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▶ イーエルシー マネージメント エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】化粧品アプリケータ
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/37 20060101AFI20231227BHJP
   B29C 33/42 20060101ALI20231227BHJP
   B29C 45/00 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
B29C45/37
B29C33/42
B29C45/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564348
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(85)【翻訳文提出日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 US2021028515
(87)【国際公開番号】W WO2021216795
(87)【国際公開日】2021-10-28
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513161449
【氏名又は名称】イーエルシー マネージメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100196449
【弁理士】
【氏名又は名称】湯澤 亮
(72)【発明者】
【氏名】アイヤル、スシル
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AA45
4F202AH72
4F202AR06
4F202AR07
4F202AR12
4F202CA11
4F202CB01
4F202CD24
4F206AA45
4F206AR06
4F206AR07
4F206AR12
4F206JA07
4F206JQ81
(57)【要約】

【解決手段】 射出成形を介して化粧品アプリケータを製造する方法が記載されている。この方法では、熱可塑性材料が金型キャビティ内に導入される。金型キャビティは、熱可塑性材料と係合する表面を含む。表面は、その中に窪んだマイクロエッチング特徴部を有する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品アプリケータを製造する方法であって、
熱可塑性材料を金型キャビティに導入する工程であって、前記金型キャビティが、前記熱可塑性材料と係合する表面を含み、前記表面が、その中に窪んだ複数のマイクロエッチング特徴部を含む、導入する工程、を含む、方法。
【請求項2】
各マイクロエッチング特徴部が、0.08ミリメートル(mm)~0.35mmの深さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金型キャビティの前記表面が、1つ以上の平滑領域を含み、前記1つ以上の平滑領域が、非マイクロエッチング表面又は0.08mm未満の深さを有するマイクロエッチング表面のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のマイクロエッチング特徴部の各々が、前記1つ以上の平滑領域の第1の平滑領域によって分離されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第1のマイクロエッチング特徴部の深さが、第2のマイクロエッチング特徴部の深さに等しくない、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のマイクロエッチング特徴部のパターンが、フロッキング形状を画定する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記金型キャビティ表面が、近位端から中間部分によって分離された遠位端を有し、
前記フロッキング形状が、前記複数のマイクロエッチング特徴部中のマイクロエッチング特徴部の第2のセット、及び前記複数のマイクロエッチング特徴部中のマイクロエッチング特徴部の第3のセットの前記それぞれの深さよりも深い深さを有する前記中間部分内のマイクロエッチング特徴部の第1のセットによって、少なくとも部分的に画定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記金型キャビティの前記遠位端が、前記アプリケータの自由端を作り出すように構成されており、前記金型キャビティの前記近位端が、前記アプリケータのハンドルの少なくとも一部分を作り出すように構成されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記金型キャビティは、前記中間部分から前記遠位端に向かって、前記遠位端における前記金型キャビティの長さに対して直角にとった前記金型キャビティの断面積が前記中間部分における前記金型キャビティの前記長さに対して直角にとった断面積未満になるように、先細りになっている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記金型キャビティが、金型本体内に形成され、前記金型本体が、第2の金型本体部分と対向関係にある第1の金型本体部分を含み、前記金型キャビティの第1の部分が、前記第1の金型本体部分内に窪んでおり、前記金型キャビティの第2の部分が、前記第2の金型本体部分内に窪んでいる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のマイクロエッチング特徴部が、前記金型キャビティの前記第1の部分又は前記金型キャビティの前記第2の部分のうちの一方の中に位置する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記熱可塑性材料が、60ショアA以下の硬度を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記熱可塑性材料が、エラストマーである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記熱可塑性材料が完全に溶融状態にあるように、前記熱可塑性材料が溶融する温度よりも高い温度で、前記熱可塑性材料を前記金型キャビティ内に導入する工程と、
前記熱可塑性材料が固化する際に、前記金型キャビティの表面仕上げが前記アプリケータに移動するように、前記熱可塑性材料を前記金型キャビティ内で固化させる工程と、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法に従って製造されるアプリケータであって、
長手方向軸の周りに位置付けられた熱可塑性材料のヘッドであって、前記アプリケータの自由端を形成する遠位端、及びハンドル内で終端する近位端を有し、露出した外面を更に含む、熱可塑性材料のヘッドと、
前記長手方向軸に対して前記露出した外面から半径方向外向きに延在し、前記ヘッドと一体的に形成された複数のフロック様延在部と、を備える、アプリケータ。
【請求項16】
化粧品アプリケータであって、
長手方向軸の周りに位置付けられた熱可塑性材料のヘッドであって、前記化粧品アプリケータの自由端を形成する遠位端、及びハンドル内で終端する近位端を有し、露出した外面を更に含む、熱可塑性材料のヘッドと、
前記長手方向軸に対して前記露出した外面から半径方向外向きに延在する複数のフロック様延在部であって、前記複数のフロック様延在部中の各フロック様延在部が、前記熱可塑性材料から形成され、前記ヘッドと一体的に形成されている、複数のフロック様延在部と、を備える、化粧品アプリケータ。
