源に対する動き又は変位が得られる(ステップ505)。ステップ505は数回(通常は定期的に)実行されるため、得られた動き又は変位は、好ましくは、このステップの2つの連続する実行の間のX線源に対する環境の変位に対応する。
【0061】
並行して、又は前後して、X線源に関連付けられた所定の基準フレームに応じて、X線源に対するX線センサの位置及び/又は向きが得られる(ステップ510)。この位置及び/又は向きは、以前の位置及び/又は向きと比較されて変位を決定する(ステップ515)。この場合も、ステップ505及びステップ510は数回(通常は定期的に)実行されるため、決定された変位は、好ましくは、これらのステップの2つの連続する実行の間のX線源に対するX線センサの変位に対応する。
【0062】
代替的に、X線源に対するX線センサの変位は、センサから直接取得されてもよい。
【0063】
次に、X線源の補償運動が決定される(ステップ520)。特定の実施形態によると、この補償運動は、第1の位置センサから得られた補償運動と第2の位置センサから得られた補償運動との合計から決定される。これは、この合計の負に等しくてもよい。
【0064】
X線源がX線センサに対して移動する必要がある場合、例えば、コンピュータ断層撮影の場合、X線源の変位が決定される(ステップ525)。この決定は、得られた軌道とタイミング情報に基づく。
【0065】
次に、制御コマンドは、ロボットアームのアクチュエータ、例えば作動可能シザーアームのアクチュエータ及び1つ以上の回転可能な作動可能ジョイントのアクチュエータを、X線源が決定された補償運動に従って、また適用可能であれば、得られた軌道に沿って決定された変位に従って移動されるよう制御するために決定される(ステップ530)。決定された後、制御コマンドがアクチュエータに送信されて、X線源を実際に移動させる(ステップ535)。
【0066】
図示のように、プロセスは、X線源の変位に対する補償が不必要になるまで、例えば、1本又は複数の歯の所望の画像が得られるまで繰り返される。
【0067】
有利には、本発明の口腔内X線システムは、開業医のオフィスの壁への設置をより簡単にし、これは口腔内X線システムの可動構成要素を動かして壁の平坦性の欠陥、又は壁が床に対して十分に垂直でないことを補償し得るためである。また、少なくとも部分的にはそのモニタリング及び補償機能により、口腔内X線システムはX線源の位置のドリフトをX線撮像の前及び最中に補償し得て、それによって追加のX線画像を撮影すること、及び患者を不必要に過剰なX線線量に曝すことの必要性を回避する。口腔内X線システムはまた、本明細書で説明されるように、X線撮像の前及び最中に患者の動きを自動的に補償し得る。また、X線源はデータ/信号処理ユニットの制御下で所定の軌道に沿って精度よく移動され得るため、口腔内X線システムを使用して患者のコンピュータトモシンセシス検査を実行し得る。更に、X線源及びロボットアームは、X線源がロボットアーム及び口腔内X線システムの残りの部分に取り付け可能/取り外し可能であるように設計され得るため、X線源がロボットアームとの接続から取り外されて除去される際に、激しく、不安定な反応が生じない。代わりに、データ/信号処理ユニットは、X線源の除去によるロボットアームの第2の端部での重量の変動を検出し、ロボットアーム及び口腔内X線システムの他の可動構成要素を操作して、重量の変動を安全で予測可能な方法で自動的に補償する。
【0068】
図6は、本発明による方法のいくつかの実施形態の少なくとも一部のステップ、例えば、
図5の参照によって説明されるステップを実施するように構成された処理デバイス600を概略的に示す。処理デバイス600は、マイクロコンピュータ、ワークステーション、又は軽量携帯式デバイスなどのデバイスであり得る。デバイス600は、通信バス605を含み、通信バス605は、
マイクロプロセッサなどの、CPUと表記される中央処理装置610と、
本発明を実施するためのコンピュータプログラムを記憶する、ROMと表記される読み取り専用メモリ615と、
本発明による方法のいくつかの実施形態の一部のステップの実行可能コード、ならびにこれらのステップを実施するために必要な変数及びパラメータを記録するように適合されたレジスタを記憶するための、RAMと表記されるランダムアクセスメモリ620と、
X線センサに対する位置及び/又は向き情報を取得するためのセンサ、ならびにロボットアームのアクチュエータに接続された入力/出力インターフェース625と、に接続される。
【0069】
任意選択で、装置600はまた、以下の構成要素を含み、それは、
本発明による方法のいくつかの実施形態の一部のステップを実施するためのコンピュータプログラム、及びこれらのステップの実施中に使用又は生成されるデータを記憶するための、ハードディスクなどのデータ記憶手段630と、
通信ネットワークを介してデータを受信又は送信するためのネットワークインターフェース(x35)と、
キーボード又はその他のポインティング手段によって、データを表示し、及び/又はグラフィカルインターフェースとしてユーザに役立ち、ユーザがX線システムと対話できるようにするための画面(表示せず)と、である。
【0070】
通信バスは、装置600に含まれるか、又は装置600に接続される様々な部材間の通信及び相互運用性を提供する。バスの表現は限定的ではなく、特に中央処理装置は、装置600の任意の部材に直接又は装置600の別の部材によって命令を通信するように操作可能である。
【0071】
実行可能コードは、読み取り専用メモリ615、ハードディスク630、又は例えばメモリカード(表示せず)などの取り外し可能なデジタル媒体のいずれかに記憶され得る。変形例によると、プログラムの実行可能コードは、通信ネットワークによってネットワークインターフェース635を介して受信され、実行前に装置600の記憶手段の1つ、例えばハードディスク630に記憶される。
【0072】
中央処理装置610は、本発明による1つ又は複数のプログラムの命令又はソフトウェアコードの一部の実行を制御及び指示するように適合され、その命令は、前述の記憶手段の1つに記憶される。電源投入時に、不揮発性メモリ、例えばハードディスク630又は読み取り専用メモリ615に記憶された1つ又は複数のプログラムは、ランダムアクセスメモリ620に転送され、ランダムアクセスメモリは、その後、1つ又は複数のプログラムの実行可能コード、ならびに本発明を実施するために必要な変数及びパラメータを記憶するためのレジスタを含む。
【0073】
この実施形態では、装置は、ソフトウェアを使用して本発明を実施するプログラム可能な装置である。しかしながら、代替的に、本発明は、ハードウェア(例えば、特定用途向け集積回路、すなわちASICの形態で)で実施されてもよい。
【0074】
本発明は特定の実施形態を参照して上述したが、本発明はその特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲に含まれる修正は、当業者にとって明白であろう。
【0075】
多くの更なる修正及び変形は、上記の例示的な実施形態を参照することで当業者に想定されるであろうが、これらは例示のみによって提供されており、添付の特許請求の範囲のみによって決定される本発明の範囲を限定することを意図していない。特に、異なる実施形態の異なる特徴は、適切であれば入れ替えられてもよい。
【0076】
特許請求の範囲において、用語「含んでいる(comprising)」は他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を排除するものではない。異なる特徴は相互に異なる従属請求項に列挙されるという単なる事実は、これらの特徴の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。
【国際調査報告】