【請求項17】
前記複数のフロック様延在部中の各フロック様延在部が、前記アプリケータの前記露出した外面から少なくとも0.08mm延在する長さを有する、請求項16に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項18】
前記複数のフロック様中の各フロック様延在部の前記長さが、前記アプリケータの前記露出した外面から0.35mm以下延在する、請求項17に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項19】
前記複数のフロック様延在部が、フロッキング形状内に配置され、前記アプリケータの前記遠位端が、中間部分によって前記アプリケータの前記近位端から分離されており、
前記フロッキング形状は、前記中間部分において前記長手方向軸に対して半径方向外向きに延在する前記複数のフロック様延在部の第1のセットの前記長さが、前記アプリケータの前記遠位端における前記複数のフロック様延在部の第2のセット及び前記アプリケータの前記近位端における前記複数のフロック様延在部の第3のセットのそれぞれの長さよりも長いことによって、少なくとも部分的に画定される、請求項18に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項20】
前記露出した外面が、1つ以上の平滑領域を含み、前記1つ以上の平滑領域が、フロック様延在部の不在によって画定される非フロッキング領域、又は長手方向軸に対して半径方向外向きに延在する前記複数のフロック様延在部中の0.08mm未満の長さを有するフロック様延在部のセット、のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の化粧用アプリケータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品アプリケータに関し、より具体的には、本発明は、リップアプリケータ、並びに射出成形型内のフロック様の構造及びリップアプリケータテクスチャを達成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、リップアプリケータ上の柔らかい、ビロード状の構造は、微細繊維が表面、又は所望のアプリケータデザインに成形されたポリマーベース材料上に噴霧/堆積される従来のフロッキング方法を介して達成される。強い適合性接着剤は、フロッキングがベース材料にうまく付着するために必要である。更に、フロッキングの噴霧プロセスでは、アプリケータ基材の高分子材料がフロッキング力に耐えるのに十分に安定性するか、又は物理的に安定するために、最低限の剛性を有する必要があり、通常、フロッキングされる繊維を引き付ける最適な表面エネルギーを得るために基材に前処理を行なう必要がある。また、表面の選択的フロッキングは、品質及び一貫性を低下させるマスキングが必要になる。マスキングは、従来の装飾では、フロッキングやバリアを用いた装飾を施さない物品の領域を覆う、若しくはマスキングするための、一般的なプロセスである。これにより、フロッキング又は装飾が物品の覆われた又はマスキングされた領域に堆積されるのを防止する。その領域を覆うと、工程と材料の無駄が増えることになる。
【0003】
化粧品アプリケータのフロッキングは、典型的には、二次プロセス中に達成される。ポリマー部品は、射出成形などの熱可塑性加工中に形成され、前処理を施した後、ポリマー部品の表面に塗布及び繊維堆積の適用を含む二次ブロッキングプロセスが行われる。フロッキングされている部品は、フロッキングプロセス中に安定している部品の少なくとも60ショアA硬度の剛性を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題及び他の問題を解決するために提供され、このタイプの前のアプリケータによって提供されない利点及び態様を提供するために提供される。本発明の特徴及び利点の完全な議論は、添付の図面を参照して進む、以下の詳細な説明に従う。
【0005】
本発明の第1の態様は、本開示の実施形態による、化粧品アプリケータを製造する方法を対象とする。この方法は、熱可塑性材料を金型キャビティに導入する工程であって、金型キャビティが、熱可塑性材料と係合する表面を含み、表面が、その中に窪んだ複数のマイクロエッチング特徴部を含む、工程を含む。
【0006】
本発明は、単独で又は任意の合理的な組み合わせで、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。各マイクロエッチング特徴部は、0.08ミリメートル(mm)~0.35mmの深さを有し得る。金型キャビティの表面は、1つ以上の平滑領域を含み得、1つ以上の平滑領域は、0.08mm未満の深さを有する非マイクロエッチング表面又はマイクロエッチング表面のうちの少なくとも1つを含む。複数のマイクロエッチング特徴部の各々は、1つ以上の平滑領域の第1の平滑領域によって分離され得る。第1のマイクロエッチング特徴部の深さは、第2のマイクロエッチング特徴部の深さに等しくなくてもよい。複数のマイクロエッチング特徴部のパターンは、フロッキング形状を画定することができる。金型キャビティ表面は、中間部分によって近位端から分離された遠位端を有することができ、フロッキング形状は、複数のマイクロエッチング特徴部中のマイクロエッチング特徴部の第2のセット、及び複数のマイクロエッチング特徴部中のマイクロエッチング特徴部の第3のセットのそれぞれの深さよりも深い深さを有する中間部分内のマイクロエッチング特徴部の第1のセットによって、少なくとも部分的に画定され得る。金型キャビティの遠位端は、アプリケータの自由端を作り出すように構成され得、金型キャビティの近位端は、アプリケータのハンドルの少なくとも一部分を作り出すように構成され得る。金型キャビティは、中間部分から遠位端に向かって、遠位端における金型キャビティの長さに対して直角にとった金型キャビティ断面積が、中間部分における金型キャビティの長さに対して直角にとった断面積未満になるように、先細りになっていてもよい。金型キャビティは、金型本体内に形成され、金型本体は、第2の金型本体部分と対向関係にある第1の金型本体部分を含み、金型キャビティの第1の部分は、第1の金型本体部分内に窪んでおり、金型キャビティの第2の部分は、第2の金型本体部分内に窪んでいる。複数のマイクロエッチング特徴部は、金型キャビティの第1の部分又は金型キャビティの第2の部分のうちの一方の中に位置し得る。熱可塑性材料は、60ショアA以下の硬度を有し得る。熱可塑性材料は、エラストマーであり得る。この方法は、
i.熱可塑性材料が完全に溶融状態にあるように、熱可塑性材料が溶融する温度よりも高い温度で、熱可塑性材料を金型キャビティ内に導入する工程と、
ii.熱可塑性材料が固化する際に、金型キャビティの表面仕上げがアプリケータに移動するように、熱可塑性材料を金型キャビティ内で固化させる工程と、を更に含み得る。
【0007】
本発明の第2の態様は、上記のように定義された方法のうちの1つに従って製造されたアプリケータを対象とする。アプリケータは、長手方向軸の周りに位置付けられた熱可塑性材料のヘッドを含む。ヘッドは、アプリケータの自由端を形成する遠位端、及びハンドル内で終端する近位端を有する。ヘッドは、露出した外面を更に含む。複数のフロック様延在部は、長手方向軸に対して露出した外面から半径方向外向きに延在し、ヘッドと一体的に形成されている。
【0008】
本発明の第3の態様は、本開示の実施形態による、化粧品アプリケータを対象とする。化粧品アプリケータは、長手方向軸の周りに位置付けられた熱可塑性材料のヘッドを含む。ヘッドは、化粧品アプリケータの自由端を形成する遠位端、及びハンドル内で終端する近位端を有する。ヘッドは、露出した外面を更に含む。複数のフロック様延在部は、長手方向軸に対して露出した外面から半径方向外向きに延在する。複数のフロック様延在部中の各フロック様延在部は、熱可塑性材料からのものであり、ヘッドと一体的に形成されている。
【0009】
本発明の第4の態様は、単独で又は任意の合理的な組み合わせで、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。複数のフロック様延在部中の各フロック様延在部は、アプリケータの露出した外面から少なくとも0.08mm延在する長さを有し得る。複数のフロック様中の各フロック様延在部の長さが、アプリケータの露出した外面から0.35mm以下延在し得る。複数のフロック様延在部は、フロッキング形状内で配置され得、アプリケータの遠位端は、アプリケータの近位端から中間部分によって分離され、フロッキング形状は、中間部分において長手方向軸に対して半径方向外向きに延在する複数のフロック様延在部の第1のセットの長さが、アプリケータの遠位端における複数のフロック様延在部の第2のセット及びアプリケータの近位端における複数のフロック様延在部の第3のセットのそれぞれの長さよりも長いことによって、少なくとも部分的に画定される。化粧品アプリケータの露出した外面は、1つ以上の平滑領域を含み得、1つ以上の平滑領域は、フロック様延在部の不在によって画定される非フロッキング領域、又は長手方向軸に対して半径方向外向きに延在する複数のフロック様延在部中の0.08mm未満の長さを有するフロック様延在部のセット、のうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の図面と併せて以下の明細書から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明を理解するために、ここで、添付の図面を参照して、例として説明する。
図1A図1Aは、本開示の実施形態による、本発明の化粧品アプリケータの側面図である。
図1B図1Bは、本開示の実施形態による、本発明の化粧品アプリケータの側面図である。
図1C図1Cは、本開示の実施形態による、本発明の化粧品アプリケータの側面図である。
図1D図1Dは、本開示の実施形態による、本発明の化粧品アプリケータの側面図である。
図1E図1Eは、本開示の実施形態による、本発明の化粧品アプリケータの側面図である。
図2図2は、本開示の実施形態による、本発明の化粧品アプリケータの部分断面図である。
図3図3は、本開示の実施形態による、本発明の化粧品アプリケータを製造するための金型の立面図である。
図4A図4Aは、本開示の実施形態による、本発明の射出成形方法で使用されるコンプ金型である。
図4B図4Bは、本開示の実施形態による、本発明の射出成形方法で使用されるコンプ金型である。
図5図5は、本開示の実施形態による、例えば、図2による化粧品アプリケータを製造するための、本発明の射出成形方法で使用されるコンプ金型の部分断面図である。
図6図6は、本開示の実施形態による、約0.08mmの深さでマイクロエッチング特徴部を示す、本発明の射出成形方法で使用される金型の90倍の拡大図である。
図7図7は、本開示の実施形態による、約0.2mmの深さでマイクロエッチング特徴部を示す、本発明の射出成形方法で使用される金型の90倍の拡大図である。
図8図8は、本開示の実施形態による、約0.35mmの深さでマイクロエッチング特徴部を示す、本発明の射出成形方法で使用される金型の90倍の拡大図である。
図9図9は、本開示の実施形態による、金型キャビティ表面のマイクロエッチング領域及び平滑領域を示す金型本体の一部分の概略図である。
図10図10は、本開示の実施形態による、金型キャビティ表面のマイクロエッチング領域及び平滑領域を示す金型本体の一部分の概略図である。
図11A図11Aは、本開示の実施形態による、化粧品アプリケータの20倍(11A)及び100倍(11B)での拡大図である。
図11B図11Bは、本開示の実施形態による、化粧品アプリケータの20倍(11A)及び100倍(11B)での拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、多くの異なる形態の実施形態の影響を受けやすいが、本開示は、本発明の原理の例示として考慮されるべきであり、本発明の広い態様を図示された実施形態に限定することを意図しないことを理解した上で、本発明の好ましい実施形態が図面に示され、本明細書で詳細に説明されることになる。
【0013】
本発明は、本開示の実施形態による、リップアプリケータにおいてフロッキング効果を作り出す新規の方法を対象とする。この方法は、アプリケータに繊維を適用するための二次プロセスの追加を伴う単一の射出成形プロセスにおけるフロッキング効果を達成する。したがって、リップアプリケータは、アプリケータの所望の領域又は部分にフロック効果を有する射出成形金型から直接製造されることになる。したがって、この方法は、アプリケータ後成形の表面をフロッキングする二次プロセスを必要としない。
【0014】
二次フロッキングプロセスがないため、フロッキング効果以降、安定したフロッキングプロセスを達成するための最低剛性又は最低硬度を満たす必要がない。この場合も、金型の壁又は表面内でエッチングされた微細なフロック様の形状特徴部内にポリマー材料が流れ込むプロセスによって、ツール内でフロッキング効果が達成される。したがって、本発明のプロセスは、成形フロッキング効果を達成するために、60ショアA未満の硬度を有する材料を採用する機会を創出する。
【0015】
フロッキング効果は、アプリケータ形状の表面を形成する金型キャビティ内にレーザによってエッチングされた微細なマイクロスケールウェル及びナノスケールウェルによって達成される。熱可塑性エラストマー(thermoplastic elastomer、TPE)などの熱可塑性プラスチック材料は、ウェルに流入し、繊維構造を形成し、カーペット様表面を作り出す。
【0016】
材料がウェルに流入することを確実にするための好ましい方法は、キャビティ内への誘導急速加熱の適用を含む。ウェル間の距離、ウェルの深さ、及びウェル断面の形状は、アプリケータの単一表面に沿って変化させることができ、ユーザによって経験されるように、異なるカスタマイズされたリップアプリケータ感触、化粧品ピックアップ(フロッキング効果アプリケータへの製品の巻き取り)、及び化粧品ペイオフ(フロッキング効果アプリケータからユーザへの化粧品の移動)を提供するために調整することができる。
【0017】
更に、これらの金型キャビティ及び結果として生じるフロッキング効果を適用して、アプリケータの部分表面を選択して、注入金型キャビティ内の部分的フロッキング効果表面をデザインして、標的のリップ塗布を調整することができる。材料メルトフローインデックスの所望の範囲が、5~400であることを理解されたい。
【0018】
図1及び図2を参照すると、本発明のアプリケータ1が例示されている。これらのアプリケータは、概して、化粧品、例えば、リップ化粧品を容器からユーザの一部分、例えばユーザの唇に移動するために使用される。本発明の原理は、任意の好適な化粧品を送達又は移動するために使用される適切なアプリケータを製造するために採用され得ることに留意されたい。
【0019】
各アプリケータ1は、概して、長手方向軸6の周りに位置付けられたアプリケータヘッド4を含む。アプリケータヘッド4は、任意の好適な形状であり得る。いくつかの人気のあるデザインは、実質的にスペード形状、弾丸形状、涙滴形状等を含む。各アプリケータ1は、中間部分16によって近位端12から分離された遠位端8を有する。遠位端8は、概して自由端であり、近位端12は、概してハンドル20を含み、ハンドル20で終端する。ハンドル20は、アプリケータヘッド4に取り付けられた、又はアプリケータヘッド4と一体であり、かつアプリケータヘッド4から外向きに延在する別個の構造であり得る。
【0020】
アプリケータヘッド4は、熱可塑性材料などの射出成形可能な材料から製造される。熱可塑性材料は、熱可塑性エラストマー、液体シリコーンゴム(liquid silicone rubber、LSR)などであり得る。射出成形可能な材料は、60ショアA以下の硬度を有する。
【0021】
複数のフロック様延在部24は、アプリケータヘッド4の露出した外面26から長手方向軸6に対して半径方向外向きに延在する。フロッキングは、概して、多くの小さな繊維粒子を表面上に堆積させるプロセスである。それは、通常、高電圧電界の適用によって、接着剤コーティング表面への微粒子の適用として定義される。それはまた、プロセスによって製造されるテクスチャ、又はそのフロッキング表面に主に使用される任意の材料を指し得る。本明細書で使用される「フロック様」という用語は、以下でより詳細に説明されるように、フロッキング及び/又はフロッキングプロセスの定義の範囲に含まれることなく、フロッキングの定義を模倣する状態を定義するために使用される。
【0022】
各フロック様延在部24は、アプリケータヘッド4の射出成形可能な材料から形成される。これらのフロック様延在部24は、アプリケータヘッド4と一体的に形成されている。言い換えれば、アプリケータヘッド4とフロック様延在部24は、フロック様延在部24をアプリケータヘッド4に取り付けるために必要な接着剤又は他の接合技術なしのユニボディ構造である。この構造は、以下でより詳細に説明される本発明の方法において開発される。
【0023】
フロック様延在部24は、摩擦係合時に化粧品を捕捉し、身体部分との更なる係合時に化粧品をユーザの身体部分に堆積させるように構成されており、典型的にはブラッシング動作を使用する。したがって、フロック様延在部24は、典型的にはかなり小さく、通常は、0.08mm以上、好ましくは0.50mm未満、より好ましくは0.35mm未満、最も好ましくは0.08mm~0.35mmの、アプリケータヘッド4の露出した外面26からフロック様延在部24の末端28までを測定した長さを有する。
【0024】
フロック様延在部24は、フロッキング形状32において、アプリケータヘッド4の露出した外面26上に分散している。フロッキング形状32は、中間部分16におけるフロック様延在部24の第1のセット36の長さが、アプリケータ1の遠位端8におけるフロック様延在部24の第2のセット40及びアプリケータ1の近位端12におけるフロック様延在部24の第3のセット44のそれぞれの長さよりも長いことによって、少なくとも部分的に画定される。更に、フロッキング形状32は、露出した外面26上の1つ以上の平滑領域48によって更に画定される。これらの平滑領域48は、概して、フロック様延在部の不在によって画定される非フロッキング領域52、又は長手方向軸6に対して露出した外面26から半径方向外向きに延在するフロック様延在部が0.08mm未満の長さを有するフロック様延在部のセットのうちの少なくとも1つを含む。平滑領域48は、平滑領域48がフロック様延在部24を全く有していない範囲において、平滑領域48上の長さを超える長さを有するフロック様延在部24のセットについての境界を形成することができる。
【0025】
本発明の方法は、化粧品アプリケータを射出成形することを伴う。この方法は、射出成形可能な材料、典型的には熱可塑性材料を金型本体56の金型キャビティ52に導入する工程を含む。金型キャビティ52は、熱可塑性材料と係合する表面60を含む。表面60は、その中に窪む複数のマイクロエッチング特徴部64を含む。金型本体を図3図10に示す。金型本体56は、概して、その中に窪んだ金型キャビティ52の一部分を有する2つのピースに形成され得る。10.(図4A図4B、及び図5を参照)。これらの部分は、射出成形プロセス中に対向関係になる。
【0026】
射出成形材料が固化する際に、射出成型プロセス中に、マイクロエッチング特徴部64が提供されて、フロック様延在部24が形成される。当然、マイクロエッチング特徴部の寸法は、完成したアプリケータ1のフロック様延在部24の寸法と同様になる。各マイクロエッチング特徴部は、0.08mm~0.35mmの深さを有する。複数のマイクロエッチング特徴部64の各々は、表面60の平滑領域66によって分離され得る。マイクロエッチング特徴部64は、金型キャビティ52の第1の部分又は金型キャビティ52の第2の部分のうちの一方又は両方内に位置する。
【0027】
金型キャビティ52はまた、フロッキング形状32を制御する。複数のマイクロエッチング特徴部のパターンは、得られたフロッキング形状32を画定する。したがって、金型キャビティ52の表面60は、マイクロエッチング領域68及び1つ以上の平滑領域66を含む。1つ以上の平滑領域66は、0.08mm未満の深さを有する非マイクロエッチング表面又はマイクロエッチング表面のうちの少なくとも1つを含む。
【0028】
更に、フロッキング形状32によれば、マイクロエッチング特徴部64のそれぞれの深さは等しくなくてもよい。例えば、金型キャビティ表面60は、中間部分80によって近位端76から分離された遠位端72を有する。フロッキング形状32は、マイクロエッチング特徴部88の第2のセット及びマイクロエッチング特徴部92の第3のセットのそれぞれの深さよりも深い深さを有する中間部分80内のマイクロエッチング特徴部84の第1のセットによって、少なくとも部分的に画定される。これは、図5に最もよく図示されている。
【0029】
当然ながら、金型キャビティ52の形状及び寸法は、アプリケータ1の形状及び寸法を制御又は決定する。当然、金型キャビティ52の遠位端72は、アプリケータ1の自由端を作り出すように構成されており、金型キャビティ52の近位端76は、アプリケータ1のハンドル20の少なくとも一部分を作り出すように構成されていることになる。
【0030】
更に、金型キャビティ52は、中間部分80から遠位端72に向かって、遠位端72における金型キャビティ52の長さにわたる金型キャビティ52の断面積が、中間部分80における金型キャビティ52の長さにわたる断面積未満になるように、先細りになっていてもよい。
【0031】
図11A及び図11Bは、本開示の実施形態による化粧品アプリケータを描写する。各フロック様延在部24は、アプリケータヘッド4の射出成形可能な材料から形成され得る(図1及び図2)。これらのフロック様延在部24は、アプリケータヘッド4と一体的に形成され得る。言い換えれば、アプリケータヘッド4とフロック様延在部24は、フロック様延在部24をアプリケータヘッド4に取り付けるために必要な接着剤又は他の接合技術なしのユニボディ構造である。
【0032】
概して、射出成形法は、既知の方法と同様又は同一の方法で実行される。したがって、射出成形方法は、射出成形材料が完全に溶融状態にあるように、射出成形材料が溶融する温度を超える高い温度で金型キャビティ52内に射出成形材料を導入する工程と、射出成形材料が固化する際に、金型キャビティ52の表面仕上げがアプリケータ1へ移動するように、金型52キャビティ内で射出成形材料を固化する工程と、を更に含む。
【0033】
要約すると、本明細書に記載の方法及び装置は、射出成形型内でフロッキング効果を達成する。フロッキング効果は、二次プロセスで達成されたフロッキング効果と同じ又は同様である。金型キャビティ表面を微細なマイクロディープテクスチャでエッチングして、熱可塑性材料を微細なマイクロディープテクスチャに流入させて、硬化時にフロッキングされた繊維を模倣する。微細なマイクロディープテクスチャからの硬化熱可塑性材料は、ビロード状繊維テクスチャを提供する。
【0034】
本発明の利点には、必ずしも限定されないが、
・フロッキング効果を作り出すために、二次フロッキングプロセスが必要ないことと、
・アプリケータの熱可塑性材料とフロッキング効果を作り出す材料との間の相溶性の懸念が排除されていることと、
・部品間の高い複製及び再現性による一貫性のある品質と、
・所望の触覚感、リップ製品の堆積、及び移動を達成するように調整されたより広い材料選択と、
・選択的フロッキング、間隔、直径対深さ比、及び組み合わせに関して、フロッキング効果表面の構造的形状に対する正確な制御を提供することと、
・フロッキング繊維の脱落、又は製品若しくは肌への移動の心配なしで、より安全に使用することと、
・従来の二次フロッキングに関連する接着不良/剥離の問題がないことと、
・より広いデザインの機会(従来のフロッキングでは、制御された若しくは異なる形状、又はビロード状の特徴部の形状の組み合わせを作り出すことができないため)と、が含まれる。また、フロックする領域を選択的に選ぶことで、表面にパターンを創出することもできる(水玉、ロゴなど)。
【0035】
特定の実施形態が例示及び説明されてきたが、本発明の趣旨から著しく逸脱することなく多数の修正が思い浮かぶが、保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
【手続補正書】
【提出日】2022-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品アプリケータに関し、より具体的には、本発明は、アプリケータ及び射出成形型内のフロック様の構造及びアプリケータテクスチャを達成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、アプリケータ上の柔らかい、ビロード状の構造は、微細繊維が表面、又は所望のアプリケータデザインに成形されたポリマーベース材料上に噴霧/堆積される従来のフロッキング方法を介して達成される。強い適合性接着剤は、フロッキングがベース材料に成功裏に付着するために必要である。更に、フロッキングの噴霧プロセスでは、アプリケータ基材の高分子材料がフロッキング力に耐えるのに十分に安定性するか、又は物理的に安定するために、最低限の剛性を有する必要がある。これは通常、ファイバをフロッキングするために最適な表面エネルギーを得るためにベース材料の前処理を必要とする。また、表面の選択的フロックは、品質及び一貫性を低下させるマスキングを必要とする。マスキングは、従来の装飾における一般的なプロセスであり、バリアでフロッキング又は装飾されない物品の領域を覆うか、又は隠す。これにより、フロッキング又は装飾が物品の覆われた、又はマスキングされた領域に堆積されるのを防止する。その領域を覆うと、工程と材料の無駄が増えることになる。
【0003】
化粧品アプリケータのフロッキングは、典型的には、二次プロセス中に達成される。ポリマー部品は、射出成形などの熱可塑性加工中に形成され、前処理を施した後、ポリマー部品の表面に塗布及び繊維堆積の適用を含む二次ブロッキングプロセスが行われる。フロッキングされている部品は、フロッキングプロセス中に安定している部品の少なくとも60ショアA硬度の剛性を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題及び他の問題を解決するために提供され、このタイプの前のアプリケータによって提供されない利点及び態様を提供するために提供される。本発明の特徴及び利点の完全な議論は、添付の図面を参照して進む、以下の詳細な説明に従う。
【0005】
本発明の第1の態様は、本開示の実施形態による、化粧品アプリケータを製造する方法を対象とする。この方法は、熱可塑性材料を金型キャビティに導入する工程を含み、金型キャビティは、熱可塑性材料と係合する表面を提供し得る。表面は、その中に窪む複数のマイクロエッチング特徴部を提供し得る。
【0006】
本発明は、単独で又は任意の合理的な組み合わせで、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。各マイクロエッチング特徴部は、0.08ミリメートル(mm)~0.35mmの深さを有し得る。金型キャビティの表面は、1つ以上の平滑領域を含み得、1つ以上の平滑領域は、0.08mm未満の深さを有する非マイクロエッチング表面又はマイクロエッチング表面のうちの少なくとも1つを含む。複数のマイクロエッチング特徴部の各々は、1つ以上の平滑領域の第1の平滑領域によって分離され得る。第1のマイクロエッチング特徴部の深さは、第2のマイクロエッチング特徴部の深さに等しくなくてもよい。複数のマイクロエッチング特徴部のパターンは、フロッキング形状を画定することができる。金型キャビティ表面は、中間部分によって近位端から分離された遠位端を有することができ、フロッキング形状は、複数のマイクロエッチング特徴部中のマイクロエッチング特徴部の第2のセット、及び複数のマイクロエッチング特徴部中のマイクロエッチング特徴部の第3のセットのそれぞれの深さよりも深い深さを有する中間部分内のマイクロエッチング特徴部の第1のセットによって、少なくとも部分的に画定され得る。金型キャビティの遠位端は、アプリケータの自由端を作り出すように構成され得、金型キャビティの近位端は、アプリケータのハンドルの少なくとも一部分を作り出すように構成され得る。金型キャビティは、中間部分から遠位端に向かって、遠位端における金型キャビティの長さに対して直角にとった金型キャビティ断面積が、中間部分における金型キャビティの長さに対して直角にとった断面積未満になるように、先細りになっていてもよい。金型キャビティは、金型本体内に形成され、金型本体は、第2の金型本体部分と対向関係にある第1の金型本体部分を含み、金型キャビティの第1の部分は、第1の金型本体部分内に窪んでおり、金型キャビティの第2の部分は、第2の金型本体部分内に窪んでいる。複数のマイクロエッチング特徴部は、金型キャビティの第1の部分又は金型キャビティの第2の部分のうちの一方の中に位置し得る。熱可塑性材料は、60ショアA以下の硬度を有し得る。熱可塑性材料は、エラストマーであり得る。この方法は、
i.熱可塑性材料が完全に溶融状態にあるように、熱可塑性材料が溶融する温度よりも高い温度で、熱可塑性材料を金型キャビティ内に導入する工程と、
ii.熱可塑性材料が固化する際に、金型キャビティの表面仕上げがアプリケータに移動するように、熱可塑性材料を金型キャビティ内で固化させる工程と、を更に含み得る。
【0007】
本発明の第2の態様は、上記のように定義された方法のうちの1つに従って製造されたアプリケータを対象とする。アプリケータは、長手方向軸の周りに位置付けられた熱可塑性材料のヘッドを含む。ヘッドは、アプリケータの自由端を形成する遠位端、及びハンドル内で終端する近位端を有する。ヘッドは、露出した外面を更に含む。複数のフロック様延在部は、長手方向軸に対して露出した外面から半径方向外向きに延在し、ヘッドと一体的に形成されている。
【0008】
本発明の第3の態様は、本開示の実施形態による、化粧品アプリケータを対象とする。化粧品アプリケータは、長手方向軸の周りに位置付けられた熱可塑性材料のヘッドを含む。ヘッドは、化粧品アプリケータの自由端を形成する遠位端、及びハンドル内で終端する近位端を有する。ヘッドは、露出した外面を更に含む。複数のフロック様延在部は、長手方向軸に対して露出した外面から半径方向外向きに延在する。複数のフロック様延在部中の各フロック様延在部は、熱可塑性材料からのものであり、ヘッドと一体的に形成されている。
【0009】
本発明の第4の態様は、単独で又は任意の合理的な組み合わせで、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。複数のフロック様延在部中の各フロック様延在部は、アプリケータの露出した外面から少なくとも0.08mm延在する長さを有し得る。複数のフロック様中の各フロック様延在部の長さが、アプリケータの露出した外面から0.35mm以下延在し得る。複数のフロック様延在部は、フロッキング形状内で配置され得、アプリケータの遠位端は、アプリケータの近位端から中間部分によって分離され、フロッキング形状は、中間部分において長手方向軸に対して半径方向外向きに延在する複数のフロック様延在部の第1のセットの長さが、アプリケータの遠位端における複数のフロック様延在部の第2のセット及びアプリケータの近位端における複数のフロック様延在部の第3のセットのそれぞれの長さよりも長いことによって、少なくとも部分的に画定される。化粧品アプリケータの露出した外面は、1つ以上の平滑領域を含み得、1つ以上の平滑領域は、フロック様延在部の不在によって画定される非フロッキング領域、又は長手方向軸に対して半径方向外向きに延在する複数のフロック様延在部中の0.08mm未満の長さを有するフロック様延在部のセット、のうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の図面と併せて以下の明細書から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明を理解するために、ここで、添付の図面を参照して、例として説明する。
図1A図1Aは、本開示の実施形態による、本発明の化粧品アプリケータの側面図である。
図1B図1Bは、本開示の実施形態による、本発明の化粧品アプリケータの側面図である。
図1C図1Cは、本開示の実施形態による、本発明の化粧品アプリケータの側面図である。
図1D図1Dは、本開示の実施形態による、本発明の化粧品アプリケータの側面図である。
図1E図1Eは、本開示の実施形態による、本発明の化粧品アプリケータの側面図である。
図2図2は、本開示の実施形態による、本発明の化粧品アプリケータの部分断面図である。
図3図3は、本開示の実施形態による、本発明の化粧品アプリケータを製造するための金型の立面図である。
図4A図4Aは、本開示の実施形態による、本発明の射出成形方法で使用されるコンプ金型である。
図4B図4Bは、本開示の実施形態による、本発明の射出成形方法で使用されるコンプ金型である。
図5図5は、本開示の実施形態による、例えば、図2による化粧品アプリケータを製造するための、本発明の射出成形方法で使用されるコンプ金型の部分断面図である。
図6図6は、本開示の実施形態による、約0.08mmの深さでマイクロエッチング特徴部を示す、本発明の射出成形方法で使用される金型の90倍の拡大図である。
図7図7は、本開示の実施形態による、約0.2mmの深さでマイクロエッチング特徴部を示す、本発明の射出成形方法で使用される金型の90倍の拡大図である。
図8図8は、本開示の実施形態による、約0.35mmの深さでマイクロエッチング特徴部を示す、本発明の射出成形方法で使用される金型の90倍の拡大図である。
図9図9は、本開示の実施形態による、金型キャビティ表面のマイクロエッチング領域及び平滑領域を示す金型本体の一部分の概略図である。
図10図10は、本開示の実施形態による、金型キャビティ表面のマイクロエッチング領域及び平滑領域を示す金型本体の一部分の概略図である。
図11A図11Aは、本開示の実施形態による、化粧品アプリケータの20倍(11A)及び100倍(11B)での拡大図である。
図11B図11Bは、本開示の実施形態による、化粧品アプリケータの20倍(11A)及び100倍(11B)での拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、多くの異なる形態の実施形態の影響を受けやすいが、本開示は、本発明の原理の例示として考慮されるべきであり、本発明の広い態様を図示された実施形態に限定することを意図しないことを理解した上で、本発明の好ましい実施形態が図面に示され、本明細書で詳細に説明されることになる。
【0013】
本発明は、本開示の実施形態による、アプリケータにおいてフロッキング効果を作り出す新規の方法を対象とする。この方法は、アプリケータに繊維を適用するための二次プロセスの追加を伴う単一の射出成形プロセスにおけるフロッキング効果を達成する。したがって、アプリケータは、アプリケータの所望の領域又は部分にフロック効果を有する射出成形金型から直接製造されることになる。したがって、この方法は、アプリケータ後成形の表面をフロッキングする二次プロセスを必要としない。
【0014】
二次フロッキングプロセスがないため、フロッキング効果以降、安定したフロッキングプロセスを達成するための最低剛性又は最低硬度を満たす必要がない。この場合も、金型の壁又は表面内でエッチングされた微細なフロック様の形状特徴部内にポリマー材料が流れ込むプロセスによって、ツール内でフロッキング効果が達成される。したがって、本発明のプロセスは、成形フロッキング効果を達成するために、60ショアA未満の硬度を有する材料を採用する機会を創出する。
【0015】
フロッキング効果は、アプリケータ形状の表面を形成する金型キャビティ内にレーザによってエッチングされた微細なマイクロスケールウェル及びナノスケールウェルによって達成される。熱可塑性エラストマー(hermoplastic elastomer、TPE)などの熱可塑性プラスチック材料は、ウェルに流入し、繊維構造を形成し、カーペット様表面を作り出す。
【0016】
材料がウェルに流入することを確実にするための好ましい方法は、キャビティ内への誘導急速加熱の適用を含む。ウェル間の距離、ウェルの深さ、及びウェル断面の形状は、アプリケータの単一表面に沿って変化させることができ、ユーザによって経験されるように、異なるカスタマイズされたアプリケータ感触、化粧品ピックアップ(フロッキング効果アプリケータへの製品の巻き取り)、及び化粧品ペイオフ(フロッキング効果アプリケータからユーザへの化粧品の移動)を提供するために調整することができる。
【0017】
更に、これらの金型キャビティ及び結果として生じるフロッキング効果を適用して、アプリケータの部分表面を選択して、注入金型キャビティ内の部分的フロッキング効果表面をデザインして、標的の塗布を調整することができる。材料メルトフローインデックスの所望の範囲が、5~400であることを理解されたい。
【0018】
図1及び図2を参照すると、本発明のアプリケータ1が例示されている。これらのアプリケータは、概して、化粧品、例えば、リップ化粧品を容器からユーザの一部分、例えばユーザの唇に移動するために使用される。本発明の原理は、任意の好適な化粧品を送達又は移動するために使用される適切なアプリケータを製造するために採用され得ることに留意されたい。アプリケータは、リップ、眉、チーク、及び他のタイプのアプリケータを含むが、これらに限定されないことを理解されたい。
【0019】
各アプリケータ1は、概して、長手方向軸6の周りに位置付けられたアプリケータヘッド4を含む。アプリケータヘッド4は、任意の好適な形状であり得る。いくつかの人気のあるデザインは、実質的にスペード形状、弾丸形状、涙滴形状等を含む。各アプリケータ1は、中間部分16によって近位端12から分離された遠位端8を有する。遠位端8は、概して自由端であり、近位端12は、概してハンドル20を含み、ハンドル20で終端する。ハンドル20は、アプリケータヘッド4に取り付けられた、又はアプリケータヘッド4と一体であり、かつアプリケータヘッド4から外向きに延在する別個の構造であり得る。
【0020】
アプリケータヘッド4は、熱可塑性材料などの射出成形可能な材料から製造される。熱可塑性材料は、熱可塑性エラストマー、液体シリコーンゴム(liquid silicone rubber、LSR)などであり得る。射出成形可能な材料は、60ショアA以下の硬度を有する。
【0021】
複数のフロック様延在部24は、アプリケータヘッド4の露出した外面26から長手方向軸6に対して半径方向外向きに延在する。フロッキングは、概して、多くの小さな繊維粒子を表面上に堆積させるプロセスである。それは、通常、高電圧電界の適用によって、接着剤コーティング表面への微粒子の適用として定義される。それはまた、プロセスによって製造されるテクスチャ、又はそのフロッキング表面に主に使用される任意の材料を指し得る。本明細書で使用される「フロック様」という用語は、以下でより詳細に説明されるように、フロッキング及び/又はフロッキングプロセスの定義の範囲に含まれることなく、フロッキングの定義を模倣する状態を定義するために使用される。
【0022】
各フロック様延在部24は、アプリケータヘッド4の射出成形可能な材料から形成される。これらのフロック様延在部24は、アプリケータヘッド4と一体的に形成されている。言い換えれば、アプリケータヘッド4とフロック様延在部24は、フロック様延在部24をアプリケータヘッド4に取り付けるために必要な接着剤又は他の接合技術なしのユニボディ構造である。この構造は、以下でより詳細に説明される本発明の方法において開発される。
【0023】
フロック様延在部24は、摩擦係合時に化粧品を捕捉し、身体部分との更なる係合時に化粧品をユーザの身体部分に堆積させるように構成されており、典型的にはブラッシング動作を使用する。したがって、フロック様延在部24は、典型的にはかなり小さく、通常は、0.08mm以上、好ましくは0.50mm未満、より好ましくは0.35mm未満、最も好ましくは0.08mm~0.35mmの、アプリケータヘッド4の露出した外面26からフロック様延在部24の末端28までを測定した長さを有する。
【0024】
フロック様延在部24は、フロッキング形状32において、アプリケータヘッド4の露出した外面26上に分散している。フロッキング形状32は、中間部分16におけるフロック様延在部24の第1のセット36の長さが、アプリケータ1の遠位端8におけるフロック様延在部24の第2のセット40及びアプリケータ1の近位端12におけるフロック様延在部24の第3のセット44のそれぞれの長さより大きいことによって、少なくとも部分的に画定される。更に、フロッキング形状32は、露出した外面26上の1つ以上の平滑領域48によって更に画定される。これらの平滑領域48は、概して、フロック様延在部の不在によって画定される非フロッキング領域52、又は長手方向軸6に対して露出した外面26から半径方向外向きに延在するフロック様延在部が0.08mm未満の長さを有するフロック様延在部のセットのうちの少なくとも1つを含む。平滑領域48は、平滑領域48がフロック様延在部24を全く有していない範囲において、平滑領域48上の長さを超える長さを有するフロック様延在部24のセットについての境界を形成することができる。
【0025】
本発明の方法は、化粧品アプリケータを射出成形することを伴う。この方法は、射出成形可能な材料、典型的には熱可塑性材料を金型本体56の金型キャビティ52に導入する工程を含む。金型キャビティ52は、熱可塑性材料と係合する表面60を含む。表面60は、その中に窪む複数のマイクロエッチング特徴部64を含む。金型本体を図3図10に示す。金型本体56は、概して、その中に窪んだ金型キャビティ52の一部分を有する2つのピースに形成され得る。10.(図4A図4B、及び図5を参照)。これらの部分は、射出成形プロセス中に対向関係になる。
【0026】
射出成形材料が固化する際に、射出成型プロセス中に、マイクロエッチング特徴部64が提供されて、フロック様延在部24が形成される。当然、マイクロエッチング特徴部の寸法は、完成したアプリケータ1のフロック様延在部24の寸法と同様になる。各マイクロエッチング特徴部は、0.08mm~0.35mmの深さを有する。複数のマイクロエッチング特徴部64の各々は、表面60の平滑領域66によって分離され得る。マイクロエッチング特徴部64は、金型キャビティ52の第1の部分又は金型キャビティ52の第2の部分のうちの一方又は両方の中内に位置する。
【0027】
金型キャビティ52はまた、フロッキング形状32を制御する。複数のマイクロエッチング特徴部のパターンは、得られたフロッキング形状32を画定する。したがって、金型キャビティ52の表面60は、マイクロエッチング領域68及び1つ以上の平滑領域66を含む。1つ以上の平滑領域66は、0.08mm未満の深さを有する非マイクロエッチング表面又はマイクロエッチング表面のうちの少なくとも1つを含む。
【0028】
更に、フロッキング形状32によれば、マイクロエッチング特徴部64のそれぞれの深さは等しくなくてもよい。例えば、金型キャビティ表面60は、中間部分80によって近位端76から分離された遠位端72を有する。フロッキング形状32は、マイクロエッチング特徴部88の第2のセット及びマイクロエッチング特徴部92の第3のセットのそれぞれの深さよりも深い深さを有する中間部分80内のマイクロエッチング特徴部84の第1のセットによって、少なくとも部分的に画定される。これは、図5に最もよく図示されている。
【0029】
当然ながら、金型キャビティ52の形状及び寸法は、アプリケータ1の形状及び寸法を制御又は決定する。当然、金型キャビティ52の遠位端72は、アプリケータ1の自由端を作り出すように構成されており、金型キャビティ52の近位端76は、アプリケータ1のハンドル20の少なくとも一部分を作り出すように構成されていることになる。
【0030】
更に、金型キャビティ52は、中間部分80から遠位端72に向かって、遠位端72における金型キャビティ52の長さに対して直角にとった金型キャビティ52の断面積が、中間部分80における金型キャビティ52の長さに対して直角にとった断面積未満になるように、先細りになっていてもよい。
【0031】
図11A及び図11Bは、本開示の実施形態による化粧品アプリケータを描写する。各フロック様延在部24は、アプリケータヘッド4の射出成形可能な材料から形成され得る(図1及び図2)。これらのフロック様延在部24は、アプリケータヘッド4と一体的に形成され得る。言い換えれば、アプリケータヘッド4とフロック様延在部24は、フロック様延在部24をアプリケータヘッド4に取り付けるために必要な接着剤又は他の接合技術なしのユニボディ構造である。
【0032】
概して、射出成形法は、既知の方法と同様又は同一の方法で実行される。したがって、射出成形方法は、射出成形材料が完全に溶融状態にあるように、射出成形材料が溶融する温度を超える高い温度で金型キャビティ52内に射出成形材料を導入する工程と、射出成形材料が固化する際に、金型キャビティ52の表面仕上げがアプリケータ1へ移動するように、金型52キャビティ内で射出成形材料を固化する工程と、を更に含む。
【0033】
要約すると、本明細書に記載の方法及び装置は、射出成形型内でフロッキング効果を達成する。フロッキング効果は、二次プロセスで達成されたフロッキング効果と同じ又は同様である。金型キャビティ表面を微細なマイクロディープテクスチャでエッチングして、熱可塑性材料を微細なマイクロディープテクスチャに流入させて、硬化時にフロッキングされた繊維を模倣する。微細なマイクロディープテクスチャからの硬化熱可塑性材料は、ビロード状繊維テクスチャを提供する。
【0034】
本発明の利点には、必ずしも限定されないが、
・フロッキング効果を作り出すために、二次フロッキングプロセスが必要ないことと、
・アプリケータの熱可塑性材料とフロッキング効果を作り出す材料との間の相溶性の懸念が排除されていることと、
・部品間の高い複製及び再現性による一貫性のある品質と、
・所望の触覚感、製品の堆積、及び移動を達成するように調整されたより広い材料選択と、
・選択的フロッキング、間隔、直径対深さ比、及び組み合わせに関して、フロッキング効果表面の構造的形状に対する正確な制御を提供することと、
・フロッキング繊維の脱落、又は製品若しくは肌への移動の心配なしで、より安全に使用することと、
・従来の二次フロッキングに関連する接着不良/剥離の問題がないことと、
・より広いデザインの機会(従来のフロッキングでは、制御された若しくは異なる形状、又はビロード状の特徴部の形状の組み合わせを作り出すことができないため)と、が含まれる。また、フロックする領域を選択的に選ぶことで、表面にパターンを創出することもできる(水玉、ロゴなど)。
【0035】
特定の実施形態が例示及び説明されてきたが、本発明の趣旨から著しく逸脱することなく多数の修正が思い浮かぶが、保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品アプリケータを製造する方法であって、
熱可塑性材料を金型キャビティに導入する工程であって、前記金型キャビティが、前記熱可塑性材料と係合する表面含み、前記表面が、その中に窪んだ複数のマイクロエッチング特徴部を含む、導入する工程を含む、方法。
【請求項2】
各マイクロエッチング特徴部が、0.08ミリメートル(mm)~0.35mmの深さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金型キャビティの前記表面が、1つ以上の平滑領域を含み、前記1つ以上の平滑領域が、非マイクロエッチング表面又は0.08mm未満の深さを有するマイクロエッチング表面のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のマイクロエッチング特徴部の各々が、前記1つ以上の平滑領域の第1の平滑領域によって分離されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第1のマイクロエッチング特徴部の深さが、第2のマイクロエッチング特徴部の深さに等しくない、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のマイクロエッチング特徴部のパターンが、フロッキング形状を画定する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記金型キャビティ表面が、近位端から中間部分によって分離された遠位端を有し、
前記フロッキング形状が、前記複数のマイクロエッチング特徴部中のマイクロエッチング特徴部の第2のセット、及び前記複数のマイクロエッチング特徴部中のマイクロエッチング特徴部の第3のセットの前記それぞれの深さよりも深い深さを有する前記中間部分内のマイクロエッチング特徴部の第1のセットによって、少なくとも部分的に画定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記金型キャビティの前記遠位端が、前記アプリケータの自由端を作り出すように構成されており、前記金型キャビティの前記近位端が、前記アプリケータのハンドルの少なくとも一部分を作り出すように構成されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記金型キャビティは、前記中間部分から前記遠位端に向かって、前記遠位端における前記金型キャビティの長さに対して直角にとった前記金型キャビティの断面積が、前記中間部分における前記金型キャビティの前記長さに対して直角にとった断面積未満になるように、先細りになっている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記金型キャビティが、金型本体内に形成され、前記金型本体が、第2の金型本体部分と対向関係にある第1の金型本体部分を含み、前記金型キャビティの第1の部分が、前記第1の金型本体部分内に窪んでおり、前記金型キャビティの第2の部分が、前記第2の金型本体部分内に窪んでいる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のマイクロエッチング特徴部が、前記金型キャビティの前記第1の部分又は前記金型キャビティの前記第2の部分のうちの一方の中に位置する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記熱可塑性材料が、60ショアA以下の硬度を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記熱可塑性材料が、エラストマーである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
熱可塑性材料が完全に溶融状態にあるように、熱可塑性材料が溶融する温度よりも高い温度で、熱可塑性材料を金型キャビティ内に導入する工程と、
熱可塑性材料が固化する際に、金型キャビティの表面仕上げがアプリケータに移動するように、熱可塑性材料を金型キャビティ内で固化させる工程と、を更に含み得る、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法に従って製造されるアプリケータであって、
長手方向軸の周りに位置付けられた熱可塑性材料のヘッドであって、前記アプリケータの自由端を形成する遠位端、及びハンドル内で終端する近位端を有し、露出した外面を更に含む、熱可塑性材料のヘッドと、
前記長手方向軸に対して前記露出した外面から半径方向外向きに延在し、前記ヘッドと一体的に形成された複数のフロック様延在部と、を備える、アプリケータ。
【請求項16】
化粧品アプリケータであって、
長手方向軸の周りに位置付けられた熱可塑性材料のヘッドであって、前記化粧品アプリケータの自由端を形成する遠位端、及びハンドル内で終端する近位端を有し、露出した外面を更に含む、熱可塑性材料のヘッドと、
前記長手方向軸に対して前記露出した外面から半径方向外向きに延在する複数のフロック様延在部であって、前記複数のフロック様延在部中の各フロック様延在部が、前記熱可塑性材料から形成され、前記ヘッドと一体的に形成されている、複数のフロック様延在部と、を備える、化粧品アプリケータ。
【請求項17】
前記複数のフロック様延在部中の各フロック様延在部が、前記アプリケータの前記露出した外面から少なくとも0.08mm延在する長さを有する、請求項16に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項18】
前記複数のフロック様中の各フロック様延長部の長さが、前記アプリケータの前記露出した外面から0.35mm以下延在する、請求項17に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項19】
前記複数のフロック様延在部が、フロッキング形状内に配置され、前記アプリケータの前記遠位端が、中間部分によって前記アプリケータの前記近位端から分離されており、
前記フロッキング形状は、前記中間部分において前記長手方向軸に対して半径方向外向きに延在する前記複数のフロック様延在部の第1のセットの前記長さが、前記アプリケータの前記遠位端における前記複数のフロック様延在部の第2のセット及び前記アプリケータの前記近位端における前記複数のフロック様延在部の第3のセットのそれぞれの長さよりも長いことによって、少なくとも部分的に画定される、請求項18に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項20】
前記露出した外面が、1つ以上の平滑領域を含み、前記1つ以上の平滑領域が、フロック様延在部の不在によって画定される非フロッキング領域、又は長手方向軸に対して半径方向外向きに延在する前記複数のフロック様延在部中の0.08mm未満の長さを有するフロック様延在部のセット、のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の化粧用アプリケータ。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
【国際調査報告】